JP4152642B2 - 自動車用燃料フィルター材および自動車用燃料フィルター - Google Patents

自動車用燃料フィルター材および自動車用燃料フィルター Download PDF

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は自動車用燃料フィルター材および自動車用燃料フィルターに関し、さらに詳しくは自動車用燃料タンクのガソリン中のゴミや異物の除去、粒子の捕集性、フィルター寿命、耐久性、製袋加工性、取扱性などに優れた燃料フィルター材およびこれを用いた自動車用燃料フィルターに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、自動車用燃料タンクのガソリン中の異物を除去するために、該タンク内に燃料フィルターが設置されている。
図2は自動車用燃料タンクの説明図、図3は該自動車用燃料タンクの内部に設置される燃料フィルターの説明図である。
図2において、燃料タンク10は、その内部に貯留される燃料12と、該燃料12の異物等を除去するための燃料フィルター14と、該燃料フィルター14で異物が除去された燃料を図示しないエンジンルームに供給する燃料ポンプ13とを備え、該燃料ポンプ13は、出口取付部材17を介して上記燃料フィルター14と連結している。また燃料フィルター14は、図3に示すように、燃料タンク10内の燃料12の異物等を除去する袋状の燃料フィルター材15と、燃料フィルター14を燃料ポンプ13に連結する出口取付部材17と、該出口取付部材17に固定され、かつ上記袋状の燃料フィルター材15の内部に配置された間隔保持材16とを有している。なお、18は、燃料フィルター材15を袋状とする際に形成される熱シール部である。
【0003】
このような自動車用燃料タンクでは、燃料タンク10内に貯留された燃料12は、燃料ポンプ13の駆動により袋状の燃料フィルター14内に吸引され、該フィルター材15を通過する際に、異物等が除去された後、燃料ポンプ13を経てエンジンルーム等に供給される。このとき、袋状の燃料フィルター材15は潰された状態となるが、間隔保持材16により離間されているので、フィルター14内の空間が保持され、次いで燃料ポンプ13の停止により、燃料フィルター14内が減圧となり、外層から燃料がフィルター材15を通って燃料フィルター14内に流入し、異物等が除去される。以上の操作を繰り返し、エンジンルーム等への燃料の供給が行われる。
【0004】
上記燃料フィルター材としては、例えば、米国特許第4036758号や米国特許第4961850号に、外部織布層と内部不織布層で構成された2層構造の燃料フィルター材が提案されている。しかし、燃料フィルター材の外層が織布で構成されるため、この外層が燃料タンクの底面または燃料タンク内の液面変動により振動する燃料フィルターが摩擦することで脱落繊維が発生するという問題があった。このような問題を解消し、またフィルター性能を向上させるため、特開平2000−246026号公報には、ナイロン等の押出メッシュで構成した外部層と、50〜200μmの径を有するスパン結合フィラメントからなる濾過媒体および5〜20μmの径を有する溶融吹込成形フィラメントからなる濾過媒体の2層構造の内部不織布層とからなる燃料フィルター材が提案されている。しかし、上記2層構造の内部不織布層と外部層は、フィラメントの離間領域を設けるために点接着がされているにすぎないため、上記した燃料ポンプの駆動および停止の繰り返しにより発生する、不織布の非接着部分での脈動現象によって、内部不織布層から脱落繊維が発生しやすいという問題点があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、上記従来技術の問題点を解決し、脱落繊維などの異物を発生せず、耐久性、粒子の捕集性、フィルター寿命、製袋加工性、取扱性に優れた自動車用燃料フィルター材およびこれを用いた自動車用燃料フィルターを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記課題に鑑み、燃料フィルターの外層と内層の構成、特に脱落繊維などの異物を発生させない材料、および内層と外層の接合方法を鋭意検討した結果、特定の構造を有する合成繊維長繊維不織布と、合成樹脂からなる補強材とを、部分熱融着またはホットメルト系接着剤により一体に接合させることにより上記課題を達成できることを見いだし、本発明に到達したものである。
