JP2021019643A - ブナシメジ栽培ビンキャップ及びブナシメジの栽培方法 - Google Patents

ブナシメジ栽培ビンキャップ及びブナシメジの栽培方法 Download PDF

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Abstract

【課題】石突き部分を切断してもキノコがばらばらにならず、石突きのない株状のブナシメジを収穫することができる栽培方法を提示する。【解決手段】栽培ビン50の広口部54に嵌合する筒状部材20を有するブナシメジ栽培ビンキャップ10であって、前記筒状部材20は、前記広口部54の端縁及び該端縁の近傍の外側面を覆い嵌合する大径筒部22と、該大径筒部22より小径な第1開口部21を有しかつ中心側に位置する小径筒部24と、前記大径筒部22の外周縁と前記小径筒部24とを連結する連結部25と、を有し、前記小径筒部24の内側面15の高さが6mm以上30mm以下である。【選択図】図10

Description

本発明は、ブナシメジの栽培の際に栽培ビンの口に被せてブナシメジの株形を整えるとともに収穫をも容易にするキャップ及びこれを用いたブナシメジの栽培方法に関する。
従来、キノコ類を栽培ビンを用いて栽培する際、下記各特許文献に記載のように、キノコの株形を整えるとともに収穫を容易にする目的で栽培ビンの口にキャップを被せることが行われてきた。
特開平5−227840号公報 特開2002−218844号公報 特開2004−147668号公報 特開2007−215417号公報 特開2007−236318号公報 特開2007−306807号公報 特開2009−171878号公報 特開2014−161242号公報
ブナシメジは、その栽培方法の特徴から石突き部分におがくずやコーンコブなどの培地原料が付着し、そのままパックされて市販されている。培地原料が付着した石突き部分は食べることができないので、パックには石突き部分を取り除いて調理するような表示がされている。しかし、調理の過程で石突き部分を取り除いたとしても、培地原料がしばしば料理へ混入するなどの不都合が生じていた。
最近では、石突き部分が切断されたブナシメジも販売されてきている。ただし、石突き部分が切断されてキノコ一本一本がばらばらにされた状態で販売されているものである。したがって、たとえば天ぷらなどのように数本のキノコのかたまりで使用したいような料理には不向きであるなど、実際の調理に支障を来すこともある。
さらに、石突き部分を平坦面で切断すると可食部分にロスが発生するため、中心側を上方に盛り上げた山形面で切断する方法が知られている。しかし、この場合でも中途半端にばらばらになり、たとえ株状に切れたとしても輸送などにより株が割れるなどの不都合があった。
そこで、本件発明者らは、ブナシメジの栽培の過程で石突き部分を固めながらやや長めに生長させ、培地原料がキノコの株内へ持ち上がらないようにして栽培することで、石突き部分を切断してもキノコがばらばらにならず、石突きのない株状のブナシメジを収穫することができる栽培方法を開発した。本願はその栽培方法とその栽培に使用する栽培用具を提供するものである。
(1)第1の発明
上記に鑑み、本願のうち第1の発明は、栽培ビン50の広口部54に嵌合する筒状部材20を有するブナシメジ栽培ビンキャップ10であって、前記筒状部材20は、前記広口部54の端縁及び該端縁の近傍の外側面を覆い嵌合する大径筒部22と、該大径筒部22より小径な第1開口部21を有しかつ中心側に位置する小径筒部24と、前記大径筒部22の外周縁と前記小径筒部24とを連結する連結部25と、を有し、前記小径筒部24の内側面15の高さが6mm以上30mm以下であることを特徴とする。
「筒状部材20」とは、ブナシメジの栽培ビン50の広口部54に嵌合するように形成された部材である。この筒状部材20は、大径筒部22及び小径筒部24という径の異なる2つの略円筒形の部分と、これらの部分を連結する連結部25とを備えている。
すなわち、小径筒部24の開口である第1開口部21は、広口部54の開口より狭くなっている。また、広口部54のうちで、小径筒部24より外周側に位置する環状の部分の上方は、連結部25により規制されている。よって、広口部54から生育するブナシメジは小径筒部24の内径により株元を締め付けられることになる。そして、この小径筒部24の内側面15の高さが6mm以上30mm以下となっているため、ブナシメジの石突き部分64がこの高さになるように生育させることが可能となっている。
ここで、この内側面15の高さが6mmを下回る場合、生育したブナシメジの石突き部分64を切断してもなお培地60及び種菌61が混入する可能性が高くなる。また、輸送中に株がばらばらにならないように石突き部分64を切断することも困難である。一方、この内側面15の高さが30mmを上回る場合、石突き部分64が不必要に長くなることで、生育期間の遅延につながり、栽培コストの上昇をもたらすことになる。よって、培地60の混入を防いで石突き部分64を容易に切断可能とするとともに、生育期間の遅延をもたらさないようにするには、この内側面15の高さを6mm以上30mm以下とするのが適切である。
なお、前記小径筒部24の内側面15の下縁は、前記連結部25の下面と一致していてもよい。しかし、前記内側面15の高さが確保されていれば、当該下縁が該連結部25の下面より下方へ突出していても差し支えない。
(2)第2の発明
また、本願のうち第2の発明は、前記第1の発明の特徴に加え、前記小径筒部24の第1開口部21の、前記広口部54の開口に対する開口率は30%以上90%以下であることを特徴とする。
