JP2021001002A - 注出用スパウト、注出用スパウト付き容器 - Google Patents

注出用スパウト、注出用スパウト付き容器 Download PDF

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Abstract

【課題】詰め替え容器等に設けられる注出用スパウトについて、ボトル容器等の充填対象容器の口首部に対する注出筒部の挿入向きを安定維持でき、しかも口首部に対する脱着が容易な技術の開発。【解決手段】容器に取り付けられる取付部21から押さえスリーブ23が突出されたスパウト基部材20と、押さえスリーブ23内側にその軸線方向に移動可能に収容された基端リング部31から充填対象容器の口首部のフランジ部122に係合される複数の係合片33及び注出筒部32が押さえスリーブ23先端側へ延出された注出口部材30と、注出筒部32先端に開口する注出口34が取付部21から注出筒部32内に延出された封止部支持片24の先端の嵌合封止部25の脱着によって開閉される内容物流路11とを有する注出用スパウト10、注出用スパウト付き容器110を提供する。【選択図】図1

Description

本発明は、詰め替え容器等に好適に用いることができる注出用スパウト、注出用スパウト付き容器に関する。
醤油等の液体調味料や液体洗剤等のトイレタリー商品は、樹脂製の包装容器に内容物を収容した商品の他に、補充用の内容物が収容された詰め替え容器を提供することが多く行なわれている。
繰り返し使用する包装容器にはボトル形のもの(以下、ボトル容器、とも言う)がある。ボトル容器の内容物補充のために提供される詰め替え容器は内容物注出用の注出筒を有し、この注出筒をボトル容器の口首部に単に差し込んで詰め替えを行うものが従来一般的であった。この詰め替え容器は、近年、詰め替え時の漏れ防止や作業性向上のために、先端が閉鎖され且つ周壁に注出口が開口された有天筒状の注出筒と、注出筒に注出筒軸線方向に移動可能に外挿されたリング状の可動部材とを備え、可動部材の注出筒軸線方向への移動によって注出筒の注出口が開閉される注出用スパウトを有するものが提案されている(例えば特許文献1)。
特許文献1に開示される詰め替え容器の注出用スパウト(詰め替え容器用栓部材)の可動部材は、注出筒に外挿され注出筒に対するその軸線方向への可動部材の移動によって注出筒周壁の注出口を開閉する筒状の注出口閉鎖部を有している。特許文献1の段落(0014)、図4等には、注出口閉鎖部と、注出口閉鎖部外周から環状に張り出された連結部と、連結部の外周部に形成されボトル容器の口首部に押し当てられる押し当て部と、連結部の片面の外周部に突出形成されボトル容器の口首部の内周面に係合する環状の位置決め係合部とを有する可動部材が開示されている。また、特許文献1は、ボトル容器の口首部の外周面に係合する位置決め係合部、位置決め係合部が連結部の片面の外周部の周方向複数箇所に突出形成された突起である構成、も開示している(段落0027等)。
なお、特許文献1の図4、段落0027等の記載から、可動部材の位置決め係合部は連結部の片面の外周部に突出された突起、位置決め係合部の口首部に対する「係合」は口首部軸線に垂直の方向における位置決め係合部の口首部に対する当接、と把握されるものである。
この注出用スパウトは、可動部材の注出口閉鎖部によって注出口を閉鎖し、内容物の注出口からの漏れを防止した状態で、ボトル容器の口首部にその上方から可動部材の押し当て部を押し当てるとともに可動部材の位置決め係合部を口首部の内周面または外周面に係合させることができる。また、この注出用スパウトは、可動部材の押し当て部をボトル容器の口首部に押し当て、可動部材の位置決め係合部を口首部の内周面または外周面に係合させた状態で、注出筒を可動部材に対して下方へ移動し可動部材から下方へ突出させて口首部内に挿入し、注出筒周壁の注出口を口首部内にて開放させることで、詰め替え容器内の内容物を注出筒を通じてボトル容器に充填できるように構成されている。
特開2014−80218号公報
上述の特許文献1は、注出用スパウトについて、ボトル容器の口首部にその上方から可動部材の押し当て部を押し当てるとともに可動部材の位置決め係合部を口首部の内周面または外周面に係合させることで、可動部材の押し当て部が口首部の開口周縁部に当接した状態が安定維持される、としている。
しかしながら、例えば、特許文献1の図6、図7等に示されるように、可動部材の位置決め係合部がボトル容器の口首部の開口部の内面のみに当接される構成では、包装容器の口首部に倒立状態に設けた詰め替え容器に傾動力が作用したときに、口首部に装着された可動部材が口首部から浮き上がるようにして離脱しやすい。
包装容器の口首部は包装容器全体に比べてサイズが格段に小さく、詰め替え容器に比べてもサイズが格段に小さい。
このため、仮に、特許文献1の図6、図7等に示される注出用スパウトの可動部材の位置決め係合部について連結部片面外周部からの突出寸法を増大して口首部に対する当接部分を大きくしても、例えば位置決め係合部と口首部との間に微小なクリアランスが存在するだけで注出用スパウトに口首部に対する有意なレベルの傾動が許容されやすい。
これに鑑みて、口首部の内周面に嵌合固定される位置決め係合部を採用すれば、注出用スパウトの口首部に対する傾動抑制効果を得やすくなるものの、今度は、位置決め係合部の口首部に対する挿脱に手間が掛かるようになると言った問題が生じる。
本発明の態様が解決しようとする課題は、詰め替え容器から内容物を充填するボトル容器等の充填対象容器の口首部に対する注出筒部の挿入向きを安定維持でき、しかも口首部に対する脱着が容易な注出用スパウト、注出用スパウト付き容器を提供することである。
上記課題を解決するために、本発明では以下の態様を提供する。
第1の態様の注出用スパウトは、内容物が収容される容器に取り付けられる取付部、前記取付部に貫通形成された取付部流路孔の開口部の周囲から突出された押さえスリーブ、前記取付部から前記押さえスリーブの内側を貫通して延出された封止部支持片、及び前記封止部支持片の前記押さえスリーブの先端側に突出された先端部に形成された嵌合封止部を含むスパウト基部材と、前記スパウト基部材の前記押さえスリーブの内側に収容され前記取付部における前記取付部流路孔の開口部の周囲に当接される基端リング部、前記基端リング部から前記押さえスリーブの先端側へ延出され前記封止部支持片を収容する注出筒部、及び前記基端リング部の周方向複数箇所から前記押さえスリーブの先端側へ延出されて前記注出筒部の周囲に配置された係合片を含み、前記封止部支持片に沿って前記封止部支持片の延在方向に移動可能に設けられた注出口部材と、前記注出筒部の内側の筒部貫通孔及び前記取付部流路孔を含み、前記内容物を前記取付部流路孔の前記押さえスリーブ側とは逆側の基端側開口部から前記注出口部材の前記注出筒部の先端へ導いて前記注出筒部の先端の注出口から注出させる内容物流路とを有し、前記係合片は、前記基端リング部から延出された弾性片と、前記弾性片の先端部の前記注出筒部側に突出形成された係合爪とを有し、前記係合片と前記注出筒部との間に挿入された容器口筒部の側面に突出されたフランジ部に前記係合爪が係脱可能に係合されるように構成され、前記嵌合封止部は、前記注出筒部の先端部の内周面全周に当接可能な嵌合部を前記注出筒部の先端部の内側に嵌合させることで前記注出筒部の先端部を封止可能に形成され、前記注出口部材を、前記注出筒部の先端部の内側に前記嵌合封止部の前記嵌合部が嵌合し且つ前記基端リング部が前記取付部から前記押さえスリーブ先端側へ離間した所に配置される嵌合位置から前記取付部に向かって移動させることで前記注出口を開放可能且つ前記注出口部材が前記嵌合位置に位置するときに比べて前記係合片の前記弾性片の先端側部分を前記押さえスリーブの内側に収容可能とされている。
上述の注出用スパウトは、前記注出口部材が前記嵌合位置に位置するときに、前記係合片の前記弾性片の前記押さえスリーブからその先端側へ延出された部分の前記注出筒部とは逆側の外側面は、その先端側に行くにしたがって前記押さえスリーブの径方向外側に位置するように前記押さえスリーブの軸線に対して傾斜され、前記注出口部材の前記基端リング部を前記取付部に当接させることで前記係合片の前記係合爪の前記注出筒部からの離間距離が縮小される構成も採用可能である。
上述の注出用スパウトは、前記注出筒部の先端部の内周面及び前記嵌合封止部の前記嵌合部の側面の一方に係脱突起、他方に前記係脱突起が係脱可能に係合される係合凹部が形成されている構成も採用可能である。
前記係合片の前記弾性片は、前記基端リング部から延出された延出片部と、前記延出片部の先端から前記注出筒部とは逆側へ張り出す張出部と、前記張出部の先端から前記基端リング部とは逆側へ突出する先端部とを有し、前記張出部と前記係合爪との間に前記容器口首部のフランジ部を収容するためのフランジ部収容溝が確保されていても良い。
上述の注出用スパウトは、前記押さえスリーブの先端部の内側に、前記注出口部材の前記基端リング部の側面に突出形成された係合突部が前記押さえスリーブの基端側から係合されることで前記注出口部材の前記押さえスリーブからその先端側への抜け出しを規制するストッパ突部が突出形成されていても良い。
第2の態様の注出用スパウト付き容器は、請求項1〜5のいずれか1項に記載の注出用スパウトと、前記注出用スパウトの前記取付部に取り付けられ前記内容物を収容する容器部とを有する。
本発明によれば、ボトル容器等の充填対象容器の口首部に対する注出筒部の挿入向きを安定維持でき、しかも口首部に対する脱着が容易な注出用スパウト、注出用スパウト付き容器を提供できる。
本発明の1実施形態に係る注出用スパウトの充填対象容器の口首部に対する挿入状態を示す正断面図であり、注出用スパウトが、スパウト基部材の嵌合封止部の嵌合部が注出口部材の注出口内側に嵌合され注出口を閉鎖した注出口閉状態である場合を示す。 図1の注出用スパウトのスパウト基部材を注出口部材へ押し込んで注出用スパウトの内容物流路の注出口を開放させた状態を示す正断面図である。 図1の注出用スパウトのスパウト基部材の押さえスリーブ先端部付近を拡大して示した拡大断面図である。 図1の注出用スパウトを示す全体斜視図である。 図4の注出用スパウトの分解斜視図であり、注出用スパウトの基端側からの斜視構造を示す。 図4の注出用スパウトの分解斜視図であり、注出用スパウトの先端側からの斜視構造を示す。 図1の注出用スパウトにオーバーキャップを装着した状態を示す正断面図である。
以下、本発明の実施形態につき、図面を参照して説明する。
なお、以下の説明に用いる各図面では、各部材を認識可能な大きさとするため、各部材の縮尺を適宜変更している。
