第1の発明は、冷蔵庫本体と、前記冷蔵庫本体に設けた冷蔵室およびこの冷蔵室に供給する冷気を生成する冷却室と、前記冷却室からの冷気を前記冷蔵室へと案内する冷蔵室ダクトと、前記冷蔵室内に設けた低温貯蔵室とを備え、前記低温貯蔵室は少なくとも二室設けるとともに、その各低温貯蔵室は内部に収納した食材をそれぞれ異なる温度で冷却保存可能な構成としてある。
これにより、新温度帯で低温保存したい多様な食材をそれぞれに適した温度もしくはその適温により近い温度で冷却保存可能となり、使い勝手が大きく向上する。
第2の発明は、第1の発明において、前記少なくとも二室の低温貯蔵室は冷蔵室ダクトから供給する冷気の量を可変することによりその冷却温度を異ならせる構成としてある。
これにより、ダンパを利用して簡単にそれぞれの低温貯蔵室の冷却温度を変えることができ、安価に提供することができる。
第3の発明は、第1または第2発明において、前記少なくとも二室の低温貯蔵室のうちの少なくとも一方はその天井面から冷気を分散供給する構成とするとともに、他方の低温貯蔵室は背面から冷気を供給する構成としてある。
これにより、天井面から冷気を分散供給する低温貯蔵室はその低温貯蔵室全体に渡って効率よく冷気を供給できるので、背面から冷気を供給する低温貯蔵室に比べその容積を大きくすることができるとともに、背面から冷気を供給する低温貯蔵室は少ない冷気供給量となって若干高めの低温貯蔵室とすることもでき、食品の多様化に効率よく対応することができる。
第4の発明は、第1〜第3の発明において、前記少なくとも二室の低温貯蔵室のうちの少なくとも下方に位置する低温貯蔵室は低め温度の低温貯蔵室とするとともに、上方に位置する低温貯蔵室は前記低め温度の低温貯蔵室よりも若干高めの温度の低温貯蔵室とした構成としてある。
これにより、低温貯蔵室を上下に重ねて設けた場合に懸念される低め温度側の低温貯蔵室から高め温度側の低温貯蔵室への冷輻射の影響を低減することができ、それぞれの低温貯蔵室の温度をそれぞれの設定温度に維持しやすくなり、多様な食材をより最適な状態で冷却保存することができるようになる。すなわち、上方に低めの低温貯蔵室を設けると、冷気の沈降作用によって当該低温貯蔵室の底部温度がより低くなって下方の低温貯蔵室に対する冷輻射が強烈なものとなるが、そのようなことがなくなり、良好な冷却保存が可能となる。
第5の発明は、第4の発明において、前記低め温度側の低温貯蔵室の天井面を断熱構成としてその断熱構成部分に冷気を分散供給する冷気吹出し口を設けた構成としてある。
これにより、低め温度側の低温貯蔵室はその全体に冷気を効率よく行き渡らせることができるようになって低め温度に設定して内部に収納した食材を均等にかつ良好に低め温度に冷却保存することができるとともに、その上方に位置することになる高め温度側の低温貯蔵室への冷輻射を天井面の断熱構成によって抑制することができ、高め温度側の低温貯蔵室に収納した食材も良好に冷却保存することができる。
第6の発明は、第4または第5の発明において、前記少なくとも二室の低温貯蔵室のうちの少なくとも上方に位置する高め温度側の低温貯蔵室はその底面にヒータを敷設した構成としてある。
これにより、低め温度側の低温貯蔵室からの冷輻射によって上方に位置する高め温度側の低温貯蔵室の温度が設定温度より低くなりすぎるような場合には、ヒータを発熱させて設定温度に維持することができ、高め温度側の低温貯蔵室に収納した食材を冷やしすぎることなく良好に冷却保存することができる。
第7の発明は、第1〜第6の発明において、少なくとも二室の低温貯蔵室は内部に容器を備え、前記各容器の後端面と前記各低温貯蔵室の背面壁との間に冷蔵室および前記各低温貯蔵室の冷気を前記冷却室に戻す冷気戻り通路部を設けた構成としてある。
これにより、冷蔵室および各低温貯蔵室の冷気は当該各低温貯蔵室を利用してその背部に設けた冷気戻り通路部を介して冷却室に戻すことができ、別途冷気ダクトを設ける必要がなくなってその分冷蔵室容積を増加させて多くの食材を冷蔵保存できるようになる。
第8の発明は、第1〜第7の発明において、前記少なくとも二室の低温貯蔵室のうちの下方に位置する低温貯蔵室は、その左右いずれか一方側の側部に製氷用貯水タンクを設置する構成とするとともに、前記低温貯蔵室の前扉は前記製氷用貯水タンクの前面部と一体感を持つデザインとした構成としてある。
これにより、低温貯蔵室前面部の意匠性が高まり、冷蔵室の扉を開けた際の見栄えが向上して冷蔵庫の品位を向上させることができる。これは上方に位置する低温貯蔵室の前扉のデザインも統一デザインとしておくことによって更にその意匠性を高めることができ、効果的である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1〜図16は冷蔵庫の全体及び各部構成を説明する図、図17〜図30は冷蔵室に付設した照明装置を説明する図である。
(1.冷蔵庫の全体構成)
まず図1〜図4を用いて冷蔵庫の全体構成を説明する。
図1〜図4において、本実施の形態に係る冷蔵庫は、前方を開口した冷蔵庫本体1を備え、この冷蔵庫本体1は金属製の外箱2と、硬質樹脂製の内箱3と、前記外箱2および内箱3の間に発泡充填された発泡断熱材4とで構成してあり、仕切板5、6等によって複数の貯蔵室が仕切形成してある。
また、前記冷蔵庫本体1の各貯蔵室は冷蔵庫本体1と同様の断熱構成を採用した回動式の扉7或いは引出し式の扉8、9、10、11で開閉自在としてある。
冷蔵庫本体1内に形成した貯蔵室は、最上部の冷蔵室14と、冷蔵室14の下に設けた温度帯切り替え可能な切替室15及びその横に設けた製氷室16と、切替室15及び製氷室16と最下部の野菜室17との間に設けた冷凍室18で構成している。
