(全体構成)
まず、発明の一形態に係るゲームシステムの全体構成の一例を説明する。図1に示すように、ゲームシステム1は、サーバ2と、そのサーバ2のクライアントとして機能することが可能な複数のゲーム機3A、3B、3C、3D(以下、ゲーム機3と表記することがある。)及びカードベンダ4とを含んでいる。また、ゲームシステム1では、ユーザ端末5もサーバ2のクライアントとして利用可能である。サーバ2は単一のコンピュータ装置を用いた物理的な一台のサーバとして構成されてもよいし、複数のコンピュータ装置を組み合わせた論理的なサーバとして構成されてもよい。
ゲーム機3A〜3Dは、互いに種類が異なるゲームをユーザに提供するゲーム装置の一例である。図1では4種類のゲーム機3A〜3Dが示されているが、ゲーム機3の種類は適宜でよい。各ゲーム機3で提供されるゲームの内容は適宜でよい。例えば、音楽ゲーム、ダンスゲーム、麻雀等のボードゲーム、その他の各種のゲームがゲーム機3にて提供されてよい。ゲームの種類は適宜の観点で区別されてよい。例えばゲームのジャンル、タイトル、バージョンその他の適宜の観点からゲームの種類が区別されてよい。ゲーム機3は、料金の支払いと引き換えにユーザにゲームをプレイさせ、あるいはゲームに関連したサービスをユーザに提供する業務用のゲーム機として設けられている。ゲーム機3は、ゲーム機3を利用した収益事業を営む施設の一例としての店舗6に設置される。図1では単一の店舗6が示されているが、実際には複数の店舗6が存在し、各店舗6に少なくとも一台のゲーム機3が設置される。
カードベンダ4は、ゲームと関連付けられたカードを印刷してユーザに出力する媒体出力装置の一例である。各店舗6には少なくとも一台のカードベンダ4が設置される。ユーザ端末5は、ユーザの個人的な利用に供される情報通信装置である。例えば、スマートフォンがユーザ端末5として利用されてよい。モバイル型のPC、携帯型のゲーム機といった情報通信装置がユーザ端末5として利用されてもよい。
サーバ2と、ゲーム機3、カードベンダ4及びユーザ端末5とはネットワーク7を介して情報通信可能である。ネットワーク7は、同一店舗6内のゲーム機3とカードベンダ4とを収容するように構成された店舗6ごとのLAN7aと、LAN7aとサーバ2とを接続するWAN7bとを含む。WAN7bは一例としてインターネットである。LAN7aは店舗6ごとに設置されたルータ7cを介してWAN7bに接続される。ユーザ端末5は通信会社等が用意するアクセスポイント7dを介してWAN7bに接続される。サーバ2も適宜の構成でWAN7bに接続されてよい。
ゲームシステム1では、カードベンダ4等の画面に表示される仮想的なカードと、カードベンダ4によりユーザに対して印刷出力される物理的な存在としてのカードとが存在する。以下では、前者を仮想カードと、後者を実カードと読んで両者を区別することがある。
(カード印刷処理の概要)
図2は、カードベンダ4にて実カードを印刷出力するために行われる処理の概要を示している。カードベンダ4では、まずタイトル画面等を表示しつつユーザの開始操作を待つ待機処理が行われる(ステップS1)。ユーザがカードベンダ4に対して所定の開始操作を行うと、サーバ2がカードベンダ4を介してユーザを認証するユーザ認証処理が行われる(ステップS2)。ユーザ認証が完了すると、いずれの種類のゲームに関する実カードを印刷すべきかをユーザに選択させるためのコンテンツセレクトの処理が行われる(ステップS3)。ゲームの種類が選択されると、印刷すべき実カードのタイプ(又は種類)をユーザに選択させるコンテンツホームへと処理が移行する(ステップS4)。コンテンツホームの処理では、抽選プリント、プロフィールプリント及びメモリアルプリントの3種類のタイプからいずれか一つのタイプが選択可能とされる。実カードのタイプが選択されると、選択されたタイプに対応した処理が行われ(ステップS5〜S7)、いずれかの処理が終わるとコンテンツホームへと処理が戻される。さらに、コンテンツホームにてタイプの選択がなければコンテンツセレクトへと処理が戻される。コンテンツセレクトにて印刷の終了(又は取り消しであってもよい。)がユーザによって指示されると所定の終了処理が行われ(ステップS8)、その後、待機処理へと復帰する。
次に、図2のステップS5〜S7にて行われる抽選プリント、プロフィールプリント、及びメモリアルプリントのそれぞれの具体例を順に説明する。
(抽選プリントについて)
抽選プリントの処理(図2のステップS5)は、ゲームと関連付けられた仮想カードを複数の選択候補から抽選により選択し、選ばれた仮想カードに対応する実カードを印刷する処理である。図3は抽選プリントにてカードが印刷される手順の一例を示す。抽選プリントでは、カードベンダ4に対するユーザの指示に基づいて、仮想カードCvに関する1回又は複数回の抽選が実施される。図3では、1回目からN回目まで抽選が繰り返される例が示されている。抽選回数には適宜の上限が設定されてもよい。1回の抽選では、各種の仮想カードCvを含んだ選択肢の一例としての選択候補群GCから1枚の仮想カードCvが抽選により選択される。
1回の抽選で仮想カードCvが選択されると、ユーザは、選ばれた仮想カードCvを実カードCrとして印刷するか、又は印刷出力が保留された仮想カードCvとして保持するか、を選択することができる。印刷が保留された場合、今回の抽選で選ばれた仮想カードCvは印刷が保留されたカードとして保持され、次の抽選が行われる。2回目以降の抽選でも、ユーザは、選択された仮想カードCvの印刷を保留して新たな抽選を選択することが可能である。ただし、抽選回数に上限が設定されている場合、上限に到達した後、新たな抽選を選択することはできない。印刷が保留されている仮想カードCvは、ユーザの指示に基づいてその保留を解除し、仮想カードCvに対応する実カードCrを印刷することができる。図3の例では、N回目の抽選後、2枚の仮想カードCvの保留解除がユーザによって指示され、それらの仮想カードCvに対応する実カードCrが印刷出力される。
抽選プリントでは、抽選及び印刷のそれぞれに対してユーザに所定の料金が課金される。一例として1回目(初回)の抽選に対して基本料が、2回目以降の抽選に対して追加抽選料がそれぞれ課金される。基本料は、一例として初回抽選単価と印刷単価とを合計した額として設定される。初回抽選単価は初回の抽選に対して適用される単価であり、印刷単価は1枚(初期値の一例である。)としての実カードCrの印刷に対して適用される単価である。追加抽選料は、2回目以降の抽選に対して適用される抽選1回あたりの単価である。印刷に関しては、1枚の実カードCrのみを印刷する場合には新たな課金が発生しない。一方、2枚以上の実カードCrを印刷する場合には印刷加算料が付加的に課金される。すなわち、1回目の抽選に対応する基本料は1枚の実カードCrを印刷するための印刷単価を含んでいるため、2枚以上の実カードCrを印刷する場合に加算料として、印刷枚数から1を減算した値に印刷の追加単価を乗算した額が印刷加算料として課金される。実カードCrの印刷にあたって特別の処理をユーザが選択できるようにしてもよく、その選択に対応して付加的な料金がさらに課金されてもよい。特別の処理としては、例えば光沢感を付加する加工、ホログラム加工、高品質な印刷台紙の選択といった選択肢が用意されてよい。
基本料、追加抽選料、印刷加算料、及びこれらの料金を算出するための単価は処理に要するコスト、利益、あるいはユーザの負担感といった各種の要素を考慮して設定されてよい。例えば、初回抽選単価と、追加抽選料とは、1回の抽選に対応する単価であるが、必ずしも同額に設定することを要しない。基本料に含まれる印刷単価、及び印刷加算料を算出するための追加単価に関しても、1枚の実カードCrの印刷に対応する単価であるが、必ずしも同額に設定することを要しない。
選択候補群GCには価値が異なる複数種類の仮想カードCvが含まれてよい。カードの価値は、カードに設定されたパラメータの値の高低等によって定まる客観的な価値と、ユーザからみた主観的な価値とを含む。客観的な価値及び主観的な価値のいずれもが高いカードもあれば、いずれか一方の価値が高く他方の価値が低いカードもあり、いずれの価値も低いカードもある。カードの客観的な価値は抽選の確率と関連付けられる。客観的な価値が高いカードは抽選で出現する確率が相対的に低く、客観的な価値が低いカードは抽選で出現する確率が相対的に高い。確率が顕著に低いカードは希少性が高く、レアカードと呼ばれることがある。レアカードが抽選で選択される確率をレアカードの出現率とした場合、図3の例ではその出現率が抽選の回数に応じて差別化されている。すなわち、1回目の抽選におけるレアカードの出現率をPb1、2回目の抽選におけるレアカードの出現率をPb2、N回目の抽選におけるレアカードの出現率をPbNとした場合、出現率Pb2は出現率Pb1よりも高く、出現率PbNは出現率Pb2と同一か又は出現率Pb2よりもさらに高く設定される。なお、1回の抽選ごとにレアカードの出現率を高めることは必ずしも必須ではない。レアカードの出現率は抽選が繰り返されるに従って徐々に高められていればよい。出現率に上限が設定されてもよい。あるいは、抽選回数が所定値に達したときに出現率が100%となり、レアカードの出現が確定するように出現率が制御されてもよい。
以上のように、抽選プリントでは、抽選で選択された仮想カードCvを、印刷保留状態として残しつつ、次の抽選を選択することができる。したがって、ユーザが必ずしも必要としない仮想カードCvが抽選で選択された場合、ユーザはその仮想カードCvに対応する実カードCrの印刷を一旦保留して次の抽選を選択することができる。次の抽選でも所望の仮想カードCvが選択されなかった場合、ユーザは1回目及び2回目で選ばれた仮想カードCvから少なくとも1枚の仮想カードCvの保留を解除して実カードCrを印刷させてもよいし、さらなる抽選を選択してもよい。このように、抽選プリントでは、抽選を繰り返すことによって印刷候補の仮想カードCvを増加させ、それらの候補からユーザが印刷を希望する仮想カードCvを適宜に選んで実カードCrを印刷することが可能である。それにより、ユーザが必ずしも必要としないカードが印刷される無駄を抑え、あるいはその印刷に要する手間、時間等の負担を軽減することができる。
抽選プリントでは、抽選ごとに料金が設定されているため、希望するカードが得られるまで制限なく抽選が繰り返されるおそれを抑制し、あるいは解消することができる。その一方、抽選が繰り返されるにつれてレアカードの出現率が上昇するため、印刷を保留して抽選を選択する動機付けをユーザに与えることもできる。さらに、印刷に関しては、必要最低限の枚数(一例として1枚)を超える印刷枚数ごとに印刷加算料を課金する構成としているため、必要がないか又は低いカードまで印刷される無駄を抑えつつ、印刷に要するユーザの費用面での負担感を軽減することが可能である。
なお、抽選プリントにて印刷される実カードCrは、一例として、ゲーム機3にて読み込まれることにより、ゲームの制御に反映させることが可能なパラメータ等の情報が記録されたカードであってよい。この種のカードとしては、例えば、ゲームにてユーザが使用するアイテムの価値を変化させるパラメータの値が記録されたカードがある。ただし、実カードCrは必ずしもゲーム機3にて読み取り可能な態様で情報が記録される例に限られない。例えば、実カードCrを利用して、ゲーム機3におけるゲームと関連付けられたカードゲームをオフラインでプレイする場合、そのカードゲームでデッキ等に組み込まれて利用されるカードが実カードCrとして印刷出力されてもよい。さらに、実カードCrは、ユーザの収集を主たる目的としたカードとして印刷されてもよい。したがって、ゲーム機3は、実カードCrの情報を読み取る機能を有する例に限定されない。
図3において、仮想カードCvの保留、及び仮想カードCvに対応する実カードCrの印刷は店舗6ごとに区別して管理され、実カードCrの印刷は、対応する仮想カードCvが取得された店舗6内のカードベンダ4に限って印刷可能とされてよい。つまり、仮想カードCvの抽選、印刷保留、及び実カードCrの印刷は同一店舗6内に限って行えるように管理されてよい。抽選及び印刷は課金を伴うものであり、それらの課金は店舗6の売上として計上される。したがって、仮に抽選と印刷とが異なる店舗6にて実施されるものとすれば、例えば初回の抽選に伴う基本料を売上として計上する店舗6と、その基本料に対応して行われる印刷コストを負担する店舗6とが相違することとなり、両店舗6間において印刷単価の精算が必要となる、といった経理上の手間が生じる。こうした手間を省くためには、抽選、印刷保留及び印刷を同一店舗6内に限ることが好適である。ただし、そのような精算が問題とならない事情が存在する場合には、抽選が行われた店舗6と、印刷が行われる店舗6との相違が許容されてもよい。
図3では、ユーザが、印刷保留の状態で保持できる仮想カードCvの全てが抽選で選択された例を示している。しかしながら、抽選プリントでは、一のユーザが印刷を保留した仮想カードCvを他のユーザが取得した仮想カードCvと交換し、あるいは印刷保留とした仮想カードCvを他のユーザが取得可能な仮想カードCvとして譲渡することも可能である。図4はその仕組みの一例を示している。図4では、複数のユーザを対象とした仮想ボードVBが用意されている。仮想ボードVBはユーザ間で共用される仮想カードCvの置き場として用意されるものであって、例えばサーバ2上に仮想的に設定される。
