JP2020177960A - 磁気エンコーダ用ゴム組成物及びゴム磁石並びに磁気エンコーダ - Google Patents

磁気エンコーダ用ゴム組成物及びゴム磁石並びに磁気エンコーダ Download PDF

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Abstract

【課題】磁粉量を高く維持しつつ、損傷の発生が抑制された磁気エンコーダを安価に提供可能な磁気エンコーダ用ゴム組成物及びゴム磁石を提供することである。また、従来より優れた測定精度を有し、安価で、損傷の発生が抑制された磁気エンコーダを提供すること【解決手段】固形ゴムを85〜98重量部及び液状ゴムを2〜15重量部の割合で含有する耐油性のゴム主材100重量部に対して、硫黄2.5〜10重量部、磁性粉900〜1200重量部を含有する、磁気エンコーダ用ゴム組成物。【選択図】図3

Description

本発明は、磁気エンコーダ用ゴム組成物及びゴム磁石並びに磁気エンコーダに関するものである。
従来、ABS(Antilock Brake System)センサ、クランク角センサ、及びその他回転部分の速度や角度を検出するためのセンサ部位には、磁気エンコーダが用いられている。この磁気エンコーダには、磁性粉を含むゴム組成物を着磁したゴム磁石が広く用いられている。
磁気エンコーダによる回転数の測定精度を向上させるには、磁性粉を多く含むゴム組成物を用いる必要がある。しかし、磁性粉の含有量が高くなるとゴム組成物の粘度が高くなり、加工性が悪化する。また、例えばABSセンサのような車輪用センサでは、磁気エンコーダと、この磁気エンコーダから発する信号を検出するセンサとが所定の間隙で近接対向して設置されているため、この間隙に小石等が入り込み、磁気エンコーダの表面を損傷する場合がある。とくに、磁気エンコーダの表面がゴム磁石で構成される場合は、ゴム磁石にはゴム主材が含まれるため、耐摩耗性が低い場合がある。このように、耐摩耗性が低いと、小石等による損傷の程度が大きくなる傾向にある。
この改善策として、例えば特許文献1〜3の技術が提案されている。特許文献1には、ゴム、熱硬化性樹脂、磁性粉を特定の比で含むゴム組成物が開示されている。このゴム組成物によると、柔軟性及び耐摩耗性に優れるゴム組成物が得られるとされている。特許文献2には、ゴム磁石の表面に非磁性体のコーティング層を設けた磁気エンコーダが開示されている。この磁気エンコーダによると、磁気エンコーダとセンサとの間の間隙に小石等が噛みこんだ場合でも、磁気エンコーダの損傷を防止することができることが開示されている。特許文献3には、特定の固形NBRと液状NBRとを特定比率で含むゴム主材と特定の老化防止剤、加硫剤、磁性粉を含むゴム組成物が開示されている。このゴム組成物によると、高い磁力を保持しながら、加工性等を向上することができるとされている。
特許第6197226号公報 特開2007−255526号公報 特許第5480579号公報
特許文献1に記載の発明により摩耗耐性を向上させることができるが、実際には磁性粉の含量を高くすることは困難であり、磁気特性を従来より向上させることは困難である(特許文献1、実施例)。特許文献2に記載の発明により、磁気エンコーダの表面を保護することは相応に可能ではあるが、製造工程が煩雑になり製造コストが上昇する。また、本発明者らの検討の結果、特許文献3に記載の発明により、高い磁力を有し、良好な加工性、耐熱性、接着性を有するゴム組成物を提供することは可能であるが、磁気エンコーダの損傷を抑制する点で改善の余地があることが判明した。
そこで、本発明の目的は、磁粉量を高く維持しつつ、損傷の発生が抑制された磁気エンコーダを安価に提供可能な磁気エンコーダ用ゴム組成物及びゴム磁石を提供することである。また、従来より優れた測定精度を有し、安価で、損傷の発生が抑制された磁気エンコーダを提供することである。
