JP5230266B2 - 自動車燃料フィルター材 - Google Patents

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Description

本発明は自動車用燃料フィルター材に関し、さらに詳しくは自動車用燃料タンクのガソリン中のゴミや異物を除去するための粒子の捕集性、フィルター寿命、耐久性、取扱性などに優れた燃料フィルターに用いるフィルター材に関する。
従来より、自動車用燃料タンクのガソリン中の異物を除去するために、該タンク内に燃料フィルターが設置されている。このような燃料フィルターに用いるフィルター材としては、ナイロンやポリエステル等の合成繊維からなる不織布が知られている(特許文献1)
また、近年、石油資源の減少や地球環境の温暖化が問題視されており、世界的規模で環境問題に対する取り組みが行われるようになってきた。このような取り組みの中で、地球温暖化を抑制するためにガソリンにバイオマス由来のエタノール(バイオエタノール)を数%〜数10%配合したバイオ燃料が使用され始めている。このようなバイオ燃料は通常のガソリンよりも極性が高いためか、従来のポリエステルやナイロン繊維素材を材料とした燃料フィルター材では劣化しやすく、フィルター寿命が短くなり、劣化した繊維が脱落して、それがエンジンルーム内に入り込むといったトラブルが生じる恐れがある。
特開2000−246026号公報 特許請求の範囲
本発明の課題は、フィルター材から脱落繊維などの異物が発生しにくく、耐久性、粒子の捕集性、フィルター寿命、取扱性に優れた自動車用燃料フィルター材を提供することにある。
本発明者は、上記課題に鑑み、とりわけバイオ燃料に対してフィルターとして良好に機能しうる繊維素材について鋭意検討した結果、特定のナイロン11を配した合成繊維を構成繊維とする不織布をフィルター材に適用することにより上記課題を達成できることを見いだし、本発明に到達したものである。
すなわち、本発明は、繊維の横断面形状において、少なくとも繊維表面にナイロン11が配された繊維によって構成された不織布からなり、ナイロン11に含まれるモノマー量が0.35%未満であることを特徴とする自動車燃料フィルター材。
を要旨とするものである。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の自動車燃料フィルター材は、不織布からなるものであり、不織布は、繊維の横断面形状において、少なくとも繊維表面に特定のナイロン11が配された繊維(以下、ナイロン11繊維ともいう。)によって構成される。
本発明に用いるナイロン11繊維は、繊維表面にナイロン11が配される。ナイロン11はヒマ(トウゴマ)の種子から抽出されたヒマシ油を元に、11−アミノウンデカン酸を生成、合成しこれを重縮合して得られるものである。本発明に用いる繊維は、再生が可能な植物を由来とするポリマー成分(ナイロン11)を繊維表面に配した繊維であり、地球環境に配慮した繊維といえる。ナイロン11中には、少量であればε−カプロラクタムやヘキサメチレンジアンモニウムアジペートなどの他のポリアミド形成単量体を共重合したものでもよく、ナイロン6やナイロン66等の他のポリアミドをブレンドしたものでもよい。なお、ナイロン11中には、効果を損なわない範囲であれば、酸化防止剤、可塑剤、難燃剤、艶消剤、無機充填剤、補強剤、耐熱剤、着色剤、顔料等の各種添加剤を含有していてもよい。
ナイロン11繊維の繊維形態としては、ナイロン11のみを用いた単成分型の繊維であってもよいが、他の熱可塑性樹脂とナイロン11とを複合した複合型の繊維であってもよい。複合型の場合は、鞘部にナイロン11を配し、芯部に他の熱可塑性樹脂を配した芯鞘型形状のもの、最外層にナイロン11を配し、その他の層には他の熱可塑性樹脂を配した多層形状のもの等が挙げられる。芯鞘型形状や多層形状の場合、ナイロン11は、繊維表面を完全に被覆し、他の熱可塑性重合体が繊維表面に露出していない形態であることが好ましい。ナイロン11が繊維表面を完全に被覆することによって、耐バイオ燃料性の作用効果を良好に奏するためである。