JP2021003704A - 自動車用燃料用フィルター材 - Google Patents

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Abstract

【課題】微細粒子の十分な捕捉性能を有し、かつ、長寿命化を達成する自動車燃料用フィルター材の提供。【解決手段】複数の不織布を積層させた自動車燃料用フィルター材であって、該積層不織布全体の通気度は10cc/min・cm2以上であり、該積層不織布全体の空隙率は85%以上であり、そして該フィルター材は、粒子径30μm以上の粒子を90%以上捕捉することができ、かつ、JIS-B-8356-8に準拠した測定方法により測定したフィルター寿命が40分以上であることを特徴とする前記自動車燃料用フィルター材。【選択図】なし

Description

本発明は、複数の不織布を積層させた自動車燃料用フィルター材に関する。本発明は、より詳細には、自動車用燃料タンクに設置される燃料ポンプの1次側に用いられるサクションフィルター用の前記フィルター材に関する。
従来、自動車タンクに設置される燃料ポンプの1次側に用いられるフィルター(以下、「サクションフィルター」ともいう。)には、織物メッシュや、スパンボンド不織布やメルトブロー不織布に代表される長繊維不織布、ニードルパンチ不織布やサーマルボンド不織布に代表される短繊維不織布、などを使用したフィルター材が使用されており、これらのフィルター材には5〜50μm前後の粒子の捕捉性能、好ましくは10〜30μm以上の粒子の捕捉性能に優れることが求められていた。
このようなフィルター材として、例えば、以下の特許文献1には、スパンレース不織布とメルトブロー不織布とが一体接合させることにより、フィルター材の内部に粗密構造を形成させ、スパンレース不織布層で比較的大きな固形物を除去した後、メルトブロー層でより細かな固形物を除去する様にしたフィルター材が開示されている。
また、以下の特許文献2には、3層以上の異なる密度を有する織り組織からなるフィルター材が開示されている。
しかしながら、メルトブロー法等により作製された不織布を主なフィルター材として用いた場合、高い粒子捕捉性を有しているが、不織布表面で粒子捕捉が行われるため、早期に閉塞されて短寿命であるとの問題が生じていた。
かかる問題を解決するためにフィルター材の粒子捕捉性を低下させる手段が採用されていたが、その手段としてメルトブロー法等により作製させた不織布に比して、繊維径の太い不織布となるスパンボンド不織布、スパンレース不織布をフィルター材に用いる、織物をフィルター材に用いる、等が挙げられる。
それぞれの手段においてフィルター材の寿命は、メルトブロー不織布を用いたフィルター材に比較して延びる効果は得られるものの、要求される粒子の捕捉性能を、スパンボンド不織布を用いることによって得るためには、スパンボンド不織布の作製が行われた後の工程で表面の平滑処理を施すなど、後工程での処理が必要となる。この場合、メルトブロー不織布等の合成長繊維不織布と同様に、高捕捉効率であるものの、その捕捉態様は表面濾過であり、濾材表面が粒子により早期に閉塞されて短寿命であるとの問題がある。
他方、スパンレース不織布は、スパンボンド不織布やメルトブロー不織布と比較して、粒子の内部捕捉量が増加することから相対的には寿命延長効果が得られるものの、該スパンレース不織布において、中間層として使用される織物部には、流体が通過せず、該織物部はフィルター材として機能しない。そのため、該スパンレース不織布が有する粒子の内部捕捉機能が十分に発揮されていないとの問題がある。
特開2005−152769号公報 特開2005−305276号公報
本発明が解決しようとする課題は、前記した従来技術の問題を解決し、微細粒子の十分な捕捉性能を有し、かつ、長寿命化を達成する自動車燃料用フィルター材を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決すべく、鋭意検討し実験を重ねた結果、熱圧着結合を加工により解除させた繊維径の異なるスパンボンド不織布を段階的な傾斜構造を形成させて積層させることによって、従来の自動車燃料用フィルター材と比較して、微細粒子の十分な捕捉性能を維持しながら、長寿命となる自動車燃料用フィルター材が得られることを見出し、本発明を完成するに至ったものである。