また、冷蔵庫本体1の冷凍室18背面には冷却室23が設けてあり、この冷却室23には冷気を生成する冷却器24と、冷気を前記各室に供給する冷却ファン25とが設置してある。そして更に冷却器24の下方にはガラス管ヒータ等で構成した除霜手段26(以下、ガラス管ヒータと称す)が設けてある。
冷却器24は、圧縮機27と、コンデンサ(図示せず)と、放熱用の放熱パイプ(図示せず)と、キャピラリーチューブ(図示せず)とを環状に接続して冷凍サイクルを構成しており、圧縮機27によって圧縮された冷媒の循環によって冷却を行う。
また、冷却ファン25は冷却器24の上方に設けてあり、その下流側に連なる冷蔵室ダクト28、冷凍室ダクト29、野菜室ダクト30を介して冷蔵室14、冷凍室18、野菜室17等に冷気を供給し、これら各室を冷却するようになっている。
(2.冷却室構成)
図3〜図6を用いて冷却室構成について説明する。
冷却室23は冷凍室18の背面にあって図6に示すように冷却室形成板31を利用して冷却器24上方に冷却ファン25が設けてある。また、冷却室形成板31の前面側には冷凍室背面板32を装着し、この冷凍室背面板32で冷却ファン25の下流側を覆って冷却室23との間に冷却ファン下流側と連通する冷凍室ダクト29を形成している。
そして、上記冷却ファン25の下流側には更に図4、図5に示すように冷蔵室14の冷蔵室ダクト28と、野菜室17の野菜室ダクト30が、それぞれ異なる位置で別個に独立した形で接続してある。これにより、冷却器24で生成した冷気を冷却ファン25によって前記第1冷気供給口33と第2冷気供給口34に別個に独立した形で供給し、冷蔵室ダクト28と野菜室ダクト30へと供給する。
(3.冷蔵室構成)
次に図3と図8〜図16を用いて冷蔵室とその冷却構成を説明する。
冷蔵室14は、冷蔵庫本体1の最上部に位置していて、図3、図11に示すように透光性の材料で形成した複数の棚板20を着脱自在に設けて冷蔵室内空間を上下複数の空間に仕切るとともに、下部に二つの低温貯蔵室21、22が上下二段に重ねて設けてある。
冷蔵室14の背面には前記した冷蔵室ダクト28が設けてある。この冷蔵室ダクト28は図10に示すように発泡スチロールからなるダクト部材28aの冷蔵室側表面を樹脂製のダクトカバー28bで覆って構成してあり、冷蔵室14と冷凍室18との間を仕切る仕切板5の第1冷気供給口33を覆う如く冷蔵室背面に装着して冷却室23と連通させてある。
上記第1冷気供給口33には冷蔵室ダンパ37が組み込んであり、この冷蔵室ダンパ37の開閉によって冷却室23から冷蔵室14への冷気の供給量を制御するようになっている。
また、上記冷蔵室ダンパ37は、冷蔵室14への冷気供給量を制御する冷蔵室用ダンパ部39に加え冷蔵室14下部に設けた一方の低温貯蔵室21の冷気供給量を制御する低温室用ダンパ部40を有する二連式ダンパとなっており、冷蔵ダンパ駆動用モータユニット41内の冷蔵及び低温室用の兼用されたモータ(図示せず)によって駆動する構成となっている。
(4.冷蔵室の低温貯蔵室構成)
次に図8〜図16を用いて冷蔵室14内に設けた低温貯蔵室とその冷却構成を説明する。
低温貯蔵室21、22はその冷却温度帯がそれぞれに異なるものとしてある。例えば、低温貯蔵室21、22のうち、下方に設けた低温貯蔵室21は、この例では微凍結保存に適した−2〜3℃の低め温度に冷却可能な構成としてある(以下、この低め温度に冷却可能な低温貯蔵室21をパーシャルフリーザ室(以降パーシャル室と略称する)と称す)。また、上方の低温貯蔵室22は、冷蔵室14よりも低いがパーシャル室21よりは高い1℃前後の高め温度に冷却可能な構成としてある(以下、この高め温度に冷却可能な低温貯蔵室22をチルド室と称す)。
パーシャル室21は、図8に示すように冷蔵庫本体1の内箱内壁面と貯水タンク室形成板(図示せず)と前記チルド室22の底面ともなる天井板部材50とで貯水タンク室横に区画形成してあり、前面開口部分はパーシャル室扉51で開閉自在としてある。上記パーシャル室扉51は前記貯水タンク室65に設ける貯水タンク65の前面部と一体感を持つデザインとしてある。そして、上記パーシャル室21の内部には図11、図12に示す如くパーシャル室容器52が出し入れ自在に設けてある。
上記パーシャル室21を構成する天井板部材50には発泡スチロール等からなる断熱材53が組み込んであり、この断熱材53には多数の冷気吹出し口54aを有する低温室用冷気通路54が形成してある。そして、この低温室用冷気通路54は前記した冷蔵室ダクト28の低温室用ダンパ部40下流側の低温室用開口61に接続して冷蔵室ダクト28からパーシャル室21内に冷気を供給し冷却する構成としてある。これにより、パーシャル室21は低温室用ダンパ部40の開閉によってその冷却温度を制御することができる。
一方、チルド室22は、図8に示すように最下段の棚板となる天井板43とその下方に位置するパーシャル室21との間の冷蔵室横幅一杯に形成してあり、図11等に示すようにチルド室容器44が出し入れ自在に設けてある。そして、上記チルド室22の後方には冷蔵室ダクト28の冷蔵室用ダンパ部39下流側に連通する冷気入口22aが設けてあり、この冷気入口22aからチルド室専用に冷気を取り込んで冷却するようになっている。これにより、チルド室22は冷蔵室14よりも若干低い温度に冷却可能となる。
また、チルド室22はそのチルド室容器44の下部に温度調節用ヒータ49を敷設し、下方に位置するパーシャル室21からの冷輻射によりチルド室温度が設定温度より低くなると温度調節用ヒータ49に通電して設定温度に維持するように構成してある。
なお、上記温度調節用ヒータ49はチルド室22内の適所に設けたチルド室温度センサ(図示せず)によって制御する構成としてある。
