JP2021001308A - 水性インク、インクカートリッジ、及びインクジェット記録方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】色調が良好であるとともに光学濃度の高い画像を記録することが可能なインクジェット用の水性インクを提供する。【解決手段】顔料、及び蛍光増白剤を含有するインクジェット用の水性インクである。前記顔料は、カーボンブラックである。前記蛍光増白剤は、アニオン性基を有するビススチリルビフェニル系化合物、ジアミノスチルベン系化合物、及びクマリン系化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物である。前記顔料の含有量(質量%)を基準とした、前記蛍光増白剤の含有量(質量%)の割合(%)は、0.010%以上3.000%以下である。【選択図】なし
Description
本発明は、水性インク、インクカートリッジ、及びインクジェット記録方法に関する。
インクジェット用の記録ヘッドから吐出させたインクを記録媒体に付与して画像を記録するインクジェット記録方法が知られている。インクジェット記録方法によれば、様々な記録媒体に画像を記録することが可能である。そして、様々な記録媒体に目的に応じた画像を良好な状態で記録するための種々の提案がなされている。
近年、普通紙などの記録媒体に対して行う、文字や図表を含むビジネス文書の印刷にもインクジェット記録方法が利用されており、このような用途への利用頻度が格段に高まってきている。このような用途では、高いレベルの画像の発色性や堅牢性(光、オゾンガス、水などへの耐性)が要求されるため、色材として顔料を用いた顔料インクが利用されることが多い。顔料インクには、単に高濃度な画像を記録することに留まらず、画像の色調を整えることが求められている。色調のなかでも鮮やかさを向上するという要求に対して、例えば、特許文献1では、顔料及び着色樹脂を含有してなり、顔料と着色樹脂との配合割合(顔料/着色樹脂)を所定の範囲とした記録用インクが提案されている。
しかし、特許文献1で提案された記録用インクを用いても、画像の光学濃度が不十分であり、改善の余地があることがわかった。
したがって、本発明の目的は、色調が良好であるとともに光学濃度の高い画像を記録することが可能なインクジェット用の水性インクを提供することにある。また、本発明の別の目的は、前記水性インクを用いたインクカートリッジ、及びインクジェット記録方法を提供することにある。
上記の目的は以下の本発明によって達成される。すなわち、本発明によれば、顔料、及び蛍光増白剤を含有するインクジェット用の水性インクであって、前記顔料が、カーボンブラックであり、前記蛍光増白剤が、アニオン性基を有するビススチリルビフェニル系化合物、ジアミノスチルベン系化合物、及びクマリン系化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物であり、前記顔料の含有量(質量%)を基準とした、前記蛍光増白剤の含有量(質量%)の割合(%)が、0.010%以上3.000%以下であることを特徴とする水性インクが提供される。
本発明によれば、色調が良好であるとともに光学濃度の高い画像を記録することが可能なインクジェット用の水性インクを提供することができる。また、本発明によれば、この水性インクを用いたインクカートリッジ、及びインクジェット記録方法を提供することができる。
以下に、好ましい実施の形態を挙げて、さらに本発明を詳細に説明する。本発明においては、化合物が塩である場合は、インク中では塩はイオンに解離して存在しているが、便宜上、「塩を含有する」と表現する。また、インクジェット用の水性インクのことを、単に「インク」と記載することがある。物性値は、特に断りのない限り、常温(25℃)における値である。
まず、本発明者らは、色調が良好な画像を得るために、特許文献1に記載された、蛍光増白剤で染着された樹脂粒子を、カーボンブラックを含有するインクに添加して検討を行った。その結果、画像の色調は良好であったが、画像の光学濃度は改善の余地があることがわかった。この理由について、本発明者らは、蛍光増白剤で染着された樹脂粒子が記録媒体の表面近傍で顔料と一緒に凝集し、顔料が吸収する光が遮られてしまうためであると推測している。
そこで、本発明者らは、画像の色調を良好にし、かつ、光学濃度を高めるための手法について検討を行った。その結果、特定の蛍光増白剤を、顔料を基準として所定の割合で使用すれば、画像の色調を良好にし、かつ、光学濃度を高められることを見出した。具体的には、蛍光増白剤としては、アニオン性基を有するビススチリルビフェニル系化合物、ジアミノスチルベン系化合物、及びクマリン系化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物を使用する。加えて、インク中の、顔料の含有量(質量%)を基準とした、上記特定の蛍光増白剤の含有量(質量%)の割合(%)が、0.010%以上3.000%以下であることを要する。かかる構成により上記の効果を得ることができる理由を本発明者らは以下のように推測している。
蛍光増白剤として使用する、アニオン性基を有するビススチリルビフェニル系化合物、ジアミノスチルベン系化合物、及びクマリン系化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物は、水溶性が高い(水に溶けやすい)。そのため、上記特定の蛍光増白剤は、記録媒体への液体成分の浸透に伴い、記録媒体の表面近傍から厚さ方向により沈んだ位置まで浸透して定着する。一方、顔料は記録媒体に沈み込みにくいため、その表面近傍に残る。このようにして、記録媒体の厚さ方向において、顔料と蛍光増白剤が異なる位置に存在することで、顔料は効率よく光を吸収するとともに、記録媒体の黄色味が蛍光増白剤の青味の蛍光により打ち消される。このため、記録媒体が白く見え、カーボンブラックの黒さとのコントラストが大きくなる。これに加えて、カーボンブラックの黄色味も青味の蛍光により打ち消される。したがって、上記特定の蛍光増白剤を含有するインクを用いることによって、顔料による光の吸収と蛍光増白剤による青味の蛍光が相まって、色調が良好であるとともに光学濃度の高い画像を記録することができると推測される。
そして、顔料の含有量(質量%)を基準とした、上記特定の蛍光増白剤の含有量(質量%)の割合(%)が、0.010%以上3.000%以下であるとき、色調が良好であるとともに光学濃度の高い画像を記録することができる。前記割合が0.010%未満であると、顔料の吸収強度に対して蛍光増白剤の蛍光強度が低すぎるため、色調が良好な画像を得難くなる。一方、前記割合が3.000%を超えると、顔料の吸収強度に対して蛍光増白剤の蛍光発光の強度が高すぎるため、顔料による光の吸収が遮られるような状態となる。この結果、光学濃度の高い画像を得難くなると考えられる。
記録媒体のなかには蛍光増白剤を含有するものもある。上記した効果が得られる理由に基づけば、記録媒体として蛍光増白剤を多量に含有するものを使用することも考えられる。但し、本発明のインクによれば、顔料の近傍により多くの蛍光増白剤を確実に存在させることができる。このため、記録媒体における蛍光増白剤の有無や多少にかかわらずに、記録媒体のインクを付与した部分の黄色味を効率よく打ち消すことができ、色調が良好であるとともに光学濃度の高い画像を記録することができる。
<インク>
本発明のインクは、顔料、及び蛍光増白剤を含有するインクジェット用の水性インクである。但し、本発明のインクは、活性エネルギー線硬化型である必要はないので、重合性基を有するモノマーなどを含有させる必要もない。以下、本発明のインクを構成する成分やインクの物性などについて詳細に説明する。