図1、図2は、本発明の1実施形態の注出用スパウト10を備える詰め替え容器110(注出用スパウト付き容器)を示す図であり、注出用スパウト10の注出口部材30の注出筒部32を包装容器120(充填対象容器)の口首部121(容器口首部)に挿入し、注出口部材30の係止片33のフランジ部収容溝33fに容器の口首部121のフランジ部122に収容した状態を示す正断面図である。但し、図1は注出口部材30の注出筒部32の先端部の注出口34を、その内側に、注出用スパウト10のスパウト基部材20の嵌合封止部25の嵌合部25bを嵌合させて閉鎖した状態、図2はスパウト基部材20の嵌合封止部25の嵌合部25bを注出筒部32からその先端側へ離間配置し注出口34を開放した状態を示す。
なお、図1〜図7において、上側を上、下側を下として説明する。
図1、図2に示すように、この実施形態の注出用スパウト10は、詰め替え容器110の容器部111(容器)に取り付けられた取付部21を含むスパウト基部材20と、スパウト基部材20に移動可能に設けられた注出口部材30とを有する。
注出口部材30は、詰め替え容器110内の内容物を注出するための注出筒部32を含む。
詰め替え容器110の容器部111の内部には、液体、粉体等の有体物からなる流体である内容物が収容される。
液体の内容物には、例えば醤油等の液体調味料や液体洗剤、液体化粧品などを挙げることができる。粉体の内容物には、塩、砂糖、胡椒、顆粒状調味料、粉末洗剤などを挙げることができる。
図1、図2に示すように、詰め替え容器110は、注出用スパウト10の注出口部材30の注出筒部32を包装容器120に突出形成された筒状の口首部121(容器口首部)に挿入して容器部111内の内容物を包装容器120に充填する充填作業に使用できる。
図1、図2に示すように、スパウト基部材20の取付部21には詰め替え容器110の容器部111内側に開口する基端側開口部22aを有する取付部流路孔22が貫通形成されている。
スパウト基部材20は、取付部21と、取付部21から延出された押さえスリーブ23及び封止部支持片24と、封止部支持片24の先端部に形成された嵌合封止部25とを有する。
押さえスリーブ23は、取付部21における取付部流路孔22の基端側開口部22aとは逆側の開口部22bの周囲から取付部流路孔22と同軸の筒状(具体的には円筒状)に突出形成されている。
封止部支持片24は、取付部21から押さえスリーブ23内側を貫通して延出形成されている。封止部支持片24は、取付部21から突出する押さえスリーブ23からその先端側へ突出されている。
封止部支持片24の先端部に形成された嵌合封止部25は、その全体が押さえスリーブ23を介して取付部21とは逆の側(先端側)に位置する。
嵌合封止部25は、封止部支持片24を介して取付部21に支持されている。
図1、図2に示すように、取付部流路孔22の基端側開口部22aは、取付部21の、押さえスリーブ23及び封止部支持片24が位置する側とは逆側の端面である基端面21aに開口されている。
取付部21の基端面21aは詰め替え容器110の容器部111の内側領域に臨む面である。
取付部流路孔22の押さえスリーブ23内側に開口する開口部22bを、以下、スリーブ内側開口部、とも言う。
取付部流路孔22は、取付部21に基端側開口部22aからスリーブ内側開口部22bまで貫通形成されている。
図1、図2に示すスパウト基部材20の取付部流路孔22は、真っ直ぐな軸線を確保して取付部21に貫通形成されている。
図4、図5に示すように、取付部流路孔22は、断面円形で取付部21に貫通形成された円形孔である。
なお、取付部流路孔22の断面形状は円形に限定されず、例えば、矩形等、種々形状を採用可能である。
図4〜図6に示すように、封止部支持片24はスパウト基部材20の取付部21から突出された板状片24aによって構成されている。
図4〜図6に示すスパウト基部材20の封止部支持片24は4枚の板状片24aによって断面十字形で延在形成されている。封止部支持片24を構成する4枚の板状片24aは封止部支持片24延在方向を長手方向とする長板状である。各板状片24aのその長手方向に垂直の断面は、封止部支持片24の断面中心から放射状に延在されている。
図1、図5等に示すように、封止部支持片24は、スパウト基部材20の取付部21の取付部流路孔22内に位置する孔内延在部分と、取付部流路孔22からその軸線方向に延出された孔外延出部分とを有する。
封止部支持片24は、その全長にわたって取付部流路孔22の軸線方向に延在する。
図1、図5等に示すように、封止部支持片24を構成する各板状片24aは、スパウト基部材20の取付部21の取付部流路孔22内周面から突出され、封止部支持片24の孔内延在部分から孔外延出部分にわたって延在されている。
封止部支持片24の孔外延出部分は、孔内延在部分を介して取付部21に支持されている。
なお、封止部支持片24は断面十字形で延在する構成に限定されない。
また、封止部支持片24を構成する板状片24aの数は4枚に限定されない。
封止部支持片24は、その延在方向に垂直の断面において、例えば、2枚の板状片24aの一方が他方の端から垂直に延出するように配置された構成(断面L字状)、断面中心から3枚の板状片24aが放射状に延出するように配置された構成(断面Y字状)等も採用可能である。
図1、図2、図6に示すように、注出口部材30は、スパウト基部材20の押さえスリーブ23の内側に収容された基端リング部31と、基端リング部31からそのスパウト基部材20の取付部21に臨む面である後面31dとは逆側へ突出された注出筒部32及び係合片33とを有する。
以下、注出口部材30について、注出筒部32及び係合片33の突端側を先端側、先端側とは逆側を基端側、注出筒部32軸線方向を軸線方向として説明する。
注出筒部32は基端リング部31の内周部から突出されている。
係合片33は、基端リング部31の外周部の周方向複数箇所のそれぞれから突出されている。注出口部材30は係合片33を複数有している。複数の係合片33は注出筒部32の周囲に注出筒部32を取り囲むように配置されている。
図1、図2、図6等に示す注出口部材30の基端リング部31は、注出筒部32の基端からその周囲全周にフランジ状に張り出された当接リング31aと、当接リング31aの外周部全周から当接リング31aの片面側に突出形成された円筒状の基端側壁部31bとを有する。
当接リング31aはその内周及び外周が注出筒部32と同軸のリング板状に形成されている。
基端側壁部31bは注出筒部32と同軸の円筒状に形成されている。
図1、図2、図6等に示す注出口部材30の基端リング部31の後面31dは、具体的には当接リング31aの基端側壁部31bとは逆側の面である。
基端リング部31の基端側壁部31bは、当接リング31aからその後面31dとは逆の前面31e側へ突出されている。
注出口部材30は、注出筒部32及び係合片33がスパウト基部材20の押さえスリーブ23内側に収容された基端リング部31を介してスパウト基部材20の取付部21とは逆側に位置する向きでスパウト基部材20に設けられている。
注出口部材30の注出筒部32及び係合片33は、それぞれ基端リング部31から押さえスリーブ23の先端側へ延出され、押さえスリーブ23からその先端側へ突出されている。
基端リング部31はスパウト基部材20の押さえスリーブ23内側に押さえスリーブ23軸線方向に移動可能に収容されている。
注出口部材30は、スパウト基部材20の押さえスリーブ23に対するその軸線方向への基端リング部31の移動により、スパウト基部材20に対して押さえスリーブ23軸線方向に移動可能に設けられている。
図2に示すように、当接リング31aは、注出口部材30のスパウト基部材20に対する押さえスリーブ23軸線方向の移動により、取付部21における取付部流路孔22のスリーブ内側開口部22bの周囲の注出口部材受け面21bに当接させることができる。
図2において、注出口部材30は、具体的には、当接リング31aの後面31dをスパウト基部材20の取付部21の注出口部材受け面21bに当接させることができる。
当接リング31aは、その内側の注出筒部32基端部の開口部32a(基端開口部)と同軸の円周上に位置する外周を有するリング板状に形成されている。
基端側壁部31bは当接リング31aから当接リング31aに垂直に突出されている。基端側壁部31bの側面は当接リング31aの後面31d及び前面31eに対して垂直である。
図1、図2、図5、図6に示すように、注出口部材30の注出筒部32は、具体的には、基端リング部31の当接リング31aの内周部から当接リング31aの前面31e側へ延出されている。
注出口部材30の係合片33は、具体的には、基端リング部31の当接リング31aから突出する基端側壁部31bの突端(先端)から当接リング31aとは逆側へ延出されている。
図1、図2、図5、図6等に示す注出口部材30の注出筒部32は当接リング31aと繋がっている基端から基端とは逆の先端側へ行くにしたがって内径及び外径が径小となるテーパ円筒状に形成されている。
図1、図2に示すように、注出口部材30は、注出筒部32及び係合片33がスパウト基部材20の押さえスリーブ23内側に収容された基端リング部31から押さえスリーブ23の先端側へ延出する向きでスパウト基部材20に設けられている。
図1、図2等に示すスパウト基部材20の押さえスリーブ23は円筒状に形成されている。スパウト基部材20の取付部21の取付部流路孔22は、取付部21に押さえスリーブ23と同軸に貫通形成された貫通孔である。
本明細書において、スパウト基部材20について、押さえスリーブ23の軸線方向を軸線方向として説明する。また、スパウト基部材20について、取付部21側を基端側、嵌合封止部25側を先端側として説明する。
図1、図2等に示すスパウト基部材20及び注出口部材30は、それぞれ合成樹脂製の一体成形品である。
但し、スパウト基部材20及び注出口部材30は、それぞれ複数部材によって組み立てられた組み立て品であっても良い。
注出口部材30の基端リング部31の当接リング31a及び基端側壁部31bの外径はスパウト基部材20の押さえスリーブ23の内径に比べて僅かに径小である。
また、図3、図5、図6に示すように、注出口部材30の基端リング部31は、基端側壁部31bの側面にその周方向全周に延在形成された側周突部31cを含む。
注出口部材30の側周突部31cは、基端リング部31の基端側壁部31bの軸線方向複数箇所に形成されている。
基端リング部31の各側周突部31cはスパウト基部材20の押さえスリーブ23の内周面にその軸線方向に摺動可能に当接されている。注出口部材30は、基端リング部31の側周突部31cの押さえスリーブ23内周面に対する摺動によって、注出筒部32の軸線がスパウト基部材20の押さえスリーブ23軸線に沿って延在する状態する状態を保って、スパウト基部材20に対してその軸線方向にスライド移動可能である。
