JP2021029189A - 糖類の精製方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】貫流交換容量を大きくすることができる糖類の精製方法等を提供する。【解決手段】糖類を含む被処理液を、カチオン交換樹脂およびアニオン交換樹脂にそれぞれ接触させるイオン交換工程を含み、アニオン交換樹脂は、強塩基性アニオン交換樹脂(SA)および弱塩基性アニオン交換樹脂(WA)を含む糖類の精製方法。また、カチオン交換樹脂は、例えば、強酸性カチオン交換樹脂(SC)である。【選択図】図2

Description

本発明は、糖類を含む被処理液の精製方法に関し、より詳しくは、澱粉糖等を含む被処理液の精製方法に関する。
従来、澱粉糖等の糖類を含む被処理液を精製する場合、次のイオン交換装置を用いることがある。即ち、被処理液を、強酸性カチオン交換樹脂(SC)が充填されたカチオン塔、弱塩基性アニオン交換樹脂(WA)が充填されたアニオン塔、および強酸性カチオン交換樹脂(SC)と強酸性アニオン交換樹脂(SA)とが混合して充填された混床に順次通液する。その結果、塩分や色素成分等の不純物を除去し、脱塩および脱色を行う。
特許文献1には、糖含有水溶液の精製方法が記載されている。この場合、糖含有水溶液を、強酸性カチオン交換樹脂塔、弱塩基性アニオン交換樹脂塔、および強酸性カチオン交換樹脂塔と弱塩基性アニオン交換樹脂塔とを用いた混床塔に順次通液し、脱塩および脱色をしている。ここでいう複床塔の役割は、仕上げ用のポリッシャとしての役割であり、大部分は、弱塩基性アニオン交換樹脂塔までで脱塩および脱色が行われる。
特開2005−295916号公報
糖液を精製する場合、弱塩基性アニオン交換樹脂塔により、糖液に含まれる不純物(無機陰イオン、有機酸、色素等)をできるだけ多く除去することが望ましい。このため、弱塩基性アニオン交換樹脂塔に使用される弱塩基性アニオン交換樹脂(WA)の脱塩および脱色の性能向上が求められる。この場合、特に貫流交換容量の向上が強く求められている。つまり、弱塩基性アニオン交換樹脂(WA)は、弱酸性の有機酸がリークしやすい問題があり、そのため従来は、貫流交換容量(BTC:Break Through Capacity)が大きくなりにくい。なお、貫流交換容量とは、イオンが急激に遅漏しはじめる点である貫流点(BTP:Break Through Point)に達するまでに、交換した交換容量である。
本発明では、貫流交換容量を大きくすることができる糖類の精製方法を提供する。
本発明者等は、上記事情に鑑み、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、弱塩基性アニオン交換樹脂(WA)だけで糖類を処理する代わりに、強塩基性アニオン交換樹脂(SA)および弱塩基性アニオン交換樹脂(WA)を双方使用して糖類を処理することで、貫流交換容量を大きくすることができることを見出し、本発明を完成した。
かくして本発明によれば、糖類を含む被処理液を、カチオン交換樹脂およびアニオン交換樹脂にそれぞれ接触させるイオン交換工程を含み、アニオン交換樹脂は、強塩基性アニオン交換樹脂および弱塩基性アニオン交換樹脂を含む糖類の精製方法が提供される。
ここで、強塩基性アニオン交換樹脂および弱塩基性アニオン交換樹脂は1つの樹脂塔に充填されるようにすることができる。
また、弱塩基性アニオン交換樹脂は、樹脂母体がスチレン系架橋共重合体からなる弱塩基性陰イオン交換樹脂とすることができる。
本発明によれば、貫流交換容量を大きくすることができる糖類の精製方法等を提供することができる。
本実施の形態が適用される糖類精製ユニットについて説明したブロック図である。 (a)〜(b)は、精製装置について示した図である。 (a)〜(d)は、精製装置の種々の形態について示した図である。 (e)〜(f)は、精製装置の種々の形態について示した図である。
