JP2021006387A - 筆記具 - Google Patents

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Abstract

【課題】操作性と操作感を両立させた筆記具を提供すると共に、机やテーブルなどの平面盤上置いたときに、転がりを防止可能な筆記具を提供すること。【解決手段】軸筒10と、軸線方向に相対移動可能に軸筒10に収納された筆記体20と、軸筒10の後端から突出する押圧体40と、を備え、押圧体40を前方へ押圧することで、筆記体20が軸筒10の前端開口部10aから突出するよう構成され、軸筒10の一端部の外側面に、外方へ向って突出する突状部60が形成され、軸筒10の他端部に、押圧体40の前方への押圧動作により軸筒10に対しその軸線周りに相対回転可能に形成された回転操作体50が配置され、回転操作体の外側面に、外方へ向って突出する突状部が形成される。【選択図】図2

Description

本発明は、筆記具に関する。
従来、軸筒に対しこの軸筒の軸線周りに頭冠を回転することにより、軸筒の前端の開口部から軸筒内に支持された筆記体を出没させる、回転操作式の筆記具が知られている(特許文献1参照)。このような筆記具は、内部の回転機構により出没操作が実現され、静かな操作音での操作が可能なため、操作感に優れる。一方、回転操作式の筆記具は、一般に、片手で軸筒を把持し、残りの手で頭冠を把持して軸筒に対し軸線周りに相対回転させることで筆記体の出没操作を行う。このことから、素早い出没操作を行いにくく出没操作にやや時間を要するため、操作性に改善の余地がある。
これに対し、例えば軸筒の後端の開口部から外部に突出したノック部材を軸筒に対して前方に押し込むことにより、軸筒の前端の開口部から軸筒内に支持された筆記体を出没させる、ノック式の筆記具も知られている。ノック式の筆記具は、片手で出没操作を行うことができるため機敏な操作を行うことができるが、筆記体が軸筒内に勢いよく没入することで当該筆記体に大きな衝撃が加わってしまったり、ノック操作時にカチカチと音がしたりして、操作感に改善の余地がある。
また、上記したノック式や回転式の繰り出し構造を備えた筆記具は、軸筒の内部に精密な部品を組み合わせることで繰り出し構造を形成しているものが多く、例えば机などに置いた筆記具が転がることで床等に落下してしまうと、床の材質にもよるが、軸筒部にゆがみや変形、傷が発生することで、繰り出し構造に影響が出る虞があった。
一方、一般的な筆記具には服のポケット、ノートまたは筆箱等に挟んで固定するための機能としてクリップが形成されているものも多く、そのクリップが筆記具の転がりを防止する役割を併せ持つことで、筆記具が落下することで破損や傷等がすることを防ぐことができるように構成されている。また、クリップを設けていないものでも、特許文献2のように、軸筒の外側面に突起部を設けることで転がりを防止する構造を有するものや、特許文献3のように筆記具の端部に2から3箇所の角を設けることで転がりを防止する構造が開示されている。
しかしながら、特許文献2、特許文献3または軸筒の外側面にクリップを設けることで筆記具の回転を防止する構造では、例えば筆記具を机の上に置いた際に、転がりを防止するための突起部、角またはクリップ等を机の端から外側に突出させた状態で置いてしまうと、転がりを防止できずに机から落下して筆記先端や軸筒等が変形する場合や破損する虞があった。
特開2007−320209号公報 特開2008−055833号公報 実開昭54−145252号公報
本発明は、以上の実情を鑑みて創案されたことになる。すなわち本発明は、操作性と操作感を両立させた筆記具を提供すると共に、机やテーブルなどの平面盤上に置いたときに、転がりを防止可能な筆記具を提供することを目的とする。
本発明は
「1.軸筒と、前記軸筒に対してその軸線方向に相対移動可能に当該軸筒に収納された筆記体と、前記軸筒の後端から後方へ向って突出する押圧体と、を備え、前記押圧体を前方へ押圧することで、前記軸筒に収納された前記筆記体の少なくとも一部が前記軸筒の前端開口部から突出するよう構成した筆記具であって、
前記軸筒の一端部の外側面に、外方へ向って突出する突状部が形成され、
前記軸筒の他端部に、前記押圧体の前方への押圧動作により当該軸筒に対しその軸線周りに相対回転する回転操作体が配置され、
前記回転操作体の外側面に、外方へ向って突出する突起部が形成され、
前記筆記体の少なくとも一部が前記軸筒の先端開口部から突出した状態において、前記突起部を回転操作することで、前記筆記体が前記軸筒内に収納されるよう構成すると共に、
前記筆記体が軸筒内に収納された状態において、前記突状部に対し前記突起部の軸線周りにおける位置が軸心を挟んで反対領域に配置されるよう構成したことを特徴とする筆記具。
2.前記軸筒内に、前記回転操作体と連動して当該軸筒に対して相対回転すると共に前記軸線の周りを螺旋状に延びるスリットを備えた回転体を備え、
前記押圧体は、前記スリット内を移動する移動部を有し、前記軸筒に対し軸線方向に相対移動可能であるが軸線周りの相対回転が規制されたことを特徴とする前記1項に記載の筆記具。
3.前記スリットに前記移動部が係止する係止部が形成されたことを特徴とする前記1項または2項に記載の筆記具。
4.前記筆記体と前記軸筒との間にコイルバネを張架することで、当該筆記体を介して前記押圧体が後方へ弾発されたことを特徴とする前記1項ないし3項の何れか1項に記載の筆記具。
