JP2021022900A - トランスインピーダンス増幅回路 - Google Patents

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Abstract

【課題】信号品質を改善すること。【解決手段】トランスインピーダンス増幅回路10Bでは、制御回路51は、制御電流Icntに基づく制御電流Iagccntを生成し、可変抵抗回路53Bの電界効果トランジスタ56,57のソース及び基板端子には基準電圧信号Vrefが供給され、電界効果トランジスタ56のドレイン及びゲートは制御電流Iagccntを受けるとともに、抵抗素子58を介して電界効果トランジスタ57のゲートに電気的に接続され、電界効果トランジスタ57は、ゲートとドレインとの間の第1容量と、ゲートとソースとの間の第2容量と、が互いに等しくなるように構成されており、抵抗素子58の抵抗値は、第1容量によるインピーダンスよりも大きく、可変抵抗回路53Bは、制御電流Iagccntに応じて交流バイパス電流Iagcを電界効果トランジスタ57のドレインからソースに流す。【選択図】図1

Description

本開示は、トランスインピーダンス増幅回路に関する。
従来、光通信用の光信号を電気信号に変換するトランスインピーダンス増幅回路がある(例えば、特許文献1及び特許文献2参照)。特許文献1には、フォトダイオードのカソード及びアノードにそれぞれ設けられた、直流電流を引き抜くためのトランジスタと、交流電流を引き抜くためのトランジスタと、反転増幅回路及び帰還抵抗素子で構成されるTIA部と、を備えるトランスインピーダンス増幅回路が記載されている。このトランスインピーダンス増幅回路では、交流電流を引き抜くためのトランジスタのソース電位は、TIA部の入力電位に一致するようにバッファによって与えられ、当該トランジスタのゲートは制御回路に接続され、当該トランジスタのドレインはTIA部の入力端子に接続されている。差動出力信号の振幅が一定となるように、ゲート電圧が調整され、TIA部の出力において、フォトダイオードからの入力電流が歪まないように振幅制御が行われる。
米国特許第9774305号明細書 特開2012−10107号公報
特許文献1に記載のトランスインピーダンス増幅回路では、交流電流を引き抜くためのトランジスタのソースは、バッファによって接地されており、直流から高周波に亘ってソース電位は一定である。また、当該トランジスタのゲートには、信号振幅と目標電位との誤差が積分された信号が制御回路から供給されるので、高周波では一定の電圧が供給される。これに対して、TIA部の入力インピーダンスは、通常10〜100Ω程度であり、フォトダイオードからの入力電流に対して電位変動が発生し得るので、トランジスタのドレイン電位は僅かに変動し得る。交流電流を引き抜くためのトランジスタは、ソース電圧とドレイン電圧とがほぼ一致しているので、抵抗素子として動作する。しかしながら、ドレイン電位が僅かながら変動しているので、トランジスタのドレイン−ソース間のオン抵抗の値(抵抗素子の抵抗値)は変化し得る。その結果、ドレイン電位が高い場合と低い場合とで抵抗値が変化し、これによって引き抜かれる交流電流の電流量に差が生じることがある。この差が歪みとなり、信号品質に影響を与えるおそれがある。
本開示は、信号品質を改善可能なトランスインピーダンス増幅回路を説明する。
本開示の一側面に係るトランスインピーダンス増幅回路は、受光素子によって生成された入力電流信号に応じて差動電圧信号を生成する回路である。このトランスインピーダンス増幅回路は、入力電流信号を受ける入力端子と、電流信号を電圧信号に変換するシングルエンド型増幅回路と、電圧信号と基準電圧信号との差分に応じて差動電圧信号を生成する差動増幅回路と、差分の積分値に基づいて制御電流を生成する制御電流生成回路と、制御電流に応じて直流バイパス電流及び交流バイパス電流を生成するバイパス回路と、を備える。電流信号は、入力電流信号から直流バイパス電流及び交流バイパス電流が引き抜かれることによって生成される。バイパス回路は、制御電流が入力される制御回路と、制御電流に応じて交流バイパス電流を生成する可変抵抗回路と、を備える。制御回路は、所定のオフセット電流値を有するオフセット電流を生成し、制御電流を増幅することで生成した電流とオフセット電流との差分を第1増幅率で増幅することで第1制御電流を生成する。可変抵抗回路は、第1制御電流を受ける第1ドレインと、第1ドレインに電気的に接続される第1ゲートと、基準電圧信号が供給される第1ソースと、基準電圧信号が供給される第1基板端子と、を有する第1電界効果トランジスタと、第1抵抗素子と、入力端子に電気的に接続される第2ドレインと、第1ドレイン及び第1ゲートに第1抵抗素子を介して電気的に接続される第2ゲートと、基準電圧信号が供給される第2ソースと、基準電圧信号が供給される第2基板端子と、を有する第2電界効果トランジスタと、を備える。第2電界効果トランジスタは、第2ゲートと第2ドレインとの間の第1容量と、第2ゲートと第2ソースとの間の第2容量と、が互いに等しくなるように構成されている。第1抵抗素子の抵抗値は、第1容量によるインピーダンスよりも大きい。可変抵抗回路は、第1制御電流に応じて交流バイパス電流を第2ドレインから第2ソースに流す。
本開示によれば、信号品質を改善することができる。
図1は、一実施形態に係るトランスインピーダンス増幅回路を備える光受信装置の構成を概略的に示す図である。 図2は、図1に示される積分回路の回路構成例を示す図である。 図3は、図1に示される制御回路に供給される制御電流と、制御回路によって生成される電流との関係を示す図である。 図4は、図1に示される制御回路の回路構成例を示す図である。 図5は、図1に示される電界効果トランジスタの端子間容量を説明するための図である。 図6は、図5に示される端子間容量の容量値の例を示す図である。 図7の(a)は、図1に示されるトランスインピーダンス増幅回路における入力光平均パワーに対する全高調波歪率の変化を示す図である。図7の(b)は、図1に示されるトランスインピーダンス増幅回路における入力光平均パワーに対するTIA部の出力振幅の変化を示す図である。図7の(c)は、図1に示されるトランスインピーダンス増幅回路における入力光平均パワーに対する電界効果トランジスタの各端子における振幅の変化を示す図である。 図8の(a)は、比較例のトランスインピーダンス増幅回路における入力光平均パワーに対する全高調波歪率の変化を示す図である。図8の(b)は、比較例のトランスインピーダンス増幅回路における入力光平均パワーに対するTIA部の出力振幅の変化を示す図である。図8の(c)は、比較例のトランスインピーダンス増幅回路における入力光平均パワーに対する電界効果トランジスタの各端子における振幅の変化を示す図である。
[本開示の実施形態の説明]
最初に本開示の実施形態の内容を列記して説明する。
本開示の一側面に係るトランスインピーダンス増幅回路は、受光素子によって生成された入力電流信号に応じて差動電圧信号を生成する回路である。このトランスインピーダンス増幅回路は、入力電流信号を受ける入力端子と、電流信号を電圧信号に変換するシングルエンド型増幅回路と、電圧信号と基準電圧信号との差分に応じて差動電圧信号を生成する差動増幅回路と、差分の積分値に基づいて制御電流を生成する制御電流生成回路と、制御電流に応じて直流バイパス電流及び交流バイパス電流を生成するバイパス回路と、を備える。電流信号は、入力電流信号から直流バイパス電流及び交流バイパス電流が引き抜かれることによって生成される。バイパス回路は、制御電流が入力される制御回路と、制御電流に応じて交流バイパス電流を生成する可変抵抗回路と、を備える。制御回路は、所定のオフセット電流値を有するオフセット電流を生成し、制御電流を増幅することで生成した電流とオフセット電流との差分を第1増幅率で増幅することで第1制御電流を生成する。可変抵抗回路は、第1制御電流を受ける第1ドレインと、第1ドレインに電気的に接続される第1ゲートと、基準電圧信号が供給される第1ソースと、基準電圧信号が供給される第1基板端子と、を有する第1電界効果トランジスタと、第1抵抗素子と、入力端子に電気的に接続される第2ドレインと、第1ドレイン及び第1ゲートに第1抵抗素子を介して電気的に接続される第2ゲートと、基準電圧信号が供給される第2ソースと、基準電圧信号が供給される第2基板端子と、を有する第2電界効果トランジスタと、を備える。第2電界効果トランジスタは、第2ゲートと第2ドレインとの間の第1容量と、第2ゲートと第2ソースとの間の第2容量と、が互いに等しくなるように構成されている。第1抵抗素子の抵抗値は、第1容量によるインピーダンスよりも大きい。可変抵抗回路は、第1制御電流に応じて交流バイパス電流を第2ドレインから第2ソースに流す。
このトランスインピーダンス増幅回路では、第2電界効果トランジスタの第2ゲートは、第1抵抗素子を介して第1電界効果トランジスタの第1ゲートに電気的に接続されており、第1電界効果トランジスタがダイオード接続されている。このため、第2ゲートは、第1抵抗素子及び第1電界効果トランジスタの微分抵抗を介して基準電圧信号に接続される。しかし、第1抵抗素子の抵抗値が第2ゲートと第2ドレインとの間の第1容量によるインピーダンスよりも大きいので、第1抵抗素子によって第2ゲートと第1ゲートとは高周波的に分離(アイソレート)され得る。したがって、第2ゲートと第2ドレインとの間の第1容量と、第2ゲートと第2ソースとの間の第2容量と、によって第2ドレインと第2ソースとの間の電圧が分圧された電圧が第2ゲートに印加される。第2電界効果トランジスタは、第1容量と第2容量とが互いに等しくなるように構成されているので、第2ドレインと第2ソースとの間の電圧の半分程度の電圧が第2ゲートに印加される。これにより、第2電界効果トランジスタの微分抵抗値が、第2ドレインと第2ソースとの間の電圧によって変動することが抑えられる。その結果、歪みの発生が抑制されるので、信号品質を改善することが可能となる。
