JP2021026862A - ヒーター装置、車両用撮像装置、及びヒーター装置の製造方法 - Google Patents

ヒーター装置、車両用撮像装置、及びヒーター装置の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2021026862A
JP2021026862A JP2019142984A JP2019142984A JP2021026862A JP 2021026862 A JP2021026862 A JP 2021026862A JP 2019142984 A JP2019142984 A JP 2019142984A JP 2019142984 A JP2019142984 A JP 2019142984A JP 2021026862 A JP2021026862 A JP 2021026862A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
transparent
heater device
transparent substrate
heating wire
adhesive layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2019142984A
Other languages
English (en)
Inventor
真志 梶
Shinji Kaji
真志 梶
拓也 唐澤
Takuya Karasawa
拓也 唐澤
寿久 前田
Toshihisa Maeda
寿久 前田
隆志 渡辺
Takashi Watanabe
隆志 渡辺
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tokyo Cosmos Electric Co Ltd
Panac Co Ltd
Original Assignee
Tokyo Cosmos Electric Co Ltd
Panac Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tokyo Cosmos Electric Co Ltd, Panac Co Ltd filed Critical Tokyo Cosmos Electric Co Ltd
Priority to JP2019142984A priority Critical patent/JP2021026862A/ja
Publication of JP2021026862A publication Critical patent/JP2021026862A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Fittings On The Vehicle Exterior For Carrying Loads, And Devices For Holding Or Mounting Articles (AREA)
  • Surface Heating Bodies (AREA)
  • Resistance Heating (AREA)

Abstract

【課題】高品質の撮像画像を得ることができるヒーター装置を提供する。【解決手段】ヒーター装置200は、透明基板210と、透明基板210の第1の面側に配設された電熱線211と、透明基板210の第1の面側に形成された透明な粘着層212と、透明基板210と粘着層212との間に電熱線211を被覆するように形成された透明緩衝層213と、を有する。【選択図】図4

