JP2021004179A - 揮散型微生物防除剤組成物及び揮散型微生物防除剤 - Google Patents

揮散型微生物防除剤組成物及び揮散型微生物防除剤 Download PDF

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Abstract

【課題】防除性能に優れ、防除効果の持続性にも優れる揮散型微生物防除剤組成物の提供。【解決手段】式(I)で表される化合物である(A)成分、非環式アルデヒドである(B1)成分、及び水である(C)成分を含有し、前記(A)成分と前記(C)成分の合計の含有量が65〜99.9質量%であり、前記(C)成分に対する前記(A)成分の質量比である(A)/(C)が、0.6〜20である、揮散型微生物防除剤組成物。式(I)においてR1、R2は、それぞれ独立に水素原子、メチル基またはエチル基であり、Xは、水素原子、メチル基又はアセチル基であり、Xがメチル基のときR3は水素原子であり、Xが水素原子又はアセチル基のときR3はメチル基またはエチル基である。nは1又は2である。[化1]【選択図】なし

Description

本発明は、揮散型微生物防除剤組成物及び揮散型微生物防除剤に関する。
従来、カビや菌等の微生物の防除方法として、有効成分を含有する組成物を空間内に揮散させて微生物を防除する方法が知られている。
特許文献1には銀を含有する薬剤と、アゾジカルボンアミド等の燃焼剤とを含有する燻煙剤組成物を加熱して、屋内を燻煙する方法が記載されている。
特許文献2には、アルキルグリコールエーテル(a)と、特定の官能基を有し、特定の沸点範囲と特定の親油性範囲を満たす香料成分(b)とを含有する防カビ組成物を、自然揮散できる状態で通気性のある袋状物に収容し、これをクローゼット、押し入れ等の衣類を収納した空間に設置して、衣類のカビの発生を防止する方法が記載されている。
特開2011−12051号公報 特開2009−132665号公報
近年では、防除効果が高いだけでなく、防除効果が長期間持続することも消費者へのアピールとして注目されている。
本発明は、防除性能に優れ、防除効果の持続性にも優れる揮散型微生物防除剤組成物、及び揮散型微生物防除剤の提供を目的とする。
本発明は以下の態様を有する。
[1] 式(I)で表される化合物である(A)成分、非環式アルデヒドである(B1)成分、及び水である(C)成分を含有し、前記(A)成分と前記(C)成分の合計の含有量が65〜99.9質量%であり、前記(C)成分に対する前記(A)成分の質量比である(A)/(C)が、0.6〜20である、揮散型微生物防除剤組成物。
Figure 2021004179
[R、Rは、それぞれ独立に水素原子、メチル基またはエチル基であり、Xは、水素原子、メチル基又はアセチル基であり、Xがメチル基のときRは水素原子であり、Xが水素原子又はアセチル基のときRはメチル基またはエチル基である。nは1又は2である。]
[2] 前記(B1)成分の含有量が0.05質量%以上である、[1]の揮散型微生物防除剤組成物。
[3] 前記(B1)成分が、シトロネラール及びシトラールの少なくとも一方を含む、[1]又は[2]の揮散型微生物防除剤組成物。
[4] さらに、芳香族アルデヒド、脂肪族アルコール、フェノール類、アセタール類およびエステル類からなる群から選ばれる1種以上である(B2)成分を含む、[1]〜[3]のいずれかの揮散型微生物防除剤組成物。
[5] 前記(B2)成分が、ベンズアルデヒド、ゲラニオール、チモール、及びシトラールジメチルアセタールからなる群から選ばれる1種以上である、[4]の揮散型微生物防除剤組成物。
[6] 前記(B2)成分に対する前記(B1)成分の質量比である(B1)/(B2)が、0.03〜100である、[4]又は[5]の揮散型微生物防除剤組成物。
[7] 前記(C)成分の含有量が、5〜45質量%である、[1]〜[6]のいずれかの揮散型微生物防除剤組成物。
[8] [1]〜[7]のいずれかの揮散型微生物防除剤組成物を含む、揮散型微生物防除剤。
[9] (A)成分以外の水溶性溶剤の含有量が、20質量%未満であることが好ましい。