すなわち、本発明は、以下の通りのものである。
[1]複数の不織布を積層させた自動車燃料用フィルター材であって、該積層不織布全体の通気度は10cc/min・cm2以上であり、該積層不織布全体の空隙率は85%以上であり、そして該フィルター材は、粒子径30μm以上の粒子を90%以上捕捉することができ、かつ、JIS-B-8356-8に準拠した測定方法により測定したフィルター寿命が40分以上であることを特徴とする前記自動車燃料用フィルター材。
[2]前記複数の不織布がいずれも、スパンボンド不織布である、前記[1]に記載の自動車燃料用フィルター材。
[3]異なる繊維径と通気度を有する不織布A、不織布B、不織布Cを3層以上積層させて、部分的に溶着し一体化させた自動車燃料用フィルター材であって、該不織布A乃至Cの目付は、それぞれ、50〜100g/m2であり、該不織布A乃至Cの空隙率は、それぞれ、80〜95%であり、該不織布A乃至Cの繊維径は、それぞれ、5〜20μmであるが、不織布A>不織布B>不織布Cの関係にあり、該不織布A乃至Cの通気度は、それぞれ、110cc/min・cm2以上300cc/min・cm2以下であるが、不織布A>不織布B>不織布Cの関係にあり、そして該自動車燃料用フィルター材の上流側から下流側に向向かって不織布A、不織布B、不織布Cの順に積層されていることを特徴とする自動車燃料用フィルター材。
[4]前記不織布A、不織布B、不織布Cがいずれも、スパンボンド不織布である、前記[3]に記載の自動車燃料用フィルター材。
[5]異なる繊維径と通気度を有する不織布A、不織布B、不織布Cを3層以上積層させて、部分的に溶着し一体化させた自動車燃料用フィルター材であって、該不織布A乃至Cの目付は、それぞれ、50〜100g/m2であり、該不織布A乃至Cの空隙率は、それぞれ、80〜95%であり、該不織布A乃至Cの繊維径は、それぞれ、5〜20μmであるが、不織布A>不織布B>不織布Cの関係にあり、該不織布A乃至Cの通気度は、それぞれ、110cc/min・cm2以上300cc/min・cm2以下であるが、不織布A>不織布B>不織布Cの関係にあり、そして該自動車燃料用フィルター材の上流側から下流側に向向かって不織布A、不織布B、不織布Cの順に積層されている、前記[1]に記載の自動車燃料用フィルター材。
[6]前記不織布A、不織布B、不織布Cがいずれも、スパンボンド不織布である、前記[5]に記載の自動車燃料用フィルター材。
本発明の自動車燃料用フィルター材では、上流から下流に向かい繊維径の細い嵩高な不織布を積層させることによって、大きさの異なる粒子を順次捕捉する傾斜機能を持たせることが可能であり、フィルター寿命の延長を図ることができる。
スパンボンド不織布のウォータージェット加工を示す概念図である。 捕捉効率測定の工程を示すフロー図である。 寿命評価に用いたシングルパステストを示すフロー図である。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。
本実施形態の自動車燃料用フィルター材は、複数の不織布を積層させた自動車燃料用フィルター材であって、該積層不織布全体の通気度は10cc/min・cm2以上上であり、該積層不織布全体の空隙率は85%以上であり、そして該フィルター材は、粒子径30μm以上の粒子を90%以上捕捉することができ、かつ、JIS-B-8356-8に準拠した測定方法により測定したフィルター寿命が40分以上であることを特徴とする前記自動車燃料用フィルター材、及び/又は異なる繊維径と通気度を有する不織布A、不織布B、不織布Cを3層以上積層させて、部分的に溶着し一体化させた自動車燃料用フィルター材であって、該不織布A乃至Cの目付は、それぞれ、50〜100g/m2であり、該不織布A乃至Cの空隙率は、それぞれ、80〜95%であり、該不織布A乃至Cの繊維径は、それぞれ、5〜20μmであるが、不織布A>不織布B>不織布Cの関係にあり、該不織布A乃至Cの通気度は、それぞれ、110cc/min・cm2以上300cc/min・cm2以下であるが、不織布A>不織布B>不織布Cの関係にあり、そして該自動車燃料用フィルター材の上流側から下流側に向向かって不織布A、不織布B、不織布Cの順に積層されていることを特徴とする自動車燃料用フィルター材である。
