JP2021031128A - 真空包装機 - Google Patents
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Abstract
【課題】真空包装機において、シール面の平面度が良好でない場合においても密閉空間の形成を容易にして優れたシール性能を得る。【解決手段】真空包装機10では、パッキン70は、チャンバカバー22の接続部23の取付溝23aに嵌め込まれる基部71と、基部71の露出側端73から密閉空間SSの側方外側に向けて斜めに立ち上がる鰭(ひれ)状の板状部76と、を有したため、チャンバベース21とチャンバカバー22の間には鰭のようなパッキン70の薄板状の板状部76が介在して板状部76がチャンバベース21の当接部24に柔軟に当接する。これにより、パッキン70が当接する当接部24の当接面24aの表面仕上げの状態が粗い場合や、経年劣化等によりパッキン70の表面が波打っていたりうねっていたりして凹凸ができる場合等、シール面の平面度が良好でない場合であっても密閉空間SSの形成を容易にして優れたシール性能を得ることができた。【選択図】図8
Description
本発明は、真空包装のための密閉空間を形成し得る真空チャンバを備えた真空包装機に関する。
下記の特許文献1,2に開示されている真空包装機や真空包装装置では、真空室(密閉空間)の気密性を確実にし得る部材として、例えば、断面が円形状や四角形状のシール材やシール部材を備えている。これらのシール材等は、耐圧容器を構成する容器本体と蓋体の間(特許文献1)や、真空容器を構成する上蓋と下蓋の間(特許文献2)に介在することによって両者を気密に密着させて真空室を形成可能にしている。
上記特許文献1,2では、これらのシール材等は、断面形状が円形や四角形であり、耐圧容器等を構成する蓋体または容器本体の一方の容体に設けられる凹溝に嵌入されて取り付けられている。そのため、真空室を形成するには、容器本体と蓋体が閉じた状態においてシール材等が他方の容体に密着する必要があり、シール面の平面度が悪い場合にはシール不良に陥る可能性があることから、真空室(密閉空間)の形成が困難になるおそれがあった。
シール面の平面度は、シール材等の表面やシール材等が当接する相手側(他方の容体)の平坦面が均一であるほど良好であると言えるが、シール材等の表面は経年劣化等により波打っていたりうねっていたりして凹凸ができる場合がある。また、容器本体または蓋体の他方の容体においては、その平坦面の平面度を良好にするためには金型や加工の精度を高める必要があることから、製品コストの増加に繋がり得る。本発明は、シール面の平面度が良好でない場合においても密閉空間の形成を容易にして優れたシール性能を得ることを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は、真空包装のための密閉空間を形成し得る真空チャンバを備えた真空包装機であって、真空チャンバは、第1チャンバ体と、第2チャンバ体と、これらのチャンバ体の間に介在する環状のパッキンと、を備え、パッキンは、短手方向の断面形状において、第1チャンバ体または第2チャンバ体のいずれか一方の接続部に設けられた取付溝に嵌め込まれる基部と、基部の反嵌入側端から密閉空間の側方外側に向けて斜めに立ち上がる板状の密着部と、を有したことを特徴とする真空包装機を提供するものである。
上記のように構成した真空包装機において、パッキンは、取付溝に嵌め込まれる基部と、基部の反嵌入側端から密閉空間の側方外側に向けて斜めに立ち上がる板状の密着部と、を有したため、第1チャンバ体と第2チャンバ体の間には、パッキンの板状の密着部が介在して、密着部が第1チャンバ体または第2チャンバ体に柔軟に当接する。これにより、パッキンが当接する第1チャンバ体または第2チャンバ体の平坦面の表面仕上げの状態が粗い場合や、経年劣化等によりパッキンの表面が波打っていたりうねっていたりして凹凸ができる場合等、シール面の平面度が良好でない場合であっても密閉空間の形成を容易にして優れたシール性能を得ることができた。
上記のように構成した真空包装機においては、密着部は、反嵌入側端の密閉空間側から密閉空間の側方外側に向けて斜めに立ち上がるのが好ましい。これにより、密着部の根元は密閉空間側に位置するため、密閉空間の形成中に真空引きが開始されるとその負圧によって密着部が密閉空間側に引っ張られながら潰れるので、密着部が密閉空間の側方外側方向に逃げにくい。したがって、密着部の根元が密閉空間の側方外側に位置する場合に比べてパッキンのシール性能を高めることができた。
また、この場合において、密着部は、反嵌入側端から斜めに立ち上がる側部が面取りされているのが好ましい。このようにしたときには、密着部が潰れる際に面取りされているぶん側部がはみ出しにくくなる。これにより、このような面取りがされていない場合に側部の一部がはみ出して千切れるようなことにはなりにくい。したがって、面取りがされていない場合に比べてパッキンの破損を抑制することができた。
上記のように構成した真空包装機においては、密着部は、反嵌入側端であって密着部が存在しない部分に突起部を有するのが好ましい。これにより、密閉空間を形成する際や形成中に密着部が反嵌入側端側に倒れるように潰れて反嵌入側端に密着しても、密着部と反嵌入側端の間には突起部が存在する。そのため、例えば、パッキン自体や、反嵌入側端や密着部が粘着性の高い材料で構成されている場合においても反嵌入側端と密着部の貼り付きを抑制して解離を容易にする。したがって、密閉空間の開放時(第1チャンバ体と第2チャンバ体が閉じ状態から開き状態に移行した時)には、密着部の形状の復元が促進されるため、粘着性の高い材料で密着部等を構成しても、再度、密閉空間を形成する際に優れたシール性能を得ることが可能になった。
