JP2021019121A - 磁気エンコーダ、及び回転数又は回転角の測定方法 - Google Patents

磁気エンコーダ、及び回転数又は回転角の測定方法 Download PDF

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Abstract

【課題】高温環境下で長期間高速回転させた場合であっても破損しにくい磁気エンコーダを提供する。【解決手段】磁性ゴム組成物を加硫してなる磁性ゴム成形品を備えた磁気エンコーダであって;前記磁性ゴム組成物が、カルボキシル基又はカルボン酸無水物基を含む水素化ニトリルゴム(A)100質量部、フェライト磁性粉(B)300〜700質量部及びポリアミン系架橋剤(C)0.2〜1.0質量部を含有し、前記磁性ゴム組成物全体の質量に対するフェライト磁性粉(B)の含有率が70〜82質量%であり、かつ60m/秒を超える周速度で回転させて使用される、磁気エンコーダとする。【選択図】図1

Description

本発明は、磁性ゴム組成物を加硫してなる磁性ゴム成形品を備えた磁気エンコーダに関する。また、そのエンコーダを用いた回転数又は回転角の測定方法に関する。
ゴムと磁性粉を含む磁性ゴム組成物を加硫させて得られる磁性ゴム成形品は、様々な用途に用いられている。中でも磁性ゴム成形品の好適な用途の一つが磁気エンコーダであり、磁性ゴム成形品を着磁させることによって製造される。このとき、製品の要求性能に対応して様々なゴムが用いられるが、耐油性や耐熱性、価格などのバランスからニトリルゴム(NBR)、水素化ニトリルゴム(HNBR)、フッ素ゴム(FKM)などが要求性能に応じて使い分けられている。また磁性粉としては、フェライト磁性粉や希土類磁性粉などが要求性能に応じて使い分けられている。
近年の自動車においては、燃費を低減するためにエンジンやモーターの小型化が進んでおり、その結果、エンジンやモーターをより高速で回転させることが望まれている。また、省スペース化にともなう放熱性の悪化により、エンジンやモーターの周辺が高温になる傾向にある。磁性ゴム成形品を含むゴム成形品は、一般的に、高温になるほど引張強さや伸びなどの機械特性が低下するので、高温下で高速回転するような部材では、遠心力によって破損するおそれがある。さらに、高温下で長期間使用した場合には、機械特性がさらに低下することが避けられない。そのため、高温環境下で長期間使用した場合であっても大きなストレスに対して破損せず、良好な磁気特性を備えた磁性ゴム成形品が求められている。
特許文献1〜4には、水素化ニトリルゴム(HNBR)に、多量のフェライト磁性粉を配合した磁性ゴム組成物を加硫してなる磁性ゴム成形品を備えた磁気エンコーダが記載されている。これらの特許文献には、カルボキシル基などの反応性官能基が導入されたHNBRについて記載されておらず、硫黄を用いて加硫した実施例が記載されているだけである。これらの特許文献に記載された磁性ゴム成形品は、高温環境下で長時間使用した後の伸びが不十分であり、高温下で高速回転する磁気エンコーダに用いた場合に、その遠心力によって破損するおそれがあった。
特許文献5には、カルボキシル基を有する水素化ニトリルゴム(HNBR)、カルボキシル基を有さない水素化ニトリルゴム(HNBR)及びフェライト磁性粉を含む磁性ゴム組成物を、有機過酸化物で加硫してなる磁性ゴム成形品が記載されている。特許文献5に記載の磁性ゴム成形品は、カルボキシル基を有さない未変性のHNBRにカルボキシル基を有するHNBRを配合することによって、硬度及び引張強度が高くなり耐摩耗性が向上するが、伸びが低下するとされている。したがって、特許文献5に記載された磁性ゴム成形品は、伸びが要求される用途には適していない。また、特許文献5には磁気エンコーダについて記載されていない。
特許文献6には、カルボキシル基又はカルボン酸無水物基を含む水素化ニトリルゴム(HNBR)、ポリアミン系架橋剤及び希土類磁性粉を含有する磁性ゴム組成物を加硫してなる磁性ゴム成形品を備えた磁気エンコーダが記載されている。希土類磁性粉を用いることで、フェライト磁性粉に比べて優れた磁気特性を有する磁気エンコーダが得られるとされている。しかしながら、希土類磁性粉はフェライト磁性粉に比べて粒径がはるかに大きく、そのため伸びが要求される用途には適していない。
WO2001/041162A1 WO2002/103296A1 WO2015/174546A1 WO2017/086389A1 特開2005−68432号公報 WO2015/012329A1
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、高温環境下で長期間高速回転させた場合であっても破損しにくい磁気エンコーダを提供することを目的とするものである。また、そのような磁気エンコーダを用いた回転数又は回転角の測定方法を提供することを目的とするものである。