以下、本発明を実施するための形態(以下、発明の実施の形態)について詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することが出来る。また、使用する図面は本実施の形態を説明するためのものであり、実際の大きさを表すものではない。
以下、図面に基づき、本実施の形態が適用される糖類の精製装置および精製方法について説明を行なう。
(原液)
本実施の形態において、原液は、糖類を含む水溶液である。糖類については、特に限られるものではないが、例えば、澱粉糖、ビート糖、蔗糖などである。また、澱粉糖はデンプンを原料として得られる糖類の総称であり、ブドウ糖、麦芽糖、水飴、粉飴、異性化糖などが挙げられる。よって、原液としては、澱粉を原料として製造された、ブドウ糖、麦芽糖、水飴、粉飴、異性化糖等を含む澱粉糖液;ソルビトール、マルチトール等を含む糖アルコール糖液;乳糖含有糖液等の他、各種のオリゴ糖液などが挙げられる。中でも、本実施の形態では、原液が澱粉糖液である場合に、好適に適用することができる。
(被処理液)
被処理液は、詳しくは後述するが、原液を前処理した後の水溶液であり、ここでは、原液と区別するために、便宜的に「被処理液」を使用する。なお、詳しくは後述するが、前処理が不要の場合がある。このときは、原液がそのまま被処理液となる。
(イオン交換樹脂)
本実施の形態では、イオン交換樹脂として、カチオン交換樹脂およびアニオン交換樹脂の双方を使用する。
カチオン交換樹脂は、カチオンを交換する交換基を有する。カチオン交換樹脂は、強酸性の交換基を有する強酸性カチオン交換樹脂(SC)と、弱酸性の交換基を有する弱酸性カチオン交換樹脂(WC)とに分類される。強酸性の交換基としては、例えば、スルホン酸基(−SOH)が挙げられる。また、弱酸性の交換基としては、例えば、カルボキシル基(−COOH)が挙げられる。
強酸性カチオン交換樹脂(SC)としては、例えば、三菱ケミカル株式会社製のダイヤイオン(登録商標 以下同様)UBK08、SK1B、SK102、PK208、PK212、PK218、ダウ・ケミカル株式会社製のアンバーライト(登録商標 以下同様)IR120B、IR124、IR118、200CT等が挙げられる。
弱酸性カチオン交換樹脂(WC)としては、例えば、三菱ケミカル株式会社製のダイヤイオンWK11、WK40L等を用いることができる。
アニオン交換樹脂は、アニオンを交換する交換基を有する。アニオン交換樹脂は、強塩基性の交換基を有する強塩基性アニオン交換樹脂(SA)と、弱塩基性の交換基を有する弱塩基性カチオン交換樹脂(WA)とに分類される。強塩基性の交換基としては、例えば、四級アンモニウム基であるトリメチルアンモニウム基やジメチルエタノールアンモニウム基が挙げられる。さらに、弱塩基性の交換基としては、一級〜三級アミノ基が挙げられる。
強塩基性アニオン交換樹脂(SA)としては、三菱ケミカル株式会社製のダイヤイオンSA10A、SA11A、PA306、PA308(以上,I型)、SA20、PA408、PA412、PA312、PA418(以上、II型)、オルガノ株式会社製のアンバーライトIRA402BL、IRA400、IRA900、IRA904(以上,I型)、IRA411S、IRA410、IRA910(以上、II型)等が挙げられる。
また、弱塩基性アニオン交換樹脂(WA)は、母体樹脂が、スチレン系樹脂やアクリル系樹脂を含むものがあるが、何れも使用することができる。また、母体樹脂が、これらを混合した混合樹脂であってもよい。スチレン系樹脂としては、通常、スチレン、エチルスチレン、メチルスチレン等のスチレン系単量体と、架橋剤、例えばジビニルベンゼン、トリビニルベンゼンとの架橋共重合体であるが、スチレンとジビニルベンゼンとの架橋共重合体が好ましく用いられる。