本発明者は、前述の課題解決のために鋭意検討を行った。その結果、特定のゴム主材に対して特定量の硫黄を含有させることで、磁性粉をより多くしつつ、硬度を向上させることができること、高い硬度を有することで、磁気エンコーダの表面の損傷を抑制可能であること、安価に製造可能であることを見出した。
本発明の第一は、固形ゴムを85〜98重量部及び液状ゴムを2〜15重量部の割合で含有する耐油性のゴム主材100重量部に対して、硫黄2.5〜10重量部、磁性粉900〜1200重量部を含有する、磁気エンコーダ用ゴム組成物に関する。
本発明の実施形態では、固形ゴムが、ニトリル含量が35〜48重量%のニトリルゴム(NBR)であってもよい。
本発明の実施形態では、液状ゴムが、固形ゴムと反応性又は相溶性を有するものであってもよい。また、液状ゴムのB型粘度(70℃)が、4〜8Pa・sであってもよい。また、液状ゴムが、NBRであってもよい。
本発明の実施形態では、磁気エンコーダ用ゴム組成物は2次加硫物であってもよい。
本発明の第二は、前述の磁気エンコーダ用ゴム組成物を含む磁気エンコーダ用ゴム磁石に関する。
本発明の第三は、前述の磁気エンコーダ用ゴム磁石を備える磁気エンコーダに関する。
本発明の第四は、固形ゴムを85〜98重量部及び液状ゴムを2〜15重量部の割合で含有する耐油性のゴム主材100重量部に対して、硫黄2.5〜10重量部、磁性粉900〜1200重量部を含有する磁気エンコーダ用ゴム組成物を得た後、当該磁気エンコーダ用ゴム組成物を、150〜180℃で2〜12分間1次加硫した後、160〜230℃で4〜24時間2次加硫する、磁気エンコーダ用ゴム組成物の製造方法に関する。
本発明によれば、磁粉量を高く維持しつつ、損傷の発生が抑制された磁気エンコーダを安価に提供可能な磁気エンコーダ用ゴム組成物及びゴム磁石を提供することができる。また、従来より優れた測定精度を有し、安価で、損傷の発生が抑制された磁気エンコーダを提供することができる。
本発明の実施形態に係る磁気エンコーダを備えた軸受装置の例を示す縦断面図である。 図1に示す軸受装置の腰部拡大断面図である。 本発明の実施形態に係る磁気エンコーダを模式的に示す図である。
以下、本発明の実施形態を説明する。
(磁気エンコーダ用ゴム組成物)
本発明の実施形態に係る磁気エンコーダ用ゴム組成物(以下、単に「ゴム組成物」と称する場合がある。)は、固形ゴムを85〜98重量部及び液状ゴムを2〜15重量部の割合で含有する耐油性のゴム主材100重量部に対して、硫黄2.5〜10重量部、磁性粉900〜1200重量部を含有する。
このように、硫黄の含量を従来よりも多くすることで、架橋度を上げることができる。その結果、磁性粉の含量が多くても良好な加硫物を得ることが可能であるとともに、加硫物の硬度を向上することができる。そして、硬度が向上するため、磁気エンコーダ表面の損傷を防止することができる。また、磁性粉の含量が多いため優れた測定精度を有する磁気エンコーダを提供できる。さらに、ゴム主材が所定量の液状ゴムを含むため、ゴム組成物は流動性を有するため加工性は維持される。
1.ゴム主材
ゴム主材は、所定量の固形ゴムと液状ゴムを含有し、耐油性の特性を有するものであればよい。このようなゴム主材は、例えばジエン系ゴムが挙げられる。ジエン系ゴムとしては、例えば、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ブタジエンゴム(BR)、ブチルゴム(IIR)、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)、水素化アクリロニトリルブタジエン(H−NBR)、エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)、クロロプレンゴム(CR)など、通常ゴム工業に用いられるものが挙げられる。このうち、耐油性、耐熱性、磁性粉の充填性の観点からは、NR、IR、SBR、BR、NBR、H−NBRが好ましく、NBRがより好ましい。これらのジエン系ゴムは、単独でもよいし、2種以上を組み合わせてもよい。