可変抵抗回路は、第2抵抗素子をさらに備えてもよい。第2基板端子には、第2抵抗素子を介して基準電圧信号が供給されてもよい。第2電界効果トランジスタは、第2基板端子と第2ドレインとの間の第3容量と、第2基板端子と第2ソースとの間の第4容量と、が互いに等しくなるように構成されてもよい。第2抵抗素子の抵抗値は、第3容量によるインピーダンスよりも大きくてもよい。第2基板端子は、端子間容量を介して第2ゲートと電気的に接続されるので、第2基板端子の電位は当該端子間容量を介して第2ゲート電位に影響を与え得る。これに対し、第2基板端子には、第2抵抗素子を介して基準電圧信号が供給され、第2抵抗素子の抵抗値は、第3容量によるインピーダンスよりも大きい。このため、第2抵抗素子によって第2基板端子は第2電界効果トランジスタの外部から高周波的に分離(アイソレート)され得る。第2電界効果トランジスタは、第2基板端子と第2ドレインとの間の第3容量と、第2基板端子と第2ソースとの間の第4容量と、が互いに等しくなるように構成されているので、第2ドレインと第2ソースとの間の電圧の半分程度の電圧が第2基板端子に印加される。これにより、第2基板端子の電位が第2ゲート電位と同程度となるので、第2基板端子の電位が第2ゲート電位に与える影響を軽減することが可能となる。その結果、歪みの発生がさらに抑制されるので、信号品質をさらに改善することが可能となる。
バイパス回路は、制御電流に応じて直流バイパス電流を生成する帰還電流源をさらに備えてもよい。制御回路は、制御電流が大きくなるにつれて直流バイパス電流が大きくなるように帰還電流源を制御してもよい。この場合、単一の制御ループで、直流成分を除去する制御とトランスインピーダンス増幅回路の利得制御とを実現することができるので、回路規模が大きくなることを抑制することが可能となる。
制御回路は、制御電流を第2増幅率で増幅することで第2制御電流を生成してもよい。帰還電流源は、第2制御電流を受ける第3ドレインと、第3ドレインに電気的に接続される第3ゲートと、接地電位に電気的に接続される第3ソースと、を有する第3電界効果トランジスタと、入力端子に電気的に接続される第4ドレインと、第3ドレイン及び第3ゲートに電気的に接続される第4ゲートと、第3ソースに電気的に接続される第4ソースと、を有する第4電界効果トランジスタと、を備えてもよい。帰還電流源は、第2制御電流に応じて直流バイパス電流を第4ドレインから第4ソースに流してもよい。この場合、第3電界効果トランジスタがダイオード接続されているので、第3電界効果トランジスタの第3ドレインが第2制御電流を受けると、第3ゲートと第3ソースとの間にゲート・ソース間電圧が生成される。第3ゲートと第4ゲートとは互いに電気的に接続されており、第3ソースと第4ソースとは互いに電気的に接続されているので、第4電界効果トランジスタのゲート・ソース間電圧は第3電界効果トランジスタのゲート・ソース間電圧と等しくなる。第4電界効果トランジスタでは、第4ソースが第3ソース、つまり接地電位に電気的に接続され、第4ドレインが入力端子に電気的に接続されているので、第4ソースと第4ドレインとの電位差が大きくなる。これにより、第4電界効果トランジスタは飽和領域で動作する。このため、第4電界効果トランジスタは電流源として機能し、第4ドレインの出力インピーダンスが大きくなるので、入力電流信号の交流成分はほとんど第4電界効果トランジスタに流れ込まないものの、入力電流信号の直流成分は直流バイパス電流として第4電界効果トランジスタに流れ込み得る。そして、制御電流が大きくなるにつれて、第3電界効果トランジスタのゲート・ソース間電圧が大きくなるので、入力電流信号の直流成分が直流バイパス電流として入力電流信号から引き抜かれ、入力電流信号から直流成分の除去が適切に行われる。
上記トランスインピーダンス増幅回路は、基準電圧信号を生成する基準電圧生成回路をさらに備えてもよい。基準電圧生成回路は、増幅器と、増幅器の入出力間に電気的に接続された帰還抵抗素子と、を備えてもよい。この場合、基準電圧生成回路の出力インピーダンスが広い周波数範囲において低くなる。つまり、シングルエンド型増幅回路の入力端子から見た可変抵抗回路のインピーダンスが、広い周波数範囲において低くなる。このため、入力電流信号から交流バイパス電流を引き抜きやすくすることができる。
[本開示の実施形態の詳細]
本開示の実施形態に係るトランスインピーダンス増幅回路の具体例を、図面を参照しつつ以下に説明する。なお、本開示はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
図1は、一実施形態に係るトランスインピーダンス増幅回路を備える光受信装置の構成を概略的に示す図である。図2は、図1に示される積分回路の回路構成例を示す図である。図3は、図1に示される制御回路に供給される制御電流と、制御回路によって生成される電流との関係を示す図である。図4は、図1に示される制御回路の回路構成例を示す図である。図5は、図1に示される電界効果トランジスタの端子間容量を説明するための図である。図6は、図5に示される端子間容量の容量値の例を示す図である。
図1に示される光受信装置1Bは、不図示の光送信装置から送信された光信号Pinを受信する。光受信装置1Bは、受光素子PDと、トランスインピーダンス増幅回路10Bと、を備える。受光素子PDは、光信号Pinを受信し、光信号Pinに応じた光電流Ipd(入力電流信号)を生成する。光電流Ipdは、直流成分を含み得る。受光素子PDの例としては、フォトダイオード及びアバランシェ・フォトダイオードが挙げられる。受光素子PDの一方の端子は、所定のバイアス電圧VPDに電気的に接続され、受光素子PDの他方の端子は、光電流Ipdを出力する。
トランスインピーダンス増幅回路10Bは、受光素子PDによって生成された光電流Ipdを受け、光電流Ipdに応じて電圧信号である差動電圧信号Vout,Voutbを生成する。差動電圧信号Vout,Voutbは、一対の相補信号である。トランスインピーダンス増幅回路10Bは、入力端子10aを備える。入力端子10aには光電流Ipdが入力される。
トランスインピーダンス増幅回路10Bは、TIA(TransImpedance Amplifier)部11(シングルエンド型増幅回路)と、基準電圧発生回路12と、差動増幅回路13と、制御電流生成回路14と、バイパス回路15Bと、を備える。
TIA部11は、電流信号Iinを電圧信号Vtiaに変換する回路である。具体的には、TIA部11は、電圧アンプ11aと、帰還抵抗素子11bとを備える。電圧アンプ11aの入力端子と出力端子とは、帰還抵抗素子11bを介して電気的に接続されている。つまり、帰還抵抗素子11bは、電圧アンプ11aの入出力間に電気的に接続されている。電流信号Iinは、光電流Ipdから直流バイパス電流Iaoc及び交流バイパス電流Iagcが引き抜かれることによって生成される。直流バイパス電流Iaoc及び交流バイパス電流Iagcはバイパス回路15Bによって制御されるが、詳細については後述する。電圧信号Vtiaの増減は、電流信号Iinの増減に対して反転している。電圧アンプ11aは、例えば反転増幅回路である。TIA部11は、電圧信号Vtiaを差動増幅回路13及び制御電流生成回路14に出力する。TIA部11の利得(電流信号Iinの大きさに対する電圧信号Vtiaの大きさの比)は、帰還抵抗素子11bの抵抗値(トランスインピーダンス)によって決まる。
基準電圧発生回路12は、直流の電圧信号である基準電圧信号Vrefを生成する回路である。基準電圧発生回路12は、基準電圧信号Vrefを差動増幅回路13、制御電流生成回路14、及びバイパス回路15Bに出力する。基準電圧信号Vrefは、所定の電圧値(固定値)を有する。基準電圧発生回路12は、出力インピーダンスが広帯域にわたって低インピーダンスとなるように構成されてもよい。本実施形態では、基準電圧発生回路12は、TIA部11と同様に、電圧アンプ12a(増幅器)と帰還抵抗素子12bとを備える。電圧アンプ12aの入力端子と出力端子とは、帰還抵抗素子12bを介して電気的に接続されている。つまり、帰還抵抗素子12bは、電圧アンプ12aの入出力間に電気的に接続されている。基準電圧発生回路12がTIA部11と同様の回路構成を有することで、電圧アンプ11aの電源電圧及び温度の変化による電圧信号Vtiaの変化を補償(相殺)するように基準電圧信号Vrefが生成され得る。
差動増幅回路13は、電圧信号Vtiaと基準電圧信号Vrefとの差分ΔVtia(誤差)に応じて差動電圧信号Vout,Voutbを生成する回路である。言い換えると、差動増幅回路13は、基準電圧信号Vrefを用いて、単一(単相)の電圧信号Vtiaを差動電圧信号Vout,Voutbに変換する。差動増幅回路13は、差分ΔVtiaを増幅することで、差動電圧信号Vout,Voutbを生成する。差動増幅回路13は、差動電圧信号Vout,Voutbを後段の回路(不図示)に出力する。
制御電流生成回路14は、電圧信号Vtiaと基準電圧信号Vrefとの差分ΔVtiaの積分値に基づいて制御電流Icntを生成する回路である。制御電流生成回路14は、積分回路41と、OTA(Operational Transconductance Amplifier)42と、を備える。
積分回路41は、差分ΔVtiaを積分する回路である。図2に示されるように、積分回路41は、入力端子41a,41bと、出力端子41c,41dと、を有する。入力端子41aは、基準電圧発生回路12(電圧アンプ12a)の出力端子に電気的に接続されており、入力端子41aには、基準電圧信号Vrefが入力される。入力端子41bは、TIA部11(電圧アンプ11a)の出力端子に電気的に接続されており、入力端子41bには、電圧信号Vtiaが入力される。出力端子41cは、OTA42の反転入力端子に電気的に接続されており、OTA42に電圧信号Vinnを出力する。出力端子41dは、OTA42の非反転入力端子に電気的に接続されており、OTA42に電圧信号Vinpを出力する。
