JP2021010034A - チップ型セラミック電子部品 - Google Patents

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【課題】外部電極と内部電極とのコンタクト性能が確保された、チップ型セラミック電子部品を提供する。【解決手段】チップ型セラミック電子部品1は、複数のセラミック層3が積層されてなる部品本体4を備える。部品本体4の内部には、ニッケルを含む複数の内部電極9,10が、当該内部電極9,10の隣り合うものの間にセラミック層3を介在させながら、セラミック層3の積層方向に沿って配置されている。部品本体4の端面7には、内部電極9と電気的に接続された、銅を含む外部電極2が形成されている。外部電極2における、部品本体4での内部電極9の露出端近傍には、Ni−Cu合金層11が形成され、Ni−Cu合金層11が形成された領域以外の領域であって、外部電極2における部品本体4と接する領域には、ガラス層12が形成される。【選択図】図1

Description

この発明は、チップ型セラミック電子部品に関するもので、特に、チップ型セラミック電子部品における外部電極の構造に関するものである。
たとえば、特開2011−26631号公報(特許文献1)には、積層セラミックコンデンサ等のチップ型セラミック電子部品における外部電極を形成するために適用される、銅粉末を含む導電性ペーストが記載されている。特に、特許文献1では、銅粉末に対して耐酸化性を与えることを課題とし、この課題を解決するため、銅粉末の粒子内部に特定量のBiおよびMgを含有させることが提案されている。
チップ型セラミック電子部品の外形寸法の小型化を図るため、チップ型セラミック電子部品の部品本体の外表面上に形成される外部電極の薄膜化を図ることが有効な手段の一つとして考えられる。薄膜化しながら、緻密性の高い、すなわち、欠陥が少なく、ボイドが少ない、外部電極を導電性ペーストの焼付けによって得るには、導電性ペーストに含まれる銅粉末およびガラス粉末を微粒化する必要がある。たとえば、粒子径が1μm以下と微粒化された銅粉末を得るための方法として、液相還元法、または気相法(熱プラズマ法)などの方法が知られている。
他方、導電性ペーストに含ませる銅粉末として、粒子径1μm以下の微粒銅粉末を用いると、銅粉末が焼結する際にガスが発生しやすく、そのため、外部電極にブリスタによる不具合がもたらされることがある。ブリスタの原因となるガスとしては、たとえば、銅粉末に不純物として含まれるイオウに由来するSOガス、ガラス粉末に含まれる炭素に由来するCOガスなどがある。
ブリスタ不具合を抑制するため、微粒の銅粉末の焼結開始を遅らせることが有効であると考えられている。たとえば、ZrOやAlのような酸化物を焼結遅延剤として銅粉末に加えることで、焼結開始を遅らせることができれば、脱脂過程で発生するガスを逃がす経路を確保することができるため、ブリスタ不具合を抑制することができる。
特開2011−26631号公報
しかしながら、上記のブリスタ抑制技術によれば、チップ型セラミック電子部品の部品本体内部にあって、外部電極と電気的に接続されるべき内部電極に対する、外部電極のコンタクト性能が低下するなど、品質面での課題に遭遇することがある。すなわち、ブリスタ抑制と、外部電極と内部電極とのコンタクト性能確保とは、トレードオフの関係にある。
この発明の目的は、外部電極と内部電極とのコンタクト性能が確保された、チップ型セラミック電子部品を提供しようとすることである。
この発明は、複数のセラミック層が積層されてなる部品本体を備え、部品本体は、互いに対向する2つの主面と、2つの主面の間を接続する、互いに対向する2つの端面および互いに対向する2つの側面とを有し、部品本体の内部には、ニッケルを含む複数の内部電極が、当該内部電極の隣り合うものの間にセラミック層を介在させながら、セラミック層の積層方向に沿って配置されており、部品本体の端面には、内部電極と電気的に接続された、銅を含む外部電極が形成されている、チップ型セラミック電子部品に向けられる。