上記課題は、磁性ゴム組成物を加硫してなる磁性ゴム成形品を備えた磁気エンコーダであって;前記磁性ゴム組成物が、カルボキシル基又はカルボン酸無水物基を含む水素化ニトリルゴム(A)100質量部、フェライト磁性粉(B)300〜700質量部及びポリアミン系架橋剤(C)0.2〜1.0質量部を含有し、前記磁性ゴム組成物全体の質量に対するフェライト磁性粉(B)の含有率が70〜82質量%であり、かつ60m/秒を超える周速度で回転させて使用される、磁気エンコーダを提供することによって解決される。上記磁気エンコーダは、好適には120m/秒を超える周速度で回転させて使用される。
このとき、前記磁性ゴム成形品の23℃における伸びが200%以上であることが好ましい。150℃で70時間熱劣化させた後の、前記磁性ゴム成形品の23℃における伸びが150%以上であることも好ましい。また、前記磁性ゴム組成物が、さらに反応性シリコーンオイル又はアルコキシシランを1〜20質量部含むことも好ましい。さらに、前記磁性ゴム成形品の23℃における残留磁束密度B(mT)が下記式(1)を満足することも好ましい。
B≧70×exp(−1×x×P/D) (1)
ここで、エアギャップx(mm)は、磁気センサと磁性ゴム成形品表面との間隔であり、極数Pは、N極及びS極の数の総和であり、測定径Dは、測定センサが対向する磁性ゴム成形品表面の径(mm)である。
上記磁気エンコーダにおいて、前記磁性ゴム成形品の直径が100mmを超えることが好ましい。また、上記磁気エンコーダが、エンジンのクランクシャフト用磁気エンコーダ、トランスミッションの回転軸用磁気エンコーダ又はオルタネーター用磁気エンコーダであることが好適な実施態様である。
また上記課題は、磁性ゴム組成物を加硫してなる磁性ゴム成形品を備えた磁気エンコーダを用いた回転数又は回転角の測定方法であって;前記磁性ゴム組成物が、カルボキシル基又はカルボン酸無水物基を含む水素化ニトリルゴム(A)100質量部、フェライト磁性粉(B)300〜700質量部及びポリアミン系架橋剤(C)0.2〜1.0質量部を含有し、前記磁性ゴム組成物全体の質量に対するフェライト磁性粉(B)の含有率が70〜82質量%である磁気エンコーダを用い、該磁気エンコーダを60m/秒を超える周速度で回転させる、被測定物の回転数又は回転角の測定方法を提供することによっても解決される。
本発明の磁気エンコーダは、磁気エンコーダとして実用可能な磁気特性を有しながらも、高温環境下で長期間高速回転させた場合であっても破損しにくい。したがって、エンジンのクランクシャフト用磁気エンコーダ、トランスミッションの回転軸用磁気エンコーダ、オルタネーター用磁気エンコーダなどの、長期間にわたって信頼性の高い製品を提供することができる。また、本発明の測定方法によれば、高温環境下で高速回転される被測定物を長期間にわたって安定的に測定することができる。
磁気エンコーダと磁気測定部との関係を示した概略断面図である。 図1の一点鎖線の円の中を示した拡大図である。
本発明は、磁性ゴム組成物を加硫してなる磁性ゴム成形品を備えた磁気エンコーダに関するものであり、当該磁性ゴム組成物は、カルボキシル基又はカルボン酸無水物基を含む水素化ニトリルゴム(A)、フェライト磁性粉(B)及びポリアミン系架橋剤(C)を含有する。
本発明で用いられる水素化ニトリルゴム(HNBR)(A)は、カルボキシル基又はカルボン酸無水物基を含む。カルボキシル基又はカルボン酸無水物基を導入する方法は特に限定されないが、これらの官能基又はその前駆体を含む単量体を、アクリロニトリル及び1,3−ブタジエンとともに共重合し、その後水素添加することが好ましい。そのような単量体として好適なものとしては、α,β−エチレン性不飽和ジカルボン酸モノエステル単量体が挙げられる。この場合、HNBR(A)はα,β−エチレン性不飽和ジカルボン酸モノエステル単量体単位を含む水素添加ニトリルゴムである。カルボキシル基、カルボン酸無水物基又はそれらの前駆体を含む単量体単位の含有量は、好適には1〜10質量%である。
α,β−エチレン性不飽和ジカルボン酸モノエステル単量体としては、マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノエチル、マレイン酸モノプロピル、マレイン酸モノn−ブチルなどのマレイン酸モノアルキルエステル;マレイン酸モノシクロペンチル、マレイン酸モノシクロヘキシル、マレイン酸モノシクロヘプチルなどのマレイン酸モノシクロアルキルエステル;マレイン酸モノメチルシクロペンチル、マレイン酸モノエチルシクロヘキシルなどのマレイン酸モノアルキルシクロアルキルエステル;フマル酸モノメチル、フマル酸モノエチル、フマル酸モノプロピル、フマル酸モノn−ブチルなどのフマル酸モノアルキルエステル;フマル酸モノシクロペンチル、フマル酸モノシクロヘキシル、フマル酸モノシクロヘプチルなどのフマル酸モノシクロアルキルエステル;フマル酸モノメチルシクロペンチル、フマル酸モノエチルシクロヘキシルなどのフマル酸モノアルキルシクロアルキルエステル;シトラコン酸モノメチル、シトラコン酸モノエチル、シトラコン