積分回路41は、オペアンプ43と、抵抗素子44,45と、コンデンサ46,47と、を備える。オペアンプ43は、非反転入力端子43aと、反転入力端子43bと、反転出力端子43cと、非反転出力端子43dと、を有する。非反転入力端子43aは、抵抗素子44を介して入力端子41aに電気的に接続されている。反転入力端子43bは、抵抗素子45を介して入力端子41bに電気的に接続されている。反転出力端子43cは、出力端子41cに電気的に接続されるとともに、コンデンサ46を介して非反転入力端子43aに電気的に接続されている。つまり、コンデンサ46は、反転出力端子43cと非反転入力端子43aとの間を負帰還で接続する。非反転出力端子43dは、出力端子41dに電気的に接続されるとともに、コンデンサ47を介して反転入力端子43bに電気的に接続されている。つまり、コンデンサ47は、非反転出力端子43dと反転入力端子43bとの間を負帰還で接続する。
ここで、オペアンプ43の利得が無限大であり、抵抗素子44の抵抗値R1と抵抗素子45の抵抗値R2とが互いに等しく、コンデンサ46の容量値C1とコンデンサ47の容量値C2とが互いに等しいと仮定すると、積分回路41は、時定数R1×C1を有する積分器として動作する。
OTA42は、差動電圧信号(電圧信号Vinp及び電圧信号Vinn)をシングル電流信号(誤差電流)である制御電流Icntに変換する回路である。OTA42は、公知の回路構成を有し、例えば、差動増幅回路にカレントミラー回路が付加された構成を有する。OTA42は、トランスコンダクタンスを有しており、OTA42の入出力インピーダンスは例えば無限大である。制御電流Icntは、OTA42に入力される電圧信号Vinpと電圧信号Vinnとの差である入力差動電圧にトランスコンダクタンスを乗算することによって求められる。電圧信号Vinpと電圧信号Vinnとの差は、差分ΔVtiaの積分値に応じて変化する。OTA42は、制御電流Icntをバイパス回路15Bに出力する。
バイパス回路15Bは、制御電流Icntに応じて、直流バイパス電流Iaoc及び交流バイパス電流Iagcを生成する回路である。バイパス回路15Bは、制御回路51と、帰還電流源52と、可変抵抗回路53Bと、を備える。
制御回路51には、制御電流Icntが入力される。制御回路51は、制御電流Icntが大きくなるにつれて直流バイパス電流Iaocが大きくなるように帰還電流源52を制御する。制御回路51は、制御電流Icntがオフセット電流Iofsの電流値を越えた場合に、制御電流Icntが大きくなるにつれて交流バイパス電流Iagcが大きくなるように可変抵抗回路53Bを制御する。オフセット電流Iofsの電流値は、所定の電流値(固定値)である。具体的には、制御回路51は、制御電流生成回路14(OTA42)から制御電流Icntを受け、制御電流Icntに応じて制御電流Iaoccnt(第2制御電流)及び制御電流Iagccnt(第1制御電流)を生成する。制御回路51は、制御電流Iaoccntを帰還電流源52に出力し、制御電流Iaoccntによって帰還電流源52を制御する。制御回路51は、制御電流Iagccntを可変抵抗回路53Bに出力し、制御電流Iagccntによって可変抵抗回路53Bを制御する。
図3に示されるように、制御電流Iaoccntの電流値は、制御電流Icntの電流値に比例している。制御電流Iaoccntの電流値は、制御電流Icntの電流値のα倍である(Iaoccnt=α×Icnt)。制御回路51は、例えば、制御電流Icntを増幅率αで増幅することで制御電流Iaoccntを生成する。制御電流Iagccntの電流値は、制御電流Icntの電流値がオフセット電流Iofsの電流値よりも大きい場合に、制御電流Icntの電流値に比例する。言い換えると、制御電流Iagccntの電流値は、制御電流Icntからオフセット電流Iofsの電流値を減算した電流値のγ倍である(Iagccnt=γ×(Icnt−Iofs))。制御回路51は、例えば、所定の電流値(オフセット電流値)を有するオフセット電流Iofsを生成し、制御電流Icntを増幅することで生成した電流(ここでは、制御電流Icnt)とオフセット電流Iofsとの差分を増幅率γで増幅することで制御電流Iagccntを生成する。このように、制御電流Iaoccntでは、増幅率αが調整され、制御電流Iagccntでは、自動利得制御(automatic gain control;AGC)を開始する電流を決定するためのオフセット電流値と、AGCの制御感度を決定する増幅率γとが調整される。
図4に示される制御回路51は、図3に示される制御電流Iaoccnt及び制御電流Iagccntを実現するための回路構成を有する。図4に示されるように、制御回路51は、入力端子51aと、出力端子51b,51cと、電源端子51dと、を有する。入力端子51aは、制御電流生成回路14(OTA42)の出力端子に電気的に接続されており、入力端子51aには、制御電流Icntが入力される。出力端子51bは、帰還電流源52の入力端子52aに電気的に接続されており、帰還電流源52に制御電流Iaoccntを出力する。出力端子51cは、可変抵抗回路53Bの制御端子53aに電気的に接続されており、可変抵抗回路53Bに制御電流Iagccntを出力する。電源端子51dは、電源電圧VCCを供給する電源配線に電気的に接続されており、電源端子51dには電源電圧VCCが供給される。
制御回路51は、トランジスタ61〜69と、電流源70と、を備える。トランジスタ61〜69は、例えば、MOS(Metal-Oxide-Semiconductor)構造を有する電界効果トランジスタ(MOSFET)である。図4に示される例では、トランジスタ61〜63は、NチャネルMOSトランジスタであり、トランジスタ64〜69は、PチャネルMOSトランジスタである。
トランジスタ61〜63は、カレントミラー回路を構成している。トランジスタ61は、入力トランジスタとして機能し、トランジスタ62,63は、出力トランジスタとして機能する。トランジスタ61〜63のソースは、接地電位GNDに電気的に接続されている。トランジスタ61のゲートとドレインとは互いに電気的に接続され、さらに入力端子51aに電気的に接続されている。トランジスタ62,63のそれぞれのゲートは、トランジスタ61のゲート及びドレインに電気的に接続されている。トランジスタ62のドレインは、トランジスタ64のドレイン及びゲートに電気的に接続されている。トランジスタ63のドレインは、ノードNを介してトランジスタ68のドレイン及びゲートに電気的に接続されている。
トランジスタ61,62、及びトランジスタ61,63は、それぞれカレントミラー回路を構成するので、例えば、トランジスタ61のドレイン電流(制御電流Icnt)の大きさに比例した大きさの出力電流(ドレイン電流)がトランジスタ62,63のドレインからそれぞれ出力される。ここでは説明の便宜上、カレントミラー比は、1:1:1とする。このため、入力端子51aに入力された制御電流Icntはトランジスタ61〜63によってコピーされ、トランジスタ62,63のドレインからそれぞれ制御電流Icntが出力される。なお、制御電流Icntは、トランジスタ62,63のドレインに向かって流れる。
トランジスタ64,65は、カレントミラー回路を構成している。トランジスタ64は、入力トランジスタとして機能し、トランジスタ65は、出力トランジスタとして機能する。トランジスタ64,65のソースは、電源端子51dに電気的に接続されている。トランジスタ64のゲートとドレインとは互いに電気的に接続され、さらにトランジスタ62のドレインに電気的に接続されている。トランジスタ65のゲートは、トランジスタ64のゲート及びドレインに電気的に接続されている。トランジスタ65のドレインは、出力端子51bに電気的に接続されている。
トランジスタ62のドレインから出力された制御電流Icntは、トランジスタ64のドレインに入力され、トランジスタ64のドレイン電流(制御電流Icnt)の大きさに比例した大きさの出力電流(ドレイン電流)が、トランジスタ65のドレインから制御電流Iaoccntとして出力される。ここでは、トランジスタ64,65によって構成されるカレントミラー回路のカレントミラー比は1:αに設定されている。つまり、制御電流Iaoccntは、制御電流Icntをα倍に増幅することで得られる大きさの電流(α×Icnt)である。なお、制御電流Iaoccntは、トランジスタ65のドレインから出力端子51bに向かって流れる。
トランジスタ66,67は、カレントミラー回路を構成している。トランジスタ66は、入力トランジスタとして機能し、トランジスタ67は、出力トランジスタとして機能する。トランジスタ66,67のソースは、電源端子51dに電気的に接続されている。トランジスタ66のゲートとドレインとは互いに電気的に接続され、さらに電流源70に電気的に接続されている。トランジスタ67のゲートは、トランジスタ66のゲート及びドレインに電気的に接続されている。トランジスタ67のドレインは、ノードNを介してトランジスタ68のドレイン及びゲートに電気的に接続されている。
電流源70から供給される基準電流Irefは、トランジスタ66のドレインに入力され、トランジスタ66のドレイン電流(基準電流Iref)の大きさに比例した大きさの出力電流(ドレイン電流)が、トランジスタ67のドレインからオフセット電流Iofsとして出力される。ここでは、トランジスタ66,67によって構成されるカレントミラー回路のカレントミラー比は1:mに設定されている。つまり、オフセット電流Iofsは、基準電流Irefをm倍に増幅することで得られる大きさの電流(m×Iref)である。なお、オフセット電流Iofsは、トランジスタ67のドレインからノードNに向かって流れる。mの値は、AGCを動作させたい光パワーに応じて任意に選択される。基準電流Irefの電流値は、固定値であるので、オフセット電流Iofsの電流値(オフセット電流値)も固定値である。
