JP2021030868A - 車両走行音制御システム及び車両走行音制御方法 - Google Patents

車両走行音制御システム及び車両走行音制御方法 Download PDF

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貴彦 大兼
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大助 仙波
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Noriyuki Aramaki
典之 荒巻
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Hiroki Yamada
宏樹 山田
正弘 笛木
Masahiro Fueki
正弘 笛木
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Abstract

【課題】走行音発生装置を別途搭載することなく、低速走行時の走行音発生や、音による加速感・高速走行感の付与が可能な走行音制御システムを提供する。【解決手段】ISGを有する電動車両にて、ISGの駆動制御形態として、通常の駆動形態である静音駆動と、作動音を大きくさせて前記回転電機を駆動する音発生駆動とを設ける。ISGの動作モードとしてノーマルモードとスポーツモードを設ける。ノーマルモードが選択されている場合は静音駆動を実施し、スポーツモードが選択されている場合は音発生駆動を実施する。また、アクセル開度変化が所定値以上の場合は音発生駆動を実施し、走行速度が所定値以下の場合は音発生駆動を実施する。【選択図】図2

Description

本発明は、車両走行音の制御技術に関し、特に、ハイブリッド車や電気自動車における走行音の制御システム及び制御方法に関する。
近年、ハイブリッド車や電気自動車などの電動車では、モータ等の静音化の進展により、走行時に発生する音(走行音)が小さくなっている。特に、低速走行時にモータ走行している場合、エンジン音がないため走行音が非常に小さく、歩行者が車両の接近に気が付かないという問題が生じている。このため、市街地などを走行中、高齢者や幼児が車両の接近に気付かないおそれがあり、交通弱者保護の観点から、その対策として、走行音を敢えて発生させる装置を別途設ける車両も検討されている。
特開2017−87831号公報
しかしながら、走行音の発生装置を車両に別途搭載することは、車両の部品点数や重量を増大させることになり、車両の軽量化やエネルギ効率向上の妨げとなる。また、自動車においては、モータ等について、軽量化、静音化が常に求められており、交通弱者保護の一環ではあるものの、それらとは逆行する方策を車両に施すという矛盾が内在していた。
一方、電動車の静音化が進むと、低速走行時のみならず、加速時や高速走行時も走行音が小さくなる。このため、加速時や高速走行の際、音による加速感覚や高速走行感覚が運転者に生ぜず、無駄にスピードを上げてしまうおそれがあるという問題もあった。
本発明の目的は、走行音発生装置を別途搭載することなく、低速走行時に走行音を発生させたり、音による加速感・高速走行感を運転者に付与したりし得る車両走行音制御システム及び制御方法を提供することにある。
本発明の走行音制御システムは、エンジンと、前記エンジンのクランクシャフトに接続され、前記エンジンを始動させるスタータと前記エンジンの回転により発電を行うジェネレータの両機能を有する回転電機と、を備えた車両における該車両の走行音制御システムであって、前記回転電機の駆動制御形態として、通常の駆動形態である静音駆動と、作動音を大きくさせて前記回転電機を駆動する音発生駆動とを設け、前記車両の使用者の選択により、前記回転電機の動作モードを、前記静音駆動を行うノーマルモードと、前記音発生駆動を行うスポーツモードとに切り替える走行モード選択部と、前記ノーマルモードが選択されている場合は前記静音駆動を実施し、前記スポーツモードが選択されている場合は前記音発生駆動を実施するよう前記回転電機の駆動制御形態を切り替える動作切替部と、前記動作切替部にて切り替えられた駆動制御形態に基づいて前記回転電機を駆動させる回転電機駆動部と、を有することを特徴とする。