液状コムは、固形ゴムと反応性又は相溶性を有するものであるのが好ましい。固形ゴムと反応性を有する液状ゴムとしては、例えば、液状ゴムと固形ゴムとを混合して同一の加硫剤で共架橋できるものが挙げられる。固形ゴムと相溶性を有する液状ゴムとしては、例えば、液状ゴムと固形ゴムとを混合した場合に、所望の使用条件下での使用期間内において均一な組成が維持されているものが挙げられる。即ち、分子レベルにおいて相溶していない場合を含む。このような液状ゴムは、固形ゴムと同じまたは類似のジエン系ゴムが挙げられる。このような固形ゴムと液状ゴムの組み合わせとしては、例えば、ブタジエン系のゴムの組み合わせ等が挙げられる。より詳細には、NBR、SBR、BRの固形及び液状のものを任意に組み合わせたもの等が例示される。液状ゴムとしては、液状NBRが好ましく、これと固形NBRを組み合わせたものが好ましい。液状ゴムは、室温で流動性を有するため、ゴム主材に液状ゴムを混合することで、ゴム組成物の粘度を容易に調整することができ加工性を向上できる。
液状ゴムは、加硫物の強度、可塑性の観点から、B型粘度(70℃)で4〜8Pa・sのものが好ましい。
固形ゴムは、常温で固形であれば特に限定はないが、耐油性及び耐熱性の観点からは、ニトリル含量が35〜48重量%のものが好ましく、40〜48重量%がより好ましく、43〜48重量%がさらに好ましい。また、このようなニトリル含量のNBRが好ましい。
固形ゴムと液状ゴムとは、固形ゴムが85〜98重量部、液状ゴムが2〜15重量部の割合でゴム主材に含有される。好ましくは、固形ゴムが90〜98重量部、液状ゴムが2〜10重量部、より好ましくは、固形ゴムが90重量部を超え98重量部以下、液状ゴムが2重量部以上5重量部未満の割合でゴム主材に含有される。この場合、ゴム主材中、両者の合計が100重量部となる。このような液状ゴムの含有量のゴム主材を採用することで、硫黄の含量と相俟って、ゴム組成物の加工性を維持しつつ、加硫物の硬度を向上することができる。
2.磁性粉
磁性粉としては、フェライト系磁性粉、希土類磁性粉、γ酸化鉄粉、二酸化クロム、コバルト−クロム合金粉などが挙げられる。フェライト系磁性粉としては、フェライト、バリウム−フェライト、ストロンチウム−フェライト、マンガン亜鉛−フェライト、ニッケル亜鉛−フェライト、銅亜鉛−フェライトなどが挙げられる。希土類磁性粉に用いられる希土類元素としては、サマリウム、ネオジムなどが挙げられる。これらの中で、磁力が大きい点および低コストである点でフェライトやストロンチウム−フェライトが好ましく用いられる。
磁性粉の含有量は、ゴム主材100重量部に対して900〜1200重量部である。これにより、加硫物は、良好な硬度、適度な柔軟性を有し、磁気エンコーダに優れた測定精度を付与可能となる。
3.加硫剤
磁気エンコーダ用ゴム組成物には、加硫剤として、硫黄が、ゴム主材100重量部に対して、2.5〜10重量部含まれる。硫黄がこのような含量であるため、加硫後のゴム主材の架橋度が高くなり、加硫物の硬度を大きくすることができる。特に、2時加硫を行う場合には、より架橋度が高くなり、2次加硫物の硬度をより大きくすることができる。硫黄は、通常のゴム加硫用に使用されている任意の硫黄を用いることができる。その形態としては、粉末硫黄、硫黄華、沈降硫黄、コロイド硫黄、脱酸硫黄、分散性硫黄などが挙げられる。これらは、1種が単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
本発明の実施形態では、硫黄以外の加硫剤が含まれてもよい。このような加硫剤としては、含硫黄有機化合物等が挙げられる。
含硫黄有機化合物としては、例えば、4,4’−ジチオジモルフォリン、アルキルフェノールジスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィド、ジペンタメチレンチウラムテトラスルフィド、ジチオジカプロラクタムなどが挙げられる。好ましくは4,4’−ジチオジモルフォリン又はジチオジカプロラクタムが用いられる。これらの含硫黄有機化合物は、1種が単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わせて用いられてもよい。
