JP2021004955A - 液体現像剤および画像形成方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 低温定着性および画像保存性が優れた液体現像剤を提供する。【解決手段】 樹脂成分を含むトナー粒子およびキャリア液体を含む液体現像剤であって、トナー粒子が、キャリア液体100gに対する溶解度が20g以上の樹脂Aおよびキャリア液体100gに対する溶解度が1g以下の樹脂Bを含み、トナー粒子が樹脂Bのマトリクスおよび樹脂Aのドメインを有するマトリクス−ドメイン構造を有する、または、樹脂Aのコアおよび樹脂Bのシェルを有するコア−シェル構造を有する。【選択図】 なし

Description

本発明は、電子写真方式を利用する画像形成方法に用いられる液体現像剤に関する。
近年、電子写真方式を利用する複写機、ファクシミリおよびプリンターなどの画像形成装置(電子写真装置)に対し、カラー化のニーズが高まってきている。その中で、細線画像の再現性が良く、階調再現性が良好で、カラーの再現性に優れており、また、高速での画像形成に優れている液体現像剤を用いた電子写真方式を利用した高画質高速デジタル印刷装置の開発が盛んになりつつある。このような状況下で、より良い特性を有する液体現像剤の開発が求められている。
液体現像剤の定着方法として、キャリア液体中にトナー粒子を分散させた液体現像剤で形成された像を紙やプラスチックフィルムなどの記録媒体上に転写した後、熱エネルギーを加えてトナー粒子を定着させる方法がある。
近年、画像形成に際して、省エネルギー化の観点から、トナーの定着温度をより低くする(低温定着性を向上させる)取り組みがとられている。そのために、特許文献1には、キャリア液体に不溶の可塑剤を含有する液体現像剤が開示されている。また、特許文献2には、脂肪族系の原料モノマーを重縮合して得られる結晶性ポリエステル樹脂を含有する液体現像剤が開示されている。
特開2014−092579号公報 特開2016−80837号公報
低温定着性を向上させるため、液体現像剤のトナー粒子に可塑剤を含有させた場合、画像形成後に結着樹脂が可塑化された状態となるため、画像保存性が十分に得られない場合がある。また、液体現像剤のトナー粒子に結晶性ポリエステルを含有させた場合においても、一部存在する非晶部の分子運動性が高いために、十分な画像保存性が得られない場合がある。
本発明の目的は、低温定着性および画像保存性が優れた液体現像剤ならびに該液体下造材を用いた画像形成方法を提供することにある。
本発明は、樹脂成分を含むトナー粒子およびキャリア液体を含む液体現像剤であって、
該トナー粒子が、樹脂Aおよび樹脂Bを含有し、
該樹脂Aの25℃での該キャリア液体100gに対する溶解度が、20g以上であり、
該樹脂Bの25℃での該キャリア液体100gに対する溶解度が、1g以下であり、
該トナー粒子が、
(i)該樹脂Bを含むマトリクスおよび該マトリクス中に分散している該樹脂Aを含むドメインを有するマトリクス−ドメイン構造、または、
(ii)該樹脂Aを含むコアおよび該コアを被覆している該樹脂Bを含むシェルを有するコア−シェル構造
を有する
ことを特徴とする液体現像剤である。
本発明によって、低温定着性および画像保存性が優れた液体現像剤および該液体現像剤を用いた画像形成方法を提供することができる。
電子写真方式を利用する画像形成装置の一例を示す図である。
本発明の液体現像剤は、樹脂成分を含むトナー粒子およびキャリア液体を含む液体現像剤であって、
該トナー粒子が、樹脂Aおよび樹脂Bを含有し、
該樹脂Aの25℃での該キャリア液体100gに対する溶解度が、20g以上であり、
該樹脂Bの25℃での該キャリア液体100gに対する溶解度が、1g以下であり、
該トナー粒子が、
(i)該樹脂Bを含むマトリクスおよび該マトリクス中に分散している該樹脂Aを含むドメインを有するマトリクス−ドメイン構造、または、
(ii)該樹脂Aを含むコアおよび該コアを被覆している該樹脂Bを含むシェルを有するコア−シェル構造
を有する
ことを特徴とする。
本発明者らは鋭意検討を行い、上記液体現像剤が、優れた低温定着性および画像保存性を有することを見出した。この効果が発現するメカニズムについて、本発明者らは以下のように考えている。
本発明の液体現像剤において、樹脂Aはトナー粒子内部でドメインまたはコアを形成し、樹脂Bはトナー粒子内部でマトリクスまたはシェルを形成している。
記録媒体上に定着させる前の液体現像剤において、樹脂Aはキャリア液体に溶解していない。液体現像剤を定着させる際、樹脂Bを含むマトリクスまたはシェルが変形し、トナー粒子内部の樹脂Aがキャリア液体と接することで、ドメインまたはコアがキャリア液体に溶解する。その結果、樹脂Aのドメインまたはコアを含まない場合と比較して、トナー粒子が定着するために必要な変形が起こりやすくなる。
したがって、本発明では、トナー粒子中のドメインまたはコアが定着時にキャリア液体に溶解することで効果が発現し、低温定着性が良好になったと考えられる。また、定着後の画像ではキャリア液体が揮発などにより除去されることで、一度溶解した樹脂Aが乾固した状態となるため、画像保存性が良好となると考えられる。