注出口部材30の基端リング部31は、スパウト基部材20の押さえスリーブ23の内側に、後面31dがスパウト基部材20軸線に垂直の向きを保ったまま、スパウト基部材20に対してその軸線方向に移動可能に収容されている。
図1に示すように、注出口部材30の基端リング部31がスパウト基部材20の取付部21からスパウト基部材20先端側へ離間した所に配置されているときには、詰め替え容器110内の内容物がスパウト基部材20の取付部21(具体的にはその注出口部材受け面21b)と注出口部材30の基端リング部31の基端を構成する当接リング31aとの間の隙間12に充填され得る。
側周突部31cは、注出口部材30の基端リング部31(具体的にはその基端側壁部31b)とスパウト基部材20の押さえスリーブ23との間を液密に封止し、注出口部材30の当接リング31aとスパウト基部材20の取付部21との間の隙間12に入り込んだ内容物が注出口部材30の基端リング部31の基端側壁部31bとスパウト基部材20の押さえスリーブ23との間から漏出することを防ぐ役割を果たす。
図3、図5、図6等に例示した出口部材30は、基端側壁部31bの軸線方向複数箇所の側周突部31cによって、側周突部31cがひとつのみの場合に比べて、注出口部材30の当接リング31aとスパウト基部材20の取付部21との間の隙間12からの内容物の漏出を確実に防ぐことができる。
図1、図2に示すように、注出口部材30は、注出筒部32内に、封止部支持片24の孔内延在部分と嵌合封止部25とで構成される封止部付き延出部26を、注出筒部32軸線方向に移動可能に収容している。
注出口部材30は、基端リング部31をスパウト基部材20の押さえスリーブ23に対してその軸線方向に移動させることで、スパウト基部材20の封止部付き延出部26に対するその延在方向への相対移動を伴ってスパウト基部材20に対してスパウト基部材20の軸線方向に移動できる。
封止部付き延出部26の先端部の嵌合封止部25は、注出筒部32の先端部内側の注出口34に嵌合されることで注出口34を密閉封止する。
注出口部材30の注出筒部32は、封止部付き延出部26に対してその延在方向に移動させることで先端部内側の注出口34への嵌合封止部25の脱着、注出口34の開閉が可能である。
嵌合封止部25は、封止部支持片24の先端部にその先端側へ行くにしたがって径大となるテーパ円筒状に形成されたカバー壁部25aと、カバー壁部25aの封止部支持片24とは逆側の先端部の全周にわたって形成されたリング状の嵌合部25bとを有する。
図1、図2等に示す嵌合封止部25の嵌合部25bは、カバー壁部25aからその先端側に突出され、注出口部材30の注出筒部32の注出口34内周面に嵌合する環状の側面を形成するリング状突壁である。
嵌合部25bは、スパウト基部材20の軸線方向と同軸のリング状に形成されている。
図1、図2に示すように、封止部支持片24の封止部付き延出部26に位置する部分(孔外延出部分)は、その全体が嵌合封止部25の嵌合部25b側面のスパウト基部材20軸線方向の仮想延長の内側に位置する。封止部支持片24は、注出口部材30のスパウト基部材20に対するその軸線方向への移動の障害にはならない。
図2に示すように、スパウト基部材20の取付部流路孔22の内径は、注出口部材30の注出筒部32の基端開口部32aの内径に比べて径大である。取付部流路孔22の内径は、嵌合封止部25の嵌合部25bの外径よりも径大である。
スパウト基部材20の封止部支持片24の孔内延在部分には、嵌合封止部25の嵌合部25b側面のスパウト基部材20軸線方向の仮想延長の外側に位置する部分が存在する。
図1、図2等に例示したスパウト基部材20の封止部支持片24の孔外延出部分は、封止部支持片24の孔内延在部分のうち取付部流路孔22の断面中央部に位置する部分のみを孔内延在部分からスパウト基部材20の軸線方向先端側へ延長したものである。
なお、注出用スパウトは、例えば、スパウト基部材20の取付部流路孔22の内径が、注出口部材30の注出筒部32の基端開口部32aの内径と同等以下の構成も採用可能である。
封止部支持片24の孔外延出部分は注出口部材30の注出筒部32との接触を回避可能な構成であれば良く種々構成を採用可能である。図1、図5、図6等に示す封止部支持片24の孔外延出部分は、スパウト基部材20軸線方向に一定断面寸法で延在する構成、取付部21側からスパウト基部材20先端側へ行くにしたがって先細りのテーパ状に延在する構成、等を採用できる。
スパウト基部材20の取付部流路孔22の内径が嵌合封止部25の嵌合部25bの外径と同等以下の場合、封止部支持片24は、孔内延在部分を含む全長が一定断面寸法で延在する構成も採用可能である。
図1に示すように、嵌合封止部25の嵌合部25bは、注出口部材30の注出筒部32の先端部内側の注出口34内周面に嵌合、密着可能に形成されている。嵌合封止部25は、嵌合部25bを注出口部材30の注出筒部32の先端部内側に嵌合させることで注出口34を封止、閉鎖する。
注出口部材30について、注出筒部32の先端部内側の注出口34にスパウト基部材20の嵌合封止部25の嵌合部25bを嵌合させたときのスパウト基部材20に対する位置、すなわち図1に示す位置を、以下、嵌合位置、とも言う。スパウト基部材20についても、図1に示す位置、すなわち、嵌合封止部25の嵌合部25bを注出筒部32の先端部内側の注出口34に嵌合させたときの注出口部材30に対する位置を、以下、嵌合位置、と言う。
図1に示すように、スパウト基部材20に対して嵌合位置にある注出口部材30はスパウト基部材20の取付部21からスパウト基部材20先端側(封止部付き延出部26先端側)へ離間した位置に配置される。
図2に示すように、注出口部材30の基端リング部31の当接リング31aをスパウト基部材20の取付部21の注出口部材受け面21bに当接させたとき、スパウト基部材20の嵌合封止部25は注出口部材30の注出筒部32からその先端側へ離間した位置に配置される。その結果、注出筒部32の注出口34が開放状態となる。
注出口部材30は、基端リング部31の当接リング31aをスパウト基部材20の取付部21の注出口部材受け面21bに当接する位置が、スパウト基部材20に対するその基端側への移動限界位置(基端側移動限界位置)となっている。
図1、図2に示すように、スパウト基部材20の押さえスリーブ23の内径は、取付部流路孔22のスリーブ内側開口部22bの内径に比べて径大である。
スパウト基部材20の取付部21の注出口部材受け面21bは、取付部流路孔22のスリーブ内側開口部22b外周と押さえスリーブ23との間にリング状に延在する。
注出口部材30の基端リング部31の当接リング31aは、スパウト基部材20の取付部21の注出口部材受け面21bに重ね合わせるようにして当接させることが可能である。
図3に示すように、スパウト基部材20の押さえスリーブ23の先端部内周には、注出口部材30の基端リング部31の基端側壁部31b先端が当接されることで、基端リング部31の押さえスリーブ23からその先端側への抜け出しを規制するストッパ突部23aが突出されている。
図6に示すように、ストッパ突部23aは、押さえスリーブ23の先端部内周面の周方向に沿って延在するリブ状に形成されている。ストッパ突部23aは、押さえスリーブ23の先端部内周面のその周方向に分散された複数箇所(図6では4カ所)に形成されている。
各ストッパ突部23aは、注出口部材30の基端側壁部31bの周方向において互いに隣り合う係合片33間に配置されている。
図5、図6等に示すように、注出口部材30の係合片33は、基端側壁部31bのその周方向に分散された3以上の箇所(図5、図6では4カ所)に突出形成されている。
スパウト基部材20の複数のストッパ突部23aは、それぞれ注出口部材30の基端側壁部31bの周方向における互いに隣り合う係合片33間に配置されている。
注出口部材30は、基端リング部31の基端側壁部31b先端がスパウト基部材20の押さえスリーブ23の先端部内側のストッパ突部23aに当接するとき、スパウト基部材20に対して嵌合位置に配置される(図1の位置)。
注出口部材30はスパウト基部材20に対して、嵌合位置から基端側移動限界位置までの範囲に、スパウト基部材20軸線方向に移動可能に設けられている。
注出口部材30は、押さえスリーブ23のストッパ突部23aよりも基端側(取付部21側)に位置する内周面によって案内されて、基端リング部31の基端側壁部31bの軸線及び注出筒部32の軸線(注出口部材30の軸線)がスパウト基部材20軸線に沿う状態を保ったままスパウト基部材20に対してその軸線方向に移動可能である。
図4等に示す注出用スパウト10の注出口部材30は、基端リング部31の基端側壁部31bの軸線及び注出筒部32の軸線(注出口部材30の軸線)がスパウト基部材20軸線と一致した状態を保ったままスパウト基部材20に対してその軸線方向に移動可能となっている。
図1、図2に示すように、注出用スパウト10は、スパウト基部材20の取付部21の取付部流路孔22と注出口部材30の注出筒部32内側の筒部貫通孔32bとを含む内容物流路11を有する。内容物流路11は注出筒部32先端に開口する注出口34を含む。
内容物流路11は、注出筒部32先端部の注出口34が開放されたときに詰め替え容器110の容器部111内の内容物を注出口34から注出可能である。
図2に示すように、注出口部材30の基端リング部31の当接リング31aがスパウト基部材20の取付部21の注出口部材受け面21bに重ね合わせるようにして当接されたとき、注出口部材30の注出筒部32内側の筒部貫通孔32bはスパウト基部材20の取付部21の取付部流路孔22と連通される。その結果、注出用スパウト10に筒部貫通孔32bと取付部流路孔22とが互いに直接連通してなる構成の内容物流路11である孔連通流路11Bが確保される。
図2に示すように、注出口部材30の注出筒部32内側の筒部貫通孔32bの基端開口部32aは、スパウト基部材20の取付部21の取付部流路孔22に比べて径小に形成されている。
注出口部材30の基端リング部31の当接リング31aはその外周部のみがスパウト基部材20の取付部21の注出口部材受け面21bに重ね合わせるようにして当接される。
注出口部材30の基端リング部31の当接リング31aをスパウト基部材20の取付部21の注出口部材受け面21bに当接させたとき、注出口部材30の注出筒部32内側の筒部貫通孔32bは、その基端開口部32aの全体が取付部流路孔22と連通する。