硫黄以外の加硫剤の含有量は、特に限定はないが、例えば、耐熱性、加工性の観点からは、ゴム主材100重量部に対して、0.7〜2.6重量部とすることができる。
4.加硫促進剤
本発明の実施形態では、加硫剤の加硫を促進するために加硫促進剤を含んでもよい。例えば、セレン、テルル、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、一酸化鉛などの無機化合物や、ジチオカルバミン酸塩系、チアゾール系、スルフェンアミド系、チウラム系、ジチオカルバメート系、グアニジン系、チオ尿素系、ジチオホスフェート系、キサンテート系などの有機化合物が挙げられる。これらは、1種含まれてもよいし、2種以上含まれてもよい。
加硫促進剤の含有量は、特に限定はないが、ゴム主材100重量部に対して、1.3〜3重量部とすることができる。複数種含まれる場合は、合計量である。
5.老化防止剤
本発明の実施形態では、老化防止剤を含んでもよい。老化防止剤としては、例えば、芳香族第2級アミン系化合物、ベンゾイミダゾール系化合物等が挙げられる。
芳香族第2級アミン系化合物としては、N−フェニル−α−ナフチルアミン、N−フェニル−β−ナフチルアミン、p,p’−ジメトキシジフェニルアミン、オクチル化ジフェニルアミン、4,4’−(α,α−ジメチルベンジル)ジフェニルアミン、p−(p−トルエンスルホニルアミド)ジフェニルアミン、N,N’−ジ(β−ナフチル)−p−フェニレンジアミン、N−シクロヘキシル−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジフェニル−p−フェニレンジアミン、N−フェニル−N’−イソブロピル−p−フェニレンジアミン、N−フェニル−N’−(1,3−ジメチルブチル)−p−フェニレンジアミン、2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリン、6−フェニル−2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリン、6−エトキシ−2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリン等の一般式で表わされる化合物が挙げられる。これらの化合物は、少なくとも一種が単独で含まれてもよいし、2種以上が組み合わせて含まれてもよい。
ベンゾイミダゾール系化合物としては、2−メルカプトベンゾイミダゾール、2−メルカプトベンゾイミダゾール亜鉛塩、2−メルカプトメチルベンゾイミダゾールなどの化合物が挙げられる。これらの化合物は、1種が単独で含まれてもよいし、2種以上が組み合わせて含まれてもよい。
老化防止剤としては、芳香族第2級アミン系化合物の中から選ばれる少なくとも1種及びベンゾイミダゾール系化合物の中から選ばれる少なくとも1種並びにこれらの組み合わせが好ましく、両者の少なくとも1種ずつを組み合わせて用いるのがより好ましい。特に、芳香族第2級アミン化合物として4,4’−ビス(α,α−ジメチルベンジル)ジフェニルアミンと、イミダゾール系化合物として2−メルカプトベンゾイミダゾール亜鉛塩の組み合わせが好ましく用いられる。
老化防止剤の含有量は、耐熱老化性の観点及び接着性の観点から、ゴム主材100重量部に対して4.5〜18重量部が好ましく、5.0〜12重量部がより好ましく、5.2〜8.0重量部がさらに好ましい。
6.その他のゴム配合剤
ゴム組成物には、上述したゴム主材、老化防止剤、及び加硫剤に加えて、補強剤や充填剤、各種オイル、滑剤、シランカップリング剤など、磁気エンコーダ用ゴム組成物及びゴム磁石に一般に用いられる各種ゴム配合剤が含まれてもよい。これらのゴム配合剤の含有量は、適宜決定することができる。
7.磁気エンコーダ用ゴム組成物の製造方法
