JP2021000793A - 画像形成装置、画像形成方法 - Google Patents

Abstract

【課題】シートに形成される線画像のエッジの滲みを抑制可能な画像形成装置、及び画像形成方法を提供すること。【解決手段】画像形成装置は、インクを吐出する複数のノズル３０Ａを有するラインヘッドを備え、印刷対象データに含まれる画像における線の太さを示す太さ情報を取得し（ステップＳ１１）、取得された前記太さ情報に対応するインクの拡散性を示す拡散性情報を取得し（ステップＳ１４）、取得された前記拡散性情報に基づいて、ノズル３０Ａからの一回当たりのインクの吐出量を調整し（ステップＳ１５）、前記ラインヘッドを用いて、印刷対象シートに前記印刷対象データに基づく画像を形成する第１印刷処理を実行する（ステップＳ１６）。【選択図】図４

Description

本発明は、インクジェット方式で画像を形成可能な画像形成装置、及び当該画像形成装置で実行される画像形成方法に関する。

インクジェット方式でシートに画像を形成可能なプリンターのような画像形成装置が知られている。この種の画像形成装置では、シートに文字画像及び図形画像のような線画像が形成された場合に、当該シートに形成された前記線画像のエッジが滲むことがある。これに対し、媒体に線状のテストパターンを形成して、当該媒体に形成された前記テストパターンのがたつき度合いに基づいて、当該媒体に施される前処理の処理条件を設定可能な印刷装置が関連技術として知られている（特許文献１参照）。

特開２０１３−１５９１００号公報

上述の関連技術に基づいて、シートに前記テストパターンを形成して、当該シートに形成された前記テストパターンのエッジの滲み具合に基づいて、当該シートへのインクの吐出量を調整する構成が考えられる。しかしながら、シートに形成される前記線画像のエッジの滲み具合は、当該線画像の太さによって異なる。そのため、前記テストパターンがシートに形成される前記線画像の太さとは無関係に定められる場合には、当該線画像のエッジの滲みを効果的に抑制することができない。

本発明の目的は、シートに形成される線画像のエッジの滲みを抑制可能な画像形成装置、及び画像形成方法を提供することにある。

本発明の一の局面に係る画像形成装置は、吐出部と、第１プリント処理部と、第１情報取得部と、第２情報取得部と、吐出量調整部とを備える。前記吐出部は、インクを吐出する複数のノズルを有する。前記第１プリント処理部は、前記吐出部を用いて、プリント対象シートにプリント対象データに基づく画像を形成するプリント処理を実行する。前記第１情報取得部は、前記プリント対象データに含まれる画像における線の太さを示す太さ情報を取得する。前記第２情報取得部は、前記第１情報取得部によって取得された前記太さ情報に対応するインクの拡散性を示す拡散性情報を取得する。前記吐出量調整部は、前記第２情報取得部によって取得された前記拡散性情報に基づいて、前記プリント処理における前記ノズルからの一回当たりのインクの吐出量を調整する。

本発明の他の局面に係る画像形成方法は、インクを吐出する複数のノズルを有する吐出部を備える画像形成装置で実行され、前記吐出部を用いて、プリント対象シートにプリント対象データに基づく画像を形成するプリント処理を実行することと、前記プリント対象データに含まれる画像における線の太さを示す太さ情報を取得することと、取得された前記太さ情報に対応するインクの拡散性を示す拡散性情報を取得することと、取得された前記拡散性情報に基づいて、前記プリント処理における前記ノズルからの一回当たりのインクの吐出量を調整することと、を含む。

本発明によれば、シートに形成される線画像のエッジの滲みを抑制可能な画像形成装置、及び画像形成方法が実現される。

図１は、本発明の第１実施形態に係る画像形成装置の構成を示す図である。 図２は、本発明の第１実施形態に係る画像形成装置の画像形成部の構成を示す図である。 図３は、本発明の第１実施形態に係る画像形成装置のシステム構成を示すブロック図である。 図４は、本発明の第１実施形態に係る画像形成装置で実行される第１吐出量調整処理の一例を示すフローチャートである。 図５は、本発明の第２実施形態に係る画像形成装置のシステム構成を示すブロック図である。 図６は、本発明の第２実施形態に係る画像形成装置で実行される第２吐出量調整処理の一例を示すフローチャートである。

以下、添付図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。なお、以下の実施形態は、本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。