[10] [1]〜[7]のいずれかの揮散型微生物防除剤組成物を不織布に含浸させた含浸体を有する、揮散型微生物防除剤が好ましい。
[11] [1]〜[7]のいずれかの揮散型微生物防除剤組成物を含む、非加熱揮散型微生物防除剤が好ましい。
本発明の揮散型微生物防除剤組成物は、防除性能に優れ、防除効果の持続性にも優れる。
本発明の揮散型微生物防除剤は、防除性能に優れ、防除効果の持続性にも優れる。
<揮散型微生物防除剤組成物>
本実施形態の揮散型微生物防除剤組成物(以下、単に防除剤組成物ということがある)は、(A)成分、(B1)成分、(C)成分を含有する液体組成物である。
さらに(B2)成分を含むことが好ましい。
揮散型微生物防除剤とは、対象物にスプレーや塗布などの方法で直接的に作用させる防除剤ではなく、防除剤組成物が揮散した蒸気(ガス)成分が微生物に作用して防除効果を発揮する防除剤である。微生物の防除効果とは、微細物の一部又は全部を死滅させる効果(殺菌、除菌、殺カビ等)、微生物の生育を抑制する効果(抗菌、抗カビ等)、又はこれらの組み合わせを意味する。
<(A)成分>
(A)成分は、下記式(I)で表される化合物である。(A)成分は、(B1)成分、(C)成分と併用することで優れた微生物防除機能を発揮する。
Figure 2021004179
式(I)において、R、Rは、それぞれ独立に水素原子、メチル基またはエチル基であり、Xは、水素原子、メチル基又はアセチル基であり、Xがメチル基のときRは水素原子であり、Xが水素原子又はアセチル基のときRはメチル基またはエチル基である。
Xが水素原子又はアセチル基であり、R、R、Rがそれぞれ独立にメチル基又はエチル基であることがより好ましい。Xが水素原子であり、R、R、Rがそれぞれ独立にメチル基又はエチル基であることがさらに好ましい。
式(I)において、nは1又は2であり、2が好ましい。
(A)成分の具体例として、1−メトキシ−2−ブタノール、3−メトキシ−1−ブタノール、3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノール、3−エトキシ−3−メチル−1−ブタノール、3−メトキシ−3−メチル−1−ペンタノール、3−エトキシ−3−メチル−1−ペンタノール、3−メトキシ−3−メチル−ブチルアセテートが挙げられる。
これらのうち、微生物防除効果の観点から、3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノール、3−エトキシ−3−メチル−1−ブタノール、3−メトキシ−3−メチル−1−ペンタノール、3−エトキシ−3−メチル−1−ペンタノール、3−メトキシ−3−メチル−ブチルアセテートが好ましく、3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノールがより好ましい。
防除剤組成物の総質量に対して、(A)成分の含有量は40〜80質量%が好ましく、55〜75質量%がより好ましく58〜70質量%がさらに好ましい。上記範囲であると、微生物に対する良好な防除性能が得られやすい。また、防除剤組成物を長期間揮散させたときの、微生物防除効果の安定性及び持続性に優れる。
[(B)成分]
(B)成分は香料成分である。(B)成分として、少なくとも(B1)成分を用いる。(B1)成分と(B2)成分を併用することが好ましい。さらに(B3)成分を含んでもよい。
<(B1)成分>
(B1)成分は非環式アルデヒドである。(B1)成分は微生物を防除する効果を有する香料成分である。
本明細書における「非環式アルデヒド」とは分子内に環構造を有さず、且つアルデヒド基を有する化合物を意味する。環構造を有する化合物としては、脂環式化合物(シクロアルカン、シクロアルケン等)、芳香族化合物(ベンゼン、ナフタレン等)、複素環化合物(ピリジン等)、大員環化合物(ポルフィリン等)が例示できる。
(B1)成分は、炭素数6〜16の直鎖又は分岐鎖の飽和又は不飽和の炭化水素基を有するアルデヒド化合物が好ましい。前記炭化水素基としてはアルキル基、アルケニル基が例示できる。