5.前記筆記体の少なくとも一部が前記軸筒の前端開口部から突出した状態において、前記突状部に対して前記突起部が配設される位置が、軸線周り方向において120°以内の範囲に位置するよう構成されたことを特徴とする前記1項ないし4項の何れか1項に記載の筆記具。
記具。
6.平面盤上に、前記筆記具を前記筆記体の少なくとも一部が前記軸筒の前端開口部から突出した状態で当該軸筒の外周面が平面盤に接する向きで置いたとき、前記突起部と前記突状部と前記軸筒と前記回転操作体とのうち、少なくとも2部位以上が前記平面盤に当接した状態において、前記筆記体の先端が当該平面盤に接触しないよう、前記突状部及び前記突起部の外方への突出高さを調整したことを特徴とする前記1項ないし5項の何れか1項に記載の筆記具。」である。
尚、本発明における軸線周りにおける位置が軸心を挟んで反対領域とは、軸線周り方向に90°以上離れた状態を指す。また、本発明では、軸筒の長手方向(軸線方向)において、筆記体が出没する前端開口部がある側を前方と表現し、その反対方向を後方と表現する。更に、軸筒の軸径方向において、軸心から遠ざかる方向を外方と表現し、軸心に近づく方向を内方と表現する。
本発明における第一の発明によれば、押圧体を前方へ押圧するノック操作により、筆記体の少なくとも一部を容易に軸筒の前端開口部から突出させることができると共に、回転体の突起部を操作することで、筆記体を容易に軸筒内に収納することができるため、筆記体の出没操作における操作性が非常に優れたものとなる。
尚、本発明では押圧体を押圧することで回転体が軸筒に対して相対回転するよう構成しているため、軸線に沿った方向の動きを回転する力に変換することで、軸線方向の動きに緩やかにすることができる。このため、筆記体を軸筒内に収納する際には、回転体の回転に制動がかかることで、押圧体の後退も緩やかになり、筆記体に掛かる衝撃が緩和されることから操作感が向上する。
また、筆記体が軸筒内に収納された状態において、突状部に対し突起部の軸線周り方向における位置が軸心を挟んで反対領域に配置されるよう構成しているため、本発明の筆記具を机やテーブルなどに置いた際に、突起部と突状部の2つの突起により筆記具が軸線回り正逆両方向に転がる範囲が制限されるため、筆記具が机やテーブルの上から落下することを防止することができる。そして、筆記体を軸筒内に収容した状態で、軸筒の外側面が当接するように机やテーブルなどの平面盤上に筆記具を置く場合、突起部と突状部が盤上に当たらないよう置いた状態と、その状態から裏返して反対の外側面が当接する状態とのどちらにおいても筆記具が盤上を転がる範囲は小さいほうが、より落下のリスクが減り安全性が向上するため、突起部の位置に対する突状部の軸線回り方向の位置は、軸心を挟んで反対領域に位置するよう各々90°以上離れるように構成することが好ましく、120°以上離れるよう構成することがより好ましく、150°以上離すことがさらに好ましく、180°離すことが最も好ましい。
更に、本発明では、突起部と突状部の二つの突起を形成しているため、筆記具を机やテーブルに置いた際に、一方の突起が机やテーブルの端から突出していても、他方の突起が筆記具の転がりを防止できるため、筆記具が机やテーブルから床に落下する危険性が減少する。
次に、本発明における第ニの発明によれば、押圧体を押圧した際に回転体の螺旋状に延びるスリット内を移動する移動部は軸線周りの相対回転が規制されているため、移動部の移動に伴って回転体が回転すると共に、回転体に連動する回転操作体を回転させることができる。そして、前記回転操作体と前記回転体は、別々に分けて形成後に各々が連動して回転するように係着させてもよく、一体に形成して連動するように形成してもよいが、別々に形成することで回転体に対して回転操作体に形成する突状部の軸線回りの方向の位置を調整することができるようになるため、好適である。
次に、本発明における第三の発明によれば、スリットに移動部が係止する係止部が形成されていてもよく、この場合、軸筒の前端開口部から筆記体の少なくとも一部が突出した状態で移動部が係止部に係止するよう構成することで、筆記体が軸筒の前端開口部から突出した状態を維持することができる。
次に、本発明における第四の発明によれば、筆記体と軸筒との間にコイルバネを張架することで、筆記体を介して押圧体が後方へ弾発されるよう構成してもよく、この場合、筆記体の少なくとも一部が軸筒の前端開口部から突出した状態において、回転体の突状部を手で回転操作して移動部とスリットの係止部の係止状態を解除して移動部を螺旋溝部に移動させることで、コイルバネの弾発力で押圧体を後退させ、それに伴い筆記体を自動で後退させることができる。この際、コイルバネの弾発力を高く設定すると筆記体の後退速度が速くなることで、筆記体が最後退したときに当該筆記体に大きな衝撃が加わってしまうため、自動で戻りつつゆっくり戻るようにコイルバネの弾発力を調整することが好ましい。
