JP2021017292A - 飛行体の吐出装置および液垂れ防止部材 - Google Patents

飛行体の吐出装置および液垂れ防止部材 Download PDF

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Abstract

【課題】飛行体に搭載されるエアゾール容器からの液垂れを防止するための技術を提供する。【解決手段】機体に搭載されるノズルから液状物を吐出する飛行体の吐出装置であって、前記吐出装置の吐出口からの吐出方向の前方に設けられた、前記吐出口から垂れた前記液状物を受け取るための受け取り部を備える、飛行体の吐出装置を用いる。【選択図】図6

Description

本発明は、飛行体の吐出装置、液垂れ防止部材、および、飛行体の吐出装置の制御方法に関し、特に、無人飛行体等の移動体に搭載された吐出装置からの液垂れを防止する技術に関する。
従来からこの種の無人飛行体(移動体)の吐出装置として、たとえば、特許文献1に記載のような蜂の駆除装置が知られている。すなわち、この蜂の駆除装置は、機体内部に、薬剤を蜂の巣に供給する薬剤供給部を備え、この薬剤供給部に、吐出装置として噴射用器具が装着されている。
特開2017−104063号公報
ここで、吐出装置から液状物を吐出すると、吐出物の一部が吐出装置のノズルに付着する。付着物の量が増大すると、液状物が水滴になり液垂れを起こす可能性がある。このような液垂は、周囲環境への影響などの観点から好ましくない。
本発明の目的は、飛行体に搭載される吐出装置からの液垂れを防止するための技術を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明は、
機体に搭載されるノズルから液状物を吐出する飛行体の吐出装置であって、
前記ノズルの吐出口を開閉可能な蓋体を備える、飛行体の吐出装置である。
このような吐出装置を用いることで、ノズルからの液垂れを防止することができる。
この吐出装置は、次のように構成することができる。
1.前記蓋体を開閉させる駆動部を備える。
蓋体を開閉させることが可能であるため、吐出時はノズルを開き、吐出以外のときは閉じることができる。
2.前記蓋体は、ヒンジを介して回動することにより前記吐出口を開閉する。
ヒンジを用いることで、スムーズな開閉動作が可能になる。
3.前記ヒンジは、前記飛行体が飛行状態にあるときに前記ヒンジが前記吐出口よりも垂直方向において上方に来るように設けられる。
これにより、開閉機構の故障時でも液垂れを起こすことを防止できる。
4.前記蓋体は、閉状態のときに前記吐出口と対向する位置に設けられた、前記吐出口との干渉を防止するための凹部を有する。
これにより、部材同士の当接を防止することができる。
5.前記蓋体は、前記液状物の吐出方向と垂直な方向にスライドすることにより前記吐出口を開閉する。
6.前記蓋体は、回転移動または直線移動によりスライドする
7.前記蓋体は、複数の絞り羽根を有する絞り機構である。
蓋体の制御方法として、これらの様々な方法を利用しても良い。
8.前記蓋体および前記吐出口は、前記蓋体が閉状態のときに前記吐出口が前記蓋体に当接しない位置に設けられている。
これにより、蓋体が開閉しても当接することがなくなる。
9.前記蓋体の、前記蓋体が閉状態のときに前記吐出口と対向する位置には、前記液状物を吸収する吸収材が設けられている。
これにより、蓋体付近に垂れる液状物を吸収できるので、液垂れを防止できる。
10.前記蓋体は、前記液状物が吐出されるときの圧力により開閉される。
これにより、開閉機構の構成を単純化できる。
上記目的を達成するために、本発明は、
機体に搭載されるノズルから液状物を吐出する飛行体の吐出装置であって、
前記吐出口から垂れた前記液状物を受け取って固定化する固体化部を備える、
飛行体の吐出装置である。
これにより、液垂れした液状物を固定化して外部にこぼれ出ることを防止できる。
この吐出装置は、次のように構成することができる。
1.前記固体化部は、吸収材を含む。
これにより、液状物を吸収してこぼれ出ないようにできる。
2.前記ノズルの吐出口を開閉可能な蓋体を備え、前記固体化部は、前記蓋体が閉状態のときに前記吐出口と対向する位置に設けられている。
これにより、吐出口から溢れた液体を効果的に固体化することができる。
3.前記吐出口からの吐出方向の前方に突出している突出部を備え、前記固体化部は、前記突出部に設けられている。
4.前記突出部は、前記固体化部から成る。
これにより、液体を、突出部に設けられた、または突出部を構成する固体化部で固体化することができる。
5.前記固体化部は、前記吐出口から吐出された前記液状物を透過させる透過部と、前記透過部を透過した前記液状物を吸収する前記吸収材を含む。
これにより、透過部が液状物を透過させるとともに、液状物を吸収した吸収材の膨張などを抑制することができる。
上記目的を達成するために、本発明は、
機体に搭載されるノズルから液状物を吐出する飛行体の吐出装置であって、
前記吐出口からの吐出方向の前方に設けられた、前記吐出口から垂れた前記液状物を受け取るための受け取り部を備える、飛行体の吐出装置である。
これにより、溢れた液状物を受け取って外部に漏らさないようにできる。
この吐出装置は、次のように構成することができる。
1.前記受け取り部は、前記液状物を貯留する貯留部を有する。
これにより、ある程度の量の液状物が溢れた場合でも対応可能となる。
2.前記貯留部は、前記吐出口から見て吐出方向の前方に設けられた袋状部材である。
これにより、液状物を効率的に貯留することができる。
3.前記受け取り部は、前記飛行体が飛行状態にあるときに前記吐出口よりも垂直方向において下方に、かつ、前記吐出口から見て吐出方向の前方に突出する突出面を有している。
これにより、飛行中に発生した液垂れに対応して液体をこぼさないようにできる。
4,前記突出面には、前記液状物を吸収する吸収材が設けられている。
5.前記突出面には、前記液状物の漏出を防ぐためのせき止め部が設けられている。
6.前記突出面には、前記液状物を貯留する凹部が設けられている。
7.前記凹部は、前記吐出口から見て吐出方向の前方に複数設けられている。
このように、様々な構造を液垂れ防止に利用できるので、適宜選択して設計の自由度を高めることができる。
8.開閉可能な蓋体であって、閉状態では前記突出面とともに前記吐出口からの吐出方向において閉空間を形成し、開状態では前記吐出口からの前記液状物の外部への吐出を可能にする蓋体をさらに備える。
これにより、液垂れ防止効果をさらに高めることができる。
9.前記突出面は、前記吐出口の周囲から突出する筒状部の底部である
10.開閉可能な蓋体であって、閉状態では前記筒状部の先端を覆い、開状態では前記吐出口からの前記液状物の外部への吐出を可能にする蓋体をさらに備え
筒状部を設けたり、その筒状部に蓋体を設けたりすることにより、さらに液垂れ防止効果を高めることができる。
上記目的を達成するために、本発明は、
機体に搭載されるノズルから液状物を吐出する飛行体の吐出装置に着脱可能な液垂れ防止部材である。
これにより、液垂れ防止部材の交換等が容易になる。
この液垂れ防止部材は、次のように構成することができる。
1.前記液垂れ防止部材を、前記飛行体の吐出装置に装着するための係合部を備える。
2.前記係合部は、前記液垂れ防止部材に設けられたネジ部であり、前記飛行体の吐出装置に設けられたネジ部と係合する。
3.前記係合部は、前記液垂れ防止部材と前記飛行体の吐出装置を互いに嵌め合うことで係合させる嵌合部である。
これらの構成により、液垂れ防止部材のメンテナンス性が向上する。
4.前記液だれ防止部材は外周面に滑り止め部を有する。
これにより、液垂れ防止部材の交換が容易になる。
上記目的を達成するために、本発明は、
機体に搭載されるノズルから液状物を吐出する飛行体の吐出装置を制御する制御方法であって、
前記ノズルの吐出口に設けられた蓋体を開閉する工程を備える、飛行体の吐出装置の制御方法である。
これにより、ノズルからの液垂れを防止することができる。
上記目的を達成するために、本発明は、
開閉機構を備えた飛行体の吐出装置は、ノズルの吐出口を開閉可能な蓋体を備え、
蓋体を駆動する蓋体駆動部は、吐出駆動部による吐出動作と連動し、吐出動作が終了すると蓋体を閉動作させ、吐出動作を開始する際に蓋体を開動作させる、
飛行体の吐出装置の制御方法である。
これにより、液状物の吐出時にはノズルを開き、非吐出時にはノズルからの液垂れを防止することができる。
以上説明したように、本発明によれば、飛行体に搭載される吐出装置からの液垂れを防止するための技術を提供することができる。
図1は、本発明に係る吐出装置を搭載する飛行体の吐出装置を概念的に示すもので、吐出装置としてエアゾール容器を用いた場合である。(A)は飛行体の全体構成図、(B)は吐出装置の断面図、(C)は(B)のC方向矢視図、(D)は吐出前の説明図、(E)は(D)の吐出駆動部の平面図、(F)は吐出時の説明図である。 図2(A)は径方向支持部を設けた場合の図1のスリーブの軸直角方向の断面図、(B)は図1のエアゾール容器のバルブ機構の一例を示す図、(C)は電源として飛行用制御部の電源を利用する例を示す図である。 図3(A)乃至(C)は、吐出駆動部の3つの方式を示す図である。 図4(A)は、吐出装置を搭載した飛行体の操縦端末と吐出操作端末の遠隔操作例を示す説明図、(B)は制御ブロック図である。 図5は、実施形態1に係るエアゾール容器の液垂れ防止部材を概念的に示す断面図で、(A)は閉状態を、(B)は開状態を示す。 図6は、実施形態2に係るエアゾール容器の液垂れ防止部材を示し、(A)は断面図、(B)は開状態の斜視図、(C)は閉状態の斜視図である。 図7は、実施形態3に係るエアゾール容器の液垂れ防止部材を示し、(A)は開状態の斜視図、(B)は閉状態の斜視図である。 図8は、実施形態4に係るエアゾール容器の液垂れ防止部材を示し、(A)は閉状態の斜視図、(B)は開状態の斜視図である。 図9は、実施形態5に係るエアゾール容器の液垂れ防止部材を示し、(A)は断面図、(B)は斜視図である。 図10は、実施形態6に係るエアゾール容器の液垂れ防止部材を示す。 図11は、実施形態7に係るエアゾール容器の液垂れ防止部材を示し、(A)はせき止め部の断面図、(B)は凹部の断面図、(C)は凹部の斜視図である。 図12は、実施形態8に係るエアゾール容器の液垂れ防止部材を示し、(A)は筒状部に吸収材を設ける構成の断面図、(B)は吸収材で筒状部を構成する断面図である。 図13は、実施形態9に係るエアゾール容器の液垂れ防止部材を示し、(A)は断面図、(B)は吸収材の構成を示す分解斜視図である。 図14は、実施形態11に係るエアゾール容器の液垂れ防止部材を示し、 (A)はせき止め部の断面図、(B)は凹部の断面図である。 図15は、実施形態11に係るエアゾール容器の液垂れ防止部材を示し、(A)は閉状態の斜視図、(B)は開状態の斜視図である。 図16は、実施形態12に係るエアゾール容器の液垂れ防止部材の筒状部の構成を示し、(A)は断面図、(B)は斜視図である。 図17は、実施形態13に係るエアゾール容器の液垂れ防止部材の筒状部の構成を示し、(A)は断面図、(B)は斜視図である。 図18は、本発明に係る吐出装置を搭載する飛行体を概念的に示すもので、吐出装置としてポンプとタンクを用いた場合である飛行体の全体構成図である。
以下に、本発明を図示の実施形態に基づいて詳細に説明する。
以下の実施形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状それらの相対配置などは、発明が適用される装置の構成や各種条件により適宜変更されるべきものであり、この発明の範囲を以下の実施の形態に限定する趣旨のものではない。
[実施形態1]
まず、図1(A)乃至(C)を参照して、全体構成を説明する。図1は本発明の実施形態1に係る飛行体の吐出装置を概念的に示すもので、図1(A)は吐出装置を搭載した飛行体全体の透視図、図1(B)は飛行体に搭載される吐出装置の断面図、図1(C)は、(B)をC方向から見た図である。
図1(A)において、100は飛行体を示している。飛行体100は、いわゆるマルチコプタ等の無人航空機であり、機体101は、機体胴部102と、機体胴部102から放射状に延びる4本の腕部103と、離着陸のための脚部107と、を備え、腕部103の先端に、それぞれモータ105を介して4つの回転翼104が設けられている。図示例では、回転翼104が4つのクアッドコプタを例示しているが、3つ(トライコプタ)、6
つ(ヘキサコプタ)等、公知の種々のマルチコプタが適用可能である。機体101のヨー軸は紙面上下方向、ロール軸は紙面左右方向、ピッチ軸は紙面の表裏方向であり、紙面上側の機体101の上方、紙面左側が機体101の前方である。
この飛行体100の機体101の外部、図示例では、機体胴部102の下面に、エアゾール容器を格納した吐出装置1が吐出装置支持部50を介して搭載されている。吐出装置1は長尺体で、長手方向をロール軸方向に向けて配置され、その前端部からノズル15が機体の前方に向けて突出している。