(B1)成分としては、シトラール、シトロネラール、ヒドロキシシトロネラール、オクチルアルデヒド、ノニルアルデヒド、デシルアルデヒド、ウンデシルアルデヒド、トリメチルヘキシルアルデヒド、トランス−2−ヘキサナール、2、6−ノナジエール、シス−4−デセナールが例示できる。(B1)成分は1種でもよく、2種以上を併用してもよい。
(B1)成分が、シトロネラール及びシトラールの少なくとも一方を含むことが好ましい。
<(B2)成分>
(B2)成分は、芳香族アルデヒド、脂肪族アルコール、フェノール類、アセタール類およびエステル類からなる群から選ばれる1種以上である。
(B2)成分は香料成分であり、(B1)成分と併用することにより、微生物防除効果の向上、長期間揮散させたときの安定性及び持続性の向上に寄与する。
芳香族アルデヒドとしては、ベンズアルデヒド、ジメチルテトラハイドロベンズアルデヒド、サリチルアルデヒド、3−フェニルプロパナール、クミンアルデヒド、フルフラール、フェニルアセトアルデヒド、アニスアルデヒド等が挙げられる。
脂肪族アルコールとしては、ゲラニオール、シトロネロール、9−デセノール、デカノール等が挙げられる。
フェノール類としては、チモール、オイゲノール等が挙げられる。
アセタール類としてはシトラールジメチルアセタール、シトラールジエチルアセタール、シンナミックアルデヒドジメチルアセタール、サリチル酸メチル等が挙げられる。
これらのうち、(B1)成分と相乗的に微生物防除効果を高める効果に優れる点で、ベンズアルデヒド、ゲラニオール、チモール、及びシトラールジメチルアセタールからなる群から選ばれる1種以上が好ましい。
<(B3)成分>
本実施形態の防除剤組成物は、香調を整えるために、前記(B1)成分及び(B2)成分以外の香料成分である(B3)成分を含んでもよい。(B3)成分は公知の香料成分を使用できる。公知の香料成分は、例えば「Perfume and Flavor Chemicals」,Vol.I and II,Steffen Arctander, Allured Pub.Co.(1994)、「合成香料 化学と商品知識」,印藤元一著,化学工業日報社(1996)、「Perfme and Flavor Materials of NaturalOrigin」,Steffen Arctander, Allured Pub.Co.(1994)、「香りの百科」,日本香料協会編,朝倉書店(1989)、「Perfumery MaterialPerformance V.3.3」,Boelens Aroma Chemical Information Service(1996)、「Flower Oils and Floral Compounds In Perfumery」,Danute Lajaujis Anonis,Allured Pub.Co.(1993)、特開2002−173698号公報 表3に記載されている香料成分が挙げられる。
(B3)成分の例としては、γ−ウンデカラクトン、1−メントール、カルボン、ヘプタン酸アリル、シクロガルバネール、酢酸スチラリル、エチレンブラシレート、トリプラール(商品名)、イソ・イー・スーパー(商品名)、アンブロキサン(商品名)等が挙げられる。
防除剤組成物の総質量に対して、(B1)成分、(B2)成分、(B3)成分の合計の含有量、すなわち(B)成分の含有量は、0.05〜30質量%が好ましく、0.1〜30質量%がより好ましく、10〜25質量%がさらに好ましい。上記範囲内であると、良好な微生物防除効果が得られやすい。
防除剤組成物の総質量に対して、(B1)成分の含有量は0.05質量%以上が好ましく、0.5〜20質量%がより好ましく、5〜15質量%がさらに好ましい。上記範囲であると微生物に対する良好な防除性能が得られやすい。また、防除剤組成物を長期間揮散させたときの、微生物防除効果の安定性及び持続性に優れる。
(B2)成分を用いる場合、(B2)成分に対する前記(B1)成分の質量比である(B1)/(B2)は、0.03〜100が好ましく、0.3〜20がより好ましく、1〜5がさらに好ましい。(B1)/(B2)が前記下限値以上であると微生物防除効果に優れ、上限値以下であると微生物防除効果の持続性に優れる。
(B)成分の総質量に対して、(B1)成分と(B2)成分の合計は、5質量%以上が好ましく、20質量%以上がより好ましく、60質量%以上がさらに好ましい。100質量%でもよい。