次に、本発明における第五の発明によれば、筆記体の少なくとも一部が軸筒の前端開口部から突出した状態において、前記突状部に対して前記突起部が配設される位置が、軸線周り方向において120°以内の範囲の位置するよう構成してもよく、この場合、筆記具を机やテーブル等の平面盤上に筆記具を置く際に、突起部と突状部とが盤上側に位置するようにすることで、筆記具の転がる範囲を小さくなり、落下のリスクが低減されるため、精密部品や尖状部品で構成され、筆記具を構成する部品の中でも比較的低い強度で構成される筆記体の先端が効果的に保護されることから好適である。さらに、机やテーブル等の平面盤上に筆記具を置く際に、突起部と突状部との両突起が同時に平面盤に当接するよう突起部及び突状部が外方へ突出する高さを調整し、両突起を筆記具の軸線方向の両端部にバランスよく配置することで、突起部と突状部を足代わりにして立つように構成してもよく、この場合、筆記具が転がる危険性を更に下げることができるため、より好適である。
次に、本発明における第六の発明によれば、机やテーブル等の平面盤上に、筆記具を筆記体の少なくとも一部が前記軸筒の前端開口部から突出した状態で当該軸筒の外周面が平面盤に接する向きで置いたとき、突起部と突状部と軸筒と回転操作体とのうち、少なくとも2部位が前記平面盤に当接した状態において、前記筆記体の先端が当該平面盤に接触しないよう、前記突状部及び前記突起部の外方への突出高さを調整してもよく、この場合、筆記体の先端が軸筒から突出したまま机などに置いた筆記具に何らかの外力が働いて2つの突起で支えきれずに筆記具が転がっても、筆記体の先端は机やテーブルの平面盤には当接しないため、当該先端の変形や破損を防止することができる。
本発明によれば、操作性と操作感を両立させた筆記具を提供すると共に、机やテーブルなどの平面盤上置いたときに、転がりを防止可能な筆記具を提供することができた。
本発明の実施の形態による筆記具を示す概略側面図であり、ペン先が没入した図である。 図1のシャープペンシルを示す概略縦断面図である。 図2の後方拡大図である。 本発明の実施の形態による筆記具を示す概略側面図であり、ペン先が突出した図である。 図1のシャープペンシルを示す概略縦断面図である。 図5の後方拡大図である。 図2の筆記具の中筒を示す概略正面図である。 図2の筆記具の回転体を示す概略正面図であり、図8Aは図2の状態における回転体を正面視した図であり、図8Bは図5の状態における回転体を正面視した図である。 図2の筆記体の回転体の概略縦断面図であり、図9Aは図8Aの8A−8A線縦断面図であり、図9Bは図8Bの8B−8B線縦断面図である。 図9の線Cに沿って切り開いた、回転体の概略的な展開図である。 図8に示す回転体の前端近傍を示す拡大図であり、図11Aは回転体の前壁部の前端近傍を示す拡大図であり、図11Aは回転体の後壁部の前端近傍を示す拡大図である。 図1の筆記具の作用を説明するための図であり、筆記体が軸筒内に没入した状態を示している。 図1の筆記具の作用を説明するための図であり、筆記体が軸筒に対し前方に相対移動している状態を示している。 図1の筆記具の作用を説明するための図であり、筆記体が軸筒から突出した状態を示している。 図1の筆記具の作用を説明するための図であり、筆記体が軸筒に対し後方に相対移動している状態を示している。 図13は、図12の筆記具を後方から見た図であり、図13Aは図12Aの状態の筆記具を後方から見た図であり、図13Bは図12Bの状態の筆記具を後方から見た図であり、図13Cは図12Cの状態の筆記具を後方から見た図であり、図13Dは図12Dの状態の筆記具を後方から見た図である。 図4の筆記具を手で把持した状態を示す説明図である。 図4の筆記具を机などの平面盤上に突起部と突状部とが同時に当接した状多おいで置いた状態を後方側から見た説明図である。 図4の筆記具を平面盤上に置いた状態を側面側から見た説明図であり、図16Aは軸筒と突起部とが同時に当接した状態を示しており、図16Bは突状部と回転操作体とが同時に当接している状態を説明するための説明図である。
以下に、添付の図面を参照して本発明の一実施の形態を詳細に説明する。
図1は、本発明の実施の形態による筆記具20を示す概略側面図であり、ペン先が没入した図である。図2は、図1の概略縦断面図である。図3は、図2の後方拡大図である。図4は、本発明の実施の形態による筆記具20を示す概略側面図であり、ペン先が突出した図である。図5は図4の概略縦断面図である。図6は、図5の後方拡大図である。図7は、図2の筆記具の中筒を示す概略正面図である。図8は、図2の筆記具の回転体を示す概略正面図であり、図8Aは図2の回転体を正面視した図であり、図8Bは図5の回転体を正面視した図である。図9は、図8の回転体の概略縦断面図であり、図9Aは図8Aの8A−8A線縦断面図であり、図9Bは図8Bの8B−8B線縦断面図である。図10は、図9の線Cに沿って切り開いた、回転体の概略的な展開図である。
図1、図2、図8及び図9に示すように、筆記具100は、軸筒10と、軸筒10に支持された筆記体20と、軸筒10内に配置され軸筒10の軸線Lの周りを螺旋状に延びるスリット33sが設けられた回転体30と、スリット33s内を移動する移動部41を有する押圧体40と、軸筒10の後方に配置され回転体30に対して相対回転不能に固定された回転操作体50と、軸筒10の前部外側面に固定された突状部60と、を有している。図1に示す例では、筆記具100は万年筆であるが、これには限定されず、他の例では、ボールペン、シャープペンシル、マーカーなど各種の筆記具であって良い。図1に示すように、筆記体20は、軸筒10に対しその軸線方向daに相対移動可能に当該軸筒10に支持されており、ペン先21が軸筒10の前端に画定された前端開口部10aから出没されるようになっている。図1に示すように、突状部60は、軸筒10の前部外側面に仮定された軸線方向daに沿って後方へ向かって延びるように形成され、突状部60と軸筒10との間に薄い平面状のものを挟める所謂クリップとしての機能を有している。