吐出装置1は、図1(B)に示すように、エアゾール容器10を有し、機体101に搭載された状態で、エアゾール容器10の内容物を吐出するものである。吐出される内容物は、液体だけでなく、液体中に、ガス、空気等の気体、粉体等が含まれるものでもよい。
エアゾール容器10は、スリーブ(収容部材)20に収容された状態で機体101に搭載される。スリーブ20には、エアゾール容器10から内容物を吐出させるための吐出駆動部30が内蔵されている。スリーブ20とエアゾール容器10は一体として交換可能であり、以下の説明において、スリーブ20にエアゾール容器10を収容した状態の組立体をエアゾール容器組立体40と呼ぶものとする。以下、各部の構成について説明する。
[エアゾール容器について]
エアゾール容器10は、内部に充填された圧縮ガスや液化ガスのガス圧によって、内容物を噴出する容器であり、既存の金属製のエアゾール容器が適用可能であるし、耐圧性を有するプラスチック製の容器を用いることもできる。エアゾール容器10には、吐出方向や吐出形態に応じて流路が形成された各種アクチュエータがステム12に装着される。図示例では、エアゾール容器10のステム12にアクチュエータ14を装着した例を示している。アクチュエータ14は、ストレートの吐出流路を備えた直線状の本体部14aと、本体部14aから軸直角方向に張り出すフランジ部14bと、を備えた構成となっている。このアクチュエータ14の本体部14aに連結チューブ16を介して、噴射孔15a(図1(C)参照)を備えたノズル15が接続されている。内容物を霧状に吐出するか、直線状の噴流として吐出するか、内容物の吐出形態、吐出方向に応じて、適宜選択される。
図示例では、エアゾール容器10を機体101の下面に水平に搭載して使用するので、封入される噴射剤と内容物の形態としては、原液が内袋に収容され、内袋外周と容器本体内周との間に噴射剤が収容された隔離型が用いられる。隔離型であれば、エアゾール容器の姿勢が、横向き(ステムの位置が横)、下向き(ステムの位置が下)であっても吐出可能である。エアゾール容器10の内容物としての液状物が吐出されるときは、液状物は、水滴状のほか、ゲル状、霧状(ミスト状)などの形態で吐出されることがある。
もっとも、隔離型に限定されるものではなく、吐出時のエアゾール容器10の姿勢が、ステム12が上向きで使用される場合には、ディップチューブを備えた二相系、三相系の容器、ステムが下向きで使用される場合には、ディップチューブを有さない二相系、三相系の容器を適用可能である。
なお、噴射剤としては、二酸化炭素(CO2)、窒素(N)、亜酸化窒素(NO)等の圧縮ガスが好適である。また、一般的な炭化水素(液化石油ガス)(LPG)、ジメチルエーテル(DME)、フッ化炭化水素(HFO−1234ZE)等の液化ガスも適用可能である。ただし、加熱を行うときの火災に対する安全性を考慮すると非引火性のフッ化炭化水素、二酸化炭素、窒素、亜酸化窒素等が好適であり、特に、環境負荷を考慮すると、窒素が好適である。
[スリーブ20の構成]
スリーブ20の材料としては、アルミ等の金属、プラスチック、または炭素繊維等の強
度の高い軽量の素材で構成される。また、硬質の材料に限らず、軟質の材料、たとえば、シリコーンゴムやウレタンフォーム等のゴム材料を使用することもでき、要するにエアゾール容器10を収容する収容部の形状を保持することができる各種素材を用いることができる。「スリーブ」の用語は、円筒状のエアゾール容器10が収容される筒状の部材の意味で使用している。
スリーブ20は、エアゾール容器10より大径の円筒状のスリーブ本体21と、スリーブ本体21の一方の端部を覆う第1端部カバー部22と、他方の端部に設けられる第2端部カバー部23とで構成されている。
第1端部カバー部22はスリーブ本体21に対してねじ部を介して着脱可能にねじ込み固定される構成で、第2端部カバー部23はスリーブ本体21に対して取り外し不能に固定されている。第2端部カバー部23とスリーブ本体21が一体であってもよい。
第1端部カバー部22は、ドーム状のカバー本体222と、スリーブ本体21のめねじ部にねじ込まれるねじ筒部223とを備えた構成となっている。カバー本体222は、空力特性を考慮して先端に向かって徐々に小径となるように縮径された、先端が丸みを帯びた円錐状、あるいはドーム状の曲面となっている。このように空力特性のよい形状とすることにより、水平方向の風(横風)の影響が小さくなり、飛行の安定化を図ることができる。
エアゾール容器10の底部側に位置する第2端部カバー部23には、吐出駆動部30が収納されている。この第2端部カバー部23は、一端がスリーブ本体21の後端部(エアゾール容器10の底部側の端部)に固定される筒状部231と、筒状部231の他端を閉塞する端板232とを備えた構成となっている。
[エアゾール容器10の支持構造]
スリーブ20の内径はエアゾール容器10の胴部11aの外径よりも大きい。本構成のスリーブ20において、エアゾール容器10は、容器保持部72と第1端部カバー部22によって、頭部と底部等の両端部を支持されて位置決めされている。図示したように、エアゾール容器10をスリーブ20の壁面から一定の距離をとって離間支持すると、離間スペースに断熱材や蓄熱材を介装することができる。ただし、エアゾール容器10の胴部11aをスリーブ20の内壁と離間させないで支持するようにしてもよい。
なお、図1(B)に示すように、スリーブ20の内壁に、エアゾール容器10を、容器の軸方向と交差する方向から支持する複数の径方向支持部21aを設けてもよい。径方向支持部21aは、エアゾール容器10を、スリーブ20に対して、軸方向の移動は許容し、直交方向の移動は阻止するように支持している。個々の径方向支持部21aについては、エアゾール容器10の胴部11aに対して周方向複数個所に部分接触するような支持構造としてもよいし、環状壁で全周を支持するような構成でもよい。
なお、スリーブ20は密閉構造ではなく、一部が通気する構造でもよい。例えば、網目構造、パンチングなどの構造を適用可能である。このようにすれば、エアゾール吐出時の自己冷却を外気で緩和させること、スリーブ20の軽量化を図れること等の効果がある。
エアゾール容器10の底部11bは、第2端部カバー部23側に配置された容器保持部72に支持され、エアゾール容器10の頭部側は、第1端部カバー部22に設けられた押圧部材221によって支持されている。
押圧部材221は、第1端部カバー部22の頂部からエアゾール容器10の中心軸方向にステム12に向かって突出する筒状体221aと、筒状体221aの一端に設けられ第1端部カバー部22に固定される端部フランジ部221bと備えている。押圧部材221の筒状体221aの内周には、アクチュエータ14とノズル15を連結する連結チューブ16が軸方向に摺動自在に挿入され、筒状体221aの先端面が、アクチュエータ14の
フランジ部14bに当接あるいは近接している。この押圧部材221は、第2端部カバー部23と一体成形してもよい。
次に、図1(D)乃至(F)を参照して、吐出駆動部30について説明する。
吐出駆動部30は、第2端部カバー部23内において、エアゾール容器10の底部11bよりも第2端部カバー部23寄りに配置されている。吐出駆動部30は、第2端部カバー部23に対して固定されており、エアゾール容器10を軸方向に沿って移動させ、エアゾール容器10の内容物の吐出、停止を制御する。
吐出駆動部30は、エアゾール容器10を底部11b側から軸方向に押すことによって、エアゾール容器10を軸方向頭部側に移動させる。エアゾール容器10の移動によって、アクチュエータ14が押圧部材221の筒状体221aに押し付けられ、その反力で、ステム12がエアゾール容器10内に押し込まれ、エアゾール容器10内のバルブ機構が開弁するようになっている。バルブ機構が開弁すると、ガス圧によって内容物が自動的に吐出される。
吐出駆動部30は、回転駆動源であるモータ31と、このモータ31の回転を、容器保持部72の直線運動に変換するカム機構32と、を有している。モータ31とカム機構32は、第2端部カバー部23に固定されたフレーム301に組付けられている。カム機構32は、モータ31によって回転駆動されるカム32aと、カム32aのカム面に沿って移動するカムフォロワ32bが設けられている。カム32aの回転は、カムフォロワ32bを介して従動側の容器保持部72に伝達され、エアゾール容器10の容器中心軸N方向に直線方向に移動させる。図示例のカム32aは卵形の円板カムであり、カム軸はエアゾール容器10の中心軸に対して直交している。この構成により、カム32aの回転が、エアゾール容器10の直線運動に変換される。カム32aは円板カムなので、カム32aにカムフォロワ32bを常時当接させるためのスプリング等の付勢手段が適宜設けられる。
カム32aは、通常は、最小径部分がカムフォロワ32bに当接していて、容器保持部72が後退限位置にあり、エアゾール容器10のバルブ機構が閉弁状態で保持されている(図1(D))。モータ31によってカム32aを回転させることで、容器保持部72が軸方向に前進する。すなわち、後退限位置でカムフォロワ32bが当接するカム32aの接触位置は、回転中心からの径が小さく、前進限位置でカムフォロワ32bが当接するカム32aの接触位置は、回転中心から径が大きく設定されている。図示例では、カム32aの最大径部ではなく、最小径部から最大径部への移行部分で開弁するようになっているが、最大径部で開弁するように構成してもよい。
[バルブの構成]
図2(B)には、上記吐出駆動部30によって開弁されるエアゾール容器10のバルブ機構13の一例を示している。
すなわち、ステム12には、先端開口部から軸方向に所定寸法延びる吐出流路12aが設けられ、ステム12の側面に弁孔となるステム孔12bが開口しており、このステム孔12bがマウンティングカップ11dの挿通孔の孔縁に装着されたガスケット13aの内周面によって封止されている。
通常は、ガス圧とスプリング13bの付勢力でステム12が突出方向に付勢され、弁体となるガスケット13aの内周縁を軸方向に押圧することで、ガスケット13aの内周面が弁座を構成するステム孔12bの孔縁に密接して閉弁状態に維持されている。
上記した吐出駆動部30のカム機構32によって、容器保持部72が前進限に移動すると、エアゾール容器10が第1端部カバー部22側に移動し、アクチュエータ14のフラ
ンジ部14bが押圧部材221の端面に当接し、その反力によってステム12が相対的に容器内方に向かって押し込まれる。ステム12が押し込まれると、ガスケット13aの内周縁が容器の内方に向けて撓み、ガスケット13aの内周面がステム孔12bの孔縁から離れて開弁し、ガス圧で押された内容物がステム12の吐出流路12aから吐出される。
図示例のバルブ機構13は一例であり、このような構成に限定されるものではなく、通常は閉弁状態を維持し、ステム12を押し込むことによって開弁する種々の構成を適用することができる。
この例では、カム機構32によってモータ31の回転運動を直線運動に変換するようになっているが、カム機構32に限定されるものではなく、たとえば、ねじ送り機構や、ラックアンドピニオン等、モータ31の回転運動を直線運動に変換する機構であれば適用可能である。また、回転モータではなく、直線駆動用のリニアモータや、電磁ソレノイド等の直線駆動源を用い、運動変換機構を用いることなく、エアゾール容器10を軸方向に移動させる構成とすることもできる。
また、ノズル15は、後述するように各種の液垂れ防止部材700を備えているか、ノズル15自身が液垂れ防止部材700として機能する。また、ノズルのうち、液垂れ防止機能を発揮するために特に重要な、吐出方向において吐出口より前方にある部材を、液垂れ防止部材700だと考えても良い。蓋体の開閉機構を備える液垂れ防止部材700等のように、液垂れ防止効果を発揮するために電気制御が必要な場合、液垂れ防止部材700は電源と電気配線で接続される。また、電源を液垂れ防止部材700に配置してもよい。液垂れ防止部材700は、吐出装置に着脱可能に構成される。
[容器保持部72]
図1(D)〜(F)を用いて、容器保持部72について説明する。
容器保持部72は、エアゾール容器10の底部11bに当接する円板部72aと、円板部72aの外径端部からエアゾール容器10の胴部11aの底部側の端部を保持する環状凸部72bと、円板部72aのモータ側の面の中央部に設けられる連結軸部72cとを備えている。環状凸部72bには、容器胴部との摩擦力を高める滑り止め材73が装着されている。
[吐出駆動部の構成例]
図1に示した吐出駆動部30は一例であって、吐出駆動部30の構成として他にも、図3に示す方式を適用することができる。図3において、スリーブ20については、簡略化して四角で示している。
図3(A)は、スリーブ20に対してエアゾール容器10のアクチュエータ14側を固定し、エアゾール容器10の底部11bに当接する当接部材30Bを駆動部30Aによって押し上げる構成である。図1の吐出駆動部30は、この方式の一例である。この方式は、ステム12に装着されるアクチュエータ14側は固定されているため、吐出位置精度が高くなる。また、様々な径のエアゾール容器10に対応できる。