上記課題を達成するために本願で特許請求される発明は以下の通りである。
【0007】
(1)合成樹脂からなる補強材と合成繊維長繊維不織布とが一体接合されたフィルター材であって、前記合成繊維長繊維不織布は、平均繊維径が10〜50μm、通気性が10cc/cm2 /sec以上、バブルポイント法により測定した最大開口径が10〜100μm、目付が50〜300g/m2 、平均みかけ密度が0.1〜0.45g/cm3 および部分熱圧着率が3〜30%であることを特徴とする自動車用燃料フィルター材。
(2)前記合成繊維長繊維不織布が粗密構造を有する積層不織布であり、該粗構造を有する不織布の平均みかけ密度が0.1〜0.25g/cm3 、密構造を有する不織布の平均みかけ密度が0.2〜0.45g/cm3 であることを特徴とする(1)記載に自動車用燃料フィルター材。
(3)前記粗密構造を有する不織布の平均みかけ密度の差が0.03g/cm3 以上であることを特徴とする(2)に記載の自動車用燃料フィルター材。
(4)前記合成樹脂からなる補強材がモノフイラメントで構成されたメッシュ形状を有し、該メッシュ開孔部の間隔が0.1〜10mmであることを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載の自動車用燃料フィルター材。
(5)前記補強材と合成繊維長繊維不織布が、部分熱融着により接合されていることを特徴とする(1)〜(4)のいずれかに記載の自動車用燃料フィルター材。
(6)前記補強材と合成繊維長繊維不織布が、ホットメルト樹脂により接着されていることを特徴とする(1)〜(5)のいずれかに記載の自動車用燃料フィルター材。
(7)(1)〜(6)のいずれかに記載の自動車用燃料フィルター材を、合成繊維長繊維不織布が内側になるように重ね合わせ、その端部周囲を熱シールして袋状に形成したことを特徴とする自動車用燃料フィルター。
(8)(2)または(3)に記載の自動車用燃料フィルター材を、積層不織布の密構造を有する不織布が内側になるように重ね合わせ、その端部周囲を熱シールして袋状に形成したことを特徴とする自動車用燃料フィルター。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明における自動車用燃料フィルター材は、合成樹脂からなる補強材と合成繊維長繊維不織布とが一体接合されたフィルター材であり、該合成繊維長繊維不織布は、平均繊維径が10〜50μm、通気性が10cc/cm2 /sec以上、バブルポイント法により測定した最大開口径が10〜100μm、目付が50〜300g/m2 、平均みかけ密度が0.1〜0.45g/cm3 および部分熱圧着率が3〜30%である。
本発明に用いられる合成繊維長繊維不織布を構成する繊維としては、ナイロン6、ナイロン66、共重合ポリアミドなどのポリアミド系繊維、ポリエチレン、ポリプロピレン、共重合ポリプロピレンなどのポリオレフイン系繊維、ポリエチレンテレフタレート、共重合ポリエステルなどのポリエステル系繊維などの合成繊維が挙げられ、これらは単独で用いても2種以上混合して用いてもよく、また鞘部分がポリエチレン、ポリプロピレン、共重合ポリエステル等からなり、芯部分がポリプロピレン、ポリエステル等からなる複合繊維などであってもよい。さらに異なる繊維で構成される2種以上の不織布を積層して用いてもよい。
【0009】
上記長繊維不織布は、公知のスパンボンド方法により得ることができる。例えば、溶融紡糸で連続フイラメントのウエプを得、一対のエンボスロールと平滑ロールで、部分的に熱圧着することにより得られる。長繊維不織布の使用により、フィルター性能に優れ、かつ脱落繊維がなく、耐摩耗性に優れ、強度の高い不織布が得られる。
本発明において、合成繊維長繊維不織布の構成繊維の平均繊維径は10〜50μm、好ましくは12〜30μm 、より好ましくは15〜25μmである。平均繊維径が10μm未満では異物の除去性に優れるが、繊維強度が小さく、切断しやすく、圧力損失が大きくなり、液体の流れる抵抗が大きくなる。一方、50μmを超えると、繊維強度が大きく、圧力損失が小さく、液体の流れる抵抗は小さくなるが、小異物の除去ができず、フィルター性能が不足する。
【0010】