この発明は、上述した技術的課題を解決するため、外部電極における、部品本体での内部電極の露出端近傍には、Ni−Cu合金層が形成され、Ni−Cu合金層が形成された領域以外の領域であって、外部電極における部品本体と接する領域には、ガラス層が形成されていることを特徴としている。
この発明によれば、外部電極における、部品本体での内部電極の露出端近傍に形成されたNi−Cu合金層が、複数の内部電極を互いに電気的に接続するように機能し、外部電極と内部電極とのコンタクト性能の向上に寄与する。また、Ni−Cu合金層は、外部電極による水分シール性の向上にも寄与する。
また、この発明によれば、Ni−Cu合金層が形成された領域以外の領域であって、外部電極における部品本体と接する領域に形成されたガラス層が、部品本体に対する外部電極の固着性能の向上に寄与する。
この発明の一実施形態によるチップ型セラミック電子部品1の一部を模式的に示す断面図である。 図1に示したチップ型セラミック電子部品1に相当する実際の試料を撮影した顕微鏡写真を示す図である。 外部電極24の固着性能を評価する方法を説明するための図である。
まず、この発明の一実施形態によるチップ型セラミック電子部品における外部電極を形成するために用いられる導電性ペーストについて説明する。導電性ペーストは、銅粉末とガラス粉末とを含み、さらに、ペースト性を与えるため、適量の樹脂および溶剤を含む。
導電性ペーストに含まれる銅粉末は、粒子径が300nm以下の微粉とされる。粒子径は、銅粉末の表面を走査型電子顕微鏡(SEM)にて撮影し、画像解析ソフトを用いて求められたものである。また、銅粉末の結晶性は高く、銅粉末の粒子径/結晶子径は2.0以下とされる。ここで、結晶子径は、X線回折(XRD)法によって測定されて求められたものである。なお、結晶子径は粒子径より大きくなることはないので、粒子径/結晶子径は1.0を超える数値となる。
上述の粒子径/結晶子径は、好ましくは、1.1以上かつ2.0以下とされる。これにより、ブリスタ不具合を生じにくくすることができる。また、銅粉末の結晶子径は50nm以上であることが好ましい。このことも、ブリスタ不具合の抑制効果をより高めることに貢献する。
銅粉末は、球形の粉末粒子からなることが好ましい。これによれば、導電性ペーストの乾燥塗膜中のガラス比率を低減することができるので、ガラス含有量を少なくすることができ、その結果、外部電極を緻密化することができる。したがって、たとえば平面寸法が0.2mm×0.1mmといった超小型のチップ型セラミック電子部品においても、チップ型セラミック電子部品における部品本体のセラミック面に対する外部電極の固着性能をそれほど低下させることなく、外部電極と内部電極との間で良好な導通性を実現することができる。
なお、銅粉末の粒子径を、たとえば300nmとするより、たとえば100nmというように、より小さくした方が、上述した外部電極と内部電極との間での導通性がより良好になり、また、上述した外部電極の固着性能をより高くすることができる。
銅粉末は、気相法によって製造されることが好ましい。気相法によれば、前述したように、粒子径が300nm以下で、粒子径/結晶子径が2.0以下である、銅粉末を容易に製造することができる。また、気相法によれば、銅粉末の粉末粒子の内部に、不純物を含まないか、ほとんど含まないようにすることができる。特に、不純物として塩素を含む場合には、塩素イオン量として0.01質量%以下しか含まないようにすることができる。なお、この塩素イオン量は燃焼イオンクロマトグラフィー法で測定した値である。また、不純物としてイオウを含む場合には、イオウ量として0.002質量%以下しか含まないようにすることができる。なお、このイオウ量は高周波誘導結合プラズマ発光分光分析法(ICP−AES)で測定した値である。
他方、ガラス粉末は、導電性ペーストにおける無機成分の合計体積、すなわち、銅粉末およびガラス粉末の合計体積に占める体積割合が35体積%以下とされ、好ましくは、10体積%以上かつ25体積%以下とされる。ガラス粉末の体積割合がたとえば上限の35体積%とされた場合には、銅粉末の粒子径がたとえば100nm以下であれば問題ないが、銅粉末の粒子径がたとえば300nmとされると、内部電極に対する、外部電極のコンタクト性能が劣化することがある。したがって、上述のように、ガラス粉末の体積割合は、10体積%以上かつ25体積%以下であることが好ましい。