本発明では、これらの理由から低温定着性と画像保存性が良好となったと推測している。
〈キャリア液体〉
本発明の液体現像剤はキャリア液体を含有する。キャリア液体としては、電気的に絶縁性を示す液体が好ましい。また、室温付近で低粘度の液体であることが好ましい。
キャリア液体としては、例えば、
オクタン、イソオクタン、デカン、イソデカン、デカリン、ノナン、ドデカン、イソドデカンや、アイソパーG、アイソパーE、アイソパーL(エクソンモービル社製)、およびモレスコホワイトP−40(MORESCO社製)などの脂肪族炭化水素、
シリコーン化合物、
ドデシルビニルエーテル
などが挙げられる。
本発明において、キャリア液体は、樹脂溶解性や揮発性の観点から、脂肪族炭化水素であることが好ましい。
キャリア液体の体積抵抗率は1×10Ω・cm以上1×1013Ω・cm以下であることが好ましい。体積抵抗率がこの範囲であることにより、良好な現像特性を得ることができる。キャリア液体の体積抵抗率は、インピーダンス法などの方法により測定することができる。
キャリア液体の粘度は、25℃で0.5mPa・s以上200mPa・s未満であることが好ましく、0.5mPa・s以上100mPa・s未満であることがより好ましい。粘度が高すぎると、トナー粒子の電気泳動速度が低下しやすく、プリント速度が低下する傾向にある。キャリア液体の粘度は、回転式レオメーター法などの方法により測定することができる。
〈トナー粒子〉
本発明の液体現像剤に含まれるトナー粒子は、樹脂成分(結着樹脂)を含む。上述のとおり、トナー粒子は、25℃での前記キャリア液体100gに対する溶解度が20g以上である樹脂A、および、25℃での前記キャリア液体100gに対する溶解度が1g以下の樹脂Bを含む。
トナー粒子中の樹脂成分中の樹脂Aの含有量が、樹脂成分の全質量に対して5質量%以上40質量%以下であり、前記樹脂Bの含有量が、樹脂成分の全質量に対して60質量%以上95質量%以下であることが低温定着性を向上させる観点から好ましい。
樹脂Aとしては、例えば、α−オレフィン重合体や環状オレフィン共重合体などが挙げられる。これらの中でも、環状オレフィン共重合体が低温定着性と画像保存性を向上させる観点から好ましい。
環状オレフィン共重合体としては、例えば、環状オレフィン類とエチレンまたはその他のα−オレフィン類を共重合して得られる重合体が挙げられる。環状オレフィン共重合体の市販品としては、例えば、APEL[製品名](三井化学社製)、TOPAS[製品名](ポリプラスチック社製)などが挙げられる。α−オレフィン重合体の市販品としては、例えば、タフマー[製品名](三井化学社製)などが挙げられる。
環状オレフィン共重合体は、例えば、メタロセン系触媒を用いるメタセシス重合により得ることができる。その合成例は、例えば、WO1992/006123号、特開平5−339327号公報、特開平5−9223号公報などの特許文献に開示されている。
共重合に用いる環状オレフィン類としては、例えば、シクロヘキセン、ノルボルネン、ノルボルネンの誘導体、テトラシクロドデセン、ノルボルナジエンなどが挙げられる。これらの中でも、ノルボルネンが好ましい。
共重合に用いるエチレンまたはその他のα−オレフィン類としては、例えば、エチレン、プロピレン、α−ブチレンなどが挙げられる。これらの中でも、エチレンが特に好ましい。
環状オレフィン系重合体としては、40℃以上70℃以下のガラス転移温度を有するものが好ましい。
樹脂Aは、下記式(1)で表されるユニットおよび下記式(2)で表されるユニットを有することが好ましい。
Figure 2021004955
Figure 2021004955
また、上記式(1)で表されるユニットおよび上記式(2)で表されるユニットの質量をそれぞれmおよびnとしたとき、mおよびnが下記式(3)を満たすことが好ましい。
0.5≦n/(m+n)≦0.7 (3)
上記式(3)を満たすことにより、結晶化度およびガラス転移温度がより好適な範囲となり、低温定着性と画像保存性がより良好となる。
樹脂Bは、ポリエステル樹脂であることが好ましい。ポリエステル樹脂は、アルコール成分とカルボン酸成分を縮重合して得られるものが一般的である。
アルコール成分としては、例えば、以下のものが挙げられる。
ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(3.3)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシエチレン(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(2.0)−ポリオキシエチレン(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(6)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンなどのビスフェノールAのアルキレンオキシド付加物、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブテンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールA、ソルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトロール、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、グリセロール、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、および、1,3,5−トリヒドロキシメチルベンゼン、ならびに、これらの誘導体。
