JP2021006849A - 電子写真感光体 - Google Patents

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和隆 杉本
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賢輔 大川
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Jun Azuma
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Abstract

【課題】感光層形成用塗布液の保管安定性に優れ、耐摩耗性に優れ、LSU光反射スジを抑制できる電子写真感光体を提供する。【解決手段】電子写真感光体1は、導電性基体2と、感光層3とを備える。感光層は、電荷発生層3aと、電荷輸送層3bとを含む。電荷発生層は、電荷発生剤を含有する。電荷輸送層は、正孔輸送剤と、バインダー樹脂と、染料とを含有する。染料の含有量は、100質量部のバインダー樹脂に対して、0.1質量部以上0.5質量部以下である。バインダー樹脂は、少なくとも1種の第1繰り返し単位と、少なくとも1種の第2繰り返し単位と、末端基とを有するポリアリレート樹脂を含む。【選択図】図1

Description

本発明は、電子写真感光体に関する。
電子写真感光体は、像担持体として電子写真方式の画像形成装置(例えば、プリンター又は複合機)において用いられる。電子写真感光体は、感光層を備える。電子写真感光体としては、例えば、単層型電子写真感光体及び積層型電子写真感光体が用いられる。単層型電子写真感光体は、電荷発生の機能と、電荷輸送の機能とを有する単層の感光層を備える。積層型電子写真感光体は、電荷発生の機能を有する電荷発生層と、電荷輸送の機能を有する電荷輸送層とを含む感光層を備える。
特許文献1の実施例には、末端停止剤としてp−tert−ブチルフェノールを用いて、ポリカーボネート共重合体を製造することが記載されている。
特開2012−51983号公報
しかし、本発明者らの検討により、特許文献1に記載のポリカーボネート共重合体を用いた電子写真感光体は、電荷輸送層形成用塗布液の保管安定性(以下、液保管安定性と記載することがある)、耐摩耗性、及びレーザースキャニングユニット(LSU)光反射スジの抑制の点で不十分であることが判明した。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、液保管安定性に優れ、耐摩耗性に優れ、LSU光反射スジを抑制できる電子写真感光体を提供することである。
本発明の電子写真感光体は、導電性基体と、感光層とを備える。前記感光層は、電荷発生層と、電荷輸送層とを含む。前記電荷発生層は、電荷発生剤を含有する。前記電荷輸送層は、バインダー樹脂と、染料と、正孔輸送剤とを含有する。前記染料の含有量は、100質量部の前記バインダー樹脂に対して、0.1質量部以上0.5質量部以下である。前記バインダー樹脂は、少なくとも1種の第1繰り返し単位と、少なくとも1種の第2繰り返し単位と、末端基とを有するポリアリレート樹脂を含む。前記第1繰り返し単位は一般式(1)で表される。前記第2繰り返し単位は一般式(2)で表される。前記末端基は一般式(3)で表される。前記染料は、一般式(31)又(32)で表される化合物を含む。
Figure 2021006849
前記一般式(1)中、R1、R2、R3及びR4は、各々独立に、水素原子又はメチル基を表す。R5及びR6は、各々独立に、水素原子又は炭素原子数1以上4以下のアルキル基を表す。R5及びR6は互いに結合して一般式(X)で表される2価の基を表してもよい。前記一般式(2)中、X1は、下記化学式(2A)、(2B)、(2C)又は(2D)で表される2価の基を表す。前記一般式(3)中、Rfは、1個以上のフッ素原子で置換された炭素原子数1以上20以下の鎖状脂肪族基を表す。
Figure 2021006849
前記一般式(X)中、tは、1以上3以下の整数を表す。*は、結合手を表す。
Figure 2021006849
Figure 2021006849
前記一般式(31)中、Gは、硫黄原子又は酸素原子を表す。R31は、置換されていてもよい炭素原子数1以上6以下のアルキル基、又は置換されていてもよい炭素原子数6以上14以下のアリール基を表す。R32、R33、及びR34は、各々独立に、水素原子、置換されていてもよい炭素原子数1以上6以下のアルキル基、置換されていてもよい炭素原子数6以上14以下のアリール基、置換されていてもよい炭素原子数1以上6以下のアルコキシ基、置換されていてもよいフェノキシ基、置換されていてもよい炭素原子数1以上6以下のチオアルキル基、置換されていてもよいチオフェニル基、又は置換されていてもよい炭素原子数2以上6以下のジアルキルアミノ基を表す。Mは、配位子を有してもよい金属原子を表す。
Figure 2021006849
前記一般式(32)中、Qは、硫黄原子又は酸素原子を表す。R35は、置換されていてもよい炭素原子数1以上6以下のアルキル基、又は置換されていてもよい炭素原子数6以上14以下のアリール基を表す。R36、R37、及びR38は、各々独立に、水素原子、置換されていてもよい炭素原子数1以上6以下のアルキル基、置換されていてもよい炭素原子数6以上14以下のアリール基、置換されていてもよい炭素原子数1以上6以下のアルコキシ基、置換されていてもよいフェノキシ基、置換されていてもよい炭素原子数1以上6以下のチオアルキル基、置換されていてもよいチオフェニル基、又は置換されていてもよい炭素原子数2以上6以下のジアルキルアミノ基を表す。
本発明の電子写真感光体によれば、液保管安定性を向上でき、耐摩耗性を向上でき、LSU光反射スジを抑制できる。
本発明の実施形態に係る電子写真感光体の部分断面図である。 本発明の実施形態に係る電子写真感光体の部分断面図である。 本発明の実施形態に係る電子写真感光体の部分断面図である。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。ただし、本発明は、以下の実施形態に何ら限定されない。本発明は、本発明の目的の範囲内で、適宜変更を加えて実施できる。なお、説明が重複する箇所については、適宜説明を省略する場合があるが、発明の要旨は限定されない。
以下の説明において、化合物名の後に「系」を付けて、化合物及びその誘導体を包括的に総称する場合がある。また、化合物名の後に「系」を付けて重合体名を表す場合には、重合体の繰り返し単位が化合物又はその誘導体に由来することを意味する。「配位子を有してもよい」とは、配位子と配位結合していてもよいことを意味する。フタロシアニン環内で錯形成する金属原子は、ケイ素原子のような半金属原子も含む。このような金属原子としては、例えば、ケイ素原子、ゲルマニウム原子、錫原子、銅原子、亜鉛原子、マグネシウム原子、チタン原子、バナジウム原子、アルミニウム原子、インジウム原子、及び鉛原子が挙げられる。
次に、本明細書で用いられる置換基について説明する。ハロゲン原子(ハロゲン基)としては、例えば、フッ素原子(フルオロ基)、塩素原子(クロロ基)、臭素原子(ブロモ基)、及びヨウ素原子(ヨード基)が挙げられる。
炭素原子数1以上8以下のアルキル基、炭素原子数1以上6以下のアルキル基、炭素原子数1以上4以下のアルキル基、炭素原子数1以上3以下のアルキル基、炭素原子数3以上5以下のアルキル基は、各々、特記なき限り、直鎖状又は分枝鎖状で非置換である。炭素原子数1以上8以下のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、1−メチルブチル基、2−メチルブチル基、3−メチルブチル基、1−エチルプロピル基、2−エチルプロピル基、1,1−ジメチルプロピル基、1,2−ジメチルプロピル基、2,2−ジメチルプロピル基、1,2−ジメチルプロピル基、n−ヘキシル基、1−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基、4−メチルペンチル基、1,1−ジメチルブチル基、1,2−ジメチルブチル基、1,3−ジメチルブチル基、2,2−ジメチルブチル基、2,3−ジメチルブチル基、3,3−ジメチルブチル基、1,1,2−トリメチルプロピル基、1,2,2−トリメチルプロピル基、1−エチルブチル基、2−エチルブチル基及び3−エチルブチル基、直鎖状及び分枝鎖状のヘプチル基、並びに直鎖状及び分枝鎖状のオクチル基が挙げられる。炭素原子数1以上6以下のアルキル基、炭素原子数1以上4以下のアルキル基、炭素原子数1以上3以下のアルキル基、炭素原子数3以上5以下のアルキル基の例は、各々、炭素原子数1以上8以下のアルキル基の例として述べた基のうち、該当する炭素原子数を有する基である。
炭素原子数1以上8以下のアルコキシ基、炭素原子数1以上6以下のアルコキシ基、炭素原子数1以上4以下のアルコキシ基、及び炭素原子数1以上3以下のアルコキシ基は、各々、特記なき限り、直鎖状又は分枝鎖状で非置換である。炭素原子数1以上8以下のアルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、n−ペントキシ基、1−メチルブトキシ基、2−メチルブトキシ基、3−メチルブトキシ基、1−エチルプロポキシ基、2−エチルプロポキシ基、1,1−ジメチルプロポキシ基、1,2−ジメチルプロポキシ基、2,2−ジメチルプロポキシ基、1,2−ジメチルプロポキシ基、n−ヘキシルオキシ基、1−メチルペンチルオキシ基、2−メチルペンチルオキシ基、3−メチルペンチルオキシ基、4−メチルペンチルオキシ基、1,1−ジメチルブトキシ基、1,2−ジメチルブトキシ基、1,3−ジメチルブトキシ基、2,2−ジメチルブトキシ基、2,3−ジメチルブトキシ基、3,3−ジメチルブトキシ基、1,1,2−トリメチルプロポキシ基、1,2,2−トリメチルプロポキシ基、1−エチルブトキシ基、2−エチルブトキシ基、3−エチルブトキシ基、直鎖状及び分枝鎖状のヘプチルオキシ基、並びに直鎖状及び分枝鎖状のオクチルオキシ基が挙げられる。炭素原子数1以上6以下のアルコキシ基、炭素原子数1以上4以下のアルコキシ基、及び炭素原子数1以上3以下のアルコキシ基の例は、各々、炭素原子数1以上8以下のアルコキシ基の例として述べた基のうち、該当する炭素原子数を有する基である。
炭素原子数6以上14以下のアリール基は、各々、特記なき限り、非置換である。炭素原子数6以上14以下のアリール基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基、インダセニル基、ビフェニレニル基、アセナフチレニル基、アントリル基、及びフェナントリル基が挙げられる。
炭素原子数1以上6以下のチオアルキル基は、特記なき限り、直鎖状又は分枝鎖状で非置換である。炭素原子数1以上6以下のチオアルキル基としては、例えば、チオメチル基、チオエチル基、チオプロピル基、チオブチル基、チオペンチル基、及びチオヘキシル基が挙げられる。
炭素原子数2以上6以下のジアルキルアミノ基は、アミノ基の2つの水素原子が、それぞれ炭素原子数1以上3以下のアルキル基で置換された基である。炭素原子数2以上6以下のジアルキルアミノ基としては、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、エチルメチルアミノ基、及びジプロピルアミノ基が挙げられる。
炭素原子数6以上14以下のアリールオキシ基は、炭素原子数6以上14以下のアリール基の結合手側の末端に酸素原子が結合した基である。炭素原子数6以上14以下のアリールオキシ基としては、例えば、フェノキシ基、ナフチルオキシ基、アントリルオキシ基、及びフェナントリルオキシ基が挙げられる。