図3(B)は、スリーブ20に対してエアゾール容器10を固定し、吐出駆動部30でアクチュエータ14を介してステム12を押し下げる構成である。すなわち、吐出駆動部30は、アクチュエータ14に当接する当接部材30Bを駆動部30Aにて押し下げる方向に駆動する。このようにすれば、機械機構をエアゾール容器10の片側に集中できるので、コンパクトで交換しやすい構造となる。また、様々な高さのエアゾール容器10に対応できる。
なお、図3(A)、(B)の駆動部30Aの構成は、直線方向に駆動する機構であればよく、回転モータの回転運動を直線方向に変換するカムやねじ送り機構等の運動変換機構
を用いることができるし、回転モータではなく、直線駆動用のリニアモータや、電磁ソレノイド等を用いることができる。
図3(C)は、エアゾール容器10の内部のバルブではなく、外部弁30Cによって制御するようにしたものである。図では、外部弁30Cを概念的に記載したもので、電磁弁等によって開閉駆動する構成とすることができる。外部弁30Cを用いた場合、管路30Dにエアゾール容器10のステム12を接続するだけなので、エアゾール容器10の取付けが容易で、開閉制御も容易となる。既存のエアゾール容器10を使用する場合には、たとえば、エアゾール容器10を組み付ける際に、ステム12を押し込んで内部のバルブを常時開の状態に保持するように構成する。
[電気設備]
次に、図1(A)に戻って、吐出駆動部30を駆動するための電気設備について説明する。図1(A)には、飛行体に搭載される電気設備について、概念的に記載している。
吐出駆動部30を制御する制御装置である吐出装置制御部210は、飛行体100の飛行を制御する飛行制御部110とは別に設けられており、飛行制御部110と共に、機体101側に設けられている。また、吐出駆動部30を駆動するための吐出装置用電源211が、飛行体100を駆動するための電源(飛行制御部110に組み込まれているものとし、図示せず)とは別に設けられ、機体101側に搭載されている。
また、吐出装置1を遠隔操作するためのアンテナを含む吐出装置用通信部212が、飛行体100を遠隔操作するためのアンテナを含む飛行用通信部112とは別に設けられ、機体101に搭載されている。
吐出装置制御部210、吐出装置用通信部212及び吐出装置用電源211は、飛行制御部110、飛行用通信部112及び飛行用電源の一部、あるいは全てに、その役割を持たせてもよい。図2(C)は、飛行制御部110に配置されている電源を共用する例である。
なお、液垂れ防止部材700を動作させるために制御部、電源部および通信部が必要な場合、吐出装置制御部210、吐出装置用電源211および吐出装置用通信部212は、その制御部、電源部および通信部を兼ねていても良い。
[機体との支持構造]
吐出装置1を機体101に支持する吐出装置支持部50は、たとえば、スライドレールとT形溝のスライド式の嵌合構造、バヨネット結合のような回転方向に掛け外しが可能な構成としてもよいし、ねじ止め、クリップ結合、クランプ等、取り外しと取り付けを容易化した種々の支持手段を適用可能であり、吐出装置支持部50にジンバル等の方向変更装置を備えていてもよい。
また、吐出装置支持部50には、機体101側に配置された吐出装置制御部210及び吐出装置用電源211と、吐出駆動部30のモータ31を電気的に接続する電気接点を設けてもよいし、スリーブ20から機体101に配置されたコネクタにケーブルなどで直接接続してもよい。他にも、スリーブ20内に二次電池などの電源および無線通信機を有し、機体101側に配置された飛行制御部110からの電気信号を無線通信により、スリーブ20内の吐出装置制御部210と送受信してもよい。
次に、本発明の飛行体の吐出装置の作用について説明する。
[交換作業]
予め、図1(B)に示すような、スリーブ20内にエアゾール容器10を収容した交換用のエアゾール容器組立体40を準備しておく。交換時は、吐出装置支持部50からエアゾール容器組立体40を外し、新たなエアゾール容器組立体40を装着する。吐出装置支持部50を、たとえば、工具を使用することなく手動操作で容易に着脱できる構成としておくことにより、交換が容易になる。交換後のエアゾール容器組立体40は、スリーブ2
0からエアゾール容器10を取り出し、ガス及び内容物を完全に放出させて廃棄する。スリーブ20は繰り返し利用することができる。また、この実施形態では、スリーブ20を機体101に固定したまま、エアゾール容器10のみを交換することもできる。
[撒布作業]
次に、散布作業について、図4を参照して説明する。図4(A)は、吐出装置を搭載した飛行体の操縦端末と操作端末の遠隔操作例を示す説明図、(B)は簡単な制御ブロック図である。
撒布作業は、たとえば図4(A)に示すように、飛行体100の飛行は操縦端末120により遠隔操作され、吐出装置1は、操作端末160により遠隔操作される。操作端末160は飛行体100に搭載されたカメラ106のコントローラとしても使用される。操作端末160には、たとえば、吐出ボタン163、停止ボタン164及びディスプレイ167が設けられる。
操作者が吐出ボタン163を押すと、吐出操作が行われる。このとき、吐出指令信号が送信され、飛行体100に搭載された吐出装置用通信部212に受信され、内容物を吐出する。すなわち、ディスプレイ167上の画像を見ながら、吐出ボタン163を押すと、吐出指令信号が送信され、飛行体100に搭載された吐出装置用通信部212に受信され、吐出装置制御部210により吐出駆動部30が駆動し、エアゾール容器10のステム12が押し込まれて内容物が吐出される。停止ボタン164を押すと、停止指令信号が送信され、吐出駆動部30によってステム12の押し込みが開放されて吐出が停止する。
ここで、吐出時には液垂れ防止部材700の制御が必要になる場合、例えば開閉式の蓋体を備え、吐出時には蓋を開けている必要があれば、吐出開始前に手動であるいは自動で蓋を開ける制御を行う。
[液垂れ防止部材の構成例]
図5(A)は液垂れ防止部材700が閉状態の様子を、図5(B)は開状態の様子を示す。本実施形態の液垂れ防止部材700は、概略、装着時に連結チューブ16との接続を維持する装着部710、開閉可能な蓋体720、蓋体を開閉させるための防止部材駆動部730(駆動部)を備える。
図中ハッチングで示される装着部710は、連結チューブ16と互いに嵌め合うための構成として、内側嵌合部711と外側嵌合部712を備える。内側嵌合部711は、長手方向が嵌合時にチューブ内に挿入されるように突出する短筒状の部材である。内側嵌合部711の外周径は連結チューブ16の内周径より小さい。また、内側嵌合部711の突出先端の付近には、圧接部711cが設けられている。圧接部711cの外周径は連結チューブ16の内周径より大きいため、弾性のある内側嵌合部711が連結チューブ内に挿入されると、圧接部711cが内側から連結チューブ16に圧力を加えることになるので、連結チューブ16と内側嵌合部711の摩擦が増大して接続が維持される。
外側嵌合部712は、その内側に連結チューブ16が挿入されるような、連結チューブ16の外周径よりも大きい内周径を有する短筒状の部材である。
装着部710の端面713には、外部に向けて突出した先端部714が設けられている。先端部714の内部に液状物の通過孔715を設けることにより、単純に端面713に吐出口としての穴を設けた場合と比べて、先端部714を交換するだけで吐出口の形状を変更可能となり、汎用性を高くすることができる。
この構成により、連結チューブ16の内部空間16a、装着部710の内部空間711a、および通過孔715からなる液状物の通過領域が形成され、通過孔715の先端に吐
出口が配置される。
本構成の液垂れ防止部材700であれば、既存の連結チューブ16を変更すること無く装着できるとともに、ノズル15としての吐出性能を維持することができる。なお、装着部の構成はこれに限定されず、例えば外側嵌合部712が連結チューブ16と当接し摩擦により固定される方式でも良いし、外側嵌合部712と内側嵌合部711の両方に連結チューブ16が当接する構成でも良い。また、連結チューブ16の先端部161を装着部710の基部の内壁716と当接させて位置決めしても良い。
蓋体720は、蓋体接続部722によって装着部710と接続される平板状の蓋体本体721を備える。蓋体本体721は、少なくとも先端部161を覆う程度の面積を有する。蓋体接続部722はヒンジ構造を有し、蓋体本体721を回動可能に支持する。蓋体本体721のうち、閉状態で先端部714と対向する位置には、図5(B)に示すように、閉状態でも先端部714と蓋体本体721が干渉(接触)しないサイズの蓋体凹部723が設けられている。
蓋体本体721は、直動接続部材731を介して、防止部材駆動部730(駆動部)の直動部732と接続されている。直動接続部材731の両端はヒンジとして構成されている。
本実施形態の防止部材駆動部730は、ソレノイドアクチュエータである。防止部材駆動部730の基部733には、吐出装置制御部210の指令に従い、図中で左右に移動可能な、直動部732が配置されている。なお、駆動部はソレノイドアクチュエータに限定されず、例えば、電場応答性高分子アクチュエータや、誘電エラストマーなどの人工筋肉アクチュエータや、電動モータを併用するラックアンドピニオン機構、ウォームラック機構、スライドカム機構を用いてもよく、蓋体本体721を開閉できる開閉機構であれば良い。
図示例では、蓋体本体721を装着部710に接続するための蓋体接続部722のヒンジは、機体が飛行状態にあるときに、吐出口よりも垂直方向に置いて上方に来るように設けられる。この配置であれば、飛行中に駆動部が故障して開閉機構が動作しなくなった場合でも、重力によって蓋体本体721が吐出口を覆った状態となるため、機体が帰還するまでの間の液垂れを防止できる。
本構成の防止部材駆動部730(蓋体駆動部)を用いれば、吐出を行わない間はノズルを閉状態とし、吐出を行う間だけ開状態とし、吐出が終了したらまた閉状態とすることができるので、ノズル先端からの液垂れを防止可能である。
蓋体を開閉するためのトリガーは、操作者による直接的な指示であっても良い。その場合、操作端末160に、吐出ボタン163や停止ボタン164とは別に、蓋体の開ボタンと閉ボタンを設けると良い。あるいは、通常はノズルを閉状態としておき、吐出ボタン163が押されるのと連動して吐出装置制御部210がソレノイドアクチュエータを駆動し、ノズルを開状態にしても良い。このように、吐出動作と蓋体の開動作と閉動作を連動させることで、吐出と液垂れ防止を両立することができる。
なお、蓋体を動力により開閉する機構を有さない構成であっても、液状物が吐出されるときの圧力により蓋体を開閉することもできる。この場合、開閉機構の構成を単純化できる。
<変形例>
上記実施形態はエアゾール容器を液体物の容器として構成し、吐出装置をエアゾールの吐出装置としていたが、本発明における吐出装置はエアゾールの吐出装置に限定されない。
図18は、液体のタンク180、液体をノズルへ圧送するポンプ182、ポンプからノ
ズルへの液体の流通経路である配管としての連結チューブ16、吐出口としてのノズル15を含む吐出装置を有する、無人航空機の例である。タンク180は、吐出する液体を保持している。撒布作業動作が開始すると、ポンプ182が運転されることによって液体が圧送される。液体は、連結チューブ184を通り、ノズル15から撒布される。前述の液だれ防止部材がノズル15に備えられることによって、吐出装置の液だれを防止する。
次に、本発明の吐出装置の他の実施形態について説明する。以下の説明では上記実施形態と異なる部分についてのみ説明するものとし、同一の構成部分については、同一の符号を付して説明は省略するものとする。
[実施形態2]
図6(A)〜(C)を用いて実施形態2の液垂れ防止部材700について説明する。本実施形態の液垂れ防止部材も蓋体720を備えているが、蓋体の開閉機構が異なる。すなわち本実施形態は、蓋体720が、吐出物が吐出される方向と交差する方向において位置を変える方式である。
図6(A)に示すように、装着部710および液状物の通路の構成は実施形態1と同じである。本実施形態では、筒状部740を備え、その端部に蓋体720が設けられている。筒状部740の長さは図示例に限定されず、少なくとも開閉動作時に蓋体本体721が先端部714に接触しない程度の長さがあれば良い。筒状部740の存在により、先端部714と蓋体本体721の接触を防止できる。筒状部740ついては後に詳述する。
本実施形態の蓋体本体721は略円形をしており、円周近くの接続部736において、駆動軸734に回転可能に取り付けられている。また、本実施形態の防止部材駆動部730は、駆動軸734を回転運動させるモータ735であり、回転運動に伴って蓋体本体721が、図6(B)と(C)に示すように回転動作する。これにより、ノズルの状態が、(B)の開状態と(C)の閉状態の間で切り替わる。吐出装置制御部210は、防止部材駆動部730のモータ735の回転の開始および停止と、回転角度を制御することにより、開状態と閉状態を切り替える。すなわち本実施形態によれば、比較的単純な構成と制御によりノズルの吐出口の開閉制御を行い、非吐出時の液垂れを防止することができる。