本発明にあっては、スタータとジェネレータの両機能を有する回転電機を備えた車両において、回転電機の駆動制御形態として、通常の駆動形態である静音駆動と、作動音を大きくさせる音発生駆動とを設けると共に、回転電機の動作モードとしてノーマルモードとスポーツモードを設け、動作切替部により、ノーマルモードが選択されている場合は静音駆動を実施し、スポーツモードが選択されている場合は音発生駆動を実施する。これにより、スポーツモード選択時には、車両走行音が大きくなり、登坂追い抜き車線や高速道路などにおいて、アクセルワークに応じて運転者に加速感や高速走行感を与えられる。
前記車両走行音制御システムにおいて、該制御システムに前記車両のアクセル開度を検出するアクセル開度検出部をさらに設け、前記動作切替部は、前記アクセル開度変化が所定値以上の場合、前記動作モードに関わらず、前記音発生駆動を実施するよう前記回転電機の駆動制御形態を切り替えるようにしても良い。これにより、アクセルの踏み込み量が大きく加速が急な場合は、音発生駆動にて回転電機が作動し、運転者に対し車両動作相応の加速感を与えられる。
また、前記制御システムに前記車両の走行速度を検出する車速検出部をさらに設け、前記動作切替部は、前記走行速度が所定値以下の場合、前記動作モードに関わらず、前記音発生駆動を実施するよう前記回転電機の駆動制御形態を切り替えるようにしても良い。これにより、低速走行時には音発生駆動にて回転電機が作動し、車両の周囲に作動音が広がり、歩行者に対し車両の存在を知らせることが可能となる。また、低速時の作動音発生に際し、別途、専用の走行音発生装置を設けることなく、回転電機を車両接近警報装置として使用できる。
さらに、前記回転電機としてスイッチトリラクタンスモータを使用し、前記回転電機駆動部は、前記音発生駆動にて、前記スイッチトリラクタンスモータのステータ突極とロータ突極が整列対向する前に通電を停止して吸引力を開放することにより、前記スイッチトリラクタンスモータのステータに対する吸引力を急激に変化させて前記ステータに対する径方向の力を急変させ、該ステータを径方向に振動させて作動音を大きくさせるようにしても良い。
一方、本発明の車両走行音制御方法は、エンジンと、前記エンジンのクランクシャフトに接続され、前記エンジンを始動させるスタータと前記エンジンの回転により発電を行うジェネレータの両機能を有する回転電機と、を備えた車両における該車両の走行音制御方法であって、前記回転電機の駆動制御形態として、通常の駆動形態である静音駆動と、作動音を大きくさせて前記回転電機を駆動する音発生駆動とを設け、前記回転電機の動作モードとしてノーマルモードとスポーツモードを設け、前記ノーマルモードが選択されている場合は前記静音駆動を実施し、前記スポーツモードが選択されている場合は前記音発生駆動を実施することを特徴とする。
本発明にあっては、回転電機の駆動制御形態として、通常の駆動形態である静音駆動と、作動音を大きくさせる音発生駆動とを設けると共に、回転電機の動作モードとしてノーマルモードとスポーツモードを設け、ノーマルモードが選択されている場合は静音駆動を実施し、スポーツモードが選択されている場合は音発生駆動を実施する。これにより、スポーツモード選択時には、車両走行音が大きくなり、登坂追い抜き車線や高速道路などにおいて、アクセルワークに応じて運転者に加速感や高速走行感を与えることができる。
前記車両走行音制御方法おいて、前記車両のアクセル開度を検出し、前記アクセル開度変化が所定値以上の場合、前記動作モードに関わらず、前記音発生駆動を実施するようにしても良い。これにより、アクセルの踏み込み量が大きく加速が急な場合は、音発生駆動にて回転電機が作動し、運転者に対し車両動作相応の加速感を与えることができる。
また、前記車両の走行速度を検出し、前記走行速度が所定値以下の場合、前記動作モードに関わらず、前記音発生駆動を実施するようにしても良い。これにより、低速走行時には音発生駆動にて回転電機が作動し、車両の周囲に作動音が広がり、歩行者に対し車両の存在を知らせることが可能となる。したがって、高齢者や幼児などの交通弱者にも車の接近を認知させることができ、安全性の向上が図られる。また、低速時の作動音発生に際し、別途、専用の走行音発生装置を設けることなく、回転電機を車両接近警報装置として使用できる。
