JP2021004150A - 炭素系複合材料 - Google Patents

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Abstract

【課題】多孔質の基材の内表面及び外表面を保護するとともに、基材のみを加熱炉の壁材等として使用した場合と比べて、温度分布の差異の少ない炭素系複合材料を提供する。【解決手段】開気孔を有する多孔質の炭素系材料からなる基材と、前記基材内部の前記開気孔の表面及び前記基材の外表面に形成された熱分解炭素膜と、からなることを特徴とする炭素系複合材料。【選択図】 図1

Description

本発明は、炭素系複合材料に関する。
黒鉛、炭素繊維、C/C複合材をはじめとする炭素材料は、耐熱性、化学的安定性を有しているため様々な高温炉等で炉材として使用されている。
特許文献1には、珪素を含む成形体を焼成するため用いる焼成炉に取り付けられるマッフルであって、炭素からなるマッフル本体と、上記マッフル本体の内壁に形成された炭素からなる保護膜とからなり、上記保護膜は、熱分解炭素からなり、その気孔率は、前記マッフル本体の気孔率よりも低いマッフルが開示されている。
特許文献1では、マッフル本体の表面に気孔率が低い熱分解炭素層が形成されているので、マッフル本体の内部に二酸化ケイ素が生じにくくなる。また、マッフルと保護膜とは、同じ炭素により形成されているため、熱膨張係数が殆ど変わらず、温度変化により、境界部分にクラック等が発生しにくいという特徴を有している。
特開2016−38191号公報
しかしながら、特許文献1に記載の焼成炉では、黒鉛材料等からなるマッフル本体の内壁に熱分解炭素からなる保護膜が形成されているため、もともとのマッフルを使用した焼成炉と熱の輻射の状態が変わってしまい、それに伴い、焼成炉の温度分布が変わってしまうという課題がある。また、酸化、昇華などマッフル内面の保護膜の消耗を伴う場合、使用中にマッフルの内壁の輻射率、輻射の状態が変わってしまうため、操炉する期間を通じて温度分布が安定しないという課題もある。
本発明では前記課題に鑑み、多孔質の基材の内部の気孔表面及び外表面を保護するとともに、基材のみを加熱炉の壁材等として使用した場合と比べて、温度分布の差異の少ない炭素系複合材料を提供することを目的とする。
上記課題を解決するための本発明の炭素系複合材料は、開気孔を有する多孔質の炭素系材料からなる基材と、上記基材内部の上記開気孔の表面及び上記基材の外表面に形成された熱分解炭素膜と、からなることを特徴とする。
本発明の炭素系複合材料によれば、上記基材内部に形成された開気孔の表面及び上記基材の外表面に熱分解炭素膜が形成されているので、基材全体の酸化や雰囲気ガスとの反応を抑制することができる。また、基材に形成された開気孔を完全に充填することなく、開気孔が残留するように、開気孔の表面を熱分解炭素膜で覆っており、外表面にも凹凸の大きさを変化させない程度の厚さで熱分解炭素膜が形成されているので、上記炭素系複合材料は、もともとの基材と同様の凹凸を有し、基材とほぼ同等の反射、輻射特性等を維持している。従って、本発明の炭素系複合材料が炉材として使用された場合、炉内の温度分布の変化を少なくすることができる。
本発明の炭素系複合材料では、上記基材の外表面に形成された上記熱分解炭素膜の厚さは、0.1〜5.0μmであることが望ましい。
本発明の炭素系複合材料において、上記基材の外表面に形成された上記熱分解炭素膜の厚さが0.1〜5.0μmであると、形成された熱分解炭素膜の厚さが薄いので、もともとの基材と同様の反射、輻射特性等を維持するとともに、摩擦など機械的な消耗に対する耐性に優れる。
また、上記熱分解炭素膜が0.1μm以上であると、熱分解炭素膜は必要な厚さを有しているので、短期間で酸化等により熱分解炭素膜の一部が消滅することはない。一方、上記熱分解炭素膜が5.0μm以下であると、熱分解炭素膜の厚さが開気孔に対して厚すぎないので、開気孔を埋めることなく、もともとの基材の表面状態や反射、輻射特性を維持することができる。
本発明の炭素系複合材料では、上記熱分解炭素膜は、上記基材の外表面から20μmの深さの位置において、外表面に形成された熱分解炭素膜の厚さの20〜40%であることが望ましい。
