JP7338303B2 - 接着剤セット及び構造体の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、接着剤セット、及びこれを用いた構造体の製造方法に関する。
従来、(メタ)アクリル系接着剤は、自動車分野をはじめとした様々な分野に用いられており、中でも、第一液及び第二液を備え、これらを混合することにより室温程度(例えば30℃)かつ短時間で硬化する接着剤(いわゆる室温速硬化性の二液型接着剤)は種々検討されている。このような二液型の(メタ)アクリル系接着剤として、例えば特許文献1には、シアノアクリレート成分を含む、二液型硬化性組成物が開示されている。
特表2015-509126号公報
二液型接着剤は、一液型接着剤に比べて貯蔵安定性に優れる傾向にある。しかしながら、シアノアクリレートを含む二液型の(メタ)アクリル系接着剤は、空気中の水分に起因してシアノアクリレートが重合を起こすため、貯蔵安定性が低下する傾向にある。そこで、シアノアクリレートを含まなくても室温で速硬化できる二液型接着剤が求められている。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、室温での速硬化性に優れる接着剤セット、及び該接着剤セットを用いた構造体の製造方法を提供することを目的とする。
本発明の一側面は、重合開始剤を含有する第一液と、還元剤を含有する第二液とを備え、第一液及び第二液の少なくとも一方は、モノマーとして(メタ)アクリロイルモルホリンを更に含有する、接着剤セットに関する。
上記接着剤セットは、モノマーとして(メタ)アクリロイルモルホリンを含有するため、室温での速硬化性に優れる。このため、接着剤セットが備える2液を被着体間に配置することで、室温での速硬化、すなわち、室温における被着体同士の短時間での接着が可能となる。
(メタ)アクリロイルモルホリンの含有量は、第一液及び第二液に含まれるモノマーの総量100質量部に対して20質量部以上であってよい。還元剤は、遷移金属塩を含んでいてよい。
本発明の他の一側面は、上記接着剤セットを用いて被着体同士を接着する工程を備え、前記工程において、被着体間に第一液及び第二液を配置する、構造体の製造方法に関する。
上記製造方法によれば、被着体同士を室温において短時間で接着することができ、被着体同士が好適に接着された構造体が得られる。
本発明によれば、室温での速硬化性に優れる接着剤セット、及び該接着剤セットを用いた構造体の製造方法が提供される。
以下、本発明の実施形態について説明する。ただし、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。なお、本明細書中、(メタ)アクリルとは、アクリル及びそれに対応するメタクリルを意味し、(メタ)アクリロイルとは、アクリロイル及びそれに対応するメタクリロイルを意味する。
[接着剤セット]
本実施形態に係る接着剤セットは、重合開始剤を含有する第一液と、還元剤を含有する第二液とを備える接着剤セット(二液型接着剤とも呼ばれる)である。第一液及び第二液の少なくとも一方はモノマーとして、(メタ)アクリロイルモルホリンを含有する。
本実施形態に係る接着剤セットは、第一液と第二液とを混合した後に短時間で接着性を発現することができ、室温での速硬化性に優れる接着剤セットである。このような効果が奏される理由は必ずしも明らかではないが、モノマーとして(メタ)アクリロイルモルホリンを用いることで、重合開始剤と還元剤との酸化還元反応により発生するラジカルが(メタ)アクリロイルモルホリンのラジカル反応を促進し、更に(メタ)アクリロイルモルホリンから発生するラジカルによってモノマーの重合が連鎖的に進行するためと考えられる。
第一液及び第二液を混合する際の親和性に優れ、混合度を高くでき、かつ特性のばらつきを抑える観点から、一実施形態において、第一液は、(メタ)アクリロイルモルホリン及び重合開始剤を含有し、第二液は、(メタ)アクリロイルモルホリン及び還元剤を含有する。
他の一実施形態において、第一液は、(メタ)アクリロイルモルホリン及び重合開始剤を含有し、第二液は、還元剤を含有する((メタ)アクリロイルモルホリンを含有しない)。他の一実施形態において、第一液は、重合開始剤を含有し((メタ)アクリロイルモルホリンを含有しない)、第二液は、(メタ)アクリロイルモルホリン及び還元剤を含有する。
((メタ)アクリロイルモルホリン)
(メタ)アクリロイルモルホリンとして、4-アクリロイルモルホリン又は4-メタクリロイルモルホリンを用いることができる。(メタ)アクリロイルモルホリンが第一液及び第二液の両方に含まれる場合、第一液に含まれる(メタ)アクリロイルモルホリンと、第二液に含まれる(メタ)アクリロイルモルホリンとは、互いに同じであっても異なっていてもよく、好ましくは互いに同じである。