図1及び図2に示すように、筒形の軸筒10は、前軸11と、前軸11後部に螺合された中軸12と、中軸12の後部に連結された後軸13と、この後軸13の内部に配置された中筒14と、前軸11の前部に連結された先口15と、を有している。図2に示すように、中筒14には、軸線方向daに沿って延びる長孔14aが形成されている。図6は、図1における左方から見た中筒14の正面図を示している。図1に示すように、この長孔14aは、押圧体40の移動部41を収容可能な幅を有し、軸線Lに関して対称的に設けられている。また、前述した前端開口部10aは先口15の前端に形成されている。
図8から図10に示すように、回転体30は、軸筒10に対しその軸線L周りに相対回転可能に当該軸筒10内に配置された筒形の部材である。回転体30は、筒形の回転体本体33と、互いに対向して延びて2条のスリット33sを画成する前壁部31及び後壁部32と、を有している。2条のスリット33sは、互いに180°の位相差で、軸線L(図2参照)の周りを螺旋状に延びている。図8及び図9に示すように、各スリット33sは、回転体本体33の後端33rの近傍から前方(図8及び図9における下方)に向かって実質的に均一な傾斜で延びている。
一方、各スリット33sは、回転体本体33の前端33fの近傍の領域においては、傾斜が変化している。図11Aは、図8に示す回転体30のスリット33sの前壁部31の前端近傍を示す拡大図である。図11Aに示すように、前壁部31は、スリット33sの前端33fの近傍に、後方(図11Aにおける上方)に膨出した膨出部31eを有している。図11Aに示すように、前壁部31は、膨出部31eにおいて、図11Aにおける右方から見た際の接線が軸線方向daに沿って後方に向かうベクトルと常に鋭角(0°<θ1<θ2<90°)を成す形状を有している。
図11Bは、図8に示す回転体30の後壁部32の前端近傍を示す拡大図である。図11Bに示すように、各スリット33sの後壁部32には、前端近傍において、前方に膨出した係止部となる戻り止め部32eが形成されている。後壁部32は、戻り止め部32eの前後で、図11Bの右方から見た際の後壁部32の接線と、軸線方向daに沿って後方に向かうベクトルとの成す角が、鈍角θ3から鋭角θ4に変化する形状を有している。
図2に戻って、筆記体20は、後端が押圧体40に当接することによって軸筒10に対する後方への相対移動が規制されている。この筆記体20は、コイルバネ70によって軸筒10に対し後方に付勢されている。図示されるように、コイルバネ70は、前軸11の内面に設けられた軸筒側係止部11aと、この軸筒側係止部11aよりも後方において筆記体20に設けられた筆記体側係止部22と、の間に圧縮状態で配置されている。
図1及び図2に示すように、押圧体40は、軸筒10の後端から後方へ向って外部に延び出ており、軸筒10の外部から前方に押圧可能となっている。押圧体40は、中筒14内において回転体30を軸線方向daに貫通して配置されており、軸筒10に対し軸線方向daに相対移動可能となっている。押圧体40の移動部41は、回転体30の2条のスリット33sの双方を径方向に貫通し、両端が中筒14の長孔14a内に位置付けられている。回転体30の後端部35は中筒14の後端から外部に延び出ており、この後端部35に、回転操作体50が取り付けられている。回転操作体50は、後軸13の後端に当接することによって、軸筒10に対し前方に相対移動することが規制されている。このことにより、回転体30は、押圧体40によって前方に押圧された際にも、軸筒10に対し前方に相対移動することが制限される。また、回転操作体50の外側面には外方へ向かって突出する突起部51が形成してあり、本実施形態の筆記具100を平面盤上(例えば机)に軸筒10が接するように横向きで置いたときに、突起部51により筆記具100の転がることを阻害するように軸筒10の最大径部よりも突起部51が外方へ突出するようにその突出する高さを規定してある。
図3に示すように、回転体30の前端と中軸12の後端部との間には回転体付勢用コイルバネ80が張架してあり、回転体付勢コイルバネ80と回転体30との間に配設したババネ受用リング81を介して回転体30を後方へ付勢してある。これにより、回転体付勢用コイルバネ80の弾発力で回転体30の後部外周面に形成された後部外段部34が中筒14の内段部14bに対して常に押圧されるよう構成してある。更に、図示されてないが、後部外段部34と内段部14bとの間には、グリスが塗布されており、当該後部外段部34と当該内段部14bとが傷つくことを防止すると共に、中筒14に対して回転体30が回転する際に滑らかに回転しつつ回転に一定の抵抗が発生するようにしてある。更に、図示されていないが、押圧体40の移動部41と回転体30のスリット33sとの間にもグリスが塗布されており、移動部41がスリット33sを移動するようにしてある。
次に、以上のような筆記具100の筆記体20の繰り出し作用について、図10、図12A〜図12D及び図13A〜図13Dを参照して説明する。