本発明の炭素系複合材料において、上記熱分解炭素膜が、上記基材の外表面から20μmの深さの位置において、外表面に形成された熱分解炭素膜の厚さの20%以上であると、開気孔の表面を充分に熱分解炭素膜で覆うことができ、基材内部の気孔表面及び外表面を充分に保護することができる。また、上記熱分解炭素膜が、上記基材の外表面から20μmの深さの位置において、外表面に形成された熱分解炭素膜の厚さの40%以下であると、熱分解炭素膜が開気孔を完全に充填することはなく、基材内部の開気孔の表面全体を熱分解炭素膜で保護することができる。
本発明の炭素系複合材料では、上記炭素系複合材料の外表面の波長800nmにおける拡散反射率は、5〜15%であることが望ましい。
上記炭素系複合材料の外表面の波長800nmにおける拡散反射率が5〜15%であると、上記基材と同等の反射、輻射特性等を維持することができる。
本発明の炭素系複合材料では、外表面の表面粗さRaが0.1〜2.0μmであることが望ましい。
本発明の炭素系複合材料において、外表面の表面粗さRaが0.1μm以上であると、炭素系複合材料の外表面が適度の凹凸を有しており、摩擦が生じても基材の外表面に形成された熱分解炭素膜が剥離しにくい。また、表面の凹凸は光を吸収する作用があり、外表面の表面粗さRaが0.5μm以上であると基材の黒鉛と同様な吸収特性を確保することができる。一方、外表面の表面粗さRaが2.0μm以下であると、基材の外表面の凹凸が大きすぎないので、炭素系複合材料が温度変化しても熱分解炭素膜が剥離しにくい。また、光の波長に対して凹凸が大きすぎないので、強い反射を抑制し、基材の黒鉛と同様な吸収特性を確保することができる。なお、表面粗さRaは、JIS B 0601により測定することができる。
本発明の炭素系複合材料では、基材が、C/C複合材、等方性黒鉛材又は黒鉛電極材であることが望ましい。
本発明の炭素系複合材料において、基材が、C/C複合材、等方性黒鉛材又は黒鉛電極材であると、高温で安定な材料であるため、高温でもクリープ等が生じることなく安定して使用することができる。
なお、C/C複合材とは、高強度炭素繊維で補強された炭素系複合材料であり、例えば、炭素繊維の基材に熱分解炭素を沈積する方法、炭素繊維の基材に樹脂を含浸したのち炭素化する方法等により得られる。C/C複合材は、高強度炭素繊維で補強されているので、高温になっても、クリープ等が発生しにくく、機械的強度を保つことができる
等方性黒鉛材とは、等方的な構造、特性を有する黒鉛材料であり、例えば、CIP(静水圧成形法)により製造することができる。具体的には、例えば、圧力容器内で等方性黒鉛材の原料粉をゴムバックに詰め、水などで加圧することにより成形したのち、焼成、黒鉛化することにより製造することができる。なお、等方性黒鉛材においては、原料粉の平均粒子径は、例えば10〜50μmであり、黒鉛材が細かな組織を有していることが特徴である。
黒鉛電極材とは、アーク炉、アルミ製造用など種々の電極材料として使用される黒鉛材料で、等方性黒鉛材の原料粉と比べ粒子径の大きな原料粉を加熱した後、押出し成形し、棒状の成形体を得たのち、焼成、黒鉛化することによって得ることができる。結晶性が高く、低抵抗で、高温になっても、クリープ等が発生しにくく、機械的強度を保つことができる黒鉛材料である。なお、黒鉛電極材においては、原料粉の平均粒子径は、例えば100μm〜10mmであり、黒鉛材が比較的粗い組織を有していることが特徴である。
本発明によれば、開気孔を有する炭素系材料からなる基材内部の開気孔の表面及び上記基材の外表面を熱分解炭素膜が覆っているので、上記基材の酸化や雰囲気ガスとの反応を抑制することができる。また、もともとの基材と同様の凹凸等を有しているので、基材と同等の反射、輻射特性を維持することができ、上記炭素系複合材料が炉材として使用された場合、炉内の温度分布の変化を少なくすることができる。
実施例1で得られた炭素系複合材料の断面の走査電子顕微鏡(SEM)写真である。 実施例1で得られた炭素系複合材料の表面のレーザー顕微鏡写真である。 比較例1で得られた炭素系複合材料の断面のSEM写真である。 比較例1で得られた炭素系複合材料の表面のレーザー顕微鏡写真である。 実施例1及び比較例1で用いた基材の表面のレーザー顕微鏡写真である。 実施例1及び比較例1の炭素系複合材料及び基材の拡散反射率のデータである。