好ましくは、ガラス粉末の粒子径は1.0μm以下に選ばれる。ガラス粉末の粒子径についても、銅粉末の場合と同様、ガラス粉末の表面をSEMにて撮影し、画像解析ソフトを用いて求められたものである。
また、ガラス粉末は、B−Si系ガラスからなることが好ましい。この場合、B−Si系ガラスは、添加元素として、BaまたはSrを含んでいてもよい。
導電性ペーストは、前述したように、適量の樹脂および溶剤をさらに含んでいる。樹脂としては、アクリル樹脂、エチルセルロース樹脂、ブチラール樹脂など、公知の樹脂が用いられる。溶剤としては、好ましくは、ターピネオールなどのアルコール系溶剤が用いられる。溶剤には、分散剤が添加されてもよい。
図1は、上述した導電性ペーストを用いて外部電極2が形成されたチップ型セラミック電子部品1の一部を断面図で示している。図1では、チップ型セラミック電子部品1が模式的に図示されている。したがって、図1に示した各要素の形態および各要素間の寸法比率は、実際のもの(図2参照)とは異なる場合がある。
チップ型セラミック電子部品1は、たとえば積層セラミックコンデンサを構成するもので、複数のセラミック層3が積層されてなる部品本体4を備えている。部品本体4は、互いに対向する第1の主面5および第2の主面6と、それらの間を接続する第1の端面7および、図示しないが、第1の端面7に対向する第2の端面とを有し、さらに、図示しないが、図1紙面に対して平行に延びかつ互いに対向する第1の側面および第2の側面を有する。
部品本体4の内部には、各々複数の第1の内部電極9および第2の内部電極10が、隣り合うものの間に特定のセラミック層3を介在させながら、セラミック層3の積層方向に沿って交互に配置されている。第1の内部電極9は、図示した第1の端面7にまで引き出されている。他方、第2の内部電極10は、図示しない第2の端面にまで引き出されている。内部電極9および10は、導電成分としてニッケルを含んでいる。
図示した外部電極、すなわち第1の外部電極2は、部品本体4の第1の端面7に形成され、第1の内部電極9と電気的に接続されている。図示しないが、第1の外部電極2に対向するように形成される第2の外部電極は、部品本体4の第2の端面に形成され、第2の内部電極10と電気的に接続されている。第1の外部電極2と第2の外部電極とは実質的に同様の構成を有している。したがって、以下には、第1の外部電極2の構成について詳細に説明し、第2の外部電極の構成については説明を省略する。
第1の外部電極2は、第1の端面7からこれに隣接する第1および第2の主面5および6ならびに第1および第2の側面の各一部にまで延びるように形成されている。このような形態の外部電極2を形成するため、前述した導電性ペーストをディップ法などにより部品本体4の所定の部分に付与することによって導電性ペースト膜が形成され、この導電性ペースト膜が焼成される。焼成工程では、たとえば700℃というように、750℃以下の温度が適用される。
上述の焼成工程を実施したとき、導電性ペースト膜における、第1の端面7での第1の内部電極9の露出端近傍では、内部電極9に含まれるニッケルと導電性ペーストに含まれる銅とが相互に拡散し、外部電極2中にNi−Cu合金層11が形成される。Ni−Cu合金層11には、空隙はなく、ガラスがほぼ存在しないことが好ましい。Ni−Cu合金層11は、複数の第1の内部電極9を互いに電気的に接続するように機能し、外部電極2と内部電極9とのコンタクト性能の向上に寄与し、また、外部電極2による水分シール性の向上にも寄与する。
また、上記Ni−Cu合金層11が形成された領域以外の領域であって、外部電極2における部品本体4と接する領域では、導電性ペーストに含まれるガラス粉末に由来するガラス層12が形成される。ガラス層12は、図1に示すように、連続した層となっていることが好ましいが、一部において途切れていてもよい。ガラス層12は、部品本体4に対する外部電極2の固着性能の向上に寄与する。