前記「積層」は、複数の不織布を部分的に溶着し一体化させたものであることができる。
本実施形態の複数の不織布は、メルトブローン不織布、スパンボンド不織布、ニードルパンチ不織布、スパンレース不織布、サーマルボンド不織布、ケミカルボンド不織布、フラッシュ不織布、等のいずれの不織布であってもよいが、目的とする粒径の微細粒子の捕捉性能と寿命の観点から、スパンボンド不織布であることが好ましい。
一般的に、繊維径が5μm以下の不織布をフィルター材として使用した場合、繊維の交絡によって形成される微細な細孔に粒子が捕捉されるため、粒子の捕捉性は向上するものの、早期に閉塞されるため自動車燃料用フィルターとしては寿命の観点にて性能が未達となる。
また、繊維径が20μm以上の不織布をフィルター材として使用した場合、繊維の交絡によって形成される細孔径が大きく、粒子の捕捉性が低く要求される性能が未達となる。
本実施形態の不織布は、例えば、公知のスパンボンド方法により得ることができるものである。例えば、溶融紡糸で連続フィラメントのウェブを得、一対のエンボスロールと平滑ロールで部分的に熱圧着することにより得られる。熱圧着された状態でのスパンボンド不織布に対して、熱圧着結合を加工によって解除させることによって嵩高にする必要があるが、該スパンボンド不織布に対する加工は、高圧水流を噴射するウォータージェット加工法、ニードルパンチ加工、などの方法によって熱圧着結合を解除させることが好ましい。
これらの加工によって熱圧着結合が解除された該スパンボンド不織布は、繊維が三次元的に均一に配列され、不織布内部の空隙が増大することによって、繊維の交絡によって形成される細孔の径が均一になり、微粒子の高い捕捉性を維持しながら、内部の粒子捕捉量が増加するため寿命延長の効果が得られる。
また、本実施形態の不織布は繊維径の異なる不織布を3層以上積層させて使用することで、大きさの異なる粒子を順次捕捉する傾斜機能を持たせることが好ましい。
前記不織布Aは、好ましくは、繊維径12〜16μm、通気度170〜300cc/min・cm2であり、前記不織布Bは、好ましくは、繊維径10〜14μm、通気度140〜230cc/min・cm2であり、前記不織布Cは、好ましくは繊維径9〜13μm、通気度は110〜170cc/min・cm2であり、前記不織布A乃至Cの目付はいずれも50〜100g/m2、空隙率80〜95%であることが好ましい。前記不織布A乃至Cは、以下の関係式を満たす:
通気度:300cc/min・cm2>不織布A>不織布B>不織布C>110cc/min・cm2
繊維径:20μm>不織布A>不織布B>不織布C>5μm
本実施形態の自動車燃料用フィルター材は、好ましくは前記不織布A、不織布B、不織布Cの順で、上流から下流に向かって、積層されており、各層が最低1枚以上積層されて構成される。不織布A乃至Cの繊維径と通気度が上記範囲内にあると、表面方向及び厚み方向に気に綱繊維配列を有し、目的とする微細粒子の捕捉に充分なフィルター性能を得ることができる。また、不織布A乃至Cを前記の順に積層して構成することにより、厚さ方向に繊維径を変化させた傾斜機能を持たせて、各層で異なる粒子径の微細粒子を保持してフィルター寿命を延長させることが可能となる。
前記不織布は、一般的に繊維径が細くなることによって、フィルター材にとって重要な性能である捕捉性能は向上するが、フィルター寿命が短くなるという二律背反関係にある。繊維径が5μm以下の不織布を積層させた場合、寿命が短くなってしまい、サクションフィルター材として不十分な性能となる。また、繊維径が太くなることによって、寿命は延長される効果があるが捕捉性能が低下するため、同様にサクションフィルター材として不十分な性能となる。
不織布の空隙率を増大させる加工として、ウォータージェット加工やニードルパンチ加工が挙げられるが、ニードルパンチ加工は高速で加工針を短繊維や不織布に突き刺しており、加工品には加工針が突き刺さったことで発生した貫通孔が多数存在しており、微細粒子の捕捉性を低下させる要因となり得るため、空隙を増大させる加工はウォータージェット加工が好ましい。
