以下、本発明のゲームシステムの一形態を説明する。本形態のゲームシステムは、ユーザに対して所定のサービスを提供するネットワークシステムの一部として構成されている。以下では、まずネットワークシステムの概要について説明し、その後、ゲームシステムが提供するゲームサービスに関連する構成を説明する。図1に示すように、ネットワークシステム1は、サーバSVを含んでいる。サーバSVには、端末装置TDがネットワークNTを介して接続される。
サーバSVは、一例として、複数のサーバユニット2A、2B…(以下、参照符号2で代表することがある。)が組み合わされた論理的なサーバシステムとして構成される。サーバユニット2はネットワークNT上の特定位置に集合的に設置されてもよいし、クラウドコンピューティングを利用してネットワークNT上で分散して設置されることにより、いわゆるクラウド型のサーバシステムを構成するように設けられてもよい。ネットワークNTは、サーバSVに対して各種の端末装置TDと通信可能に接続させることができる限り、適宜に構成されてよい。一例として、ネットワークNTは、WANとしてのインターネットと、サーバSV及び各種の端末装置TDのそれぞれをインターネットに接続するLAN、あるいはアクセスポイントAPといった各種の接続設備又は機器等を含んでよい。
端末装置TDは、適宜の端末装置を含んでよいが、例えば、第1端末装置群TD1、第2端末装置群TD2、及び第3端末装置群TD3を含んでいる。各端末装置群TD1、TD2、TD3は、サーバSVとの通信を介して各種のサービスをユーザに提供するクライアントとして機能する点では互いに共通する。つまり、各端末装置群TD1、TD2、TD3は、サーバSVと通信可能な端末装置TDの集合である。そして、各端末装置群TD1、TD2、D3は、いずれもサーバSVを利用しつつ各種のサービスを提供する。一方で、各端末装置群TD1、TD2、TD3は、ゲームサービスに関する役割分担の観点から区別される。第1端末装置群TD1は、所定のサービスとしてユーザにゲームのプレイを含むゲームサービスを提供するための端末装置TDの集合である。つまり、第1端末装置群TD1の各端末装置TDは、ユーザにゲームをプレイさせる役割を担うゲーム装置として機能する。
一方、第2端末装置群TD2、及び第3端末装置群TD3は、いずれも第1端末装置群TD1によって提供されるゲームサービスを補助する補助サービス(ゲームサービスの一部であってもよいし、別のサービスであってもよい)を提供するための端末装置TDの集合である。具体的には、第3端末装置群TD3は、このような補助サービスとして、第1端末装置群TD1の各端末装置TDが提供するゲームに含まれるゲーム要素を物理的な遊戯媒体として生成する遊戯体生成サービスを提供するための端末装置TDの集合である。つまり、第3端末装置群TD3の各端末装置TDは、このようなサービスを介して、第1端末装置群TD1の各端末装置TDが提供するゲームのゲーム要素を物(遊戯媒体)に変換する役割を担う。一方、第2端末装置群TD2は、補助サービスとして第3端末装置群TD3の各端末装置TDを介して遊戯媒体として生成されるべき生成候補のゲーム要素を決定する候補決定サービスを提供するための端末装置TDの集合である。つまり、第2端末装置群TD2の各端末装置TDは、このようなサービスを介して物に変換されるべきゲーム要素の候補を決定する役割を担う。なお、各端末装置群TD1、TD2、TD3は排他的に設定されるものではない。すなわち、同一の端末装置が2以上の端末装置群のそれぞれの端末装置TDとして機能してもよい。
図1の例では、第1端末装置群TD1として複数のゲーム機3A、3B…(以下、参照符号3で代表することがある。)が示されている。ゲーム機3はいずれもゲーム装置の一例である。ゲーム機3A、3Bはアミューズメント店舗等の施設に設置され、所定の対価の徴収(消費)と引き換えにユーザにゲームをプレイさせる業務用のゲーム機(装置)として構成されている。この種のゲーム機はアーケードゲーム機と呼ばれることもある。
また、図1の例では、第2端末装置群TD2として複数のユーザ端末装置4A、4B、4C…(以下、参照符号4で代表することがある。)が示されている。ユーザ端末装置4は、いずれもネットワーク接続が可能でかつユーザの個人用途に供される(個別に使用される)コンピュータ装置の一例である。各ユーザ端末装置4は、所定のソフトウェア(アプリケーション)の実行に伴い第2端末装置群TDとして機能する。例えば、このようなユーザ端末装置4として、携帯電話(スマートフォンを含む。)のようなモバイル端末装置4A、携帯型タブレット端末装置4B、あるいは据置型又はブック型のパーソナルコンピュータ4Cが利用される。なお、その他にも、据置型の家庭用ゲーム機、携帯型ゲーム機、携帯型タブレット端末装置といった、ネットワーク接続が可能でかつユーザの個人用途に供される各種のコンピュータ装置がユーザ端末装置4として利用されてよい。また、アプリケーションは適宜にユーザ端末装置4に提供されてよい。例えば、ネットワークNTを介してサーバSVから提供されてもよいし、記憶媒体等を介して提供されてもよい。
同様に、図1の例では、第3端末装置群TD3として、ゲーム機3A、及び媒体生成装置5A(以下、これらを代表して媒体生成装置5と呼ぶことがある。)が示されている。媒体生成装置5は、いずれも遊戯媒体を生成する機能を有する端末装置TDの一例である。媒体生成装置5Aは、遊戯媒体を生成するための専用の端末装置TDである。例えばカード、或いはフィギュア等の適宜の物理的な媒体が遊戯媒体として生成されてよいが、これらの各種の遊戯媒体に応じてプリンタ(3Dプリンタを含む)等の適宜の装置が媒体生成装置5Aとして機能してよい。このような媒体生成装置5Aは、複数のユーザ(例えばゲーム機3のユーザ)によって共用されるようにゲーム機3と同様に所定の施設(ゲーム機3と同じ施設でも異なる施設でもよい)に配置される。
一方、ゲーム機3Aは、遊戯媒体を生成する機能を有するゲーム機3である。つまり、ゲーム機3Aは、第1端末装置群TD1、及び第3端末装置群TD3の両方に属し、両方の役割を兼務する端末装置TD(ゲーム装置)である。例えば、ゲーム機3Aには、遊戯媒体を生成するためのプリンタ等が設けられていてよい。なお、ゲーム機3Aは、自己が提供するゲーム以外のゲーム要素を遊戯媒体として生成してもよい。また、媒体生成装置5Aは、遊戯媒体を生成するための生成機能以外を有し、その他のサービスを提供してもよい。このため、媒体生成装置5のうち、ゲーム機3A(ゲーム装置)以外の端末装置TDが媒体生成装置5Aとして機能してもよい。
図2を参照して、候補決定サービス、及び遊戯体生成サービスを実現するためにネットワークシステム1に構築される各システムの概要を説明する。以下では、第1端末装置群TD1及び第3端末装置群TD3を代表してゲーム機3Aが、第2端末装置TD2を代表してモバイル端末装置4Aが、それぞれ利用される場合を例として説明する。ネットワークシステム1では、ゲーム機3Aはアミューズメント施設SAに配置され、そのようなゲーム機3Aが提供するゲームのゲーム要素を物理的な遊戯媒体の生成候補として決定するための決定機会がモバイル端末装置4Aを介して提供される。つまり、モバイル端末装置4Aが提供する候補決定サービスを介して決定機会が提供される。そのような候補決定サービスを実現するため、ネットワークシステム1のサーバSV上には、アーケードシステム10、及びアプリシステム20が構築される。これらのシステム10、20はサーバSVに含まれるサーバユニット2を適宜に利用して実現されるシステムである。