また、上記チルド室22は、図13に示すように天井板43の後部にスリット状の冷気戻り口(チルド側)45を設けるとともに、チルド室容器44の後方部に前記冷気戻り口(チルド側)45を介して冷蔵室14とつながる冷気戻し通路部(チルド側)46が設けてある。更に、前記チルド室容器44の前端部には図11に示すようにチルド室扉兼把手部47の下方との間に冷蔵室14内とつながる開口部48を設けて、冷蔵室14内の冷気がチルド室容器44から溢れ出るチルド室冷却後の冷気とともにチルド室容器44外周の間隙(図示せず)を通って、前記冷気戻し通路部(チルド側)46へと流れるように構成してある。
一方、前記パーシャル室21は、図13及び図15、図16に示すように前記チルド室22と同様、その天井板部材50の後部にスリット状の冷気戻り口(パーシャル側)55を設けるとともに、パーシャル室容器52の後方に空間部を設けて冷気戻り通路部(パーシャル側)56が形成してあり、前記チルド室22後方の冷気戻り通路部(チルド側)46内の冷蔵室冷気とチルド室冷気が冷気戻り通路部(パーシャル側)56へと流れるようにしてある。
そして更に、上記パーシャル室21はその底面ともなる仕切板5の後部に冷気戻り通路部(パーシャル側)56と連通する冷気合流戻り口57を設け、この冷気合流戻り口57に冷蔵室戻りダクト58を接続して、前記冷蔵室14、チルド室22を冷却した冷気がパーシャル室容器52から溢れ出るパーシャル室冷却冷気と合流して冷却室23に戻るように構成してある。
すなわち、冷蔵室14、チルド室22、パーシャル室21の冷気を冷却室23に戻すためのダクト部を、前記チルド室22とパーシャル室21の後方空間を利用して形成した形としてある。
なお、上記冷気戻り口(チルド側)45と冷気戻り口(パーシャル側)55とは上下に対向する位置に設け、冷気戻り口(パーシャル側)55と冷気合流戻り口57は位置ずれした位置に設けてある。
また、上記冷気を冷却室23へと戻す冷蔵室戻りダクト58は、図4、図5の一点鎖線で示すように冷却室23の側部(横)に設置し、その下端側部を冷却室23の下部側面に開口させることにより冷却室23に戻すように構成してある。
更にまた、前記パーシャル室21には上記冷気戻り通路部(パーシャル側)56の冷気戻り口(パーシャル側)55と冷気合流戻り口57との間の部分に、図14に示すように冷蔵室14の温度を検出して冷蔵室用ダンパ部39を制御する冷蔵室温度センサ59が設けてある。そして、上記冷蔵室温度センサ59と冷蔵室ダクト28を挟んで反対側の対角部分にパーシャル室21の温度を検知して低温室用ダンパ部40を制御する低温貯蔵室用温度センサ60が設けてある。
なお、上記冷蔵室温度センサ59および低温貯蔵室用温度センサ60は、何れも冷蔵室戻りダクト58を構成するダクトカバー28bの一部に設けた装着部(図示せず)に取付けて一体化してある。
(5.冷蔵室の照明構成)
次に図17〜図30を用いて前記冷蔵室14の照明について説明する。
冷蔵室14は扉7を開けて内部に手を入れ、食材を出し入れする構成となっているため、扉7を開いたときの視認性を高めるため照明装置80が設けてある。この実施の形態では17、図18に示すように冷蔵室14の開口近傍の側壁に照明装置80が設けてある。
上記照明装置80は、図23(a)〜(c)に示すように導光板81とこの導光板81を照射する光源ユニット82とからなる。
導光板81は所定の長さを有する短冊状の細長い樹脂製平板で形成してあり、その少なくとも一端側の短辺の端面を受光面83とし、これと交差する長手方向の面を発光面84としている。導光板81を構成する樹脂は光透過性を有して受光面83から入射される光を発光面84に伝播可能な樹脂で構成してあり、例えば、スチレン系樹脂、スチレンと(メタ)アクリル化合物の共重合体からなる樹脂、(メタ)アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂などの樹脂で構成してある。
また、導光板81はその受光面83を鏡面加工してあり、受光面83と反対側の面85には入射光を効果的に受光面83側へと向かわせる微細な凹凸、若しくは入射光と交差する微細な凹凸条が形成してある。そして上記導光板81は光源ユニット82の後述する光源とほぼ同程度もしくは若干大きめの厚さとしてあり、この例では3mm〜10mm程度の厚さとしてある。
一方、光源ユニット82は、前記導光板81の受光面83を照射するLEDからなる光源86とリード線接続用のコネクタ87を直付けした光源用基板88とからなり、光源86が導光板81の受光面83と対向するようにその光源用基板88を導光板81の受光面83側の端面に対向させて配置してある。これによって、照明装置80は長細い導光板81の一端側に平板状の光源ユニット82が位置する形となって、全体として略L字状の形態をなし、導光板81部分は薄く光源ユニット80部分は厚い構成となっている。なお、光源86は導光板81の受光面83の横幅にもよるが、一個もしくは二個程度設けてある。
上記照明装置80は光源86と受光面83との間に微少な間隙、この例では0.5mm程度の間隙が形成されるように光源用基板88を導光板81の受光面83側に対向配置してあり、導光板81が熱膨張した際に光源86を圧迫してこれを損傷させるようなことを防止するようにしてある。
また、上記導光板81の光源86側端部には、前記光源86と受光面83との間の間隙外周部分を覆う遮光性の材料からなるカバー部材89が装着してあり、このカバー部材89によって前記光源86と受光面83との間の微少な間隙を覆っている。