上記のように構成した真空包装機においては、基部は、嵌入側端に、パッキンの長手方向に延びる溝部を有するのが好ましい。これにより、密閉空間を形成する際や形成中に密着部や基部が潰れたことによって生じる応力による嵌入側端の変形を、溝部内の空間に吸収させることが可能になる。そのため、このような溝部が嵌入側端に存在しない場合に比べてパッキンの取付溝に加わる応力が低減するので、例えば、取付溝が設けられる第1チャンバ体や第2チャンバ体の機械的強度を小さくすることが可能になる。したがって、パッキンの取付溝が設けられる第1チャンバ体や第2チャンバ体を、機械的強度が低い比較的安価な樹脂材料で構成することができるようになった。
以下、本発明の真空包装機の一実施形態を添付図面を参照して説明する。図1〜図4に示したように、真空包装機10は、ケーシング11の上部に設けられたチャンバ20と、チャンバ20内にて包装袋の開口周縁部を密封する封止装置30と、ケーシング11でチャンバ20の下側となる下部にチャンバ20内を脱気して負圧化させる真空ポンプ40とを備えている。以下の説明では、チャンバ20の一方の側部を前部とし、他方の側部を後部とし、前部と後部を結ぶ方向を前後方向とし、前後方向と水平方向に直交する方向を左右方向として説明する。
ケーシング11は、略直方体形状をし、ケーシング11の上部にはチャンバ20が設けられている。チャンバ20は、ケーシング11の上部に設けたチャンバベース21とチャンバカバー22とパッキン70とを備え、チャンバベース21の上側をパッキン70が取り付けられたチャンバカバー22により開閉自在に塞ぐことで内部に包装袋を収容し得る密閉空間を区画形成可能に構成されている。
図2に示したように、チャンバベース21は、上面が開口した略直方体形状をした深さの浅い箱体であり、ステンレス等の板金部材をプレス加工によって形成したものである。図3に示したように、チャンバベース21の前部には他の部分より浅く形成された段部21aが形成されており、段部21aの上側には封止装置30を構成する下側ブロック31が上下に移動可能に設けられている。
図4に示したように、チャンバベース21の段部21aを除く部分は左右方向の中央部が最も低くなるように湾曲しており、チャンバ20内に収容する包装袋は最も低くなっている左右方向の中央部に置かれやすくなっている。包装袋はチャンバ20内で左右方向の中央に置かれることで、包装袋の開口周縁部は下側ブロック31の左右方向の中央部に載せられる。また、包装袋内にブロック肉等の高さの高い被包装物を入れているときには、包装袋の開口周縁部に皺を発生させないようにするために、包装袋内の被包装物はチャンバ20の前部に配置される下側ブロック31から後側に離した位置として前後方向の中間部に置かれる。
図1及び図2に示したように、チャンバカバー22は、チャンバベース21の上面開口を開閉自在に塞ぐ耐圧性のアクリル材、ポリカーボネート材またはポリエチレンテレフタラート等の透明性のある材料を用いた蓋体であり、チャンバベース21との間に包装袋を収容可能な密閉された空間(密閉空間)を形成し得るものである。チャンバカバー22の後端部はケーシング11の後端部に水平軸線回りに回動可能に軸支されており、チャンバカバー22の前部は上下に回動可能となっている。図1に示したように、チャンバカバー22は水平位置にあるときにはチャンバベース21の上面開口を塞ぐ閉塞位置となっている。図2に示したように、チャンバカバー22の前部を上側に回動させると、チャンバカバー22は傾斜位置になってチャンバベース21の上面を開放する開放位置となる。
図2及び図3に示したように、ケーシング11の後部にはガススプリング12が設けられており、ガススプリング12はチャンバカバー22の前部を上方に付勢しており、チャンバカバー22をチャンバベース21から開放する開放位置に付勢している。図2〜図4に示したように、チャンバカバー22の下面の周縁の接続部23にはシール部材としてパッキン70が設けられている。
パッキン70は、例えば、合成ゴムやシリコンゴム等の弾性のある高分子材料(エラストマー)により構成されており、接続部23に設けられた矩形の環状の取付溝に嵌入されて取り付けられている。パッキン70はチャンバカバー22を閉じて閉塞位置としたときにチャンバカバー22の当接部24に当接してチャンバベース21とチャンバカバー22との間を気密にシールする。なお、パッキン70の構成等については、図8〜図12を参照しながら後述する。
図1及び図4に示したように、チャンバカバー22は、左右方向の両側部に平坦な板状を呈した平坦部22aと、左右方向の中央部に上側に膨らむように突出する突出部22bを備えている。また、平坦部22aと突出部22bとの間には平坦部22aから突出部22bに立ち上がる立ち上がり部22cが形成されている。
平坦部22aの下面は、チャンバベース21の上縁部と当接する高さとなっており、チャンバベース21の左右両側部を覆っている。チャンバ20内に収容された包装袋は、チャンバベース21の底壁の湾曲面によって左右方向の中央部に置かれやすくなっており、高さの高い被包装物を入れた包装袋をチャンバベース21の左右方向の中央部に置いたときに、チャンバカバー22の平坦部22aの下側には包装袋内の高さの高い被包装物が配置されにくくなっている。
このように、平坦部22aは、包装袋内の高さの高い被包装物が配置されにくい位置にあり、チャンバ20の左右の両側部分に過剰な空間が形成されないようにする機能を有している。図4に示したように、立ち上がり部22cは平坦部22aから突出部22bに近づきながら上昇する斜めに傾斜する傾斜面となっており、傾斜面よりなる立ち上がり部22cはチャンバベース21に置かれた高さの高い包装袋内の被包装物を左右方向の中央部に配置させる機能を有している。