アーケードシステム10は、例えばアーケード用のサーバユニット2A、及びアーケードデータベースDB1を利用し、ゲーム機3Aを利用するユーザにゲームに関連する各種のゲーム機用サービスを提供するシステムとして構築される。アーケードデータベースDB1は、ゲーム機用サービスに関する各種のデータを記録するためのサーバユニット2である。アーケード用のサーバユニット2Aは、アーケードデータベースDB1を利用しつつ、ゲーム機用サービスをゲーム機3Aに提供するための各種の処理を実行するサーバユニット2である。アーケードシステム10は、このようなアーケード用のサーバユニット2A及びアーケードデータベースDB1を利用しつつ、ゲーム機用サービスの一部として候補決定サービス、及び遊戯体生成サービスのうち主に遊戯体生成サービスを提供する。
アプリシステム20は、例えばアプリ用のサーバユニット2B、及びアプリデータベースDB2を利用し、モバイル端末装置4Aを介してアプリケーションを実行する各ユーザに各種のアプリ用サービスを提供するシステムとして構築される。アプリデータベースDB2は、アプリ用サービスに関する各種のデータを記録するためのサーバユニット2である。アプリ用のサーバユニット2Bは、アプリデータベースDB2を利用しつつ、アプリ用サービスを、モバイル端末装置4Aに提供するための各種の処理を実行するサーバユニット2である。アプリシステム20は、このようなアプリ用のサーバユニット2B及びアプリデータベースDB2を利用しつつ、アプリ用サービスの一部として候補決定サービス、及び遊戯体生成サービスのうち主に候補決定サービスを提供する。
(第1の形態)
次に、図3を参照して、アーケードシステム10及びアプリシステム20を介して実現されるゲーム機3A及びモバイル端末装置4Aの第1の形態に係る役割分担について説明する。図3は、ゲーム機3A及びモバイル端末装置4Aの第1の形態に係る役割分担を説明するための説明図である。図3に示すように、第1の形態に係る役割分担では、ゲームサービスは、プレイサービス、候補決定サービス、及び遊技体生成サービスを含んでいる。プレイサービスは、ゲームをプレイさせるサービスである。つまり、プレイサービスを通じて、ゲームがユーザにプレイされる。一方、候補決定サービス、及び遊技体生成サービスは、上述のとおり遊戯媒体として生成されるべき生成候補のゲーム要素を決定するサービス、及び生成候補のゲーム要素を実際に遊戯媒体として生成するサービスである。そして、このようなプレイサービス、候補決定サービス、及び遊技体生成サービスを含むゲームサービスを提供する役割をゲーム機3Aは担う。そして、これらのゲームサービスのうち、候補決定サービスは上述のとおりモバイル端末装置4Aによっても提供される。つまり、モバイル端末装置4Aは、ゲーム機3Aが提供するゲームサービスのうち、候補決定サービスを代行する役割を担う。
具体的には、候補決定サービス、つまり遊戯媒体として生成されるべき生成候補のゲーム要素を決定するサービスがアーケードシステム10及びアプリシステム20を介してモバイル端末装置4Aでも提供される。遊戯媒体として生成されるべき生成候補のゲーム要素が決定される限り、ゲーム機3Aが提供する候補決定サービスとモバイル端末装置4Aが提供する候補決定サービスとは同一の内容であっても、異なる内容であってもよい。例えば、候補決定サービスでは、抽選、所定のゲーム(プレイサービスとして提供されるゲームとは別のゲームでも、同じゲームでもよい)、ユーザの選択等の適宜の手法によって生成候補のゲーム要素が決定されてよいが、ゲーム機3Aの候補決定サービスではユーザの選択により生成候補が決定され、モバイル端末装置4Aの候補決定サービスでは抽選により生成候補が決定されてもよい。あるいは、いずれの候補決定サービスも抽選により生成候補を決定するように構成されてもよい。以下では、ゲーム機3A及びモバイル端末装置4Aのいずれの候補決定サービスも抽選で生成候補を決定するように構成される場合、つまりいずれも決定機会として抽選機会を提供するように構成される場合について説明する。
モバイル端末装置4Aの候補決定サービスの結果は、アーケードシステム10及びアプリシステム20を介してゲーム機3Aに提供される。そして、その結果がゲーム機3Aの遊戯体生成サービスにおいて使用される。つまり、ゲーム機3Aの遊戯体生成サービスにおいて、モバイル端末装置4Aの候補決定サービスで生成候補として決定されたゲーム要素が実際に遊戯媒体として生成される。このため、モバイル端末装置4Aの候補決定サービスは、ゲーム機3Aの候補決定サービスと同等のサービスとして機能する。結果として、モバイル端末装置4Aは、アーケードシステム10及びアプリシステム20を介してゲーム機3Aの候補決定サービスを代行する役割を担う。
次に、図4を参照して、上述の候補決定サービスをモバイル端末装置4Aに代行させるために実行される処理の概略的な手順の一例について説明する。図4は、モバイル端末装置4Aによって候補決定サービスが代行される場合に候補決定サービス及び遊技体生成サービスの実現のために実行される処理の概略的な手順の一例を示す図である。図4に示すように、モバイル端末装置4Aによって候補決定サービスが代行される場合、候補決定サービス及び遊技体生成サービスは、F11~F21までの11個の手順を含んでいる。
具体的には、まずモバイル端末装置4Aは、モニタMOを介して抽選実行画面30をユーザに提示し、その抽選実行画面30における選択結果をアプリシステム20に提供する(F11)。抽選実行画面30は、適宜に構成されてよいが、図4の例では回数表示領域31、抽選実行アイコン32、及び抽選取消アイコン33を含んでいる。回数表示領域31は、生成候補のゲーム要素を決定するための抽選として実行されるべき抽選回数を表示する領域である。一方、抽選実行アイコン32は回数表示領域31に提示の抽選回数の抽選の実行を、抽選取消アイコン33はそのような抽選の取消を、それぞれ指定するための選択肢として機能するアイコンである。モバイル端末装置4Aには、プレイ行為等を入力するために適宜の入力装置が設けられてよいが、以下ではそのような入力装置としてタッチパネルが設けられている場合について説明する。
この場合、そのような抽選実行アイコン32、或いは抽選取消アイコン33へのタッチ操作により抽選の実行、或いは抽選の取消が選択される。また、抽選の実行には抽選回数に応じた所定の対価が徴収される。所定の対価は抽選実行アイコン32への選択前に徴収されてもよいし、抽選実行アイコン32への選択後に徴収されてもよい。選択前に徴収される場合、そのような対価の徴収に伴い抽選実行アイコン32が選択可能になってもよい。あるいは、選択後に徴収される場合、抽選実行アイコン32の選択後にそのような対価を徴収するための画面等が提示されてもよい。また、ゲームサービスの利用のために所定の対価が徴収される場合、つまり遊戯体生成サービス及び候補決定サービスの両方等を含むゲームサービスが所定の対価の徴収(消費)と引き換えに提供される場合、抽選ための対価の額(候補決定サービスのための対価の額)はゲームサービス全体を利用するための対価の額よりも小さくてよい。そして、モバイル端末装置4Aは、抽選の実行が選択された場合、つまり抽選実行アイコン32が選択された場合に(選択後に対価が徴収される場合、そのような対価の徴収後に)、その選択結果をアプリシステム20に提供する。