酸モノプロピル、シトラコン酸モノn−ブチルなどのシトラコン酸モノアルキルエステル;シトラコン酸モノシクロペンチル、シトラコン酸モノシクロヘキシル、シトラコン酸モノシクロヘプチルなどのシトラコン酸モノシクロアルキルエステル;シトラコン酸モノメチルシクロペンチル、シトラコン酸モノエチルシクロヘキシルなどのシトラコン酸モノアルキルシクロアルキルエステル;イタコン酸モノメチル、イタコン酸モノエチル、イタコン酸モノプロピル、イタコン酸モノn−ブチルなどのイタコン酸モノアルキルエステル;イタコン酸モノシクロペンチル、イタコン酸モノシクロヘキシル、イタコン酸モノシクロヘプチルなどのイタコン酸モノシクロアルキルエステル;イタコン酸モノメチルシクロペンチル、イタコン酸モノエチルシクロヘキシルなどのイタコン酸モノアルキルシクロアルキルエステルなどが挙げられる。
HNBR(A)中のアクリロニトリル単位の含有量は、15〜49質量%であることが好ましい。HNBR(A)中の1,3−ブタジエン単位の含有量は、水添されたものも含めて50〜84質量%であることが好ましい。HNBR(A)のヨウ素価は、80g/100g以下であることが好ましく、60g/100g以下であることがより好ましく、30g/100g以下であることがさらに好ましい。HNBR(A)のムーニー粘度(ML1+4、100℃)は、30〜90であることが好ましい。本発明の効果を阻害しない範囲であれば、他の共重合可能な単量体由来の構成単位を含んでいても構わないが、通常その含有量は10質量%以下であり、好適には5質量%以下である。
本発明で用いられるフェライト磁性粉(B)は特に限定されず、ストロンチウムフェライト磁性粉やバリウムフェライト磁性粉が好適に用いられる。フェライト磁性粉(B)の平均粒径は0.5〜2μmであることが好ましい。平均粒径が2μmを超えると、磁性ゴム成形品の伸びが低下するおそれがある。フェライト磁性粉(B)の粒度分布は、乾式レーザー回折式粒度分布測定装置を用いて測定することができる。
また、フェライト磁性粉(B)は異方性磁性粉であることが好ましい。異方性磁性粉を用いて、金型中で加硫することによって、磁気特性に優れた磁性ゴム成形品を得ることができる。本発明の磁性ゴム組成物は、高濃度の磁性粉を含有しながらも流動性に優れているので、金型中で加硫される際に、フェライト磁性粉(B)を十分に配向させることができ、優れた磁気特性を有する磁性ゴム成形品を得ることができる。磁場を印加せずに機械的変形に伴って配向させる方法に対しては、一般に「機械配向用」として市販されているアスペクト比の大きいものが用いられる。本発明では、このような「機械配向用」のフェライト磁性粉を用いることが好ましい。
HNBR(A)100質量部に対するフェライト磁性粉(B)の含有量は、300〜700質量部である。フェライト磁性粉(B)の含有量が300質量部以上であることによって、優れた磁気特性を有する磁気エンコーダを得ることができる。フェライト磁性粉(B)の含有量は、好適には350質量部以上であり、より好適には400質量部以上である。一方、フェライト磁性粉(B)の含有量が700質量部を超えると、得られる磁性ゴム成形品の伸び、特に高温下で長時間使用した後の伸びが低下する。フェライト磁性粉(B)の含有量は、好適には650質量部以下であり、より好適には600質量部以下であり、さらに好適には550質量部以下である。
本発明で用いられるポリアミン系架橋剤(C)は、2つ以上のアミノ基を有する化合物であるか、又は、架橋反応する際に2つ以上のアミノ基を有する化合物の形態になり得るものであれば特に限定されない。脂肪族炭化水素や芳香族炭化水素の複数の水素が、アミノ基又はヒドラジド基(−CONHNH)で置換された化合物が好ましい。ポリアミン系架橋剤(C)の具体例としては、ヘキサメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンカーバメート、テトラメチレンペンタミン、ヘキサメチレンジアミン−シンナムアルデヒド付加物、ヘキサメチレンジアミン−ジベンゾエート塩などの脂肪族ポリアミン系化合物;2,2−ビス{4−(4−アミノフェノキシ)フェニル}プロパン、4,4’−メチレンジアニリン、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、4,4’−メチレンビス(o−クロロアニリン)などの芳香族ポリアミン系化合物;イソフタル酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジドなどのヒドラジド構造を2つ以上有する化合物などが挙げられる。これらのなかでも、脂肪族ポリアミン系化合物が好ましく、ヘキサメチレンジアミンカーバメートが特に好ましい。