また、アクリル系樹脂としては、(メタ)アクリル酸エステル、例えば、エチルアクリレート、メチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリロイル基を有する単量体と、架橋剤、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジビニルベンゼン、トリビニルベンゼンとの架橋共重合体が挙げられるが、アクリル酸エステルとジビニルベンゼンとの架橋共重合体を用いるのが好ましい。
母体樹脂が、アクリル系樹脂の弱塩基性アニオン交換樹脂(WA)としては、三菱ケミカル株式会社製ダイヤイオンWA10、WA11、オルガノ株式会社製のアンバーライトIRA67、IRA478等が挙げられる。また、母体樹脂がスチレン系樹脂の弱塩基性アニオン交換樹脂(WA)としては、三菱ケミカル株式会社製のダイヤイオンWA30、WA20、WA21、オルガノ株式会社製のXE583を挙げられる。
これらのイオン交換樹脂は、粒子状とすることが好ましく、例えば、円柱形状または球状等に成型されたペレットとすることができる。また、イオン交換樹脂を架橋度または多孔度で分類した場合には、ゲル型、ポーラス型、ハイポーラス型等が挙げられるが、何れも使用できる。
<糖類精製ユニット1の全体説明>
図1は、本実施の形態が適用される糖類精製ユニット1について説明したブロック図である。
図示する糖類精製ユニット1は、糖類の精製装置の一例であり、糖類を含む原液から塩分や色素成分等の不純物を除去し、処理液とする装置である。糖類精製ユニット1は、原液に対し前処理を行う前処理装置10と、前処理を行った後の被処理液から不純物を除去し処理液とする精製装置20とを備える。
前処理装置10は、精製装置20にて被処理液の処理を行うための前処理を行う装置である。糖類を含む原液は、前処理装置10により前処理され、精製装置20で処理を行うための被処理液となる。なお、前処理装置10で行う処理は、前処理工程として捉えることもできる。
前処理装置10は、例えば、活性炭塔である。活性炭塔は、内部に活性炭が充填され、原液を活性炭に通液することで、不純物として原液に含まれる色素成分等を除去し、脱色を行うことができる。
また、前処理装置10は、例えば、濾過装置である。濾過装置は、内部に珪藻土などが充填され、原液を珪藻土等に通液することで、濾過処理を行い、不純物として原液に含まれる微粒子を除去することができる。
さらに、前処理装置10は、例えば、クロマト分離装置である。クロマト分離装置は、内部に分離剤が充填され、原液に含まれる各成分の分離剤に対する相互作用の差を利用することで、複数の成分を分離する。クロマト分離装置により、原液に含まれる複数種の糖類について、分離を行うことができる。
前処理装置10は、複数の装置から構成されてもよい。即ち、上述した活性炭塔、濾過装置、クロマト分離装置の何れかを、複数備えてもよい。
なお、前処理装置10は、必ずしも必要な装置ではない。例えば、精製装置20にて色素成分等を除去し、脱色を行えば十分な場合がある。このとき、前処理装置10として、活性炭塔は不要となる。また、被処理液中に複数種の糖類が混在してもよい場合は、前処理装置10として、クロマト分離装置は不要となる。
精製装置20は、被処理液の精製処理を行う。具体的には、被処理液をイオン交換樹脂に通液し、被処理液をイオン交換樹脂と接触させることにより、不純物として被処理液に含まれる塩分や色素成分を除去する。
図2(a)〜(b)は、精製装置20について示した図である。
