JP2018041888A - セラミック基板の研削方法および圧電素子の製造方法 - Google Patents

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Shigeru Nakayama
茂 中山
慶一郎 下司
Keiichiro Shimoji
慶一郎 下司
明徳 加原
Akinori Kahara
明徳 加原
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Abstract

【課題】多結晶セラミックからなるセラミック基板に大きなダメージを残すことなく効率よく研削を実施することが可能なセラミック基板の研削方法および当該研削方法を採用した圧電素子の製造方法を提供する。【解決手段】セラミック基板10の研削方法は、多結晶セラミックからなり、第1主面11と第2主面12とを有するセラミック基板10を準備する工程と、セラミック基板10の第2主面12を砥石99にて研削する工程と、を備える。第2主面12を研削する工程では、セラミック基板10を構成するセラミックの平均粒径をr1、砥石99を構成する砥粒の平均粒径をr2とした場合に、r1/r2の値が0.27以上10以下に設定される。【選択図】図8

Description

本発明はセラミック基板の研削方法および圧電素子の製造方法に関するものである。
携帯電話機などの通信機器の内部には、電気信号に含まれるノイズを除去する目的で、SAWデバイス(Surface Acoustic Wave Device;表面弾性波素子)が配置される。SAWデバイスは、入力された電気信号のうち、所望の周波数の電気信号のみを取り出す機能を有する。SAWデバイスは、圧電体基板上に櫛形の電極が形成された構造を有する圧電素子である。そして、使用時の放熱を目的として、圧電体基板は放熱性の高い材料からなるベース基板上に配置される。
ベース基板としては、たとえば単結晶サファイアからなる基板を採用することができる。しかし、単結晶サファイアからなる基板をベース基板として採用すると、SAWデバイスの製造コストが上昇するという問題がある。これに対し、ベース基板として多結晶セラミック、具体的には多結晶スピネルからなるセラミック基板を採用し、圧電体基板と表面粗さRa(算術平均粗さ)を低減したセラミック基板とをファンデルワールス力により結合させた構造を有するSAWデバイスが提案されている。これにより、SAWデバイスの製造コストを抑制することができる(たとえば、特許文献1参照)。
特開2015−48258号公報
上記セラミック基板は、素子の使用時における放熱を目的とするほか、素子の製造時における取り扱いを容易にするための支持基板としての機能も有する。より具体的には、たとえば素子の製造において、当初はセラミック基板の厚みを支持基板として十分な厚みを有するものとしておき、製造の最終段階においてセラミック基板の厚みを素子の使用時の放熱に十分な厚みにまで小さくする、という圧電素子の製造方法を採用することができる。セラミック基板の厚みを小さくする工程は、たとえばセラミック基板の圧電体基板とは反対側の主面を研削することにより実施することができる(バックグラインディング)。セラミック基板のバックグラインディングにおいては、セラミック基板に大きなダメージを残すことなく、効率よく研削を実施することが重要である。
そこで、多結晶セラミックからなるセラミック基板に大きなダメージを残すことなく効率よく研削を実施することが可能なセラミック基板の研削方法、および当該研削方法を採用した圧電素子の製造方法を提供することを目的の1つとする。
本発明に従ったセラミック基板の研削方法は、多結晶セラミックからなり、第1主面と第2主面とを有するセラミック基板を準備する工程と、セラミック基板の第2主面を砥石にて研削する工程と、を備える。第2主面を研削する工程では、セラミック基板を構成するセラミックの粒径をr、砥石を構成する砥粒の粒径をrとした場合に、r/rの値が0.27以上10以下に設定される。
上記セラミック基板の研削方法によれば、多結晶セラミックからなるセラミック基板に大きなダメージを残すことなく効率よく研削を実施することができる。
SAWデバイスの製造方法の概略を示すフローチャートである。 SAWデバイスの製造方法を説明するための概略断面図である。 SAWデバイスの製造方法を説明するための概略断面図である。 SAWデバイスの製造方法を説明するための概略断面図である。 SAWデバイスの製造方法を説明するための概略断面図である。 SAWデバイスの製造方法を説明するための概略斜視図である。 セラミック基板の研削方法を説明するための概略平面図である。 セラミック基板の研削方法を説明するための概略断面図である。 SAWデバイスの製造方法を説明するための概略断面図である。 SAWデバイスの構造を示す概略斜視図である。
[本願発明の実施形態の説明]
