JP2021030554A - 型締機構および型締機構の製造方法 - Google Patents

型締機構および型締機構の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】可動プラテンの貫通孔に対してタイバーの偏芯があってもシール性を強化し得る型締機構および型締機構の製造方法を提供する。【解決手段】型締機構10は、可動プラテン22から露出するタイバー24の周側面に取り付けられ、貫通孔22Hから漏れた潤滑剤をシールするためのシール部材42と、可動プラテン22とは別体であり、可動プラテン22の表面に接し、可動プラテン22からシール部材42までのタイバー24およびシール部材42を覆うハウジング44と、を備える。【選択図】図3

Description

本発明は、射出成形機の型締機構および型締機構の製造方法に関する。
射出成形機の型締機構は、固定プラテンに対して型締方向および型開方向に移動可能な可動プラテンと、可動プラテンに形成された貫通孔に挿通されるタイバーとを有する。
下記の特許文献1には、可動プラテンの貫通孔内にタイバーを支持する軸受が配設され、可動プラテンの端面に環状のシールが配設された型締機構が開示されている。
特開2001−246627号公報
しかしながら上記の特許文献1の型締機構では、可動プラテンの貫通孔に挿通されたタイバーに加わる荷重に応じて、可動プラテンの貫通孔に対してタイバーが鉛直上方向に偏芯する場合がある。この場合、タイバーからシールに加わる負荷が不均一になり、シールが破損するなどの問題が懸念される。
そこで、本発明は、可動プラテンの貫通孔に対してタイバーの偏芯があってもシール性を強化し得る型締機構および型締機構の製造方法を提供することを目的とする。
本発明の一つの態様は、
固定プラテンに対して型締方向および型開方向に移動可能な可動プラテンと、前記可動プラテンに形成された貫通孔に挿通されるタイバーと、を有する射出成形機の型締機構であって、
前記可動プラテンから露出する前記タイバーの周側面に取り付けられ、前記貫通孔から漏れた潤滑剤をシールするためのシール部材と、
前記可動プラテンとは別体であり、前記可動プラテンの表面に接し、前記可動プラテンから前記シール部材までの前記タイバーおよび前記シール部材を覆うハウジングと、
を備える。
また、本発明の他の一つの態様は、
射出成形機の型締機構を製造する型締機構の製造方法であって、
型締方向および型開方向に移動可能な可動プラテンに形成された貫通孔にタイバーを挿通する挿通工程と、
前記タイバーに対してシール構造を組み付ける組付工程と、
を含み、
前記シール構造は、前記可動プラテンから露出する前記タイバーの周側面に取り付けられ、前記貫通孔から漏れた潤滑剤をシールするためのシール部材と、
前記可動プラテンとは別体であり、前記可動プラテンの表面に接し、前記可動プラテンから前記シール部材までの前記タイバーおよび前記シール部材を覆うハウジングと、
を備える。
本発明の態様によれば、可動プラテンの貫通孔に対してタイバーが偏芯していても、タイバーに対して偏芯しないようにシール構造を設けることができる。したがって、可動プラテンの貫通孔に対してタイバーの偏芯があってもシール性を強化し得る型締機構および型締機構の製造方法を提供することができる。
型締機構を示す側面図である。 第1実施形態のシール構造を含む型締機構の斜視図である。 第1実施形態のシール構造を示す断面図である。 第2実施形態のシール構造を示す断面図である。 変形例1のシール構造を示す断面図である。 変形例2のシール構造を示す断面図である。
以下、本発明について、好適な実施形態を挙げ、添付の図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下に記載される各方向は、各図面に示された矢印に従うものとする。
図1を用いて、射出成形機に備えられる型締機構10を説明する。型締機構10は、金型16、固定プラテン18、リアプラテン20および可動プラテン22を有する。