以下、本発明の炭素系複合材料について、各実施形態に分けて詳細に説明するが、本発明は、下記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲において適宜変更して適用することができる。
本発明の炭素系複合材料は、開気孔を有する多孔質の炭素系材料からなる基材と、上記基材内部の上記開気孔の表面及び上記基材の外表面に形成された熱分解炭素膜と、からなることを特徴とする。
本発明の炭素系複合材料を構成する基材は、開気孔を有する多孔質の炭素系材料からなる。
基材を構成する炭素系材料は、特に限定されるものではないが、上記説明したように、C/C複合材、等方性黒鉛材又は黒鉛電極材であることが望ましい。
上記基材は、基材そのものが機械的特性に優れているため、開気孔を有していても、高温においてクリープ等が生じにくく、機械的強度を維持することができ、例えば、様々な形態の高温炉の炉材として好適に使用できるからである。
開気孔を有する上記基材は、気孔率が10〜25%であり、かさ密度が1.70〜1.90g/cmであることが望ましい。
上記基材の気孔率が10%以上であると、気孔の割合が高いため、軽量となり、炉材として使用する際、運搬や設置が容易になる。また、基材の開気孔の表面に熱分解炭素膜が形成されると、外表面に形成された熱分解炭素膜のアンカーとなるため、熱分解炭素膜が剥離しにくくなる。また、十分な大きさの気孔を形成できるため、この基材の気孔内部に熱分解炭素膜が形成されても、開気孔を残すことができる。また、光の波長に対して凹凸が大きすぎないので、強い反射を抑制し、この基材上に熱分解炭素膜が形成されても、基材の黒鉛と同様な吸収特性を確保することができる。
一方、上記基材の気孔率が25%以下であると、気孔の含有割合が高すぎないため、高温になってもクリープ等は発生しにくく、機械的な強度を維持することができる。
また、上記基材のかさ密度が1.70g/cm以上であると、気孔を有していても、機械的特性に優れる。また、上記基材のかさ密度が1.90g/cm以下であると、軽量であるので、炉材として使用する際、運搬や設置が容易になる。十分な大きさの気孔を形成できるため、この基材の気孔内部に熱分解炭素膜が形成されても、開気孔を残すことができる。
一方、また、開気孔の表面に熱分解炭素膜が形成されると、外表面に形成された熱分解炭素膜のアンカーとなるため、熱分解炭素膜が剥離しにくくなる。
上記基材の外表面の表面粗さRaは、0.1〜2.0μmであることが望ましい。
上記基材の外表面の表面粗さRaを、0.1〜2.0μmとすることにより、摩擦等により上記基材に形成された形成された熱分解炭素膜が外表面から剥がれ難くなる。
本発明の炭素系複合材料では、上記基材内部の上記開気孔の表面及び上記基材の外表面に熱分解炭素膜が形成されている。このため、基材の外表面や内部の開気孔表面の酸化、雰囲気ガスとの反応等を抑制することができる。
熱分解炭素膜とは、炭化水素ガスなどを熱分解させることにより形成される炭素の膜であり、化学気相蒸着(CVD)炉等の炉の内部に基材を搬入し、炉内を加熱し、昇温させた後、水素、アルゴン等のキャリアガスを含む炭化水素ガスをCVD炉内に導入し、熱分解させることにより、形成される炭素の膜である。
熱分解に用いる炭化水素ガスは特に限定されないが、例えば、メタンガス、エタンガス、プロパンガス、エチレンガス、アセチレンガス、これらの混合物等が挙げられ、どのガスであてもよく特に限定されない。
熱分解炭素膜を形成する条件としては、CVD炉等の炉の温度は、800〜1400℃が望ましい。
上記基材の外表面に形成される上記熱分解炭素膜の厚さは、0.1〜5.0μmであることが望ましく、0.3〜1.0μmであることがさらに望ましい。
上記基材の外表面に形成された上記熱分解炭素膜の厚さが0.1〜5.0μmであると、形成された熱分解炭素膜の厚さが薄いので、もともとの基材と同様の反射、輻射特性等を維持するとともに、摩擦など機械的な消耗に対する耐性に優れる。また、上記基材の外表面に形成された上記熱分解炭素膜の厚さが0.3〜1.0μmであると、形成された熱分解炭素膜の厚さが薄く黒鉛基材の表面の凹凸を残したまま覆うことができ、もともとの基材と同様の反射、輻射特性等を維持するとともに、十分な厚さを有しているので摩擦など機械的な消耗に対する耐性にさらに優れる。
