JP2021006705A - ポンプ装置 - Google Patents

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政信 飛世
Masanobu Tobiyo
政信 飛世
謙雄 森
Norio Mori
謙雄 森
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【課題】流体の送出に悪影響を及ぼし得るチューブの劣化を抑制して、流体を長期間にわたって安定して送出できるポンプ装置を提供する。【解決手段】可撓性を有するチューブ10と、前記チューブ10の支持面41を有する圧搾プレート40と、前記支持面41との間で前記チューブ10を圧迫する圧搾ローラ30と、前記圧搾ローラ30を前記支持面41に沿って移動させることで前記チューブ10内の流体をローラ移動方向に送出するローラ移動機構20と、を備え、前記圧搾プレート40には、前記支持面41の端部に、当該支持面41に連続する湾曲面によって構成された逃げ形状部42が設けられている。【選択図】図1

Description

本発明は、ポンプ装置に関し、特に、ペリスタルティックポンプ、蠕動ポンプ、チューブポンプまたはローラーポンプと呼ばれるポンプ装置に関する。
例えば、医療機器や食品加工機械等の技術分野では、ペリスタルティックポンプ、蠕動ポンプ、チューブポンプまたはローラーポンプと呼ばれるポンプ装置が用いられることがある。かかるポンプ装置は、可撓性を有するチューブを、圧搾プレートと圧搾ローラとによって圧迫し、その圧迫箇所を圧搾ローラの回転によって移動させることで、チューブ内の流体をローラ移動方向に送出するように構成されている(例えば、特許文献1参照)。
実開昭57−026689号公報
本発明は、流体の送出に悪影響を及ぼし得るチューブの劣化を抑制して、流体を長期間にわたって安定して送出できるポンプ装置を提供することを目的とする。
本発明の一態様は、上記目的を達成するために案出されたもので、
可撓性を有するチューブと、
前記チューブの支持面を有する圧搾プレートと、
前記支持面との間で前記チューブを圧迫する圧搾ローラと、
前記圧搾ローラを前記支持面に沿って移動させることで前記チューブ内の流体をローラ移動方向に送出するローラ移動機構と、を備え、
前記圧搾プレートには、前記支持面の端部に、当該支持面に連続する湾曲面によって構成された逃げ形状部が設けられている
ポンプ装置である。
本発明によれば、流体の送出に悪影響を及ぼし得るチューブの劣化を抑制することができ、これにより流体を長期間にわたって安定して送出することが可能となる。
本発明の一実施形態に係るポンプ装置の概略構成例を模式的に示す説明図である。 ポンプ装置の流量変化の一具体例を示す説明図(その1)である。 ポンプ装置の流量変化の一具体例を示す説明図(その2)である。 従来のポンプ装置の一例の概略構成を模式的に示す説明図である。
以下、図面に基づき本発明に係るポンプ装置について説明する。
<1.ポンプ装置の概要>
本実施形態で説明するポンプ装置は、ペリスタルティックポンプ、蠕動ポンプ、チューブポンプまたはローラーポンプと呼ばれるもので、可撓性を有するチューブを圧迫し、その圧迫箇所をチューブの延伸方向に沿って移動させることで、チューブ内の流体を送出するように構成されたものである。具体的には、例えば図4に示すように、回転体101の周上に均等に配置された複数の圧搾ローラ102と、各圧搾ローラ102と対向する支持面103を有した圧搾プレート104とを備え、支持面103と各圧搾ローラ102とでチューブ105を圧迫しつつ回転体101を回転させることで、チューブ105内の流体を送り出すものが知られている。
かかる構成のポンプ装置によれば、流体と接触するのはチューブ105のみであり、他のポンプ構成部材と非接触で流体を送出することが可能である。そのため、特に、医療機器や食品加工機械等の技術分野において、薬液や溶液等の流体を送出する場合に広く利用されている。
<2.発明者の知見>
ところで、上述のポンプ装置は、チューブ圧迫箇所を移動させることで生じる蠕動運動を利用して流体を送出する構造のため(以下、かかる構造のポンプ装置を単に「蠕動ポンプ」ともいう。)、チューブの劣化が流体の送出に大きな影響を及ぼし得る。例えば、チューブの劣化により流体の流量が変動したり、チューブの破断により流体送出を行えなかったりすることが起こり得る。そのため、蠕動ポンプについては、流体の送出に悪影響を及ぼし得るチューブの劣化を抑制して、流体を長期間にわたって安定して送出できるようにすることが求められている。
