JP2021016991A - 積層フィルム、積層シート、及び成形容器 - Google Patents

積層フィルム、積層シート、及び成形容器 Download PDF

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Abstract

【課題】ポリスチレン系発泡シートとの接着性が高く、かつ表面の無延伸ポリプロピレン系フィルムの光沢が高く維持された積層シートを製造することを可能とする積層フィルムを提供することを課題とする。【解決手段】ポリスチレン系樹脂70〜97質量%と石油樹脂3〜30質量%とを含むポリスチレン系樹脂フィルムと、該ポリスチレン系樹脂フィルムの一方の面に設けられた無延伸ポリプロピレン系フィルムとを備える、熱成形ポリスチレン系発泡シートに積層するために用いる積層フィルム。【選択図】なし

Description

本発明は、積層フィルム、該積層フィルムを用いた積層シート、及び該積層シートからなる成形容器に関する。
コンビニエンスストアなどで販売されている食品の容器として使用されている、弁当容器、トレー、丼容器などの食品容器には、ポリスチレン系発泡シートが使用されている。上記食品容器は、店頭で或いは家庭で電子レンジにそのまま入れて加熱する形態の容器、所謂レンジアップ容器として使用されるケースが増えつつあり、かかるポリスチレン系発泡シートとして、剛性、軽量性、断熱性などが求められるようになってきた。
このような要求に対して、ポリスチレン系発泡シートに、耐油性、耐熱性を向上させるため、無延伸ポリプロピレン系フィルムを積層することが知られている(特許文献1)。
しかし、ポリスチレン系発泡シートと無延伸ポリプロピレン系フィルムは、相溶性が低く、これらを直接積層することが難しいため、無延伸ポリプロピレン系フィルムにポリスチレン系樹脂フィルムをドライラミネートなどで積層した積層フィルムを製造し、該積層フィルムとポリスチレン系発泡シートとを熱ロールなどで熱圧着して積層シートを得る手法が採用されている。該積層シートは、無延伸ポリプロピレン系フィルム/ポリスチレン系樹脂フィルム/ポリスチレン系発泡シートがこの順に積層された積層シートである。この場合、無延伸ポリプロピレン系フィルムに積層されたポリスチレン系樹脂フィルムが、無延伸ポリプロピレン系フィルムとポリスチレン系発泡シートとを密着させる接着層として機能している。そして、該手法により作製された積層シートを所望の形状に熱成型して、食品容器としている。
ところで、食品容器の美粧性の観点から、容器の表面光沢を向上させることが期待されているが、上記した積層フィルムを構成する無延伸ポリプロピレン系フィルムは、熱圧着する際の熱により、ポリプロピレンの結晶構造の変化などに起因して失透し、表面光沢が低下してしまうという問題がある。
無延伸ポリプロピレン系フィルムの表面光沢の低下を防止するため、より低温で熱圧着する方法も考えられるが、そうすると積層フィルムとポリスチレン系発泡シートの間の接着力が弱くなり、熱成形後のバブルの発生や、レンジアップ後に積層フィルムが剥離するという問題が生じる。特に、ポリスチレン系発泡シートは、発泡体であるため、表面に一定の凹凸があり、低温での熱圧着では積層フィルムを十分に圧着させることが一層困難となる。
無延伸ポリプロピレン系フィルムへの光沢性付与のために、有機系結晶核剤を添加する方法も提案されている(特許文献2、3)。しかし、この方法においても、熱圧着後の積層シートの冷却不足による光沢の低下や、凹凸があるポリスチレン系発泡シート上に無延伸ポリプロピレン系フィルムを積層していることにより、艶が目立たなくなり、所望の光沢性を発揮できないという問題がある。
また、一般に、二軸延伸ポリプロピレン系フィルムは、無延伸ポリプロピレン系フィルムと比較して光沢に優れるため、無延伸ポリプロピレン系フィルムの代わりに二軸延伸ポリプロピレン系フィルムを用いることが考えられる(特許文献4)。しかしながら、二軸延伸ポリプロピレン系フィルムは無延伸ポリプロピレン系フィルムと比較して伸び難く、そのため熱成形性が悪く、成形時に容器が裂けてしまうなどの不具合を生じやすい。
特許第5824271号 特許第6208445号 特許第5568809号 特許第3534531号
上記したとおり、従来、積層フィルムと、ポリスチレン系発泡シートとの積層シートにおいて、積層フィルムとポリスチレン系発泡シートとの接着強度が高く、かつ表面の無延伸ポリプロピレン系フィルムの光沢が高く維持された積層シートは得られておらず、このような良好な物性バランスを有する積層シートを提供できる積層フィルムの開発が求められている。