図示する精製装置20は、被処理液を通液し、処理液とするための2つのイオン交換樹脂塔を備える。これらのイオン交換樹脂塔は、図2(a)に図示するように、配管H1〜H3を介して直列に接続され、順に被処理液を通液していく。
これらのイオン交換樹脂塔は、上流側から、カチオン交換樹脂を充填したカチオン交換樹脂塔21、アニオン交換樹脂を充填したアニオン交換樹脂塔22である。つまり、被処理液は、カチオン交換樹脂を充填したイオン交換樹脂塔およびアニオン交換樹脂を充填したイオン交換樹脂塔を、基本的には被処理液が破過するまで通液する。
本実施の形態では、図2(b)で示すように、カチオン交換樹脂塔21に充填されるカチオン交換樹脂は、強酸性カチオン交換樹脂(SC)であり、弱酸性カチオン交換樹脂(WC)を含まない。即ち、カチオン交換樹脂塔21は、単床式のイオン交換樹脂塔である。
対して、アニオン交換樹脂塔22は、アニオン交換樹脂として、強塩基性カチオン交換樹脂(SA)および弱塩基性カチオン交換樹脂(WA)が充填される。即ち、アニオン交換樹脂塔22は、混床式のイオン交換樹脂塔である。
このように、本実施の形態は、アニオン交換樹脂塔22において用いるアニオン交換樹脂が、強塩基性アニオン交換樹脂(SA)および弱塩基性アニオン交換樹脂(WA)を含むことを特徴とする。 強塩基性アニオン交換樹脂(SA)およびスチレン系弱塩基性アニオン交換樹脂(WA)は、1つの樹脂塔に充填される。混床式のイオン交換樹脂塔の充填方法は特に限定されず、強塩基性アニオン交換樹脂(SA)および弱塩基性アニオン交換樹脂(WA)を混ぜた状態で充填してもよいし、上下に分けて充填してもよい。
この構成により、貫流交換容量を増加させることができる。つまり、従来は、アニオン交換樹脂塔22で用いるアニオン交換樹脂は、比較的総交換容量の高い弱塩基性アニオン交換樹脂(WA)であり、単床式のイオン交換樹脂塔であるのが一般的であった。対して、本実施の形態では、アニオン交換樹脂として、弱塩基性アニオン交換樹脂(WA)だけでなく、強塩基性アニオン交換樹脂(SA)を混合したものを用いる。これにより、被処理液中の弱酸成分を除去する能力が低下しにくくなる。なお、弱酸性成分としては、シュウ酸、クエン酸、乳酸、ギ酸などの有機酸があげられる。
弱塩基性アニオン交換樹脂(WA)だけを充填した単床式のイオン交換樹脂塔の場合、アニオン交換樹脂塔22からの有機酸等の弱酸性成分のリークが早いため、貫流交換容量が小さくなる。
対して、本実施の形態のように、アニオン交換樹脂として、強塩基性アニオン交換樹脂(SA)および弱塩基性アニオン交換樹脂(WA)を含む混床式とした構成とすることで、有機酸等の弱酸性成分の除去能力が高くなる。そのため、アニオン交換樹脂として、弱塩基性アニオン交換樹脂(WA)を単独で使用する場合に比較して、貫流交換容量を増加させることができる。
強塩基性アニオン交換樹脂(SA)と弱塩基性アニオン交換樹脂(WA)との比率は、上記効果が生じるという観点から、体積比(SA/WA)で、0/100を超え、30/70以下であることが好ましい。また、0/100を超え、20/80以下であることがさらに好ましく、10/90であることが特に好ましい。これにより、強塩基性アニオン交換樹脂(SA)を含まない(SA/WA=0/100)場合よりも、貫流交換容量を増加させることができる。なお、強塩基性アニオン交換樹脂(SA)の割合が増えるほど、糖の異性化が生じやすくなるため、上記比率は、30/70以下であることが好ましい。この場合、糖の異性化とは、ブドウ糖がフラクトースに変化することであり、ブドウ糖が塩基性の物質に接触機会が大きいほど、異性化は進む。
