JP2021021258A - くさび緊結式足場用朝顔装置およびくさび緊結式足場用朝顔装置システム - Google Patents
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Abstract
Description
また、この発明は、建物の外壁の出隅に沿って設置されたくさび緊結式足場において、同足場の出隅を構成する2つの反建物側部に隣接して朝顔装置が設置された朝顔装置システムに関する。
ソケット金具は、平面より見て支柱の表面に向かって開口したコ字形のものであって、支柱の表面における上下方向に間隔をおいた複数の高さ位置に、支柱の並列方向に沿う2方向ならびにこれらと直角をなす建物側方向および反建物側方向を向くように4つずつ取り付けられている。
このようなくさび緊結式足場用の支柱としては、各高さ位置に取り付けられる4つのソケット金具のうち支柱の並列方向に沿う2方向を向いたソケット金具と建物側方向および反建物側方向を向いたソケット金具とが上下方向にずれるように配置されているものの他、4つのソケット金具が全て同一レベルに配置されているものも使用されている。
上記の朝顔装置において、上部取付金具および下部取付金具は、通常、クランプを用いて、足場の反建物側部の支柱に取り付けられている。
また、建物の外壁の出隅に沿って設置されたくさび緊結式足場において、同足場の出隅を構成する2つの反建物側部に従来の朝顔装置を互いに隣接するように設置して朝顔装置システムを構成する場合、足場の出隅に位置するコーナー支柱のほぼ同じ高さ位置に、両朝顔装置の上部取付金具および下部取付金具を取り付ける必要があるが、コーナー支柱に両朝顔装置の上部取付金具または下部取付金具を取り付けるためのクランプどうしが干渉するため、そのままでは両朝顔装置の取付に支障が生じる。そのため、通常の上部取付金具および下部取付金具とは別に、両朝顔装置の隣接する端に位置する縦枠部材および同支持部材をそれぞれ一括してコーナー支柱に取り付ける出隅専用の上部取付金具および下部取付金具を用意する必要があり、それによって部品点数が増加し、コストアップの要因となっていた。
前記複数本の支柱の所定高さ位置から反建物側方向にのびるように基端部が上部取付金具を介して前記所定高さ位置に取り付けられている複数の縦枠部材と、隣り合う2本の支柱に基端部が取り付けられた2つの縦枠部材にまたがって張り止められている面材とを備えており、
上部取付金具が、縦枠部材の基端部を保持する保持部および反建物側のソケット金具を上下から挟むように配置されかつ内部がソケット金具の内部と連通させられるように上下に貫通した中空状となされた上下2つのくさび受け部を有している金具本体と、上下2つのくさび受け部およびソケット金具の内部に上方から差し込まれて両者を緊結する上部くさびとを備えている、くさび緊結式足場用朝顔装置。
上くさび受け部の1対の側壁部に、ソケット金具に嵌め入れられる位置決め用下方突出部が形成されている、上記1)のくさび緊結式足場用朝顔装置。
下部取付金具が、支持部材の下端部を保持する保持部および反建物側のソケット金具を上下から挟むように配置されかつ内部がソケット金具の内部と連通させられるように上下に貫通した中空状となされた上下2つのくさび受け部を有している金具本体と、上下2つのくさび受け部およびソケット金具の内部に上方から差し込まれて両者を緊結する下部くさびとを備えている、上記1)または2)のくさび緊結式足場用朝顔装置。
上くさび受け部の1対の側壁部に、ソケット金具に嵌め入れられる位置決め用下方突出部が形成されている、上記3)のくさび緊結式足場用朝顔装置。
両朝顔装置の互いに隣接する端に位置しかつ基端部が上記足場の出隅に立てられたコーナー支柱の所定高さ位置に上部取付金具を介して取り付けられている2つの縦枠部材にまたがって、コーナー用面材が張り止められている、くさび緊結式足場用朝顔装置システム。
コーナー用面材が可撓性を有する材料からなる、上記5)のくさび緊結式足場用朝顔装置システム。
中央骨材を支持する棒状の補助支持部材の上端部が、中央骨材の先端部または長さ中間部に水平軸を中心として回動自在に連結されており、
補助支持部材の下端部が、コーナー支柱における中央骨材の基端部よりも下方位置に補助取付金具を介して取り付けられている、上記6)のくさび緊結式足場用朝顔装置システム。