図2は、図1に示したチップ型セラミック電子部品1に相当する実際の試料を撮影した顕微鏡写真を示している。図2では、図1に示した外部電極2および部品本体4に相当する部分が撮影されている。特に引出し線をもって示すことはしないが、図2において、部品本体4中に第1および第2の内部電極9および10が存在していることが認められる。図2の顕微鏡写真において、外部電極2中の黒っぽい筋または斑点はガラスの存在によるものである。
外部電極2における、部品本体4での第1の内部電極9の露出端近傍には、Ni−Cu合金層11が形成されている。Ni−Cu合金層11には、空隙はなく、ガラスがほぼ存在しないことが認められる。また、上記Ni−Cu合金層11が形成された領域以外の領域であって、外部電極2における部品本体4と接する領域では、筋状に延びるガラス層12が形成されている。
さらに、図2に示したチップ型セラミック電子部品1の外部電極2には、ブリスタ不具合を確認することができないことに注目すべきである。
[実験例]
次に、この明細書において開示された導電性ペーストを用いて実施した実験例について説明する。
導電性ペーストに含まれる銅粉末については、気相法で製造されたものであって、後掲の表に示す所定の粒子径および所定の結晶子径を有する球形の粉末粒子からなるものを製造業者から入手した。銅粉末の粒子径については、銅粉末表面をSEMで撮影し、画像解析ソフトを用いて、粒子径500点の平均値D50を求め、これを粒子径とした。結晶子径については、ブルカー製のX線回折装置「D8 Advance」を用いて結晶性を測定し、この測定値からブルカー製の専用ソフト「TOPAS」により、結晶子径を算出した。
導電性ペーストに含まれるガラス粉末については、粒子径が1.0μm以下であって、B−Si−Ba系ガラスからなるものを用意した。
上述した銅粉末およびガラス粉末に、適量のアクリル樹脂およびターピネオールを加え、混合することによって、導電性ペーストを得た。
また、導電性ペーストを、後掲の表に示すように、「ブリスタ」、「コンタクト性能」および「固着性能」の各項目について評価した。
「ブリスタ」は、ブリスタ不具合の発生の有無を評価したものである。より具体的には、平面寸法が0.6mm×0.3mmの部品本体の両端部に導電性ペーストをディップ法により付与し、720℃の温度で焼成して、外部電極を形成した。ここで、焼成後の外部電極の、部品本体の端面上での厚みが、後述するように、30μmまたは50μmとなるようにした。100個の部品本体について外観観察を行ない、1個でもブリスタ不具合が発生したものがあれば、不良と判定し、後掲の表では「×」で示した。
「コンタクト性能」は、外部電極と内部電極とのコンタクト性能を評価したものである。より具体的には、平面寸法が0.2mm×0.1mmの部品本体の両端部に導電性ペーストをディップ法により付与し、720℃の温度で焼成して、外部電極を形成して、静電容量10nFの積層セラミックコンデンサとなる試料を得た。次に、試料となる積層セラミックコンデンサに対して、温度150℃を1時間印加した後、さらに24時間経過後に初期容量を測定した。次いで、試料となる積層セラミックコンデンサを、定格電圧の2倍の印加電圧12.6Vで5秒間充電した後、金属容器の上に静置し、0オーム下で内部にたまった電子を放電した。その後、再度、試料となる積層セラミックコンデンサに対して、温度150℃を1時間印加した後、さらに24時間経過後に容量を測定した。この容量が前述の初期容量に比べて5%以上低下した試料が20個中いくつあるかを数えた。後掲の表において、この数が2個以上であれば「×」と表示し、1個であれば「△」と表示し、0個であれば「○」と表示した。
「固着性能」は、外部電極の部品本体に対する固着性能を評価したものである。より具体的には、平面寸法が0.2mm×0.1mmの部品本体の両端部に導電性ペーストをディップ法により付与し、720℃の温度で焼成して、外部電極を形成した後、さらに外部電極にSnめっきを施し、試料となる積層セラミックコンデンサを作製した。次に、図3に示すように、基板21上に積層セラミックコンデンサ22の部品本体23を立てた状態で配置し、下側の外部電極24にはんだ25を付与することによって、積層セラミックコンデンサ22を基板21に固定した。この状態で、矢印26で示すように、上側の外部電極27を横押しした。この横押しによって生じる破壊モードを、
