JP5714291B2 - 抗酸菌dnaの抽出精製法 - Google Patents
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この技術の問題点として、DNAの沈殿・洗浄操作、乾燥と再溶解を行う上である程度の技術的熟練を要する点、検査実施者によりDNAの抽出効率が大きく変わることがある点、さらに、クロロホルム等人体に有害な有機溶媒を用いる為、その廃液管理が必要である点等が挙げられる。また、多検体処理に向かないことも問題点として解決が必要である。
さらに、抗酸菌DNAを効率的に吸着するDNA吸着担体を見出し、それを装着したマイクロチューブ(スピンカラム)方式により、DNAを精製する系を構築した。
A)生物学的サンプルに、0.01〜10重量%の陰イオン性界面活性剤およびpH7〜13の緩衝剤を含むDNA抽出用溶液並びにRNA分解酵素を添加して、微粒子と共に攪拌し、DNAを抽出する第一工程
B)次にpH2〜6の酸性緩衝液を添加し、サンプル由来の夾雑物やDNA抽出用溶液由来の陰イオン性界面活性剤を析出させ、除去する第二工程
C)さらにカオトロピックイオンを含む溶液を添加し、容器に内蔵された担体にDNAを吸着させ、アルコールを含む溶液で担体を洗浄した後、塩濃度が50 mM以下である低塩濃度の溶液または、水にて担体からDNAを解離させて回収する第三工程
請求項2に記載の本発明は、DNA抽出用溶液が、さらに0.01〜2.0 Mのアルカリ金属塩を含むものである、請求項1に記載の方法である。
請求項3に記載の本発明は、陰イオン性界面活性剤が、ドデシル硫酸ナトリウム、ドデシル硫酸リチウム、またはN−ラウロイルサルコシン酸ナトリウムである請求項1又は2に記載の方法である。
請求項5に記載の本発明は、フェノール、クロロホルムおよびブタノールを用いない請求項1〜4のいずれかに記載の方法である。
請求項7に記載の本発明は、DNA抽出用溶液が、さらに0.01〜2.0 Mのアルカリ金属塩を含むものである、請求項6に記載のキットである。
請求項8に記載の本発明は、陰イオン性界面活性剤が、ドデシル硫酸ナトリウム、ドデシル硫酸リチウム、またはN−ラウロイルサルコシン酸ナトリウムである請求項6又は7に記載のキットである。
さらに、従来の糞便等からのヨーネ菌DNA抽出技術との比較では、本発明の方が高い抽出効率を示し、抽出試料中のPCR阻害物質の除去効率も本発明の方が高い。
また、有機溶媒を使用しないDNA抽出方法である為、クロロホルム等の廃液管理も不要となる。
また、DNA吸着担体を96穴プレートカラムに装着することにより、多検体の同時処理が可能なDNA抽出精製法の開発へも繋げられる。
このように、本発明は高い実用性を備えた新規技術であると言える。
本発明の抗酸菌からのDNA抽出精製法は、次の各工程からなることを特徴とする。
A)糞便等の生物学的サンプルに、陰イオン性界面活性剤および緩衝剤を含むDNA抽出用溶液並びにRNA分解酵素を添加して、微粒子と共に攪拌し、DNAを抽出する第一工程
B)次に酸性緩衝液を添加し、サンプル由来の夾雑物や前記陰イオン性界面活性剤を析出させ、除去する第二工程
C)さらにカオトロピックイオンを含む溶液を添加し、担体にDNAを吸着させ、アルコールを含む溶液で担体を洗浄した後、低塩濃度の溶液または水にて担体からDNAを解離させて回収する第三工程
本発明の抽出液における陰イオン性界面活性剤の濃度は、0.01〜10重量%、好ましくは0.5〜5.0重量%、さらに好ましくは1.0〜3.0重量%とすればよい。
本発明における「アルカリ金属塩」としては、塩化リチウム(LiCl)、塩化ナトリウム(NaCl)などが挙げられ、特にLiClが好ましい。
本発明の抽出液におけるアルカリ金属塩の濃度は、0.01〜2.0 M、好ましくは0.1〜1.0 M、さらに好ましくは0.4〜0.8 Mとすればよい。
本発明において生物学的サンプルはそのままでも懸濁液でも用いることができるが、好ましくは、サンプル1.0 gに対し、溶媒を15〜25 ml添加し、20〜40分間激しく攪拌した後、20〜40分間静置した懸濁液の上清を用いる。懸濁液の溶媒としては生理食塩水、滅菌蒸留水などが好適である。