但し、注出用スパウトは、スパウト基部材20の取付部21の取付部流路孔22のスリーブ内側開口部22bの径が注出口部材30の注出筒部32内側の筒部貫通孔32bの基端開口部32aの径と一致するかあるいは基端開口部32aよりも径小であり、注出口部材30の基端リング部31の当接リング31aをスパウト基部材20の取付部21の注出口部材受け面21bに重ね合わせるようにして当接させたときに、取付部流路孔22のスリーブ内側開口部22b全体が注出筒部32内側の筒部貫通孔32bの基端開口部32aに連通する構成も採用可能である。
この構成の場合は、注出口部材30の基端リング部31の当接リング31aの注出口部材30基端側の後面31d全体がスパウト基部材20の取付部21の注出口部材受け面21bに重ね合わせるようにして当接される。
図1、図2、図5、図6等に示すように、注出口部材30の係合片33は、基端リング部31の基端側壁部31bの先端から当接リング31aとは逆の側(注出口部材30先端側)へ延出された弾性片33aと、弾性片33aの先端部33eの注出筒部32側の側面に突出形成された係合爪33bとを有する。
図5、図6等に示すように弾性片33aは、基端リング部31の基端側壁部31bからその先端側へ延出された延出片部33cと、延出片部33cの先端から注出筒部32とは逆側へ張り出された張出部33dと、張出部33dの先端から基端リング部31とは逆側へ突出する先端部33eとを有する。
弾性片33aは、基端リング部31の基端側壁部31bの周方向の一部領域から注出口部材30先端側へ延出されている。
弾性片33aは、基端リング部31の周方向(具体的には基端側壁部31bの周方向)に沿う方向を長手方向とする細長断面で延在する板片状に形成されている。
弾性片33aはその厚み方向に弾性変形可能である。係合爪33bの基端筒部32からの離間距離は、弾性片33aにおけるその先端部33eの係合爪33bが突出形成された部分以外の全体である弾性片主片部の弾性変形により変動可能となっている。
係合片33の係合爪33bは、弾性片33aの先端部33eにおける張出部33dから先端側へ離間した部分の注出筒部32側に突出形成されている。
弾性片33aの張出部33dと係合爪33bとの間には、フランジ部付き口首部123のフランジ部122(以下、口首部フランジ部、とも言う)を収容するためのフランジ部収容溝33fが確保されている。
図1、図2に示すように、注出用スパウト10は、注出口部材30の注出筒部32を包装容器120の口首部121に挿入し、係合片33の係合爪33bを包装容器120の口首部121の側面に突出されたフランジ部122に係合させた状態で、詰め替え容器110の容器部111内の内容物を包装容器120に充填する充填作業を行なう。
図1、図2に示す包装容器120はボトル形容器である。この包装容器120は、円筒状の口首部121の側面にその全周にわたってフランジ部122が突出形成された構成のフランジ部付き口首部123を有する。フランジ部122は、口首部121のその軸線方向中央部の側面の周囲に突出形成されている。
図1、図2に示すように、包装容器120は、口首部121の先端とは逆の基端からその周囲に張り出すように延在する肩部124を含む容器主部125を有している。
図1、図2に示すように、係合片33のフランジ部収容溝33fには、注出口部材30の係合片33と注出筒部32との間に挿入された包装容器120のフランジ部付き口首部123の口首部フランジ部122が挿入される。
係合片33の係合爪33bは、係合片33のフランジ部収容溝33fに収容された口首部フランジ部122に、包装容器120に突出形成された口首部121の基端側から係合される。注出口部材30の係合片33の係合爪33bは、口首部フランジ部122に係脱可能に係合される。
注出口部材30の各係合片33のフランジ部収容溝33fは、注出筒部32側から、口首部フランジ部122の挿脱が可能である。
図1、図2等に示す係合片33のフランジ部収容溝33fには、口首部フランジ部122の外周部が収容される。
注出用スパウト10について、図1等に示すように、注出口部材30がスパウト基部材20に対して嵌合位置に位置する状態を、以下、注出口閉状態、とも言う。
また、図4に示すように、注出口閉状態の注出用スパウト10について注出口部材30の係合片33に注出用スパウト10外側からの外力による変形が与えられていない状態を、以下、初期状態、とも言う。
図1に示す注出用スパウト10は初期状態となっている。
図1に示すように、注出用スパウト10の注出口部材30の係合片33の係合爪33bを包装容器120の口首部フランジ部122に係合させるには、初期状態の注出用スパウト10をフランジ部付き口首部123に向かって押し込み、注出口部材30の係合片33の係合爪33bを係合片33の弾性片33aを弾性変形させつつ包装容器120の口首部フランジ部122に対して口首部121先端側から口首部121基端側へ乗り越えさせて、係合片33のフランジ部収容溝33fに口首部フランジ部122を収容する。注出口部材30の係合片33は、係合爪33bを包装容器120の口首部フランジ部122に対して口首部121先端側から口首部121基端側へ乗り越えさせたところで弾性片33aが弾性復帰することで、フランジ部収容溝33fに口首部フランジ部122を収容する。
図1は、係合爪33bを口首部フランジ部122に対して口首部121先端側から口首部121基端側へ乗り越えさせた係合片33の弾性片33aの弾性復帰により注出用スパウト10が初期状態に復帰した状態を示す。
以下、初期状態の注出用スパウト10について、図1を参照して説明する場合がある。
なお、係合片33の弾性片33aの弾性変形は、弾性片33aの弾性片主片部(弾性片33aにおけるその先端部33eの係合爪33bが突出形成された部分以外の全体)の弾性変形を指す。
詰め替え容器110は、その内部に内容物が充填され、且つ注出用スパウト10が注出口閉状態とされ、例えば図7に示すように注出用スパウト10にオーバーキャップ50が脱着可能に装着された状態で出荷、供給される。
図7に示すオーバーキャップ50は、筒状(具体的には円筒状)の側壁部51と、側壁51のその軸線方向一端側を塞ぐ天壁部52とを有し、側壁51のその軸線方向他端側が開口された有底筒状(片端有底筒状)に形成されている。
このオーバーキャップ50は、側壁51の軸線方向他端部の開口部53をスパウト基部材20の押さえスリーブ23外周に嵌合させることで、内側に、注出口閉状態の注出用スパウト10におけるスパウト基部材20の取付部21から先端側に位置する部分全体を収容して注出用スパウト10に装着できる。オーバーキャップ50は、詰め替え容器のユーザーが手指で注出用スパウト10に対して脱着操作できる。
なお、図7に示すオーバーキャップ50が装着された注出用スパウト10は初期状態となっている。
図7に示すオーバーキャップ50は、注出用スパウト10に装着することで、注出用スパウト10の初期状態を安定に保つ役割も果たす。
次に、注出用スパウト10を有する詰め替え容器110の内容物を詰め替え容器110から包装容器120へ充填する充填作業を説明する。
この充填作業では、図1に示すように、包装容器120をその口首部121先端(突端)が上端となる向きとし、詰め替え容器110の初期状態の注出用スパウト10の注出口部材30を包装容器120のフランジ部付き口首部123へその上方から押し込む。
このとき、注出用スパウト10の注出口部材30の注出筒部32を包装容器120の口首部121にその上方から挿入する。
また、この充填作業において、注出用スパウト10は、注出口部材30の包装容器120のフランジ部付き口首部123への押し込みによって、注出口部材30の係合片33の係合爪33bを口首部フランジ部122の外周に対して口首部121先端側から口首部121基端側へ乗り越えさせる。これにより、係合爪33bはフランジ部122に係合可能となる。
注出用スパウト10の包装容器120のフランジ部付き口首部123への押し込みは、スパウト基部材20をフランジ部付き口首部123へ向かって押圧することを指す。
注出用スパウト10の包装容器120のフランジ部付き口首部123への押し込みは、例えば詰め替え容器110のユーザーが詰め替え容器110の容器部111を手指で把持してフランジ部付き口首部123に向かって移動させること等により、スパウト基部材20をフランジ部付き口首部123へ向かって押圧することで実現される。
図1、図7に示すように、注出用スパウト10の注出口部材30の係合片33の係合爪33bは、係合片33の弾性片33a基端側に行くにしたがって弾性片33aからの突出寸法が増大するテーパ状に形成されている。
係合爪33bには、弾性片33a基端側に行くにしたがって弾性片33aからの距離が増大する傾斜面33gと、係合爪33bの弾性片33a基端側に弾性片33aの先端部33eから弾性片33a延在方向(具体的には先端部33e延在方向)に垂直に延在する係合面33hとが形成されている。なお、「先端部33e延在方向」は、弾性片33aの先端部33eにおける、その先端から弾性片33aの張出部33d側の基端までの延在方向を指す。
また、図1、図7に示すように、係合爪33bの傾斜面33gと係合面33hとの間には、傾斜面33g後端から弾性片33a基端側へ行くにしたがって弾性片33aの先端部33eに接近し係合面33hの注出筒部32側の端である内側端に到達するコーナー部傾斜面が形成されている。図1、図7に示す係合爪33bのコーナー部傾斜面は、係合面33hと傾斜面33g後端との間に傾斜面33g後端から弾性片33a基端側へ行くにしたがって弾性片33a延在方向に対する傾斜角度が係合面33hに近付くように湾曲し弾性片33aからの離間距離が小さくなる湾曲面である。
注出用スパウト10は、例えば、詰め替え容器110から内容物を充填する充填対象容器として設定した1または複数の包装容器120のフランジ部付き口首部123の設計に鑑みて、フランジ部付き口首部123への初期状態の注出用スパウト10の押し込み時に、注出口部材30の全ての係合片33の係合爪33bの傾斜面33gを口首部フランジ部122外周に当接可能に設計したものを用いる。
図1、図2に示す包装容器120は、フランジ部付き口首部123への初期状態の注出用スパウト10の押し込み時に、注出用スパウト10の注出口部材30の全ての係合片33の係合爪33bの傾斜面33gを口首部フランジ部122外周に当接可能なフランジ部122外径を有する。
初期状態の注出用スパウト10は、注出口部材30のフランジ部付き口首部123への押し込みによって、注出口部材30の各係合片33の弾性片33aを弾性変形させつつ全ての係合片33の係合爪33bの傾斜面33gを口首部フランジ部122外周に摺動させて、各係合片33の係合爪33bをフランジ部122外周に対して口首部121先端側から口首部121基端側へ乗り越えさせることができる。