なお、蓋体720が回転移動するのではなく、吐出方向と交差する方向においてスライドする直線移動の方式であっても、吐出口の開閉制御が可能である。
[実施形態3]
本実施形態も、蓋体720が、吐出方向と交差する方向において位置を変える方式である。実施形態2では蓋体720を回転またはスライドさせていたが、本実施形態では蓋体720として絞り機構を用いる。
図7(A)と(B)を用いて実施形態3の液垂れ防止部材700について説明する。蓋体720は、筒状部740の端部に設けられた絞り機構である。絞り機構は、複数枚の絞り羽根724と、カムなどを有し絞り羽根724が収容される絞りユニット725を備えている。絞り機構としては、カメラに用いられるものと類似の機構を利用できる。
本実施形態の構成によっても、吐出口からの液垂れを防止することができる。
[実施形態4]
図8(A)と(B)を用いて実施形態4の液垂れ防止部材700について説明する。本実施形態の液垂れ防止部材は、蓋体720と筒状部740をともに備える構成である。筒状部740は、吐出口からの吐出方向における所定の範囲の空間を覆う部材であり、吐出方向の前方に筒状部空間740aを形成する。筒状部740が存在することにより、蓋体本体721が開状態であってもある程度の液垂れ防止効果が得られる。また、蓋体本体721を閉状態とすることで、液垂れ防止効果がさらに向上する。筒状部については後に詳
述する。
図8では蓋体の開閉機構としてソレノイドアクチュエータを用いているが、これに限定されず、任意の方法を採用できる。
[実施形態5]
図9(A)の断面図および(B)の斜視図に示す吐出装置は、ノズルからの液状物の吐出方向の前方に突出している突出面を有する、突出部738を備えている。突出部738は、飛行体が飛行状態にあるときに吐出口よりも下方に来る部分を有する。これにより、突出部738が液垂れを起こした液状物を受け取る受け取り部として機能する。なお、突出部738は装着部710と一体に設けられてもよいし、装着部710とは別に設けられて組み合わせて用いられても良い。
図9の例では、突出部738の突出面には、吐出方向における先端部から垂直に、壁状部737が設けられている。そのため、液垂れを起こした液状物の量が多い場合でも、突出部が液状物の貯留部として機能し、該液状物を外部に漏出させる可能性が低くなる。ただし、壁状部737がない場合でも、突出部738の存在により、受け取り部として機能するため、ある程度の液垂れ防止性能を得ることができる。
本実施形態によれば、蓋体を開閉するための機構が不要になるため、故障の可能性を低くしつつ液垂れ防止効果を得ることができる。ただし、本形態の液垂れ防止部材700においても、吐出方向における吐出口の前方空間735aを覆う蓋体を設けて、蓋体と突出部の間に閉空間を形成し、漏出の防止効果を高めてもよい。蓋体の開閉機構としては、他の実施形態に記載の機構など任意のものを利用できる。
[実施形態6]
図10の吐出装置は、ノズルの周囲から、液状物の吐出方向の前方に突出している筒状部740を備えている。筒状部740は、装着部710と一体で構成される、または、装着部710に取り付けられる筒状の部材である。筒状部740を設けることにより、液垂れが発生した場合にも機体の外部まで液滴が落ちにくくなるという効果が得られる。筒状部740は、液状物の受け取り部として機能する。
なお、本実施形態および他の実施形態では「筒状部」という名称を用いているが、形状は厳密な円筒形に限定されない。例えば断面が扁平な楕円形であっても良い。また、平面状の底面、上面および側面を持ち、それらを平面または曲面で連結した形状でも良い。また、筒状部は突出部の一種だと考えても良い。
[実施形態7]
図11(A)〜(C)を用いて実施形態7の液垂れ防止部材700について説明する。本実施形態の液垂れ防止部材は、実施形態6と同様に筒状部740を備えており、さらに、筒状部740に液垂れを起こしたときのための液溜まり部(貯留部)が設けられている。
図11(A)の断面図は、液溜まり部として、筒状部740にせき止め部810を設けた様子を示す。せき止め部810は、筒状部740の底部(飛行状態にあるときに下方に来る部位)に設けられた壁状の部分であり、液垂れした液量が筒状部740の先端部から漏出することを防止する。
図11(B)の断面図と(C)の斜視図は、液溜まり部として、筒状部740に凹部820を設けた様子を示す。凹部820は、筒状部740の底部(飛行状態にあるときに下方に来る部位)に設けられた溝状の部分であり、液垂れした液量を貯める機能を有する。図示例では、複数の凹部820が、吐出方向と交差(直交)する方向に並ぶように設けられている。
このように、筒状部740に加えて、せき止め部810や凹部820を設けることにより、液垂れを起こした液状物が外部に溢れることを効果的に防止できる。なお、せき止め部810の数や位置、凹部820の数や位置については図示例に限定されない。また、液状物の液溜まり部(貯留部)として、袋状部材を用いることもできる。その場合、液状物の受け取り部としての突出面から連続的に袋状部材を設けることにより、スムーズに液状物を導くことができる。
[実施形態8]
図12(A)と(B)を用いて実施形態8の液垂れ防止部材700について説明する。本実施形態の液垂れ防止部材は、液状物の固体化部としての吸収材800を備えている。
図12(A)の吐出装置は、吐出方向の前方に筒状部740を備えており、さらに筒状部740の内周面には吸収材800が設けられている。なお、少なくとも筒状部の底面に吸収材800を設ければ、液垂れした液状物を吸収する効果が発揮できる。吸収材800の配置方法としては、接着剤等による貼付、バンド等による固定、嵌め込み固定など任意の方法を採用できる。吸収材800を直接筒状部に設置してもよいが、吸収材の持ち運び及び設置を容易にするための治具を用いてもよい。
吸収材800としては、吐出物を効果的に吸収できる材質を用いる。例えば吐出される液状物が水を主成分としたものであれば、高吸水ポリマーなどの高分子吸収材を用いると良い。
図12(B)の吐出装置は、吸収材800によって筒状部740が構成されている。吸収材800を筒状に成形するために、樹脂や金属製の枠体を使用することが好ましい。また、フェルトや珪藻土、素焼きの陶器(セラミック)等の、ある程度の剛性を持ち、かつ液状物を吸収可能な材質を用いて吸収材800を構成しても良い。
ここでは吸収材を筒状に成形したが、少なくとも吐出口よりも下方に突出部を設ける構成でも良い。
本実施形態によれば、固体化部としての吸収材800が、吐出口から液垂れした液状物を固定化するので、液垂れ防止効果が向上する。
[実施形態9]
図13(A)と(B)を用いて実施形態9の液垂れ防止部材700について説明する。本実施形態の液垂れ防止部材も、液状物の固形化部としての吸収材800を備えている。
図13(A)の吐出装置は、吐出方向の前方に筒状部740を備えており、さらに筒状部740の内周面には吸収材800が設けられている。そして、吸収材800のさらに内側には、液状物を透過させるステンレスメッシュ製の透過部801が設けられている。かかる構成は、例えば図13(B)に示すように、筒状部740の内周面に吸収材800を装着し、さらにその内周面に透過部801を装着することで実現できる。
この構成によれば、液垂れした液状物は、透過部801を透過して吸収材800に吸収されて固定化するため、外部に漏れ出すことが無い。さらに、吸収材800が、高分子ポリマー等の水分を吸収する材質からできている場合、透過部801が、水分を吸って膨張した吸収材の膨張を抑制する部材としても機能するため、膨張した吸収材が吐出口を塞ぐことが無く、本来の吐出性能が落ちること無く利用を続けることができる。
[実施形態10]
ここで、固体化部としては、吸収材800以外にも、液状物を加熱して蒸発させる加熱部や、冷却して固体化する冷却部を用いることもできる。このような固体化部として、加
熱及び冷却の両方の制御が可能なペルチェ素子が好適である。また、加熱のみを行うのであれば、ニクロム線ヒータ等の電熱部材を利用することもできる。また、携帯カイロなどの発熱ユニットや、冷却ジェルなどの冷却ユニットを、突出部あるいは筒状部にバンド等で固定することによっても、加熱または冷却による固体化を実行できる。なお、蓋体を設ける場合、吸収材の場合と同じく、加熱や冷却を行う固体化部についても、蓋体の内側の、吐出口と対向する位置に設けることもできる。
[実施形態11]
上記の各実施形態では、蓋体を用いる方法、液溜まり部を設ける方法、吸収材を設ける方法など、液垂れ防止のための様々な方法を述べた。これらの方法は、矛盾を生じない限りにおいて、互いに任意に組み合わせて利用できる。
例えば図14(A)は、開閉可能な蓋体本体721を有し、かつ、筒状部740の先端にせき止め部810を設けた構成である。また図14(B)は、開閉可能な蓋体本体721を有し、かつ、筒状部740に、吐出方向と交差する方向に配置された複数の溝状の凹部820を設けた構成である。
また、図15(A)と(B)は、開閉可能な蓋体本体721を有し、かつ、筒状部740の内周面に吸収材800を設けた構成である。(A)は閉状態、(B)は開状態を示す。
このように、複数の方式を組み合わせることにより、液垂れ防止部材700の効果を高めることができる。例えば、蓋体を設ける構成において、蓋体が閉状態のときに吐出口と対向する蓋体の一部分に、液状物を吸収する吸収材が設けることも好ましい。
[実施形態12]
本実施形態では、液垂れ防止部材700の構成方法の一例について説明する。本実施形態では、筒状部740が液垂れ防止部材700であるものとする。この筒状部740は、係合部であるネジ部材を介して装着部710から取り外し可能である。すなわち、図16(A)に示すように、筒状部740の一端部に設けられた開口の内面に切られたネジ溝744が、装着部710の端部に設けられたネジ溝718にガイドされることにより、筒状部740が装着部710にねじ込まれることで、液垂れ防止部材700が構成される。両部材に設けられたネジ溝を合わせて、ネジ部だと考えることもできる。
ここで、筒状部740の外周面には、図16(B)に示すように滑り止め部745を設けることが好ましい。本実施形態で筒状部740を装着部710に組み込む際には、該筒状部740を長手方向を軸として回転運動させるため、その運動方向と直交する方向、すなわち長手方向に延びる複数の滑り止め部を設けている。
本実施形態によれば、筒状部740の交換が容易にできるため、メンテナンス性の向上に効果がある。
[実施形態13]
本実施形態では、液垂れ防止部材700の構成方法の別の一例について説明する。本実施形態における液垂れ防止部材である筒状部740も、装着部710から取り外し可能である。すなわち、図17(A)に示すように、筒状部740の一端部に設けられた係合部としての挿入部746が、装着部710の端部に設けられた挿入受け部719に嵌め込まれることにより、液垂れ防止部材700が構成される。挿入部746と挿入受け部719を合わせて、嵌合部だと考えることもできる。
ここで、筒状部740の外周面には、図17(B)に示すように滑り止め部745を設けることが好ましい。本実施形態で筒状部740を装着部710に組み込む際には、該筒状部740の長手方向への力が働くため、その力の方向と直交する方向、すなわち、筒状部の円周方向に複数の滑り止め部を設けている。本実施形態によれば、筒状部740の交
換が容易にできるため、メンテナンス性の向上に効果がある。
上記各実施形態の液垂れ防止部材は、互いに矛盾を生じない範囲で、任意に組み合わせて利用できる。例えば、筒状部または突出部の有無、吸収材の有無、凹部やせき止め部などの有無などを任意に組み合わせて、液垂れ防止効果を向上させることができる。
上記各実施形態では、液体物噴出装置が搭載される飛行体としてマルチコプタを使用する例について説明したが、本発明の移動体の吐出装置は、ヘリコプターにも適用できるし、回転翼(ロータ)を用いる飛行体だけではなく、固定翼機、飛行船、滑空機等の無人航空機に適用することができるし、無人に限らず有人航空機にも適用可能である。また、飛行体に限らず、軌道上を走行する車両、路面を走行するような車両等、無人あるいは有人の各種移動体に広く適用することができる。
1:吐出装置、10:エアゾール容器、11a:胴部、11b:底部、11d:マウンティングカップ、12:ステム、12a:吐出流路、12b:ステム孔、13:バルブ機構、13a:ガスケット、13b:スプリング、14:アクチュエータ、14a:本体部、14b:フランジ部、15:ノズル、15a:噴射孔、16:連結チューブ、16a:内部空間
20:スリーブ、21:スリーブ本体、21a:径方向支持部、22:端部カバー部、221:押圧部材、221a:筒状体、221b:端部フランジ部、222:カバー本体、23:端部カバー部、223:筒部、231:筒状部、232:端板
30:吐出駆動部、30A:駆動部、30B:当接部材、30C:外部弁、30D:管路、31:モータ、32:カム機構、32a:カム、32b:カムフォロワ、
40:エアゾール容器組立体、50:吐出装置支持部、72:容器保持部、72a:円板部、72b:環状凸部、72c:連結軸部、73:滑り止め材