なお、所定の対価として、例えば所定量のコイン(紙幣、及びメダル等の代用貨幣を含む)が利用されてもよいし、電子通貨(各種ポイントを含む)等のその他の各種の価値が利用されてもよい。同様に、このような対価は適宜の手法で徴収されてよい。例えば、カード(例えばクレジットカード、或いは所定の対価の残高を特定するためのカード等)が対価の支払いに使用されてもよい。このため、このようなカードを介して決済するための周知の決済システムがネットワークシステム1に構築されてもよいし、ネットワークシステム1以外の他の周知の決済システムを利用するようにそのような決済システムに接続されてもよい。
モバイル端末装置4Aから抽選実行画面30における選択結果として抽選の実行が与えられると、アプリシステム20は、回数表示領域31に提示の抽選回数に対応する抽選を実行し、その抽選結果をモバイル端末装置4Aに提供する(F12)。アプリシステム20は、アプリデータベースDB2を利用しつつ、この抽選を実現する。具体的には、アプリシステム20は、アプリデータベースDB2のデータに基づいて抽選対象のゲーム要素を特定し、その特定したゲーム要素を対象に抽選を実行する。また、ゲーム要素として、キャラクタ(人等の人格を有する者に限定されず、車や動物等の物が含まれてよい)、アイテム、或いはスキル(各キャラクタに付与されるべき特性、技等の適宜の名称で呼ばれてよい)等の各種のゲーム中の要素が利用されてよいが、以下ではキャラクタがゲーム要素として利用される場合について説明する。
アプリデータベースDB2には、アプリ用サービスの提供に必要な各種のデータが記憶されるが、例えば、このようなデータにはキャラクタデータCD、及び生成候補データLDが含まれる。キャラクタデータCDは、ゲーム機3Aが提供するゲームに登場する(含まれる)各キャラクタを管理するためのデータである。キャラクタデータCDは、必要に応じてアーケードシステム10から提供される。キャラクタデータCDは各種の情報を含むように適宜に構成されてよいが、図4の例では“キャラクタID”及び“パラメータ”の情報を含んでいる。“キャラクタID”はゲームに登場する各キャラクタを識別するためにキャラクタ毎にユニークなキャラクタIDを示す情報である。“パラメータ”は、各キャラクタを定義するパラメータを示す情報である。アプリデータベースDB2は、例えば、このようなキャラクタデータSDをアーケードシステム10のアーケードデータベースDB1から予め取得する。そして、アプリシステム20は、このようなキャラクタデータCDを参照しつつ、生成候補のゲーム要素として各キャラクタを決定するための抽選を実行する。なお、アプリデータベースDB2のキャラクタデータCDはアーケードデータベースDB1のキャラクタデータCDの一部(必要な部分のみ)であってもよいし、全部であってもよい。
また、アプリシステム20は、抽選を実行した後にその抽選結果に対応する生成候補データLDを生成する。生成候補データLDは、生成候補のゲーム要素として抽選によって付与された各キャラクタを管理するためのデータである。生成候補データLDは、各種の情報を含むように適宜に構成されてよいが、図4の例では“ユーザID”、“抽選ID”、“キャラクタID”、“予約”、及び“生成”の情報を含んでいる。“キャラクタID”は、上述のキャラクタIDを示す情報である。“ユーザID”は、各ユーザを識別するためにユーザ毎にユニークなユーザIDを示す情報である。“抽選ID”は、各抽選結果を識別するために抽選毎にユニークな抽選IDを示す情報である。抽選IDとして、例えば抽選日時等を含む情報が利用されてよい。“予約”はモバイル端末装置4Aを介して付与される後述の予約機会における予約の有無を示す情報である。“生成”は、遊戯媒体として生成済みか否かを示す情報である。“予約”及び“生成”には、生成時(抽選直後)は予約なし、或いは未生成(生成済みではない)を示す情報がそれぞれ記述される。アプリシステム20は、例えば、このような生成候補データLDを抽選後に生成し、アプリデータベースDB2を介して記憶する。そして、このような生成の後、アプリシステム20は抽選結果をモバイル端末装置4Aに提供する。
アプリシステム20から抽選結果が与えられると、モバイル端末装置4Aは、モニタMOを介してその抽選結果の情報を含む抽選結果画面40を提示するとともに、予約機会を提供し、その予約機会における予約結果をアプリシステム20に提供する(F13)。予約機会は、抽選結果としてユーザに付与された各キャラクタのうち遊戯媒体として生成するキャラクタ(全キャラクタでも、一部キャラクタでもよい)を予約する(予め指定する)ための機会である。予約機会は、抽選後の適宜の時期に適宜の手法で提供されてよいが、図4の例では抽選結果画面40を介して予約機会が提供されている。つまり、予約機会が抽選結果の提示と同時に付与されている。なお、予約機会は、省略されてもよい。この場合、抽選結果として付与される全キャラクタ(1体の場合を含む)が必然的に生成対象として決定されてもよいし、それらのうちの一部等の適宜の対象を指定する機会等が生成時にゲーム機3Aを介して提供されてもよい。
同様に、抽選結果画面40も適宜に構成されてよいが、図4の例では予約機会として機能するように、生成候補領域41、決定アイコン42、及び取消アイコン43の情報を含んでいる。生成候補領域41は、今回の抽選により付与された各キャラクタ(換言すれば抽選結果)を表示するための領域である。生成候補領域41は、各キャラクタに対応するようにキャラクタ毎に設けられる。また、各生成候補領域41は、チェック欄41Aを含んでいる。チェック欄41Aは、その生成候補領域41に対応するキャラクタの遊戯媒体としての生成を希望する場合に選択され、タッチ操作による選択に伴い予約状態(チェックが付く状態)に変化する。また、予約状態の場合には再度のタッチ操作に伴いその予約状態が解除される。
一方、決定アイコン42は予約の決定を、取消アイコン43は今回の予約(予約機会)の取消を、それぞれ指定するための選択肢として機能するアイコンである。決定アイコン42へのタッチ操作に伴いチェック欄41Aが予約状態になっている各キャラクタの生成が予約される。一方、取消アイコン43へのタッチ操作に伴い今回の予約が取り消される。つまり、遊戯媒体の生成予約がなく、今回の予約機会が終了する。そして、モバイル端末装置4Aは、予約機会においてキャラクタの生成が予約された場合、つまり抽選結果画面40において決定アイコン42が選択された場合にその予約結果をアプリシステム20に提供する。そして、モバイル端末装置4Aから予約結果が与えられると、アプリシステム20は、その予約結果が反映されるように生成候補データLDを更新する。具体的には、生成候補データLDにおいて遊戯媒体の生成が予約されたキャラクタに対応する“キャラクタ”に関連付けられる“予約”の情報を予約ありに変更する。