図1に示すように、注出用スパウト10の係合片33は、係合爪33bを口首部フランジ部122に対して口首部121先端側から口首部121基端側へ乗り越えさせることで、フランジ部122をフランジ部収容溝33fに収容する。口首部フランジ部122がフランジ部収容溝33fに収容されたとき、フランジ部付き口首部123の口首部121のフランジ部122から先端側部分は、係合片33の延出片部33cと注出筒部32との間に収容される。
また、係合片33は、口首部フランジ部122をフランジ部収容溝33fに収容することで、係合爪33bを口首部フランジ部122に係合させることができる。
係合片33の係合爪33bは、係合片33のフランジ部収容溝33fに収容された口首部フランジ部122に対して係合面33hを当接させて係合される。
図1、図2に示すように、注出用スパウト10の注出口部材30の係合片33の張出部33dは、係合片33のフランジ部収容溝33fに収容された口首部フランジ部122に当接可能である。
口首部フランジ部122を係合片33のフランジ部収容溝33fに収容した注出用スパウト10の注出口部材30は、係合片33の張出部33dがフランジ部収容溝33f内のフランジ部122に当接されることでフランジ部付き口首部123へのそれ以上の押し込みが規制される。
注出口部材30は、各係合片33のフランジ部収容溝33fに包装容器120の口首部フランジ部122を収容することで、各係合片33の係合爪33bを口首部フランジ部122に係合させてフランジ部付き口首部123を保持できる。
注出口部材30について、係合片33のフランジ部収容溝33fに口首部フランジ部122を収容した状態を、以下、フランジ部溝収容状態、とも言う。
注出用スパウト10は、注出口部材30がフランジ部溝収容状態となった後もフランジ部付き口首部123への押し込みを継続することで、図2に示すように注出筒部32先端部の注出口34を開放できる。
注出用スパウト10はフランジ部付き口首部123へ押し込んで行くだけで注出筒部32先端部の注出口34を開放でき、その結果、詰め替え容器11内の内容物を注出口34から包装容器120へ注出、充填することができる。
注出口部材30がフランジ部溝収容状態となった後の注出用スパウト10のフランジ部付き口首部123への押し込みは、スパウト基部材20の注出口部材30に対するその先端側への相対移動(以下、スパウト基部材20の注出口部材30への押し込み、とも言う)を指す。
図2に示すように、注出用スパウト10は、スパウト基部材20に対する嵌合位置の注出口部材30がフランジ部溝収容状態に到達した後もフランジ部付き口首部123への押し込みを継続することで、スパウト基部材20に注出口部材30に対するその先端側への相対移動が生じる。その結果、スパウト基部材20の嵌合封止部25の嵌合部25bが注出口部材30の注出筒部32先端部の注出口34から注出筒部32先端側へ離脱され、注出口34が開放される。
図1、図2に示すように、注出口部材30は、注出口34内周面に突出形成された係脱突起35を含む。注出口部材30はスパウト基部材20に対する嵌合位置にあるときに、係脱突起35をスパウト基部材20の嵌合封止部25の嵌合部25bの側面に形成された係合凹部25cに入り込ませて嵌合部25bに係合させることができる。
注出口部材30は、係脱突起35をスパウト基部材20の嵌合封止部25の嵌合部25b側面の係合凹部25cに入り込ませることで、スパウト基部材20に対して嵌合位置に容易に位置決めできる。
但し、スパウト基部材20に対する嵌合位置の注出口部材30はスパウト基部材20に対してその基端側へ強制的に移動させて係脱突起35を嵌合封止部25の嵌合部25b側面の係合凹部25cから抜き出し嵌合部25bとの係合を解除できる。係脱突起35は嵌合封止部25の嵌合部25b側面の係合凹部25cに対して係脱可能である。
図2、図6等に示す係脱突起35は、具体的には、断面半円状で注出口部材30の注出口34内周面の周方向全周にわたって延在する突条状に形成されている。嵌合封止部25の嵌合部25b側面の係合凹部25cは、具体的には、断面半円状で嵌合部25b側面の周方向全周にわたって延在する溝である。
係脱突起35は、注出口部材30をスパウト基部材20にその軸線方向に移動させることで嵌合封止部25の嵌合部25b側面の係合凹部25cに係脱させることができる。
なお、係脱突起35は、その突端から注出筒部32基端側の面が、係脱突起35の突端から基端側へ行くにしたがって注出筒部32基端側に位置する傾斜面とされた構成であれば良く、その具体的形状は適宜変更可能である。係脱突起35は、例えば、注出口部材30の注出口34内周面の周方向複数箇所に点在するように形成された突起であっても良い。但し、係合凹部25cは係脱突起35の形状に応じて係脱突起35全体を収容可能に形成し、係脱突起35を収容したときに係合凹部25c周囲における注出口34内周面と嵌合封止部25の嵌合部25b側面との密接が保たれるようにする。
また、注出用スパウトは、係脱突起をスパウト基部材20の嵌合封止部25の嵌合部25b側面、係合凹部を注出口部材30の注出口34内周面、に形成した構成も採用可能である。
スパウト基部材20の嵌合封止部25の嵌合部25b側面に突出形成された係脱突起は、その突端からスパウト基部材20基端側の面が、係脱突起の突端から基端側へ行くにしたがってスパウト基部材20基端側に位置する傾斜面とされた構成とする。
図2に示すように、注出用スパウト10は、注出口部材30に対して嵌合位置のスパウト基部材20をフランジ部溝収容状態の注出口部材30へ向かって押し込むことで、注出筒部32先端内側の係脱突起35を嵌合部25b側面の係合凹部25cから強制的に離脱させスパウト基部材20を注出口部材30に対してその先端側へ向かって相対移動させることができる。
注出用スパウト10は、スパウト基部材20をフランジ部溝収容状態の注出口部材30への押し込みによって注出口部材30に対してその先端側へ向かって相対移動させ、スパウト基部材20の嵌合封止部25の嵌合部25bを注出口部材30の注出口34から注出筒部32先端側へ抜き出すことで注出口34を開放できる。
嵌合位置の注出口部材30に対して押し込んだスパウト基部材20の注出口部材30に対するその先端側への相対移動を、以下、開放移動、とも言う。
係合凹部25cに入り込ませた係脱突起35は、係合凹部25c及び係脱突起35が存在しない場合に比べて、スパウト基部材20を注出口部材30に対して開放移動させる際の抵抗力(以下、開放移動抵抗力、とも言う)を増大する役割を果たす。なお、開放移動抵抗力は、注出口部材30の注出口34内周面とスパウト基部材20の嵌合封止部25の嵌合部25b側面との間の摩擦力を含む。
スパウト基部材20を嵌合位置の注出口部材30に対して押し込んで注出口34を開放するには、スパウト基部材20を注出口部材30に対して開放移動抵抗力を上回る押圧力(押し込み力)で押圧して押し込む必要がある。
注出用スパウト10は、注出口34の開放に要する嵌合位置の注出口部材30に対するスパウト基部材20の押し込み力が、注出口部材30のその全ての係合片33の係合爪33bの包装容器120の口首部フランジ部122に対する乗り越えに要するフランジ部付き口首部123への押し込み力よりも大きくなるように構成されている。
このため、初期状態の注出用スパウト10をフランジ部付き口首部123へ向かって押し込み、フランジ部溝収容状態となった注出口部材30の係合片33の張出部33dが包装容器120の口首部フランジ部122に押圧されるまでは、注出用スパウト10の注出口閉状態が維持されて注出口34が不用意に開放されることは無い。
図2に示すように、スパウト基部材20は、フランジ部溝収容状態の注出口部材30に対して取付部21の注出口部材受け面21bが注出口部材30の基端リング部31(具体的には当接リング31a)に当接するまで押し込み可能である。
注出用スパウト10は、スパウト基部材20を、フランジ部溝収容状態の注出口部材30に対して取付部21の注出口部材受け面21bが注出口部材30の基端リング部31に当接するまで押し込むことで注出口部材30の注出口34を確実に開放できる。
スパウト基部材20は、その取付部21の注出口部材受け面21bが注出口部材30の基端リング部31の当接リング31aに当接することで、注出口部材30へのそれ以上の押し込みが規制される。
注出用スパウト10について、スパウト基部材20の取付部21の注出口部材受け面21bが注出口部材30の基端リング部31の当接リング31aに当接された状態を、以下、押し込み当接状態、とも言う。注出用スパウト10が押し込み当接状態にあるとき、注出口部材30はスパウト基部材20に対する基端側移動限界位置にある。
図2に示すように、スパウト基部材20の嵌合封止部25の嵌合部25bは、スパウト基部材20の注出口部材30への押し込みによって注出用スパウト10が押し込み当接状態に至るまでに、注出口部材30の注出筒部32先端部の注出口34から注出筒部32先端側へ離脱される。その結果、注出筒部32先端部の注出口34が開放される。
注出口34が開放されれば、包装容器120のフランジ部付き口首部123に対して倒立状態に設けられた詰め替え容器110内の内容物を注出口34から包装容器120内へ注出、充填することができる。
図1に示すように、注出口閉状態の注出用スパウト10において、スパウト基部材20の取付部21と取付部21からスパウト基部材20先端側へ離間配置された注出口部材30との間に確保される領域13(空間)を、以下、部材間領域、とも言う。
注出口閉状態の注出用スパウト10においては、スパウト基部材20の取付部21の取付部流路孔22と注出口部材30の注出筒部32内側の筒部貫通孔32bとが、スパウト基部材20の取付部21と注出口部材30との間の部材間領域13を介して連通した形態の内容物流路11である孔間接連通流路11Aが確保される。
注出用スパウト10が注出口閉状態の詰め替え容器110にあっては、容器部111内の内容物を、取付部流路孔22及びスパウト基部材20の取付部21と注出口部材30との間の部材間領域13を介して注出筒部32内側の筒部貫通孔32bに充填可能である。
注出用スパウト10は、スパウト基部材20の注出口部材30への押し込みによって注出筒部32先端部の注出口34が開放されれば、詰め替え容器110の容器部111内の内容物を内容物流路11を介してその注出口34から注出可能となる。