本発明のインクは、顔料、及び蛍光増白剤を含有するインクジェット用の水性インクである。但し、本発明のインクは、活性エネルギー線硬化型である必要はないので、重合性基を有するモノマーなどを含有させる必要もない。以下、本発明のインクを構成する成分やインクの物性などについて詳細に説明する。
(顔料)
インクの色材である顔料としては、カーボンブラックを用いる。つまり、本発明のインクはブラック系のインク(無彩色インク)である。顔料には、インクジェット用のインクに使用可能な公知のカーボンブラックをいずれも使用することができる。カーボンブラックとしては、例えば、ファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、及びチャンネルブラックなどを挙げることができる。調色などのために、カーボンブラック以外の色材を併用してもよい。但し、特定の蛍光増白剤による色調調整の効果をより確実に得る観点からは、カーボンブラック以外のその他の色材は併用しなくてもよい。
インクの色材である顔料としては、カーボンブラックを用いる。つまり、本発明のインクはブラック系のインク(無彩色インク)である。顔料には、インクジェット用のインクに使用可能な公知のカーボンブラックをいずれも使用することができる。カーボンブラックとしては、例えば、ファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、及びチャンネルブラックなどを挙げることができる。調色などのために、カーボンブラック以外の色材を併用してもよい。但し、特定の蛍光増白剤による色調調整の効果をより確実に得る観点からは、カーボンブラック以外のその他の色材は併用しなくてもよい。
顔料を分散方法で分類すると、顔料の粒子表面にアニオン性基が直接又は他の原子団を介して結合した自己分散顔料や、樹脂分散剤によって分散された樹脂分散顔料などを挙げることができる。樹脂分散顔料には、顔料の粒子表面を樹脂で被覆したマイクロカプセル型顔料や、顔料の粒子表面に高分子を含む有機基が化学的に結合した樹脂結合型顔料も含まれる。分散方法の異なる顔料を組み合わせて使用することも可能である。
自己分散顔料におけるアニオン性基としては、カルボン酸基、スルホン酸基、リン酸基、及びホスホン酸基などを挙げることができる。また、他の原子団は、顔料の粒子表面とアニオン性基とのスペーサの機能を持つものであり、分子量が1,000以下であることが好ましい。他の原子団としては、炭素数1乃至6程度のアルキレン基;フェニレン基、ナフチレン基などのアリーレン基;エステル基;イミノ基;アミド基;スルホニル基;エーテル基などを挙げることができる。また、これらの基を組み合わせた基であってもよい。アニオン性基は酸型(H型)及び塩型のいずれであってもよいが、塩型の方が好ましい。塩型の場合のカウンターイオンとしては、アルカリ金属、アンモニウム、及び有機アンモニウムからなる群から選ばれる少なくとも1種が好ましい。カウンターイオンとして、ナトリウムイオン、カリウムイオン、及びアンモニウムイオンからなる群から選ばれる少なくとも1種がより好ましい。
樹脂分散顔料における樹脂分散剤としては、親水性ユニット及び疎水性ユニットを構成ユニットとして有するアクリル樹脂を用いることが好ましく、水溶性のアクリル樹脂を用いることがより好ましい。本明細書において、「樹脂が水溶性である」とは、その樹脂を酸価と等モル量のアルカリで中和した場合に、動的光散乱法により粒子径を測定しうる粒子を形成しない状態で水性媒体中に存在することを意味する。以下、アクリル樹脂を構成する各ユニットについて説明する。本明細書において、「(メタ)アクリル」とは、アクリル、メタクリルを意味し、「(メタ)アクリレート」とは、アクリレート、メタクリレートを意味する。
親水性ユニットは、アニオン性基、ヒドロキシ基、エチレンオキサイド基などの親水性基を有する単量体を重合することで形成される。親水性基を有する単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、及びフマル酸などのカルボン酸基を有する酸性単量体;(メタ)アクリル酸−2−ホスホン酸エチルなどのホスホン酸基を有する酸性単量体;これらの酸性単量体の無水物や塩などのアニオン性単量体;(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシエチル、及び(メタ)アクリル酸−3−ヒドロキシプロピルなどのヒドロキシ基を有する単量体;並びにメトキシ(モノ、ジ、トリ、ポリ)エチレングリコール(メタ)アクリレートなどのエチレンオキサイド基を有する単量体などを挙げることができる。アニオン性単量体の塩を構成するカチオンとしては、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン、アンモニウムイオン、及び有機アンモニウムイオンなどを挙げることができる。
疎水性ユニットは、アニオン性基、ヒドロキシ基、エチレンオキサイド基などの親水性基を有しない、疎水性の単量体を重合することで形成される。疎水性の単量体としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、及びベンジル(メタ)アクリレートなどの芳香環を有する単量体;エチル(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレート、(イソ)プロピル(メタ)アクリレート、(n−、iso−、t−)ブチル(メタ)アクリレート、及び2−エチルヘキシル(メタ)アクリレートなどの脂肪族基を有する単量体などを挙げることができる。
顔料としては、画像の色調がさらに良好になることから、自己分散顔料を用いることが好ましい。この理由を、本発明者らは以下のように推測している。顔料として樹脂分散顔料を用いると、一部の蛍光増白剤が樹脂に付着し、また、顔料とともに凝集する場合がある。したがって、蛍光増白剤の一部が凝集した顔料に遮蔽されて、蛍光発光の効率が低くなることで、画像の色調を良好なものとする効果が若干小さくなると推測される。
インク中の顔料の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、0.10質量%以上15.00質量%以下であることが好ましく、1.00質量%以上10.00質量%以下であることがさらに好ましい。
(蛍光増白剤)
蛍光増白剤とは、紫外部である280nm以上400nm未満の波長領域の光を吸収し、可視領域の短波長側である400nm以上500nm以下の波長領域で蛍光を発する化合物である。つまり、蛍光増白剤は、紫外光を吸収して、青色の蛍光を発する化合物である。蛍光増白剤としては、320nm以上380nm以下の波長領域に吸光度の極大値を有し、400nm以上460nm以下の波長領域に蛍光発光の強度の極大値を有するものが好ましい。通常、蛍光増白剤は、固体状態である場合、白色から単黄色の色調を持つ。
蛍光増白剤とは、紫外部である280nm以上400nm未満の波長領域の光を吸収し、可視領域の短波長側である400nm以上500nm以下の波長領域で蛍光を発する化合物である。つまり、蛍光増白剤は、紫外光を吸収して、青色の蛍光を発する化合物である。蛍光増白剤としては、320nm以上380nm以下の波長領域に吸光度の極大値を有し、400nm以上460nm以下の波長領域に蛍光発光の強度の極大値を有するものが好ましい。通常、蛍光増白剤は、固体状態である場合、白色から単黄色の色調を持つ。