精製装置20に通液する被処理液の温度は、30℃以上60℃以下であることが、好ましく、35℃以上50℃以下であることが、さらに好ましい。被処理液の温度が、30℃未満であると、被処理液の粘度が過大になりやすく、精製装置20に被処理液を通液させるためのポンプ(図示せず)として、吐出能力が、より大きなものが要求される。また、イオン交換樹脂塔に作用する圧力が、より大きくなり、交換樹脂塔内部の構造を強固にする必要がある。さらに、被処理液の温度が、30℃未満であると、菌類が繁殖しやすくなり、被処理液の殺菌の観点から、望ましくない。一方、被処理液の温度が、60℃を超えると、弱塩基性アニオン交換樹脂(WA)の交換基が離脱しやすくなり、アニオンの交換能力が低下しやすくなる。
なお、上述した強酸性カチオン交換樹脂(SC)、強塩基性アニオン交換樹脂(SA)および弱塩基性アニオン交換樹脂(WA)の少なくとも1つは、複数種の混合物であってもよい。つまり、イオン交換樹脂として、複数の銘柄を混合して使用してもよい。
<精製装置20の他の形態の説明>
精製装置20は、図2で示したものに限られるものではない。
図3(a)〜(d)、図4(e)〜(f)は、精製装置20の種々の形態について示した図である。
このうち、図3(a)に示す精製装置20は、図2(b)に示した精製装置20と同様の構成であり、カチオン交換樹脂塔21、アニオン交換樹脂塔22が、直列に接続される。そして、被処理液は、これらのイオン交換樹脂塔を順に通液することで処理され、処理液となる。
図3(b)に示す精製装置20は、図3(a)に示した精製装置20と比較して、カチオン交換樹脂塔23およびアニオン交換樹脂塔24をさらに加えた例である。カチオン交換樹脂塔23は、カチオン交換樹脂塔21と同様の構成を有し、強酸性カチオン交換樹脂(SC)が充填される。また、アニオン交換樹脂塔24は、アニオン交換樹脂塔22と同様の構成を有し、強塩基性アニオン交換樹脂(SA)と弱塩基性アニオン交換樹脂(WA)とが充填される。この構成の場合、カチオン交換樹脂塔21およびアニオン交換樹脂塔22で行われる前段のイオン交換工程P1と、カチオン交換樹脂塔23およびアニオン交換樹脂塔24で行われる後段の第2のイオン交換工程P2を含む、と言うこともできる。
またこの場合、カチオン交換樹脂塔21およびアニオン交換樹脂塔22は、糖類を含む被処理液を、カチオン交換樹脂を充填したカチオン交換手段およびアニオン交換樹脂を充填したアニオン交換手段にそれぞれ通液するイオン交換手段として把握することができる。また、カチオン交換樹脂塔23およびアニオン交換樹脂塔24は、イオン交換手段の後段に、さらにカチオン交換樹脂およびアニオン交換樹脂にそれぞれ通液する第2のイオン交換手段として把握することができる。そして、第1のイオン交換手段と第2のイオン交換手段とでメリーゴーラウンド方式に運用できる。
図3(b)に示す精製装置20は、図3(a)に示した精製装置20と比較して、糖類の脱塩および脱色をさらに精密に行うことができる。一方、図3(a)に示した精製装置20は、図3(b)に示した精製装置20に比較して、装置構成が簡易である利点が存在する。
図3(c)に示す精製装置20は、図3(a)に示した精製装置20と比較して、カチオン交換樹脂塔21とアニオン交換樹脂塔22との順を入れ換えた構成とした例である。つまり、カチオン交換樹脂塔21およびアニオン交換樹脂塔22は、何れが先であってもよい。図3(a)に示した精製装置20では、被処理液を、カチオン交換樹脂に通液した後にアニオン交換樹脂に通液する。対して、図3(c)に示した精製装置20では、被処理液を、アニオン交換樹脂に通液した後にカチオン交換樹脂に通液する。この場合でも、図3(a)と同様に糖類の精製を行うことができる。
図3(d)に示す精製装置20は、図3(b)に示した精製装置20と比較して、カチオン交換樹脂塔21とアニオン交換樹脂塔22との順、およびカチオン交換樹脂塔23とアニオン交換樹脂塔24との順を入れ換えた構成とした例である。つまり、上述したように、カチオン交換樹脂塔21およびアニオン交換樹脂塔22は、何れが先であってもよいので、これと同様に、カチオン交換樹脂塔23とアニオン交換樹脂塔24との順を入れ換えてもよい。この場合でも、図3(b)と同様に糖類の精製を行うことができる。