図4において、例えばユーザA、Bのそれぞれは、印刷を保留した少なくとも1枚の仮想カードCvを仮想ボードVBに移動させることができる。その移動と引き換えに、他の仮想カードCvを仮想ボードVBから自己の仮想カードCvとして取得することにより、各ユーザA、Bは、自己が取得した仮想カードCvを他のユーザが取得した仮想カードCvと交換することができる。また、ユーザが仮想カードCvを仮想ボードVBに移動させ、仮想ボードVBからいずれの仮想カードCvも取得しない場合には、仮想カードCvを他のユーザに譲渡することができる。仮想ボードVBから取得された仮想カードCvは、これを取得したユーザが印刷保留の状態で保持する仮想カードCvとして追加される。したがって、ユーザが保留設定した仮想カードCvと同様に、保留を解除して印刷対象として選択することが可能である。なお、仮想ボードVBにおける仮想カードCvの保管期間を有限とし、保管期間が経過した仮想カードCvは消去してもよい。
以上のように、仮想ボードVBを設けた場合には、ユーザが必ずしも必要としない仮想カードCvがユーザに付与されたときに、これを印刷することなく、他のユーザに譲渡し、あるいは他のユーザと交換することが可能となる。そのため、ユーザが必要としない実カードCrが印刷される無駄を抑制し、又は解消することができる。抽選の繰り返しによって印刷候補を増加させる手法に必ずしも依存せずに、ユーザが所望の実カードCrを取得する機会を提供することができる。一方、抽選の繰り返しによって不必要な仮想カードCvが増えた場合でも、これを処分する場として仮想ボードVBを利用することができる。なお、複数の仮想カードCvの一部が出力対象カードとして選択されて実カードCrが印刷された場合、印刷保留状態で残された仮想カードCvは消去されてもよい。
仮想ボードVBも店舗6ごとに区別して設置されてよい。例えばユーザが特定の店舗6のカードベンダ4にて取得した仮想カードCvは、その店舗6に対応する仮想ボードVBのみに移動させることが可能であり、かつ仮想ボードVBから取得された仮想カードCvの印刷も同一店舗6に限られるものとしてよい。このように店舗6ごとに仮想ボードVBを運用する理由は、図3の例と同じく抽選が行われた店舗6と、印刷が行われる店舗6とが相違することによる精算の手間を生じさせないためである。ただし、精算の手間が問題とならない事情が存在する場合に、仮想ボードVBが店舗6の枠を超えて設置されてもよい。また、仮想ボードVBは店舗6に一つ設定される例に限らない。同一店舗6でもゲームごとに区別して仮想ボードVBが設置されてもよい。この場合には、仮想ボードVBを利用した仮想カードCvの交換、及び譲渡は同一ゲームの範囲内で行われる。一方、複数種類のゲームに関して共通に仮想ボードVBが設置されてもよい。その場合、異なるゲーム間で仮想カードCvを交換することも可能である。一方、仮想ボードVBはユーザごとに区別して設置されてもよい。この場合、仮想カードCvの交換を希望するユーザは、他のユーザの仮想ボードVBを閲覧して、交換対象の仮想カードCvを探すことになる。したがって、仮想ボードVBの閲覧の許可又は制限(あるいは禁止)をユーザ単位で制御する上で好都合である。
仮想ボードVBに置かれた仮想カードCvには、これを仮想ボードVBに提供したユーザを所有者のユーザとして識別する所有者情報が対応付けられてもよい。一例として、仮想ボードVB内の仮想カードCvには、所有者のユーザを識別するユーザ識別情報(例えばユーザID)が所有者情報として対応付けられてもよい。この場合には、仮想カードCvの所有者を明確にした交換又は譲渡を実現する場として仮想ボードVBを機能させることができる。例えば、所有者情報を手がかりとして、仮想カードCvの交換や譲渡を希望するユーザを判別し、そのユーザ間で合意を形成するためのコミュニケーションの機会を提供する、といった機能を設けることにより、ユーザ間で相手方を特定した取り引きを実現することができる。仮想ボードVBへの仮想カードCvの提供にあたって交換条件を設定し、条件が満たされたユーザ間で仮想カードCvを交換させるといった双方向的な取り引きを実現することもできる。一方、仮想ボードVBの仮想カードCvには所有者を示す情報が対応付けられなくてもよい。この場合、仮想ボードVBに置かれた仮想カードCvは所有者がいない状態となる。したがって、仮想ボードVBは、各ユーザが不要と判断した仮想カードCvを、他のユーザに取得させるための置き場として位置付けることが可能である。仮想ボードVBから仮想カードCvを取得するユーザは元の所有者のユーザを意識する必要もなければ、知ることもできない。そのため、仮想ボードVBを気軽に利用することが可能である。
仮想ボードVBを介した仮想カードCvの交換は、交換元の仮想カードCVと交換先のカードCvとが同時的に入れ替わる態様に限られない。例えば、ユーザが特定の仮想カードCvを仮想ボードVBに移動させた後、いずれかの仮想カードCvを仮想ボードVBから取り込む権利を留保し、その後の適当な時期に権利を行使して、希望する仮想カードCvを仮想ボードVBから取り込むといった時間差のある交換が可能であってもよい。仮想ボードVBに置かれる仮想カードCvは変動するため、ユーザが仮想ボードVBに仮想カードCvを移動させる時点では、交換を希望する仮想カードCvが必ずしも存在しないことがある。時間差のある交換を許容すれば、仮想ボードVBへの仮想カードCvの移動、及び仮想ボードVBからの仮想カードCvの取り込みのそれぞれをユーザの都合に応じた適宜のタイミングで行うことが可能となり、ユーザの希望に沿った仮想カードCvを取得できる可能性が高まる。
仮想ボードVBの利用に関しては何らかの利用条件が設定されてもよい。例えば、少なくとも1枚の仮想カードCvを仮想ボードVBに移動させることが利用条件として設定されてもよい。このような条件を設定すれば、仮想ボードVBに取り入れられる仮想カードCvの枚数と、仮想ボードVBから取り出される仮想カードCvの枚数との間のずれを抑え、仮想ボードVB内における仮想カードCvの枚数の顕著な増加又は減少を防ぐことができる。なお、サーバ2のプリント管理部21、例えば仮想ボード管理部24の判断により、仮想ボードVBに対して仮想カードCvが適宜に追加されてもよい。例えば、仮想ボードVBの仮想カードCvの枚数が不足していると判断された場合、仮想ボード管理部24が仮想カードCvを適宜に発生させて仮想ボードVBに配置する処理が行われてもよい。そのような仮想カードCvは、例えば仮想のユーザの所有とされてもよい。
(プロフィールプリントについて)
プロフィールプリントの処理(図2のステップS6)は、ユーザ間でゲームに関連した所定の関係を設定するために使用可能なカード(実カード)を印刷する処理である。所定の関係は、ゲームの制御に反映される関係であって、例えばフレンド、グループ、ライバルといった関係が該当する。ユーザ間の関係がゲームの制御に与える影響としては、例えばフレンドの関係が設定されているユーザ間でゲームのプレイを協力し合ったり、キャラクタその他のアイテムを貸し借りするといったようにゲームが制御されてよい。あるいは、フレンドの関係が設定されているユーザ間でのみゲーム中にチャットが可能となるといった制御が行われてもよい。ユーザ間の関係は1対1に限定されず、例えばユーザが同一のグループやコミュニティに参加するといった態様で実現されてもよい。
図5は、プロフィールプリントにおけるカードの印刷及び利用の手順の一例を示している。プロフィールプリントでカードを印刷するためには、まずカードの印刷を希望するユーザ(対象ユーザ)がゲーム機3にて所定の予約操作を行ってサーバ2に対してプロフィールプリントにおけるカード(以下、プロフィールカードと呼ぶことがある。)の印刷を予約する(図5(a))。予約操作は、プロフィールカードの印刷内容を指定する操作であり、サーバ2には予約内容に対応したプロフィールカードを印刷するための印刷予約の情報が保存される。サーバ2に保存されたプロフィールカードの印刷予約の情報を対象ユーザがユーザ端末5にて閲覧し、印刷内容の加工、修正、追加といった調整を施すことを可能としてもよい。
サーバ2に保存されている対象ユーザの印刷予約の情報は、その対象ユーザの指示に基づいてカードベンダ4に提供される。対象ユーザがカードベンダ4にてプロフィールプリントを選択することにより、与えられた印刷予約の情報に基づいて、実カードとしてのプロフィールカードCpが対象ユーザに対して印刷出力される(図5の(b))。プロフィールカードCpには、対象ユーザと他のユーザ(相手方ユーザ)との間に上述した所定の関係を設定するために必要な設定情報が埋め込まれた二次元コード100と、対象ユーザを象徴する可視的な象徴情報101とが記録される。「可視的」とは、看者が視覚を通じて意味内容を把握できるように表現されていることを意味する。
印刷されたプロフィールカードCpは、対象ユーザがフレンド等の関係を設定したい相手方ユーザに対して提供される(図5の(c))。プロフィールカードCpの提供は、相手方ユーザが少なくとも一時的にプロフィールカードCpを利用できるように行われるものであれば足り、譲渡、貸与といった各種の態様で実現されてよい。プロフィールカードCpを取得した相手方ユーザが、プロフィールカードCpの二次元コード100をゲーム機3又はユーザ端末5のカメラ等の撮影装置にかざして設定情報をゲーム機3又はユーザ端末5に取得させると、これを取得したゲーム機3又はユーザ端末5からサーバ2に対して設定情報を添えてフレンド等の関係の設定が要求される。これを受けてサーバ2が設定情報に基づいて対象ユーザと相手方ユーザとの間にフレンド等の関係を設定する(図5の(d))。なお、相手方ユーザは、例えばゲーム機3又はユーザ端末5を介したユーザ認証を利用して特定することが可能である。フレンド等の関係の設定は、対象ユーザによる承認を必要するものとしてもよい。つまり、二次元コード100が読み込まれた後の関係の設定は、通常のフレンド申請等と同様に処理されてよい。
以上のように、プロフィールカードCpには、フレンド等の関係の設定に必要な情報が記録されているので、そのプロフィールカードCpの二次元コード100等の設定情報をゲーム機3又はユーザ端末5に読み取らせるだけで関係を設定することができる。フレンドを設定したい対象ユーザは、相手方ユーザに対してプロフィールカードCpを渡すだけでよく、それらのユーザ間でユーザIDを教え合うといった手作業的な対策も不要である。したがって、例えば店舗6外で知り合ったユーザをフレンドに加えたい場合のように、ゲーム機3が直ちに利用できないような状況であっても、プロフィールカードCpを渡すことによって後日に確実にフレンド等の関係を設定することができる。さらに、プロフィールカードCpには、対象ユーザの象徴情報101が記録されているので、プロフィールカードCpを受け取ったユーザが象徴情報101を介して対象ユーザを容易に想起することができる。したがって、相手方ユーザが対象ユーザを失念するおそれを軽減し、あるいは解消することも可能である。
図6はプロフィールカードCpの一例を示す。図6のプロフィールカードCpは、ダンスゲームに関連付けて印刷出力されるカードである。プロフィールカードCpの表面には、プレイ中の対象ユーザを撮影したプレイ画像101a、対象ユーザのゲームにおける名前101b、プレイ時間101cが対象ユーザを象徴する象徴情報101の一例として記録される。プロフィールカードCpの裏面には、二次元コード100と、ゲームタイトルを象徴する画像102とが記録される。なお、「表面」及び「裏面」はプロフィールカードCpの両面を区別するために用いる用語であって、各面の主従関係といった他の概念を含むことを意図したものではない。図6において、プレイ画像101aはユーザを白抜きの状態で示しているが、実際にはユーザを撮影した画像がプレイ画像101aとして記録される。名前101bは、本名に限らず、ゲームにて使用しているハンドル名その他の別名であってもよい。
二次元コード100には、プロフィールカードCpを印刷した対象ユーザと相手方ユーザとの間にフレンドの関係を設定するために必要な設定情報が埋め込まれている。例えば、対象ユーザを識別するためのユーザ識別情報としてのユーザIDが二次元コード100に埋め込まれている。ユーザIDはフレンドの関係を設定するために必要な設定情報の一例に相当する。対象ユーザが何らかのグループに所属している状態で、他のユーザを同一グループに所属させる関係を設定したい場合には、そのグループを識別するための情報、例えばグループIDを設定情報として二次元コード100に埋め込んでもよい。所定の関係を設定するための一時的な識別コードを、その関係を設定するために行わるべき処理と対応付けてサーバ2に保存し、発行された識別コードを設定情報として二次元コード100に埋め込んでもよい。なお、フレンド等の関係が同一種類のゲーム内に限って設定される場合、二次元コード100には、対象となるゲームの種類を判別するための情報が設定情報として追加されてもよい。