本発明の炭素系複合材料では、上記熱分解炭素膜は、上記基材の外表面から20μmの深さの位置において、外表面に形成された熱分解炭素膜の厚さの20〜40%であることが望ましい。
本発明の炭素系複合材料において、上記基材の外表面から20μmの深さの位置において、外表面に形成された熱分解炭素膜の厚さの20〜40%であると、熱分解炭素膜が開気孔を完全に充填することはなく、かつ、開気孔の表面を充分に熱分解炭素膜で覆うことができ、基材の内部及び外表面を充分に保護することができる。
本発明の炭素系複合材料では、上記炭素系複合材料の外表面の波長800nmにおける拡散反射率は5〜15%であることが望ましい。
上記炭素系複合材料の外表面の波長800nmにおける拡散反射率が5〜15%であると、上記基材と同等の反射、輻射特性等を維持することができる。このため、黒鉛からなる炉内部材などを、本発明の炭素系複合材料と置き換えても同等の反射特性を有しており、炉内の温度分布の変化を少なくすることができる。また、炭素系複合材料の表面が酸化などにより消耗しても、炉内の温度分布の変化を少なくすることができる。なお、拡散反射率は、正反射と、乱反射との和である。
本発明の炭素系複合材料では、外表面の表面粗さRaが0.1〜2.0μmであることが望ましい。
本発明の炭素系複合材料において、外表面の表面粗さRaが0.1μm以上であると、炭素系複合材料の外表面が適度の凹凸を有しており、摩擦が生じても基材の外表面に形成された熱分解炭素膜が剥離しにくい。一方、外表面の表面粗さRaが2.0μm以下であると、基材の外表面の凹凸が大きすぎないので、炭素系複合材料が温度変化しても熱分解炭素膜が剥離しにくい。
本発明の炭素系複合材料では、気孔率が10〜25%であることが望ましい。
本発明の炭素系複合材料において、その気孔率が10〜25%であると十分な気孔を有するため、軽量となり、炉材として使用する際、運搬や設置が容易になる。また、開気孔の表面に熱分解炭素膜が形成されていると、外表面に形成された熱分解炭素膜のアンカーとなるため、熱分解炭素膜が剥離しにくくなる。また、気孔の含有割合が高すぎないため、高温になってもクリープ等が発生しにくく、機械的な強度を維持することができる。
本発明の炭素系複合材料は、基材内部の上記開気孔の表面及び上記基材の外表面に熱分解炭素膜が形成されているので、基材全体の酸化や雰囲気ガスとの反応を抑制することができる。また、上記炭素系複合材料は、もともと使用していた黒鉛の基材(炉材)とほぼ同等の反射、輻射特性等を維持することができるため、炉内の温度分布の変化を少なくすることができる。また、上記基材がC/C複合材、等方性黒鉛材又は黒鉛電極材から構成されていると、高温においてもクリープ等が生じにくく、機械的強度を維持することができ、例えば、様々な形態の高温炉の炉材として好適に使用できる。
(実施例1)
CVD炉の反応室に、50mm×50mm×5mmの矩形状の等方性黒鉛からなる基材(イビデン株式会社製ET−10、表面粗さRa=1.00μm、気孔率19.0%)を搬入し、続いて真空引きを行い、続いてCVD炉内を室温から800℃を超えるまで2時間かけて昇温させた。
次に、CVD炉内温度を維持したまま、原料ガスである炭化水素ガスと、キャリアガスである水素とを導入し、熱分解炭素膜の形成工程を行った。
冷却完了後CVD炉内の復圧を行い、得られた炭素系複合材料をCVD炉内から取り出した。
得られた炭素系複合材料について、その表面を、レーザー顕微鏡を用いて観察するとともに、その一部を切断し、その断面を、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて観察した。
図1は、実施例1で得られた炭素系複合材料の断面のSEM写真である。図2は、実施例1で得られた炭素系複合材料の表面のレーザー顕微鏡写真である。なお、図5は、実施例1及び比較例1で用いた基材の表面のレーザー顕微鏡写真である。
図1に示すように、基材10の外表面に熱分解炭素膜11が形成されており、開気孔13の表面にも熱分解炭素膜12が形成されている。
得られた複数の断面のSEM写真より炭素系複合材料の外表面及び開気孔の表面に形成された熱分解炭素膜の厚さを測定し、平均したところ、炭素系複合材料の外表面に形成された熱分解炭素膜の厚さは、0.95μmであり、基材の外表面から20μmの深さの位置において、外表面に形成された熱分解炭素膜の厚さは、0.31μmであり、外表面に形成された熱分解炭素膜の厚さの33%であった。