Description

本開示は、ヒーター装置、車両用撮像装置、及びヒーター装置の製造方法に関する。
従来、車両の窓ガラス等に取り付けられ、当該窓ガラス等の取り付け対象物を加熱するヒーター装置が知られている(例えば、特許文献1を参照)。
この種のヒーター装置は、例えば、窓ガラス越しに車外を監視する車両用撮像装置や車載レーダーにおける、監視領域の窓ガラスの霜取りや曇り止めを行う装置として使用される。
特許文献1には、車両のフロントガラスに直接貼り付けられて、フロントガラスを加熱するシート状のヒーター装置が記載されている。撮像装置は、フロントガラス及びヒーター装置越しに車外からの光を受光して、車両の前方画像を撮像する。
特開2017−147031号公報
ところで、上述したように、フロントガラスに直接貼着されてフロントガラスを加熱するシート状のヒーター装置が用いられた場合、撮像装置はヒーター装置を透過した撮像光を受光して撮像画像を得ることとなる。ここで、撮像装置によって撮像された画像は、車両の走行制御等に用いられることから、ヒーター装置による悪影響が極力排除された、可能な限り高品質な画像である必要がある。
本開示は、以上の点を考慮してなされたものであり、高品質の撮像画像を得ることができるヒーター装置、車両用撮像装置、及びヒーター装置の製造方法を提供する。
本開示のヒーター装置の一つの態様は、
透明部材の一面に貼着されるシート状のヒーター装置であって、
透明基板と
前記透明基板の第1の面側に配設された電熱線と、
前記透明基板の前記第1の面側に形成された透明な粘着層と、
前記透明基板と前記粘着層との間に、前記電熱線を被覆するように形成された透明緩衝層と、
を具備するヒーター装置。
本開示の車両用撮像装置の一つの態様は、
前記ヒーター装置と、
前記ヒーター装置を透過した撮像光を受光して撮像画像を得る撮像装置と、
を具備する。
本開示のヒーター装置の製造方法の一つの態様は、
透明部材の一面に貼着されるシート状のヒーター装置の製造方法であって、
透明基板の第1の面側に電熱線を形成する工程と
前記透明基板の前記第1の面側に、前記電熱線を被覆するように透明緩衝層を形成する工程と、
前記透明緩衝層における前記透明基板とは反対の面側に、透明な粘着層を形成する工程と、
を含む。
本発明によれば、透明緩衝層を形成したので、ヒーター装置を透明部材の一面に貼着したときに、電熱線近傍の透明基板に電熱線の高さに起因する凸部が生じにくくなり、電熱線の近傍の撮像画像にレンズ効果に起因するフレアや歪みの発生を抑制でき、その結果、高品質の撮像画像を得ることができる。
電熱線に対応する部分の透明基板が突き出る様子を示した断面図であり、図1Aは透明基板上に配置された電熱線の様子を示す図、図1Bは粘着層の表面に電熱線のパターンに応じた凹凸面が現れる様子を示す図、図1Cはヒーター装置をフロントガラスに貼着したときに電熱線の位置の透明基板が表面側に突き出る様子を示す図、図1Dは透明基板の突出部分での光の出射の様子を示す略線的光路図 ヒーター装置の取り付け状態の一例を示す略線的断面図 ヒーター装置の電熱線の配線パターンを示す平面図 実施の形態に係るヒーター装置の構成を示す断面図 比較例としての従来のヒーター装置の構成を示す断面図 実験の概略図 くさび角の説明に供する、ヒーター装置の凸部付近の拡大図 凸部のくさび角と、ポインター長及びフレア長との関係を示す図 接着層の厚みとフレア長との関係を示す図 接着層の厚みとくさび角との関係を示す図 他の実施の形態のヒーター装置の構成を示す断面図
<1>本発明に至った経緯
実施の形態を説明する前に、本発明に至った経緯について説明する。
本発明の発明者らは、電熱線を有するシート状のヒーター装置を車両のフロントガラスに貼着し、そのヒーター装置越しにカメラにて撮像を行うと電熱線の近傍の撮像画像に歪みやフレア現象(点光源の形が点ではなく縦方向に伸びた状態に見える現象)が生じることに気がついた。
発明者らは、この歪みやフレア現象の原因について検討した結果、先ず、電熱線が形成されている透明基板が電熱線のパターンに沿った凹凸形状となっていることを突き止めた。
次に、何故そのような凹凸形状が生じるのかを検討した結果、前記凹凸形状が生じるのは、ヒーター装置をフロントガラスに貼着するために電熱線を被覆するように透明基板に貼着されたシート状の粘着層がフロントガラスに圧着(貼着)されると、その圧着力により電熱線に対応する部分の透明基板が突き出るためであることを突き止めた。
この様子を、図1に示す。図1Aに示したように、透明基板10上に電熱線11が配置され、その電熱線11を被覆するように透明基板10の第1の面に透明な粘着層12が付着される。この粘着層は例えば両面テープである。すると、図1Bに示したように、粘着層12の表面には電熱線11のパターンに応じた凸部12aが生じる。次に、凸部12aを含む面をフロントガラス13のガラス面に対向させて、透明基板10の表面側を押圧することで、透明基板10、電熱線11及び粘着層12からなるヒーター装置100がフロントガラス13に貼着される。