注出用スパウト10は、注出口部材30へ向かって押し込んだスパウト基部材20が押し込み当接状態に至る前に注出口34が開放されたときには、詰め替え容器110の容器部111内の内容物を孔間接連通流路11Aを介して注出口34から包装容器120内へ注出、充填できる。
なお、スパウト基部材20の取付部21と取付部21からスパウト基部材20先端側へ離間配置された注出口部材30との間の部材間領域13は、スパウト基部材20の押さえスリーブ23内側における注出口部材30よりもスパウト基部材20基端側の領域全体を指す。
部材間領域13は、図1におけるスパウト基部材20の取付部21(具体的にはその注出口部材受け面21b)と注出口部材30の基端リング部31の基端を構成する当接リング31aとの間の隙間12を含む。
図2に示すように、注出用スパウト10の内容物流路11は、注出用スパウト10が押し込み当接状態となれば、注出用スパウト10に注出口部材30の注出筒部32内側の筒部貫通孔32bとスパウト基部材20の取付部21の取付部流路孔22とが互いに直接連通した形態となる。この形態の内容物流路11を、以下、孔連通流路11B、とも言う。
注出用スパウト10がフランジ部溝収容状態の注出口部材30へのスパウト基部材20の押し込みによって押し込み当接状態になったとき、詰め替え容器110は、容器部111内の内容物を孔連通流路11Bを介して注出口34から包装容器120内へ注出、充填できる。
図1、図2等に示すように封止部支持片24は、1または複数の板状片24aによって内容物流路11をその延在方向全体にわたって複数の分割流路に区分けする。
例えば図4、図6に例示した断面十字形で延在する封止部支持片24は、図1、図2に示すように内容物流路11をその延在方向全体にわたって4つの分割流路に区分けする。
詰め替え容器110内の内容物は、内容物流路11が封止部支持片24によって区分けされた複数の分割流路の1以上を介して包装容器120へ充填される。
係合片33におけるスパウト基部材20の押さえスリーブ23内側に収容される収容長は、フランジ部溝収容状態の注出口部材30へのスパウト基部材20の押し込み進行に伴い増大していく。係合片33におけるスパウト基部材20の押さえスリーブ23内側に収容された収容長は、図2に示すようにスパウト基部材20が注出口部材30に対する押し込み当接状態に達したときに最大となる。
図1に示す初期状態の注出用スパウト10において、注出口部材30の各係合片33の延出片部33cは押さえスリーブ23内周面に当接するか、あるいは押さえスリーブ23内周面から僅かなクリアランスを介して押さえスリーブ23内側に離間配置される。
また、図1に示す初期状態の注出用スパウト10において、注出口部材30の各係合片33の延出片部33cの押さえスリーブ23からその先端側に延出された部分の注出筒部32とは逆側の外側面は、延出片部33c先端側へ行くにしたがって注出筒部32軸線からの距離が増大するように注出筒部32軸線に対して傾斜して延在している。
図2に示すようにスパウト基部材20が注出口部材30に対する押し込み当接状態に到達したとき、スパウト基部材20の押さえスリーブ23は注出用スパウト10が初期状態であるときに比べて係合片33先端に接近する。注出口部材30に対する押し込み当接状態のスパウト基部材20の押さえスリーブ23は、注出口部材30の各係合片33の延出片部33cの先端部以外の全体を収容する。また、このとき、スパウト基部材20の押さえスリーブ23の先端内周に注出口部材30の全ての係合片33の延出片部33c(具体的にはその外側面)が当接する。
その結果、押さえスリーブ23によって各係合片33の延出片部33cの注出筒部22軸線から離間する方向の弾性変形が規制される。このとき、注出用スパウト10は、包装容器120の口首部フランジ部122を注出口部材30の各係合片33のフランジ部収容溝33fに収容した状態を安定維持できる。
図1に示す初期状態の注出用スパウト10において、注出口部材30の各係合片33の延出片部33c先端の外側面の注出筒部32軸線からの離間距離は、スパウト基部材20の押さえスリーブ23の先端内周の湾曲半径に比べて僅かに大きい。
図2に示すようにスパウト基部材20が注出口部材30に対して押し込み当接状態となったとき、注出口部材30の各係合片33の係合爪33bの注出筒部32軸線からの離間距離は、注出用スパウト10が初期状態のときと同じかあるいは僅かに短くなる。
スパウト基部材20が注出口部材30に対して押し込み当接状態となったとき、注出口部材30の各係合片33の係合爪33bの注出筒部32軸線からの離間距離が注出用スパウト10が初期状態のときよりも短くなるのは、注出口部材30に対する嵌合位置から押し込み当接状態に到達するまでのスパウト基部材20の相対移動の過程で押さえスリーブ23先端内周によって各係合片33の弾性片33aが弾性変形を伴って注出筒部32側へ押動された場合である。
注出用スパウト10は、例えば、詰め替え容器110から内容物を充填する充填対象容器として設定した1または複数の包装容器120のフランジ部付き口首部123の設計に鑑みて、注出口部材30の全ての係合片33のフランジ部収容溝33fに口首部フランジ部122をがたつきを抑えて収容可能且つ係合爪33bを係合可能に設計したものを用いる。注出口部材30の係合片33は、フランジ部収容溝33fに収容した口首部フランジ部122を、弾性片33aの張出部33dと係合爪33bとの間にその間隔方向(フランジ部収容溝33fの溝幅方向)へのがたつきが実質的に無い(がたつきを許容する隙間が無いか、存在しても極めて微小)ように保持できる。
注出口部材30は、その軸線方向における当接リング31aからフランジ部収容溝33fまでの離間距離を、包装容器120の口首部121軸線方向におけるフランジ部122から口首部121先端までの距離と同等以上に確保したものを用いる。
注出口部材30の係合片33のフランジ部収容溝33fの注出筒部32側から見てフランジ部収容溝33fの最奥部の内面を、以下、溝奥底面33i、とも言う。
フランジ部収容溝33fの溝奥底面33iは、弾性片33aの先端部33eにおける張出部33dと係合爪33bとの間にてフランジ部収容溝33fに臨む面である。
注出口部材30の係合片33のフランジ部収容溝33fの溝奥底面33iの注出筒部32軸線からの離間距離を、以下、溝底配置距離、とも言う。
初期状態の注出用スパウト10における注出口部材30の各係合片33のフランジ部収容溝33fの溝底配置距離は、互いに同じに揃えられている。
包装容器120の口首部フランジ部122外径は、注出用スパウト10を初期状態でフランジ部付き口首部123に押し込む際に注出口部材30の全ての係合片33の係合爪33bの傾斜面33gをフランジ部122外周に当接可能な範囲で種々サイズを採用可能である。
包装容器120のフランジ部付き口首部123のフランジ部122外周の湾曲半径(以下、口首部フランジ部122外周半径、とも言う)は、注出口部材30の係合片33のフランジ部収容溝33fの溝底配置距離と同じか、溝底配置距離に比べて若干小さい。
また、包装容器120のフランジ部付き口首部123の口首部フランジ部122外周半径は、詰め替え容器110の注出用スパウト10のユーザーによるフランジ部付き口首部123への押し込み時の傾動等により、注出口部材30の全ての係合片33の係合爪33bの傾斜面33gをフランジ部122外周に当接させることが可能であれば、注出口部材30の係合片33のフランジ部収容溝33fの溝底配置距離に比べて若干大きくても良い。
また、注出口部材30の係合片33は、図1の係合片33についてその係合爪33bの傾斜面33gが係合片33先端にて弾性片33の先端部33e先端まで延在(例えば、弾性片33の先端部33eの係合爪33bとは逆側の外側面に達する)形成された構成(以下、傾斜面延長型係合片、とも言う)も採用可能である。
注出口部材の傾斜面延長型係合片先端の注出筒部32軸線からの離間距離は、係合片33のフランジ部収容溝33fの溝底配置距離に比べて若干大きい。
注出口部材の全ての係合片に傾斜面延長型係合片を採用した注出用スパウトは、例えば、包装容器120のフランジ部付き口首部123の口首部フランジ部122外周半径が注出口部材の傾斜面延長型係合片のフランジ部収容溝33fの溝底配置距離と、傾斜面延長型係合片先端の注出筒部32軸線からの離間距離との間の大きさであれば、注出用スパウトを初期状態でフランジ部付き口首部123に押し込む際に注出口部材の全ての傾斜面延長型係合片の傾斜面33gをフランジ部122外周に楽に当接させることができる。
また、詰め替え容器110の注出用スパウト10のユーザーによるフランジ部付き口首部123への押し込み時の傾動等により、注出口部材の全ての傾斜面延長型係合片の傾斜面33gをフランジ部122外周に当接させることが可能であれば、包装容器120のフランジ部付き口首部123の口首部フランジ部122外周半径は傾斜面延長型係合片先端の注出筒部32軸線からの離間距離に比べて若干大きくても良い。
注出用スパウト10は、スパウト基部材20が注出口部材30への押し込みによって押し込み当接状態に至ったときに、押さえスリーブ23によって注出口部材30の各係合片33の注出筒部22軸線から離間する方向の変位を抑え込むことができる。
その結果、注出用スパウト10は、注出口部材30のフランジ部溝収容状態を安定維持でき、包装容器120の口首部フランジ部122をフランジ部収容溝33fに収容した各係合片33によってフランジ部付き口首部123に組み付けられる。
注出用スパウト10は、包装容器120のフランジ部付き口首部123に組み付けられることで、スパウト基部材20軸線が包装容器120の口首部121軸線に平行の状態(姿勢)が安定維持される。
包装容器120のフランジ部付き口首部123に組み付けられた注出用スパウト10は、押さえスリーブ23によって注出口部材30の各係合片33のフランジ部収容溝33fの溝奥底面33iが口首部フランジ部122外周に当接状態に拘束される場合、フランジ部付き口首部123にしっかりと固定される。
但し、包装容器120のフランジ部付き口首部123に組み付けられた注出用スパウト10は、注出口部材30の係合片33のフランジ部収容溝33fの溝奥底面33iと口首部フランジ部122外周との間にクリアランスが存在しても、全ての係合片33のフランジ部収容溝33fに口首部フランジ部122を収容保持していることで、スパウト基部材20軸線が包装容器120の口首部121軸線に平行の状態(姿勢)を安定維持できる。
注出口部材30の係合片33と注出筒部32との間にフランジ部付き口首部123等の介在物が存在しない状態でスパウト基部材20を注出口部材30に対して押し込み当接状態としたときのフランジ部収容溝33fの溝底配置距離を、以下、拘束時溝底距離、とも言う。
