JP2021009480A - パラメータ管理装置及びその管理システム - Google Patents

Abstract

【課題】パラメータの確認を容易にする数値制御装置を提供すること。【解決手段】本発明の一耐用による数値制御装置１００は、数値制御装置１００の設定に係るパラメータの比較関係を比較関係記憶部５２に記憶しておき、比較関係記憶部５２に記憶された比較関係に基づいて、数値制御装置１００の設定に係るパラメータのうちで、比較関係を有するデータを抽出して、この比較関係を有するデータを関連付けて表示部７０に表示させる。【選択図】図３

Description

本発明は、パラメータ管理装置及びパラメータの管理システムに関する。

数値制御装置には、膨大な数のパラメータが存在する。パラメータの種類には、一般設定用パラメータ、システム構成用パラメータ、軸制御パラメータ、座標系用パラメータ、ストローク確認用パラメータ、送り速度用パラメータ、加減速用パラメータ、サーボ用パラメータ、データ入出力用パラメータ、画面表示用パラメータなどがある。このように、パラメータには多くの種類があり、構成も複雑であるため、オペレータやプログラマが目視で１つ１つのパラメータの内容を確認するのは、非常に煩雑である。

特許文献１には多系統の数値制御のプログラムを確認するために、複数の系統のプログラムを同一画面上に並列に表示する数値制御装置が開示されている。この数値制御装置では、一方に表示されたプログラム画面のカーソルと連動して他の系統のプログラム画面のカーソルを、同一行ラインに揃えて相対移動させることで、複数の軸の同期制御プログラムを１つの画面上で同期させながら確認できる技術が開示されている。

特許文献１の数値制御装置は、プログラムに記述されたシーケンス番号を基に、プログラムを同時に表示させることで、プログラムの同期関係を視覚的に表現している。

また、特許文献２には、予め記憶されたパラメータの値と現在のパラメータ値とを比較し、異なるパラメータ項目を全て取り上げたパラメータ更新履歴を表示するモータ制御装置のパラメータ変更履歴表示方法が開示されている。

特開２００８−２５７３６６公報 特開２００５−６４５０公報

数値制御装置上でパラメータの設定や値の確認を行う場合、系統や軸、機能ごとに比較し、必要に応じて設定をコピーすることになるが、データを比較しながらの作業は煩雑であり、相当の時間を要する。また、オペレータやプログラマの意図しない変更がなされた場合や、１軸の動作だけ正常でない場合など、パラメータの値を比較して設定の問題を調査することになるが、従来の数値制御装置上では容易に比較することができない。さらに、新規に軸を追加した場合、既存の軸の設定値を新規の軸にコピーすることも容易ではない。

また、過去に記録したデータと新しいデータとを比較し更新履歴を表示する技術は、エディタなどのツールで一般的な技術である。しかしながら、変更履歴をそのまま表示する表示方法では、どのパラメータをどのように更新したかを確認することは可能であるが、工作機械特有の系統や軸に依存するデータの整合性の確認には適していない。

そこで、数値制御装置のパラメータの管理を容易にする技術が求められている。

本発明の一態様は、複数の駆動軸を有する工作機械を制御する数値制御装置において、当該数値制御装置の設定に係るパラメータの識別情報と前記パラメータのデータとを関連付けて記憶するパラメータ記憶部と、前記パラメータ記憶部に記憶されるデータの比較関係を記憶する比較関係記憶部と、前記比較関係記憶部に記憶された比較関係に基づき、前記パラメータ記憶部に記憶するパラメータから、比較関係を有するデータを抽出する比較対象パラメータ抽出部と、前記比較関係を有するデータを関連付けて表示部に表示させる表示処理部と、を有する数値制御装置を提供する。