(1)基板21とはんだ25との界面での剥離、
(2)はんだ25と外部電極24上のめっき膜との界面での剥離、
(3)外部電極24と部品本体23との界面での剥離、および
(4)部品本体23の割れ、
に4つに分類した。試料数10個について、1個でも(3)の破壊モードに遭遇したものがあれば、不良と判定し、後掲の表において「×」と表示した。
(実験例1)
実験例1では、表1に示すような「粒子径」、「結晶子径」および「粒子径/結晶子径」を有する銅粉末を含む導電性ペーストを用いて外部電極を形成した。また、導電性ペースト中の銅粉末およびガラス粉末の合計体積に占めるガラス粉末の体積割合は25体積%とした。実験例1では、焼成後の外部電極の、部品本体の端面上での厚みが30μmとなるようにした。
表1において、試料1、2および4が、銅粉末は、「粒子径」が300nm以下で、「粒子径/結晶子径」が1.0を超えかつ3.8以下である。「ブリスタ」、「コンタクト性能」および「固着性能」について「○」の評価となっている。
これに対して、試料3では、銅粉末の「粒子径/結晶子径」が3.8を超える10.0であるので、「ブリスタ」について「×」の評価となっている。
また、試料5では、銅粉末の「粒子径/結晶子径」が3.8を超える6.0であるので、「ブリスタ」について「×」の評価となっている。試料5では、銅粉末の「粒子径」が300nmというように、試料2の場合の100nmより大きいため、さらに「固着性能」について「×」の評価となっている。
また、試料6では、銅粉末の「粒子径」が300nmを超える500nmであり、「粒子径/結晶子径」が3.8を超える5.0であるので、「ブリスタ」、「コンタクト性能」および「固着性能」について「×」の評価となっている。
また、試料7では、銅粉末の「粒子径/結晶子径」が1.0を超えかつ3.8以下であるが、「粒子径」が300nmを超える500nmであるので、「ブリスタ」、「コンタクト性能」および「固着性能」について「×」の評価となっている。
(実験例2)
実験例2では、表2に示すような「粒子径」、「結晶子径」および「粒子径/結晶子径」を有する銅粉末を含む導電性ペーストを用いて外部電極を形成した。また、導電性ペースト中の銅粉末およびガラス粉末の合計体積に占めるガラス粉末の体積割合は、実験例1の場合と同様、25体積%とした。実験例2では、焼成後の外部電極の、部品本体の端面上での厚みは、実験例1の場合より厚く、50μmとなるようにした。外部電極の厚みがより厚くなるほど、ブリスタ不具合が発生するリスクがより高まることが推測される。
表2において、試料11〜18のすべてが300nm以下の「粒子径」である。また、試料11〜18のうち、試料14を除く試料11〜13および15〜18については、銅粉末は、「粒子径/結晶子径」が1.0を超えかつ3.8以下である。
しかしながら、試料11〜13および15〜18のうち、試料11および17については、「ブリスタ」の評価が「×」となっている。これは、銅粉末の「粒子径/結晶子径」が、試料12、13、15、16および18では、1.1以上かつ2.0以下の範囲にあるのに対し、試料11および17では、1.1以上かつ2.0以下の範囲から外れ、それぞれ、3.3および3.0となっているためであると考えられる。
このことから、外部電極の厚みがより厚くなるほど、ブリスタ不具合が発生するリスクがより高まるため、銅粉末の「粒子径/結晶子径」を、1.0を超えかつ3.8以下の範囲より狭めて、1.1以上かつ2.0以下の範囲にすることが望ましいことがわかる。
すなわち、銅粉末の「粒子径/結晶子径」を1.1以上かつ2.0以下の範囲に狭めた試料12、13、15、16および18では、外部電極の厚みが50μmと厚くなっても、「ブリスタ」の評価が「○」となっている。
(実験例3)
実験例3では、表3に示すような「粒子径」、「結晶子径」および「粒子径/結晶子径」を有する銅粉末を含む導電性ペーストを用いて外部電極を形成した。また、実験例3では、実験例1の場合と同様、焼成後の外部電極の、部品本体の端面上での厚みが30μmとなるようにした。
実験例3では、導電性ペースト中の銅粉末およびガラス粉末の合計体積に占めるガラス粉末の体積割合を、表3の「ガラス比率」に示すように、5〜35体積%の範囲で変更した。