誘導体としては、例えば、上記縮重合により同様の樹脂構造が得られるものが挙げられる。例えば、上記アルコール成分をエステル化した誘導体が挙げられる。
カルボン酸成分としては、例えば、以下のものが挙げられる。
フタル酸、イソフタル酸およびテレフタル酸のような芳香族ジカルボン酸類またはその無水物;コハク酸、アジピン酸、セバシン酸およびアゼライン酸のようなアルキルジカルボン酸類またはその無水物;炭素数6〜18のアルキル基もしくはアルケニル基で置換されたコハク酸またはその無水物;フマル酸、マレイン酸およびシトラコン酸のような不飽和ジカルボン酸類またはその無水物;トリメリット酸、ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸やその無水物などの多価カルボン酸類;ならびに、これらの誘導体。
誘導体としては、例えば、上記縮重合により同様の樹脂構造が得られるものが挙げられる。例えば、上記カルボン酸成分をメチルエステル化、エチルエステル化、または酸クロライド化した誘導体が挙げられる。
トナー粒子中の樹脂成分としては、樹脂Aおよび樹脂B以外の樹脂を含有していてもよい。
樹脂Aおよび樹脂B以外の樹脂としては、例えば、例えば以下のものが挙げられる。
ポリスチレン、ポリ−p−クロルスチレン、ポリビニルトルエンなどのスチレンおよびその置換体の単重合体;スチレン−p−クロルスチレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体、スチレン−α−クロルメタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルエチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−インデン共重合体などのスチレン系共重合体;ポリ塩化ビニル、フェノール樹脂、天然樹脂変性フェノール樹脂、天然樹脂変性マレイン酸樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリ酢酸ビニル、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエステルウレタン樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、フラン樹脂、エポキシ樹脂、キシレン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、テルペン樹脂、クマロン−インデン樹脂、石油系樹脂。
トナー粒子中の樹脂成分は酸価を有していることが好ましい。酸価は5mgKOH/g以上50mgKOH/g以下であることが好ましい。キャリア液体へのトナー粒子の分散において、アミン価を有するトナー粒子分散剤を用いる場合、樹脂成分の酸価が上記範囲であることにより、トナー粒子分散剤との結合が十分に形成され、トナー粒子の分散安定性が良好となる。酸価とは、試料1g中に含有されている遊離脂肪酸、樹脂酸などの酸成分を中和するのに要する水酸化カリウムの質量(mg)である。
本発明において、トナー粒子は、
(i)該樹脂Bを含むマトリクスおよび該マトリクス中に分散している該樹脂Aを含むドメインを有するマトリクス−ドメイン構造、または、
(ii)該樹脂Aを含むコアおよび該コアを被覆している該樹脂Bを含むシェルを有するコア−シェル構造
を有する。このような構造をトナー粒子中で形成するためには、例えば、樹脂Bと相溶性の低い樹脂Aを選択する方法や、樹脂を混合する際の条件(温度、混練、撹拌など)を調整する方法などが挙げられる。また、トナー粒子中の樹脂成分がこのような構造を形成していることは、後述する方法により分析が可能である。
トナー粒子の表面における樹脂Bの割合は、トナー粒子の表面の全面積に対して80面積%以上100面積%以下であることが好ましい。トナー粒子の表面における樹脂Aの割合は、0面積%以上20面積%以下であることが好ましく、0面積%であることがより好ましい。この範囲であることにより、低温定着性を向上させることができる。
〈トナー粒子分散剤〉
本発明の液体現像剤は、トナー粒子をキャリア液体中に安定に分散させる目的でトナー粒子分散剤を含有することが好ましい。トナー粒子分散剤はアミン価を有することがより好ましい。アミン価を有することにより、トナー粒子の経時による分散安定性が向上する。