そこで本発明は、ポリスチレン系発泡シートとの接着性が高く、かつ表面の無延伸ポリプロピレン系フィルムの光沢が高く維持された積層シートを製造することを可能とする積層フィルム、該積層フィルムを用いた積層シート、及び該積層シートからなる成形容器を提供することを課題とする。
本発明者らは、鋭意検討の結果、ポリスチレン系樹脂70〜97質量%と石油樹脂3〜30質量%とを含むポリスチレン系樹脂フィルムと、該ポリスチレン系樹脂フィルムに積層された無延伸ポリプロピレン系フィルムとを備える、積層フィルムにより、上記課題が解決できることを見出し、本発明を完成させた。本発明の要旨は、以下の[1]〜[8]である。
[1]ポリスチレン系樹脂70〜97質量%と石油樹脂3〜30質量%とを含むポリスチレン系樹脂フィルムと、該ポリスチレン系樹脂フィルムの一方の面に設けられた無延伸ポリプロピレン系フィルムとを備える、熱成形ポリスチレン系発泡シートに積層するために用いる積層フィルム。
[2]前記石油樹脂の軟化点が、80〜140℃である上記[1]に記載の積層フィルム。
[3]前記ポリスチレン系樹脂フィルムの厚さが7〜40μmである、上記[1]又は[2]に記載の積層フィルム。
[4]前記無延伸ポリプロピレン系フィルムの厚さが15〜60μmである、上記[1]〜[3]のいずれかに記載の積層フィルム。
[5]ポリスチレン系発泡シートの少なくとも片面に、上記[1]〜[4]のいずれかに記載の積層フィルムが熱圧着されてなる、積層シート。
[6]上記[5]に記載の積層シートを熱成形してなる成形容器。
[7]容器表面の光沢度が50%以上である、上記[6]に記載の成形容器。
[8]無延伸ポリプロピレン系フィルムと、熱成形ポリスチレン系発泡シートを接着するポリスチレン系樹脂フィルムを製造するための組成物であって、ポリスチレン系樹脂70〜97質量%と石油樹脂3〜30質量%とを含む熱圧着型接着性組成物。
本発明によれば、ポリスチレン系発泡シートとの接着性に優れ、かつ積層シートとしたときに、無延伸ポリプロピレン系フィルムの表面光沢に優れる積層フィルム、該積層フィルムを用いた積層シート、及び該積層シートからなる成形容器を提供することができる。
本発明の積層シートの一実施形態を模式的に示す断面図である。 本発明の積層シートの別の一実施形態を模式的に示す断面図である。
本発明は、ポリスチレン系樹脂70〜97質量%と石油樹脂3〜30質量%とを含むポリスチレン系樹脂フィルムと、該ポリスチレン系樹脂フィルムの一方の面に設けられた無延伸ポリプロピレン系フィルムとを備える、熱成形ポリスチレン系発泡シートに積層するために用いる積層フィルムである。ここで、熱成形ポリスチレン系発泡シートとは、熱成形用として用いられるポリスチレン系発泡シートを意味する。
なお、本明細書では、「ポリスチレン系発泡シートに積層するために用いる積層フィルム」を単に「積層フィルム」と略記する場合もある。
図1及び2に本発明の積層フィルム及びこれを用いた積層シートの断面図を模式的に示している。なお本発明の内容は、図面に限定されるものではない。
本発明の積層フィルム14は、ポリスチレン系樹脂フィルム12と、該ポリスチレン系樹脂フィルム12の一方の面に設けられた無延伸ポリプロピレン系フィルム11とを備えている。ポリスチレン系樹脂フィルム12に無延伸ポリプロピレン系フィルム11を設ける方法は特に限定されないが、ドライラミネートにより両者を積層する方法が好ましい。すなわち、図2に示すように、接着剤15を介して、ポリスチレン系樹脂フィルム12の一方の面に無延伸ポリプロピレン系フィルム11を設けるとよい。
積層フィルム14は、熱成形に用いるポリスチレン系発泡シート13に積層するために用いられ、具体的には、ポリスチレン系発泡シート13の少なくとも片面に、積層フィルム14が熱圧着されることにより積層シート10となる。熱圧着は、積層フィルム14のポリスチレン系樹脂フィルム12と、ポリスチレン系発泡シート13とを対向させて行われる。図1及び2は、ポリスチレン系発泡シート13の片面に、積層フィルム14が熱圧着された実施態様を示しており、この場合積層シート10は、無延伸ポリプロピレン系フィルム11、ポリスチレン系樹脂フィルム12、ポリスチレン系発泡シート13がこの順に積層された積層シートとなる。図2に示す通り、無延伸ポリプロピレン系フィルム11とポリスチレン系樹脂フィルム12の間に接着剤15を有していてもよい。なお、当然ながら、ポリスチレン系発泡シート13の両面に、積層フィルム14が熱圧着されていてもよい。熱圧着は、通常は、一対の熱ロールにより行われる。