すでに述べたように、図2等に例示した注出用スパウト10のスパウト基部材20は、注出口部材30に対して押し込み当接状態としたときに、注出口部材30の各係合片33の延出片部33cの先端部以外の全体を収容する。
このため、注出用スパウト10は、スパウト基部材20を注出口部材30に対して押し込み当接状態としたとき、注出口部材30の各係合片33の拘束時溝底距離が包装容器120の口首部フランジ部122外周半径よりも若干小さくても、各係合片33の延出片部33cの先端部の弾性変形によって全ての係合片33のフランジ部収容溝33f内に口首部フランジ部122に収容した状態を安定確保できる。
注出口部材30の係合片33の弾性片33aにおける、押さえスリーブ23からその先端側へ延出された部分を、以下、先端側延出部、とも言う。
包装容器120の口首部フランジ部122外周半径が注出口部材30の各係合片33の拘束時溝底距離よりも大きい場合は、フランジ部溝収容状態の注出口部材30へ押し込むスパウト基部材20が、押し込み当接状態に到達する前に、係合片33の弾性片33aの先端側延出部への押さえスリーブ23先端内周の押し込み限界に達して、この押し込み限界から注出口部材30へのそれ以上の押し込みが規制されても良い。
注出用スパウト10は、フランジ部溝収容状態の注出口部材30へのスパウト基部材20の押し込みが、注出口34の開放後、押し込み当接状態に到達する前に停止しても、詰め替え容器110の容器部111内の内容物を内容物流路11(具体的には孔間接連通流路11A)を介して包装容器120へ注出、充填できる。
注出用スパウト10は、フランジ部付き口首部123に向かって押し込んでいくだけで、注出口部材30の係合片33の係合爪33bを口首部フランジ部122に係合させてフランジ部付き口首部123に簡単に組み付けることができる。
包装容器120のフランジ部付き口首部123に組み付けられた注出用スパウト10は、包装容器120の口首部121に対する注出筒部32の挿入向きを安定維持できる。
図2に示すように、スタンディングパウチ、ボトル等の自立性の容器部111を有する詰め替え容器110は、注出用スパウト10を包装容器120のフランジ部付き口首部123に組み付けたときに、包装容器120の口首部121に注出筒部32を挿入した注出用スパウト10から上方に容器部111が自立する倒立状態を維持できる。この詰め替え容器110は、包装容器120にその口首部121先端(突端)が上端の向きが維持されていれば、包装容器120のフランジ部付き口首部123に組み付けた注出用スパウト10上の容器部111が自立した状態を保てるため、ユーザーが手指で注出用スパウト10上の容器部111を倒れないように支える必要が無い。
フランジ部付き口首部123に組み付けられた注出用スパウト10上の容器部111内の内容物は、注出用スパウト10の内容物流路11を流下して包装容器120へ注出、充填される。
図1、図2に示す注出用スパウト10の注出口部材30は、その軸線方向における当接リング31aからフランジ部収容溝33fまでの離間距離を、充填対象容器と設定した全ての包装容器120の口首部121軸線方向における口首部121先端からフランジ部122までの距離と同じか、多少大きく確保している。
図1、図2に示す注出用スパウト10は、フランジ部溝収容状態の注出口部材30の係合片33の張出部33dを包装容器120の口首部フランジ部122に当接させたときに、注出口部材30の当接リング31aと口首部121先端との間にクリアランス14を確保できる。
図2に示すように、注出口部材30の当接リング31aと口首部121先端との間に確保されたクリアランス14は、詰め替え容器110内の内容物の包装容器120内への充填進行に伴い包装容器120内から押し出される空気を包装容器120及び詰め替え容器110の外側へ円滑へ排気させる脱気通路の役割を果たす。
図2に示すように、注出用スパウト10は、包装容器120の口首部121に挿入したときに口首部121内周面との間に隙間を確保可能な注出筒部32を採用する。
包装容器120への内容物充填に伴い包装容器120の容器主部125内から押し出される空気は、口首部121内周面と注出筒部32との間の隙間、及び注出口部材30の当接リング31aと口首部121先端との間に確保されたクリアランス14を介して、包装容器120及び詰め替え容器110の外側へ排気される。
注出口部材30の当接リング31aと口首部121先端との間に確保されたクリアランス14は、包装容器120内からの脱気を円滑にすることで、詰め替え容器110内の内容物の包装容器120内への充填を円滑にする。
なお、注出口部材30軸線方向における当接リング31aからフランジ部収容溝33fまでの離間距離と包装容器120の口首部121軸線方向における口首部121先端からフランジ部122までの距離と同じ場合、注出口部材30は、当接リング31aと包装容器120の口首部121先端との間のクリアランス14(脱気通路)を確実に確保するため、当接リング31aの注出筒部32及び係合片33が突出されている側の面の複数箇所に、包装容器120の口首部121先端が当接される突起(クリアランス確保用突起)を突出形成した構成も採用可能である。
図2に示すように、包装容器120の口首部121内側の領域126を、以下、注出口流路とも言う。
注出用スパウト10の注出口部材30は、詰め替え容器110から内容物を充填する充填対象容器として設定した1または複数の包装容器120の注出口流路126の種々の軸線方向寸法、に鑑みて、充填対象容器として設定した全ての包装容器120について、口首部フランジ部122をフランジ部収容溝33fに収容したときに注出筒部32先端が注出口流路123よりも下方に配置されるように設計して用いる。
図1、図2に示すように、注出用スパウト10の注出口部材30の注出筒部32先端は、注出口部材30をフランジ部溝収容状態としたときに包装容器120の容器主部125内に配置される。注出筒部32先端の注出口34は包装容器120の容器主部125内にて開放される。
内容物流路11の注出口34が包装容器120の肩部122先端よりも下方にて開放される構成は、内容物流路11の注出口34が包装容器120の注出口流路126内で開放される場合に比べて、注出用スパウト10の内容物流路11の注出口34から包装容器120内への内容物の注出、充填を円滑かつ短時間で行なうことに有利である。
注出用スパウト10について、図2に示すように、包装容器120のフランジ部付き口首部123に組み付けられ且つ注出口34が開放された状態を、以下、組み付け開放状態、とも言う。
組み付け開放状態の注出用スパウト10は、包装容器120のフランジ部付き口首部123に対して引っ張る(容器主部125とは逆側へ引っ張る)引き抜き操作によってフランジ部付き口首部123から離脱させることができる。
図2のように、包装容器120のフランジ部付き口首部123に組み付けられた注出用スパウト10から上方に詰め替え容器110の容器部111が位置する場合は、容器部111の包装容器120に対する上方への引き上げ操作によって、注出用スパウト10をフランジ部付き口首部123から離脱させることができる。
組み付け開放状態の注出用スパウト10は、包装容器120のフランジ部付き口首部123に対して引っ張る引き抜き操作を行うと、まず、スパウト基部材20が注出口部材30に対してその基端側へ向かって相対移動し、注出口部材30の注出口34内側の係脱突起35がスパウト基部材20の嵌合封止部25の嵌合部25b側面の係合凹部25cに入り込んで嵌合部25bと係合する。その結果、注出口部材30の注出口34内側にスパウト基部材20の嵌合封止部25の嵌合部25bが嵌合され、嵌合封止部25によって注出口34が閉鎖(封止)される。
注出口部材30の注出口34内側の係脱突起35がスパウト基部材20の嵌合封止部25に係合すると、係合前に比べて、注出口部材30に包装容器120のフランジ部付き口首部123に対して容器主部125とは逆側への引張力がより強く作用するようになる。
このとき、注出口部材30の係合片33の係合爪33bの係合面33hが口首部フランジ部122に口首部121基端側から押圧される。
但し、係合爪33bの係合面33hの注出筒部32軸線に垂直の方向の確保寸法は0.5〜2.0mm程度とする。
ユーザーが手指で詰め替え容器110を把持して包装容器120に対して引っ張って包装容器120のフランジ部付き口首部123に対する注出用スパウト10の引き抜き操作を手作業で行なうとき、注出用スパウト10の包装容器120に対する引っ張り方向を包装容器120の口首部121軸線方向に正確に一致させることは容易でない。
ユーザーの手作業による包装容器120のフランジ部付き口首部123に対する注出用スパウト10の引き抜き操作では、注出用スパウト10の包装容器120に対する引っ張り方向が包装容器120の口首部121軸線方向に対して若干傾いていることが多くなる。
係合爪33bの係合面33hの注出筒部32軸線に垂直の方向の確保寸法が0.5〜2.0mm程度であれば、ユーザーの手作業による包装容器120のフランジ部付き口首部123に対する注出用スパウト10の引き抜き操作にて注出用スパウト10の包装容器120に対する引っ張り方向が包装容器120の口首部121軸線方向に対して若干傾いていることで、係合面33hが口首部フランジ部122に当接しない係合爪33bが生じ、注出口部材30の各係合片33の係合爪33bの口首部フランジ部122に対する係合を容易に解除できる。その結果、フランジ部付き口首部123に組み付け状態のスパウト10は引き抜き操作だけでフランジ部付き口首部123から簡単に離脱させることができる。
また、注出用スパウト10の包装容器120に対する引っ張り方向が包装容器120の口首部121軸線方向と正確に一致しているときは、包装容器120のフランジ部付き口首部123に対する注出用スパウト10の引き抜き操作によって注出口部材30の各係合片33の係合爪33bが口首部フランジ部122に押圧されたときに、注出用スパウト10の包装容器120に対する引っ張り方向が包装容器120の口首部121軸線方向に対して傾斜されるだけで、係合面33hが口首部フランジ部122に当接しない係合爪33bが生じ、注出口部材30の各係合片33の係合爪33bの口首部フランジ部122に対する係合を容易に解除できる。その結果、フランジ部付き口首部123に組み付け状態のスパウト10をフランジ部付き口首部123から離脱させることができる。
注出用スパウト10は、詰め替え容器110から内容物を充填するボトル容器等の充填対象容器の口首部121に対する注出筒部32の挿入向きを安定維持でき、しかも口首部121に対する脱着が容易である。