ここで「開口率」とは、開口面積の比率である。このような開口率とすることで、製品としてのブナシメジの石突き部分64をしっかりと圧着できるようになり、結果として切断することも容易となる。
(3)第3の発明
さらに、本願のうち第3の発明は、前記第1又は第2の発明の特徴に加え、前記筒状部材20とは別体でかつ該筒状部材20の上に載置される椀状部材30をさらに備えるとともに、前記椀状部材30は、前記小径筒部24の外径より大径な第2開口部31と、該第2開口部31の辺縁から上方へ椀状に立ち上がる矯正部33と、を有することを特徴とする。
ここで、「椀状部材30」とは、筒状部材20に載置して生育するブナシメジの株を椀状に拡げるように成形する部材である。この椀状部材30は、小径筒部24をその第2開口部31に収容した状態で筒状部材20に載置されるのみで、筒状部材20との係合関係は一切ないので、上方に持ち上げれば特に何らの抵抗なしに取り外すことが可能となっている。よって、ブナシメジの生育が終了したら、この椀状部材30を持ち上げるだけで、石突き部分64を栽培ビン50から引き離すことができる。
(4)第4の発明
さらに、本願のうち第4の発明は、前記第3の発明の特徴に加え、前記矯正部33の上端縁から上方に突出する筒状の矯正筒部37を有することを特徴とする。
すなわち、本第4の発明では、矯正部33の上方に椀状でない筒状の部位である矯正筒部37を形成し、これら矯正部33と矯正筒部37とでもって生育するブナシメジの株を椀状に拡げるように成形することとしている。
(5)第5の発明
また、本願のうち第5の発明は、前記第4の発明の特徴に加え、前記矯正筒部37の外周面から外方に突出するフランジ状のリブ34を有することを特徴とする。
本第5の発明においては、2つ以上の椀状部材30を重ねて合わせて保管するときに、このリブ34が、下に位置する椀状部材30の矯正筒部37の上端に当接することで、椀状部材30同士が嵌まり込んで取れなくなるようなことが防止でき、また、重ね合わせた際の安定度も増すこととなっている。さらに、株の石突き部分を切断する工程をオートメーション化するに当たって、このリブ34によって位置合わせ等の機械特性が向上することともなっている。
(6)第6の発明
さらに、本願のうち第6の発明は、前記第1又は第2の発明の特徴に加え、前記筒状部材20とは別体でかつ該筒状部材20の上に載置される椀状部材30をさらに備えるとともに、前記椀状部材30は、前記小径筒部24の外径より大径な第2開口部31と、前記第2開口部31の周辺に環状に設けられる平面状の部位であって前記連結部25の上に載置される載置部38と、該載置部38の辺縁から上方へ椀状に立ち上がる矯正部33と、を有することを特徴とする。
すなわち、本第6の発明では、矯正部33は、第2開口部31の辺縁から直接立ち上がっているのではなく、載置部38を介してこの載置部38の辺縁から椀状に立ち上がることとなっている。
(7)第7の発明
また、本願のうち第7の発明は、前記第6の発明の特徴に加え、前記載置部38の辺縁から下方へ突出し、前記大径筒部22の外周を取り囲む筒状の外挿部35を有することを特徴とする。
すなわち、本第7の発明では、椀状部材30の載置部38が筒状部材20の連結部25の上に載置される際に、椀状部材30の外挿部35が筒状部材20の大径筒部22の外周を取り囲むこととなっている。これにより、椀状部材30を筒状部材20に装着した際の安定度が増すこととなっている。
(8)第8の発明
本願のうち第8の発明は、栽培ビン50の広口部54に嵌合する筒状部材20と、該筒状部材20とは別体でかつ該筒状部材20の上に載置される椀状部材30とを備えるブナシメジ栽培ビンキャップ10であって、前記筒状部材20は、前記広口部54の端縁及び該端縁の近傍の外側面を覆い嵌合する大径筒部22と、該大径筒部22より小径な第1開口部21を有しかつ中心側に位置する小径筒部24と、前記大径筒部22の外周縁と前記小径筒部24とを連結する連結部25と、を有し、前記椀状部材30は、前記第1開口部21の内径とほぼ同形の第2開口部31を有する上方筒部32と、該第2開口部31の辺縁から上方へ椀状に立ち上がる矯正部33と、を有し、かつ、該小径筒部24の上に載置されるものであるとともに、前記小径筒部24の内側面15の高さと前記上方筒部32の内側面15の高さとの合計が6mm以上30mm以下であることを特徴とする。
「筒状部材20」とは、ブナシメジの栽培ビン50の広口部54に嵌合するように形成された部材である。この筒状部材20は、大径筒部22及び小径筒部24という径の異なる2つの略円筒形の部分と、これらの部分を連結する連結部25とを備えている。
すなわち、小径筒部24の開口である第1開口部21は、広口部54の開口より狭くなっている。また、広口部54のうちで、小径筒部24より外側に位置する環状の部分の上方は、連結部25により規制されている。よって、広口部54から生育するブナシメジは小径筒部24の内径により株元を締め付けられることになる。
「椀状部材30」とは、筒状部材20に載置して生育するブナシメジの株を椀状に拡げるように成形する部材である。この椀状部材30は、その上方筒部32を小径筒部24の上に一致させた状態で載置され、上方に持ち上げれば筒状部材20に対して特に大きな抵抗なしに取り外すことが可能となっている。よって、ブナシメジの生育が終了したら、この椀状部材30を持ち上げるだけで、石突き部分64を栽培ビン50から引き離すことができる。
そして、本第8の発明においては、前記小径筒部24の内側面15の高さと前記上方筒部32の内側面15の高さとの合計が6mm以上30mm以下となっているため、ブナシメジの石突き部分64がこの高さになるように生育させることが可能となっている。ここで、これら内側面15の高さの合計が6mm以上30mm以下であることの意義については前記第1の発明と同様である。本第4の発明では、この高さが小径筒部24のみではなく、椀状部材30側の上方筒部32の高さも加味したものであればよいことになる。
