JP2021008367A - セラミック基板、積層体およびsawデバイス - Google Patents

セラミック基板、積層体およびsawデバイス Download PDF

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Abstract

【課題】SAWデバイスの製造プロセスにおける圧電体基板の欠けの発生を抑制することが可能なセラミック基板、当該セラミック基板を含む積層体およびSAWデバイスを提供する。【解決手段】セラミック基板10は、多結晶セラミックから構成され、他の基板20を支持するための支持主面11を有するセラミック基板である。セラミック基板10は、支持主面11において、多結晶セラミックの結晶粒径の平均値が40μm以上500μm未満であり、標準偏差が上記平均値の1.5倍未満である。【選択図】図1

Description

本発明はセラミック基板、積層体およびSAWデバイスに関するものである。
携帯電話機などの通信機器の内部には、電気信号に含まれるノイズを除去する目的で、SAWデバイス(Surface Acoustic Wave Device;表面弾性波素子)が配置される。SAWデバイスは、入力された電気信号のうち、所望の周波数の電気信号のみを取り出す機能を有する。SAWデバイスは、圧電体基板上に電極が形成された構造を有する。そして、使用時の放熱を目的として、圧電体基板は放熱性の高い材料からなるベース基板上に配置される。
ベース基板としては、たとえば単結晶サファイアからなる基板を採用することができる。しかし、単結晶サファイアからなる基板をベース基板として採用すると、SAWデバイスの製造コストが上昇するという問題がある。これに対し、ベース基板として多結晶スピネルからなるセラミック基板を採用し、圧電体基板と表面粗さRa(算術平均粗さ)を低減したセラミック基板とをファンデルワールス力により結合させた構造を有するSAWデバイスが提案されている。これにより、SAWデバイスの製造コストを抑制することができる(たとえば、特許文献1参照)。
特開2011−66818号公報
しかしながら、本発明者らの検討によれば、上記特許文献1に記載の技術では、SAWデバイスの製造プロセスのチップ化工程において問題が生じる場合がある。具体的には、SAWデバイスの製造プロセスでは、セラミック基板と圧電体基板とがファンデルワールス力により結合した積層体の圧電体基板上に電極が形成された後、積層体が厚さ方向に切断され、複数のチップに分離される工程(チップ化工程)が実施される。このとき、圧電体基板に欠けが生じる場合がある。このような欠けの発生は、SAWデバイスの製造における歩留りを悪化させる原因となる。
そこで、SAWデバイスの製造プロセスにおける圧電体基板の欠けの発生を抑制することが可能なセラミック基板、当該セラミック基板を含む積層体およびSAWデバイスを提供することを目的の1つとする。
本発明に従ったセラミック基板は、多結晶セラミックから構成され、他の基板を支持するための支持主面を有するセラミック基板である。支持主面において、多結晶セラミックの結晶粒径の、平均値が40μm以上500μm未満であり、標準偏差が上記平均値の1.5倍未満である。
上記セラミック基板によれば、SAWデバイスの製造プロセスにおける圧電体基板の欠けの発生を抑制することが可能なセラミック基板を提供することができる。
セラミック基板および圧電体基板を含む積層体の構造を示す概略断面図である。 セラミック基板の支持主面を示す概略平面図である。 セラミック基板、積層体およびSAWデバイスの製造方法の概略を示すフローチャートである。 積層体およびSAWデバイスの製造方法を説明するための概略断面図である。 積層体およびSAWデバイスの製造方法を説明するための概略断面図である。 積層体およびSAWデバイスの製造方法を説明するための概略断面図である。 積層体およびSAWデバイスの製造方法を説明するための概略図である。 SAWデバイスの構造を示す概略図である。
[本願発明の実施形態の説明]
最初に本願発明の実施態様を列記して説明する。本願のセラミック基板は、多結晶セラミックから構成され、他の基板を支持するための支持主面を有するセラミック基板である。このセラミック基板は、支持主面において、多結晶セラミックの結晶粒径の、平均値が40μm以上500μm未満であり、標準偏差が上記平均値の1.5倍未満である。