<(C)成分>
(C)成分は水である。(C)成分は(A)成分及び(B1)成分と併用することで、微生物防除効果の向上、持続性の向上に寄与する。
防除剤組成物の総質量に対して、(C)成分の含有量は5〜45質量%が好ましく、10〜30質量%がより好ましく、15〜30質量%がさらに好ましい。上記範囲内であると微生物防除効果を高めやすく、持続性を高めやすい。また、上記上限値以下であると組成物中における(B)成分の相溶性に優れる。
防除剤組成物の総質量に対して、(A)成分と(C)成分の合計の含有量は、65〜99.9質量%であり、75〜95質量%が好ましく、80〜89質量%がより好ましい。上記範囲の上限値以下であると良好な微生物防除効果が得られやすく、下限値以上であると、微生物防除効果の良好な持続性が得られやすい。
(C)成分に対する(A)成分の質量比である(A)/(C)は、0.6〜20であり、1〜8が好ましく、2〜5がより好ましい。上記範囲の下限値以上であると良好な微生物防除効果が得られやすく、上限値以下であると、微生物防除効果の良好な持続性が得られやすい。
(C)成分が微生物防除効果の向上及び持続性の向上に寄与する理由は定かではないが、(C)成分が揮散することで空間内の湿度が高くなり、微生物に対して(A)成分及び(B1)成分が効果的に作用すると考えられる。
[任意成分]
<(D)成分>
(A)成分は水溶性溶剤であるが、防除剤組成物は任意成分として、(A)成分以外の水溶性溶剤(本明細書において(D)成分ともいう。)を本発明の効果を損なわない範囲で含んでもよい。
本明細書において、水溶性溶剤の水溶性とは20℃の水1Lに対し50g以上溶解することを意味する。
(D)成分の例としては、エタノール等の低級アルコール、プロピレングリコール、エチレングリコール等のグリコール系溶剤、ブチルカルビトールなどのグリコールエーテル系溶剤等が挙げられる。
防除剤組成物の総質量に対して、(D)成分の含有量は35質量%未満であり、25質量%未満が好ましく、20質量%未満がより好ましく、15質量%未満がさらに好ましく、ゼロが特に好ましい。
また、(A)成分と(D)成分との合計に対して、(A)成分は54質量%以上が好ましく、60質量%以上がより好ましく、80質量%以上がさらに好ましく、100質量%が特に好ましい。
<その他の成分>
防除剤組成物は任意成分として、上記(A)成分、(B)成分、(C)成分及び(D)成分以外のその他の成分を本発明の効果を損なわない範囲で含んでもよい。例えば、殺菌剤(抗菌剤)、殺虫剤、忌避剤、消臭剤、防腐剤、界面活性剤、溶剤、低温や高温での安定化剤等が挙げられる。
殺菌剤としては、3−メチル−4−イソプロピルフェノール(IPMP)、ヒノキチオール、チアベンダゾール、二酸化塩素、亜塩素酸、亜塩素酸水、次亜塩素酸水等の揮散性を有するものが好ましい。
本実施形態の防除剤組成物の好ましい態様を以下に挙げる。以下の態様において、(A)成分と、(B)成分と、(C)成分の含有量の合計は100質量%を超えない。(A)成分と、(B)成分と、(C)成分の含有量の合計が100質量%未満であるとき、残部は任意成分である。
態様1:(A)成分と、(B)成分と、(C)成分を含み、防除剤組成物の総質量に対して、(A)成分が40〜80質量%、(B)成分が0.05〜30質量%、(C)成分が5〜45質量%、かつ(A)成分と(C)成分の合計が65〜99.9質量%であり、(B)成分が少なくとも(B1)成分を含み、防除剤組成物の総質量に対して(B1)成分が0.05質量%以上であり、(A)/(C)が0.6〜20である態様。
態様2:(A)成分と、(B)成分と、(C)成分を含み、防除剤組成物の総質量に対して、(A)成分が40〜80質量%、(B)成分が0.1〜30質量%、(C)成分が5〜45質量%、かつ(A)成分と(C)成分の合計が65〜99.9質量%であり、(B)成分が少なくとも(B1)成分及び(B2)成分を含み、防除剤組成物の総質量に対して(B1)成分が0.05質量%以上であり、(B1)/(B2)が0.03〜100であり、(A)/(C)が0.6〜20である態様。