磁気エンコーダ用ゴム組成物は、前述のゴム主材、硫黄、磁性粉及び必要に応じて用いられる任意成分を、所望の組成比になるように混合することで得ることができる。混合方法としては、特許文献1等に記載のような従来公知の方法を採用することができる。例えば、密閉式混練機やオープンロール等を用いて混練する方法等が挙げられる。
上述したゴム組成物は密閉式混練機やオープンロール等を用いて混練され、所定温度(約150〜250℃)にて、射出成形、圧縮成形、トランスファー成形等によって架橋成形される。かかる場合には、磁場中で架橋成形をすることでより残留磁束密度を高めることもできる。
硫黄による架橋度をより高くする場合は、前述のようにして所望の成分組成の混練物としてのゴム組成物を得た後、1次加硫を行い、さらに2次加硫を行ってもよい。このような加硫の条件としては、150〜180℃で2〜12分間1次加硫した後、160〜230℃で4〜24時間2次加硫するのが好ましい。このように2次加硫により得られたゴム組成物の2次加硫物は、硫黄による架橋度が1次加硫物よりも大きくなっており、硬度が1次加硫物より高い加硫物となる。そのため、磁気エンコーダの構成品として用いた場合にその表面の損傷をより低減することができる。
(磁気エンコーダ用ゴム磁石)
磁気エンコーダ用ゴム磁石(以下、単に「ゴム磁石」と称する場合がある。)は、成形品としてのゴム組成物が着磁されたものである。着磁方法は、公知の方法を採用することができる。例えば、成形、架橋した後に磁場を印加して着磁してもよいし、磁場を印加しながら成形、架橋してもよい。残留磁束密度を高める観点からは、磁場を印加しながら成形、架橋するのが好ましい。このようにして、前述のゴム組成物を用いて得られるゴム磁石は、例えば、後述の磁気エンコーダとして好適である。
(磁気エンコーダ)
磁気エンコーダは、前述のゴム磁石と、このゴム磁石を支持する支持部材とを備える。支持部材は、例えば金属製の芯金等が挙げられる。支持部材の形状は、磁気エンコーダの用途に応じて適宜決定することができる。磁気エンコーダとしては、例えば、自動車の車輪の回転数を検出する装置や相対回転する軸受部の回転数検出装置などに適用されるものが挙げられる。このような装置に適用される支持部材は、自動車の車輪の回転数を検出する装置や相対回転する軸受部の回転数検出装置などに設けた回転体に取り付け可能な略円環状の形状を有する。以下、図面を参照しつつ実施形態に係る磁気エンコーダの例を説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る磁気エンコーダを備えた軸受装置の例を示す縦断面図である。図2は、図1に示す軸受装置の腰部拡大断面図である。図1及び図2に示すように、本発明の実施形態に係る磁気エンコーダ1を備えた軸受装置11は、外周面に内輪軌道面12Aが形成された内輪12、及び内周面に外輪軌道面13Aが形成された外輪13、並びに、内輪軌道面12A及び外輪軌道面13A間を転動する転動体14、14、等を有する軸受、この軸受の軸方向の一端部に位置して内輪12に固定された磁気エンコーダ1、並びに、外輪13に固定された、磁気エンコーダ1の磁極に対向して磁気エンコーダ1の回転を検知するためのセンサ10、前記軸受の軸方向の一端部及び他端部に配置したシール部材6、7等を備えている。
ここで、回転側である内輪12に取り付けられた、N極とS極を一定間隔で周方向に多極に着磁したゴム磁石を有する磁気エンコーダ1、及び固定側である外輪13に取り付けられたセンサ10が、回転速度検出装置を構成する。
図3(a)、(b)は、本発明の実施形態に係る磁気エンコーダ1を模式的に示す図である。回転体に取り付け可能な芯金2と、該芯金2に取り付けられ、円周方向に多極に着磁された略円環状のゴム磁石3とを備えている。また、前記芯金2の表面には、亜鉛アルミニウムマグネシウム合金を含むメッキ層、リン酸塩被膜層、および接着剤層が順次積層された中間層4が設けられており、前記接着剤層の表面にゴム磁石3が積層されている。もっとも、中間層4は設けなくてもよい。また、中間層4のうち、接着剤層が有っても無くてもよいし、メッキ層、リン酸塩被膜層があっても無くてもよい。
