JP2021013940A - 制御装置およびこれを備えたレーザ加工システム、レーザ加工方法 - Google Patents
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Abstract
Description
このようなレーザ加工装置には、ワークの加工面にレーザ光を照射して、加工面に文字や図形等のマーキングを行うものや、穴開け、切断等の加工を行うもの等がある。
例えば、特許文献1には、ワークの表面に向けてポインタ光を出射する距離測定用ポインタ光出射器と、レーザビームの出射軸から分岐した受光軸を有し、ポインタ光が当たってワーク表面に生成された輝点を撮像する撮像部と、ワーキングディスタンスを導き出すための距離導出情報を記録したメモリと、該メモリの距離導出情報と撮像部が撮像した撮像画像の輝点の位置とに基づいてワーキングディスタンスを求めるワーキングディスタンス測定手段とを有するレーザ加工装置について開示されている。
すなわち、上記特許文献1に開示されたレーザ加工装置の構成では、距離測定用ポインタ光出射器から出射されるポインタ光がワークの中心位置に固定された状態で計測を行うため、ワークの形状、例えば、円環状のワークのように中心位置に開口部を有する形状野場合には、ワークとの距離を測定できないという課題がある。
ワークの基準位置とは、レーザ光の照射方向に略垂直な平面上における基準となる位置を意味している。また、ワークの基準高さとは、レーザ光の照射方向における基準となる位置を意味している。
さらに、登録パターンとは、例えば、ワークの形状を考慮して、様々な種類のワークごとの特徴的な形状の部分におけるワークの輪郭等を意味している。そして、登録パターンに対応するワークの対象基準位置とは、例えば、ワークの特徴的な形状の部分に対して設定されるカメラのカメラ座標の原点、レーザ光による加工座標の原点を意味している。
この結果、ワークの中心位置に限らず基準座標と対象基準位置とを設定することができるため、ワークの形状に関わらず、高さ方向および平面方向における位置ずれが生じた場合に、レーザ加工位置を適切に補正することができる。
これにより、基準座標の設定時と同一方向(加工座標系の原点に対して斜め方向)に照射されたガイド光が照射されるワークの加工面上における座標のずれ量を算出することで、レーザ光の照射方向に垂直な平面におけるずれ量からレーザ光の照射方向における高さ方向における位置ずれを算出して、加工位置を適切に補正することができる。
これにより、ワークごとに特徴的な形状等を含む登録パターンの位置を基準として設定された対象基準位置と、加工対象となるワークの観察画像における登録パターンの位置を基準として求められる位置とを比較することで、レーザ光の照射方向に略垂直な平面におけるワークの位置ずれを検出して、加工位置を適切に補正することができる。
これにより、ワークごとに特徴的な形状等を含む登録パターンの位置を基準として設定された対象基準位置と、加工対象となるワークの観察画像における登録パターンの位置を基準として求められる対象基準位置の座標とを比較することで、レーザ光の光軸を中心とする回転方向におけるワークの位置ずれを検出して、加工位置を適切に補正することができる。
これにより、ワークの加工面に対して斜め方向から観察画像を取得するカメラを用いてレーザ加工位置を補正する構成において、ワークの高さ方向における位置変動があって斜め上方から見たワークの形状が変化する場合でも、高さに応じて複数の登録パターンが保存されていることで、高さ変動に対応して適切なレーザ加工位置の補正を実施することができる。
これにより、カメラによって取得された観察画像において、特徴的な形状を持つガイド光のスポットを検索することで、ガイド光によって設定された基準座標の位置との比較を容易に実施することができる。
これにより、例えば、略円環状のワークの対象基準位置として、カメラ座標の原点およびレーザ光の加工座標系の原点を用いることで、略円環状のワークがない中心位置を対象基準位置として設定した場合でも、加工対象となるワークの位置ずれを容易に検出することができる。
これにより、ガイド光照射部から多点照射されたガイド光のうち、ワークの加工面上に照射されたガイド光の位置を記憶させることで、レーザ光の照射方向に対して垂直な平面におけるワークの位置ずれを容易に検出することができる。