最初に本願発明の実施態様を列記して説明する。本願のセラミック基板の研削方法は、多結晶セラミックからなり、第1主面と第2主面とを有するセラミック基板を準備する工程と、セラミック基板の第2主面を砥石にて研削する工程と、を備える。第2主面を研削する工程では、セラミック基板を構成するセラミックの粒径をr、砥石を構成する砥粒の粒径をrとした場合に、r/rの値が0.27以上10以下に設定される。
本発明者らは、大きなダメージを残すことなく効率よく多結晶セラミックからなる基板を研削する方法について検討を行った。その結果、セラミック基板を構成するセラミックの粒径と砥石を構成する砥粒の粒径との比率を所定の範囲とすることにより、良好な研削が可能であることを見出した。具体的には、セラミック基板を構成するセラミックの粒径をr、砥石を構成する砥粒の粒径をrとした場合に、r/rの値を0.27以上10以下に設定することにより、多結晶セラミックからなるセラミック基板に大きなダメージを残すことなく効率よく研削を実施することができる。
本願のセラミック基板の研削方法では、セラミック基板の第2主面を研削する工程において、r/rの値が0.27以上10以下に設定される。その結果、本願のセラミック基板の研削方法によれば、多結晶セラミックからなるセラミック基板に大きなダメージを残すことなく効率よく研削を実施することができる。なお、セラミック基板を構成するセラミックの平均粒径は、たとえば基板を切断し、断面を光学顕微鏡または電子顕微鏡にて観察することにより測定することができる。粒径を測定しやすくする目的で、適切な腐食液が用いられてもよい。また、砥粒の平均粒径は、砥石の型番等から知ることができる。
上記セラミック基板の研削方法において、第2主面を研削する工程では、複数の砥石が円環状に並べて配置された状態で、20m/sec以上の周速で回転しつつ第2主面に接触することにより、第2主面が研削されてもよい。このようにすることにより、より確実にダメージの残存を抑制しつつ、効率よく研削を実施することができる。
上記セラミック基板の研削方法において、第1主面の粗さは、Sa(算術平均粗さ)で0.01nm以上3.0nm以下であってもよい。本願のセラミック基板の研削方法は、このように平滑性の高い主面とは反対側の主面の研削であるバックグラインディングとして有用である。
上記セラミック基板の研削方法において、上記砥粒はダイヤモンドからなっていてもよい。ダイヤモンドからなる砥粒は、本願のセラミック基板の研削方法において使用される砥石を構成する砥粒として好適である。
上記セラミック基板の研削方法において、セラミック基板はスピネルからなっていてもよい。多結晶スピネルからなるセラミック基板の研削に、本願のセラミック基板の研削方法は好適である。
本願の圧電素子の製造方法は、多結晶セラミックからなるセラミック基板と圧電体からなる圧電体基板とが積層された積層基板を準備する工程と、積層基板を構成するセラミック基板の厚みを小さくする工程と、を備える。セラミック基板の厚みを小さくする工程では、上記本願のセラミック基板の研削方法によって、セラミック基板の第1主面側に圧電体基板が積層された積層基板を構成するセラミック基板の第2主面が研削されることにより、セラミック基板の厚みが小さくなる。
本願の圧電素子の製造方法においては、セラミック基板の厚みを小さくする工程において、本願のセラミック基板の研削方法が採用される。その結果、圧電素子の製造において、セラミック基板に大きなダメージを残すことなく効率よくセラミック基板の厚みを小さくすることができる。
[本願発明の実施形態の詳細]
次に、本発明にかかる圧電素子の製造方法および当該圧電素子の製造方法に含まれるセラミック基板の研削方法の一実施の形態を、圧電素子であるSAWデバイスの製造方法および当該製造方法に含まれるスピネル基板の研削方法を例に、以下に図面を参照しつつ説明する。なお、以下の図面において同一または相当する部分には同一の参照番号を付しその説明は繰返さない。
図1を参照して、本実施の形態のSAWデバイスの製造方法では、まず工程(S10)としてセラミック基板準備工程が実施される。この工程(S10)では、図2を参照して多結晶スピネル(MgAl)からなり、第1主面11と第2主面12とを有するセラミック基板10が準備される。
具体的には、たとえばマグネシア(MgO)粉末とアルミナ(Al)粉末とを混合して原料粉末を準備し、成形することにより成形体を作製する。成形体は、たとえばプレス成形により予備成形を実施した後、CIP(Cold Isostatic Press)を実施することにより作製することができる。次に、成形体に対して焼結処理を実施する。焼結処理は、たとえば真空焼結法、HIP(Hot Isostatic Press)などの方法により実施することができる。これにより、焼結体が得られる。その後、焼結体に対してダイシング加工を実施することにより、所望の形状(厚み)を有するセラミック基板10が得られる(図2参照)。
