JP2021019600A - 目的の核酸の特異的な単離方法 - Google Patents
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Abstract
Description
1)病原体の細胞をごく少数しか含まない一方、ヒト細胞を非常に多く含み、また、病原体の単離及び識別を妨害しないように除去されるべき他の細胞又は粒子を通常含む、マトリックス試料の複雑さ、及び
2)非常に大量の試料から非常に少ない数の病原体を単離するという物理的な限界。
1.臨床的要件では0.1から1CFU/mLであるのに対し、およそ0.3CFU/mLという、過去に達成されていない優れた検出限界。
2.EDTA又はクエン酸塩で緩衝された全血のみならず、ヘパリンで緩衝された全血といった、種々の全血を使用することが可能。ヘパリンは病院で多く使われる試薬だが、核酸及び酵素反応の増幅を阻害する能力ゆえに、分子生物学のアプローチでは受け入れられないことが多い。本発明は、文献に記載されている分子的方法では一般的ではない、ヘパリンで緩衝された血液を扱うことができる。
3.10mL以上の大量の全血が使用可能。
4.病原体の沈殿を促進するためのポリエチレングリコール(PEG)の使用。PEGによるDNA又はウイルスの沈殿は文献に非常によく記載されている。しかしながら、バクテリア細胞、又は酵母等の真菌の沈殿のためのPEGの使用は当該技術分野には見られない。サポニンは界面活性剤様試薬であるため、病原性細胞又は粒子は、遠心分離効果の下で、試験管の内側で浮くか、又は試験管の底に沈殿しにくくなる。PEGの添加は、特定の処理をされた試料のために必要とされない場合であっても、標的の、浮遊のリスクのない定常性の沈殿を保証する。更に、このPEGの添加は、病原体を含有するペレットのプラスチック試験管への接着性及び表面洗浄液への耐性を向上させる。
5.サポニンを用いた特異的溶解と、高濃度ヌクレアーゼに基づく処理の組み合わせ;換言すれば、非標的細胞の溶解、これが自身の核酸を放出し、次に該核酸がヌクレアーゼを用いた処理により分解される。この特異的溶解が大量のヒト核酸を放出する。通常、全血10mlから880μgのヒトDNAが抽出され得る。これらのヒト核酸は、病原性核酸のごく僅かなコピー数を検出することが目的である場合、以下の重大な問題の原因である:
i)病原性標的核酸の精製中、ヒト核酸が、それらの過剰のために核酸捕捉試薬を飽和状態にして、競合する(例えば、シリカ膜、磁気シリカビーズ、クロマトグラフィー又はアフィニティーマトリックス等)。
ii)ヒト核酸が、病原性分子の増幅中に干渉する。ヒト核酸の最大量の除去で、検出限界が向上する。これらの重要なポイントにより、本発明は、サポニンを用いた溶解後にヒト核酸の最大量を除去するために大量のヌクレアーゼを使用する。サポニンと高濃度ヌクレアーゼを用いる処理とを組み合わせることは、今まで文献に一度も記載されていない。
6.最後に、本発明人らは、pH6から9の緩衝されたサポニン溶液は、血液中、特に赤血球内の望ましくない要素の沈殿を阻害し得ることを証明した。これまで、科学者らはpH7に近い緩衝液をサポニンに対して使用してきたが、このpHの作用と試料の安定性とを関連付けたことはかつて一度もなかった。
●細胞膜又はカプシドがコレステロールを含有しない目的微生物、並びに
●非標的要素、すなわち:
−細胞膜がコレステロールを含有する非標的細胞、及び
−場合によっては、コレステロールを含有するエンベロープを有するウイルス、及び
−場合によっては、コレステロールを含有するマイコプラズマ、及び
−場合によっては、目的微生物及び/又は非標的細胞のデブリ
を特に含むか又は含む可能性のある液体生体試料中の目的微生物の選択的単離のための方法であって、以下の工程:
a)コレステロールを含有する細胞膜、又はコレステロールを含有するウイルスエンベロープ、又はコレステロールを含有するマイコプラズマの膜を不安定化するために、液体生体試料をサポニン製剤と接触させること、
b)非標的細胞を特異的に溶解するために非標的細胞の浸透圧衝撃を実施すること、
c)試料中の溶液に溶解した非標的要素由来の遊離核酸(DNA及び/又はRNA)を溶解することができる少なくとも一の酵素の溶液を添加し、目的微生物が選択的に得られることを可能にすること
を含む、方法に関する。
●細胞膜又はカプシドがコレステロールを含有しない目的微生物、並びに
●非標的要素、すなわち:
−細胞膜がコレステロールを含有する非標的細胞、及び
−場合によっては、コレステロールを含有するエンベロープを有するウイルス、及び
−場合によっては、コレステロールを含有するマイコプラズマ、及び
−場合によっては、目的微生物及び/又は非標的細胞のデブリ
を特に含むか又は含む可能性のある液体生体試料中の目的微生物の選択的単離のための方法であって、以下の工程:
a)コレステロールを含有する細胞膜、及び/又はコレステロールを含有するウイルスエンベロープ、及び/又はコレステロールを含有するマイコプラズマ膜を不安定化するために、液体生体試料をサポニン製剤と接触させること、
b)非標的細胞を特異的に溶解するために非標的細胞の浸透圧衝撃を実施すること、
