JP3036699U - キノコの収穫キャップ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】キノコの人工栽培において、キノコの姿態を整
えるために瓶口に嵌めて使用する収穫キャップが、瓶口
内を成長するキノコの接触あるいは付着により外されて
姿態の不揃いなキノコが出来てしまうことがあるため、
瓶口内を成長するキノコによって外されてしまうことが
ないキノコの収穫キャップを提供することを目的とする
ものである。 【解決手段】キノコの収穫キャップを、培養瓶の瓶口の
外周壁に嵌合する内周壁２を有する嵌合部１１と、この
内周壁２の上方に複数の水抜孔３１を有する水平に連な
る水平部３と、この水平部３の外端から末広がり状に連
なる整形壁４とからなり、内周壁２にひさし体５を突設
してキノコの収穫キャップを構成する。すなわち、収穫
キャップの周壁などの突出部分を瓶口の内部に存在させ
ないように構成したキノコの収穫キャップである。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、キノコの人工栽培に使用する栽培瓶の瓶口に嵌め、成長するキノコ の形を整形する収穫キャップに係わり、特に成長途中のキノコによって、瓶口に 嵌めたキャップが外されてしまうことがないようにしたキノコの収穫キャップに 関するものである。

【０００２】

【従来技術と問題点】

キノコの人工栽培は、培養瓶の中に培養基を詰めその中に種菌を植え付け、瓶 口内の菌床部から発芽させて瓶口の上方に向けて生育させるものである。 しかし、キノコが成長するに従い瓶口の上方に向うと共に、横のほうにも広が るものもあり、姿態の不揃いな商品価値の低いキノコが多々収穫されていた。

【０００３】 このため、栽培瓶の瓶口に嵌め成長するキノコの形を整形する収穫キャップな るものが考案され、この収穫キャップを瓶口に嵌めて栽培するようになった。 確かにかかる収穫キャップを用いれば形の整った商品価値の高いキノコが収穫 できるようになったが、時には成長途中のキノコによって瓶口に嵌めた収穫キャ ップが外されてしまいキノコが成長した時には商品価値の無い姿態の不揃いのも のが収穫されることがあった。

【０００４】 なぜなら、かかる収穫キャップは、栽培瓶の瓶口に強く嵌めたのでは収穫時に 手で外すことが困難となるために瓶口に緩く嵌めて使用するのが通常であり、こ のことから、瓶口内のキノコが成長するに連れ瓶口に嵌められたキャップの内壁 に接触あるいは付着したキノコによってキャップが持ち上げられ、収穫キャップ が栽培瓶の瓶口から外されてしまうことによるものであった。 そして、大量生産においては、キャップの取外しに手間や時間を掛けられない ことから、栽培瓶の瓶口に強く嵌めることもできず、これにより未だこの問題の 解決は図られていないのが現状である。

【０００５】

【目的】

本考案は上述した問題点に鑑みてなされたもので、収穫キャップを栽培瓶の瓶 口に緩く嵌めて使用しても、キノコにより外されてしまうことがないキノコの収 穫キャップを提供することを目的とするものである。

【０００６】

【問題を解決するための手段】

本考案の要旨とするところは、培養瓶の瓶口の外周壁に嵌合する内周壁を有す る嵌合部と、この内周壁上方に複数の水抜孔を有する水平に連なる水平部と、こ の水平部外端から末広がり状に連なる整形壁とからなり、前記内周壁にひさし体 を突設し、培養瓶の瓶口にこの収穫キャップを嵌めた際、このひさし体が培養瓶 の瓶口の内周壁より突出しない状態に設けられていることを特徴とするものであ る。

【０００７】 本考案の収穫キャップは、キノコ栽培に用いられる培養瓶の瓶口の外周壁に嵌 合する上下に貫通した筒状のキャップである。また、キノコとは、えのき・しめ じ・しいたけ等で特にその種類は限定されるものではないが、えのき・しめじ等 の複数本の子実体からなるキノコ栽培に適している。

【０００８】 かかる収穫キャップは、瓶口の外周壁に嵌合するための内周壁を持ち、この内 周壁の上端から水平外側方向に連ねて水平部が設けられており、そしてこの水平 部には、余分な水を抜く水抜孔が設けられていると共に、内周壁にひさし体が突 設されている。培養瓶の瓶口にこの収穫キャップを嵌めた際、このひさし体が培 養瓶の瓶口の内周壁より突出しない長さで設けられている。 水抜孔の数や形状は特に限定するものではなく、水抜きに適した形状とすれば よい。 ひさし体は、水平部の内端の周囲にある程度の距離をおいて複数個突設したり 、また、内端の全周に渡りリング状に連続して周回突設するようにしてもよい。