なお、前記小径筒部24の内側面15の下縁は、前記連結部25と一致していてもよい。しかし、前記内側面15の高さが確保されていれば、当該下縁が該連結部25より下方へ突出していても差し支えない。
(9)第9の発明
また、本願のうちの第9の発明は、前記第8の発明の特徴に加え、前記小径筒部24の第1開口部21の、前記広口部54の開口に対する開口率は30%以上90%以下であることが望ましい。
ここで「開口率」とは、開口面積の比率である。このような開口率とすることで、製品としてのブナシメジの石突き部分64をしっかりと圧着できるようになり、結果として切断することも容易となる。
(10)第10の発明
さらに、本願のうち第10の発明は、前記第3から第9までの発明の特徴に加え、前記小径筒部24は、前記連結部25より上方へ突出していることを特徴とする。
この突出している部分によって、椀状部材30を載置する際に安定が保たれ、作業の際に多少の衝撃が加えられても椀状部材30が落下しにくくなっている。
(11)第11の発明
また、本願のうち第11の発明は、前記第1又は第2の発明の特徴に加え、前記筒状部材20とは別体でかつ前記栽培ビン50の肩部53の上に載置される椀状部材30をさらに備えるとともに、前記椀状部材30は、上方に向け拡径する略円錐台形状を呈することを特徴とする。
(12)第12の発明
さらに、本願のうち第12の発明は、前記第1又は第2の発明に係るブナシメジ栽培ビンキャップ10を使用するブナシメジの栽培及び収穫方法であって、菌床からブナシメジが生育してくる箇所に前記筒状部材20を装着し、ブナシメジの生育の終了後に収穫したブナシメジの石突き部分64を中途で切断することを特徴とする。
「ブナシメジが生育してくる箇所」とは、栽培ビン50を使う場合は広口部54であり、箱状の菌床で複数の株を生育させる場合は、そのように株を生やそうとする任意の部位である。このような箇所に前記のブナシメジ栽培ビンキャップ10を載置することで、前記小径筒部24の内径で株の石突き部分64を適宜に締め付けた状態で生育させることができる。そして、収穫後は石突き部分64を中途で容易に切断することができ、製品としてのブナシメジから培地60を排除することが可能となる。
ここで、本第12の発明においては、栽培工程のどの段階でブナシメジ栽培ビンキャップ10を装着するかについては特に限定はない。たとえば、以下のような方法が考えられる。
(12−1)方法1
菌掻き工程の直後に前記筒状部材20を栽培ビン50へ装着(又は菌床の所定の箇所に載置)する。そして、芽出し工程を経て生育工程の終了後にブナシメジを前記筒状部材20から引き抜くことにより収穫を行い、該収穫したブナシメジの石突き部分64を中途で切断する。
(12−2)方法2
菌掻き工程を経て芽出し工程の終了後に前記筒状部材20を栽培ビン50へ装着(又は菌床の所定の箇所に載置)する。そして、生育工程の終了後にブナシメジを前記筒状部材20から引き抜くことにより収穫を行い、該収穫したブナシメジの石突き部分64を中途で切断する。
(12−3)方法3
菌掻き工程及び芽出し工程を経て、生育工程の途中で、前記広口部54内の外周側の芽を除去してから前記筒状部材20を栽培ビン50へ装着(又は菌床の所定の箇所に載置)する。そして、生育工程の終了後にブナシメジを前記筒状部材20から引き抜くことにより収穫を行い、該収穫したブナシメジの石突き部分64を中途で切断する。
(13)第13の発明
また、本願のうち第13の発明は、前記第3から第11までのいずれかの発明に係るブナシメジ栽培ビンキャップ10を使用するブナシメジの栽培及び収穫方法であって、菌床からブナシメジが生育してくる箇所に前記筒状部材20を装着するとともに、該筒状部材20の上に前記椀状部材30を載置し、ブナシメジの生育の終了後に前記椀状部材30を前記筒状部材20から取り外すことによりブナシメジの収穫を行うとともに、収穫したブナシメジの石突き部分64を中途で切断することを特徴とする。
「ブナシメジが生育してくる箇所」とは、栽培ビン50を使う場合は広口部54であり、箱状の菌床で複数の株を生育させる場合は、そのように株を生やそうとする任意の部位である。このような箇所に前記のブナシメジ栽培ビンキャップ10を載置することで、前記小径筒部24の内径で株の石突き部分64を適宜に締め付けた状態で生育させることができる。そして、生育後は椀状部材30を持ち上げるだけで容易に収穫ができる。しかも、石突き部分64を中途で容易に切断することができ、製品としてのブナシメジから培地60を排除することが可能となる。
ここで、本第13の発明においては、栽培工程のどの段階でブナシメジ栽培ビンキャップ10を装着するかについては特に限定はない。たとえば、以下のような方法が考えられる。
(13−1)方法1
菌掻き工程の直後に前記筒状部材20を栽培ビン50へ装着し(又は菌床の所定の箇所に載置し)、さらに前記椀状部材30も該筒状部材20へ装着する。
次に、芽出し工程を経て生育工程の終了後に前記椀状部材30を前記筒状部材20から引き抜くことによりブナシメジの収穫を行う。
最後に、該収穫したブナシメジの石突き部分64を中途で切断する。
(13−2)方法2
菌掻き工程の直後に前記筒状部材20を栽培ビン50へ装着(又は菌床の所定の箇所に載置)する。
次に、芽出し工程の終了後に前記椀状部材30を前記筒状部材20へ装着する。
そして、生育工程の終了後に前記椀状部材30を前記筒状部材20から引き抜くことによりブナシメジの収穫を行う。