炭素原子数5以上7以下のシクロアルカンは、特記なき限り、非置換である。炭素原子数5以上7以下のシクロアルカンとしては、例えば、シクロペンタン、シクロヘキサン、及びシクロヘプタンが挙げられる。以上、本明細書で用いられる置換基について説明した。
<電子写真感光体>
本実施形態は、電子写真感光体(以下、感光体と記載することがある)に関する。以下、図1〜図3を参照して、本実施形態の感光体1の構造について説明する。図1〜図3は、各々、感光体1の部分断面図を示す。
図1に示すように、感光体1は、導電性基体2と、感光層3とを備える。感光層3は、電荷発生層3aと、電荷輸送層3bとを含む。つまり、感光体1には、感光層3として、電荷発生層3aと電荷輸送層3bとが備えられる。感光体1は、積層型電子写真感光体である。
図1に示すように、導電性基体2上に電荷発生層3aが設けられ、電荷発生層3a上に電荷輸送層3bが設けられてもよい。図2に示すように、感光体1は、導電性基体2上に電荷輸送層3bが設けられ、電荷輸送層3b上に電荷発生層3aが設けられてもよい。
図3に示すように、感光体1は、導電性基体2と、感光層3と、中間層4(下引き層)とを備えていてもよい。中間層4は、導電性基体2と感光層3との間に備えられる。図1及び図2に示すように、感光層3は、導電性基体2上に直接備えられてもよい。或いは、図3に示すように、感光層3(例えば、電荷発生層3a又は電荷輸送層3b)は、導電性基体2上に、中間層4を介して備えられてもよい。
感光体1は、導電性基体2と、感光層3と、保護層(不図示)とを備えてもよい。保護層は、感光層3上に設けられる。
電荷発生層3aは、一層であってもよく、複数層であってもよい。電荷発生層3aの厚さは、特に限定されないが、0.01μm以上5μm以下であることが好ましく、0.1μm以上3μm以下であることがより好ましい。
電荷輸送層3bは、一層であってもよく、複数層であってもよい。電荷輸送層3bの厚さは、特に限定されないが、2μm以上100μm以下であることが好ましく、5μm以上50μm以下であることがより好ましい。
図1及び図3に示すように、電荷輸送層3bが、一層であり、且つ感光体1の最表面層として備えられることが好ましい。後述するポリアリレート樹脂(PA)と後述する染料Aとを同一層に含有する電荷輸送層3bが最表面層として備えられることで、感光体1の耐摩耗性を更に向上させることができる。なお、図2に示すように、電荷発生層3aが、感光体1の最表面層として備えられてもよい。また、保護層が、感光体1の最表面層として備えられてもよい。以上、図1〜図3を参照して、感光体1の構造について説明した。以下、感光体について、更に詳細に説明する。
[電荷発生層]
電荷発生層は、電荷発生剤を含有する。電荷発生層は、必要に応じて、ベース樹脂を更に含有してもよい。電荷発生層は、必要に応じて、添加剤を更に含有してもよい。
(電荷発生剤)
電荷発生剤としては、例えば、フタロシアニン系顔料、ペリレン系顔料、ビスアゾ顔料、トリスアゾ顔料、ジチオケトピロロピロール顔料、無金属ナフタロシアニン顔料、金属ナフタロシアニン顔料、スクアライン顔料、インジゴ顔料、アズレニウム顔料、シアニン顔料、無機光導電材料(例えば、セレン、セレン−テルル、セレン−ヒ素、硫化カドミウム、及びアモルファスシリコン)の粉末、ピリリウム顔料、アンサンスロン系顔料、トリフェニルメタン系顔料、スレン系顔料、トルイジン系顔料、ピラゾリン系顔料、及びキナクリドン系顔料が挙げられる。電荷発生層は、1種の電荷発生剤のみを含有してもよく、2種以上の電荷発生剤を含有してもよい。
フタロシアニン系顔料は、フタロシアニン構造を有する顔料である。フタロシアニン系顔料としては、例えば、無金属フタロシアニン、及び金属フタロシアニンが挙げられる。金属フタロシアニンとしては、例えば、チタニルフタロシアニン、ヒドロキシガリウムフタロシアニン、及びクロロガリウムフタロシアニンが挙げられる。無金属フタロシアニンは、化学式(CGM−1)で表される。チタニルフタロシアニンは、化学式(CGM−2)で表される。
Figure 2021006849
フタロシアニン系顔料は、結晶であってもよく、非結晶であってもよい。無金属フタロシアニンの結晶としては、例えば、無金属フタロシアニンのX型結晶(以下、X型無金属フタロシアニンと記載することがある)が挙げられる。チタニルフタロシアニンの結晶としては、例えば、チタニルフタロシアニンのα型、β型、及びY型結晶(以下、それぞれをα型、β型、及びY型チタニルフタロシアニンと記載することがある)が挙げられる。
例えば、デジタル光学式の画像形成装置(例えば、半導体レーザーのような光源を使用した、レーザービームプリンター又はファクシミリ)には、700nm以上の波長領域に感度を有する感光体を用いることが好ましい。700nm以上の波長領域で高い量子収率を有することから、電荷発生剤としては、フタロシアニン系顔料が好ましく、無金属フタロシアニン又はチタニルフタロシアニンがより好ましく、チタニルフタロシアニンが更に好ましく、Y型チタニルフタロシアニンが特に好ましい。
Y型チタニルフタロシアニンは、CuKα特性X線回折スペクトルにおいて、例えば、ブラッグ角(2θ±0.2°)の27.2°に主ピークを有する。CuKα特性X線回折スペクトルにおける主ピークとは、ブラッグ角(2θ±0.2°)が3°以上40°以下である範囲において、1番目又は2番目に大きな強度を有するピークである。Y型チタニルフタロシアニンは、CuKα特性X線回折スペクトルにおいて、26.2℃にピークを有していない。
CuKα特性X線回折スペクトルは、例えば、次の方法によって測定できる。まず、試料(チタニルフタロシアニン)をX線回折装置(例えば、株式会社リガク製「RINT(登録商標)1100」)のサンプルホルダーに充填して、X線管球Cu、管電圧40kV、管電流30mA、かつCuKα特性X線の波長1.542Åの条件で、X線回折スペクトルを測定する。測定範囲(2θ)は、例えば3°以上40°以下(スタート角3°、ストップ角40°)であり、走査速度は、例えば10°/分である。得られたX線回折スペクトルから主ピークを決定し、主ピークのブラッグ角を読み取る。
電荷発生剤の含有量は、ベース樹脂100質量部に対して、10質量部以上300質量部以下であることが好ましく、100質量部以上200質量部以下であることがより好ましい。
(ベース樹脂)
ベース樹脂としては、例えば、熱可塑性樹脂(より具体的には、ポリカーボネート樹脂、スチレン系樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−アクリル酸共重合体、アクリル共重合体、ポリエチレン樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、塩素化ポリエチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリプロピレン樹脂、アイオノマー、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリスルホン樹脂、ジアリルフタレート樹脂、ケトン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、及びポリエーテル樹脂)、熱硬化性樹脂(より具体的には、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、及びこれら以外の架橋性熱硬化性樹脂)、及び光硬化性樹脂(より具体的には、エポキシ−アクリル酸系樹脂、及びウレタン−アクリル酸系共重合体)が挙げられる。
(添加剤)
添加剤としては、例えば、紫外線吸収剤、酸化防止剤、ラジカル捕捉剤、1重項消光剤、軟化剤、表面改質剤、増量剤、増粘剤、分散安定剤、ワックス、ドナー、界面活性剤、可塑剤、増感剤、及びレベリング剤が挙げられる。
[電荷輸送層]
電荷輸送層は、バインダー樹脂と、染料と、正孔輸送剤とを含有する。電荷輸送層は、必要に応じて、電子アクセプター化合物を更に含有してもよい。電荷輸送層は、必要に応じて、添加剤を更に含有してもよい。
波長が780nmである光に対する電荷輸送層の吸光度は、0.50以上0.90以下であることが好ましく、0.55以上0.80以下であることがより好ましく、0.60以上0.70以下であることが更に好ましい。波長が780nmである光に対する電荷輸送層の吸光度が0.50以上であると、電荷輸送層で露光光(例えば、780nm付近の波長を有する露光光)が効率的に吸収され、感光体の表面での露光光の反射を効率的に抑制できる。波長が780nmである光に対する電荷輸送層の吸光度が0.90以下であると、電荷輸送層で露光光が吸収され過ぎず、感光体の感度特性をより向上できる。電荷輸送層の吸光度の測定は、次のとおりである。まず、測定対象である感光体の電荷輸送層と同組成且つ同厚のサンプル膜を形成する。このサンプル膜を用いて測定した吸光度を電荷輸送層の吸光度と見做す。電荷輸送層の吸光度の測定方法の詳細は、実施例で後述する。
(バインダー樹脂)
バインダー樹脂は、少なくとも1種の第1繰り返し単位と、少なくとも1種の第2繰り返し単位と、末端基とを有するポリアリレート樹脂を含む。第1繰り返し単位は、一般式(1)で表される。第2繰り返し単位は、一般式(2)で表される。末端基は、一般式(3)で表される。以下、一般式(1)で表される少なくとも1種の第1繰り返し単位と、一般式(2)で表される少なくとも1種の第2繰り返し単位と、一般式(3)で表される末端基とを有するポリアリレート樹脂を、「ポリアリレート樹脂(PA)」と記載することがある。一般式(1)で表される第1繰り返し単位を、「繰り返し単位(1)」と記載することがある。一般式(2)で表される第2繰り返し単位を、「繰り返し単位(2)」と記載することがある。一般式(3)で表される末端基を、「末端基(3)」と記載することがある。
Figure 2021006849
一般式(1)中、R1、R2、R3、及びR4は、各々独立に、水素原子又はメチル基を表す。R5及びR6は、各々独立に、水素原子又は炭素原子数1以上4以下のアルキル基を表す。R5及びR6は互いに結合して一般式(X)で表される2価の基を表してもよい。一般式(2)中、X1は、化学式(2A)、(2B)、(2C)、又は(2D)で表される2価の基を表す。一般式(3)中、Rfは、1個以上のフッ素原子で置換された炭素原子数1以上20以下の鎖状脂肪族基を表す。
Figure 2021006849
一般式(X)中、tは、1以上3以下の整数を表す。*は、結合手を表す。詳しくは、*は、一般式(2)中のX1が結合している炭素原子に対する結合手を表す。
Figure 2021006849
ポリアリレート樹脂(PA)は、特定構造の繰り返し単位を有するため、強度に優れる。ポリアリレート樹脂(PA)は、末端基(3)がフッ素原子を有しかつ主鎖がハロゲン原子を有しないため、主鎖同士が絡み合い易く、強度に優れる。ポリアリレート樹脂(PA)は、フッ素原子で置換された鎖状脂肪族基を含む末端基を有するため、電荷輸送層の表面の摩擦抵抗が低減される。これらの理由から、ポリアリレート樹脂(PA)を電荷輸送層に含有させることで、感光体の耐摩耗性が向上する。
更に、ポリアリレート樹脂(PA)は、末端基(3)がフッ素原子を有し且つ主鎖がハロゲン原子を有しないため、後述する染料A及び正孔輸送剤との相溶性に優れ、電荷輸送層の結晶化を抑制できる。
ポリアリレート樹脂(PA)は、主鎖と末端基(3)とを有する。以下、ポリアリレート樹脂(PA)の主鎖と末端基(3)とについて説明する。