【０００９】 この場合も内周壁の周囲にある程度の距離をおいて突設したり、また、内周壁 の全周に渡り突設するようにしてもよい。 そして、培養瓶の瓶口に収穫キャップを嵌めた際、ひさし体が培養瓶の瓶口の 内周壁より突出しないように設けるのが望ましい。

【００１０】 さらに、水抜孔が設けられている水平部の外端からは、上方に末広がり状の整 形壁が設けられている。 この整形壁の内部から外部への立ち上がり角度は、３０〜６０度程度が妥当で あるが、キノコの種類によって生育の際の扇開する状態が異なり、また梱包など の問題もあるためこの範囲に限定されるものではない。

【００１１】

【作用】

本考案のキノコの収穫キャップは以上のように構成されているので、栽培瓶の 中の培養基に種菌を植え付けた後、本考案のキノコ収穫キャップを栽培瓶にセッ トする。 セットされた状態は、収穫キャップの嵌合部の内周壁が培養瓶の瓶口の外周壁 にほぼ接し、内周壁に設けられているひさし体が瓶口の内周壁より突出しない状 態に瓶口上縁に係止されて、この収穫キャップを支持している。

【００１２】 この状態で瓶口内の菌床からキノコが発芽し生育すると、キノコは瓶口内をそ の周壁面に沿って密集状態で成長して行き、やがて瓶口から出ると、次は収穫キ ャップの周面に沿って末広がりに成長していく。 このように、瓶口内のキノコの成長時において、瓶口に嵌めた収穫キャップの 周壁などの部分に接触させないようにすることができる。

【００１３】

【実施例】

以下本考案のキノコの収穫キャップの実施例を図面に従って説明すると、図１ は、本考案のキノコの収穫キャップを示す斜視図であり、１はキノコ栽培用の収 穫キャップ、２は培養瓶６の瓶口６１の外周壁６２に嵌合する内周壁、３は内周 壁２の上方に複数の水抜孔３１を有する水平に連なる水平部、４は水平部３の外 端３２から末広がり状に連なる整形壁であり、５が水平部３の内端３３に突設さ れたひさし体である。

【００１４】 図２は、キノコの収穫キャップを装着した培養瓶を示す中央断面側面図で、図 ３は、図２の嵌合状態を示す部分拡大図であり、収穫キャップ１の嵌合部１１の 内周壁２が、培養瓶６の瓶口６１の外周壁６２にほぼ接し、内周壁２の上方に連 なる水平部３の内端３３に設けられているひさし体５の底部５１が、培養瓶６の 瓶口６１の上端部６４にその瓶口６１の内周壁６３より突出しない状態に係止さ れて、収穫キャップ１を支持している。

【００１５】 図４は、ひさし体を水平部の下方に連なる内周壁に設けたキノコの収穫キャッ プを示す斜視図である。 図５は、キノコの収穫キャップ上方にキノコが成長している状態を示す側面図 である。

【００１６】

【効果】

本考案のキノコの収穫キャップは以上のように構成されていることから、嵌合 が容易であり、キャップ内の通気が確保され、且つ更にキノコが瓶口内をその周 壁面に沿って密集状態で成長して行っても、栽培瓶の瓶口の内部に収穫キャップ の周壁などの部分が突出していないことから、キノコが収穫キャップの内壁に接 触や付着することがないため、キノコの成長のため収穫キャップが栽培瓶の瓶口 から外されてしまうことがない。

【００１７】 これにより、姿態のよいキノコをより多く栽培することができると共に、容易 に収穫することができる。 また、機械で大量処理する場合でも収穫キャップが外れてしまっている栽培瓶 がないことから、機械的大量処理において適するものとなり、その実用的価値は 著大である。

【提出日】平成８年１１月１８日

【手続補正１】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】考案の詳細な説明

【補正方法】変更

【補正内容】 【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、キノコの人工栽培に使用する栽培瓶の瓶口に嵌め、成長するキノコ の形を整形する収穫キャップに係わり、特に成長途中のキノコによって、瓶口に 嵌めたキャップが外されてしまうことがないようにしたキノコの収穫キャップに 関するものである。