一般に、ポリスチレン系発泡シートは、発泡体であるためその表面は粗く、積層フィルムを構成するポリスチレン系樹脂フィルムとの接着性が悪い。接着性を向上させるため、熱圧着温度を高くすると、無延伸ポリプロピレン系フィルムの光沢が低下してしまう。
これに対して、本発明の積層シート10は、積層フィルム14と、ポリスチレン系発泡シート13との接着強度が高いため、熱成形後のバブルの発生や、レンジアップ後に積層フィルム14が剥離することを防止することができる。さらに、積層シート10の表面の無延伸ポリプロピレン系フィルム11の光沢にも優れている。このような効果を奏する理由は定かではないが、以下のように推定される。
本発明の積層フィルム14におけるポリスチレン系樹脂フィルム12は、ポリスチレン系樹脂70〜97質量%と石油樹脂3〜30質量%とを含むものである。石油樹脂は、比較的分子量が低いため熱圧着時の熱により溶融した際の流動性が高い。そのため、該流動性が高い石油樹脂が、あるいは石油樹脂と共にポリスチレン系樹脂が、ポリスチレン系発泡シート13の表面の凹凸部分に流れ込み、アンカー効果により、積層フィルム14とポリスチレン系発泡シート13とが強固に接着されるものと推定される。さらに、ポリスチレン系樹脂フィルム12は、一定量の石油樹脂を含むため、軟化点が低下する。そのため、熱圧着の温度を低くすることができ、その結果、無延伸ポリプロピレン系フィルム表面のポリプロピレンの球晶サイズが大きくなることを抑制して、表面光沢を高められると考えられる。
[積層フィルム]
本発明の積層フィルムは、ポリスチレン系樹脂70〜97質量%と石油樹脂3〜30質量%とを含むポリスチレン系樹脂フィルムと、該ポリスチレン系樹脂フィルムの一方の面に設けられた無延伸ポリプロピレン系フィルムとを備える。
(ポリスチレン系樹脂フィルム)
ポリスチレン系樹脂フィルムに含まれる石油樹脂の含有量は、3〜30質量%である。石油樹脂の含有量が3質量%未満であると、ポリスチレン系樹脂フィルムと、ポリスチレン系発泡シートとの接着力が低くなるため剥離し易くなるか、あるいはポリスチレン系樹脂フィルムとポリスチレン系発泡シートを高温で熱圧着することが必要となり、無延伸ポリプロピレン系フィルムの光沢が低下する。石油樹脂の含有量が30質量%を超えると、ポリスチレン系樹脂フィルムの製膜性が低下する。ポリスチレン系樹脂フィルムの製膜性を良好にし、かつ積層シートの剥離を防止し、表面光沢を高める観点から、石油樹脂の含有量は、5〜30質量%が好ましく、5〜25質量%がより好ましい。
石油樹脂は、石油類の分解、精製の際に得られる不飽和炭化水素含有留分を重合して得られるものであり、その製造方法としては、C5留分、C9留分などの不飽和炭化水素含有留分を原料として、フリーデルクラフツ型触媒の存在下に重合する方法が良く知られている。
本発明において使用する石油樹脂の種類は、特に限定されないが、例えば、脂肪族系石油樹脂、芳香族系石油樹脂、共重合系石油樹脂、脂環族系石油樹脂、テルペン系石油樹脂などが挙げられ、中でも脂環族系石油樹脂が好ましい。また、本発明において使用する石油樹脂は、上記例示した石油樹脂の水素添加物である水添石油樹脂であることが好ましく、中でも脂環族飽和炭化水素樹脂がより好ましい。
石油樹脂の軟化点は、特に制限されないが、好ましくは80〜140℃であり、より好ましくは85〜120℃であり、さらに好ましくは90〜110℃である。石油樹脂の軟化点がこのような範囲内であると、ポリスチレン系樹脂フィルムの軟化点が低下して、該樹脂フィルムとポリスチレン系発泡シートとの接着強度が高まる。さらに、低温で熱圧着することが可能となるため、無延伸ポリプロピレン系フィルムの光沢も良好となる。
なお、石油樹脂の軟化点は、JIS K2531に準拠して環球法により測定した軟化点である。
ポリスチレン系樹脂フィルムに含まれるポリスチレン系樹脂の含有量は、70〜97質量%である。ポリスチレン系樹脂の含有量を上記のとおりとすることにより、ポリスチレン系樹脂フィルムの製膜性を良好にさせることができ、かつポリスチレン系発泡シートとの親和性を向上させることができる。ポリスチレン系樹脂の含有量は、70〜95質量%が好ましく、75〜95質量%がより好ましい。