本発明の他の態様は、複数の駆動軸を有する工作機械を制御する１つ又は複数の数値制御装置の設定に係るパラメータ管理システムであって、前記数値制御装置の設定に係るパラメータの識別情報と前記パラメータのデータとを関連付けて記憶するパラメータ記憶部と、前記パラメータ記憶部に記憶されるデータの比較関係を記憶する比較関係記憶部と、前記比較関係記憶部に記憶された比較関係に基づき、前記パラメータ記憶部に記憶するパラメータから、比較関係を有するデータを抽出する比較パラメータ抽出部と、前記比較関係を有するデータを関連付けて表示部に表示させる表示処理部と、を有する。

本発明の一態様によれば、比較関係を有する数値制御装置のパラメータの比較作業を容易にする。

本発明の実施の形態における数値制御装置の概略的なハードウェア構成図である。 本発明の実施の形態における数値制御装置の機能ブロック図である。 比較関係を有するパラメータの表示画面例である。 比較関係を有するパラメータの表示画面例である。 複数の数値制御装置のパラメータを管理する数値制御装置の機能ブロック図である。 ネットワークに接続された複数の数値制御装置のパラメータを管理するＰＣの機能ブロック図である。 相違検出部および相違通知部を有する数値制御装置の機能ブロック図である。 過去に設定したパラメータと現時点でのパラメータとを比較する数値制御装置の機能ブロック図である。 値単位換算部を有するＰＣの機能ブロック図である。 クラウドサーバ、フォグコンピュータ、エッジコンピュータを含む３階層構造のシステムの例を示す図である。 フォグコンピュータ上に配置されたパラメータ履歴記憶部に記憶されたパラメータと比較する数値制御装置の機能ブロック図である。 パラメータ履歴記憶部９０に記憶されるパラメータの例を示す図である。

以下、本発明のパラメータ管理装置の機能を数値制御装置１００に実装した例を示す。
図１は一実施形態による機械学習装置を備えたパラメータ管理装置を実装した数値制御装置１００の要部を示す概略的なハードウェア構成図である。

本実施形態による数値制御装置１００が備えるＣＰＵ１１１は、数値制御装置１００を全体的に制御するプロセッサである。ＣＰＵ１１１は、ＲＯＭ１１２に格納されたシステム・プログラムをバス１２０を介して読み出し、該システム・プログラムに従って数値制御装置１００の全体を制御する。ＲＡＭ１１３には一時的な計算データや表示データ、図示しない入力部を介してオペレータが入力した各種データ等が一時的に格納される。

不揮発性メモリ１１４は、例えば図示しないバッテリでバックアップされるなどして、数値制御装置１００の電源がオフされても記憶状態が保持されるメモリとして構成される。不揮発性メモリ１１４には、インタフェース１１５を介して外部機器１７２から読み込まれたプログラムや入力部３０を介して入力されたプログラム、数値制御装置１００の各部や工作機械等から取得された各種データ（例えば、工作機械から取得した設定パラメータ等）が記憶される。不揮発性メモリ１１４に記憶されたプログラムや各種データは、実行時／利用時にはＲＡＭ１１３に展開されても良い。また、ＲＯＭ１１２には、公知の解析プログラムなどの各種のシステム・プログラムがあらかじめ書き込まれている。

インタフェース１１５は、数値制御装置１００とアダプタ等の外部機器７２と接続するためのインタフェースである。外部機器７２側からはプログラムや各種パラメータ等が読み込まれる。また、数値制御装置１００内で編集したプログラムや各種パラメータ等は、外部機器７２を介して外部記憶手段に記憶させることができる。ＰＭＣ（プログラマブル・マシン・コントローラ）１１６は、数値制御装置１００に内蔵されたシーケンス・プログラムで工作機械やロボット、該工作機械や該ロボットに取り付けられたセンサ等のような装置との間でＩ／Ｏユニット１１７を介して信号の入出力を行い制御する。

表示部７０には、メモリ上に読み込まれた各データ、プログラム等が実行された結果として得られたデータ等がインタフェース１１８を介して出力されて表示される。また、ＭＤＩや操作盤、タッチパネル等から構成される入力部３０は、作業者による操作に基づく指令，データ等をインタフェース１１９を介してＣＰＵ１１１に渡す。