トランジスタ68,69は、カレントミラー回路を構成している。トランジスタ68は、入力トランジスタとして機能し、トランジスタ69は、出力トランジスタとして機能する。トランジスタ68,69のソースは、電源端子51dに電気的に接続されている。トランジスタ68のゲートとドレインとは互いに電気的に接続され、さらにノードNを介してトランジスタ63のドレイン及びトランジスタ67のドレインに電気的に接続されている。トランジスタ69のゲートは、トランジスタ68のゲート及びドレインに電気的に接続されている。トランジスタ69のドレインは、出力端子51cに電気的に接続されている。
トランジスタ63のドレインから出力された制御電流Icntは、ノードNにおいて、トランジスタ67のドレインから出力されたオフセット電流Iofsと合成される。具体的には、制御電流Icntからオフセット電流Iofsが差し引かれる(減算される)。このとき、制御電流Icntの電流値がオフセット電流Iofsの電流値よりも大きい場合にのみ、差電流(Icnt−Iofs)がトランジスタ68のドレインに流れ、トランジスタ68のドレイン電流(差電流)の大きさに比例した大きさの出力電流(ドレイン電流)が、トランジスタ69のドレインから制御電流Iagccntとして出力される。ここでは、トランジスタ68,69によって構成されるカレントミラー回路のカレントミラー比は1:γに設定されている。つまり、制御電流Iagccntは、差電流(Icnt−Iofs)をγ倍に増幅することで得られる大きさの電流(γ×(Icnt−Iofs))である。なお、制御電流Iagccntは、トランジスタ69のドレインから出力端子51cに向かって流れる。
一方、制御電流Icntの電流値がオフセット電流Iofsの電流値よりも小さい場合には、トランジスタ68には電流は流れないので、ダイオード接続されたトランジスタ68によって、ノードNの電位は、電源電圧VCC側に高抵抗でプルアップされる。また、トランジスタ67のドレイン・ソース間電圧が小さくなるので、トランジスタ66,67はカレントミラー回路としては動作しない。このとき、トランジスタ67は、3極管領域(線形領域)で動作するので、ノードNの電位は、電源電圧VCC側に低抵抗でプルアップされる。3極管領域とは、トランジスタのゲート・ソース間電圧から閾値電圧を減算した結果が、ドレイン・ソース間電圧よりも大きいという状態である。トランジスタ68には、ゲート・ソース間電圧が印加されないので、ゲート・ソース間電圧が印加されているトランジスタ67の抵抗値の方が、トランジスタ68の抵抗値よりも小さくなる。このように、トランジスタ67が3極管領域で動作することによって、トランジスタ67は、オフセット電流Iofsを供給できなくなると同時に、トランジスタ63からの制御電流Icntが全てトランジスタ67を流れる。これにより、制御電流Icntの電流値がオフセット電流Iofsの電流値よりも大きい場合に(Icnt−Iofs>0の領域で)のみ、制御電流Iagccntが出力端子51cから出力される。
なお、図4に示される制御回路51によって、図3の入出力特性が得られるが、上述のカレントミラー比は、適宜変更され得る。また、制御回路51の回路構成として、図3の入出力特性を得ることができる別の回路構成が採用されてもよい。
帰還電流源52は、自動オフセット制御(Auto-Offset Control:AOC)回路を構成する。帰還電流源52は、制御電流Icntに応じて直流バイパス電流Iaocを生成する回路である。より具体的には、帰還電流源52は、制御電流Iaoccntに応じて直流バイパス電流Iaocを生成する。帰還電流源52は、入力端子52aと、出力端子52bと、接地端子52cと、を有する。入力端子52aは、制御回路51の出力端子51bに電気的に接続されており、制御回路51から制御電流Iaoccntを受ける。出力端子52bは、入力端子10aに電気的に接続されており、直流バイパス電流Iaocを出力する。接地端子52cは、接地電位GNDに電気的に接続されている。帰還電流源52は、電界効果トランジスタ54(第3電界効果トランジスタ)と、電界効果トランジスタ55(第4電界効果トランジスタ)と、を備える。
電界効果トランジスタ54,55のそれぞれは、例えば、NチャネルMOSトランジスタである。電界効果トランジスタ54のサイズと電界効果トランジスタ55のサイズとは互いに同じでもよく、互いに異なっていてもよい。電界効果トランジスタ54,55のソースは、互いに電気的に接続されるとともに、接地端子52cを介して接地電位GNDに電気的に接続されている。電界効果トランジスタ54のドレインは、入力端子52aを介して、制御回路51の出力端子51bに電気的に接続されており、制御回路51から制御電流Iaoccntを受ける。電界効果トランジスタ54のゲートは、電界効果トランジスタ54のドレインに電気的に接続されている。電界効果トランジスタ55のドレインは、出力端子52bを介して、入力端子10aに電気的に接続されている。電界効果トランジスタ55のゲートは、電界効果トランジスタ54のドレイン及びゲートに電気的に接続されている。
このように構成された帰還電流源52では、入力端子52aから流れ込んだ制御電流Iaoccntは、ダイオード接続されている電界効果トランジスタ54に流れることによって、電界効果トランジスタ54のゲートとソースとの間にゲート・ソース間電圧Vgs1を発生させる。電界効果トランジスタ54のゲートと電界効果トランジスタ55のゲートとは互いに電気的に接続されており、電界効果トランジスタ54のソースと電界効果トランジスタ55のソースとは互いに電気的に接続されているので、電界効果トランジスタ55のゲート・ソース間電圧は、ゲート・ソース間電圧Vgs1と等しくなる。電界効果トランジスタ55のソースは、接地電位GNDに電気的に接続されているので、ソース電位は略0Vである。一方、電界効果トランジスタ55のドレインには、TIA部11の入力電位(例えば、0.5〜2V程度)が印加されている。したがって、電界効果トランジスタ55は、飽和領域で動作している。飽和領域とは、トランジスタのゲート・ソース間電圧から閾値電圧を減算した結果が、ドレイン・ソース間電圧よりも小さいという状態である。飽和領域において、電界効果トランジスタ55のドレイン電圧が増加してもそれに対してドレイン電流が増加する度合いは線形領域に比べて小さくなる。したがって、出力端子51bのインピーダンス(出力インピーダンス)は、比較的大きい値となる。
すなわち、電界効果トランジスタ54,55は、カレントミラー回路を構成しており、制御電流Iaoccntに比例した直流バイパス電流Iaocを出力する。言い換えると、帰還電流源52は、制御電流Iaoccntに応じて直流バイパス電流Iaocを電界効果トランジスタ55のドレインから電界効果トランジスタ55のソースに流す。これにより、光電流Ipdから直流バイパス電流Iaocが引き抜かれる。その結果、差分ΔVtiaから直流成分及び低周波成分が除去され、電圧信号Vtiaの電位が基準電圧信号Vrefの電位に合わせられる(DCオフセット制御)。
可変抵抗回路53Bは、制御電流Icntに応じて交流バイパス電流Iagcを生成する回路である。より具体的には、可変抵抗回路53Bは、制御電流Iagccntに応じて交流バイパス電流Iagcを生成する。可変抵抗回路53Bは、制御端子53aと、抵抗端子53bと、抵抗端子53cと、を有する。制御端子53aは、制御回路51の出力端子51cに電気的に接続されており、制御回路51から制御電流Iagccntを受ける。抵抗端子53bは、入力端子10aに電気的に接続されている。抵抗端子53cは、基準電圧発生回路12(電圧アンプ12a)の出力端子に電気的に接続されており、基準電圧発生回路12から基準電圧信号Vrefを受ける。可変抵抗回路53Bは、電界効果トランジスタ56(第1電界効果トランジスタ)と、電界効果トランジスタ57(第2電界効果トランジスタ)と、抵抗素子58(第1抵抗素子)と、抵抗素子59(第2抵抗素子)と、を備える。
電界効果トランジスタ56,57のそれぞれは、例えば、NチャネルMOSトランジスタである。電界効果トランジスタ56のサイズと電界効果トランジスタ57のサイズとは互いに同じでもよく、互いに異なっていてもよい。電界効果トランジスタ56,57のソースは、互いに電気的に接続されるとともに、抵抗端子53cを介して、基準電圧発生回路12(電圧アンプ12a)の出力端子に電気的に接続されている。電界効果トランジスタ56,57のソースには、基準電圧信号Vrefが入力(供給)される。電界効果トランジスタ56のドレインは、制御端子53aを介して、制御回路51の出力端子51cに電気的に接続されており、制御回路51から制御電流Iagccntを受ける。電界効果トランジスタ56のゲートは、電界効果トランジスタ56のドレインに電気的に接続されている。電界効果トランジスタ57のドレインは、抵抗端子53bを介して、入力端子10aに電気的に接続されている。電界効果トランジスタ57のゲートは、抵抗素子58を介して電界効果トランジスタ56のドレイン及びゲートに電気的に接続されている。