前記不織布は、ウォータージェット加工によって繊維を均一に配列させて空隙率を増大させることにより、フィルター寿命を延長させている。ウォータージェット加工は、公知のスパンボンド不織布の製造工程を用い、ネットやドラム状に集積した圧着前の長繊維不織布に、直接ウォータージェット加工を施し、空隙率を増大させてもよい。また、集積したスパンボンド不織布を低温・低圧条件で圧着して巻き取った後、別工程にてウォータージェット加工を行い、空隙率を増大させてもよい。ここで、低温・低圧の条件で圧着して巻き取ったスパンボンド不織布は、不織布の形態をしているもののウォータージェット加工によって空隙率を増大させることができる程度の軽度の圧着の程度であることが好ましい。
ウォータージェット加工は、例えば、工程速度1〜15m/minで、図1に概要を示す工程により行う。この場合の下記式:
V=60[2g(P1-P2)10000/(1000ρ)]0.5
{式中、V:ノズルから吐出される流体の流速[m/min]、g:重力加速度=9,8[m/s2]、P1:流体の水圧[kgf/cm2]、P2:大気圧=1.03[kgf/cm2]、ρ:流体の密度[g/cm3]である。}で表されるノズル1孔当たりの流体の仕事率Vは、0.5〜15W、好ましくは1〜13W、より好ましくは2〜10Wである。
また、ノズル間隔は、1.0mm〜2.5mmが好ましく、より好ましくは1.5〜2.0mmである。尚、上述のウォータージェット加工の回数は、厚さ方向での空隙率のばらつきを抑えるため、少なくとも表裏一回以上行わなければならない。
前記ウォータージェット加工に際し、ノズル1孔当たりの流体の仕事率Wは、特開2008−127696号公報を参照し、下記式:
F=100V(S/100)
{式中、F:ノズル1つの孔から吐出される流体の流量[cm3/min]、S:ノズル1つの孔から吐出される流体の面積[mm2]、V:ノズル1つの孔から吐出される流体の流速[m/min]である。}により求めたFを、下記式:
W=0.163P1(F/100)
{式中、W:ノズル1孔当たりの流体の仕事率[W]、P1:流体の水圧[kgf/cm2]、F:ノズル1つの孔から吐出される流体の流量[cm3/min]である。}に代入して求めた。
本実施形態においては、前記スパンボンド不織布と該スパンボンド不織布の保護層となる部材は、超音波ウェルダーを使用し、熱溶着させることで一体接合させた。
サクションフィルター用フィルター材に求められるフィルター性能としては、接続される燃料ポンプの各種性能から求められる微細粒子の捕捉効率と捕捉効率を維持しながらの充分なフィルター寿命を保持することが求められる。本実施形態のフィルター材のフィルター性能は、粒子径30μm以上の微細粒子の捕捉効率が90%以上であり、かつ、JIS-B-8356-8に準拠した測定方法により測定したフィルター寿命が40分以上である。
本実施形態のフィルター材は、熱圧着結合を解除したスパンボンド不織布を用いることにより、充分な微細粒子の捕捉効率を維持しながら、フィルター寿命を格段に上昇させることができる。
加工によって熱圧着結合が解除された前記スパンボンド不織布の表面は、繊維が毛羽立ち易いため、取扱いによるフィルター性能への影響が懸念される。
毛羽立ちを防止するために、粒子捕捉性に影響の与えない部材を前記スパンボンド層の上層及び下層、すなわちフィルター材の最表面に積層させてもよい。最表面に積層させる部材としては、織物、メッシュ、スパンボンド不織布、サーマルボンド不織布、ケミカルボンド不織布、などが挙げられる。
また、最表面に積層させる部材の材質としては、ナイロン6、ナイロン66、共重合ポリアミドなどのポリアミド系繊維、ポリエチレン、ポリプロピレン、共重合ポリプロピレンなどのポリオレフィン系繊維、ポリエチレンテレフタレート、共重合ポリエステルなどのポリエステル系繊維などが挙げられる。
また、コスト面、ポリマー性能に起因する燃料油中での寸法安定性を考慮すると、材質としては、ポリエステル系繊維又はポリアミド系繊維が特に好ましい。
以下、本発明を実施例により具体的に説明する。なお、実施例中の特性は、下記の方法で測定した。
(1)目付(g/m2):100mm×100mmの試料を幅方向に7点、長さ方向に4点採取し、重量を測定し、g/m2に換算し、その平均値を求めた。