第一液及び第二液に含有される(メタ)アクリロイルモルホリンの総量(以下、単に(メタ)アクリロイルモルホリンの含有量という。)は、第一液及び第二液に含まれるモノマーの総量100質量部に対して、例えば10質量部以上100質量部以下であってよい。室温での速硬化性により優れる観点から、(メタ)アクリロイルモルホリンの含有量は、15質量部以上、20質量部以上、25質量部以上、又は30質量部以上であってよい。第一液と第二液との混合物の可使時間を調整する観点から、(メタ)アクリロイルモルホリンの含有量は、第一液及び第二液に含まれるモノマーの総量100質量部に対して、95質量部以下、90質量部以下、85質量部以下、80質量部以下、又は75質量部以下であってよい。
接着剤セットは、(メタ)アクリロイルモルホリン以外のモノマー(以下、単に他のモノマーという。)を含んでいてもよい。他のモノマーは、第一液及び第二液の一方又は両方に含まれていてよく、第一液及び第二液とは異なる第三液に含まれていてもよい。
他のモノマーとしては、例えば、少なくとも1つの(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリルモノマーであってよい。(メタ)アクリルモノマーは、脂肪族(メタ)アクリレート、脂環式(メタ)アクリレート、芳香族(メタ)アクリレート、複素環式(メタ)アクリレート等であってよい。また、(メタ)アクリルモノマーは、例えば、N,N-ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジエチル(メタ)アクリルアミド、N-メチル(メタ)アクリルアミド等のアミノ基を有する(メタ)アクリルモノマーであってもよい。
脂肪族(メタ)アクリレートとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、tert-ブチル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ヘプチル(メタ)アクリレート、オクチルヘプチル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ウンデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、テトラデシル(メタ)アクリレート、ペンタデシル(メタ)アクリレート、ヘキサデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ベヘニル(メタ)アクリレート、メトキシエチルアクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、及びモノ(2-(メタ)アクリロイロキシエチル)スクシネートが挙げられる。
脂環式(メタ)アクリレートとしては、例えば、シクロペンチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、シクロペンチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、モノ(2-(メタ)アクリロイロキシエチル)テトラヒドロフタレート、及びモノ(2-(メタ)アクリロイロキシエチル)ヘキサヒドロフタレートが挙げられる。
芳香族(メタ)アクリレートとしては、例えば、ベンジル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、o-ビフェニル(メタ)アクリレート、1-ナフチル(メタ)アクリレート、2-ナフチル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、p-クミルフェノキシエチル(メタ)アクリレート、o-フェニルフェノキシエチル(メタ)アクリレート、1-ナフトキシエチル(メタ)アクリレート、2-ナフトキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシ-3-フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシ-3-(o-フェニルフェノキシ)プロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシ-3-(1-ナフトキシ)プロピル(メタ)アクリレート、及び2-ヒドロキシ-3-(2-ナフトキシ)プロピル(メタ)アクリレートが挙げられる。