蛍光増白剤としては、アニオン性基を有するビススチリルビフェニル系化合物、ジアミノスチルベン系化合物、及びクマリン系化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物を用いる。上述の通り、これらの化合物(蛍光増白剤)は、水溶性が高く(水に溶けやすく)、記録媒体の表面近傍から厚さ方向により沈んだ位置まで浸透して定着する。一方、顔料は記録媒体に沈みこみにくいため、その表面近傍に残る。このようにして、記録媒体の厚さ方向において、顔料と蛍光増白剤が異なる位置に存在することで、顔料は効率よく光を吸収するとともに、記録媒体の黄色味が蛍光増白剤の青味の蛍光により打ち消される。このため、記録媒体が白く見え、カーボンブラックの黒さとのコントラストが大きくなる。これに加えて、カーボンブラックの黄色味も青味の蛍光により打ち消される。したがって、上記特定の蛍光増白剤を含有するインクを用いることによって、顔料による光の吸収と蛍光増白剤による青味の蛍光が相まって色調が良好であるとともに光学濃度の高い画像を記録することができると推測される。
アニオン性基を有するビススチリルビフェニル系化合物は、アニオン性基を有するビススチリルビフェニルの構造を有する化合物(蛍光増白剤)である。ビススチリルビフェニルは下記式(1)で表される。アニオン性基を有するビススチリルビフェニル系化合物には、例えば、ビススチリルビフェニルにおける水素原子の一部又は全部が、アニオン性基に置換された構造や、アニオン性基、及び他の原子又は基に置換された構造の化合物が含まれる。アニオン性基を有するビススチリルビフェニル系化合物におけるアニオン性基は、ビススチリルビフェニルに含まれるスチリル基のベンゼン環における水素原子の置換基として結合していることが好ましい。アニオン性基としては、例えば、カルボン酸基、スルホン酸基、リン酸基、及びホスホン酸基などを挙げることができる。アニオン性基は酸型(H型)及び塩型のいずれであってもよく、塩型の場合のカウンターイオンとしては、アルカリ金属が好ましく、ナトリウムイオン、及びカリウムイオンがより好ましい。アニオン性基を有するビススチリルビフェニル系化合物としては、例えば、C.I.フルオレスセントブライトナー351などを挙げることができる。
ジアミノスチルベン系化合物は、ジアミノスチルベンの構造を有する化合物(蛍光増白剤)である。ジアミノスチルベンは下記式(2)で表される。ジアミノスチルベンについては、便宜的に「アミノ」と表記しているが、ジアミノスチルベンの構造には、その構造中のアミノ基における水素原子が置換されて「イミノ基」となった構造も含まれる。また、ジアミノスチルベン系化合物には、例えば、ジアミノスチルベンにおける水素原子の一部又は全部が、他の原子又は基に置換された構造の化合物が含まれる。ジアミノスチルベン系化合物としては、例えば、C.I.フルオレスセントブライトナー9、C.I.フルオレスセントブライトナー24、C.I.フルオレスセントブライトナー28、C.I.フルオレスセントブライトナー32、C.I.フルオレスセントブライトナー71、C.I.フルオレスセントブライトナー134、C.I.フルオレスセントブライトナー154、C.I.フルオレスセントブライトナー205、C.I.フルオレスセントブライトナー220、及びC.I.フルオレスセントブライトナー260などを挙げることができる。
クマリン系化合物は、クマリンの構造を有する化合物(蛍光増白剤)である。クマリンは下記式(3)で表される。クマリン系化合物には、例えば、クマリンにおける水素原子の一部又は全部が、他の原子又は基に置換された構造の化合物が含まれる。クマリン系化合物としては、例えば、C.I.フルオレスセントブライトナー52、及びC.I.フルオレスセントブライトナー140などを挙げることができる。
上記蛍光増白剤の具体例のなかでも、C.I.フルオレスセントブライトナー351、C.I.フルオレスセントブライトナー24、C.I.フルオレスセントブライトナー28、C.I.フルオレスセントブライトナー71、C.I.フルオレスセントブライトナー134、C.I.フルオレスセントブライトナー220、C.I.フルオレスセントブライトナー260、C.I.フルオレスセントブライトナー52、及びC.I.フルオレスセントブライトナー140からなる群より選ばれる少なくとも1種が好ましい。また、上記蛍光増白剤のなかでも、アニオン性基を有するビススチリルビフェニル系化合物が好ましく、これらのなかでも、C.I.フルオレスセントブライトナー351が特に好ましい。この蛍光増白剤は、水溶性が特に高く、記録媒体により効率よく浸透して広範囲に定着しやすいことから、この蛍光増白剤を含有するインクを用いることによって、色調が良好で、かつ、光学濃度のより高い画像が得られやすくなる。
蛍光増白剤の使用態様としては、蛍光増白剤で染着された樹脂粒子などとして用いるよりも、インク中で水性媒体に溶解した状態で存在しうる蛍光増白剤を用いることが好ましい。この理由は、蛍光増白剤で染着された樹脂粒子などを用いる場合、蛍光増白剤が記録媒体に定着しにくく、記録媒体の表面近傍で顔料と一緒に凝集し、画像の光学濃度の向上効果が低くなりやすいためである。
あるインクが蛍光増白剤を含有するか否かは、以下に示す方法にしたがって判定することができる。まず、キャピラリーを使用して、インクをろ紙にスポット状に滴下する。ろ紙としては、セルロース繊維を主成分として構成される一般的なものを好適に用いることができる。次いで、密閉容器内で、ろ紙の一方の端部からインクを滴下した位置までの部分を展開液に浸す。展開液としては、顔料は溶解しないが、蛍光増白剤を溶解しうる有機溶剤と水との混合溶媒を用いる。このような有機溶剤としては、エタノール、アセトンなどを挙げることができ、水との混合比率(容量比)は有機溶剤が多くなるようにすることが好ましい。そして、重力方向の上方に向かって展開液が5cm程度展開したら、展開液からろ紙を取り出し、乾燥させる。このろ紙に、LED光源のブラックライト(波長375nm)を照射して、インクを滴下した位置とは異なる箇所に青色の蛍光が確認されれば、判定対象のインクは蛍光増白剤を含有すると判断することができる。勿論、判定方法は上記に限られるものではない。なお、蛍光増白剤を含有するインクであっても、樹脂粒子に蛍光増白剤が染着した状態である場合、インクを滴下した位置から蛍光増白剤は移動しない。
インク中の、顔料の含有量(質量%)を基準とした、蛍光増白剤の含有量(質量%)の割合(%)は、0.010%以上3.000%以下であることを要する。すなわち、{蛍光増白剤の含有量F(質量%)/顔料の含有量P(質量%)}×100(%)の値は、0.010%以上3.000%以下である。上述の通り、前記割合が0.010%未満であると、顔料の吸収強度に対して蛍光増白剤の蛍光発光の強度が低すぎるため、色調の良好な画像が得られ難くなる。また、前記割合が3.000%を超えると、顔料の吸収強度に対して蛍光増白剤の蛍光発光の強度が高すぎるため、顔料による光の吸収が遮られるような状態となる。この結果、光学濃度の高い画像が得られ難くなると考えられる。
インク中の蛍光増白剤の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、0.0003質量%以上0.0900質量%以下であることが好ましい。この蛍光増白剤の含有量(質量%)は、0.0010質量%以上0.0900質量%以下であることがより好ましく、0.0050質量%以上0.0500質量%以下であることがさらに好ましい。
(水性媒体)