(2)厚み(mm)
JIS−L−1913−2010に規定される測定方法に準拠した方法により、測定子:φ16を用いて15.3g/cm2荷重時の厚みを5か所測定し、その平均値を求めた。
(3)空隙率(%)
目付と、前記した厚みから、下記式:
(1−目付/1000÷比重÷厚み)×100
により算出した。尚、ポリエチレンテレフタレートの比重には1.38を用いた。単位面積当たりの空隙率を求め、3か所以上の平均値で示した。
(4)繊維径(μm)
不織布の表面を顕微鏡写真で拡大し、その繊維径(太さ)を10点実測し、その平均値を求めた。
(5)通気度(cc/min・cm2
JIS−L−1913−2010に規定されるフラジール形試験機で、3か所測定し、その平均値を求めた。
(6)微粒子捕捉効率(%)
図2に示すように、JIS−B8356−8法に準拠した簡便法により測定した。すなわち、ダスト液タンク(6)に存在するJIS2号軽油中にJIS7種のダストを3mg/Lの割合で混合し、攪拌して均一に分散させた液を、ダストタンク内で攪拌機(5)を用いてプロペラ撹拌を行いながら、定量ポンプ(チューブポンプ)(7)を用いて流量12cc/min/cmでフィルターホルダー試料(サンプルフィルター)(9)に通過させ、通過前後の液を採取管(採取瓶)(10)に採取し、各液の粒度分布を粒度分布計で測定し、30μm粒子径の捕捉(捕集)効率を求めた。
粒度分布測定に際しては、測定器としてPSS社 Accusizer MODEL780/SISを使用し、30μmの粒子個数を、サンプル通過前後の試験液について計測した。捕捉効率は下記式:
捕捉効率[%]=(1−出口側粒子個数/入口側粒子個数)×100
により求めた。
(7)フィルター寿命
図3に示すように、JIS−B8356−8法に準拠した簡便法により測定した。すなわち、軽油タンク(13)中のJIS2号軽油にJIS8種のダストを20mg/Lの割合でチューブポンプ(7)を用いて添加し、当該軽油を流量150cc/minでサンプルフィルター(9)に通過させ、サンプルフィルターの前後に設置した圧力計(17)にて測定した差圧が10kPaに達するまでの時間(分)を測定し、フィルター寿命時間とした。
以下の表1に実施例及び比較例に使用した不織布を示す。尚、全サンプルの材質はポリエチレンテレフタレートである。
Figure 2021003704
[不織布丸1〜丸3、丸7〜丸9、丸13〜丸15の製造]
低温・低圧で圧着させたスパンボンド不織布を用いて、ウォータージェット加工を行うことによって熱圧着結合を加工によって解除させて嵩高にしたスパンボンド不織布を得た。ウォータージェット加工条件は、以下の表2に示すとおりであった。また、仕上げの条件として、ウォータージェット加工を行った後のサンプルは80℃で乾燥させた。
Figure 2021003704
[不織布丸4〜丸6の製造]
公知の方法で得られたスパンボンド不織布であり、溶融したポリマーを吐出量を調整することによって異なる繊維径のサンプルを得た。
[不織布丸10〜丸12の製造]
公知の方法で得られたメルトブロー不織布であり、異なる繊維径のサンプルを得た。
[不織布丸16の製造]
ポリエチレンテレフタレート製長繊維不織布を公知のスパンボンド法により作製し、得られたスパンボンド不織布を中間層として、上流側の層が繊維径7.5μm、目付150g/m2、下流側の層が繊維径4μm、目付80g/m2となるように公知の方法によりスパンレース不織布を作製した。
[実施例1〜4]
以下の表3に示すように、ウォータージェット加工を施した繊維径の異なるスパンボンド不織布を3層以上積層させたサンプルのフィルター性能比較を行った。
実施例1〜4に示すように、不織布丸1〜丸3を、上流から下流に向かって第1層から第4層に、順に積層することによって、30μmの粒子を90%以上捕獲(捕集)し、JIS−B8356−8法に準拠した簡便法により測定したフィルター寿命が40分以上とすることができたことが分かる。
Figure 2021003704
[比較例1]
サクションフィルターとして市販されているモノフィラメント織物、100メッシュ品のフィルター性能評価を行った。