流体の流量変動やチューブ破断等の要因は主にチューブの材質に依存すると考えられていたが、本願発明者の鋭意検討の結果、必ずしもチューブの材質によるものだけではなく、蠕動ポンプの機構部の構造に大きく関係するという知見を得るに至った。具体的には、例えば図4に示すように、圧搾プレート104における支持面103の端部が角形状であると(図中矢印G参照)、そこでチューブ105の屈曲が繰り返されることによって、その部分でチューブ105の劣化または断裂が起こり易くなってしまう。
本実施形態で例に挙げて説明する蠕動ポンプは、上述した本願発明者の知見に基づいて新たに案出されたものであり、以下に述べる特徴的な構成を備えたものである。
<3.ポンプ装置の構成>
本実施形態の蠕動ポンプは、例えば図1に示すように、可撓性を有する管状のチューブ10と、モータ等の駆動源(ただし不図示)によって回転駆動されるローラ移動機構としての回転体20と、回転体20の周上に均等に配置された複数の圧搾ローラ30と、各圧搾ローラ30と対向する支持面41を有した圧搾プレート40と、チューブ10を支持するチューブ支持具50と、を備えている。そして、圧搾プレート40の支持面41と回転体20に配置された各圧搾ローラ30との間をチューブ10が通るように、そのチューブ10がチューブ支持具50によって支持されるようになっている。
このような構成の蠕動ポンプにおいては、各圧搾ローラ30が圧搾プレート40の支持面41と間でチューブ10を圧迫する。そして、回転体20を回転(例えば、図中における時計回り方向への回転)させることによって、各圧搾ローラ30を支持面41に沿って移動させる。これにより、チューブ10内では、圧迫箇所の移動によって蠕動運動が生じる。この蠕動運動を利用して、チューブ10内の流体は、各圧搾ローラ30の移動方向に送出されることになる。
以下、蠕動ポンプにおける各構成要素について、さらに詳しく説明する。
(チューブ)
チューブ10は、流体の流路となるものである。ただし、蠕動運動の利用によって流体送出を行うことから、チューブ10は、可撓性を有していることが必須となる。可撓性を有するチューブ10としては、例えば、シリコンゴムを形成材料とする、いわゆるシリコンチューブを用いることができる。
ところで、既述のように、チューブ劣化等を招く要因は、蠕動ポンプの機構部の構造に大きく関係する。その一方で、チューブ10が圧搾ローラ30によって繰り返し圧迫されることを考慮すると、チューブ材質への依存性を排除することはできない。
このことを踏まえると、チューブ10については、不飽和炭化水素化合物を形成材料として用いることが好ましい。不飽和炭化水素化合物は、エチレン・プロピレン・ブタジエン等の高分子化合物であり、オレフィンとも呼ばれ、代表的なものとしてポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)等が知られている。つまり、チューブ10は、例えば、PP、PE等を形成材料とする、いわゆるオレフィンチューブを用いることが、劣化または断裂を抑制して流体を長期間にわたって安定して送出できるようにする上では好ましい。
なお、チューブ10は、チューブ支持具50によって着脱可能に支持されるものとする。着脱可能であれば、チューブ10の洗浄や交換等を容易に行えるようになる。チューブ10の着脱を可能にするチューブ支持具50の具体的な構成については、詳細を後述する。
(圧搾ローラ)
圧搾ローラ30は、圧搾プレート40の支持面41と間でチューブ10を圧迫しつつ、回転体20の回転に伴って圧迫箇所を移動させることで、チューブ10内に蠕動運動を生じさせるものである。そのために、圧搾ローラ30は、例えば、金属材料または樹脂材料によって、回転可能な円柱状に形成されている。
蠕動ポンプに使用可能な圧搾ローラ30は、ギヤ式と自走式に大別される。ギヤ式は、回転体20の回転に伴って圧搾ローラ30がギヤ駆動されて回転する方式のものである。自走式は、圧搾ローラ30が自由回転可能に支持され、回転体20が回転している状況下でチューブ10に接触するとその摩擦抵抗によって従動回転する方式のものである。