一方、プロフィールカードCpの象徴情報101は、看者が対象ユーザを想起できる程度に対象ユーザを象徴する内容を含んでいればよい。言い換えれば、象徴情報101を観察することにより、対象ユーザがどのような者であったかをゲームと関連付けて想起させる具体的な表現を含むものであれば象徴情報101として利用可能である。例えば、上述したプレイ画像101a、名前101bは対象ユーザを想起させるに十分な事項であるが、これらの事項に代えて、又は加えて、対象ユーザのゲームにおける称号、対象ユーザが固有的に使用するゲームキャラクタ(アバター等)といったように、対象ユーザによるゲームのプレイと関連付けて得られるプレイ関連情報に基づく事項が象徴情報101として用いられてよい。この場合、プレイ関連情報は、ゲームにおける成績、進行状況、達成状況、何らかの条件の成否といったように、プレイと関連付けて収集することが可能な各種の情報を含んでよい。ゲームのスコア、ランキング、ステータスといった事項は、それ自体では特定のユーザを想起させることが一般に困難であるものの、例えば顕著に高いスコア、ランキングの上位、あるいは限られたユーザしか獲得できないステータスといったように、顕著性を有する事項であれば対象ユーザを想起できる象徴として利用されてよい。
対象ユーザを想起できるか否かは、ゲームの全てのユーザ、あるいは一般的なユーザを基準とすることを要しない。プロフィールカードCpは、対象ユーザと相手方ユーザとの間に所定の関係を設定するために利用されるものであって、どのような範囲のユーザにプロフィールカードCpを渡すかは対象ユーザの判断によるものである。したがって、対象ユーザが、プロフィールカードCpを配布したい対象として想定しているユーザの範囲内で、対象ユーザを象徴する表現として通用する事項であれば象徴情報101としてプロフィールカードCpに記録されてよい。
プレイ関連情報として、プレイ中の画像が象徴情報101として利用されてもよい。上述したプレイ画像101aはプレイ中の画像の一例であるが、これに代えて対象ユーザがゲームをプレイしている途中に取得されるゲーム画像のスクリーンショット等も、対象ユーザを想起させ得る事項を含む限りにおいて、プレイ中の画像として用いられてよい。あるいは、ユーザを撮影した画像をプレイ中の画像として用いる場合でも、ユーザの顔を含んだ画像を用いることは必ずしも必要ではない。例えば、ゲーム機3を操作するユーザの手元を撮影した画像、ダンスゲームをプレイするユーザのステップのように、ユーザの顔以外の部分を撮影した画像であっても、ユーザに特有の印象的な表現、あるいは顕著性を有する表現を含む場合には、その画像を通じてユーザを想起することが可能であって、象徴情報101の少なくとも一部として利用することが可能である。
フレンド等の関係を設定するための設定情報は二次元コード100に埋め込まれた態様でプロフィールカードCpに記録されることを必ずしも要しない。例えば、設定情報はバーコードのような一次元コードに記録されてもよいし、その他にも各種のフォーマットで記録されてよい。プロフィールカードCpに用いられる台紙がRFIDや磁気ストライプ層のような記憶領域を含む場合には、設定情報がその記憶領域に電子的に又は電磁的に記録されてもよい。つまり、設定情報は、光学的な読取手段にて読み取り可能な態様で記録されることを必ずしも要せず、電子的又は電磁的な読取手段を介して読み取り可能な態様で設定情報が記録されてもよい。
(メモリアルプリントについて)
メモリアルプリントの処理(図2のステップS7)は、ユーザがゲームをプレイした記念としてのカード(実カード)を印刷出力する処理である。図7はメモリアルプリントにてカードが印刷される手順の一例を示す。メモリアルプリントでカードを印刷するためには、まずユーザがゲーム機3にて所定の予約操作を行ってサーバ2に対してメモリアルプリントにおけるカード(以下、メモリアルカードと呼ぶことがある。)の印刷を予約する(図7(a))。予約操作は、メモリアルカードの印刷内容を指定する操作であり、サーバ2には予約内容に対応したメモリアルカードを印刷するための印刷予約の情報が保存される。対象ユーザは、サーバ2に保存されたメモリアルカードの印刷予約の情報をユーザ端末5にて閲覧し、印刷内容の加工、修正、追加といった調整操作を行うこともできる。
サーバ2に保存されているユーザの印刷予約の情報は、その対象ユーザの指示に基づいてカードベンダ4に提供される。対象ユーザがカードベンダ4にてメモリアルプリントを選択することにより、印刷予約の情報に基づいて、実カードとしてのメモリアルカードCmがユーザに対して印刷出力される(図7の(b))。メモリアルカードCmには、ゲームにてユーザがゲームをプレイした記念として残したいと希望する記念情報110が記録される。記念情報110は、ユーザが達成した成果、プレイの記録といったプレイ内容に関する事項を看者に想起させる程度にゲームのプレイ内容を表現する内容を含んでいればよい。言い換えれば、記念情報110を観察することにより、ユーザのプレイ内容を想起させる具体的な表現を含むものであれば記念情報110として利用されてよい。記念情報110にて表現されるべきプレイ内容はゲームと関連付けられる限りにおいて適宜に選択されてよい。例えば、ユーザがゲームにて所定のレベルに到達した場合、所定の称号を得た場合、所定のアイテムを獲得した場合、所定の技を決めた場合、所定の役を形成して勝利した場合等、ユーザが一定の成果を達成した場合、それらの成果に対応する記念情報110がメモリアルカードCmに記録されてよい。あるいは、ユーザが特定の店舗6にてプレイした場合、例えば来店記念のような記念情報110がメモリアルカードCmに記録されてもよい。言い換えれば、ゲームに関してユーザが実カード上に記録として残したい事項を記念情報110として捉えることが可能である。
記念情報110は、画像、テキストといった各種の表現要素を用いて記録されてよい。例えば、ユーザが達成した成果、ゲーム中の進行状態等を示すテキスト、ゲーム画面のスナップショット、プレイ中のユーザを撮影した画像等を単独で又は適宜に組み合わせた記念情報110がメモリアルカードCmに記録されてよい。さらに、ユーザが何らかの成果を達成したことを示す認定証、証明書といった画像が記念情報110としてメモリアルカードCmに記録されてもよい。
プロフィールカードCpの象徴情報101と、メモリアルカードCmの記念情報110とは互いに排他的であることを必ずしも要しない。象徴情報101の少なくとも一部と同一の内容が記念情報110としてメモリアルカードCmに記録されてもよいし、記念情報110の少なくとも一部と同一の内容が象徴情報101としてプロフィールカードCpに記録されてもよい。要するに、プロフィールカードCpとメモリアルカードCmとは、二次元コード100の有無によって区別されてよい。
図8はダンスゲームに関連付けて出力されるメモリアルカードCmの一例を示している。図8のメモリアルカードCmでは、表面に、ユーザのプレイ中の画像110aが記念情報として記録され、裏面にユーザの名前及びプレイの日時を示すテキスト110bが記念情報として記録されている。さらに、図8のメモリアルカードCmでは、画像110aを装飾するオブジェクト111、及びゲームのタイトル等を示す背景画像112も併せて記録されている。これらのオブジェクト111及び背景画像112は例えばゲーム機3にてユーザが指定し、あるいはユーザ端末5を介してユーザが指定するものとしてよい。
また、図9は麻雀ゲームに関連付けて出力されるメモリアルカードCmの一例を、図10は麻雀ゲームに関連付けて出力されるメモリアルカードCmの他の一例をそれぞれ示している。図9のメモリアルカードCmでは、ユーザが特定の役で上がったときのスクリーンショット110cが記念情報として記録されている。一方、図10のメモリアルカードCmでは、麻雀ゲームの大会でユーザが第1位を獲得したことを証明する証明書の画像110dが記念情報として記録されている。図8〜図10の画像110a〜110dは記念情報110の一例であり、上述したようにユーザがカード上に記録として残したい各種の情報が記念情報110としてメモリアルカードCmに記録されてよい。図10のメモリアルカードCmは、ユーザがゲームにて予め設定されている条件を満たしたことを示すものである。このようなメモリアルカードCmは、対応する条件が満たされた場合に限ってその予約及び出力が許可されるものである。条件は適宜に設定されてよく、条件を満たしたときにこれを達成した記念としてメモリアルカードCmを出力させてよい。
上述したプロフィールプリント及びメモリアルプリントは、いずれもゲーム機3とは別に設置されたカードベンダ4にてカードCp、Cmを印刷するため、それらの印刷に要する設備的負担、あるいは時間的負担といった各種の負担からゲーム機3を開放することができる。しかも、カードの印刷内容の少なくとも一部、例えば象徴情報101、あるいは記念情報110をゲーム機3側で取得して印刷を予約し、カードベンダ4では予約に従ってカードCp、Cmを印刷するため、カードCp、Cmの内容を各ユーザのゲームのプレイに応じて動的に変化させることができる。そのため、予め内容が定められた画一的なカードをカードベンダ4にて印刷出力する場合と比較して、多種多様なカードを出力可能とし、それによりカード印刷に関する興趣を高めることができる。
ゲーム機3とカードベンダ4とが互いに異なる装置として区別されているため、例えばゲーム機3にてゲームをプレイしている間に、ユーザがカードを欲しいと考えた場合には、その時点でゲーム機3で予約操作して印刷に備えておくことができる。その後、ユーザは予約されたカードの印刷をカードベンダ4にて指示するだけで、所望するカードを取得することができる。カードの印刷に必要な操作の全てをカードベンダ4にて行うものとすれば、ゲームのプレイ中にカードの要求が生じても、その要求に応じた操作をゲーム機3で行うことはできない。しかも、カードベンダ4にてゲームの種類の選択、印刷内容の指定といった印刷に必要な全ての操作を行うものとすれば、カードベンダ4の操作の負担感も増す。そうした負担感は、ゲームのプレイ中に生じたカードの要求を削ぐ要因にもなりかねない。カードベンダ4が空いていない、あるいは離れているといった事情が存在する場合には特にそのおそれが高まる。これに対して、ゲームのプレイ中にカードの要求が生じた時点でその印刷を予約しておけば、カードベンダ4の操作に対するユーザの負担感も小さく、ユーザのカード取得の要求に適切に応えることができる。
(ゲームシステムの制御系)
次に、上述した各種のカードを印刷するためのゲームシステム1の制御系の構成の一例を図11及び図12により説明する。図11は、サーバ2における制御系の要部の一例を示している。サーバ2は、制御ユニット10及び記憶ユニット11を含む。制御ユニット10は、マイクロプロセッサ、及びその動作に必要な内部記憶装置を含んだコンピュータユニットとして構成されている。記憶ユニット11は、磁気ディスク等を用いた記憶保持が可能な記憶装置であって、制御ユニット10に対する外部記憶装置として機能する。データベースサーバが記憶ユニット11の少なくとも一部として用いられてもよい。
記憶ユニット11には、サーバ2にて参照されるべきデータとして、例えばゲームデータDg、プレイデータDp及び仮想ボードデータDvが記録される。ゲームデータDgはゲーム機3にてプレイされるゲームで使用されるべき画像データ、音声データといった各種のデータを含む。仮想カードCvを表示し、あるいは実カードCrを印刷するために必要なレイアウト、フォーマット、テンプレートといったカードCv、Crの基本となるデータもゲームデータDgに含まれる。プレイデータDpは、ユーザによるゲームのプレイに関連した情報が保存されるユーザごとのデータである。図11では1人のユーザに対応するプレイデータDpを示している。カードベンダ4にてユーザが取得した仮想カードCvの情報、ゲーム機3でユーザが予約したプロフィールカードCp、メモリアルカードCmの情報もプレイデータDpに保存される。仮想ボードデータDvは仮想ボードVBに置かれている仮想カードCvを判別するためのデータである。
制御ユニット10には、そのハードウエアと所定のサーバプログラムPGsとの組み合わせによって実現される論理的装置として、ゲーム管理部20及びプリント管理部21が設けられる。ゲーム管理部20は、ゲーム機3にてプレイされるゲームに関連した各種のサービスをゲーム機3に提供する。例えば、ゲーム管理部20は、ゲーム機3へのプレイデータDpの提供、ゲーム機3にて更新されたプレイデータDpの保存、ユーザ同士のマッチングといったサービスを提供する。ゲーム管理部20には、上述したユーザ間のフレンド等の関係を管理するための関係管理部22がさらなる論理的装置として設けられる。
一方、プリント管理部21は、カードベンダ4におけるカードの印刷に関連した各種のサービスをゲーム機3、カードベンダ4及びユーザ端末5に対して提供する。それらのサービスを提供するため、プリント管理部21には、抽選プリント処理部23、仮想ボード管理部24、プロフィールプリント処理部25、及びメモリアルプリント処理部26がさらなる論理的装置として設けられる。抽選プリント処理部23は、抽選プリントにおける仮想カードCvの抽選、あるいは保留、仮想カードCvに対応する実カードCrを印刷するために必要なデータの生成といった抽選プリントに関連した処理を担当する。仮想ボード管理部24は、仮想ボードデータDvの管理に関連した処理を担当する。プロフィールプリント処理部25は、プロフィールカードCpに関する印刷の予約、印刷に必要なデータの生成といったプロフィールプリントに関連した処理を担当する。メモリアルプリント処理部26は、メモリアルカードCmに関する印刷の予約、印刷に必要なデータの生成といったメモリアルプリントに関連した処理を担当する。