実施例1〜4と比較して、粒子捕捉性は低くフィルター後段へ多量の粒子が流出してしまうため、寿命は長いもののフィルターとしての効果は低いものであった。このことから、不織布をフィルター材として使用することで、微細粒子の充分な捕捉性を達成することができることが分かった。
[比較例2]
実施例1で使用したスパンボンド不織布と同じ目付、繊維径を有するスパンボンド不織布を積層し、フィルター性能評価を行った。実施例1〜4と比較して、空隙率が低いため内部捕捉量が低下したため寿命が低下したものと思われる。このことから、充分な粒子捕捉性を維持しながら長い寿命を達成するためには高い空隙率が必要であることが分かった。
[比較例3]
実施例4で使用したスパンボンド不織布のうち、繊維径12.5μm品と繊維径11.0μm品の2層を積層して、フィルター性能評価を行った。実施例1〜4と比較して、積層枚数が少ないため捕捉効率が低下し、また、内部捕捉量が低下したため寿命が低下したものと思われる。このことから、充分なフィルター性能を発現するためには繊維径14.5μm、12.5μm、11.0μmの不織布をそれぞれ1層ずつ積層させる必要があることが分かった。
[比較例4]
実施例1で使用したスパンボンド不織布と同じ繊維径、半分の目付を有するスパンボンド不織布を積層し、フィルター性能評価を行った。実施例1〜4と比較して、目付が低いため内部捕捉量が低下したため寿命が低下したものと思われる。このことから、充分な粒子捕捉性を維持しながら長い寿命を達成するためには80g/m2以上の目付が必要であることが分かった。
[比較例5]
実施例1で使用したスパンボンド不織布のうち、繊維径14.5μm品を4層積層して、フィルター性能評価を行った。実施例1〜4と比較して、微細な粒子を捕捉することができず、また、繊維径勾配を持っていないため、1層目付近で閉塞が発生してしまい、寿命が低下したものと思われる。このことから、粒子捕捉性と長寿命を発現させるためには上流から下流に向けて繊維径勾配を有していることが必要であることが分かった。
[比較例6]
実施例1で使用したスパンボンド不織布のうち、繊維径11.0μm品を4層積層して、フィルター性能評価を行った。実施例1〜4と比較して、微細な粒子を捕捉することができているが、繊維径勾配を持っていないため、比較例5と同様に1層目付近で閉塞が発生してしまい、寿命が低下したものと思われる。このことから、粒子捕捉性と長寿命を発現させるためには上流から下流に向けて繊維径勾配を有していることが必要であることが分かった。
[比較例7]
繊維径4.0μm、繊維径3.0μm、繊維径2.0μ、目付80g/m2からなるメルトブロー不織布を積層して、フィルター性能評価を行った。実施例1〜4と比較して、繊維径が細過ぎるため、粒子捕捉性が極めて高くなり、早期に閉塞が発生したため寿命が低下した。このことから、粒子捕捉性と長寿命を発現させるためには繊維径が5μ以上であることが必要であると分かった。
[比較例8]
繊維径30.0μm、繊維径25.0μm、繊維径22.0μ、目付80g/m2からなるウォータージェット加工を施したスパンボンド不織布を積層して、フィルター性能評価を行った。実施例1〜4と比較して、繊維径が太過ぎるため、粒子捕捉性が低くなり、充分な粒子捕捉性を実現させることができなかった。このことから、充分な粒子捕捉性を発現させるためには繊維径が20μ以下であることが必要であると分かった。
[比較例9]
繊維径13μのスパンボンドを中間層に有し、一次側に繊維径10μの繊維、二次側に繊維径7.5μの繊維からなるスパンレース不織布を用いて、フィルター性能評価を行った。
実施例1〜4と比較して、繊維径が細く厚みも薄いため、粒子捕捉性が高いものの、早期に閉塞が発生したため、寿命が短くなった。このことから、充分な粒子捕捉性と長寿命を実現させるためには、積層構造が必要であると分かった。
実施例1〜4では、30μmの粒子捕捉性を90%以上実現し、JIS−B8356−8法に準拠した簡便法によって測定した寿命が40分以上となる高捕集性と長寿命を両立させるフィルター材が得られた。ウォータージェット加工を施すことで空隙率が増大し、粒子の内部捕捉量が増大したことで長寿命となる効果が得られ、繊維径の異なるスパンボンド不織布を積層させることで厚み方向に段階的に粒子を捕捉するため捕集性が向上したためである。