ポリアリレート樹脂(PA)の主鎖は、少なくとも1種の繰り返し単位(1)と、少なくとも1種の繰り返し単位(2)とを含む。
以下、繰り返し単位(1)について説明する。一般式(1)中のR5及びR6が表す炭素原子数1以上4以下のアルキル基としては、メチル基又はエチル基が好ましい。
一般式(X)中のtとしては、1又は2が好ましく、2がより好ましい。
一般式(1)中のR5及びR6が互いに結合して一般式(X)で表される2価の基を表す場合、R1及びR3は各々メチル基を表し、かつR2及びR4は各々水素原子を表すことが好ましい。
少なくとも1種の繰り返し単位(1)は、化学式(1−1)、(1−2)、(1−3)、及び(1−4)で表される繰り返し単位のうちの少なくとも1種の繰り返し単位(以下、それぞれを繰り返し単位(1−1)、(1−2)、(1−3)、及び(1−4)と記載することがある)であることが好ましい。
Figure 2021006849
ポリアリレート樹脂(PA)は、1種の繰り返し単位(1)のみを含んでいてもよく、2種以上(例えば、2種)の繰り返し単位(1)を含んでいてもよい。
ポリアリレート樹脂(PA)が2種の繰り返し単位(1)を含む場合、2種の繰り返し単位(1)の総数に対する一方の繰り返し単位(1)の数の比率(以下、比率rと記載することがある)としては、0.10以上0.90以下が好ましい。
次に、繰り返し単位(2)について説明する。繰り返し単位(2)としては、一般式(2−1)又は(2−2)で表される繰り返し単位(以下、それぞれを繰り返し単位(2−1)又は(2−2)と記載することがある)が好ましい。下記一般式(2−2)中、X2は、化学式(2A)、(2B)又は(2D)で表される2価の基を表す。
Figure 2021006849
少なくとも1種の繰り返し単位(2)は、化学式(2−1C)、(2−2A)、(2−2B)、及び(2−2D)で表される繰り返し単位のうちの少なくとも1種の繰り返し単位であることが好ましい。以下、化学式(2−1C)、(2−2A)、(2−2B)、及び(2−2D)で表される繰り返し単位を、各々、繰り返し単位(2−1C)、(2−2A)、(2−2B)、及び(2−2D)と記載することがある。
Figure 2021006849
ポリアリレート樹脂(PA)は、1種の繰り返し単位(2)のみを含んでいてもよく、2種以上(例えば、2種)の繰り返し単位(2)を含んでいてもよい。ポリアリレート樹脂(PA)が1種の繰り返し単位(2)を含む場合、繰り返し単位(2)は、繰り返し単位(2−2A)、(2−2B)、又は(2−2D)であることが好ましく、繰り返し単位(2−2A)であることがより好ましい。
感光体の耐摩耗性をより向上させる観点から、ポリアリレート樹脂(PA)は、2種以上の繰り返し単位(2)を有することが好ましく、繰り返し単位(2−1)と繰り返し単位(2−2)とを有することがより好ましい。同じ観点から、ポリアリレート樹脂(PA)は、繰り返し単位(2)として、1種の繰り返し単位(2−1)と、1種の繰り返し単位(2−2)とを有することが特に好ましい。
ポリアリレート樹脂(PA)が2種の繰り返し単位(2)を含む場合、2種の繰り返し単位(2)が、繰り返し単位(2−1C)と繰り返し単位(2−2A)であることが好ましい。また、2種の繰り返し単位(2)が、繰り返し単位(2−1C)と繰り返し単位(2−2B)であることも好ましい。また、2種の繰り返し単位(2)が、繰り返し単位(2−1C)と繰り返し単位(2−2D)であることも好ましい。
感光体の耐摩耗性をより向上させる観点から、繰り返し単位(2)の総数に対する繰り返し単位(2−1)の数の比率(以下、比率pと記載することがある)としては、0.05以上1.00未満が好ましく、0.10以上0.70以下がより好ましく、0.30以上0.70以下が更に好ましく、0.50以上0.70以下が一層好ましく、0.60以上0.70以下が特に好ましい。液保管安定性をより向上させる観点から、比率pとしては、0.05以上1.00未満が好ましく、0.10以上0.70以下がより好ましく、0.10以上0.50以下が更に好ましく、0.10以上0.30以下が一層好ましく、0.10以上0.20以下が特に好ましい。
なお、比率pと、既に述べた比率rとは、各々、1本の分子鎖から得られる値ではなく、電荷輸送層に含有されるポリアリレート樹脂(PA)の全体(複数の分子鎖)から得られる値の平均値である。各繰り返し単位の割合は、プロトン核磁気共鳴分光計を用いてポリアリレート樹脂(PA)の1H−NMRスペクトルを測定し、得られた1H−NMRスペクトルから算出することができる。
次に、末端基(3)について説明する。一般式(3)中のRfにおけるフッ素原子で置換された鎖状脂肪族基は、例えば、直鎖状又は分枝鎖状である。鎖状脂肪族基を置換するフッ素原子の数は、例えば、1以上13以下である。なお、末端基(3)は、非環状である。末端基(3)を環状の基ではなく鎖状の脂肪族基とすることで、感光体の耐摩耗性を向上できる。ここで、「鎖状脂肪族基」は、例えば、1価の鎖状炭化水素基(特に、アルキル基)、又は鎖状炭化水素基の炭素−炭素結合間に−O−を挿入した基である。
末端基(3)としては、下記一般式(3−1)で表される末端基(以下、末端基(3−1)と記載することがある)が好ましい。ポリアリレート樹脂(PA)が末端基(3−1)を有することで、電荷輸送層の表面の摩擦抵抗を更に低減でき、感光体の耐摩耗性を更に向上できる。
Figure 2021006849
一般式(3−1)中、Q1は、直鎖状又は分枝鎖状の炭素原子数1以上6以下のパーフルオロアルキル基を表す。Q2は、直鎖状又は分枝鎖状の炭素原子数1以上6以下のパーフルオロアルキレン基を表す。nは、0以上2以下の整数を表す。nが2を表す場合、2つのQ2は互いに同一であっても異なっていてもよい。
一般式(3−1)中のQ1が表すパーフルオロアルキル基としては、直鎖状又は分枝鎖状の炭素原子数3以上6以下のパーフルオロアルキル基が好ましく、直鎖状の炭素原子数3以上6以下のパーフルオロアルキル基がより好ましく、ヘプタフルオロn−プロピル基又はトリデカフルオロn−ヘキシル基が更に好ましい。
一般式(3−1)中のQ2が表すパーフルオロアルキレン基としては、直鎖状又は分枝鎖状の炭素原子数2又は3のパーフルオロアルキレン基が好ましく、1−フルオロ−1−トリフルオロメチル−メチレン基又は1,1,2−トリフルオロ−2−トリフルオロメチル−エチレン基がより好ましい。
nは、0又は2を表すことが好ましい。
感光体の耐摩耗性をより向上させる観点から、末端基(3)の好適な例としては、化学式(M1)、(M2)、(M3)、及び(M4)で表される末端基(以下、それぞれを末端基(M1)、(M2)、(M3)、及び(M4)と記載することがある)が好ましい。
Figure 2021006849
感光体の耐摩耗性を更に向上させる観点から、末端基(3)としては、末端基(M1)、(M3)、又は(M4)がより好ましい。また、末端基(3)は、その炭素鎖が長く、かつ多くのフッ素原子を有するほど電荷輸送層の表面の摩擦抵抗が低減する傾向がある。このような理由から、末端基(3)としては、末端基(M1)又は(M3)が更に好ましく、末端基(M3)が特に好ましい。
ポリアリレート樹脂(PA)としては、下記表1に示すポリアリレート樹脂(j−1)〜(j−11)が好ましい。
なお、表1、並びに後述する表2及び表4で使用される用語の意味は次のとおりである。「単位(1)」及び「単位(2)」は、各々、繰り返し単位(1)及び(2)を示す。繰り返し単位(1)又は繰り返し単位(2)に2つの繰り返し単位が記載されている場合は、その両方を有することを示す。例えば、表1における「1−2/1−3」は、繰り返し単位(1−2)及び(1−3)の両方を有することを示す。「−」は、該当する値がないことを示す。
Figure 2021006849
ポリアリレート樹脂(PA)としては、下記表2に示すポリアリレート樹脂(R−1−M1)〜(R−10−M1)及び(R−1−M2)〜(R−1−M4)がより好ましい。
Figure 2021006849
ポリアリレート樹脂(PA)において、芳香族ジオール由来の繰り返し単位と、芳香族ジカルボン酸由来の繰り返し単位とは、隣接して互いに結合している。芳香族ジオール由来の繰り返し単位は、例えば、繰り返し単位(1)である。芳香族ジカルボン酸由来の繰り返し単位は、例えば、繰り返し単位(2)である。また、ポリアリレート樹脂(PA)において、末端基(3)は、芳香族ジカルボン酸由来の繰り返し単位と隣接して互いに結合している。ポリアリレート樹脂(PA)が共重合体である場合、ポリアリレート樹脂(PA)は、例えば、ランダム共重合体、交互共重合体、周期的共重合体、又はブロック共重合体であってもよい。
ポリアリレート樹脂(PA)は、繰り返し単位として、繰り返し単位(1)及び(2)のみを有することが好ましい。但し、ポリアリレート樹脂(PA)は、繰り返し単位(1)以外の芳香族ジオール由来の繰り返し単位を更に有してもよく、繰り返し単位(2)以外の芳香族ジカルボン酸由来の繰り返し単位を更に有してもよい。
ポリアリレート樹脂(PA)の粘度平均分子量としては、10,000以上が好ましく、20,000以上がより好ましく、30,000以上が更に好ましく、40,000以上が特に好ましい。ポリアリレート樹脂(PA)の粘度平均分子量が10,000以上であると、バインダー樹脂の耐摩耗性をより向上できる。一方、バインダー樹脂の粘度平均分子量としては、80,000以下が好ましく、70,000以下がより好ましい。バインダー樹脂の粘度平均分子量が80,000以下であると、ポリアリレート樹脂(PA)が電荷輸送層形成用の溶剤に溶解し易くなるため、電荷輸送層を好適に形成できる。
ポリアリレート樹脂(PA)の製造方法としては、特に限定されないが、例えば、主鎖を構成するための芳香族ジオール及び芳香族ジカルボン酸と、末端基(3)を構成するための末端停止剤とを縮重合させる方法が挙げられる。縮重合させる方法は、公知の合成方法(より具体的には、溶液重合、溶融重合又は界面重合等)を採用することができる。
主鎖を構成するための芳香族ジオールは、例えば、下記一般式(BP−1)で表される。主鎖を構成するための芳香族ジカルボン酸は、例えば、下記一般式(DC−2)で表される。末端基(3)を構成するための末端停止剤は、例えば、下記一般式(T−3)で表される。下記一般式(BP−1)、(DC−2)及び(T−3)中のR1、R2、R3、R4、R5、R6、X1及びRfは、各々、一般式(1)、(2)及び(3)中のR1、R2、R3、R4、R5、R6、X1及びRfと同義である。以下、下記一般式(BP−1)、(DC−2)、及び(T−3)で表される化合物を、各々、化合物(BP−1)、(DC−2)、及び(T−3)と記載することがある。
Figure 2021006849
化合物(BP−1)としては、化学式(BP−1−1)〜(BP−1−4)で表される化合物(以下、それぞれを化合物(BP−1−1)〜(BP−1−4)と記載することがある)が好ましい。
Figure 2021006849
化合物(DC−2)としては、下記化学式(DC−2−1C)、(DC−2−2A)、(DC−2−2B)、及び(DC−2−2D)で表される化合物(以下、それぞれを化合物(DC−2−1C)、(DC−2−2A)、(DC−2−2B)、及び(DC−2−2D)と記載することがある)が挙げられる。
Figure 2021006849
化合物(T−3)としては、下記化学式(T−M1)〜(T−M4)で表される化合物(以下、それぞれを化合物(T−M1)〜(T−M4)と記載することがある)が好ましい。