さらに、上記導光板81の受光面83とは反対側の端面にはこれを覆う遮光性の補助カバー部材90を装着してある。この補助カバー部材90は受光面83から入射した光が端面から漏れないようにするものであるが、光源86からの光を導光板81内へと反射させことができる材料で形成若しくは反射処理をしておくのが好ましい。
上記のように構成した照明装置80は、図17、図18に示すように冷蔵室14の開口近傍の側壁に上下方向に埋設配置してあるが、これを設けるために設けた冷蔵室壁側の凹状部91は図19に示すように照明装置80の全体形状に沿う形、すなわち略L字状としてある。詳述すると導光板81と対向する部分は浅く、光源ユニット82と対向する部分は深い形状となっている。そして、この凹状部91の浅い部分に導光板81を位置させるとともに深い部分に光源ユニット82を位置させる形で組み込んである。
なお、上記冷蔵室側壁の凹状部91には図19に示すように凹状部91と同形状の凹状ケース92が装着してあり、照明装置80はこの凹状ケース92内に組み込んだのち、前記凹状ケース92の開口面に図20〜図22に示すように透光性の樹脂材料からなるカバー93を爪止め装着等して冷蔵室14の側壁に取付けてある。
そして、上記照明装置80は冷蔵室側壁に取付けた状態で前記導光板81の発光面84が冷蔵室14の奥のコーナ部方向を向くように設定し、これを覆うカバー93の表面も同様の方向に傾斜させてある。
(6.冷凍室構成)
次に図3、図6を用いて冷凍室構成を説明する。
冷凍室18は冷蔵室14の下方で、かつ冷却室23の前方にあって、内部に下段容器62aとその上方に載置した上段容器62bとからなる冷凍室容器62が扉11の引出し開閉によって出し入れ自在なるように設けてある。そして、既に述べた通り冷却室23との間に冷凍室背面板32を配置し、この冷凍室背面板32と冷却室形成板31との間に冷却室23の冷却ファン下流側と連通する冷凍室ダクト29を形成している。
冷凍室背面板32には上下複数段に亘って冷凍冷気吹出し口63が設けてあり、冷凍室18とともに製氷室16および切替室15に冷気を供給するようになっている。
また、上記冷凍室18はその冷凍室背面板32の下部に前記冷却室23の下部に連通する冷凍冷気戻り口64が設けてある。そして、この冷凍冷気戻り口64の冷凍室側にグリル67を装着し、冷却室側に冷凍室ダンパ68が設けてある。
上記冷凍室ダンパ68は、冷凍室18に供給される冷気を開閉制御するもので、耐熱性樹脂、例えばポリフェニレンサルファイド樹脂(PPS樹脂)で形成したダンパ枠体70に同様の耐熱性樹脂で形成した複数のフラップ71、この例では三つのフラップ71を設けて構成してある。そして、上記冷凍室ダンパ68は冷凍室18とは反対の冷却室23側に開くように冷凍ダンパ駆動用モータユニット(図示せず)によって駆動する構成としてある。
また、上記冷凍室ダンパ68はその下部がガラス管ヒータ26より上方に位置するように設け、除霜時にガラス管ヒータ26で熱せられた暖冷気が確実に触れるように設定してある。
(7.野菜室構成)
次に図3、図4と図5を用いて野菜室構成について説明する。
野菜室17は、図3に示すように冷凍室18下方の冷蔵庫本体1最下部に位置していて、冷凍室18と同様野菜室容器17aが扉10の引出し開閉によって出し入れ自在なるように設けてある。この野菜室17に冷気を供給する野菜室ダクト30は、図5に示すように冷却室23横の冷蔵室戻りダクト58後面に重合させて配置してあり、その上部は前記冷却室23に設けた第2冷気供給口34に接続してある。
この第2冷気供給口34は冷却室23の上方に位置する冷蔵室14と冷凍室18とを仕切る仕切板5より下方、即ち冷凍室18の背面投影面積内であって、前記冷却ファン25と略同じ高さ位置の冷却ファン下流側部分に設けてある。そして、この第2冷気供給口34に接続した野菜室ダクト30の下端は野菜室17の上部に開口していて、野菜室17に冷気を供給するようになっている。
上記野菜室ダクト30はその上端部の側部を開口させて第2冷気供給口34に突き合わせ接続してあり、この接続部近傍、具体的には冷却ファン25と略同じ高さ位置範囲に野菜室ダンパ75を組み込んである。
なお、野菜室17を冷却した後の冷気はその天井面に設けた野菜室戻りダクト(図示せず)を介して冷却室23に戻すようになっている。
以上のように構成した冷蔵庫について、以下、その動作と作用効果を説明する。
冷蔵庫は、冷蔵室14の温度が設定温度より高くなると、圧縮機27と冷却ファン25を駆動し、冷却器24で生成された冷気を、冷却ファン25の下流側に供給する。
冷却ファン25の下流側に供給された冷気は、冷蔵室ダクト28、野菜室ダクト30、冷凍室ダクト29を介して、冷蔵室14、野菜室17、冷凍室18に供給され、各室を冷却する。そして、前記各室への冷気供給は冷蔵室ダンパ37、冷蔵室ダンパ37、冷凍室ダンパ68の開閉によってそれぞれ制御され、冷蔵室14、野菜室17、冷凍室18をそれぞれの設定温度に冷却する。
ここで、上記冷蔵室14への冷気供給口となる第1冷気供給口33と野菜室17への冷気供給口となる第2冷気供給口34は、冷却室23に対し別個に独立して設けて、冷却室23から直接各ダクトへと冷気が独立して供給されるようにしてあるから、冷蔵室14よりも高温設定の野菜室17が設定温度に達してその野菜室ダンパ75が閉じても冷蔵室ダクト28へと供給される冷気量は変化せず、野菜室ダンパ75が開いているときと同じ量が供給されることになる。
したがって、冷蔵室14の冷却は野菜室17に冷気を供給しているときと同じレベルで行うことができ、野菜室ダンパ75の開閉に影響されることなく安定的に行うことができる。