さらに、前記回転電機としてスイッチトリラクタンスモータを使用し、前記音発生駆動では、前記スイッチトリラクタンスモータのステータ突極とロータ突極が整列対向する前に通電を停止して吸引力を開放することにより、前記スイッチトリラクタンスモータのステータに対する吸引力を急激に変化させて前記ステータに対する径方向の力を急変させ、該ステータを径方向に振動させて作動音を大きくさせるようにしても良い。
本発明の走行音制御システムは、スタータとジェネレータの両機能を有する回転電機を備えた車両において、回転電機の駆動制御形態として、通常の駆動形態である静音駆動と、作動音を大きくさせる音発生駆動とを設け、回転電機の動作モードを、静音駆動を行うノーマルモードと、音発生駆動を行うスポーツモードとに切り替える走行モード選択部と、ノーマルモードが選択されている場合は静音駆動を実施し、スポーツモードが選択されている場合は音発生駆動を実施するよう回転電機の駆動制御形態を切り替える動作切替部と、を設けたので、スポーツモード選択時は車両走行音が大きくなり、登坂追い抜き車線や高速道路などにおいて、アクセルワークに応じて運転者に加速感や高速走行感を与えることができる。したがって、爽快な運転フィーリングが得られると共に、スピードの出し過ぎを抑えることも可能となる。
本発明の車両走行音制御方法は、スタータとジェネレータの両機能を有する回転電機を備えた車両において、回転電機の駆動制御形態として、通常の駆動形態である静音駆動と、作動音を大きくさせる音発生駆動とを設けると共に、回転電機の動作モードとしてノーマルモードとスポーツモードを設け、ノーマルモードが選択されている場合は静音駆動を実施し、スポーツモードが選択されている場合は音発生駆動を実施するようにしたので、スポーツモード選択時は車両走行音が大きくなり、登坂追い抜き車線や高速道路などにおいて、アクセルワークに応じて運転者に加速感や高速走行感を与えることができる。したがって、爽快な運転フィーリングが得られると共に、スピードの出し過ぎを抑えることも可能となる。
本発明の一実施形態である車両走行音制御システムの構成を示す説明図である。 図1の車両走行音制御システムにおける制御手順を示すフローチャートである。 ISGを「静音駆動」と「音発生駆動」で作動させた場合の音圧変化を示す説明図である。 「音発生駆動」時におけるISGのステータの状態を示す説明図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。図1は、本発明の一実施形態である車両走行音制御システムの構成を示す説明図であり、本発明による制御方法も当該車両走行音制御システムにて実施される。図1の車両走行音制御システム1(以下、走行音制御システム1と略記する)は、ハイブリッド車や電気自動車などの電動車両に搭載され、本実施形態では、エンジンと電動モータを協調させて自動車を駆動するハイブリッド車に本発明によるシステムを用いた例について説明する。
走行音制御システム1は、車両の使用者の選択に応じて、低速走行時や加速・高速走行時に、エンジンやバッテリの冷却ファンモータや、車両駆動用モータの作動音を高め、走行音を故意に発生させる。この場合、低速走行時には、冷却ファンや車両駆動用モータのモータ作動音を大きくして走行音を発生させる。また、加速時や高速走行時は、運転者(使用者)の動作モード選択(ノーマルモード/スポーツモード)により、車両駆動用モータの作動音を大きくして加速感や高速走行感を運転者に付与する。すなわち、走行音制御システム1では、従来、静音化が求められているモータに対し、敢えて作動音が生じるような制御を行うことにより、走行音発生装置を別途搭載することなくニーズに応じた走行音を得ている。
図1に示すように、走行音制御システム1が搭載される車両(ハイブリッド自動車)では、エンジン2は、スタータモータ3と、インテグレーテッド・スタータ・ジェネレータ(以下、ISGと略記する)4によって始動される。スタータモータ3にはブラシ付きモータが使用され、鉛バッテリ5から電源が供給される。ISG4にはSRモータ(スイッチトリラクタンスモータ)が使用され、リチウムイオンバッテリ6から電源が供給される。なお、ISGは、スタータとジェネレータを兼ねると共に、車両駆動用モータとしてエンジンの動力補助を行ったり、回生ブレーキを行ったりするなどの機能を備えた回転電機である。