［第１実施形態］
まず、図１〜図３を参照しつつ、本発明の第１実施形態に係る画像形成装置１０Ａの構成について説明する。ここで、図１は画像形成装置１０Ａの構成を示す断面図である。また、図２は画像形成部３の構成を示す平面図である。なお、図１では、シート搬送路Ｒ１、Ｒ２、Ｒ３が二点鎖線によって示されている。

画像形成装置１０Ａは、インクジェット方式でシートに画像を形成可能なプリンターである。なお、本発明は、インクジェット方式で画像を形成可能なファクシミリ装置、コピー機、及び複合機などの画像形成装置に適用されてもよい。

図１及び図３に示されるように、画像形成装置１０Ａは、筐体１、シート搬送部２、画像形成部３、画像読取部５、操作表示部６、記憶部７、及び制御部８を備える。

筐体１は、画像形成装置１０Ａの各構成要素を収容する。筐体１には、給紙カセット１１が着脱可能に設けられる。給紙カセット１１には、画像が形成されるシートが収容される。例えば、給紙カセット１１に収容されるシートは、紙、コート紙、ハガキ、封筒、及びＯＨＰシートなどのシート材料である。筐体１の外側面には、排紙トレイ１２が設けられる。排紙トレイ１２には、画像形成部３によって画像が形成されたシートが排出される。

筐体１の内部には、シート搬送部２によって搬送されるシートを案内するシート搬送路Ｒ１、Ｒ２、Ｒ３が設けられる。シート搬送路Ｒ１は、給紙カセット１１から画像形成部３による画像形成位置Ｐ１１〜Ｐ１４（本発明における吐出位置の一例）を経由して排紙トレイ１２へ至るシートの移動通路である。シート搬送路Ｒ２は、画像形成部３によって画像が形成されたシートの反転に用いられる。シート搬送路Ｒ３は、シート搬送路Ｒ２を用いて反転されたシートの画像形成部３への再搬送に用いられる。

なお、画像形成位置Ｐ１１は、シート搬送路Ｒ１における画像形成部３のラインヘッド３１の配置位置である。また、画像形成位置Ｐ１２は、シート搬送路Ｒ１における画像形成部３のラインヘッド３２の配置位置である。また、画像形成位置Ｐ１３は、シート搬送路Ｒ１における画像形成部３のラインヘッド３３の配置位置である。また、画像形成位置Ｐ１４は、シート搬送路Ｒ１における画像形成部３のラインヘッド３４の配置位置である。

シート搬送部２は、筐体１の内部においてシートを搬送する。図１に示されるように、シート搬送部２は、ピックアップローラー２１、第１搬送ローラー対２２、レジストローラー対２３、第２搬送ローラー対２４、第３搬送ローラー対２５、及び搬送ユニット４を備える。

ピックアップローラー２１は、給紙カセット１１からシートを１枚ずつ取り出して、当該シートをシート搬送路Ｒ１に送り出す。第１搬送ローラー対２２は、シート搬送路Ｒ１に設けられ、シートを搬送方向Ｄ１（図１参照）へ搬送する。レジストローラー対２３は、予め定められたタイミングでシートを画像形成部３による画像形成位置Ｐ１１〜Ｐ１４に搬送する。

第２搬送ローラー対２４は、シート搬送路Ｒ２に設けられ、シートを搬送方向Ｄ２（図１参照）へ搬送し、その後搬送方向Ｄ２とは逆方向へ搬送して、当該シートをシート搬送路Ｒ３に送り出す。第３搬送ローラー対２５は、シート搬送路Ｒ３に設けられ、シートを搬送方向Ｄ３（図１参照）へ搬送する。

画像形成部３は、インクを用いて、給紙カセット１１から供給されるシートに画像データに基づく画像を形成する。図１に示されるように、画像形成部３は、ブラック、シアン、マゼンタ、イエローの各色に対応するラインヘッド３１、３２、３３、３４（本発明における複数の吐出部の一例）と、これらを支持するヘッドフレーム３５とを備える。ヘッドフレーム３５は筐体１によって支持されている。なお、画像形成部３の備えるラインヘッドの数は、４つに限られなくてよい。例えば、画像形成部３はモノクロ画像のみを形成可能であってもよい。