また、上記野菜室ダクト30は冷却室23の冷却ファン下流側に直接接続して冷却室23の前方に位置する冷凍室18の背面投影面積範囲内で冷却室に接続した形としてあるから、野菜室ダクト30は冷却室23上方の冷蔵室14と冷凍室18との間を仕切る仕切板5部分を貫通経由することがなくなってその分だけダクト長さを短く、かつ、通路抵抗を少なくすることができる。
その結果、野菜室ダクト30や冷蔵室ダクト28等を介して循環させる冷蔵庫全体の冷気循環量を増加、すなわち、冷却ファン25によって循環させる冷蔵庫全体の冷気循環量を増加することができる。したがって冷気循環量が増加した分だけ冷却性能を向上させることができる。
次に、冷蔵室内の低温貯蔵室の冷却について説明する。
冷却室23から冷蔵室ダクト28に供給された冷気は冷蔵室ダンパ37に設けた低温室用ダンパ部40を経由して低温室用開口61からパーシャル室21に供給される。
パーシャル室21に供給された冷気は、天井板部材50に設けた断熱材53中の低温室用冷気通路54を介し多数の冷気吹出し口54aから吹出し、パーシャル室21内のほぼ全域に渡って冷気を分散供給する。
したがって、パーシャル室21全体を効率よく冷却でき、後述するチルド室22に比べその容積を大きくしても十分冷却でき、多くの食材を効率よく冷却保存することができる。
また、このパーシャル室21は低温貯蔵室用温度センサ60からの出力に基づき動作する低温室用ダンパ部40の開閉によって冷気供給量を制御し、その冷却温度を制御することができる。したがって、このパーシャル室21はより低めの温度から比較的高めの温度まで幅広い温度帯で冷却できる。したがって、多様な食材を最適温度で冷却保存することができる。
一方、チルド室22は冷蔵室ダクト28に供給された冷気が冷蔵室ダクト28の冷蔵室用ダンパ部39下流側に連通する冷気入口22aから供給され、冷却される。
このチルド室22に供給される冷気は冷蔵室用ダンパ部39を介して供給されるので、冷蔵室温度センサ59からの出力に基づき動作する冷蔵室用ダンパ部39の開閉によって制御され、冷蔵室14と同様に冷却が制御される。
この時、このチルド室22は冷蔵室14に比べかなり狭い空間であるため空間内に占める新鮮冷気の割合が高く、かつ、下方に位置するパーシャル室21からの冷輻射も加わることから、冷蔵室14より若干低めの温度に冷却されるように冷蔵室14とチルド室22への冷気配分が設計されている。
したがって、冷蔵室14よりも若干低めの温度で冷却したい食材を冷却保存することができる。
また、このチルド室22はその下方に位置するパーシャル室21の方の温度を低めの温度に設定した場合などにはパーシャル室21からの冷輻射が強くなってその温度が低下、すなわち冷えすぎ状態となることがある。
しかしながら、このような場合にはチルド室温度センサ(図示せず)からの出力に基づきチルド室下部に敷設した温度調節用ヒータ49が発熱しチルド室22を設定温度に維持する。すなわち、チルド室温度センサからの出力に基づきチルド室22底面の温度調節用ヒータ49をオン/オフさせることによって、このチルド室22の温度を精度よく制御することができる。
このチルド室22の温度制御は前記冷蔵室14やパーシャル室21と同様にダンパを設けて冷気供給を開閉することによって行うようにすることもできるが、この場合はダンパ設置スペースを必要として大型化し冷蔵室容積を減じてしまう。しかしながらこの実施の形態のようにヒータ方式とすればダンパを設けるためのスペースや通路構成を必要とせず簡単かつ冷蔵室容積を減じることなくチルド室温度の制御が可能となり、効果的である。
このように上記パーシャル室21およびチルド室22という複数の低温貯蔵室は単に設けたというだけではなく、それぞれの冷却温度を独立して制御可能な低温貯蔵室として設けてある。したがって、冷却温度が冷蔵室温度よりも低いもののそれぞれ微妙に異なる多様な食材を最適な状態で冷却保存することができ、使い勝手が向上する。
しかも、この冷蔵庫では前記したように野菜室17の冷却を制御すべくその野菜室ダンパ75を開閉しても冷蔵室14に供給される冷気量が変化せず一定の安定したものとなるので、高い制御精度を必要とするチルド室22やパーシャル室21の温度精度を要望通り高いものとすることができ、これによってパーシャル室21及びチルド室22各室での食材の保存品質を高めることができる。
なお、この実施の形態では低温貯蔵室としてチルド室22とパーシャル室21の二室としたものを例示したが、これはそれ以上設けてもよいものである。
次に上記冷蔵室14、チルド室22、パーシャル室21を冷却した後の冷気の冷却室23への戻り動作についても説明する。
冷蔵室14を冷却した冷気は、まずチルド室22天井面後方の冷気戻り口(チルド側)45およびチルド室扉兼把手部47下方の開口部48とチルド室容器44外周部の間隙を介してチルド室22後方の冷気戻り通路部(チルド側)46へと流れる。
チルド室22後方の冷気戻り通路部(チルド側)46へと流れた冷気は、パーシャル室21の天井板部材50に設けた冷気戻り口(パーシャル側)55よりパーシャル室21後方の冷気戻り通路部(パーシャル側)56へと流れる。
そして、パーシャル室21後方の冷気戻り通路部(パーシャル側)56へと流れた冷気は、パーシャル室21の底面となる仕切板5に設けた冷気合流戻り口57より冷蔵室ダクト28介して冷却室23へと戻る。
この時、チルド室22を冷却した冷気はチルド室容器44から溢れ出てチルド室22内の冷気戻り通路部(チルド側)46で前記冷蔵室14からの冷気と合流し、パーシャル室21の天井板部材50に設けた冷蔵冷気戻り口(パーシャル側)55よりパーシャル室21後方の冷気戻り通路部(パーシャル側)56を通り、冷気合流戻り口57より冷蔵室ダクト28介して冷却室23へと戻る。