接着剤層を構成する接着剤は、公知のものを用いることができる。例えば、一般の磁気エンコーダに使用されているものであればよく、例えば、フェノール樹脂系接着剤やエポキシ樹脂系接着剤等の熱硬化性樹脂接着剤が挙げられる。
前記芯金2の形状は、図3(a)、(b)に示すように略円環状であるが取り付ける予定の回転体に合った形状であればよく、特に限定はない。例えば、図3(a)、(b)に示すように断面形状が外側に張り出した逆L字形状でもよいし、図示しないが、内側に張り出した逆L字形状でもよい。
図3(a)、(b)に示す断面形状が逆L字形状の芯金2を用いた磁気エンコーダ1は、例えば、図2に示すように回転体である内輪12の軸方向外端側に嵌合させることができる。
前記芯金2は、例えば、磁性を有する冷間圧延鋼板に打ち抜き加工、絞り加工などのプレス加工を施して形成される。なお、前記鋼板の厚みや幅については、取り付ける回転体の形状等に応じて適宜決定すればよく特に限定はない。
前記芯金2の表面に形成される亜鉛アルミニウムマグネシウム合金を含むメッキ層、リン酸塩被膜層および接着剤層の厚みについては、前記芯金2の形状や大きさおよび取り付ける回転体の形状等に応じて適宜決定すればよく特に限定はない。
前記ゴム磁石3は、接着剤層の表面で略円環状に形成されていればよく、その位置は芯金2の形状により決定すればよい。例えば、図3に示すように芯金2の断面形状が外側に張り出した逆L字形状である場合、その上面5a、外側面5bを覆うようにゴム磁石3を取り付けてもよいし、さらに内側面5cの一部又は全部を覆うように取り付けてもよい。
前記ゴム磁石3の厚みや幅については、特に限定はない。
このような磁気エンコーダ1は、例えば、次のような工程を経ることで得ることができる。先ず、芯金2の所定の位置に熱硬化性樹脂接着剤を塗布する。次いで、その塗布部分に、(i)加硫前のゴム組成物の成形品を配置して加熱して加硫するとともに熱硬化性樹脂接着剤を硬化(架橋)させる工程、又は、(ii)加硫後のゴム組成物の成形品を配置して熱硬化性樹脂接着剤を硬化(架橋)させる工程、又は、(iii)加硫前のゴム組成物を芯金が設置された金型のキャビティ内に圧入して成形するとともに、ゴム組成物の加硫と熱硬化性樹脂接着剤の硬化(架橋)を行う工程等により、芯金2にゴム磁石3を結合させる。着磁は、例えば(i)〜(iii)の工程を行っている間、又は、これらの工程の後に行うことができる。
熱硬化性接着剤を用いない場合は、上記(i)、(iii)の工程に準じて、芯金2にゴム磁石3を結合させることができる。
以下、実施例に基づき、本発明に係る実施形態をより詳細に説明する。
実施例及び比較例にて用いた成分は以下のとおりである。
(1)ゴム主材
(1−1)固形ゴム(表1中の標記:N222L)
JSR株式会社製、N222L、固形NBR、ニトリル含量:43重量%
(1−2)液状ゴム(表1中の標記:N280)
JSR株式会社製、N280、液状NBR、B型粘度(70℃):6.8Pa・s
(2)加硫剤
(2−1)硫黄(表1中の標記:PMC)
鶴見化学工業株式会社製、サルファックスPMC
(2−2)含硫黄有機化合物(表1中の標記:バルノックR)
大内新興化学株式会社製、バルノックR、4,4’−ジチオジモルフォリン
(3)磁性粉(表1中の標記:FA700)
戸田工業株式会社製、FA700、ストロンチウム−フェライト
(4)加硫促進剤
(4−1)酸化亜鉛(表1中の標記:酸化亜鉛)
堺化学工業株式会社製、酸化亜鉛2種
(4−2)チラウム系(表1中の標記:TMTD−80)
大内新興化学株式会社製、ノクセラーTT、テトラメチルチラウムジスルフィド
(4−3)チアゾール系(表1中の標記:M−80)
大内新興化学株式会社製、ノクセラーM、2−メルカプトベンゾチアゾール
(6)老化防止剤
(6−1)ベンゾイミダゾール系化合物(表1中の標記:ノクラックMBZ)
大内新興化学株式会社製、ノクラックMBZ、2−メルカプトベンゾイミダゾール亜鉛塩