インクには、水、又は水及び水溶性有機溶剤の混合溶媒である水性媒体を含有させることができる。水としては、脱イオン水やイオン交換水を用いることが好ましい。インク中の水の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、10.00質量%以上95.00質量%以下であることが好ましく、50.00質量%以上95.00質量%以下であることがさらに好ましい。また、インク中の水溶性有機溶剤の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、3.00質量%以上50.00質量%以下であることが好ましく、3.00質量%以上40.00質量%以下であることがさらに好ましい。水溶性有機溶剤としては、アルコール類、(ポリ)アルキレングリコール類、グリコールエーテル類、含窒素化合物類、含硫黄化合物類などのインクジェット用のインクに使用可能なものをいずれも用いることができる。
インクには、水、又は水及び水溶性有機溶剤の混合溶媒である水性媒体を含有させることができる。水としては、脱イオン水やイオン交換水を用いることが好ましい。インク中の水の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、10.00質量%以上95.00質量%以下であることが好ましく、50.00質量%以上95.00質量%以下であることがさらに好ましい。また、インク中の水溶性有機溶剤の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、3.00質量%以上50.00質量%以下であることが好ましく、3.00質量%以上40.00質量%以下であることがさらに好ましい。水溶性有機溶剤としては、アルコール類、(ポリ)アルキレングリコール類、グリコールエーテル類、含窒素化合物類、含硫黄化合物類などのインクジェット用のインクに使用可能なものをいずれも用いることができる。
(その他の成分)
インクには、上記した成分以外にも必要に応じて、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタンなどの多価アルコール類や、尿素、エチレン尿素などの尿素誘導体などの、常温で固体の水溶性有機化合物を含有させてもよい。さらに、必要に応じて、樹脂、pH調整剤、消泡剤、防錆剤、防腐剤、防カビ剤、酸化防止剤、還元防止剤、蒸発促進剤などの種々の添加剤をインクに含有させてもよい。但し、蛍光増白剤は樹脂粒子(インク中で動的光散乱法により粒子径が測定されうる樹脂)に吸着しやすいので、あまり多くインクに含有させると、本発明の効果が若干弱まる場合がある。したがって、インクに樹脂粒子を含有させる場合、その含有量は少量(1.00質量%以下、好適には0.50質量%以下)とすることが好ましく、樹脂粒子を含有しないインクとすることがより好ましい。
インクには、上記した成分以外にも必要に応じて、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタンなどの多価アルコール類や、尿素、エチレン尿素などの尿素誘導体などの、常温で固体の水溶性有機化合物を含有させてもよい。さらに、必要に応じて、樹脂、pH調整剤、消泡剤、防錆剤、防腐剤、防カビ剤、酸化防止剤、還元防止剤、蒸発促進剤などの種々の添加剤をインクに含有させてもよい。但し、蛍光増白剤は樹脂粒子(インク中で動的光散乱法により粒子径が測定されうる樹脂)に吸着しやすいので、あまり多くインクに含有させると、本発明の効果が若干弱まる場合がある。したがって、インクに樹脂粒子を含有させる場合、その含有量は少量(1.00質量%以下、好適には0.50質量%以下)とすることが好ましく、樹脂粒子を含有しないインクとすることがより好ましい。
インクには界面活性剤を含有させることができる。界面活性剤の種類としては、公知のアニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、及びカチオン性界面活性剤を挙げることができる。なかでも、ノニオン性界面活性剤をインクに含有させることが好ましい。ノニオン性界面活性剤としては、炭化水素系、シリコーン系、フッ素系などの各種の構造を有するものを利用することができる。なかでも、炭化水素系のノニオン性界面活性剤を用いることが好ましい。インクに界面活性剤を含有させる場合、インク中の界面活性剤の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、0.01質量%以上5.00質量%以下であることが好ましく、0.01質量%以上3.00質量%以下であることがさらに好ましい。
(インクの物性)
本発明のインクにおいて、25℃における表面張力は32mN/m以上であることが好ましい。これは、画像の色調がさらに良好になるためである。この理由を、本発明者らは以下のように推測している。インクの表面張力が32mN/m未満であるとき、顔料の一部が蛍光増白剤とともに記録媒体の厚さ方向に沈みこむ。この場合、光学濃度が若干低下するとともに、蛍光増白剤の一部が顔料に遮蔽されて、蛍光発光の効率が低くなることで、色調を良好なものとする効果が若干小さくなると推測される。インクの25℃における表面張力は、60mN/m以下であることが好ましい。インクの表面張力はWilhelmy法(プレート法)で測定することができる。
本発明のインクにおいて、25℃における表面張力は32mN/m以上であることが好ましい。これは、画像の色調がさらに良好になるためである。この理由を、本発明者らは以下のように推測している。インクの表面張力が32mN/m未満であるとき、顔料の一部が蛍光増白剤とともに記録媒体の厚さ方向に沈みこむ。この場合、光学濃度が若干低下するとともに、蛍光増白剤の一部が顔料に遮蔽されて、蛍光発光の効率が低くなることで、色調を良好なものとする効果が若干小さくなると推測される。インクの25℃における表面張力は、60mN/m以下であることが好ましい。インクの表面張力はWilhelmy法(プレート法)で測定することができる。
インクジェット方式に適用するインクとしての信頼性の観点から、インクの物性値を適切に制御することが好ましい。具体的には、25℃におけるインクの粘度は、1.0mPa・s以上10.0mPa・s以下であることが好ましい。また、25℃におけるインクのpHは、7.0以上9.5以下であることが好ましく、8.0以上9.5以下であることがさらに好ましい。インクの粘度は回転粘度計などで測定することができる。
<インクカートリッジ>
本発明のインクカートリッジは、インクと、このインクを収容するインク収容部とを備える。そして、このインク収容部に収容されているインクが、上記で説明した本発明の水性インクである。図1は、本発明のインクカートリッジの一実施形態を模式的に示す断面図である。図1に示すように、インクカートリッジの底面には、記録ヘッドにインクを供給するためのインク供給口12が設けられている。インクカートリッジの内部はインクを収容するためのインク収容部となっている。インク収容部は、インク収容室14と、吸収体収容室16とで構成されており、これらは連通口18を介して連通している。また、吸収体収容室16はインク供給口12に連通している。インク収容室14には液体のインク20が収容されており、吸収体収容室16には、インクを含浸状態で保持する吸収体22及び24が収容されている。インク収容部は、液体のインクを収容するインク収容室を持たず、収容されるインク全量を吸収体により保持する形態であってもよい。また、インク収容部は、吸収体を持たず、インクの全量を液体の状態で収容する形態であってもよい。さらには、インク収容部と記録ヘッドとを有するように構成された形態のインクカートリッジとしてもよい。