最後に、該収穫したブナシメジの石突き部分64を中途で切断する。
(13−3)方法3
菌掻き工程を経て芽出し工程の終了後に前記筒状部材20を栽培ビン50へ装着し(又は菌床の所定の箇所に載置し)、さらに前記椀状部材30も該筒状部材20へ装着する。
次に、生育工程の終了後に前記椀状部材30を前記筒状部材20から引き抜くことによりブナシメジの収穫を行う。
最後に、該収穫したブナシメジの石突き部分64を中途で切断する。
(13−4)方法4
菌掻き工程及び芽出し工程を経て、生育工程の途中で、前記広口部54内の外周側の芽を除去してから前記筒状部材20を栽培ビン50へ装着し(又は菌床の所定の箇所に載置し)、さらに前記椀状部材30も該筒状部材20へ装着する。
次に、生育工程の終了後に前記椀状部材30を前記筒状部材20から引き抜くことによりブナシメジの収穫を行う。
最後に、該収穫したブナシメジの石突き部分64を中途で切断する。
本発明は、上記のように構成されているので、以下に記す効果を奏する。
すなわち、ブナシメジの栽培の過程で石突き部分を固めながらやや長めに生長させ、培地がブナシメジの株内へ持ち上がらないようにして栽培することで、石突き部分を切断してもキノコがばらばらにならず、培地の混入のない株状のブナシメジを収穫することができるようになる。また、培地の混入がないことから、従来品よりも日持ち性が改善される。さらに、調理前に石突き部分を切断して取り除くという手間を省くことができるため、労働力面および食品衛生面も改善される。
具体的には、培地の料理への混入がなくなるため、石突き部分を切断する手間が省け、購入した製品を捨てるところなく、安心して調理して食べることができる。
また、芽出し工程においてブナシメジ栽培ビンキャップを装着することにより、ポリシートでの接触による奇形キノコの発生や水没あるいは床面乾燥を抑制することができる。
さらに、ブナシメジ栽培ビンキャップを装着することによりキノコの芽数が調整され、一本一本が良質なキノコになる。
また、石突き部分に培地が付着しないことで製品の全てが可食部になるとともに、栽培ビンの口部分の汚れにより発生する青カビ、雑菌及び培地カスの付着が抑えられる。
さらに、ブナシメジ栽培ビンキャップを合成樹脂材料で形成すれば、栽培資材が洗浄できるため衛生的であるとともに繰り返しの使用が可能で経済的である。
また、ブナシメジ栽培ビンキャップにより、ブナシメジが水平よりも下部に歪曲しないように矯正するため、形状を一定にすることができる。
第1の実施の形態に係るブナシメジ栽培ビンキャップが装着される栽培ビンの正面断面図である。 第1の実施の形態に係るブナシメジ栽培ビンキャップの筒状部材を(A)平面図、(B)正面図、(C)正面断面図及び(D)底面図で示す。 第1の実施の形態に係るブナシメジ栽培ビンキャップの椀状部材を(A)平面図、(B)正面図、(C)正面断面図及び(D)底面図で示す。 図2の筒状部材に図3の椀状部材を装着した様子を(A)平面図、(B)正面図、(C)正面断面図及び(D)底面図で示す。 ブナシメジの栽培工程のうち、菌糸培養工程中の状態を示す。 ブナシメジの栽培工程のうち、菌掻き工程終了直後の状態を示す。 ブナシメジの栽培工程のうち、菌掻き工程終了直後に筒状部材を装着した状態を示す。 ブナシメジの栽培工程のうち、芽出し工程中の状態を示す。 ブナシメジの栽培工程のうち、生育工程中の状態を示す。 ブナシメジの収穫直前の状態を示す。 図10の状態から椀状部材ごとブナシメジを取り外した状態を示す。 図11の状態から椀状部材を取り外した後のブナシメジの状態を示す。 図12の状態から石突き部分を中途で切断した状態を示す。 第1の実施の形態の変形例を正面断面図で示す。 第2の実施の形態に係るブナシメジ栽培ビンキャップの筒状部材を(A)平面図、(B)正面図、(C)正面断面図及び(D)底面図で示す。 第2の実施の形態に係るブナシメジ栽培ビンキャップの椀状部材を(A)平面図、(B)正面図、(C)正面断面図及び(D)底面図で示す。 図15の筒状部材に図16の椀状部材を装着した様子を(A)平面図、(B)正面図、(C)正面断面図及び(D)底面図で示す。 第3の実施の形態に係るブナシメジ栽培ビンキャップの椀状部材を(A)平面図、(B)正面図、(C)正面断面図及び(D)底面図で示す。 第3の実施の形態に係るブナシメジ栽培ビンキャップを栽培ビンに装着した様子を一部断面正面図にて示す。 生育0日目の比較例(A、C)及び実施例(B、D)を示す。 生育13日目の比較例(A、C)及び実施例(B、D)を示す。 生育21日目の比較例(A、C、E)及び実施例(B、D、F)を示す。 収穫直後の状態の比較例(A、C、E)及び実施例(B、D、F)を示す。 収穫した後の石突き部分の状態の比較例(A、C、E)及び実施例(B、D、F)を示す。 製品として出荷する直前の状態をそれぞれ比較例(左)と実施例(右)とを併置して示す。 第4の実施の形態に係るブナシメジ栽培ビンキャップの椀状部材を(A)平面図、(B)正面図、(C)正面断面図及び(D)底面図で示す。 図26の椀状部材を筒状部材に装着した様子を(A)平面図、(B)正面図、(C)正面断面図及び(D)底面図で示す。 図26の椀状部材を重ね合わせる前(A)及び重ね合わせた後(B)の様子をそれぞれ正面断面図にて示す。 第5の実施の形態に係るブナシメジ栽培ビンキャップの椀状部材を(A)平面図、(B)正面図、(C)正面断面図及び(D)底面図で示す。 図29の椀状部材を筒状部材に装着した様子を(A)平面図、(B)正面図、(C)正面断面図及び(D)底面図で示す。 図29の椀状部材を重ね合わせる前(A)及び重ね合わせた後(B)の様子をそれぞれ正面断面図にて示す。