ゲーム機3Aには、周知の業務用のゲーム装置と同様にゲームの提供のために各種の入力装置、及び出力装置が設けられるが、以下では、そのような入力装置としてカードリーダが設けられる場合について説明する。同様に、カードリーダはカードC1に記録された情報を取得するための周知の入力装置であるが、カードC1には適宜の手法で各種の情報が記録され得るため、カードリーダもそのような各種の手法に応じて適宜に構成されてよい。以下では、一例として、カードC1に二次元コード等の所定の規則に従って各種の情報を記録するコードを介してユーザIDの情報が記録され、カードリーダがそのようなコードの情報を読取るためのカメラとして構成される場合について説明する。
この場合、ゲーム機3Aは、カードC1の使用に伴いカードリーダを介してそのカードC1からユーザIDの情報を取得する(F14)。そして、ゲーム機3Aは、遊戯媒体の生成を希望する条件が満たされた場合(例えばそのような操作が実行された場合等)に、その取得したユーザIDの情報をアーケードシステム10に提供する(F15)。なお、ユーザIDは、カードC1の使用に限定されず、ユーザの手入力等の適宜の手法によりゲーム機3Aに提供されてよい。また、カードC1には、例えばICチップ、磁気ストライプといった不揮発性記憶媒体が設けられ、このような不揮発性記憶媒体等を介してユーザIDの情報が記録されてもよい。同様に、カードリーダは、そのようなカードC1の情報を読み取り可能なように適宜に構成されてよい。具体的には、例えば、カートリーダは、カードC1のユーザIDの情報を読取るたに、例えば近距離無線通信を利用し、そのような識別情報を非接触状態で読み取る周知の装置として構成されてもよい。
ゲーム機3AからユーザIDの情報が与えられると、アーケードシステム10は、そのユーザIDに対応付けられる予約結果の情報をアプリシステム20に要求する(F16)。そして、アプリシステム20は、そのような要求に応じてアーケードシステム10に予約結果を提供する(F17)。予約結果の情報は、例えば、予約されていないキャラクタ(予約なしを示す“予約”の情報を持つキャラクタ)を含む生成候補データLDの全体、その生成候補データLDの一部、或いは生成候補データLDとは別の情報等を通じて適宜に提供されてよいが、図4の例では生成対象データTDとして提供される。このため、アーケードシステム10のアーケードデータベースDB1には、上述のキャラクタデータCD、各種のIDを管理するためのID管理データ、或いは前回までのプレイ結果(過去の実績)等を次回以降に引き継ぐために使用されるプレイデータといったゲーム機用サービスの提供に必要な各種のデータが記録され得るが、このようなデータの一種として生成対象データTDも記録される。
生成対象データTDは、生成候補データLDのうち遊戯媒体の生成が予約されているキャラクタだけに限定されたデータである。つまり、アプリシステム20は、アーケードシステム10から予約結果が要求されると、まず生成候補データLDから必要な部分(予約有りを示す“予約”の情報を持つキャラクタ)を抽出することにより生成対象データTDを生成する。このため、生成対象データTDは、例えば、生成候補データLDと同様に“ユーザID”、“抽選ID”、“キャラクタID”、及び“予約”の情報を含んでいる。なお、アーケードシステム10からの要求に従って生成候補データLDがアーケードシステム10に提供され、アーケードシステム10によって生成対象データTDが生成されてもよい。
アプリシステム20から予約結果(生成対象データTD)が与えられると、アーケードシステム10は、それをゲーム機3Aに提供する(F18)。そして、ゲーム機3Aは、その予約結果(生成対象データTD)に基づいて実際に遊戯媒体を生成する(F19)。遊戯媒体は、その遊戯媒体に対応するキャラクタをゲームにおいて使用するための情報を記録するように生成される。このような情報は、ICチップ、或いはコード等を介して適宜に記録されてよい。また、遊戯媒体として、フィギア等の適宜の物が生成されてよいが、以下ではカードC2が生成される場合について説明する。この場合、カードC2は、そのカードC2に対応するキャラクタをゲームにおいて使用するための情報を記録するように生成される。このような情報の記録は、上述のとおり適宜に実現されてよいが、例えばカードC1と同様にコードを介して記録される。そして、このようなコードの情報はカードC1と同様にカードリーダによって読み取られ、ゲームにそのカードC2に対応するキャラクタを登場(再現)させるために使用される。この例において生成対象データTDが本発明の生成情報として機能する。
また、カードC2の生成は、所定の対価の徴収と引き換えに実行される。具体的には、ゲーム機3Aは、予約結果を取得すると、その予約結果をユーザに提示するとともに、その予約結果に従ってカードC2を生成する場合に必要な対価を提示する。この対価は、生成対象のキャラクタの数、つまり生成されるカードC2の数に応じて変化する。また、この場合のキャラクタ一体あたりの対価の額は、抽選の実行に伴う一回あたりの対価の額より大きい方が好ましい。一方で、遊戯体生成サービス等を含むゲームサービスの利用のために所定の対価が徴収される場合、カードC2を生成するための対価の額はそのようなゲームサービス全体を利用するための対価の額(同数の生成する場合の額)よりも小さくてよい。なお、所定の対価は、適宜の手法で徴収されてよいが、例えばゲーム機3Aには対価徴収機構が設けられ、そのような対価徴収機構を介して所定の対価として現金が徴収されてもよい。また、予約結果は、モバイル端末装置4Aにおいて再度の予約機会の提供等を通じて適宜に見直されて(修正されて)よいが、ゲーム機3Aにおいても例えば予約結果の提示時に修正の機会が与えられてよい。つまり、生成時に生成対象のキャラクタを最終的に見直す機会が与えられてもよい。そして、そのような見直しの後に見直し後のキャラクタ数に応じた対価が徴収され、実際にカードC2の生成が実行されてもよい。
また、ゲーム機3Aは、実際にカードC2を生成すると、その生成結果をアーケードシステム10に提供する(F20)。さらに、その生成結果がアーケードシステム10に与えられると、アーケードシステム10はその生成結果をアプリシステム20に提供する(F21)。そして、その生成結果がアプリシステム20に与えられると、アプリシステム20は、その生成結果を反映するように生成候補データLDを更新する。具体的には、アプリシステム20は、生成候補データLDにおいて実際にカードC2が生成されたキャラクタの“生成”を、生成済みを示す情報に更新する。一例として、モバイル端末装置4Aによって候補決定サービスが代行される場合、このような手順により候補決定サービス及び遊技体生成サービスがアーケードシステム10及びアプリシステム20を介して実現される。
なお、抽選によって付与された複数のキャラクタ(生成候補)のうちの一部がカードC2として生成される場合、残りのキャラクタは各種の目的に使用されてよい。例えば、残りのキャラクタは、カードC2を介してゲームで利用される一部のキャラクタと同様にゲームで使用されてもよいし、そのような一部のキャラクタに比べて用途や機能等において制限を持つキャラクタとしてゲームで使用されてもよい。あるいは、残りのキャラクタのゲームでの使用は全て制限されてもよい。つまり、残りのキャラクタはゲームで使用できなくてもよい。また、残りのキャラクタには、所定数等の条件を満たした場合に特定のアイテム、或いは特定のキャラクタ等の機能の強化に寄与する等の別の機能(用途)が与えられてもよい。