100:飛行体、101:機体、102:機体胴部、103:腕部、104:回転翼、105:モータ、106:カメラ、107:脚部、110:飛行制御部、112:飛行用通信部
120:操縦端末、160:操作端末、161:先端部、163:吐出ボタン、164:停止ボタン、167:ディスプレイ
180:タンク、182:ポンプ
210:吐出装置制御部、211:吐出装置用電源、212:吐出装置用通信部、301:フレーム
700:防止部材、710:装着部、711:内側嵌合部、711:装着部、711:内側嵌合部、711a:内部空間、711c:圧接部、712:外側嵌合部、713:端面、714:先端部、715:通過孔、716:内壁、718:ネジ溝、719:挿入受け部
720:蓋体、722:蓋体接続部、723:蓋体凹部、724:羽根、725:ユニット
730:防止部材駆動部、731:直動接続部材、732:直動部、733:基部、734:駆動軸、735:モータ
735:突出部、735a:前方空間、736:接続部、737:壁状部、740:筒状部、740a:筒状部空間、744:ネジ溝、745:滑り止め部、746:挿入部
800:吸収材、801:透過部、810:せき止め部、820:凹部
本発明は、飛行体の吐出装置および液垂れ防止部材に関し、特に、無人飛行体等の移動体に搭載された吐出装置からの液垂れを防止する技術に関する。
従来からこの種の無人飛行体(移動体)の吐出装置として、たとえば、特許文献1に記載のような蜂の駆除装置が知られている。すなわち、この蜂の駆除装置は、機体内部に、薬剤を蜂の巣に供給する薬剤供給部を備え、この薬剤供給部に、吐出装置として噴射用器具が装着されている。
特開2017−104063号公報
ここで、吐出装置から液状物を吐出すると、吐出物の一部が吐出装置のノズルに付着する。付着物の量が増大すると、液状物が水滴になり液垂れを起こす可能性がある。このような液垂は、周囲環境への影響などの観点から好ましくない。
本発明の目的は、飛行体に搭載される吐出装置からの液垂れを防止するための技術を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明は、
機体に搭載されるノズルから液状物を吐出する飛行体の吐出装置であって、
前記吐出口からの吐出方向の前方に設けられた、前記吐出口から垂れた前記液状物を受け取るための受け取り部を備える、飛行体の吐出装置である。
これにより、溢れた液状物を受け取って外部に漏らさないようにできる。
この吐出装置は、次のように構成することができる。
1.前記受け取り部は、前記液状物を貯留する貯留部を有する。
これにより、ある程度の量の液状物が溢れた場合でも対応可能となる。
2.前記貯留部は、前記吐出口から見て吐出方向の前方に設けられた袋状部材である。
これにより、液状物を効率的に貯留することができる。
3.前記受け取り部は、前記飛行体が飛行状態にあるときに前記吐出口よりも垂直方向において下方に、かつ、前記吐出口から見て吐出方向の前方に突出する突出面を有している。
これにより、飛行中に発生した液垂れに対応して液体をこぼさないようにできる。
4,前記突出面には、前記液状物を吸収する吸収材が設けられている。
5.前記突出面には、前記液状物の漏出を防ぐためのせき止め部が設けられている。
6.前記突出面には、前記液状物を貯留する凹部が設けられている。
7.前記凹部は、前記吐出口から見て吐出方向の前方に複数設けられている。
このように、様々な構造を液垂れ防止に利用できるので、適宜選択して設計の自由度を高めることができる。
8.前記突出面は、前記吐出口の周囲から突出する筒状部の底部である。
9.前記吐出装置は、前記機体に搭載されるエアゾール容器またはタンクに収容された液状物を吐出するものである。
上記目的を達成するために、本発明は、
機体に搭載されるノズルから液状物を吐出する飛行体の吐出装置に着脱可能な液垂れ防止部材である。
これにより、液垂れ防止部材の交換等が容易になる。
この液垂れ防止部材は、次のように構成することができる。
1.前記液垂れ防止部材を、前記飛行体の吐出装置に装着するための係合部を備える。
2.前記係合部は、前記液垂れ防止部材に設けられたネジ部であり、前記飛行体の吐出装置に設けられたネジ部と係合する。
3.前記係合部は、前記液垂れ防止部材と前記飛行体の吐出装置を互いに嵌め合うことで係合させる嵌合部である。
これらの構成により、液垂れ防止部材のメンテナンス性が向上する。
4.前記液だれ防止部材は外周面に滑り止め部を有する。
これにより、液垂れ防止部材の交換が容易になる。
5.前記吐出装置は、前記機体に搭載されるエアゾール容器またはタンクに収容された液状物を吐出するものである。
以上説明したように、本発明によれば、飛行体に搭載される吐出装置からの液垂れを防止するための技術を提供することができる。
図1は、本発明に係る吐出装置を搭載する飛行体の吐出装置を概念的に示すもので、吐出装置としてエアゾール容器を用いた場合である。(A)は飛行体の全体構成図、(B)は吐出装置の断面図、(C)は(B)のC方向矢視図、(D)は吐出前の説明図、(E)は(D)の吐出駆動部の平面図、(F)は吐出時の説明図である。 図2(A)は径方向支持部を設けた場合の図1のスリーブの軸直角方向の断面図、(B)は図1のエアゾール容器のバルブ機構の一例を示す図、(C)は電源として飛行用制御部の電源を利用する例を示す図である。 図3(A)乃至(C)は、吐出駆動部の3つの方式を示す図である。 図4(A)は、吐出装置を搭載した飛行体の操縦端末と吐出操作端末の遠隔操作例を示す説明図、(B)は制御ブロック図である。 図5は、参考例に係るエアゾール容器の液垂れ防止部材を概念的に示す断面図で、(A)は閉状態を、(B)は開状態を示す。 図6は、実施形態に係るエアゾール容器の液垂れ防止部材を示し、(A)は断面図、(B)は開状態の斜視図、(C)は閉状態の斜視図である。 図7は、実施形態に係るエアゾール容器の液垂れ防止部材を示し、(A)は開状態の斜視図、(B)は閉状態の斜視図である。 図8は、実施形態に係るエアゾール容器の液垂れ防止部材を示し、(A)は閉状態の斜視図、(B)は開状態の斜視図である。 図9は、実施形態に係るエアゾール容器の液垂れ防止部材を示し、(A)は断面図、(B)は斜視図である。 図10は、実施形態に係るエアゾール容器の液垂れ防止部材を示す。 図11は、実施形態に係るエアゾール容器の液垂れ防止部材を示し、(A)はせき止め部の断面図、(B)は凹部の断面図、(C)は凹部の斜視図である。 図12は、実施形態に係るエアゾール容器の液垂れ防止部材を示し、(A)は筒状部に吸収材を設ける構成の断面図、(B)は吸収材で筒状部を構成する断面図である。 図13は、実施形態に係るエアゾール容器の液垂れ防止部材を示し、(A)は断面図、(B)は吸収材の構成を示す分解斜視図である。 図14は、実施形態に係るエアゾール容器の液垂れ防止部材を示し、 (A)はせき止め部の断面図、(B)は凹部の断面図である。 図15は、実施形態10に係るエアゾール容器の液垂れ防止部材を示し、(A)は閉状態の斜視図、(B)は開状態の斜視図である。 図16は、実施形態11に係るエアゾール容器の液垂れ防止部材の筒状部の構成を示し、(A)は断面図、(B)は斜視図である。 図17は、実施形態12に係るエアゾール容器の液垂れ防止部材の筒状部の構成を示し、(A)は断面図、(B)は斜視図である。 図18は、本発明に係る吐出装置を搭載する飛行体を概念的に示すもので、吐出装置としてポンプとタンクを用いた場合である飛行体の全体構成図である。
以下に、本発明を図示の実施形態に基づいて詳細に説明する。
以下の実施形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状それらの相対配置などは、発明が適用される装置の構成や各種条件により適宜変更されるべきものであり、この発明の範囲を以下の実施の形態に限定する趣旨のものではない。
全体構成
まず、図1(A)乃至(C)を参照して、全体構成を説明する。図1は本発明が適用される飛行体の吐出装置を概念的に示すもので、図1(A)は吐出装置を搭載した飛行体全体の透視図、図1(B)は飛行体に搭載される吐出装置の断面図、図1(C)は、(B)をC方向から見た図である。
図1(A)において、100は飛行体を示している。飛行体100は、いわゆるマルチコプタ等の無人航空機であり、機体101は、機体胴部102と、機体胴部102から放射状に延びる4本の腕部103と、離着陸のための脚部107と、を備え、腕部103の先端に、それぞれモータ105を介して4つの回転翼104が設けられている。図示例では、回転翼104が4つのクアッドコプタを例示しているが、3つ(トライコプタ)、6つ(ヘキサコプタ)等、公知の種々のマルチコプタが適用可能である。機体101のヨー軸は紙面上下方向、ロール軸は紙面左右方向、ピッチ軸は紙面の表裏方向であり、紙面上側の機体101の上方、紙面左側が機体101の前方である。
この飛行体100の機体101の外部、図示例では、機体胴部102の下面に、エアゾ
ール容器を格納した吐出装置1が吐出装置支持部50を介して搭載されている。吐出装置1は長尺体で、長手方向をロール軸方向に向けて配置され、その前端部からノズル15が機体の前方に向けて突出している。
吐出装置1は、図1(B)に示すように、エアゾール容器10を有し、機体101に搭載された状態で、エアゾール容器10の内容物を吐出するものである。吐出される内容物は、液体だけでなく、液体中に、ガス、空気等の気体、粉体等が含まれるものでもよい。
エアゾール容器10は、スリーブ(収容部材)20に収容された状態で機体101に搭載される。スリーブ20には、エアゾール容器10から内容物を吐出させるための吐出駆動部30が内蔵されている。スリーブ20とエアゾール容器10は一体として交換可能であり、以下の説明において、スリーブ20にエアゾール容器10を収容した状態の組立体をエアゾール容器組立体40と呼ぶものとする。以下、各部の構成について説明する。
[エアゾール容器について]
エアゾール容器10は、内部に充填された圧縮ガスや液化ガスのガス圧によって、内容物を噴出する容器であり、既存の金属製のエアゾール容器が適用可能であるし、耐圧性を有するプラスチック製の容器を用いることもできる。エアゾール容器10には、吐出方向や吐出形態に応じて流路が形成された各種アクチュエータがステム12に装着される。図示例では、エアゾール容器10のステム12にアクチュエータ14を装着した例を示している。アクチュエータ14は、ストレートの吐出流路を備えた直線状の本体部14aと、本体部14aから軸直角方向に張り出すフランジ部14bと、を備えた構成となっている。このアクチュエータ14の本体部14aに連結チューブ16を介して、噴射孔15a(図1(C)参照)を備えたノズル15が接続されている。内容物を霧状に吐出するか、直線状の噴流として吐出するか、内容物の吐出形態、吐出方向に応じて、適宜選択される。
図示例では、エアゾール容器10を機体101の下面に水平に搭載して使用するので、封入される噴射剤と内容物の形態としては、原液が内袋に収容され、内袋外周と容器本体内周との間に噴射剤が収容された隔離型が用いられる。隔離型であれば、エアゾール容器の姿勢が、横向き(ステムの位置が横)、下向き(ステムの位置が下)であっても吐出可能である。エアゾール容器10の内容物としての液状物が吐出されるときは、液状物は、水滴状のほか、ゲル状、霧状(ミスト状)などの形態で吐出されることがある。
もっとも、隔離型に限定されるものではなく、吐出時のエアゾール容器10の姿勢が、ステム12が上向きで使用される場合には、ディップチューブを備えた二相系、三相系の容器、ステムが下向きで使用される場合には、ディップチューブを有さない二相系、三相系の容器を適用可能である。
なお、噴射剤としては、二酸化炭素(CO2)、窒素(N)、亜酸化窒素(NO)等の圧縮ガスが好適である。また、一般的な炭化水素(液化石油ガス)(LPG)、ジメチルエーテル(DME)、フッ化炭化水素(HFO−1234ZE)等の液化ガスも適用可能である。ただし、加熱を行うときの火災に対する安全性を考慮すると非引火性のフッ化炭化水素、二酸化炭素、窒素、亜酸化窒素等が好適であり、特に、環境負荷を考慮すると、窒素が好適である。
[スリーブ20の構成]
スリーブ20の材料としては、アルミ等の金属、プラスチック、または炭素繊維等の強度の高い軽量の素材で構成される。また、硬質の材料に限らず、軟質の材料、たとえば、シリコーンゴムやウレタンフォーム等のゴム材料を使用することもでき、要するにエアゾール容器10を収容する収容部の形状を保持することができる各種素材を用いることができる。「スリーブ」の用語は、円筒状のエアゾール容器10が収容される筒状の部材の意味で使用している。
スリーブ20は、エアゾール容器10より大径の円筒状のスリーブ本体21と、スリーブ本体21の一方の端部を覆う第1端部カバー部22と、他方の端部に設けられる第2端部カバー部23とで構成されている。
第1端部カバー部22はスリーブ本体21に対してねじ部を介して着脱可能にねじ込み固定される構成で、第2端部カバー部23はスリーブ本体21に対して取り外し不能に固定されている。第2端部カバー部23とスリーブ本体21が一体であってもよい。