サーバ2の制御ユニット10には、さらなる論理的装置として、ユーザ認証部27及び決済処理部28が設けられる。ユーザ認証部27は、クライアントとしてのゲーム機3、カードベンダ4及びユーザ端末5のそれぞれからの求めに応じてユーザを認証する。決済処理部28は、ゲーム機3、カードベンダ4及びユーザ端末5のそれぞれからの求めに応じてユーザから料金を徴収するための決済処理を実行する。決済処理は、例えば電子通貨による決済、クレジットカードによる決済、金融機関が提供するオンライン決済等、ネットワーク7を利用した各種の決済処理が利用されてよい。ただし、ゲーム機3及びカードベンダ4における決済に関しては、ネットワーク7を利用した決済に代えて、又は加えて、通貨を利用した現金決済が利用されてもよい。
図12は、ゲーム機3、カードベンダ4及びユーザ端末5のそれぞれにおける制御系の要部の一例を示している。ゲーム機3は、マイクロプロセッサ、及びその動作に必要な内部記憶装置を含んだコンピュータユニットとして構成された制御ユニット30を含む。制御ユニット30には、入力装置として、カードリーダ31、カメラ32、操作検出装置33が、出力装置として表示装置34がそれぞれ接続されている。カードリーダ31は、ユーザ認証に必要なユーザ識別情報をユーザが所持する認証用媒体から読み取るために設けられている。認証用媒体は、一例として磁気ストライプ、RFID等の記憶部を含んだカード等が利用される。ここでいうカードはカードベンダ4が印刷する実カードCrとは異なる。カメラ32はゲーム中のユーザの画像の取得、あるいはプロフィールカードCpの二次元コード100の読み取りに利用される。操作検出装置33はユーザの操作を検出する。例えば、表示装置34の画面上に配置されたタッチパネルが操作検出装置33の少なくとも一部として用いられてよい。表示装置34はゲーム画面等の表示に用いられる。
制御ユニット30には、そのハードウエアと所定のゲーム機プログラムPGgとの組み合わせによって実現される論理的装置としてゲーム制御部35及びプリント管理部36が設けられる。ゲーム制御部35は、操作検出装置33の出力を参照しつつユーザがプレイするゲームの進行を制御する。プリント管理部36は、カードベンダ4による実カードCrの印刷と関連付けられた処理をサーバ2の指示に従って実行する。例えば、プリント管理部36は、プロフィールカードCp及びメモリアルカードCmの印刷を予約するために必要な情報を取得してサーバ2に提供する。つまり、プリント管理部36は、実カードCrの印刷に関連した制御機能をゲーム機3に付与する論理的装置である。
カードベンダ4は、マイクロプロセッサ、及びその動作に必要な内部記憶装置を含んだコンピュータユニットとして構成された制御ユニット40を含む。制御ユニット40には、入力装置として、カードリーダ41、及び操作検出装置42が、出力装置として表示装置43及びプリンタ44がそれぞれ接続されている。カードリーダ41は、ユーザ認証に必要なユーザ識別情報をユーザが所持する認証用媒体から読み取るために設けられている。認証用媒体は、上述した通りである。操作検出装置42はユーザの操作を検出する。例えば、表示装置43の画面上に配置されたタッチパネルが操作検出装置42の少なくとも一部として用いられてよい。表示装置43は、カードベンダ4における案内画面等を表示するために用いられる。プリンタ44は、実カードCrを印刷し、出力することにより、媒体出力装置の一例として機能する。
制御ユニット40には、そのハードウエアと所定のベンダプログラムPGvとの組み合わせによって実現される論理的装置として、プリント管理部45及びプリンタ制御部46が設けられる。プリント管理部45は、カードベンダ4による実カードCrの印刷と関連付けられた処理をサーバ2の指示に従って実行する。例えば、プリント管理部45は、サーバ2の指示に従って、抽選プリント、プロフィールプリント、及びメモリアルプリントのサービスをユーザに提供するために必要な情報を取得してサーバ2に提供する。つまり、プリント管理部45は実カードCrの印刷に関連したユーザインターフェース機能をカードベンダ4に付与する論理的装置である。プリンタ制御部46は、サーバ2から提供される情報に従ってプリンタ44を制御する。
ユーザ端末5は、マイクロプロセッサ、及びその動作に必要な内部記憶装置を含んだコンピュータユニットとして構成された制御ユニット50を含む。制御ユニット50には、入力装置として、カメラ51及び操作検出装置52が、出力装置として表示装置53がそれぞれ接続されている。カメラ51、操作検出装置52及び表示装置53のそれぞれは、スマートフォン等の情報通信端末に設けられた汎用的なハードウエアである。
制御ユニット50には、そのハードウエアと所定のユーザ端末プログラムPGuとの組み合わせによって実現される論理的装置としてサービス管理部55が設けられる。サービス管理部55は、ゲーム機3のゲームに関連したサービス、及びカードベンダ4における実カードCrの印刷に関連したサービスをユーザ端末5のユーザに提供するために必要なインターフェース機能をユーザ端末5に付与する論理的装置である。例えば、サービス管理部55は、ユーザがゲーム機3にて予約したプロフィールカードCp又はメモリアルカードCmの内容に対して加工、修正等の調整を行うためのインターフェース機能、あるいはプロフィールカードCpの二次元コード100を利用してフレンド等の関係を設定するためのインターフェース機能を提供する。
ゲーム機3、カードベンダ4及びユーザ端末5のそれぞれには、制御ユニット30、40、50に対する外部記憶装置として機能する記憶ユニット、スピーカ等の出力装置といった各種のハードウエアが適宜に設けられてよいが、それらの図示は省略した。また、制御ユニット30、40、50のそれぞれには、図示した以外の論理的装置が適宜に設けられてよい。図11及び図12に示したプログラムPGs、PGg、PGv、PGuは所定の記憶媒体に記録された状態で提供されてインストールされる。ただし、クライアントとしてのゲーム機3、カードベンダ4及びユーザ端末5のそれぞれに向けられたプログラムPGg、PGv、PGuはサーバ2からネットワーウ7を介して配信されてもよい。
図13は、プレイデータDpの構成の一例を示す。上述したように、プレイデータDpは、ユーザごとに区別して設けられるデータである。図13の例において、プレイデータDpは、ユーザID、コンテンツID、プレイ記録、フレンド情報、及びプリント関連情報を含んでいる。ユーザIDはユーザを識別するユーザ識別情報の一例であって、ユーザごとにユニークに設定される。コンテンツIDはゲームの種類を識別するためのゲーム識別情報の一例であって、ゲームの種類ごとにユニークに設定される。ユーザID及びコンテンツIDにより、プレイデータDpがどのユーザのどのゲームに関するデータであるかが特定される。プレイ記録は、コンテンツIDに対応したゲームに関するユーザのプレイの記録である。プレイ記録は、ゲームを前回の終了時から継続するために必要な各種の情報を含み、いわゆるゲームのセーブデータと呼ばれるデータに相当する。例えば、ゲームの進行状態、成績等を判別するための各種の情報がプレイ記録として保存される。フレンド情報は、ユーザに対してフレンドの関係が設定されている他のユーザを識別するためのものであって、例えばフレンドのユーザのユーザIDがフレンド情報として記録される。
プリント関連情報は、カードベンダ4によるカードの印刷と関連付けられたデータであって、保留カードの情報と印刷予約の情報とを含む。保留カードの情報は、抽選プリントにおいてユーザが印刷を保留した仮想カードCvを判別するための情報である。例えば、保留カードの情報は、印刷が保留されている仮想カードCvを識別するためのカード識別情報の一例としてのカードID、仮想カードCvがユーザによって取得された日時、仮想カードCvが取得された店舗6を識別するための店舗識別情報の一例としての店舗IDを含む。カードIdは仮想カードCvごとにユニークに設定される。店舗IDは店舗6ごとにユニークに設定される。店舗IDは例えば店舗6のゲーム機3又はルータ7cにユニークな識別情報(一例としてMACアドレス)と対応付けたテーブルを予めサーバ2側に用意し、ゲーム機3からの情報取得時に店舗6側からゲーム機3又はルータ7cの識別情報を手がかりに判別することができる。
印刷予約の情報は、ゲーム機3にて予約されたプロフィールカードCp又はメモリアルカードCmの内容を判別するための情報である。例えば、印刷予約の情報は、カードID、予約日時、店舗ID、タイプ及びコンテンツの情報を含む。カードIDは、印刷すべきプロフィールカードCp又はメモリアルカードCmに対してユニークに設定される識別情報である。店舗IDはプロフィールカードCp又はメモリアルカードCmの印刷が予約された店舗6に対応する店舗IDである。タイプの情報は、印刷予約されたカードがプロフィールカードCp又はメモリアルカードCmのいずれのタイプかを識別するための情報である。コンテンツは、予約されたプロフィールカードCp又はメモリアルカードCmに記録されるべき二次元コード100、象徴情報101、あるいは記念情報110を特定するための情報である。例えば、コンテンツの情報には、ゲームデータDgに含まれているカードのレイアウト、フォーマット、カードの背景画像等を指定する情報、あるいはゲーム機3にて取得されるスクリーンショット、あるいはユーザの画像等がカードCp、Cmに記録される場合には、それらの画像をサーバ2に画像の識別番号と対応付けて保存し、その画像の識別番号をコンテンツの情報に含めるようにしてもよい。サーバ2にて仮想カードCvのイメージデータを生成し、そのイメージデータを印刷予約の情報に含めるようにしてもよい。
図14は、仮想ボードデータDvに1枚の仮想カードCvに対応した1件のレコードRDvの構成を示している。仮想ボードデータDvは仮想カードCvごとに作成されるレコードRDvの集合である。図14に例示したレコードRDvは、店舗ID、コンテンツID、カードID、保管日時、所有者及び交換条件の情報を含んでいる。店舗IDは、仮想カードCvが置かれた仮想ボードVBが適用される店舗6の店舗IDである。コンテンツIDは、仮想カードCvに対応するゲームの種類に対して割り当てられたコンテンツIDである。カードIDは仮想カードCvごとにユニークに設定される識別情報である。保管日時はカードIDによって特定される仮想カードCvが仮想ボードVBに置かれた日時を示す情報である。所有者は、カードIDによって特定される仮想カードCvを仮想ボードVBに置いたユーザを示す情報であって、例えばユーザのユーザIDが所有者の情報として記録される。交換条件は、所有者のユーザが仮想カードCvに関して何らかの交換条件を設定した場合、その交換条件の内容を示す情報である。なお、仮想ボードVBの仮想カードCvに関して所有者の概念を適用しない場合には、所有者の情報及び交換条件の情報が省略されてもよい。所有者の概念を適用する場合でも交換条件の情報を設けることは必ずしも必要ではない。
(ゲームシステムの処理)
次に、図15〜図を参照してカードの印刷に関連してゲームシステム1にて行われる各種の処理の具体例を説明する。
(全体的の処理)
図15は、図2のステップS2〜S8に従ってカードベンダ4における進行を管理するために、サーバ2のプリント管理部21がカードベンダ4のプリント管理部45と協働して実行するプリント管理処理の手順の一例を示す。カードベンダ4が待機処理を繰り返している間に、ユーザがカードベンダ4に対して処理の開始を指示すると、プリント管理部45からサーバ2に対して図15の処理の開始が要求される。図15の処理を開始すると、サーバ2のプリント管理部21はカードベンダ4のプリント管理部45に対してユーザ認証に必要な情報の取得を要求し、得られた情報をユーザ認証部27に提供してユーザ認証を実施する(ステップS101)。この場合、カードベンダ4のプリント管理部45は、例えば、ユーザ認証に必要な情報として、カードリーダ41を介してユーザIDが、操作検出装置42を介してパスワードを取得し、得られた情報をサーバ2に提供する。
ユーザ認証が完了すると、プリント管理部21はコンテンツセレクト処理を開始し(ステップS102)、続いて、ユーザ認証で取得したユーザIDと、カードベンダ4が設置された店舗6の店舗IDとに対応するプレイデータDpを取得する(ステップS103)。その後、プリント管理部21は、コンテンツセレクト画面を表示装置43に表示させる(ステップS104)。例えば、図示のコンテンツセレクト画面200が表示される。コンテンツセレクト画面200は、選択候補としてのゲームタイトルT1、T2、T3のリスト201を含む。ステップS103にて取得されたプレイデータDpに印刷予約の情報が存在する場合には、コンテンツセレクト画面200にて、印刷予約が存在するゲームタイトルに対して指標202が付加されることにより、印刷予約があることがユーザに示されてよい。