態様3:(A)成分と、(B)成分と、(C)成分を含み、防除剤組成物の総質量に対して、(A)成分が55〜75質量%、(B)成分が10〜25質量%、(C)成分が10〜30質量%、かつ(A)成分と(C)成分の合計が75〜95質量%であり、(B)成分が少なくとも(B1)成分及び(B2)成分を含み、防除剤組成物の総質量に対して(B1)成分が0.5〜20質量%であり、(B1)/(B2)が0.3〜20であり、(A)/(C)が1〜8である態様。
態様4:(A)成分と、(B)成分と、(C)成分を含み、防除剤組成物の総質量に対して、(A)成分が58〜70質量%、(B)成分が10〜25質量%、(C)成分が15〜30質量%、かつ(A)成分と(C)成分の合計が80〜89質量%であり、(B)成分が少なくとも(B1)成分及び(B2)成分を含み、防除剤組成物の総質量に対して(B1)成分が5〜15質量%であり、(B1)/(B2)が1〜5であり、(A)/(C)が2〜5である態様。
<揮散型微生物防除剤>
本実施形態の揮散型微生物防除剤は、本実施形態の防除剤組成物を含む。
本実施形態の揮散型微生物防除剤は、防除剤組成物を50℃以上に加熱する方法で揮散させる加熱揮散型微生物防除剤でもよく、非加熱で揮散(自然揮散)させる非加熱揮散型微生物防除剤でもよい。非加熱で揮散させる際の防除剤組成物の温度は、例えば5〜40℃が好ましい。
本実施形態の防除剤組成物は持続性に優れ、長期間自然揮散させた場合でも、高い微生物の防除効果を安定して発揮できるため、特に非加熱揮散型微生物防除剤に好適である。
揮散型微生物防除剤に含まれる防除剤組成物は、揮散できる状態であればよい。例えば、液状でもよく、防除剤組成物が不織布、ろ紙、多孔質体などの担体に含浸した状態でもよく、ゲル化剤等を用いて固化した固形状(ゲル状を含む)でもよい。
ゲル化剤は、公知のゲル状芳香剤の製造に用いられるゲル化剤を使用できる。ゲル化剤の具体例としては、ウレタン系高分子、アクリル酸系高分子、ポリビニルアルコール系高分子等の合成高分子、ゼラチン、κ−カラギーナン、ι−カラギーナン、ローカストビーンガム、ジェランガム等の天然高分子が挙げられる。
微生物防除効果及び持続性が高まりやすい点で、揮散型微生物防除剤は、液状の防除剤組成物が担体に含浸した含浸体を有することが好ましい。
防除剤組成物の揮散性、防除効果持続性の点で、担体は不織布又はろ紙が好ましく、不織布がより好ましい。
担体の材質としては、紙、パルプ、ビスコース等のセルロース系担体、エチレン−酢酸ビニール系樹脂、オレフィンポリマー等の合成樹脂系担体、ケイ酸カルシウム等の無機系担体、木片チップ等が例示できる。これらのなかでも天然由来の紙、パルプ、セルロース系担体が好ましい。揮散型微生物防除剤は、担体の材質が互いに異なる2種以上の含浸体を有してもよい。
担体の形状は特に限定されない。例えば球状、楕円体状、卵状、円柱状、角柱状、棒状、円盤状、角板状、不定形状等、種々の形状を用いることができる。揮散型微生物防除剤は、担体の形状が互いに異なる2種以上の含浸体を有してもよい。
担体の大きさは特に限定されない。揮散型微生物防除剤は、担体の大きさが互いに異なる2種以上の含浸体を有してもよい。
揮散型微生物防除剤の製品形態の例としては、以下が挙げられる。
通気性を有するカートリッジと、前記カートリッジに収容された含浸体を有する揮散型微生物防除剤。
開口部を有する容器と、前記容器内に収容された液状の防除剤組成物と、前記開口部に挿入された含浸体を有し、前記含浸体の一端は前記液状の防除剤組成物中に存在し、他端は前記容器の外方に存在する揮散型微生物防除剤。
通気性を有するカートリッジと、前記カートリッジに収容された固形状の防除剤組成物を有する揮散型微生物防除剤。
以下、実施例を示して本発明を詳細に説明するが、本発明は以下の記載によって限定されない。
[評価方法]
<供試用カビプレートの作製>
ポテトデキストロース寒天(Difco社製)の斜面培地にて、25℃、1週間培養したCladosporium cladosporioides HMC1064(浴室分離菌)を、滅菌した0.05%Tween80(関東化学製)水溶液に分散し、約10CFU/mLの胞子液を調製した。次いで、該胞子液をプラスチック板(FRP板、50mm×50mm)に0.5mL接種し、室温にて一晩乾燥固定し(薄膜状、板上の菌数は約10CFU)、カビプレートを作製した。