HNBR(A)100質量部に対するポリアミン系架橋剤(C)の含有量は0.2〜1.0質量部である。ポリアミン系架橋剤(C)の含有量が0.2質量部未満の場合、架橋反応が十分に進行せず、機械特性の良好な成形品を得ることができない。ポリアミン系架橋剤(C)の含有量は、好適には0.3質量部以上である。一方、ポリアミン系架橋剤(C)の含有量が1質量部を超える場合、得られる磁性ゴム成形品の伸び、特に高温下で長時間使用した後の伸びが大幅に低下する。ポリアミン系架橋剤(C)の含有量は、好適には0.8質量部以下である。
本発明の磁性ゴム組成物は、本発明の効果を阻害しない範囲であれば、HNBR(A)以外のゴムを含んでも構わない。しかしながらその含有量は、ゴム成分全量のうちの10質量%以下であることが好ましく、5質量%以下であることがより好ましく、HNBR(A)以外のゴムを実質的に含まないことがさらに好ましい。また、本発明の磁性ゴム組成物は、本発明の効果を阻害しない範囲であれば、フェライト磁性粉(B)以外の磁性粉、例えば希土類磁性粉を含んでいても構わない。しかしながらその含有量は、磁性粉全量のうちの10質量%以下であることが好ましく、5質量%以下であることがより好ましく、フェライト磁性粉(B)以外の磁性粉を実質的に含まないことがさらに好ましい。
本発明の磁性ゴム組成物は、本発明の効果を阻害しない範囲であれば、HNBR(A)、フェライト磁性粉(B)、ポリアミン系架橋剤(C)以外の成分を含んでいても構わない。例えば、加工助剤(D)を含有することで本発明の加工性を向上させることができる。加工助剤(D)の具体例としては、アミノ変性シリコーンオイル、エポキシ変性シリコーンオイル等の反応性シリコーンオイル;イソブチルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、オクチルトリメトキシシラン、デシルトリメトキシシラン等のアルコキシシラン;パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス等の炭化水素系加工助剤;オクチルアルコール、デシルアルコール、ラウリルアルコール、セチルアルコール等のアルコール類;N,N'-ジオレイルアジピン酸アマイド、N,N'-ジオレイルセバシン酸アマイド、m-キシリレンビスステアリン酸アマイド、N,N'-ジステアリルイソフタル酸アマイド等のアルキル酸アマイド類;ブチルステアレート等の脂肪酸エステル類;ステアリン酸等の脂肪酸類が挙げられる。なかでも、加工助剤(D)として、反応性シリコーンオイル又はアルコキシシランを添加することにより、熱劣化させた後の伸びの低下を抑制することができる。HNBR(A)100質量部に対する加工助剤(D)の好適な含有量は、1〜20質量部である。
また、老化防止剤(E)を含有することでゴムの劣化に対する耐性を向上させることができる。老化防止剤(E)の具体例としては、4,4'-ビス(a,a-ジメチルベンジル)ジフェニルアミン、N,N'-ジフェニル−p−フェニレンジアミン、2,6-ジ-tert-ブチル-4-メチルフェノール、2−メルカプトベンツイミダソール、2,2,4−トリメチルー1,2−ジヒドロキノリン重合体、ジブチルジチオカルバミン酸ニッケルなどが挙げられる。HNBR(A)100質量部に対する老化防止剤(E)の好適な含有量は、1〜10質量部である。
磁性ゴム組成物において通常使用される、加硫促進剤、加硫助剤、受酸剤、着色剤、フィラー、可塑剤など、各種の添加剤を含むことができる。ただし、このような他の成分を多量に含んでいたのでは、フェライト磁性粉(B)の含有率が低くなって磁気特性が低下するので、他の成分の含有量が多すぎないことが重要である。したがって、HNBR(A)、フェライト磁性粉(B)及びポリアミン系加硫剤(C)以外の成分の合計の含有量は、HNBR(A)100質量部に対して、50質量部以下であることが好ましく、40質量部以下であることがより好ましく、30質量部以下であることがさらに好ましい。
本発明の磁性ゴム組成物が、フィラーとしてカーボンブラック、シリカ等の補強剤を含むことによって、得られる磁性ゴム成形品の機械的強度を調整することができる。補強剤の配合量は、硬さ、伸び、強度のバランスを考慮して決定される。HNBR(A)100質量部に対するカーボンブラックの含有量は30質量部以下であることが好ましく、20質量部以下であることがより好ましく、10質量部以下であることがさらに好ましい。また、カーボンブラックを配合する際の配合量は、1質量部以上であることが好ましく、2質量部以上であることがより好ましく、3質量部以上であることがさらに好ましい。
本発明の磁性ゴム組成物においては、磁性ゴム組成物全体の質量に対するフェライト磁性粉(B)の含有率が70〜82質量%である。フェライト磁性粉(B)の含有率が70質量%以上であることによって、優れた磁気特性を有する磁気エンコーダを得ることができる。フェライト磁性粉(B)の含有率は、好適には73質量%以上であり、より好適には75質量%以上である。一方、フェライト磁性粉(B)の含有率が82質量%を超えると、得られる磁性ゴム成形品の伸び、特に高温下で長時間使用した後の伸びが低下する。フェライト磁性粉(B)の含有率は、好適には81質量%未満であり、より好適には80質量%未満である。