その後、プリント管理部21は、ユーザがコンテンツセレクト画面200のリスト201からいずれかのゲームタイトル(ゲームの種類)を選択したか否かを判別する(ステップS105)。いずれかのゲームタイトルが選択された場合、プリント管理部21は、ステップS103にて取得したプレイデータDpに、選択されたゲームタイトルのコンテンツIDに対応したデータが含まれているか否かを判別する(ステップS106)。データがあると判断した場合、プリント管理部21はコンテンツホームの処理へ進み、表示装置43の画面をコンテンツセレクト画面200からコンテンツホーム画面へと切り替える(ステップS107)。例えば、図17に示すコンテンツホーム画面210が表示装置43にて表示される。コンテンツホーム画面210は、抽選プリント、プロフィールプリント、又はメモリアルプリントのいずれかをユーザに選択させるために表示される。例えば、各プリントに対応したタブ211、212、213が設けられ、ユーザがいずれかのタブを選択してその開始を指示することにより、カードのタイプが選択される。図17は抽選プリントのタブが選択されている状態を示す。なお、プロフィールプリント又はメモリアルプリントに関して予約情報が存在する場合、コンテンツホーム画面210において、予約情報が存在するタイプのタブ212又は213に対して指標216が表示されてもよい。
抽選プリントのタブ211が選択された場合、コンテンツホーム画面210には、抽選プリントの説明等を目的とした情報部214が表示されるとともに、抽選を指示するための抽選ボタン215、及びコンテンツセレクト画面200に戻るための戻るボタン217が表示される。抽選ボタン215がユーザによって操作されると、抽選プリントの開始が指示される。プロフィールプリントのタブ212、又はメモリアルプリントのタブ213が選択された場合には、例えば情報部214に相当する部分に予約内容を表示し、抽選ボタン215に相当する部分に、印刷を指示するボタンを表示し、これが操作された場合にプロフィールプリント又はメモリアルプリントの開始が指示されるものとすればよい。
図15に戻って、コンテンツホーム画面210が表示されると、プリント管理部21はユーザが抽選プリント、プロフィールプリント又はメモリアルプリントのいずれかの開始を指示したか否かを判別する(ステップS108)。開始が指示されると、プリント管理部21はユーザが選択したタイプに応じて、抽選プリント処理部23、プロフィールプリント処理部25又はメモリアルプリント処理部26に処理を指示する(ステップS1090)。該当する処理が終了するとステップS107へと処理が戻される。この間、カードベンダ4のプリント管理部45は、サーバ2からの指示に従って適宜の画面を表示装置43に表示させてよい。
ステップS108にて処理の開始が指示されない場合、プリント管理部21は、例えば図17の戻るボタン217が操作されてコンテンツセレクト画面200への復帰が指示されたか否かを判別する(ステップS110)。復帰が指示された場合、プリント管理部21はステップS102の処理へと戻る。これは、別のゲームを選択してカードを印刷する機会をユーザに与えるためである。一方、コンテンツセレクト画面200への復帰が一定時間以上指示されない場合、プリント管理部21は所定の終了処理(ステップS111;図2のステップS8に相当)を実行して図15の処理を終える。ステップS211の終了処理は、ユーザによるカードベンダ4でのプレイを終了させる処理であって、ユーザ認証で取得された情報を破棄する、いわゆるログアウト処理として実行されてよい。
ステップS106にてプレイデータDpが存在しないと判断された場合、プリント管理部21は、ユーザが戻る操作を行ったか否かを判別する(ステップS112)。その処理はステップS110と同様である。戻る操作があればステップS102へと処理が戻され、戻る操作がなければステップS111へと処理が進められる。ステップS105にてタイトルが選択されないと判断された場合もプリント管理部21は戻る操作の有無を判別する(ステップS113)。この段階ではコンテンツセレクト画面200が表示されているので、例えばコンテンツセレクト画面200にて戻るボタン203が操作されたか否かにより戻る操作の有無を判断すればよい。ステップS113にて戻る操作があった場合、プリント管理部21はステップS101の処理へと戻る。一方、戻る操作がなければステップS111へと処理が進められる。
次に、図15のステップS109におけるプリント管理部21の処理を説明する。
(抽選プリントの処理)
図18は、抽選プリントの開始が指示された場合に、サーバ2のプリント管理部21が、抽選プリント処理部23を主体として実行する抽選プリント処理の手順の一例を示している。抽選プリントが指示された場合、抽選プリント処理部23は、まず抽選1回目に対応した料金、つまり図3の基本料を決済し(ステップS201)、決済が完了するとユーザに付与すべき仮想カードCvを抽選する(ステップS202)。決済は、例えば決済処理部28と協働して実行される。ただし、現金による決済の場合には、課金された料金がカードベンダ4にて支払われたか否かをカードベンダ4のプリント管理部45を介して判別すればよい。抽選プリント処理部23は、カードベンダ4のプリント管理部45を介してユーザに決済処理や抽選処理の実行を確認する適宜の画面をカードベンダ4の表示装置43に表示させてよい。
抽選が完了すると、抽選プリント処理部23は、抽選で選択された仮想カードCvを保留カードとして設定する(ステップS203)。例えば、選択された仮想カードCvのカードID等の情報を、プレイデータDpにユーザID及び店舗IDと対応付けて記録することにより、選択された仮想カードCvを保留カードとして追加すればよい。続いて、抽選プリント処理部23は、抽選で選択された仮想カードCvをカードベンダ4のプリント管理部45に通知し、これを表示装置43に表示させる(ステップS204)この場合、例えば、図19に示した抽選結果画面220が表示される。抽選結果画面220は、例えば、抽選された仮想カードCvと、再抽選ボタン221及び印刷ボタン222とを含むように表示される。
抽選結果画面220の表示後、抽選プリント処理部23は、抽選回数が上限値に達しているか否かを判別する(図18のステップS205)。上限値に達していなければ、抽選プリント処理部23は、ユーザが再抽選を選択したか否かを判別する(ステップS206)。例えば、図19の抽選結果画面220にて再抽選ボタン221が操作された場合に、再抽選が選択されたと判断される。
ユーザが再抽選を選択すると、抽選プリント処理部23は2回目以降の抽選に対応した料金、つまり図3の追加抽選料の決済を実行し(ステップS207)、抽選確率を抽選回数に応じた値に設定する(ステップS208)。その後、抽選プリント処理部23はステップS202の処理へと戻って仮想カードCvを抽選する。ステップS202〜S208の処理が繰り返されることにより、抽選回数が上限値に達するまで抽選が繰り返され、抽選された仮想カードCvが保留カードとしてプレイデータDpに順次記録される。
ステップS205で抽選回数が上限値に達していると判断された場合、又はステップS206でユーザが再抽選を選択しなかったと判断された場合(例えば、図19の印刷ボタン222が操作された場合)、抽選プリント処理部23は印刷カード選択処理へと進む(ステップS210)。印刷カード選択処理は、保留カードを一覧表示して、印刷対象の仮想カードCvをユーザに選択させる処理である。印刷カード選択処理の詳細は後述する。
印刷カードが選択されると、抽選プリント処理部23は印刷対象として選択された仮想カードCvの枚数を計数し(ステップS211)、その後、枚数に応じた料金、つまり図3の印刷加算料を決済する(ステップS212)。この場合の決済も、決済処理部28と協働して実行されてよいし、カードベンダ4のプリント管理部45を介して実行されてもよい。なお、印刷枚数が1枚である場合、その印刷料は基本料に含まれているため、ステップS212は無課金として処理されてよい。ただし、ユーザが印刷に関する光沢加工等の特別の処理を選択した場合には、その処理に応じた付加的な料金がステップS212で決済されてもよい。
決済が完了すると、抽選プリント処理部23はカードベンダ4に対して印刷を指示する(ステップS213)。この場合、印刷対象として選択された仮想カードCvに対応する実カードCrの印刷に必要な印刷情報、例えば印刷データの少なくとも一部がサーバ2からカードベンダ4に提供される。実カードCrを印刷するためのレイアウト、フォーマット、あるいはテンプレート等のデータがカードベンダ4に対して既に提供されている場合には、それらのレイアウト等で未指定のパラメータの値を印刷情報としてサーバ2からカードベンダ4に提供してもよい。カードベンダ4では、サーバ2から提供される印刷情報がプリンタ制御部46に提供され、プリンタ制御部46の指示に従ってプリンタ44が制御されて実カードCrが印刷される。実カードCrの印刷が進行している間、カードベンダ4のプリント管理部45は進行状況を示す適宜の画面を表示装置43に表示させてよい。
サーバ2の抽選プリント処理部23は、ステップS213で印刷を指示した後、カードベンダ4から印刷完了が通知されるまで待機し、印刷が完了すると、保留カードの情報を更新する(ステップS214)。この場合、プレイデータDpから、印刷対象として選択された仮想カードCvが削除されるように保留カードの情報が更新される。その後、抽選プリント処理部23は図18の処理を終了し、これに伴ってプリント管理部21は図15のステップS107へと復帰する。
図20は、抽選プリント処理部23が主体となって実行される印刷カード選択処理(図18のステップS210)のより具体的な手順の一例を示している。図20の印刷カード選択処理は、保留設定された仮想カードCvから印刷対象の仮想カードCvを選択するための処理であるが、仮想ボードVBを利用した仮想カードCvの交換も想定して手順が定められている。
図20の印刷カード選択処理において、抽選プリント処理部23は、プレイデータDpに記録されている保留カードの情報に基づいて保留カードを確認し(ステップS231)、続いて、保留カードを特定する情報をカードベンダ4に提供して、印刷カードをユーザに選択させるための選択画面を表示装置43に表示させる(ステップS232)。例えば、図21に示したカード選択画面230が表示される。カード選択画面230は、例えば、印刷が保留されている仮想カードCvが並べて表示されるカード表示部231と、確定ボタン232及び仮想ボードボタン233とを含む。仮想カードCvの近傍、一例として下側には、印刷対象として選択するためのチェックボックス234が付されている。ユーザがチェックボックス234を操作することにより、チェックボックス234に対応する仮想カードCvが印刷対象として選択される。ただし、チェックボックス234に代えて、仮想カードCvを直接に選択するようにしてもよい。
印刷カード選択画面230が表示された後、抽選プリント処理部23は、ユーザが仮想ボードVBの利用を選択したか否かを判別する(ステップS233)。例えば、図21の仮想ボードボタン233が操作された場合に仮想ボードVBの利用が選択されたものと判断されてよい。仮想ボードVBの利用が選択された場合、抽選プリント処理部23はユーザに仮想ボードVBへ移動させるべき仮想カードCvを交換元カードとして選択させる(ステップS234)。この場合、例えば図22に示す交換元カード選択画面240を表示させてよい。交換元カード選択画面240は、図21の印刷カード選択画面230と同様に、印刷が保留されている仮想カードCvが並べて表示されるカード表示部241、及び確定ボタン242を含む。仮想ボードVBの利用をキャンセルするための戻るボタン243がさらに含まれてよい。仮想カードCvの近傍、一例として下側には、交換対象として選択するためのチェックボックス244が付されている。ユーザがチェックボックス244を操作することにより、チェックボックス244に対応する仮想カードCvが交換元カードとして選択される。ただし、チェックボックス244に代えて、仮想カードCvを直接に選択するようにしてもよい。
図20に戻って、ユーザによって交換元カードが選択されると、抽選プリント処理部23は、ユーザの指示に基づいて、交換元カードに関する交換条件を設定する(ステップS235)。ただし、交換条件を付さない場合にはステップS235の処理がスキップされてよい。次に、抽選プリント処理部23は、仮想ボード管理部24に対して交換可能な仮想カードCvの抽出を要求し、これを受けて仮想ボード管理部24はユーザが交換元カードと交換可能なカードを交換先カードの候補として抽出する(ステップS236)。この場合、仮想ボード管理部24は、仮想ボードデータDvから、カードベンダ4が設置されている店舗6の店舗IDに対応付けられた仮想カードCvのレコードDRv(図14参照)を抽出し、得られた仮想カードCvを交換先カードの候補としてよい。仮想ボードVBの仮想カードCvに交換条件が設定されている場合には、交換条件を満たす場合に限って交換先カードの候補として抽出されてもよい。