金型16は、固定金型片16Aと、固定金型片16Aに対して型締方向および型開方向に移動可能な可動金型片16Bとを有する。固定金型片16Aは固定プラテン18に取り付けられ、可動金型片16Bは可動プラテン22に取り付けられる。
固定プラテン18とリアプラテン20とは、互いに間隔をあけて射出成形機の機台に配置され、型締方向および型開方向に沿って延在する複数のタイバー24により連結される。
可動プラテン22は、固定プラテン18とリアプラテン20との間に配置される。可動プラテン22には、複数のタイバー24の各々が摺動可能に貫通する。また、可動プラテン22には、ガイドレール26に嵌合するスライド部28が設けられる。ガイドレール26は、型締方向および型開方向に沿って延在している。したがって、可動プラテン22は、複数のタイバー24およびガイドレール26に案内されることで、固定プラテン18に対して型締方向および型開方向の双方向に移動可能である。
型締機構10は、プラテン駆動部30、クロスヘッド32、および、複数のトグルリンク34を有する。
プラテン駆動部30は、モータ30A、モータ30Aに接続された駆動プーリ30B、リアプラテン20に取り付けられたボールねじ30C、ボールねじ30Cに接続された従動プーリ30D、および、駆動プーリ30Bと従動プーリ30Dとに設けられたベルト30Eを有する。
プラテン駆動部30では、モータ30Aの回転に応じて駆動プーリ30Bが回転すると、ベルト30Eを通じて従動プーリ30Dおよびボールねじ30Cが一体的に回転する。ボールねじ30Cの軸は、型締方向および型開方向に沿って延在する。ボールねじ30Cに螺合する不図示のナットにクロスヘッド32が設けられる。したがって、型締操作に応じてボールねじ30Cが正回転(または逆回転)すると、クロスヘッド32は型締方向に移動する。一方、型開操作に応じてボールねじ30Cが逆回転(または正回転)すると、クロスヘッド32は型開方向に移動する。
クロスヘッド32は、複数のトグルリンク34を介して可動プラテン22と接続されている。したがって、クロスヘッド32が型締方向に移動すると、可動プラテン22は、複数のトグルリンク34を介してクロスヘッド32に押されることで型締方向に移動する。
可動プラテン22が型締方向に移動すると、その移動に応じて、可動プラテン22に取り付けられた可動金型片16Bが型締方向に移動する。可動金型片16Bが固定金型片16Aに当接した場合、金型16には、不図示の射出機構から射出される成形材料を充填するためのキャビティが形成される。
一方、クロスヘッド32が型開方向に移動すると、可動プラテン22は、複数のトグルリンク34を介してクロスヘッド32に引っ張られることで型開方向に移動する。
可動プラテン22が型開方向に移動すると、その移動に応じて、可動プラテン22に取り付けられた可動金型片16Bが型開方向に移動する。可動金型片16Bが固定金型片16Aから所定の間隔をあけた位置まで離間した場合、金型16のキャビティに充填され固化された成形品の取り出しが可能となる。
〔第1実施形態〕
次に、図2を用いて、型締機構10に備えられた第1実施形態のシール構造40を説明する。図2では、型締機構10の可動プラテン22およびタイバー24が示され、可動金型片16Bは省略されている。
シール構造40は、複数のタイバー24の各々に対して設けられる。なお、図2では、タイバー24の数は4つの場合が例示される。複数のタイバー24の各々に対して設けられるシール構造40は同じ構造である。以下では、1つのシール構造40のみを図3を用いて具体的に説明する。
可動プラテン22には、タイバー24が挿通される貫通孔22Hが形成され、貫通孔22Hには、管状のブッシュ22Bが固定される。ブッシュ22Bには、貫通孔22Hを挿通するタイバー24が通り、ブッシュ22Bとタイバー24との間の隙間には潤滑剤が供給される。
シール構造40は、可動プラテン22の外側に漏れた潤滑剤をシールする構造であり、シール部材42、ハウジング44および被覆部材46を有する。