また上記長繊維不織布のバブルポイント法により測定した最大開口径は、10〜100μm、好ましくは10〜80μm 、より好ましくは20〜60μmである。ここで、バブルポイント法により測定した最大開口径とは、後述するようにASTM F316−86のバブルポイント法に準じて測定した最大開口径をいう。この最大開口径が100μmを超えると繊維間隙が大きくなり、フィルター性能が低下し、異物の除去性に劣り、また10μm未満では、繊維間隙が小さくなり、圧力損失が大きくなる。
不織布のフィルター性能は、繊維間隙の大小の組み合わせ(異なる繊維径を有する繊維の組み合わせ)や異なる平均みかけ密度を有する不織布の組み合わせ等により粗密構造とし、上記最大開口径の範囲とすることにより、効果的に向上させることができる。
【0011】
不織布の最大開口径(Y) とみかけ密度(X) は、Y=−200X+A なる関係を有するのが好ましい。ここでAは110未満であり、例えば、みかけ密度(X) が0.1g/cm3 ≦X≦0.4g/cm3 の範囲にある場合、Aは50〜100であるのが好ましい。
また不織布の通気性はフィルター性能の点から10cc/cm2 /sec以上、好ましくは20〜300cc/cm2 /secである。通気性が10cc/cm2 /sec未満では繊維間隙が小さくなり、異物の除去性が向上するが、目詰まりし易くなり、フィルター寿命が悪くなるなどの問題が生じる。
【0012】
また上記長繊維不織布の目付は50〜300g/m2 、好ましくは70〜200g/m2 であり、厚みは0.1〜1.0mmが好ましく、より好ましくは0.15〜0.7mmである。目付が50g/m2 未満では、構成繊維の間隙が大きくなり、フィルター性能、寿命が不足する。一方、300g/m2 を超えると、構成繊維の間隙が小さくなり、フィルター性能、寿命が大きくなるが、部分熱圧着の接合性に劣り、摩擦強度が不足し、また厚みが大きくなるため収納空間が大きくなり、さらにコスト高となる。
また上記長繊維不織布の平均みかけ密度は0.1〜0.45g/cm3 であり、好ましくは0.12〜0.40g/cm3 、より好ましくは0.15〜0.35g/cm3 である。平均みかけ密度が0.1g/cm3 未満では、圧力損失が小さくなるが、フィルター性が不足し、小さい異物の除去ができない。さらに繊維間隙が大きくなり、脱落繊維の発生が起こりやすくなる。一方、0.45g/cm3 を超えると、繊維間隙が小さくなり、脱落繊維の発生が起こり難く、また異物の除去性に優れるが、圧力損失が大きくなる。
【0013】
さらに上記長繊維不織布の部分熱圧着率は3〜30%、好ましくは5〜25%である。不織布を構成する繊維の接合を充分に行うことにより、不織布の強度を向上させ、摩耗などによる繊維の脱落を防止することができる。不織布の部分熱圧着率が3%未満では、繊維結合が不足し、繊維の脱落、強度などに問題が生じる。一方、30%を超えると、繊維の脱落、強度などは充分であるが、液体の通過性が低下し、圧力損失が高くなるなどの問題が生じる。ここで部分熱圧着率とは不織布全体の面積に対する繊維圧着部分の面積比率をいう。熱圧着部の形状は、丸状、四角状、菱形状、楕円状などいずれの形状でもよい。また部分熱圧着部の1個の圧着部の面積は0.05〜30mm2 が好ましく、0.1〜10mm2 がより好ましい。また圧着部の間隔は1〜30mmが好ましく、3〜20mmがより好ましい。
【0014】
本発明において、上記不織布のフィルター性能は20μm以上の粒子捕集効率が60%以上であることが好ましく、より好ましくは70〜100%である。ここで20μm以上の粒子捕集効率が100%であるとは、粒子径が20μm以上である粒子をほどんと捕集することができるフィルター性能をいう。この捕集効率が60未満では、粒子の捕集効率が低下し、フィルター材を通過する粒子が多くなり、装置内部に粒子が侵入し、粒子の付着などが生じ、機械トラブルが生じやすくなる。
本発明において、上記不織布は、フィルター性能を向上させるため、粗密構造を有する積層不織布とすることが好ましい。このような積層不織布は、密度の異なる不織布を積層させて得られる。例えば、平均みかけ密度0.1〜0.25g/cm3 の粗構造の不織布と、平均みかけ密度0.2〜0.45g/cm3 の密構造の不織布とを積層して得ることができる。この場合の積層不織布の平均みかけ密度の差は0.03g/cm3 以上であるのが好ましく、より好ましくは0.04〜0.25g/cm3 である。密度勾配を有する積層不織布の使用により、粗の構成層では比較的大きい粒子を捕集し、密の構成層では小さい粒子の捕集を行うため、フィルター寿命を長くすることができる。