当該車両には、エンジン冷却用のラジエータ7が搭載されている。ラジエータ7には、ブラシレスモータを用いたファンモータ8によって駆動される冷却ファン9が設けられている。ファンモータ8は、スタータモータ3やISG4と共に、マイクロコントローラを用いたシステム制御装置10によって制御される。システム制御装置10には、車速センサ11より車両の走行速度が、アクセル開度センサ12からアクセルの開度(運転者によるアクセルの踏み込み量)がそれぞれ入力される。
システム制御装置10には、車速センサ11からの信号に基づいて車両の走行速度を検出する車速検出部13、アクセル開度センサ12から信号に基づいてアクセル開度を検出するアクセル開度検出部14が設けられている。また、システム制御装置10には、CPU15と、各センサの検出値や各モータの動作データ等を記憶するRAM16、走行音制御プログラム等が格納されたROM17が設けられている。
CPU15には、ファンモータ制御部21とISG制御部31が設けられている。ファンモータ制御部21には、運転者の操作により低速時における音発生の有無を切り替える低速作動音発生切替スイッチ18の状態(低速時音発生有り/低速時音発生無し)を検出する音発生スイッチ検出部22と、選択されている低速時の音発生形態と車速検出部13にて得られた車速情報に基づき、ファンモータ8の駆動形態を切り替えるファンモータ動作切替部23と、ファンモータ動作切替部23の選択に沿ってファンモータ8を駆動させるファンモータ駆動部24が設けられている。
ファンモータ駆動部24には、ファンモータ8に取り付けられたレゾルバ25から、ファンモータ8のロータ位置情報が入力されている。ファンモータ動作切替部23は、ファンモータ8の駆動制御形態を、低速時の音発生形態と車速に応じて、正弦波駆動による通常の「静音駆動」(音圧小駆動)、又は、矩形波駆動(オーバラップ矩形波駆動)による「音発生駆動」(音圧大駆動)に切り替える。「静音駆動」では、作動音をできるだけ抑制しつつファンモータ8を作動させる一方、「音発生駆動」では、敢えて作動音が大きくなるようにファンモータ8を作動させる。ファンモータ駆動部24は、ロータ位置情報に基づいて、選択された制御形態によってファンモータ8を駆動制御する。
ISG制御部31には、運転者の操作により走行モードを切り替える走行モード切替スイッチ(走行モード選択部)19の状態(ノーマルモード/スポーツモード)を検出する走行モード検出部32と、選択されている走行モードやアクセル開度情報、車速情報に基づいてISG4の動作形態を切り替えるISG動作切替部33、ISG動作切替部33の選択に沿ってISG4を駆動させるISG駆動部34が設けられている。
ISG駆動部34には、ISG4に取り付けられたレゾルバ35から、ISG4のロータ位置情報が入力されている。ISG動作切替部33は、ISG4の駆動制御形態を、走行モードやアクセル開度、車速に応じて、通常の「静音駆動」(音圧小駆動)、又は、進角・通電角調整による「音発生駆動」(音圧大駆動)に切り替える。「静音駆動」では、作動音をできるだけ抑制しつつISG4を作動させる一方、「音発生駆動」では、敢えて作動音が大きくなるようにISG4を作動させる。ISG駆動部34は、ロータ位置情報に基づいて、選択された制御形態によってISG4を駆動制御する。
このような走行音制御システム1では、次のようにして走行音の発生制御が行われる。図2は、当該システムにおける制御手順を示すフローチャートである。図2に示すように、システム制御装置10はまず、ステップS1にて走行モードの判定(ノーマルモードか、スポーツモードか)が行われる。ステップS1で「スポーツモード」が選択されていた場合は、ステップS2に進み、スポーツモードのみにて作動音が制御される。すなわち、ISG動作切替部33は、走行モード切替スイッチ19にて「スポーツモード」が選択されている場合は、ISG4の駆動制御形態を通常の「静音駆動」から「音発生駆動」に切り替える。そして、ISG駆動部34は、ISG動作切替部33の切り替え指示を受け、作動音が大きくなるようにISG4を駆動する。
図3は、ISG4を「静音駆動」と「音発生駆動」で作動させた場合の音圧変化を示す説明図、図4は、「音発生駆動」時におけるISG4のステータ41の状態を示す説明図である。この場合、ISG駆動部34は、ISG4の進角や通電角を調整することにより、音圧を変化させる。具体的には、通常の静音駆動に対し通電角を小さくし、ステータ突極42とロータ突極43が対向する前に通電を停止する。図3に破線にて示したように、静音駆動では、突極同士が対向し始める以前から通電を開始し、突極同士が整列対向したとき通電を停止させる形で滑らかに通電し、次相に転流させる。これに対し、音発生駆動では、図3に実線にて示すように、突極同士が非対向状態から対向し始める瞬間に通電を開始し、突極同士が整列対向する前に通電を停止する。このとき、通電電圧は静音駆動よりも大きくする。