図1及び図4に示したように、チャンバカバー22の突出部22bは、高さの高い被包装物を入れた包装袋をチャンバベース21の左右方向の中央部に置いたときに、包装袋がチャンバカバー22に当たりにくくする機能を有している。チャンバ20内に収容された包装袋は左右方向の中央部に置かれやすくなっており、高さの高い被包装物を入れた包装袋をチャンバベース21の左右方向の中央部に置いたときに、チャンバカバー22の突出部22bは高さの高い被包装物を入れた包装袋を収容可能としている。
図1及び図3に示したように、突出部22bは、前端から前後方向の中央部より少し後側に近づきながら上昇し、前後方向の中央部より少し後側から後端に近づきながら下降して、前後方向の中間部(前後方向の中央部の少し後側)の高さが最も高くなるように形成されている。高さの高い被包装物を入れた包装袋をチャンバ20内に収容するときには、包装袋の開口周縁部に皺を発生させないようにするために、被包装物は包装袋の開口からできるだけ離すように包装袋の底側に入れられ、高さの高い被包装物は下側ブロック31が配置されるチャンバ20の前部から離して後側に配置されることになる。
また、高さの高い被包装物は包装袋の開口よりも底側に収納しても、包装袋は高さ方向に引っ張られるので、包装袋内の被包装物はチャンバ20内の後部に配置されない。このため、高さの高い被包装物を入れた包装袋をチャンバ20内に収容すると、被包装物はチャンバ20内にて前後方向の中間部に配置されることになる。
図2及び図4に示したように、ケーシング11の後端部にはガススプリング12が設けられており、ガススプリング12はケーシングの11の後部に水平軸線回りに回動可能に支持されたチャンバカバー22の前部を上方に付勢している。ケーシング11の右側面の前端部にはストッパ13が水平軸線回りに回動可能に設けられており、ストッパ13は、チャンバカバー22の前部上面に係止して、チャンバカバー22をチャンバベース21の上面開口を塞ぐ位置に保持する機能を有している。
図5に示したように、ケーシング11の後部にはチャンバカバー22の閉塞状態を検知するカバー検知器14が設けられている。カバー検知器14はリードスイッチ等の近接スイッチを用いたものであり、チャンバカバー22の後部にはカバー検知器14によりチャンバカバー22の閉塞状態を検知させる磁石15が設けられている。
チャンバカバー22がチャンバベース21の上面開口を塞ぐ閉塞位置にあるときには、磁石15はカバー検知器14に近接し、カバー検知器14はオン信号を出力する。チャンバカバー22がチャンバベース21の上面開口を開放する開放位置にあるときには、磁石15はカバー検知器14から離間し、カバー検知器14はオフ信号を出力する。
図3及び図5に示したように、チャンバ20の前部には封止装置30が設けられている。封止装置30はチャンバ20内に収容した包装袋の開口周縁部を熱溶着によって封止して包装袋を密封するものである。封止装置30は包装袋の開口周縁部を挟持する下側及び上側ブロック31,32を備えている。
下側ブロック31はアルミニウム製の角パイプ部材よりなり、チャンバベース21の段部21aの上側に着脱可能かつ上下に移動可能に支持されている。下側ブロック31の上面にはニクロム材よりなる帯板状のヒータ33が設けられている。上側ブロック32は弾性変形可能なシリコン製のブロック体よりなり、下側ブロック31の上側に対向する位置にて、チャンバカバー22の下面前部に取り付けられている。
図3及び図5に示したように、チャンバベース21の段部21aの下面には下側ブロック31を上下に昇降させる左右一対の昇降機構34が設けられている。各昇降機構34はチャンバベース21の段部21aの底壁を貫通する支持軸35と、支持軸35を上下動させる昇降シリンダ36とを備えている。
図5に示したように、支持軸35の軸方向の中間部には鍔部37が設けられており、鍔部37は昇降シリンダ36内を上部空間36aと下部空間36bとに気密に仕切っている。昇降シリンダ36の上部空間36aには支持軸35の外周にばね部材38が介装されており、ばね部材38は鍔部37を介して支持軸35を下側に付勢している。
図5に示したように、ケーシング11内の下部には真空ポンプ40が設けられている。真空ポンプ40は主としてチャンバ20内を吸引し、チャンバ20内の密閉空間SSの空気を排気して、チャンバ20内を負圧吸引するものである。ケーシング11内には真空ポンプ40とチャンバ20とを接続する吸引管41が設けられており、吸引管41には真空弁42が介装されている。チャンバ20内の空気は真空弁42の開放によって真空ポンプ40に吸引可能となる。
吸引管41にはチャンバ20と真空弁42との間に外気を導入する外気導入管43が接続されており、外気導入管43は第1管部43aと、第1管部43aから分岐した第2管部43bとを備えている。第1及び第2管部43a,43bにはこれらを開閉する第1及び第2外気導入弁44,45が介装されている。第1外気導入弁44は第2外気導入弁45より弁口径が大きく形成されており、第1外気導入弁44を開放したときにはチャンバ20内に速く外気が導入され、第2外気導入弁45を開放したときには、チャンバ20内にゆっくりと外気が導入される。
吸引管41には外気導入管43の第1管部43aを介して圧力検出管46が接続されており、圧力検出管46にはチャンバ20の圧力を検出する真空計47が設けられている。チャンバ20内を脱気していないときには、真空計47により検出されるチャンバ20内の圧力は大気圧と同じ100kPa(abs)であり、真空度は0%である。チャンバ20内を真空ポンプ40により脱気して負圧化させ、真空計47により検出されるチャンバ内の圧力が0kPa(abs)であるときには、真空度は100%である。なお、真空計47によって直接検出されるのはチャンバ20内の圧力であるが、以後、真空計47によって検出された圧力をチャンバ20内の真空度Pに置き換えて説明をする。