トナー粒子分散剤のアミン価は、10KOHmg/g以上200KOHmg/g以下であることが好ましい。酸価を有する樹脂成分をトナー粒子に含有させる場合、アミン価が上記範囲を満たすことで、トナー粒子中の樹脂成分との相互作用がより顕著になり、キャリア液体へのトナー粒子の分散性が向上する。トナー粒子分散剤は、キャリア液体に溶解するものであってもよいし、分散するものであってもよい。
トナー粒子分散剤の市販品としては、例えば、アジスパーPB817(味の素ファインテクノ社製)、ソルスパーズ11200、13940、17000、18000(日本ルブリゾ−ル社製)などが挙げられる。
トナー粒子分散剤は、トナー粒子100質量部に対して0.5質量部以上20質量部以下の範囲で液体現像剤に含有させることが分散安定性の観点から好ましい。0.5質量部以上であれば、十分な分散性が得られる。20質量部以下であれば、余剰のトナー粒子分散剤がキャリア液体中に溶解または分散することが抑えられ、余剰のトナー粒子分散剤による絶縁性の低下を抑制することができる。トナー粒子分散剤は1種または2種以上使用することができる。
アミン価とは、試料1g中に含有されているアミンを中和するのに要する酸成分に対して当量の水酸化カリウムの質量(mg)である。アミン価は1分子あたりのアミノ基数と分子量が明らかであれば、以下の式により計算することができる。
A=56100×a/M
A:アミン価(mgKOH/g)
a:1分子あたりのアミノ基数
M:分子量(g/mol)
また、後述の方法により、アミン価を測定することもできる。
〈顔料〉
トナー粒子は顔料などの着色剤を含有してもよい。
顔料としては、例えば、イエロー色を呈するものとして、以下のものが挙げられる。
C.I.ピグメントイエロー1、2、3、4、5、6、7、10、11、12、13、14、15、16、17、23、62、65、73、74、83、93、94、95、97、109、110、111、120、127、128、129、147、151、154、155、168、174、175、176、180、181、185;C.I.バットイエロー1、3、20。
赤またはマゼンタ色を呈するものとして、以下のものが挙げられる。
C.I.ピグメントレッド1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、21、22、23、30、31、32、37、38、39、40、41、48:2、48:3,48:4、49、50、51、52、53、54、55、57:1、58、60、63、64、68、81:1、83、87、88、89、90、112、114、122、123、146、147、150、163、184、202、206、207、209、238、269;C.I.ピグメントバイオレット19;C.I.バットレッド1、2、10、13、15、23、29、35。
青またはシアン色を呈する顔料として、以下のものが挙げられる。
C.I.ピグメントブルー2、3、15:2、15:3、15:4、16、17;C.I.バットブルー6;C.I.アシッドブルー45、フタロシアニン骨格にフタルイミドメチル基を1〜5個置換した銅フタロシアニン顔料。
緑色を呈する顔料として、以下のものが挙げられる。
C.I.ピグメントグリーン7、8、36。
オレンジ色を呈する顔料として、以下のものが挙げられる。
C.I.ピグメントオレンジ66、51。
黒色を呈する顔料として、以下のものが挙げられる。
カーボンブラック、チタンブラック、アニリンブラック。
白色顔料の具体例としては、以下のものが挙げられる。
塩基性炭酸鉛、酸化亜鉛、酸化チタン、チタン酸ストロンチウム。
顔料の分散には、例えば、以下の分散装置を用いることができる。
ボールミル、サンドミル、アトライター、ロールミル、ジェットミル、ホモジナイザー、ペイントシェーカー、ニーダー、アジテータ、ヘンシェルミキサー、コロイドミル、超音波ホモジナイザー、パールミル、湿式ジェットミル。
顔料の分散には、顔料分散剤をトナー粒子に含有させることもできる。
顔料分散剤としては、水酸基含有カルボン酸エステル、長鎖ポリアミノアマイドと高分子量酸エステルの塩、高分子量ポリカルボン酸の塩、高分子量不飽和酸エステル、高分子共重合物、変性ポリアクリレート、脂肪族多価カルボン酸、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物、ポリオキシエチレンアルキル燐酸エステル、顔料誘導体などを挙げることができる。また、Lubrizol社のSolsperseシリーズなどの市販の顔料分散剤を用いることも好ましい。
また、顔料分散助剤として、各種顔料に応じたシナジストを用いることもできる。トナー粒子中の顔料分散剤および顔料分散助剤の含有量は、顔料100質量部に対して1質量部以上100質量部以下であることが好ましい。トナー粒子中の顔料の含有量は、樹脂成分100質量部に対して1質量部以上100質量部以下であることが好ましく、5質量部以上50質量部以下であることがより好ましい。
〈その他の添加剤〉
本発明の液体現像剤は、必要に応じて、帯電制御剤、光吸収剤などの添加剤を含有してもよい。
〈トナー粒子の製造方法〉
