(全体構成)
まず、本発明に係る媒体提供システムの一例としてのゲームシステムを説明する。図1に示すように、ゲームシステム1は、サーバ2と、サービス装置の一例であってかつサーバ2のクライアントとして機能することが可能な複数のゲーム機3A、3B、3C、3D(以下、ゲーム機3と表記することがある。)と、カードベンダ4とを含んでいる。また、ゲームシステム1では、ユーザ端末5もサーバ2のクライアントとして利用可能である。サーバ2は単一のコンピュータ装置を用いた物理的な一台のサーバとして構成されてもよいし、複数のコンピュータ装置を組み合わせた論理的なサーバとして構成されてもよい。
ゲーム機3A~3Dは、互いに種類が異なるゲームをユーザに提供するゲームプレイ用の端末装置の一例として設けられている。図1では4種類のゲーム機3A~3Dが示されているが、ゲーム機3の種類は適宜でよい。各ゲーム機3で提供されるゲームの内容は適宜でよい。例えば、音楽ゲーム、ダンスゲーム、麻雀等のボードゲーム、その他の各種のゲームがゲーム機3にて提供されてよい。ゲームの種類は適宜の観点で区別されてよい。例えばゲームのジャンル、タイトル、バージョンその他の適宜の観点からゲームの種類が区別されてよい。ゲーム機3は、料金の支払いと引き換えにユーザにゲームをプレイさせ、あるいはゲームに関連したサービスをユーザに提供する業務用のゲーム機として設けられている。ゲーム機3は、ゲーム機3を利用した事業が営まれる施設の一例としての店舗6に設置される。図1では単一の店舗6が示されているが、実際には複数の店舗6が存在し、各店舗6に少なくとも一台のゲーム機3が設置される。なお、ゲーム機3は店舗6等の商業施設に限らず、公共施設その他のゲーム機3を利用し得る各種の施設に設置されてよい。
カードベンダ4は、ゲームと関連付けられたカードを物理的媒体の一例として印刷し、そのカードをユーザに出力するカード印刷用の端末装置の一例として設けられている。各店舗6には少なくとも一台のカードベンダ4が設置される。ユーザ端末5は、ユーザの個人的な利用に供される情報通信装置である。例えば、スマートフォンがユーザ端末5として利用されてよい。モバイル型のPC、携帯型のゲーム機といった情報通信装置がユーザ端末5として利用されてもよい。
サーバ2と、ゲーム機3、カードベンダ4及びユーザ端末5とはネットワーク7を介して情報通信可能である。ネットワーク7は、同一店舗6内のゲーム機3とカードベンダ4とを収容するように構成された店舗6ごとのLAN7aと、LAN7aとサーバ2とを接続するWAN7bとを含む。WAN7bは一例としてインターネットである。LAN7aは店舗6ごとに設置されたルータ7cを介してWAN7bに接続される。ユーザ端末5は通信会社等が用意するアクセスポイント7dを介してWAN7bに接続される。サーバ2も適宜の構成でWAN7bに接続されてよい。
ゲームシステム1では、ゲーム機3やカードベンダ4等の画面に表示される仮想的なカードと、カードベンダ4によりユーザに対して印刷出力される物理的な存在としてのカードとが存在する。以下では、前者を仮想カードと、後者を実カードと読んで両者を区別することがある。
(カード印刷処理の概要)
図2は、カードベンダ4にて実カードを印刷出力するために行われる処理の概要を示している。カードベンダ4では、まずタイトル画面等を表示しつつユーザの開始操作を待つ待機処理が行われる(ステップS1)。ユーザがカードベンダ4に対して所定の開始操作を行うと、サーバ2がカードベンダ4を介してユーザを認証するユーザ認証処理が行われる(ステップS2)。ユーザ認証が完了すると、いずれの種類のゲームに関する実カードを印刷すべきかをユーザに選択させるためのコンテンツセレクトの処理が行われる(ステップS3)。ゲームの種類が選択されると、印刷すべき実カードのタイプ(又は種類)をユーザに選択させるコンテンツホームへと処理が移行する(ステップS4)。コンテンツホームの処理では、抽選プリント、プロフィールプリント及びメモリアルプリントの3種類のタイプからいずれか一つのタイプが選択可能とされる。実カードのタイプが選択されると、選択されたタイプに対応した処理が行われ(ステップS5~S7)、いずれかの処理が終わるとコンテンツホームへと処理が戻される。さらに、コンテンツホームにてタイプの選択がなければコンテンツセレクトへと処理が戻される。コンテンツセレクトにて印刷の終了(又は取り消しであってもよい。)がユーザによって指示されると所定の終了処理が行われ(ステップS8)、その後、待機処理へと復帰する。
図2のステップS5~S7にて行われる抽選プリント、プロフィールプリント、及びメモリアルプリントのそれぞれの概要は以下の通りである。
(抽選プリント)
図3に示すように、抽選プリント(図2のステップS5)では、ゲームと関連付けられた複数の仮想カードCvを含んだ選択範囲の一例としての選択候補群GCから、ユーザに付与すべき一枚の仮想カードCvが抽選により選択され、選ばれた仮想カードCvに対応する実カードCrが印刷される。選択候補群GCは、ゲーム機3にて提供されるゲームのタイトルごとに区別して用意される。ゲームのタイトルは、ゲームの異同を区別する概念の一例であって、ゲームの種類とは別である。例えば同一種類のゲームでもタイトルが異なるゲームが存在してよい。仮想カードCvの抽選はユーザが選択したゲームのタイトルに対応する選択候補群GCを対象として行われる。仮想カードCvはアイテムの一例に相当し、選択候補群GCから選択される仮想カードCvは出力対象アイテムの一例に相当し、仮想カードCvに対応して印刷される実カードCrは物理的媒体の一例に相当する。
図4は、抽選プリントにて出力される実カードCrとしてのゲームカード100の一例を示す。図示のゲームカード100には、ゲームに登場するキャラクタ101と、ゲーム機3におけるゲームの制御にて参照されるべき情報が記録された情報記録部の一例としての二次元コード102と、ゲームカード100の価値を星型等のマークの個数で示したレア度ゲージ103とが印刷されている。例えば、ゲームカード100のキャラクタ101をゲーム機3のゲームに出現させるようにゲームが制御される場合、そのキャラクタ101を特定し、さらにはゲームにおけるキャラクタ101の価値を特定するために必要な各種のパラメータの値が二次元コード102に記録される。したがって、ゲーム機3のゲームでは、二次元コード102に記録された情報に基づいて、印刷出力の対象として抽選された仮想カードCvに対応する変化が生じることとなる。