これにより、ガイド光照射部によって多点照射されたガイド光のうち、ワークが基準位置および基準高さにある状態でワーク上に照射されたガイド光の位置を基準位置として保存することで、レーザ光の照射方向に対して垂直な平面におけるワークの位置ずれを検出することができる。
これにより、記憶部に保存されたガイド光の位置と、実際に加工対象となるワークの加工面上に照射されたガイド光の位置とを比較することで、レーザ光の照射方向に対して垂直な平面におけるワークの位置ずれを検出して、加工面上における加工位置を適切に補正することができる。
これにより、例えば、ワークの加工面上に多点照射されたガイド光の位置が、ワークが基準位置および基準高さにある場合と比較して変化したことを検出することで、ワークの加工面の傾きを検出することができる。
よって、加工面の傾きの量に応じて、ワークの加工面上における加工位置を適切に補正することができる。
これにより、ワークが略円環状等の中心部分がない形状であっても、上述した対象基準位置と基準座標とを設定することで、ワークの加工面上における加工位置を適切に補正することができる。
これにより、上述した制御装置によってレーザ光の加工位置を補正する加工制御を実施することで、ワークの形状に関わらず、高さ方向おける平面方向におけるワークの位置ずれを検出して、加工位置を適切に補正することができる。
ワークの基準位置とは、レーザ光の照射方向に略垂直な平面上における基準となる位置を意味している。また、ワークの基準高さとは、レーザ光の照射方向における基準となる位置を意味している。
さらに、登録パターンとは、例えば、ワークの形状を考慮して、様々な種類のワークごとの特徴的な形状の部分におけるワークの輪郭等を意味している。そして、登録パターンに対応するワークの対象基準位置とは、例えば、ワークの特徴的な形状の部分に対して設定されるカメラのカメラ座標の原点、レーザ光による加工座標の原点を意味している。
この結果、ワークの中心位置に限らず基準座標と対象基準位置とを設定することができるため、ワークの形状に関わらず、高さ方向おける平面方向におけるワークの位置ずれが生じた場合に、レーザ加工位置を適切に補正することができる。
なお、以下の説明において、高さ方向とは、レーザヘッド20からワーク50の加工面50cに対してレーザ光が照射される方向(図1中の上下方向)、平面方向とは、レーザ光が照射される方向に略直交する平面の方向(図1中の左右方向)を意味するものとする。
ここで、本実施形態においてレーザ加工の対象物として用いられるワーク50は、図2に示すように、略円環状の形状を有している。なお、図1に示すワーク50は、レーザ加工システム1において、基準高さおよび基準位置となる位置に配置された状態を示している。
そして、レーザ加工システム1は、本体部50aの中心部分に開口部50bを有する略円環状のワーク50の加工面50cに対して、文字等の印字加工を実施する。
制御装置10は、観察光学系30に含まれるカメラ31によって取得された観察画像およびガイド光照射部22から照射されたガイド光の位置を用いてレーザヘッド20によるレーザ光を用いた加工制御を行う装置であって、図3に示すように、加工制御部11と、画像処理部12と、記憶部13とを備えている。
画像処理部12は、図3に示すように、観察光学系30のカメラ31に接続されており、カメラ31にとって取得されたワーク50の加工面を含む観察画像を受信して、ワーク50の加工面50cにおける加工位置を設定する等の各種画像処理を実施する。また、画像処理部12は、表示装置40に接続されており、カメラ31から受信した観察画像を表示装置40に送信する。さらに、画像処理部12は、後述するワーク50が基準高さおよび基準位置にある状態で登録パターンRPと対象基準位置(P0,Q0)とを設定(図6参照)し、記憶部13に保存させる。
なお、本実施形態では、対象基準位置(P0,Q0)は、加工座標系の原点およびカメラ座標系の原点と一致するように設定されている。
レーザヘッド20は、ワーク50の加工面50cに対してレーザ光を照射して各種加工を行うレーザ加工装置であって、レーザ光出射部(出射部)21と、ガイド光照射部22と、ダイクロイックミラー23と、ガルバノスキャナ(走査手段)24と、を有している。