複素環式(メタ)アクリレートとしては、例えば、2-テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、N-(メタ)アクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタルイミド、及び2-(メタ)アクリロイロキシエチル-N-カルバゾールが挙げられる。
(メタ)アクリロイルモルホリンとの相溶性に優れる観点から、他のモノマーとして、極性の高いモノマーを用いることが好ましい。極性の高いモノマーとして、メトキシエチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、ジメチル(メタ)アクリルアミド、及び2-テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレートから選ばれる少なくとも1種を用いてもよい。
他のモノマーは、1種類を単独で又は2種類以上を組み合わせて用いることができる。他のモノマーが第一液及び第二液の両方に含まれる場合、第一液に含まれる他のモノマーと、第二液に含まれる他のモノマーとは、互いに同じであっても異なっていてもよく、好ましくは互いに同じである。
(重合開始剤)
重合開始剤は、例えば、ラジカル重合開始剤であってよい。ラジカル重合開始剤は、例えば、有機過酸化物又はアゾ化合物であってよい。有機過酸化物は、例えば、ハイドロパーオキサイド、パーオキシジカーボネート、パーオキシエステル、パーオキシケタール、ジアルキルパーオキサイド、ジアシルパーオキサイド等であってよい。アゾ化合物は、AIBN(2、2’-アゾビスイソブチロニトリル)、V-65(アゾビスジメチルバレロニトリル)等であってよい。重合開始剤は、1種類を単独で又は2種類以上を組み合わせて用いることができる。
ハイドロパーオキサイドとしては、例えば、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド及びクメンハイドロパーオキサイドが挙げられる。
パーオキシジカーボネートとしては、例えば、ジ-n-プロピルパーオキシジカーボネート、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ビス(4-t-ブチルシクロへキシル)パーオキシジカーボネート、ジ-2-エトキシメトキシパーオキシジカーボネート、ジ(2-エチルへキシルパーオキシ)ジカーボネート、ジメトキシブチルパーオキシジカーボネート、及びジ(3-メチル-3メトキシブチルパーオキシ)ジカーボネートが挙げられる。
パーオキシエステルとしては、例えば、クミルパーオキシネオデカノエート、1,1,3,3-テトラメチルブチルパーオキシネオデカノエート、1-シクロへキシル-1-メチルエチルパーオキシネオデカノエート、t-へキシルパーオキシネオデカノエート、t-ブチルパーオキシピバレート、1,1,3,3-テトラメチルブチルパーオキシ-2-エチルへキサノネート、2,5-ジメチル-2,5-ジ(2-エチルヘキサノイルパーオキシ)ヘキサン、1-シクロへキシル-1-メチルエチルパーオキシ-2-エチルヘキサノネート、t-へキシルパーオキシ-2-エチルへキサノネート、t-ブチルパーオキシ-2-エチルへキサノネート、t-ブチルパーオキシイソブチレート、1,1-ビス(t-ブチルパーオキシ)シクロへキサン、t-ブチルパーオキシ-3,5,5-トリメチルへキサノネート、t-ブチルパーオキシラウレート、2,5-ジメチル-2,5-ジ(m-トルオイルパーオキシ)へキサン、t-へキシルパーオキシベンゾエート、及びt-ブチルパーオキシアセテートが挙げられる。
パーオキシケタールとしては、例えば、1,1-ビス(t-へキシルパーオキシ)-3,3,5-トリメチルシクロへキサン、1,1-ビス(t-へキシルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1-ビス(t-ブチルパーオキシ)-3,3,5-トリメチルシクロへキサン、1,1-ビス(t-ブチルパーオキシ)シクロドデカン、及び2,2-ビス(t-ブチルパーオキシ)デカンが挙げられる。
ジアルキルパーオキサイドとしては、例えば、α,α’-ビス(t-ブチルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン、ジクミルパーオキサイド、2,5-ジメチル-2,5-ジ(t-ブチルパーオキシ)へキサン、及びt-ブチルクミルパーオキサイドが挙げられる。