レア度ゲージ103にて示される価値は、ゲームカード100に対応する仮想カードCvが抽選で選択される確率と対応する。例えば、抽選における選択候補群GCに含まれる仮想カードCvには、抽選確率が通常値のノーマルカード、抽選確率がノーマルカードのそれよりも低いレアカード、及び抽選確率がレアカードのそれよりも低いスーパーレアカードの3種類の仮想カードCvが存在し、それらの仮想カードCvの抽選確率に応じて実カードCrとしてのゲームカード100もノーマルカード、レアカード、スーパーレアカードに区分される。仮想カードCv及びゲームカード100の価値は、スーパーレアカードが最も高く、レアカードが次に高く、ノーマルカードが最も低い。レア度ゲージ103は、ゲームカード100が3種類に区分された抽選確率のいずれに対応するか、を星等のマークの個数で示すものである。
ゲームカード100の価値の高低は二次元コード102に記述されるパラメータの値に反映される。二次元コード102の情報がゲーム機3にて読み取られることにより、ゲームカード100の価値がゲームに出現するキャラクタ101の価値に反映される。例えば、レアカードに対応してゲームに出現するキャラクタ101の能力値等はノーマルカードに対応するキャラクタ101のそれよりも高く、スーパーレアカードに対応してゲームに出現するキャラクタ101の能力値等はさらに高いといったごとくである。このような例において、仮想カードCv及びゲームカード100の価値は、二次元コード102に記録されたパラメータの値の高低に応じて客観的に定めることができる。
ただし、ゲームカード100は、必ずしもゲーム機3にて読み取り可能な態様で情報が記録される例に限られない。例えば、ゲームカード100を利用して、ゲーム機3におけるゲームと関連付けられたカードゲームをオフラインでプレイする場合、そのカードゲームでデッキ等に組み込まれて利用されるカードがゲームカード100として印刷出力されてもよい。さらに、ゲームカード100は、ユーザの収集を主たる目的としたカードとして印刷されてもよい。したがって、ゲーム機3は、ゲームカード100の情報を読み取る機能を有する例に限定されず、ゲームカード100には二次元コード102等の情報記録部が設けられることを必ずしも要しない。オフライン用途のゲームカード100であれば二次元コード102は省略可能である。
ゲームカード100等の実カードCrの印刷にあたっては、ユーザがその対価を支払う必要がある。印刷の対価は、例えば、カードベンダ4にてユーザが抽選を要求するごとに課金されてもよいし、印刷枚数に応じて課金されてもよい。ゲーム機3におけるゲームのプレイと関連付けて仮想カードCvを抽選する機会が付与される場合、その仮想カードCvに対応する実カードCrを印刷する対価がゲームのプレイ料金に含まれるようにしてユーザに課金されてもよい。いずれにしても、仮想カードCvの抽選、及び実カードCrの印刷に関しては適宜の課金体系が設定されてよい。実カードCrの印刷に関して、特別の処理をユーザが選択できるようにしてもよい。その選択に対応して付加的な料金がさらに課金されてもよい。特別の処理としては、例えば光沢感を付加する加工、ホログラム加工、高品質な印刷台紙の選択といった選択肢が用意されてよい。
(プロフィールプリント)
プロフィールプリント(図2のステップS6)では、ユーザ間でゲームに関連した所定の関係を設定するために使用可能なカード(実カード)が印刷される。例えば、ゲームのユーザ間に、フレンド、グループ、ライバルといった関係を設定するための実カードがプロフィールプリントにて印刷される。
図5はプロフィールプリントにおけるカードの印刷の手順の一例を示している。プロフィールプリントでは、まずカードの印刷を希望するユーザ(以下、対象ユーザと呼ぶことがある。)がゲーム機3にて印刷内容を指定する操作を行い、サーバ2に対してプロフィールプリントにおける実カード(以下、プロフィールカードと呼ぶことがある。)の印刷を予約する(図5(a))。サーバ2に保存されたプロフィールカードの印刷予約の情報をユーザがユーザ端末5にて閲覧し、印刷内容の加工、修正、追加といった調整を施すことが可能とされてもよい。
サーバ2に保存されている印刷予約の情報は、対象ユーザの指示に基づいてカードベンダ4に提供される。ユーザがカードベンダ4にてプロフィールプリントを選択することにより、与えられた印刷予約の情報に基づいて、実カードCrの一例としてのプロフィールカード110が対象ユーザに対して印刷出力される(図5の(b))。
図6はプロフィールカード110の一例を示す。図6のプロフィールカード110は、ダンスゲームに関連付けて印刷出力されるカードである。プロフィールカード110の表面には、ゲーム機3のカメラがプレイ中の対象ユーザを撮影したプレイ画像111a、対象ユーザがゲームで使用している名前(ニックネーム等でもよい。)111b、プレイ時間111cといった情報が対象ユーザを識別するための象徴情報111の一例として記録される。プロフィールカード110の裏面には、二次元コード113と、ゲームタイトルを象徴する画像114とが記録される。なお、図6において、プレイ画像111aはユーザを白抜きの状態で示しているが、実際にはユーザを撮影した画像がプレイ画像111aとして記録される。
二次元コード113には、対象ユーザと他のユーザとの間にフレンド等の関係を設定するために必要な設定情報が埋め込まれている。例えば、対象ユーザを識別するためのユーザ識別情報としてのユーザIDが二次元コード113に埋め込まれている。対象ユーザが所属するグループのグループID等が二次元コード113に埋め込まれてもよい。プロフィールカード110を受け取った他のユーザが、ゲーム機3のユーザ認証を受けてプロフィールカード110の二次元コード113の情報をゲーム機3に読み取らせることにより、そのユーザと対象ユーザとの間にフレンド等の関係が設定される。
(メモリアルプリント)
メモリアルプリント(図2のステップS7)では、ユーザがゲームをプレイした記念としてのカード(実カード)が印刷される。その手順は図5に示したプロフィールプリントの手順と同様であって、ゲーム機3からサーバ2に対して印刷内容を示す印刷予約の情報が送信されてサーバ2に保存され、対象ユーザの指示に基づいてサーバ2の予約情報がカードベンダ4に提供され、その予約情報に対応するメモリアルカード120が実カードのCrとして印刷出力される。メモリアルカード120には、ゲームのプレイの記念としての価値を有する適宜のコンテンツが印刷されてよい。例えばゲームのスクリーンショット、予め用意された記念画像、図柄等が適宜に含まれてよい。