ガイド光照射部22は、レーザ光出射部21から照射されるレーザ光による加工を補助するために、加工面50c上におけるレーザ光の照射位置を示して位置調整するためのガイド光(補助光)を照射する。
また、本実施形態では、ガイド光照射部22から照射されるガイド光は、ワーク50の加工面50cに照射されたスポットの形状が略円形になるように構成されている。
ダイクロイックミラー23は、特定の波長の光を反射し、その他の波長の光を透過させる光学素子であって、本実施形態では、図1に示すように、レーザ光出射部21から照射されたレーザ光を透過させるとともに、ガイド光照射部22から照射されたガイド光を反射して、レーザ光およびガイド光を同軸でガルバノスキャナ24へと誘導する。
ここで、本実施形態では、レーザヘッド20は、図1に示すように、ワーク50の加工面50cに対して直上からレーザ光およびガイド光を照射するように配置されている。
なお、レーザ光およびガイド光の光軸op1は、加工を行っていない状態では、加工座標系の原点を向くように設定されている。
観察光学系30は、レーザヘッド20によってレーザ光が照射されるワーク50の加工面50cを含む観察画像を取得するカメラ31と、ミラー32とを有している。
カメラ31は、図1に示すように、レーザヘッド20の下面に取り付けられており、ミラー32を介して、ワーク50の加工面50cを含む観察画像を取得して、制御装置10へと送信する。
ミラー32は、レーザヘッド20の下面に取り付けられたカメラ31の近傍に配置されており、カメラ31のカメラ光軸op2を基準高さおよび基準位置にあるワーク50の中心位置に設定する。
このため、例えば、後述する図4(c)に示すように、カメラ光軸op2に沿って、ワーク50が高さ方向および平面方向の両方で位置ずれを生じさせた場合には、カメラ31によって取得された観察画像上では、位置ずれが生じていないように見えてしまう。
そこで、本実施形態のレーザ加工システム1では、図4(a)に示す平面方向における位置ずれ、図4(b)に示す高さ方向における位置ずれだけに対応するのではなく、図4(c)に示す高さ方向および平面方向の両方向における位置ずれを考慮した、レーザ加工位置の補正を行う。
表示装置40は、レーザ加工システム1の各種設定を実施する際に設定値等を表示するとともに、観察光学系30に含まれるカメラ31によって取得されたワーク50の加工面50cを含む観察画像等を表示する。
本実施形態のレーザ加工システム1では、図1に示す基準高さおよび基準位置にワーク50が配置された状態を基準として、例えば、レーザ加工システム1へ搬送されてきたワーク50に、高さ方向および/または平面方向における位置ずれが生じた場合のずれ量を検出し、加工位置の補正を行う。
すなわち、レーザ加工システム1によって加工されるワーク50は、図1に示す基準高さおよび基準位置に配置されたワーク50の位置に対して、図4(a)〜図4(c)に示すように、レーザ照射方向(光軸op1方向)に略垂直な平面方向における位置ずれ(図4(a)参照)、レーザ照射方向(光軸op1方向)における高さ方向における位置ずれ(図4(b)参照)、両方向における位置ずれ(図4(c)参照)が生じる可能性がある。
一方、図4(c)に示す基準高さからの位置ずれ(高さ方向における位置ずれ)、基準位置からの位置ずれ(平面方向における位置ずれ)があるワーク50に対してそのままレーザヘッド20によってレーザ光を照射して文字情報を印字すると、図5(b)に示すように、カメラ31の中心座標から加工座標系の原点が上方へずれてしまうため、原点から高さh1の位置に印字加工すると、「ABCDE」の文字が上方へはみ出してしまう。
本実施形態のレーザ加工システム1では、ワーク50の高さ方向および平面方向における位置ずれが生じている場合でもレーザ加工位置を適切に補正するために、ワーク50が基準高さおよび基準位置にある状態で、画像処理部12が、図6に示すように、カメラ座標系の原点と加工座標系の原点とを合わせ込み、登録パターンRPと、登録パターンRPに対応する対象基準位置(P0,Q0)とを設定する。
そして、この2つの円弧状部分に設定された登録パターンRPに対応する対象基準位置(P0,Q0)として、図6に示すように、2つの円弧状の登録パターンRPの中心位置が設定される。なお、本実施形態では、対象基準位置(P0,Q0)は、カメラ31のカメラ座標の原点であって、レーザ加工の加工座標系の原点である。