c)試料中の溶液に溶解しない目的微生物を沈殿させるための薬剤を添加し、目的微生物が選択的に得られることを可能にすること
を含む、方法を包含する。
●細胞膜又はカプシドがコレステロールを含有しない目的微生物、並びに
●非標的要素、すなわち:
−細胞膜がコレステロールを含有する非標的細胞、及び
−場合によっては、コレステロールを含有するエンベロープを有するウイルス、及び
−場合によっては、コレステロールを含有するマイコプラズマ、及び
−場合によっては、目的微生物及び/又は非標的細胞のデブリ
を特に含むか又は含む可能性のある液体生体試料中の目的微生物の選択的単離のための方法であって、以下の工程:
a)コレステロールを含有する細胞膜、及び/又はコレステロールを含有するウイルスエンベロープ、及び/又はコレステロールを含有するマイコプラズマの膜を不安定化するために、液体生体試料をサポニン製剤と接触させること、
b)非標的細胞を特異的に溶解するために非標的細胞の浸透圧衝撃を実施すること、
c)試料中の溶液に溶解しない目的微生物を沈殿させるための薬剤を添加すること、及び
d)試料中の溶液に溶解した非標的要素由来の遊離核酸(DNA及び/又はRNA)を溶解することができる少なくとも一の酵素の溶液を添加し、目的微生物が選択的に得られることを可能にすること
を含む、方法を包含する。
●細胞膜又はカプシドがコレステロールを含有しない目的微生物、並びに
●非標的要素、すなわち:
−細胞膜がコレステロールを含有する非標的細胞、及び
−場合によっては、コレステロールを含有するエンベロープを有するウイルス、及び
−場合によっては、コレステロールを含有するマイコプラズマ、及び
−場合によっては、目的微生物及び/又は非標的細胞のデブリ
を特に含むか又は含む可能性のある液体生体試料中の目的の核酸の選択的単離のための方法であって、以下の工程:
a)コレステロールを含有する細胞膜、及び/又はコレステロールを含有するウイルスエンベロープ、及び/又はマイコプラズマの膜を不安定化するために、液体生体試料をサポニン製剤と接触させること、
b)非標的細胞を特異的に溶解するために非標的細胞の浸透圧衝撃を実施すること、
c)試料中の溶液に溶解した非標的要素由来の遊離核酸(DNA及び/又はRNA)を溶解することができる少なくとも一の酵素の溶液を添加すること、
d)工程(c)で添加した酵素を不活化すること、及び、
e)工程(c)の酵素により分解されなかった目的微生物の核酸を利用可能にすること
を含む、方法に関する。
●細胞膜又はカプシドがコレステロールを含有しない目的微生物、並びに
●非標的要素、すなわち:
−細胞膜がコレステロールを含有する非標的細胞、及び
−場合によっては、コレステロールを含有するエンベロープを有するウイルス、及び
−場合によっては、コレステロールを含有するマイコプラズマ、及び
−場合によっては、目的微生物及び/又は非標的細胞のデブリ
を特に含むか又は含む可能性のある液体生体試料中の目的の核酸の選択的単離のための方法であって、以下の工程:
a)コレステロールを含有する細胞膜、及び/又はコレステロールを含有するウイルスエンベロープ、及び/又はコレステロールを含有するマイコプラズマの膜を不安定化するために、液体生体試料をサポニン製剤と接触させること、
b)非標的細胞を特異的に溶解するために非標的細胞の浸透圧衝撃を実施すること、
c)試料中の溶液に溶解しない目的微生物を沈殿させるための薬剤を添加すること、及び
d)工程a)及びb)の作用により利用可能でない目的微生物の核酸を利用可能にすること
を含む、方法を包含する。
●細胞膜又はカプシドがコレステロールを含有しない目的微生物、並びに
●非標的要素、すなわち:
−細胞膜がコレステロールを含有する非標的細胞、及び
−場合によっては、コレステロールを含有するエンベロープを有するウイルス、及び
−場合によっては、コレステロールを含有するマイコプラズマ、及び
−場合によっては、目的微生物及び/又は非標的細胞のでプリ
を特に含むか又は含む可能性のある液体生体試料中の目的の核酸の選択的単離のための方法であって、以下の工程:
a)コレステロールを含有する細胞膜、及び/又はコレステロールを含有するウイルスエンベロープ、及び/又はコレステロールを含有するマイコプラズマの膜を不安定化するために、液体生体試料をサポニン製剤と接触させること、
b)非標的細胞を特異的に溶解するために非標的細胞の浸透圧衝撃を実施すること、
c)試料中の溶液に溶解しない目的微生物を沈殿させるための薬剤を添加すること、及び
d)試料中の溶液に溶解した非標的要素由来の遊離核酸(DNA及び/又はRNA)を溶解することができる少なくとも一の酵素の溶液を添加すること、
e)工程(d)で添加した酵素を不活化すること、
f)目的微生物の以下の核酸:
●工程(d)の酵素により分解されていない核酸、及び
●工程a)及びb)の作用により利用可能でない核酸を得ること
を含む、方法を包含する。
−コレステロールを含有する細胞膜、すなわち非標的細胞の膜を弱めるか又は不安定化し、同時に、
−非標的細胞の膨張及びその溶解につながる浸透圧をもたらす。
●EDTA及び/又はEGTA及び/又はDTT及び/又はβ−メルカプトエタノール及び/又はDEPC、及び/又はグアニジンを添加することにより化学的に、且つ/或いは
●ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)等の界面活性剤の存在下又は非存在下で、40から100℃の間に温度を上昇させることにより物理的に
不活化される酵素である。
●EDTA及び/又はEGTA及び/又はDTT及び/又はβ−メルカプトエタノール及び/又はDEPC、及び/又はグアニジンを添加することにより化学的に、且つ/或いは
●ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)等の界面活性剤の存在下又は非存在下で、40から100℃の間に温度を上昇させることにより物理的に
不活化され得る酵素である。
●pHが5を下回る、好ましくは6を下回れば、塩基性
●pH10を上回る、好ましくは9を上回れば、酸性
の溶液を添加することにより、pHが5から10、好ましくは6から9の範囲に維持され、そのためpHが前記範囲内にあることを特徴とする、方法に関する。
(a)容器と
(b)少なくとも一のサポニン製剤と、
(c)ポリエチレングリコール(PEG)等の、少なくとも一の沈殿剤の溶液と
を含む、キットにも関する。
(a)容器と、
(b)少なくとも一のサポニン製剤と、
(c)ポリエチレングリコール(PEG)等の、少なくとも一の沈殿剤の溶液と
を含む、キットに関する。
(c)又は(d’)少なくとも一の酸性溶液及び/又は少なくとも一の塩基性溶液、並びに/或いは
(d)EDTA及び/又はEGTA及び/又はDTT及び/又はβ−メルカプトエタノール及び/又はDEPC、及び/又はグアニジン、並びに/或いは
(e)少なくとも一の界面活性剤又は陰イオン剤
を更に含む。
−「ウイルスエンベロープ」とは、コレステロールを含有しないカプシドウイルスのカプシドと対照的に、コレステロールを含有するエンベロープウイルスのエンベロープを意味する。したがって、ウイルスエンベロープはサポニン感受性である。
−「細胞膜及び/又はウイルスエンベロープ及び/又はマイコプラズマの膜を不安定化する」とは、膜レベル及び/又はウイルスエンベロープのレベル及び/又はマイコプラズマの膜のレベルでの浸透圧の調節低下、膜輸送の阻害、並びに細胞膜、マイコプラズマの膜、ウイルスエンベロープのレベルでのポア出現の可能性につながる物理化学的機序を意味する。
−用語「目的微生物」とは、特にヒトにとって病原性の可能性がある、利用可能なコレステロールを含有しないすべての微生物を含む。これらの微生物は、ウイルス(エンベロープウイルスを除く)、細菌、真菌(酵母)、また微細な動物をも含む。
−「目的の核酸」は、上に定義された「目的微生物」の細胞又は粒子に含まれる核酸(DNA及びRNA)に相当する。
−「非標的細胞」とは、上に定義された「目的の核酸」を含まない生存生物のすべての細胞として理解されるべきである。
−「EDTA」という略称は、エチレンジアミン四酢酸に相当する。
−「EGTA」という略称は、エチレングリコール四酢酸に相当する。
−「DTT」という略称は、ジチオスレイトールに相当する。
−「DEPC」とう略称は、ジエチルピロカルボネートに相当する。
−CFUは、コロニー形成単位の略である。
−用語「界面活性剤」は、他の分子の物理化学的修飾を誘導し得る分子のすべてのクラスを意味する。これらの界面活性剤は、例えば、SDS、Tween−20、Triton X−100、brij97等の化学的性質のものであってもよく、又は酵素のものであってもよい。
−「液体生体試料」とは、次の群から選択される、「目的微生物」を含有する液体試料として理解されるべきである:羊膜液、房水、胆汁、血液、乳腺分泌物、気管支肺胞洗浄液、脳脊髄液、乳糜、糜粥、糞便、間質液、リンパ液、月経液、粘液、血漿、胸膜液、膿、唾液、皮脂、精液、血清、痰、汗、滑液、涙、尿、硝子体液。
50mLのプラスチック試験管中、EDTAで処理した全血20mLに20、10、2及び0(陰性コントロール)CFUの緑膿菌を接種した。血液中に挿入されたCFUの数は、ペトリ皿中の寒天培地にストリークすることにより確認された。接種した20mLの血液を二つに分け、各10mLを50mLのプラスチック試験管二本に入れて二つ組とした。濾過した4%サポニン溶液40ミリリットル、pH8.0で50mMのトリス−HCl、及び4%のPEG−8000を、接種した血液に添加した。試験管を二回反転させることにより攪拌し、室温で5分間インキュベートし、12000gで10分間遠心分離した。上清を除去し、ペレットの剥離を防止する15mLの4%PEG−8000で付着しているペレットを三回洗浄した。pH7.5で10mMのトリス−HClを200μL、該ペレットに添加した。
表I:本発明による方法を用いた緑膿菌の検出限界評価