検査のために必要なサンプル懸濁液の量は0.5〜2.0 mlであり、懸濁液の上清を10,000〜30,000×gの条件で遠心分離した後、上清を除去した検体に対し、抽出液を0.1〜2.0 ml、好ましくは0.3〜0.9 ml加えればよい。
サンプルの破砕に用いる微粒子の量は、2.0mL容チューブで行う場合、重量では0.5 g〜3.0 g、容積では0.2 ml〜0.4 mlとすればよい。微粒子は、予め破砕用のポリプロピレン製のマイクロチューブ等の容器に充填しておいても良いし、被検体や抽出液などと同時またはその後に添加しても良い。
攪拌条件は用いる破砕機により異なるが、例えば、ミニビードビーター(和研薬株式会社)の場合は4,600rpm、3分;マルチビーズショッカー(安井機器株式会社)の場合は4,000rpm、5分;シェイクマスター(株バイオメディカルサイエンス)の場合は1,500rpm、30分;マイクロスマッシュ(トミー精工)の場合は4,600rpm、3分;ファーストプレップ(フナコシ)の場合は90秒(45秒×2);プリセリーズ24(エムエス機器株式会社)の場合は5,000rpm、90秒×2回とすればよい。
なお、析出させた陰イオン性界面活性剤の除去は、例えば遠心分離により沈殿させる方法など、常法により行うことができる。
なお、この吸着液の添加量は特に限定されないが、例えばDNA粗抽出液500μLに対して100〜1000μL、好ましくは300〜600μLとすることができる。
本発明においてこの担体は、「容器」、例えばポリプロピレンもしくはポリスチレン製のスピンカラムなどに内蔵(充填)された状態で用いられる。当該容器に内蔵させる担体の量に特に制限はないが、例えば1 mL容スピンカラムの場合は、直径1〜10 mmのガラス繊維フィルターを1〜5枚内蔵することができる。
前記担体にDNAを吸着させる方法としては、DNAを含む溶液を担体に接触させればよく、例えば容器としてスピンカラムを用いる場合は、DNAを含む溶液をスピンカラムに入れて遠心分離(500〜30,000×g,0.5〜10分間)を行う方法が挙げられる。
なお、担体の洗浄に用いる洗浄液の量は特に限定されないが、例えば直径7 mmのシート状の担体2枚に対して0.1〜5.0 mlとすることができる。
なお、DNAの溶出に用いる溶出液の量は特に限定されないが、例えば直径7 mmのシート状の担体2枚に対して0.03〜0.5 mlとすることができる。
さらに、このDNAサンプル液を用いてヨーネ菌をはじめとする抗酸菌DNAの検出(ヨーネ病等の抗酸菌感染症の遺伝子診断)を行うことができる。すなわち、上記の方法で得られたDNA液を、ヨーネ菌等の抗酸菌DNAに特有の塩基配列からなるプライマー(例えば配列表の配列番号1、2)を用いたPCRに供し、抗酸菌参照DNAと同様に所定の増幅産物が得られた場合には、抗酸菌DNAと同定される。
以下の実施例において、本発明の方法によるヨーネ菌DNAの抽出・精製は、以下の方法により行った。
・抽出液:250mM Tris-HCl(pH9.0),750mM LiCl,2重量% SDS
・酸性緩衝液:GE2-K Buffer(株式会社ニッポンジーン)
・吸着液:GB3 Buffer(カオトロピックイオンとしてグアニジウムイオンを含む、株式会社ニッポンジーン)とイソプロパノールを1:1で混合した溶液
・洗浄液:GW Buffer(アルコールとしてエタノールを含む、株式会社ニッポンジーン)
・溶出液:TE溶液(Tris-HCl(pH8.0)10 mM、EDTA 1 mM)
・酵素液:RNase A(100 mg/ml)
・2.0 mLマイクロチューブ:ジルコニアビーズ(1.2 g、直径0.2 mm)入り
・スピンカラム:ガラス繊維フィルター(直径7 mm)を2枚充填したもの
・マイクロピペット
・ピペットチップ
・1.5mLマイクロチューブ
・50mL遠沈管
・ビーズ式破砕機
・遠心分離機
・ボルテックスミキサー