本実施形態のレーザ加工システム1では、記憶部13に保存された登録パターンRPおよび対象基準位置(P0,Q0)と、基準座標(X0,Y0)とを用いて、レーザ加工位置の補正を行う。
次に、ワーク50が基準高さ・基準位置にある状態で、画像処理部12が、図6に示す登録パターンRP(破線内の2つの円弧状の部分)と、その登録パターンの対象基準位置(P0,Q0)とを設定し、記憶部13に保存させる。
次に、ワーク50が基準高さ・基準位置にある状態で、加工制御部11が、ガイド光照射部22およびガルバノスキャナ24を制御して、ワーク50のある部分(加工面50c)にガイド光を照射させて、図6に示すガイド光が照射された加工面50c上の座標(X0,Y0)を記憶部13に保存させる。
次に、実際に加工対象となるワーク50が所定の加工位置にセットされると、画像処理部12が、カメラ31によって取得された観察画像を画像処理して、高さ方向および平面方向における位置ずれが無いかを確認する。
dY=Y1−Y0
ここで、高さ方向における位置ずれ量Zは、X0およびX1から算出される。
すなわち、ガイド光が照射されたワーク50の加工面50cにおける基準座標(X0,Y0)は、ガイド光が走査手段(ガルバノスキャナ24)によって加工面50cに対して所定の角度で斜めに照射されていると仮定すると、図8に示すように、ワーク50の加工面50cの高さ位置が下がることによってX方向における座標がX0からX1へ移動する。
具体的には、図8に示す高さZ0、底辺X0の直角三角形と、高さ(Z0+Z)、底辺X1の直角三角形との相似関係から、ワーク50が基準高さ・基準位置にある状態で、ガイド光が照射された座標(X0,Y0)、高さ方向における位置ずれ(下へ移動)がある状態でガイド光が照射された座標(X1,Y1)のX0,X1を用いて、高さ方向における位置ずれ量Zは、以下の計算式(1)によって算出される。
次に、加工制御部11は、高さ方向における位置ずれ量Zだけ高さ位置がずれた位置にあるワーク50に対して、カメラ光軸op2とレーザ光の光軸op1とのなす角φと、高さ方向における位置ずれ量Zを用いて、以下の関係式(2),(3)によって、図7に示す高さ方向において位置ずれした加工面50cにおける加工座標系の原点(Pa,Qa)を、高さ方向における位置ずれ基準点として算出する。
Qa=Q0+Z・tanφ ・・・(3)
次に、画像処理部12は、高さ方向における位置ずれしたワーク50の観察画像においてパターンマッチングを行い、図7に示す2つの円弧状の登録パターンRPに対応する対象基準位置(P1,Q1)を求める。
すなわち、本実施形態のレーザ加工システム1では、XY方向における2次元情報を持つ観察画像を用いて、基準高さ・基準位置にあるワーク50の加工面50cに設定されたガイド光の基準座標(X0,Y0)を基準にして、加工対象であるワーク50に対して同一方向に照射されたガイド光の座標(X1,Y1)を用いて、高さ方向における位置ずれ量Zを算出することができる。
この結果、ワーク50がどのような形状であっても、その形状に関わらず、高さ方向および平面方向における位置ずれが生じた場合に、レーザ加工位置を適切に補正することができる。
このため、レーザヘッド20の筐体下面から出射されるガイド光のビーム径r1は、例えば、約7〜8mm程度となる。
本実施形態では、上述したように、レーザヘッド20の筐体の下面から出射されるガイド光は、筐体表面部分ではレーザ径が約7〜8mmあるため、レーザヘッド20の下面に粉塵等が付着してもガイド光を用いたワーク50の高さ方向および平面方向における位置ずれの検出に大きな影響を及ぼすことは無い。
この結果、汚れに強いレーザ加工システム1を提供することができる。
本実施形態のレーザ加工方法は、上述したレーザ加工システム1によって、図10に示すフローチャートに従って実施される。
すなわち、ステップS11では、制御装置10の画像処理部12が、加工座標系の原点とカメラ座標系の原点とを位置合わせした状態で、基準高さ・基準位置にセットされたワーク50に対して、図6に示す登録パターンRPと対象基準位置(P0,Q0)とを設定し、記憶部13に保存させる。
次に、ステップS13では、制御装置10の加工制御部11が、実際にレーザ加工システム1にセットされたワーク50に対して、ステップS12と同一方向へ照射されたガイド光の座標(X1,Y1)と、ステップS12において記憶部13に保存された基準座標(X0,Y0)とを比較して、ワーク50の高さ位置が変化したことに伴う位置ずれの量を算出する。