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態を説明する。なお、下記で言及する樹脂材料についてはあくまで一例であり、これ以外のものも適宜使用可能である。
(1)第1の実施の形態
(1−1)栽培ビン50
栽培ビン50は、ポリプロピレン樹脂のブロー成形によって成形され、図1に示すように細長の胴部51の上端に、なで肩な形状の肩部53を経てこれより細い円筒状の頸部52を一体に有している。この頸部52の上端が広口部54となっている。
(1−2)筒状部材20
ブナシメジ栽培ビンキャップ10のうち、筒状部材20は、図2に示すように、上記栽培ビン50の広口部54の外周に密に嵌合される大きさの大径筒部22と、その上面に当たる連結部25と、その上方へ突出するとともに中心側に位置する小径筒部24とが、ポリプロピレン樹脂の射出成形により一体に形成されている。連結部25は、大径筒部22の外周縁と小径筒部24の外側面とを連結するものである。
大径筒部22の内周面には、内方へ突出した係止突起23が8箇所に等配されている。大径筒部22に上記栽培ビン50の広口部54が圧入された際には、この広口部54の上縁がこの係止突起23に当接することとなっている。すなわち、大径筒部22は、広口部54の端縁及び該端縁の近傍の外側面を覆い嵌合することとなっている。
小径筒部24はその開口である第1開口部21により、生育してくるブナシメジの石突き部分64を適宜に圧着して固めることとなっている。この第1開口部21は、栽培ビン50の広口部54の開口に対して30%以上90%以下の開口率の範囲であればよい。また、その内側面15の高さは6mm以上30mm以下であり、この高さによって石突き部分64を通常より長めに生育させることとなっている。
なお、本実施の形態では、小径筒部24は連結部25より上方へ突出していることとなっているが、上記の内側面15の高さを確保できれば、連結部25よりも下方へ突出している部分があってもよい。さらには、その下端が培地60の表面に接触するくらいにまで下方へ延びていても差し支えない。
なお、小径筒部24の内側面15は、図に示すような垂直ではなくても、多少のテーパーがあってもよい。
(1−3)椀状部材30
ブナシメジ栽培ビンキャップ10のうち、前記筒状部材20とは別体の椀状部材30は、図3に示すように、短円筒形状でその開口としての第2開口部31を有する外挿部35と、この外挿部35の辺縁から上方へ椀状に立ち上がる矯正部33とが、ポリプロピレン樹脂の射出成形により一体に形成されている。矯正部33の外側面の上端近傍には、外方に突出するリブ34が複数個等配されている。このリブ34は、椀状部材30を複数個重ねて保管する際に、嵌まり込んで取れなくなってしまうようなことを防ぐため、また、重ね合わせた際の安定度を増すため、さらに、株の石突き部分を切断する工程をオートメーション化するに当たって、このリブ34によって位置合わせ等の機械特性を向上させるために設けられている。また、外挿部35には半円形の切欠部36が4箇所に等配されている。
矯正部33は、ブナシメジの株の形を整えるためのものである。ブナシメジは生育の過程で横へ広がりながら上方へ伸長していくので、この矯正部33によって横へ張り出しすぎないようにして、製品として適当な形状に整えられることとなっている。
(1−4)筒状部材20への椀状部材30の装着
上述の筒状部材20に椀状部材30を装着することで、図4に示すようなブナシメジ栽培ビンキャップ10となる。
筒状部材20の小径筒部24の外径は、椀状部材30の第2開口部31(図3参照)より小径である。このため、椀状部材30を筒状部材20の上に、小径筒部24の外側に外挿部35を遊嵌させた状態で載置することができる。このとき、外挿部35に設けられている切欠部36を通じて、ブナシメジの成長過程で椀状部材30の底部に溜まった水が排出される。
(1−5)ブナシメジ栽培ビンキャップ10を使用したブナシメジの栽培及び収穫方法
本実施の形態に係るブナシメジ栽培ビンキャップ10を使用したブナシメジの栽培工程の一例は下記の通りである。
(1−5−1)菌糸培養工程
従来のブナシメジ栽培と同様に調整した培地60を栽培ビン50に充填し、殺菌処理後に放冷してから、種菌61を接種して菌床とする(図5参照)。培養期間中は培養室内にて温度を20〜21℃に保ち、菌糸を伸長させる。
(1−5−2)菌掻き工程
上述した菌糸培養工程終了後に菌掻き作業を菌掻き室内にて行う(図6参照)。この菌掻き作業終了の時点を生育0日目とする。
(1−5−3)芽出し工程
この生育0日目の時点で、栽培ビン50の広口部54に筒状部材20を取り付け(図7参照)、芽出し室へ移す。この状態で室温を15℃程度に保ち、光を上方より適宜照射しながら約2週間静置し、子実体原基62の芽出しをさせる(図8参照)。
(1−5−4)生育工程
芽出し工程終了後、筒状部材20に椀状部材30を装着し(図9参照)、生育室へ移す。この状態で室温を15℃程度に保ち、光を上方より適宜照射しながら約1週間静置し、子実体原基62を生育させる。これによって、子実体原基62は椀状部材30の矯正部33の内面形状にその側面が規制され、底部形状が椀型となって成長する。
(1−5−5)収穫
生育工程によって子実体63を所定の大きさまで成長させた後(図10参照)、栽培ビン50を生育室の外へ出す。そして、椀状部材30を持ち上げることでブナシメジを培地60より取り外し収穫する(図11参照)。さらに椀状部材30を取り外し(図12参照)、石突き部分64を中途で切断する(図13参照)。これにより、石突き部分64の培地60が付着した部分が除去され、底面が平坦な状態となる。以後、ブナシメジは梱包工程へ供される。