第1端部カバー部22は、ドーム状のカバー本体222と、スリーブ本体21のめねじ部にねじ込まれるねじ筒部223とを備えた構成となっている。カバー本体222は、空力特性を考慮して先端に向かって徐々に小径となるように縮径された、先端が丸みを帯びた円錐状、あるいはドーム状の曲面となっている。このように空力特性のよい形状とすることにより、水平方向の風(横風)の影響が小さくなり、飛行の安定化を図ることができる。
エアゾール容器10の底部側に位置する第2端部カバー部23には、吐出駆動部30が収納されている。この第2端部カバー部23は、一端がスリーブ本体21の後端部(エアゾール容器10の底部側の端部)に固定される筒状部231と、筒状部231の他端を閉塞する端板232とを備えた構成となっている。
[エアゾール容器10の支持構造]
スリーブ20の内径はエアゾール容器10の胴部11aの外径よりも大きい。本構成のスリーブ20において、エアゾール容器10は、容器保持部72と第1端部カバー部22によって、頭部と底部等の両端部を支持されて位置決めされている。図示したように、エアゾール容器10をスリーブ20の壁面から一定の距離をとって離間支持すると、離間スペースに断熱材や蓄熱材を介装することができる。ただし、エアゾール容器10の胴部11aをスリーブ20の内壁と離間させないで支持するようにしてもよい。
なお、図1(B)に示すように、スリーブ20の内壁に、エアゾール容器10を、容器の軸方向と交差する方向から支持する複数の径方向支持部21aを設けてもよい。径方向支持部21aは、エアゾール容器10を、スリーブ20に対して、軸方向の移動は許容し、直交方向の移動は阻止するように支持している。個々の径方向支持部21aについては、エアゾール容器10の胴部11aに対して周方向複数個所に部分接触するような支持構造としてもよいし、環状壁で全周を支持するような構成でもよい。
なお、スリーブ20は密閉構造ではなく、一部が通気する構造でもよい。例えば、網目構造、パンチングなどの構造を適用可能である。このようにすれば、エアゾール吐出時の自己冷却を外気で緩和させること、スリーブ20の軽量化を図れること等の効果がある。
エアゾール容器10の底部11bは、第2端部カバー部23側に配置された容器保持部72に支持され、エアゾール容器10の頭部側は、第1端部カバー部22に設けられた押圧部材221によって支持されている。
押圧部材221は、第1端部カバー部22の頂部からエアゾール容器10の中心軸方向にステム12に向かって突出する筒状体221aと、筒状体221aの一端に設けられ第1端部カバー部22に固定される端部フランジ部221bと備えている。押圧部材221の筒状体221aの内周には、アクチュエータ14とノズル15を連結する連結チューブ16が軸方向に摺動自在に挿入され、筒状体221aの先端面が、アクチュエータ14のフランジ部14bに当接あるいは近接している。この押圧部材221は、第2端部カバー部23と一体成形してもよい。
次に、図1(D)乃至(F)を参照して、吐出駆動部30について説明する。
吐出駆動部30は、第2端部カバー部23内において、エアゾール容器10の底部11
bよりも第2端部カバー部23寄りに配置されている。吐出駆動部30は、第2端部カバー部23に対して固定されており、エアゾール容器10を軸方向に沿って移動させ、エアゾール容器10の内容物の吐出、停止を制御する。
吐出駆動部30は、エアゾール容器10を底部11b側から軸方向に押すことによって、エアゾール容器10を軸方向頭部側に移動させる。エアゾール容器10の移動によって、アクチュエータ14が押圧部材221の筒状体221aに押し付けられ、その反力で、ステム12がエアゾール容器10内に押し込まれ、エアゾール容器10内のバルブ機構が開弁するようになっている。バルブ機構が開弁すると、ガス圧によって内容物が自動的に吐出される。
吐出駆動部30は、回転駆動源であるモータ31と、このモータ31の回転を、容器保持部72の直線運動に変換するカム機構32と、を有している。モータ31とカム機構32は、第2端部カバー部23に固定されたフレーム301に組付けられている。カム機構32は、モータ31によって回転駆動されるカム32aと、カム32aのカム面に沿って移動するカムフォロワ32bが設けられている。カム32aの回転は、カムフォロワ32bを介して従動側の容器保持部72に伝達され、エアゾール容器10の容器中心軸N方向に直線方向に移動させる。図示例のカム32aは卵形の円板カムであり、カム軸はエアゾール容器10の中心軸に対して直交している。この構成により、カム32aの回転が、エアゾール容器10の直線運動に変換される。カム32aは円板カムなので、カム32aにカムフォロワ32bを常時当接させるためのスプリング等の付勢手段が適宜設けられる。
カム32aは、通常は、最小径部分がカムフォロワ32bに当接していて、容器保持部72が後退限位置にあり、エアゾール容器10のバルブ機構が閉弁状態で保持されている(図1(D))。モータ31によってカム32aを回転させることで、容器保持部72が軸方向に前進する。すなわち、後退限位置でカムフォロワ32bが当接するカム32aの接触位置は、回転中心からの径が小さく、前進限位置でカムフォロワ32bが当接するカム32aの接触位置は、回転中心から径が大きく設定されている。図示例では、カム32aの最大径部ではなく、最小径部から最大径部への移行部分で開弁するようになっているが、最大径部で開弁するように構成してもよい。
[バルブの構成]
図2(B)には、上記吐出駆動部30によって開弁されるエアゾール容器10のバルブ機構13の一例を示している。
すなわち、ステム12には、先端開口部から軸方向に所定寸法延びる吐出流路12aが設けられ、ステム12の側面に弁孔となるステム孔12bが開口しており、このステム孔12bがマウンティングカップ11dの挿通孔の孔縁に装着されたガスケット13aの内周面によって封止されている。
通常は、ガス圧とスプリング13bの付勢力でステム12が突出方向に付勢され、弁体となるガスケット13aの内周縁を軸方向に押圧することで、ガスケット13aの内周面が弁座を構成するステム孔12bの孔縁に密接して閉弁状態に維持されている。
上記した吐出駆動部30のカム機構32によって、容器保持部72が前進限に移動すると、エアゾール容器10が第1端部カバー部22側に移動し、アクチュエータ14のフランジ部14bが押圧部材221の端面に当接し、その反力によってステム12が相対的に容器内方に向かって押し込まれる。ステム12が押し込まれると、ガスケット13aの内周縁が容器の内方に向けて撓み、ガスケット13aの内周面がステム孔12bの孔縁から離れて開弁し、ガス圧で押された内容物がステム12の吐出流路12aから吐出される。
図示例のバルブ機構13は一例であり、このような構成に限定されるものではなく、通
常は閉弁状態を維持し、ステム12を押し込むことによって開弁する種々の構成を適用することができる。
この例では、カム機構32によってモータ31の回転運動を直線運動に変換するようになっているが、カム機構32に限定されるものではなく、たとえば、ねじ送り機構や、ラックアンドピニオン等、モータ31の回転運動を直線運動に変換する機構であれば適用可能である。また、回転モータではなく、直線駆動用のリニアモータや、電磁ソレノイド等の直線駆動源を用い、運動変換機構を用いることなく、エアゾール容器10を軸方向に移動させる構成とすることもできる。
また、ノズル15は、後述するように各種の液垂れ防止部材700を備えているか、ノズル15自身が液垂れ防止部材700として機能する。また、ノズルのうち、液垂れ防止機能を発揮するために特に重要な、吐出方向において吐出口より前方にある部材を、液垂れ防止部材700だと考えても良い。蓋体の開閉機構を備える液垂れ防止部材700等のように、液垂れ防止効果を発揮するために電気制御が必要な場合、液垂れ防止部材700は電源と電気配線で接続される。また、電源を液垂れ防止部材700に配置してもよい。液垂れ防止部材700は、吐出装置に着脱可能に構成される。
[容器保持部72]
図1(D)〜(F)を用いて、容器保持部72について説明する。
容器保持部72は、エアゾール容器10の底部11bに当接する円板部72aと、円板部72aの外径端部からエアゾール容器10の胴部11aの底部側の端部を保持する環状凸部72bと、円板部72aのモータ側の面の中央部に設けられる連結軸部72cとを備えている。環状凸部72bには、容器胴部との摩擦力を高める滑り止め材73が装着されている。
[吐出駆動部の構成例]
図1に示した吐出駆動部30は一例であって、吐出駆動部30の構成として他にも、図3に示す方式を適用することができる。図3において、スリーブ20については、簡略化して四角で示している。
図3(A)は、スリーブ20に対してエアゾール容器10のアクチュエータ14側を固定し、エアゾール容器10の底部11bに当接する当接部材30Bを駆動部30Aによって押し上げる構成である。図1の吐出駆動部30は、この方式の一例である。この方式は、ステム12に装着されるアクチュエータ14側は固定されているため、吐出位置精度が高くなる。また、様々な径のエアゾール容器10に対応できる。
図3(B)は、スリーブ20に対してエアゾール容器10を固定し、吐出駆動部30でアクチュエータ14を介してステム12を押し下げる構成である。すなわち、吐出駆動部30は、アクチュエータ14に当接する当接部材30Bを駆動部30Aにて押し下げる方向に駆動する。このようにすれば、機械機構をエアゾール容器10の片側に集中できるので、コンパクトで交換しやすい構造となる。また、様々な高さのエアゾール容器10に対応できる。
なお、図3(A)、(B)の駆動部30Aの構成は、直線方向に駆動する機構であればよく、回転モータの回転運動を直線方向に変換するカムやねじ送り機構等の運動変換機構を用いることができるし、回転モータではなく、直線駆動用のリニアモータや、電磁ソレノイド等を用いることができる。
図3(C)は、エアゾール容器10の内部のバルブではなく、外部弁30Cによって制御するようにしたものである。図では、外部弁30Cを概念的に記載したもので、電磁弁等によって開閉駆動する構成とすることができる。外部弁30Cを用いた場合、管路30Dにエアゾール容器10のステム12を接続するだけなので、エアゾール容器10の取付
けが容易で、開閉制御も容易となる。既存のエアゾール容器10を使用する場合には、たとえば、エアゾール容器10を組み付ける際に、ステム12を押し込んで内部のバルブを常時開の状態に保持するように構成する。
[電気設備]
次に、図1(A)に戻って、吐出駆動部30を駆動するための電気設備について説明する。図1(A)には、飛行体に搭載される電気設備について、概念的に記載している。
吐出駆動部30を制御する制御装置である吐出装置制御部210は、飛行体100の飛行を制御する飛行制御部110とは別に設けられており、飛行制御部110と共に、機体101側に設けられている。また、吐出駆動部30を駆動するための吐出装置用電源211が、飛行体100を駆動するための電源(飛行制御部110に組み込まれているものとし、図示せず)とは別に設けられ、機体101側に搭載されている。
また、吐出装置1を遠隔操作するためのアンテナを含む吐出装置用通信部212が、飛行体100を遠隔操作するためのアンテナを含む飛行用通信部112とは別に設けられ、機体101に搭載されている。
吐出装置制御部210、吐出装置用通信部212及び吐出装置用電源211は、飛行制御部110、飛行用通信部112及び飛行用電源の一部、あるいは全てに、その役割を持たせてもよい。図2(C)は、飛行制御部110に配置されている電源を共用する例である。
なお、液垂れ防止部材700を動作させるために制御部、電源部および通信部が必要な場合、吐出装置制御部210、吐出装置用電源211および吐出装置用通信部212は、その制御部、電源部および通信部を兼ねていても良い。
[機体との支持構造]
吐出装置1を機体101に支持する吐出装置支持部50は、たとえば、スライドレールとT形溝のスライド式の嵌合構造、バヨネット結合のような回転方向に掛け外しが可能な構成としてもよいし、ねじ止め、クリップ結合、クランプ等、取り外しと取り付けを容易化した種々の支持手段を適用可能であり、吐出装置支持部50にジンバル等の方向変更装置を備えていてもよい。
また、吐出装置支持部50には、機体101側に配置された吐出装置制御部210及び吐出装置用電源211と、吐出駆動部30のモータ31を電気的に接続する電気接点を設けてもよいし、スリーブ20から機体101に配置されたコネクタにケーブルなどで直接接続してもよい。他にも、スリーブ20内に二次電池などの電源および無線通信機を有し、機体101側に配置された飛行制御部110からの電気信号を無線通信により、スリーブ20内の吐出装置制御部210と送受信してもよい。
次に、本発明の飛行体の吐出装置の作用について説明する。
[交換作業]