トナー粒子を製造する方法としては、例えば、コアセルベーション法、湿式粉砕法、乳化凝集法、粉砕法、懸濁重合法などが挙げられる。
以下、一例として、乾式粉砕法によるトナー粒子の製造方法について説明する。
原料混合工程では、トナー粒子を構成する材料として、例えば、樹脂A、樹脂B、必要に応じて顔料、光吸収剤、離型剤や帯電制御剤などの他の成分を所定量秤量して配合し、混合する。混合装置としては、例えば、ダブルコン・ミキサー、V型ミキサー、ドラム型ミキサー、スーパーミキサー、ヘンシェルミキサー、ナウタミキサ、メカノハイブリッド(日本コークス工業(株)製)などが挙げられる。
次に、混合した材料を溶融混練する。溶融混練工程では、加圧ニーダー、バンバリィミキサーのようなバッチ式混練機や、連続式の混練機を用いることができ、連続生産できる優位性から、1軸または2軸押し出し機が好ましい。溶融混練の温度は、100〜200℃程度が好ましい。
例えば、KTK型2軸押し出し機(神戸製鋼所社製)、TEM型2軸押し出し機(東芝機械社製)、PCM混練機(池貝鉄工製)、2軸押し出し機(ケイ・シー・ケイ社製)、コ・ニーダー(ブス社製)、ニーデックス(日本コークス工業(株)製)などが挙げられる。溶融混練することによって得られる樹脂組成物は、2本ロールなどで圧延され、冷却工程で水などによって急冷する。
樹脂組成物の冷却物は、粉砕工程で所定の粒径にまで粉砕される。
粉砕工程では、例えば、クラッシャー、ハンマーミル、フェザーミルのような粉砕機で粗粉砕する。その後、さらに、例えば、クリプトロンシステム(川崎重工業社製)、スーパーローター(日清エンジニアリング社製)、ターボ・ミル(ターボ工業製)やエアージェット方式による微粉砕機で微粉砕する。
その後、慣性分級方式のエルボージェット(日鉄鉱業社製)、遠心力分級方式のターボプレックス(ホソカワミクロン社製)、TSPセパレータ(ホソカワミクロン社製)、ファカルティ(ホソカワミクロン社製)などの分級機や篩分機を用いて分級する。そうして、分級品(トナー粒子)を得る。
そして、得られたトナー粒子とキャリア液体を撹拌混合し、液体現像剤を得る。このとき、必要に応じてトナー粒子分散剤やその他の添加剤を添加してもよい。
〈画像形成方法〉
本発明の液体現像剤を用いた画像形成方法は、記録媒体上のトナー粒子とキャリア液体を加熱する工程を有する画像形成方法であることが好ましい。前記加熱する工程を有する画像形成方法であることにより、樹脂Bのマトリクスまたはシェルが加熱により軟らかくなり、変形することでトナー粒子の周りのキャリア液体がトナー粒子内部の樹脂Aに接し、溶解するために低温定着性が良好になる。また、定着後の画像ではキャリア液体が揮発により除去されることで、一度溶解した樹脂Aが乾固した状態となるため、画像保存性が良好となる。
液体現像剤および原材料の各種物性の測定方法について以下に説明する。
〈トナー粒子中の樹脂Aおよび樹脂Bの含有量の測定方法および構造の同定方法〉
トナー粒子中の樹脂Aおよび樹脂Bの含有量の測定については、トナー粒子中の樹脂成分をキャリア液体に対する溶解度の違いにより分け、それぞれの質量を測定することによって算出する。例えば、以下のようにして算出する。
(1)液体現像剤を遠心分離することで得られるトナー粒子20質量部、および、キャリア液体100質量部を混合し、樹脂成分の軟化温度以上に加熱した後、25℃まで冷却する。そして、キャリア液体中に溶解している樹脂成分1と固形分として存在している樹脂成分2とに分け、乾燥してそれぞれ固体として得る。
(2)25℃に保ったキャリア液体100質量部に樹脂成分1を25質量部混合し、キャリア液体中に溶解した樹脂成分3と固形分として存在する樹脂成分4とに分ける。また、25℃に保ったキャリア液体100質量部に樹脂成分2を1質量部混合し、キャリア液体中に溶解した樹脂成分5と固形分として存在する樹脂成分6とに分ける。
(3)樹脂成分4および樹脂成分5の質量がそれぞれ5質量部以下および1質量部未満であれば、樹脂成分1および樹脂成分2のそれぞれの質量を樹脂Aおよび樹脂Bの質量とし、それぞれのトナー粒子中の含有量を算出する。樹脂成分4が5質量部より多いか、または、樹脂成分5の質量が1質量部であれば、これらの樹脂成分を(1)のトナー粒子と同様にしてさらに実験を繰り返し行う。
また、構造の同定については、得られたサンプルを重クロロホルムに溶解し、フーリエ変換型核磁気共鳴装置JNM−ECA(日本電子(株)製)を用い、H−NMRおよび13C−NMRの分析を行う。
〈酸価の測定方法〉
酸価の測定方法は、JIS−K0070に準じ、以下のように測定する。
(1)試料0.5〜2.0gを精秤する。このときの質量をM(g)とする。
(2)50mLのビーカーに試料を入れ、テトラヒドロフラン/エタノール(2/1)の混合液25mLを加え溶解する。
(3)0.1mol/LのKOHのエタノール溶液を用い、電位差滴定測定装置を用いて滴定を行う[平沼産業(株)製自動滴定測定装置「COM−2500」]。
(4)この時のKOH溶液の使用量をS(mL)とする。同時にブランクを測定して、この時のKOHの使用量をB(mL)とする。