50mLのプラスチック試験管中、EDTAで処理した全血20mLに140、28及び0(陰性コントロール)CFUのカンジダ・アルビカンスを接種した。血液中に挿入されたCFUの数は、ペトリ皿中の寒天培地にストリークすることにより確認された。接種した20mLの血液を二つに分け、各10mLを50mLのプラスチック試験管二本に入れて二つ組とした。濾過した4%サポニン溶液40ミリリットル、pH8.0で50mMのトリス−HCl、及び4%のPEG−8000を、接種した血液に添加した。試験管を二回反転させることにより攪拌し、室温で5分間インキュベートし、12000gで10分間遠心分離した。上清を除去し、ペレットの剥離を防止する15mLの4%PEG−8000でペレットを三回洗浄した。pH7.5で10mMのトリス−HClを200μL、該ペレットに添加した。次に、10μLのDNAse I(500μ/μl;Roche)及び2μLのRNAse If(50μ/μL;New England Biolabs)を前記試験管に入れた。ペレットを酵素で10分間分解し、インキュベーションの2分後と4分後の二回、ボルテックスにより撹拌した。ヌクレアーゼでの分解後、pH8.0、0.5MのEDTA10μL、10%SDS40μl、及びプロテイナーゼK20μLを前記試験管に添加した。試料を、直径1mmのガラスビーズ200mgと直径0.1mmのジルコニウムビーズ50mgが入った容量1.5mLのマイクロチューブに移した。該マイクロチューブを80℃で60分間加熱した。カンジダ・アルビカンス細胞の機械的溶解は、ボルテックスを用いてビーズを20分間撹拌することにより実施された。溶解上清中に存在するDNAは、Macherey−Nagel製Nucleospin Blood(登録商標)キットを用いて精製され、二度目はMacherey−Nagel製gDNA Clean−up XS(登録商標)キットを用いて精製された。定量的PCR増幅は溶出液全量すなわち40μlを用いて実施された。以下の表2で明らかなように、本発明の方法によりカンジダ・アルビカンス28CFUの試料はレプリカ上で検出された:
表2:本発明による方法を用いたカンジダ・アルビカンスの検出
50mLのプラスチック試験管中、EDTAで処理した全血10mLに、20000ビリオンのヒトアデノウイルス5を接種した。pH8.0で50mMのトリス−HCl、及び4%のPEG−8000と共に濾過した4%サポニン溶液40ミリリットルを、接種した血液に添加した。試験管を二回反転させることにより攪拌し、室温で5分間インキュベートし、12000gで10分間遠心分離した。上清を除去し、ペレットの剥離を防止する15mLの4%PEG−8000でペレットを三回洗浄した。pH7.5で10mMのトリス−HClを200μL、該ペレットに添加した。次に、10μLのDNAse I(500μ/μl;Roche)及び2μLのRNAse If(50μ/μL;New England Biolabs)を前記試験管に入れた。ペレットを酵素で10分間分解し、インキュベーションの2分後と4分後の二回、ボルテックスにより撹拌した。ヌクレアーゼでの分解後、pH8.0、0.5MのEDTA10μL及び10%SDS40μlを前記試験管に添加した。試料を、直径1mmのガラスビーズ200mgと直径0.1mmのジルコニウムビーズ50mgが入った容量1.5mLのマイクロチューブに移した。該マイクロチューブを80℃で10分間加熱した。ウイルス粒子の機械的溶解は、ビーズが入っている該チューブをボルテックスを用いて20分間撹拌することにより実施された。溶解上清中に存在するDNAは、Macherey−Nagel製Nucleospin Blood(登録商標)キットを用いて精製された。核酸が40μlで溶出された。定量的PCR増幅が、溶出液10μlを用いて実施された。以下の表3の通り、20000ビリオンが本発明の方法によってよく検出された:
表3:本発明の方法によるヒトアデノウイルス5の検出限界評価
50mLのプラスチック試験管中、EDTAで処理した全血10mLに24及び0(陰性コントロール)CFUの緑膿菌を接種した。血液中に挿入されたCFUの数は、ペトリ皿中の寒天培地にストリークすることにより確認された。濾過したサポニン溶液40ミリリットル、pH8.0で50mMのトリス−HCl、及び4%のPEG−8000を、接種した血液に添加した。サポニンの最終濃度は0.005%、0.02%、0.08%及び0.4%であった。各濃度を二重に試験した。試験管を三回反転させることにより攪拌し、室温で10分間インキュベートし、12000gで10分間遠心分離した。上清を除去し、ペレットの剥離を防止する15mLの4%PEG−8000で付着しているペレットを三回洗浄した。pH7.5で10mMのトリス−HCl、2.5mMのMgCl2、0.5mMのCaCl2、DNAse I(Roche)5000μ、RNAse If(New England Biolabs)100μを400μL、該ペレットに添加した。ペレットを、90分間撹拌しながら32℃でインキュベートした。試料を、pH8.0で0.5MのEDTA10μLとbuffer B3(Macherey−Nagel)400μlが入ったマイクロチューブに移した。該マイクロチューブを10分間80℃で加熱し、次いで氷中で5分間冷却した。リジンを5μg、該チューブに添加した。該マイクロチューブを更に10分間氷中でインキュベートし、次いで、供給業者の条件に従って、但しプロテイナーゼKとエタノールの比率は保ちつつ量を二倍にして、Macherey−Nage製Nucleospin Blood(登録商標)キットを用いて処理した。定量的PCR増幅を、ヒトDNAを検出するために溶出液2μl、及び緑膿菌のDNAを検出するためにPCR用の38μLを用いて実施した。