【０００２】

【従来技術と問題点】

キノコの人工栽培は、培養瓶の中に培養基を詰めその中に種菌を植え付け、瓶 口内の菌床部から発芽させて瓶口の上方に向けて生育させるものである。 しかし、キノコが成長するに従い瓶口の上方に向うと共に、横のほうにも広が るものもあり、姿態の不揃いな商品価値の低いキノコが多々収穫されていた。

【０００３】 このため、栽培瓶の瓶口に嵌め成長するキノコの形を整形する収穫キャップな るものが考案され、この収穫キャップを瓶口に嵌めて栽培するようになった。 確かにかかる収穫キャップを用いれば形の整った商品価値の高いキノコが収穫 できるようになったが、時には成長途中のキノコによって瓶口に嵌めた収穫キャ ップが外されてしまいキノコが成長した時には商品価値の無い姿態の不揃いのも のが収穫されることがあった。

【０００４】 なぜなら、かかる収穫キャップは、栽培瓶の瓶口に強く嵌めたのでは収穫時に 手で外すことが困難となるために瓶口に緩く嵌めて使用するのが通常であり、こ のことから、瓶口内のキノコが成長するに連れ瓶口に嵌められたキャップの内壁 に接触あるいは付着したキノコによってキャップが持ち上げられ、収穫キャップ が栽培瓶の瓶口から外されてしまうことによるものであった。 そして、大量生産においては、キャップの取外しに手間や時間を掛けられない ことから、栽培瓶の瓶口に強く嵌めることもできず、これにより未だこの問題の 解決は図られていないのが現状である。

【０００５】

【目的】

本考案は上述した問題点に鑑みてなされたもので、収穫キャップを栽培瓶の瓶 口に緩く嵌めて使用しても、キノコにより外されてしまうことがないキノコの収 穫キャップを提供することを目的とするものである。

【０００６】

【問題を解決するための手段】

本考案の要旨とするところは、培養瓶の瓶口の外周壁に嵌合する内周壁を有す る嵌合部と、この内周壁上方に複数の水抜孔を有する水平に連なる水平部と、こ の水平部外端から末広がり状に連なる整形壁とからなり、前記内周壁にひさし体 を突設し、培養瓶の瓶口にこの収穫キャップを嵌めた際、このひさし体が培養瓶 の瓶口の内周壁より突出しない状態に設けられていることを特徴とするものであ る。

【０００７】 本考案の収穫キャップは、キノコ栽培に用いられる培養瓶の瓶口の外周壁に嵌 合する上下に貫通した筒状のキャップである。また、キノコとは、えのき・しめ じ・しいたけ等で特にその種類は限定されるものではないが、えのき・しめじ等 の複数本の子実体からなるキノコ栽培に適している。

【０００８】 かかる収穫キャップは、瓶口の外周壁に嵌合するための内周壁を持ち、この内 周壁の上端から水平外側方向に連ねて水平部が設けられており、そしてこの水平 部には、余分な水を抜く水抜孔が設けられていると共に、内周壁にひさし体が突 設されている。培養瓶の瓶口にこの収穫キャップを嵌めた際、このひさし体が培 養瓶の瓶口の内周壁より突出しない長さで設けられている。 水抜孔の数や形状は特に限定するものではなく、水抜きに適した形状とすれば よい。 ひさし体は、水平部の内端の周囲にある程度の距離をおいて複数個突設したり 、また、内端の全周に渡りリング状に連続して周回突設するようにしてもよい。

【０００９】 この場合も内周壁の周囲にある程度の距離をおいて突設したり、また、内周壁 の全周に渡り突設するようにしてもよい。 そして、培養瓶の瓶口に収穫キャップを嵌めた際、ひさし体が培養瓶の瓶口の 内周壁より突出しないように設けるのが望ましい。

【００１０】 さらに、水抜孔が設けられている水平部の外端からは、上方に末広がり状の整 形壁が設けられている。 この整形壁の内部から外部への立ち上がり角度は、３０〜６０度程度が妥当で あるが、キノコの種類によって生育の際の扇開する状態が異なり、また梱包など の問題もあるためこの範囲に限定されるものではない。