(5)次式により酸価を計算する。fはKOH溶液のファクターである。
Figure 2021004955
〈トナー粒子中の樹脂成分が形成する構造の分析方法〉
液体現像剤を遠心分離することで得られるトナー粒子を、光硬化性樹脂D800(日本電子社)で包埋したのち、超音波ウルトラミクロトーム(Leica社、UC7)により、切削速度1mm/秒で膜厚60nmのトナー粒子断面を作製する。トナー粒子断面を、透過型電子顕微鏡などを用いて観察し、トナー粒子断面画像を得る。エネルギー分散型X線分光分析器(EDX)により、断面画像中で樹脂成分が形成する構造の特定を行う。
〈トナー粒子の表面における樹脂Aおよび樹脂Bの割合の測定方法〉
トナー粒子の表面における樹脂Aおよび樹脂Bの割合については、液体現像剤を遠心分離することで得られるトナー粒子を、フーリエ変換赤外分光光度計(FTIR)を用いて定量する。
〈アミン価の測定方法〉
アミン価の測定方法は、ASTMD2074に準じ、以下のように測定する。
(1)試料0.5〜2.0gを精秤する。このときの質量をM(g)とする。
(2)50mLのビーカーに試料を入れ、テトラヒドロフラン/エタノール(3/1)の混合液25mLを加え溶解する。
(3)0.1mol/LのHClのエタノール溶液を用い、電位差滴定測定装置を用いて滴定を行う[平沼産業(株)製自動滴定測定装置「COM−2500」]。
(4)このときのHCl溶液の使用量をS(mL)とする。同時にブランクを測定して、この時のHClの使用量をB(mL)とする。
(5)次式によりアミン価を計算する。fはHCl溶液のファクターである。
Figure 2021004955
〈分子量の測定方法〉
樹脂などの分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用い、ポリスチレン換算で算出する。GPCによる分子量の測定は以下に示すように行う。
サンプル濃度が1.0質量%になるようにサンプルを下記溶離液に加え、室温で24時間静置し溶解させた溶液を、ポア径が0.20μmの耐溶剤性メンブレンフィルターで濾過したものをサンプル溶液とし、以下の条件で測定する。
装置:高速GPC装置「HLC−8220GPC」[東ソー(株)製]
カラム:LF−804の2連
溶離液:テトラヒドロフラン(THF)
流速:1.0mL/分
オーブン温度:40℃
試料注入量:0.025mL
試料の分子量の算出にあたっては、標準ポリスチレン樹脂[東ソー(株)製TSKスタンダードポリスチレンF−850、F−450、F−288、F−128、F−80、F−40、F−20、F−10、F−4、F−2、F−1、A−5000、A−2500、A−1000、A−500]により作成した分子量校正曲線を使用する。
以下、実施例によって、本発明をさらに具体的に説明する。
〈実施例1〉
・樹脂A−1:25質量部
(環状オレフィン共重合体、ポリプラスチックス製、TOPASTM)
・樹脂B−1:75質量部
(ポリエステル樹脂[(モル比);ポリオキシエチレン(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン:テレフタル酸:トリメリット酸=50:40:10、酸価:20mgKOH/g、重量平均分子量(Mw)=15,000])
・ピグメントブルー15:3:5質量部
(ECB−308、大日精化工業(株)製)
上記材料をヘンシェルミキサー(FM−75型、三井鉱山(株)製)を用いて、回転数20s−1、回転時間5分で混合した後、温度130℃に設定した二軸混練機(PCM−30型、(株)池貝製)にて混練した。得られた混練物25℃まで冷却し、ハンマーミルにて1mm以下に粗粉砕し、粗砕物を得た。得られた粗砕物を、機械式粉砕機(T−250、ターボ工業(株)製)にて微粉砕した。さらに、ファカルティF−300(ホソカワミクロン社製)を用い、分級を行い、トナー粒子1を得た。トナー粒子1の体積平均粒径は6.0μmであった。体積平均粒径は、コールター法による粒度分布解析装置(コールターマルチサイザーIII:コールター製)にて測定した。トナー粒子1は、樹脂B−1を含むマトリクスおよびマトリクス中に分散している樹脂A−1を含むドメインを有するマトリクス−ドメイン構造を有していた。
次いで、得られたトナー粒子1を30部、アイソパーL(エクソンモービル社製)70部、および、トナー粒子分散剤(アジスパーPB−817;味の素ファインテクノ社製)1.5部を撹拌混合することにより、液体現像剤1を得た。
〈樹脂A−2の製造〉
オートクレーブにトルエン400mL、トリイソブチルアルミニウム0.6mmol、メタロセン触媒、ノルボルネン200mmolを入れ、エチレン分圧3kg/cm、50℃で30分間保持した。その後、メタノール中に入れ、析出した固体を濾別し樹脂A−2を得た。
得られた樹脂A−2を13C−NMRで分析したところ、ノルボルネン由来のユニットが17質量%、エチレン由来のユニットが83質量%含まれていた。
〈実施例2〉
樹脂A−1を樹脂A−2に変更した以外は、実施例1と同様にして、トナー粒子2および液体現像剤2を得た。トナー粒子2の体積平均粒径は5.9μmであった。トナー粒子2は、樹脂B−1を含むマトリクスおよびマトリクス中に分散している樹脂A−2を含むドメインを有するマトリクス−ドメイン構造を有していた。