次に、ネットワークシステム1のうち、遊戯体生成サービス及び候補決定サービスに関わる制御系の要部の構成について説明する。図5は、ネットワークシステム1の制御系の要部を示す機能ブロック図である。なお、図5の構成は、図2のネットワークシステム1の構成の具体例の一つであり、図2~図4に対応する構成要素には図2~図4と共通の参照符号が付されている。
図5に示すように、アーケードシステム10には、制御部11と、記憶部12とが設けけられる。記憶部12は、ハードディスクアレイ等の不揮発性記憶媒体(コンピュータ読み取り可能な記憶媒体)を含んだ記憶ユニットによって構成される。記憶部12には、制御部11にて参照されるべきコンピュータプログラムPG1及び各種のデータ(不図示)が記憶される。制御部11は、一又は複数のサーバユニット2のコンピュータハードウエア資源(例えばCPU)を利用して構成される。制御部11には、制御部11を構成するハードウエア資源とコンピュータプログラムPG1との組み合わせによって各種の論理的装置が構成されるが、図5の例では遊戯体生成サービス及び候補決定サービスに関連する論理的装置として、抽選実行部13、発行制御部14、及びデータ共有部15が設けられている。
抽選実行部13は、生成候補のキャラクタを決定するための各種の処理を行う論理的装置である。例えば、抽選実行部13は、ゲーム機3Aを介して候補決定サービスが提供される場合に、ゲーム機3Aと連携して生成候補のキャラクタを決定する抽選を実行するための処理を実行する。データ共有部15は、アプリシステム20と各種のデータ(情報)を共有するための各種の処理を行う論理的装置である。このようなデータには、例えばキャラクタデータCD、生成対象データTD(生成候補データLD)、及び生成結果の情報が含まれる。発行制御部14は、ゲーム機3Aにおいて生成候補のキャラクタがカードC2として生成される場合に、その生成に関連する各種の処理を行う論理的装置である。例えば、候補決定サービスがモバイル端末装置4Aによって代行される場合に、その候補決定サービスを通じて生成候補として決定されたキャラクタの情報(例えば生成対象データTD)をゲーム機3Aに提供する処理を行う。このような処理には、例えばアプリシステム20等と協働で実行する予約発行処理が含まれる。予約発行処理の手順の詳細は後述する。
アプリシステム20には、制御部21と、記憶部22とが設けられる。記憶部22は、ハードディスクアレイ等の不揮発性記憶媒体(コンピュータ読み取り可能な記憶媒体)を含んだ記憶ユニットによって構成される。記憶部22には、制御部21にて参照されるべきコンピュータプログラムPG2及び各種のデータ(不図示)が記憶される。制御部21は、一又は複数のサーバユニット2のコンピュータハードウエア資源(例えばCPU)を利用して構成される。制御部21には、制御部21を構成するハードウエア資源とコンピュータプログラムPG2との組み合わせによって各種の論理的装置が構成されるが、図5の例では遊戯体生成サービス及び候補決定サービスに関連する論理的装置として、抽選代行部23、及びデータ共有部24が設けられている。
抽選代行部23は、モバイル端末装置4Aが候補決定サービスを代行する場合に、生成候補のキャラクタを決定するための各種の処理を行う論理的装置である。例えば、抽選代行部23は、生成候補のキャラクタを決定するための抽選を実行したり、その抽選結果をモバイル端末装置4Aに提供したり、その抽選結果に対応する生成候補データLDを生成したり、抽選結果としてユーザに付与される一部、或いは全部のキャラクタを生成候補に予め指定する予約を受け付けたりするための処理を実行する。このような処理には、抽選代行処理が含まれる。抽選代行処理の手順の詳細は後述する。
データ共有部24は、アーケードシステム10のデータ共有部15と協働してアーケードシステム10と各種のデータ(情報)を共有するための各種の処理を行う論理的装置である。このようなデータには、上述のとおり例えばキャラクタデータCD、生成対象データTD(生成候補データLD)、及び生成結果の情報が含まれる。また、このような共有を実現するための処理には、予約発行処理が含まれる。
一方、ゲーム機3Aには、上述のとおりプリンタPT、及びカードリーダCRが設けられる。プリンタPTは、カードC2を生成するための周知の印刷装置であり、出力装置の一種である。また、カードリーダCRは、カードC1或いはカードC2のコードを読み取るための周知の入力装置であり、上述のとおり例えばカメラによって構成される。なお、ゲーム機3Aには、例えば、その他にもタッチパネル等の入力装置、モニタ等の出力装置等が必要に応じて適宜に設けられ得る。同様に、所定のコンピュータプログラムに従って各種の演算処理及び動作制御を実行するプロセッサの一例としてのCPUと、その動作に必要な内部メモリその他の周辺装置とを組み合わせたコンピュータとして制御ユニット等が設けられ、その制御ユニットを介してプリンタPT等の各種出力装置、及びカードリーダCR等の各種入力装置の制御が実行される。しかし、それらの図示は省略した。
また、モバイル端末装置4Aには、上述のとおりモニタMO、及びタッチパネルTPが設けられる。モニタMOは、上述の抽選実行画面30、或いは抽選結果画面40等を表示する周知の表示装置であり、出力装置の一種である。また、タッチパネルTPは、指によってタッチされた位置に応じた信号を出力する周知の入力装置である。なお、モバイル端末装置4Aには、例えば、その他にもカメラ等の入力装置、スピーカ等の出力装置等が必要に応じて適宜に設けられ得る。同様に、所定のコンピュータプログラムに従って各種の演算処理及び動作制御を実行するプロセッサの一例としてのCPUと、その動作に必要な内部メモリその他の周辺装置とを組み合わせたコンピュータとして制御ユニット等が設けられ、その制御ユニットを介してモニタMO等の各種出力装置、及びタッチパネルTP等の各種入力装置の制御が実行される。しかし、それらの図示は省略した。
次に、図6、及び図7を参照して、モバイル端末装置4Aによる候補決定サービスの代行に関連してネットワークシステム1の各部で実行される処理を説明する。このような処理には、抽選代行処理、及び予約発行処理が含まれる。図6は、モバイル端末装置4Aによる候補決定サービスの代行を実現するためにアプリシステム20の制御部21が実行する抽選代行処理の手順の一例を示している。モバイル端末装置4Aから抽選の実行が要求されると(例えばF11における選択結果として抽選の実行が与えられると)、制御部21の抽選代行部23は図6の抽選代行処理を開始し、まず抽選機会を提供する(ステップS101)。より具体的には、抽選代行部23は、抽選機会として抽選の実行が要求された回数に応じた抽選を実際に実行する。つまり、ユーザによって要求された回数に対応する抽選を実際に実行することにより抽選機会を提供する。