図1Cは、ヒーター装置100のフロントガラス13への貼着状態を示す。図1Cから明らかなように、電熱線11の位置に対応する透明基板10が表面側に突き出ることにより凸部10aが形成される。凸部10aは、粘着層12の凸部12aがガラス面によって押された結果、その反対側の透明基板10が突き出ることにより生じる。つまり、粘着層12の凸部12aが透明基板10に押圧により転写される。
図1Dは、透明基板10の凸部10aでの光の出射の様子を示す略線的光路図である。なお、図1C及び図1Dで示された光路は、図を簡単化するために、透明基板10からの出射方向の変化のみに着目したものであり、他の部分での光の屈折の様子は省略してある。図1Dから明らかなように、電熱線11の位置の透明基板10が表面側に突き出ると、フロントガラス13から入射した光は、透明基板10から出射する際に、電熱線11の近傍においてレンズ効果により異なる方向に出射するようになる。この結果、電熱線11の近傍の撮像画像に歪みやフレアが生じてしまう。
本発明の発明者らは、上述したような考察の下、本発明に至った。
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
<2>実施の形態
図2は、本実施形態に係るヒーター装置200の取り付け状態の一例を示す略線的断面図である。図2は、車両のフロントガラス13の上部領域を表している。なお、フロントガラス13は、水平方向に対して約20度〜約45度傾斜するように延在している。
ヒーター装置200はシート状である。より具体的には、ヒーター装置200は、電熱線を有する面状発熱体であって、フロントガラス13の車内側に貼着され、フロントガラス13や周辺の雰囲気を暖めることによってフロントガラス13の霜取りや曇り止めを行う。
ヒーター装置200に対応する車内位置には撮像ユニット300が取り付けられる。撮像ユニット300は、撮像部301と、撮像部301で撮像した画像の画像処理を行う画像処理部302と、を有する。撮像ユニット300により得られた車外の画像は、例えば車両を制御する車両制御ECU(図示せず)に提供される。
撮像部301の撮像方向には、ヒーター装置200が配設されており、撮像部301は、フロントガラス13及びヒーター装置200越しに車外からの光を受光して、車両の前方画像を撮像する。なお、図中の一点鎖線は撮像領域を示す。
ヒーター装置200と撮像ユニット300とにより、本実施の形態の車両用撮像装置が構成される。
図3は、ヒーター装置200の電熱線の配線パターンを示す平面図である。ヒーター装置200は、透明基板10上に電熱線11が配設されている。電熱線11は電源供給端子T1に接続されている。また、電熱線11は、PTCサーミスタS1に接続されている。PTCサーミスタS1は、電熱線11の過熱及び過電流を防止する。
図4は、本実施の形態に係るヒーター装置200の構成を示す断面図である。
ヒーター装置200は、透明基板210と、透明基板210の第1の面側に配設された電熱線211と、透明基板210の第1の面側に形成された透明な粘着層212と、透明基板210と粘着層212との間に電熱線211を被覆するように形成された透明緩衝層213と、を有する。
透明基板210は、例えばPET(ポリエチレンテレフタレート)フィルムである。透明基板210としては、できるだけ透明度が高く、かつ、車両のガラス面の形状に追従できるような可撓性を有する基板が用いられる。
電熱線211は、例えば銅箔である。電熱線211は接着剤(図示せず)によってPETの第1の面に接着されている。電熱線211は、例えばエッチング処理を行うことで形成される。
粘着層212は、アクリル樹脂を主成分とするものである。本実施の形態の場合、粘着層212は、アクリル系粘着剤を主成分とする透明な両面テープである。また、粘着層212は、厚さが均一である。本実施の形態の場合、粘着層212の厚さは25μmである。
透明緩衝層213は、例えばエポキシ樹脂を主成分とするものである。透明緩衝層213は、エポキシ樹脂のような熱硬化性樹脂の場合、未硬化時の溶融状態において粘着層212の流動性よりも流動性が高い物性を有する材料であることが好ましい。また、透明緩衝層213は、熱硬化性樹脂であることが好ましい。
透明緩衝層213は、粘着層212の表面側に、電熱線211の高さに起因する凸部が生じないように、あるいは、生じたとしても小さくする目的で設けられている。
つまり、図5に示した従来構成では、透明基板10上に透明緩衝層212を介在させずに直接粘着層12が形成されているので、粘着層12の表面には電熱線の高さに起因する凸部12aが生じてしまう。すると、図1を用いて上述したように、この凸部12aが原因となって、電熱線11の近傍の撮像画像に歪みやフレアが生じるといった不都合が生じる。粘着層12を厚くするほど、及び、粘着層12の弾性率を低くするほど、凸部12aを小さくできると考えられる。しかし、粘着層12を極端に厚くしたり、弾性率を極端に低くすることは現実的ではない。例えば、弾性率が低い(柔らかい)粘着剤を用いれば、段差追従性に富むため、凸部12aを小さくできるが、柔らかい粘着剤はカット適正等で問題があるため、現実的には使用することが困難である。