吸引管41には真空ポンプ40と真空弁42との間からシリンダ管48が分岐しており、シリンダ管48は昇降シリンダ36の上部空間36aに接続されている。シリンダ管48には三方弁49が介装されており、三方弁49の2つのポートはシリンダ管48の真空ポンプ40側と昇降シリンダ36側に接続され、三方弁49の残る1つのポートは外気側に開放されている。
三方弁49の真空ポンプ40側と昇降シリンダ36側を連通状態で真空ポンプ40を作動させると、昇降シリンダ36の上部空間36aは負圧化され、支持軸35はばね部材38の付勢力に抗して上昇する。三方弁49の昇降シリンダ36側と外気側とを連通状態にすると、昇降シリンダ36の上部空間36aは負圧化されないようになり、支持軸35はばね部材38の付勢力によって下降する。
図3及び図5に示したように、チャンバ20内には収容した包装袋の膨らみを検知する膨らみ検知部50が設けられている。膨らみ検知部50はチャンバカバー22の下面前部に水平軸線回りに回動可能に支持された検知プレート51と、検知プレート51の後端に固定した磁石52と、検知プレート51の位置を検出するリードスイッチ等の近接スイッチよりなる膨らみ検知器53とを備えている。
検知プレート51は下側及び上側ブロック31,32と同様に左右方向に延びる帯板形状をしている。検知プレート51は、チャンバカバー22の下面の上側ブロック32の直ぐ後側に配置され、後側が上下動するように水平軸線回りに回動可能に支持されている。検知プレート51の左端部の後端には磁石52が固定されており、磁石52は検知プレート51の回動によって上下動する。チャンバ20内に収容した包装袋が膨らんでいないときには、検知プレート51は斜め下方に傾斜しており、検知プレート51の後端の磁石52はチャンバ20内の下部に位置(下位置)する(図3及び図5の実線にて示した)。チャンバ20内に収容した包装袋が膨らんだときには、検知プレート51は膨らんだ包装袋によって持ち上げられて回動し、検知プレート51の後端の磁石52はチャンバ20内の上部に位置(上位置)する(図3及び図5の二点鎖線で示した)。
膨らみ検知器53は、包装袋が膨らんだときに上側に回動する検知プレート51の後端の磁石52の位置を検知することで包装袋の膨らみを検知するものである。膨らみ検知器53はチャンバベース21の外側にて上位置となった検知プレート51の磁石52に対向する位置に配置されている。包装袋が膨らんでなくて検知プレート51の磁石52が下位置にあるときには、膨らみ検知器53は下位置にある磁石52が離間していることでオフ信号を出力する。包装袋が膨らんで検知プレート51の磁石52が上位置にあるときには、膨らみ検知器53は上位置にある磁石52が近接することでオン信号を出力する。
真空包装機10は制御装置60を備えており、図6に示したように、この制御装置60はカバー検知器14と、ヒータ33と、真空ポンプ40と、真空弁42と、第1及び第2外気導入弁44,45と、真空計47と、三方弁49と、膨らみ検知器53と、ケーシング11の前面に設けた操作パネル61とに接続されている。制御装置60はマイクロコンピュータ(図示省略)を有しており、マイクロコンピュータは、バスを介してそれぞれ接続されたCPU、RAM、ROM及びタイマ(いずれも図示省略)を備えている。
制御装置60は、包装袋を脱気した状態で密封する包装プログラムをROMに備えている。包装プログラムは、チャンバ20内を真空ポンプ40により所定圧力まで負圧化させ、チャンバ20内に収容した包装袋を脱気した後で包装袋の開口周縁部を封止装置30によって封止して、包装袋を脱気した状態で密封するためのプログラムである。
包装プログラムは包装袋に入れる調理物の温度等に応じてチャンバ20内の真空度及び第1及び第2外気導入弁44,45の開放の仕方等の異なる複数のプログラムが設定されている。包装プログラムの一例として、調理物が常温(温度が低い)であるときの包装プログラムを具体的に説明する。
包装プログラムを実行する前は、真空弁42、第2外気導入弁45が閉止状態となっており、三方弁49の昇降シリンダ36側と外気側とが連通されている(真空ポンプ40側が閉止状態となっている)。食材や調理物等の被包装物を包装袋内に入れ、包装袋の開口周縁部が下側ブロック31の上側に載るように包装袋をチャンバ20内に収容する。操作パネル61を操作して調理物が常温であるときの包装プログラムを選択し、選択した包装プログラムの実行を待機させる。
図7に示したように、制御装置60は、ステップ101において、カバー検知器14からオン信号が入力されたか否かを判定して、チャンバカバー22が閉じられたか否かを判定する。チャンバカバー22が閉じられていないときには、磁石15がカバー検知器14に近接してないため、カバー検知器14は制御装置60にオフ信号を出力し、制御装置60はステップ101にて「NO」の判断を繰り返し実行して待機する。
チャンバカバー22を閉じて磁石15がカバー検知器14に接近すると、カバー検知器14は制御装置60にオン信号を出力し、制御装置60は、ステップ101にて「YES」と判断してステップ102に進める。制御装置60は、ステップ102において、真空弁42を開放させ、第1外気導入弁44を閉止させるとともに真空ポンプ40を作動させると、チャンバ20内は真空ポンプ40によって脱気が開始されて負圧化していく。
制御装置60は、ステップ103において、真空計47によって検出されるチャンバ20内の真空度Pが予め設定された真空度Px以上(所定圧力以下)となったか否かを繰り返し判定する。チャンバ20内の圧力が徐々に低下し、真空計47によって検出されるチャンバ20内の真空度Pが真空度Px以上となると、制御装置60は、ステップ103において「YES」と判断してステップ104に進める。制御装置60は、ステップ104において、真空弁42を閉止させてチャンバ20内の脱気を中止してステップ105に進める。