図7はダンスゲームに関連付けて出力されるメモリアルカード120の一例を示している。図7のメモリアルカード120では、表面に、ユーザのプレイ中の画像120aが記録され、裏面にユーザの名前及びプレイの日時を示すテキスト120bが記念情報として記録されている。さらに、図8のメモリアルカード120では、画像120aを装飾するオブジェクト121、及びゲームのタイトル等を示す背景画像122も併せて記録されている。なお、メモリアルカード120は、ゲーム機3での読み取りを想定しない記念品的な性質のカードであるため、図4の二次元コード102、あるいは図6の二次元コード113のような情報記録部を有しない。
(ゲームシステムの制御系)
次に、上述した各種のカードを印刷するためのゲームシステム1の制御系の構成の一例を図8及び図9により説明する。図8は、サーバ2における制御系の要部の一例を示している。サーバ2は、制御ユニット10及び記憶ユニット11を含む。制御ユニット10は、マイクロプロセッサ、及びその動作に必要な内部記憶装置を含んだコンピュータユニットとして構成されている。記憶ユニット11は、磁気ディスク等を用いた記憶保持が可能な記憶装置であって、制御ユニット10に対する外部記憶装置として機能する。データベースサーバが記憶ユニット11の少なくとも一部として用いられてもよい。
記憶ユニット11には、サーバ2にて参照されるべきデータとして、例えばゲームデータDg及びプレイデータDpが記録される。ゲームデータDgは、ゲーム機3にてプレイされるゲームで使用されるべき画像データ、音声データといった各種のデータを含む。ゲームデータDgにはさらにカードデータDcが含まれる。カードデータDcは、抽選プリントの抽選のために用意された全ての仮想カードCvを特定するための情報、それらの仮想カードCvを表示し、あるいは対応する実カードCrを印刷するために必要なレイアウト、フォーマット、テンプレートといった情報が含まれてよい。プロフィールプリント及びメモリアルプリントにて出力される実カードCrのフォーマット、テンプレートといった情報もカードデータDcに含まれてよい。プレイデータDpは、ユーザによるゲームのプレイに関連した情報が保存されるユーザごとのデータである。図8では1人のユーザに対応するプレイデータDpを示している。カードベンダ4にてユーザが取得した仮想カードCvの情報、ゲーム機3でユーザが予約したプロフィールカードCp、メモリアルカードCmの情報もプレイデータDpに保存されてよい。
制御ユニット10には、そのハードウエアと所定のサーバプログラムPGsとの組み合わせによって実現される論理的装置として、ゲーム管理部20、及びプリント管理部21が設けられる。ゲーム管理部20は、ゲーム機3にてプレイされるゲームに関連した各種のサービスをゲーム機3に提供する。例えば、ゲーム管理部20は、ゲーム機3へのプレイデータDpの提供、ゲーム機3にて更新されたプレイデータDpの保存、ユーザ同士のマッチングといったサービスを提供する。ゲーム管理部20には、上述したユーザ間のフレンド等の関係を管理するための関係管理部22がさらなる論理的装置として設けられる。
プリント管理部21は、カードベンダ4におけるカードの印刷に関連した各種のサービスをゲーム機3、カードベンダ4及びユーザ端末5に対して提供する。それらのサービスを提供するため、プリント管理部21には、抽選プリント処理部23、プロフィールプリント処理部25、メモリアルプリント処理部26、及びサンプルプリント処理部27がさらなる論理的装置として設けられる。抽選プリント処理部23は、抽選プリントにおける仮想カードCvの抽選、仮想カードCvに対応する実カードCrを印刷するために必要なデータの生成といった抽選プリントに関連した処理を担当する。それにより、抽選プリント処理部23はアイテム選択手段の一例として機能する。プロフィールプリント処理部25は、プロフィールプリントに関する印刷の予約、印刷に必要なデータの生成といったプロフィールプリントに関連した処理を担当する。メモリアルプリント処理部26は、メモリアルプリントに関する印刷の予約、印刷に必要なデータの生成といったメモリアルプリントに関連した処理を担当する。サンプルプリント処理部27は、カードベンダ4のオペレータの指示に基づいて実カードCrをサンプルカードとして印刷出力するために必要な処理を担当する。サンプルカードの印刷に関しては後に詳細に説明する。
サーバ2の制御ユニット10には、さらなる論理的装置として、ユーザ認証部28及び決済処理部29が設けられる。ユーザ認証部28は、クライアントとしてのゲーム機3、カードベンダ4及びユーザ端末5のそれぞれからの求めに応じてユーザを認証する。決済処理部29は、ゲーム機3、カードベンダ4及びユーザ端末5のそれぞれからの求めに応じてユーザから料金を徴収するための決済処理を実行する。決済処理は、例えば電子通貨による決済、クレジットカードによる決済、金融機関が提供するオンライン決済等、ネットワーク7を利用した各種の決済処理が利用されてよい。ただし、ゲーム機3及びカードベンダ4における決済に関しては、ネットワーク7を利用した決済に代えて、又は加えて、通貨を利用した現金決済が利用されてもよい。
図9は、ゲーム機3、カードベンダ4及びユーザ端末5のそれぞれにおける制御系の要部の一例を示している。ゲーム機3は、マイクロプロセッサ、及びその動作に必要な内部記憶装置を含んだコンピュータユニットとして構成された制御ユニット30を含む。制御ユニット30には、入力装置として、カードリーダ31、カメラ32、操作検出装置33が、出力装置として表示装置34がそれぞれ接続されている。カードリーダ31は、ユーザ認証に必要なユーザ識別情報をユーザが所持する認証用媒体から読み取るために設けられている。認証用媒体は、一例として磁気ストライプ、RFID等の記憶部を含んだカード等が利用される。ここでいうカードは、カードベンダ4が印刷する実カードCrとは異なる。カメラ32はゲーム中のユーザの画像の取得、あるいは、ゲームカード100及びプロフィールカード110の二次元コード102、113の読み取りに利用される。操作検出装置33はユーザの操作を検出する。例えば、表示装置34の画面上に配置されたタッチパネルが操作検出装置33の少なくとも一部として用いられてよい。表示装置34はゲーム画面等の表示に用いられる。
制御ユニット30には、そのハードウエアと所定のゲーム機プログラムPGgとの組み合わせによって実現される論理的装置としてゲーム制御部35及びプリント管理部36が設けられる。ゲーム制御部35は、操作検出装置33の出力を参照しつつユーザがプレイするゲームの進行を制御する。プリント管理部36は、カードベンダ4による実カードCrの印刷と関連付けられた処理をサーバ2の指示に従って実行する。例えば、プリント管理部36は、プロフィールカード110及びメモリアルカード120の印刷を予約するために必要な情報を取得してサーバ2に提供する。つまり、プリント管理部36は、実カードCrの印刷に関連した制御機能をゲーム機3に付与する論理的装置である。