(1)牛糞便1gを50mL遠沈管に採取し、滅菌蒸留水を20mL添加、ボルテックスミキサーで激しく混合攪拌(30分間)した後、30分間静置する。(牛糞便懸濁液)
(2)2.0mLマイクロチューブ(ジルコニアビーズ入り)に、(1)の牛糞便懸濁液の上清より1mLを移し、遠心(20K×g,5分間,室温)した後、その上清を除去する。
(3)(2)のチューブに600μLの抽出液及び6μLのRNase Aを添加する。
(4)ビーズ式破砕機に(3)のチューブをセットし、4,000rpm、5分間の条件(安井機器(株)製「マルチビーズショッカー」使用の場合)で破砕する。
(5)5分間、室温にて静置する。
(6)75μLのGE2-K Bufferを添加し、10〜12回チューブを転倒し、よく混和する。
(7)遠心(20K×g,10分間,室温)する。
(8)上清500μLを新しい1.5mLマイクロチューブに移す。
(9)400μLの吸着液を添加し、10〜12回チューブを激しく転倒させ、よく混和する。
(10)(9)の混合液900μLをスピンカラムに移し、遠心(13K×g,60秒間,室温)し、濾液はマイクロピペットで除去する。
(11)600μLのGW Bufferを(10)で使用したスピンカラムに添加した後、遠心(13K×g,60秒間,室温)し、濾液はマイクロピペットで除去する。
(12)(11)のスピンカラムを新しい1.5mLマイクロチューブにセットする。
(13)50μLのTE溶液を(12)のスピンカラムに滴下した後、3分間室温で静置する。
(14)スピンカラムを遠心(13K×g,60秒間,室温)し、濾液を回収してDNA液とする。
以下の実施例において、従来キットによるヨーネ菌DNAの抽出・精製は、独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構 動物衛生研究所の「ヨーネ病検査マニュアル」(http://ss.niah.affrc.go.jp/disease/paratuberculosis/NIAH_yone_kensahou_090331.pdf)記載の方法により、牛糞便用ヨーネ菌核酸調製試薬「ヨーネプレップ(登録商標)」(共立製薬KK)を用いて行った。以下にその方法を示す。
(2)糞便1gを20mLの滅菌蒸留水で希釈し、激しく混合撹拌する(30分間)。30分間静置後、上清1mLを(1)の微粒子入りのチューブに移す。
(3)(2)のチューブを遠心(10,000rpmで5分)し、マイクロピペットを用いて微粒子より上の上清を除去する。
(4)(3)のチューブに、キットに添付の糞便洗浄試薬1mLを加え、ミキサーを用いて再懸濁する。さらに、チューブを遠心(10,000rpmで5分)し、マイクロピペットを用いて微粒子より上の上清を除去する。
(5)(4)のチューブに、キットに添付の核酸抽出試薬700μLと有機溶媒(クロロホルム:イソブタノール=1:1の混合液、要時調製)700μLを加える。
(6)(5)のチューブをビーズ式細胞破砕機を用いて激しく攪拌(安井機器(株)製「マルチビーズショッカー」使用の場合は4,000rpmで5分)後、遠心(10,000rpmで5分)する。
(7)遠心分離後、上清350μLを新しい1.5mLチューブに移し、さらにイソプロパノール350μLを加える。チューブを転倒混和した後、遠心(15,000rpmで10分)する。
(8)遠心分離後、上清をマイクロピペットで除去する。
(9)沈査の残った(8)のチューブに70%エタノールを1mL加え、チューブの底を指ではじき、チューブ壁面から核酸ペレットを剥がすようにしてリンスする。
(10)(9)のチューブを遠心(15,000rpmで3分)し、上清をマイクロピペットで除去する。チューブを再度遠心(15,000rpm、30秒〜1分)し、管底に溜まった70%エタノールを、細いチップ等を用いて出来る限り完全に取り除く。風乾せずに次のステップへ進む。
(11)核酸ペレットの残った(10)のチューブに、マイクロピペットを用いてTE緩衝液(Tris-HCl(pH8.0)10mM、EDTA 1mM)あるいは蒸留水50μLを加え、核酸ペレットを溶解してDNA液とする。DNA液は、検査を行うまで氷上に保存する。調製当日に検査を行わない場合は、−20℃で凍結保存する。