本発明のインクカートリッジは、インクと、このインクを収容するインク収容部とを備える。そして、このインク収容部に収容されているインクが、上記で説明した本発明の水性インクである。図1は、本発明のインクカートリッジの一実施形態を模式的に示す断面図である。図1に示すように、インクカートリッジの底面には、記録ヘッドにインクを供給するためのインク供給口12が設けられている。インクカートリッジの内部はインクを収容するためのインク収容部となっている。インク収容部は、インク収容室14と、吸収体収容室16とで構成されており、これらは連通口18を介して連通している。また、吸収体収容室16はインク供給口12に連通している。インク収容室14には液体のインク20が収容されており、吸収体収容室16には、インクを含浸状態で保持する吸収体22及び24が収容されている。インク収容部は、液体のインクを収容するインク収容室を持たず、収容されるインク全量を吸収体により保持する形態であってもよい。また、インク収容部は、吸収体を持たず、インクの全量を液体の状態で収容する形態であってもよい。さらには、インク収容部と記録ヘッドとを有するように構成された形態のインクカートリッジとしてもよい。
<インクジェット記録方法>
本発明のインクジェット記録方法は、上記で説明した本発明の水性インクをインクジェット方式の記録ヘッドから吐出して記録媒体に画像を記録する方法である。インクを吐出する方式としては、インクに力学的エネルギーを付与する方式や、インクに熱エネルギーを付与する方式を挙げることができる。本発明においては、インクに熱エネルギーを付与してインクを吐出する方式を採用することが特に好ましい。本発明のインクを用いること以外、インクジェット記録方法の工程は公知のものとすればよい。但し、活性エネルギー線などの照射によりインクや画像を硬化する工程を行う必要はない。
本発明のインクジェット記録方法は、上記で説明した本発明の水性インクをインクジェット方式の記録ヘッドから吐出して記録媒体に画像を記録する方法である。インクを吐出する方式としては、インクに力学的エネルギーを付与する方式や、インクに熱エネルギーを付与する方式を挙げることができる。本発明においては、インクに熱エネルギーを付与してインクを吐出する方式を採用することが特に好ましい。本発明のインクを用いること以外、インクジェット記録方法の工程は公知のものとすればよい。但し、活性エネルギー線などの照射によりインクや画像を硬化する工程を行う必要はない。
図2は、本発明のインクジェット記録方法に用いられるインクジェット記録装置の一例を模式的に示す図であり、(a)はインクジェット記録装置の主要部の斜視図、(b)はヘッドカートリッジの斜視図である。インクジェット記録装置には、記録媒体32を搬送する搬送手段(不図示)、及びキャリッジシャフト34が設けられている。キャリッジシャフト34にはヘッドカートリッジ36が搭載可能となっている。ヘッドカートリッジ36は記録ヘッド38及び40を具備しており、インクカートリッジ42がセットされるように構成されている。ヘッドカートリッジ36がキャリッジシャフト34に沿って主走査方向に搬送される間に、記録ヘッド38及び40から記録媒体32に向かってインク(不図示)が吐出される。そして、記録媒体32が搬送手段(不図示)により副走査方向に搬送されることによって、記録媒体32に画像が記録される。記録媒体32としては、特に制限はないが、普通紙などのコート層を有しない記録媒体、光沢紙やマット紙などのコート層を有する記録媒体などの、紙を基材とした記録媒体を用いることが好ましい。
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は、その要旨を超えない限り、下記の実施例によって何ら限定されるものではない。成分量に関して「部」及び「%」と記載しているものは特に断らない限り質量基準である。
<顔料分散液の調製>
(顔料分散液1)
水5.5gに濃塩酸5.0gを溶かして得た溶液を5℃に冷却した状態とし、この状態で4−アミノフタル酸(処理剤)1.6gを加えた。この溶液の入った容器をアイスバスに入れ、撹拌して溶液の温度を10℃以下に保持しながら、5℃のイオン交換水9.0gに亜硝酸ナトリウム1.8gを溶かして得た溶液を加えた。15分間撹拌後、カーボンブラック(比表面積260m2/g)6.0gを撹拌下で加え、さらに15分間撹拌してスラリーを得た。得られたスラリーをろ紙(商品名「標準用濾紙No.2」、アドバンテック製)でろ過した後、粒子を十分に水洗し、110℃のオーブンで乾燥させた。イオン交換法によりカウンターイオンをナトリウムイオンからカリウムイオンに置換した後、適量のイオン交換水を添加して顔料の含有量を調整した。このようにして、顔料の含有量が10.0%であり、カウンターイオンがカリウムイオンであるフタル酸基がカーボンブラックの粒子表面に結合した自己分散顔料を含有する顔料分散液1を得た。
(顔料分散液1)
水5.5gに濃塩酸5.0gを溶かして得た溶液を5℃に冷却した状態とし、この状態で4−アミノフタル酸(処理剤)1.6gを加えた。この溶液の入った容器をアイスバスに入れ、撹拌して溶液の温度を10℃以下に保持しながら、5℃のイオン交換水9.0gに亜硝酸ナトリウム1.8gを溶かして得た溶液を加えた。15分間撹拌後、カーボンブラック(比表面積260m2/g)6.0gを撹拌下で加え、さらに15分間撹拌してスラリーを得た。得られたスラリーをろ紙(商品名「標準用濾紙No.2」、アドバンテック製)でろ過した後、粒子を十分に水洗し、110℃のオーブンで乾燥させた。イオン交換法によりカウンターイオンをナトリウムイオンからカリウムイオンに置換した後、適量のイオン交換水を添加して顔料の含有量を調整した。このようにして、顔料の含有量が10.0%であり、カウンターイオンがカリウムイオンであるフタル酸基がカーボンブラックの粒子表面に結合した自己分散顔料を含有する顔料分散液1を得た。
(顔料分散液2)
オゾン発生機を備えた容器に、イオン交換水とカーボンブラック(比表面積260m2/g)を入れ、カーボンブラックを予備分散させた。その後、水酸化カリウムを添加して混合物のpHを7程度に調整して撹拌しながら6時間のオゾン処理を行った。続いて、液−液衝突型の分散機を介して混合物を循環させながら、3時間のオゾン処理を行った。具体的には、特表2003−535949号公報の実施例3の方法を参考に行った。反応終了後に限外ろ過による精製を行い、水酸化カリウムを用いて所定のpHに調整し、イオン交換水により顔料の含有量を調整した。このようにして、顔料の含有量が10.0%であり、カウンターイオンがカリウムイオンであるカルボン酸基がカーボンブラックの粒子表面に結合した自己分散顔料を含有する顔料分散液2を得た。
オゾン発生機を備えた容器に、イオン交換水とカーボンブラック(比表面積260m2/g)を入れ、カーボンブラックを予備分散させた。その後、水酸化カリウムを添加して混合物のpHを7程度に調整して撹拌しながら6時間のオゾン処理を行った。続いて、液−液衝突型の分散機を介して混合物を循環させながら、3時間のオゾン処理を行った。具体的には、特表2003−535949号公報の実施例3の方法を参考に行った。反応終了後に限外ろ過による精製を行い、水酸化カリウムを用いて所定のpHに調整し、イオン交換水により顔料の含有量を調整した。このようにして、顔料の含有量が10.0%であり、カウンターイオンがカリウムイオンであるカルボン酸基がカーボンブラックの粒子表面に結合した自己分散顔料を含有する顔料分散液2を得た。
(顔料分散液3)