【0015】
不織布同士の積層は、密度勾配を有する積層不織布を効果的に得るために一体接合することが好ましい。この接合は、例えば、ロール表面に凸部が均等に配置されたエンボスロールと表面が平滑なロールの一対の熱ロールを用いて接合する方法、ホットメルト系樹脂をメルトブロー方式で繊維形状に塗布して接合する方法、または粒子形状のホットメルト系樹脂を塗布し、加熱して接合する方法などにより行うことができる。
【0016】
本発明に用いられる合成樹脂からなる補強材は、不織布のフィルター材としての摩擦強度、加圧時の強度、脈動現象等による耐久性などを向上させる役割を有し、フィルターの外層部に使用される。
上記補強材としては、モノフィラメントで構成されたメッシュ形状のもの、例えばメッシュ状織物、押出成形メッシュ状物、またはワリフなどの開口部を有し、剛性を付与でき、強度に優れたものが好適に用いられる。この場合のメッシュ開口部の間隔は0.1〜10mm、好ましくは0.2〜5mm、より好ましくは0.3〜3mmである。間隔が0.1mm未満では耐摩擦強度、加圧時の強度、耐久性は得られるが、間隔が狭すぎて生産性が低下し、コスト高となる。一方、間隔が10mmを超えると生産性は向上するが、耐摩擦強度、加圧時の強度、耐久性が劣り、補強材としての性能が不足する。
補強材の素材には、ナイロン6、ナイロン66などのポリアミド系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフイン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリスチレン系樹脂などの合成樹脂が用いられる。
【0017】
本発明の自動車用燃料フィルター材は、上記した合成繊維長繊維不織布と合成樹脂からなる補強材とを一体に接合することにより得られる。長繊維不織布と補強材とを一体接合することにより、フィルター材のフィルター性能および寿命が向上するとともに、燃料ポンプの駆動および停止の繰り返しによるフィルター材の脈動現象によって生じる不織布繊維の脱落を効率的に防止することができる。上記接合は、超音波による溶融接合、ホットメルト系樹脂などの接着剤による接合などにより行うことができる。超音波による溶融接合は、超音波ウエルダー機、超音波ミシンなどにより行われる。この場合の溶融接合部の形状は格子状、千鳥状、菱形状、線状などから選択でき、また1個当たりの溶融面積は0.3〜5mm2 とするのが好ましく、より好ましくは0.5〜3mm2 である。また溶融接合の間隔およびピッチは2〜20mmの範囲で行うのが好ましい。
【0018】
またホットメルト系樹脂などによる接合には、線状低密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、高密度系ポリエチレン、ポリプロピレン、共重合ポリプロピレンなどのポリオレフイン系樹脂、ポリアミド系樹脂、共重合ポリアミド系樹脂、共重合ポリエステル系樹脂、エチレンー酢酸ビニール系共重合樹脂などが用いられる。これらの樹脂は、粉末状のまま塗布した後に熱溶融し、または溶融した樹脂を繊維形状に塗布して用いられる。特にホットメルト系樹脂を溶融して小さいノズルから熱風と共に押し出し、繊維形状として不織布または補強材に塗布し、加圧または加熱・加圧して接合する方法が好ましい。ホットメルト系樹脂の塗布量は、フィルター材の製袋加工などの作業時に剥がれず、かつ不織布の繊維間隙を極端に小さくしない程度の量であれば特に制限はないが、3〜30g/m2 が好ましく、より好ましくは5〜20g/m2 である。
【0019】
図1は、本発明の一実施例を示す自動車用燃料フィルター材の断面説明図である。図1の(A) に示した自動車用燃料フィルター材1は、補強材2と所定の構造を有する長繊維不織布3を接合部6を介して一体接合することにより得られる。また(B) に示した自動車用燃料フィルター材1は、粗構造を有する外層4および密構造を有する内層5が接合部7を介して接合された積層不織布の該外層4と、補強材2とを接合部6を介して一体接合することにより得られる。