以上のようにして得られた磁性ゴム組成物を加硫することで本発明の磁性ゴム成形品を得ることができる。具体的には、HNBR(A)、フェライト磁性粉(B)、加硫剤(C)を混合して前記磁性ゴム組成物を得てから、金型中で加硫することによって、磁性ゴム成形品を得ることができる。
まず、上記各成分を混合することによって磁性ゴム組成物が製造される。混合する方法は特に限定されず、オープンロール、ニーダ、バンバリーミキサ、インターミキサ、押出機などを用いて混練する方法が採用される。なかでも、オープンロール又はニーダを用いて混練することが好ましい。混練時の磁性ゴム組成物の温度は30〜130℃とすることが好ましい。混練時間は、5〜60分であることが好ましい。
引き続き、磁性ゴム組成物を金型中で成形するとともに加硫して磁性ゴム成形品を得る。通常、上記磁性ゴム組成物を所望の形状に成形し、加熱することにより加硫する。磁性ゴム組成物の成形方法としては、押出成形、圧縮成形などが挙げられる。中でも圧縮成形が好適である。加硫温度は、140〜250℃であることが好ましい。加硫時間は、0.3〜30分であることが好ましい。また、磁性ゴム成形品の形状や寸法などによっては、表面が加硫されていても内部まで十分に加硫されていない場合があるので、さらに加熱して二次加硫を行ってもよい。加硫するための加熱方法としては、圧縮加熱、スチーム加熱、オーブン加熱、熱風加熱などの、ゴムの加硫に用いられる一般的な方法が用いられるが、圧縮加熱が好適である。
こうして得られた磁性ゴム成形品の23℃における伸びが200%以上であることが好ましい。伸びが200%以上であることによって、磁気エンコーダに強い遠心力が掛かった場合であっても、磁性ゴム成形品が破損するのを防ぐことができる。磁性ゴム成形品の伸びは、300%以上であることがより好ましく、400%以上であることがさらに好ましく、500%以上であることが特に好ましい。
磁性ゴム成形品を150℃で70時間熱劣化させた後の、23℃における伸びが150%以上であることも好ましい。熱処理した後の伸びが150%以上であることによって、高温下で長期間使用した後の磁気エンコーダに強い遠心力が掛かった場合であっても、磁性ゴム成形品が破損するのを防ぐことができる。このときの磁性ゴム成形品の伸びは、175%以上であることがより好ましく、200%以上であることがさらに好ましく、225%以上であることが特に好ましい。
磁性ゴム成形品の、23℃における残留磁束密度B(mT)が下記式(1)を満足することが好ましい。式(1)を満足することによって、磁気エンコーダとして十分な磁気特性を発揮することができる。
B≧70×exp(−1×x×P/D) (1)
ここで、エアギャップx(mm)は、磁気センサと磁性ゴム成形品表面との間隔であり、極数Pは、N極及びS極の数の総和であり、測定径Dは、測定センサが対向する磁性ゴム成形品表面の径(mm)である。
本発明の磁気エンコーダは、上記のようにして得られた磁性ゴム成形品を備えるものである。磁気エンコーダは、交互に磁極が配置された多極磁石を含み、必要に応じて当該多極磁石を支持する支持部材を備えるものである。当該支持部材は、金属部材、特に金属板であることが好ましい。磁性ゴム成形品と支持部材との接着方法は特に限定されず、磁性ゴム成形品を加硫する際に直接そのまま両者を接着しても構わない。しかしながら、本発明の磁性ゴム組成物を支持部材により強固に接着するためには、磁性ゴム成形品と前記支持部材とを、熱硬化性接着剤で接着することが好ましい。この場合、磁性ゴム組成物を成形して加硫させた後に熱硬化性接着剤を硬化させて、磁性ゴム成形品を熱硬化性接着剤で支持部材に固着させてもよいし、磁性ゴム組成物を成形して加硫させるのと同時に熱硬化性接着剤を硬化させて、磁性ゴム成形品を熱硬化性接着剤で支持部材に固着させてもよい。ここで用いられる熱硬化性接着剤は、熱によって架橋反応が進行して硬化するタイプの接着剤であれば特に限定されない。フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、未加硫ゴムを溶剤に溶かしたゴム糊、シランカップリング剤などを用いることができる。
本発明の方法で製造される磁気エンコーダは、回転体に取り付け可能な支持部材と、該支持部材に装着された環状の磁性ゴム成形品を備え、該磁性ゴム成形品がN極とS極とが円周方向に交互に着磁された磁気エンコーダである。この磁気エンコーダを60m/秒を超える周速度で回転させて、被測定物の回転数又は回転角を測定することができる。
本発明の磁気エンコーダは、60m/秒を超える周速度で回転させて使用されるものである。このように早い周速度で回転する磁気エンコーダでは、極めて強い遠心力がかかり、伸びの小さい磁性ゴム成形品を用いたのでは、破損することが避けられない。したがって、伸びの大きい磁性ゴム成形品を備えた磁気エンコーダを用いる必要がある。自動車部品において最も広く磁気エンコーダが使われているのは、アンチロックブレーキシステムのセンサーローター用の磁気エンコーダであるが、通常の運転においては周速度が10m/秒を超えることはほとんどない。これに対し、本発明の磁気エンコーダは極めて速い周速度で回転させて使用されるものである。90m/秒を超える周速度で回転させて使用されるものであることがより好ましく、120m/秒を超える周速度で回転させて使用されるものであることがさらに好ましい。