したがって、上記1)の朝顔装置によれば、上記特許文献1記載の従来の朝顔装置と比べて、くさび緊結式足場の反建物側部への設置作業および同撤去作業をより簡単にかつ迅速に行うことができる。
また、上記1)の朝顔装置によれば、建物の外壁の出隅に沿って設置されたくさび緊結式足場において、同足場の出隅を構成する2つの反建物側部に朝顔装置を互いに隣接するように設置して朝顔装置システムを構成する場合、同足場の出隅に位置するコーナー支柱のほぼ同じ高さ位置に、両朝顔装置の上部取付金具をそのまま取り付けることができるので、上記特許文献1記載の従来の朝顔装置を使用した朝顔装置システムのように出隅専用の上部取付金具を用意する必要がなく、部品点数の増加およびコストアップを抑制することができる。
また、上記3)の朝顔装置によれば、建物の外壁の出隅に沿って設置されたくさび緊結式足場において、同足場の出隅を構成する2つの反建物側部に朝顔装置を互いに隣接するように設置して朝顔装置システムを構成する場合、同足場の出隅に位置するコーナー支柱のほぼ同じ高さ位置に、両朝顔装置の下部取付金具をそのまま取り付けることができるので、上記特許文献1記載の従来の朝顔装置を使用した朝顔装置システムのように出隅専用の下部取付金具を用意する必要がなく、部品点数の増加およびコストアップを抑制することができる。
また、上記5)の朝顔装置システムによれば、両朝顔装置の隣接する端どうしの隙間を塞ぐコーナー用面材を、特別な部材を用いることなく、両朝顔装置の隣接する端に位置する縦枠部材を利用して、簡単にかつ迅速に設置することができ、コストも抑えられる。
また、上記7)の朝顔装置システムによれば、例えば補助取付金具をコーナー支柱から取り外すことにより、両朝顔装置の縦枠部材および面材を閉じる動作に追随させて、コーナー用面材を容易に閉じることができる。
以下の説明において、図1、図11それぞれの左を「前」、同右を「後」、同下を「左」、同上を「右」というものとする。
図1〜図10は、この発明の第1の実施形態に係るくさび緊結式足場用朝顔装置システム(2)を示したものである。
図示の朝顔装置システム(2)は、建物の外壁(図示略)の出隅に沿って設置されたくさび緊結式足場(1)において、同足場(1)の出隅を構成する2つの反建物側部に、この発明による朝顔装置(2X)(2Y)を互いに隣接するように張り出し状に設置したものである。
左側足場ユニット(1X)には、建物側部(右側面部)および反建物側部(右側面部)に沿って、各複数本の支柱(10)が、前後に間隔をおいて並んで立てられている。同様に、後側足場ユニット(1Y)には、建物側部(前側面部)および反建物側部(後側面部)に沿って、各複数本の支柱(10)が、左右に間隔をおいて並んで立てられている。後側足場ユニット(1Y)の左端に位置する前後2本の支柱(10)は、左側足場ユニット(1X)における建物側部の後端の前後2本の支柱(10)を兼ねている。左側足場ユニット(1X)の反建物側部の後端に立てられた支柱(10)が、足場(1)の出隅に位置するコーナー支柱(10C)を構成している。
各支柱(10)の表面には、上下方向に所定間隔をおいた複数の高さ位置に、平面より見て支柱(10)表面に向かって開口したコ字形のソケット金具(11)が、支柱(10)の並列方向に沿う2方向ならびにこれらと直角をなす建物側方向および反建物側方向、すなわち前後左右をそれぞれ向くように4つずつ溶接されて取り付けられている。支柱(10)の各高さ位置に取り付けられる4つのソケット金具(11)のうち左右方向を向いた2つのソケット金具(11)は、前後方向を向いた2つのソケット金具(11)よりも、ソケット金具(11)の高さにほぼ等しい高さ分だけ下方にずれるように配置されている。各ソケット金具(11)は、間隔をおいて平行に配置された1対の垂直な側壁部(11a)と、両側壁部(11a)の一端縁どうしを連結するように設けられかつ上方に向かって支柱(10)表面から次第に離れるように傾斜した中央壁部(11b)とを備えている。