本実施の形態では、透明緩衝層213を設けたことにより、粘着層212の厚さや弾性率を考慮しなくても、粘着層212の表面に電熱線211の高さに起因する凸部が存在しない、あるいは、凸部が存在したとしても当該凸部は透明基板210に直接粘着層212を形成した場合の凸部よりも小さくすることができる。換言すれば、透明緩衝層213の粘着層212との境界面には、電熱線211の高さに起因する凸部が存在しない、あるいは、凸部が存在したとしても当該凸部は透明基板210に直接粘着層212を形成した場合の凸部よりも小さい。
本実施の形態の場合、透明緩衝層213は、レジスト印刷の手法を用いて形成されている。レジスト印刷を行ったことにより、透明緩衝層213を所望位置に正確かつ容易に形成できる。所望位置とは、電熱線211のパターンが形成された領域である。透明基板210の電熱線211のパターンが形成された領域以外の領域には、電熱線211をPTCサーミスタS1(図3)などの他の電気回路に接続するための接続部などが存在するので、その位置は透明緩衝層213の形成領域から除外される。つまり、レジスト印刷の手法を用いれば、エポキシ樹脂などからなる透明緩衝層213を容易に適切な位置にのみ形成できる。
実際上、透明緩衝層213は、レジスト印刷を複数回(例えば2〜3回)行うことで形成される。これにより、透明緩衝層213の表面をより平坦化できる(つまり凸部を低減できる)。さらに、レジスト印刷の後に熱プレスすれば、透明緩衝層213の表面をより平坦化できる。ここで、熱プレス時には、透明緩衝層213は加熱されているので流動性が高く、よって透明緩衝層213の表面の凸部は透明基板210側には転写されずに、凸部が平坦となる(つまり凸部が無くなる)。
本実施の形態の場合、透明緩衝層213としてエポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂を用いているので、透明緩衝層213は、溶融状態において粘着層212よりも流動性が高く、硬化後は粘着層212よりも高硬度となる。
次に、ヒーター装置200の製造について説明する。
先ず、透明基板210の第1の面側に電熱線211を形成する。次に、透明基板210の第1の面側に、電熱線211を被覆するように透明緩衝層213を形成する。この際、溶融状態において粘着層よりも流動性が高い物性を有する透明緩衝層213の材料を、透明基板210の第1の面に電熱線211を被覆するように塗工し、塗布後に前記材料の露出面が前記材料の流動性により平坦化し硬化するまで加熱放置する。本実施の形態では、前記材料を熱プレスすることにより、前記材料を平坦化及び硬化させる。
次に、透明緩衝層213における透明基板210とは反対の面側に、透明な粘着層212を形成する。次に、粘着層212をガラス面に貼着する。
<3>実験
発明者らは、図1に示したような、透明基板10に生じた凸部10aによる撮像画像への影響を調べるための実験を行った。
図6は、実験の概略を示す。フロントガラスを模擬したガラス台20の表面にヒーター装置100のサンプルを貼着した。同じく、ガラス台20の表面にヒーター装置200のサンプルを貼着した(図示せず)。サンプルであるヒーター装置100、200が貼着されるガラス台20の傾斜面の傾斜角は、フロントガラスの傾斜を模擬して30度とした。図7は、ヒーター装置100の凸部10a(図1の凸部10aに相当する)付近の拡大図である。凸部10aは、ほぼ台形形状であり、平坦面からくさび角θで盛り上がっている。
レーザーポインター21からサンプルのヒーター装置100に向けてレーザー光を照射し、スクリーン22に映った透過光を観察した。観察したのは、レーザーポインター21のレーザー光の長さ(以下これを「ポインター長」と呼ぶ)と、その周辺に現れたフレアの長さである。
図8−図10は、複数のヒーター装置100、200に対する実験を行って得た実験結果を示す。図8は、凸部10aのくさび角θと、ポインター長及びフレア長との関係を示す。図9は、ヒーター装置100、200の粘着層12、212の厚みとフレア長との関係を示す。
ここで、凸部10aは必ずしも図7に示したような台形形状となるわけではなく、実際には図1C、図1Dに示したような曲線を含む形状となる。つまり、図7は、説明を分かり易くするためにモデル化した図である。本明細書のくさび角θとは、本質的には、凸部10aの開始点(つまり盛り上がり開始点)と、凸部10aの頂点(つまり最も盛り上がっている点)とを直線で結び、この直線と透明基板10の平坦面とのなす角度のことである。
ここで、フレアが発生すると、目障りであり、撮像画質の低下にも繋がるので、当然、フレアは発生しないことが好ましく、発生したとしてもフレア長は短い方が好ましい。フレアの発生原因は、凸部10aが生じたことによる屈折の影響であると考えられる。つまり、光線が凹凸部によるくさびプリズム効果により屈折することで、光点が線状に伸びてフレアが発生する。
図8から分かるように、くさび角θが0.1°以下ではフレア長は短いが、くさび角θが0.1°を超えるとフレア長は急激に長くなる。