本発明者らの検討によれば、SAWデバイスの製造プロセスのチップ化工程における圧電体基板の欠けは、積層体の切断時におけるセラミック基板と圧電体基板との強度差に起因して発生する。そのため、セラミック基板の支持主面における結晶粒径の平均値を大きくすること、より具体的には40μm以上とすることにより、セラミック基板の強度を低下させ、欠けの発生を抑制することができる。しかし、結晶粒径の平均値を500μm以上にまで大きくすると、セラミック基板の表面における粒界段差が大きくなり、かえって欠けが発生しやすくなる傾向にある。そのため、支持主面における結晶粒径の平均値は、40μm以上500μm未満とする必要がある。さらに、本発明者らの検討によれば、支持主面における結晶粒径の平均値が40μm以上500μm未満であっても、SAWデバイスの製造プロセスにおいて圧電体基板の欠けが発生する場合がある。この原因についてさらに検討した結果、支持主面における結晶粒径の平均値が40μm以上500μm未満であっても、結晶粒径のばらつきが大きい場合、より具体的には、結晶粒径の標準偏差が平均値の1.5倍以上である場合、上記欠けが発生し易くなることが明らかとなった。したがって、SAWデバイスの製造プロセスにおける圧電体基板の欠けを有効に抑制するためには、支持主面における結晶粒径の平均値を40μm以上500μm未満とするだけでなく、結晶粒径の標準偏差を平均値の1.5倍未満とする必要がある。
本願のセラミック基板においては、支持主面における多結晶セラミックの結晶粒径の平均値が40μm以上500μm未満とされるとともに、結晶粒径の標準偏差が平均値の1.5倍未満とされている。その結果、本願のセラミック基板によれば、SAWデバイスの製造プロセスにおける圧電体基板の欠けの発生を抑制することが可能なセラミック基板を提供することができる。
上記セラミック基板において、上記支持主面における残留応力の値が−300MPa以上300MPa以下であってもよい。このように、支持主面における残留応力の絶対値を300MPa以下とすることにより、SAWデバイスの製造プロセスにおける圧電体基板の欠けの発生をより確実に抑制することができる。ここで、残留応力の値は、圧縮応力を負、引張応力を正の値で表す。残留応力の値は、たとえばX線回折装置を用いて測定することができる。
上記セラミック基板は、スピネル(MgAl)、アルミナ(Al)、マグネシア(MgO)、シリカ(SiO)、ムライト(3Al・2SiO)、コージェライト(2MgO・2Al・5SiO)、カルシア(CaO)、チタニア(TiO)、窒化珪素(Si)、窒化アルミニウム(AlN)および炭化珪素(SiC)からなる群から選択される1種以上の材料から構成されていてもよい。これらの材料は、本願のセラミック基板を構成する材料として好適である。
本願の積層体は、上記本願のセラミック基板と、上記支持主面に対して結合主面においてファンデルワールス力により結合され、圧電体からなる圧電体基板と、を備える。本願の積層体は、上記本願のセラミック基板を含む。そのため、本願の積層体によれば、SAWデバイスの製造プロセスにおける圧電体基板の欠けの発生を抑制することができる。
上記積層体において、圧電体基板は、タンタル酸リチウム(LiTaO)またはニオブ酸リチウム(LiNbO)からなっていてもよい。これらの材料は、本願の積層体における圧電体基板を構成する材料として好適である。
本願のSAWデバイスは、上記本願の積層体と、圧電体基板のセラミック基板とは反対側の主面上に形成される電極と、を備える。本願のSAWデバイスは、上記本願のセラミック基板を含む。そのため、本願のSAWデバイスによれば、SAWデバイスの製造プロセスにおける圧電体基板の欠けの発生を抑制することができる。
[本願発明の実施形態の詳細]
次に、本発明にかかるセラミック基板および積層体の一実施の形態を、以下に図面を参照しつつ説明する。なお、以下の図面において同一または相当する部分には同一の参照番号を付しその説明は繰返さない。
図1および図2を参照して、本実施の形態におけるセラミック基板10は、多結晶セラミックから構成され、他の基板である圧電体基板20を支持するための支持主面11を有する。すなわち、セラミック基板10は、多数の結晶粒10Aの集合体である。図2に示すように、支持主面11には、多数の結晶粒10Aが露出する。支持主面11において、結晶粒10Aの径(結晶粒径)の、平均値が40μm以上500μm未満であり、標準偏差が上記平均値の1.5倍未満である。ここで、各結晶粒10Aの結晶粒径は、たとえば以下のように決定することができる。まず、顕微鏡によって支持主面11を観察し、結晶粒10Aの面積を調査する。そして、当該面積に対応する円の直径を結晶粒径とする。結晶粒径の平均値は、たとえば顕微鏡によって支持主面11の複数の領域を観察し、当該領域内の結晶粒径の算術平均を算出することにより導出することができる。