次に、工程(S20)として研磨工程が実施される。この工程(S20)では、図2を参照して、工程(S10)において準備されたセラミック基板10の第1主面11に対して研磨が実施される。具体的には、セラミック基板10の第1主面11に対して粗研磨、通常研磨、仕上研磨などが実施される。これにより、第1主面11の粗さは、たとえばSaで0.01nm以上3.0nm以下にまで低減される。工程(S20)においては、CMP(Chemical Mechanical Polishing)が実施されてもよい。
次に、工程(S30)として貼り合わせ工程が実施される。この工程(S30)では、工程(S20)において第1主面11が研磨されたセラミック基板10と、別途準備された圧電体基板20とが貼り合わされる。具体的には、図3および図2を参照して、タンタル酸リチウム(LiTaO)、ニオブ酸リチウム(LiNbO)などの圧電体からなる圧電体基板20が準備され、圧電体基板20の結合主面22とセラミック基板10の第1主面11とが接触するように、セラミック基板10と圧電体基板20とが貼り合わされる。これにより、セラミック基板10と圧電体基板20とは、ファンデルワールス力により結合し、積層基板1が得られる。
次に、図1を参照して、工程(S40)として圧電体基板減厚工程が実施される。この工程(S40)では、図3および図4を参照して、工程(S30)において得られた積層基板1の圧電体基板20の厚みを小さくする加工が実施される。具体的には、たとえば圧電体基板20の露出主面21に対して研削処理が実施される。これにより、圧電体基板20の厚みが、SAWデバイスに適した厚みにまで低減される。
次に、工程(S50)として電極形成工程が実施される。この工程(S50)では、図4〜図6を参照して、圧電体基板20の露出主面21に櫛歯型の電極が形成される。図5は、図6の線分V−Vに沿う断面図である。図5および図6を参照して、工程(S40)において適切な厚みに調整された圧電体基板20の露出主面21上に、Alなどの導電体からなる導電体膜が形成される。導電体膜の形成は、たとえばスパッタリングにより実施することができる。その後、導電体膜上にレジストが塗布されてレジスト膜が形成された後、露光および現像が実施されることにより、所望の入力側電極30および出力側電極40の形状に対応する領域以外の領域に開口が形成される。そして、開口が形成されたレジスト膜をマスクとして用いて、たとえばウェットエッチングを実施することにより、図5および図6に示すように入力側電極30と出力側電極40とからなる対が複数形成される。なお、図5および図6は、一対の入力側電極30および出力側電極40に対応する領域を表している。入力側電極30および出力側電極40における櫛歯型電極の電極間隔は、出力すべき信号の周波数に応じて適宜決定することができる。
次に、工程(S60)としてセラミック基板減厚工程が実施される。この工程(S60)では、積層基板1に含まれるセラミック基板10の厚みを小さくする加工が実施される。具体的には、たとえばセラミック基板10の第1主面11とは反対側の主面である第2主面12に対して研削処理が実施される。これにより、セラミック基板10の厚みが、SAWデバイスに適した厚みにまで低減される。
第2主面12の研削は、砥石を用いて実施される。図7および図8を参照して、工程(S60)におけるセラミック基板10の研削について説明する。図8は、図7の曲線VIII−VIIIに沿う断面図である。
図7および図8を参照して、研削盤90は、円盤状の形状を有するベース板91と、ベース板91の一方の主面91Aの外周に沿って互いに離れて複数配置される砥石99とを含む。砥石99は、ベース板91の一方の主面91Aの外周の全周にわたって、円環状に並べて配置されている。工程(S60)においては、積層基板1が矢印αに沿って周方向に回転するとともに、研削盤90が矢印βに沿って回転する。そして、ベース板91に固定された複数の砥石99が積層基板1に含まれるセラミック基板10の第2主面12に接触しつつ回転する。このとき、第2主面12には遊離砥粒を含む研磨液等は供給されず、水(純水)が供給される。これにより、第2主面12が研削され、図9に示すようにセラミック基板10の厚みが小さくなる。
ここで、工程(S60)では、セラミック基板10を構成するセラミック(スピネル)の平均粒径をr、砥石99を構成する砥粒の平均粒径をrとした場合に、r/rの値が0.27以上10以下に設定される。これにより、多結晶セラミックからなるセラミック基板に大きなダメージを残すことなく効率よく研削を実施することができる。
工程(S60)において、砥石99の周速は20m/sec以上とされることが好ましい。これにより、より確実にダメージの残存を抑制しつつ、効率よく研削を実施することができる。また、砥石99を構成する砥粒は、ダイヤモンドからなることが好ましい。