圧搾ローラ30としては、ギヤ式と自走式のいずれを用いても構わない。ただし、以下に述べる理由により、圧搾ローラ30は、自走式のものとすることが、チューブ10の劣化を抑制して流体を長期間にわたって安定して送出できるようにする上では好ましい。
例えば、ギヤ式の圧搾ローラ30は、回転体20が一方向(例えば、時計回り方向。図中矢印A参照)へ回転すると、これに伴って回転体20とは逆方向(例えば、反時計回り方向。図中矢印B参照)へ回転駆動される。このとき、圧搾ローラ30がチューブ10と接触する箇所において、回転体20の周速と圧搾ローラ30の周速とが完全に一致しないと、そのチューブ10に対して、延伸方向(すなわち管軸方向)に送り出そうとする力が働くか、または逆に戻そうとする力が働いてしまう。ただし、それぞれの周速を完全に一致させることは必ずしも容易ではない。そのため、圧搾ローラ30に圧迫されている間、チューブ10には、管軸方向に変形させようとする負荷(すなわち、伸びる方向への負荷または縮む方向への負荷)がストレスとして掛かり続けることになる。チューブ10へのストレスは、流体の流量変動に繋がるチューブ10の管内径の変動を招くおそれがある。
これに対して、自走式の圧搾ローラ30であれば、チューブ10との接触で生じる摩擦抵抗によって従動回転するので、ギヤ式の場合に比べると、チューブ10へのストレスを軽減できる。したがって、チューブ10の劣化を抑制して流体送出の安定化を図る上では、自走式の圧搾ローラ30を用いることが好ましい。
なお、自走式の圧搾ローラ30を用いる場合、チューブ10へのストレスを確実に軽減させるためには、圧搾ローラ30の回転抵抗を抑えて滑らかに従動回転させることが必要である。そのため、圧搾ローラ30は、回転体20に設けられたローラ支持軸への装着を、転がり軸受(ベアリング)等の軸受機構を用いて行うことが好ましい。軸受機構を用いることで、圧搾ローラ30を滑らかに自転させることが可能となるからである。
また、圧搾ローラ30は、片持ち支持ではなく、両端支持によって、回転体20に装着されていることが好ましい。片持ち支持では、チューブを圧迫する際の荷重によってローラ支持軸に撓み(すなわち圧搾ローラ30の傾き発生)が生じ、これによりチューブ10の管内径の変動(すなわち流量変動)を招き得るのに対し、両端支持であれば圧搾ローラ30の傾き発生を抑制し得るからである。具体的には、圧搾ローラ30の両軸端をそれぞれ軸受機構を用いて支持するように構成することが考えられる。
また、圧搾ローラ30は、回転体20が回転するときの同一円周上に、複数のものが均等配置されている。具体的には、例えば、12個の圧搾ローラ30が均等ピッチで配置されている。圧搾ローラ30の配置数は、特に限定されるものではないが、チューブ10内の蠕動運動を阻害しない程度に多くすることが好ましい。例えば、一般的な蠕動ポンプのローラ配置数が6個程度であるのに対して(図4参照)、これよりも多い12個の圧搾ローラ30を配置することが好ましい。圧搾ローラ30の配置数が多ければ、回転体20の回転速度が同じであっても、単位時間あたりのチューブ10に対する圧迫箇所の発生数が多くなるため、流体送出の安定化に寄与し得るようになるからである。
(圧搾プレート)
圧搾プレート40は、回転体20に配置された圧搾ローラ30よりもさらに外周側に配置され、圧搾ローラ30によって圧迫されるチューブ10を当該圧搾ローラ30の対向側から支持するように構成されたものである。そのために、圧搾プレート40は、チューブ10の支持面41を有している。
支持面41を有する圧搾プレート40は、その支持面41がチューブ10と直接的に接触することから、チューブ10へのストレスを軽減させるべく、滑り性の良い表面を実現可能な形成材料であるポリアセタール(POM)等の樹脂材料によって形成することが考えられる。ただし、これに限定されることはなく、チューブ10へのストレスを軽減させる表面を実現可能であれば、他の形成材料によって形成したものであっても構わない。
圧搾プレート40における支持面41は、圧搾ローラ30の対向側からチューブ10を支持するものであることから、圧搾ローラ30の外周側の端縁が描く軌跡に相当する仮想円に沿った曲面によって構成されている。さらに詳しくは、当該仮想円の半径に圧迫状態のチューブ10の幅を加えた大きさの曲率半径を有する曲面によって構成されている。