得られた炭素系複合材料の外表面の表面粗さRaを、JIS B 0601に準拠して測定したところ、1.28μmであった。
(比較例1)
実施例1と同様に基材を準備し、1400℃を超えるようにCVD炉を加熱し、同様に熱分解炭素膜を形成し、炭素系複合材料を製造した。
得られた炭素系複合材料について、その表面を、レーザー顕微鏡を用いて観察するとともに、その一部を切断し、その断面を、SEMを用いて観察した。
図3は、比較例1で得られた炭素系複合材料の断面のSEM写真である。図4は、比較例1で得られた炭素系複合材料の表面のレーザー顕微鏡写真である。
図3に示すように、基材の外表面に熱分解炭素膜が形成されており、開気孔は熱分解炭素膜で埋められている。
得られた複数の断面のSEM写真より炭素系複合材料の外表面及び開気孔の表面に形成された熱分解炭素膜の厚さを測定し、平均したところ、炭素系複合材料の外表面に形成された熱分解炭素膜の厚さは、7.4μmであり、基材の表面の開気孔は熱分解炭素層で完全に埋められていた。
得られた炭素系複合材料の外表面の表面粗さRaを、JIS B 0601に準拠して測定したところ、0.34μmであった。
実施例1及び比較例1の炭素系複合材料及び基材の拡散反射率を測定した。測定器は、日本分光株式会社製V−770に積分球ユニットを用い、リファレンスとしてフッ素樹脂の白色板を用いて測定した。
図6は、実施例1及び比較例1の炭素系複合材料及び基材の200〜850nmの範囲における拡散反射率の値を示す。基材の表面に熱分解炭素膜を凹凸がなくなるまで厚く形成した比較例1の炭素系複合材料では、いずれの波長においても拡散反射率が基材の2倍以上である。これに対し、実施例1の炭素系複合材料では、可視光から赤外線領域では拡散反射率が基材の概ね1.3倍以内であり、光の反射特性が基材とほとんど変わらないことがわかる。また、800nmにおける拡散反射率は、実施例1が11.57%、基材が9.47%でほぼ同等であったのに対し、比較例1では26.79%であり、基材と大きく異なっていた。
以上より、本発明の炭素系複合材料は、開気孔を有する炭素系材料からなる基材内部の開気孔の表面及び上記基材の外表面を熱分解炭素膜が覆っているので、上記基材の酸化や雰囲気ガスとの反応を抑制することができる。また、もともとの基材と同様の凹凸等を有しているので、基材と同等の反射、輻射特性を維持することができ、上記炭素系複合材料が炉材として使用された場合、炉内の温度分布の変化を少なくすることができることが確認できる。
10 基材
11 熱分解炭素膜11(炭素系複合材料の外表面に形成された熱分解炭素膜)
12 熱分解炭素膜12(炭素系複合材料の開気孔の表面に形成された熱分解炭素膜)
13 開気孔

Claims (6)

  1. 開気孔を有する多孔質の炭素系材料からなる基材と、前記基材内部の前記開気孔の表面及び前記基材の外表面に形成された熱分解炭素膜と、からなることを特徴とする炭素系複合材料。
  2. 前記基材の外表面に形成された前記熱分解炭素膜の厚さは、0.1〜5.0μmであることを特徴とする請求項1に記載の炭素系複合材料。
  3. 前記熱分解炭素膜は、前記基材の外表面から20μmの深さの位置において、外表面に形成された熱分解炭素膜の厚さの20〜40%であることを特徴とする請求項1又は2に記載の炭素系複合材料。
  4. 前記炭素系複合材料の外表面の波長800nmにおける拡散反射率は5〜15%であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の炭素系複合材料。
  5. 前記炭素系複合材料の外表面の表面粗さRaは、0.1〜2.0μmであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の炭素系複合材料。
  6. 前記炭素系複合材料は、基材が、C/C複合材、等方性黒鉛材又は黒鉛電極材であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の炭素系複合材料。
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