左側足場ユニット(1X)の左右に並んだ2つの支柱(10)の所定高さ位置において互いに向かい合うソケット金具(11)に、横桟(12)の両端部に設けられたくさび状のインサート金具(12a)が上方から挿入され、それによって両支柱(10)と横桟(12)とが連結されている。前後に隣り合う2つの横桟(12)に、踏板(13)の両端部に設けられたフック(13a)が掛け止められ、それによって両横桟(12)に踏板(13)が渡し止められている。前後に隣り合う2つの支柱(10)の所定高さ位置において互いに向かい合うソケット金具(11)に、手摺(14)の両端部に設けられたくさび状のインサート金具(14a)が挿入され、それによって両支柱(10)に手摺(14)が渡し止められている。
後側足場ユニット(1Y)も、左側足場ユニット(1X)と同様の組立構造を有している。
なお、この発明による朝顔装置および朝顔装置システムは、上記構造のくさび緊結式足場(1)に限らず、例えばソケット金具の形状や配置が異なるその他のくさび緊結式足場にも同様に設置可能である。
そこで、以下では、後側朝顔装置(2Y)の詳細構造について、図3〜図10等を参照しながら説明し、左側朝顔装置(2X)の詳細構造の説明を省略する。
ベース部材(35)の前面の上端部に、平面より見て後方に開口した略コ字形となされた上くさび受け部形成部材(320)の左右側壁の後端縁が溶接固定されている。また、ベース部材(35)の前面の下端部に、平面より見て後方に開口した略コ字形となされた下くさび受け部形成部材(330)の左右側壁の後端縁が溶接固定されている。これらの上くさび受け部形成部材(320)および下くさび受け部形成部材(330)によって、上くさび受け部(32)および下くさび受け部(33)がそれぞれ形成されている。
上くさび受け部(32)および下くさび受け部(33)はそれぞれ、支柱(10)の表面に当接させられる先端壁部(321)(331)と、先端壁部(321)(331)の左右側縁に連なって設けられた互いに平行な左右1対の側壁部(322)(332)とを有している。上下各くさび受け部(32)(33)の先端壁部(321)(331)は、支柱(10)の表面に沿うように略後方凸円弧状の横断面を有するものとなされている。先端壁部(321)(331)の横幅は、ソケット金具(11)の両側壁部(11a)の内面どうしの間の距離よりも若干小さいものとなされている。また、これに対応して、上下各くさび受け部(32)(33)における両側壁部(322)(332)の外面どうしの距離も、ソケット金具(11)の両側壁部(11a)の内面どうしの間の距離よりも若干小さいものとなされている。
上くさび受け部(32)の両側壁部(322)には、ソケット金具(11)に嵌め入れられる位置決め用下方突出部(322a)が形成されている。また、両側壁部(322)の位置決め用下方突出部(322a)どうしの間に設けられた先端壁部(321)の下側部分(321a)も、ソケット金具(11)に嵌め入れられるようになっている。位置決め用下方突出部(322a)は、側壁部(322)の下縁の前側部分から下方に突出した平面より見て略方形状のものであるが、その後側縁は、ソケット金具(11)の中央壁部(11b)の内面に沿うように前下がりの傾斜状となされている。支柱(10)への上部取付金具(3)の取付に際して、両側壁部(322)の位置決め用下方突出部(322a)をソケット金具(11)に嵌め入れることにより、金具本体(3A)の前後左右の移動が規制されるので、上部取付金具(3)の位置決めを容易に行うことができる。また、金具本体(3A)から手を離した状態で、上下2つのくさび受け部(32)(33)およびソケット金具(11)の内部に上部くさび(3B)を差し込むことができるので、緊結作業を簡単に効率よく行うことが可能である。
ベース部材(35)の上端部には、上くさび受け部(32)内に向かって前方に突出するように抜け止め用凸部(36)が設けられている。同凸部(36)は、好適には、ベース部材(35)の上端部に後方から貫通させられて締結固定された抜け止め用ボルト(361)の先端部によって構成されている。ボルト(361)の固定は、ナット(362)とのねじ合わせによって行う他、ベース部材(35)の上端部にあけたネジ穴(図示略)にボルト(361)をねじ込んでもよい。
上部くさび(3B)の上端部(371)は、やや後方に突出している。上部くさび(3B)の下端部(372)は、先細状となされている。