複合型の繊維を採用する場合、他の熱可塑性樹脂は、ポリエステル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリアミド系樹脂等が挙げられるが、接合面の剥離を防止する観点から相溶性の良好なポリアミド系樹脂を採用することが好ましい。ポリアミド系樹脂としては、ナイロン6やナイロン66、ナイロン12、ナイロン46等が挙げられる。具体的な複合形態の例としては、芯部に高融点のナイロン66などのポリアミド系樹脂、鞘部に融点185℃のナイロン11を配した芯鞘複合繊維が挙げられる。この芯鞘複合繊維は、鞘部が芯部に較べて融点が低いため、鞘部を熱融着成分として機能させるバインダー繊維としても良好に用いることができる。
ナイロン11と複合する熱可塑性樹脂においても、本発明の効果を損なわない範囲であれば他の成分を共重合したものや、他の熱可塑性樹脂をブレンドしたものであってもよく、また各種の添加剤を含有するものであってもよい。
ナイロン11繊維が複合型の繊維の場合、繊維中に占めるナイロン11の割合は、20質量%以上とすることが好ましく、30質量%以上であることがより好ましい。ナイロン11の割合を20質量%以上とすることにより、繊維表面をナイロン11にて良好に被覆することができ、耐バイオ燃料性が良好となる。
本発明に用いるナイロン11繊維は、繊維表面にナイロン11を配しているため、屈曲回復性に優れている。屈曲回復性に優れるナイロン11繊維は、外力が負荷された場合でも、元の形状に戻ることができるので、このようなナイロン11繊維を用いた不織布は、ろ過の際に圧力がかかっても元の形状に回復することができるため、不織布がへたりにくく繊維間空隙を良好に保持することができるため、長期に亘ってフィルター性能を維持でき、フィルター寿命を長くする効果が期待できる。屈曲回復性の指標としては、JIS S 3016(1995) 5.4「毛の屈曲回復率試験」に準拠した試験値を用い、本発明に用いるナイロン11繊維は、屈曲回復率が25%以上である。屈曲回復率を求める試験方法を以下(1)〜(3)に記す。
(1)総繊度がおよそ80デシテックスに引き揃えたマルチフィラメント糸(短繊維の場合は捲縮付与、切断する前の繊維)2本を用いて交差する輪を作り、60℃の温水中に浸してフィラメント糸の断面積(mm2)当たり、2kgのおもりを3分間かける。
(2)おもりを外した後、温水から取り出し、屈曲点から3cmの位置で切断し、ろ紙で水分を取り除き、温度23±5℃、湿度40〜70%中で60分間放置後、単繊維の開き角度(θ)を測定し、それらの平均値を求める。
(3)得られた開き角度の平均値(θ)から、下記式より屈曲回復率を求める。
屈曲回復率(%)={開き角度(θ)/180}×100
本発明のナイロン11繊維を構成するナイロン11は、モノマー量が0.35%以下であるモノマー量を0.35%以下とすることにより、公知の溶融紡糸、延伸条件で操業性よく得ることができる。また、得られるナイロン11繊維は、強伸度特性(タフネス)、屈曲回復性がより優れたものとなる。さらには、繊維中から溶出されるモノマー量が微量となるため好適である。
なお、本発明においてナイロン11のモノマー量の測定は、以下の方法にて行う。すなわち、ナイロン11チップを凍結粉砕して1mm角以下になるようにし、これを0.5g分精秤し、純水10mlを添加して、60℃のウォーターバス中で2時間抽出する。0.45μmのフィルターでろ過し、GC/MS測定用試料とし、以下に示す条件でGC/MSの測定を行う。
装置:GC:アジレント 6890N、MS:アジレント 5975C
カラム:5%−ジフェニル−95%−ジメチルポリシロキサン
カラム温度:50℃、昇温測定 20℃/分
キャリアガス:ヘリウム
注入口温度:250℃、注入量1μリットル、スプリット比 10:1
検出器温度:280℃
ナイロン11のモノマー量を0.35%未満に調整する方法としては、チップとイオン交換水を向流で接触させ、浴比(チップ/イオン交換水=1/10〜1/4)、97℃で8〜16時間、抽出処理を行う方法が挙げられる。
ナイロン11繊維の断面形状は、単成分型、複合型ともに円形断面のみでなく、三角形、四角形等の多角形の異形断面形状であってもよい。また、中空部を有していてもよい。