チャンバ20内が所定圧力として設定された真空度Px以上となって包装袋内も脱気されると、制御装置60は、ステップ105において、三方弁49の昇降シリンダ36側と真空ポンプ40側とを連通させる(外気側を閉止状態とする)。昇降シリンダ36の上部空間36aは真空ポンプ40によって負圧化され、支持軸35はばね部材38の付勢力に抗して上昇し、下側ブロック31は上昇する支持軸35によって上昇する。
これにより、下側ブロック31は上昇する支持軸35によって上側ブロック32に押しつけられるため、包装袋の開口周縁部は下側ブロック31と上側ブロック32とによって挟持される。制御装置60は、次のステップ106において、ヒータ33に通電させて発熱させると、包装袋の開口周縁部は熱溶着によって閉じられて、包装袋が脱気された状態(真空状態)で密封、つまり被包装物が真空にパックされる。
制御装置60は、ステップ107において、真空ポンプ40の作動を停止させるとともに第1外気導入弁44を開放し、ステップ108において、三方弁49の昇降シリンダ36側と外気側とを連通させる(真空ポンプ40側を閉止状態とする)。チャンバ20内は第1外気導入弁44から導入される外気によって大気圧に戻され、チャンバカバー22は負圧吸引されずにガススプリング12の付勢力によって開放される。
また、三方弁49の昇降シリンダ36側と外気側とを開放させたことで、昇降シリンダ36の上部空間36aに外気が導入されて負圧状態が解除され、支持軸35はばね部材38の付勢力によって下降し、下側ブロック31は上側ブロック32から離間し、包装袋の開口周縁部は下側及び上側ブロック31,32から挟持された状態が解除される。このようにして、包装袋は脱気された状態(真空状態)で密封されて被包装物の真空パックが出来上がる。
このような真空包装機10の動作はチャンバ20内が正常に負圧化されることを前提にしたものであるため、パッキン70のシール不良が生じた場合には被包装物の真空パックが上手くできない可能性がある。パッキン70のシール不良は、例えば、パッキン70が当接するチャンバベース21の当接部24の表面仕上げの状態が粗い場合や、経年劣化等によりパッキン70の板状部76の表面に波打ちやうねり等の凹凸ができる場合等、チャンバ20の内外を連通する予定外の隙間がチャンバベース21とパッキン70の間に形成されるために生じる。
そこで、この実施形態の真空包装機10では、パッキン70を図8及び図9に示したように構成した。即ち、パッキン70は、主に、基部71と板状部76とにより構成されており、チャンバカバー22の接続部23に設けられた環状の取付溝23aに基部71を嵌入可能に形成されている。この実施形態では、取付溝23aは、環状を線状にした場合の短手方向の断面形状が丸角を有する矩形に形成されている。
このため、パッキン70も環状の取付溝23aに適合する寸法形状の環状に形成されており、基部71は、環状を線状にした場合の短手方向の断面形状が丸角を有する矩形に形成されている。取付溝23aに嵌入される基部71の先端、つまり嵌入側端72には、パッキン70を線状にした場合の長手方向に延びる溝部72aが形成されている。これにより、後述するように脱気中に取付溝23aに加わり得る応力を低減した。
また、基部71の内側部74a及び外側部74bには、短手方向の断面形状が直角三角形状を呈する返し突起75が複数箇所(例えば、側部74a,74bのそれぞれ2箇所)に設けられている。返し突起75の直角三角形状は、嵌入側端72の反対側の露出側端73に向けて登る斜辺を有する。これにより、取付溝23aに基部71を嵌入させ易く、かつ、取付溝23aから基部71を抜けにくくしている。
露出側端73は、取付溝23aに取り付けられた状態において、外部に露出する部分であり、その露出面73aの板状部76が形成されない部分には短手方向の断面が半球形状を有する半円突起73c(突起部)が設けられている。これにより、板状部76が露出面73a側に倒れても、半円突起73cが支えることが可能になるので、例えば、パッキン70自体や、露出側端73や板状部76が粘着性の高い材料で構成されている場合においても板状部76の外側部76dと露出側端73の露出面73aとの貼り付きを抑制して解離を容易にする。したがって、チャンバカバー22が開放位置になってチャンバベース21の密閉空間SSを開放したときには、板状部76の形状の復元が促進される。なお、図8においては、取付溝23a内では潰れた状態になる返し突起75の潰れる前の形状を破線で表していることに注意されたい。
さらに、基部71はその露出側端73の角部73bが直線形状に面取りされている。これにより、後述する板状部76の内側部76cの角部76eと同様に、脱気中に露出側端73が潰れて変形してもこのような角部73bは面取りされているぶん、密閉空間SSの側方外側にはみ出しにくくなる。そのため、このような面取りのない基部を有するパッキンに比べてパッキン70の破損を抑制することができた。なお、角部73bの面取り形状は円弧形状(ラウンド形状)でもよい。
板状部76は、短手方向の断面形状において、基部71の露出側端(反嵌入側端)73から密閉空間SSの側方外側に向けて斜めに立ち上がるように形成される板状の密着部である。この実施形態では、短手方向の断面において、露出側端73のうち基部71の内側部74aに近い位置に板状部76の基端部76aが形成され、そこから密閉空間SSの側方外側かつ基部71から離れる方向に向けて延びるように先端部76bが形成される。