以下の実施例において、ヨーネ菌DNAの検出は、前出の「ヨーネ病検査マニュアル」により、リアルタイムPCR法(蛍光色素を用いたインターカレーション法)で行った。
この方法では、ヨーネ菌のみが持つIS900遺伝子中の特定塩基配列を、下記のプライマーを用いてポリメラーゼ連鎖反応(PCR)により試験管内で増幅する。この時、二本鎖DNAに特異的に結合する蛍光色素であるSYBR Green Iを反応系に添加しておくと、反応の進行に伴って増幅された二本鎖DNA にSYBR Green Iが結合し、DNAへの結合により蛍光強度が増強される。PCRの伸展反応過程で反応液の蛍光強度を測定することにより、PCR産物の増加を検出する。
MP10−1:5’ ATGCGCCACGACTTGCAGCCT 3’(配列番号1)
MP11−1:5’ GGCACGGCTCTTGTTGTAGTCG 3’(配列番号2)
Primer 10−1(100pmol/μL) 0.25
Primer 11−1(100pmol/μL) 0.25
ウラシル−DNA グリコシラーゼ(ニュー・イングランド・バイオラボ・ジャパン社)
(2 units/μL) 0.25
蒸留水 19.25
糞便由来DNA液 5.0
全量 50
(3)ヨーネ菌参照DNAを所定の濃度に希釈し、陽性対照wellに分注する。陰性対照として、DNA液の代わりにTE緩衝液(Tris-HCl(pH8.0)10mM、EDTA 1mM)あるいは蒸留水を添加した反応液を、所定のwellに分注する。
(4)キャップあるいはシールを用いて96−wellプレートを密封した後、PCRサイクル等の条件を以下のように設定し、PCR及び産物の解離曲線解析(Melt curve解析、Dissociation curve解析)を行う。
PCRに伴い反応液の蛍光強度が上昇し、かつ解離曲線解析においてヨーネ菌参照DNAと同様の解離曲線像を示したサンプルを陽性、つまりヨーネ菌DNAが存在する、と判定する。反対に、蛍光強度が上昇しなかった、あるいはヨーネ菌参照DNAと異なる解離曲線像を示したサンプルは陰性、つまりヨーネ菌DNAが存在しないとする。
上記の基準によりPCR陽性となったサンプルについては、参照DNAを用いた用量−反応直線式から、サンプル中のヨーネ菌DNA濃度が計算される。
なお、リアルタイムPCRを行わない場合は、PCR終了後反応液の一部を電気泳動し、183bpのPCR産物が確認された場合にPCR陽性とし、ヨーネ菌と同定する。
本発明の方法および対照として従来のキット(「ヨーネプレップ(登録商標)」共立製薬KK)を用いて、所定濃度の検定用糞便希釈液からヨーネ菌DNAを抽出、精製し、抽出効率を比較した。
すなわち、ヨーネ菌実験感染牛の糞便を生理食塩液で希釈(1:10、1:100、1:1,000)し、所定のヨーネ菌DNAが含まれることを確認した糞便希釈液を、検定用糞便として使用した。
本発明の方法を利用した糞便からのDNA抽出精製は、前出の〔本発明の方法によるヨーネ菌DNA抽出精製法〕に記載した方法により実施した。
従来キットによる糞便からのDNAの抽出精製方法については、前出の〔従来キットによるヨーネ菌DNA抽出精製法〕に従って実施した。
ヨーネ菌DNAの定量は、前出の〔ヨーネ菌DNAの検出〕に記載した方法により行った。
本発明の方法により抽出された計算上のDNA量(pg/PCR)は、糞便希釈液のいずれの濃度においても従来のキットを用いた方法よりも高いDNA量(pg/PCR)を示した。これは、実際にDNA量が多く抽出精製されているか、精製度が高いため、糞便由来のPCR阻害物質の影響が少なく、良好にDNAが増幅したためと考えられる。
ヨーネ菌実験感染牛の腸管乳剤よりDNAを抽出精製後、リアルタイムPCRにより乳剤中ヨーネ菌DNAを定量し、本発明方法によるPCR阻害物質の除去効果を調べた。
すなわち、ヨーネ菌実験感染牛の解剖実験で得られた腸管(回腸部分)から、生理食塩液を用いて約10%臓器乳剤を作製し、実験に供した。