また、パーシャル室21の冷気はパーシャル室容器52から溢れ出てパーシャル室21後方の冷気戻り通路部(パーシャル側)56へと流れ、前記冷蔵室14およびチルド室22からの冷気と合流して冷気合流戻り口57より冷蔵室ダクト28介して冷却室23へと戻る。
このようにこの冷蔵庫は、冷蔵室14内のチルド室22およびパーシャル室21の後方に設けた冷気戻り通路部(チルド側)46及び冷気戻り通路部(パーシャル側)56と冷気戻り口(チルド側)45および冷気戻り口(パーシャル側)55を介して冷蔵室14の冷気及びチルド室22とパーシャル室21の各冷気を冷却室23に戻すことができる。したがって、これら各室の冷気を冷却室23へと戻すダクト部を冷蔵室ダクト28に沿って冷蔵室14内に別途設ける必要がなくなる。よってその分冷蔵室14の内容積を増加させることができ、より多くの食材を冷却保存できるようになる。
また、上記冷蔵室14からチルド室22を経由して冷気合流戻り口57へと流れる冷気戻り通路部(パーシャル側)56内の冷気の主流は、冷気戻り口(パーシャル側)55と冷気合流戻り口57とを結ぶ線上となる。この冷気はチルド室冷気及びパーシャル室冷気を含むがその大部分は冷蔵室冷気であり、この冷蔵庫では上記主流冷気が流れる前記冷気戻り口(パーシャル側)55と冷気合流戻り口57との間に冷蔵室温度センサ59を設けているので、冷蔵室14の温度を正確に検出することができる。したがって、冷蔵室14の温度を精度良く設定温度に制御することができる。
また、パーシャル室21の低温貯蔵室用温度センサ60は前記パーシャル室21内の冷気戻り通路部(パーシャル側)56の冷気流れが主流となる冷気戻り口(パーシャル側)55と冷気合流戻り口57との線上以外の部分、この例では冷蔵室温度センサ59とは野菜室ダクト30を挟んで反対側の対角部分に設けてあるので、パーシャル室21の温度も正確に検出し、精度よく制御することができる。すなわち、上記冷蔵室温度センサ59と野菜室ダクト30を挟んで反対側の対角部分は冷蔵室冷気が少なくその大部分はパーシャル室21内の冷気であってこれが漂っている形となっているので、パーシャル室21内の温度も正確に検出でき、精度の高い温度制御ができるのである。
これは図示していないチルド室22用の温度センサも同様であり、この場合は冷気戻り通路部(チルド側)46の冷蔵室温度センサ59とは野菜室ダクト30を挟んで反対側の対角部分に設けておけば同様効果が得られ、チルド室22も精度の高い温度制御ができるようになる。
また、上記冷蔵室温度センサ59や低温貯蔵室用温度センサ60等のセンサ類は冷蔵室ダクト28のダクトカバー28bに取付けてあるから、ダクトカバー28bの冷蔵室内への装着によって所定位置に組み込むことができる。したがって、ダクトカバー28bと各センサとを別々に組み込む場合に比べその作業性は大幅に向上し、生産性を高めることができる。
さらに、前記冷蔵室14内での冷気戻り通路を構成する冷気戻り口(チルド側)45、冷気戻り口(パーシャル側)55と冷気合流戻り口57とは位置ずれさせて設けているので、冷気戻り口(チルド側)45或いは冷気戻り口(パーシャル側)55から冷気戻り口(チルド側)45を介して食材等の屑が落下するようなことがあっても、これが冷気合流戻り口57上に落ちてこれを詰まらせたり開口面積を減じたりするのを防止でき、長期間に亘って良好な冷気戻り性能を維持することができる。
以上のようにこの冷蔵庫は冷蔵温度帯近くであってそれよりも若干低い温度で低温保存したい多様な食材をそれぞれに適した温度もしくはその適温により近い温度で冷却保存可能となり、使い勝手が大きく向上するものである。
また、本実施の形態の冷蔵庫は次のような作用効果も有している。
すなわち、この冷蔵庫は、冷蔵室14に照明装置80を設けてあるが、この照明装置80は少ない光源で見栄えの良い照明が可能である。
詳述すると、この冷蔵室14の照明装置80は、導光板81の一端受光面83に光源86を対向させて配置しているので、光源86を点灯するとその光は導光板81の一端の受光面83より導光板81内に入射し、導光板81の発光面84が明るく発光する。そして、上記導光板81の発光はその発光面84全体が発光する形となるので光の切れ目がなくなる。したがって、少ない光源86で冷蔵室14内を照射することができ、かつ光の切れ目のない照明ができ、安価で意匠性の優れたものとすることができる。
特に、この実施の形態では上記導光板81は発光面84と対向する面に微細な凹凸若しくは凹凸条を形成しているので、受光面83から入射した光が効率よく発光面84へと向かい、発光面84の輝度が向上する。したがって、より明るい照明が可能となる。これは前記微細な凹凸若しくは凹凸条に代えて発光面84と対向する面に反射シートを設ける等してもよく、同様の効果が得られる。
また、上記照明装置80は照明装置を設けることによって生じる冷蔵室14の断熱性能低下を抑制でき、良好な断熱性能を確保することができる、という効果がある。
すなわち、一般的に冷蔵室内の照明装置は既述しているように複数の光源を照明用基板に列接して構成してあり、この基板を冷蔵室壁面に埋設して付設してあるが、このような照明装置は全長に亘って光源と照明用基板とがセットになっているため照明装置全体がある程度の厚みを持つ形となり、これを埋設した部分の壁厚が薄くなる。そして上記光源と照明用基板とのセット部分は、ある一定範囲の長さを有するため壁厚が薄くなる部分も長くなり、冷蔵室の断熱性能を低下させるということになる。