<揮散試験>
(1)臭化ナトリウム飽和水溶液で相対湿度約60%、20℃に調節した内容積27L(内寸:W250×D410×H235mm)のプラスチック製の箱の底面に、未使用のカビプレートを設置して評価用ボックスとした。
(2)担体が不織布の場合。不織布((王子キノクロス製品名「ハトシートXCA4」、米坪600g/m、厚さ4mm)を入れたプラスチックシャーレ(アテクト社製品名「浅型シャーレ滅菌済みSLE」、サイズ9cm×1.5cm、以下同様)を評価用ボックス底面中央に設置し、プラスチックシャーレ内の不織布に防除剤組成物4gを滴下し、評価用ボックスの蓋を被せて密閉した。
(3)担体がろ紙の場合。ろ紙((東洋濾紙社製定性ろ紙NO.2)を直径7cmの円状に切り取ったもの)を入れたプラスチックシャーレを評価用ボックス底面中央に設置し、プラスチックシャーレ内のろ紙に防除剤組成物4gを滴下し、評価用ボックスの蓋を被せて密閉した。
(4)担体を使用しない場合。空のプラスチックシャーレを評価用ボックス底面中央に設置し、プラスチックシャーレ内に防除剤組成物4gを滴下し、評価用ボックスの蓋を被せて密閉した。
(5)前記(2)、(3)又は(4)の方法で、未使用のカビプレートと防除剤組成物を収容した評価用ボックスを24時間静置した後、ボックスの蓋を開け、試験後のカビプレートのみを回収した(初日の防除性能評価用)。
プラスチックシャーレは回収せず、ボックス上部にある100×150mmの窓を開放した状態でさらに6日間放置し、防除剤組成物の揮散を6日間継続した。
(6)未使用のカビプレートを参照用プレートとして用い、上記(5)で回収した試験後のカビプレートにおける除菌活性値を下記の方法で測定し、初日の防除性能を評価した。
(7)上記(1)の方法で新たに評価用ボックスを作製し、その底面に未使用のカビプレートと、上記(5)で6日間放置した後のプラスチックシャーレを設置した。ボックスを密閉し24時間静置後、ボックスの蓋を開け、試験後のカビプレートを回収した(7日目の防除性能評価用)。
(8)未使用のカビプレートを参照用カビプレートとして用い、上記(7)で回収した試験後のカビプレートにおける除菌活性値を下記の方法で測定し、7日目の防除性能を評価した。
<防除性能の評価>
参照用カビプレート及び試験後のカビプレートに、各々GPLP液体培地(日本製薬株式会社製)10mLを添加して菌を洗い出し、その液をポテトデキストロース寒天培地に塗抹接種し、25℃にて5日間培養した後のコロニー数を計測し、生菌数を算出した。生菌数は常用対数(log)に変換し、参照用カビプレートの菌数から試験後のカビプレートの菌数を差し引いた値を除菌活性値とした。下記評価基準に従い、防除性能を評価した。
(評価基準)
<防除性能>
除菌活性値が、
3.0以上:◎◎、
2.5以上3.0未満:◎、
2.0以上2.5未満:○、
1.0以上2.0未満:△、
1.0未満:×。
◎◎〜○を防除性能が高い、△〜×を防除性能が低いと評価した。
<持続性>
初日の除菌活性値が2.0以上であり、かつ7日目の除菌活性値との差が、
0以上0.3未満:◎◎、
0.3以上0.6未満:◎、
0.6以上1.0未満:○、
1.0以上1.5未満:△、
1.5以上:×。
初日の除菌活性値が2.0未満の場合は×とした。
◎◎〜○を防除性能の持続期間が長い、△〜×を防除性能の持続期間が短いと評価した。
[使用原料]
<(A)成分>
(A−1):3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノール(東京化成工業社製、式(I)においてR、R、Rがメチル基、Xが水素原子、nが2である化合物)。
(A−2):1−メトキシ−2−ブタノール(東京化成工業社製、式(I)においてRがエチル基、R、Rが水素原子、Xがメチル基、nが1である化合物)。
(A−3):3−メトキシ−3−メチル−1−ブチルアセテート(東京化成工業社製、式(I)においてR、R、Rがメチル基、Xがアセチル基、nが2である化合物)。
<(A’)成分(比較品)>