予め、図1(B)に示すような、スリーブ20内にエアゾール容器10を収容した交換用のエアゾール容器組立体40を準備しておく。交換時は、吐出装置支持部50からエアゾール容器組立体40を外し、新たなエアゾール容器組立体40を装着する。吐出装置支持部50を、たとえば、工具を使用することなく手動操作で容易に着脱できる構成としておくことにより、交換が容易になる。交換後のエアゾール容器組立体40は、スリーブ20からエアゾール容器10を取り出し、ガス及び内容物を完全に放出させて廃棄する。スリーブ20は繰り返し利用することができる。また、スリーブ20を機体101に固定したまま、エアゾール容器10のみを交換することもできる。
[撒布作業]
次に、散布作業について、図4を参照して説明する。図4(A)は、吐出装置を搭載した飛行体の操縦端末と操作端末の遠隔操作例を示す説明図、(B)は簡単な制御ブロック
図である。
撒布作業は、たとえば図4(A)に示すように、飛行体100の飛行は操縦端末120により遠隔操作され、吐出装置1は、操作端末160により遠隔操作される。操作端末160は飛行体100に搭載されたカメラ106のコントローラとしても使用される。操作端末160には、たとえば、吐出ボタン163、停止ボタン164及びディスプレイ167が設けられる。
操作者が吐出ボタン163を押すと、吐出操作が行われる。このとき、吐出指令信号が送信され、飛行体100に搭載された吐出装置用通信部212に受信され、内容物を吐出する。すなわち、ディスプレイ167上の画像を見ながら、吐出ボタン163を押すと、吐出指令信号が送信され、飛行体100に搭載された吐出装置用通信部212に受信され、吐出装置制御部210により吐出駆動部30が駆動し、エアゾール容器10のステム12が押し込まれて内容物が吐出される。停止ボタン164を押すと、停止指令信号が送信され、吐出駆動部30によってステム12の押し込みが開放されて吐出が停止する。
ここで、吐出時には液垂れ防止部材700の制御が必要になる場合、例えば開閉式の蓋体を備え、吐出時には蓋を開けている必要があれば、吐出開始前に手動であるいは自動で蓋を開ける制御を行う。
[液垂れ防止部材の構成例]
図5(A)は液垂れ防止部材700が閉状態の様子を、図5(B)は開状態の様子を示す。本参考例の液垂れ防止部材700は、概略、装着時に連結チューブ16との接続を維持する装着部710、開閉可能な蓋体720、蓋体を開閉させるための防止部材駆動部730(駆動部)を備える。
図中ハッチングで示される装着部710は、連結チューブ16と互いに嵌め合うための構成として、内側嵌合部711と外側嵌合部712を備える。内側嵌合部711は、長手方向が嵌合時にチューブ内に挿入されるように突出する短筒状の部材である。内側嵌合部711の外周径は連結チューブ16の内周径より小さい。また、内側嵌合部711の突出先端の付近には、圧接部711cが設けられている。圧接部711cの外周径は連結チューブ16の内周径より大きいため、弾性のある内側嵌合部711が連結チューブ内に挿入されると、圧接部711cが内側から連結チューブ16に圧力を加えることになるので、連結チューブ16と内側嵌合部711の摩擦が増大して接続が維持される。
外側嵌合部712は、その内側に連結チューブ16が挿入されるような、連結チューブ16の外周径よりも大きい内周径を有する短筒状の部材である。
装着部710の端面713には、外部に向けて突出した先端部714が設けられている。先端部714の内部に液状物の通過孔715を設けることにより、単純に端面713に吐出口としての穴を設けた場合と比べて、先端部714を交換するだけで吐出口の形状を変更可能となり、汎用性を高くすることができる。
この構成により、連結チューブ16の内部空間16a、装着部710の内部空間711a、および通過孔715からなる液状物の通過領域が形成され、通過孔715の先端に吐出口が配置される。
本構成の液垂れ防止部材700であれば、既存の連結チューブ16を変更すること無く装着できるとともに、ノズル15としての吐出性能を維持することができる。なお、装着部の構成はこれに限定されず、例えば外側嵌合部712が連結チューブ16と当接し摩擦により固定される方式でも良いし、外側嵌合部712と内側嵌合部711の両方に連結チューブ16が当接する構成でも良い。また、連結チューブ16の先端部161を装着部710の基部の内壁716と当接させて位置決めしても良い。
蓋体720は、蓋体接続部722によって装着部710と接続される平板状の蓋体本体721を備える。蓋体本体721は、少なくとも先端部161を覆う程度の面積を有する。蓋体接続部722はヒンジ構造を有し、蓋体本体721を回動可能に支持する。蓋体本体721のうち、閉状態で先端部714と対向する位置には、図5(B)に示すように、閉状態でも先端部714と蓋体本体721が干渉(接触)しないサイズの蓋体凹部723が設けられている。
蓋体本体721は、直動接続部材731を介して、防止部材駆動部730(駆動部)の直動部732と接続されている。直動接続部材731の両端はヒンジとして構成されている。
参考例の防止部材駆動部730は、ソレノイドアクチュエータである。防止部材駆動部730の基部733には、吐出装置制御部210の指令に従い、図中で左右に移動可能な、直動部732が配置されている。なお、駆動部はソレノイドアクチュエータに限定されず、例えば、電場応答性高分子アクチュエータや、誘電エラストマーなどの人工筋肉アクチュエータや、電動モータを併用するラックアンドピニオン機構、ウォームラック機構、スライドカム機構を用いてもよく、蓋体本体721を開閉できる開閉機構であれば良い。
図示例では、蓋体本体721を装着部710に接続するための蓋体接続部722のヒンジは、機体が飛行状態にあるときに、吐出口よりも垂直方向に置いて上方に来るように設けられる。この配置であれば、飛行中に駆動部が故障して開閉機構が動作しなくなった場合でも、重力によって蓋体本体721が吐出口を覆った状態となるため、機体が帰還するまでの間の液垂れを防止できる。
本構成の防止部材駆動部730(蓋体駆動部)を用いれば、吐出を行わない間はノズルを閉状態とし、吐出を行う間だけ開状態とし、吐出が終了したらまた閉状態とすることができるので、ノズル先端からの液垂れを防止可能である。
蓋体を開閉するためのトリガーは、操作者による直接的な指示であっても良い。その場合、操作端末160に、吐出ボタン163や停止ボタン164とは別に、蓋体の開ボタンと閉ボタンを設けると良い。あるいは、通常はノズルを閉状態としておき、吐出ボタン163が押されるのと連動して吐出装置制御部210がソレノイドアクチュエータを駆動し、ノズルを開状態にしても良い。このように、吐出動作と蓋体の開動作と閉動作を連動させることで、吐出と液垂れ防止を両立することができる。
なお、蓋体を動力により開閉する機構を有さない構成であっても、液状物が吐出されるときの圧力により蓋体を開閉することもできる。この場合、開閉機構の構成を単純化できる。
<変形例>
上記参考例はエアゾール容器を液体物の容器として構成し、吐出装置をエアゾールの吐出装置としていたが、本発明における吐出装置はエアゾールの吐出装置に限定されない。
図18は、液体のタンク180、液体をノズルへ圧送するポンプ182、ポンプからノズルへの液体の流通経路である配管としての連結チューブ16、吐出口としてのノズル15を含む吐出装置を有する、無人航空機の例である。タンク180は、吐出する液体を保持している。撒布作業動作が開始すると、ポンプ182が運転されることによって液体が圧送される。液体は、連結チューブ184を通り、ノズル15から撒布される。前述の液だれ防止部材がノズル15に備えられることによって、吐出装置の液だれを防止する。
次に、本発明の吐出装置の実施形態について説明する。以下の説明では上記参考例と異なる部分についてのみ説明するものとし、同一の構成部分については、同一の符号を付し
て説明は省略するものとする。
[実施形態
図6(A)〜(C)を用いて実施形態の液垂れ防止部材700について説明する。本実施形態の液垂れ防止部材も蓋体720を備えているが、蓋体の開閉機構が異なる。すなわち本実施形態は、蓋体720が、吐出物が吐出される方向と交差する方向において位置を変える方式である。
図6(A)に示すように、装着部710および液状物の通路の構成は参考例と同じである。本実施形態では、筒状部740を備え、その端部に蓋体720が設けられている。筒状部740の長さは図示例に限定されず、少なくとも開閉動作時に蓋体本体721が先端部714に接触しない程度の長さがあれば良い。筒状部740の存在により、先端部714と蓋体本体721の接触を防止できる。筒状部740ついては後に詳述する。
本実施形態の蓋体本体721は略円形をしており、円周近くの接続部736において、駆動軸734に回転可能に取り付けられている。また、本実施形態の防止部材駆動部730は、駆動軸734を回転運動させるモータ735であり、回転運動に伴って蓋体本体721が、図6(B)と(C)に示すように回転動作する。これにより、ノズルの状態が、(B)の開状態と(C)の閉状態の間で切り替わる。吐出装置制御部210は、防止部材駆動部730のモータ735の回転の開始および停止と、回転角度を制御することにより、開状態と閉状態を切り替える。すなわち本実施形態によれば、比較的単純な構成と制御によりノズルの吐出口の開閉制御を行い、非吐出時の液垂れを防止することができる。
なお、蓋体720が回転移動するのではなく、吐出方向と交差する方向においてスライドする直線移動の方式であっても、吐出口の開閉制御が可能である。
[実施形態
本実施形態も、蓋体720が、吐出方向と交差する方向において位置を変える方式である。実施形態では蓋体720を回転またはスライドさせていたが、本実施形態では蓋体720として絞り機構を用いる。
図7(A)と(B)を用いて実施形態の液垂れ防止部材700について説明する。蓋体720は、筒状部740の端部に設けられた絞り機構である。絞り機構は、複数枚の絞り羽根724と、カムなどを有し絞り羽根724が収容される絞りユニット725を備えている。絞り機構としては、カメラに用いられるものと類似の機構を利用できる。
本実施形態の構成によっても、吐出口からの液垂れを防止することができる。
[実施形態
図8(A)と(B)を用いて実施形態の液垂れ防止部材700について説明する。本実施形態の液垂れ防止部材は、蓋体720と筒状部740をともに備える構成である。筒状部740は、吐出口からの吐出方向における所定の範囲の空間を覆う部材であり、吐出方向の前方に筒状部空間740aを形成する。筒状部740が存在することにより、蓋体本体721が開状態であってもある程度の液垂れ防止効果が得られる。また、蓋体本体721を閉状態とすることで、液垂れ防止効果がさらに向上する。筒状部については後に詳述する。
図8では蓋体の開閉機構としてソレノイドアクチュエータを用いているが、これに限定されず、任意の方法を採用できる。
[実施形態
図9(A)の断面図および(B)の斜視図に示す吐出装置は、ノズルからの液状物の吐出方向の前方に突出している突出面を有する、突出部738を備えている。突出部738は、飛行体が飛行状態にあるときに吐出口よりも下方に来る部分を有する。これにより、
突出部738が液垂れを起こした液状物を受け取る受け取り部として機能する。なお、突出部738は装着部710と一体に設けられてもよいし、装着部710とは別に設けられて組み合わせて用いられても良い。
図9の例では、突出部738の突出面には、吐出方向における先端部から垂直に、壁状部737が設けられている。そのため、液垂れを起こした液状物の量が多い場合でも、突出部が液状物の貯留部として機能し、該液状物を外部に漏出させる可能性が低くなる。ただし、壁状部737がない場合でも、突出部738の存在により、受け取り部として機能するため、ある程度の液垂れ防止性能を得ることができる。
本実施形態によれば、蓋体を開閉するための機構が不要になるため、故障の可能性を低くしつつ液垂れ防止効果を得ることができる。ただし、本形態の液垂れ防止部材700においても、吐出方向における吐出口の前方空間735aを覆う蓋体を設けて、蓋体と突出部の間に閉空間を形成し、漏出の防止効果を高めてもよい。蓋体の開閉機構としては、他の実施形態に記載の機構など任意のものを利用できる。
[実施形態
図10の吐出装置は、ノズルの周囲から、液状物の吐出方向の前方に突出している筒状部740を備えている。筒状部740は、装着部710と一体で構成される、または、装着部710に取り付けられる筒状の部材である。筒状部740を設けることにより、液垂れが発生した場合にも機体の外部まで液滴が落ちにくくなるという効果が得られる。筒状部740は、液状物の受け取り部として機能する。
なお、本実施形態および他の実施形態では「筒状部」という名称を用いているが、形状は厳密な円筒形に限定されない。例えば断面が扁平な楕円形であっても良い。また、平面状の底面、上面および側面を持ち、それらを平面または曲面で連結した形状でも良い。また、筒状部は突出部の一種だと考えても良い。
[実施形態
図11(A)〜(C)を用いて実施形態の液垂れ防止部材700について説明する。本実施形態の液垂れ防止部材は、実施形態と同様に筒状部740を備えており、さらに、筒状部740に液垂れを起こしたときのための液溜まり部(貯留部)が設けられている。