Figure 2021006849
なお、主鎖を構成するための芳香族ジオールは、芳香族ジアセテートに変形して使用してもよい。主鎖を構成するための芳香族ジカルボン酸は、誘導体化して使用してもよい。芳香族ジカルボン酸の誘導体としては、例えば、芳香族ジカルボン酸ジクロライド、芳香族ジカルボン酸ジメチルエステル、芳香族ジカルボン酸ジエチルエステル及び芳香族ジカルボン酸無水物が挙げられる。芳香族ジカルボン酸ジクロライドは、芳香族ジカルボン酸の2個の「−C(=O)−OH」基が各々「−C(=O)−Cl」基で置換された化合物である。
芳香族ジオールと芳香族ジカルボン酸との縮重合においては、塩基及び触媒の一方又は両方を添加してもよい。塩基及び触媒は、公知の塩基及び触媒から適宜選択することができる。塩基としては、例えば、水酸化ナトリウムが挙げられる。触媒としては、例えば、ベンジルトリブチルアンモニウムクロライド、アンモニウムクロライド、アンモニウムブロマイド、4級アンモニウム塩、トリエチルアミン、及びトリメチルアミンが挙げられる。
電荷輸送層は、バインダー樹脂として、ポリアリレート樹脂(PA)のみを含むことが好ましい。なお、電荷輸送層は、バインダー樹脂として、ポリアリレート樹脂(PA)以外のバインダー樹脂(以下、その他のバインダー樹脂と記載することがある)を更に含んでもよい。その他のバインダー樹脂の例は、ベース樹脂の例と同じである。
(染料)
染料は、一般式(31)又は(32)で表される化合物を含む。以下、「一般式(31)又は(32)で表される化合物」を、「染料A」と記載することがある。また、一般式(31)及び(32)で表される化合物を、各々、染料(31)及び(32)と記載することがある。
Figure 2021006849
一般式(31)中、Gは、硫黄原子又は酸素原子を表す。R31は、置換されていてもよい炭素原子数1以上6以下のアルキル基、又は置換されていてもよい炭素原子数6以上14以下のアリール基を表す。R32、R33、及びR34は、各々独立に、水素原子、置換されていてもよい炭素原子数1以上6以下のアルキル基、置換されていてもよい炭素原子数6以上14以下のアリール基、置換されていてもよい炭素原子数1以上6以下のアルコキシ基、置換されていてもよいフェノキシ基、置換されていてもよい炭素原子数1以上6以下のチオアルキル基、置換されていてもよいチオフェニル基、又は置換されていてもよい炭素原子数2以上6以下のジアルキルアミノ基を表す。Mは、配位子を有してもよい金属原子を表す。
Figure 2021006849
一般式(32)中、Qは、硫黄原子又は酸素原子を表す。R35は、置換されていてもよい炭素原子数1以上6以下のアルキル基、又は置換されていてもよい炭素原子数6以上14以下のアリール基を表す。R36、R37、及びR38は、各々独立に、水素原子、置換されていてもよい炭素原子数1以上6以下のアルキル基、置換されていてもよい炭素原子数6以上14以下のアリール基、置換されていてもよい炭素原子数1以上6以下のアルコキシ基、置換されていてもよいフェノキシ基、置換されていてもよい炭素原子数1以上6以下のチオアルキル基、置換されていてもよいチオフェニル基、又は置換されていてもよい炭素原子数2以上6以下のジアルキルアミノ基を表す。
電荷輸送層が染料Aを含有することで、LSU反射スジを抑制できる。まず、LSU光反射スジについて説明する。感光体は、例えば、画像形成装置においてLSUから露光光を照射されることで静電潜像を形成する。しかし、LSUにより照射された露光光の一部は、感光体の表面で反射してLSUに戻ってくる場合がある。LSUに戻ってきた光は、LSUの表面で更に反射して感光体の非露光部(本来であれば露光されない領域)を露光する場合がある。このような現象により画像に発生したスジをLSU光反射スジという。露光光を吸収し難い材料(例えば、ピグメントレッド)を使用した場合には、LSU光反射スジが抑制されない。本実施形態では、電荷輸送層に含有される染料Aが露光光を効率良く吸収するため、露光光の反射を抑制でき、LSU光反射スジを抑制できる。
また、電荷輸送層が染料Aを含有することで、液保管安定性を向上できる。まず、液保管安定性について説明する。電荷輸送層形成用液を保管する場合、保管中に電荷輸送層形成用液中の材料の分散性が低下して、電荷輸送層形成用液が不均一になることがある。また、保管中に電荷輸送層形成用液中で材料が変質することがある。このような不具合により、保管後の電荷輸送層形成用液を使用して製造された感光体の感度特性が、調製直後の電荷輸送層形成用液を使用して製造された感光体と比較して、低下することがある。このような保管による感度特性の低下を抑制できる特性を、液保管安定性という。露光光を吸収し且つ染料A以外の構造を有する材料(例えば、無金属フタロシアニン、又はチタニルフタロシアニン)を使用した場合には、ある程度はLSU光反射スジを抑制できるものの、液保管安定性が低下する。本実施形態では、溶剤及びポリアリレート樹脂(PA)との相溶性に優れる染料Aを使用することで、液保管安定性を向上できる。
更に、電荷輸送層が染料Aを含有することで、感光体の耐摩耗性を向上できる。電荷輸送層形成用塗布液中においてポリアリレート樹脂(PA)と染料Aとが相互作用することで、形成される電荷輸送層の密度が高くなる傾向があるからである。
一般式(31)及び(32)中、R31、R32、R33、R34、R35、R36、R37、及びR38で表される炭素原子数1以上6以下のアルキル基は、置換基で置換されていてもよい。このような置換基としては、例えば、炭素原子数6以上14以下のアリール基、炭素原子数1以上6以下のアルコキシ基、フェノキシ基、炭素原子数1以上6以下のチオアルキル基、チオフェニル基、及び炭素原子数2以上6以下のジアルキルアミノ基が挙げられる。
一般式(31)及び(32)中、R31、R32、R33、R34、R35、R36、R37、及びR38で表される炭素原子数6以上14以下のアリール基は、置換基で置換されていてもよい。このような置換基としては、例えば、炭素原子数1以上6以下のアルキル基、炭素原子数6以上14以下のアリール基、炭素原子数1以上6以下のアルコキシ基、フェノキシ基、炭素原子数1以上6以下のチオアルキル基、チオフェニル基、及び炭素原子数2以上6以下のジアルキルアミノ基が挙げられる。
一般式(31)及び(32)中、R32、R33、R34、R36、R37、及びR38で表される炭素原子数1以上6以下のアルコキシ基は、置換基で置換されていてもよい。このような置換基としては、例えば、炭素原子数6以上14以下のアリール基、炭素原子数1以上6以下のアルコキシ基、フェノキシ基、炭素原子数1以上6以下のチオアルキル基、チオフェニル基、及び炭素原子数2以上6以下のジアルキルアミノ基が挙げられる。
一般式(31)及び(32)中、R32、R33、R34、R36、R37、及びR38で表されるフェノキシ基は、置換基で置換されていてもよい。このような置換基としては、例えば、炭素原子数1以上6以下のアルキル基、炭素原子数6以上14以下のアリール基、炭素原子数1以上6以下のアルコキシ基、フェノキシ基、炭素原子数1以上6以下のチオアルキル基、チオフェニル基、及び炭素原子数2以上6以下のジアルキルアミノ基が挙げられる。
一般式(31)及び(32)中、R32、R33、R34、R36、R37、及びR38で表される炭素原子数1以上6以下のチオアルキル基は、置換基で置換されていてもよい。このような置換基としては、例えば、炭素原子数6以上14以下のアリール基、炭素原子数1以上6以下のアルコキシ基、フェノキシ基、炭素原子数1以上6以下のチオアルキル基、チオフェニル基、及び炭素原子数2以上6以下のジアルキルアミノ基が挙げられる。
一般式(31)及び(32)中、R32、R33、R34、R36、R37、及びR38で表されるチオフェニル基は、置換基で置換されていてもよい。このような置換基としては、例えば、炭素原子数1以上6以下のアルキル基、炭素原子数6以上14以下のアリール基、炭素原子数1以上6以下のアルコキシ基、フェノキシ基、炭素原子数1以上6以下のチオアルキル基、チオフェニル基、及び炭素原子数2以上6以下のジアルキルアミノ基が挙げられる。
一般式(31)及び(32)中、R32、R33、R34、R36、R37、及びR38で表される炭素原子数2以上6以下のジアルキルアミノ基は、置換基で置換されていてもよい。このような置換基としては、例えば、炭素原子数6以上14以下のアリール基、炭素原子数1以上6以下のアルコキシ基、フェノキシ基、炭素原子数1以上6以下のチオアルキル基、チオフェニル基、及び炭素原子数2以上6以下のジアルキルアミノ基が挙げられる。
一般式(31)中、Mで表される金属原子は、配位子を有してもよい。このような配位子としては、例えば、置換されていてもよい炭素原子数1以上6以下のアルキル基、置換されていてもよい炭素原子数1以上6以下のアルコキシ基、置換されていてもよい炭素原子数6以上14以下のアリールオキシ基、ハロゲン原子、水酸基、及びオキソ基(=O)が挙げられる。これらのうち、オキソ基以外の配位子が配位する場合、金属原子に2つの配位子が配位結合してもよい。既に述べたように、配位子である炭素原子数1以上6以下のアルキル基、炭素原子数1以上6以下のアルコキシ基、及び炭素原子数6以上14以下のアリールオキシ基は、各々、置換基で置換されていてもよい。このような置換基の例は、既に述べたR31、R32、R33、R34、R35、R36、R37、及びR38が有してもよい置換基の例と同じである。
一般式(31)中、R31は、置換されていてもよいフェニル基を表すことが好ましく、炭素原子数1以上3以下のアルキル基で置換されていてもよいフェニル基、又は炭素原子数1以上3以下のアルコキシ基で置換されていてもよいフェニル基を表すことがより好ましく、炭素原子数1以上3以下のアルキル基で置換されていてもよいフェニル基を表すことが更に好ましく、メチル基で置換されたフェニル基を表すことが一層好ましく、2つのメチル基で置換されたフェニル基を表すことが特に好ましい。
一般式(31)中、R32及びR33は、各々独立に、水素原子、又は置換されていてもよいフェノキシ基を表すことが好ましい。置換されていてもよいフェノキシ基としては、炭素原子数1以上3以下のアルキル基で置換されていてもよいフェノキシ基を表すことが好ましく、メチル基で置換されたフェノキシ基を表すことが更に好ましい。
一般式(31)中、R34は、置換されていてもよいチオフェニル基、又は置換されていてもよいジメチルアミノ基を表すことが好ましく、炭素原子数1以上3以下のアルキル基で置換されていてもよいチオフェニル基、炭素原子数1以上3以下のアルコキシ基で置換されていてもよいチオフェニル基、又はジメチルアミノ基を表すことがより好ましく、炭素原子数1以上3以下のアルキル基で置換されていてもよいチオフェニル基、又はジメチルアミノ基を表すことが更に好ましく、メチルチオフェニル基、又はジメチルアミノ基を表すことが特に好ましく。
一般式(31)中、Gは、酸素原子を表すことが好ましい。
一般式(31)中、Mは、配位子を有してもよい銅原子、配位子を有してもよい亜鉛原子、又は配位子を有してもよい鉛原子を表すことが好ましく、配位子を有してもよい銅原子を表すことがより好ましく、配位子を有しない銅原子を表すことが更に好ましい。
一般式(32)中、R35は、置換されていてもよいフェニル基を表すことが好ましく、炭素原子数1以上3以下のアルキル基で置換されていてもよいフェニル基、又は炭素原子数1以上3以下のアルコキシ基で置換されていてもよいフェニル基を表すことがより好ましく、炭素原子数1以上3以下のアルキル基で置換されていてもよいフェニル基を表すことが更に好ましく、メチル基で置換されたフェニル基を表すことが一層好ましく、2つのメチル基で置換されたフェニル基を表すことが特に好ましい。