このように、電圧を大きくしつつ、両突極42,43の対向開始から通電を開始し、整列対向前に通電を停止して吸引力を開放することにより、ステータ41に対する吸引力が急激に変化する。これにより、ステータ41に対する径方向の力が急変し、図4に示すように、ステータ41が径方向に振動する。そして、この振動がステータ周りの空気を振動させ、音が発生し、作動音が大きくなる。一般にこのような音の発生は抑制すべきものとされており、通常のモータ制御では、図3に破線で示したような静音駆動が実施される。
これに対し、当該システムでは、スポーツモードが選択されている場合には、敢えてこの作動音を発生させる。その結果、走行時のモータ音が大きくなり、車室内にもその音が伝わり、登坂追い抜き車線や高速道路などにおいて、アクセルワークに応じて運転者に加速感や高速走行感を与えることができる。したがって、爽快な運転フィーリングが得られると共に、スピードの出し過ぎも抑えることが可能となる。なお、音発生駆動時と静音駆動時は、両者の電流波形面積がほぼ同じになるように制御されており、両者の発生トルクはほぼ同等に維持される。
ステップS1にて「スポーツモード」が選択されていた場合は、このように音圧大の「音発生駆動」が実施されるが、S1にて「ノーマルモード」が選択されていた場合はステップS3に進み、低速時における音発生の有無が判断される。ステップS3にて、低速作動音発生切替スイッチ18が「低速時音発生無し」となっており、低速時においてもアクセルワークに応じた走行音となることが選択されている場合は、S3からステップS4に進み、ISG動作切替部33にてアクセル開度変化が判断される。
ステップS4にてアクセル開度変化が大きいと判断された場合は、ステップS5に進み、ISG動作切替部33は、ISG4を「音発生駆動」で作動させる。これにより、「ノーマルモード」ではあるものの、アクセルの踏み込み量が大きく加速が急な場合は、ISG4が「音発生駆動」にて作動し、車室内にも伝わるような作動音が加速に応じて発生する。その結果、運転者に対し、車両動作相応の加速感を与えることができ、スピードの出し過ぎを抑えることが可能となる。これに対し、ステップS4にてアクセル開度変化が小さいと判断された場合は、急加速なしと判断され、ステップS6に進み、ISG4は、音圧小の「静音駆動」(図3の破線)にて駆動される。
一方、ステップS3にて、低速作動音発生切替スイッチ18が「低速時音発生有り」となっている場合は、S3からステップS7に進み、ファンモータ動作切替部23とISG動作切替部33にて車両の走行速度(車速)が判断される。このとき、車速が所定速度(例えば、30km/h)以下の場合には、ステップS8に進み、ファンモータ動作切替部23とISG動作切替部33は、ファンモータ8の駆動制御形態を「静音駆動」から「音発生駆動」に切り替えると共に、ISG4の駆動制御形態を「音発生駆動」に切り替える。
これにより、ファンモータ駆動部24とISG駆動部34は、ファンモータ8とISG4を「音発生駆動」にて駆動し、両モータの作動音が大きくなる。これにより、車両の周囲にも作動音が広がり、歩行者に対し車両の存在を知らせることが可能となる。したがって、高齢者や幼児などの交通弱者にも車の接近を認知させることができ、安全性の向上が図られる。また、低速時の作動音発生に際し、別途、専用の走行音発生装置を設けることなく、既存のモータを車両接近警報装置として使用できることから、車両の重量や製造コストの低減も図られる。なお、低速時の音発生に際しては、ファンモータ8又はISG4の一方のみを「音発生駆動」に切り替えて使用する制御形態としても良い。
ステップS7にて車速が所定速度以上の場合は、「ノーマルモード」にて「低速時音発生」の制御形態ではあるものの、車両が低速度ではないと判断され、ステップS9に進む。ステップS9では、ファンモータ8、ISG4共に通常の制御形態となり、「静音駆動」が実施される。すなわち、ファンモータ駆動部24とISG駆動部34は、ファンモータ8とISG4を「静音駆動」にて駆動し、作動音の小さい状態で両モータが駆動される。