ポリスチレン系樹脂は、特に限定されないが、例えば、スチレン系単量体の単独重合体、複数のスチレン系単量体からなる共重合体、スチレン系単量体とこれに共重合可能なビニル系単量体との共重合体、これらの重合体の変性物、並びに、これらと異種の樹脂との混合物を挙げることができ、具体的には、ポリスチレン樹脂(GPPS)、ゴム変性ポリスチレン樹脂(HIPS)、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−αメチルスチレン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリスチレン−ポリフェニレンエーテル共重合体などが挙げられる。
これらの中でも、ポリスチレン系樹脂フィルムは、耐衝撃性を向上させる観点から、ゴム変性ポリスチレン樹脂(HIPS)を含むことが好ましく、ポリスチレン樹脂(GPPS)とゴム変性ポリスチレン樹脂(HIPS)とを共に含むことがより好ましい。
ポリスチレン系樹脂フィルムにおけるゴム変性ポリスチレン(HIPS)の含有量は、好ましくは5〜40質量%、より好ましくは10〜30質量%である。また、ポリスチレン樹脂(GPPS)とゴム変性ポリスチレン樹脂(HIPS)とを併用する場合は、ゴム変性ポリスチレン(HIPS)の含有量を上記の範囲としつつ、ポリスチレン樹脂(GPPS)の含有量を40〜90質量%とすることが好ましく、45〜80質量%とすることがより好ましい。
ゴム変性ポリスチレン(HIPS)とは、ポリブタジエン又はスチレン−ブタジエン系ブロック共重合体ゴムなどのゴム系重合体をスチレンモノマー中に溶解した後、ゴム系重合体にスチレンをグラフト重合したゴム化合物がサラミ構造でポリスチレン内に分散したものであって、サラミ内のゴム分とサラミ外のポリスチレンの一部が結合している樹脂、或いは、スチレンモノマーを塊状重合法又は懸濁重合法により重合させて得られるポリスチレンとスチレン−ブタジエンブロック共重合体ゴムを一軸又は多軸押出機又はバンバリーミキサーなどの汎用混練機を用いて加熱混練して得られる樹脂をいう。ここで使用されるスチレンモノマーとしては、スチレンが一般的ではあるが、α−メチルスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレンなども使用できる。HIPSに含有されるスチレン量は、91〜97質量%が好ましい。
ポリスチレン系樹脂フィルムは、上記した成分以外にも、本発明の効果を阻害しない範囲内で、スチレン系熱可塑性エラストマーを含有してもよい。スチレン系熱可塑性エラストマーとしては、例えば、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SBS)、スチレン−エチレン/ブチレン−スチレンブロック共重合体(SEBS)、スチレン−エチレン/プロピレン−スチレンブロック共重合体(SEPS)、及びスチレン−ブタジエン/ブチレン−スチレンブロック共重合体(SBBS)などが挙げられる。
ポリスチレン系樹脂フィルム、後述する無延伸ポリプロピレン系フィルム及びポリスチレン系発泡シートは、本発明の効果を害しない範囲で、適宜添加剤を含有することができる。添加剤としては、例えば、造核剤、酸化防止剤、熱安定剤、帯電防止剤、導電性付与剤、耐候剤、紫外線吸収剤、着色剤、難燃剤、無機充填剤などが挙げられる。
本発明におけるポリスチレン系樹脂フィルムの厚さは、好ましくは7〜40μmであり、より好ましくは10〜30μmであり、さらに好ましくは12〜25μmである。ポリスチレン系樹脂フィルムの厚さがこれら下限値以上であると、熱圧着時にポリスチレン系発泡シートの表面の凹凸に、溶融したポリスチレン系樹脂フィルムを構成する樹脂の一部が入り込みやすく、それにより両者の接着力が向上する。これに加えて、ポリスチレン系樹脂フィルムの厚さが一定以上であることにより、発泡シートの凹凸の影響が緩和されることにより、無延伸ポリプロピレン系フィルム表面の艶が強調されやすくなり、光沢が良好となる。ポリスチレン系樹脂フィルムの厚さがこれら上限値以下であると、厚さに応じた効果が得やすく、かつ必要以上に厚くしないことによりコスト的に利点がある。
(熱圧着型接着性組成物)
前記したように、ポリスチレン系樹脂フィルムは、前記ポリスチレン系樹脂70〜97質量%と石油樹脂3〜30質量%とを含む熱圧着型接着性組成物により製造することができる。かかるポリスチレン系樹脂フィルムを構成する該熱圧着型接着性組成物は、無延伸ポリプロピレン系フィルムと熱成形ポリスチレン系発泡シートといった、ポリプロピレン系樹脂の素材とポリスチレン系樹脂の素材とを接着、具体的には、熱圧着するためにも用いられ、これにより、両者を強固に接着することができる。なお、熱圧着型接着性組成物に含有されるポリスチレン系樹脂、石油樹脂の種類及び量などについては、ポリスチレン系樹脂フィルムにおいて説明した事項をそのまま適用できる。