しかしながらこの実施の形態の照明装置80は、導光板81の短辺を受光面83とし、この導光板81の受光面83となる短辺のみに対向させて光源ユニット82の光源用基板88を配置してあるので、照明装置80の大部分を占める導光板81部分は光源用基板88が存在しない厚みの薄いものとなる。したがって、その分冷蔵室14の壁厚を厚くして良好な断熱性を確保することができる。すなわち、図19のTで示す分、冷蔵室14の壁厚を厚くして良好な断熱性を確保することができる。
また、上記導光板81端部の光源用基板88部分では冷蔵室14の壁厚が薄くなるが、この光源用基板88部分が照明装置80全体に占める割合は導光板81部分に比べ極めて少ないので冷蔵室14の断熱性に対する影響を微々たるものに抑制できる。
以上のようなことから、この冷蔵庫では冷蔵室14の壁厚を厚くしてその断熱性を高めることができ、省エネ性の高い冷蔵庫とすることができる。
また、上記壁厚を厚くしているので、冷蔵室壁を構成する外箱2と内箱3との間に充填する発泡断熱材4の流れを良くすることができる。すなわち、冷蔵室壁を構成する外箱2と内箱3との間に発泡ウレタン等の発泡断熱材4を充填する際、導光板81部分は壁厚間隔が広いので材料の流動性が良く、また、光源用基板88部分では壁厚間隔が狭いので流れが悪くなるもののこのように間隔の狭くなる部分はわずかな部分であるので、全体として発泡断熱材4の流動性は良好なものにすることができる。
したがって、照明装置80を設けた部分の壁部分の発泡断熱材4に発泡断熱材4が充填されない空間ができるようなことを防止でき、その充填密度を高めることができるので、断熱性をさらに良好なものとすることができる。
また、この実施の形態では上記光源ユニット82の光源用基板88にはコネクタ87を設けているので、光源用基板88の最大長はコネクタ87を設けた分だけ大きくなって冷蔵室14の壁厚が薄くなる。しかしながら、上記光源用基板88を含む光源ユニット82が照明装置80全体に占める割合は既述の通り導光板81部分に比べはるかに少ないので、冷蔵室14の断熱性に対する影響を微々たるものに抑制できる。そしてこのような影響を抑制しつつ光源ユニット82に対するリード線接続の容易化を図り、かつ、リード線を光源用基板88に直接半田付けした場合に懸念される半田付け部分での断線等を防止することができ、省エネ性の確保とともに品質の安定化も図ることができる。
また、上記光源ユニット82の光源86と導光板81の受光面83との間は遮光性のカバー部材89で覆っているので、光源86を導光板81の受光面83から若干離して設置することができる。これにより、導光板81が熱膨張を起こしてもこの熱膨張により導光板81が光源86を圧迫しこれを損傷させてしまう等の事を防止できる。そして、このような構成としていても、上記光源86と導光板81の受光面83との間から光が漏れる、換言すると導光板端部付近が明るくなりすぎるのを防止できる。つまり、光源86の損傷防止と光漏洩防止を両立でき、信頼性を向上すると同時に見栄えも向上させることができる。
加えて、上記照明装置80の導光板81は光源86とは反対側の端部にもカバー部材89で覆っているので、この端部からの光漏れも防止でき、見栄えを向上させることができる。そして、上記カバー部材89を、光源86からの光を光源側に向けて反射させることができるようにしておけば、導光板81端部からの光漏れを防止すると同時に導光板81の発光をより明るいものとすることができ、良好な照明が可能となる。
なお、この導光板81の端部側にも光源86を設けるようにしてもよく、これによって導光板81の発光をより明るくすることができ、一段と高いレベルでの照明が可能となる。
一方、冷蔵室14は複数の透光性の棚板20を有しているが、照明装置80は前記棚板20の前端より前方の冷蔵室壁面に設けてあるので、各棚板20間の空間には各棚板20の前端から照明装置80の光が差し込むようになる。したがって、照明装80から遠く離れた部分の棚板上の食材も明るく照射することが可能となって冷蔵室14内の視認性を上げることができる。
また、上記照明装置80の導光板81は冷蔵室14の奥方向に向かって光を照射するようにその発光面84の向きを設定し配置してあるので、冷蔵室14の奥まで明るく照射することができ、冷蔵室14内の視認性を上げることができる。
更にまた、前記照明装置80は冷蔵室14の壁面に付設するに際し、その光源ユニット82部分は冷蔵室14上部、すなわち、光源ユニット82が導光板81の上部に位置するように配置してある。これにより、光源86の点灯によって光源ユニット82部分が温度上昇しても、当該光源ユニット82部分が位置する冷蔵室14の上部は比較的温度が高くなっている部位であるので冷蔵室14の冷却に対する影響は軽減でき、その分省エネ性を高めることができる。加えて、光源ユニット32を導光板81の下部に設けていると、導光板81に結露等によって生じた水滴が流下して光源86等の充電部にかるようなことが懸念されるが、庫のようなこともなくなり、安全性も高いものとすることができる。
なお、図17、図18では上記照明装置80は、冷蔵室14の側壁に設けたものを例示したが、これは図24〜図28に示すように冷蔵室14内の冷蔵室ダクト28の両側面部に上下方向に付設してもよく、或いは図29、図30に示すように冷蔵室14の天面に左右方向に設けてもよく、或いは更にはこれらの組み合わせ形態としてもよいものである。
ここで、上記冷蔵室ダクト28の両側面部に照明装置80を付設したものを、図24〜図28を用いて説明する。
図24〜図28において、照明装置80そのものの構成は前記した照明装置80と同じであるが、この照明装置80はその導光板81が冷蔵室ダクト28の両側面にこれに沿って位置するように上下方向に配置してある。この時、導光板81は冷蔵室ダクト28の両側壁に設けた冷気吹吐出口28cを塞がない位置に配置してある。この例では冷気吐出口28cが導光板81より後方に位置するようにしてあるが、前方に位置するようにしていてもよい。