つまり、チャンバカバー22に取り付けられた状態のパッキン70の短手方向の断面においては、板状部76は、チャンバカバー22や密閉空間SSの側方外側かつ下方に向けて基部71から片仮名の「ノ」字形状に延びるように形成されている。そのため、環状のパッキン70全体としては、板状部76は、環状(断面ほぼ矩形)の基部71から環状の薄板が鰭(ひれ)状に延びるように形成されている。
なお、上述したパッキン70は、前述したように合成ゴム等のエラストマーにより構成されており、各部(基部71、半円突起73c、返し突起75、板状部76等)は、例えば、押し出し成形により一体に形成されている。そのため、基部71は角棒状に、また半円突起73cは畝状に、さらに返し突起75は三角柱状に、それぞれ形成されており、また板状部76は帯状の薄板状であって柔軟性及び弾力性がともに高くしなやかに変形することが可能に構成されている。
図9に示したように、この実施形態の真空包装機10では、パッキン70は、このような鰭状の薄板状の板状部76を備えている。そのため、チャンバカバー22を開放状態(図9(a))から閉塞状態(図9(b))にすると、チャンバベース21とチャンバカバー22の間に介在するパッキン70の薄板状の板状部76は、チャンバベース21の当接部24に柔軟に当接した後、屈曲部77で屈曲しながら接続部23と当接部24の間に挟み込まれて潰れる(図9(b))。
これにより、パッキン70が当接する当接部24の当接面24aの表面仕上げの状態が粗い場合や、経年劣化等によりパッキン70の板状部76の表面が波打っていたりうねっていたりして凹凸ができる場合等、シール面の平面度が良好でない場合であっても、このような凹凸は、チャンバカバー22の接続部23とチャンバベース21の当接部24との間に挟み込まれて潰れる板状部76によって吸収される。したがって、チャンバベース21とパッキン70の間においてチャンバ20の内外を連通する予定外の隙間が生じにくいため、密閉空間SSの形成を容易にすることができた。
なお、板状部76は、露出側端73から斜めに立ち上がる基端部76aや板状部76の内側部76cの角部76eが面取りされている。特に、板状部76が潰れる際に屈曲する屈曲部77の内側部76c、つまり角部76eは、その屈曲に伴い密閉空間SS側にはみ出し易いが、角部76eがC字形状(ラウンド形状)に面取りされている。そのため、このような面取りがされていない場合に比べて基端部や内側部の一部がはみ出しにくくなったので、はみ出しによる角部の千切れや破損も生じにくくなった。なお、角部76eの面取り形状は、角部73bと同様に直線状でもよい。
即ち、図10に示したように、角部73b,76eが面取りされていないパッキン70a(図10(a))と、角部73b,76eが面取りされているパッキン70b(図10(b))とを、それぞれ接続部123の取付溝123aに取り付けて当接部124に圧接する。なお、パッキン70a,70b、接続部123や当接部124は、弾性変形のコンピュータシミュレーション用に作成された仮想モデルの一例である。
このため、チャンバカバー22の接続部23には存在しない段部123cが取付溝123aの側壁123bに存在し、また潰された板状部76が当接部124内に存在するように表現されている。また、パッキン70a,70bには、嵌入側端72に溝部72aが形成されていない点や、露出側端73に半円突起73cが形成されていない点で、これまで説明したパッキン70と構成が異なる。
パッキン70a,70bが取り付けられた接続部123を当接部124に圧接すると、接続部123と当接部124の間で押し潰された板状部76が基部71を取付溝123a内に押し込むように押し返す。このとき、図10(c)に示したように、パッキン70aでは、面取りされずに残った未除去部73x,76x(図10(a)の網掛け範囲)が接続部123と当接部124の間に挟まるように両者間にできた隙間から接続部123の外側方向にはみ出す。
これに対して、図10(d)に示したようにパッキン70bでは、角部73b,76eが面取りされていることから、角部73b,76eは、接続部123と当接部124の間に挟まるようなはみ出しが生じない。つまり、パッキン70aのように、接続部123の外側方向にはみ出す未除去部73x,76xが面取りにより除去されているため、はみ出すものが存在しない。このようにコンピュータシミュレーションによって、基部71の露出側端73において角部73b,76eを面取りすることにより、角部の千切れや破損が生じにくくなることがわかった。
また、図11に示したように、基部71の嵌入側端72に溝部72aが形成されていないパッキン70b(図11(a))と、溝部72aが形成されているパッキン70c(図11(b))とでは、脱気中に取付溝23aに加わり得る応力が異なることについても、コンピュータシミュレーションによって確認した。なお、このパッキン70b,70c、接続部223や当接部124も、弾性変形のコンピュータシミュレーション用に作成された仮想モデルの一例である。パッキン70cには、露出側端73に半円突起73cが形成されていない点で、上述したパッキン70と構成が異なる。
パッキン70b,70cが取り付けられた接続部223を当接部124に圧接すると、接続部223と当接部124の間で押し潰された板状部76が基部71を取付溝123a内に押し込むように押し返す。このとき、図11(c)に示したように溝部72aのないパッキン70bでは、取付溝223a内に押し込まれた基部71が嵌入側端72、内側部74aや外側部74bで取付溝223aの底部や側壁223bを押圧する。つまり、基部71の弾性変形による応力が底部や側壁223bに加わる。