工作機械の各軸を制御するための軸制御回路１３０はＣＰＵ１１１からの軸の移動指令量を受けて、軸の指令をサーボアンプ１４０に出力する。サーボアンプ１４０はこの指令を受けて、工作機械が備える軸を移動させるサーボモータ１５０を駆動する。軸のサーボモータ１５０は位置・速度検出器を内蔵し、この位置・速度検出器からの位置・速度フィードバック信号を軸制御回路１３０にフィードバックし、位置・速度のフィードバック制御を行う。なお、図１のハードウェア構成図では軸制御回路１３０、サーボアンプ１４０、サーボモータ１５０は１つずつしか示されていないが、実際には制御対象となる工作機械に備えられた軸の数（例えば、直線３軸を備えた工作機械であれば３つ、５軸加工機であれば５つ）だけ用意される。

スピンドル制御回路１６０は、工作機械の主軸への主軸回転指令を受け、スピンドルアンプ１６１にスピンドル速度信号を出力する。スピンドルアンプ１６１はこのスピンドル速度信号を受けて、主軸のスピンドルモータ１６２を指令された回転速度で回転させ、工具を駆動する。スピンドルモータ１６２にはポジションコーダ１６３が結合され、ポジションコーダ１６３が主軸の回転に同期して帰還パルスを出力し、その帰還パルスはＣＰＵ１１１によって読み取られる。

図２は、本発明に係る実施形態の数値制御装置１００の要部ブロック図である。数値制御装置１００は、既に設定したパラメータを記憶するパラメータ記憶部１０と、パラメータ記憶部１０に記憶するパラメータを更新するパラメータ更新部２０と、ＭＤＩや操作盤、タッチパネルなどの入力部３０からオペレータの入力操作を受け付ける入力処理部４０と、パラメータ記憶部１０に記憶されたパラメータから比較関係を有するパラメータのデータを抽出する比較パラメータ抽出部５１と、比較パラメータ抽出部５１が抽出した比較関係を有するデータを表示部７０に表示させる表示処理部６０とを有する。

入力処理部４０は、オペレータやプログラマが表示を希望するパラメータと該パラメータの表示形式の指定を受け付ける表示対象指定部４１と、表示部７０に表示するデータの更新操作を受け付ける更新操作処理部４２とを有する。

パラメータ記憶部１０には、パラメータの識別情報と、データが関連付けて記憶されており、パラメータの識別情報と工作機械の系統も関連付けて記憶されている。パラメータ記憶部１０に記憶されるデータは、主に、数値制御装置１００の設定情報であり、パラメータの種類には、一般設定用パラメータ、システム構成用パラメータ、軸制御パラメータ、座標系用パラメータ、ストローク確認用パラメータ、送り速度用パラメータ、画面表示用パラメータ、基準位置設定用パラメータ、サーボ用パラメータ、加速度・減速度パラメータ、時定数用パラメータ、誤差補正用パラメータなどがある。

パラメータ比較部５０は、比較パラメータ抽出部５１と、比較関係記憶部５２と、プログラム解析部５３とを有する。比較関係記憶部５２は、パラメータ記憶部１０に記憶するデータの比較関係を記憶する。比較パラメータ抽出部５１は、比較関係記憶部５２に記憶された比較関係に基づき、パラメータ記憶部１０に記憶するパラメータから比較関係を有するデータを抽出する。パラメータの比較関係とは、例えば、軸の座標系、基準位置、加速度・減速度、サーボゲイン、誤差許容度、同期誤差ゲイン、最低速度・最高速度など軸ごとに関連するパラメータである。パラメータ比較部５０は、オペレータやプログラマが入力部３０に入力した指示に従い、表示するパラメータのデータを抽出し、比較結果表示部６２を介して表示部７０に表示する。なお、本実施の形態では、駆動軸のパラメータを主な例として示すが、通信速度や座標系などその他の設定情報のパラメータも比較関係を有するパラメータとして表示することができる。