図1を参照して、本実施の形態における積層体1は、セラミック基板10と圧電体基板20とを備える。圧電体基板20は、たとえば単結晶タンタル酸リチウム、単結晶ニオブ酸リチウムなどの単結晶の圧電体からなる。セラミック基板10は、スピネル、アルミナ、マグネシア、シリカ、ムライト、コージェライト、カルシアおよびチタニアからなる群から選択される一種以上、好ましくはいずれか1つの材料から構成される多結晶セラミックからなる。
圧電体基板20は、一方の主面である露出主面21と、露出主面21とは反対側の主面である結合主面22とを有する。圧電体基板20は、セラミック基板10の支持主面11に結合主面22において接触するように配置される。セラミック基板10と圧電体基板20とは、ファンデルワールス力により結合されている。
セラミック基板10においては、支持主面11における多結晶セラミックの結晶粒径の平均値が40μm以上500μm未満とされるとともに、結晶粒径の標準偏差が平均値の1.5倍未満とされている。そのため、セラミック基板10は、SAWデバイスの製造プロセスにおける圧電体基板20の欠けの発生を抑制することが可能なセラミック基板となっている。また、積層体1は、セラミック基板10を含む。そのため、積層体1は、SAWデバイスの製造プロセスにおける圧電体基板20の欠けの発生が抑制された積層体となっている。
セラミック基板10において、支持主面11における残留応力の値は−300MPa以上300MPa以下であることが好ましい。このように、支持主面11における残留応力の絶対値を300MPa以下とすることにより、SAWデバイスの製造プロセスにおける圧電体基板20の欠けの発生をより確実に抑制することができる。支持主面11における残留応力の値は−200MPa以上200MPa以下であることがより好ましく、−100MPa以上100MPa以下であることがさらに好ましい。
セラミック基板10の支持主面11において、結晶粒径の標準偏差は平均値の1倍未満であることがより好ましい。これにより、SAWデバイスの製造プロセスにおける圧電体基板20の欠けの発生をより確実に抑制することができる。
次に、本実施の形態におけるセラミック基板10、積層体1およびSAWデバイス100の製造方法を説明する。図3を参照して、本実施の形態のセラミック基板10、積層体1およびSAWデバイス100の製造方法では、まず工程(S10)として基板準備工程が実施される。この工程(S10)では、図4を参照してスピネル、アルミナ、マグネシア、シリカ、ムライト、コージェライト、カルシア、チタニア、窒化珪素、窒化アルミニウムおよび炭化珪素からなる群から選択される1種以上の材料から構成される多結晶セラミックからなるセラミック基板10が準備される。たとえば、上記群から選択されるいずれか1つの材料から構成される多結晶セラミックからなるセラミック基板10が準備される。具体的には、たとえば多結晶スピネルからなるセラミック基板10を準備する場合、マグネシア粉末とアルミナ粉末とを混合して原料粉末を準備し、成形することにより成形体を作製する。成形体は、たとえばプレス成形により予備成形を実施した後、CIP(Cold Isostatic Press)を実施することにより作製することができる。
次に、成形体に対して焼結処理を実施する。焼結処理は、たとえば真空焼結法、HIP(Hot Isostatic Press)などの方法により実施することができる。これにより、焼結体が得られる。その後、焼結体に対してスライス加工を実施することにより、所望の形状(厚み)を有するセラミック基板10が得られる(図4参照)。ここで、結晶粒10Aの大きさおよびそのばらつきは、焼結時の昇温速度、焼結温度および焼結における保持時間を調整することにより、所望の値の範囲に調整することができる。具体的には、昇温速度はたとえば0.1℃/分以上0.5以下℃/分以下とすることができる。焼結温度はたとえば1500℃以上2000℃以下とすることができる。焼結時の保持時間はたとえば10時間以上100時間以下とすることができる。このように、昇温速度を小さくし、焼結時間も長時間とすることにより、十分な粒成長が得られ、結晶粒径の平均値を40μm以上500μm未満にするとともに、結晶粒径の標準偏差を上記平均値の1.5倍未満とすることが容易となる。