本発明における自動車用燃料フィルターは、上記自動車用燃料フィルター材1を、長繊維不織布3が内側になるように、好ましくは積層不織布の密構造を有する不織布5が内側になるように重ね合わせ、その端部周囲を公知の方法で熱シールし、熱シール部18を形成して袋状とすることにより得られる。該燃料フィルターは、通常、図3に示すように、袋状の燃料フィルター材1が燃料ポンプ13の駆動時に圧潰するのを防止するために間隔保持材16が内部に配置され、さらに燃料フィルターを燃料ポンプ13に連結するための出口取付部材17を備える。
【0020】
このような本発明の自動車用燃料フィルターは、補強材と特定の構造を有する長繊維不織布が一体に接合されたフィルター材を用いるため、燃料ポンプの駆動および停止の繰り返しによるシルター材の脈動現象によって生じる不織布からの繊維脱落を効果的に防止することができ、優れたフィルター性能を長期間維持することがきるとともに、フィルター材の劣化等による保守管理を不要とすることができる。
【0021】
【実施例】
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明する。なお、例中の特性は、下記の方法で測定した。
(1) 目付(g/m2 ):20×25cmの試料を3カ所から切り取り、重量を測定し、目付に換算し、その平均値を求める。
(2) 平均みかけ密度(g/cm3 ):目付と、荷重10kPaの厚みから単位容積当たりの重量を求め、3カ所以上の平均値で表す。
(3) 平均繊維径(μm):不織布の表面を顕微鏡写真で拡大し、10点実測し、その平均値で示す。
(4) 通気性(cc/cm2/sec):JIS−L−1906フラジール形試験機で、3カ所測定し、その平均値を求める。
(5) 破裂強度(kPa):JIS−L−190606ミューレン形法で、3カ所測定し、その平均値を求める。
(6) 部分熱圧着率(%):不織布の表面を顕微鏡写真で拡大し、不織布全面積に対する接合部の全体の面積の割合を算出する。
【0022】
(7) 最大開口径(μm):バブルポイント法 ASTM F316−86に準じ、測定機:パームポロメーター、試料:直径30mmの円形にカットした不織布および標準試薬:住友スリーエム社製、フロリナートFC-40 を用いて以下のようにして測定する。
標準試薬に浸した試料および浸していない試料を各々測定機に取り付け、乾燥空気を通し、段階的に気体圧力を増加させ、その時の試料下流での気体流量を観測し、流量差、圧力差より開口分布上限値から最大開口径を求める。
(8) 圧力損失(Pa):ガソリンの流量10cc/minとして試料を通過させ、その前後の圧力差で示す。
(9) 20μm以上の粒子捕集効率(%):ガソリンに、JISダスト7種を10mg/Lの割合で混合し、超音波振動で1分間撹拌して均一に分散させた液を、流量10cc/minで試料を通過させ、通過前後の液を採取し、各液の粒度分布をハイアックロイコ粒度分布計で測定し、20μm以上の粒子捕集効率を求める。
(10)フィルター寿命:ガソリンに、JISダスト7種を0.2mg/Lの割合で混合し、超音波振動で1分間撹拌して均一に分散させた液を、流量100cc/minで試料に通過させ、50kPaの圧力損失までの時間を測定し、フィルター寿命時間とする。
【0023】
実施例1〜6および比較例1〜3
公知のスパンボンド方法により、ポリアミド樹脂(ナイロン−6樹脂)およびポリエチレンテレフタレート樹脂を用いて溶融紡糸装置により各樹脂の繊維ウエッブを形成し、得られた繊維ウエッブを、エンボスロールと平滑ロールの一対の熱ロールを用いて部分熱圧着させ、表1に示す目付、平均繊維径、平均みかけ密度および部分熱圧着率を有するナイロン長繊維不織布およびポリエステル長繊維不織布を得た。
実施例3および4における2種類のナイロン長繊維不織布同士の積層接合には、ポリアミド系ホットメルト樹脂を用いた。また実施例6における2種類のポリエステル長繊維不織布同士の積層接合には、ポリエステル系樹脂のホットメルト系接着剤を用いて行った。また各接着剤の塗布量は各々20g/m2 とした。
また合成樹脂からなる補強材には、平均繊維径120μmのナイロン−6樹脂のモノフイラメントをメッシュ間隔1.2mmのメッシュ構造とした織物を用いた。
得られた各長繊維不織布と上記補強材の接合は、これらを重ね合わせ、超音波ウエルダーを用いて部分的に溶融接合して自動車用燃料フィルター材を得た。この部分接合は1個当たりの溶融面積を1.3mm2 とし、格子形状とした。なお、積層不織布の場合には粗構造の不織布(外層)と補強材とを重ねあわせた。