尚、積層に際しては、各フィルター材を重ね合せ、超音波ウェルダーを用いて部分的に溶融接合を行った。この部分接合は、1点あたりの溶融面積を3mmとし、19〜21mm間隔の正三角形配列とした。
本発明は、不織布を積層させた自動車燃料用フィルター材であり、従来のものよりも、微細粒子の捕捉性が向上し、フィルター寿命が延長されるため、自動車用燃料タンクに設置される燃料ポンプの1次側に用いられるサクションフィルターのフィルター材として好適に利用可能である。
1 ウォータージェット工程
2 乾燥工程
3 巻出工程
4 巻取工程
5 攪拌機
6 ダスト液タンク
7 チューブポンプ
8 チューブ
9 サンプルフィルター
10 採取瓶
11 マグネットギヤポンプ
12 クリンアップフィルター
13 軽油タンク
14 流量計
15 ダスト液タンク
16 撹拌ポンプ
17 圧力計
[1]動車燃料用フィルター材の製造方法であって、以下の工程:
不織布A、不織布B、及び不織布Cの熱圧着結合を加工によって解除させる工程;
得られた不織布A、不織布B、及び不織布Cを3層以上、該自動車燃料用フィルター材の上流側から下流側に向かって不織布A、不織布B、不織布Cの順に積層する工程;及び
積層された不織布を溶着する工程;
を含み、ここで、熱圧着結合を解除した後の不織布A乃至Cの目付は、それぞれ、50〜100g/mであり、該熱圧着結合を解除した後の不織布A乃至Cの空隙率は、それぞれ、89.5〜95%であり、そして熱圧着結合を解除した後の不織布A乃至Cの繊維径は、それぞれ、5〜20μmであるが、不織布A>不織布B>不織布Cの関係にあることを特徴とする自動車燃料用フィルター材の製造方法
[2]熱圧着結合を解除する前の不織布A、不織布B、不織布Cがいずれも、スパンボンド不織布である、前記[]に記載の方法
[3]前記不織布A乃至Cはいずれも、前記熱圧着結合を解除する加工により、空隙率が該加工前に比べて増大している、前記[1]又は[2]に記載の方法。
[4]前記熱圧着結合を解除する加工は、ウォータージェット加工である、前記[1]〜[3]のいずれかに記載に方法。
[5]前記ウォータージェット加工において、ノズル1孔当たりの流体の仕事率が0.5〜15Wである、前記[4]に記載の方法。
[6]前記熱圧着結合を解除した後の不織布A乃至Cの通気度は、それぞれ、110cc/min・cm 以上300cc/min・cm 以下であるが、不織布A>不織布B>不織布Cの関係にあるが、不織布A>不織布B>不織布Cの関係にある、前記[1]〜[5]のいずれかに記載の方法。

Claims (4)

  1. 複数の不織布を積層させた自動車燃料用フィルター材であって、該積層不織布全体の通気度は10cc/min・cm2以上であり、該積層不織布全体の空隙率は85%以上であり、そして該フィルター材は、粒子径30μm以上の粒子を90%以上捕捉することができ、かつ、JIS-B-8356-8に準拠した測定方法により測定したフィルター寿命が40分以上であることを特徴とする前記自動車燃料用フィルター材。
  2. 前記複数の不織布がいずれも、スパンボンド不織布である、請求項1に記載の自動車燃料用フィルター材。
  3. 異なる繊維径と通気度を有する不織布A、不織布B、不織布Cを3層以上積層させて、部分的に溶着し一体化させた自動車燃料用フィルター材であって、該不織布A乃至Cの目付は、それぞれ、50〜100g/m2であり、該不織布A乃至Cの空隙率は、それぞれ、80〜95%であり、該不織布A乃至Cの繊維径は、それぞれ、5〜20μmであるが、不織布A>不織布B>不織布Cの関係にあり、該不織布A乃至Cの通気度は、それぞれ、110cc/min・cm2以上300cc/min・cm2以下であるが、不織布A>不織布B>不織布Cの関係にあり、そして該自動車燃料用フィルター材の上流側から下流側に向向かって不織布A、不織布B、不織布Cの順に積層されていることを特徴とする自動車燃料用フィルター材。
  4. 前記不織布A、不織布B、不織布Cがいずれも、スパンボンド不織布である、請求項3に記載の自動車燃料用フィルター材。
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