同じ回転数であっても、直径が大きいほど遠心力は大きくなる。したがって、本発明の構成は、磁性ゴム成形品の直径が100mmを超える場合に好適に用いられる。ここで、磁性ゴム成形品の直径とは、回転軸から磁性ゴム成形品の最も遠い位置までの距離(半径)の2倍の値である。また本発明の構成は、磁性ゴム成形品が円筒状であって、その外周面にN極及びS極が交互に着磁されている場合に好適に用いられる。ただし、本発明の構成は、磁性ゴム成形品が円筒状である場合に限らず、円盤状であってもよい。
しかも、本発明の磁気エンコーダは、高温下で長期間使用した後に強い遠心力が掛かった場合であっても、磁性ゴム成形品が破損することを防ぐことができる。したがって、自動車のエンジンやモーター周辺に配置されて高温に晒され、しかも早い周速度で回転させて使用される磁気エンコーダとして好適である。具体的な用途としては、エンジンのクランクシャフト用磁気エンコーダ、トランスミッションの回転軸用磁気エンコーダ、オルタネーター用磁気エンコーダなどが例示され、これらのうち特に、エンジンのクランクシャフト用磁気エンコーダ又はトランスミッションの回転軸用磁気エンコーダが好ましい。また、本発明の磁気エンコーダは、回転数を検出するものに限らず、回転角度を検出するものであってもよい。本発明の磁気エンコーダにおけるN極及びS極の着磁パターンは、一定の幅の磁極だけからなる着磁パターンでもよいし、一部の磁極の幅がその他の磁極の幅よりも長くなるような着磁パターンでもよいし、種々の磁極の幅が混在するような着磁パターンでもよい。
以下の実施例で使用した原料は以下の通りである。
・カルボキシル基含有水素化ニトリルゴム(HNBR−a)
日本ゼオン株式会社製「Zetpol2510」
アクリロニトリル/1,3−ブタジエン/α,β−エチレン性不飽和ジカルボン酸モノエステル共重合体
アクリロニトリル含有量36重量%
ヨウ素価12g/100g以下
ムーニー粘度(ML1+4、100℃)45
・カルボキシル基含有水素化ニトリルゴム(HNBR−b)
日本ゼオン株式会社製「Zetpol1510」
アクリロニトリル/1,3−ブタジエン/α,β−エチレン性不飽和ジカルボン酸モノエステル共重合体
アクリロニトリル含有量44重量%
ヨウ素価12g/100g以下
ムーニー粘度(ML1+4、100℃)45
・水素化ニトリルゴム(HNBR−c)
日本ゼオン株式会社製「Zetpol2020」
アクリロニトリル/1,3−ブタジエン共重合体の水素添加物
アクリロニトリル含有量36重量%
ヨウ素価28g/100g
ムーニー粘度(ML1+4、100℃)78
・カーボンブラック
東海カーボン株式会社製「シースト G−3」
・フェライト磁性粉
戸田工業株式会社製ストロンチウムフェライト「FH−800」
平均粒径1.18μm
・可塑剤
株式会社ADEKA製「アデカサイザーRS700」
・亜鉛華
正同化学工業株式会社製「活性亜鉛華AZO酸化亜鉛」
・ステアリン酸
日油株式会社製「ステアリン酸」
・老化防止剤
2,2,4−トリメチルー1,2−ジヒドロキノリン重合体
川口化学工業株式会社製「アンテージRD」
・加工助剤a
アミノ変性メチルポリシロキサン
信越化学工業株式会社製「KF−865」
・加工助剤b
パラフィンワックス
日本精蝋株式会社製「PARAFFIN WAX−135」
・加工助剤c
デシルトリメトキシシラン
東レ・ダウコーニング株式会社製「AY43−045」
・カップリング剤
3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン
東レ・ダウコーニング株式会社製「SH6062」
・架橋促進剤a
N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド
三新化学工業株式会社製「サンセラーCM−G」
・架橋促進剤b
テトラメチルチウラムジスルフィド
三新化学工業株式会社製「サンセラーTT−G」
・架橋促進剤c
1,3−ジ−o−トリルグアニジン
大内新興化学工業株式会社製「ノクセラーDT」
・硫黄(架橋剤)
細井化学工業株式会社製「微粉硫黄200Mesh」
・ポリアミン系架橋剤
ヘキサメチレンジアミンカーバメート
デュポンエラストマー株式会社製「Diak−1」
実施例1
[未加硫ゴムシートの作製]
HNBR−a100質量部、カーボンブラック6質量部、フェライト磁性粉450質量部、可塑剤3質量部、ステアリン酸1質量部、老化防止剤3質量部、加工助剤a2質量部、加工助剤b3質量部、加工助剤c2質量部、架橋促進剤c2質量部及びポリアミン系架橋剤0.5質量部を、8インチ径のオープンロールを用いて、組成物の温度を60〜100℃に維持して35分間混練りし、厚さ3mmの未加硫ゴムシートを作製した。