これに対して、図11(d)に示したようにパッキン70cは、嵌入側端72に溝部72aを有する。そのため、潰された板状部76により取付溝223a内に押し込まれた基部71が取付溝223a内で弾性変形しても、そのような変形の一部は溝部72a内の空間に吸収されることから、このような溝部72aが嵌入側端72に存在しないパッキン70bに比べて取付溝223aに加わる応力が低減することが、コンピュータシミュレーションによってわかった。これにより、例えば、取付溝23aが設けられる接続部23の機械的強度を小さくすることが可能になるので、例えば、チャンバカバー22を機械的強度が低い比較的安価な樹脂材料で構成することができるようになった。
上記のように構成した真空包装機10においては、パッキン70は、チャンバカバー22の接続部23の取付溝23aに嵌め込まれる基部71と、基部71の露出側端73から密閉空間SSの側方外側に向けて斜めに立ち上がる薄板状の板状部76と、を有したため、チャンバベース21とチャンバカバー22の間にはパッキン70の薄板状の板状部76が介在して、板状部76がチャンバベース21の当接部24に柔軟に当接する。これにより、パッキン70が当接する当接部24の当接面24aの表面仕上げの状態が粗い場合や、経年劣化等によりパッキン70の板状部76の表面が波打っていたりうねっていたりして凹凸ができる場合等、シール面の平面度が良好でない場合であっても密閉空間SSの形成を容易にして優れたシール性能を得ることができた。
この真空包装機10においては、板状部76は、露出側端73の内側部74a側から密閉空間SSの側方外側に向けて斜めに立ち上がる。これにより、板状部76の基端部76aは密閉空間SS側に位置するため、密閉空間SSの形成中に真空ポンプ40により真空引きが開始されるとその負圧化によって板状部76が密閉空間SS側に引っ張られながら潰れるので、板状部76が密閉空間SSの側方外側方向に逃げにくい。したがって、板状部76の基端部76aが密閉空間SSの側方外側に位置する場合に比べてパッキン70のシール性能を高めることができた。
また、この場合において、板状部76は、露出側端73から斜めに立ち上がる基端部76aや板状部76の内側部76cの角部76eが面取りされている。これにより、板状部76が潰れる際に面取りされているぶん基端部76aや角部76eがはみ出しにくくなる。特に、板状部76が潰れる際に屈曲する屈曲部77の内側部76c(つまり角部76eは、その屈曲に伴い密閉空間SS側にはみ出し易いが、角部76eがC字形状に面取りがされている。そのため、このような面取りがされていない場合に基端部や内側部の一部がはみ出して千切れるようなことにはなりにくい。したがって、面取りがされていない場合に比べてパッキン70の破損を抑制することができた。
上記のように構成した真空包装機10においては、板状部76は露出側端73であって板状部76の基端部76aが存在しない部分に半円突起73cを有する。これにより、密閉空間SSを形成する際や形成中に板状部76が露出側端73側に倒れるように潰れて露出側端73に密着しても、板状部76の外側部76dと露出側端73の露出面73aとの間には半円突起73cが存在する。そのため、例えば、パッキン70自体や、露出側端73や板状部76が粘着性の高い材料で構成されている場合においても板状部76の外側部76dと露出側端73の露出面73aとの貼り付きを抑制して解離を容易にする。したがって、チャンバカバー22が開放位置になってチャンバベース21の密閉空間SSを開放したときには、板状部76の形状の復元が促進されるため、粘着性の高い材料で板状部76等を構成しても、再度、密閉空間SSを形成する際に優れたシール性能を得ることが可能になった。
上記のように構成した真空包装機10においては、基部71は、嵌入側端72に、パッキン70の長手方向に延びる溝部72aを有する。これにより、密閉空間SSを形成する際や形成中に板状部76や基部71が潰れたことによって生じる応力による嵌入側端72の変形を、溝部72a内の空間に吸収させることが可能になる。そのため、このような溝部72aが嵌入側端72に存在しない場合に比べてパッキン70の取付溝23aに加わる応力が低減するので、例えば、取付溝23aが設けられるチャンバカバー22の機械的強度を小さくすることが可能になる。したがって、パッキン70の取付溝23aが設けられるチャンバカバー22を比較的安価で機械的強度が低い樹脂材料で構成することができるようになった。
なお、上記のように構成した真空包装機10においては、パッキン70は、基部71をベースに柔軟性及び弾力性がともに高くしなやかに変形する板状部76を有し、さらに嵌入側端72に溝部72aを形成したり、露出側端73に半円突起73cを形成したり、角部73bや角部76eを面取りしたりしたが、板状の密着部に相当する板状部76を有するものであれば、他の構成でもよい。
例えば、図10(a)に示したように、嵌入側端72の溝部72a、露出側端73の半円突起73c及び角部73b,76eの面取りがないパッキン70aであってもよい。また例えば、図10(b)に示したように、角部73b,76eが面取りされていても、嵌入側端72の溝部72a及び露出側端73の半円突起73cがないパッキン70bであってもよい。さらに例えば、図11(b)に示したように、角部73b,76eが面取りされて嵌入側端72に溝部72aが形成されていても、露出側端73の半円突起73cがないパッキン70cであってもよい。
また、例えば、図12(a)や(b)に示したように、短手方向断面形状において、パッキン70やパッキン70a〜70cが有する板状部76よりも、チャンバベース21側に近づくように密閉空間SSの側方外側に向けて斜めに先細り形状に延びる板状部86を有するパッキン80aやパッキン80bでもよい。これらのパッキン80a,80bは、基部81の嵌入側端82に対向する露出側端83において、パッキン70の半円突起73cよりも大きい半円突起83cや三角突起83dを有する点でパッキン70と異なる。なお、パッキン80a,80bにおいても、嵌入側端82には溝部82aが形成され、また角部83bや屈曲部87は面取りされている。さらに基部81の内側部や外側部には返し突起85が複数箇所に形成されている。