(無延伸ポリプロピレン系フィルム)
本発明の積層フィルムは、無延伸ポリプロピレン系フィルムを備える。無延伸ポリプロピレン系フィルムを備えることにより、積層シートの耐油性、耐熱性を向上させることができる。また、無延伸ポリプロピレン系フィルムを用いることにより、積層シートについて、伸びムラの少ない深絞り加工を行うことができ、熱成形おける成形性が良好となる。
無延伸ポリプロピレン系フィルムは、明示的な延伸工程を経由しない方法で製造される。無延伸ポリプロピレン系フィルムは、ポリプロピレン系樹脂から形成され、該ポリプロピレン系樹脂としては、プロピレン単独重合体、プロピレンとプロピレン以外の他のオレフィンとの共重合体が挙げられる。中でも、無延伸ポリプロピレン系フィルムの耐熱性を良好とする観点から、ポリプロピレン系樹脂としては、プロピレン単独重合体が好ましい。該プロピレン単独重合体は、示差走査熱量計によって測定される融点が好ましくは160℃以上、より好ましくは162℃以上、さらに好ましくは163℃以上であり、そして通常は170℃以下である。
また上記プロピレン単独重合体の230℃におけるメルトフローレート(MFR)は、製膜性を勘案すると、好ましくは2〜50g/10分であり、より好ましくは4〜20g/10分であり、さらに好ましくは6〜15g/10分である。
無延伸ポリプロピレン系フィルムの厚さは、特に限定されないが、好ましくは15〜60μm、より好ましくは15〜50μmであり、さらに好ましくは20〜40μmである。無延伸ポリプロピレン系フィルムの厚さがこれら下限値以上であると、積層シートの耐熱性及び耐油性が良好となる。無延伸ポリプロピレン系フィルムの厚さがこれら上限値以下であると、積層シート全体の厚さを一定以下とすることができ、熱成形時の追従性の低下などによる成形性の悪化を防止することができる。
無延伸ポリプロピレン系フィルムのポリスチレン系樹脂フィルムと接触する面側、あるいは、ポリスチレン系樹脂フィルムの無延伸ポリプロピレン系フィルムと接触する面側には、意匠性を向上させ、使用者に高級感を与える観点から、印刷により任意の模様が形成されていてもよい。
ポリスチレン系樹脂フィルムと、無延伸ポリプロピレン系フィルムとを備える積層フィルムを製造する方法は特に制限されず、ドライラミネート法、押出ラミネート法、熱ラミネート法などが挙げられるが、ドライラミネート法により両者を積層することが好ましい。ドライラミネート法により両者を積層する場合は、積層フィルムは、ポリスチレン系樹脂フィルムの一方の面に接着剤を介して、無延伸ポリプロピレン系フィルムが設けられる。該接着剤としては、例えば、ポリウレタン系接着剤、ポリエステル系接着剤、ポリエーテル系接着剤、アクリル系接着剤、酢酸ビニル系接着剤、水系アクリルウレタン系接着剤等が挙げられる。
接着剤の厚さは特に制限されないが、通常は0.1〜5μm、好ましくは0.5〜2μm程度である。
[積層シート]
本発明の積層シートは、ポリスチレン系発泡シートの少なくとも片面に、上記積層フィルムが熱圧着されている。すなわち、本発明の積層シートは、ポリスチレン系発泡シートの一方の面に上記積層フィルムが設けられていてもよいし、ポリスチレン系発泡シートの両面に上記積層フィルムが設けられていてもよい。
(ポリスチレン系発泡シート)
ポリスチレン系発泡シートは、ポリスチレン系樹脂により形成された発泡シートである。ポリスチレン系発泡シートを用いることにより、剛性が高く、軽量性に優れた成形容器が得られる。ポリスチレン系発泡シートに含まれるポリスチレン系樹脂としては、例えば、ポリスチレン樹脂(GPPS)など、ポリスチレン系樹脂フィルムに含まれるポリスチレン系樹脂として上記説明したものが特に制限なく使用することができる。
ポリスチレン系発泡シート中のポリスチレン系樹脂の含有量は、好ましくは70質量%以上、より好ましくは90質量%以上、さらに好ましくは95質量%以上である。
ポリスチレン系発泡シートは、上記したポリスチレン系樹脂に加えて、他の樹脂を30質量%以下の割合で含有していてもよい。具体的には、耐熱性を向上させる観点から、ポリフェニレンエーテル系樹脂をさらに含有してもよい。ポリフェニレンエーテル系樹脂は、例えば、下記一般式(1)で表される繰り返し単位からなる単独重合体、又は共重合体であり、1種類からなるものであっても、置換基の異なる2種以上の樹脂の混合物であってもよい。

(ただし、式中R、R、R、Rは、水素、ハロゲン、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子とフェニル環との間に少なくとも2個の炭素原子を有するハロアルキル基及びハロアルコキシ基で第3級α−炭素を含まないものから選ばれた1価置換基を示し、R、R、R、Rは、それぞれ共通していても異なっていても良い。また、nは重合度を表す整数である。)