[引張試験]
JIS K6251に準拠して引張試験を行った。得られたゴムシートを用い165℃で15分間プレス加硫して厚さ2mmの加硫ゴムシートを得た。得られた加硫ゴムシートを打ち抜いて得られた、ダンベル状3号形の試験片を用い、23℃において、引張速度500mm/分の引張速度で、引張強さ(MPa)と伸び(%)を測定した。その結果、引張強さは6.2MPaであり、伸びは520%であった。
[硬度]
JIS K6253に準拠して測定した。引張試験と同様に作製した厚さ2mmの加硫ゴムシートを3枚重ね、タイプAデュロメータを用いて、23℃において測定を行い、ピーク値を読み取った。その結果、A硬度は82であった。
[熱劣化後の機械特性]
上記引張試験で得られたダンベル状3号形試験片と、上記硬度測定時に作製したゴムシートを、JIS K6257AA−2法に準拠し150℃のギヤーオーブン中で熱劣化させた。熱劣化後のダンベル状3号形試験片とゴムシートの、熱劣化後の引張強さ(MPa)、伸び(%)及びA硬度を、上記と同様にして測定した。その結果、引張強さは7.1MPa、伸びは250%、A硬度は84であった。
[高速回転試験]
図1及び図2に示す方法に従って、高速回転試験を行った。図1は、磁気エンコーダ(1,1’)と磁気測定部2との関係を示した概略断面図である。図中、縦方向の一点鎖線の直線は磁気エンコーダ(1,1’)の回転軸である。図1は、当該回転軸を含む平面で切断された磁気エンコーダ(1,1’)を示したものであり、1と1’とは環状に繋がっている。図1の一点鎖線の円の中を拡大したものが図2である。磁気エンコーダ1のスリンガ3に接着された磁性ゴム成形品4の表面と、磁気測定部2の先端に設けられた磁気センサ5との間のエアギャップがx(mm)である。
支持部材(スリンガ3)として、図1に示される形状の断面U字型で円環状のものを用いた。当該スリンガ3は、板厚1.0mmのSUS430からなる。当該スリンガ3の寸法は、内側円筒部の内径が40mm、外側円筒部の外径が126mm、内側円筒部の軸方向長さが8mm、外側円筒部の軸方向長さが10mmであった。一方、厚さ4mmの未加硫ゴムシートを、内径120mm、外径128mmのドーナツ状に打ち抜いて、フェノール樹脂を原料とする接着剤を予め塗布したスリンガ3上に載置した。引き続き、165℃で15分間プレス加硫して、外径128mm、厚さ1.0mmの磁性ゴム成形品4が当該スリンガ3の外側円筒部に形成された磁気エンコーダ(1,1’)を作製した。当該磁性ゴム成形品4はスリンガ3に強固に接着しており、接着性は良好であった。こうして得られた磁気エンコーダ(1,1’)を150℃のオーブン中で70時間熱劣化させた後に、23℃において、高速回転試験に供した。回転速度は20000rpmであり、最外周の周速度は134m/秒であった。1分間回転させた後に磁気エンコーダを観察したところ、磁性ゴム成形品4に破損は認められなかった。
[磁気特性]
上記高速回転試験で用いた磁性ゴム成形品4を着磁して、合計128極のN極及びS極の磁極が交互に存在するように形成された磁気エンコーダ(1,1’)を準備した。そして、スリンガ3の内側円筒部を回転可能なチャックに取り付けることで、磁気エンコーダ(1,1’)をチャックに固定した。このとき、磁気センサ5が磁性ゴム成形品4の表面に対向するように配置し、磁気センサ5と磁性ゴム成形品4との間隔(エアギャップ)xを、1.0(mm)に設定した。次に、図示しない駆動手段によって、チャックを回転させて、磁気エンコーダ(1,1’)を一回転させながら、磁性ゴム成形品4の表面から出力される磁力を磁気センサ5で検出した。そして、磁気センサ5が検出した磁力波形より、磁性ゴム成形品4の各磁極においてピークとなる磁力を平均して、磁性ゴム成形品4表面の残留磁束密度Bを算出した。残留磁束密度Bは、31.4mTであった。以上の結果を表1にまとめて示す。
実施例2
実施例1において、加工助剤a(アミノ変性メチルポリシロキサン)を配合しなかった以外は実施例1と同様にして、未加硫ゴムシートを作製した。得られた未加硫ゴムシートを用いて、実施例1と同様にして磁性ゴム成形品を作製し評価した。結果を表1にまとめて示す。
実施例3
実施例1において、加工助剤c(デシルトリメトキシシラン)を配合しなかった以外は実施例1と同様にして、未加硫ゴムシートを作製した。得られた未加硫ゴムシートを用いて、実施例1と同様にして磁性ゴム成形品を作製し評価した。結果を表1にまとめて示す。
実施例4
実施例1において、カーボンブラックを配合しなかった以外は実施例1と同様にして、未加硫ゴムシートを作製した。得られた未加硫ゴムシートを用いて、実施例1と同様にして磁性ゴム成形品を作製し評価した。結果を表1にまとめて示す。
実施例5