また、図9から分かるように、レジスト未塗布の場合(つまり透明緩衝層213を設けない場合)には、粘着層12の厚みが100μmより大きければフレア長は短いが、粘着層12の厚みが100μm以下ではフレア長は急激に長くなる。これに対して、レジストを塗布した場合(つまり透明緩衝層213を設けた場合)には、粘着層212の厚みが50μm付近でもフレア長は十分に短い。因みに、レジスト1はレジストを1回塗布した場合を示し、レジスト2はレジストを2回塗布した場合を示す。
さらに、図10から分かるように、レジスト未塗布の場合(つまり透明緩衝層213を設けない場合)には、粘着層12の厚みが厚くなるほど、くさび角θは小さくなる。これに対して、レジストを塗布した場合(つまり透明緩衝層213を設けた場合)には、くさび角θは粘着層212が薄くても十分に小さい。特に、レジストを2回塗布した場合(レジスト2)では、粘着層212が非常に薄くてくさび角θを0.1°以下に抑えることができることが分かった。
図1に示したような従来の構成では、くさび角θを0.1°以下に制御するためには、粘着層12の厚さ及び弾性率を慎重に選定する必要があるが、図4に示した本実施の形態のヒーター装置200によれば、透明緩衝層213を設けたことにより、くさび角θを容易に0.1以下に制御することができる。この結果、電熱線211の近傍の撮像画像にレンズ効果に起因するフレアや歪みが生じることを抑制でき、その結果、高品質の撮像画像を得ることができる。
<4>他の実施の形態
図4との対応部分に同一符号を付して示す図11は、他の実施の形態に係るヒーター装置200の構成を示す断面図である。図11のヒーター装置200は、図の上から順に(貼着対象であるフロントガラス側から順に)、粘着層212、透明基板210、透明緩衝層213、粘着層221、透明フィルム222、防曇コート層223が形成されている。透明基板210には電熱線211が形成されている。
透明緩衝層213は、ヒートシール材又は粘着材により形成されている。ヒートシール材としては、例えばポリオレフィン、ポリエステル、アクリル、PVBなどの透明かつ耐熱性(ヒーター温度(例えば120°C)程度では溶融しないもの)を有するものを用いることができる。粘着材としては、例えばアクリル、シリコーン樹脂などが用いることができる。透明フィルム222としては、例えばアクリルやポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネートフィルムなどが用いられる。
図11の構成によれば、透明緩衝層213を有するので、図4の構成と同様に、凸部のくさび角θを容易に0.1以下に制御することができる。この結果、図4の構成と同様に、電熱線211の近傍の撮像画像にレンズ効果に起因するフレアや歪みが生じることを抑制でき、その結果、高品質の撮像画像を得ることができる。
図11のヒーター装置200は、透明基板210の第1の面に電熱線211を被覆するように透明なヒートシール材又は粘着材の層からなる透明緩衝層213を塗工し、透明緩衝層213を透明フィルム222でラミネートした後に熱プレスにより透明緩衝層213を平滑化及び熱硬化する。次に、防曇コート層223を形成する。次に、透明基板210の電熱線211とは反対側の第2の面に、透明な粘着層212を形成する。次に、粘着層212をフロントガラスなどのガラス面に貼着する。
上述の実施の形態は、本発明を実施するにあたっての具体化の一例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその要旨、またはその主要な特徴から逸脱することの無い範囲で、様々な形で実施することができる。
例えば、上述の実施の形態では、透明基板210としてPETフィルムを用いた場合について述べたが、これに限らず、他の透明基板を用いた場合にも適用できる。本発明は透明基板として高い可撓性を有する基板を用いた場合に有効である。
また、図4の透明基板210が、防曇機能を有することが好ましい。透明基板210を防曇機能を有する構成とするためには、例えば、透明基板210における電熱線211が形成される面とは反対側の面に吸水性有機ポリマーなどの親水性膜(防曇膜)を形成すればよい。そして、透明基板210の防曇機能を補助するように電熱線211への通電を行うようにすれば、電熱線211での消費電力を有効に低減できるようになる。
上述の実施の形態では、本開示のヒーター装置200を車両のフロントガラス13の霜や曇りを抑制する装置として用いた場合について述べたが、本発明のヒーター装置はこれに限らない。本開示のヒーター装置200は、ガラス面に代えて例えば透明なプラスチックの面に貼着されてもよい。要は、本発明は、透明部材の一面に貼着されたヒーター装置を透過した撮像光を受光して撮像画像を得る撮像装置における前記ヒーター装置として広く適用可能である。
10、210 透明基板
11、211 電熱線
12、212、221 粘着層
10a、12a 凸部
13 フロントガラス
100、200 ヒーター装置
213 透明緩衝層
300 撮像ユニット
301 撮像部
302 画像処理部