なお、注出用スパウト10の注出口部材30の各係合片33の係合爪33bの係合面33hは、フランジ部付き口首部123に組み付け状態のスパウト10の引き抜き、フランジ部付き口首部123からの離脱を容易にするために、弾性片33aの先端部33eから離間するにしたがって弾性片33a先端側に位置するように、弾性片33aの先端部33eの延在方向に対して傾斜して形成しても良い。
以上、本発明を最良の形態に基づいて説明してきたが、本発明は上述の最良の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の改変が可能である。
注出用スパウト10は、充填対象容器に設定した包装容器120のフランジ部付き口首部123に対するフランジ部係合状態の注出口部材30の各係合片33の張出部33dをフランジ部収容溝33f内の口首部フランジ部122に押圧してスパウト基部材20を注出口部材30へ押し込むことで組み付け開放状態となる構成に限定されない。
注出用スパウト10は、スパウト基部材20に対して嵌合位置の注出口部材30を包装容器120のフランジ部付き口首部123に押し込み、注出口部材30の当接リング31aが包装容器120の口首部121先端と当接されたときに、各係合片33の係合爪33bが口首部フランジ部122よりも口首部121基端側に配置される構成も採用可能である。この構成の注出用スパウト10は、フランジ部付き口首部123に押し込んだ注出口部材30の当接リング31aが包装容器120の口首部121先端と当接された状態でスパウト基部材20を注出口部材30へ押し込むことで注出口34を開放できるとともにスパウト基部材20を注出口部材30に対して押し込み当接状態とすることができる。
包装容器120のフランジ部付き口首部123に押し込んだ注出口部材30の当接リング31aが包装容器120の口首部121先端と当接される構成の注出用スパウトを、以下、突き当て形注出用スパウト、とも言う。
また、注出口部材30について、当接リング31aを包装容器120の口首部121先端に当接させた状態を、以下、口首部突き当て状態、とも言う。
突き当て形注出用スパウトは、包装容器120の口首部フランジ部122に、注出口部材30の全ての係合爪33bの傾斜面33gを当接可能な外径を有するものを採用する必要がない。
突き当て形注出用スパウトは、注出口部材30がスパウト基部材20に対する嵌合位置に配置され且つ各係合片33にスパウト外部からの外力による変形が無い初期状態において、スパウト基部材20に対する嵌合位置の注出口部材30の各係合片33の係合爪33bの注出筒部32軸線からの離間距離が包装容器120の口首部フランジ部122外周半径よりも大きい構成(以下、開き形注出用スパウト、とも言う)も採用可能である。注出口部材30の各係合片33の弾性片33aの延出片部33cは、初期状態の突き当て形注出用スパウトにおいて、押さえスリーブ23からその先端側へ延出された部分の外側面がその先端側に行くにしたがって押さえスリーブ23の径方向外側に位置するように押さえスリーブ23の軸線に対して傾斜された構成を採用する。
但し、開き形注出用スパウトは、スパウト基部材20を注出口部材30へ嵌合位置から押し込んで押し込み当接状態とすることで、押さえスリーブ23先端内周によって係合片33の弾性片33aをその外側面側から押圧して弾性変形させ係合爪33bの注出筒部32軸線からの離間距離を包装容器120の口首部フランジ部122外周半径よりも小さくなるまで短縮させ、係合爪33bを口首部フランジ部122の口首部121基端側の面に係合させる構成とする。
開き形注出用スパウトは、注出口34を開放し、且つ各係合片33の係合爪33bを口首部フランジ部122の口首部121基端側の面に係合させた組み付け開放状態から、スパウト基部材20を注出口部材30に対する嵌合位置へ引き戻すことで、各係合片33の弾性片33aの弾性復帰によって初期状態に復帰する。
初期状態の開き形注出用スパウトの各係合片33の係合爪33bの注出筒部32軸線からの離間距離は包装容器120の口首部フランジ部122外周半径よりも大きいため、組み付け開放状態から初期状態に復帰させた開き形注出用スパウトは引き抜き操作によってフランジ部付き口首部123から容易に抜き去ることができる。
突き当て形注出用スパウトの注出口部材の係合片33の弾性片33aは張出部33d及びフランジ部収容溝33fが存在する構成、及び張出部33d及びフランジ部収容溝33fが存在せず延出片部33cの延長上に係合爪33bが形成された先端部を有する構成、のどちらも採用可能である。
注出口部材の係合片33の弾性片33aに張出部33d及びフランジ部収容溝33fが存在する構成の突き当て形注出用スパウトは、注出口部材の当接リング31aから係合片33のフランジ部収容溝33fまでの離間距離が、包装容器120の口首部121先端から口首部フランジ部122までの離間距離に対応するものを使用する。
係合片33の弾性片33aに張出部33d及びフランジ部収容溝33fが存在しない注出口部材は、張出部33d及びフランジ部収容溝33fが存在する構成に比べて構造が単純で、製造が容易である。
スパウト基部材の封止部支持片は、内容物流路内に分割流路を複数形成するものに限定されず、例えばロッド状のもの等、内容物流路を複数の分割流路に区分けしない構成も採用可能である。
10…注出用スパウト、11…内容物流路、11A…内容物流路(孔間接連通流路)、11B…内容物流路(孔連通流路)、12…隙間、13…部材間領域、14…クリアランス、20…スパウト基部材、21…取付部、21a…基端面、21b…注出口部材受け面、22…取付部流路孔、22a…基端側開口部、22b…スリーブ内側開口部、23…押さえスリーブ、23a…ストッパ突部、24…封止部支持片、24a…板状片、25…嵌合封止部、25a…カバー壁部、25b…嵌合部、25c…係合凹部、26…封止部付き延出部、30…注出口部材、31…基端リング部、31a…当接リング、31b…基端側壁部、31c…側周突部、31d…後面、31e…前面、32…注出筒部、32a…基端開口部、32b…筒部貫通孔、33…係合片、33a…弾性片、33b…係合爪、33c…延出片部、33d…張出部、33e…先端部、33f…フランジ部収容溝、33g…傾斜面、33h…係合面、コーナー部傾斜面、33i…溝奥底面、34…注出口、35…係脱突起、50…オーバーキャップ、51…側壁部、52…天壁部、53…開口部、110…注出用スパウト付き容器(詰め替え容器)、111…容器(容器部)、120…充填対象容器(包装容器)、121…容器口首部(口首部)、122…フランジ部、123…フランジ部付き口首部、124…肩部、125…容器主部、126…注出口流路。

Claims (6)

  1. 内容物が収容される容器に取り付けられる取付部、前記取付部に貫通形成された取付部流路孔の開口部の周囲から突出された押さえスリーブ、前記取付部から前記押さえスリーブの内側を貫通して延出された封止部支持片、及び前記封止部支持片の前記押さえスリーブの先端側に突出された先端部に形成された嵌合封止部を含むスパウト基部材と、
    前記スパウト基部材の前記押さえスリーブの内側に収容され前記取付部における前記取付部流路孔の開口部の周囲に当接される基端リング部、前記基端リング部から前記押さえスリーブの先端側へ延出され前記封止部支持片を収容する注出筒部、及び前記基端リング部の周方向複数箇所から前記押さえスリーブの先端側へ延出されて前記注出筒部の周囲に配置された係合片を含み、前記封止部支持片に沿って前記封止部支持片の延在方向に移動可能に設けられた注出口部材と、
    前記注出筒部の内側の筒部貫通孔及び前記取付部流路孔を含み、前記内容物を前記取付部流路孔の前記押さえスリーブ側とは逆側の基端側開口部から前記注出口部材の前記注出筒部の先端へ導いて前記注出筒部の先端の注出口から注出させる内容物流路とを有し、
    前記係合片は、前記基端リング部から延出された弾性片と、前記弾性片の先端部の前記注出筒部側に突出形成された係合爪とを有し、前記係合片と前記注出筒部との間に挿入された容器口筒部の側面に突出されたフランジ部に前記係合爪が係脱可能に係合されるように構成され、
    前記嵌合封止部は、前記注出筒部の先端部の内周面全周に当接可能な嵌合部を前記注出筒部の先端部の内側に嵌合させることで前記注出筒部の先端部を封止可能に形成され、
    前記注出口部材を、前記注出筒部の先端部の内側に前記嵌合封止部の前記嵌合部が嵌合し且つ前記基端リング部が前記取付部から前記押さえスリーブ先端側へ離間した所に配置される嵌合位置から前記取付部に向かって移動させることで前記注出口を開放可能且つ前記注出口部材が前記嵌合位置に位置するときに比べて前記係合片の前記弾性片の先端側部分を前記押さえスリーブの内側に収容可能とされている注出用スパウト。
  2. 前記注出口部材が前記嵌合位置に位置するときに、前記係合片の前記弾性片の前記押さえスリーブからその先端側へ延出された部分の前記注出筒部とは逆側の外側面は、その先端側に行くにしたがって前記押さえスリーブの径方向外側に位置するように前記押さえスリーブの軸線に対して傾斜され、前記注出口部材の前記基端リング部を前記取付部に当接させることで前記係合片の前記係合爪の前記注出筒部からの離間距離が縮小される請求項1に記載の注出用スパウト。
  3. 前記注出筒部の先端部の内周面及び前記嵌合封止部の前記嵌合部の側面の一方に係脱突起、他方に前記係脱突起が係脱可能に係合される係合凹部が形成されている請求項1または2に記載の注出用スパウト。
  4. 前記係合片の前記弾性片は、前記基端リング部から延出された延出片部と、前記延出片部の先端から前記注出筒部とは逆側へ張り出す張出部と、前記張出部の先端から前記基端リング部とは逆側へ突出する先端部とを有し、前記張出部と前記係合爪との間に前記容器口首部のフランジ部を収容するためのフランジ部収容溝が確保されている請求項1〜3のいずれか1項に記載の注出用スパウト。
  5. 前記押さえスリーブの先端部の内側に、前記注出口部材の前記基端リング部の側面に突出形成された係合突部が前記押さえスリーブの基端側から係合されることで前記注出口部材の前記押さえスリーブからその先端側への抜け出しを規制するストッパ突部が突出形成されている請求項1〜4のいずれか1項に記載の注出用スパウト。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の注出用スパウトと、前記注出用スパウトの前記取付部に取り付けられ前記内容物を収容する容器部とを有する注出用スパウト付き容器。
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