続いて抽選代行部23は、ステップS101の抽選結果に対応する生成候補データLDを生成する(ステップS102)。具体的には、抽選代行部23は、今回の抽選を行ったユーザに対応する“ユーザ”の情報、今回の抽選を示す抽選IDに対応する“抽選ID”の情報、今回の抽選によって付与されたキャラクタに対応する“キャラクタ”の情報、予約なしを示す“予約”の情報、及び未生成を示す“生成”の情報が互いに関連付けられるように記述された生成候補データLDを生成する。次に抽選代行部23は、抽選によって付与される全部、或いは一部のキャラクタを生成対象として予め選択(予約)するための選択機会(予約機会)を提供する(ステップS103)。具体的には、抽選代行部23は、このような選択がモバイル端末装置4Aによって表示される抽選結果画面40を介して実現されるように、ステップS101の抽選結果をモバイル端末装置4Aに提供する。つまり、抽選代行部23は、抽選結果の情報をモバイル端末装置4Aに提供することによりモバイル端末装置4Aに抽選結果画面40を表示させ、モバイル端末装置4Aを介して選択機会を提供する。
続いて抽選代行部23は、ステップS103で提供した選択機会における選択結果を取得する(ステップS104)。具体的には、抽選代行部23は、抽選結果画面40における選択結果(予約結果)をモバイル端末装置4Aから取得する。次に、抽選代行部23は、ステップS104で取得した選択結果(予約結果)を反映するように生成候補データLDを更新する(ステップS105)。そして、そのような更新の後に、抽選代行部23は今回の抽選代行処理を終了する。これにより、モバイル端末装置4Aを介して生成候補を決定するための抽選機会、及び抽選結果の一部或いは全部を生成対象として予め指定するための選択機会(予約機会)が付与される。より具体的には、図4の例のF11~F13の手順が実現される。
図7は、予約機会において予め生成対象として指定されたキャラクタをカードC2として生成するためにゲーム機3A(具体的には制御ユニット)、アーケードシステム10の制御部11、及びアプリシステムの制御部21が実行する予約発行処理の手順の一例を示している。なお、図7の例では、ゲーム機3Aの制御ユニット、制御部11、及び制御部21によって主として実行される処理が、ゲーム機3A、アーケード、及びアプリとして、それぞれ示されている。
カードC1の使用後にカードC2の生成が要求されると(例えばカードC2の生成を希望する条件が満たされた場合)、ゲーム機3Aは図7の予約発行処理を開始し、まずカードC1から取得したユーザIDの情報をアーケードシステム10に送信する(ステップS301)。また、ゲーム機3AからユーザIDの情報が送信されると、制御部11の発行制御部14は図7の予約発行処理を開始し、まずそのユーザIDの情報に対応する生成対象データTDをアプリシステム20に要求する(ステップS401)。この要求には、ゲーム機3Aから送信されたユーザIDの情報が含まれる。
一方、発行制御部14から生成対象データTDが要求されると、制御部21のデータ共有部24は図7の予約発行処理を開始し、まずその要求に対応する(その要求に含まれるユーザIDに対応する)生成候補データLDを取得する(ステップS501)。続いてデータ共有部24は、その取得した生成候補データLDに基づいて生成対象データTDを生成する(ステップS502)。具体的には、データ共有部24は、生成候補データLDの“キャラクタ”の情報のうち“予約”の情報が予約ありを示す“キャラクタ”の情報を特定する。そして、データ共有部24は、それらの特定した情報を抽出することによりそれらの予約ありを示す“キャラクタ”の情報だけに限定された(その他の不要な情報も適宜省略されてよい)生成候補データLDとして生成対象データTDを生成する。次に、データ共有部24は、その生成した生成対象データTDをアーケードシステム10に送信する(ステップS503)。
一方、データ共有部24から生成対象データTDが送信されると、発行制御部14は、その生成対象データTDをゲーム機3Aに送信する(ステップS402)。また、発行制御部14から生成対象データTDが送信されると、ゲーム機3Aは、その生成対象データTDに基づいて生成対象として予約されているキャラクタ(生成対象のキャラクタ)をユーザに提示する(ステップS302)。続いてゲーム機3Aは、印刷の可否を判別する(ステップS303)。具体的には、ゲーム機3Aは、印刷枚数に応じた対価をユーザに要求するとともに、印刷の可否を選択するための選択肢をユーザに提示する。そして、ゲーム機3Aは、印刷枚数に応じた対価が徴収され、かつ印刷可を示す選択肢が選択された場合に印刷可と判別する。
印刷可と判別した場合に、ゲーム機3Aは、実際に印刷を実行する(ステップS304)。具体的には、ゲーム機3Aは、プリンタPTを介して生成対象に予め指定されたキャラクタに対応するカードC2を生成する。一方、ゲーム機3Aは、ステップS303において印刷不可と判別した場合(例えば、印刷不可を示す選択が選択された場合、或いは所定の対価が徴収できない場合)、或いはステップS304において実際にカードC2を生成した後に、印刷結果(印刷済み、或いは印刷未実施)を発行制御部14に送信する(ステップS305)。そして、この送信の後にゲーム機3Aは今回の予約発行処理を終了する。
一方、ゲーム機3Aから印刷結果が送信されると、発行制御部14はその印刷結果を更にデータ共有部24に送信する(ステップS403)。そして、発行制御部14は、その送信の後に今回の予約発行処理を終了する。
また、発行制御部14から印刷結果が送信されると、データ共有部24はその印刷結果を反映するように生成候補データLDを更新する(ステップS504)。具体的には、実際にカードC2が生成されたキャラクタに対応する“生成”を生成済みの情報に変更することにより更新を実現する。あるいは、カードC2が未生成(印刷未実施)の場合、そのキャラクタに対応する“生成”には未生成の情報が維持されるように、データ共有部24は更新を実行する(若しくは更新を省略する)。そして、このような更新の後にデータ共有部24は今回の予約発行処理を終了する。これにより、候補決定サービスがモバイル端末装置4Aによって代行される場合にそのサービス結果に応じてゲーム機3Aにおいて遊戯体生成サービスが実現される。また、その遊戯体生成サービスでは、事前の予約に従ってカードC2が生成される。より具体的には、図4の例のF15~F21の手順が実現される。
以上に説明したように、この形態によれば、ゲーム機3Aが提供するゲームサービスのうち、候補決定サービス(抽選機会)についてはゲーム機3Aの代わりにモバイル端末装置4Aを介して提供される。また、その候補決定サービスにおいて決定された生成候補のキャラクタをカードC2として生成するために必要な生成対象データTDがゲーム機3Aに提供される。そして、その生成対象データTD(モバイル端末装置4Aが提供する候補決定サービスの決定)に従ってゲーム機3Aを介して実際に生成候補のキャラクタがカードC2として生成される。これにより、ゲーム機3Aが担うべき候補決定サービスの提供の役割、つまりゲーム機3Aの役割の一部をそれとは別のモバイル端末装置4Aに分担することができる。これにより、このような役割がゲーム機3Aによって実行される(ゲームサービスの全ての役割をゲーム機3Aが実行する)場合に比べて、ゲーム機3Aの利用時間を削減することができるので、ゲーム機3Aを利用するための待ち時間等を抑制することができる。