ここで、回路図では通常表記されないものの、電界効果トランジスタには、基板端子が存在する。電界効果トランジスタ56の基板端子(図1では点線で表記)は、抵抗端子53cを介して、基準電圧発生回路12(電圧アンプ12a)の出力端子に電気的に接続されている。電界効果トランジスタ56の基板端子には、基準電圧信号Vrefが入力(供給)される。電界効果トランジスタ57の基板端子は、抵抗素子59及び抵抗端子53cを介して、基準電圧発生回路12(電圧アンプ12a)の出力端子に電気的に接続されている。電界効果トランジスタ57の基板端子には、抵抗素子59を介して基準電圧信号Vrefが入力(供給)される。電界効果トランジスタ57の基板端子には直流電流が流れないので、電界効果トランジスタ57の基板端子の(直流)電位は、電界効果トランジスタ56の基板端子の(直流)電位と同じく、基準電圧信号Vrefの電位に設定される。
図5に示されるように、電界効果トランジスタ57は、ゲート(G)、ソース(S)、ドレイン(D)、及び基板端子(B)の各端子間に容量成分を有している。図6には、各容量成分の容量値の一例が示されている。図6に示される容量値は、電界効果トランジスタ57が130nmCMOSプロセスであり、電界効果トランジスタ57のゲート幅(チャンネル幅)Wが30μmであり、電界効果トランジスタ57のゲート長(チャンネル長)Lが0.13μmであって、電界効果トランジスタ57が深い3極管領域で動作する場合の典型的な容量値である。深い3極管領域とは、トランジスタのゲート・ソース間電圧から閾値電圧を減算した結果が、ドレイン・ソース間電圧よりも非常に大きいという状態である。
ゲート・ソース間の容量Cgs(第2容量)の容量値とゲート・ドレイン間の容量Cgd(第1容量)の容量値とは互いに等しく、7.1fFである。ドレイン・ソース間の容量Cdsの容量値は、2.6fFである。ゲートと基板端子との間の容量Cgbの容量値、ソースと基板端子との間の容量Csb(第4容量)の容量値、及びドレインと基板端子との間の容量Cdb(第3容量)の容量値は、互いに等しく、0.6fFである。このように、電界効果トランジスタ57は、ゲートに対し、ソース側及びドレイン側に対称な容量(容量Cgs及び容量Cgd)を有している。言い換えると、電界効果トランジスタ57は、容量Cgdと容量Cgsとが互いに等しくなるように構成されている。同様に、電界効果トランジスタ57は、基板端子に対しても、ソース側及びドレイン側に対称な容量(容量Csb及び容量Cdb)を有している。言い換えると、電界効果トランジスタ57は、容量Cdbと容量Csbとが互いに等しくなるように構成されている。
なお、電界効果トランジスタのゲートの本数を示すフィンガ数を奇数、例えば、フィンガ数が3のMOSトランジスタの場合、ドレインD−ゲートG−ソースS−ゲートG−ドレインD−ゲートG−ソースSと構成し、ドレインの数とソースの数とを同じにすることで、容量Cgsの容量値と容量Cgdの容量値とが互いに等しく、容量Csbの容量値と容量Cdbの容量値とが互いに等しい電界効果トランジスタ57が得られる。
容量Csbの容量値は容量Cgsの容量値の10分の1程度であり、容量Cdbの容量値は容量Cgdの容量値の10分の1程度である。容量Csb及び容量Cdbは、PN接合に伴う接合容量を主成分として有するのに対して、容量Cgs及び容量Cgdは、ゲート酸化膜によるオーバーラップ容量を主成分として有する。このように、ソース及びドレインの面積を意図的に大きくしない限りにおいて、容量Csb及び容量Cdbの方が容量Cgs及び容量Cgdよりも十分に小さくなる。
抵抗素子58の抵抗値Rgは、高周波において、容量CgdによるインピーダンスZcgd、及びCgsによるインピーダンスZcgsよりも十分に大きい。抵抗素子59の抵抗値Rbは、容量CdbによるインピーダンスZcdb、及び容量CsbによるインピーダンスZcsbよりも十分に大きい。
このように構成された可変抵抗回路53Bでは、制御端子53aから流れ込んだ制御電流Iagccntは、ダイオード接続されている電界効果トランジスタ56に流れることによって、電界効果トランジスタ56のゲートとソースとの間にゲート・ソース間電圧Vgs2を発生させる。電界効果トランジスタ56のゲートと電界効果トランジスタ57のゲートとは抵抗素子58を介して互いに電気的に接続されており、電界効果トランジスタ56のソースと電界効果トランジスタ57のソースとは互いに電気的に接続されている。電界効果トランジスタ56,57のゲート抵抗は抵抗素子58の抵抗値と比較して非常に大きいので、電界効果トランジスタ57のゲート・ソース間電圧は、ゲート・ソース間電圧Vgs2と等しくなる。電界効果トランジスタ57のソースには、基準電圧信号Vrefが供給されており、電界効果トランジスタ57のドレインには、TIA部11の入力電位が印加されている。基準電圧信号Vrefは、TIA部11の入力電位と略同じ電位であるので、電界効果トランジスタ57は、深い3極管領域で動作している。線形領域において、電界効果トランジスタ57のドレイン電圧が増加すると、それに応じてドレイン電流も増加する。特にドレイン電圧が比較的小さいときには、ドレイン電流はドレイン電圧に比例して変化する(線形)とみなすことができる。ドレイン電流に対するドレイン電圧の比を抵抗値RAGCと表すことにする。つまり、基準電圧発生回路12によって、可変抵抗回路53Bの電界効果トランジスタ56,57は交流的に接地され、電界効果トランジスタ57が深い3極管領域でバイアスされる。
3極管領域でバイアスされた電界効果トランジスタ57のドレイン電流Id(つまり、交流バイパス電流Iagc)は、電界効果トランジスタ57の固有利得(利得係数)β及び閾値電圧Vthを用いて、式(1)で表され得る。固有利得βは、電界効果トランジスタ57の半導体プロセスに依存する値である。
Figure 2021022900
3極管領域では、ドレインとソースとの間の電位差が小さい場合、ドレイン電位とソース電位との大小関係が逆転することがある。この場合、ゲートに対して電圧が最も低い端子がソースとして機能する。トランジスタの回路記号は、回路の表現上において便宜的に用いられているので、回路図におけるトランジスタの端子表記と実際のトランジスタの動作とは一致しないことがある。ここでは、ドレイン・ソース間電圧Vdsが0以上となるように適宜端子を入れ替え、常に電位が低い端子をソースとみなすこととする。
ここで、電界効果トランジスタ56がダイオード接続されているので、電界効果トランジスタ57のゲートは、抵抗素子58及びダイオード接続された電界効果トランジスタ56の微分抵抗によって、基準電圧発生回路12(電圧アンプ12a)の出力端子に電気的に接続される。ダイオード接続された電界効果トランジスタ56の微分抵抗値は、数kΩ程度であり、電界効果トランジスタ57の容量CgdによるインピーダンスZcgdと比較してかなり小さい。インピーダンスZcgdは、例えば、1GHzで22kΩである。抵抗素子58の抵抗値Rgが0Ωであると仮定すると、電界効果トランジスタ56のゲート電位は低インピーダンスのソース電位(基準電圧信号Vrefの電位)に追従する。この場合、式(2)に示されるように、ゲート・ソース間電圧Vgs2は、ゲート・ソース間電圧Vgs0にドレイン・ソース間電圧Vdsを加えることによって表現される。ゲート・ソース間電圧Vgs0は、ドレイン・ソース間電圧Vdsが0Vである時のゲート・ソース間電圧である。
Figure 2021022900
式(2)を式(1)に代入することによって、式(3)が得られる。式(3)に示されるように、ドレイン電流Id(交流バイパス電流Iagc)は、ドレイン・ソース間電圧Vdsの2乗に比例するので、非線形な成分を含んでいる。
Figure 2021022900
式(4)に示されるように、式(3)をドレイン・ソース間電圧Vdsで微分し、その演算結果の逆数を計算することによって、微分抵抗値Rd(抵抗値RAGC)が得られる。式(4)に示されるように、抵抗値RAGCは、ドレイン・ソース間電圧Vdsに応じて変化する。光電流Ipdに応じてドレイン電位が変調されるので、抵抗値RAGCは非線形に変動する。
Figure 2021022900
式(5)に示されるように、式(3)をゲート・ソース間電圧Vgs0で微分することによって、3極管領域でのトランスコンダクタンスgmが求められる。3極管領域では、ドレイン・ソース間電圧Vdsは、ゲート・ソース間電圧Vgs2から閾値電圧Vthを減算することによって得られる電圧よりも小さい。特に、深い3極管領域では、ドレイン・ソース間電圧Vdsは、ゲート・ソース間電圧Vgs2から閾値電圧Vthを減算することによって得られる電圧よりも非常に小さいので、3極管領域でのトランスコンダクタンスgmは、飽和動作におけるトランスコンダクタンスと比較すると、無視できるほど小さくなる。
Figure 2021022900
一方、抵抗素子58の抵抗値Rgは、容量CgdによるインピーダンスZcgdよりも大きい(Rg>>Zcgd)ので、抵抗素子58によって電界効果トランジスタ57のゲートは、電界効果トランジスタ56のゲートと高周波的に(交流的に)分離(アイソレート)される。容量Cgsの容量値と容量Cgdの容量値とが互いに等しいので、ドレイン・ソース間電圧Vdsが半分に分圧されて、電界効果トランジスタ57のゲートには、ドレイン・ソース間電圧Vdsの半分の電圧(Vds/2)が印加される。
電界効果トランジスタ57のゲートは、容量Cgbを介して電界効果トランジスタ57の基板端子と高周波的に導通し得るので、電界効果トランジスタ57の基板端子の電位は、容量Cgbを介して電界効果トランジスタ57のゲート電位にわずかながら影響を与え得る。しかしながら、抵抗素子59の抵抗値Rbは、容量CdbによるインピーダンスZcdbよりも大きい(Rb>>Zcdb)ので、抵抗素子59によって電界効果トランジスタ57の基板端子は、電界効果トランジスタ57のソースと高周波的に分離(アイソレート)される。容量Csbの容量値と容量Cdbの容量値とが互いに等しいので、ドレイン・ソース間電圧Vdsが半分に分圧されて、電界効果トランジスタ57の基板端子には、ドレイン・ソース間電圧Vdsの半分の電圧(Vds/2)が印加される。このため、電界効果トランジスタ57の基板端子の電位が、電界効果トランジスタ57のゲート電位に与える影響が低減される。