前記ポリフェニレンエーテル系樹脂の好ましい具体例としては、R及びRが炭素原子数1〜4のアルキル基であり、R及びRが水素もしくは炭素原子数1〜4のアルキル基であるものを挙げることができ、例えば、ポリ(2、6−ジメチル−1、4−フェニレン)エーテル、ポリ(2、6−ジエチル−1、4−フェニレン)エーテル、ポリ(2−メチル−6−エチル−1、4−フェニレン)エーテル、ポリ(2−メチル−6−プロピル−1、4−フェニレン)エーテル、ポリ(2、6−ジプロピル−1、4−フェニレン)エーテル、ポリ(2−エチル−6−プロピル−1、4−フェニレン)エーテル等が挙げられる。
また、上記一般式(1)におけるnは、特に限定されないが、例えば5〜1000である。
ポリスチレン系発泡シートは、上記したポリスチレン系樹脂、及び必要に応じて配合するポリフェニレンエーテル系樹脂、並びに発泡剤を含有する樹脂組成物を発泡させることにより得られる。
発泡剤としては、プロパン、n−ブタン、i−ブタン、ペンタン、ヘキサン等の脂肪族炭化水素、シクロブタン、シクロペンタン等の脂環族炭化水素、及び、これらの混合物などを含有させることができる。
また、分解型発泡剤として、アゾジカルボンアミド、ジニトロソペンタメチレンテトラミン、アゾビスイソブチロニトリル、重炭酸ナトリウムなどを含有させることができる。
さらには、二酸化炭素などの無機ガスを含有させることができる。
この発泡剤としては、ハロゲン化水素を含まず、オゾン層の破壊などといった環境への影響の少ないものを選択することが好ましい。
なお、発泡剤の使用量については、特に限定がされるものではないが、通常、ポリスチレン系発泡シートを構成する樹脂成分100g当たり0.01モル〜0.1モルとなる範囲の中で使用でき、これにより作製するポリスチレン系発泡シートの発泡倍率を、例えば、10〜40倍とすることができる。
なお、ポリスチレン系発泡シート及び該発泡シートを製造するための樹脂組成物は、必要に応じて、上記した添加剤を含有してもよい。
ポリスチレン系発泡シートの厚みは、特に制限されないが、好ましくは0.5〜5mm、より好ましくは2.0〜4.5mmである。厚みがこれら下限値以上であると、成形容器の強度が向上し、厚みがこれら上限値以下であると、熱成形性が良好になりやすく、かつ製造や輸送のコストも削減される。
ポリスチレン系発泡シートの発泡倍率は、特に制限されないが、好ましくは10〜40倍であり、より好ましくは15〜35倍である。発泡倍率がこれら下限値以上であると、成形容器が軽量化され、発泡倍率がこれら上限値以下であると、成形容器の強度が低下するのを防止することができる。発泡倍率は、発泡前の樹脂組成物の密度を発泡後のポリスチレン系発泡シートの見掛密度で除した値である。
なお、上記下限値以上の比較的高い発泡倍率を有するポリスチレン系発泡シートは、表面の凹凸が大きい傾向にあり、通常は、積層フィルムとの接着性は弱くなる。これに対して、本発明の積層フィルムは、上記したように特定のポリスチレン系樹脂フィルムを備えているため、ポリスチレン系発泡シートとの接着性に優れる。
前記ポリスチレン系発泡シートは、この樹脂組成物を、例えば、サーキュラーダイに接続させた押出機中で溶融混練し、該溶融混練物を前記サーキュラーダイの円環状の開口から発泡状態で押出させて円筒状の発泡体を形成させ、該発泡体を前記サーキュラーダイの前方に設けた前記開口よりも径大な冷却マンドレルの外周面に摺接させて周方向に延伸しつつ冷却したものを押出し方向に沿って連続的に切断して展開するような一般的な製造方法を選択して製造することができる。
ポリスチレン系発泡シートに上記した積層フィルムを熱圧着する際の温度は、好ましくは160〜190℃であり、より好ましくは165〜185℃であり、さらに好ましくは170〜180℃である。熱圧着する際の温度をこれら下限値以上とすることで、積層フィルムとポリスチレン系発泡シートとの接着性が高まり、これら上限値以下とすることで、無延伸ポリプロピレン系フィルムの表面光沢の低下を防止することができる。
[成形容器]
本発明の成形容器は、上記した積層シートを熱成形することにより得ることができる。熱成形は、公知の方法で行うことができ、例えば、積層シートを加熱後、真空成形、圧空成形、真空圧空成形等により、金型等の型枠内に賦形した後、冷却して得ることができる。成形容器としては、例えば、弁当容器、トレー、丼容器等の食品容器、一般容器、工業部品容器などが挙げられ、中でも食品容器とすることが好ましい。