比較関係記憶部５２は、パラメータ間の比較関係の定義を記憶している。比較関係記憶部５２は、例えば工作機械の系統と、その系統に属する駆動軸を関連付ける情報を記憶している。比較パラメータ抽出部５１は、比較関係記憶部５２に記憶された比較関係に基づき、駆動軸に関するパラメータを系統ごとに抽出する。

比較関係記憶部５２は、パラメータの識別情報と工作機械の機能とを関連付けて記憶するようにしても良い。工作機械の機能、例えば、位置決めであれば、目標とする位置、送り速度など、軸に関連するパラメータが関連する。比較パラメータ抽出部５１は、比較関係記憶部５２に記憶された比較関係に基づき、機能に関するパラメータのうち、比較関係を有するパラメータを抽出する。

パラメータ比較部５０はプログラム解析部５３を有する。プログラムに、実行する機能とその機能に関連するパラメータの設定情報が記述されている場合、プログラム解析部５３は、プログラムを読み出し、読み出したプログラムが実行を指示する機能を読み出す。次いで、パラメータ比較部５０は、比較関係記憶部５２に記憶された比較関係に基づき、読み出した機能に関連するパラメータを読み出す。また、プログラム上でパラメータの値が設定されており、そのパラメータが比較関係を有する場合、比較関係を有するパラメータの値を読み出す。

表示処理部６０は、比較パラメータ表示部６１と、比較結果表示部６２とを有する。比較パラメータ表示部６１は、パラメータ比較部５０が読み出した比較関係を有するパラメータのデータを表示部に表示させる。比較パラメータ表示部６１は、比較関係を有するパラメータの値を比較し、値が異なる場合には、比較関係を有するパラメータのデータの値が等しいか異なるかを判別し、値が異なる場合、値が異なることを視覚的に表現する。図３および図４の例では、表示領域の背景色を変えて値が異なることを表現している。

図３は、機能ごとにパラメータを表示した例である。図３では、機能ごとに「比較対象１：Ｘ１」および「比較対象２：Ｘ２」という２つのパラメータの値を並列して表示している。機能Ａに関連するパラメータは「パラメータＡ」および「パラメータＢ」であり、パラメータＡでは「比較対象１：Ｘ１」の値として「１０００」、「比較対象２：Ｘ２」の値として「１０００」、パラメータＢでは「比較対象１：Ｘ１」の値として「２０００」、「比較対象２：Ｘ２」の値として「３０００」が表示されている。

パラメータＢの「比較対象１：Ｘ１」の値「２０００」と、「比較対象２：Ｘ２」の値「３０００」は異なるので、値が異なることを視覚的に示すために、他のパラメータとは異なる背景色（図中では網掛け）で表示されている。

図３の表示画面は、カーソル操作やキー入力を受け付ける。また、表示画面の一部にはコピーボタンが設けられている。本実施の形態では、「値を右にコピー」、「値を左にコピー」、「右に全てコピー」、「左に全てコピー」という４つのコピーボタンが設けられており、カーソル操作により操作対象を選択し、選択した値を隣接する比較対象パラメータにコピーすることができる。同様に、カーソル操作により操作対象を選択し、キー入力により値を入力することもできる。オペレータやプログラマが入力操作を行うと、入力処理部４０の更新操作処理部４２が更新内容を受け付け、パラメータ更新部２０が入力された更新内容に従いパラメータ記憶部１０に記憶されたパラメータのデータを更新する。このように、パラメータの編集機能を設けたことにより、新規に軸を追加した際、既存の軸の設定値を容易にコピーすることができる。