50mLのプラスチック試験管中、EDTAで処理した全血10mLに21(試験管5本)及び0(陰性コントロール、試験管1本)CFUの緑膿菌を接種した。血液中に挿入されたCFUの数は、ペトリ皿中の寒天培地にストリークすることにより確認された。濾過した0.4%サポニン溶液40ミリリットル、pH8.0で50mMのトリス−HCl、及び4%のPEG−8000を、接種した血液に添加した。試験管を三回反転させることにより攪拌し、室温で10分間インキュベートし、12000gで10分間遠心分離した。上清を除去し、ペレットの剥離を防止する15mLの4%PEG−8000で付着しているペレットを三回洗浄した。pH7.5で10mMのトリス−HCl、2.5mMのMgCl2、0.5mMのCaCl2、DNAse I(Roche)5000μ、RNAse If(New England Biolabs)100μを800μL、該ペレットに添加した。ペレットを、90分間撹拌しながら32℃でインキュベートした。pH8.0で0.5MのEDTAを10μL及びbuffer B3(Macherey−Nagel)を400μl添加し、次いで前記試験管を10分間80℃で加熱し、次いで5分間氷中で冷却した。リジンを5μg、前記試験管に添加した。前記試験管を更に10分間氷中でインキュベートし、次いで、供給業者の条件に従って、但しプロテイナーゼKとエタノールの比率は保ちつつ量を四倍にして、Macherey−Nage製Nucleospin Blood(登録商標)キットを用いて処理した。定量的PCR増幅を、ヒトDNAを検出するために溶出液2μl、及び緑膿菌のDNAを検出するためにPCR用の38μLを用いて実施した。
50mLのプラスチック試験管中、EDTAで処理した全血10mLに、117CFUのカンジダ・アルビカンスを接種した。血液中に挿入されたCFUの数は、ペトリ皿中の寒天培地にストリークすることにより確認された。濾過した4%サポニン溶液40ミリリットル、pH8.0で50mMのトリス−HCl、及び4%のPEG−8000を、接種した血液に添加した。試験管を二回反転させることにより攪拌し、室温で5分間インキュベートし、12000gで10分間遠心分離した。得られたペレットを、212μlのトリプトン塩(AES)又は212μlのヌクレアーゼ混合液(10mM、pH7.5のトリス;DNAse I(Roche)5000μ;RNAse If(New England Biolabs)100u)で再懸濁させ、室温で10分間インキュベートし、次いでペトリ皿SDC中の固形培地(bioMerieux)にストリークした。次いで、30℃で48時間インキュベートした後、コロニー数を計数した。
EDTAで処理した全血200μlを1.5mLのプラスチック試験管に分配した。10mMのMgCl21mL、又は最終4%のPEGを補充したMgCl21mLを該試験管に添加した。次に、129CFUの緑膿菌をこれらの試験管に接種した。該試験管を5秒間ボルテックスし、次いで5000gで10分間遠心分離した。次いでペレットをトリプトン塩100μlで再懸濁させ、次いでペトリ皿TSA(bioMerieux)中の固形培地にストリークした。該ペトリ皿を37℃で24時間インキュベートし、計数した。
<本発明の更なる実施態様>
[実施態様1]
●細胞膜又はカプシドがコレステロールを含有しない目的微生物、並びに
●非標的要素、すなわち:
−細胞膜がコレステロールを含有する非標的細胞、及び
−場合によっては、コレステロールを含有するエンベロープを有するウイルス、及び
−場合によっては、コレステロールを含有するマイコプラズマ、及び
−場合によっては、目的微生物及び/又は非標的細胞のデブリ
を特に含むか又は含む可能性のある液体生体試料中の目的微生物の選択的単離のための方法であって、
a)コレステロールを含有する細胞膜、又はコレステロールを含有するウイルスエンベロープ、又はコレステロールを含有するマイコプラズマの膜を不安定化するために、液体生体試料をサポニン製剤と接触させる工程、
b)非標的細胞を特異的に溶解するために非標的細胞の浸透圧衝撃を実施する工程、
c)試料中の溶液に溶解した非標的要素由来の遊離核酸(DNA及び/又はRNA)を溶解することができる少なくとも一の酵素の溶液を添加し、目的微生物が選択的に得られることを可能にする工程
を含む、方法。
[実施態様2]
●細胞膜又はカプシドがコレステロールを含有しない目的微生物、並びに
●非標的要素、すなわち:
−細胞膜がコレステロールを含有する非標的細胞、及び
−場合によっては、コレステロールを含有するエンベロープを有するウイルス、及び
−場合によっては、コレステロールを含有するマイコプラズマ、及び
−場合によっては、目的微生物及び/又は非標的細胞のデブリ
を特に含むか又は含む可能性のある液体生体試料中の目的微生物の選択的単離のための方法であって、
a)コレステロールを含有する細胞膜、及び/又はコレステロールを含有するウイルスエンベロープ、及び/又はコレステロールを含有するマイコプラズマの膜を不安定化するために、液体生体試料をサポニン製剤と接触させる工程、
b)非標的細胞を特異的に溶解するために非標的細胞の浸透圧衝撃を実施する工程、