次に、ステップS15では、ステップS14において位置ずれ有りと判定されると、制御装置10の加工制御部11が、ワーク50の高さ方向における位置ずれ(高さ方向における位置ずれ量Z)があると判断し、ずれた高さ位置における加工座標系の原点(基準点)として、(Pa,Qa)を算出する。
次に、ステップS17では、制御装置10の加工制御部11が、実際のワーク50の登録パターンRPの対象基準位置(P1,Q1)と加工座標系の原点(Pa,Qa)とのずれ量および高さ方向における位置ずれ量Zをレーザヘッド20に送信する。
次に、ステップS18では、制御装置10の加工制御部11が、高さ方向および/または平面方向における位置ずれを考慮した加工位置の補正を実施する。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
上記実施形態では、ガイド光照射部22から照射された1点のガイド光の位置を基準座標として用いて、ワーク50の位置ずれを検出し、加工位置を補正する例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、図11(a)に示すように、ガイド光照射部22から一定の間隔で複数照射(多点照射)された複数のガイド光の位置を用いて、ワークの高さ方向および平面方向における位置ずれを検出し、加工位置の補正を行ってもよい。
そして、レーザ加工対象としてのワークがセットされると、記憶部に保存されたガイド光のスポット位置に対応するガイド光のみを単点あるいは多点照射し、反射光が検出される点(図11(b)の塗りつぶされた丸参照)と、位置ずれにより反射光が非検出となる点(図11(b)の破線円参照)とが発生する。
さらに、本発明の制御装置では、高さ方向および平面方向における位置ずれだけでなく、ワーク面の傾斜が想定される場合は、図11(a)に示すガイド光の多点照射を用いて、ワークの傾斜を検出し、その傾斜情報をレーザヘッドに入力して、傾斜分を考慮したレーザ加工位置の補正を実施してもよい。
すなわち、加工対象であるワークが傾いてセットされている場合には、図11に示すガイド光の多点照射の反射位置が、予め記憶部に保存されている反射位置から変化したことを検出することで、ワークの傾斜を含めたレーザ加工位置の補正を実施することができる。
上記実施形態では、平面(XY)方向および高さ(Z)方向における加工位置の補正を行う例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
この場合には、ワークの特徴的な情報を持つ登録パターンを、高さ方向における位置ずれの量に合わせて補正する。あるいは、予めZ方向における高さ位置に応じた登録パターンを複数データとして記憶部に保存しておき、検出された高さ方向における位置ずれ量に応じて、登録パターンを選択的に切り替えて、XYθ補正を実行してもよい。
上記実施形態では、ワーク50の特徴的な形状を持つ部分を、登録パターンRPとして記憶部13に保存した例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、記憶部には、ワークの高さ位置の変化に応じて設定された複数の登録パターンが保存されていてもよい。
これにより、ワークの形状によって、高さ方向における位置ずれ量が変化すると、斜め上方に設置されたカメラから見た登録パターンの部分の見え方も変化する場合にも対応可能となる。
上記実施形態では、ガイド光照射部22から照射されるガイド光が、ワーク50の加工面50c上において略円形のスポットを形成するように構成された例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
ただし、上記実施形態のように、特徴的な形状を持つスポットが形成されるようにガイド光を照射した場合には、制御装置が、特徴的な形状を持つガイド光のスポットを検索することで、観察画像を用いて上述した基準座標と比較すべき座標を容易に発見することができるという効果を奏する。よって、ガイド光照射部から照射されるガイド光のスポット形状は、単なる点ではなく、円形等の特徴的な形状のスポットであることがより望ましい。