図４は、機能ごとにパラメータを表示した例である。図４では、機能ごとに「比較対象１：Ｘ１」、「比較対象２：Ｙ１」、「比較対象３：Ｚ１」、「比較対象４：Ａ１」、「比較対象５：Ｂ１」という５つのパラメータが表示されている。この場合、表示されるパラメータはＸ、Ｙ、Ｚの３軸にＡ、Ｂを加えた５軸が表示されている。パラメータＢでは「比較対象２：Ｙ１」の値のみ「３０００」であり、残りの「比較対象１：Ｘ１」、「比較対象３：Ｚ１」〜「比較対象５：Ｂ１」の値は「２０００」である。図４では、値の異なるパラメータが存在するパラメータの表示領域を薄い黄色、異なる値の表示領域を濃い黄色で色分けして表示している。図４に示すように、比較対象は２つだけではなく、全軸や全系統での比較も可能である。また、パラメータを系統ごとに分類したり、系統ごとに色分けして視覚的に系統を表現してもよい。

図５は、パラメータ管理装置を実装した数値制御装置１００ａを示す図である。図５の数値制御装置１００ａの構成は、図２の数値制御装置１００と略同じであり、同一の構成には同一符号を付している。図５の数値制御装置１００ａは、図２の数値制御装置１００にはない外部インタフェース８０を有し、ネットワークや信号線を介して外部の数値制御装置１００ｂに接続されている。外部の数値制御装置１００ｂには、パラメータ記憶部１０ｂが設けられており、外部の数値制御装置１００ｂのパラメータの識別情報と、パラメータのデータが記憶されている。パラメータ管理装置を実装した数値制御装置１００ａは、外部の数値制御装置１００ｂのパラメータのデータを読み出し、自身のパラメータと共に管理する。つまり、１つの数値制御装置１００ａで複数の数値制御装置１００ａ，１００ｂのパラメータを管理することができる。

図６は、本発明に係るパラメータ管理装置をパーソナルコンピュータ（ＰＣ）１００ｃに実装した図である。図６のＰＣ１００ｃは、入力処理部４０と、表示対象指定部４１と、更新操作処理部４２と、パラメータ更新部２０と、表示処理部６０と、比較結果表示部６２と、比較パラメータ表示部６１と、パラメータ比較部５０と、比較パラメータ抽出部５１と、比較関係記憶部５２と、外部インタフェース８０と、を有し、ネットワークを介して外部の数値制御装置１００ｄ，１００ｅに接続されている。外部の数値制御装置１００ｄ，１００ｅの記憶領域には、パラメータ記憶部１０ｄ，１０ｅが設けられており、それぞれの数値制御装置１００ｄ，１００ｅのパラメータの識別情報と、パラメータのデータが記憶されている。

入力処理部４０の表示対象指定部４１は、ＰＣのキーボードやマウスを介して、オペレータやプログラマからパラメータの表示形式の指定を受け付ける。パラメータの表示形式とは、駆動軸ごと、系統ごと、機能ごとなどパラメータを関連付ける単位である。これらを組み合わせて、例えば、図３のように機能と駆動軸ごとにデータを表示してもよい。パラメータ比較部５０の比較パラメータ抽出部５１は、表示対象指定部４１で指定された表示形式と、比較関係記憶部５２に記憶されたパラメータの比較関係に基づき、ネットワーク上の数値制御装置１００ｄ，１００ｅのパラメータ記憶部１０ｄ，１０ｅから比較関係を有するパラメータを読み出す。図６のＰＣ１００ｃは、２台の数値制御装置１００ｄ，１００ｅに接続されており、別々の数値制御装置１００ｄ，１００ｅのパラメータを並列して表示する。そのため、複数の数値制御装置１００ｄ，１００ｅのパラメータを同時に管理することができる。

図７は、本発明に係るパラメータ管理装置を数値制御装置１００ｆに実装した図である。図７の数値制御装置１００ｆには、相違検出部５４と相違通知部６３が設けられている。相違検出部５４は、比較パラメータ抽出部５１が抽出したパラメータの値を比較する。相違検出部５４は、パラメータの値の差を、表示部７０に表示させる。図７の数値制御装置１００ｆでは、パラメータの値が異なる部分を視覚的に表現するのではなく、値の差そのものを表示する。