また、事前に予約機会が提供され、カード化の対象が見直された(予約機会において一部のキャラクタがカード化の対象として予約された)場合には、カード可の対象は、その候補決定サービスにおける抽選機会において決定された全てのキャラクタではなく、その一部のキャラクタに限定される。このため、抽選機会で決定された全てのキャラクタがカード化される場合に比べて、生成に要する時間自体を削減することができる。さらに、そのような予約機会自体(候補決定サービスの一部として機能してもよいし、別のサービスとして捉えられてもよい)もモバイル端末装置4Aを介して提供される場合、そのような予約機会がゲーム機3Aで提供される場合に比べて、そのような予約機会に要する時間も削減することができる。これらにより、ゲーム機3Aを利用するための待ち時間等を更に抑制することができる。
さらに、候補決定サービスの代行先としてモバイル端末装置4A、つまりユーザ端末装置4が利用されている。ユーザ端末装置4は主として各ユーザによって個別に使用されるため、基本的に他のユーザによって占有されない。このため、各ユーザは比較的自由に候補決定サービスを利用することができる。結果として、候補決定サービスがゲーム機3A等の複数のユーザに共用される装置によって提供される場合に比べて、候補決定サービスの利用に関する待ち時間を大きく解消することができる。さらに、モバイル端末装置4Aを介して候補決定サービスだけが利用される場合、その利用のために必要な対価は、ゲーム機3Aにおいてゲームサービス全体を利用する場合の対価ではなく、候補決定サービスだけの対価として徴収される。これにより、例えばプレイサービス(ゲームのプレイ)や遊戯体生成サービスの利用(カードC2の生成)に必要な対価と候補決定サービスの利用に必要な対価とを分離することができるとともに、このような対価を遊戯体生成サービスの利用等に比べて低く抑えることもできる。このため、候補決定サービスの利用を促進することができる。結果として、これらによりユーザの利便性を向上させることができる。
以上の形態では、アプリシステム20の抽選代行部23が図6のステップS101(あるいはステップS103を含んでもよい)を実行することにより本発明の機会提供手段として機能する。また、アーケードシステム10の発行制御部14が図7のステップS402を実行することにより、或いはアプリシステム20のデータ共有部24が図7のステップS503を実行することにより(データ共有部24が発行制御部14を介してゲーム機3Aに生成対象データTDを提供することにより)本発明の情報提供手段として機能する。
(第2の形態)
次に、図8を参照して、第2の形態に係る役割分担について説明する。以下では、第1の形態と共通の構成には、図8に同一の符号を付して説明を省略する。図8は、第2の形態に係る役割分担を説明するための説明図である。図8に示すように、図3の例に比べて、この形態では、第1端末装置群TD1としてゲーム機3Bが、第3端末装置群TDとして媒体生成装置5Aが、それぞれ利用されている。結果として、図3の例においてゲーム機3Aが担っていた遊戯体生成サービスが媒体生成装置5Aに分担されている。また、このような媒体生成装置5Aに所定のサービスを提供するための生成システム60が構築されている。生成システム60は、遊戯媒体生成サービスを含む各種サービスを媒体生成装置5Aに提供するために、例えば、サーバユニット2C、及び生成用データベースDB3等を利用して適宜にネットワークシステム1に構築されてよい。そして、このような生成システム60を介して遊戯体生成サービスの分担が実現される。
具体的には、ゲーム機3Bが提供した候補決定サービスの結果(例えば生成対象データTDと同等のデータ)がアーケードシステム10を介して生成システム60に提供され、生成システム60から媒体生成装置5Aに提供される。同様に、モバイル端末装置4Aが代行した候補決定サービスの結果(例えば生成対象データTD)も生成システム60に提供され(アプリシステム20から提供されても、アーケードシステム10から提供されてもよい)、生成システム60から媒体生成装置5Aに提供される。そして、媒体生成装置5Aは、そのような結果に従ってゲーム機3B用のカードC2を生成する。一例として、このような役割分担が実現されてもよい。第2の形態によれば、ゲーム機3Aに比べてゲーム機3Bの役割を更に削減することができるので、ゲーム機3Bを利用するための待ち時間等を更に抑制することができる。なお、この場合、例えば、図7の処理において、ゲーム機3Aとして媒体生成装置5Aが、アーケードシステム10の代わりに生成システム60が、それぞれ機能してもよい。
(第3の形態)
次に、図9を参照して、第3の形態に係る役割分担について説明する。以下では、第1の形態、或いは第2の形態と共通の構成には、図8に同一の符号を付して説明を省略する。図9は、第3の形態に係る役割分担を説明するための説明図である。図9に示すように、図3の例、及び図8の例に比べて、この形態では、ゲーム機3Bの役割が更に削減されている。具体的には、ゲーム機3Bの役割から遊戯体生成サービスが削減されている。換言すれば、ゲーム機3Bは、ゲームサービスのうちプレイサービス(ゲームのプレイ)だけを専用に提供するゲーム装置として構成されている。第3の形態によれば、第2の形態に比べてゲーム機3Bの役割を更に削減することができるので、ゲーム機3Bを利用するための待ち時間等を更に抑制することができる。
本発明は上述した各形態に限定されることなく、各種の変形又は変更が施された形態にて実施されてよい。例えば、上記の形態では、アーケードシステム10、アプリシステム20、或いは生成システム60は、互いに別々のシステムとして構成されている。この場合、各システムのメンテナンス等において利便性を向上させることができる。一方、本発明は、このような形態に限定されない。アーケードシステム10、アプリシステム20、或いは生成システム60は、全て一つのシステムとして構成されてもよいし、これらのいくつかのシステムが適宜に組み合わされて一つのシステムとして構成されてもよい。
上述した実施の形態及び変形例のそれぞれから導き出される本発明の各種の態様を以下に記載する。なお、以下の説明では、本発明の各態様の理解を容易にするために添付図面に図示された対応する部材を括弧書きにて付記するが、それにより本発明が図示の形態に限定されるものではない。
本発明のゲームシステムは、物理的な遊戯媒体(C2)に記録された情報を読み取ることにより当該遊戯媒体に対応するゲーム要素(例えばキャラクタ)を使用するようにゲームを提供する業務用のゲーム装置(3A)が前記ゲームに含まれる複数のゲーム要素の少なくとも一部を前記遊戯媒体の生成候補として決定する決定機会(例えば候補決定サービス)を提供し、当該決定機会において決定された前記生成候補を前記遊戯媒体として生成する媒体生成装置(3A)が複数のユーザによって共用されるように所定の施設(SA)に配置されている場合に、前記媒体生成装置とネットワーク(NT)を介して接続されるゲームシステム(1)であって、各ユーザによって個別に使用されるユーザ端末(4A)がネットワーク(NT)を介して更に接続される場合に、前記決定機会を前記業務用のゲーム装置の代わりに前記ユーザ端末を介して提供する機会提供手段(23)と、前記ユーザ端末を介して前記決定機会が提供された場合に、当該決定機会の決定結果に基づいて前記生成候補に対応する前記遊戯媒体を生成するために必要な生成情報(TD)を前記媒体生成装置に提供する情報提供手段(14)と、を備えるものである。