(1−5−6)変形例
なお、上記(1−5−1)〜(1−5−5)に示した工程はあくまでも一例でありブナシメジ栽培ビンキャップ10装着のタイミングは適宜変更してもよい。
たとえば、上記工程では筒状部材20は菌掻き工程直後に装着していたが、これを芽出し工程の終了後としてもよい。
また、椀状部材30は、筒状部材20を装着した工程の次の工程で装着してもよいし、また、筒状部材20を装着した時点で同時に装着してもよい。
あるいは、椀状部材30を装着せず、図7に示す状態で収穫まで生育させてもよい。この場合、筒状部材20のみでブナシメジ栽培ビンキャップ10が構成されることとなる(図14参照)。この構成の場合、収穫の際には、ブナシメジを直に手掴みして培地60より取り外すこととなる。
さらに、上記工程では、ブナシメジ栽培ビンキャップ10は栽培ビン50に装着することとしていたが、それに限らず、複数株を生育可能な面積の箱状の培養床でも使用可能である。その際、ブナシメジを生育させようとする箇所を前記(1−5−2)のように菌掻きしてから、その箇所に筒状部材20を載置することで、以後前記(1−5−3)以降の工程と同様とすることができる。
(2)第2の実施の形態
(2−1)栽培ビン50
栽培ビン50については前記(1−1)と同様である。
(2−2)筒状部材20
ブナシメジ栽培ビンキャップ10のうち、筒状部材20は、図15に示すように、上記栽培ビン50の広口部54の外周に密に嵌合される大きさの大径筒部22と、その上面に当たる連結部25と、その上方へ突出するとともに中心側に位置する小径筒部24とが、ポリプロピレン樹脂の射出成形により一体に形成されている。連結部25は、大径筒部22の外周縁と小径筒部24の外側面とを連結するものである。
大径筒部22の内周面には、内方へ突出した係止突起23が8箇所等配されている。大径筒部22に上記栽培ビン50の広口部54が圧入された際には、この広口部54の上縁がこの係止突起23に当接することとなっている。すなわち、大径筒部22は、広口部54の端縁及び該端縁の近傍の外側面を覆い嵌合することとなっている。
小径筒部24はその開口である第1開口部21により、生育してくるブナシメジの石突き部分64を適宜に圧着して固めることとなっている。この第1開口部21は、栽培ビン50の広口部54の開口に対して30%以上90%以下の開口率の範囲であればよい。
(2−3)椀状部材30
ブナシメジ栽培ビンキャップ10のうち、前記筒状部材20とは別体の椀状部材30は、図16に示すように、短円筒形状でその開口としての第2開口部31を有する上方筒部32と、筒状部材20の小径筒部24の上端外周に外挿される短円筒形状の外挿部35と、該第2開口部31の辺縁から上方へ椀状に立ち上がる矯正部33とが、ポリプロピレン樹脂の射出成形により一体に形成されている。矯正部33の外側面の上端近傍には、外方に突出するリブ34が複数個等配されている。このリブ34は、椀状部材30を複数個重ねて保管する際に、嵌まり込んで取れなくなってしまうようなことを防ぐため、また、重ね合わせた際の安定度を増すため、さらに、株の石突き部分を切断する工程をオートメーション化するに当たって、このリブ34によって位置合わせ等の機械特性を向上させるために設けられている。
矯正部33は、ブナシメジの株の形を整えるためのものである。ブナシメジは生育の過程で横へ広がりながら上方へ伸長していくので、この矯正部33によって横へ張り出しすぎないようにして、製品として適当な形状に整えられることとなっている。
(2−4)筒状部材20への椀状部材30の装着
上述の筒状部材20に椀状部材30を装着することで、図17に示すようなブナシメジ栽培ビンキャップ10となる。
椀状部材30の上方筒部32の開口である第2開口部31は、筒状部材20の小径筒部24の開口である第1開口部21ととほぼ同径である。また、外挿部35は小径筒部24の外径よりわずかに大きい内径を有している。このため、椀状部材30を、筒状部材20の上に、小径筒部24の上端縁の外側に外挿部35を装着させた状態で載置することができる。
本実施の形態では、筒状部材20の小径筒部24及び椀状部材30の上方筒部32の各々の内側面15が連続しており、その高さの合計が6mm以上30mm以下となっている。この合計した高さによって石突き部分64を通常より長めに生育させることとなっている。
本実施の形態に係るブナシメジ栽培ビンキャップ10を使用したブナシメジの栽培及び収穫は、前記(1−5)と同様に行うことができる。
(3)第3の実施の形態
(3−1)栽培ビン50
栽培ビン50については前記(1−1)と同様である。
(3−2)筒状部材20
ブナシメジ栽培ビンキャップ10のうち、筒状部材20については前記(1−2)と同様である。
(3−3)椀状部材30
ブナシメジ栽培ビンキャップ10のうち、前記筒状部材20とは別体の椀状部材30は、図18に示すように、上方に向け拡径する略円錐台形状を呈する。また、外周に補強用のリブ34が4本等配されている。
(3−4)栽培ビン50への椀状部材30の装着
この椀状部材30は、図19に示すように、栽培ビン50の肩部53の上に載置された状態で装着される。すなわち、本実施の形態に係るブナシメジ栽培ビンキャップ10においては、筒状部材20と椀状部材30とは直に接触はしないが、前記(1−5)で述べたのと同様の栽培工程を採ることができる。
(4)第4の実施の形態
(4−1)栽培ビン50
栽培ビン50については前記(1−1)と同様である。
(4−2)筒状部材20
ブナシメジ栽培ビンキャップ10のうち、筒状部材20については前記(1−2)と同様である。
(4−3)椀状部材30