一般式(32)中、R36及びR37は、各々独立に、水素原子、又は置換されていてもよいフェノキシ基を表すことが好ましく、炭素原子数1以上3以下のアルキル基で置換されていてもよいフェノキシ基を表すことがより好ましく、メチル基で置換されたフェノキシ基を表すことが更に好ましい。
一般式(32)中、R38は、置換されていてもよいチオフェニル基、又は置換されていてもよいジメチルアミノ基を表すことが好ましく、炭素原子数1以上3以下のアルキル基で置換されていてもよいチオフェニル基、炭素原子数1以上3以下のアルコキシ基で置換されていてもよいチオフェニル基、又はジメチルアミノ基を表すことがより好ましく、ジメチルアミノ基を表すことが更に好ましい。
一般式(32)中、Qは、酸素原子を表すことが好ましい。
染料Aとしては、例えば、下記化学式(D−1)〜(D−7)で表される化合物(以下、染料(D−1)〜(D−7)と記載することがある。)が挙げられる。
Figure 2021006849
Figure 2021006849
Figure 2021006849
Figure 2021006849
液保管安定性の向上、耐摩耗性の向上、LSU光反射スジの抑制の観点から、染料Aは、染料(D−1)〜(D−7)のうち、染料(D−2)又は(D−6)であることが好ましい。
電荷輸送層の形成時に溶剤への溶解性を高める観点から、染料Aとしては、結晶化していない染料が好ましい。
LSU光反射スジを抑制する観点から、染料Aの含有量は、100.0質量部のバインダー樹脂に対して、0.1質量部以上であることが好ましく、0.2質量部以上であることがより好ましく、0.3質量部以上であることが更に好ましい。液保管安定性を向上させる観点から、染料Aの含有量は、100.0質量部のバインダー樹脂に対して、0.5質量部以下であることが好ましい。
(正孔輸送剤)
正孔輸送剤としては、例えば、トリフェニルアミン誘導体、ジアミン誘導体(例えば、N,N,N’,N’−テトラフェニルベンジジン誘導体、N,N,N’,N’−テトラフェニルフェニレンジアミン誘導体、N,N,N’,N’−テトラフェニルナフチレンジアミン誘導体、N,N,N’,N’−テトラフェニルフェナントリレンジアミン誘導体、及びジ(アミノフェニルエテニル)ベンゼン誘導体)、オキサジアゾール系化合物(例えば、2,5−ジ(4−メチルアミノフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール)、スチリル系化合物(例えば、9−(4−ジエチルアミノスチリル)アントラセン)、カルバゾール系化合物(例えば、ポリビニルカルバゾール)、有機ポリシラン化合物、ピラゾリン系化合物(例えば、1−フェニル−3−(p−ジメチルアミノフェニル)ピラゾリン)、ヒドラゾン系化合物、インドール系化合物、オキサゾール系化合物、イソオキサゾール系化合物、チアゾール系化合物、チアジアゾール系化合物、イミダゾール系化合物、ピラゾール系化合物、及びトリアゾール系化合物が挙げられる。電荷輸送層は、1種の正孔輸送剤のみを含有してもよく、2種以上の正孔輸送剤を含有してもよい。
正孔輸送剤は、下記一般式(10)で表される化合物(以下、正孔輸送剤(10)と記載することがある)を含むことが好ましい。電荷輸送層が正孔輸送剤(10)を含有することで、感光体の耐摩耗性及び感度特性をより向上できる。
Figure 2021006849
一般式(10)中、R101、R103、R104、R105、R106、R107、及びR108は、各々独立に、水素原子、炭素原子数1以上8以下のアルキル基、炭素原子数1以上8以下のアルキル基で置換されていてもよいフェニル基、又は炭素原子数1以上8以下のアルコキシ基を表す。R103、R104、R105、R106及びR107のうちの隣接する2つが結合して炭素原子数5以上7以下のシクロアルカンを表してもよい。R102及びR109は、各々独立に、炭素原子数1以上8以下のアルキル基、フェニル基又は炭素原子数1以上8以下のアルコキシ基を表す。b1及びb2は、各々独立に、0以上5以下の整数を表す。
一般式(10)中、R101〜R109が表すアルキル基としては、炭素原子数1以上6以下のアルキル基が好ましく、炭素原子数1以上4以下のアルキル基がより好ましく、メチル基又はn−ブチル基が更に好ましい。
一般式(10)中、R101〜R109が表すフェニル基は、炭素原子数1以上8以下のアルキル基で置換されていてもよい。フェニル基を置換するアルキル基としては、炭素原子数1以上6以下のアルキル基が好ましく、炭素原子数1以上4以下のアルキル基がより好ましく、メチル基が更に好ましい。
一般式(10)中、R101〜R109が表すアルコキシ基としては、炭素原子数1以上4以下のアルコキシ基が好ましく、メトキシ基又はエトキシ基がより好ましい。
一般式(10)中、R103、R104、R105、R106及びR107のうちの隣接した二つが互いに結合して、炭素原子数5以上7以下のシクロアルカンを表してもよい。例えば、R103、R104、R105、R106及びR107のうちの隣接したR106及びR107が互いに結合して、炭素原子数5以上7以下のシクロアルカンを形成してもよい。R103、R104、R105、R106及びR107のうちの隣接した二つが互いに結合して炭素原子数5以上7以下のシクロアルカンを形成する場合、このシクロアルカンはR103、R104、R105、R106及びR107が結合するフェニル基と縮合して二環縮合環基を形成する。この場合、シクロアルカンとフェニル基との縮合部位は、二重結合を含んでもよい。R103、R104、R105、R106及びR107のうちの隣接した二つが互いに結合して表されるシクロアルカンとしては、シクロヘキサンが好ましい。
1が2以上5以下の整数を表す場合、複数のR102は互いに同一でも異なっていてもよい。b2が2以上5以下の整数を表す場合、複数のR109は互いに同一でも異なっていてもよい。b1及びb2は、各々独立に、0又は1を表すことが好ましい。
一般式(10)中、R101及びR108は、水素原子を表すことが好ましい。R102及びR109は、炭素原子数1以上8以下のアルキル基を表すことが好ましい。R103、R104、R106及びR107は、各々、水素原子を表すことが好ましい。R105は、炭素原子数1以上8以下のアルキル基を表すことが好ましく、n−ブチル基を表すことがより好ましい。b1及びb2は、各々独立に、0を表すことが好ましい。
正孔輸送剤(10)としては、下記化学式(HTM−1)で表される化合物(以下、正孔輸送剤(HTM−1)と記載することがある)が好ましい。
Figure 2021006849
電荷輸送層は、正孔輸送剤として、正孔輸送剤(10)のみを含有することが好ましいが、正孔輸送剤(10)以外の正孔輸送剤を更に含有してもよい。
正孔輸送剤の含有量は、100質量部のバインダー樹脂に対して、10質量部以上200質量部以下であることが好ましく、20質量部以上100質量部以下であることがより好ましい。
(電子アクセプター化合物)
電子アクセプター化合物としては、例えば、キノン系化合物、ジイミド系化合物、ヒドラゾン系化合物、マロノニトリル系化合物、チオピラン系化合物、トリニトロチオキサントン系化合物、3,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン系化合物、ジニトロアントラセン系化合物、ジニトロアクリジン系化合物、テトラシアノエチレン、2,4,8−トリニトロチオキサントン、ジニトロベンゼン、ジニトロアクリジン、無水コハク酸、無水マレイン酸、及びジブロモ無水マレイン酸が挙げられる。キノン系化合物としては、例えば、ジフェノキノン系化合物、アゾキノン系化合物、アントラキノン系化合物、ナフトキノン系化合物、ニトロアントラキノン系化合物、及びジニトロアントラキノン系化合物が挙げられる。
電子アクセプター化合物としては、下記一般式(20)で表される化合物(以下、電子アクセプター化合物(20)と記載することがある)が好ましい。
Figure 2021006849
一般式(20)中、R21、R22、R23、及びR24は、各々独立に、炭素原子数1以上6以下のアルキル基を表す。R21、R22、R23、及びR24は、各々独立に、炭素原子数3以上5以下のアルキル基を表すことが好ましい。
一般式(20)で表される化合物としては、下記化学式(E−1)で表される化合物(以下、電子アクセプター化合物(E−1)と記載することがある)が好ましい。
Figure 2021006849
電子アクセプター化合物の含有量は、100質量部のバインダー樹脂に対し、0.1質量部以上10質量部以下であることが好ましく、0.5質量部以上5質量部以下であることがより好ましい。
電荷輸送層は、1種の電子アクセプター化合物のみを含有してもよく、2種以上の電子アクセプター化合物を含有してもよい。電荷輸送層は、電子アクセプター化合物として、電子アクセプター化合物(20)のみを含有してもよく、電子アクセプター化合物(20)以外の電子アクセプター化合物を更に含有してもよい。
(材料の組み合わせ)
液保管安定性を向上させ、耐摩耗性を向上させ、LSU光反射スジを抑制するためには、ポリアリレート樹脂及び染料の組み合わせが、表3に示す組み合わせNo.1〜48の各々であることが好ましい。同じ理由から、ポリアリレート樹脂及び染料の組み合わせが、表3に示す組み合わせNo.1〜48の各々であり、正孔輸送剤が正孔輸送剤(HTM−1)であることが好ましい。同じ理由から、ポリアリレート樹脂及び染料の組み合わせが、表3に示す組み合わせNo.1〜48の各々であり、電子アクセプター化合物が電子アクセプター化合物(E−1)であることが好ましい。同じ理由から、ポリアリレート樹脂及び染料の組み合わせが、表3に示す組み合わせNo.1〜48の各々であり、正孔輸送剤が正孔輸送剤(HTM−1)であり、電子アクセプター化合物が電子アクセプター化合物(E−1)であることが好ましい。同じ理由から、ポリアリレート樹脂及び染料の組み合わせが、表3に示す組み合わせNo.1〜48の各々であり、正孔輸送剤が正孔輸送剤(HTM−1)であり、電子アクセプター化合物が電子アクセプター化合物(E−1)であり、添加剤がヒンダードフェノール酸化防止剤であることが好ましい。
Figure 2021006849
表3で使用される各用語の意味は、次のとおりである。ポリアリレート樹脂(j−1)〜(j−11)は、各々、上記表1に示される。ポリアリレート樹脂(R−1−M1)〜(R−10−M1)及び(R−1−M2)〜(R−1−M4)は、各々、上記表2に示される。「No.」は、組み合わせNo.を示す。
[導電性基体]
導電性基体は、感光体の導電性基体として用いることができる限り、特に限定されない。導電性基体は、少なくとも表面部が導電性を有する材料で構成されていればよい。導電性基体の一例としては、導電性を有する材料で構成される導電性基体が挙げられる。導電性基体の別の例としては、導電性を有する材料で被覆される導電性基体が挙げられる。導電性を有する材料としては、例えば、アルミニウム、鉄、銅、錫、白金、銀、バナジウム、モリブデン、クロム、カドミウム、チタン、ニッケル、パラジウム、インジウム、ステンレス鋼、及び真鍮が挙げられる。これらの導電性を有する材料を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて(例えば、合金として)用いてもよい。これらの導電性を有する材料のなかでも、電荷発生層から導電性基体への電荷の移動が良好であることから、アルミニウム及びアルミニウム合金が好ましい。