Claims (13)

  1. 透明部材の一面に貼着されるシート状のヒーター装置であって、
    透明基板と、
    前記透明基板の第1の面側に配設された電熱線と、
    前記透明基板の前記第1の面側に形成された透明な粘着層と、
    前記透明基板と前記粘着層との間に、前記電熱線を被覆するように形成された透明緩衝層と、
    を具備するヒーター装置。
  2. 前記透明緩衝層の前記粘着層との境界面には、前記電熱線の高さに起因する凸部が存在しない、あるいは、凸部が存在したとしても当該凸部は前記透明基板に直接前記粘着層を形成した場合の凸部よりも小さい、
    請求項1に記載のヒーター装置。
  3. 前記透明緩衝層は、溶融状態において前記粘着層よりも流動性が高い物性を有する材料でなる、
    請求項1又は2に記載のヒーター装置。
  4. 前記透明緩衝層は、熱硬化性樹脂である、
    請求項1から3のいずれか一項に記載のヒーター装置。
  5. 前記粘着層はアクリル樹脂を主成分とするものであり、前記透明緩衝層はエポキシ樹脂を主成分とするものである、
    請求項1から4のいずれか一項に記載のヒーター装置。
  6. 前記透明緩衝層は、
    前記電熱線を被覆する、透明なヒートシール材又は粘着材の層と、
    前記ヒートシール材又は粘着材の層と、前記粘着層との間に設けられた透明フィルムと、
    を有する、
    請求項1に記載のヒーター装置。
  7. 前記透明基板は、防曇シートである、
    請求項1から6のいずれか一項に記載のヒーター装置。
  8. 請求項1から7のいずれか一項に記載のヒーター装置と、
    前記ヒーター装置を透過した撮像光を受光して撮像画像を得る撮像装置と、
    を具備する車両用撮像装置。
  9. 透明部材の一面に貼着されるシート状のヒーター装置の製造方法であって、
    透明基板の第1の面側に電熱線を形成する工程と、
    前記透明基板の前記第1の面側に、前記電熱線を被覆するように透明緩衝層を形成する工程と、
    前記透明緩衝層における前記透明基板とは反対の面側に、透明な粘着層を形成する工程と、
    を含むヒーター装置の製造方法。
  10. 前記粘着層を前記ガラス面に貼着する工程をさらに含む、
    請求項9に記載のヒーター装置の製造方法。
  11. 前記透明緩衝層を形成する工程では、
    溶融状態において前記粘着層よりも流動性が高い物性を有する材料を、前記透明基板の前記第1の面に前記電熱線を被覆するように塗工し、塗布後に前記材料の露出面が前記材料の流動性により平坦化し硬化するまで放置する、
    請求項9に記載のヒーター装置の製造方法。
  12. 前記透明緩衝層を形成する工程では、
    前記透明基板の前記第1の面に前記電熱線を被覆するように透明なヒートシール材又は粘着材の層を塗工し、前記ヒートシール材又は粘着材の層を透明フィルムでラミネートした後に熱プレスにより前記ヒートシール材又は粘着材の層を平滑化及び熱硬化する、
    請求項9に記載のヒーター装置の製造方法。
  13. 前記透明基板の前記第1の面とは反対側の面に防曇膜を形成する工程を、さらに含む、
    請求項9から12のいずれか一項に記載のヒーター装置の製造方法。
JP2019142984A 2019-08-02 2019-08-02 ヒーター装置、車両用撮像装置、及びヒーター装置の製造方法 Pending JP2021026862A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019142984A JP2021026862A (ja) 2019-08-02 2019-08-02 ヒーター装置、車両用撮像装置、及びヒーター装置の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019142984A JP2021026862A (ja) 2019-08-02 2019-08-02 ヒーター装置、車両用撮像装置、及びヒーター装置の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2021026862A true JP2021026862A (ja) 2021-02-22