成形容器の容器表面の光沢度は、好ましくは50%以上、より好ましくは55%以上、さらに好ましくは60%以上である。このような光沢度を有する成形容器は、優れた美粧性を備えた容器となる。容器表面の光沢度は、高ければ高いほどよいが、実用上は70%以下である。なお成形容器の容器表面の光沢度とは、積層シートにおける無延伸ポリプロピレン系フィルムの表面の光沢度を意味する。光沢度は、実施例に記載の方法で測定することができる。
以下、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
[評価]
(i)ポリスチレン系樹脂フィルムの製膜性評価
各実施例及び比較例において、ポリスチレン系樹脂フィルムを製造する際の、バブルの安定性を目視観察することにより製膜性を評価した。以下の基準で評価した。
A バブルの安定性がよく、製膜性良好であった
B バブルの安定性が悪く、製膜困難であった
(ii)ポリスチレン系樹脂フィルムとポリスチレン系発泡シートとのラミネート強度
各実施例及び比較例により得られた積層シートを、15mm×80mmに切り出し、引張試験機((株)島津製作所製「AG−X」)により、引張速度500mm/分、90℃剥離の条件で剥離試験を行い、ポリスチレン系樹脂フィルムとポリスチレン系発泡シート間のラミネート強度(接着強度)を評価した。
(iii)容器表面の光沢度
各実施例及び比較例において製造した成形容器を50mm×50mmに切り出し、光沢度計(日本電色工業(株)社製「VG7000」)を用いて、容器の無延伸ポリプロピレンフィルム側の表面の光沢度を測定した。光沢度は、JIS Z8741に準拠して、60度平行光方式鏡面法で測定した。
[ポリスチレン系樹脂フィルムの製造に用いた樹脂]
(i)ポリスチレン樹脂(GPPS) DIC(株)社製「HP100F−1」
MFR2.4g/10分(JIS K7210−1:14に準拠)
(ii)ゴム変性ポリスチレン樹脂(HIPS) DIC(株)社製「GH8300−5」
MFR2.4g/10分(JIS K7210−1:14に準拠)
(iii)石油樹脂1 荒川化学工業株式会社製「アルコン P−100」
水添石油樹脂(脂環族飽和炭化水素樹脂) 軟化点100℃
各実施例、比較例において、石油樹脂1(アルコン P−100)を配合する場合は、石油樹脂1(アルコンP−100)30%と、ゴム変性ポリスチレン樹脂(GH8300−5)70%を溶融混錬したMB(マスターバッチ)を使用した。
(iv)石油樹脂2 荒川化学工業株式会社製「アルコン P−115」
水添石油樹脂(脂環族飽和炭化水素樹脂) 軟化点115℃
各実施例において、石油樹脂2(アルコン P−115)を配合する場合は、石油樹脂2(アルコンP−115)60%と、ゴム変性ポリスチレン樹脂(GH8300−5)40%を溶融混錬したMBを使用した。
[実施例1]
(1)ポリスチレン系樹脂フィルムの作製
ポリスチレン樹脂(GPPS)74質量%、ゴム変性ポリスチレン樹脂(HIPS)23質量%、石油樹脂1 3質量%の配合割合となるように、各樹脂を混合し、住友重機械モダン株式会社製90φインフレーション成形機(環状ダイリップの直径125mm)を用いて、押出機温度180℃、ダイ温度190℃の条件下で、厚さ15μmのポリスチレン系樹脂フィルムを作製した。
(2)積層フィルムの作製
厚さ25μmの無延伸ポリプロピレンフィルム(サン・トックス株式会社製「KL12」、融点163℃)の片面にポリウレタン系接着剤(東洋モートン社製「TM329」)を介して上記(1)で作製したポリスチレン系樹脂フィルムを積層して、積層フィルムを作製した。
(3)ポリスチレン系発泡シートの作製
ポリスチレン樹脂(DIC社製「ディックスチレンXC−515」、MFR:1.5g/10分(JIS K7210−1:14に準拠))100質量部に対して、発泡剤(ブタンガス)3.8質量部、気泡調整剤(粉末タルク)1.2質量部を含有する樹脂組成物を押出機で溶融混練し、該溶融混練物を口径110mmのサーキュラーダイ(ダイスリット:0.4mm)から発泡押出しして目付け150g/mの発泡シートを作成した。より具体的には、前記押出機としては、50mmφの押出機に60mmφの押出機が接続されたタンデム押出機を用い、該押出機の途中で最高260℃の設定温度で樹脂組成物を溶融混練させた後に、温度を低下させ、最終的に155℃の設定温度で前記サーキュラーダイからの発泡押出しを実施した。なお、発泡剤のブタンガスは、i−ブタンとn−ブタンとの混合品(混合比率:i−ブタン/n−ブタン=70/30)を用いた。