図12A〜図12Dは、図1の筆記具100の筆記体20の繰り出し作用を説明するための図であり、図2から前軸11、先口15、筆記体20、回転体30、押圧体40、回転操作体50、突状部60、を抜き出し、回転体30を展開図とし、更に、中筒14の長孔14aの位置を重ねて示した図である。図12Aは、筆記体20が軸筒10内に没入した状態を示し、図12Bは、筆記体20が軸筒10に対し前方に相対移動している状態を示し、図12Cは、筆記体20が軸筒10から突出した状態を示し、図12Dは、筆記体20が軸筒10に対し後方に相対移動している状態を示している。
また、図13A〜図13Dは、図1の筆記具100の筆記体20の繰り出し作用を説明するための図であり、図13の各々の図が図12A〜図12Dに対応した図になっている。図13は、図12を押圧対40の後端側から見た図であり、突状部60と突起部51との軸線L回りにおける位置関係を示している。図13Aは、図12Aに対応した図であり、図13Bは図12Bに対応した図であり、図13Cは図12Cに対応した図であり、図13Dは図12Dに対応した図を示している。
ここでは、図10及び図12Aに示すように、筆記体20のペン先21が軸筒10内に完全に没入している状態を初期状態として説明を行う。この初期状態において、押圧体40の移動部41は、回転体30のスリット33s及び中筒14の長孔14aのそれぞれの後端に位置している。この状態は、コイルバネ70によって軸筒10に対し筆記体20が後方に付勢されていることにより維持される。また、図13Aに示すように、この時、回転操作体50の突起部51とクリップとして形成されている突状部60との関係は、互いが軸線L(軸心)に対して反対領域に位置し、突状部60に対して軸線L周り方向に180°回転した位置に突起部51がいる状態となっている。
筆記具100は、図12Aに示す状態から押圧体40が軸筒10に対し前方に力F(図12B参照)で押圧されると、移動部41が回転体30の前壁部31を前方に押圧する。この押圧によって、前壁部31と移動部41とには、前壁部31の傾斜に対し直交する方向に互いに逆向きの力が作用する。したがって、これらの力には、軸筒10の軸線方向daの成分と、軸線方向daと直交する方向の成分とが含まれる。ところで、移動部41の両端は、中筒14の長孔14a内に位置付けられているため、当該中筒14に対し、軸線L周りに相対回転することが規制されている。このため、図12Bに示すように、移動部41は長孔14aに沿って軸筒10に対し相対回転することなく、前方に相対移動する。この結果、回転体30が後方から見て軸筒10に対し時計回りに相対回転されると共に、筆記体20がコイルバネ70を圧縮しつつ軸筒10に対し前方に相対移動される。なお、回転体30の軸筒10に対する相対回転に伴って、回転操作体50も軸筒10に対し軸線L周りに相対回転される(図12B参照)。そして、回転操作体50の突起部51も同時に回転し、軸筒10の後方から視て、突状部60と突起部51とが軸線L周り方向の同位置に位置している。つまり、回転操作体50は、図13Bに示すように、押圧体を図12Bの状態まで前進させることで反時計周りに180°回転したことになる。
この際、押圧体40を軸筒10に対し前方に相対移動させるために必要な力は、回転体30の前壁部31から移動部41が受ける反力と、コイルバネ70による付勢力と、の合力である。押圧体40の移動部41が回転体30の膨出部31eに到達するまでは、当該回転体30の前壁部31の傾斜が一定であることから、回転体30の前壁部31から移動部41が受ける反力は、回転体30と押圧体40との相対位置関係によらず実質的に一定である。尚、回転体30は回転体付勢用コイルバネ80により中筒14に対して付勢されているため、回転体30の回転にも回転抵抗が発生し、回転体30の前壁部31から移動部41が受ける反力が増すよう構成される。一方、コイルバネ70による付勢力は、押圧体40が軸筒10に対し前方に相対移動するにつれて一定の割合で増大する。以上のことから、押圧体40を軸筒10に対し前方に相対移動させるために必要な力は、一定の割合で増大する。
そして、押圧体40の移動部41が回転体30の膨出部31eに到達すると、当該回転体30の前壁部31の傾斜は、軸線Lに対しより立ち上がった状態になる(図11参照)。このため、移動部41から回転体30の前壁部31に作用する力のうち、当該回転体30を軸筒10に対し軸線L周りに相対回転させるために作用する分、力の割合が減少する。換言すれば、回転体30を軸筒10に対し軸線L周りに継続して相対回転させるためには、より大きな押圧力を押圧体40に対して作用させる必要がある。すなわち、押圧体40の移動部41が回転体30の膨出部31eに到達すると、押圧体40を押圧している使用者に対し重い操作感が提供される。
そして、押圧体40の移動部41が回転体30の膨出部31eの頂点を乗り越えると、今度は前壁部31の傾斜が軸線Lに対しより寝た状態になる(図11A参照)。このため、移動部41によって回転体30の前壁部31に作用する力のうち、当該回転体30を軸筒10に対し軸線L周りに相対回転させるために作用する分力の割合が増大する。換言すれば、回転体30を軸筒10に対し軸線L周りに引き続き相対回転させるためには、より小さな押圧力を押圧体40に対して作用させれば足りる。すなわち、押圧体40の移動部41が回転体30の膨出部31eの頂点を乗り越えると、押圧体40を押圧している使用者に対し軽い操作感が提供される。以上のようにして、押圧体40の移動部41がスリット33sの前端33sfに位置付けられる直前に、使用者に対して節度感(クリック感)が提供される。更に、ここまでの操作において、押圧体40の移動部と回転体30のスリット33sとの間に塗布されたグリスの作用によって、静かで滑らかな操作感が提供される。