c)試料中の溶液に溶解しない目的微生物を沈殿させるための薬剤を添加し、目的微生物が選択的に得られることを可能にする工程
を含む、方法。
[実施態様3]
液体生体試料中の目的微生物を選択的に単離するための方法であって、試料中の溶液に溶解されない目的微生物を沈殿させるための薬剤を添加することからなる工程を更に含み、前記工程は、工程a)で、工程a)及びb)の後で、又は工程c)の後で実施される、実施態様1に記載の方法。
[実施態様4]
●細胞膜又はカプシドがコレステロールを含有しない目的微生物、並びに
●非標的要素、すなわち:
−細胞膜がコレステロールを含有する非標的細胞、及び
−場合によっては、コレステロールを含有するエンベロープを有するウイルス、及び
−場合によっては、コレステロールを含有するマイコプラズマ、及び
−場合によっては、目的微生物及び/又は非標的細胞のデブリ
を特に含むか又は含む可能性のある液体生体試料中の目的の核酸の選択的単離のための方法であって、
a)コレステロールを含有する細胞膜、及び/又はコレステロールを含有するウイルスエンベロープ、及び/又はコレステロールを含有するマイコプラズマの膜を不安定化するために、液体生体試料をサポニン製剤と接触させる工程、
b)非標的細胞を特異的に溶解するために非標的細胞の浸透圧衝撃を実施する工程、
c)試料中の溶液に溶解した非標的要素由来の遊離核酸(DNA及び/又はRNA)を溶解することができる少なくとも一の酵素の溶液を添加する工程、
d)工程(c)で添加した酵素を不活化する工程、及び、
e)工程(c)の酵素により分解されない目的微生物の核酸を利用可能にする工程
を含む、方法。
[実施態様5]
●細胞膜又はカプシドがコレステロールを含有しない目的微生物、並びに
●非標的要素、すなわち:
−細胞膜がコレステロールを含有する非標的細胞、及び
−場合によっては、コレステロールを含有するエンベロープを有するウイルス、及び
−場合によっては、コレステロールを含有するマイコプラズマ、及び
−場合によっては、目的微生物及び/又は非標的細胞のデブリ
を特に含むか又は含む可能性のある液体生体試料中の目的の核酸の選択的単離のための方法であって、
a)コレステロールを含有する細胞膜、及び/又はコレステロールを含有するウイルスエンベロープ、及び/又はコレステロールを含有するマイコプラズマの膜を不安定化するために、液体生体試料をサポニン製剤と接触させる工程、
b)非標的細胞を特異的に溶解するために非標的細胞の浸透圧衝撃を実施する工程、
c)試料中の溶液に溶解しない目的微生物の沈殿剤を添加する工程、及び
d)工程a)及びb)の作用により利用可能でない目的微生物の核酸を利用可能にする工程
を含む、方法。
[実施態様6]
液体生体試料中の目的の核酸を選択的に単離するための方法であって、試料中の溶液に溶解されない目的微生物を沈殿させるための薬剤を添加することからなる工程を更に含み、前記工程は工程a)で、工程a)及びb)の後で、又は工程c)の後で、又は工程d)の後で実施される、実施態様4に記載の方法。
[実施態様7]
サポニンが等濃度で、試料と少なくとも同量かそれ以上の量であることを特徴とする、実施態様1から6の何れか一に記載の単離方法。
[実施態様8]
サポニンの最終濃度が0.02%超及び20%以下であることを特徴とする、実施態様1から7の何れか一に記載の単離方法。
[実施態様9]
沈殿剤がポリエチレングリコール(PEG)からなることを特徴とする、実施態様2、3、及び5から8の何れか一に記載の単離方法。
[実施態様10]
サポニンがトリテルペノイドからなることを特徴とする、実施態様1から9の何れか一に記載の単離方法。
[実施態様11]
遊離核酸を溶解することができる酵素が、次いで、
●EDTA及び/又はEGTA及び/又はDTT及び/又はβ−メルカプトエタノール及び/又はDEPC、及び/又はグアニジンを添加することにより化学的に、
且つ/或いは
●ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)等の界面活性剤の存在下又は非存在下で、40から100℃の間に温度を上昇させることにより物理的に、
不活化されることを特徴とする、実施態様1、3、4、及び6から10の何れか一に記載の単離方法。
[実施態様12]
少なくとも一の沈殿剤を添加することからなる、必要に応じて予めサポニンで処理された液体生体試料中の細菌及び真菌から選択される目的微生物の沈殿の改良された方法。
[実施態様13]
沈殿剤が、PEG、グリコーゲン、核酸から選択されることを特徴とする、実施態様12に記載の方法。
[実施態様14]
実施態様1から13の何れか一に記載の方法であって、前記方法の間、
●pHが5を下回る、好ましくは6を下回れば、塩基性
●pH10を上回る、好ましくは9を上回れば、酸性
の溶液を添加することにより、pHが5から10、好ましくは6から9の範囲に維持され、
そのためpHが前記範囲にあることを特徴とする、方法。
[実施態様15]
液体生体試料中の目的微生物の単離又は目的微生物の核酸の単離のための、サポニン製剤の使用、及び遊離核酸(DNA及び/又はRNA)を溶解することができる少なくとも一の酵素の溶液の使用、並びに、場合によっては、少なくとも一の沈殿剤の使用。
[実施態様16]