仮想ボード管理部24にて交換対象の候補としての仮想カードCvが抽出されると、抽選プリント処理部23はその情報を受け取って交換先カードの候補をユーザに提示し、ユーザの指示に基づいて交換対象の仮想カードCvを交換先カードとして選択する(ステップS237)。この場合、図22の交換元カード選択画面240と同様の画面が表示されてよい。ただし、ステップS237においては、必ずしも交換先カードが選択されることを要しない。つまり、ユーザが自己の保留カードを仮想ボードVBに移動させるカードとして選択し、交換先カードを求めないか、あるいは現時点では交換先カードを指定しないものとしてもよい。ユーザがカードの選択を終了すると、抽選プリント処理部23は交換内容を確定し(ステップS238)、仮想ボード管理部24と協働して交換を実行する(ステップS239)。なお、交換先カードとして選択可能な仮想カードCvの枚数は、ユーザが交換元カードとして選択した仮想カードCvの枚数以下に制限されてよい。
ステップS239における交換は、例えば次のようにして実行されてよい。まず、ユーザが交換先カードを選択した場合には、その交換先カードがユーザのプレイデータDpに保留カードとして記録されるようにプレイデータDpが更新される。併せて、仮想ボードデータDvから交換先カードのレコードRDvが削除されることにより、仮想ボードVBから交換先カードが除去される。交換先カードが選択されなかった場合には、それらの処理は行われない。一方、交換元カードについては、まずその交換元カードがユーザのプレイデータDpに記録されている保留カードから削除されるようにプレイデータDpが更新される。併せて、仮想ボードデータDvに、交換元カードに関する情報が記録される。これにより、交換元カードが仮想ボードVBに移動し、以降はいずれかのユーザによる交換先カードとしての選択が可能となる。
ステップS237にてユーザが交換先カードを選択しなかった場合には、交換元カードがユーザの保留カードから削除されて仮想ボードVBに移動するだけである。その代わりとしての交換先カードが今回の処理でユーザの保留カードに追加されることはない。この場合には、交換元カードが仮想ボードVBに移動するようにステップS239の処理が実行されるのみである。例えば、ユーザが印刷不要と判断したカードを、第三者による利用のために無条件で仮想ボードVBに提供する場合にこのような処理が適用可能である。あるいは、ユーザが交換元カードに関して何らかの交換条件を設定した状態で仮想ボードVBにカードを移動させ、その後に他のユーザが交換条件を満たすようにして交換を指定した場合に、それらのユーザ間で仮想ボードVBを介してカードが交換されるようにステップS239の処理が実行されてもよい。この場合、交換元カードを保留カードの情報に記録する処理は、交換の当事者双方のプレイデータDpに関して行われることになる。なお、交換条件がカードに設定されていない場合でも、一のユーザがひとまず自己の保留カードを仮想ボードVBに移動させ、その後に、他のユーザがそのカードを選択して交換を指示した場合に、仮想ボードVBを介してカードが相互に交換されるものとしてもよい。
ステップS239にてカードの交換が処理されると、抽選プリント処理部23は、図21に示したカード選択画面230の表示に戻り、ユーザの指示に基づいて印刷対象のカードを選択する(ステップS240)。ステップS240では、最低でも1枚のカードを選択させる。その理由は、抽選プリントでは、初回の抽選時に1枚の実カードCrの印刷単価を含めて基本料が徴収されており、ユーザには1枚のカードを印刷する権利が発生しているため、これを抽選プリントの処理中に消費させることにある。つまり、仮想カードCvを印刷保留状態に設定することは、カードCrを印刷する権利を留保させていることを意味する。その権利を消費させないまま抽選プリントが終了しないように、ステップS240では最低でも1枚のカードを印刷対象として選択させる。したがって、ステップS237にて交換先カードを選択する場合、ステップS239の処理によってユーザが所持する保留カードが0枚とならないようにステップS237にて交換先カードの枚数を制限する必要がある。
ステップS240にて印刷対象が選択されると、抽選プリント処理部23は図18のステップS211の処理へと進む。なお、図20のステップS233において仮想ボードの利用が選択されなかった場合、抽選プリント処理部23はステップS234〜S239の処理をスキップしてステップS240の処理へと進む。
以上のように、抽選プリントに関する各種の処理によれば、ユーザが必ずしも希望しない仮想カードCvが抽選で選択された場合、ユーザはその仮想カードCvを印刷が保留された状態に保持しつつ、さらなる抽選を選択して印刷候補の仮想カードCvを増加させることができる。したがって、ユーザが希望するか否かに関わりなく、仮想カードCvに対応した実カードCrが印刷される無駄を抑え、あるいは解消することが可能である。加えて、仮想ボードVBを利用して印刷保留状態の仮想カードCvを他のユーザが取得した仮想カードCvと交換し、あるいは他のユーザによる印刷のために仮想カードCvを譲渡することができるので、ユーザ間で仮想カードCvの有効活用を促し、不必要なカードが印刷される無駄をさらに抑制することが可能である。
なお、上述したように仮想ボードVBにおける仮想カードCvの保管には有効期間が設定されてもよい。例えば、仮想ボード管理部24により、仮想ボードデータDvに記録されている仮想カードCvの保管日時を定期的に確認し、有効期間を経過した仮想カードCvのレコードRDvを仮想ボード管理部24が削除してもよい。
上記の説明では、仮想ボードVBを利用した仮想カードCvの譲渡、又は交換が、抽選プリントの処理の一部として行われるものとしたが、仮想ボードVBの利用はそのような例に限らなくてよい。例えば、図20のステップS234〜S239の処理を、抽選プリントの処理とは切り離して実行可能な処理として用意し、仮想ボードVBの利用をユーザが指示したときにこれを実行して仮想カードCvの譲渡、交換を抽選プリントから独立して行えるようにしてもよい。この場合、仮想ボードVBの利用はカードベンダ4に限らず、他の端末装置で行えるものとしてもよい。例えば、ユーザ端末5から仮想ボードVBにアクセスして仮想カードCvの譲渡、あるいは交換が行えるようにしてもよい。ユーザ端末5から仮想ボードVBを利用させる場合には、店舗6をユーザに選択させてもよい。さらに、保留状態の仮想カードCvを出力対象に設定し、これに対応する実カードCrを印刷する処理を、抽選プリントとは別に、カードベンダ4からのユーザの指示に基づいて実行できるようにしてもよい。この場合には、仮想カードCvの抽選が省略されるので、初回の抽選に対する課金に代えて、印刷に要する料金を課金すればよい。
(プロフィールプリントの処理)
次に、図23〜図25を参照して、プロフィールプリントに関連した処理の具体例を説明する。プロフィールプリントについては、まず、その予約、プロフィールカードCpの印刷、及びプロフィールカードCpの利用の段階が存在するため、以下順に説明する。
図23は、プロフィールプリントを予約するためにゲーム機3のプリント管理部36とサーバ2のプリント管理部21とが協働して実行するプロフィールプリント予約処理の手順の一例を示している。なお、図23の処理は、ユーザがゲーム機3にてゲームをプレイする機会に付随的に実行される処理である。したがって、ユーザの特定に必要なユーザ認証処理はゲームの開始時点でゲーム機3とサーバ2との間で既に実行され、サーバ2はユーザIDを取得済であるものとする。
ゲーム機3では、ユーザによるゲームのプレイと関連付けられた所定のタイミングでプリント管理部36を主体として図23の処理が開始される。例えば、ゲームのプレイが終了したタイミングで図23の処理が開始される。あるいは、ゲームのプレイが複数のステージに分けて順次進められる場合、一つのステージが終了した段階で図23の処理が開始されてもよい。
図23の処理を開始すると、プリント管理部36はまず表示装置34に所定の案内画面を表示して、ユーザにプロフィールカードCpの印刷内容を選択させる(ステップS301)。例えば、プロフィールカードCpとして、複数のレイアウト、テンプレート等がカードの選択肢として用意されている場合にはユーザにいずれかの選択肢を選択させる。また、プリント管理部36は、プロフィールカードCpに記録すべき象徴情報101をユーザに選択させる。例えば、ユーザがゲームをプレイしている場合には、ゲームのプレイデータDpがゲーム機3に保持されているため、そのプレイデータDpを参照してユーザの名前、現在の成績、進行状態等を判別し、これらを象徴情報101としてユーザに適宜に選択させてよい。ゲーム機3がゲームの進行中のゲーム画面のスクリーンショット、あるいはユーザのプレイ中の画像を適宜に取得している場合には、得られた画像をユーザに提示し、象徴情報101として利用する画像をユーザに選択させてもよい。
印刷内容が選択されると、プリント管理部36は印刷内容を指定する情報を添えてサーバ2に印刷の予約を指示する(ステップS302)。これにより、ゲーム機3側の処理は終了する。印刷の予約が指示されると、サーバ2のプロフィールプリント処理部25は、図24の予約管理処理を開始する。その処理において、プロフィールプリント処理部25は、サーバ2に既に取得されているユーザIDを確認し(ステップS251)、ユーザIDが設定情報として埋め込まれた二次元コード100を生成する(ステップS252)。続いて、プロフィールプリント処理部25は、ゲーム機3から送られた印刷予約の情報と、ステップS252で生成した二次元コード100とに基づいて、プロフィールカードCpを印刷するために必要な印刷予約の情報を生成し(ステップS253)、得られた情報をユーザのユーザIDとゲーム機3が設置された店舗6の店舗IDとに対応付けてプレイデータDpに記録する(ステップS254)。その後、プロフィールプリント処理部25は図23の処理を終える。なお、印刷予約の完了をゲーム機3側に通知してユーザに予約完了の旨が表示されてもよい。
ステップS253で生成される印刷予約の情報は、ステップS301にて選択された印刷内容と、ステップS252で生成された二次元コード100とを含むプロフィールカードCpをカードベンダ4のプリンタ44に印刷させるために必要な情報であれば、適宜のフォーマットで生成されてよい。例えば、ステップS301で選択された印刷内容と、ステップS252で生成された二次元コード100とが、図13に示した印刷予約の情報におけるコンテンツとして含まれるように印刷予約の情報が生成されてよい。ステップS301で選択された印刷内容に二次元コード100を付加したイメージデータがステップS253で生成されてプレイデータDpに記録されてもよい。
図24は、カードベンダ4にてプロフィールプリントの開始が指示された場合に、サーバ2のプリント管理部21が、図15のステップS109の処理として、プロフィールプリント処理部25を主体として実行するプロフィールプリント処理の手順の一例を示している。プロフィールプリントが指示された場合、プロフィールプリント処理部25は、まず、カードベンダ4を操作するユーザのユーザID(図15のステップS101にて取得されたユーザIDである。)と、カードベンダ4が置かれた店舗6の店舗IDに対応するプレイデータDpからプロフィールカードCpに関する印刷予約の情報を取得する(ステップS261)。
次に、プロフィールプリント処理部25は、取得された印刷予約の情報に基づいて、プロフィールカードCpの印刷候補を表示装置43に表示させ、ユーザに、印刷対象のカードを選択させる(ステップS262)。この場合の画面は、例えば図21あるいは図22に例示した画面230、240と同様でよい。
ユーザが印刷対象のカードを選択すると、プロフィールプリント処理部25は印刷枚数をユーザに指定させ(ステップS263)、その後、印刷枚数に応じた料金を決済する(ステップS264)。この場合は、1枚当たりの印刷単価に印刷枚数を乗算して料金を決定し、その料金を決済処理部28による決済、又はカードベンダ4における現金決済によって処理すればよい。なお、プロフィールカードCpの印刷単価は、抽選プリントにおける基本料の印刷単価、あるいは印刷加算料における追加単価と同一に設定されてもよいし、異なっていてもよい。特別な加工処理がユーザによって指定された場合に付加料が加算されてもよい。ステップS263で印刷枚数に上限が設定されてもよい。
決済処理が完了すると、プロフィールプリント処理部25は、ステップS262で選択された印刷対象のカードに対応する印刷予約の情報をカードベンダ4に提供して印刷開始を指示する(ステップS265)。これを受けて、カードベンダ4では、プリント管理部45からプリンタ制御部46に印刷予約の情報が渡され、選択されたプロフィールカードCpの印刷が開始される。サーバ2のプロフィールプリント処理部25は、カードベンダ4における印刷完了まで待機し、印刷が完了すると、印刷対象として選択されたカードに関する印刷予約の情報を削除する(ステップS266)。その後、プロフィールプリント処理部25は図24の処理を終え、それによりサーバ2のプリント管理部21は図15のステップS107の処理へと戻る。
図25は、プロフィールカードCpを利用してユーザ間に所定の関係を設定するためにゲームシステム1にて行われる処理の手順の一例を示している。なお、図25では、ユーザ間にフレンドの関係を設定する例を示すが、ユーザ間の関係はフレンドに限らないことは上述した通りである。また、ゲーム機3又はユーザ端末5のいずれを利用しても関係を設定することが可能であり、図25ではゲーム機3が利用される場合、及びユーザ端末5が利用される場合を併記する。実際にはゲーム機3又はユーザ端末5のいずれか一方が利用される。