カードベンダ4は、マイクロプロセッサ、及びその動作に必要な内部記憶装置を含んだコンピュータユニットとして構成された制御ユニット40を含む。制御ユニット40には、入力装置として、カードリーダ41、及び操作検出装置42が、出力装置として表示装置43及びプリンタ44がそれぞれ接続されている。カードリーダ41は、ユーザ認証に必要なユーザ識別情報をユーザが所持する認証用媒体から読み取るために設けられている。認証用媒体は、上述した通りである。操作検出装置42はユーザの操作を検出する。例えば、表示装置43の画面上に配置されたタッチパネルが操作検出装置42の少なくとも一部として用いられてよい。表示装置43は、カードベンダ4における案内画面等を表示するために用いられる。プリンタ44は、実カードCrを印刷し、出力することにより、媒体出力手段の一例として機能する。
制御ユニット40には、そのハードウエアと所定のベンダプログラムPGvとの組み合わせによって実現される論理的装置として、プリント管理部45、プリンタ制御部46及びテスト制御部47が設けられる。プリント管理部45は、カードベンダ4による実カードCrの印刷と関連付けられた処理をサーバ2の指示に従って実行する。例えば、プリント管理部45は、サーバ2の指示に従って、抽選プリント、プロフィールプリント、及びメモリアルプリントのサービスをユーザに提供するために必要な情報を取得してサーバ2に提供する。つまり、プリント管理部45は実カードCrの印刷に関連したユーザインターフェース機能をカードベンダ4に付与する論理的装置である。プリンタ制御部46は、サーバ2から提供される情報に従ってプリンタ44を制御する。テスト制御部47は、カードベンダ4の動作をテストするために用意されたテストモードの制御を担当する。テストモードについては後述する。
ユーザ端末5は、マイクロプロセッサ、及びその動作に必要な内部記憶装置を含んだコンピュータユニットとして構成された制御ユニット50を含む。制御ユニット50には、入力装置として、カメラ51及び操作検出装置52が、出力装置として表示装置53がそれぞれ接続されている。カメラ51、操作検出装置52及び表示装置53のそれぞれは、スマートフォン等の情報通信端末に設けられた汎用的なハードウエアである。
制御ユニット50には、そのハードウエアと所定のユーザ端末プログラムPGuとの組み合わせによって実現される論理的装置としてサービス管理部55が設けられる。サービス管理部55は、ゲーム機3のゲームに関連したサービス、及びカードベンダ4における実カードCrの印刷に関連したサービスをユーザ端末5のユーザに提供するために必要なインターフェース機能をユーザ端末5に付与する論理的装置である。例えば、サービス管理部55は、ユーザがゲーム機3にて予約したプロフィールカード110又はメモリアルカード120の内容に対して加工、修正等の調整を行うためのインターフェース機能、あるいはプロフィールカード110の二次元コード113を利用してフレンド等の関係を設定するためのインターフェース機能を提供する。
ゲーム機3、カードベンダ4及びユーザ端末5のそれぞれには、制御ユニット30、40、50に対する外部記憶装置として機能する記憶ユニット、スピーカ等の出力装置といった各種のハードウエアが適宜に設けられてよいが、それらの図示は省略した。また、制御ユニット30、40、50のそれぞれには、図示した以外の論理的装置が適宜に設けられてよい。図11及び図12に示したプログラムPGs、PGg、PGv、PGuは所定の記憶媒体に記録された状態で提供されてインストールされる。ただし、クライアントとしてのゲーム機3、カードベンダ4及びユーザ端末5のそれぞれに向けられたプログラムPGg、PGv、PGuはサーバ2からネットワーク7を介して配信されてもよい。
(テストモードについて)
テストモードは、店舗6に設置されたゲーム機3やカードベンダ4の運用を管理するオペレータが、カードベンダ4の各部の動作をチェックし、あるいは動作条件を設定するといったカードベンダ4の管理に関わる事項を処理するためにカードベンダ4に実装されているモードである。テストモードは、図9に示したテスト制御部47により実現される。テストモードは、例えばカードベンダ4を起動する際に特定の手順でカードベンダ4を操作し、あるいは所定のコマンドを入力することにより開始される。テストモードを呼び出す権限を有するオペレータが、カードベンダ4にてユーザ認証を受けた場合に限ってテストモードを開始させることが可能であってもよい。いずれにしても、テストモードは、店舗6の来場者としてのユーザが呼び出し得ないモードであり、そのような制限が実現される限りにおいてテストモードの開始条件は適宜に定められてよい。
ゲームシステム1には、抽選プリントのために用意された仮想カード群から印刷対象の仮想カードCvをオペレータの指示に基づいて選択し、選択された仮想カードCvに対応する実カードCrをサンプルカードとして印刷出力するサンプルプリントの機能が実装されている。そのサンプルプリントは、カードベンダ4におけるテストモードにて呼び出して実行することが可能である。以下、図10~図13を参照して、サンプルプリントの手順の概要を、カードベンダ4の表示装置43に表示される画面の遷移によって説明する。
(サンプルプリントの概要)
図10はテストモードが開始された場合にカードベンダ4の表示装置43に表示される初期画面の一例としてのメインメニュー画面200を示している。メインメニュー画面200には、オペレータが選択可能なテスト項目を一覧表示する項目選択部201と、メインメニュー画面200における動作を案内するガイダンス部202とが含まれている。項目選択部201に表示されるテスト項目はカードベンダ4の構成に応じて適宜に設定されてよいが、本形態のカードベンダ4では、プリンタ44に関する動作をテストする「プリンタチェック」が選択肢の一つとして用意されている。その他にも、例えばカードリーダ41、操作検出装置42、表示装置43等の入出力装置の動作をチェックし、ネットワーク7への接続をチェックし、あるいはカードベンダ4の稼働時間帯を設定するための適宜の項目が項目選択部201に含まれてよい。
オペレータがプリンタチェックを選択して所定の決定操作を行うと、表示装置43には図11に示したプリンタチェック画面210が表示される。プリンタチェック画面210には、オペレータが選択可能な項目を一覧表示する項目選択部211と、プリンタチェック画面210における動作を案内するガイダンス部212とが含まれている。項目選択部211に表示される項目も、プリンタ44の構成等に応じて適宜に設定されてよいが、その選択肢の一つとして「サンプルプリント」が用意されている。