上部くさび(3B)の前面(373)は、垂直状であって、上部取付金具(3)における上くさび受け部(32)の先端壁部(321)内面に沿いうる略凸円弧状の横断面を有している(図5、図7、図9等参照)。
上部くさび(3B)の後面は、その下部が垂直面(374b)となされ、残りの長さ中間部および上部が前下がり状に傾斜した傾斜面(374a)となされている。傾斜面(374a)の傾斜角度は、ソケット金具(11)の中央壁部(11b)内面の傾斜角度とほぼ一致させられている。また、上部くさび(3B)の後面には、その幅中央部に、上下方向にのびる溝(375)が形成されている。溝(375)の底部の下端には、底部の他の部分よりも深さが大きくなるように凹部(375a)が形成されている。
上部くさび(3B)を、上部取付金具(3)の金具本体(3A)における上下2つのくさび受け部(32)(33)およびソケット金具(11)の内部に上方から差し込むと、上部くさび(3B)の前面(373)によって、上下くさび受け部(32)(33)の先端壁部(321)(331)および支柱(10)の表面が押圧されるとともに、上部くさび(3B)後面における高さ中間部の傾斜面(374a)によって、ソケット金具(11)の中央壁部(11b)内面が押圧されて、上部取付金具(3)が支柱(10)に緊結固定される。この緊結状態において、上部くさび(3B)の下部は、ソケット金具(11)の下方に突出させられている。
上部くさび(3B)を、上下くさび受け部(32)(33)およびソケット金具(11)の内部に差し込む際、またはこれらの部分から引き抜く際、抜け止め用凸部(36)が、上部くさび(3B)後面の溝(375)内を移動させられる。そして、上部くさび(3B)を、その後面の溝(375)の下端に抜け止め用凸部(36)が当接させられるまで引き上げると、上部くさび(3B)の上方への移動が阻止されるので、上部くさび(3B)が抜けないようになされている。また、溝(375)の底部の下端には深い凹部(375a)が設けられているので、図4に二点鎖線で示すように、上部くさび(3B)を後方に傾斜するように回動させることができる。上部くさび(3B)がこのような傾斜状態に保持されると、例えば、上部取付金具(3)の上下くさび受け部(32)(33)をソケット金具(11)の上下に配されるようにセッティングする際等に、上部くさび(3B)が不用意に下方に落下してセッティング等の作業に支障を来たすことがなく、優れた施工性が得られる。
足場(1)の後側の反建物側部の左端(足場(1)の出隅)に位置する支柱(10)、すなわちコーナー支柱(10C)に取り付けられた上部取付金具(3)の左右2つの挿入筒体(312)のうち内側(右側)のもの(312)のみに縦枠部材(41)の基端部が挿入固定され(図7参照)、足場(1)の後側の反建物側部の中間に位置する支柱(10)に取り付けられた上部取付金具(3)の左右2つの挿入筒体(312)それぞれに縦枠部材(41)の基端部が挿入されている(図5参照)。
なお、縦枠部材は、各支柱(10)に上部取付金具を介して1本ずつ連結されていても構わない。
図1に示すように、足場(1Y)の後側の反建物側部において、左端に位置する支柱(10)(すなわちコーナー支柱(10C))と左から2番目に位置する支柱(10)との間隔が、その他の隣り合う支柱(10)どうしの間隔の約2分の1となされており、それに応じて、同箇所に設けられる横枠部材(42)の長さも、その他の箇所に設けられる横枠部材(42)の長さの約2分の1となされている。
なお、各横枠部材の連結構造は、上記に限定されず、その他の適宜の連結構造を用いてもよい。また、図示は省略したが、方形枠の構造材として、さらに筋交いを設けるようにしてもよい。あるいは、内側横枠部材および外側横枠部材のうち少なくとも一方を省略して構成することも可能である。
面材(5)の周縁部には、方形枠(4)を構成する2つの縦枠部材(41)、内外両側の横枠部材(42)、および上部取付金具(3)の両挿入筒体(312)の各上面に設けられたL形ピン(P1)や折れピン等(P2)の取付用ピンがそれぞれ嵌め入れられる複数のハトメ(図示略)が取り付けられている。すなわち、面材(5)のハトメに、方形枠(4)や挿入筒体(312)のL形ピン(P1)、折れピン(P2)等を嵌め入れることにより、面材(5)が方形枠(4)に張り止められている。