まず、ゲーム機3を利用して関係を設定する場合について説明する。ユーザがゲーム機3に対して関係の設定を要求すると、ゲーム機3のゲーム制御部35はフレンド設定処理を開始し、まずユーザからユーザ認証に必要な情報を取得し、これをサーバ2に通知する(ステップS311)。この場合のユーザは、図5の相手方ユーザである。これに応じてサーバ2の関係管理部22は、ユーザ認証部27を利用してユーザ認証を実施する(ステップS271)。なお、図25の処理を開始する以前にユーザ認証が完了していれば、ユーザ認証は省略されてよい。
次に、ゲーム機3のゲーム制御部35は、ユーザのプロフィールカードCpをカメラ32で撮影してその二次元コード100を取得し(ステップS312)、得られた二次元コード100の情報を添えてサーバ2にフレンド関係の設定を要求する(ステップS313)。これを受けて、サーバ2の関係管理部22は、二次元コード100の情報に基づいて、フレンドの関係を設定すべきユーザ、すなわち図5の対象ユーザのユーザIDを確認する(ステップS272)。その後、関係管理部22は、ステップS271のユーザ認証で取得したユーザIDと、ステップS272で確認したユーザIDとの間にフレンドの関係が設定されるように、両ユーザIDに対応するプレイデータDpを更新する(ステップS273)。これにより、図5の対象ユーザと相手方ユーザとの間にフレンドの関係が設定される。フレンドの関係が設定されると、関係管理部22はゲーム機3に対して設定結果を通知し(ステップS274)、これを受けてゲーム機3のゲーム制御部35は設定結果をユーザに対して通知する(ステップS314)。以上により、図25の処理が終了する。
なお、フレンドの関係をゲームの種類(ゲームタイトル)別に独立して設定する場合、二次元コード100に図13のコンテンツIDが埋め込まれるように二次元コード100を生成し(図23のステップS252)、図25のステップS272で対象ユーザに加えてコンテンツIDを確認し、ステップS273で対応するコンテンツIDに限ってフレンドの関係を記録すればよい。この場合、プロフィールカードCpの象徴情報101等で示されたゲームの種類に限ってフレンドの関係を設定することができる。二次元コード100にコンテンツIDを埋め込むためには、例えば図13の処理において、サーバ2がゲーム機3からコンテンツID又はこれを特定するための情報を取得すればよい。
一方、ユーザ端末5を利用してフレンドの関係を設定する場合も同様の手順でよい。すなわち、図25のステップS311〜S314に相当するステップS401〜S404の処理をユーザ端末5のサービス管理部55に実行させ、あるいはサーバ2の関係管理部22がサービス管理部55をユーザインターフェースの制御に利用しつつ、ステップS401〜ステップS404の処理を実行すればよい。
以上のように、プロフィールカードCpを利用してフレンド関係を設定させる仕組みによれば、ユーザは、プロフィールカードCpの二次元コード100をゲーム機3又はユーザ端末5にて読み取らせることにより、対象ユーザとの間にフレンドの関係を設定することができる。したがって、ユーザ間でユーザIDを教え合ってこれを書き留めるといった手作業的な手法を用いる必要がない。ゲーム機3やユーザ端末5が直ちに利用できない状況であっても確実にフレンドの関係を設定することができる。プロフィールカードCpには対象ユーザの象徴情報101が記録されているので、対象ユーザがどのような者であったかを失念する可能性を軽減し、あるいは解消することも可能である。
(メモリアルプリントの処理)
次に、図26及び図27を参照して、メモリアルプリントに関連した処理の具体例を説明する。メモリアルプリントについては、その予約、及びメモリアルカードCmの印刷の段階が存在するため、以下順に説明する。
図26は、メモリアルプリントを予約するためにゲーム機3のプリント管理部36とサーバ2のプリント管理部21とが協働して実行するメモリアルプリントプロフィールプリント予約処理の手順の一例を示している。なお、図26の処理は、ユーザがゲーム機3にてゲームをプレイする機会に付随的に実行される処理である。したがって、ユーザの特定に必要なユーザ認証処理はゲームの開始時点でゲーム機3とサーバ2との間で既に実行され、サーバ2はユーザIDを取得済であるものとする。
ゲーム機3では、ユーザによるゲームのプレイと関連付けられた所定のタイミングでプリント管理部36を主体として図26の処理が開始される。例えば、ゲームのプレイが終了したタイミングで図26の処理が開始される。あるいは、ゲームのプレイが複数のステージに分けて順次進められる場合、一つのステージが終了した段階で図26の処理が開始されてもよい。ただし、ゲームにて所定の条件が満たされた場合にメモリアルカードCmの印刷を可能とする場合には、その条件が満たされた時点以降の適宜のタイミングで図26の処理が開始されてよい。
図26の処理を開始すると、プリント管理部36はまず表示装置34に所定の案内画面を表示して、ユーザにメモリアルカードCmの印刷内容を選択させる(ステップS331)。例えば、メモリアルカードCmとして、複数のレイアウト、テンプレート等がカードの選択肢として用意されている場合にはユーザにいずれかの選択肢を選択させる。また、プリント管理部36は、メモリアルカードCmに記録すべき記念情報110をユーザに選択させる。例えば、ユーザの成績に応じた記念情報110の選択肢、例えば証明書等が用意されている場合には、選択肢をユーザに提示して選択させてよい。記念情報110にユーザの成績等を含める場合には、プレイデータDpから記念情報110に含めるべき情報をユーザに指定させてもよい。ゲーム機3がゲームの進行中のゲーム画面のスクリーンショット、あるいはユーザのプレイ中の画像を適宜に取得している場合には、得られた画像をユーザに提示し、記念情報110として利用する画像をユーザに選択させてもよい。
印刷内容が選択されると、プリント管理部36は印刷内容を指定する情報を添えてサーバ2に印刷の予約を指示する(ステップS332)。これにより、ゲーム機3側の処理は終了する。印刷の予約が指示されると、サーバ2のメモリアルプリント処理部26は、図26の予約管理処理を開始する。その処理において、メモリアルプリント処理部26は、ゲーム機3から送られた印刷予約の情報に基づいて、メモリアルカードCmを印刷するために必要な印刷予約の情報を生成し(ステップS281)、得られた情報をユーザのユーザIDとゲーム機3が設置された店舗6の店舗IDとに対応付けてプレイデータDpに記録する(ステップS282)。その後、メモリアルプリント処理部26は図26の処理を終える。なお、印刷予約の完了をゲーム機3側に通知してユーザに予約完了の旨が表示されてもよい。
ステップS281で生成される印刷予約の情報は、ステップS331にて選択された印刷内容を含むメモリアルカードCmをカードベンダ4のプリンタ44に印刷させるために必要な情報であれば、適宜のフォーマットで生成されてよい。例えば、ステップS331で選択された印刷内容が、図13に示した印刷予約の情報におけるコンテンツとして含まれるように印刷予約の情報が生成されてよい。ステップS331で選択された印刷内容に対応するイメージデータがステップS281で生成されてプレイデータDpに記録されてもよい。
図27は、カードベンダ4にてメモリアルプリントの開始が指示された場合に、サーバ2のプリント管理部21が、図15のステップS109の処理として、メモリアルプリント処理部26を主体として実行するメモリアルプリント処理の手順の一例を示している。メモリアルプリントが指示された場合、メモリアルプリント処理部26は、まず、カードベンダ4を操作するユーザのユーザID(図15のステップS101にて取得されたユーザIDである。)と、カードベンダ4が置かれた店舗6の店舗IDに対応するプレイデータDpからメモリアルカードCmに関する印刷予約の情報を取得する(ステップS291)。
次に、メモリアルプリント処理部26は、取得された印刷予約の情報に基づいて、メモリアルカードCmの印刷候補を表示装置43に表示させ、ユーザに、印刷対象のカードを選択させる(ステップS292)。この場合の画面も、例えば図21あるいは図22に例示した画面230、240と同様でよい。
ユーザが印刷対象のカードを選択すると、メモリアルプリント処理部26は印刷枚数をユーザに指定させ(ステップS293)、その後、印刷枚数に応じた料金を決済する(ステップS294)。この場合は、1枚当たりの印刷単価に印刷枚数を乗算して料金を決定し、その料金を決済処理部28による決済、又はカードベンダ4における現金決済によって処理すればよい。なお、メモリアルカードCmの印刷単価は、抽選プリントにおける基本料の印刷単価、あるいは印刷加算料における追加単価と同一に設定されてもよいし、異なっていてもよい。メモリアルカードCmの印刷単価は、プロフィールカードCpの印刷単価と同一でもよいし、異なってもよい。特別な加工処理がユーザによって指定された場合に付加料が加算されてもよい。ステップS293で印刷枚数に上限が設定されてもよい。
決済処理が完了すると、メモリアルプリント処理部26は、ステップS292で選択された印刷対象のカードに対応する印刷予約の情報をカードベンダ4に提供して印刷開始を指示する(ステップS295)。これを受けて、カードベンダ4では、プリント管理部45からプリンタ制御部46に印刷予約の情報が渡され、選択されたメモリアルカードCmの印刷が開始される。サーバ2のメモリアルプリント処理部26は、カードベンダ4における印刷完了まで待機し、印刷が完了すると、印刷対象として選択されたカードに関する印刷予約の情報を削除する(ステップS296)。その後、メモリアルプリント処理部26は図27の処理を終え、それによりサーバ2のプリント管理部21は図15のステップS107の処理へと戻る。
以上の説明から明らかなように、プロフィールカードCpの予約及び印刷に関する処理と、メモリアルカードCmの予約及び印刷に関する処理とは、カード上に記録される情報が象徴情報101であるか、記念情報110であるかで相違し、かつ二次元コード100が印刷されるか否かで相違するものである。象徴情報101と記念情報110とは排他的ではないため、例えば、プロフィールプリント処理部25とメモリアルプリント処理部26とを統合し、プロフィールカードCpの印刷が指定された場合に限り、印刷内容に二次元コード100が含まれるように印刷処理の手順を区別してもよい。
図5及び図7に示したように、サーバ2に印刷予約されたカードはユーザ端末5にて閲覧、あるいは加工等の調整が可能とされてもよい。そのような調整を実現する処理の一例を図28に示す。図28は、例えばサーバ2がユーザ端末5のサービス管理部55をユーザインターフェースの制御に利用しつつ実行する処理である。例えば、ユーザ端末5にてユーザがサーバ2にアクセスを要求すると、サーバ2のプリント管理部21はユーザ端末5からユーザ認証に必要な情報を取得し、これをユーザ認証部27に提供してユーザを認証する(ステップS501)。次に、プリント管理部21は、ユーザのユーザIDと対応付けてプレイデータDpに保存されている印刷予約の情報に基づいて、ユーザが印刷予約したカードを判別し、そのカードをユーザ端末5の表示装置53に表示させて調整対象のカードを選択させる(ステップS502)。この場合、特定のゲームタイトル又は特定の店舗6に対応する印刷予約の情報をユーザの指示に従って絞り込み、得られたカードのみをユーザに提示してもよい。
ユーザがカードを選択すると、プリント管理部21はカードの印刷内容をユーザに調整させる(ステップS503)。例えば、ユーザ端末5の表示装置53上にカードの印刷内容を加工、修正等するためのツールを表示させ、そのツールを利用してカードの内容を調整できるようにしてもよい。調整内容としては、例えばフレームやスタンプの追加、テキストの追加、エフェクト加工等が可能とされてよい。ユーザによる印刷内容の調整が完了すると、プリント管理部21は調整後の印刷内容に従って印刷予約の情報を更新し(ステップS504)、その後に図28の処理を終える。
以上に説明したように、プロフィールプリント及びメモリアルプリントに関しては、カードCp、Cmに印刷されるべき象徴情報101又は記念情報110がゲーム機3側で取得され、その情報101、110を印刷内容に含むようにしてサーバ2に印刷予約の情報が保存される。そして、カードベンダ4側では、保存された印刷予約の情報に従ってカードCp、Cmが印刷される。したがって、ゲーム機3側でカードCp、Cmを印刷する場合に要する設備的負担、あるいは時間的負担といった各種の負担からゲーム機3を開放することができる。カードCp、Cmの内容を各ユーザのゲームのプレイに応じて動的に変化させることができ、しかもカードベンダ4は複数種類のゲームに対応しているため、多種多様なカードを出力可能とし、それによりカード印刷に関する興趣を高めることができる。
次に、上述したゲームシステム1の変形例について説明する。