0.02%超及び20%以下の最終濃度をもたらすサポニン製剤、及び/又は0.1から20%の濃度の沈殿剤、及び/又は500から20000酵素単位を含有する遊離核酸(DNA及び/又はRNA)を溶解することができる酵素を使用することを特徴とする、実施態様15に記載の使用。
[実施態様17]
生体試料中の目的微生物の沈殿のための、PEG及び/又はグリコーゲン及び/又は核酸の使用であって、前記試料が、必要であれば、予めサポニンと接触させられている、使用。
[実施態様18]
実施態様1から14の何れか一に記載の方法に基づくか、又は実施態様15から17のいずれか一に記載の使用に基づく診断検査。
[実施態様19]
目的微生物、非標的細胞、並びに、場合によっては、エンベロープウイルス、マイコプラズマ及び/又は目的微生物及び/若しくは非標的細胞のデブリを特に含むか又は含む可能性のある液体生体試料中の、目的微生物を単離するため並びに/或いは目的微生物の核酸を単離するための診断キットであって、
(a)容器と
(b)少なくとも一のサポニン製剤と、
(c)ポリエチレングリコール(PEG)等の少なくとも一の沈殿剤の溶液
を含む、診断キット。
[実施態様20]
(d)核酸を溶解することができる少なくとも一の酵素を更に含む、実施態様19に記載のキット。
[実施態様21]
実施態様19又は20に記載のキットであって、
d又はd’)少なくとも一の酸性溶液及び/又は少なくとも一の塩基性溶液、並びに/或いは
e)EDTA及び/又は EGTA及び/又は DTT及び/又はβ−メルカプトエタノール及び/又はDEPC及び/又はグアジニン、並びに/或いは
f)少なくとも一の界面活性剤又は陰イオン剤
を更に含むことを特徴とする、キット。
Claims (21)
- ●細胞膜又はカプシドがコレステロールを含有しない目的微生物、並びに
●非標的要素、すなわち:
−細胞膜がコレステロールを含有する非標的細胞、及び
−場合によっては、コレステロールを含有するエンベロープを有するウイルス、及び
−場合によっては、コレステロールを含有するマイコプラズマ、及び
−場合によっては、目的微生物及び/又は非標的細胞のデブリ
を特に含むか又は含む可能性のある液体生体試料中の目的微生物の選択的単離のための方法であって、
a)コレステロールを含有する細胞膜、又はコレステロールを含有するウイルスエンベロープ、又はコレステロールを含有するマイコプラズマの膜を不安定化するために、液体生体試料をサポニン製剤と接触させる工程、
b)非標的細胞を特異的に溶解するために非標的細胞の浸透圧衝撃を実施する工程、
c)試料中の溶液に溶解した非標的要素由来の遊離核酸(DNA及び/又はRNA)を溶解することができる少なくとも一の酵素の溶液を添加し、目的微生物が選択的に得られることを可能にする工程
を含む、方法。 - ●細胞膜又はカプシドがコレステロールを含有しない目的微生物、並びに
●非標的要素、すなわち:
−細胞膜がコレステロールを含有する非標的細胞、及び
−場合によっては、コレステロールを含有するエンベロープを有するウイルス、及び
−場合によっては、コレステロールを含有するマイコプラズマ、及び
−場合によっては、目的微生物及び/又は非標的細胞のデブリ
を特に含むか又は含む可能性のある液体生体試料中の目的微生物の選択的単離のための方法であって、
a)コレステロールを含有する細胞膜、及び/又はコレステロールを含有するウイルスエンベロープ、及び/又はコレステロールを含有するマイコプラズマの膜を不安定化するために、液体生体試料をサポニン製剤と接触させる工程、
b)非標的細胞を特異的に溶解するために非標的細胞の浸透圧衝撃を実施する工程、
c)試料中の溶液に溶解しない目的微生物を沈殿させるための薬剤を添加し、目的微生物が選択的に得られることを可能にする工程
を含む、方法。 - 液体生体試料中の目的微生物を選択的に単離するための方法であって、試料中の溶液に溶解されない目的微生物を沈殿させるための薬剤を添加することからなる工程を更に含み、前記工程は、工程a)で、工程a)及びb)の後で、又は工程c)の後で実施される、請求項1に記載の方法。
- ●細胞膜又はカプシドがコレステロールを含有しない目的微生物、並びに
●非標的要素、すなわち:
−細胞膜がコレステロールを含有する非標的細胞、及び
−場合によっては、コレステロールを含有するエンベロープを有するウイルス、及び
−場合によっては、コレステロールを含有するマイコプラズマ、及び
−場合によっては、目的微生物及び/又は非標的細胞のデブリ
を特に含むか又は含む可能性のある液体生体試料中の目的の核酸の選択的単離のための方法であって、
a)コレステロールを含有する細胞膜、及び/又はコレステロールを含有するウイルスエンベロープ、及び/又はコレステロールを含有するマイコプラズマの膜を不安定化するために、液体生体試料をサポニン製剤と接触させる工程、
b)非標的細胞を特異的に溶解するために非標的細胞の浸透圧衝撃を実施する工程、
c)試料中の溶液に溶解した非標的要素由来の遊離核酸(DNA及び/又はRNA)を溶解することができる少なくとも一の酵素の溶液を添加する工程、
d)工程(c)で添加した酵素を不活化する工程、及び、
e)工程(c)の酵素により分解されない目的微生物の核酸を利用可能にする工程