シール部材42は、可動プラテン22の貫通孔22H(ブッシュ22Bとタイバー24との間の隙間)から漏れた潤滑剤をシールするための部材である。シール部材42は、可動プラテン22から露出するタイバー24の周側面に取り付けられる。シール部材42は、可動プラテン22から固定プラテン18側に露出するタイバー24の周側面に取り付けられてもよく、固定プラテン18側とは逆側に露出するタイバー24の周側面に取り付けられてもよい。シール部材42は、ゴムなどの防水性を有する素材により形成される。シール部材42は、Oリングであってもよい。
ハウジング44は、可動プラテン22の表面に接し、可動プラテン22からシール部材42までのタイバー24およびシール部材42を覆う。ハウジング44は、可動プラテン22とは別体であり、本実施形態では可動プラテン22に固定される。
可動プラテン22におけるタイバー24が延びる方向の端部の表面に凹部22Cが形成され、ハウジング44は、凹部22Cの内部に収まっていてもよい。凹部22Cは、可動プラテン22におけるタイバー24が延びる方向の固定プラテン18側の端部の表面に形成されていてもよく、固定プラテン18とは逆側の端部の表面に形成されていてもよい。なお、可動プラテン22におけるタイバー24が延びる方向の固定プラテン18側の端部の表面は、可動金型片16Bが配置される金型面である。
被覆部材46は、ハウジング44に収容され、シール部材42よりも可動プラテン22側に配置される。被覆部材46は、タイバー24に対して摺動可能にタイバー24の周側面を覆う。被覆部材46が設けられることで、タイバー24に対するハウジング44の位置ずれを抑制しつつ可動プラテン22の摺動性を高め易くなる。
なお、被覆部材46は、PTFE(Poly Tetra Fluoro Ethylene)など、相対的に摩擦係数が低く潤滑性を有するもので形成されていてもよい。
被覆部材46とタイバー24との間の隙間は、ブッシュ22Bとタイバー24との間の隙間よりも小さくてもよい。被覆部材46とタイバー24との間の隙間がブッシュ22Bとタイバー24との間の隙間よりも小さい場合、タイバー24に対する被覆部材46の偏芯を抑え易くなる。なお、被覆部材46は省いていてもよい。
次に、射出成形機の型締機構10を製造する型締機構10の製造方法の一部を説明する。具体的には、型締機構10の製造方法において、上記のシール構造40を組み付ける場合の工程に関して説明する。
型締機構10の製造方法では、シール構造40を組み付ける場合、まず、可動プラテン22に形成された貫通孔22Hにタイバー24を挿通する挿通工程が行われる。この挿通工程が終了したときには、タイバー24に加わる荷重に応じて、可動プラテン22の貫通孔22Hに対してタイバー24が鉛直上方向に偏芯している。
挿通工程が終了した後、可動プラテン22から露出するタイバー24に対して上記のシール構造40を組み付ける組付工程が行われる。すなわち、可動プラテン22の貫通孔22Hに挿通されたタイバー24に対して、シール構造40のシール部材42、ハウジング44および被覆部材46が所定の順序で設けられる。例えば、可動プラテン22の貫通孔22Hに挿通されたタイバー24に被覆部材46が設けられた後にハウジング44が設けられ、ハウジング44とタイバー24との間の隙間にシール部材42が設けられる。
このように、可動プラテン22の貫通孔22Hにタイバー24を挿通した後に、可動プラテン22から露出するタイバー24に対してシール構造40が組み付けられる。これにより、可動プラテン22の貫通孔22Hに対してタイバー24が偏芯していても、タイバー24に対して偏芯しないようにシール構造40を設けることができる。
したがって、シール構造40は、可動プラテン22の貫通孔22Hに対してタイバー24が偏芯していても、その偏芯に起因して破損や潤滑剤の漏れが生じることはない。この結果、可動プラテン22の貫通孔22Hに対してタイバー24の偏芯があってもシール性を強化することができる。
〔第2実施形態〕
次に、図4を用いて、型締機構10に備えられた第2実施形態のシール構造40を説明する。図4では、上記の第1実施形態において説明した構成と同等の構成に対して同一の符号が付されている。なお、本実施形態では、上記の第1実施形態と重複する説明は省略する。