ジアシルパーオキサイドとしては、例えば、イソブチルパーオキサイド、2,4-ジクロロベンゾイルパーオキサイド、3,5,5-トリメチルへキサノイルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ステアロイルパーオキサイド、スクシニツクパーオキサイド、ベンゾイルパーオキシトルエン、及びベンゾイルパーオキサイドが挙げられる。
ラジカル重合開始剤は、貯蔵安定性の観点から、好ましくは有機過酸化物であり、より好ましくはハイドロパーオキサイドであり、更に好ましくはクメンハイドロパーオキサイドである。
第一液における重合開始剤の含有量は、第一液及び第二液に含まれるモノマーの総量100質量部に対して、例えば、0.1質量部以上、0.5質量部以上、又は1質量部以上であってよく、20質量部以下、15質量部以下、又は10質量部以下であってよい。
(還元剤)
還元剤は、例えば、第3級アミン、チオ尿素誘導体、遷移金属塩等であってよい。第3級アミンとしては、例えば、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、及びN,N-ジメチルパラトルイジンが挙げられる。チオ尿素誘導体としては、例えば、2-メルカプトベンズイミダゾール、メチルチオ尿素、ジブチルチオ尿素、テトラメチルチオ尿素、及びエチレンチオ尿素が挙げられる。遷移金属塩としては、例えば、ナフテン酸コバルト、ナフテン酸銅、及びバナジルアセチルアセトネートが挙げられる。還元剤は、1種類を単独で又は2種類以上を組み合わせて用いることができる。
還元剤は、硬化速度の観点から、チオ尿素誘導体又は遷移金属塩を含むことが好ましく、遷移金属塩を含むことがより好ましく、バナジルアセチルアセトネートを含むことが更に好ましい。チオ尿素誘導体は、例えば、エチレンチオ尿素であってよい。
第二液における還元剤の含有量は、第一液及び第二液に含まれるモノマーの総量100質量部に対して、例えば0.005質量部以上10質量部以下又は0.01質量部以上5質量部以下であってよい。還元剤が遷移金属塩を含む場合の第二液における遷移金属塩の含有量は、第一液及び第二液に含まれるモノマーの総量100質量部に対して、室温での速硬化性により優れる観点から、0.01質量部以上、0.015質量部以上、又は0.02質量部以上であってよく、混合物の可使時間を調整する観点から、2質量部以下、1質量部以下、0.5質量部以下、又は0.3質量部以下であってよい。
接着剤セットは、モノマー、重合開始剤及び還元剤以外のその他の成分を含んでいてもよい。その他の成分は、第一液及び第二液の一方又は両方に含まれていてよく、第一液及び第二液とは異なる第三液に含まれていてもよい。
その他の成分は、貯蔵安定性を向上させる目的から、重合禁止剤であってよい。重合禁止剤としては、例えば、ハイドロキノン、メチルハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、カテコール、ピロガロール、及びフェノチアジンが挙げられる。
その他の成分は、酸素による重合阻害を防止する目的から、パラフィン類であってよい。パラフィン類としては、例えば、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、カルナバワックス、蜜ろう、ラノリン、鯨ろう、セレシン、及びカンデリラろうが挙げられる。
その他の成分は、液だれの防止、チクソ性の付与、接着強度の向上等の目的から、フィラーであってよい。フィラーの形状は、例えば、繊維状又は球状であってもよい。
フィラーの成分としては、例えば、銀粉、金粉、銅粉、ニッケル粉等の金属フィラー;アルミナ、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、結晶性シリカ、非晶性シリカ、窒化ホウ素、チタニア、ガラス、酸化鉄、セラミック等の無機フィラー;及びカーボン、ゴム系フィラー等の有機フィラーが挙げられる。
本実施形態に係る接着剤セットは、第一液と第二液とから構成される二液型の(メタ))アクリル系接着剤であり、貯蔵安定性に優れ、室温での長期保管が可能であると共に、第一液と第二液との混合物は室温での速硬化性に優れる。
[構造体の製造方法]
本実施形態に係る接着剤セットを用い、各種被着体を接着することができる。本実施形態に係る構造体の製造方法は、上述の接着剤セットを用いて被着体同士を接着する工程(接着工程)を備えている。
接着工程においては、被着体間に第一液及び第二液を配置する。被着体は、例えば、鋼、鉄、銅、ブリキ、アルミニウム、ステンレス等の金属、樹脂、炭素繊維強化プラスチック等で形成されている。接着対象である二つの被着体は、互いに同種の材料で形成されていてよく、互いに異種の材料で形成されていてもよい。