図4(e)に示す精製装置20は、図3(a)に示した精製装置20に比較して、アニオン交換樹脂塔22の後段に、混床式イオン交換樹脂塔26をさらに付加した例である。図示するように、混床式イオン交換樹脂塔26は、強酸性カチオン交換樹脂(SC)および強塩基性アニオン交換樹脂(SA)を充填する。これにより、図3(a)に示した精製装置20に比較して、不純物である塩分や色素成分などを、さらに除去する。即ち、混床式イオン交換樹脂26を設けることで、不純物を高度に除去するポリッシャとして機能する。
図4(f)に示す精製装置20は、図3(b)に示した精製装置20に比較して、アニオン交換樹脂塔24の後段に、混床式イオン交換樹脂塔26をさらに付加した例である。これにより、図3(b)に示した精製装置20に比較して不純物である塩分や色素成分などを、さらに低減させることができる。
この混床式イオン交換樹脂塔26は、第2のイオン交換手段の後段に、強酸性カチオン交換樹脂(SC)および強塩基性アニオン交換樹脂(SA)の混合体に通液する第3のイオン交換手段として捉えることができる。
この混床式イオン交換樹脂塔26で行う処理は、第2のイオン交換工程P2の後段に、強酸性カチオン交換樹脂(SC)および強塩基性アニオン交換樹脂(SA)の混合体に通液する第3のイオン交換工程P3であると捉えることができる。
アニオン交換樹脂の再生は、強塩基性アニオン交換樹脂(SA)については、例えば、水酸化ナトリウム(NaOH)水溶液を通液することにより行う。また、弱塩基性アニオン交換樹脂(WA)については、例えば、水酸化ナトリウム(NaOH)水溶液、炭酸ナトリウム(NaCO)水溶液、NH水溶液を通液させることにより行う。なお、この再生の処理は、アニオン交換樹脂の再生を行う再生工程として捉えることもできる。
なお、このとき強塩基性カチオン交換樹脂(SC)の再生をともに行ってもよく、強塩基性カチオン交換樹脂(SC)の再生は、上記アニオン交換樹脂の再生とは別に行ってもよい。なお、強塩基性カチオン交換樹脂(SA)の再生は、塩酸を通液させることにより行うことができる。
以上詳述したように、本実施の形態では、アニオン交換樹脂塔22に充填されるアニオン交換樹脂として、強塩基性アニオン交換樹脂(SA)および弱塩基性アニオン交換樹脂(WA)を併用して、糖類の精製を行う。これにより、弱塩基性アニオン交換樹脂(WA)を単独で使用する場合に比較して、有機酸がリークが生じにくくなり、貫流交換容量を増大させることができる。
一方、弱塩基性アニオン交換樹脂(WA)は、塩基性であるため、糖の異性化が進む可能性がある。しかしながら、本実施の形態では、強塩基性アニオン交換樹脂(SA)と弱塩基性アニオン交換樹脂(WA)との比率を調整することで、糖の異性化が生じることを抑制することができる。
以下、本発明を実施例を用いて、より詳細に説明するが、本発明は、その要旨を越えない限りこれらの実施例により限定されるものではない。
なお、以下の実施例において、使用したイオン交換樹脂は以下の通りであり、何れも三菱ケミカル株式会社製のイオン交換樹脂である。なお、ここでPA412の総交換容量は、1.3(meq/ml)であり、WA30の総交換容量は、1.5(meq/ml)である。
強酸性カチオン交換樹脂(SC):SK1B
強塩基性アニオン交換樹脂(SA):PA412
弱塩基性アニオン交換樹脂(WA):WA30
〔精製処理〕
(実施例1)
原液として、ブドウ糖を40質量%含む水溶液を用意した。