オペレータがサンプルプリントを選択して所定の決定操作を行うと、表示装置43には図12に示したタイトル選択画面220が表示される。タイトル選択画面220には、店舗6に設置されたゲーム機3にてプレイ可能なゲームタイトルが一覧表示されるタイトル選択部221が含まれている。オペレータがサンプルプリントを希望するゲームのタイトルを選択して所定の決定操作を行うと、表示装置43には図13に示したカード選択画面230が表示される。カード選択画面230には、カード表示部231及びスクロールゲージ232が含まれている。カード表示部231には、図12のタイトル選択画面220にて選択されたゲームのタイトルに関して、サンプルプリントの対象として選択可能な複数の仮想カードCvがマトリクス状に並べて表示される。一画面で表示できない数の仮想カードCvが選択肢として存在する場合には、所定のスクロール操作によってカード表示部231の仮想カードCvが上下方向にスクロールされる。その場合、スクロールゲージ232のスライダ232aは現在の表示位置に応じて上下方向に移動する。
カード選択画面230では、オペレータによる仮想カードCvの選択の便宜を図るため、仮想カードCvの並び順が仮想カードCvの価値に基づいて定められてよい。例えば、価値が高い仮想カードCvから価値が低い仮想カードCvへと順に仮想カードCvが並べて表示されてよい。図13では、スーパーレアカードを「SR」、レアカードを「R」、ノーマルカードを「N」で区別して示している。図示例ではスーパーレアカードが最も上位となるように仮想カードCvの表示順が設定されている。なお、図13で示した種類ごとの仮想カードCvの枚数は一例である。実際には、より多数枚の仮想カードCvが表示されてよい。タイトル選択画面220におけるタイトルの選択、及びカード選択画面230における仮想カードCvの選択は、例えば選択対象に対するタッチ操作等によって実現されてよい。
図13のカード選択画面230にて印刷対象の仮想カードCvが選択され、オペレータが所定の確定操作を行うと、選択された仮想カードCvをサンプルカードとして印刷するための印刷データが生成され、その印刷データに基づいてプリンタ44がサンプルカードを印刷する。
サンプルカードには、印刷対象として選択された仮想カードCvに対応する外観を有し、かつ同一の仮想カードCvに対応する実カードCrとしてユーザに印刷出力されるゲームカード100とは異なる制限が付加される。例えば、図4のゲームカード100に対応するサンプルカードの一例を図14に示す。図示のサンプルカード150では、サンプルカード150に固有の外観として、「SAMPLE」の文字151が付加されている。また、図4の二次元コード102に代えて、ゲーム機3にて読み取りが不可能なダミーの二次元コード152が付加されている。キャラクタ101及びレア度ゲージ103は図4のゲームカード100と同様である。文字151及び二次元コード152はゲームカード100とは異なる制限として作用する。このような制限を付加する理由の一つは、サンプルカード150が不正に利用されるおそれを排除することにある。すなわち、サンプルカード150がユーザに不正に取得されたとしても、そのユーザが二次元コード152をゲーム機3に読み取らせてゲームで利用することはできない。また、オフラインのカードゲームにてサンプルカード150を利用しようとしても、文字151が表示されていることにより、他のユーザがサンプルカード150であることを一見して理解できるため、カードゲームにてサンプルカード150が通用するおそれを排除することができる。
サンプルプリントにおけるカード選択画面230にて表示される仮想カードCvの候補群は、抽選プリントにおける選択候補群GCと一致してもよいし、異なっていてもよい。サンプルプリントで選択可能な仮想カードCvの範囲を、抽選プリントの選択候補群GCに対して差別化する一例を図15に示す。図15の例において、抽選プリントのために用意された全ての仮想カードCvの範囲を全カード範囲GAとする。全カード範囲GAは、サーバ2に保持されているカードデータDcに記述された仮想カードCvの全てが含まれる範囲であってよい。抽選プリントの選択候補群GCはその全カード範囲GAに対する一部の範囲に設定され、全カード範囲GAには選択候補群GCから除外される仮想カードCvが含まれる。選択候補群GCには含まれない仮想カードCvは、抽選プリントにて選択されない。
全カード範囲GAには、選択候補群GCから除外され、かつ所定の解除条件が満たされた場合に選択候補群GCに取り込まれることが予定されている仮想カードCvの集合である保留カード群GPが含まれている。解除条件は適宜に設定されてよい。例えば、一定の条件が満たされると印刷出力が可能になることをユーザに認識せることにより、ユーザの期待感を高め得るように解除条件が設定されてよい。具体例として、所定の解禁時期が到来すると満たされるように解除条件が設定されてよい。あるいは、所定のインベントやキャンペーンの期間に限って満たされるように解除条件が設定されてもよい。さらに、ゲーム機3によるゲームのプレイ実績、あるいはカードベンダ4による実カードCrの印刷実績が所定のレベルに達すると満たされるように解除条件が設定されてもよい。
サンプルプリントにて選択可能な仮想カードCvの範囲をサンプル群GSとしたとき、サンプル群GSは、保留カード群GPの少なくとも一つの仮想カードCvを含むように設定されてもよい。すなわち、サンプル群GSは、現時点では解除条件が満たされないために選択候補群GCから除外され、解除条件が満たされた場合に選択候補群GCに取り込まれることが予定されている仮想カードCvが含まれるように設定されてもよい。このようにサンプル群GSを設定すると、ユーザがまだ取得することができない実カードCrをサンプルカードとして印刷出力し、そのサンプルカードを展示することにより、ユーザの期待感を高めて集客効果を生じさせることが可能である。そのような観点からは、保留カード群GPに含まれる仮想カードCvのうち、例えばスーパーレアカードのように価値が高く、展示により集客効果が期待できる仮想カードCvに限ってサンプル群GSに含まれるようにしてもよい。
サンプル群GSは、選択候補群GCの少なくとも一つの仮想カードCvを含むように設定されてよい。図15では選択候補群GCの全ての仮想カードCvがサンプル群GSに含まれているが、例えばスーパーレアカードのように価値が高く、展示により集客効果が期待できる仮想カードCvに限ってサンプル群GSに含まれるようにしてもよい。一方で、サンプル群GSは、選択候補群GCの仮想カードCvを含まないように設定されてもよい。選択候補群GCは、例えば期間限定で出力可能な仮想カードCvがその期間の経過に伴って削除される、といった理由により変化する場合がある。その場合には、選択候補群GCの変化に連動してサンプル群GSも変化してよい。