このクリック感によって、使用者は筆記体20が軸筒10に対して最も前方まで相対移動されたことを知覚する。そして、押圧体40に作用していた押圧力Fが解除されると、筆記体20は、コイルバネ70の付勢力によって軸筒10に対し後方に付勢される。これによって、押圧体40の移動部41は、軸筒10に対し後方に相対移動され、回転体30の後壁部32に押し当てられる(図12C参照)。このとき、回転体30の戻り止め部32eは、後方から見て、移動部41よりも軸線L周りに時計回りに進んだ位置に位置付けられる。前述したように、戻り止め部32eの一部が、軸線方向daに沿って後方に向かうベクトルと鈍角θ3を成しているため(図11B参照)、コイルバネ70の付勢力によって移動部41が回転体30の後壁部32を後方に押圧しても、当該回転体30が軸筒10に対し軸線L周りに相対回転されることが無く、移動部41は係止部となる戻り止め部部32eに係止された状態となる。そして、このとき、図13Cに示すように、回転操作体50の突起部51は、図13Bの状態からさらに回転し、軸筒10の後方から視て、突起部51は突状部60に対して反時計回りに90°回転した位置に移動した状態となる。
以上の操作によって、筆記体20を軸筒10の前端から露出させる操作が完了する。そして、使用者によって軸筒10が把持され、紙面に対してペン先21を当接させつつ軸筒10が所望に移動されて筆記が行われる。
筆記が完了すると、使用者によって、軸筒10に対し、回転操作体50の突起部51が後方から見て時計回りに相対回転されるように押される。このとき、回転操作体50と共に回転体30が軸筒10に対し軸線L周りに相対回転され、回転体30の戻り止め部32eが押圧体40の移動部41を軸筒10に対し前方に押圧する。これにより、筆記体20がコイルバネ70を圧縮させつつ、移動部41が戻り止め部32eを乗り越える。移動部41が戻り止め部32eを乗り越えた後は、コイルバネ70の付勢力を原動力として、筆記体20が軸筒10に対し後方に相対移動され、筆記体20に当接した押圧体40が軸筒10に対し後方に相対移動される。このため、使用者が回転操作体50を引き続き時計回りに相対回転させる必要は無い。この押圧体40の軸筒10に対する相対移動の際、移動部41が回転体30を軸筒10に対し後方から見て反時計回りに相対回転させつつ、中筒14の長孔14aに沿って軸筒10に対し後方に相対移動する(図12D参照)。この相対移動は、移動部41がスリット33sの後端33srに到達するまで継続され、これにより図12Aに示す初期状態が復元される。ここでの押圧体40の軸筒10に対する後方への相対移動においても、グリスの作用によって静かで滑らかな操作感が提供され得る。また、使用者は回転操作体50を操作する際、突起部51を押すことで、手が滑って回転操作をミスすることを防止できると共に軽い力での操作が可能となる。一方、回転体30は前述したように回転体付勢用コイルバネ80によって後方へ付勢されているため、回転体30の後部外段部34が中筒14の内段部14bに押圧されると共に、後部外段部34と内段部14bとの間にはグリスが塗布されていることから、回転体30の回転には一定の回転抵抗が発生している。このため、筆記体20が軸筒10内に戻る速度も減速され、ゆっくり戻されることから移動部41がスリット33srに到達した時点で急制動が掛かることで筆記体20に衝撃が加わることが防止されるため、ペン先21からインキが飛散してしまうおそれが低減されると共に操作性が向上する効果を奏する。
尚、筆記具100は、回転操作体50を軸筒10に対し軸線L周りに相対回転させることによっても、筆記体20のペン先21を軸筒10から突出させることができる。この場合、図12Aに示す初期状態において、図13Aに示すように後方から見て、回転操作体50を軸筒10に対し軸線Lに関し反時計回りに相対回転させると、移動部41は、回転体30の後壁部32から受ける力によって中筒14の長孔14a内を前方に移動する。このことによって、筆記体20は、コイルバネ70を圧縮させつつ軸筒10に対し前方に相対移動し、ペン先21が軸筒10から次第に露出される。このように、回転操作体50の回転操作によって筆記体20を軸筒10の前端から露出させる場合は、回転体30の後壁部32が移動部41を押圧する。したがって、ここでは、上述した押圧体40の押圧操作の場合と異なり、回転体30の前壁部31と移動部41との相互作用は生じない。また、この際においても、回転操作体50の突起部51により滑りを防止できるため回転操作がし易くなる効果を奏する。
そして、押圧体40の移動部41が回転体30のスリット33sの前端33sfに到達する直前に、当該移動部41は、戻り止め部32eを乗り越える。これによって、前述したように、コイルバネ70の付勢力によって移動部41が回転体30の後壁部32を後方に押圧しても、当該移動部41が軸筒10に対して後方に相対移動してしまうことが無い。すなわち、筆記体20のペン先21が軸筒10から露出した状態が安定して維持される。筆記が終了し、筆記体20のペン先21を軸筒10内に没入させる際には、図12C及び図12Dを参照して説明した手順と同じであるため、ここではその説明は省略する。