また、図2に示す精製装置20を用意した。このとき、精製装置20では、カチオン交換樹脂塔21、アニオン交換樹脂塔22として、22.13mmφ×500mmのジャケット付きカラムを使用した。
そして、カチオン交換樹脂塔21に、強酸性カチオン交換樹脂(SC)として、SK1Bを39mLとなるように充填した。また、アニオン交換樹脂塔22に、強塩基性アニオン交換樹脂(SA)であるPA412と弱塩基性アニオン交換樹脂(WA)であるWA30とを、合計で50mLとなるように充填した。このとき、これらの体積比は、SA/WA=20/80になるようにした。
そして、上記被処理液を、前処理装置10として、活性炭を充填したカラムに通液して前処理を行い、被処理液とした。この被処理液は、糖度(Bx)が36%であり、フラクトースの含有率が0.1%未満である。さらに電気伝導率は、400μS/cmであった。
さらに、被処理液を精製装置20に通液し、精製処理を行った。このとき、精製装置20に通液する際の通液流量は、アニオン交換樹脂に対し、SV5とした。これは、250mL/hに相当する。そして、ジャケットにより、カラム内を通液する被処理液の温度を40℃になるように保温した。
(実施例2)
実施例1に対し、SA/WA=10/90とした以外は、実施例1と同様にして、原液の処理を行った。
(比較例1)
実施例1に対し、SA/WA=0/100とした以外は、実施例1と同様にして、原液の処理を行った。即ち、比較例1では、強塩基性アニオン交換樹脂(SA)であるPA412は使用せず、弱塩基性アニオン交換樹脂(WA)であるWA30だけを使用して、処理を行った。
〔結果〕
結果を、表1に示す。
表1では、実施例1、実施例2、および比較例1の結果について示している。
貫流交換容量は、電気伝導率、比抵抗、吸光光度、pHなどで確認できるが、ここでは、電気伝導率で3μS/cmになったときを貫流点とし、このときの交換容量を、貫流交換容量とした。
貫流交換容量は、比較例1に対して、実施例1、実施例2ともに大幅に大きくなっていることがわかる。なおここでは、貫流交換容量は、通液液量で示す。この場合、例えば、通液液量が、78BV(ベットボリューム)とは、被処理液が、充填したアニオン交換樹脂の体積の78倍通液したことを表す。
同様に、実施例1、2におけるフラクトースの濃度は、1%以下となり、糖の異性化の割合は1%以下に抑えられ、ブドウ糖の成分濃度は高く保たれていることがわかる。
1…糖類精製ユニット、10…前処理装置、20…精製装置、21、23…カチオン交換樹脂塔、22、24、25…アニオン交換樹脂塔、26…混床式イオン交換樹脂塔、P1…イオン交換工程、P2…第2のイオン交換工程

Claims (3)

  1. 糖類を含む被処理液を、カチオン交換樹脂およびアニオン交換樹脂にそれぞれ接触させるイオン交換工程を含み、
    前記アニオン交換樹脂は、強塩基性アニオン交換樹脂および弱塩基性アニオン交換樹脂を含む糖類の精製方法。
  2. 前記強塩基性アニオン交換樹脂および前記弱塩基性アニオン交換樹脂は1つの樹脂塔に充填される、請求項1に記載の糖類の精製方法。
  3. 前記弱塩基性アニオン交換樹脂は、樹脂母体がスチレン系架橋共重合体からなる弱塩基性陰イオン交換樹脂である、請求項1または2に記載の糖類の精製方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2000184900A (ja) * 1998-12-22 2000-07-04 Japan Organo Co Ltd 澱粉糖糖液の精製方法及び装置
JP2004147541A (ja) * 2002-10-30 2004-05-27 Nippon Rensui Co Ltd 糖液の精製方法

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