全カード範囲GAには、さらに選択候補群GC及び保留カード群GPのいずれにも含まれない仮想カードCvがさらに含まれていてもよい。そのような仮想カードCvは、選択候補群GC、あるいは保留カード群GPに適宜のタイミングで取り込まれてよい。選択候補群GC、保留カード群GP、サンプル群GSのそれぞれに対する仮想カードCvの属否はカードデータDcにその判別情報を記述して管理すればよい。保留カード群GPの仮想カードCvに関しては、その解除条件がカードデータDcに記述されてよい。サンプル群GSの範囲は、例えばサーバ2の管理者が適宜に設定してよい。解除条件が満たされた場合の仮想カードCvの選択候補群GCへの取り込みは、サーバ2が自ら処理してもよいし、サーバ2の管理者からの指示に基づいて行われてよい。
図15の例において、全カード範囲GAはアイテム群の一例に相当し、選択候補群GCはそのアイテム群に対して設定される選択範囲の一例に相当し、サンプル群GSはアイテム群に対して設定されるサンプル範囲の一例に相当し、保留カード群GPに含まれている仮想カードCvは保留アイテムの一例に相当する。なお、図15に示した、全カード範囲GA、選択候補群GC、及びサンプル群GSの設定は一例であり、選択候補群GC及びサンプル群GSは適宜に設定されてよい。例えば、選択候補群GCとサンプル群GSが互いに一致するように設定されてもよい。さらに、全カード範囲GAと選択候補群GC及びサンプル群GSとが一致する場合があってもよい。保留カード群GPについてもその存在は必須ではなく、全カード範囲GAに保留カード群GPが存在しない場合があってもよい。
(サンプルプリントの処理)
次に、サンプルプリントを実現するための処理手順の具体例を説明する。図16は、サーバ2のサンプルプリント処理部27が、カードベンダ4を入出力インターフェースとして利用しつつ実行するサンプルプリント処理の手順の一例を示している。カードベンダ4がテストモードで動作している間に、カードベンダ4のオペレータがサンプルプリントを選択すると、カードベンダ4のテスト制御部47はサーバ2に対してサンプルプリントの処理を要求し、これを受けてサーバ2のサンプルプリント処理部27が図16のサンプルプリント処理を開始する。サンプルプリント処理部27は、まずカードベンダ4の表示装置43に図12のタイトル選択画面220を表示させ、オペレータによるゲームタイトルの選択操作に従って、サンプルカードの印刷対象となるゲームタイルとを選択する(ステップS101)。
次に、サンプルプリント処理部27は、選択されたゲームタイトルに対応するサンプル群GSをカードデータDcから抽出する(ステップS102)。その後、サンプルプリント処理部27は、抽出されたサンプル群GSの仮想カードCvをカードベンダ4の表示装置43に表示させ、オペレータによる仮想カードCvの選択操作に従って、サンプルカードとして印刷すべき対象の仮想カードCvを選択する(ステップS103)。
続いて、サンプルプリント処理部27は、オペレータによるサンプルカードの印刷が所定の印刷規制の範囲内か否かを判別する(ステップS104)。例えば、印刷可能な枚数の上限値を予め設定するとともに、サンプルカードの印刷実績をオペレータごとに印刷ログとして記録し、オペレータの印刷枚数が上限値に達した場合に印刷規制の範囲を超えたと判断してもよい。規制は、仮想カードCvごとに区別して設定されてもよいし、オペレータに対して一括して設定されてもよい。印刷枚数の上限値は例えば一月で何枚まで、といったように期間を区切って設定されてもよい。
ステップS104にて規制範囲内であると判断された場合、サンプルプリント処理部27は、ステップS103で選択された仮想カードCvに対応するサンプルカードを印刷するための印刷データを生成し、これをカードベンダ4のプリンタ制御部46に提供してサンプルカードの印刷を指示する(ステップS105)。サンプルカードの印刷データは、図14に例示した文字151、あるいはダミーの二次元コード152のような制限が付加されるように調整される。印刷データを受け取ったカードベンダ4のプリンタ制御部46は、その印刷データに基づいてサンプルカードが印刷出力されるようにプリンタ44を制御する。それによりサンプルカードが印刷される。ステップS105の処理が終わると、サンプルプリント処理部27は、今回の印刷内容を所定のログデータに記録し、その後に図16の処理を終える。なお、サンプルプリント処理部27は、印刷完了がカードベンダ4側から通知されるまでステップS106の処理を保留し、その通知を待ってステップS106の処理に進むようにしてもよい。印刷エラーがカードベンダ4から通知された場合、サンプルプリント処理部27は所定のエラー処理を実行して図16の処理を終えてもよい。
ステップS104にて規制範囲を超えると判断された場合、サンプルプリント処理部27はカードベンダ4に対して規制を超えるために印刷が不可能であることを通知し(ステップS107)、その後に図16の処理を終える。
以上の形態においては、サーバ2のサンプルプリント処理部27は、図16のステップS103の処理を実行することによりサンプル選択手段の一例として機能する。また、サーバ2のサンプルプリント処理部27及びカードベンダ4のプリンタ制御部46が図16のステップS105で協働してプリンタ44にサンプルカードを印刷させることにより、それらのサンプルプリント処理部27及びプリンタ制御部46がサンプル出力制御手段として機能する。さらに、サンプルプリント処理部27は、図16のステップS104の処理を実行することによりサンプル出力規制手段の一例として機能する。
本発明は上述した形態に限定されず、適宜の変形又は変更が施された形態にて実施されてよい。例えば、図14のサンプルカード150ではゲーム機3による読み取りが不可能な二次元コード152を情報記録部に対する制限の一例として付加したが、二次元コードの印刷を省略することにより、情報記録部に対する制限を実現してもよい。サンプルカードの情報記録部は二次元コードを利用する例に限らない。一次元のバーコードが情報記録部として利用されてもよい。磁気ストライプ、ICチップといった情報の電磁的な記録が可能な記録媒体を情報記録部として設け、その記録媒体に対してサンプルカードであることを示す情報(例えば無効コード)を記録し、あるいは情報を記録しないことにより、情報記録部に関する制限を設定してもよい。情報記録部に関する制限は、例えばゲーム機3にて読み取り不可能となるような形態で実施される例に限らない。ゲーム機3にて読み取りは可能であっても、ユーザに対して印刷出力されるゲームカード100の二次元コード102の情報をゲーム機3にて読み取った場合に生じるゲームの変化の少なくとも一部が生じないように、サンプルカード150の二次元コード152が記録されてもよい。例えば、サンプルカード150のキャラクタ101がゲームで出現すれども、その行動が制限される、あるいは、キャラクタ101の能力が使用に値しないほど低い、といった制限が生じるように二次元コード152に情報が記録されてもよい。