以上のような筆記具100によれば、押圧体40を軸筒10に対し前方に押圧することによって、回転体30が軸筒10に対し軸線L周りに滑らかに相対回転しつつ筆記体20のペン先21が軸筒10から露出される。すなわち、本発明によれば、簡単な操作で軸筒10から筆記体20を静かで滑らかに出没させることができるため、操作性と操作感とを両立させた筆記具100を提供することができる。
また、回転体30は、回転操作体50を介して軸筒10の外部から回転操作可能で、回転体30を軸筒10に対し軸線L周りに相対回転させると、押圧体40の移動部41が軸筒10に対し軸線方向daに相対移動され、押圧体40を軸筒10に対し前方に押圧すると、回転体30が軸筒10に対し軸線L周りに相対回転される。このことにより、押圧体40の軸筒10に対する前方への押圧操作によっても、回転操作体50を介した回転体30の軸線L周りの回転操作によっても、筆記体20のペン先21を軸筒10から露出させることができる。
更に、回転体30は、互いに対向して延びてスリット33sを画成する前壁部31及び後壁部32を有し、前壁部31は、スリット33sの前端33sfの近傍に、後方に膨出した膨出部31eを有している。このことにより、押圧体40を軸筒10に対し前方に押し込んで筆記体20のペン先21を軸筒10から露出させる操作が完了する際、使用者に対し適度なクリック感が提供される。
更にまた、回転操作体50は突起部51を有しているため、回転操作体50を操作する際に滑り止めになることから、操作性が向上する。
次に、図1、図2、図4、図5、図13〜図16を用いて筆記具100が有している二つの突起(突起部51、突状部60)による効果について更に説明する。
図1及び図2における筆記体20のペン先21が軸筒10内に没入している筆記具100では、図13Aに示すように、突起部51は突状部60に対して軸線L周り方向に180°回転した位置に配置されている。このため、筆記具100を机などの平面盤上に置いた際、筆記具100は後方から見て正逆どちらの方向に回転しても突起部51または突状部60のどちらかが平面盤に当接することで回転が阻害される。このため、この状態では筆記具100が転がる範囲は制限され、机などに置いた際に転がって落ちることが防止される。尚、筆記具100の外側面の表裏どちら側の側面が平面盤上に当接するように置いても筆記具100が転がる範囲が小さいほうがより安全性が増すため、突起部51の位置に対する突状部60の軸線周りL方向の位置は、軸心を挟んで反対領域に位置するよう各々90°以上離れるように構成することが好ましく、120°以上離れるよう構成することがより好ましく、150°以上離すことがさらに好ましく、180°離すことが最も好ましい。
また、本実施の形態では、突起部51と突状部60とが軸線L方向の前後端に配置されているため、机などに置いた際に突起部51または突状部60のどちらか一方が机な端から突出した状態で置かれた際にも、どちらか一方の突起で筆記具100の転がりが制限されるため、机などに置いた際に筆記具100が転がり落下することで、軸筒10が傷ついた場合や歪みが発生することで商品価値の低下、または、繰り出し構造に影響が出ることで繰出し不能になる等を効果的に防止できる。
そして、図4及び図5に示すように、筆記具100の筆記体20のペン先21が軸筒10の前端開口部10aから外部に突出している状態では、図13Cに示すように、筆記具100を後方から見て突起部51は突状部60に対して軸線L周りに反時計回りに90°回転した位置に係止されている。この状態で、図14に示すように、筆記具100を把持して紙面等に筆記をする場合、突状部60を2本の指で挟むように把持することで、しっかり把持できるため滑ることを防止できる。また、本実施の形態のように筆記する際に筆記体20のペン先21が紙面に当接する回転位置が決められている万年筆等に本発明を採用する場合は、突状部60を把持することで自然と筆記体20の回転位置が紙面に対して正しい位置に配置されるよう構成される。このため、筆記操作性が格段に向上する。更に、この際、突起部51は、図14に示すように、最も把持した手に当接し難い位置(図14における回転操作体50の手の甲に対する反対位置)に配置されているため、突起部51に手の一部が触れることで筆記体20の突出状態が誤って解除されることを防止できると共に、筆記終了時に突起部51を押圧して回転操作体50を回転操作する際に、突状部51が見易く、且つ、突起部51が操作し易い位置にあることから、ペン先21の没入動作を容易に行うことができる。
更に、本実施の形態では、筆記体20のペン先21が軸筒10から突出している図4及び図5の状態のまま、筆記具100を机などの平面盤状に置く必要が生じた場合、図15に示すように、筆記具100を後方側から見て、突起部51と突状部60とが同時に平面盤に当接するように置くことで、筆記具100が軸線L回りの正逆両方向に対して一切回転しないように置くことが可能である。このため、精密加工した部品や尖端部、軟質材で形成されることが多い筆記体の先端が軸筒の前端開口部10aから突出している状態において、筆記具100が机から落下することをより防止できるものとなった。尚、突起部51と突状部60の両突起が平面盤に当接するように置く際、筆記具100を後方ろから見て突起部51には突状部60に対して軸線L周りに時計回り方向に押される力が発生するが、筆記体20のペン先21が前端開口部10aから突出した状態では、前述したように、突起部51を反時計回りに回転したときにペン先21の突出状態が解除されるよう構成しているため、解除とは反対方向に力が加わる。このため、机などに筆記具100を置いた際に不用意に筆記体20の突出状態が解除されることがない。尚、筆記体20のペン先21が軸筒10から突出した状態において、突起部51に対する突状部の軸線L周り方向において位置する角度は、突起部51と突状部60とが同時に机やテーブルと当接できるよう120°より小さくなるよう構成することが好ましい。