【００１１】

【作用】

本考案のキノコの収穫キャップは以上のように構成されているので、栽培瓶の 中の培養基に種菌を植え付けた後、本考案のキノコ収穫キャップを栽培瓶にセッ トする。 セットされた状態は、収穫キャップの嵌合部の内周壁が培養瓶の瓶口の外周壁 にほぼ接し、内周壁に設けられているひさし体が瓶口の内周壁より突出しない状 態に瓶口上縁に係止されて、この収穫キャップを支持している。

【００１２】 この状態で瓶口内の菌床からキノコが発芽し生育すると、キノコは瓶口内をそ の周壁面に沿って密集状態で成長して行き、やがて瓶口から出ると、次は収穫キ ャップの周面に沿って末広がりに成長していく。 このように、瓶口内のキノコの成長時において、瓶口に嵌めた収穫キャップの 周壁などの部分に接触させないようにすることができる。

【００１３】

【実施例】

以下本考案のキノコの収穫キャップの実施例を図面に従って説明すると、図１ は、本考案のキノコの収穫キャップを示す斜視図であり、１はキノコ栽培用の収 穫キャップ、２は培養瓶６の瓶口６１の外周壁６２に嵌合する内周壁、３は内周 壁２の上方に複数の水抜孔３１を有する水平に連なる水平部、４は水平部３の外 端３２から末広がり状に連なる整形壁であり、５が水平部３の内端３３に突設さ れたひさし体である。

【００１４】 図２は、キノコの収穫キャップを装着した培養瓶を示す中央断面側面図で、図 ３は、図２の嵌合状態を示す部分拡大図であり、収穫キャップ１の嵌合部１１の 内周壁２が、培養瓶６の瓶口６１の外周壁６２にほぼ接し、内周壁２の上方に連 なる水平部３の内端３３に設けられているひさし体５の底部５１が、培養瓶６の 瓶口６１の上端部６４にその瓶口６１の内周壁６３より突出しない状態に係止さ れて、収穫キャップ１を支持している。

【００１５】

【効果】

本考案のキノコの収穫キャップは以上のように構成されていることから、嵌合 が容易であり、キャップ内の通気が確保され、且つ更にキノコが瓶口内をその周 壁面に沿って密集状態で成長して行っても、栽培瓶の瓶口の内部に収穫キャップ の周壁などの部分が突出していないことから、キノコが収穫キャップの内壁に接 触や付着することがないため、キノコの成長のため収穫キャップが栽培瓶の瓶口 から外されてしまうことがない。

【００１６】 これにより、姿態のよいキノコをより多く栽培することができると共に、容易 に収穫することができる。 また、機械で大量処理する場合でも収穫キャップが外れてしまっている栽培瓶 がないことから、機械的大量処理において適するものとなり、その実用的価値は 著大である。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本考案のキノコの収穫キャップを示す斜視図

【図２】 収穫キャップを装着した培養瓶を示す中央断
面側面図

【図３】 図２の嵌合状態を示す部分拡大図

【図４】 ひさし体を水平部の下方に連なる内周壁に設
けた収穫キャップを示す斜視図

【図５】 収穫キャップ上方にキノコが成長している状
態を示す側面図

【符号の説明】

１−収穫キャップ，１１−嵌合部，２−内周壁，２１−
外周壁，３−水平部，３１−水抜孔，３２−外端，３３
−内端，４−整形壁，５−ひさし体，５１−底部，６−
培養瓶，６１−瓶口，６２−外周壁，６３−内周壁，６
４−上端部，７−培養基，８−キノコ

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【手続補正書】

【提出日】平成８年１１月１８日

【手続補正２】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】図４

【補正方法】削除

【手続補正３】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】図５

【補正方法】削除

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 培養瓶の瓶口の外周壁に嵌合する内周壁
   を有する嵌合部と、この内周壁上方に複数の水抜孔を有
   する水平に連なる水平部と、この水平部外端から末広が
   り状に連なる整形壁とからなり、前記内周壁にひさし体
   が突設され、培養瓶の瓶口にこの収穫キャップを嵌めた
   際、このひさし体が培養瓶の瓶口の内周壁より突出しな
   い長さとなっていることを特徴とするキノコの収穫キャ
   ップ
2. 【請求項２】 前記ひさし体が、複数個設けられている
   ことを特徴とする請求項１のキノコの収穫キャップ
3. 【請求項３】 前記ひさし体が、連続してリング状に突
   設することを特徴とする請求項１のキノコの収穫キャッ
   プ