また、面材(5)は、内側横枠部材(41)よりも前方にはみ出したはみ出し部(51)を有している。はみ出し部(51)は、上方に折り返されて、例えば紐により2つの支柱(10)に取り付けられており、同はみ出し部(51)によって、面材(5)と左側足場(1Y)の反建物側部との間に隙間が生じないようになされている。
なお、面材(5)の材料としては、上述したメッシュシートの他、例えばFRP製パネルやアルミニウム等の金属製パネルを使用することもできる。
支持部材(7)の上端部は、縦枠部材(41)の長さ中間部(または先端部)に垂下状に設けられた左右1対の取付ブラケット(411)に、左右にのびる水平な連結軸によって回動自在に連結されている。
支持部材(7)の下端部には、係合ピン(71)が取り付けられている。
ベース部材(65)の前面の上端部に、平面より見て後方に開口した略コ字形となされた上くさび受け部形成部材(620)の左右側壁の後端縁が溶接固定されている。また、ベース部材(65)の前面の下端部に、平面より見て後方に開口した略コ字形となされた下くさび受け部形成部材(630)の左右側壁の後端縁が溶接固定されている。これらの上くさび受け部形成部材(620)および下くさび受け部形成部材(630)によって、上くさび受け部(62)および下くさび受け部(63)がそれぞれ形成されている。
上くさび受け部(62)および下くさび受け部(63)はそれぞれ、支柱(10)の表面に当接させられる先端壁部(621)(631)と、先端壁部(621)(631)の左右側縁に連なって設けられた互いに平行な左右1対の側壁部(622)(632)とを有している。上下各くさび受け部(62)(63)の先端壁部(621)(631)は、支柱(10)の表面に沿うように略後方凸円弧状の横断面を有するものとなされている。先端壁部(621)(631)の横幅は、ソケット金具(11)の両側壁部(11a)の内面どうしの間の距離よりも若干小さいものとなされている。また、これに対応して、上下各くさび受け部(62)(63)における両側壁部(622)(632)の外面どうしの距離も、ソケット金具(11)の両側壁部(11a)の内面どうしの間の距離よりも若干小さいものとなされている。
上くさび受け部(62)の両側壁部(622)には、ソケット金具(11)に嵌め入れられる位置決め用下方突出部(622a)が形成されている。また、両側壁部(622)の位置決め用下方突出部(622a)どうしの間に設けられた先端壁部(621)の下側部分(621a)も、ソケット金具(11)に嵌め入れられるようになっている。位置決め用下方突出部(622a)は、側壁部(622)の下縁の前側部分から下方に突出した平面より見て略方形状のものであるが、その後側縁は、ソケット金具(11)の中央壁部(11b)の内面に沿うように前下がりの傾斜状となされている。支柱(10)への下部取付金具(6)の取付に際して、両側壁部(622)の位置決め用下方突出部(622a)をソケット金具(11)に嵌め入れることにより、金具本体(6A)の前後左右の移動が規制されるので、下部取付金具(6)の位置決めを容易に行うことができる。また、金具本体(6A)から手を離した状態で、上下2つのくさび受け部(62)(63)およびソケット金具(11)の内部に下部くさび(6B)を差し込むことができるので、緊結作業を簡単に効率よく行うことが可能である。
ベース部材(65)の上端部には、上くさび受け部(62)内に向かって前方に突出するように抜け止め用凸部(66)が設けられている。同凸部(66)は、好適には、ベース部材(65)の上端部に後方から貫通させられて締結固定された抜け止め用ボルト(661)の先端部によって構成されている。ボルト(661)の固定は、ナット(662)とのねじ合わせによって行う他、ベース部材(65)の上端部にあけたネジ穴(図示略)にボルト(661)をねじ込んでもよい。
なお、下部くさび(6B)は、前述した上部くさび(3B)と実質的に同一の構造および機能を有するものであるので、詳しい説明は省略する。
下部インサート部(68)は、後面が下部中間連結体(67)の前縁に溶接固定されている基端壁部(681)と、基端壁部(681)の両側縁から前方にのびる1対の側壁部(682)とを有している。両側壁部(682)は、これらの下縁の前半部から下方にのびる下方突出部(682a)を有している。そして、両側壁部(682)の下方突出部(672a)がソケット金具(11)に嵌め入れられるとともに、両側壁部(682)の下縁の水平な後半部がソケット金具(11)の中央壁部(11b)の上縁に係り止められるようになっている。