図８は、本発明に係るパラメータ管理装置を数値制御装置１００ｇに実装した図である。図８の数値制御装置１００ｇは、現時点で設定しているパラメータを記憶するパラメータ記憶部１０のほかに、過去に設定したパラメータを記憶するパラメータ履歴記憶部９０を有する。パラメータ比較部５０の比較パラメータ抽出部５１は、過去に設定したパラメータと現時点で設定しているパラメータとを比較する。表示処理部６０の比較結果表示部６２は、過去に設定した値と現時点で設定している値との間に相違がある場合には、どのパラメータに相違があるか視覚的に理解できるよう表示部７０に表示させる。過去に設定した値とは、例えば、工作機器のメーカが出荷時に設定していたデフォルトのパラメータや、設定を変更する前の数値制御装置１００ｇの電源投入時のパラメータでも、１日、１週間、１か月など時間を指定したパラメータの履歴でもよい。履歴パラメータと比較することにより、意図せずパラメータが変更された場合や、１軸だけ動きがおかしい場合など、パラメータの値を比較して設定を調査することができる。

図９は、本発明に係るパラメータ管理装置をＰＣ１００ｈに実装した図である。図９のＰＣ１００ｈは、入力処理部４０と、表示対象指定部４１と、更新操作処理部４２と、パラメータ更新部２０と、表示処理部６０と、パラメータ比較部５０と、比較パラメータ抽出部５１と、比較結果表示部６２と、比較パラメータ表示部６１と、単位換算部５５と、外部インタフェース８０と、を有し、ネットワークを介して外部の数値制御装置１０ｉ，１０ｊに接続されている。

単位換算部５５は、単位が異なるパラメータの値を換算する。単位の異なるパラメータとは、例えば、メータ法とインチ法や、ＩＳ−Ａ、ＩＳ−Ｂで設定単位の異なる工作機械のパラメータを指す。図９のＰＣは、このように単位換算部５５を有するため、パラメータを管理する対象の数値制御装置の設定単位が異なる場合でも、単位を統一して比較することができる。

以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上述した実施の形態の例のみに限定されることなく、適宜の変更を加えることにより様々な態様で実施することができる。

例えば、パラメータ管理装置１００は、ネットワークに接続された複数の数値制御装置に過去に設定されたパラメータを比較対象として取り扱うように構成することも可能である。
図１０を用いて、上述したパラメータ管理装置１００が、クラウドサーバ６、フォグコンピュータ７、エッジコンピュータ（ロボットコントローラ、数値制御装置等）８を含む複数の装置と有線／無線のネットワークを介して相互に接続したシステムの一部として実装された実施形態について説明する。図１０は、各工場に配置される数値制御装置等のエッジコンピュータ８が、フォグコンピュータ７、クラウドサーバ６により管理されて成るネットワークシステムを示す図である。本発明によるパラメータ管理装置１００は、複数の装置のそれぞれが階層的にネットワーク接続されて構成されたシステムにおいて、クラウドサーバ６等を含む層、フォグコンピュータ７、エッジコンピュータ８のいずれの上にも実装することが可能であり、それぞれの複数の装置との間でネットワークを介して相互にデータを共有して相互再利用等をすることができる。図１０に例示されるシステムにおいて、セル９は各地の工場にそれぞれ複数設けられ、それぞれのセル９を所定の単位（工場単位、同じ製造業者の複数の工場単位等）で上位層のフォグコンピュータ７が管理する。そして、これらフォグコンピュータ７が収集、解析したデータを、更に上位層のクラウドサーバ６で収集、解析等を行い、その結果として得られた情報を各々のエッジコンピュータ８で利用することができる。

この時、図１１に例示される様に、パラメータ履歴記憶部９０をフォグコンピュータ７上に実装し、複数のエッジコンピュータ８（数値制御装置、ロボットコントローラ等）で設定されているパラメータに係る情報を収集して記憶するようにしても良い。各エッジコンピュータ８に設定されたパラメータと、そのパラメータに基づいて該エッジコンピュータを運転した場合における動作品質（例えば、該パラメータを設定して加工運転した場合におけるワークの加工品質等）を合わせてパラメータ履歴記憶部９０に記憶しておき、数値制御装置１００ｋにおいて、該パラメータ履歴記憶部９０に記憶されているパラメータを取得して、上記した実施形態と同様に、数値制御装置１００ｋに設定されているパラメータと比較して表示することで、数値制御装置１００ｋに設定されているパラメータを容易に改善することができる。