接着工程では、具体的には、例えば、一の被着体と他の被着体とを所定の隙間を空けて配置し、ミキシングノズル等の装置を用いて、当該隙間に第一液及び第二液を注入する。接着工程では、被着体間に注入するのと略同時に第一液及び第二液を混合してもよく、被着体間に注入する直前に第一液及び第二液を混合してもよい。第一液及び第二液が互いに混合することによりその混合物が速硬化し、被着体同士が接着される。
本実施形態に係る接着剤セットは、室温において短時間で硬化可能である。すなわち、この製造方法で用いられる接着剤セットは、第一液と第二液との混合物は、室温で適度な可使時間を有しつつ、被着体同士を接着する際に室温での硬化時間を短くすることができる。
可使時間とは、第一液と第二液とを混合した後、増粘し始めるまでの時間をいう。室温での可使時間は、例えば30分以下又は20分以下であってよく、好ましくは10分以下又は5分以下である。室温での可使時間は、例えば5秒以上又は10秒以上であってよく、作業性の観点から、好ましくは30秒以上又は1分以上である。室温での可使時間は、(メタ)アクリロイルモルホリンの含有量、還元剤の種類等を変更することで、適宜調整することができる。
硬化時間とは、第一液と第二液との混合物が実用的な強度を発揮するまでの時間をいう。硬化時間は、45分以下、30分以下又は20分以下であってよく、室温での速硬化性の観点から、好ましくは10分以下又は5分以下である。硬化時間は、例えば30秒以上であってよい。硬化時間は、(メタ)アクリロイルモルホリンの含有量、還元剤の種類等を変更することで、適宜調整することができる。
本実施形態に係る接着剤セットは室温で硬化可能であるため、接着工程が実施される温度は、例えば5℃以上、10℃以上、又は20℃以上であってよく、60℃以下、50℃以下、又は40℃以下であってよい。接着工程は、段階的に温度を変更しながら実施されてよく、例えば、40℃以下の温度で接着させた後、100℃以下の温度でアフターキュアを行ってもよい。
以上の製造方法により得られる構造体は、一の被着体と、他の被着体と、一の被着体及び他の被着体を接着する接着部とを備えている。接着部は、上述の接着剤セットを構成する液の混合物(例えば、第一液及び第二液の混合物)の硬化物である。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
モノマーとして、アクリルロイルモルホリン(ACMO)、フェノキシエチルアクリレート(PEA)及びジメチルアクリルアミド(DMAA)を準備した、重合開始剤として、クメンハイドロパーオキサイドを準備した。還元剤としてバナジルアセチルアセトネート(還元剤1)及びエチレンチオ尿素(還元剤2)を準備した。
(実施例1~8及び比較例1~3)
モノマー及び重合開始剤を表1に示す配合量で混合し、第一液を得た。また、モノマー及び還元剤を表1及び2に示す配合量で混合し、第二液を得た。
<接着剤の評価>
第一液及び第二液を1:1の質量比で混合した混合物の室温における硬化性を評価した。結果を表1及び2に示す。
(可使時間)
混合物が25℃で増粘し始めるまでの時間を可使時間とした。可使時間が5分未満を「A」、5分以上30分未満を「B」、30分以上を「C」とした。
(硬化時間)
混合物のFT-IRスペクトル測定を25℃で測定し、1620cm-1付近のモノマーの炭素間二重結合に由来するピークが消失するまでの時間を硬化時間とした。硬化時間が10分未満を「A」、10分以上45分未満を「B」、45分以上を「C」とした。
Figure 0007338303000001
Figure 0007338303000002

Claims (3)

  1. 重合開始剤を含有する第一液と、還元剤を含有する第二液とを備え、
    前記還元剤が、ナフテン酸コバルト、ナフテン酸銅及びバナジルアセチルアセトネートから選択される遷移金属塩、又は、チオ尿素誘導体を含み、
    前記第一液及び前記第二液の少なくとも一方は、モノマーとして(メタ)アクリロイルモルホリンを更に含有する、接着剤セット。
  2. 前記(メタ)アクリロイルモルホリンの含有量が、前記第一液及び前記第二液に含まれるモノマーの総量100質量部に対して20質量部以上である、請求項1に記載の接着剤セット。
  3. 請求項1又は2に記載の接着剤セットを用いて被着体同士を接着する工程を備え、
    前記工程において、前記被着体間に前記第一液及び前記第二液を配置する、構造体の製造方法。
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