次に、工程(S20)として粗研磨工程が実施される。この工程(S20)では、図4を参照して、工程(S10)において準備されたセラミック基板10の支持主面11に対して粗研磨処理が実施される。
次に、工程(S30)としてアニール工程が実施される。この工程(S30)では、セラミック基板10に対して、アニールが実施される。具体的には、たとえば工程(S20)において研磨が実施されたセラミック基板が1000℃以上1500℃以下の温度域に加熱され、2時間以上10時間以下の時間保持される。これにより、工程(S10)〜(S20)においてセラミック基板10に導入された残留応力が低下する。その結果、支持主面11における残留応力の値を−300MPa以上300MPa以下とすることが容易となる。
次に、工程(S40)として仕上研磨工程が実施される。この工程(S40)では、図4を参照して、工程(S30)においてアニールされたセラミック基板10の支持主面11に対して仕上研磨処理が実施される。これにより、本実施の形態のセラミック基板10が完成する。
次に、工程(S50)として貼り合わせ工程が実施される。この工程(S50)では、工程(S40)において仕上研磨が実施されたセラミック基板10と、別途準備された圧電体基板20とが貼り合わされる。具体的には、たとえばセラミック基板10および圧電体基板20が洗浄され、乾燥された後、チャンバ―内に挿入され、チャンバ―内が減圧される。そして、図4において矢印で示されるように、支持主面11および結合主面22に対して、たとえばAr(アルゴン)ビームが照射される。これにより、支持主面11および結合主面22が清浄な状態とされる。その後、圧電体基板20の結合主面22とセラミック基板10の支持主面11とが接触するように、セラミック基板10と圧電体基板20とが貼り合わされる。これにより、セラミック基板10と圧電体基板20とは、ファンデルワールス力により結合する。その結果、本実施の形態の積層体1が得られる。
引き続き、セラミック基板10を含む積層体1を用いたSAWデバイスの製造方法について説明する。図3を参照して、工程(S50)に続いて、工程(S60)として減厚工程が実施される。この工程(S60)では、図1および図5を参照して、工程(S50)において得られた積層体1の圧電体基板20の厚みを小さくする加工が実施される。具体的には、たとえば圧電体基板20の露出主面21に対して研削処理が実施される。これにより、圧電体基板20の厚みが、SAWデバイスに適した厚みにまで低減される。
次に、工程(S70)として電極形成工程が実施される。この工程(S70)では、図5〜図7を参照して、圧電体基板20の露出主面21に櫛歯型の電極が形成される。図6は、図7の線分VI−VIに沿う断面図である。具体的には、図6および図7を参照して、工程(S60)において適切な厚みに調整された圧電体基板20の露出主面21上に、Alなどの導電体からなる導電体膜が形成される。導電体膜の形成は、たとえばスパッタリングにより実施することができる。その後、導電体膜上にレジストが塗布されてレジスト膜が形成された後、露光および現像が実施されることにより、所望の入力側電極30および出力側電極40の形状に対応する領域以外の領域に開口が形成される。そして、開口が形成されたレジスト膜をマスクとして用いて、たとえばウェットエッチングを実施することにより、図6および図7に示すように入力側電極30と出力側電極40とからなる対が複数形成される。なお、図6および図7は、一対の入力側電極30および出力側電極40に対応する領域を表している。入力側電極30および出力側電極40における櫛歯型電極の電極間隔は、出力すべき信号の周波数に応じて適宜決定することができる。
次に、工程(S80)としてチップ化工程が実施される。この工程(S80)では、入力側電極30と出力側電極40とからなる対が複数形成された積層体1が厚さ方向に切断されることにより、1対の入力側電極30および出力側電極40を含む複数のチップに分離される。
その後、図7および図8を参照して、工程(S80)において作製されたチップに対して入力側配線51および出力側配線61が形成されることにより、本実施の形態におけるSAWデバイス100(SAWフィルタ)が完成する。