更にまた、筆記体20のペン先21が軸筒10から突出している図4の状態において、筆記具100を机などの平面盤上に置いた際、突起部51と突状部60と軸筒10と回転操作体50の少なくとも2箇所以上が平面盤と当接した状態では筆記体20のペン先21の先端が平面盤と当接しないよう構成することが好ましく、すべてのケースを図示はしないが、例えば図16の図16Aに示す軸筒10と突起部51のみが平面盤に当接する状態、及び図16Bに示す突状部60と回転操作部50のみが平面盤に当接する状態において、どちらの状態でも筆記体20のペン先21が平面盤に接しないよう突起部51と突状部60の外方への突出する高さを調整してあり、本実施の形態においては、筆記具100を手で強制的に平面盤上において転がしても筆記体20のペン先21の先端が平面盤上に当接することを防止できるようにしてある。このため、筆記体20のペン先21が破損したり変形する危険性を減らすことができるものとなった。
尚、本実施の形態では右利き用の万年筆として筆記具100を例示したが、左利き用にする場合、図示はしないが、回転体30のスリット33sが軸線L方向に対して傾斜している向きを鏡で反転させるように反対方向へ傾斜させることで回転体が回転する方向を逆方向にすることができ、左利き用に変換することが可能である。
また、本実施の形態では、軸筒10の外側面にクリップとして機能する突状部51を係止しているが、回転操作体50の突起部51をクリップとして機能するよう構成してもよい。
10 軸筒
10a 前端開口部
11 前軸
11a 軸筒側係止部
12 中軸
13 後軸
14 中筒
14a 長孔
14b 内段部
15 先口
20 筆記体
21 ペン先
22 筆記体側係止部
30 回転体
31 前壁部
31e 膨出部
32 後壁部
32e 戻り止め部
33 回転体本体
33f 回転体本体の前端
33r 回転体本体の後端
33s スリット
33sf スリットの前端
33sr スリットの後端
34 後部外段部
35 後端部
40 押圧体
41 移動部
50 回転操作体
51 突起部
60 突状部
70 コイルバネ
80 回転体付勢用コイルバネ
81 バネ受けリング
100 筆記具。

Claims (6)

  1. 軸筒と、前記軸筒に対してその軸線方向に相対移動可能に当該軸筒に収納された筆記体と、前記軸筒の後端から後方へ向って突出する押圧体と、を備え、前記押圧体を前方へ押圧することで、前記軸筒に収納された前記筆記体の少なくとも一部が前記軸筒の前端開口部から突出するよう構成した筆記具であって、
    前記軸筒の一端部の外側面に、外方へ向って突出する突状部が形成され、
    前記軸筒の他端部に、前記押圧体の前方への押圧動作により当該軸筒に対しその軸線周りに相対回転する回転操作体が配置され、
    前記回転操作体の外側面に、外方へ向って突出する突起部が形成され、
    前記筆記体の少なくとも一部が前記軸筒の先端開口部から突出した状態において、前記突起部を回転操作することで、前記筆記体が前記軸筒内に収納されるよう構成すると共に、
    前記筆記体が軸筒内に収納された状態において、前記突状部に対し前記突起部の軸線周りにおける位置が軸心を挟んで反対領域に配置されるよう構成したことを特徴とする筆記具。
  2. 前記軸筒内に、前記回転操作体と連動して当該軸筒に対して相対回転すると共に前記軸線の周りを螺旋状に延びるスリットを備えた回転体を備え、
    前記押圧体は、前記スリット内を移動する移動部を有し、前記軸筒に対し軸線方向に相対移動可能であるが軸線周りの相対回転が規制されたことを特徴とする請求項1に記載の筆記具。
  3. 前記スリットに前記移動部が係止する係止部が形成されたことを特徴とする請求項1または2に記載の筆記具。
  4. 前記筆記体と前記軸筒との間にコイルバネを張架することで、当該筆記体を介して前記押圧体が後方へ弾発されたことを特徴とする請求項1ないし3の何れか1項にに記載の筆記具。
  5. 前記筆記体の少なくとも一部が前記軸筒の前端開口部から突出した状態において、前記突状部に対して前記突起部が配設される位置が、軸線周り方向において120°以内の範囲の位置するよう構成されたことを特徴とする請求項1ないし4の何れか1項に記載の筆記具。
  6. 平面盤上に、前記筆記具を前記筆記体の少なくとも一部が前記軸筒の前端開口部から突出した状態で当該軸筒の外周面が平面盤に接する向きで置いたとき、前記突起部と前記突状部と前記軸筒と前記回転操作体とのうち、少なくとも2部位以上が前記平面盤に当接した状態において、前記筆記体の先端が当該平面盤に接触しないよう、前記突状部及び前記突起部の外方への突出高さを調整したことを特徴とする請求項1ないし5の何れか1項に記載の筆記具。
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