本発明に用いるナイロン11繊維は、強度4.0cN/dtex以上、伸度15〜55%であることが好ましい。強度が4.0cN/dtex未満であると、燃料フィルター材用途として強度が不十分なものとなる。また、伸度が15〜55%の範囲を外れると、強度や耐久性に劣るものとなりやすい。
ナイロン11繊維の単糸繊度は0.5〜25dtexが好ましく、より好ましくは1〜15dtexである。繊度が0.5dtex未満では異物の除去性に優れるが、繊維強力が小さくなるため切断しやすく、また圧力損失が大きくなり、液体燃料がフィルター材を通過する際の抵抗が大きくなる場合がある。一方、25dtexを超えると、繊維強力が大きく、圧力損失が小さく、また液体燃料がフィルター材を通過する際の抵抗は小さくなるが、小異物の捕集効率が落ちる傾向となり、フィルター性能が不足する場合がある。
本発明のフィルター材は、上記ナイロン11繊維によって構成される不織布からなるが、不織布としては、(1)ナイロン11繊維からなるウェブを熱エンボス装置等によって部分的に熱圧着させて一体化した不織布、(2)ナイロン11繊維(主体繊維)と、耐薬品性に優れた低融点共重合ポリアミド繊維とからなる不織布であって、低融点共重合ポリアミド繊維が溶融または軟化することによって繊維同士を熱接着してなる不織布、(3)ナイロン46、ナイロン66等の高融点ポリアミド系繊維(主体繊維)と、鞘部がナイロン11からなるナイロン11繊維(バインダー繊維)とからなる不織布であって、ナイロン11が溶融または軟化することによって繊維同士を熱接着してなる不織布などが挙げられる。また、本発明のフィルター材は、繊維の構成等が異なる不織布が複数積層されたものであってもよい。
本発明における不織布は、公知の短繊維不織布の製造方法やスパンボンド法により得ることができる。例えば、短繊維不織布の製造方法としては、常法により溶融紡糸法によって得た繊維を所定の機械捲縮を付与し、また、所定の繊維長に切断して短繊維を得、これをカード法やエアレイ法でウエブを作成し、得られたウェブを積層して積層ウエブとしたあと熱エンボスや加熱エアによる熱融着加工によって繊維同士を接着した強度の強い短繊維不織布を得る。スパンボンド法により長繊維不織布を得る場合は、溶融紡糸により連続フイラメントからなるウエブを得、このウェブを熱エンボス装置に通して、部分的に熱圧着することにより長繊維不織布を得る。長繊維不織布は、連続フィラメントによって構成されるため、脱落繊維が極めて少なく、耐摩耗性に優れ、強度の高い不織布となる。
本発明のフィルター材は、上記により得られた不織布を、更に熱プレス成型して所定の目付、厚み、形状に成型してフィルター材とすればよい。
本発明において、フィルター材の通気性は、フィルター性能の点から10cc/cm2/sec以上が好ましく、より好ましくは20〜300cc/cm2/secである。通気性が10cc/cm2/sec未満では繊維間隙が小さくなり、異物の除去性が向上するが、目詰まりし易くなり、フィルター寿命に劣る傾向がある。
本発明のフィルター材の目付は、50〜300g/m2が好ましく、より好ましくは70〜200g/m2であり、厚みは0.1〜2.0mmが好ましく、より好ましくは0.2〜1.0mmである。目付が50g/m2未満では、構成繊維の間隙が大きくなり、フィルター性能、寿命が不足する場合がある。一方、300g/m2を超えると、構成繊維の間隙が小さくなり、フィルター性能、寿命が大きくなるが、繊維間の接合性に劣り、摩擦強度が不足し、繊維が脱落しやすい場合がある。また上記不織布の平均みかけ密度は0.1〜0.5g/cm3が好ましく、より好ましくは0.12〜0.4g/cm3である。平均みかけ密度が0.1g/cm3未満では、圧力損失が小さくなるが、フィルター性が不足し、小さい異物の除去ができないことがある。さらに繊維間隙が大きくなり、脱落繊維の発生が起こりやすくなる。一方、0.45g/cm3を超えると、繊維間隙が小さくなり、脱落繊維の発生が起こり難く、また異物の除去性に優れるが、圧力損失が大きくなる傾向がある。