Family

ID=74664772

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019142984A Pending JP2021026862A (ja) 2019-08-02 2019-08-02 ヒーター装置、車両用撮像装置、及びヒーター装置の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2021026862A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP7125261B2 (ja) 車両用撮影装置
JP6652031B2 (ja) 車両用装飾部品及びその製造方法
CN109581785B (zh) 减少杂散光的摄像模组及其感光组件
CN109969138B (zh) 车辆用车窗装置的绝热结构
JP7142428B2 (ja) 加熱装置
KR20120051677A (ko) 두 화각에서 동시 초점 조절을 위한 광학 모듈
US20090129412A1 (en) Apparatus for bonding camera module, equipment for assembling camera module having the apparatus, and method of assembling camera module using the equipment
JP2010098055A (ja) 遮光構造、撮像装置及びその製造方法、並びに生体情報取得装置
JP2019196299A (ja) 合わせガラス
JP2018198145A (ja) 発熱装置
JP2020506537A (ja) 電子モジュール、特に乗物搭載用に構成されるカメラのモジュール接続用可撓性導体トラック
JP2018537705A (ja) 改良された接着エリアを有する自動車両のカメラ用レンズ装置、カメラ、自動車両、及び方法
US20190294213A1 (en) Electronic module and imaging system
JP2020008814A (ja) カメラモジュール
JP2017158097A (ja) カメラ装置
JP2021026862A (ja) ヒーター装置、車両用撮像装置、及びヒーター装置の製造方法
WO2021024787A1 (ja) ヒーター装置、車両用撮像装置、及びヒーター装置の製造方法
JP2018116121A (ja) 撮像装置
US9671336B2 (en) Illumination for detecting raindrops on a pane by means of a camera
JP2008287121A (ja) 遠赤外線カメラ用レンズユニットとその製造方法
JP2011137975A (ja) カバー部材、レンズユニット、および製造方法
WO2021200590A1 (ja) 防曇発熱体
JP2019009192A (ja) 発光機能を備えた光透過プレート
JP2022070434A (ja) 撮像装置
JP7472146B2 (ja) ヒーター装置及び車両用撮像装置

Legal Events

Date Code Title Description
RD01 Notification of change of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7426

Effective date: 20190911

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20190912