この場合、式(6)に示されるように、ゲート・ソース間電圧Vgs2は、ゲート・ソース間電圧Vgs0にドレイン・ソース間電圧Vdsの半分を加えることによって表現される。
Figure 2021022900
式(6)を式(1)に代入することによって、式(7)が得られる。式(7)に示されるように、ドレイン電流Id(交流バイパス電流Iagc)は、ドレイン・ソース間電圧Vdsに比例するので、非線形な成分を含んでいない。
Figure 2021022900
さらに、式(8)に示されるように、式(7)をドレイン・ソース間電圧Vdsで微分し、その演算結果の逆数を計算することによって、微分抵抗値Rd(抵抗値RAGC)が得られる。式(8)に示されるように、抵抗値RAGCは、ドレイン・ソース間電圧Vdsによって変化しない。
Figure 2021022900
つまり、3極管領域で動作する電界効果トランジスタ57のゲート電圧に、ドレイン・ソース間電圧Vdsの半分(Vds/2)を重畳させることにより、電界効果トランジスタ57の微分抵抗値Rd(抵抗値RAGC)は、ドレイン・ソース間電圧Vdsに依存しなくなり、ドレイン・ソース間電圧Vdsが0Vである時の抵抗値から変動しなくなる。
すなわち、可変抵抗回路53Bは、帰還電流源52と同様な回路構成を有しているにもかかわらず、カレントミラー回路としては動作せず、電界効果トランジスタ57は、ゲート・ソース間電圧Vgs2によって制御される線形な可変抵抗器として動作する。抵抗端子53bの電位と抵抗端子53cの電位とが略同じであるので、光電流Ipdの直流成分は可変抵抗回路53Bにほとんど流れず、光電流Ipdの交流成分の一部が可変抵抗回路53B(電界効果トランジスタ57)に交流バイパス電流Iagcとして流れ込む。言い換えると、可変抵抗回路53Bは、制御電流Iagccntに応じて交流バイパス電流Iagcを電界効果トランジスタ57のドレインとソースとの間に流す。
すなわち、光電流Ipdが大きくなって、差分ΔVtiaが大きくなり、制御電流Icntがオフセット電流Iofsの電流値を超えると、制御電流Iagccntが可変抵抗回路53Bに供給される。これにより、電界効果トランジスタ56,57にゲート・ソース間電圧Vgs2が発生する。ゲート・ソース間電圧Vgs2が大きくなるにつれて、電界効果トランジスタ57の抵抗値RAGCが小さくなるので、光電流Ipdの直流成分を除く信号成分(交流成分)の一部が交流バイパス電流Iagcとして引き抜かれる。その結果、TIA部11が大信号入力によって飽和する可能性が低減される。
上述のように、深い3極管領域(線形領域)にバイアスされている電界効果トランジスタ57のドレイン・ソース間には、ドレイン・ソース間電圧に比例した電流が流れることになる。基準電圧信号Vrefは、TIA部11の入力電位と略同じ電位であるので、DC電流が流れることはなく、交流バイパス電流IagcはDCオフセット制御を乱さない。電界効果トランジスタ57の抵抗値RAGCの変化によってAOC制御利得の特性にのみ影響を与える。
また、電界効果トランジスタ57の抵抗値RAGCは、ドレイン・ソース間電圧Vdsに依存しないので、光電流Ipdから交流バイパス電流Iagcが低歪で引き抜かれる。その結果、歪みの発生が抑制される。
次に、トランスインピーダンス増幅回路10Bの作用効果を説明する。図7の(a)は、図1に示されるトランスインピーダンス増幅回路における入力光平均パワーに対する全高調波歪率の変化を示す図である。図7の(b)は、図1に示されるトランスインピーダンス増幅回路における入力光平均パワーに対するTIA部の出力振幅の変化を示す図である。図7の(c)は、図1に示されるトランスインピーダンス増幅回路における入力光平均パワーに対する電界効果トランジスタの各端子における振幅の変化を示す図である。図8の(a)は、比較例のトランスインピーダンス増幅回路における入力光平均パワーに対する全高調波歪率の変化を示す図である。図8の(b)は、比較例のトランスインピーダンス増幅回路における入力光平均パワーに対するTIA部の出力振幅の変化を示す図である。図8の(c)は、比較例のトランスインピーダンス増幅回路における入力光平均パワーに対する電界効果トランジスタの各端子における振幅の変化を示す図である。
図7の(a)〜図7の(c)、及び図8の(a)〜図8の(c)の横軸は、光信号Pinの光入力パワーの平均値である入力光平均パワーPin_ave(単位:dBm)を示す。図7の(a)及び図8の(a)の縦軸は、出力波形(差動電圧信号Vout,Voutbの波形)の全高調波歪率(Total Harmonic Distortion;THD)(単位:%)を示す。図7の(b)及び図8の(b)の縦軸は、電圧信号Vtiaの振幅(単位:mVpp)を示す。図7の(c)及び図8の(c)の縦軸は、電界効果トランジスタ57のドレイン電位Vd、ゲート電位Vg、及びソース電位Vsの振幅(単位:mVpp)を示す。
図7の(a)〜図7の(c)に示される計算結果では、抵抗素子58の抵抗値Rgが200kΩに設定され、抵抗素子59の抵抗値Rbが5kΩに設定されている(以下、「実施例」という。)。図8の(a)〜図8の(c)に示される計算結果では、抵抗素子58の抵抗値Rg及び抵抗素子59の抵抗値Rbがともに0Ωに設定されている(以下、「比較例」という。)。オフセット電流Iofsの電流値は、入力光平均パワーPin_aveが−1dBm付近を超えるとAGCが動作するように設定されている。全高調波歪率としては、10次高調波まで考慮した全高調波歪率が計算されている。後段の差動増幅回路13において歪が生じないようにするために、電圧信号Vtiaの振幅が最大でも500mVppを越えないように、電界効果トランジスタ57のサイズが決定されている。TIA部11の利得(電圧利得)は10倍に設定され、帰還抵抗素子11bの抵抗値は550Ωに設定されている。光信号Pinとしては、1GHzの正弦波で強度変調することによって得られた光信号が用いられ、光信号Pinの振幅は入力光平均パワーPin_aveと同じになるよう(消光比で約5dB)に設定されている。受光素子PDの光電変換利得は、計算を簡略化するために1.0A/Wに設定されている。
図7の(a)と図8の(a)とを比較すると、入力光平均パワーPin_aveが3dBmであるときに、比較例ではTHDが5.2%であるのに対し、実施例ではTHDが4.1%に低減していることがわかる。図7の(b)と図8の(b)とを比較すると、比較例及び実施例では、電圧信号Vtiaの振幅が互いに同等に制御されていることがわかる。すなわち、実施例における交流バイパス電流Iagcの引き抜き量が比較例と同等であるにもかかわらず、実施例のTHDが比較例のTHDよりも改善していることがわかる。図8の(c)によれば、比較例のゲート・ソース間電圧Vgs2は、式(2)で表されるので、ゲート電位Vgの振幅はソース電位Vsの振幅に略等しいことがわかる。一方、図7の(c)によれば、実施例では、ゲート電位Vgの振幅がドレイン電位Vdの振幅の略半分になっていることがわかる。これは、電界効果トランジスタ57のドレイン・ソース間電圧Vdsが容量Cgsと容量Cgdとによって分圧され、ゲート・ソース間電圧Vgs2が式(6)で表されることを示している。図7の(c)及び図8の(c)によれば、比較例及び実施例のいずれにおいても、入力光平均パワーPin_aveが−1dBを超えると、ソース電位Vsの振幅が増加している。これは、基準電圧発生回路12の出力インピーダンスが0ではないので、交流バイパス電流Iagcが大きくなるにつれて、基準電圧信号Vrefが光電流Ipdによって変調されることに起因する。以上のように、利得制御時(AGC動作時)において、実施例では比較例よりもTHDを約1%改善することが可能となる。
以上説明したように、トランスインピーダンス増幅回路10Bでは、バイパス回路15Bによって直流バイパス電流Iaoc及び交流バイパス電流Iagcが生成され、受光素子PDによって生成された光電流Ipdから、直流バイパス電流Iaoc及び交流バイパス電流Iagcが引き抜かれることで、電流信号Iinが生成される。そして、TIA部11によって電流信号Iinが電圧信号Vtiaに変換され、差動増幅回路13によって電圧信号Vtiaと基準電圧信号Vrefとの差分ΔVtiaに応じて差動電圧信号Vout,Voutbが生成される。可変抵抗回路53Bでは、電界効果トランジスタ56がダイオード接続されているので、電界効果トランジスタ56のドレインが制御電流Iagccntを受けると、電界効果トランジスタ56のゲートとソースとの間にゲート・ソース間電圧Vgs2が生成される。電界効果トランジスタ56のゲートと電界効果トランジスタ57のゲートとは抵抗素子58を介して互いに電気的に接続されており、電界効果トランジスタ56のソースと電界効果トランジスタ57のソースには基準電圧信号Vrefが供給される。電界効果トランジスタ56,57のゲート抵抗は抵抗素子58の抵抗値Rgと比較して非常に大きいので、電界効果トランジスタ57のゲート・ソース間電圧は、ゲート・ソース間電圧Vgs2と等しくなる。