本実施形態では、シール構造40は、シール部材42、ハウジング44および被覆部材46に加えて、取付部材48を備える。
ハウジング44は、第1実施形態では可動プラテン22に固定されたのに対し、本実施形態では可動プラテン22に非固定である。つまり、本実施形態では、ハウジング44は、可動プラテン22に対して非固定の状態で可動プラテン22の表面に接する。
取付部材48は、タイバー24が延びる方向の動きを規制するとともに、タイバー24が延びる方向とは交差する方向の動きを許容するようにハウジング44を可動プラテン22に取り付けるものである。取付部材48は、可動プラテン22に固定される。
なお、取付部材48は、ハウジング44を覆っていてもよく、可動プラテン22に対してハウジング44を押し付けていてもよい。
本実施形態では、シール部材42およびハウジング44が、可動プラテン22から露出するタイバー24に対し、そのタイバー24の延伸方向とは交差する方向に移動可能に設けられる。このため、可動プラテン22の貫通孔22Hに対してタイバー24が偏芯しても、タイバー24に対して偏芯しないようにシール部材42およびハウジング44がタイバー24に追従する。
したがって、本実施形態のシール構造40は、可動プラテン22の貫通孔22Hに対してタイバー24が偏芯しても、第1実施形態と同様に、その偏芯に起因して破損や潤滑剤の漏れが生じることはない。この結果、可動プラテン22の貫通孔22Hに対してタイバー24の偏芯があってもシール性を強化することができる。
〔変形例〕
上記の実施形態は、以下のように変形してもよい。
(変形例1)
図5を用いて、変形例1のシール構造40を説明する。図5では、上記の第1実施形態において説明した構成と同等の構成に対して同一の符号が付されている。なお、変形例1では、上記の第1実施形態と重複する説明は省略する。
変形例1のシール構造40は、第1実施形態のシール構造40を変形したものである。変形例1のシール構造40では、ハウジング44は磁石44Mを有し、磁石44Mの磁力により金属の可動プラテン22に固定される。なお、磁石44Mは、ハウジング44に代えて、可動プラテン22における少なくともタイバー24が延びる方向の端部が有していてもよい。可動プラテン22側が磁石44Mを有する場合には、ハウジング44が金属で形成される。
つまり、変形例1のシール構造40では、ハウジング44は、磁力により可動プラテン22に固定される。これにより、ハウジング44は、タイバー24に対する摩擦抵抗が磁力よりも大きくなった場合には、可動プラテン22の移動時にその可動プラテン22に対するハウジング44の固定を自動的に解除することができる。また、ハウジング44は、可動プラテン22に対するハウジング44の固定を自動的に解除することを通じて、タイバー24に対する摩擦抵抗が磁力よりも大きくなったことをオペレータに通知することができる。
なお、タイバー24に対する摩擦抵抗が磁力よりも大きくなる場合として、例えば、外部からハウジング44の内部に入った塵芥がタイバー24との間の隙間または隙間に溜まる場合が挙げられる。
(変形例2)
図6を用いて、変形例2のシール構造40を説明する。図6では、上記の第1実施形態において説明した構成と同等の構成に対して同一の符号が付されている。なお、変形例2では、上記の第1実施形態と重複する説明は省略する。
変形例2のシール構造40は、第1実施形態のシール構造40を変形したものである。変形例2のシール構造40は、タイバー24とハウジング44との隙間を塞ぐ繊維部材50をさらに備える。繊維部材50は、ハウジング44に収容され、シール部材42よりも可動プラテン22側とは逆側に配置される。このような繊維部材50が備えられることで、外部からハウジング44の内部に塵芥が入り込むことを抑制することができる。
なお、繊維部材50は、第2実施形態のシール構造40に備えてもよい。
[上記から得られる発明]
上記の実施形態および変形例から把握しうる発明について、以下に記載する。
(第1の発明)
第1の発明は、
固定プラテン(18)に対して型締方向および型開方向に移動可能な可動プラテン(22)と、可動プラテン(22)に形成された貫通孔(22H)に挿通されるタイバー(24)と、を有する射出成形機の型締機構(10)であって、