そして、縦枠部材(41)の紐取付部(412)に一端部が取り付けられた紐(8A)が、上部取付部材(2)よりも上方位置の手摺(14)に上から引っ掛けられて下方に垂らされ、同紐(8A)の他端部が支持部材(7)の紐取付部(72)に取り付けられている。この紐(8A)を、踏板(13)の上に乗った作業員が、下方に繰り出すかまたは上方に引っ張ることにより、面材(5)付き方形枠(4)の傾斜角度を調整することができる。
台風等の強風時には、上記紐(8A)を操作して、面材(5)付き方形枠(4)を略垂直上向きの閉じた状態となる位置まで揺動させ、必要に応じて面材(5)を方形枠(4)から取り外す等の対策を実施する。
同様に、コーナー支柱(10C)において、左側朝顔装置(2X)の後端に位置する支持部材(7)を取り付けるための下部取付金具(6)における上下2つのくさび受け部(62)(63)が、コーナー支柱(10C)の所定高さ位置にある左側ソケット金具(11)を上下から挟むように配置され、上下くさび受け部(62)(63)および左側ソケット金具(11)の内部に下部くさび(6B)が上方から差し込まれて、両者が緊結されているとともに、上記左側ソケット金具(11)の下方に位置する左側ソケット金具(11)に、下部取付金具(6)の下部インサート部(68)が上方から挿入されている。また、後側朝顔装置(2Y)の左端に位置する支持部材(7)を取り付けるための下部取付金具(6)における上下2つのくさび受け部(62)(63)が、コーナー支柱(10C)の所定高さ位置にある後側ソケット金具(11)を上下から挟むように配置され、上下くさび受け部(62)(63)および後側ソケット金具(11)の内部に下部くさび(6B)が上方から差し込まれて、両者が緊結されているとともに、上記後側ソケット金具(11)の下方に位置する後側ソケット金具(11)に、下部取付金具(6)の下部インサート部(68)が上方から挿入されている。
また、この実施形態の朝顔装置(2X)(2Y)によれば、くさび緊結式足場(1)の出隅を構成する左側の反建物側部および後側の反建物側部に、左側朝顔装置(2X)および後側朝顔装置(2Y)を、コーナー専用の取付金具を用いることなく、互いに隣接して設置することができ、それによって、足場(1)の出隅にまたがる朝顔装置システム(1)が得られる。
コーナー用面材(5C)は、例えばメッシュシートのように可撓性を有する材料によって構成されるのが好ましい。コーナー用面材(5C)がこのような可撓性を有するものであれば、例えば台風等の強風に備えて両朝顔装置(2X)(2Y)の面材(5)付き方形枠(4)を略垂直上向きまで揺動させて閉じる際に、コーナー用面材(5C)をそのまま追随させて閉じることができる。なお、両朝顔装置(2X)(2Y)の縦枠部材(41)が揺動しない固定タイプのものである場合、コーナー用面材(5C)を、例えばFRP製パネル等の可撓性を有していない材料によって構成してもよい。
コーナー用面材(5C)の形状は特に限定されないが、例えば、図1に示すように平面より見て略三角形となされる。
また、詳しい図示は省略したが、メッシュシート等よりなるコーナー用面材(5C)の2つの辺縁部に沿って所要の複数のハトメが取り付けられ、これらのハトメに、上記2つの縦枠部材(41)やこれらの基端部が挿入される挿入筒体(312)の各上面に設けられたL形ピン(P1)、折れピン(P2)等の取付用ピンを嵌め入れることにより、コーナー用面材(5C)が両縦枠部材(41)に張り止められているのが好ましい。このような構成とすれば、コーナー用面材(5C)の張設作業および同撤去作業を容易に行うことができる。
図11〜図15は、この発明の第2の実施形態に係るくさび緊結式足場用朝顔装置システム(2R)の構造を示したものである。
図示の朝顔装置システム(2R)は、以下の点を除いて、図1〜図10に示す第1の実施形態の朝顔装置システム(2)と実質的に同じである。