ラインヘッド３１〜３４は、所謂ラインヘッド型の記録ヘッドである。即ち、画像形成装置１０Ａは、所謂ラインヘッド型の画像形成装置である。図２に示されるように、ラインヘッド３１〜３４は、搬送方向Ｄ１に直交する幅方向Ｄ４に長尺である。具体的に、ラインヘッド３１〜３４各々は、幅方向Ｄ４において、給紙カセット１１に収容可能なシートのうち最大サイズのシートの幅に対応する長さを有する。ラインヘッド３１〜３４各々は、搬送方向Ｄ１に沿って予め定められた間隔を隔てて並ぶ位置関係で、ヘッドフレーム３５に固定されている。

図２に示されるように、ラインヘッド３１〜３４各々は、複数の記録ヘッド３０を有する。記録ヘッド３０は、搬送ユニット４によって搬送されるシートへ向けてインクを吐出する。具体的に、記録ヘッド３０における搬送ベルト４１（図１参照）との対向面には、開口を有するインク吐出用の複数のノズル３０Ａ（図２参照）が設けられている。また、記録ヘッド３０は、複数のノズル３０Ａに対応する複数の加圧室（不図示）、当該複数の加圧室の各々に設けられる圧電素子（不図示）、及び当該複数の加圧室の各々と連通する連通流路（不図示）を備える。前記圧電素子は、予め定められた駆動電圧の印加に応じて当該圧電素子が設けられた前記加圧室に対応するノズル３０Ａからインクを吐出させる。具体的に、前記圧電素子は、前記加圧室に収容されているインクを加圧することで、ノズル３０Ａからインクを吐出させる。

本実施形態では、ラインヘッド３１は、幅方向Ｄ４に沿って３つの記録ヘッド３０が千鳥状に配列されている。また、他のラインヘッド３２〜３４各々も、ラインヘッド３１と同様に、幅方向Ｄ４に沿って３つの記録ヘッド３０が千鳥状に配列されている。ラインヘッド３１〜３４各々には、当該ラインヘッドに対応する色のインクを収容する不図示のインクコンテナからインクが供給される。なお、図２には、画像形成部３を図１の上側から見た状態が示されている。

搬送ユニット４は、画像形成位置Ｐ１１〜Ｐ１４でシートを搬送する。図１に示されるように、搬送ユニット４は、ラインヘッド３１〜３４の下側に配置される。図１及び図３に示されるように、搬送ユニット４は、搬送ベルト４１、及び張架ローラー４２〜４５を備える。

搬送ベルト４１は、シートを、その一面がラインヘッド３１〜３４各々と対向する姿勢で搬送する。張架ローラー４２〜４５各々は、搬送ベルト４１を張架する。張架ローラー４２及び４３は、筐体１の左右方向（図１における紙面上下方向）に予め定められた距離を隔てて設けられる。張架ローラー４４は、張架ローラー４３の下側に配置される。張架ローラー４５は、張架ローラー４２の下側に配置される。

張架ローラー４２は、不図示のモーターから供給される回転駆動力により図１に示される矢印方向へ回転駆動される。これにより、搬送ベルト４１は、シートを搬送方向Ｄ１（図１参照）へ搬送可能な方向に回動する。なお、搬送ユニット４には、シートを搬送ベルト４１に吸着させるべく、搬送ベルト４１に形成された多数の貫通孔から吸気を行う吸引ユニット（不図示）なども設けられている。

画像読取部５は、シート搬送路Ｒ１における画像形成部３による画像形成位置Ｐ１１〜Ｐ１４よりも搬送方向Ｄ１の下流側の読取位置Ｐ１５（図１参照）でシートの画像を読み取る。図１及び図３に示されるように、画像読取部５は、撮像部５１、及びＡＦＥ（アナログフロントエンド）回路５２を備える。

図１に示されるように、撮像部５１は、読取位置Ｐ１５においてシート搬送路Ｒ１を搬送されるシートに対向して設けられる。撮像部５１は、読取位置Ｐ１５を通過するシートから、幅方向Ｄ４と同方向の主走査方向に沿った１ライン分の画像データを読み取ることが可能である。例えば、撮像部５１は、発光部及び受光部を備えるＣＩＳ（コンタクトイメージセンサー）などのイメージセンサーである。前記発光部は、読取位置Ｐ１５へ向けて前記主走査方向に沿った１ラインの光を射出する。前記受光部は、前記発光部から射出されて読取位置Ｐ１５を通過するシートで反射された光を受光可能に設けられ、受光量に応じたＲ（赤）、Ｇ（緑）、Ｂ（青）各色のアナログの電気信号を出力する。