ゲームシステム1は、サーバ2、ゲーム機3、カードベンダ4及びユーザ端末5を含んだ例に限定されず、その全体構成はゲームシステム1にて実現すべき機能に応じて適宜に変更されてよい。例えば、抽選プリントに関して、複数種類のゲームに関してカードベンダを共用する必要がなければ、カードベンダを省略してプリンタをゲーム機3に実装し、サーバ2とゲーム機3との間で抽選プリントに関する処理を適宜に実行してもよい。さらに、ネットワークに接続されないいわゆるスタンドアローンのゲーム機に抽選プリントに関する各種の処理を実行する機能を実装し、仮想カードCvの抽選、印刷保留の設定、保留を解除しての印刷出力といった処理をゲーム機3内で完結させてもよい。その場合、ゲーム機3が複数のユーザのプレイデータを保持可能であれば、単独のゲーム機3に仮想ボードVBの機能を実装して、そのゲーム機3内にて仮想カードCvの譲渡、交換を実現することも可能である。
プロフィールプリント及びメモリアルプリントに関しても、複数種類のゲームに対応する必要がなければ、上記と同様にカードベンダを省略してプリンタをゲーム機3に実装し、サーバ2とゲーム機3との間でプロフィールプリント又はメモリアルプリントに関する処理を適宜に実行してもよいし、あるいはゲーム機3内でプロフィールプリント又はメモリアルプリントの処理を完結させてもよい。
さらに、サーバ2に代えて、又は加えて店舗6内にサーバを設置し、上述した処理の少なくとも一部を店舗内のサーバに実行させてもよい。店舗内サーバにて各種の処理を実行する場合には、店舗IDに基づく管理が省略されてもよい。ゲーム機は単一種類のゲームをプレイさせる例に限らず、一台のゲーム機で複数種類のゲームを選択的にプレイできるようにしてもよい。ゲーム機3のゲーム制御部35に代えて、又は加えてサーバ2にゲーム制御部を実装し、ゲームに関連した各種の処理の少なくとも一部をサーバ2に実行させてもよい。ユーザ端末5は必須ではなく、これを用いない態様でゲームシステムが構成されてもよい。
上述した形態では、図15のプリント管理処理、図18の抽選プリント処理、図20の印刷カード選択処理を、サーバ2のプリント管理部21が主体となって実行し、カードベンダ4のプリント管理部45はユーザインターフェースを担当するものとしたが、それらの処理の少なくとも一部をカードベンダ4側で実行するものとしてもよい。
上述した抽選プリントにおける料金設定は一例であって、ユーザへの課金は適宜に変更されてよい。例えば、初回の抽選時に印刷単価を求めないように料金を設定し、印刷時に印刷枚数に応じた料金を徴収するようにしてもよい。この場合には、初回の抽選時に印刷の対価が課金されていないので、少なくとも1枚の実カードを印刷する権利をユーザに設定させる必要がない。したがって、仮想ボードVBの利用に関しても、全ての保留カードを仮想ボードVBに移動させた状態で抽選プリントを終了させる、といった変形が可能である。抽選の繰り返しに伴う確率の変化は必須ではなく、一定の確率で抽選が繰り返されるようにしてもよい。確率を変化させない場合、例えば追加抽選料を適切に設定して再抽選を選択するモチベーションをユーザに与えるようにしてもよい。
上記の形態では店舗6ごとに共通の仮想ボードVBを用いるようにしたが、例えばユーザごとに区別して仮想ボードVBが設定されてもよい。その場合、例えば保留カードの情報をユーザごとの仮想ボードVBとして利用し、各ユーザが保留設定している仮想カードCvを他のユーザが交換先カードとして選択可能としてもよい。この場合には交換条件を適宜に設定すれば、ユーザが知らない間に保留カードが交換されるといった不都合を排除することができる。交換を希望しない仮想カードCvに対して交換不可の条件を設定してもよい。ユーザごとに仮想ボードVBを設定する場合には、仮想ボードVBの全体をユーザIDと関連付けることにより、仮想ボードVBそれ自体に所有権を設定することができる。その場合、仮想カードCvごとに所有者の情報を関連付けなくとも、仮想ボードVB内の仮想カードCvがいずれのユーザの所有かを明らかにすることが可能である。仮想ボードVBをユーザごとに設定すれば、その仮想ボードVB内で仮想カードCvの保留、保留の解除、あるいは交換元カードとしての指定を一括して管理できる利点がある。
仮想ボードVBを利用した仮想カードCvの交換は、必ずしも同一種類のゲームに関する仮想カードCv間に限定されなくともよい。異なる種類のゲーム間でも仮想カードCvを交換可能としてもよい。さらに、ユーザが仮想ボードVBに仮想カードCvを移動させ、これに代わる仮想カードCvを仮想ボードVBから取得しない場合には、何らかの報酬、例えばゲームにて利用可能なポイント等をユーザに付与してもよい。
上述した抽選プリントにおいて、仮想カードCvはユーザに付与されるべきアイテムの一例であって、そのアイテムを、視覚により把握可能な態様で表現した仮想的あるいは観念的な存在である。したがって、アイテムは必ずしも仮想カードCvの態様で表現されることを要しない。画面にて一定の形態で表現されるキャラクタ、オブジェクトといった要素が、ユーザに付与されるべきアイテムとして用いられてよい。
一方、実カードCrはアイテムに対応して出力される物理的媒体の一例に相当する。実カードは、対応する仮想カードの外観、能力値等のパラメータといった属性を印刷台紙等の物理的な物品上で具現化したものである。ただし、実カードの外観は、アイテムと同一であることを必ずしも要しない。仮想カード等の属性が印刷台紙等の物品に記録されたものと看者が認識できる程度にアイテムと物理的媒体とが関連付けられていればよい。物理的媒体は二次元的な印刷物に限らず、例えば三次元的な物品にアイテムの特徴が固定されたものであってもよい。
これに対して、プロフィールプリント又はメモリアルプリントでは、実カードとしてのプロフィールカードCp又はメモリアルカードCmを印刷出力することを目的としているため、仮想カードCvはそれらのカードCp、Cmを仮想的に表現したオブジェクトとして画面上に表現されるものであってよい。
上記の形態では、カードベンダ4により抽選プリント、プロフィールプリント又はメモリアルプリントを選択可能とし、選択されたタイプに応じた実カードを印刷出力可能としたが、それらのタイプは単独で又は適宜に組み合わせてゲームシステムに実装されてもよい。抽選プリントに関しては、ゲームシステムの機能の一部として設けられることを必ずしも要しない。物理的媒体をユーザに出力するための各種の用途に適用可能な媒体提供システムを対象として抽選プリントの機能が実装されてよい。さらに、抽選プリントでは、抽選を利用してアイテムを選択する例に限らず、条件に応じてアイテムを選択するといった抽選以外の手法により選択されてもよい。
上述した実施の形態及び変形例のそれぞれから導き出される発明の各種の態様を以下に記載する。
本発明の一態様に係る媒体提供システムは、ユーザに付与されるべきアイテムを複数の選択肢から選択するアイテム選択手段と、前記アイテム選択手段にて選択されたアイテムを出力対象アイテムとするか否かを前記ユーザの指示に基づいて選択する出力選択手段と、前記出力選択手段にて前記出力対象アイテムとして選択されなかったアイテムを、前記出力選択手段により前記出力対象アイテムとして選択可能な保留アイテムとして保持する保留手段と、前記出力対象アイテムとして選択されたアイテムに対応した物理的媒体が前記ユーザに対して出力されるように媒体出力装置を制御する出力制御手段と、を備えたものである。
本発明の一態様に係る媒体提供方法は、ユーザに付与されるべきアイテムを複数の選択肢から選択するアイテム選択手順と、前記アイテム選択手段にて選択されたアイテムを出力対象アイテムとするか否かを前記ユーザの指示に基づいて選択する出力選択手順と、前記出力選択手順にて前記出力対象アイテムとして選択されなかったアイテムを、前記出力選択手順により前記出力対象アイテムとして選択可能な保留アイテムとして保持する保留手順と、前記出力対象アイテムとして選択されたアイテムに対応した物理的媒体が前記ユーザに対して出力されるように媒体出力装置を制御する出力制御手順と、をコンピュータに実行させるものである。
本発明の一態様に係るコンピュータプログラムは、コンピュータを、ユーザに付与されるべきアイテムを複数の選択肢から選択するアイテム選択手段、前記アイテム選択手段にて選択されたアイテムを出力対象アイテムとするか否かを前記ユーザの指示に基づいて選択する出力選択手段、前記出力選択手段にて前記出力対象アイテムとして選択されなかったアイテムを、前記出力選択手段により前記出力対象アイテムとして選択可能な保留アイテムとして保持する保留手段、及び前記出力対象アイテムとして選択されたアイテムに対応した物理的媒体が前記ユーザに対して出力されるように媒体出力装置を制御する出力制御手段、として機能させるように構成されたものである。
以上の態様によれば、選択されたアイテムが出力対象アイテムとして選択されなかった場合でも、当該アイテムが保留アイテムとして保持される。ユーザが出力を希望しないアイテムについては、これを保留アイテムとしてひとまず保留アイテムとすることにより、無駄な物理的媒体の出力を抑制し、あるいは解消することが可能である。一方、保留アイテムを、必要に応じて出力対象アイテムとして選択し、それに対応する物理的媒体を出力させることも可能である。したがって、出力対象アイテムとして選択されなかった場合に当該アイテムを消去する場合と比較して、ユーザの物理的媒体の出力要求に応える余地を残すことができる。
なお、本発明の一態様に係るコンピュータプログラムは、記憶媒体に記憶された状態で提供されてもよい。この記憶媒体を用いれば、例えばコンピュータに本発明に係るコンピュータプログラムをインストールして実行することにより、そのコンピュータを利用して本発明のシステムを実現することができる。コンピュータプログラムを記憶した記憶媒体は、CDROM等の非一過性の記憶媒体であってもよい。
上記態様において、前記ユーザの指示に基づいて、前記保留アイテムを他のアイテムに交換するアイテム交換手段をさらに備え、前記保留手段は、前記アイテム交換手段にて交換された前記他のアイテムを前記保留アイテムとして保持してもよい。これによれば、保留アイテムを他のアイテムと交換することにより、ユーザの希望に沿ったアイテムを出力対象アイテムとして選択し、これに対応する物理的媒体を出力させる可能性を高めることができる。
前記アイテム交換手段は、一のユーザに対して付与され、かつ前記保留アイテムとして保持されたアイテムと、他のユーザに対して付与され、かつ前記保留アイテムとして保持されたアイテムとを交換させることにより、前記アイテムの交換を実現してもよい。これによれば、ユーザ間でアイテムを交換させることにより、各ユーザが必ずしも必要としないアイテムを融通し合って、各ユーザが自己の希望に沿ったアイテムを取得してこれを物理的媒体として出力させる可能性を高めることが可能である。
前記アイテム交換手段は、各ユーザが交換元アイテムとして指定したアイテムの少なくとも一部を各ユーザに交換候補のアイテムとして提示し、提示された前記交換候補のアイテムから交換先アイテムを各ユーザに指定させることにより、前記交換元アイテムと前記交換先アイテムとを交換してもよい。この場合、各ユーザは、提示された交換候補のアイテムから自己が必要とするアイテムを交換先アイテムとして指定することができるので、ユーザが自己の希望に沿ったアイテムを比較的容易に選択して取得することが可能である。
前記保留手段は、前記保留アイテムを所有者としてのユーザが識別できるようにして保持し、前記アイテム交換手段は、前記アイテムの交換を各アイテムの所有者と関連付けて制御してもよい。これによれば、アイテムの交換にあたって所有者と関連付けて制御することにより、所有者間での取り引きに基づくアイテムの交換を実現することができる。
前記アイテム交換手段は、前記交換元アイテムとして指定される保留アイテムの所有者としてのユーザの指示に基づき、前記交換元アイテムに対応付けて交換条件を設定し、前記アイテム交換手段は、前記交換条件が満たされた場合に前記アイテムが交換されるように前記交換を制御してもよい。これによれば、アイテムの交換を条件付きで行うことが可能となる。それにより、各ユーザが自己の希望に沿ったアイテムを取得できる可能性をさらに高めることができる。
なお、上述した発明の各態様の理解を容易にするために、各態様と実施形態との対応関係を以下に示す。ただし、本発明は図示の形態に限定されるものではない。
上記形態においては、サーバ2の抽選プリント処理部23が図18のステップS202を実行することによりアイテム選択手段の一例として機能し、ステップS203にて保留を設定し、ステップS214にて保留カードが削除されるまで仮想カードCvを印刷保留の状態に保持することにより保留手段の一例として機能し、図20のステップS240を実行することにより出力選択手段の一例として機能し、図18のステップS213の処理を実行することにより出力制御手段の一例として機能する。
また、抽選プリント処理部23は、図20のステップS234〜S239を実行することによりアイテム交換手段として機能する。その場合、ステップS234で選択される交換元カードは交換元アイテムの一例に相当し、ステップS237で選択される交換先カードは交換先アイテム及び他のアイテムの一例に相当し、ステップS236で抽出されるカードが交換候補のアイテムの一例に相当する。