このように、本発明の走行音制御システム1では、別途、走行音発生装置を搭載することなく、低速時に車両の接近を知らせる走行音を発生させることができる。その際、当該システムでは、走行音の生成は、制御ソフトウェア上の処理の変更のみのため、追加部品も必要ない。したがって、車両重量やコストの増大を招来することなく、歩行者の保護を図ることが可能となる。また、「スポーツモード」を設定することにより、運転者の選択により、敢えてモータ作動音を大きくし、運転者に加速感を感じさせることができる。これにより、アクセルの踏み込みにより走行音が高まり、運転者の好みに応じて爽快な運転フィーリングを運転者に与えることが可能となる。さらに、アクセルの踏み込み量に応じて作動音を大きくすることができ、運転者に加速感を感じさせ、スピードの出しすぎを抑制することも可能となる。
本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることは言うまでもない。
例えば、前述の実施形態では、ファンモータ8の「音発生駆動」にて矩形波駆動を用いた構成を示したが、モータ部品(ロータやファンの羽)の共振周波数と矩形波駆動の相転流周波数を合わせ、通電相の切り替え時にOFF区間を設けることにより、トルクリップルを敢えて発生させ、音を発生させるようにしても良い。
また、ISG4に対し、通常の三相通電ではなく、ある相を適宜省く間引き通電を行うことにより、例えば通電周波数を2/3とし、発生する音の周波を変え音色を変えることができる。これにより、作動音の周波数を下げ、高齢者にとってより聞き取り易い周波数の音を発生させ、安全性の更なる向上を図ることも可能である。
さらに、低速時における音発生手段としてファンモータ8のみを用いる走行音発生システムも実施可能である。前述のように、走行音制御システム1では、低速時の音発生に際し、ファンモータ8又はISG4の一方のみを「音発生駆動」に切り替えて使用できるが、低速時の走行音発生手段としてファンモータ8を使用する走行音発生システムも可能である。すなわち、ISG4の有無に関わらず、ファンモータ8を音発生源とした低速時の走行音発生システムとすることも可能である。
加えて、前記制御処理のステップS3とS7の間に、市街地走行時のみに作動音を発生させる設定か否かを判定するステップを設けても良い(当該設定を切り替えるスイッチを別途設けても良い)。この際、市街地走行か否かは,GPSによる位置情報と地図との照合や、車載カメラによるモニタ(歩行者の多寡判断)などによって行い、「市街地走行時のみ作動音発生」の設定の場合は、市街地と判断したときのみステップS7の車速判定を行い、市街地ではない場合には静音駆動を実施する。これにより、市街地以外の場所にて信号や渋滞等により車速が低下した場合に、作動音が意味なく大きくなってしまうことを防止できる。なお、前述の実施形態における低速走行の判断閾値(前述の例では30km/h)等の各種数値はあくまでも一例であり、本発明は前記数値には限定されない。
前述の実施の形態では、本発明の制御システム、制御方法をハイブリッド自動車に適用した例を示したが、電気自動車や自動車以外の電動車両にも本発明は適用可能である。
1 車両走行音制御システム
2 エンジン
3 スタータモータ
4 インテグレーテッド・スタータ・ジェネレータ(回転電機)
5 鉛バッテリ
6 リチウムイオンバッテリ
7 ラジエータ
8 ファンモータ
9 冷却ファン
10 システム制御装置
11 車速センサ
12 アクセル開度センサ
13 車速検出部
14 アクセル開度検出部
15 CPU
16 RAM
17 ROM
18 低速作動音発生切替スイッチ
19 走行モード切替スイッチ(走行モード選択部)
21 ファンモータ制御部
22 音発生スイッチ検出部
23 ファンモータ動作切替部
24 ファンモータ駆動部
25 レゾルバ
31 ISG制御部
32 走行モード検出部
33 ISG動作切替部
34 ISG駆動部(回転電機駆動部)
35 レゾルバ
41 ステータ
42 ステータ突極
43 ロータ突極

Claims (8)

  1. エンジンと、
    前記エンジンのクランクシャフトに接続され、前記エンジンを始動させるスタータと前記エンジンの回転により発電を行うジェネレータの両機能を有する回転電機と、を備えた車両における該車両の走行音制御システムであって、