上記の形態では、サンプルプリントにてゲームのタイトルを選択し、選択されたタイトルに対応する複数のアイテムをサンプル候補としてオペレータに提示したが、タイトルごとに区別してサンプル候補を提示することは必ずしも必要ではない。例えば、複数のタイトル間で横断的にサンプル群GSを設定し、そのサンプル群GSに含まれる仮想カードCvをタイトルの異同に関わりなくカード選択画面230に表示してもよい。ただし、本発明の媒体提供システムは、複数のゲームタイトルが存在することを必須とするものではない。
抽選プリント及びサンプルプリントで表示される仮想カードCvは、ユーザに付与される対象としてのアイテムを、視覚により把握可能な態様で表現した仮想的あるいは観念的な存在である。したがって、アイテムは必ずしも仮想カードCvの態様で表現されることを要しない。画面にて一定の形態で表現されるキャラクタ、オブジェクトといった要素が、ユーザに付与されるべきアイテムとして用いられてよい。
一方、実カードCrとしてのゲームカード100及びサンプルカード150は、アイテムに対応して出力される物理的媒体の一例に相当する。そのブル知的媒体は、対応する仮想カードの外観、能力値等のパラメータといった属性を印刷台紙等の物理的な物品に記録しものである。ただし、実カードCrの外観は、アイテムと同一であることを必ずしも要しない。仮想カード等の属性が印刷台紙等の物品に記録されたものと看者が認識できる程度にアイテムと物理的媒体のそれぞれの外観が相互に関連付けられていればよい。物理的媒体は二次元的な印刷物に限らず、例えば三次元的な物品にアイテムの特徴が固定されたものであってもよい。例えば、プリンタ44として3Dプリンタが設けられてもよい。
上記の形態では、抽選プリントで仮想カードCvを抽選することにより、ユーザに付与すべきアイテムを選択しているが、その選択は必ずしも抽選による例に限らない。例えば、ゲームをプレイした景品として、サーバ2、あるいはゲーム機3がランダムに、又は予め定められた条件に従ってアイテムを選択するものとしてもよい。
上述した形態では、抽選プリント、プロフィールプリント、メモリアルプリント及びサンプルプリントのそれぞれを処理する論理的装置を、サーバ2のプリント管理部21に設けているが、それらの処理の少なくとも一部をカードベンダ4側で実行するものとしてもよい。あるいは、アイテムをゲーム機3が選択し、その選択結果に基づいてカードを印刷する処理をサーバ2又はカードベンダ4が担当するものとしてもよい。
本発明の媒体提供システムは、サーバ2、ゲーム機3、カードベンダ4及びユーザ端末5を含んだ形態に限定されない。例えば、抽選プリントに関して、複数種類のゲームに関してカードベンダを共用する必要がなければ、カードベンダを省略してプリンタをゲーム機3に実装し、サーバ2とゲーム機3との間で抽選プリントに関する処理を適宜に実行してもよい。その場合、サンプルカードの選択及び印刷もゲーム機3を介してサーバ2が制御してもよいし、ゲーム機3が制御するものとしてよい。さらに、ネットワークに接続されないいわゆるスタンドアローンのゲーム機に抽選プリントに関する各種の処理を実行する機能を実装し、仮想カードCvの抽選等の処理をゲーム機3内で完結させてもよい。その場合には、サンプルプリントに関する処理もゲーム機3内で完結させてよい。
さらに、サーバ2に代えて、又は加えて店舗6内にサーバを設置し、上述した処理の少なくとも一部を店舗内のサーバに実行させてもよい。ゲーム機は単一種類のゲームをプレイさせる例に限らず、一台のゲーム機で複数種類のゲームを選択的にプレイできるようにしてもよい。ゲーム機3のゲーム制御部35に代えて、又は加えてサーバ2にゲーム制御部を実装し、ゲームに関連した各種の処理の少なくとも一部をサーバ2に実行させてもよい。ユーザ端末5は必須ではなく、これを用いない態様でゲームシステムが構成されてもよい。
プロフィールプリント及びメモリアルプリントは適宜に省略されてよい。一方、プロフィールプリント及びメモリアルプリントに関しても、適宜のサンプルカードを印刷主力できるようにしてもよい。
本発明の媒体提供システムのサービス装置は、ゲーム機を含むことを必ずしも必要としない。アイテムを選択し、選択されたアイテムに対応する物理的媒体をユーザに出力するための各種の媒体提供システムを対象として本発明が適用されてよい。
上述した実施の形態及び変形例のそれぞれから導き出される発明の各種の態様を以下に記載する。なお、以下の説明では、本発明の各態様の理解を容易にするために添付図面に図示された対応する構成要素を括弧書きにて付記するが、それにより本発明が図示の形態に限定されるものではない。
本発明の一態様に係る媒体提供システム(1)は、ユーザに対してサービスを提供する少なくとも一つのサービス装置(3、4)を含み、前記ユーザによる前記サービス装置の利用と関連付けて、所定のアイテム群(GA)に対して設定された選択範囲(GC)内の複数のアイテム(Cv)から前記ユーザに付与すべきアイテムを出力対象アイテムとして選択するアイテム選択手段(23)と、前記出力対象アイテムと関連付けられた外観を有する物理的媒体(Cr、100)を前記ユーザに対して出力する媒体出力手段(44)と、を備えた媒体提供システムであって、前記アイテム群に対して設定されたサンプル範囲(GS)内の2以上のアイテムをサンプル候補として前記サービス装置のオペレータに提示し、前記オペレータの指示に基づいて、前記サンプル候補からサンプルアイテムを選択するサンプル選択手段(27、S103)と、選択されたサンプルアイテムと関連付けられた外観を有し、かつ前記ユーザに対して出力される物理的媒体とは異なる制限(151、152)が付加された物理的媒体(150)がサンプル媒体として出力されるように前記媒体出力手段を制御するサンプル出力制御手段(27、46、S105)と、を備えたものである。