すなわち、第2の実施形態の朝顔装置システム(2R)では、コーナー用面材(5C)の下面に、コーナー支柱(10C)に近接する箇所からコーナー用面材(5C)をほぼ二等分する方向にのびるように中央骨材(91)が取り付けられている。また、中央骨材(91)を支持する棒状の補助支持部材(92)の上端部が、中央骨材(91)の長さ中間部(または先端部)に水平軸を中心として回動自在に連結され、補助支持部材(92)の下端部が、コーナー支柱(10C)における中央骨材(91)の基端部よりも下方位置に補助取付金具(93)を介して取り付けられている。
中央骨材(91)は、例えば金属製の角筒材または角棒材よりなる。この中央骨材(91)は、例えば、図15に示すように、複数組のボルト(913)・ナット(914)によってコーナー用面材(5C)の下面に取り付けられている。
補助支持部材(92)は、例えば金属製の角筒材または角棒材よりなり、その上端部が、中央骨材(91)の長さ中間部(または先端部)に垂下状に設けられた1対の取付ブラケット(911)に、水平な連結軸(連結ボルト)(912)によって回動自在に連結されている。
補助取付金具(93)は、平面より見てコ字形をなしかつ内部に補助支持部材(92)の下端部が配されて同下端部が水平な連結軸(連結ボルト)(931)によって回動自在に取り付けられている保持枠部(93a)と、保持枠部(93a)からコーナー支柱(10C)に向かってのびる垂直連結プレート(93b)と、垂直連結プレート(93b)の先端部に取り付けられたクランプ(93c)とを備えている。コーナー支柱(10C)へのクランプ(93c)の取付高さ位置は、中央骨材(91)およびコーナー用面材(5C)の角度を両朝顔装置(2X)(2Y)の方形枠(4)および面材(5)の角度に合わせられるように、適宜調整される。
この実施形態のコーナー用面材(5C)は、平面より見て略四角形のものであって、図1に示す第1の実施形態のコーナー用面材(5C)と比べて、中央骨材(91)および補助支持部材(92)によって保持されている分だけ、反建物側(左斜め後方)に向かってより大きく張り出したものとされている。従って、この実施形態の朝顔装置システム(2R)によれば、くさび緊結式足場(1)の出隅付近において、より確実に落下物を受けることができる。
中央骨材(91)の先端部には、逆U形の紐取付部(912)が設けられている。そして、この紐取付部(912)に一端部が取り付けられた紐(8B)が、中央骨材(91)の基端部よりも上方位置の手摺(14)に上から引っ掛けられて下方に垂らされ、同紐(8B)の他端部が例えば上記手摺(14)よりも下方位置の手摺(14)等に取り付けられている。この紐(8B)を、踏板(13)の上に乗った作業員が、下方に繰り出すかまたは上方に引っ張ることにより、コーナー用面材(5C)および中央骨材(91)の傾斜角度を調整することができる。
また、台風等の強風に備えて両朝顔装置(2X)(2Y)の面材(5)付き方形枠(4)を略垂直上向きまで揺動させて閉じる際には、補助取付金具(93)のクランプ(93c)をコーナー支柱(10C)から取り外すことにより、コーナー用面材(5C)および中央骨材(91)を、面材(5)付き方形枠(4)の閉動作に追随させて閉じることができる。
例えば、各朝顔装置の縦枠部材は、上記のように支持部材によって下方から支える他、上方から線材等で引っ張って支えるようにしてもよい。また、支持部材は、上記のようにその下端部の係合ピンを上下移動させて、縦枠部材の角度を可変とする他、その下端部を上下移動しないように下部取付金具に連結するとともに支持部材に伸縮機構を持たせることによって、縦枠部材の角度を可変とすることもできる。
(1X):左側足場ユニット
(1Y):後側足場ユニット
(10):支柱
(10C):コーナー支柱
(11):ソケット金具
(2)(2R):くさび緊結式足場用朝顔装置システム
(2X):左側朝顔装置
(2Y):後側朝顔装置
(3):上部取付金具
(3A):金具本体
(31):保持部
(32):上くさび受け部
(321):先端壁部
(322):側壁部
(322a):位置決め用下方突出部
(33):下くさび受け部
(331):先端壁部
(332):側壁部
(3B):上部くさび
(4):方形枠
(41):縦枠部材
(42):横枠部材
(5):面材
(5C):コーナー用面材
(6):下部取付金具
(6A):金具本体
(61):保持部
(62):上くさび受け部
(621):先端壁部
(622):側壁部