本発明のフィルター材において、フィルター性能を向上させるため、密度の異なる不織布を積層させて、粗密構造とするとよい。例えば、平均みかけ密度0.1〜0.2g/cm3の粗構造の不織布と、平均みかけ密度0.2〜0.45g/cm3の密構造の不織布とを積層する。密度勾配を有する積層不織布の使用により、粗の構成層では比較的大きい粒子を捕集し、密の構成層では小さい粒子の捕集を行うため、フィルター寿命を長くすることができる。
本発明の自動車用燃料フィルター材は、合成樹脂からなる補強材と一体接合して燃料フィルターとして用いるとよい。合成樹脂からなる補強材は、不織布(フィルター材)としての摩擦強度、加圧時の強度、脈動現象等による耐久性などを向上させる役割を有し、フィルターの外層部に使用される。不織布(フィルター材)と補強材とを一体接合することにより、フィルター材のフィルター性能および寿命が向上するので好ましい。上記補強材としては、モノフィラメントで構成されたメッシュ形状のもの、例えばメッシュ状織物、押出成形メッシュ状物、またはワリフなどの開口部を有し、剛性を付与でき、強度に優れたものが好適に用いられる。この場合のメッシュ開口部の間隔は0.1〜10mm、好ましくは0.3〜3mmである。間隔が0.1mm未満では耐摩擦強度、加圧時の強度、耐久性は得られるが、間隔が狭すぎて生産性が低下し、コスト高となる。一方、間隔が10mmを超えると生産性は向上するが、耐摩擦強度、加圧時の強度、耐久性が劣り、補強材としての性能が不足する。補強材の素材には、ナイロン6、ナイロン66などのポリアミド系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリスチレン系樹脂などの合成樹脂が挙げられるが、ナイロン11を用いることが好ましい。
フィルター材と補強材との接合は、超音波による溶融接合、ホットメルト系樹脂などの接着剤による接合などにより行うことができる。超音波による溶融接合は、超音波ウエルダー機、超音波ミシンなどにより行われる。この場合の溶融接合部の形状は格子状、千鳥状、菱形状、線状などから選択でき、また1個当たりの溶融面積は0.3〜5mm2とするのが好ましい。また溶融接合の間隔およびピッチは2〜20mmの範囲で行うのが好ましい。またホットメルト系樹脂などによる接合には、線状低密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、高密度系ポリエチレン、ポリプロピレン、共重合ポリプロピレンなどのポリオレフイン系樹脂、ポリアミド系樹脂、共重合ポリアミド系樹脂、共重合ポリエステル系樹脂、エチレンー酢酸ビニール系共重合樹脂などが用いられる。これらの樹脂は、粉末状のまま塗布した後に熱溶融したり、または樹脂をあらかじめ薄いスパンボンド不織布として接合面に戴置した後に熱溶融したりして用いられる。ホットメルト系樹脂の塗布量は、特に制限はないが、3〜30g/m2程度がよい。
本発明の自動車用燃料フィルター材は、ナイロン11繊維によって構成される不織布からなるものであり、脱落繊維の発生が極めて少なく、耐久性、粒子の捕集性、フィルター寿命、取扱性に優れるため、自動車用燃料タンク内に取り付けて燃料ガソリン中の異物、ゴミなどの粒子を捕集性する自動車用燃料フィルターとして好適に使用することができる。
すなわち、ナイロン11繊維は、耐屈曲回復性に優れるため、燃料ポンプの駆動および停止の繰り返しによるフィルター材の脈動現象によっても、不織布のへたりが小さく、不織布内の空隙を保持することができるため、優れたフィルター性能を長期間維持することが可能となるのである。また、繊維表面に配されたナイロン11は、ガソリン、とりわけバイオ燃料による強度劣化が少なく、不織布からの繊維脱落を効果的に防止できるため、フィルター材の劣化等による保守管理を不要とすることが期待できる。
以下、本発明を実施例により、さらに詳細に説明する。なお、実施例および比較例中の特性は、下記の方法で測定した。なお、屈曲回復率の測定方法は、上記したとおりである。
(1)強度、伸度:JIS−L−1015 引張強さ及び伸び率の標準時試験に記載の方法に従い、定速伸長型の試験機を使用し、つかみ間隔20mm、引っ張り速度20mm/分で測定する。