本発明の一態様に係る媒体提供方法は、ユーザに対してサービスを提供する少なくとも一つのサービス装置(3、4)を含み、前記ユーザによる前記サービス装置の利用と関連付けて、所定のアイテム群(GA)に対して設定された選択範囲(GC)内の複数のアイテム(Cv)から前記ユーザに付与すべきアイテムを出力対象アイテムとして選択するアイテム選択手段(23)と、前記出力対象アイテムと関連付けられた外観を有する物理的媒体(Cr、100)を前記ユーザに対して出力する媒体出力手段(44)と、を備えた媒体提供システム(1)に適用される媒体提供方法であって、前記アイテム群に対して設定されたサンプル範囲(GS)内の2以上のアイテムをサンプル候補として前記サービス装置のオペレータに提示し、前記オペレータの指示に基づいて、前記サンプル候補からサンプルアイテムを選択するサンプル選択手順(S103)と、選択されたサンプルアイテムと関連付けられた外観を有し、かつ前記ユーザに対して出力される物理的媒体とは異なる制限(151、152)が付加された物理的媒体(150)がサンプル媒体として出力されるように前記媒体出力手段を制御するサンプル出力制御手順(S105)と、を含んだものである。
本発明の一態様に係るコンピュータプログラム(PGs、PGv)は、ユーザに対してサービスを提供する少なくとも一つのサービス装置(3、4)を含み、前記ユーザによる前記サービス装置の利用と関連付けて、所定のアイテム群(GA)に対して設定された選択範囲(GC)内の複数のアイテム(Cv)から前記ユーザに付与すべきアイテムを出力対象アイテムとして選択するアイテム選択手段(23)と、前記出力対象アイテムと関連付けられた外観を有する物理的媒体(Cr、100)を前記ユーザに対して出力する媒体出力手段(44)と、を備えた媒体提供システム(1)のコンピュータ(10、40)を、前記アイテム群に対して設定されたサンプル範囲(GS)内の2以上のアイテムをサンプル候補として前記サービス装置のオペレータに提示し、前記オペレータの指示に基づいて、前記サンプル候補からサンプルアイテムを選択するサンプル選択手段(27、S103)、及び、選択されたサンプルアイテムと関連付けられた外観を有し、かつ前記ユーザに対して出力される物理的媒体とは異なる制限(151、152)が付加された物理的媒体(150)がサンプル媒体として出力されるように前記媒体出力手段を制御するサンプル出力制御手段(27、46、S105)として機能させるように構成されたものである。
上記態様によれば、アイテム群に対して設定されたサンプル範囲のアイテムがサービス装置のオペレータに対して提示され、オペレータの指示に基づいて、サンプル候補のアイテムが選択され、選択されたアイテムと関連付けられた外観を有する物理的媒体がサンプル媒体として出力される。したがって、オペレータのニーズに応じた物理的媒体をサンプル媒体としてオペレータに提供することが可能である。サンプル媒体には、ユーザに対して出力される物理的媒体とは異なる制限が付加される。そのため、用途が限られたサンプル媒体を提供して、サンプル媒体が、ユーザに対して付与される物理的媒体と同様に不正に利用されるおそれを低減又は解消することが可能である。アイテム群に対して設定される選択範囲が、ユーザに付与すべきアイテムを選択するための範囲として設定される一方で、その選択範囲とは区別してサンプル範囲を設定し、そのサンプル範囲内のサンプル候補のアイテムからサンプルアイテムを選択するため、訴求力の高いサンプル媒体の展示といったオペレータのニーズに適合するようにサンプル範囲を設定することができる。それにより、オペレータによるアイテムの選択に関して便宜を図ることが可能である。
上記態様において、前記サンプル出力制御手段は、前記サンプル媒体に固有の外観(151)が前記制限として前記物理的媒体に付加されるように前記媒体出力手段を制御してもよい。これによれば、ユーザに対して出力される物理的媒体とは一見して異なる外観をサンプル媒体に与え、それによりサンプル媒体の用途を確実に制限することが可能である。
上記態様において、前記物理的媒体(100)には、前記サービス装置として設けられたゲーム機にて読み取られて当該ゲーム機によるゲームの制御で参照されるべき情報が記録される情報記録部(102)が設けられ、前記媒体出力手段は、前記出力対象アイテムに対応した変化が前記ゲームに生じるように前記情報記録部に前記情報を記録して前記物理的媒体を出力し、前記サンプル出力制御手段は、前記サンプルアイテムに対応した前記ゲームの変化の少なくとも一部が生じないように、前記媒体出力手段による前記情報記録部(113)への前記情報の記録を制御することにより、前記サンプル媒体に前記制限を付加してもよい。この場合には、サンプル媒体の情報記録部の情報をゲーム機に読み取らせても、ユーザに対して出力された物理的媒体の情報をゲーム機で読み取ったときに生じる変化の少なくとも一部が生じないようにゲームが制御される。そのため、ゲームにおけるサンプル媒体の用途を確実に制限することができる。
前記アイテム群には、前記選択範囲から除外され、かつ所定の解除条件が満たされた場合に前記選択範囲内に取り込まれることが予定されている保留アイテム(一例として図14の保留カード群GP内の仮想カードCv)が存在し、前記サンプル範囲には前記保留アイテムが含まれてもよい。これによれば、解除条件が満たされた場合に出力が可能となることが予定されている物理的媒体をサンプル媒体として出力することができるである。そのようなサンプル媒体はユーザへの訴求力が高いため、その展示等を通じて高い集客効果を生じさせることが可能である。したがって、オペレータのニーズにより適したサンプル媒体を提供することができる。
さらに、前記解除条件は、所定の解禁時期が到来すると満たされるように設定されてもよい。これによれば、将来において出力が可能となることが予定されている物理的媒体に対応するサンプル媒体を、オペレータに先行して取得させることができる。
前記アイテム群には、価値が異なる複数種類のアイテムが含まれ、前記サンプル選択手段は、前記サンプル候補のアイテムを前記価値に応じて区別して前記オペレータに提示してもよい。サンプル候補を価値に応じて区別して提示することにより、オペレータの選択の便宜を図ることができる。
さらに、前記サンプル選択手段は、前記価値が高いアイテムから順に並べて前記サンプル候補を前記オペレータに提示してもよい。価値が高いサンプル候補ほど、それに対応するサンプル媒体の訴求力も高いため、そのようなサンプル候補から順に表示することにより、オペレータの選択に関してさらなる便宜を図ることができる。
上記態様において、前記サンプル媒体の出力に対して所定の規制を生じさせるサンプル出力規制手段(27、S104)をさらに備えてもよい。これによれば、サンプル媒体が無制限に出力されることによって想定し得る不都合を適宜に規制することが可能である。