    前記回転電機の駆動制御形態として、通常の駆動形態である静音駆動と、作動音を大きくさせて前記回転電機を駆動する音発生駆動とを設け、
    前記車両の使用者の選択により、前記回転電機の動作モードを、前記静音駆動を行うノーマルモードと、前記音発生駆動を行うスポーツモードとに切り替える走行モード選択部と、
    前記ノーマルモードが選択されている場合は前記静音駆動を実施し、前記スポーツモードが選択されている場合は前記音発生駆動を実施するよう前記回転電機の駆動制御形態を切り替える動作切替部と、
    前記動作切替部にて切り替えられた駆動制御形態に基づいて前記回転電機を駆動させる回転電機駆動部と、を有することを特徴とする車両走行音制御システム。
  2. 請求項1記載の車両走行音制御システムにおいて、
    該制御システムはさらに、前記車両のアクセル開度を検出するアクセル開度検出部を有し、
    前記動作切替部は、前記アクセル開度変化が所定値以上の場合、前記動作モードに関わらず、前記音発生駆動を実施するよう前記回転電機の駆動制御形態を切り替えることを特徴とする車両走行音制御システム。
  3. 請求項1又は2記載の車両走行音制御システムにおいて、
    該制御システムはさらに、前記車両の走行速度を検出する車速検出部を有し、
    前記動作切替部は、前記走行速度が所定値以下の場合、前記動作モードに関わらず、前記音発生駆動を実施するよう前記回転電機の駆動制御形態を切り替えることを特徴とする車両走行音制御システム。
  4. 請求項1〜3の何れか1項に記載の車両走行音制御システムにおいて、
    前記回転電機はスイッチトリラクタンスモータが使用され、
    前記回転電機駆動部は、前記音発生駆動にて、前記スイッチトリラクタンスモータのステータ突極とロータ突極が整列対向する前に通電を停止して吸引力を開放することにより、前記スイッチトリラクタンスモータのステータに対する吸引力を急激に変化させて前記ステータに対する径方向の力を急変させ、該ステータを径方向に振動させて作動音を大きくさせることを特徴とする車両走行音制御システム。
  5. エンジンと、
    前記エンジンのクランクシャフトに接続され、前記エンジンを始動させるスタータと前記エンジンの回転により発電を行うジェネレータの両機能を有する回転電機と、を備えた車両における該車両の走行音制御方法であって、
    前記回転電機の駆動制御形態として、通常の駆動形態である静音駆動と、作動音を大きくさせて前記回転電機を駆動する音発生駆動とを設け、
    前記回転電機の動作モードとしてノーマルモードとスポーツモードを設け、前記ノーマルモードが選択されている場合は前記静音駆動を実施し、前記スポーツモードが選択されている場合は前記音発生駆動を実施することを特徴とする車両走行音制御方法。
  6. 請求項5記載の車両走行音制御方法おいて、
    前記車両のアクセル開度を検出し、
    前記アクセル開度変化が所定値以上の場合、前記動作モードに関わらず、前記音発生駆動を実施することを特徴とする車両走行音制御方法。
  7. 請求項5又は6記載の車両走行音制御方法において、
    前記車両の走行速度を検出し、
    前記走行速度が所定値以下の場合、前記動作モードに関わらず、前記音発生駆動を実施することを特徴とする車両走行音制御方法。
  8. 請求項5〜7の何れか1項に記載の車両走行音制御方法において、
    前記回転電機はスイッチトリラクタンスモータが使用され、
    前記音発生駆動では、前記スイッチトリラクタンスモータのステータ突極とロータ突極が整列対向する前に通電を停止して吸引力を開放することにより、前記スイッチトリラクタンスモータのステータに対する吸引力を急激に変化させて前記ステータに対する径方向の力を急変させ、該ステータを径方向に振動させて作動音を大きくさせることを特徴とする車両走行音制方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN114919595A (zh) * 2022-06-13 2022-08-19 阿维塔科技(重庆)有限公司 一种驾驶模式控制方法、装置及汽车

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