(2)目付(g/m2):20cm×25cmの試料を3カ所から切り取り、質量を測定し、目付に換算し、その平均値を求める。
(3)見掛け密度(g/cm3):目付と、サンプル片と同じ大きさの荷重板をサンプル片に載せ荷重10kPaをかけたときの厚みから単位容積当たりの重量を求め、3カ所以上の平均値で表す。
(4)通気性(cc/cm2/sec):JIS−L−1906フラジール形試験機で、3カ所測定し、その平均値を求める。
実施例1
相対粘度(96%硫酸を触媒として、濃度1g/dl、温度25℃で測定)が2.01、モノマー量が0.25%のナイロン11チップを用い、このチップの水分率を0.05質量%に調整した後、エクストルーダー型溶融押出機に供給し、紡糸温度230℃で溶融紡糸した。紡出糸条を冷却風で冷却したあと、引き取り速度1000m/分で引き取って未延伸糸条を得た。得られた糸条を集束し、33万dtexのトウにして延伸倍率3.0倍で延伸し、機械クリンパーにて捲縮を付与した後、仕上げ油剤を0.3%付与した。その後140℃の乾燥機で乾燥、熱処理して長さ51mmに切断した。得られたナイロン11短繊維は単糸繊度2.2dtex、強度4.3cN/dtex、伸度45%、捲縮数11.6ヶ/25mm、捲縮率10.3%であった。また、この繊維をエタノール濃度20%のバイオ燃料中に浸漬し、50℃で500時間浸漬後の強度は4.1cN/dtex、伸度は42%であり、バイオ燃料に対する強度劣化はほとんどみられず、耐久性に優れていた。なお、機械捲縮付与前の屈曲回復率は28%であった。
得られたナイロン11短繊維75質量%と、芯部にナイロン6(融点215℃)、鞘部に共重合ナイロン(融点130℃)が配された芯鞘型ナイロンバインダー繊維(ユニチカファイバー社製 <UL60> 単糸繊度2.2dtex、繊維長51mm)25質量%とをカード機で混合し、得られたウエブを熱風貫流タイプの熱処理機を用いて150℃で熱処理した直後、プレス機にて熱圧着させ、目付け120g/m、厚さ1.0mmの不織布を得、これをフィルター材とした。得られたフィルター材の見かけ密度は0.12g/cm3であり、また通気性は76cc/m3/secであった。
実施例2
実施例1において、相対粘度(96%硫酸を触媒として、濃度1g/dl、温度25℃で測定)が2.49、モノマー量が0.05%のナイロン11チップを用いたこと、紡糸温度265℃としたこと以外は実施例1と同様にして、単糸繊度2.2dtex、強度5.2cN/dtex、伸度42%、捲縮数11.0ヶ/25mm、捲縮率10.8%のナイロン11短繊維を用意した。また、エタノール濃度20%のバイオ燃料中に浸漬し、50℃で500時間浸漬後の強度は5.1cN/dtex、伸度は40%であり、バイオ燃料に対する強度劣化はほとんどみられず、耐久性に優れていた。なお、このナイロン11短繊維の機械捲縮付与前の屈曲回復率は37%であった。
得られたナイロン11短繊維を用い、実施例1と同様にして不織布を得、これをフィルター材とした。フィルター材の目付130g/m2、厚さ1.0mmであり、見かけ密度は0.13g/cm3であり、また通気性は71cc/m2/secであった。
実施例3
相対粘度(96%硫酸を触媒として、濃度1g/dl、温度25℃で測定)が3.25、融点260℃のナイロン66チップを芯成分とし、相対粘度が2.49、モノマー量が0.05%のナイロン11を鞘成分として用い、両成分を複合紡糸装置に導入し、単糸の形状を芯鞘型複合繊維となるようにして290℃で溶融紡糸を行った。このとき、芯成分と鞘成分の質量比(芯成分:鞘成分)は50:50とした。
紡出糸条を冷却風で冷却したあと、引き取り速度1000m/分で引き取って未延伸糸条を得た。得られた糸条を集束し、33万dtexのトウにして延伸倍率2.8倍で延伸し、機械クリンパーにて捲縮を付与した後、仕上げ油剤を0.3%付与した。その後140℃の乾燥機で乾燥、熱処理して長さ51mmに切断した。得られたナイロン11短繊維は単糸繊度2.2dtex、強度4.1cN/dtex、伸度45%、捲縮数12.6ヶ/25mm、捲縮率11.5%であった。また、エタノール濃度20%のバイオ燃料中に浸漬し、50℃で500時間浸漬後の強度は4.0cN/dtex、伸度は40%であり、バイオ燃料に対する強度劣化はほとんどみられず、耐久性に優れていた。なお、ナイロン11短繊維の機械捲縮付与前の屈曲回復率は31%であった。