ブナシメジ栽培ビンキャップ10のうち、前記筒状部材20とは別体の椀状部材30は、図26に示すように、短円筒形状で、開口としての第2開口部31を有する環状の平面である載置部38が上端に設けられた外挿部35と、この載置部38の辺縁から上方へ椀状に立ち上がる矯正部33とが、ポリプロピレン樹脂の射出成形により一体に形成されている。
矯正部33は、ブナシメジの株の形を整えるためのものである。ブナシメジは生育の過程で横へ広がりながら上方へ伸長していくので、この矯正部33によって横へ張り出しすぎないようにして、製品として適当な形状に整えられることとなっている。
(4−4)筒状部材20への椀状部材30の装着
椀状部材30を筒状部材20に装着することで、図27に示すようなブナシメジ栽培ビンキャップ10となる。
筒状部材20の小径筒部24の外径は、椀状部材30の第2開口部31(図27参照)より小径である。このため、第2開口部31に小径筒部24を遊嵌させ、かつ、連結部25の上に載置部38を載置させた状態で、椀状部材30を筒状部材20の上に載置することができる。このとき、図27(C)に示すように、外挿部35は大径筒部22に外挿された状態となっている。
本実施の形態に係るブナシメジ栽培ビンキャップ10を使用したブナシメジの栽培及び収穫は、前記(1−5)と同様に行うことができる。
なお、図28に示すように、本実施の形態に係る椀状部材30は、一方の外挿部35を他方の矯正部33の内部に挿入するようにして、上下に重ね合わせることができる。
(5)第5の実施の形態
(5−1)栽培ビン50
栽培ビン50については前記(1−1)と同様である。
(5−2)筒状部材20
ブナシメジ栽培ビンキャップ10のうち、筒状部材20については前記(1−2)と同様である。
(5−3)椀状部材30
ブナシメジ栽培ビンキャップ10のうち、前記筒状部材20とは別体の椀状部材30は、図29に示すように、短円筒形状でその開口としての第2開口部31を有する外挿部35と、この外挿部35の辺縁から上方へ椀状に立ち上がる矯正部33と、この矯正部33の上端縁から上方に突出する筒状の矯正筒部37とが、ポリプロピレン樹脂の射出成形により一体に形成されている。矯正筒部37の外周面の下端近傍からは、外方に突出するフランジ状のリブ34が設けられている。このリブ34は、椀状部材30を複数個重ねて保管する際に、嵌まり込んで取れなくなってしまうようなことを防ぐため、また、重ね合わせた際の安定度を増すため、さらに、株の石突き部分を切断する工程をオートメーション化するに当たって、このリブ34によって位置合わせ等の機械特性を向上させるために設けられている。また、外挿部35には半円形の切欠部36が2箇所に等配されている。
矯正部33及び矯正筒部37は、ブナシメジの株の形を整えるためのものである。ブナシメジは生育の過程で横へ広がりながら上方へ伸長していくので、この矯正部33及び矯正筒部37によって横へ張り出しすぎないようにして、製品として適当な形状に整えられることとなっている。
(5−4)筒状部材20への椀状部材30の装着
椀状部材30を筒状部材20に装着することで、図30に示すようなブナシメジ栽培ビンキャップ10となる。
筒状部材20の小径筒部24の外径は、椀状部材30の第2開口部31(図30参照)より小径である。このため、椀状部材30を筒状部材20の上に、小径筒部24の外側に外挿部35を遊嵌させた状態で載置することができる。このとき、外挿部35に設けられている切欠部36を通じて、ブナシメジの成長過程で椀状部材30の底部に溜まった水が排出される。
本実施の形態に係るブナシメジ栽培ビンキャップ10を使用したブナシメジの栽培及び収穫は、前記(1−5)と同様に行うことができる。
なお、図31に示すように、本実施の形態に係る椀状部材30は、一方のリブ34を他方の矯正筒部37の上に載置するようにして、上下に重ね合わせることができる。このように重ね合わせることで、椀状部材30を複数個重ねて保管する際に、椀状部材30同士が嵌まり込んで取れなくなってしまうようなことを防ぐことができ、また、重ね合わせた際の安定度も増すこととなっている。さらに、株の石突き部分を切断する工程をオートメーション化するに当たって、このリブ34によって位置合わせ等の機械特性が向上することともなっている。
以下、従来品のキャップ70を用いた比較例と対比した本発明の実施例を写真によって以下に説明する。
実施例に係るブナシメジ栽培ビンキャップ10は、前記第1の実施の形態に示した形状を有し、筒状部材20の第1開口部21の径は48mmであった。
比較例に係る従来品のキャップ70は、図20(A)に示すような形状を呈していた。具体的には、椀状を呈する上部71と、下方へ向かってやや径が窄まっている略円錐台形状の下部72とがポリプロピレン樹脂により射出成形により一体に成形されているものであった。その下部72は、頸部52を外側から完全に覆うものであり、肩部53で支持されるものであった。
栽培に使用した栽培ビン50は、図1に示したような形状を呈していた。広口部54の開口の径は55mmであった。よって、筒状部材20の第1開口部21の広口部54の開口に対する開口率は76%であった。
図20は、菌掻き工程(前記(1−5−2)参照)直後の生育0日目の比較例(A、C)及び実施例(B、D)を示したものである。なお、(A)及び(B)は栽培ビン50にキャップを装着した状態を正面から見たもので、(C)及び(D)はその状態を上方から見たものである。いずれも、栽培ビン50の広口部54の中央寄りに略円形状に残した種菌61が視認できた。