また、支持面41は、チューブ10の延伸方向(すなわち管軸方向)において、少なくとも3個の圧搾ローラ30の配置範囲(例えば、図中矢印C参照)にわたって、曲面が連続するように構成されている。少なくとも3個であるから、4個以上の圧搾ローラ30の配置範囲にわたって支持面41が形成されていてもよい。かかる範囲は、チューブ10内に蠕動運動を生じさせる上で必要十分な範囲である。つまり、かかる範囲にわたって曲面が連続するように支持面41を構成し、その対向側から圧搾ローラ30がチューブ10を圧迫しつつ移動する構造とすることで、チューブ10内での流体送出が可能となるのである。
ところで、既述のように、チューブ劣化等を招く要因は、蠕動ポンプの機構部の構造に大きく関係する。具体的には、例えば、支持面端部が角形状であると、その部分でチューブ10の劣化または断裂が起こり易くなってしまう。
このことから、本実施形態において、圧搾プレート40には、支持面41の端部(例えば、図中におけるD点参照)に、当該支持面41に連続する湾曲面によって構成された逃げ形状部42が設けられている。逃げ形状部42が設けられていることで、圧搾プレート40は、圧搾ローラ30に対向する側の面が、支持面41から離れるほど(すなわちプレート端縁に近づくほど)、圧搾ローラ30の軌跡に相当する仮想円から逃げるように(すなわち互いの間隔が大きくなるように)なっている。なお、逃げ形状部42は、支持面41の両端部のそれぞれに対応して設けられているものとする。
逃げ形状部42を構成する湾曲面は、仮想円からの逃げを形成するものであるから、支持面41を構成する曲面とは逆方向に湾曲しているものとする。なお、湾曲の曲率半径は、特に限定されるものではなく、仮想円からの逃げを形成する上で必要十分なものであればよい。また、逃げ形状部42を構成する湾曲面が配置される範囲(例えば、図中矢印E参照)についても、特に限定されるものではなく、仮想円からの逃げを形成する上で必要十分なものであればよい。
このような逃げ形状部42が設けられている圧搾プレート40においては、支持面41を構成する曲面と逃げ形状部42を構成する湾曲面とが連続していることから、支持面41の端部が角形状となってしまうことがない。したがって、支持面41の端部でチューブ10の劣化または断裂が起こるのを抑制することができる。
また、回転体20の回転によって圧搾ローラ30を移動させる構成の蠕動ポンプでは、圧搾ローラ30がチューブ10と接触し始める箇所(例えば、図中におけるD点参照)においてチューブ10の圧迫変形が起こり、その変形による負荷でチューブ10の劣化または断裂が起こり易くなってしまうことが懸念される。
ところが、本実施形態において、圧搾プレート40には逃げ形状部42が設けられていることから、圧搾ローラ30がチューブ10と接触し始める箇所では、圧搾プレート40の側に逃げが確保された状態となる。そのため、逃げがない場合に比べると、圧搾ローラ30との接触で与えられるチューブ10への負荷を軽減して、チューブ10の劣化または断裂が起こるのを抑制することができ、その結果としてチューブ10の寿命を大幅に伸ばすことが可能となる。
しかも、圧搾プレート40に逃げ形状部42が設けられていれば、圧搾ローラ30がチューブ10と接触し始める箇所を過ぎて、さらに回転体20の回転方向に圧搾ローラ30が移動する場合に、圧搾ローラ30と圧搾プレート40との間隔が徐々に狭まることになる。そのため、これらの間に挟まれるチューブ10は、圧搾ローラ30の側と圧搾プレート40の側との両側から徐々に圧が高くなるような態様で圧迫される。このような態様での圧迫を行えば、局所的に過大な負荷が生じてしまうことがないので、チューブ10の劣化または断裂が起こるのを抑制することができ、その結果としてチューブ10の寿命を大幅に伸ばすことが可能となる。その上、チューブ10に対して両側から徐々に圧を高めて圧迫することになるので、チューブ10内に蠕動運動を生じさせる上で非常に適したものとなり、その結果として流体を長期間にわたって安定して送出することが実現可能となる。
(チューブ支持具)
チューブ支持具50は、チューブ10が圧搾ローラ30と圧搾プレート40との間を通るように、そのチューブ10を支持するものである。チューブ10の支持は、流体の流入側(すなわち、支持面41および圧搾ローラ30によるチューブ10の圧迫箇所の上流側)と流出側(すなわち、支持面41および圧搾ローラ30によるチューブ10の圧迫箇所の下流側)とのそれぞれで行う。そのために、チューブ支持具50は、チューブ10の圧迫箇所の上流側と下流側のそれぞれに配設されている。