各自動車用燃料フィルター材の特性を調べ、その結果を表1に示した。
【0024】
【表1】
Figure 0004152642
【0025】
表1から、本発明の自動車用燃料フィルター材は、所定の平均繊維径、最大開口径、目付、平均みかけ密度および部分熱圧着率を有する長繊維不織布と補強材と一体接合して得られるため、破裂強度が高く、脱落繊維の発生を抑制でき、また圧力損失、捕集効率、フィルター寿命などのフィルター性能に優れたものであった。
一方、比較例1のフィルター材では、平均繊維径が30μmであるが、破裂強度が低いため脱落繊維の発生が生じやすく、また目付および平均みかけ密度が小さいため、フィルター性能およびフィルター寿命に劣るものであった。また比較例2のフィルター材では目付および部分熱圧着率が大きいため、圧力損失が高く、フィルター寿命に劣るものであった。さらに比較例3のフィルター材では平均繊維径および平均みかけ密度が大きいため、圧力損失が高く、フィルター寿命に劣るものであった。
【0026】
【発明の効果】
本発明の自動車用燃料フィルター材は、脱落繊維の発生がなく、耐久性、粒子の捕集性、フィルター寿命、製袋加工性、取扱性に優れるため、自動車用燃料タンク内に取り付けて燃料ガソリン中の異物、ゴミなどの粒子を捕集性する自動車用燃料フィルターとして好適に使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す燃料フィルター材の断面説明図。
【図2】自動車用燃料タンクの説明図。
【図3】燃料フィルターの説明図。
【符号の説明】
1…燃料フィルター材、2…補強材、3…長繊維不織布、4…外層(粗構造の長繊維不織布)、5…内層(密構造の長繊維不織布)、6、7…接合部、10…燃料タンク、12…燃料、13…燃料ポンプ、14…燃料フィルター、15…燃料フィルター材、16…間隔保持材、17…出口取付部材、18…熱シール部。

Claims (8)

  1. 合成樹脂からなる補強材と合成繊維長繊維不織布とが一体接合されたフィルター材であって、前記合成繊維長繊維不織布は、平均繊維径が10〜50μm、通気性が10cc/cm2 /sec以上、バブルポイント法により測定した最大開口径が10〜100μm、目付が50〜300g/m2 、平均みかけ密度が0.1〜0.45g/cm3 および部分熱圧着率が3〜30%であることを特徴とする自動車用燃料フィルター材。
  2. 前記合成繊維長繊維不織布が粗密構造を有する積層不織布であり、該粗構造を有する不織布の平均みかけ密度が0.1〜0.25g/cm3 、密構造を有する不織布の平均みかけ密度が0.2〜0.45g/cm3 であることを特徴とする請求項1記載に自動車用燃料フィルター材。
  3. 前記積層不織布の平均みかけ密度の差が0.03g/cm3 以上であることを特徴とする請求項2記載に自動車用燃料フィルター材。
  4. 前記合成樹脂からなる補強材がモノフイラメントで構成されたメッシュ形状を有し、該メッシュ開孔部の間隔が0.1〜10mmであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の自動車用燃料フィルター材。
  5. 前記補強材と合成繊維長繊維不織布が、部分熱融着により接合されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の自動車用燃料フィルター材。
  6. 前記補強材と合成繊維長繊維不織布が、ホットメルト樹脂により接着されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の自動車用燃料フィルター材。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の自動車用燃料フィルター材を、合成繊維長繊維不織布が内側になるように重ね合わせ、その端部周囲を熱シールして袋状に形成したことを特徴とする自動車用燃料フィルター。
  8. 請求項2または3に記載の自動車用燃料フィルター材を、積層不織布の密構造を有する不織布が内側になるように重ね合わせ、その端部周囲を熱シールして袋状に形成したことを特徴とする自動車用燃料フィルター。
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