カーボンブラック(比表面積260m2/g)をイオン交換水に添加し、十分に撹拌した。これに次亜塩素酸ソーダ(有効塩素濃度4%)21.0%滴下して、100℃で10時間撹拌した。反応終了後に限外ろ過による精製を行い、水酸化カリウムを用いて所定のpHに調整し、イオン交換水により顔料の含有量を調整した。このようにして、顔料の含有量が10.0%であり、カウンターイオンがカリウムイオンであるカルボン酸基がカーボンブラックの粒子表面に結合した自己分散顔料を含有する顔料分散液3を得た。
カーボンブラック(比表面積260m2/g)をイオン交換水に添加し、十分に撹拌した。これに次亜塩素酸ソーダ(有効塩素濃度4%)21.0%滴下して、100℃で10時間撹拌した。反応終了後に限外ろ過による精製を行い、水酸化カリウムを用いて所定のpHに調整し、イオン交換水により顔料の含有量を調整した。このようにして、顔料の含有量が10.0%であり、カウンターイオンがカリウムイオンであるカルボン酸基がカーボンブラックの粒子表面に結合した自己分散顔料を含有する顔料分散液3を得た。
(顔料分散液4)
カーボンブラック15.0部、樹脂分散剤の水溶液30.0部、及びイオン交換水55.0部を混合して混合物を得た。樹脂分散剤の水溶液としては、水溶性樹脂であるスチレン−アクリル酸共重合体を、共重合体の酸価に対して等モル量の水酸化ナトリウムを用いてイオン交換水に溶解させ、樹脂の含有量が20.0%である水溶液を用いた。また、スチレン−アクリル酸共重合体は、スチレンとアクリル酸の組成(モル)比が33:67であり、重量平均分子量が10,000であり、酸価が200mgKOH/gであった。得られた混合物を、サンドグラインダーに入れ、1時間分散させた。遠心分離処理して粗大粒子を除去した後、ポアサイズ3.0μmのミクロフィルター(富士フイルム製)にて加圧ろ過した。適量のイオン交換水を添加して顔料の含有量を調整した。このようにして、顔料の含有量が10.0%、樹脂分散剤の含有量が6.0%であり、樹脂分散剤により分散された状態のカーボンブラックを含有する顔料分散液4を得た。
カーボンブラック15.0部、樹脂分散剤の水溶液30.0部、及びイオン交換水55.0部を混合して混合物を得た。樹脂分散剤の水溶液としては、水溶性樹脂であるスチレン−アクリル酸共重合体を、共重合体の酸価に対して等モル量の水酸化ナトリウムを用いてイオン交換水に溶解させ、樹脂の含有量が20.0%である水溶液を用いた。また、スチレン−アクリル酸共重合体は、スチレンとアクリル酸の組成(モル)比が33:67であり、重量平均分子量が10,000であり、酸価が200mgKOH/gであった。得られた混合物を、サンドグラインダーに入れ、1時間分散させた。遠心分離処理して粗大粒子を除去した後、ポアサイズ3.0μmのミクロフィルター(富士フイルム製)にて加圧ろ過した。適量のイオン交換水を添加して顔料の含有量を調整した。このようにして、顔料の含有量が10.0%、樹脂分散剤の含有量が6.0%であり、樹脂分散剤により分散された状態のカーボンブラックを含有する顔料分散液4を得た。
(顔料分散液5)
カーボンブラックを黒色有機顔料(商品名「クロモファインブラックA1103」、大日精化製)に変更したこと以外は顔料分散液4の調製と同様にして、顔料の含有量が10.0%、樹脂分散剤の含有量が6.0%である顔料分散液5を得た。
カーボンブラックを黒色有機顔料(商品名「クロモファインブラックA1103」、大日精化製)に変更したこと以外は顔料分散液4の調製と同様にして、顔料の含有量が10.0%、樹脂分散剤の含有量が6.0%である顔料分散液5を得た。
<蛍光増白剤の特性>
使用した蛍光増白剤の構造を表1に示す。
使用した蛍光増白剤の構造を表1に示す。
<蛍光増白剤を染着した樹脂粒子の調製>
(樹脂粒子1)
イオン交換水49.0部、ラウリル硫酸アンモニウム2.5部、アクリル酸メチル40.0部、アクリロニトリル5.0部、メタクリロニトリル3.0部、過流酸カリウム0.5部を還流管付き反応容器に仕込み、撹拌しながら窒素気流下で80℃まで昇温した。その温度を保持しながら3時間にわたって反応を続けた。その後、室温まで冷却させて反応を完結させ、樹脂(固形分)の含有量が48.0%である乳化重合体を得た。この乳化重合体100.0部に、蛍光増白剤5.0部、β−ナフタレンスルホン酸ソーダ2.0部、及びイオン交換水88.0部の混合物を常温で添加し、これらを2時間かけて90℃にまで昇温し、その温度を1時間保持させた後、25℃まで冷却した。上記蛍光増白剤には、C.I.フルオレスセントブライトナー351(アニオン性基を有するビススチリルビフェニル構造、商品名「Tinopal CBS−X」、BASF製)を用いた。その後、ポアサイズ1.2μmのフィルター(商品名「HDCII」、ポール製)にて加圧ろ過を行い、さらに適量のイオン交換水を添加した。このようにして、蛍光増白剤を染着した樹脂粒子1の水分散液を調製した。この水分散液中の樹脂粒子の含有量は10.0%、樹脂粒子に占める蛍光増白剤の割合は9.4%であった。
(樹脂粒子1)
イオン交換水49.0部、ラウリル硫酸アンモニウム2.5部、アクリル酸メチル40.0部、アクリロニトリル5.0部、メタクリロニトリル3.0部、過流酸カリウム0.5部を還流管付き反応容器に仕込み、撹拌しながら窒素気流下で80℃まで昇温した。その温度を保持しながら3時間にわたって反応を続けた。その後、室温まで冷却させて反応を完結させ、樹脂(固形分)の含有量が48.0%である乳化重合体を得た。この乳化重合体100.0部に、蛍光増白剤5.0部、β−ナフタレンスルホン酸ソーダ2.0部、及びイオン交換水88.0部の混合物を常温で添加し、これらを2時間かけて90℃にまで昇温し、その温度を1時間保持させた後、25℃まで冷却した。上記蛍光増白剤には、C.I.フルオレスセントブライトナー351(アニオン性基を有するビススチリルビフェニル構造、商品名「Tinopal CBS−X」、BASF製)を用いた。その後、ポアサイズ1.2μmのフィルター(商品名「HDCII」、ポール製)にて加圧ろ過を行い、さらに適量のイオン交換水を添加した。このようにして、蛍光増白剤を染着した樹脂粒子1の水分散液を調製した。この水分散液中の樹脂粒子の含有量は10.0%、樹脂粒子に占める蛍光増白剤の割合は9.4%であった。
(樹脂粒子2)
樹脂粒子1の調製に使用した蛍光増白剤に代えて、C.I.フルオレスセントブライトナー363(イミダゾール構造、商品名「Uvitex BAC」、BASF製)を使用した。これ以外は、樹脂粒子1の水分散液の調製と同様の方法で、蛍光増白剤を染着した樹脂粒子2の水分散液を調製した。この水分散液中の樹脂粒子の含有量は10.0%、樹脂粒子に占める蛍光増白剤の割合は9.4%であった。
樹脂粒子1の調製に使用した蛍光増白剤に代えて、C.I.フルオレスセントブライトナー363(イミダゾール構造、商品名「Uvitex BAC」、BASF製)を使用した。これ以外は、樹脂粒子1の水分散液の調製と同様の方法で、蛍光増白剤を染着した樹脂粒子2の水分散液を調製した。この水分散液中の樹脂粒子の含有量は10.0%、樹脂粒子に占める蛍光増白剤の割合は9.4%であった。
(樹脂粒子3)