可動プラテン(22)から露出するタイバー(24)の周側面に取り付けられ、貫通孔(22H)から漏れた潤滑剤をシールするためのシール部材(42)と、
可動プラテン(22)とは別体であり、可動プラテン(22)の表面に接し、可動プラテン(22)からシール部材(42)までのタイバー(24)およびシール部材(42)を覆うハウジング(44)と、
を備える。
これにより、可動プラテン(22)の貫通孔(22H)に対してタイバー(24)が偏芯していても、タイバー(24)に対して偏芯しないようにシール構造(40)を設けることができる。したがって、シール構造(40)は、可動プラテン(22)の貫通孔(22H)に対してタイバー(24)が偏芯していても、その偏芯に起因して破損や潤滑剤の漏れが生じることはない。この結果、可動プラテン(22)の貫通孔(22H)に対してタイバー(24)の偏芯があってもシール性を強化することができる。
ハウジング(44)は、可動プラテン(22)に固定されてもよい。これにより、シール構造(40)のシール性を強化することができる。
ハウジング(44)は、磁力により可動プラテン(22)に固定されてもよい。これにより、タイバー(24)に対する摩擦抵抗が磁力よりも大きくなった場合には、可動プラテン(22)の移動時にその可動プラテン(22)に対するハウジング(44)の固定を自動的に解除することができる。
ハウジング(44)は、可動プラテン(22)に非固定であり、型締機構(10)は、タイバー(24)が延びる方向の動きを規制するとともに、タイバー(24)が延びる方向とは交差する方向の動きを許容するようにハウジング(44)を可動プラテン(22)に取り付ける取付部材(48)を備えてもよい。これにより、可動プラテン(22)の貫通孔(22H)に対してタイバー(24)が偏芯しても、タイバー(24)に対して偏芯しないようにシール部材(42)およびハウジング(44)がタイバー(24)に追従する。したがって、可動プラテン(22)の貫通孔(22H)に対してタイバー(24)の偏芯があってもシール性を強化することができる。
可動プラテン(22)における固定プラテン(18)側の外側表面に凹部(22C)が形成され、ハウジング(44)は、凹部(22C)の内部に収まっていてもよい。これにより、固定プラテン(18)側の外側表面に可動金型片(16B)を配置する際にハウジング(44)が邪魔になることを避けることができる。
型締機構(10)は、ハウジング(44)に収容され、シール部材(42)よりも可動プラテン(22)側とは逆側に配置され、タイバー(24)とハウジング(44)との隙間を塞ぐ繊維部材(50)を備えてもよい。これにより、外部からハウジング(44)の内部に塵芥が入り込むことを抑制することができる。
型締機構(10)は、ハウジング(44)に収容され、シール部材(42)よりも可動プラテン(22)側に配置され、タイバー(24)に対して摺動可能にタイバー(24)の周側面を覆う被覆部材(46)を備えてもよい。これにより、タイバー(24)に対するハウジング(44)の位置ずれを抑制しつつ可動プラテン(22)の摺動性を高め易い。
被覆部材(46)とタイバー(24)との間の隙間は、貫通孔(22H)に固定される管状のブッシュ(22B)と、ブッシュ(22B)に挿通されるタイバー(24)との間の隙間よりも小さくてもよい。これにより、タイバー(24)に対する被覆部材(46)の偏芯を抑え易い。
(第2の発明)
第2の発明は、
射出成形機の型締機構(10)を製造する型締機構(10)の製造方法であって、
型締方向および型開方向に移動可能な可動プラテン(22)に形成された貫通孔(22H)にタイバー(24)を挿通する挿通工程と、
タイバー(24)に対してシール構造(40)を組み付ける組付工程と、
を含み、
シール構造(40)は、可動プラテン(22)から露出するタイバー(24)の周側面に取り付けられ、貫通孔(22H)から漏れた潤滑剤をシールするためのシール部材(42)と、可動プラテン(22)とは別体であり、可動プラテン(22)の表面に接し、可動プラテン(22)からシール部材(42)までのタイバー(24)およびシール部材(42)を覆うハウジング(44)と、