得られたナイロン11短繊維を用い、カード機によってウエブとし、さらに180℃で熱エンボス加工を行って目付け70g/m2、厚さ0.6mmの不織布を得、これをフィルター材とした。このフィルター材の密度は0.12g/cm3、通気性は146cc/m2/secであった。
実施例4
実施例3において、ナイロン11短繊維を得るにあたり、相対粘度(96%硫酸を触媒として、濃度1g/dl、温度25℃で測定)が3.50のナイロン6チップを芯成分とし、紡糸温度260℃としたこと以外は実施例3と同様にしてナイロン11短繊維を得た。得られたナイロン11短繊維は単糸繊度2.2dtex、強度4.4cN/dtex、伸度41%、捲縮数11.5ヶ/25mm、捲縮率11.2%であった。また、エタノール濃度20%のバイオ燃料中に浸漬し、50℃で500時間浸漬後の強度は4.2cN/dtex、伸度は38%であり、バイオ燃料に対する強度劣化はほとんどみられず、耐久性に優れていた。なお、ナイロン11短繊維の機械捲縮付与前の屈曲回復率は28%であった。
得られたナイロン11短繊維を用い、カード機によってウエブとし、さらに180℃で熱エンボス加工を行って目付け70g/m2、厚さ0.6mmの不織布を得、これをフィルター材とした。このフィルター材の密度は0.12g/cm3であった。また通気性は152cc/m2/secであった。
比較例1
実施例1において、相対粘度(96%硫酸を触媒として、濃度1g/dl、温度25℃で測定)が3.51、モノマー量が0.7%のナイロン6チップを用い、紡糸温度285℃、延伸倍率3.2倍とすること以外は実施例1と同様にしてナイロン6短繊維を得た。
得られたナイロン6短繊維は単糸繊度2.2dtex、強度4.6cN/dtex、伸度44%、捲縮数12.1ヶ/25mm、捲縮率10.7%であった。また、エタノール濃度20%のバイオ燃料中に浸漬し、50℃で500時間浸漬後の強度は1.5cN/dtex、伸度は33%で低強度、低伸度化して劣化が進んでいた。なお、ナイロン6短繊維の機械捲縮付与前の屈曲回復率は11%と低かった。
得られたナイロン6短繊維を用い、実施例1と同様にして不織布を作成した。得られた不織布は目付け120g/m2、厚さ1.0mm、見かけ密度は0.12g/cm3、通気性は79cc/m2/secであった。
比較例2
相対粘度(96%硫酸を触媒として、濃度1g/dl、温度25℃で測定)が3.2、モノマー量が0.8%のナイロン66チップを用い、紡糸温度275℃、延伸倍率3.3倍とすること以外は実施例1と同様にしてナイロン66短繊維を得た。
得られたナイロン66短繊維は単糸繊度2.2dtex、強度4.65cN/dtex、伸度42%、捲縮数12.6ヶ/25mm、捲縮率10.9%であった。また、エタノール濃度20%のバイオ燃料中に浸漬し、50℃で500時間浸漬後の強度は1.8cN/dtex、伸度は36%で低強度、低伸度化して劣化が進んでいた。なお、なお、ナイロン66短繊維の機械捲縮付与前の屈曲回復率は13%と低かった。
得られたナイロン66短繊維を用い、実施例1と同様にして不織布を作成した。得られた不織布は目付け120g/m2、厚さ1.0mm、見かけ密度は0.12g/cm3、通気性は73cc/m2/secであった。

Claims (3)

  1. 繊維の横断面形状において、少なくとも繊維表面にナイロン11が配された繊維によって構成された不織布からなり、ナイロン11に含まれるモノマー量が0.35%未満であることを特徴とする自動車燃料フィルター材。
  2. 少なくとも繊維表面にナイロン11が配された繊維の屈曲回復率が、25%以上であることを特徴とする請求項1記載の自動車燃料フィルター材。
  3. ナイロン11が、ヒマ(トウゴマ)の種子から抽出されたヒマシ油を元に生成された11−アミノウンデカン酸を重縮合して得られたものであることを特徴とする請求項1または2記載の自動車燃料フィルター材。
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