上記SAWデバイス100の製造プロセスにおいては、工程(S80)において積層体1が厚み方向に切断される。本実施の形態のSAWデバイス100の製造方法においては、セラミック基板10の支持主面11における多結晶セラミックの結晶粒径の平均値が40μm以上500μm未満とされるとともに、結晶粒径の標準偏差が平均値の1.5倍未満とされている。そのため、工程(S80)において圧電体基板20に欠けが発生することを抑制することができる。なお、支持主面11における残留応力の絶対値を一層低減する観点から、工程(S40)の後に再度アニール工程を追加してもよい。
図8を参照して、本実施の形態におけるSAWデバイス100は、ファンデルワールス力により結合されたセラミック基板10と圧電体基板20とを含む積層体1と、圧電体基板20の露出主面21上に接触するように形成された1対の櫛歯形状を有する電極である入力側電極30および出力側電極40と、入力側電極30に接続された入力側配線51と、出力側電極40に接続された出力側配線61とを備えている。
入力側電極30は、第1部分31と第2部分32とを含む。第1部分31は、直線状のベース部31Aと、ベース部31Aの延在方向に垂直な方向にベース部31Aから突出する直線状の複数の突出部31Bとを含む。第2部分32は、ベース部31Aと平行に延在する直線状のベース部32Aと、ベース部32Aの延在方向に垂直な方向にベース部32Aから突出し、隣り合う突出部31Bの間に進入する直線状の複数の突出部32Bとを含む。突出部31Bと突出部32Bとは、予め定められた一定の間隔をおいて配置される。
出力側電極40は、第1部分41と第2部分42とを含む。第1部分41は、直線状のベース部41Aと、ベース部41Aの延在方向に垂直な方向にベース部41Aから突出する直線状の複数の突出部41Bとを含む。第2部分42は、ベース部41Aと平行に延在する直線状のベース部42Aと、ベース部42Aの延在方向に垂直な方向にベース部42Aから突出し、隣り合う突出部41Bの間に進入する直線状の複数の突出部42Bとを含む。突出部41Bと突出部42Bとは、予め定められた一定の間隔をおいて配置される。
入力側配線51から入力側電極30に入力信号である交流電圧が印加されると、圧電効果により圧電体基板20の露出主面21(表面)に弾性表面波が生じ、出力側電極40側に伝達される。このとき、入力側電極30および出力側電極40は図1に示すように櫛歯形状を有しており、突出部31Bと突出部32Bとの間隔、および突出部41Bと突出部42Bとの間隔は一定である。したがって、入力側電極30から出力側電極40に向かう方向において、圧電体基板20の露出主面21のうち電極が形成された領域は所定の周期(電極周期)で存在する。そのため、入力信号により発生した弾性表面波は、その波長が電極周期に一致する場合に最も強く励振され、電極周期とのずれが大きいほど減衰する。その結果、電極周期に近い波長の信号のみが出力側電極40および出力側配線61を介して出力される。
ここで、上記動作において、圧電体基板20の温度が上昇する。本実施の形態のSAWデバイス100においては、圧電体基板20に、放熱性の高い材料からなるセラミック基板10が接触するように配置されている。そのため、SAWデバイス100は高い信頼性を有している。さらに、SAWデバイス100は、本実施の形態のセラミック基板10を含むため、製造プロセスにおける圧電体基板20の欠けが抑制される。その結果、SAWデバイス100は、高い歩留りを維持しつつ製造可能なSAWデバイス100となっている。
支持主面における結晶粒径の平均値および標準偏差、ならびに支持主面における残留応力の異なる14のセラミック基板(スピネル基板)のサンプル準備した(サンプルNo.1〜14)。これを用いて上記実施の形態の工程(S10)〜(S50)までを実施した後、積層体1を厚み方向に切断し、圧電体基板20における欠けの発生の状態を確認した。
なお、結晶粒径の測定は、Nikon社製顕微鏡ECLIPSE LV100を用い、研磨された支持主面を観察することにより行った。結晶粒径は、当該顕微鏡の内蔵ソフトウェアにより算出した。残留応力は、X線回折法による応力測定にて測定した。使用X線はCu−Kaラインフォーカス、励起条件は45kV 40mA、走査方法はsin2Ψ法(並傾法)、測定範囲は2θ=93°〜95.5°、ステップ幅は0.03゜、Ψ条件は13水準(+側6水準、零点1水準、−側6水準){0≦sin2Ψ≦0.5}、積算時間は1または3sec、測定面はMgAl(731)面とした。実験結果を表1に示す。