上記実施形態を更に詳細に説明する。図１２は、本実施形態によるパラメータ履歴記憶部９０に記憶されるパラメータの例を示す図である。パラメータ履歴記憶部９０には、例えば、工作機械を制御する数値制御装置やロボットを制御するロボットコントローラ等（エッジコンピュータ８）から収集された、各々の機械の動作時に設定されていたパラメータ値と、該パラメータ値で機械を動作させた場合の動作品質に係る情報とが関連付けられたパラメータ情報が記憶される。パラメータ情報は、機械や制御装置の型番に係る情報や、該パラメータ情報の収集時刻等を含んでいてもよい。

数値制御装置１００ｋは、作業者による操作で類似するパラメータ値の表示が指令されると、ネットワークを介してフォグコンピュータ７が備えたパラメータ履歴記憶部９０から、数値制御装置１００ｋの制御対象となる機械に係るパラメータの値と比較対象となるパラメータ情報を取得する。数値制御装置１００ｋの制御対象となる機械に係るパラメータの比較対象となるパラメータ情報は、機能や構成が同じ又は類似する機械や制御装置から取得されたパラメータ情報であってよい。機能や構成が同じ又は類似する機械や制御装置は、例えば型番等の情報に基づいて特定すればよい。

次に、数値制御装置１００ｋが備えるパラメータ比較部５０は、フォグコンピュータ７から取得したパラメータ情報のうち、数値制御装置１００ｋに設定されているパラメータと類似するパラメータ情報を特定する。数値制御装置１００ｋに設定されているパラメータと類似するパラメータ情報は、例えば各パラメータを要素とするベクトルを考えた場合の、数値制御装置１００ｋに設定されているパラメータと、各パラメータ情報との間の距離が近いほど類似度が高くなるような算出方法で類似度を定義するようにしてもよい。また、各パラメータに対して重みをもたせて、動作品質に影響を与えやすいパラメータが近ければ近いほど類似度が上がるような算出方法を用いるようにしてもよい。

そして、数値制御装置１００ｋが備える表示処理部６０は、数値制御装置１００ｋに設定されているパラメータと、類似度が高い少なくとも１つのパラメータ情報を比較可能に表示する。この時、他の実施形態と同様に、相違通知部６３は、パラメータ値に相違があるパラメータが把握できるような表示を行う。このように、動作品質が高い結果を示したパラメータ情報のうちで、現在数値制御装置１００ｋに設定されているパラメータと類似するものを比較対象として、パラメータ値が現在設定されている値と相違するパラメータを作業者に対して示すことで、いずれのパラメータの値をどの様に変更すれば、現在よりも機械の動作品質を向上させることができるのかを、作業者が考えるための支援を行うことができる。

なお、パラメータ履歴記憶部９０はクラウドサーバ６上に設けるようにしてもよい。このように構成することで、より広い範囲のエッジコンピュータ８からパラメータ情報を収集することが可能となり、数値制御装置１００ｋに対してより多くのパラメータ情報を提示することができるようになる。

上記した実施形態により、様々なクラウドサーバ６、フォグコンピュータ７、エッジコンピュータ８が相互に接続されて成るシステムの中で、各エッジコンピュータ８で用いられた良質なパラメータ情報を収集して管理し、特に、現在数値制御装置１００ｋに設定されているパラメータ値と類似したパラメータ値であって、動作品質の良いパラメータ値と比較表示することが可能となり、現在のパラメータ設定を改善する（動作品質を向上させる）ためのヒントを容易に提供することが可能となる。