また、粉末タルクは、東洋インキ社製の粉末タルク含有マスターバッチ(商品名:PEX1470)を用いて上記配合量となるように調整した。
なお、得られたポリスチレン系発泡シートの厚さは2.2mmであり、発泡倍率は28倍であった。
(4)積層シートの作製
上記(2)で作製した積層フィルムのポリスチレン系樹脂フィルム側を、上記(3)で作製したポリスチレン系発泡シートの表面に面接触させた状態で、一対の熱ロール(直径:200mm、加熱温度:表1に記載の熱圧着温度)の間を4.0m/minの速度で通過させた直後に表面温度が25℃の冷却ロールを通過させて、ポリスチレン系発泡シートの片面に、積層フィルムが熱圧着されてなる積層シートを得た。
(5)成形容器の作製
上記(4)で作製した積層シートを、前記無延伸ポリプロピレンフィルムが内側となるように熱成形を実施した。熱成形においては、前記積層シートをヒーター温度が約250℃に加熱された炉内を通過させ、該積層シートに、長さ230mm×幅190mm×深さ20mmの凹部が形成されたテスト金型を用いて3秒の成形時間で箱型の容器形状を形成させた後、不要部分を取り除き、成形容器を作製した。
[実施例2〜12、比較例1〜6]
(1’)ポリスチレン系樹脂フィルムの作製
ポリスチレン系樹脂及び石油樹脂の配合割合を表1のとおりに調整した以外は実施例1と同様にしてポリスチレン系樹脂フィルムを作製した。得られたポリスチレン系樹脂フィルムの厚さは、表1に記載のとおりである。
(2’)積層フィルムの作製
表1に記載の厚みの無延伸ポリプロピレンフィルムを用い、かつ上記(1’)で作製したポリスチレン系樹脂フィルムを用いた以外は、実施例1と同様にして積層フィルムを作製した。
(3’)ポリスチレン系発泡シートの作製
実施例1と同様にしてポリスチレン系発泡シートを作製した。
(4’)積層シートの作製
上記(2’)で作製した積層フィルム、及び上記(3’)で作製したポリスチレン系発泡シートを用い、かつ熱圧着温度を表1のとおりに調整した以外は、実施例1と同様にして積層シートを得た。
(5’)成形容器の作製
上記(4’)で作製した積層シートを用いた以外は、実施例1と同様にして、成形容器を作製した。
所定量の石油樹脂を含有するポリスチレン系樹脂フィルムと、該フィルムの一方の面に設けられた無延伸ポリプロピレンフィルムとを備えた各実施例の積層フィルムは、ポリスチレン系発泡シートに対して、熱圧着した場合のラミネート強度(接着強度)が高く、剥離し難いことが分かった。これに加えて、各実施例で作製した成形容器は、表面の光沢度が高いことが分かった。
これに対して、石油樹脂を含有しない、又は石油樹脂の含有量が少ないポリスチレン系樹脂フィルムを用いた各比較例の積層シートは、積層フィルムとポリスチレン系発泡シートとのラミネート強度が低く、剥離し易いことが分かった。また、ラミネート強度を向上させるため、熱圧着温度を高めると、成形容器の表面の光沢度が低くなることが分かった。
10 積層シート
11 無延伸ポリプロピレン系フィルム
12 ポリスチレン系樹脂フィルム
13 ポリスチレン系発泡シート
14 積層フィルム
15 接着剤

Claims (8)

  1. ポリスチレン系樹脂70〜97質量%と石油樹脂3〜30質量%とを含むポリスチレン系樹脂フィルムと、該ポリスチレン系樹脂フィルムの一方の面に設けられた無延伸ポリプロピレン系フィルムとを備える、熱成形ポリスチレン系発泡シートに積層するために用いる積層フィルム。
  2. 前記石油樹脂の軟化点が80〜140℃である、請求項1に記載の積層フィルム。
  3. 前記ポリスチレン系樹脂フィルムの厚さが7〜40μmである、請求項1又は2に記載の積層フィルム。
  4. 前記無延伸ポリプロピレン系フィルムの厚さが15〜60μmである、請求項1〜3のいずれかに記載の積層フィルム。
  5. ポリスチレン系発泡シートの少なくとも片面に、請求項1〜4のいずれかに記載の積層フィルムが熱圧着されてなる、積層シート。
  6. 請求項5に記載の積層シートを熱成形してなる成形容器。
  7. 容器表面の光沢度が50%以上である、請求項6に記載の成形容器。
  8. 無延伸ポリプロピレン系フィルムと、熱成形ポリスチレン系発泡シートを接着するポリスチレン系樹脂フィルムを製造するための組成物であって、ポリスチレン系樹脂70〜97質量%と石油樹脂3〜30質量%とを含む熱圧着型接着性組成物。
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