導電性基体の形状は、画像形成装置の構造に合わせて適宜選択される。導電性基体の形状としては、例えば、シート状及びドラム状が挙げられる。また、導電性基体の厚さは、導電性基体の形状に応じて適宜選択される。
[中間層]
中間層(下引き層)は、例えば、無機粒子及び中間層に用いられる樹脂(中間層用樹脂)を含有する。中間層が存在することにより、リーク発生を抑制し得る程度の絶縁状態を維持しつつ、感光体を露光した時に発生する電流の流れを円滑にして、抵抗の上昇を抑制できる。
無機粒子としては、例えば、金属(例えば、アルミニウム、鉄、及び銅)の粒子、金属酸化物(例えば、酸化チタン、アルミナ、酸化ジルコニウム、酸化スズ、及び酸化亜鉛)の粒子、及び非金属酸化物(例えば、シリカ)の粒子が挙げられる。これらの無機粒子は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
中間層用樹脂の例は、既に述べたその他のバインダー樹脂の例と同じである。中間層及び感光層を良好に形成するためには、中間層用樹脂は、感光層に含有されるバインダー樹脂と異なることが好ましい。中間層は、添加剤を含有してもよい。中間層に含有される添加剤の例は、既に述べたその他の添加剤の例と同じである。
[感光体の製造方法]
次に、感光体の製造方法の一例を説明する。感光体の製造方法は、電荷発生層形成工程と、電荷輸送層形成工程とを含む。
電荷発生層形成工程では、電荷発生層を形成するための塗布液(以下、電荷発生層形成用塗布液と記載することがある)を調製する。電荷発生層形成用塗布液を導電性基体上に塗布する。次いで、塗布した電荷発生層形成用塗布液に含まれる溶剤の少なくとも一部を除去して、電荷発生層を形成する。電荷発生層形成用塗布液は、例えば、電荷発生剤と、ベース樹脂と、溶剤とを含有する。このような電荷発生層形成用塗布液は、電荷発生剤及びベース樹脂を溶剤に溶解又は分散させることにより調製される。電荷発生層形成用塗布液は、必要に応じて、その他の添加剤を含有してもよい。
電荷輸送層形成工程では、電荷輸送層を形成するための塗布液(以下、電荷輸送層形成用塗布液と記載することがある)を調製する。電荷輸送層形成用塗布液を電荷発生層上に塗布する。次いで、塗布した電荷輸送層形成用塗布液に含まれる溶剤の少なくとも一部を除去して、電荷輸送層を形成する。電荷輸送層形成用塗布液は、正孔輸送剤と、バインダー樹脂と、添加剤と、溶剤とを含有する。電荷輸送層形成用塗布液は、正孔輸送剤と、バインダー樹脂と、添加剤とを、溶剤に溶解又は分散させることにより調製することができる。電荷輸送層形成用塗布液は、必要に応じて、電子アクセプター化合物、及びその他の添加剤を更に含有してもよい。
電荷発生層形成用塗布液及び電荷輸送層形成用塗布液(以下、包括的に塗布液と記載することがある)に含有される溶剤は、特に限定されない。溶剤の例としては、アルコール(より具体的には、メタノール、エタノール、イソプロパノール、及びブタノール等)、脂肪族炭化水素(より具体的には、n−ヘキサン、オクタン、及びシクロヘキサン等)、芳香族炭化水素(より具体的には、ベンゼン、トルエン、及びキシレン等)、ハロゲン化炭化水素(より具体的には、ジクロロメタン、ジクロロエタン、四塩化炭素、及びクロロベンゼン等)、エーテル(より具体的には、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、プロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、及びジエチレングリコールジメチルエーテル等)、ケトン(より具体的には、アセトン、メチルエチルケトン、及びシクロヘキサノン等)、エステル(より具体的には、酢酸エチル、及び酢酸メチル等)、ジメチルホルムアルデヒド、ジメチルホルムアミド、及びジメチルスルホキシドが挙げられる。これらの溶剤は、単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
電荷輸送層形成用塗布液に含有される溶剤は、電荷発生層形成用塗布液に含有される溶剤と、異なることが好ましい。また、電荷輸送層に含有されるバインダー樹脂は、電荷発生層に含有されるベース樹脂と、異なることが好ましい。電荷発生層上に電荷輸送層形成用塗布液を塗布する場合に、電荷発生層が電荷輸送層形成用塗布液の溶剤に溶解しないことが好ましいからである。
塗布液は、それぞれ各成分を混合し、溶剤に分散することにより調製される。混合又は分散には、例えば、ビーズミル、ロールミル、ボールミル、アトライター、ペイントシェーカー、又は超音波分散器を用いることができる。
各成分の分散性又は形成される各々の層の表面平滑性を向上させるために、塗布液は、例えば、界面活性剤又はレベリング剤を含有してもよい。
塗布液を塗布する方法としては、塗布液を均一に塗布できる方法であれば、特に限定されない。塗布方法としては、例えば、ディップコート法、スプレーコート法、スピンコート法、及びバーコート法が挙げられる。
塗布液に含まれる溶剤の少なくとも一部を除去する方法としては、塗布液中の溶剤を蒸発させ得る方法であれば、特に限定されない。除去する方法としては、例えば、加熱、減圧、及び加熱と減圧との併用が挙げられる。より具体的には、高温乾燥機、又は減圧乾燥機を用いて、熱処理(熱風乾燥)する方法が挙げられる。熱処理の温度は、例えば、40℃以上150℃以下である。熱処理の時間は、例えば、3分間以上120分間以下の時間である。
なお、感光体の製造方法は、必要に応じて中間層を形成する工程を更に含んでいてもよい。中間層を形成する工程は、公知の方法を適宜選択することができる。
以下、実施例を用いて本発明を更に具体的に説明する。しかし、本発明は実施例の範囲に何ら限定されない。
(電荷発生剤、正孔輸送剤、及び電子アクセプター化合物)
電荷発生剤として、実施形態で述べたY型チタニルフタロシアニンを準備した。正孔輸送剤として、実施形態で述べた正孔輸送剤(HTM−1)を準備した。電子アクセプター化合物として、実施形態で述べた電子アクセプター化合物(E−1)を準備した。
(染料A)
染料Aとして、実施形態で述べた、染料(D−2)及び(D−6)を準備した。
(比較例で使用する顔料)
比較例で使用する顔料として、下記化学式(K3)、(K4)、及び(K5)で表される化合物(以下、顔料(K3)、(K4)、及び(K5)と記載することがある)を準備した。なお、顔料(K3)及び(K4)は、各々、実施形態で述べた無金属フタロシアニン及びチタニルフタロシアニンに相当する。顔料(K5)は、ピグメントレッド149である。
Figure 2021006849
(バインダー樹脂)
バインダー樹脂として、ポリアリレート樹脂(R−1−M1)〜(R−1−M4)、(R−2−M1)〜(R−10−M1)、(R−1−MA)、(R−3−MA)、及び(R−6−MA)の各々を合成した。各ポリアリレート樹脂のうち、ポリアリレート樹脂(R−1−M1)〜(R−1−M4)及び(R−2−M1)〜(R−10−M1)は、実施形態で述べたポリアリレート樹脂(PA)に包含されるポリアリレート樹脂である。ポリアリレート樹脂(R−1−M1)〜(R−1−M4)及び(R−2−M1)〜(R−10−M1)の各々が有する繰り返し単位(1)、繰り返し単位(2)、及び末端基と、比率pとは、上記表2に示した。ポリアリレート樹脂(R−1−MA)、(R−3−MA)、及び(R−6−MA)の各々が有する繰り返し単位(1)、繰り返し単位(2)、及び末端基と、比率pとを、下記表4に示す。表4中の末端基の「MA」は、下記化学式(MA)で表される基を示す。以下の説明における各ポリアリレート樹脂の収率は、モル比換算値である。
Figure 2021006849
Figure 2021006849
(ポリアリレート樹脂(R−1−M1)の合成)
ポリアリレート樹脂(R−1−M1)の合成では、反応容器として、温度計及び三方コックを備える容量2Lの三口フラスコを用いた。反応容器に、化合物(BP−1−1)20.01g(82.56ミリモル)、化合物(T−M1)0.281g(0.826ミリモル)、水酸化ナトリウム7.84g(196ミリモル)、及びベンジルトリブチルアンモニウムクロライド0.240g(0.768ミリモル)を入れた。反応容器内の空気をアルゴンガスで置換した。反応容器の内容物に水600mLを更に加えた。反応容器の内容物を20℃で1時間攪拌した。次いで、反応容器の内容物の温度が10℃になるまで反応容器の内容物を冷却して、アルカリ性水溶液Aを得た。
一方、2,6−ナフタレンジカルボン酸ジクロライド(化合物(DC−2−1C)のジクロライド)9.84g(38.9ミリモル)、及び4,4’−オキシビス安息香酸ジクロライド(化合物(DC−2−2A)のジクロライド)11.47g(38.9ミリモル)を、クロロホルム300gに溶解させた。これにより、クロロホルム溶液Bを得た。
反応容器内のアルカリ性水溶液Aを10℃で攪拌しながら、アルカリ性水溶液Aにクロロホルム溶液Bを投入した。これにより、重合反応を開始させた。反応容器の内容物の温度(液温)を13±3℃に調節しながら、反応容器の内容物を3時間攪拌して重合反応を進行させた。次いで、反応容器の内容物における上層(水層)をデカントで除去し、有機層を得た。次いで、容量2Lの三角フラスコに、イオン交換水500mLを入れた。このフラスコに、得られた有機層を更に加えた。このフラスコに、クロロホルム300g及び酢酸6mLを更に加えた。次いで、フラスコ内容物を、室温で30分間攪拌した。その後、フラスコ内容物における上層(水層)をデカントで除去し、有機層を得た。分液ロートを用いて、得られた有機層をイオン交換水500mLで洗浄した。イオン交換水による洗浄を8回繰り返し、水洗された有機層を得た。
次に、水洗された有機層をろ過し、ろ液を得た。容量3Lのビーカーに1.5Lのメタノールを入れた。ビーカー内のメタノールに、得られたろ液をゆっくりと滴下し、沈殿物を得た。沈殿物をろ過により取り出した。取り出した沈殿物を温度70℃で12時間真空乾燥させた。その結果、ポリアリレート樹脂(R−1−M1)が得られた(収量28.6g、収率82.9%)。ポリアリレート樹脂(R−1−M1)の粘度平均分子量は、50,500であった。
ポリアリレート樹脂(R−1−M2)〜(R−1−M4)、(R−2−M1)〜(R−10−M1)、(R−1−MA)、(R−3−MA)、及び(R−6−MA)については、以下に示す点を変更した以外はポリアリレート樹脂(R−1−M1)の合成と同じ方法により合成した。
(ポリアリレート樹脂(R−2−M1)の合成)
ポリアリレート樹脂(R−2−M1)の合成では、化合物(DC−2−2A)のジクロライドを、化合物(DC−2−2B)のジクロライド38.9ミリモルに変更した。得られたポリアリレート樹脂(R−2−M1)の収量が27.8gであり、収率が82.1%であり、粘度平均分子量が52,200であった。
(ポリアリレート樹脂(R−3−M1)の合成)
ポリアリレート樹脂(R−3−M1)の合成では、化合物(BP−1−1)を、化合物(BP−1−2)82.56ミリモルに変更した。得られたポリアリレート樹脂(R−3−M1)の収量が31.0gであり、収率が80.1%であり、粘度平均分子量が48,100であった。
(ポリアリレート樹脂(R−4−M1)の合成)