まず、銅粉末の「粒子径」に注目すると、試料29〜31は、300nmを超える500nmである。そのため、「コンタクト性能」および「固着性能」の少なくとも一方の評価が「×」となっている。
他方、試料21〜28では、銅粉末は、「粒子径」が300nm以下で、「粒子径/結晶子径」が1.1以上かつ2.0以下である。表3では表示していないが、これら試料21〜28では、ブリスタ不具合は生じなかった。
しかしながら、試料21〜28の中で、「コンタクト性能」および「固着性能」の各評価がともに「○」となっているのは、試料22〜24、26および27だけである。試料22〜24、26および27における「ガラス比率」に注目すると、「ガラス比率」は10〜25体積%の範囲に入っている。
これに対して、「ガラス比率」が10体積%未満のそれぞれ5体積%および7体積%である試料21および25では、「固着性能」の評価が「×」となっている。「固着性能」の評価が「×」となったのは、「ガラス比率」が比較的低いためであるが、「ガラス比率」が試料21の5体積%より多い7体積%の試料25でも「固着性能」が「×」と評価されたのは、銅粉末の「粒子径」が試料21の100nmより大きい300nmであったためであると推測される。
また、「ガラス比率」が25体積%を超える35体積%である試料28では、「コンタクト性能」の評価が「△」となっている。他方、「ガラス比率」が同じく35体積%である試料24では、「コンタクト性能」の評価が「○」となっている。これは、「ガラス比率」を比較的多い35体積%としたとき、試料24のように、銅粉末の「粒子径」が100nmと比較的小さければ問題ないが、試料28のように、銅粉末の「粒子径」が300nmと比較的大きくなると「コンタクト性能」が劣化してしまう懸念があることを示している。見方を変えると、「ガラス比率」が比較的多い35体積%であっても、銅粉末の「粒子径」を100nmと比較的小さくすれば、良好なコンタクト性能が得られることを示している。
以上、導電性ペーストが外部電極形成に適用されるチップ型セラミック電子部品として、主に積層セラミックコンデンサを例示して説明したが、当該導電性ペーストは、他のチップ型セラミック電子部品の外部電極形成のためにも用いることができる。
1 チップ型セラミック電子部品
2 外部電極
4 部品本体
9,10 内部電極
11 Ni−Cu合金層
12 ガラス層

Claims (6)

  1. 複数のセラミック層が積層されてなる部品本体を備え、
    前記部品本体は、互いに対向する2つの主面と、前記2つの主面の間を接続する、互いに対向する2つの端面および互いに対向する2つの側面とを有し、
    前記部品本体の内部には、ニッケルを含む複数の内部電極が、当該内部電極の隣り合うものの間に前記セラミック層を介在させながら、前記セラミック層の積層方向に沿って配置されており、
    前記部品本体の前記端面には、前記内部電極と電気的に接続された、銅を含む外部電極が形成され、
    前記外部電極における、前記部品本体での前記内部電極の露出端近傍には、Ni−Cu合金層が形成され、
    前記Ni−Cu合金層が形成された領域以外の領域であって、前記外部電極における前記部品本体と接する領域には、ガラス層が形成されている、
    チップ型セラミック電子部品。
  2. 前記Ni−Cu合金層には、空隙がない、請求項1に記載のチップ型セラミック電子部品。
  3. 前記Ni−Cu合金層には、ガラスが存在しない、請求項1または2に記載のチップ型セラミック電子部品。
  4. 前記ガラス層は、連続した層となっている、請求項1ないし5のいずれかに記載のチップ型セラミック電子部品。
  5. 前記外部電極は、前記端面から隣接する前記主面および前記側面の各一部にまで延びるように形成されている、請求項1ないし4のいずれかに記載のチップ型セラミック電子部品。
  6. 当該チップ型セラミック電子部品は、積層セラミックコンデンサである、請求項1ないし5のいずれかに記載のチップ型セラミック電子部品。
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