図11(A)の断面図は、液溜まり部として、筒状部740にせき止め部810を設けた様子を示す。せき止め部810は、筒状部740の底部(飛行状態にあるときに下方に来る部位)に設けられた壁状の部分であり、液垂れした液量が筒状部740の先端部から漏出することを防止する。
図11(B)の断面図と(C)の斜視図は、液溜まり部として、筒状部740に凹部820を設けた様子を示す。凹部820は、筒状部740の底部(飛行状態にあるときに下方に来る部位)に設けられた溝状の部分であり、液垂れした液量を貯める機能を有する。図示例では、複数の凹部820が、吐出方向と交差(直交)する方向に並ぶように設けられている。
このように、筒状部740に加えて、せき止め部810や凹部820を設けることにより、液垂れを起こした液状物が外部に溢れることを効果的に防止できる。なお、せき止め部810の数や位置、凹部820の数や位置については図示例に限定されない。また、液状物の液溜まり部(貯留部)として、袋状部材を用いることもできる。その場合、液状物の受け取り部としての突出面から連続的に袋状部材を設けることにより、スムーズに液状物を導くことができる。
[実施形態
図12(A)と(B)を用いて実施形態の液垂れ防止部材700について説明する。本実施形態の液垂れ防止部材は、液状物の固体化部としての吸収材800を備えている。
図12(A)の吐出装置は、吐出方向の前方に筒状部740を備えており、さらに筒状部740の内周面には吸収材800が設けられている。なお、少なくとも筒状部の底面に吸収材800を設ければ、液垂れした液状物を吸収する効果が発揮できる。吸収材800の配置方法としては、接着剤等による貼付、バンド等による固定、嵌め込み固定など任意の方法を採用できる。吸収材800を直接筒状部に設置してもよいが、吸収材の持ち運び及び設置を容易にするための治具を用いてもよい。
吸収材800としては、吐出物を効果的に吸収できる材質を用いる。例えば吐出される液状物が水を主成分としたものであれば、高吸水ポリマーなどの高分子吸収材を用いると良い。
図12(B)の吐出装置は、吸収材800によって筒状部740が構成されている。吸収材800を筒状に成形するために、樹脂や金属製の枠体を使用することが好ましい。また、フェルトや珪藻土、素焼きの陶器(セラミック)等の、ある程度の剛性を持ち、かつ液状物を吸収可能な材質を用いて吸収材800を構成しても良い。
ここでは吸収材を筒状に成形したが、少なくとも吐出口よりも下方に突出部を設ける構成でも良い。
本実施形態によれば、固体化部としての吸収材800が、吐出口から液垂れした液状物を固定化するので、液垂れ防止効果が向上する。
[実施形態
図13(A)と(B)を用いて実施形態の液垂れ防止部材700について説明する。本実施形態の液垂れ防止部材も、液状物の固形化部としての吸収材800を備えている。
図13(A)の吐出装置は、吐出方向の前方に筒状部740を備えており、さらに筒状部740の内周面には吸収材800が設けられている。そして、吸収材800のさらに内側には、液状物を透過させるステンレスメッシュ製の透過部801が設けられている。かかる構成は、例えば図13(B)に示すように、筒状部740の内周面に吸収材800を装着し、さらにその内周面に透過部801を装着することで実現できる。
この構成によれば、液垂れした液状物は、透過部801を透過して吸収材800に吸収されて固定化するため、外部に漏れ出すことが無い。さらに、吸収材800が、高分子ポリマー等の水分を吸収する材質からできている場合、透過部801が、水分を吸って膨張した吸収材の膨張を抑制する部材としても機能するため、膨張した吸収材が吐出口を塞ぐことが無く、本来の吐出性能が落ちること無く利用を続けることができる。
[実施形態
ここで、固体化部としては、吸収材800以外にも、液状物を加熱して蒸発させる加熱部や、冷却して固体化する冷却部を用いることもできる。このような固体化部として、加熱及び冷却の両方の制御が可能なペルチェ素子が好適である。また、加熱のみを行うのであれば、ニクロム線ヒータ等の電熱部材を利用することもできる。また、携帯カイロなどの発熱ユニットや、冷却ジェルなどの冷却ユニットを、突出部あるいは筒状部にバンド等で固定することによっても、加熱または冷却による固体化を実行できる。なお、蓋体を設ける場合、吸収材の場合と同じく、加熱や冷却を行う固体化部についても、蓋体の内側の、吐出口と対向する位置に設けることもできる。
[実施形態10
上記の各実施形態では、蓋体を用いる方法、液溜まり部を設ける方法、吸収材を設ける方法など、液垂れ防止のための様々な方法を述べた。これらの方法は、矛盾を生じない限りにおいて、互いに任意に組み合わせて利用できる。
例えば図14(A)は、開閉可能な蓋体本体721を有し、かつ、筒状部740の先端にせき止め部810を設けた構成である。また図14(B)は、開閉可能な蓋体本体721を有し、かつ、筒状部740に、吐出方向と交差する方向に配置された複数の溝状の凹部820を設けた構成である。
また、図15(A)と(B)は、開閉可能な蓋体本体721を有し、かつ、筒状部740の内周面に吸収材800を設けた構成である。(A)は閉状態、(B)は開状態を示す。
このように、複数の方式を組み合わせることにより、液垂れ防止部材700の効果を高めることができる。例えば、蓋体を設ける構成において、蓋体が閉状態のときに吐出口と対向する蓋体の一部分に、液状物を吸収する吸収材が設けることも好ましい。
[実施形態11
本実施形態では、液垂れ防止部材700の構成方法の一例について説明する。本実施形態では、筒状部740が液垂れ防止部材700であるものとする。この筒状部740は、係合部であるネジ部材を介して装着部710から取り外し可能である。すなわち、図16(A)に示すように、筒状部740の一端部に設けられた開口の内面に切られたネジ溝744が、装着部710の端部に設けられたネジ溝718にガイドされることにより、筒状部740が装着部710にねじ込まれることで、液垂れ防止部材700が構成される。両部材に設けられたネジ溝を合わせて、ネジ部だと考えることもできる。
ここで、筒状部740の外周面には、図16(B)に示すように滑り止め部745を設けることが好ましい。本実施形態で筒状部740を装着部710に組み込む際には、該筒状部740を長手方向を軸として回転運動させるため、その運動方向と直交する方向、すなわち長手方向に延びる複数の滑り止め部を設けている。
本実施形態によれば、筒状部740の交換が容易にできるため、メンテナンス性の向上に効果がある。
[実施形態12
本実施形態では、液垂れ防止部材700の構成方法の別の一例について説明する。本実施形態における液垂れ防止部材である筒状部740も、装着部710から取り外し可能である。すなわち、図17(A)に示すように、筒状部740の一端部に設けられた係合部としての挿入部746が、装着部710の端部に設けられた挿入受け部719に嵌め込まれることにより、液垂れ防止部材700が構成される。挿入部746と挿入受け部719を合わせて、嵌合部だと考えることもできる。
ここで、筒状部740の外周面には、図17(B)に示すように滑り止め部745を設けることが好ましい。本実施形態で筒状部740を装着部710に組み込む際には、該筒状部740の長手方向への力が働くため、その力の方向と直交する方向、すなわち、筒状部の円周方向に複数の滑り止め部を設けている。本実施形態によれば、筒状部740の交換が容易にできるため、メンテナンス性の向上に効果がある。
上記各実施形態の液垂れ防止部材は、互いに矛盾を生じない範囲で、任意に組み合わせて利用できる。例えば、筒状部または突出部の有無、吸収材の有無、凹部やせき止め部などの有無などを任意に組み合わせて、液垂れ防止効果を向上させることができる。
上記各実施形態では、液体物噴出装置が搭載される飛行体としてマルチコプタを使用する例について説明したが、本発明の移動体の吐出装置は、ヘリコプターにも適用できるし
、回転翼(ロータ)を用いる飛行体だけではなく、固定翼機、飛行船、滑空機等の無人航空機に適用することができるし、無人に限らず有人航空機にも適用可能である。また、飛行体に限らず、軌道上を走行する車両、路面を走行するような車両等、無人あるいは有人の各種移動体に広く適用することができる。
1:吐出装置、10:エアゾール容器、11a:胴部、11b:底部、11d:マウンティングカップ、12:ステム、12a:吐出流路、12b:ステム孔、13:バルブ機構、13a:ガスケット、13b:スプリング、14:アクチュエータ、14a:本体部、14b:フランジ部、15:ノズル、15a:噴射孔、16:連結チューブ、16a:内部空間
20:スリーブ、21:スリーブ本体、21a:径方向支持部、22:端部カバー部、221:押圧部材、221a:筒状体、221b:端部フランジ部、222:カバー本体、23:端部カバー部、223:筒部、231:筒状部、232:端板
30:吐出駆動部、30A:駆動部、30B:当接部材、30C:外部弁、30D:管路、31:モータ、32:カム機構、32a:カム、32b:カムフォロワ、
40:エアゾール容器組立体、50:吐出装置支持部、72:容器保持部、72a:円板部、72b:環状凸部、72c:連結軸部、73:滑り止め材
100:飛行体、101:機体、102:機体胴部、103:腕部、104:回転翼、105:モータ、106:カメラ、107:脚部、110:飛行制御部、112:飛行用通信部
120:操縦端末、160:操作端末、161:先端部、163:吐出ボタン、164:停止ボタン、167:ディスプレイ
180:タンク、182:ポンプ
210:吐出装置制御部、211:吐出装置用電源、212:吐出装置用通信部、301:フレーム
700:防止部材、710:装着部、711:内側嵌合部、711:装着部、711:内側嵌合部、711a:内部空間、711c:圧接部、712:外側嵌合部、713:端面、714:先端部、715:通過孔、716:内壁、718:ネジ溝、719:挿入受け部
720:蓋体、722:蓋体接続部、723:蓋体凹部、724:羽根、725:ユニット
730:防止部材駆動部、731:直動接続部材、732:直動部、733:基部、734:駆動軸、735:モータ
735:突出部、735a:前方空間、736:接続部、737:壁状部、740:筒状部、740a:筒状部空間、744:ネジ溝、745:滑り止め部、746:挿入部
800:吸収材、801:透過部、810:せき止め部、820:凹部

Claims (16)

  1. 機体に搭載されるノズルから液状物を吐出する飛行体の吐出装置であって、
    前記吐出装置の吐出口からの吐出方向の前方に設けられた、前記吐出口から垂れた前記液状物を受け取るための受け取り部を備える
    飛行体の吐出装置。
  2. 前記受け取り部は、前記液状物を貯留する貯留部を有する
    請求項1に記載の飛行体の吐出装置。
  3. 前記貯留部は、前記吐出口から見て吐出方向の前方に設けられた袋状部材である
    請求項2に記載の飛行体の吐出装置。
  4. 前記受け取り部は、前記飛行体が飛行状態にあるときに前記吐出口よりも垂直方向において下方に、かつ、前記吐出口から見て吐出方向の前方に突出する突出面を有している
    請求項1に記載の飛行体の吐出装置。
  5. 前記突出面には、前記液状物を吸収する吸収材が設けられている
    請求項4に記載の飛行体の吐出装置。
  6. 前記突出面には、前記液状物の漏出を防ぐためのせき止め部が設けられている
    請求項4または5に記載の飛行体の吐出装置。
  7. 前記突出面には、前記液状物を貯留する凹部が設けられている
    請求項4〜6のいずれか1項に記載の飛行体の吐出装置。
  8. 前記凹部は、前記吐出口から見て吐出方向の前方に複数設けられている
    請求項7に記載の飛行体の吐出装置。
  9. 前記突出面は、前記吐出口の周囲から突出する筒状部の底部である
    請求項4〜8のいずれか1項に記載の飛行体の吐出装置。
  10. 前記吐出装置は、前記機体に搭載されるエアゾール容器またはタンクに収容された液状物を吐出するものである
    請求項1〜9のいずれか1項に記載の飛行体の吐出装置。
  11. 機体に搭載されるノズルから液状物を吐出する飛行体の吐出装置に着脱可能な液垂れ防止部材。
  12. 前記液垂れ防止部材を、前記飛行体の吐出装置に装着するための係合部を備える
    請求項11に記載の液垂れ防止部材。
  13. 前記係合部は、前記液垂れ防止部材に設けられたネジ部であり、前記飛行体の吐出装置に設けられたネジ部と係合する
    請求項12に記載の液垂れ防止部材。
  14. 前記係合部は、前記液垂れ防止部材と前記飛行体の吐出装置を互いに嵌め合うことで係合させる嵌合部である
    請求項12に記載の液垂れ防止部材。
  15. 前記液垂れ防止部材は外周面に滑り止め部を有する
    請求項13または14に記載の液垂れ防止部材。
  16. 前記飛行体の前記吐出装置は、前記機体に搭載されるエアゾール容器またはタンクに収容された液状物を吐出するものである
    請求項14〜15のいずれか1項に記載の液垂れ防止部材。
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