上記実施形態では、ワーク50の特徴的な部分を示す登録パターンRPとして、円環状のワーク50の円弧状の輪郭部分を用いた例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、ワークの形状に応じて、その形状ごとに特徴的な部分を、登録パターンとして用いてもよい。
上記実施形態では、登録パターンに対応する対象基準位置として、カメラのカメラ座標の原点であって、レーザ光による加工座標系の原点を用いた例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、登録パターンに対応する対象基準位置として、カメラ座標および加工座標系の原点とは別の位置が設定されていてもよい。
すなわち、対象基準位置は、ワークの形状の特徴的な部分が登録パターンとして設定されており、この登録パターンを基準にして設定される任意の位置であってもよい。
上記実施形態では、観察画像を取得する観察光学系30として、カメラ31とミラー32とを用いた例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
(H)
上記実施形態では、レーザヘッド20から照射されるレーザ光を用いて、ワーク50の加工面50cに「ABCDE」という文字情報を印字する例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、レーザ光を用いた加工としては、文字の印字に限らず、記号、図形、絵等の他の加工であってもよい。
上記実施形態では、略円環状のワーク50対してレーザ加工を行うレーザ加工システム1を例として挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、ワークの形状は、略円環状に限らず、他のどのような形状であってもよい。
上記実施形態では、制御装置10とレーザヘッド20と観察光学系30(カメラ31、ミラー32)とが別体として設けられたレーザ加工システム1を、例として挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、上述した制御装置、レーザヘッドおよび観察光学系が一体化されたレーザ加工装置として、本発明を実現してもよい。
上記実施形態では、本発明を制御装置10およびこれを備えたレーザ加工システム1、レーザ加工方法として特定した例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
このレーザ加工プログラムは、記憶部に保存されており、CPUが記憶部に保存されたプログラムを読み込むことで、図10に示す各ステップをハードウェアに実行させる。
あるいは、このレーザ加工プログラムを格納した記録媒体として、本発明を実現してもよい。
10 制御装置
11 加工制御部
12 画像処理部
13 記憶部
20 レーザヘッド
21 レーザ光出射部(出射部)
22 ガイド光照射部
23 ダイクロイックミラー
24 ガルバノスキャナ(走査手段)
30 観察光学系
31 カメラ
32 ミラー
40 表示装置
50 ワーク
50a 本体部
50b 開口部
50c 加工面
h1 高さ
op1 レーザ光の光軸
op2 カメラ光軸
r1 ビーム径
RP 登録パターン
Z0 高さ
Z 高さ方向における位置ずれ量
Claims (14)
- 加工対象となるワークを加工するためのレーザ光を照射する出射部と前記ワークの加工面上において前記レーザ光を走査するための走査手段とを含むレーザヘッドと、前記ワークを含む観察画像を取得するカメラを含み前記カメラの光軸が前記レーザ光の照射方向に対して交差するように配置された観察光学系と、前記レーザ光と同軸で走査され前記ワークの前記加工面に対して照射されるガイド光を照射するガイド光照射部と、を備えたレーザ加工装置を制御する制御装置であって、
前記カメラによって取得された前記観察画像を用いて、前記レーザヘッドによる前記ワークの加工を制御する加工制御部と、
前記ワークが基準位置および基準高さにある状態で設定される、前記ワークの一部の形状を含む登録パターンおよび前記登録パターンに対応する対象基準位置と、前記ガイド光照射部によって前記ガイド光が照射された前記ワークが存在する位置の基準座標と、を保存する記憶部と、
を備え、
前記加工制御部は、前記記憶部に保存された前記基準座標と、前記登録パターンに対応する前記対象基準位置とを参照して、前記レーザ光による前記ワークの加工面上における加工位置を補正する、