なお、照明装置80の配置に当って、光源ユニット82の導光板81はその発光面83が斜め前方を向くように配置する以外は前記冷蔵室14の側壁に設ける場合と同じ構成としてあり、同一図番を附記して説明は省略する。
このように、照明装置80を冷蔵室ダクト28の両側面に設けることによって暗くなりがちな冷蔵室14の奥部分を効果的に明るくすることができ、効果的である。
また、この冷蔵庫では更に次のような効果も併せ持っている。
すなわち、この冷蔵庫の野菜室17に設けた野菜室ダンパ75は既述の通り冷却室23の冷却ファン25とオーバ―ラップする高さ位置に設けてあるから、前記した冷却性能向上効果を生かしつつ動作不良を防止して冷蔵庫の信頼性を確保することができる。
詳述すると、野菜室17は比較的高い温度に設定され湿度も高い状態となっているため、野菜室ダンパ75が閉じて冷気循環が停止している時、この湿度の高い暖冷気が野菜室17内から野菜室ダクト30内へと逆流する場合がある。この湿度の高い暖冷気が野菜室ダンパ75に触れると湿気が結露し、この結露した結露水が野菜室17の冷却再開時、野菜室17へと供給される冷気によって氷結し野菜室ダンパ75が開閉不良となる場合がある。
しかしながら、この冷蔵庫では野菜室ダンパ75を冷却ファン25とオーバ―ラップする高さ位置に設けてあるあるから、その分野菜室17から野菜室ダンパ75までの距離を取って冷却器24の高さ寸法分だけ上方へと離すことができ、冷気循環停止時に野菜室17内の湿度の高い暖冷気が野菜室ダクト30内に上昇して野菜室ダンパ75に達しこれが結露するのを抑制することができる。
したがって、野菜室17への冷気循環再開時に野菜室ダンパ75が氷結して動作不良を起こすのを防止でき、信頼性を確保することができる。
また、この冷蔵庫の冷凍室18は冷凍室ダンパ68が設けてあるが、この冷凍室ダンパ68は冷凍室18の冷凍冷気吹出し口63側ではなく冷凍室下部の冷凍冷気戻り口64側に設けてあるので、構成の簡素化を図りつつ安定したダンパ動作を得ることができ、冷凍室18の温度制御精度を向上させ信頼性を高めることができる。
すなわち、冷凍室18は冷却室23の前面に隣り合わせに設けられていて、その上部に設けた冷凍冷気吹出し口63が冷却室23の冷却ファン下流側と連通している。そのため、冷却器24の除霜運転時、除霜した後の高湿の暖冷気がそのドラフトで冷却室23を上昇して冷凍冷気吹出し口63まで達する。したがって、この冷凍冷気吹出し口63側に冷凍室ダンパ68を設けていると、前記高温高湿の暖冷気が冷凍室ダンパ68に触れて結露し、除霜運転終了後の冷却運転再開時に結氷して動作不良を起こす恐れがある。そのため、この結氷を防止するために冷凍室ダンパ68に結氷防止専用のヒータを設けなくてはならなく構成が複雑化する。
しかしながら、この実施の形態のように、冷凍室ダンパ68を冷却室下部の冷凍冷気戻り口64に設けておけば、除霜時に発生する高湿の暖冷気はその大部分がドラフトで冷凍冷気戻り口64より上方で発生する形となってそのまま上昇するので、冷凍室ダンパ68に触れる暖冷気はごく少量かつ湿度も少ないものとなってそれが結露して生じる結氷も軽微なものとなる。しかもこの結氷は除霜のためのガラス管ヒータ26による余熱で防止することができる。したがって、冷凍室ダンパ68の動作は安定したものとすることができ、しかも除霜用のガラス管ヒータ26を利用しているので除霜専用のヒータ等を必要とせず構成も簡素なものとすることができる。つまり、温度制御精度を向上させると同時に信頼性を向上させることができるのである。
また、上記冷凍室ダンパ68は複数のフラップ71の組み合わせで構成しているので、各フラップ71が開いたときの前後幅寸法は一枚フラップで構成した場合に比べ大幅に小さくすることができる。したがって、冷凍室ダンパ68自体をコンパクト化できると同時に、これを設けるスペースも大幅に縮小して、その分冷凍室18内の容積を増加させることができる。
加えて、上記冷凍室ダンパ68の各フラップ71は冷却室23側に向かって開くように設けてあるから、この点からも冷凍室18内の容積を増加させることができる。すなわち、前記各フラップ71を冷凍室18側に向かって開くようにすると、前記各フラップ71が冷凍室18側に突出する形となってその分冷凍室容器62を前方に位置させなければならなくなり、冷凍室容器62の容積、つまり冷凍室18の容積が少なくせざるを得なくなるが、この実施の形態のようにすればこのようなことは解消でき、冷凍室容積を増加させることができるのである。
以上、本発明に係る冷蔵庫について、上記実施の形態を用いて説明したが、本発明は、これに限定されるものではない。すなわち、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。つまり、本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明は、上記目的を達成するため、冷蔵室と、前記冷蔵室の下部に設けられている第1の貯蔵室と、前記冷蔵室において前記第1の貯蔵室の上部に設けられている第2の貯蔵室とを備え、前記第1の貯蔵室の天井面に、冷気が流れる冷気通路と、前記冷気通路を流れる冷気が前記第1の貯蔵室に供給される吹き出し口とが設けられ、前記第2の貯蔵室の背面に、前記第2の貯蔵室に冷気が供給される冷気入口が設けられ、前記第1の貯蔵室の背面に冷気入口が設けられず、前記第2の貯蔵室の天井面に冷気吹き出し口が設けられていないことを特徴とする。