次に、工程(S70)としてチップ化工程が実施される。この工程(S70)では、入力側電極30と出力側電極40とからなる対が複数形成された積層基板1が厚さ方向に切断されることにより、1対の入力側電極30および出力側電極40を含む複数のチップに分離される。
その後、図6および図10を参照して、工程(S70)において作製されたチップに対して入力側配線51および出力側配線61が形成されることにより、本実施の形態における圧電素子としてのSAWデバイス100(SAWフィルター)が完成する。
本実施の形態のSAWデバイス100の製造方法では、セラミック基板10の厚みを小さくする工程において、r/rの値が0.27以上10以下に設定される本実施の形態のセラミック基板の研削方法が採用される。その結果、SAWデバイス100の製造において、セラミック基板10に大きなダメージを残すことなく効率よくセラミック基板10の厚みを小さくすることができる。
図10を参照して、本実施の形態におけるSAWデバイス100は、ファンデルワールス力により結合されたセラミック基板10と圧電体基板20とを含む積層基板1と、圧電体基板20の露出主面21上に接触するように形成された1対の櫛歯形状を有する電極である入力側電極30および出力側電極40と、入力側電極30に接続された入力側配線51と、出力側電極40に接続された出力側配線61とを備えている。
入力側電極30は、第1部分31と第2部分32とを含む。第1部分31は、直線状のベース部31Aと、ベース部31Aの延在方向に垂直な方向にベース部31Aから突出する直線状の複数の突出部31Bとを含む。第2部分32は、ベース部31Aと平行に延在する直線状のベース部32Aと、ベース部32Aの延在方向に垂直な方向にベース部32Aから突出し、隣り合う突出部31Bの間に進入する直線状の複数の突出部32Bとを含む。突出部31Bと突出部32Bとは、予め定められた一定の間隔をおいて配置される。
出力側電極40は、第1部分41と第2部分42とを含む。第1部分41は、直線状のベース部41Aと、ベース部41Aの延在方向に垂直な方向にベース部41Aから突出する直線状の複数の突出部41Bとを含む。第2部分42は、ベース部41Aと平行に延在する直線状のベース部42Aと、ベース部42Aの延在方向に垂直な方向にベース部42Aから突出し、隣り合う突出部41Bの間に進入する直線状の複数の突出部42Bとを含む。突出部41Bと突出部42Bとは、予め定められた一定の間隔をおいて配置される。
入力側配線51から入力側電極30に入力信号である交流電圧が印加されると、圧電効果により圧電体基板20の露出主面21(表面)に弾性表面波が生じ、出力側電極40側に伝達される。このとき、入力側電極30および出力側電極40は図1に示すように櫛歯形状を有しており、突出部31Bと突出部32Bとの間隔、および突出部41Bと突出部42Bとの間隔は一定である。したがって、入力側電極30から出力側電極40に向かう方向において、圧電体基板20の露出主面21のうち電極が形成された領域は所定の周期(電極周期)で存在する。そのため、入力信号により発生した弾性表面波は、その波長が電極周期に一致する場合に最も強く励振され、電極周期とのずれが大きいほど減衰する。その結果、電極周期に近い波長の信号のみが出力側電極40および出力側配線61を介して出力される。
なお、本実施の形態において、セラミック基板10を構成するスピネルの平均粒径は、たとえば30μm以上60μm以下である。また、本実施の形態においては、セラミック基板を構成するセラミックとしてスピネルが採用される場合について説明したが、採用可能なセラミックはスピネルのほか、たとえばアルミナ、マグネシア、シリカ(SiO)、ムライト(3Al・2SiO)、コージェライト(2MgO・2Al・5SiO)、カルシア(CaO)、硫化亜鉛(ZnS)、チタニア(TiO)、窒化珪素(Si)、窒化アルミニウム(AlN)、炭化珪素(SiC)またはこれらの混合物(混晶)など、種々のセラミックを採用することができる。これらのセラミックの平均粒径は、たとえば20μm以上100μm以下とすることができる。また、セラミック基板を構成するセラミックとしてスピネルが採用される場合、上記r/rの値は0.86以上2.4以下とすることが、より好ましい。
多結晶スピネルからなるセラミック基板を準備し、異なる研削条件にて一方の主面を研削し、研削の状態を評価する実験を行った。多結晶スピネルの平均粒径rは30μm以上60μm以下である。研削前におけるセラミック基板の主面の仕上状態は、鏡面仕上(Mirror)またはラップ仕上(Lap)とした。研削装置はA社製およびB社製の2種類を用いた。砥石としては、ダイヤモンド砥粒を含む#600、#1000および#1500を用いた。砥石に含まれる結合剤は、ビトリファイドボンドまたはメタルボンドとした。砥石は、C社製、D社製およびE社製のものを用いた。砥石の周速は、13〜49m/secの範囲で変化させた。そして、研削後のセラミック基板の主面の状態を観察し、研削状態を評価した。実験の条件および結果を表1に示す。