を備える。
これにより、可動プラテン(22)の貫通孔(22H)に対してタイバー(24)が偏芯していても、タイバー(24)に対して偏芯しないようにシール構造(40)を設けることができる。したがって、シール構造(40)は、可動プラテン(22)の貫通孔(22H)に対してタイバー(24)が偏芯していても、その偏芯に起因して破損や潤滑剤の漏れが生じることはない。この結果、可動プラテン(22)の貫通孔(22H)に対してタイバー(24)の偏芯があってもシール性を強化することができる。
10…型締機構 22…可動プラテン
24…タイバー 40…シール構造
42…シール部材 44…ハウジング
46…被覆部材 48…取付部材
50…繊維部材

Claims (9)

  1. 固定プラテンに対して型締方向および型開方向に移動可能な可動プラテンと、前記可動プラテンに形成された貫通孔に挿通されるタイバーと、を有する射出成形機の型締機構であって、
    前記可動プラテンから露出する前記タイバーの周側面に取り付けられ、前記貫通孔から漏れた潤滑剤をシールするためのシール部材と、
    前記可動プラテンとは別体であり、前記可動プラテンの表面に接し、前記可動プラテンから前記シール部材までの前記タイバーおよび前記シール部材を覆うハウジングと、
    を備える、型締機構。
  2. 請求項1に記載の型締機構であって、
    前記ハウジングは、前記可動プラテンに固定される、型締機構。
  3. 請求項1または2に記載の型締機構であって、
    前記ハウジングは、磁力により前記可動プラテンに固定される、型締機構。
  4. 請求項1に記載の型締機構であって、
    前記ハウジングは、前記可動プラテンに非固定であり、
    前記タイバーが延びる方向の動きを規制するとともに、前記タイバーが延びる方向とは交差する方向の動きを許容するように前記ハウジングを前記可動プラテンに取り付ける取付部材を備える、型締機構。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の型締機構であって、
    前記可動プラテンにおける前記固定プラテン側の外側表面に凹部が形成され、
    前記ハウジングは、前記凹部の内部に収まっている、型締機構。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の型締機構であって、
    前記ハウジングに収容され、前記シール部材よりも前記可動プラテン側とは逆側に配置され、前記タイバーと前記ハウジングとの隙間を塞ぐ繊維部材を備える、型締機構。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の型締機構であって、
    前記ハウジングに収容され、前記シール部材よりも前記可動プラテン側に配置され、前記タイバーに対して摺動可能に前記タイバーの周側面を覆う被覆部材を備える、型締機構。
  8. 請求項7に記載の型締機構であって、
    前記被覆部材と前記タイバーとの間の隙間は、前記貫通孔に固定される管状のブッシュと、前記ブッシュに挿通される前記タイバーとの間の隙間よりも小さい、型締機構。
  9. 射出成形機の型締機構を製造する型締機構の製造方法であって、
    型締方向および型開方向に移動可能な可動プラテンに形成された貫通孔にタイバーを挿通する挿通工程と、
    前記タイバーに対してシール構造を組み付ける組付工程と、
    を含み、
    前記シール構造は、前記可動プラテンから露出する前記タイバーの周側面に取り付けられ、前記貫通孔から漏れた潤滑剤をシールするためのシール部材と、
    前記可動プラテンとは別体であり、前記可動プラテンの表面に接し、前記可動プラテンから前記シール部材までの前記タイバーおよび前記シール部材を覆うハウジングと、
    を備える、型締機構の製造方法。
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