電界効果トランジスタ57のソースに基準電圧信号Vrefが供給され、電界効果トランジスタ57のドレインが入力端子10aに電気的に接続されているので、電界効果トランジスタ57のドレインとソースとの電位差はほとんど無い。これにより、電界効果トランジスタ57は(深い)3極管領域で動作する。このため、電界効果トランジスタ57は可変抵抗器として機能し、電界効果トランジスタ57のドレインの出力インピーダンスは低くなる。電界効果トランジスタ57のドレインとソースとの電位差はほとんど無いことから、光電流Ipdの直流成分はほとんど電界効果トランジスタ57に流れ込まないものの、光電流Ipdの交流成分は交流バイパス電流Iagcとして電界効果トランジスタ57に流れ込み得る。制御電流Iagccntは、制御電流Icntを増幅することで生成した電流とオフセット電流Iofsとの差分を増幅率γで増幅することにより得られるので、制御電流Icntがオフセット電流Iofsの電流値を超えた場合に、制御電流Icntが大きくなるにつれて制御電流Iagccntが大きくなり、電界効果トランジスタ56のゲート・ソース間電圧Vgs2も大きくなる。このため、光電流Ipdが小さい又は中程度の信号強度を有する場合、交流バイパス電流Iagcの引き抜きが抑えられ、光電流Ipdの交流成分が減衰することを回避できる。光電流Ipdが大きい信号強度を有する場合には、光電流Ipdの交流成分が交流バイパス電流Iagcとして光電流Ipdから引き抜かれるので、光電流Ipdの交流成分を減衰させることができる。このように、可変抵抗回路53Bによって、トランスインピーダンス増幅回路10Bの利得が制御される。
電界効果トランジスタ57のゲートは、抵抗素子58を介して電界効果トランジスタ56のゲートに電気的に接続されており、電界効果トランジスタ56がダイオード接続されているので、電界効果トランジスタ57のゲートは、抵抗素子58及び電界効果トランジスタ56の微分抵抗を介して基準電圧発生回路12の出力端子(基準電圧信号Vref)に接続される。しかし、抵抗素子58の抵抗値Rgが容量CgdによるインピーダンスZcgdよりも大きいので、抵抗素子58によって電界効果トランジスタ57のゲートと電界効果トランジスタ56のゲートとは高周波的に分離(アイソレート)され得る。したがって、容量Cgdと容量Cgsとによってドレイン・ソース間電圧Vdsが分圧された電圧が電界効果トランジスタ57のゲートに印加される。電界効果トランジスタ57は、容量Cgdと容量Cgsとが互いに等しくなるように構成されているので、ドレイン・ソース間電圧Vdsの半分程度の電圧が電界効果トランジスタ57のゲートに印加される。これにより、電界効果トランジスタ57の微分抵抗値(抵抗値RAGC)が、ドレイン・ソース間電圧Vdsによって変動することが抑えられる。その結果、歪みの発生が抑制されるので、信号品質を改善することが可能となる。
なお、抵抗端子53bの出力インピーダンスは、TIA部11の入力インピーダンスZinを考慮して決められてもよい。例えば、TIA部11の利得可変比率をA(Aは1より大きい実数)とするとき、抵抗端子53bの出力インピーダンスはZin/(A−1)となるように設定される。それにより、AGCを行わないときのTIA部11の電流信号Iinの値をIinoffとすると、AGCを行うときの電流信号Iinの値Iinonは、Iinon=Iinoff/Aとなる。例えば、A=2のときには抵抗端子53bの出力インピーダンスはZinとほぼ等しくなり、Aを2より大きくする場合は抵抗端子53bの出力インピーダンスはZinよりも小さい値となるようにする。したがって、AOCとAGCとを同時に行うとき、出力端子52bの出力インピーダンスは、抵抗端子53bの出力インピーダンスよりも大きくなるように設定される。ところで、AGCを行わないときには、抵抗端子53bの出力インピーダンスは、100×Zin以上とされてもよい。抵抗端子53bの出力インピーダンスは、上述の抵抗値RAGCに等しいと考えることができる。例えば、電界効果トランジスタ57のゲート電圧を電界効果トランジスタ57の閾値電圧にほぼ等しくすることで抵抗端子53bの出力インピーダンスは大きくなる。入力インピーダンスZinと抵抗端子53bの出力インピーダンスとはそれぞれ互いに異なる周波数特性を持ち得るため、少なくとも所定の周波数範囲(帯域)にて上述の関係が満たされていればよい。
電界効果トランジスタ57の基板端子は、容量Cgbを介して電界効果トランジスタ57のゲートと電気的に接続されるので、電界効果トランジスタ57の基板端子の電位は容量Cgbを介して電界効果トランジスタ57のゲート電位に影響を与え得る。これに対し、電界効果トランジスタ57の基板端子には、抵抗素子59を介して基準電圧信号Vrefが供給され、抵抗素子59の抵抗値Rbは、容量CdbによるインピーダンスZcdbよりも大きく(Rb>>Zcdb)、容量CsbによるインピーダンスZcsbよりも大きい(Rb>>Zcsb)ので、抵抗素子59によって電界効果トランジスタ57の基板端子は電界効果トランジスタ57の外部から高周波的に分離(アイソレート)され得る。電界効果トランジスタ57は、容量Cdbと容量Csbとが互いに等しくなるように構成されているので、ドレイン・ソース間電圧Vdsの半分程度の電圧が電界効果トランジスタ57の基板端子に印加される。これにより、電界効果トランジスタ57の基板端子の電位が電界効果トランジスタ57のゲート電位と同程度となるので、電界効果トランジスタ57の基板端子の電位が電界効果トランジスタ57のゲート電位に与える影響を軽減することが可能となる。その結果、歪みの発生がさらに抑制されるので、信号品質をさらに改善することが可能となる。
バイパス回路15Bは、制御電流Icntに応じて直流バイパス電流Iaocを生成する帰還電流源52と、制御電流Icntに応じて交流バイパス電流Iagcを生成する可変抵抗回路53Bと、を備えている。制御回路51は、制御電流Icntが大きくなるにつれて直流バイパス電流Iaocが大きくなるように帰還電流源52を制御し、制御電流Icntがオフセット電流Iofsの電流値を超えた場合に制御電流Icntが大きくなるにつれて交流バイパス電流Iagcが大きくなるように、可変抵抗回路53Bを制御する。この構成によれば、単一の制御ループで、直流成分を除去する制御とトランスインピーダンス増幅回路10Bの利得制御とを実現することができるので、回路規模が大きくなることを抑制することが可能となる。
帰還電流源52では、電界効果トランジスタ54がダイオード接続されているので、電界効果トランジスタ54のドレインが制御電流Iaoccntを受けると、電界効果トランジスタ54のゲートとソースとの間にゲート・ソース間電圧Vgs1が生成される。電界効果トランジスタ54のゲートと電界効果トランジスタ55のゲートとが互いに電気的に接続されており、電界効果トランジスタ54のソースと電界効果トランジスタ55のソースとが互いに電気的に接続されているので、電界効果トランジスタ55のゲート・ソース間電圧はゲート・ソース間電圧Vgs1と等しくなる。電界効果トランジスタ55のソースが電界効果トランジスタ54のソース、つまり接地電位GNDに電気的に接続され、電界効果トランジスタ55のドレインが入力端子10aに電気的に接続されているので、電界効果トランジスタ55のソースとドレインとの電位差が大きくなる。これにより、電界効果トランジスタ55は飽和領域で動作する。このため、電界効果トランジスタ55は電流源として機能し、電界効果トランジスタ55のドレインの出力インピーダンスが大きくなるので、光電流Ipdの交流成分はほとんど電界効果トランジスタ55に流れ込まないものの、光電流Ipdの直流成分は直流バイパス電流Iaocとして電界効果トランジスタ55に流れ込み得る。そして、制御電流Icntが大きくなるにつれて、電界効果トランジスタ54のゲート・ソース間電圧Vgs1が大きくなるので、それに応じて電界効果トランジスタ55のドレイン電流が大きくなり、光電流Ipdの直流成分が直流バイパス電流Iaocとして光電流Ipdから引き抜かれ、光電流Ipdから直流成分の除去が適切に行われる。なお、出力端子52bの出力インピーダンスをどの程度の大きさにすべきかは、TIA部11の入力インピーダンスを考慮して決められてもよい。例えば、TIA部11の入力インピーダンスをZinとしたとき、出力端子52bの出力インピーダンスは100×Zin以上にされてもよい。入力インピーダンスZinと出力端子52bの出力インピーダンスとはそれぞれ互いに異なる周波数特性を持ち得るため、少なくとも所定の周波数範囲(帯域)にてこのような関係が満たされていればよい。
基準電圧発生回路12は、電圧アンプ12aと、電圧アンプ12aの入出力間に電気的に接続された帰還抵抗素子12bと、を備えている。この構成では、基準電圧発生回路12の出力インピーダンスが広い周波数範囲において低くなる。つまり、TIA部11の入力端子から見た可変抵抗回路53Bのインピーダンスが、広い周波数範囲において低くなる。このため、光電流Ipdから交流バイパス電流Iagcを引き抜きやすくすることができる。
直流成分除去は、高インピーダンスの帰還電流源52を用いて行われるので、光電流Ipdの交流成分への影響が少ない(交流成分は流れない)。一方、利得制御は、可変抵抗回路53Bを用いて光電流Ipdの交流成分をバイパスさせることによって行われ、電界効果トランジスタ57のドレイン電位とソース電位とが略等しいので、光電流Ipdの直流成分への影響が少ない(直流成分は流れない)。その結果、直流成分の除去の制御と利得制御とが干渉することを回避できる。
以上のように、トランスインピーダンス増幅回路10Bによれば、トランスインピーダンス増幅回路10Bの利得制御と差分ΔVtiaを0にするためのDCオフセット制御とを互いに干渉させることなく、単一制御ループで制御することができ、かつ、低歪で利得制御を行うことができる。
なお、本開示に係るトランスインピーダンス増幅回路は上記実施形態に限定されない。
TIA部11、基準電圧発生回路12、差動増幅回路13、制御電流生成回路14、及びバイパス回路15Bの回路構成は、上記実施形態に示された構成に限られない。例えば、TIA部11は、電流信号Iinを電圧信号Vtiaに変換するように構成されていればよい。基準電圧発生回路12は、基準電圧信号Vrefを供給可能に構成されていればよい。制御電流生成回路14は、差分ΔVtiaの積分値に基づいて制御電流Icntを生成可能に構成されていればよい。