Figure 2021008367
表1において、圧電体基板20における欠けの発生について、欠けの発生が見られなかったものをA、僅かな欠けが見られたものをB、明確な欠けが見られたものをCと評価した。
表1を参照して、支持主面における結晶粒径の平均値が40μm以上500μm未満の範囲外であるサンプル1および14については、欠けの発生に関する評価がCとなっている。このことから、支持主面における結晶粒径の平均値は、40μm以上500μm未満とする必要があることが確認される。また、結晶粒径の平均値が40μm以上500μm未満の範囲内であっても、結晶粒径の平均値に対する結晶粒径の標準偏差の比(σ/μ)が1.5以上のサンプル(サンプル2、5、8、11)については、欠けの発生に関する評価がCとなっている。このことから、欠けの発生を抑制するためには、上記平均値の条件に加えて、結晶粒径の標準偏差を平均値の1.5倍未満とする必要があることが分かる。
さらに、上記平均値の条件および標準偏差の条件を満たす場合であっても、支持主面における残留応力の値が−300MPa以上300MPa以下の範囲外であるサンプル(サンプル3、6、9、12)については、欠けの発生に関する評価がBとなっているのに対し、−300MPa以上300MPa以下の範囲内であるサンプルについては、欠けの発生に関する評価がAとなっている。このことから、支持主面における残留応力の絶対値を300MPa以下とすることにより、SAWデバイスの製造プロセスにおける圧電体基板の欠けの発生をより確実に抑制できることが確認される。
今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって、どのような面からも制限的なものではないと理解されるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく、特許請求の範囲によって規定され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本願のセラミック基板、積層体およびSAWデバイスは、SAWデバイスの製造プロセスにおける圧電体基板の欠けの発生を抑制することが求められるセラミック基板、当該セラミック基板を含む積層体およびSAWデバイスに、特に有利に適用され得る。
1 積層体
10 セラミック基板
10A 結晶粒
11 支持主面
20 圧電体基板
21 露出主面
22 結合主面
30 入力側電極
31 第1部分
31A ベース部
31B 突出部
32 第2部分
32A ベース部
32B 突出部
40 出力側電極
41 第1部分
41A ベース部
41B 突出部
42 第2部分
42A ベース部
42B 突出部
51 入力側配線
61 出力側配線
100 SAWデバイス

Claims (6)

  1. 多結晶セラミックから構成され、他の基板を支持するための支持主面を有するセラミック基板であって、
    前記支持主面において、前記多結晶セラミックの結晶粒径の、
    平均値が40μm以上500μm未満であり、
    標準偏差が前記平均値の1.5倍未満である、セラミック基板。
  2. 前記支持主面における残留応力の値が−300MPa以上300MPa以下である、請求項1に記載のセラミック基板。
  3. スピネル、アルミナ、マグネシア、シリカ、ムライト、コージェライト、カルシア、チタニア、窒化珪素、窒化アルミニウムおよび炭化珪素からなる群から選択される1種以上の材料から構成される、請求項1または請求項2に記載のセラミック基板。
  4. 請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のセラミック基板と、
    前記支持主面に対して結合主面においてファンデルワールス力により結合され、圧電体からなる圧電体基板と、を備える、積層体。
  5. 前記圧電体基板は、タンタル酸リチウムまたはニオブ酸リチウムからなる、請求項4に記載の積層体。
  6. 請求項4または請求項5に記載の積層体と、
    前記圧電体基板の前記セラミック基板とは反対側の主面上に形成される電極と、を備える、SAWデバイス。
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