１００，１００ａ，１００ｆ，１００ｇ，１００ｋ 数値制御装置
１００ｃ，１００ｈ ＰＣ
１０ パラメータ記憶部
２０ パラメータ更新部
４０ 入力処理部
４１ 表示対象指定部
４２ 更新操作処理部
５０ パラメータ比較部
５１ 比較パラメータ抽出部
５２ 比較関係記憶部
５３ プログラム解析部
６０ 表示処理部
６１ 比較パラメータ表示部
６２ 比較結果表示部
６３ 相違通知部
５４ 相違検出部
５５ 単位換算部
９０ パラメータ履歴記憶部

Claims (10)

1. 複数の駆動軸を有する工作機械を制御する数値制御装置の設定に係るパラメータを管理するパラメータ管理装置において、
   当該数値制御装置の設定に係るパラメータの識別情報と前記パラメータのデータとを関連付けて記憶するパラメータ記憶部と、
   前記パラメータ記憶部に記憶されるデータの比較関係を記憶する比較関係記憶部と、
   前記比較関係記憶部に記憶された比較関係に基づき、前記パラメータ記憶部に記憶するパラメータから、比較関係を有するデータを抽出する比較パラメータ抽出部と、
   前記比較関係を有するデータを関連付けて表示部に表示させる表示処理部と、
   を有するパラメータ管理装置。
2. 前記比較関係記憶部は、前記複数の駆動軸に関するパラメータの識別情報を記憶しており、前記比較パラメータ抽出部は、前記識別情報に基づき前記複数の駆動軸に関するデータを抽出する、請求項１に記載のパラメータ管理装置。
3. 前記比較関係記憶部は、前記１つ又は複数の系統と当該系統に属する前記駆動軸とを関連付けて記憶しており、前記比較パラメータ抽出部は、前記系統に属する駆動軸に関するデータを抽出する、請求項２に記載のパラメータ管理装置。
4. 前記比較関係記憶部は、当該数値制御装置の機能と前記機能により駆動される駆動軸とを関連付けて記憶し、前記比較パラメータ抽出部は、前記機能により駆動される駆動軸に関するデータを抽出する、請求項２記載のパラメータ管理装置。
5. 前記比較関係を有するデータを比較するパラメータ比較部を有し、前記表示処理部は、前記パラメータ比較部が比較した結果異なるデータを表示部に表示させる、請求項１に記載のパラメータ管理装置。
6. 前記パラメータ記憶部は、過去に設定したパラメータを記憶しており、前記パラメータ比較部は、過去に設定したパラメータと現時点のパラメータとを比較し、前記表示処理部は、前記パラメータ比較部が比較した結果、異なるデータを表示部に表示させる請求項５に記載のパラメータ管理装置。
7. 前記表示部が表示するデータに対する変更操作を受け付ける入力処理部と、前記変更操作に応じて前記パラメータ記憶部に記憶するデータを更新するパラメータ更新部と、を有する請求項１に記載のパラメータ管理装置。
8. 前記入力処理部は、駆動軸の追加操作を受け付け、前記パラメータ更新部は、前記追加操作に応じて前記駆動軸に関するデータを前記パラメータ記憶部に新規に記憶させる請求項７記載のパラメータ管理装置。
9. 前記比較関係を有するパラメータの単位が異なる場合、パラメータの単位を換算する単位換算部を有する、請求項１に記載のパラメータ管理装置。
10. 複数の駆動軸を有する工作機械を制御する１つ又は複数の数値制御装置の設定に係るパラメータ管理システムであって、
    前記数値制御装置の設定に係るパラメータの識別情報と前記パラメータのデータとを関連付けて記憶するパラメータ記憶部と、
    前記パラメータ記憶部に記憶されるデータの比較関係を記憶する比較関係記憶部と、
    前記比較関係記憶部に記憶された比較関係に基づき、前記パラメータ記憶部に記憶するパラメータから、比較関係を有するデータを抽出する比較パラメータ抽出部と、
    前記比較関係を有するデータを関連付けて表示部に表示させる表示処理部と、
    を有するパラメータ管理システム。

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