図21は、生育13日目の比較例(A、C)及び実施例(B、D)を示したものである。なお、(A)及び(B)は子実体63が生育している状態を斜め上方から見たもので、(C)及び(D)は生育室内で栽培ビン50が並べられている状態である。比較例では広口部54の開口一杯に子実体63が広がっていたのに対し(A)、実施例では小径筒部24の第1開口部21の範囲内に規制されているのが認められた(B)。実施例ではこの状態で椀状部材30が装着された(D)。
図22は、生育21日目の比較例(A、C、E)及び実施例(B、D、F)を示したものである。なお、(A)及び(B)は子実体63が生育している状態を正面から見たもので、(C)及び(D)は収穫直後の状態であり、(E)及び(F)は収穫直後の石突き部分64の状態を下方から見たものである。比較例ではキャップを持ち上げてブナシメジを収穫すると、栽培ビン50の広口部54の径とほぼ同径の石突き部分64が一緒に取り上げられた(C、E)。そして石突き部分64の下面には培地60が全面的に付着していた(E)。一方、実施例では椀状部材30を持ち上げれば比較例と同様にブナシメジが収穫されたが、石突き部分64の径は小径筒部24とほぼ同形であり(D、F)、それより外周側の子実体63は栽培ビン50に残ったままとなっていた(D)。石突き部分64の下面においても培地60は中央部分にわずかに認められるにとどまった(F)。
図23は、収穫直後の状態の比較例(A、C、E)及び実施例(B、D、F)を示したものである。なお、(A)及び(B)は収穫した後の栽培ビン50を上方から見たものである。比較例では、子実体63はほぼすべてが除去されて開口のほぼ全面で培地60が視認された(A)のに対し、実施例では、未発達の子実体63が開口の外周部に残り、培地60は中央部分にわずかに認められるにとどまった(B)。また、(C)及び(D)は椀状部材30を取り外した直後の状態であり、(E)及び(F)は椀状部材30を取り外した後の株である。比較例では石突き部分64の下半分は培地60の混じった子実体原基62であったが(C、E)、実施例ではそれは認められなかった(D、F)。
図24は、収穫した後の石突き部分64の状態の比較例(A、C、E)及び実施例(B、D、F)を示したものである。比較例では、石突き部分64の下半分の子実体原基62部分は容易に引きはがすことができたが(A)、引きはがした後に残った上半分の下面にも依然として相当量の培地60が残存していた(C)。一方、実施例では、石突き部分64を中途で切断すると(B)、切断された上半分の下面には培地60は一切認められなかった(D)。なお、ブナシメジを正面から見た限りでは比較例及び実施例にさほどの違いは認められなかった(E、F)。
図25は、製品として出荷する直前の状態をそれぞれ比較例(左)と実施例(右)とを併置して示したものである。平面視(A)、上方斜視(B)及び正面視(D)では、比較例の方がやや収量が多いように見える点を除き、生育状況にさほどの差は認められなかった。なお、比較例の方がやや収量が多いように見えたのは、栽培ビン50の広口部54の開口が実施例では小径筒部24で規制されて一旦小径となっていたからと思われる。一方、底面視(C)では、比較例では培地60が付着していたのに対し、実施例では培地60の付着は一切認められなかった。これにより、実施例では調理の際に石突き部分64を切断して廃棄する必要はなく、石突き部分64を含め全てを可食部分とすることができることとなる。
本発明は、ブナシメジの栽培に利用可能である。
10 ブナシメジ栽培ビンキャップ 15 内側面
20 筒状部材 21 第1開口部 22 大径筒部
23 係止突起 24 小径筒部 25 連結部
30 椀状部材 31 第2開口部 32 上方筒部
33 矯正部 34 リブ 35 外挿部
36 切欠部 37 矯正筒部 38 載置部
50 栽培ビン 51 胴部 52 頸部
53 肩部 54 広口部
60 培地 61 種菌 62 子実体原基
63 子実体 64 石突き部分
70 従来品のキャップ 71 上部 72 下部

Claims (3)

  1. 栽培ビンの広口部に嵌合する筒状部材を有するブナシメジ栽培ビンキャップであって、
    前記筒状部材は、前記広口部の端縁及び該端縁の近傍の外側面を覆い嵌合する大径筒部と、該大径筒部より小径な第1開口部を有しかつ中心側に位置する小径筒部と、前記大径筒部の外周縁と前記小径筒部とを連結する連結部と、を有し、
    前記小径筒部の内側面の高さが6mm以上30mm以下であり、
    前記小径筒部の第1開口部の、前記広口部の開口に対する開口率は30%以上90%以下であり、
    前記筒状部材とは別体でかつ該筒状部材の上に載置される椀状部材をさらに備えるとともに、
    前記椀状部材は、前記小径筒部の外径より大径な第2開口部と、該第2開口部の辺縁から上方へ椀状に立ち上がる矯正部と、前記矯正部の上端縁から上方に突出する筒状の矯正筒部を有することを特徴とするブナシメジ栽培ビンキャップ。
  2. 請求項1に記載のブナシメジ栽培ビンキャップを使用するブナシメジの栽培方法であって、
    培地に種菌を摂取して菌床とし菌糸を伸長させる菌糸培養工程と、
    前記菌糸培養工程の終了後に菌掻き作業を行う菌掻き工程と、
    菌床からブナシメジが生育して来る箇所に前記筒状部材を取り付け、子実体原基の芽出しをさせる芽出し工程と、
    前記芽出し工程の終了後、前記筒状部材に前記椀状部材を装着し、石突き部分を切断しても株状を維持するまで石突き部分を固めながら子実体原基を生育させる生育工程と、
    を含むことを特徴とするブナシメジの栽培方法。
  3. 前記生育工程の終了後、前記椀状部材を前記筒状部材から取り外す工程をさらに含むことを特徴とする、請求項2に記載のブナシメジの栽培方法。
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