蛍光増白剤の粉末2.0部、及びスチレン−アクリル酸共重合体の粉末8.0部を、酢酸エチル40.0部に混合して溶解させ、溶液を得た。蛍光増白剤としては、C.I.フルオレスセントブライトニングエージェント184(オキサゾール構造、商品名「Uvitex OB」、BASF製)を用いた。スチレン−アクリル酸共重合体としては、重量平均分子量が8,100で、酸価が53mgKOH/gのもの(商品名「ジョンクリル611」、BASF製)を用いた。上記の溶液を、ドデシル硫酸ナトリウム0.15部をイオン交換水90部に溶解させた溶液に添加し、撹拌した。その後、超音波ホモジナイザー(商品名「Advanced Digital Sonifier 250DA」、BRANSON製)を用い、振幅50%で10分間乳化した。この乳化液からエバポレーターにて酢酸エチルを留去して放冷後、ポアサイズ1.2μmのフィルター(商品名「HDCII」、ポール製)にて加圧ろ過を行い、さらにイオン交換水で希釈した。このようにして、蛍光増白剤を染着した樹脂粒子3の水分散液を調製した。この水分散液中の樹脂粒子の含有量は10.0%、樹脂粒子に占める蛍光増白剤の割合は20.0%であった。
蛍光増白剤の粉末2.0部、及びスチレン−アクリル酸共重合体の粉末8.0部を、酢酸エチル40.0部に混合して溶解させ、溶液を得た。蛍光増白剤としては、C.I.フルオレスセントブライトニングエージェント184(オキサゾール構造、商品名「Uvitex OB」、BASF製)を用いた。スチレン−アクリル酸共重合体としては、重量平均分子量が8,100で、酸価が53mgKOH/gのもの(商品名「ジョンクリル611」、BASF製)を用いた。上記の溶液を、ドデシル硫酸ナトリウム0.15部をイオン交換水90部に溶解させた溶液に添加し、撹拌した。その後、超音波ホモジナイザー(商品名「Advanced Digital Sonifier 250DA」、BRANSON製)を用い、振幅50%で10分間乳化した。この乳化液からエバポレーターにて酢酸エチルを留去して放冷後、ポアサイズ1.2μmのフィルター(商品名「HDCII」、ポール製)にて加圧ろ過を行い、さらにイオン交換水で希釈した。このようにして、蛍光増白剤を染着した樹脂粒子3の水分散液を調製した。この水分散液中の樹脂粒子の含有量は10.0%、樹脂粒子に占める蛍光増白剤の割合は20.0%であった。
(樹脂粒子4)
樹脂粒子3の調製に使用した蛍光増白剤の粉末に代えて、C.I.フルオレスセントブライトニングエージェント135(オキサゾール構造、東京化成工業製)の粉末を使用した。これ以外は、樹脂粒子3の水分散液の調製と同様の方法で、蛍光増白剤を染着した樹脂粒子4の水分散液を調製した。この水分散液中の樹脂粒子の含有量は10.0%、樹脂粒子に占める蛍光増白剤の割合は20.0%であった。
樹脂粒子3の調製に使用した蛍光増白剤の粉末に代えて、C.I.フルオレスセントブライトニングエージェント135(オキサゾール構造、東京化成工業製)の粉末を使用した。これ以外は、樹脂粒子3の水分散液の調製と同様の方法で、蛍光増白剤を染着した樹脂粒子4の水分散液を調製した。この水分散液中の樹脂粒子の含有量は10.0%、樹脂粒子に占める蛍光増白剤の割合は20.0%であった。
(樹脂粒子5)
樹脂粒子3の調製に使用した蛍光増白剤の粉末に代えて、C.I.フルオレスセントブライトナー367(オキサゾール構造、商品名「HOSTALUX KCB」、クラリアントジャパン製)の粉末を使用した。これ以外は、樹脂粒子3の水分散液の調製と同様の方法で、蛍光増白剤を染着した樹脂粒子5の水分散液を調製した。この水分散液中の樹脂粒子の含有量は10.0%、樹脂粒子に占める蛍光増白剤の割合は20.0%であった。
樹脂粒子3の調製に使用した蛍光増白剤の粉末に代えて、C.I.フルオレスセントブライトナー367(オキサゾール構造、商品名「HOSTALUX KCB」、クラリアントジャパン製)の粉末を使用した。これ以外は、樹脂粒子3の水分散液の調製と同様の方法で、蛍光増白剤を染着した樹脂粒子5の水分散液を調製した。この水分散液中の樹脂粒子の含有量は10.0%、樹脂粒子に占める蛍光増白剤の割合は20.0%であった。
(樹脂粒子6)
樹脂粒子3の調製に使用した蛍光増白剤の粉末に代えて、C.I.フルオレスセントブライトナー162(ナフタルイミド構造、商品名「Mikawhite AT」、日本化薬製)の粉末を使用した。これ以外は、樹脂粒子3の水分散液の調製と同様の方法で、蛍光増白剤を染着した樹脂粒子6の水分散液を調製した。この水分散液中の樹脂粒子の含有量は10.0%、樹脂粒子に占める蛍光増白剤の割合は20.0%であった。
樹脂粒子3の調製に使用した蛍光増白剤の粉末に代えて、C.I.フルオレスセントブライトナー162(ナフタルイミド構造、商品名「Mikawhite AT」、日本化薬製)の粉末を使用した。これ以外は、樹脂粒子3の水分散液の調製と同様の方法で、蛍光増白剤を染着した樹脂粒子6の水分散液を調製した。この水分散液中の樹脂粒子の含有量は10.0%、樹脂粒子に占める蛍光増白剤の割合は20.0%であった。
<蛍光増白剤以外の色材を染着した樹脂粒子の調製>
(樹脂粒子7)
樹脂粒子3の調製に使用した蛍光増白剤の粉末に代えて、青色染料であるC.I.ソルベントブルー70(商品名「Orasol Blue 855」、BASF製)の粉末を使用した。これ以外は、樹脂粒子3の水分散液の調製と同様の方法で、青色染料を染着した樹脂粒子7の水分散液を調製した。この水分散液中の樹脂粒子の含有量は10.0%、樹脂粒子に占める青色染料の割合は20.0%であった。
(樹脂粒子7)
樹脂粒子3の調製に使用した蛍光増白剤の粉末に代えて、青色染料であるC.I.ソルベントブルー70(商品名「Orasol Blue 855」、BASF製)の粉末を使用した。これ以外は、樹脂粒子3の水分散液の調製と同様の方法で、青色染料を染着した樹脂粒子7の水分散液を調製した。この水分散液中の樹脂粒子の含有量は10.0%、樹脂粒子に占める青色染料の割合は20.0%であった。
(樹脂粒子8)
樹脂粒子1の調製に使用した蛍光増白剤に代えて、黄色の蛍光染料であるC.I.ソルベントイエロー160:1を使用した。これ以外は、樹脂粒子1の水分散液の調製と同様の方法で、黄色の蛍光染料を染着した樹脂粒子8の水分散液を調製した。この水分散液中の樹脂粒子の含有量は10.0%、樹脂粒子に占める黄色の蛍光染料の割合は9.4%であった。
樹脂粒子1の調製に使用した蛍光増白剤に代えて、黄色の蛍光染料であるC.I.ソルベントイエロー160:1を使用した。これ以外は、樹脂粒子1の水分散液の調製と同様の方法で、黄色の蛍光染料を染着した樹脂粒子8の水分散液を調製した。この水分散液中の樹脂粒子の含有量は10.0%、樹脂粒子に占める黄色の蛍光染料の割合は9.4%であった。
<インクの調製>
表2−1〜2−6(以下、単に「表2」と記載する。)の上段に示す各成分(単位:%)を混合し、十分撹拌して分散した後、ポアサイズ2.5μmのメンブレンフィルター(商品名「HDCIIフィルター」、ポール製)で加圧ろ過して各インクを調製した。表2中「*」と記したイオン交換水の使用量は、成分の合計が100.0000%となる残量を意味する。ピラニン120(LANXESS製)は緑色の蛍光染料、ローダミンF4G(BASF製)は赤色の蛍光染料であり、いずれも蛍光増白剤ではない。また、アセチレノールE100は川研ファインケミカル製のノニオン性界面活性剤である。表2の下段にはインクの特性を示した。表面張力は、自動表面張力計(商品名「DY−300」、協和界面科学製)を用いて25℃で測定した。
表2−1〜2−6(以下、単に「表2」と記載する。)の上段に示す各成分(単位:%)を混合し、十分撹拌して分散した後、ポアサイズ2.5μmのメンブレンフィルター(商品名「HDCIIフィルター」、ポール製)で加圧ろ過して各インクを調製した。表2中「*」と記したイオン交換水の使用量は、成分の合計が100.0000%となる残量を意味する。ピラニン120(LANXESS製)は緑色の蛍光染料、ローダミンF4G(BASF製)は赤色の蛍光染料であり、いずれも蛍光増白剤ではない。また、アセチレノールE100は川研ファインケミカル製のノニオン性界面活性剤である。表2の下段にはインクの特性を示した。表面張力は、自動表面張力計(商品名「DY−300」、協和界面科学製)を用いて25℃で測定した。