(6−2)芳香族第2級アミン系化合物(表1中の標記:ノクラックCD)
大内新興化学株式会社製、ノクラックCD、4,4’−(α,α−ジメチルベンジル)ジフェニルアミン
(7)滑剤
(7−1)脂肪酸系(表1中の標記:ステアリン酸)
株式会社花王製、ルナックスS−70V
(7−2)脂肪酸エステル系(表1中の標記:ストラクトールWB212)
エスアンドエスジャパン株式会社製、ストラクトールWB212
(実施例1〜5、比較例1〜3)
表1に示す成分組成となるように配合し、加硫プレス機にて160℃で12分間加硫成形を行って試料を得た。
(評価)
<硬さ試験1>
JIS K 7215に準拠し、タイプDのデュロメータ(高分子計器株式会社製、ゴム硬度計、型式 アスカーD型)により、デュロメータ硬さを測定した。試験は5回ずつ行い、平均値を算出した。結果を表2に示す。表1中の数値のデュロメータの硬さの記号は、HDDである。
<硬さ試験2>
JIS K 6253−3に準拠し、タイプDデュロメータ(高分子計器株式会社製、ゴム硬度計、型式 アスカーD型)により、デュロメータ硬さを測定した。試験は5回ずつ行い、代表値として中央値を採用した。結果を表2に示す。表1中の数値のデュロメータの硬さの記号は、Dである。
Figure 2020177960
Figure 2020177960
(実施例6)
実施例2と同様にして得られた試料を、さらに、230℃で4時間、2次加硫を行った。冷却後、得られた2次加硫物を試料として用い、実施例1と同様に評価を行った。
(実施例7)
実施例3で得られた試料を用いて実施例6と同様にして2次加硫物を得、同様に評価を行った。
実施例6、7の評価結果を表3に示す。
Figure 2020177960
表2より、硫黄の含有量を所定の範囲にすることで、磁気エンコーダ用ゴム組成物の硬度を大きくすることができる。また、表3より、2次加硫物は、さらに硬度を大きくすることができる。そのため、磁気エンコーダ用ゴム組成物をゴム磁石とし、これを備える磁気エンコーダは、耐摩耗性が良好であり、表面の損傷が抑制されることが期待できる。
1 磁気エンコーダ
2 芯金
3 プラスチック磁石部
4 中間層
5a 芯金2の上面
5b 芯金2の外側面
5c 芯金2の内側面
6,7 シール部材
10 センサ
11 軸受装置
12 内輪
12A 内輪軌道面
13 外輪
13A 外輪軌道面
14 転動体

Claims (9)

  1. 固形ゴムを85〜98重量部及び液状ゴムを2〜15重量部の割合で含有する耐油性のゴム主材100重量部に対して、硫黄2.5〜10重量部、磁性粉900〜1200重量部を含有する、磁気エンコーダ用ゴム組成物。
  2. 固形ゴムが、ニトリル含量が35〜48重量%のニトリルゴム(NBR)である、請求項1記載の磁気エンコーダ用ゴム組成物。
  3. 液状ゴムが、固形ゴムと反応性又は相溶性を有する請求項1又は2に記載の磁気エンコーダ用ゴム組成物。
  4. 液状ゴムのB型粘度(70℃)が、4〜8Pa・sである、請求項1〜3の何れか1項に記載の磁気エンコーダ用ゴム組成物。
  5. 液状ゴムが、NBRである、請求項1〜4の何れか1項に記載の磁気エンコーダ用ゴム組成物。
  6. 2次加硫物である、請求項1〜5の何れか1項に記載の磁気エンコーダ用ゴム組成物。
  7. 請求項1〜6の何れか1項に記載の磁気エンコーダ用ゴム組成物を含む磁気エンコーダ用ゴム磁石。
  8. 請求項7に記載の磁気エンコーダ用ゴム磁石を備える磁気エンコーダ。
  9. 固形ゴムを85〜98重量部及び液状ゴムを2〜15重量部の割合で含有する耐油性のゴム主材100重量部に対して、硫黄2.5〜10重量部、磁性粉900〜1200重量部を含有する磁気エンコーダ用ゴム組成物を得た後、当該磁気エンコーダ用ゴム組成物を、150〜180℃で2〜12分間1次加硫した後、160〜230℃で4〜24時間2次加硫する、磁気エンコーダ用ゴム組成物の製造方法。
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