上流側と下流側のそれぞれに配設されたチューブ支持具50は、いずれも、例えば金属材料または樹脂材料によって立方体状に形成されており、チューブ10が通る貫通穴51と、この貫通穴51よりも大径の係止穴52と、が設けられている。そして、チューブ10の端部に取り付けられた係止片11を係止穴52と係止させることで、そのチューブ10が貫通穴51の側には抜けないように、そのチューブ10をチューブ支持具50が支持する構造となっている。このような構造により、チューブ10は、上流側のチューブ支持具50と下流側のチューブ支持具50との間で、ある程度の張力が与えられた状態で、圧搾ローラ30と圧搾プレート40との間を通るように支持される。
チューブ支持具50に支持されるチューブ10は、圧搾ローラ30と圧搾プレート40とによって圧迫されるので、その圧迫による変形の影響で、ポンプ稼働開始時のチューブ長よりも経時的にチューブ長が大きくなるような伸びが発生するおそれがある。ところが、上述した支持構造によれば、各チューブ支持具50において、係止片11と係止穴52との係止によってチューブ10を支持するので、チューブ10が伸びる方向には遊びを有することになる。つまり、チューブ支持具50は、チューブ10が伸びる方向への支持位置変位を許容する態様で、チューブ10を支持するようになっている。したがって、圧迫による変形の影響でチューブ10に伸びが生じた場合であっても、その伸びがチューブ支持具50の支持構造によって吸収されるので、流体を長期間にわたって安定して送出する上で非常に好ましいものとなる。
なお、チューブ支持具50に支持されるチューブ10を圧迫する圧搾プレート40の支持面41および圧搾ローラ30は、圧搾ローラ30の軸方向へのチューブ10の変位を許容する形状に構成されていることが好ましい。具体的には、例えば、圧搾ローラ30については、軸方向へのチューブ10の変位を許容する軸長を有するように構成することが考えられる。また、例えば、圧搾プレート40の支持面41については、圧搾ローラ30の軸長と同程度の面幅を有する曲面となるように構成することが考えられる。チューブ10には、圧迫によって管軸方向との直交方向(すなわちローラ軸方向)に変位しようとする力が働くことがある。その場合に、例えば、チューブ10のローラ軸方向への変位を制限するように圧搾ローラ30または支持面41が構成されていると、その制限によって生じる負荷でチューブ10の劣化または断裂が起こり易くなってしまうことが懸念される。これに対して、支持面41および圧搾ローラ30がチューブ10のローラ軸方向への変位を許容する形状に構成されていれば、チューブ10への負荷を軽減して、チューブ10の劣化または断裂が起こるのを抑制することができ、その結果としてチューブ10の寿命を大幅に伸ばすことが可能となる。
チューブ10を支持するチューブ支持具50には、その外表面と貫通穴51および係止穴52と連通させるスリット状のチューブ着脱用溝(ただし不図示)が形成されている。チューブ着脱用溝の溝幅は、チューブ10が通る幅であるものとする。このように構成されていれば、チューブ支持具50は、チューブ10を着脱可能に支持することが可能となる。例えば、チューブ10をチューブ支持具50から取り外す場合であれば、チューブ10を引っ張るようにして係止片11と係止穴52と係止を解除しつつ、チューブ着脱用溝を利用してチューブ10をチューブ支持具50の外方に位置させればよい。このように、チューブ10の着脱が可能であれば、チューブ10の洗浄や交換等を容易に行えるようになる。
<4.本実施形態の効果>
本実施形態によれば、以下に述べる一つまたは複数の効果を奏する。
(a)本実施形態では、圧搾プレート40の支持面41の端部に逃げ形状部42が設けられているので、支持面41の端部が角形状となってしまうことがなく、支持面41の端部でチューブ10の劣化または断裂が起こるのを抑制することができる。チューブ10の劣化または断裂を抑制できれば、その結果としてチューブ10の寿命を大幅に伸ばすことが可能となり、またチューブ10を利用して行う流体の送出に悪影響を及ぼしてしまうこともない。このように、流体の送出への悪影響を排除することで、チューブ10内に蠕動運動を生じさせる上で非常に適したものとなり、その結果として流体を長期間にわたって安定して送出することが実現可能となる。
つまり、本実施形態によれば、流体の送出に悪影響を及ぼし得るチューブ10の劣化を抑制することができ、これにより流体を長期間にわたって安定して送出することが可能となる。