〈実施例3〉
樹脂A−1を樹脂A−3(環状オレフィン共重合体、ポリプラスチックス製、TOPAS8007)に変更した以外は、実施例1と同様にして、トナー粒子3および液体現像剤3を得た。トナー粒子3の体積平均粒径は6.1μmであった。トナー粒子3は、樹脂B−1を含むマトリクスおよびマトリクス中に分散している樹脂A−3を含むドメインを有するマトリクス−ドメイン構造を有していた。
〈実施例4〉
樹脂B−1を樹脂B−2[(モル比);スチレン:nブチルアクリレート:アクリル酸=76:22:2、酸価=9mgKOH/g、Mw=51,000]に変更した以外は、実施例1と同様にして、トナー粒子4および液体現像剤4を得た。トナー粒子4の体積平均粒径は5.9μmであった。トナー粒子4は、樹脂B−2を含むマトリクスおよびマトリクス中に分散している樹脂A−1を含むドメインを有するマトリクス−ドメイン構造を有していた。
〈実施例5〉
樹脂A−1を樹脂A−4(α−オレフィン重合体、三井化学製、タフマーDF7350)に変更した以外は、実施例1と同様にして、トナー粒子5および液体現像剤5を得た。トナー粒子5の体積平均粒径は6.0μmであった。トナー粒子5は、樹脂B−1を含むマトリクスおよびマトリクス中に分散している樹脂A−4を含むドメインを有するマトリクス−ドメイン構造を有していた。
〈実施例6〉
トナー粒子1を30部、ドデシルビニルエーテル(DDVE)70部、および、トナー粒子分散剤(アジスパーPB−817;味の素ファインテクノ社製)1.5部を撹拌混合することにより、液体現像剤6を得た。
〈実施例7〉
樹脂A−1を5質量部、樹脂B−1を95質量部に変更した以外は、実施例1と同様にして、トナー粒子6および液体現像剤7を得た。トナー粒子6の体積平均粒径は5.9μmであった。トナー粒子6は、樹脂B−1を含むマトリクスおよびマトリクス中に分散している樹脂A−1を含むドメインを有するマトリクス−ドメイン構造を有していた。
〈実施例8〉
樹脂A−1を40質量部、樹脂B−1を60質量部に変更した以外は、実施例1と同様にして、トナー粒子7および液体現像剤8を得た。トナー粒子7の体積平均粒径は6.0μmであった。トナー粒子7は、樹脂B−1を含むマトリクスおよびマトリクス中に分散している樹脂A−1を含むドメインを有するマトリクス−ドメイン構造を有していた。
〈実施例9〉
樹脂A−1を3質量部、樹脂B−1を97質量部に変更した以外は、実施例1と同様にして、トナー粒子8および液体現像剤9を得た。トナー粒子8の体積平均粒径は6.0μmであった。トナー粒子8は、樹脂B−1を含むマトリクスおよびマトリクス中に分散している樹脂A−1を含むドメインを有するマトリクス−ドメイン構造を有していた。
〈実施例10〉
樹脂A−1を45質量部、樹脂B−1を55質量部に変更した以外は、実施例1と同様にして、トナー粒子9および液体現像剤10を得た。トナー粒子9の体積平均粒径は5.9μmであった。トナー粒子9は、樹脂B−1を含むマトリクスおよびマトリクス中に分散している樹脂A−1を含むドメインを有するマトリクス−ドメイン構造を有していた。
〈比較例1〉
樹脂B−1を100質量部に変更し、樹脂A−1を使用しなかった以外は、実施例1と同様にして、トナー粒子10および液体現像剤11を得た。トナー粒子10の体積平均粒径は6.0μmであった。
〈比較例2〉
樹脂B−1を樹脂B−2に変更し、樹脂B−2を100質量部に変更し、樹脂A−1を使用しなかった以外は、実施例1と同様にして、トナー粒子11および液体現像剤12を得た。トナー粒子11の体積平均粒径は5.9μmであった。
〈比較例3〉
樹脂A−1を樹脂C−1(結晶性ポリエステル樹脂[(モル比);1,9−ノナンジオール:セバシン酸=100:100、酸価=13mgKOH/g、重量平均分子量(Mw)=15,500])20質量部に変更し、樹脂B−1を80質量部に変更した以外は、実施例1と同様にして、トナー粒子12および液体現像剤13を得た。トナー粒子12の体積平均粒径は6.0μmであった。トナー粒子12は、樹脂B−1を含むマトリクスおよびマトリクス中に分散している樹脂C−1を含むドメインを有するマトリクス−ドメイン構造を有していた。
樹脂A−1〜A−4、樹脂B−1、樹脂B−2、樹脂C−1の物性を表1に示す。
Figure 2021004955
〈低温定着性の評価〉
作製した液体現像剤の低温定着性の評価は、以下に示すように行った。
室温25℃/湿度50%RHの環境下において、OKトップコート157(王子製紙社製)上に、各液体現像剤を滴下し、ワイヤーバー(No.6)を用いてバーコートした。
図1に示す画像形成装置を用いて、定着器ユニットを独立駆動できるよう改造して評価に使用した。
なお、画像濃度は、X−Riteカラー反射濃度計(X−rite社製、X−rite500Series)を用いて測定した。