ポリアリレート樹脂(R−4−M1)の合成では、化合物(BP−1−1)を、化合物(BP−1−2)82.56ミリモルに変更した。また、ポリアリレート樹脂(R−4−M1)の合成では、化合物(DC−2−1C)のジクロライドの使用量を23.3ミリモルに変更し、化合物(DC−2−2A)のジクロライドの使用量を54.5ミリモルに変更した。得られたポリアリレート樹脂(R−4−M1)の収量が31.3gであり、収率が79.6%であり、粘度平均分子量が47,600であった。
(ポリアリレート樹脂(R−5−M1)の合成)
ポリアリレート樹脂(R−5−M1)の合成では、化合物(BP−1−1)を、化合物(BP−1−2)8.26ミリモル及び化合物(BP−1−3)74.30ミリモルに変更した。また、ポリアリレート樹脂(R−5−M1)の合成では、化合物(DC−2−1C)のジクロライドの使用量を7.8ミリモルに変更し、化合物(DC−2−2A)のジクロライドの使用量を70.0ミリモルに変更した。得られたポリアリレート樹脂(R−5−M1)の収量が31.2gであり、収率が80.0%であり、粘度平均分子量が49,500であった。また、得られたポリアリレート樹脂(R−5−M1)は、繰り返し単位(1)として、繰り返し単位(1−2)及び(1−3)の2種を有し、そのモル比(繰り返し単位(1−2):繰り返し単位(1−3))が1:9であった。
(ポリアリレート樹脂(R−6−M1)の合成)
ポリアリレート樹脂(R−6−M1)の合成では、化合物(BP−1−1)を、化合物(BP−1−2)82.56ミリモルに変更した。また、ポリアリレート樹脂(R−6−M1)の合成では、化合物(DC−2−2A)のジクロライドを、化合物(DC−2−2B)のジクロライド38.9ミリモルに変更した。得られたポリアリレート樹脂(R−6−M1)の収量が30.5gであり、収率が76.8%であり、粘度平均分子量が48,900であった。
(ポリアリレート樹脂(R−7−M1)の合成)
ポリアリレート樹脂(R−7−M1)の合成では、化合物(BP−1−1)を、化合物(BP−1−2)82.56ミリモルに変更した。また、ポリアリレート樹脂(R−7−M1)の合成では、化合物(DC−2−2A)のジクロライドを、化合物(DC−2−2D)のジクロライド38.9ミリモルに変更した。得られたポリアリレート樹脂(R−7−M1)の収量が28.9gであり、収率が78.6%であり、粘度平均分子量が47,600であった。
(ポリアリレート樹脂(R−8−M1)の合成)
ポリアリレート樹脂(R−8−M1)の合成では、化合物(BP−1−1)を、化合物(BP−1−4)82.56ミリモルに変更した。得られたポリアリレート樹脂(R−8−M1)の収量が27.8gであり、収率が80.6%であり、粘度平均分子量が55,100であった。
(ポリアリレート樹脂(R−9−M1)の合成)
ポリアリレート樹脂(R−9−M1)の合成では、化合物(DC−2−1C)のジクロライドを用いなかった。また、ポリアリレート樹脂(R−9−M1)の合成では、化合物(DC−2−2A)のジクロライドの使用量を77.8ミリモルに変更した。得られたポリアリレート樹脂(R−9−M1)の収量が28.8gであり、収率が79.7%であり、粘度平均分子量が60,000であった。
(ポリアリレート樹脂(R−10−M1)の合成)
ポリアリレート樹脂(R−10−M1)の合成では、化合物(BP−1−1)を、化合物(BP−1−2)82.56ミリモルに変更した。また、ポリアリレート樹脂(R−10−M1)の合成では、化合物(DC−2−1C)のジクロライドの使用量を54.5ミリモルに変更し、化合物(DC−2−2A)のジクロライドの使用量を23.3ミリモルに変更した。得られたポリアリレート樹脂(R−10−M1)の収量が30.0gであり、収率が78.9%であり、粘度平均分子量が49,700であった。
(ポリアリレート樹脂(R−1−M2)の合成)
ポリアリレート樹脂(R−1−M2)の合成では、化合物(T−M1)を、化合物(T−M2)0.826ミリモルに変更した。得られたポリアリレート樹脂(R−1−M2)の収量が27.5gであり、収率が79.7%であり、粘度平均分子量が53,500であった。
(ポリアリレート樹脂(R−1−M3)の合成)
ポリアリレート樹脂(R−1−M3)の合成では、化合物(T−M1)を、化合物(T−M3)0.826ミリモルに変更した。得られたポリアリレート樹脂(R−1−M3)の収量が28.6gであり、収率が82.9%であり、粘度平均分子量が56,100であった。
(ポリアリレート樹脂(R−1−M4)の合成)
ポリアリレート樹脂(R−1−M4)の合成では、化合物(T−M1)を、化合物(T−M4)0.826ミリモルに変更した。得られたポリアリレート樹脂(R−1−M4)の収量が28.4gであり、収率が82.4%であり、粘度平均分子量が54,200であった。
(ポリアリレート樹脂(R−1−MA)の合成)
ポリアリレート樹脂(R−1−MA)の合成では、化合物(T−M1)を、下記化学式(T−MA)で表される化合物(p−tert−ブチルフェノール、以下、化合物(T−MA)と記載することがある)0.826ミリモルに変更した。ポリアリレート樹脂(R−1−MA)の粘度平均分子量は、58,100であった。
Figure 2021006849
(ポリアリレート樹脂(R−3−MA)の合成)
ポリアリレート樹脂(R−3−MA)の合成では、化合物(BP−1−1)を、化合物(BP−1−2)82.56ミリモルに変更した。また、ポリアリレート樹脂(R−3−MA)の合成では、化合物(T−M1)を、化合物(T−MA)0.826ミリモルに変更した。ポリアリレート樹脂(R−3−MA)の粘度平均分子量は、55,100であった。
(ポリアリレート樹脂(R−6−MA)の合成)
ポリアリレート樹脂(R−6−MA)の合成では、化合物(BP−1−1)を、化合物(BP−1−2)82.56ミリモルに変更した。また、ポリアリレート樹脂(R−6−MA)の合成では、化合物(DC−2−2A)のジクロライドを、化合物(DC−2−2B)のジクロライド38.9ミリモルに変更した。また、ポリアリレート樹脂(R−6−MA)の合成では、化合物(T−M1)を、化合物(T−MA)0.826ミリモルに変更した。ポリアリレート樹脂(R−6−MA)の粘度平均分子量は、57,700であった。
<感光体の製造>
上記の通り準備した電荷発生剤、正孔輸送剤、電子アクセプター化合物、染料又は顔料、及びバインダー樹脂を用いて、感光体(A−1)〜(A−17)及び(B−1)〜(B−8)を製造した。
(感光体(A−1)の製造)
まず、中間層を形成した。表面処理された酸化チタン(テイカ株式会社製「試作品SMT−A」、数平均一次粒径10nm)を準備した。SMT−Aは、アルミナとシリカとを用いて第1コア(酸化チタンコア)を表面処理することにより第2コアを得、湿式分散によりメチルハイドロジェンポリシロキサンを用いて第2コアを更に表面処理することにより得られた。次いで、SMT−Aの2質量部と、ポリアミド樹脂(東レ株式会社製「アミラン(登録商標)CM8000」、ポリアミド6、ポリアミド12、ポリアミド66及びポリアミド610の四元共重合ポリアミド樹脂)1質量部と、メタノール10質量部と、ブタノール1質量部と、トルエン1質量部とを、ビーズミルを用いて5時間混合して、中間層形成用塗布液を得た。中間層形成用塗布液を、目開き5μmのフィルターを用いてろ過した。その後、ディップコート法により、導電性基体の表面に中間層形成用塗布液を塗布した。導電性基体としては、アルミニウム製のドラム状支持体を用いた。続いて、塗布した中間層形成用塗布液を130℃で30分間乾燥させて、導電性基体上に中間層(膜厚1.5μm)を形成した。
次に、電荷発生層を形成した。詳しくは、電荷発生剤であるY型チタニルフタロシアニン1.5質量部と、ベース樹脂であるポリビニルアセタール樹脂(積水化学工業株式会社製「エスレックBX−5」)1.0質量部と、プロピレングリコールモノメチルエーテル40.0質量部と、テトラヒドロフラン40.0質量部とを、ビーズミルを用いて12時間混合して、電荷発生層形成用塗布液を得た。電荷発生層形成用塗布液を、目開き3μmのフィルターを用いてろ過した。ディップコート法により、得られたろ液を中間層上に塗布し、50℃で5分間乾燥させた。このようにして、中間層上に電荷発生層(膜厚0.3μm)を形成した。
次に、電荷輸送層を形成した。詳しくは、正孔輸送剤(HTM−1)50.0質量部と、染料(D−2)0.1質量部と、電子アクセプター化合物(E−1)2.0質量部と、バインダー樹脂であるポリアリレート樹脂(R−1−M1)100.0質量部と、添加剤であるヒンダードフェノール酸化防止剤(BASF株式会社製「イルガノックス(登録商標)1010」)2.0質量部と、テトラヒドロフラン550.0質量部と、トルエン150.0質量部とを、循環型超音波分散装置を用いて12時間混合して、電荷輸送層形成用塗布液を得た。ディップコート法により、電荷輸送層形成用塗布液を電荷発生層上に塗布し、120℃で40分間乾燥させた。このようにして、電荷発生層上に電荷輸送層(膜厚30μm)を形成し、感光体(A−1)を得た。感光体(A−1)において、導電性基体上に中間層が、中間層上に電荷発生層が、電荷発生層上に電荷輸送層が備えられていた。
(感光体(A−2)〜(A−17)及び(B−2)〜(B−8)の製造)
表5に示す種類のポリアリレート樹脂を使用したこと、表5に示す種類の染料又は顔料を使用したこと、及び染料又は顔料の使用量を表5に示す量に変更したこと以外は、感光体(A−1)の製造と同じ方法で、感光体(A−2)〜(A−17)及び(B−2)〜(B−8)の各々を製造した。
(感光体(B−1)の製造)
染料(D−2)を使用しなかったこと以外は、感光体(A−1)の製造と同じ方法で、感光体(B−1)を製造した。
<吸光度の測定>
上記<感光体の製造>で調製した電荷輸送層形成用塗布液を、オーバーヘッドプロジェクターシート(OHPシート)に塗布した後、オーブンを用いて温度120℃で40分間乾燥させることにより、OHPシート上にサンプル膜を形成した。サンプル膜の厚さが感光体の電荷輸送層の厚さと同一(即ち、30μm)となるように、サンプル膜の厚さを調整した。このサンプル膜を形成したOHPシートを評価用サンプルとして用いた。
評価用サンプルと、電荷輸送層を形成していないOHPシートとに対して、分光光度計(株式会社日立製作所製「U−3000」)を用いて、波長780nmの光に対する吸光度を測定した。そして、評価用サンプルの吸光度を、OHPシートの吸光度(ベースライン)で補正することにより、サンプル膜の吸光度を算出した。このサンプル膜の吸光度を、各感光体の電荷輸送層の吸光度とした。各感光体の電荷輸送層の吸光度を、表5に示す。
<評価>
各感光体に対して、以下に示す方法で、耐摩耗性、LSU光反射スジ、及び液保管安定性について評価した。
[耐摩耗性]
耐摩耗性の評価に使用した評価機は、カラープリンター(株式会社沖データ製「C711dn」)であった。評価機のトナーカートリッジに、シアントナーを充填した。
まず、感光体の電荷輸送層の膜厚T1を測定した。次いで、感光体を評価機に搭載した。次いで、常温常湿環境(温度23℃及び相対湿度50%RH:以下、NN環境と記載することがある)下で、評価機を用いて、10,000枚の用紙に画像I(印字率1%のパターン画像)を印刷した。次いで、高温高湿環境(温度32℃及び相対湿度85%RH:以下、HH環境と記載することがある)下で、評価機を用いて、10,000枚の用紙に画像Iを印刷した。次いで、低温低湿環境(温度10℃及び相対湿度15%RH:以下、LL環境と記載することがある)下で、評価機を用いて、10,000枚の用紙に画像Iを印刷した。LL環境下で印刷した後に、評価機を2時間静置した。次いで、LL環境下にてソリッド画像(画像濃度100%の画像)を1枚の用紙に印刷した。その後、感光体の電荷輸送層の膜厚T2を測定した。そして、印刷前後の電荷輸送層の膜厚変化量である摩耗量(T1−T2、単位:μm)を求めた。求めた摩耗量を、下記表5に示す。なお、摩耗量が少ないほど、感光体の耐摩耗性が優れていることを示す。摩耗量が2.5μm以下の場合を良好、摩耗量が2.5μm超の場合を不良と評価できる。