さらに、例えば、図12(c)や(d)に示したように、パッキン70やパッキン70a〜70cが有する板状部76に相当する板状部96を、短手方向断面形状において、露出側端93のほぼ中央付近に形成するパッキン90a,90bでもよい。即ち、これらのパッキン90a,90bは、基部91の嵌入側端92に対向する露出側端93において、板状部96が露出側端93のほぼ中央に有する点でパッキン70と異なる。なお、パッキン90aにおいては、嵌入側端92には溝部92aが形成されておらず、また角部93bは面取りされていない。これに対しパッキン90bにおいては、嵌入側端92には溝部92aが形成され、また角部93bが面取りされている。さらに基部91の内側部や外側部には返し突起95が複数箇所に形成されている。
また、上記のように構成した真空包装機10においては、チャンバカバー22(の接続部23の取付溝23a)にパッキン70,70a,70b,70c,80a,80b,90a,90b(以下「パッキン70等」という)を取り付けたが、パッキン70等をチャンバベース21に取り付けてもよい。この場合には、当接部24に取付溝23a相当を形成してその取付溝にパッキン70等を取り付ける。
さらに、上記のように構成した真空包装機10においては、チャンバベース21は上面が開口した浅い箱形とし、チャンバカバー22はチャンバベース21の上面開口を塞ぐように構成したが、本発明はこれに限られるものでなく、例えば、チャンバベース21は平坦な板状とし、チャンバカバー22を下面が開口した浅い箱形として、パッキン70等をチャンバベース21またはチャンバカバー22に取り付ける構成にしてもよい。
また、チャンバベース21は、例えば、正面部に開口した奥行きの深い箱形とし、チャンバカバー22はチャンバベース21の開口を塞ぐ板状としてチャンバカバー22を引き出すと開き押し込むと閉じる引き出し構造により開け閉め可能に構成し、パッキン70等をチャンバベース21またはチャンバカバー22に取り付ける構成にしてもよい。
また、上記のように構成した真空包装機10においては、パッキン70の基部71は、環状を線状にした場合の短手方向の断面形状が丸角を有する矩形に形成したが、本発明はこれに限られるものでなく、接続部23の取付溝23aに嵌入可能な形状であれば、例えば、基部71の断面形状を円形、楕円形や小判形にしてもよい。
また、上記のように構成した真空包装機10においては、接続部23の取付溝23aは、環状を線状にした場合の短手方向の断面形状が丸角を有する矩形に形成したが、本発明はこれに限られるものでなく、パッキン70の基部71を嵌入可能な形状であれば、例えば、取付溝23aの断面形状を円形、楕円形や小判形にしてもよい。
10…真空包装機、11…ケーシング、20…チャンバ(真空チャンバ)、21…チャンバベース(第1チャンバ体)、22…チャンバカバー(第2チャンバ体)、23…接続部、23a…取付溝、24…当接部、24a…当接面、40…真空ポンプ、70,70a,70b,70c,80a,80b,90a,90b…パッキン、71…基部、72…嵌入側端、72a…溝部、73…露出側端(反嵌入側端)、73a…露出面、73c…半円突起(突起部)、76…板状部(密着部)、76a…基端部(密着部の根元)、76c…内側部(側部)、76e…角部(面取りされている側部の一部)、SS…密閉空間。
Claims (5)
- 真空包装のための密閉空間を形成し得る真空チャンバを備えた真空包装機であって、
前記真空チャンバは、
第1チャンバ体と、第2チャンバ体と、これらのチャンバ体の間に介在する環状のパッキンと、を備え、
前記パッキンは、短手方向の断面形状において、
前記第1チャンバ体または前記第2チャンバ体のいずれか一方の接続部に設けられた取付溝に嵌め込まれる基部と、
前記基部の反嵌入側端から前記密閉空間の側方外側に向けて斜めに立ち上がる板状の密着部と、を有したことを特徴とする真空包装機。 - 請求項1に記載の真空包装機において、
前記密着部は、前記反嵌入側端の前記密閉空間側から前記密閉空間の側方外側に向けて斜めに立ち上がることを特徴とする真空包装機。 - 請求項2に記載の真空包装機において、
前記密着部は、前記反嵌入側端から斜めに立ち上がる側部が面取りされていることを特徴とする真空包装機。 - 請求項1〜3のいずれか一項に記載の真空包装機において、
前記密着部は、前記反嵌入側端であって前記密着部が存在しない部分に突起部を有することを特徴とする真空包装機。 - 請求項1〜4のいずれか一項に記載の真空包装機において、
前記基部は、嵌入側端に、前記パッキンの長手方向に延びる溝部を有することを特徴とする真空包装機。
Priority Applications (1)
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US20230034614A1 (en) * | 2021-07-28 | 2023-02-02 | Nishikawa Rubber Co., Ltd. | Sealing cover and sealing member |
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2019
- 2019-08-26 JP JP2019153512A patent/JP2021031128A/ja active Pending
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