(622a):位置決め用下方突出部
(63):下くさび受け部
(631):先端壁部
(632):側壁部
(6B):下部くさび
(7):支持部材
(91):中央骨材
(92):補助支持部材
(93):補助取付金具
Claims (7)
- 反建物側部に沿って複数本の支柱が間隔をおいて並んで立てられており、各支柱の表面における上下方向に間隔をおいた複数の高さ位置に、平面より見て支柱の表面に向かって開口したコ字形のソケット金具が、支柱の並列方向に沿う2方向ならびにこれらと直角をなす建物側方向および反建物側方向をそれぞれ向くように4つずつ取り付けられているくさび緊結式足場において、同足場の反建物側部に張り出し状に設置される朝顔装置であって、
前記複数本の支柱の所定高さ位置から反建物側方向にのびるように基端部が上部取付金具を介して前記所定高さ位置に取り付けられている複数の縦枠部材と、隣り合う2本の支柱に基端部が取り付けられた2つの縦枠部材にまたがって張り止められている面材とを備えており、
上部取付金具が、縦枠部材の基端部を保持する保持部および反建物側のソケット金具を上下から挟むように配置されかつ内部がソケット金具の内部と連通させられるように上下に貫通した中空状となされた上下2つのくさび受け部を有している金具本体と、上下2つのくさび受け部およびソケット金具の内部に上方から差し込まれて両者を緊結する上部くさびとを備えている、くさび緊結式足場用朝顔装置。 - 上部取付金具における金具本体の上下2つのくさび受け部が、支柱の表面に当接させられる先端壁部と、先端壁部の両側縁に連なって設けられた互いに平行な1対の側壁部とをそれぞれ有しており、
上くさび受け部の1対の側壁部に、ソケット金具に嵌め入れられる位置決め用下方突出部が形成されている、請求項1記載のくさび緊結式足場用朝顔装置。 - 上端部が縦枠部材の先端部または長さ中間部に連結されているとともに、下端部が支柱における上部取付金具よりも下方位置に下部取付金具を介して取り付けられている棒状の支持部材をさらに備えており、
下部取付金具が、支持部材の下端部を保持する保持部および反建物側のソケット金具を上下から挟むように配置されかつ内部がソケット金具の内部と連通させられるように上下に貫通した中空状となされた上下2つのくさび受け部を有している金具本体と、上下2つのくさび受け部およびソケット金具の内部に上方から差し込まれて両者を緊結する下部くさびとを備えている、請求項1または2記載のくさび緊結式足場用朝顔装置。 - 下部取付金具における金具本体の上下2つのくさび受け部が、支柱の表面に当接させられる先端壁部と、先端壁部の両側縁に連なって設けられた互いに平行な1対の側壁部とをそれぞれ有しており、
上くさび受け部の1対の側壁部に、ソケット金具に嵌め入れられる位置決め用下方突出部が形成されている、請求項3記載のくさび緊結式足場用朝顔装置。 - 建物の外壁の出隅に沿って設置されたくさび緊結式足場において、同足場の出隅を構成する2つの反建物側部のそれぞれに、請求項1〜4のいずれか1つに記載の朝顔装置が互いに隣接するように張り出し状に設置されており、
両朝顔装置の互いに隣接する端に位置しかつ基端部が上記足場の出隅に立てられたコーナー支柱の所定高さ位置に上部取付金具を介して取り付けられている2つの縦枠部材にまたがって、コーナー用面材が張り止められている、くさび緊結式足場用朝顔装置システム。 - 両朝顔装置の縦枠部材の基端部が上部取付金具の保持部によって水平軸を中心として回動自在に保持され、両朝顔装置の縦枠部材および面材が揺動可能となされており、
コーナー用面材が可撓性を有する材料からなる、請求項5記載のくさび緊結式足場用朝顔装置システム。 - コーナー用面材の下面に、コーナー支柱に近接する箇所からコーナー用面材をほぼ二等分する方向にのびるように中央骨材が取り付けられており、
中央骨材を支持する棒状の補助支持部材の上端部が、中央骨材の先端部または長さ中間部に水平軸を中心として回動自在に連結されており、
補助支持部材の下端部が、コーナー支柱における中央骨材の基端部よりも下方位置に補助取付金具を介して取り付けられている、請求項6記載のくさび緊結式足場用朝顔装置システム。
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