また、制御回路51は、図4に示される回路構成に限られず、図3に示される制御電流Iaoccnt及び制御電流Iagccntを生成可能に構成されていればよい。帰還電流源52は、制御電流Iaoccntが大きくなるにつれて直流バイパス電流Iaocが大きくなるように、直流バイパス電流Iaocを生成可能に構成されていればよい。帰還電流源52は、例えば、ダイオード接続された電界効果トランジスタ54に代えて、制御電流Iaoccntに応じて電界効果トランジスタ55のゲート・ソース間電圧を変更するように設けられた抵抗素子を備えていてもよい。電界効果トランジスタ55のソースは、接地電位GNDに電気的に接続されていなくてもよく、電界効果トランジスタ55が飽和領域で動作するように、電界効果トランジスタ55のソース電位が設定されていればよい。つまり、電界効果トランジスタ55のドレイン電位が電界効果トランジスタ55のソース電位よりも大きくなるように、電界効果トランジスタ55のソース電位が設定される。また、バイパス回路15Bは、単一の制御ループで帰還電流源52及び可変抵抗回路53Bを制御しなくてもよい。
電界効果トランジスタ57の基板端子の電位がゲート電位に与える影響はそれほど大きくないので、可変抵抗回路53Bは、抵抗素子59を備えていなくてもよく(つまり、抵抗値Rb=0)、電界効果トランジスタ57は、容量Cdbと容量Csbとが互いに等しくなるように構成されていなくてもよい。この場合でも、電界効果トランジスタ57の微分抵抗値(抵抗値RAGC)が、ドレイン・ソース間電圧Vdsによって変動することが抑えられる。その結果、歪みの発生が抑制されるので、信号品質を改善することが可能となる。
また、トランスインピーダンス増幅回路10Bは、基準電圧発生回路12を備えていなくてもよく、トランスインピーダンス増幅回路10Bは、外部の基準電圧発生回路から基準電圧信号Vrefを供給されてもよい。
上記実施形態では、制御電流Iaoccnt(直流バイパス電流Iaoc)の大きさは、増幅率αによって調整されるが、これに代えてトランジスタ61,62のカレントミラー比によって調整されてもよく、増幅率α及びトランジスタ61,62のカレントミラー比の両方によって調整されてもよい。同様に、直流バイパス電流Iaocの大きさは、電界効果トランジスタ54,55のカレントミラー比によって調整されてもよい。
上記実施形態では、制御電流Iagccnt(交流バイパス電流Iagc)の大きさは、増幅率γ及びオフセット電流Iofsの電流値によって調整されるが、増幅率γに代えてトランジスタ61,63のカレントミラー比によって調整されてもよく、増幅率γ、トランジスタ61,63のカレントミラー比、及びオフセット電流Iofsの電流値によって調整されてもよい。同様に、交流バイパス電流Iagcの大きさは、電界効果トランジスタ56のサイズ、及び電界効果トランジスタ57のサイズ等によって調整されてもよい。
上記実施形態では、電界効果トランジスタ54,55、及びトランジスタ61〜69として、電界効果トランジスタを用いて説明を行ったが、電界効果トランジスタ54,55、及びトランジスタ61〜69は、バイポーラトランジスタであってもよい。電界効果トランジスタ54,55、及びトランジスタ61〜69がバイポーラトランジスタである場合には、電界効果トランジスタのゲート、ソース、及びドレインは、ベース、エミッタ、及びコレクタにそれぞれ読み替えられる。
1B…光受信装置、10B…トランスインピーダンス増幅回路、10a…入力端子、11…TIA部(シングルエンド型増幅回路)、11a…電圧アンプ、11b…帰還抵抗素子、12…基準電圧発生回路、12a…電圧アンプ(増幅器)、12b…帰還抵抗素子、13…差動増幅回路、14…制御電流生成回路、15B…バイパス回路、41…積分回路、41a…入力端子、41b…入力端子、41c…出力端子、41d…出力端子、42…OTA、43…オペアンプ、43a…非反転入力端子、43b…反転入力端子、43c…反転出力端子、43d…非反転出力端子、44…抵抗素子、45…抵抗素子、46…コンデンサ、47…コンデンサ、51…制御回路、51a…入力端子、51b…出力端子、51c…出力端子、51d…電源端子、52…帰還電流源、52a…入力端子、52b…出力端子、52c…接地端子、53B…可変抵抗回路、53a…制御端子、53b…抵抗端子、53c…抵抗端子、54…電界効果トランジスタ(第3電界効果トランジスタ)、55…電界効果トランジスタ(第4電界効果トランジスタ)、56…電界効果トランジスタ(第1電界効果トランジスタ)、57…電界効果トランジスタ(第2電界効果トランジスタ)、58…抵抗素子(第1抵抗素子)、59…抵抗素子(第2抵抗素子)、61〜69…トランジスタ、70…電流源、Cdb…容量(第3容量)、Cds…容量、Cgb…容量、Cgd…容量(第1容量)、Cgs…容量(第2容量)、Csb…容量(第4容量)、GND…接地電位、Iaoc…直流バイパス電流、Iaoccnt…制御電流(第2制御電流)、Iagc…交流バイパス電流、Iagccnt…制御電流(第1制御電流)、Icnt…制御電流、Iin…電流信号、Iofs…オフセット電流、Ipd…光電流(入力電流信号)、Iref…基準電流、N…ノード、Pin…光信号、PD…受光素子、VCC…電源電圧、Vgs1…ゲート・ソース間電圧、Vgs2…ゲート・ソース間電圧、Vinn…電圧信号、Vinp…電圧信号、Vout,Voutb…差動電圧信号、VPD…バイアス電圧、Vref…基準電圧信号、Vtia…電圧信号。

Claims (5)

  1. 受光素子によって生成された入力電流信号に応じて差動電圧信号を生成するトランスインピーダンス増幅回路であって、
    前記入力電流信号を受ける入力端子と、
    電流信号を電圧信号に変換するシングルエンド型増幅回路と、
    前記電圧信号と基準電圧信号との差分に応じて前記差動電圧信号を生成する差動増幅回路と、
    前記差分の積分値に基づいて制御電流を生成する制御電流生成回路と、
    前記制御電流に応じて直流バイパス電流及び交流バイパス電流を生成するバイパス回路と、
    を備え、
    前記電流信号は、前記入力電流信号から前記直流バイパス電流及び前記交流バイパス電流が引き抜かれることによって生成され、
    前記バイパス回路は、前記制御電流が入力される制御回路と、前記制御電流に応じて前記交流バイパス電流を生成する可変抵抗回路と、を備え、
    前記制御回路は、所定のオフセット電流値を有するオフセット電流を生成し、前記制御電流を増幅することで生成した電流と前記オフセット電流との差分を第1増幅率で増幅することで第1制御電流を生成し、
    前記可変抵抗回路は、
    前記第1制御電流を受ける第1ドレインと、前記第1ドレインに電気的に接続される第1ゲートと、前記基準電圧信号が供給される第1ソースと、前記基準電圧信号が供給される第1基板端子と、を有する第1電界効果トランジスタと、
    第1抵抗素子と、
    前記入力端子に電気的に接続される第2ドレインと、前記第1ドレイン及び前記第1ゲートに前記第1抵抗素子を介して電気的に接続される第2ゲートと、前記基準電圧信号が供給される第2ソースと、前記基準電圧信号が供給される第2基板端子と、を有する第2電界効果トランジスタと、
    を備え、
    前記第2電界効果トランジスタは、前記第2ゲートと前記第2ドレインとの間の第1容量と、前記第2ゲートと前記第2ソースとの間の第2容量と、が互いに等しくなるように構成されており、
    前記第1抵抗素子の抵抗値は、前記第1容量によるインピーダンスよりも大きく、
    前記可変抵抗回路は、前記第1制御電流に応じて前記交流バイパス電流を前記第2ドレインから前記第2ソースに流す、トランスインピーダンス増幅回路。
  2. 前記可変抵抗回路は、第2抵抗素子をさらに備え、
    前記第2基板端子には、前記第2抵抗素子を介して前記基準電圧信号が供給され、
    前記第2電界効果トランジスタは、前記第2基板端子と前記第2ドレインとの間の第3容量と、前記第2基板端子と前記第2ソースとの間の第4容量と、が互いに等しくなるように構成されており、
    前記第2抵抗素子の抵抗値は、前記第3容量によるインピーダンスよりも大きい、請求項1に記載のトランスインピーダンス増幅回路。
  3. 前記バイパス回路は、前記制御電流に応じて前記直流バイパス電流を生成する帰還電流源をさらに備え、
    前記制御回路は、前記制御電流が大きくなるにつれて前記直流バイパス電流が大きくなるように前記帰還電流源を制御する、請求項1または請求項2に記載のトランスインピーダンス増幅回路。
  4. 前記制御回路は、前記制御電流を第2増幅率で増幅することで第2制御電流を生成し、
    前記帰還電流源は、
    前記第2制御電流を受ける第3ドレインと、前記第3ドレインに電気的に接続される第3ゲートと、接地電位に電気的に接続される第3ソースと、を有する第3電界効果トランジスタと、
    前記入力端子に電気的に接続される第4ドレインと、前記第3ドレイン及び前記第3ゲートに電気的に接続される第4ゲートと、前記第3ソースに電気的に接続される第4ソースと、を有する第4電界効果トランジスタと、
    を備え、
    前記帰還電流源は、前記第2制御電流に応じて前記直流バイパス電流を前記第4ドレインから前記第4ソースに流す、請求項3に記載のトランスインピーダンス増幅回路。
  5. 前記基準電圧信号を生成する基準電圧生成回路をさらに備え、
    前記基準電圧生成回路は、増幅器と、前記増幅器の入出力間に電気的に接続された帰還抵抗素子と、を備える、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のトランスインピーダンス増幅回路。
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