本発明の方法を利用した腸管乳剤からのDNA抽出精製は、前出の〔本発明の方法によるヨーネ菌DNA抽出精製法〕に記載した方法において、糞便の代わりに腸管乳剤を用いることにより実施した。
従来キットによる腸管乳剤からのDNAの抽出精製方法については、前出の〔従来キットによるヨーネ菌DNA抽出精製法〕に従って、糞便の代わりに腸管乳剤を用いて実施した。
ヨーネ菌DNAの定量は、前出の〔ヨーネ菌DNAの検出〕に記載した方法により行った。
図2から、従来キットでは、抽出DNA液中にPCR阻害物質が多く含まれる為、PCR効率が落ち、その結果として計算上のヨーネ菌DNA含有量が大きく低下することが分かった。
本発明の方法で添加するRNA分解酵素の効果を確認するため、前出の〔本発明の方法によるヨーネ菌DNA抽出精製法〕に記載した方法に従って、RNA分解酵素を添加した場合と未添加の場合で、所定濃度の検定用糞便希釈液からヨーネ菌DNAを抽出精製し、抽出効率を比較した。
すなわち、ヨーネ菌実験感染牛の糞便を生理食塩液で希釈(1:10、1:100)し、所定のヨーネ菌DNAが含まれることを確認した糞便希釈液を、検定用糞便として使用した。
ヨーネ菌DNAの定量は、前出の〔ヨーネ菌DNAの検出〕に記載した方法により行った。
RNA分解酵素を未添加の場合では、添加した場合に比べ、10倍希釈では、計算上のDNA量(pg/PCR)が極端に少く、100倍希釈では、未添加の場合にヨーネ菌DNAを検出出来ないという結果であった。リアルタイムPCRの反応液にRNAが混入した場合でもPCRを阻害するとは考えられないため、RNAが本発明の方法において、ヨーネ菌DNAの精製に大きく影響していることが示唆された。
Claims (8)
- 次の各工程からなる抗酸菌からのDNA抽出精製法。
A)生物学的サンプルに、0.01〜10重量%の陰イオン性界面活性剤およびpH7〜13の緩衝剤を含むDNA抽出用溶液並びにRNA分解酵素を添加して、微粒子と共に攪拌し、DNAを抽出する第一工程
B)次にpH2〜6の酸性緩衝液を添加し、サンプル由来の夾雑物やDNA抽出用溶液由来の陰イオン性界面活性剤を析出させ、除去する第二工程
C)さらにカオトロピックイオンを含む溶液を添加し、容器に内蔵された担体にDNAを吸着させ、アルコールを含む溶液で担体を洗浄した後、塩濃度が50 mM以下である低塩濃度の溶液または、水にて担体からDNAを解離させて回収する第三工程 - DNA抽出用溶液が、さらに0.01〜2.0 Mのアルカリ金属塩を含むものである、請求項1に記載の方法。
- 陰イオン性界面活性剤が、ドデシル硫酸ナトリウム、ドデシル硫酸リチウム、またはN−ラウロイルサルコシン酸ナトリウムである請求項1又は2に記載の方法。
- 酸性緩衝液の添加によって、陰イオン性界面活性剤のカウンターイオンを変更させ、溶解度を変えることにより、陰イオン性界面活性剤を析出させる、請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
- フェノール、クロロホルムおよびブタノールを用いない請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
- 請求項1〜5に記載の方法に使用される、0.01〜10重量%の陰イオン性界面活性剤およびpH7〜13の緩衝剤を含むDNA抽出用溶液;RNA分解酵素;pH2〜6の酸性緩衝液;カオトロピックイオンを含む溶液;アルコールを含む溶液;低塩濃度の溶液;微粒子または微粒子を内蔵した容器;および担体を内蔵した容器、を含む抗酸菌DNA抽出精製用キット。
- DNA抽出用溶液が、さらに0.01〜2.0 Mのアルカリ金属塩を含むものである、請求項6に記載のキット。
- 陰イオン性界面活性剤が、ドデシル硫酸ナトリウム、ドデシル硫酸リチウム、またはN−ラウロイルサルコシン酸ナトリウムである請求項6又は7に記載のキット。
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