本発明によれば、業務用のゲーム装置の代わりにユーザ端末装置を介して決定機会が提供され、その決定機会において決定された生成候補を遊戯媒体として生成するために必要な情報が媒体生成装置に提供される。つまり、ユーザ端末装置が提供する決定機会の決定に従って媒体生成装置を介して実際に遊戯媒体が生成される。これにより、業務用のゲーム装置が担うべき決定機会の役割、つまり業務用のゲーム装置の役割の一部を媒体生成装置とは別のユーザ端末装置に分担することができる。これにより、このような役割が媒体生成装置、或いは業務用のゲーム装置によって実行される場合に比べて、それらの装置を利用するための待ち時間等を抑制することができる。結果として、ユーザの利便性を向上させることができる。
決定機会では、適宜の数のゲーム要素が生成候補として決定されてよい。例えば、決定機会では、一つのゲーム要素が生成候補として決定されてもよいし、複数のゲーム要素が生成候補として決定されてもよい。また、複数のゲーム要素が生成候補として決定される場合、それらの全てが実際に遊戯媒体として生成されてもよいし、それらの一部だけが遊戯媒体として生成されてもよい。そして、そのような一部のゲーム要素は、プレイ状況、抽選、或いはユーザの選択等の適宜の条件に応じて決定されてよい。さらに、例えば、そのような一部のゲーム要素の決定は、ゲーム装置、媒体生成装置、或いはユーザ端末装置等の適宜の装置で適宜の時期に実行されてよい。具体的には、例えばユーザの選択結果によって一部のゲーム要素(遊戯媒体として生成されるべきゲーム要素)が決定される場合、そのような選択機会は、ゲーム装置、或いは媒体生成装置において決定機会とは別の時期(例えば生成時等)に提供されてもよいし、ユーザ端末装置において決定機会と同時に、若しくはそれとは別の時期に提供されてよい。また、一部のゲーム要素が遊戯媒体として生成される場合、生成候補のうちの残りのゲーム要素は各種の目的に使用されてよい。例えば、残りのゲーム要素は、遊戯媒体を介してゲームで利用される一部のゲーム要素と同様にゲームで使用されてもよいし、そのような一部のゲーム要素に比べて用途や機能等において制限を持つゲーム要素としてゲームで使用されてもよい。あるいは、残りのゲーム要素のゲームでの使用は全て制限されてもよい。つまり、残りのゲーム要素はゲームで使用できなくてもよい。また、残りのゲーム要素には、所定数等の条件を満たした場合に特定のアイテムの機能の強化に寄与する等の別の機能(用途)が与えられてもよい。
結果として、本発明のゲームシステムの一態様において、前記機会提供手段は、前記生成候補として複数の生成候補のゲーム要素が決定されるように前記決定機会を提供する場合に、前記ユーザ端末を介して前記複数の生成候補のうちの少なくとも一部を選択するための選択機会を更に提供し、前記情報提供手段は、前記一部の生成候補を生成するために必要な情報を前記生成情報として前記媒体生成装置に提供してもよい。この場合、決定機会とは別の選択機会を通じて生成対象のゲーム要素を見直す機会を与えることができる。そして、そこで生成対象が見直された場合には、決定機会において決定された生成候補の全てが生成される場合に比べて、遊戯媒体の生成に要する時間を削減することができるので、媒体生成装置の待ち時間等を更に抑制することができる。
決定機会では、各種の手法により生成候補のゲーム要素が決定されてよい。例えば、決定機会では、ゲーム(業務用のゲーム装置のゲームと同一でも相違していてもよい)のプレイ状況に応じて決定されてもよいし、ユーザの選択に応じて決定されてもよい。あるいは、決定機会では、抽選によって生成候補が決定されてもよい。例えば、本発明のゲームシステムの一態様において、前記機会提供手段は、前記複数の生成候補を抽選で決定する抽選機会を前記決定機会として提供してもよい。
遊戯媒体として、フィギュア、或いはカード等の各種の物が採用されてよい。このため、媒体生成装置として、これらの各種の遊戯媒体を生成可能な各種の装置が採用されてよい。また、業務用のゲーム装置が媒体生成装置として機能してもよい。つまり、業務用のゲーム装置にプリンタ(3Dプリンタを含む)等が設けられ、業務用のゲーム装置が媒体生成装置を兼務してもよい。あるいは、媒体生成装置は業務用のゲーム装置とは別の装置として構成されてよい。また、媒体生成装置は、複数のゲーム装置(別のゲームを提供する別種のゲーム装置を含む)によって共用されてもよい。例えば、本発明のゲームシステムの一態様において、前記情報提供手段は、前記業務用のゲーム装置が前記媒体生成装置として機能する場合に、前記生成情報を前記業務用のゲーム装置に提供してもよい。
ユーザ端末装置は、所定の対価と引き換えに(有償で)決定機会を提供してもよいし、無償で決定機会を提供してもよい。例えば、有償で決定機会が提供される場合、その対価の額は適宜に設定されてよい。例えば、決定機会として抽選機会を利用する本発明の一態様において、前記機会提供手段は、前記業務用のゲーム装置が所定の対価の消費と引き換えに前記抽選機会、及び当該抽選機会の抽選結果に基づく前記遊戯媒体の生成の両方を提供する場合に、前記所定の対価よりも少ない対価で前記抽選機会を提供してもよい。この場合、遊戯媒体の生成に必要な対価と抽選機会の利用に必要な対価とを分離することができる。これにより、抽選機会の利用を促進することができる。
また、本発明のコンピュータプログラム(PG2、PG1)は、前記媒体生成装置、及び前記ユーザ端末に接続されるコンピュータ(21、11)を、上述のゲームシステムの各手段として機能させるように構成されたものである。
本発明の制御方法は、物理的な遊戯媒体(C2)に記録された情報を読み取ることにより当該遊戯媒体に対応するゲーム要素(例えばキャラクタ)を使用するようにゲームを提供する業務用のゲーム装置(3A)が前記ゲームに含まれる複数のゲーム要素の少なくとも一部を前記遊戯媒体の生成候補として決定する決定機会(例えば候補決定サービス)を提供し、当該決定機会において決定された前記生成候補を前記遊戯媒体として生成する媒体生成装置(3A)が複数のユーザによって共用されるように所定の施設(SA)に配置されている場合に、前記媒体生成装置とネットワーク(NT)を介して接続されるゲームシステム(1)に組み込まれるコンピュータ(21、11)に、各ユーザによって個別に使用されるユーザ端末がネットワークを介して更に接続される場合に、前記決定機会を前記業務用のゲーム装置の代わりに前記ユーザ端末を介して提供する機会提供手順と、前記ユーザ端末を介して前記決定機会が提供された場合に、当該決定機会の決定結果に基づいて前記生成候補に対応する前記遊戯媒体を生成するために必要な生成情報を前記媒体生成装置に提供する情報提供手順と、を実行させるものである。本発明のコンピュータプログラム、或いは制御方法が実行されることにより、本発明のゲームシステムを実現することができる。