Figure 2018041888
表1において、砥石の欄の表記の末尾に記載されたVはビトリファイドボンド、Mはメタルボンドをそれぞれ意味する。また、評価の欄において、研削後のセラミック基板の主面の状態が特に良好であるものをA、Aよりも劣るものの良好であるものをB、Bよりも劣るものの許容可能な状態であるものをCと表示した。
表1を参照して、r/rの値が0.27以上10以下に設定されたNo.1〜15は、いずれも十分な最大送り速度(研削速度)の条件下で許容可能な主面の状態となっていた。一方、r/rの値が0.27未満の条件では、セラミック基板に割れが発生する、修復困難なキズが発生するなどの問題が生じた。また、r/rの値が10を超える条件では、研磨速度が十分に上がらず、量産工程において許容される加工効率が達成できなかった。以上の実験結果から、本願のセラミック基板の研削方法によれば、多結晶セラミックからなるセラミック基板に大きなダメージを残すことなく効率よく研削を実施できることが確認される。
また、r/rの値が0.86〜2.40の範囲においては、特に安定して良好な結果が得られている。このことから、多結晶スピネルからなるセラミック基板の研削においては、r/rの値は0.86〜2.40とすることが好ましいといえる。
さらに、No.1とNo.2との比較、およびNo.12とNo.13との比較から、砥石の周速は20m/sec以上とすることが好ましいことが確認される。
なお、研削前の仕上状態、研削装置のメーカー、砥石の結合剤および砥石メーカーの違いに関しては、研削結果への明確な影響は確認されなかった。
今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって、どのような面からも制限的なものではないと理解されるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく、特許請求の範囲によって規定され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本願のセラミック基板の研削方法および圧電素子の製造方法は、セラミック基板の研削加工の効率向上が求められるセラミック基板の研削および圧電素子の製造に、特に有利に適用され得る。
1 積層基板
10 セラミック基板
11 第1主面
12 第2主面
20 圧電体基板
21 露出主面
22 結合主面
30 入力側電極
31 第1部分
31A ベース部
31B 突出部
32 第2部分
32A ベース部
32B 突出部
40 出力側電極
41 第1部分
41A ベース部
41B 突出部
42 第2部分
42A ベース部
42B 突出部
51 入力側配線
61 出力側配線
90 研削盤
91 ベース板
91A 主面
99 砥石
100 SAWデバイス

Claims (6)

  1. 多結晶セラミックからなり、第1主面と第2主面とを有するセラミック基板を準備する工程と、
    前記セラミック基板の前記第2主面を砥石にて研削する工程と、を備え、
    前記第2主面を研削する工程では、前記セラミック基板を構成するセラミックの平均粒径をr、砥石を構成する砥粒の平均粒径をrとした場合に、r/rの値が0.27以上10以下に設定される、セラミック基板の研削方法。
  2. 前記第2主面を研削する工程では、複数の前記砥石が円環状に並べて配置された状態で、20m/sec以上の周速で回転しつつ前記第2主面に接触することにより、前記第2主面が研削される、請求項1に記載のセラミック基板の研削方法。
  3. 前記第1主面の粗さは、Saで0.01nm以上3.0nm以下である、請求項1または請求項2に記載のセラミック基板の研削方法。
  4. 前記砥粒はダイヤモンドからなる、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のセラミック基板の研削方法。
  5. 前記セラミック基板はスピネルからなる、請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載のセラミック基板の研削方法。
  6. セラミック基板と圧電体からなる圧電体基板とが積層された積層基板を準備する工程と、
    前記積層基板を構成する前記セラミック基板の厚みを小さくする工程と、を備え、
    前記セラミック基板の厚みを小さくする工程では、請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載のセラミック基板の研削方法によって、前記セラミック基板の前記第1主面側に前記圧電体基板が積層された前記積層基板を構成する前記セラミック基板の前記第2主面が研削されることにより、前記セラミック基板の厚みが小さくなる、圧電素子の製造方法。
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