これを、予備加熱温度60℃、定着ローラー90、91の表面温度140℃、定着ローラー90、91の圧力100kgf/cm、定着速度150mm/秒の条件で定着処理し、低温定着性を評価した。画像濃度低下率の値を低温定着性の評価指標とした。
画像濃度低下率は、X−Riteカラー反射濃度計(500シリーズ:X−Rite社製)を用い、まず、中心部の画像濃度を測定した。次に、画像濃度を測定した部分に対し、4.9kPa(50g/cm)の荷重をかけてシルボン紙により定着画像を摩擦(5往復)し、画像濃度を再度測定した。
下記式を用いて摩擦前後での画像濃度の低下率を算出した。得られた画像濃度の低下率を下記の評価基準に従って評価した。評価がA〜Cであれば、本発明の効果が得られているものと判断した。
画像濃度の低下率[%]=(摩擦前の画像濃度−摩擦後の画像濃度)/摩擦前の画像濃度×100
(評価基準)
A:画像濃度の低下率が5.0%未満
B:画像濃度の低下率が5.0%以上10.0%未満
C:画像濃度の低下率が10.0%以上15.0%未満
D:画像濃度の低下率が15.0%以上
〈画像保存性の評価〉
定着ローラー90、91の表面温度を150℃に設定した以外は、上記低温定着性の評価と同様にして画像を形成した。画像が形成された記録紙を、画像同士が接触するように向かいあわせに重ね、垂直荷重100g/cmをかけて温度55℃/湿度41%RHの環境下で1日静置した。その後、2枚の画像を離し、画像付着による画像の表面の欠陥を評価した。
(評価基準)
A:画像欠陥がない
B:部分的に画像の光沢が変化した箇所(光沢度が変化した面積比率5%未満)が認められる
C:画像の光沢が低下(光沢度が変化した面積比率5%以上)するなどの画像欠陥が認められる
これらの評価により得られた結果を表2に示す。
Figure 2021004955
10C、10M、10Y、10K 現像液容器
11C 製膜対向電極
12C 回収ユニット
13C、13M、13Y、13K 現像液供給ポンプ
14C 現像液回収ポンプ
20 プリウエットローラ
21 プリウエット対向ローラー
30 二次転写ユニット
31 二次転写ローラー
40 中間転写ベルト
41 ベルト駆動ローラー
42 従動ローラー
50C、50M、50Y、50K 画像形成ユニット
51C、51M、51Y、51K 現像ユニット
52C、52M、52Y、52K 感光体
53C 現像ローラー
54C 濃縮ローラー
55C クリーニングローラ
56C 露光ユニット
57C 帯電ユニット
58C 除電ユニット
59C 回収ブレード
60C、60M、60Y、60K 一次転写ユニット
61C、61M、61Y、61K 一次転写ローラー
70 予備加熱手段
80 記録媒体
90、91 定着器ユニット

Claims (8)

  1. 樹脂成分を含むトナー粒子およびキャリア液体を含む液体現像剤であって、
    該樹脂成分が、樹脂Aおよび樹脂Bを含有し、
    該樹脂Aの25℃での該キャリア液体100gに対する溶解度が、20g以上であり、
    該樹脂Bの25℃での該キャリア液体100gに対する溶解度が、1g以下であり、
    該トナー粒子が、
    (i)該樹脂Bを含むマトリクスおよび該マトリクス中に分散している該樹脂Aを含むドメインを有するマトリクス−ドメイン構造、または、
    (ii)該樹脂Aを含むコアおよび該コアを被覆している該樹脂Bを含むシェルを有するコア−シェル構造
    を有する
    ことを特徴とする液体現像剤。
  2. 前記樹脂成分中の前記樹脂Aの含有量が、前記樹脂成分の全質量に対して5質量%以上40質量%以下であり、
    前記樹脂成分中の前記樹脂Bの含有量が、前記樹脂成分の全質量に対して60質量%以上95質量%以下である
    請求項1に記載の液体現像剤。
  3. 前記トナー粒子の表面における前記樹脂Bの割合が、前記トナー粒子の表面の全面積に対して80面積%以上100面積%以下である請求項1または2に記載の液体現像剤。
  4. 前記キャリア液体が脂肪族炭化水素である請求項1〜3のいずれか1項に記載の液体現像剤。
  5. 前記樹脂Aが環状オレフィン共重合体である請求項1〜4のいずれか1項に記載の液体現像剤。
  6. 前記樹脂Bがポリエステル樹脂である請求項1〜5のいずれか1項に記載の液体現像剤。
  7. 前記樹脂Aが、下記式(1)で表されるユニットおよび下記式(2)で表されるユニットを有し、
    下記式(1)で表されるユニットおよび下記式(2)で表されるユニットの質量をそれぞれmおよびnとしたとき、mおよびnが、下記式(3)を満たす
    請求項1〜6のいずれか1項に記載の液体現像剤。
    Figure 2021004955

    Figure 2021004955

    0.5≦n/(m+n)≦0.7 (3)
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の液体現像剤を用いる画像形成方法であって、
    記録媒体上に転写された前記トナー粒子および前記キャリア液体を加熱する工程を有することを特徴とする画像形成方法。
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