[LSU光反射スジ]
LSU光反射スジの評価に使用した評価機は、モノクロ複合機(Samsung Electronics製「MultiXpress SL−K4350LX」)であった。評価機に、感光体を搭載した。常温常湿環境(温度23℃及び相対湿度50%RH)下で、評価機を用いて、1枚の用紙にハーフトーン画像(印字率30%の画像)を印刷し、印刷された画像を評価画像とした。目視により評価画像を観察し、以下の判定基準に沿って白スジ(LSU光反射スジ)の程度を判定した。白スジの判定結果が「A」又は「B」である場合にはLSU光反射スジが抑制されていると評価でき、「C」である場合にはLSU光反射スジが抑制されていないと評価できる。
(判定基準)
A:評価画像に白スジが全く確認されなかった。
B:評価画像に白スジがわずかに確認されたが、実使用上は問題ないレベルであった。
C:評価画像に白スジが明確に確認された。
[液保管安定性]
上記<感光体の製造>で調製した電荷輸送層形成用塗布液を2つに分け、一方を電荷輸送層形成用塗布液L1と、他方を電荷輸送層形成用塗布液L2とした。電荷輸送層形成用塗布液L1を1日間静置させた後に感光体を製造し、この感光体の露光後電位VL1を測定した。また、電荷輸送層形成用塗布液L2を7日間静置させた後に感光体を製造し、この感光体の露光後電位VL2を測定した。
露光後電位VL1及びVL2の測定方法は、次のとおりであった。温度23℃及び相対湿度50%RHの環境下で、ドラム感度試験機(ジェンテック株式会社製)を用いて、感光体の表面を−550Vに帯電させた。次いで、単色光(波長:780nm、露光量:1.0μJ/cm2)をハロゲンランプの光からバンドパスフィルターを用いて取り出し、感光体の表面に照射した。単色光の照射終了から50ミリ秒が経過した時点の感光体の表面電位(露光後電位、単位:−V)を測定した。
測定した露光後電位VL1及びVL2から、式「露光後電位差=|VL2|−|VL1|」に従い、露光後電位差(単位:V)を算出した。露光後電位差を、表5の「液保管」の欄に示す。なお、露光後電位差が小さいほど、感光体の液保管安定性が優れていることを示す。露光後電位差が5V未満の場合を良好、露光後電位差が5V以上の場合を不良と評価できる。
表5中の各用語の意味は、次のとおりである。「樹脂」は、ポリアリレート樹脂を示す。「染料/顔料」は、染料又は顔料を示す。「780nm吸光度」は、波長が780nmである光に対する電荷輸送層の吸光度を示す。「LSU」は、LSU光反射スジの評価結果を示す。「液保管」は、液保管安定性の評価において測定された露光後電位差(単位:V)を示す。「−」は、該当する成分が含有されていないことを示す。
Figure 2021006849
表5に示すように、感光体(A−1)〜(A−17)の各々は、次に示す構成を有していた。詳しくは、電荷発生層は、電荷発生剤を含有し、電荷輸送層は、正孔輸送剤とバインダー樹脂と染料とを含有していた。染料の含有量は、100質量部のバインダー樹脂に対して、0.1質量部以上0.5質量部以下であった。電荷輸送層は、バインダー樹脂として、ポリアリレート樹脂(PA)(具体的には、ポリアリレート樹脂(R−1−M1)〜(R−1−M4)及び(R−2−M1)〜(R−10−M1)のうちの1種)を含有していた。電荷輸送層は、染料として、染料(31)又(32)(より具体的には、染料(D−2)又は(D−6))を含有していた。このため、感光体(A−1)〜(A−17)の摩耗量は2.5μm以下であり、これらの感光体の耐摩耗性は良好であった。感光体(A−1)〜(A−17)のLSU反射スジの判定結果は「A」又は「B」であり、これらの感光体はLSU光反射スジが抑制されていた。感光体(A−1)〜(A−17)の露光後電位差は5V未満であり、これらの感光体の液保管安定性は良好であった。
以上のことから、本発明に係る感光体は、液保管安定性に優れ、耐摩耗性に優れ、LSU光反射スジを抑制できることが示された。
本発明に係る感光体は、画像形成装置に利用できる。
1 :感光体(電子写真感光体)
2 :導電性基体
3 :感光層
3a:電荷発生層
3b:電荷輸送層

Claims (12)

  1. 導電性基体と、感光層とを備え、
    前記感光層は、電荷発生層と、電荷輸送層とを含み、
    前記電荷発生層は、電荷発生剤を含有し、
    前記電荷輸送層は、バインダー樹脂と、染料と、正孔輸送剤とを含有し、
    前記染料の含有量は、100.0質量部の前記バインダー樹脂に対して、0.1質量部以上0.5質量部以下であり、
    前記バインダー樹脂は、少なくとも1種の第1繰り返し単位と、少なくとも1種の第2繰り返し単位と、末端基とを有するポリアリレート樹脂を含み、前記第1繰り返し単位は一般式(1)で表され、前記第2繰り返し単位は一般式(2)で表され、前記末端基は一般式(3)で表され、
    前記染料は、一般式(31)又は(32)で表される化合物を含む、電子写真感光体。
    Figure 2021006849
    (前記一般式(1)中、
    1、R2、R3、及びR4は、各々独立に、水素原子又はメチル基を表し、
    5及びR6は、各々独立に、水素原子又は炭素原子数1以上4以下のアルキル基を表し、R5及びR6は互いに結合して一般式(X)で表される2価の基を表してもよく、
    前記一般式(2)中、X1は、化学式(2A)、(2B)、(2C)、又は(2D)で表される2価の基を表し、
    前記一般式(3)中、Rfは、1個以上のフッ素原子で置換された炭素原子数1以上20以下の鎖状脂肪族基を表す。)
    Figure 2021006849
    (前記一般式(X)中、
    tは、1以上3以下の整数を表し、
    *は、結合手を表す。)
    Figure 2021006849
    Figure 2021006849
    (前記一般式(31)中、
    Gは、硫黄原子又は酸素原子を表し、
    31は、置換されていてもよい炭素原子数1以上6以下のアルキル基、又は置換されていてもよい炭素原子数6以上14以下のアリール基を表し、
    32、R33、及びR34は、各々独立に、水素原子、置換されていてもよい炭素原子数1以上6以下のアルキル基、置換されていてもよい炭素原子数6以上14以下のアリール基、置換されていてもよい炭素原子数1以上6以下のアルコキシ基、置換されていてもよいフェノキシ基、置換されていてもよい炭素原子数1以上6以下のチオアルキル基、置換されていてもよいチオフェニル基、又は置換されていてもよい炭素原子数2以上6以下のジアルキルアミノ基を表し、
    Mは、配位子を有してもよい金属原子を表す。)
    Figure 2021006849
    (前記一般式(32)中、
    Qは、硫黄原子又は酸素原子を表し、
    35は、置換されていてもよい炭素原子数1以上6以下のアルキル基、又は置換されていてもよい炭素原子数6以上14以下のアリール基を表し、
    36、R37、及びR38は、各々独立に、水素原子、置換されていてもよい炭素原子数1以上6以下のアルキル基、置換されていてもよい炭素原子数6以上14以下のアリール基、置換されていてもよい炭素原子数1以上6以下のアルコキシ基、置換されていてもよいフェノキシ基、置換されていてもよい炭素原子数1以上6以下のチオアルキル基、置換されていてもよいチオフェニル基、又は置換されていてもよい炭素原子数2以上6以下のジアルキルアミノ基を表す。)
  2. 波長が780nmである光に対する、前記電荷輸送層の吸光度は、0.50以上0.90以下である、請求項1に記載の電子写真感光体。
  3. 少なくとも1種の前記第1繰り返し単位は、化学式(1−1)、(1−2)、(1−3)、及び(1−4)で表される繰り返し単位のうちの少なくとも1種の繰り返し単位である、請求項1又は2に記載の電子写真感光体。
    Figure 2021006849
  4. 少なくとも1種の前記第2繰り返し単位は、化学式(2−1C)、(2−2A)、(2−2B)、及び(2−2D)で表される繰り返し単位のうちの少なくとも1種の繰り返し単位である、請求項1〜3の何れか一項に記載の電子写真感光体。
    Figure 2021006849
  5. 前記末端基は、化学式(M1)、(M2)、(M3)、又は(M4)で表される、請求項1〜4の何れか一項に記載の電子写真感光体。
    Figure 2021006849
  6. 前記染料は、前記一般式(31)で表される化合物であり、
    前記一般式(31)中、
    Gは、硫黄原子又は酸素原子を表し、
    31は、炭素原子数1以上3以下のアルキル基で置換されてもよいフェニル基を表し、
    32及びR33は、各々独立に、水素原子、又は炭素原子数1以上3以下のアルキル基で置換されてもよいフェノキシ基を表し、
    34は、炭素原子数1以上3以下のアルキル基で置換されてもよいチオフェニル基、又はジメチルアミノ基を表す、請求項1〜5の何れか一項に記載の電子写真感光体。
  7. 前記染料は、化学式(D−2)、又は化学式(D−6)で表される化合物である、請求項1〜6の何れか一項に記載の電子写真感光体。
    Figure 2021006849
    Figure 2021006849
  8. 前記正孔輸送剤は、一般式(10)で表される化合物を含む、請求項1〜7の何れか一項に記載の電子写真感光体。
    Figure 2021006849
    (前記一般式(10)中、
    101、R103、R104、R105、R106、R107、及びR108は、各々独立に、水素原子、炭素原子数1以上8以下のアルキル基、炭素原子数1以上8以下のアルキル基で置換されていてもよいフェニル基、又は炭素原子数1以上8以下のアルコキシ基を表し、R103、R104、R105、R106及びR107のうちの隣接する2つが結合して炭素原子数5以上7以下のシクロアルカンを表してもよく、
    102及びR109は、各々独立に、炭素原子数1以上8以下のアルキル基、フェニル基、又は炭素原子数1以上8以下のアルコキシ基を表し、
    1及びb2は、各々独立に、0以上5以下の整数を表す。)
  9. 前記正孔輸送剤は、化学式(HTM−1)で表される化合物を含む、請求項1〜8の何れか一項に記載の電子写真感光体。
    Figure 2021006849
  10. 前記電荷輸送層は、電子アクセプター化合物を更に含有し、
    前記電子アクセプター化合物は、一般式(20)で表される化合物を含む、請求項1〜9の何れか一項に記載の電子写真感光体。
    Figure 2021006849
    (前記一般式(20)中、R21、R22、R23、及びR24は、各々独立に、炭素原子数1以上6以下のアルキル基を表す。)
  11. 前記一般式(20)で表される化合物は、化学式(E−1)で表される化合物である、請求項10に記載の電子写真感光体。
    Figure 2021006849
  12. 前記電荷輸送層は、一層であり、且つ最表面層として備えられる、請求項1〜11の何れか一項に記載の電子写真感光体。
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