<評価>
調製したインクを用いて、以下に示す各項目の評価を行った。画像の記録には、熱エネルギーの作用により液体を吐出させる記録ヘッドを搭載したインクジェット記録装置(商品名「PIXUS TS5130」、キヤノン製)を使用した。本実施例では、1/600インチ×1/600インチの単位領域に、1滴当たりの質量が11ng±10%であるインク滴を2滴付与する条件で記録したベタ画像の記録デューティを100%と定義した。本発明においては、以下に示す各項目の評価基準で、「AA」、「A」、及び「B」を許容できるレベル、「C」を許容できないレベルとした。評価結果を表3に示す。
調製したインクを用いて、以下に示す各項目の評価を行った。画像の記録には、熱エネルギーの作用により液体を吐出させる記録ヘッドを搭載したインクジェット記録装置(商品名「PIXUS TS5130」、キヤノン製)を使用した。本実施例では、1/600インチ×1/600インチの単位領域に、1滴当たりの質量が11ng±10%であるインク滴を2滴付与する条件で記録したベタ画像の記録デューティを100%と定義した。本発明においては、以下に示す各項目の評価基準で、「AA」、「A」、及び「B」を許容できるレベル、「C」を許容できないレベルとした。評価結果を表3に示す。
(色調)
記録デューティが100%である2cm×2cmのベタ画像を、記録媒体(商品名「CS−680 A4」、キヤノン製)に3枚分記録した。記録の1日後に、ベタ画像について、CIE(国際照明委員会)により規定されたL*a*b*表色系におけるb*(色度)を測定した。測定は、蛍光分光濃度計(商品名「FD−7」、コニカミノルタ製)を使用し、照明条件:M1(D50)、観察光源:D50、視野:2°の条件で行った。そして、得られた3枚の記録媒体におけるb*の平均値から、以下に示す評価基準にしたがって画像の色調を評価した。b*はイエローからブルーの色味を表す指標であり、値が大きくなるにつれて黄色味、値が小さくなるにつれて青味の色調であることを意味する。色材がカーボンブラックであるインクを用いて記録した画像(ブラック画像)の場合、b*が小さいとより黒らしい黒に認識されるため好ましいと言える。
AA:b*の平均値が3.90以下であった。
A:b*の平均値が3.90を超えて4.00以下であった。
B:b*の平均値が4.00を超えて4.10以下であった。
C:b*の平均値が4.10を超えていた。
記録デューティが100%である2cm×2cmのベタ画像を、記録媒体(商品名「CS−680 A4」、キヤノン製)に3枚分記録した。記録の1日後に、ベタ画像について、CIE(国際照明委員会)により規定されたL*a*b*表色系におけるb*(色度)を測定した。測定は、蛍光分光濃度計(商品名「FD−7」、コニカミノルタ製)を使用し、照明条件:M1(D50)、観察光源:D50、視野:2°の条件で行った。そして、得られた3枚の記録媒体におけるb*の平均値から、以下に示す評価基準にしたがって画像の色調を評価した。b*はイエローからブルーの色味を表す指標であり、値が大きくなるにつれて黄色味、値が小さくなるにつれて青味の色調であることを意味する。色材がカーボンブラックであるインクを用いて記録した画像(ブラック画像)の場合、b*が小さいとより黒らしい黒に認識されるため好ましいと言える。
AA:b*の平均値が3.90以下であった。
A:b*の平均値が3.90を超えて4.00以下であった。
B:b*の平均値が4.00を超えて4.10以下であった。
C:b*の平均値が4.10を超えていた。
(光学濃度)
記録デューティが100%である2cm×2cmのベタ画像を、記録媒体(商品名「CS−680 A4」、キヤノン製)に3枚分記録した。記録の1日後に、蛍光分光濃度計(商品名「FD−7」、コニカミノルタ製)を使用し、照明条件:M1(D50)、観察光源:D50、視野:2°の条件でベタ画像の光学濃度を測定した。そして、得られた3枚の記録媒体における光学濃度の平均値から、以下に示す評価基準にしたがって画像の光学濃度を評価した。
AA:光学濃度の平均値が1.26以上であった。
A:光学濃度の平均値が1.22以上1.26未満であった。
B:光学濃度の平均値が1.18以上1.22未満であった。
C:光学濃度の平均値が1.18未満であった。
記録デューティが100%である2cm×2cmのベタ画像を、記録媒体(商品名「CS−680 A4」、キヤノン製)に3枚分記録した。記録の1日後に、蛍光分光濃度計(商品名「FD−7」、コニカミノルタ製)を使用し、照明条件:M1(D50)、観察光源:D50、視野:2°の条件でベタ画像の光学濃度を測定した。そして、得られた3枚の記録媒体における光学濃度の平均値から、以下に示す評価基準にしたがって画像の光学濃度を評価した。
AA:光学濃度の平均値が1.26以上であった。
A:光学濃度の平均値が1.22以上1.26未満であった。
B:光学濃度の平均値が1.18以上1.22未満であった。
C:光学濃度の平均値が1.18未満であった。
Claims (9)
- 顔料、及び蛍光増白剤を含有するインクジェット用の水性インクであって、
前記顔料が、カーボンブラックであり、
前記蛍光増白剤が、アニオン性基を有するビススチリルビフェニル系化合物、ジアミノスチルベン系化合物、及びクマリン系化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物であり、
前記顔料の含有量(質量%)を基準とした、前記蛍光増白剤の含有量(質量%)の割合(%)が、0.010%以上3.000%以下であることを特徴とする水性インク。 - 前記水性インクの25℃における表面張力が、32mN/m以上である請求項1に記載の水性インク。
- 前記顔料が、粒子表面にアニオン性基が直接又は他の原子団を介して結合した自己分散顔料である請求項1又は2に記載の水性インク。
- 前記蛍光増白剤が、C.I.フルオレスセントブライトナー351、C.I.フルオレスセントブライトナー24、C.I.フルオレスセントブライトナー28、C.I.フルオレスセントブライトナー71、C.I.フルオレスセントブライトナー134、C.I.フルオレスセントブライトナー220、C.I.フルオレスセントブライトナー260、C.I.フルオレスセントブライトナー52、及びC.I.フルオレスセントブライトナー140からなる群より選ばれる少なくとも1種である請求項1乃至3のいずれか1項に記載の水性インク。
- 前記蛍光増白剤が、前記アニオン性基を有するビススチリルビフェニル系化合物である請求項1乃至4のいずれか1項に記載の水性インク。
- 前記蛍光増白剤が、C.I.フルオレスセントブライトナー351である請求項1乃至5のいずれか1項に記載の水性インク。
- 前記蛍光増白剤の含有量(質量%)が、インク全質量を基準として、0.0003質量%以上0.0900質量%以下である請求項1乃至6のいずれか1項に記載の水性インク。
- インクと、前記インクを収容するインク収容部とを備えたインクカートリッジであって、
前記インクが、請求項1乃至7のいずれか1項に記載の水性インクであることを特徴とするインクカートリッジ。 - インクをインクジェット方式の記録ヘッドから吐出して記録媒体に画像を記録するインクジェット記録方法であって、
前記インクが、請求項1乃至7のいずれか1項に記載の水性インクであることを特徴とするインクジェット記録方法。
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