を含む、方法。 - ●細胞膜又はカプシドがコレステロールを含有しない目的微生物、並びに
●非標的要素、すなわち:
−細胞膜がコレステロールを含有する非標的細胞、及び
−場合によっては、コレステロールを含有するエンベロープを有するウイルス、及び
−場合によっては、コレステロールを含有するマイコプラズマ、及び
−場合によっては、目的微生物及び/又は非標的細胞のデブリ
を特に含むか又は含む可能性のある液体生体試料中の目的の核酸の選択的単離のための方法であって、
a)コレステロールを含有する細胞膜、及び/又はコレステロールを含有するウイルスエンベロープ、及び/又はコレステロールを含有するマイコプラズマの膜を不安定化するために、液体生体試料をサポニン製剤と接触させる工程、
b)非標的細胞を特異的に溶解するために非標的細胞の浸透圧衝撃を実施する工程、
c)試料中の溶液に溶解しない目的微生物の沈殿剤を添加する工程、及び
d)工程a)及びb)の作用により利用可能でない目的微生物の核酸を利用可能にする工程
を含む、方法。 - 液体生体試料中の目的の核酸を選択的に単離するための方法であって、試料中の溶液に溶解されない目的微生物を沈殿させるための薬剤を添加することからなる工程を更に含み、前記工程は工程a)で、工程a)及びb)の後で、又は工程c)の後で、又は工程d)の後で実施される、請求項4に記載の方法。
- サポニンが等濃度で、試料と少なくとも同量かそれ以上の量であることを特徴とする、請求項1から6の何れか一項に記載の単離方法。
- サポニンの最終濃度が0.02%超及び20%以下であることを特徴とする、請求項1から7の何れか一項に記載の単離方法。
- 沈殿剤がポリエチレングリコール(PEG)からなることを特徴とする、請求項2、3、及び5から8の何れか一項に記載の単離方法。
- サポニンがトリテルペノイドからなることを特徴とする、請求項1から9の何れか一項に記載の単離方法。
- 遊離核酸を溶解することができる酵素が、次いで、
●EDTA及び/又はEGTA及び/又はDTT及び/又はβ−メルカプトエタノール及び/又はDEPC、及び/又はグアニジンを添加することにより化学的に、
且つ/或いは
●ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)等の界面活性剤の存在下又は非存在下で、40から100℃の間に温度を上昇させることにより物理的に、
不活化されることを特徴とする、請求項1、3、4、及び6から10の何れか一項に記載の単離方法。 - 少なくとも一の沈殿剤を添加することからなる、必要に応じて予めサポニンで処理された液体生体試料中の細菌及び真菌から選択される目的微生物の沈殿の改良された方法。
- 沈殿剤が、PEG、グリコーゲン、核酸から選択されることを特徴とする、請求項12に記載の方法。
- 請求項1から13の何れか一項に記載の方法であって、前記方法の間、
●pHが5を下回る、好ましくは6を下回れば、塩基性
●pH10を上回る、好ましくは9を上回れば、酸性
の溶液を添加することにより、pHが5から10、好ましくは6から9の範囲に維持され、
そのためpHが前記範囲にあることを特徴とする、方法。 - 液体生体試料中の目的微生物の単離又は目的微生物の核酸の単離のための、サポニン製剤の使用、及び遊離核酸(DNA及び/又はRNA)を溶解することができる少なくとも一の酵素の溶液の使用、並びに、場合によっては、少なくとも一の沈殿剤の使用。
- 0.02%超及び20%以下の最終濃度をもたらすサポニン製剤、及び/又は0.1から20%の濃度の沈殿剤、及び/又は500から20000酵素単位を含有する遊離核酸(DNA及び/又はRNA)を溶解することができる酵素を使用することを特徴とする、請求項15に記載の使用。
- 生体試料中の目的微生物の沈殿のための、PEG及び/又はグリコーゲン及び/又は核酸の使用であって、前記試料が、必要であれば、予めサポニンと接触させられている、使用。
- 請求項1から14の何れか一項に記載の方法に基づくか、又は請求項15から17のいずれか一項に記載の使用に基づく診断検査。
- 目的微生物、非標的細胞、並びに、場合によっては、エンベロープウイルス、マイコプラズマ及び/又は目的微生物及び/若しくは非標的細胞のデブリを特に含むか又は含む可能性のある液体生体試料中の、目的微生物を単離するため並びに/或いは目的微生物の核酸を単離するための診断キットであって、
(a)容器と
(b)少なくとも一のサポニン製剤と、
(c)ポリエチレングリコール(PEG)等の少なくとも一の沈殿剤の溶液
を含む、診断キット。 - (d)核酸を溶解することができる少なくとも一の酵素を更に含む、請求項19に記載のキット。
- 請求項19又は20に記載のキットであって、
d又はd’)少なくとも一の酸性溶液及び/又は少なくとも一の塩基性溶液、並びに/或いは
e)EDTA及び/又は EGTA及び/又は DTT及び/又はβ−メルカプトエタノール及び/又はDEPC及び/又はグアジニン、並びに/或いは
f)少なくとも一の界面活性剤又は陰イオン剤
を更に含むことを特徴とする、キット。
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