実施例1において、HNBR−aの代わりにHNBR−bを配合した以外は実施例1と同様にして、未加硫ゴムシートを作製した。得られた未加硫ゴムシートを用いて、実施例1と同様にして磁性ゴム成形品を作製し評価した。結果を表1にまとめて示す。
比較例1
実施例1において、フェライト磁性粉の配合量を750質量部にした以外は実施例1と同様にして、未加硫ゴムシートを作製した。得られた未加硫ゴムシートを用いて、実施例1と同様にして磁性ゴム成形品を作製し評価した。結果を表1にまとめて示す。
比較例2
実施例1において、フェライト磁性粉の配合量を250質量部にした以外は実施例1と同様にして、未加硫ゴムシートを作製した。得られた未加硫ゴムシートを用いて、実施例1と同様にして磁性ゴム成形品を作製し評価した。結果を表1にまとめて示す。
比較例3
実施例1において、ヘキサメチレンジアミンカーバメートの配合量を2.0質量部にした以外は実施例1と同様にして、未加硫ゴムシートを作製した。得られた未加硫ゴムシートを用いて、実施例1と同様にして磁性ゴム成形品を作製し評価した。結果を表1にまとめて示す。
比較例4
実施例1において、ヘキサメチレンジアミンカーバメートの配合量を0.1質量部にした以外は実施例1と同様にして、未加硫ゴムシートを作製した。得られた未加硫ゴムシートを用いて、実施例1と同様にして加硫を行ったが、充分に加硫しなかったので、磁性ゴム成形品の評価は行わなかった。結果を表1にまとめて示す。
比較例5
HNBR−c100質量部、カーボンブラック6質量部、フェライト磁性粉450質量部、可塑剤3質量部、亜鉛華5質量部、ステアリン酸1質量部、老化防止剤3質量部、加工助剤b3質量部、カップリング剤0.5質量部、架橋促進剤a1.5質量部、架橋促進剤b1質量部及び硫黄1質量部を、実施例1と同様に混練りし、厚さ3mmの未加硫ゴムシートを作製した。得られた未加硫ゴムシートを用いて、実施例1と同様にして磁性ゴム成形品を作製し評価した。結果を表1にまとめて示す。
比較例6
比較例5において、フェライト磁性粉の配合量を870質量部にした以外は比較例5と同様にして、未加硫ゴムシートを作製した。得られた未加硫ゴムシートを用いて、実施例1と同様にして磁性ゴム成形品を作製し評価した。結果を表1にまとめて示す。
Figure 2021019121
1、1’ 磁気エンコーダ
2 磁気測定部
3 スリンガ
4 磁性ゴム成形品
5 磁気センサ
x エアギャップ

Claims (9)

  1. 磁性ゴム組成物を加硫してなる磁性ゴム成形品を備えた磁気エンコーダであって;
    前記磁性ゴム組成物が、カルボキシル基又はカルボン酸無水物基を含む水素化ニトリルゴム(A)100質量部、フェライト磁性粉(B)300〜700質量部及びポリアミン系架橋剤(C)0.2〜1.0質量部を含有し、
    前記磁性ゴム組成物全体の質量に対するフェライト磁性粉(B)の含有率が70〜82質量%であり、かつ
    60m/秒を超える周速度で回転させて使用される、磁気エンコーダ。
  2. 120m/秒を超える周速度で回転させて使用される請求項1に記載の磁気エンコーダ。
  3. 前記磁性ゴム成形品の23℃における伸びが200%以上である請求項1又は2に記載の磁気エンコーダ。
  4. 150℃で70時間熱劣化させた後の、前記磁性ゴム成形品の23℃における伸びが150%以上である請求項1〜3のいずれかに記載の磁気エンコーダ。
  5. 前記磁性ゴム組成物が、さらに反応性シリコーンオイル又はアルコキシシランを1〜20質量部含む請求項1〜4のいずれかに記載の磁気エンコーダ。
  6. 前記磁性ゴム成形品の23℃における残留磁束密度B(mT)が下記式(1)を満足する請求項1〜5のいずれかに記載の磁気エンコーダ。
    B≧70×exp(−1×x×P/D) (1)
    ここで、エアギャップx(mm)は、磁気センサと磁性ゴム成形品表面との間隔であり、極数Pは、N極及びS極の数の総和であり、測定径Dは、測定センサが対向する磁性ゴム成形品表面の径(mm)である。
  7. 前記磁性ゴム成形品の直径が100mmを超える請求項1〜6のいずれかに記載の磁気エンコーダ。
  8. エンジンのクランクシャフト用磁気エンコーダ、トランスミッションの回転軸用磁気エンコーダ又はオルタネーター用磁気エンコーダである、請求項1〜7のいずれかに記載の磁気エンコーダ。
  9. 磁性ゴム組成物を加硫してなる磁性ゴム成形品を備えた磁気エンコーダを用いた回転数又は回転角の測定方法であって;
    前記磁性ゴム組成物が、カルボキシル基又はカルボン酸無水物基を含む水素化ニトリルゴム(A)100質量部、フェライト磁性粉(B)300〜700質量部及びポリアミン系架橋剤(C)0.2〜1.0質量部を含有し、
    前記磁性ゴム組成物全体の質量に対するフェライト磁性粉(B)の含有率が70〜82質量%である磁気エンコーダを用い、
    該磁気エンコーダを60m/秒を超える周速度で回転させる、被測定物の回転数又は回転角の測定方法。

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