制御装置。 - 前記加工制御部は、前記記憶部に保存された前記基準座標と、前記カメラによって取得された前記観察画像に含まれる前記ワーク上における前記基準座標と同一方向に照射された前記ガイド光の位置とに基づいて、前記ワークの高さ方向における位置ずれを検出する、
請求項1に記載の制御装置。 - 前記加工制御部は、前記記憶部に保存された前記登録パターンに対応する前記対象基準位置と、前記カメラによって取得された前記観察画像に含まれる前記ワークの位置とに基づいて、前記レーザ光の照射方向に略垂直な平面方向における位置ずれを検出する、
請求項1または2に記載の制御装置。 - 前記加工制御部は、前記記憶部に保存された前記登録パターンに対応する前記対象基準位置と、前記カメラによって取得された前記観察画像に含まれる前記ワークの位置とに基づいて、前記ワークの前記レーザ光の光軸を中心とする回転方向における位置ずれを検出する、
請求項1から3のいずれか1項に記載の制御装置。 - 前記記憶部には、前記ワークの高さ位置の変化に応じて設定された複数の登録パターンが保存される、
請求項1から4のいずれか1項に記載の制御装置。 - 前記加工制御部は、前記ガイド光照射部から照射された丸、楕円、多角形のいずれか1つを含む特徴的なスポット光を形成するガイド光の位置を検出して、前記基準座標との比較を行う、
請求項1から5のいずれか1項に記載の制御装置。 - 前記対象基準位置は、前記カメラのカメラ座標の原点であって、前記レーザ光による加工座標系の原点である、
請求項1から6のいずれか1項に記載の制御装置。 - 前記ガイド光照射部は、前記ワークの前記加工面の方向に向かって前記ワークを含む範囲に対して前記ガイド光を多点照射する、
請求項1から7のいずれか1項に記載の制御装置。 - 前記記憶部は、前記ガイド光照射部によって多点照射された前記ガイド光のうち、前記ワークが前記基準位置および前記基準高さにある状態で、前記ワーク上に照射された前記ガイド光の位置を保存する、
請求項8に記載の制御装置。 - 前記加工制御部は、前記記憶部に保存された前記ガイド光の位置と、前記カメラによって取得された前記観察画像に含まれる前記ワーク上に照射された前記ガイド光の位置とを比較して、前記レーザ光による前記ワークの前記加工面上における前記加工位置を補正する、
請求項9に記載の制御装置。 - 前記加工制御部は、前記記憶部に保存された前記ガイド光の位置と、前記カメラによって取得された前記観察画像に含まれる前記ワーク上における前記ガイド光の位置とを比較して検出された前記ワークの傾斜に基づいて、前記ワークの前記加工面上における前記加工位置を補正する、
請求項8から10のいずれか1項に記載の制御装置。 - 前記ワークは、円環状の形状を有している、
請求項1から11のいずれか1項に記載の制御装置。 - 請求項1から12のいずれか1項に記載の制御装置と、
前記レーザヘッドと、
前記観察光学系と、
前記ガイド光照射部と、
を備えたレーザ加工システム。 - 加工対象となるワークを加工するためのレーザ光を照射する出射部と、前記ワークの加工面上において前記レーザ光を走査するための走査手段と、を含むレーザヘッドと、
前記ワークを含む観察画像を取得するカメラを含み、前記カメラの光軸が前記レーザ光の照射方向に対して交差するように配置された観察光学系と、
前記レーザ光と同軸で走査され、前記ワークの前記加工面に対して照射されるガイド光を照射するガイド光照射部と、
前記カメラによって取得された前記観察画像を用いて、前記レーザヘッドによる前記ワークの加工を制御する加工制御部と、
を備えたレーザ加工装置によるレーザ加工方法であって、
前記ワークが基準位置および基準高さにある状態で設定される、前記ワークの一部の形状を含む登録パターンおよび前記登録パターンに対応する対象基準位置と、前記ガイド光照射部によって前記ガイド光が照射された前記ワークが存在する位置の基準座標と、を記憶部に保存する保存ステップと、
前記記憶部に保存された前記基準座標と、前記登録パターンに対応する前記対象基準位置とを参照して、前記レーザ光による前記ワークの前記加工面上における加工位置を補正する補正ステップと、
を備えたレーザ加工方法。
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