ここで、流体を長期間にわたって安定して送出することについて、具体例を挙げて説明する。なお、流体の流量計測は、チューブ上流側に接続された図示せぬ流量計を用いて行われるものとする。そして、流量計を用いた流量計測にあたり、その流量計測が長期間にわたるため、蠕動ポンプで送出した流体をリザーバーに戻し、流体を循環して使用できるようにしている。
例えば、図2(b)に示すように、一般的な蠕動ポンプ(図4参照)であれば、送出する流体の流量は、経時的(特に稼働開始直後の期間)に減少することが知られている。これは、チューブ屈曲が繰り返されることによる劣化等が一因となっていると考えられる。
これに対して、本実施形態で説明した蠕動ポンプ(図1参照)によれば、チューブ10の劣化または断裂を抑制できるので、図2(a)に示すように、例えば稼働開始直後の機関であっても、送出する流体流量の経時的な減少を抑えられることがわかる。つまり、本実施形態に係る蠕動ポンプによれば、流体を長期間にわたって安定して送出できることが確認されている。
(b)本実施形態で説明したように、流体の流路となるチューブ10について、圧迫時のローラ軸方向への変位を許容すること、伸びる方向への支持位置変位を許容する態様で支持されること、単位時間あたりの圧迫箇所の発生数が多くなるようにローラ配置数を設定すること、または、チューブ形成材料として不飽和炭化水素化合物を用いることのいずれか一つ、またはこれらの複数を適宜組み合わせて実施すれば、より一層流体送出の安定化が図れるようになる。
例えば、図3に示すように、流体の流量は、ポンプ稼働開始から24時間後に安定するが、その後は徐々に経過する傾向にある。これは、チューブ10の変形が発生することが一因であると考えられる。また、図中において、点状のプロットが存在するのは、シリコンチューブの摩耗カスが発生し、そのカスが流量計を通過する際に検知されることによって発生したものと考えられる。
これに対して、本実施形態で説明したように、チューブ10の変位を許容したり、形成材料として不飽和炭化水素化合物を用いたり等をすれば、チューブ10の変形による流量変動や摩耗カスの発生等を抑制し得るようになるので、流体を長期間にわたって安定して送出する上で非常に好ましいものとなる。
<5.変形例等>
以上、本発明の実施形態について具体的に説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。
例えば、蠕動ポンプを構成する圧搾ローラ30の配置数や圧搾プレート40の形状等については、上述した実施形態で例に挙げた構成に限定されることはなく、ポンプ使用目的や使用環境等に応じて、適宜変更しても構わない。このことは、チューブ10の長さや径等についても同様である。
また、チューブ10の本数についても、特に限定されるものではない。例えば、圧搾プレート40の支持面41と圧搾ローラ30との間には、1本のチューブ10を通す構成とすることが考えられるが、これに限定されることはなく、複数本のチューブ10が並ぶように通す構成としても構わない。
10…チューブ、20…回転体、30…圧搾ローラ、40…圧搾プレート、41…支持面、42…逃げ形状部、50…チューブ支持具

Claims (4)

  1. 可撓性を有するチューブと、
    前記チューブの支持面を有する圧搾プレートと、
    前記支持面との間で前記チューブを圧迫する圧搾ローラと、
    前記圧搾ローラを前記支持面に沿って移動させることで前記チューブ内の流体をローラ移動方向に送出するローラ移動機構と、を備え、
    前記圧搾プレートには、前記支持面の端部に、当該支持面に連続する湾曲面によって構成された逃げ形状部が設けられている
    ポンプ装置。
  2. 前記支持面および前記圧搾ローラは、前記圧搾ローラの軸方向への前記チューブの変位を許容する形状に構成されている
    請求項1に記載のポンプ装置。
  3. 前記チューブは、前記チューブ10が伸びる方向への支持位置変位を許容する態様で支持されている
    請求項1または2に記載のポンプ装置。
  4. 前記チューブは、不飽和炭化水素化合物を形成材料として構成されている
    請求項1から3のいずれか1項に記載のポンプ装置。
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