(A’―1):プロピレングリコール(東京化成工業社製)。
(A’−2):エチレングリコール(東京化成工業社製)。
<(B1)成分>
(B1−1)シトラール(東京化成工業(株)製)。
(B1−2)シトロネラール:(−)−シトロネラール(東京化成工業社製)。
<(B2)成分>
(B2−1)ベンズアルデヒド(東京化成工業社製)。
(B2−2)ゲラニオール(東京化成工業社製)。
(B2−3)チモール(東京化成工業社製)。
(B2−4)シトラールジメチルアセタール(東京化成工業社製)。
<(B3)成分>
(B3−1)リモネン(東京化成工業社製)。
<(C)成分>
(C−1)水:イオン交換水。
(実施例1〜26、比較例1〜9)
表1〜3に示す組成に従い、(A)〜(C)成分を混合して各例の防除剤組成物を調製した。なお、表中の配合量は純分換算値である。また、表中に配合量が記載されていない成分は、配合されていない。
各例の防除剤組成物について、上記の方法で防除性能及び持続性を評価した。実施例2は、液状の揮散型微生物防除剤(担体無し)の形態で評価した。実施例26は担体としてろ紙を用いた含浸体の形態で評価した。それら以外の例は担体として不織布を用いた含浸体の形態で評価した。結果を表中に示す。表には初日の除菌活性値と7日目の除菌活性値も示す。
Figure 2021004179
Figure 2021004179
Figure 2021004179
表1〜3に示すように、実施例1〜26は、防除性能が良好であり、持続性も良好であった。
(A)/(C)が大きすぎる比較例1、小さすぎる比較例2は、持続性が劣った。
(A)成分と(C)成分の合計の含有量が高すぎる比較例3、低すぎる比較例4は、初日の防除性能が劣った。
(B1)成分を含まない比較例5、6は初日の防除性能が劣った。
(A)成分の代わりに(A’)成分を用いた比較例7、8は、持続性が劣った。
(B1)成分の代わりに(B3)成分を用いた比較例9は、初日の防除性能が劣った。

Claims (8)

  1. 式(I)で表される化合物である(A)成分、非環式アルデヒドである(B1)成分、及び水である(C)成分を含有し、前記(A)成分と前記(C)成分の合計の含有量が65〜99.9質量%であり、前記(C)成分に対する前記(A)成分の質量比である(A)/(C)が0.6〜20である、揮散型微生物防除剤組成物。
    Figure 2021004179
    [R、Rは、それぞれ独立に水素原子、メチル基またはエチル基であり、Xは、水素原子、メチル基又はアセチル基であり、Xがメチル基のときRは水素原子であり、Xが水素原子又はアセチル基のときRはメチル基またはエチル基である。nは1又は2である。]
  2. 前記(B1)成分の含有量が0.05質量%以上である、請求項1記載の揮散型微生物防除剤組成物。
  3. 前記(B1)成分が、シトロネラール及びシトラールの少なくとも一方を含む、請求項1又は2に記載の揮散型微生物防除剤組成物。
  4. さらに、芳香族アルデヒド、脂肪族アルコール、フェノール類、アセタール類およびエステル類からなる群から選ばれる1種以上である(B2)成分を含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の揮散型微生物防除剤組成物。
  5. 前記(B2)成分が、ベンズアルデヒド、ゲラニオール、チモール、及びシトラールジメチルアセタールからなる群から選ばれる1種以上である、請求項4に記載の揮散型微生物防除剤組成物。
  6. 前記(B2)成分に対する前記(B1)成分の質量比である(B1)/(B2)が、0.03〜100である、請求項4又は5に記載の揮散型微生物防除剤組成物。
  7. 前記(C)成分の含有量が、5〜45質量%である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の揮散型微生物防除剤組成物。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の揮散型微生物防除剤組成物を含む、揮散型微生物防除剤。
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