ＡＦＥ回路５２は、撮像部５１の前記受光部から出力される各色のアナログの電気信号をデジタルの電気信号（画像データ）に変換する電子回路である。例えば、ＡＦＥ回路５２は、撮像部５１の前記受光部から出力された電気信号を、画素各々の色がＲＧＢで表現された画像データに変換する。ＡＦＥ回路５２は、変換後のカラー画像データを制御部８に出力する。

操作表示部６は、制御部８からの制御指示に応じて各種の情報を表示する液晶ディスプレーなどの表示部、及びユーザーの操作に応じて制御部８に各種の情報を入力する操作キー又はタッチパネルなどの操作部を有する。

記憶部７は、不揮発性の記憶装置である。例えば、記憶部７は、フラッシュメモリー、及びＥＥＰＲＯＭ（登録商標）などの不揮発性メモリ、ＳＳＤ（ソリッドステートドライブ）、並びにＨＤＤ（ハードディスクドライブ）などの記憶装置である。

制御部８は、ＣＰＵ８Ａ、ＲＯＭ８Ｂ、及びＲＡＭ８Ｃなどの制御機器を備える。ＣＰＵ８Ａは、各種の演算処理を実行するプロセッサーである。ＲＯＭ８Ｂは、ＣＰＵ８Ａに各種の処理を実行させるための制御プログラムなどの情報が予め記憶される不揮発性の記憶装置である。ＲＡＭ８Ｃは、ＣＰＵ８Ａが実行する各種の処理の一時記憶メモリー（作業領域）として使用される揮発性の記憶装置である。制御部８では、ＣＰＵ８ＡによりＲＯＭ８Ｂに予め記憶された各種の制御プログラムが実行される。これにより、画像形成装置１０Ａが制御部８により統括的に制御される。なお、制御部８は、集積回路（ＡＳＩＣ）などの電子回路で構成されたものであってもよく、画像形成装置１０Ａを統括的に制御するメイン制御部とは別に設けられた制御部であってもよい。

ところで、画像形成装置１０Ａでは、シートに文字画像及び図形画像のような線画像が形成された場合に、当該シートに形成された前記線画像のエッジが滲むことがある。これに対し、媒体に線状のテストパターンを形成して、当該媒体に形成された前記テストパターンのがたつき度合いに基づいて、当該媒体に施される前処理の処理条件を設定可能な印刷装置が関連技術として知られている。

上述の関連技術に基づいて、シートに前記テストパターンを形成して、当該シートに形成された前記テストパターンのエッジの滲み具合に基づいて、当該シートへのインクの吐出量を調整する構成が考えられる。しかしながら、シートに形成される前記線画像のエッジの滲み具合は、当該線画像の太さによって異なる。即ち、シートに形成される前記線画像の幅が太くなると、当該線画像の幅方向に並ぶドット（画素）の数が多くなり、その分ドット同士が重なり合う領域、つまりインクの付着量が多い領域の数も多くなる。これにより、インクが前記線画像の幅方向に広がりやすくなる。そのため、前記テストパターンがシートに形成される前記線画像の太さとは無関係に定められる場合には、当該線画像のエッジの滲みを効果的に抑制することができない。

これに対し、本発明の第１実施形態に係る画像形成装置１０Ａでは、以下に説明するように、シートに形成される前記線画像のエッジの滲みを抑制可能である。

具体的に、画像形成装置１０ＡのＲＯＭ８Ｂには、制御部８のＣＰＵ８Ａに後述の第１吐出量調整処理（図４のフローチャート参照）を実行させるための第１吐出量調整プログラムが予め記憶されている。なお、前記第１吐出量調整プログラムは、ＣＤ、ＤＶＤ、フラッシュメモリーなどのコンピューター読み取り可能な記録媒体に記録されており、前記記録媒体から読み取られて記憶部７にインストールされてもよい。

そして、制御部８は、図３に示されるように、第１印刷処理部８１（本発明における第１プリント処理部の一例）、第１情報取得部８２、第２印刷処理部８３（本発明における第２プリント処理部の一例）、第２情報取得部８４、及び吐出量調整部８５を含む。具体的に、制御部８は、ＣＰＵ８Ａを用いてＲＯＭ８Ｂに記憶されている前記第１吐出量調整プログラムを実行する。これにより、制御部８は、第１印刷処理部８１、第１情報取得部８２、第２印刷処理部８３、第２情報取得部８４、及び吐出量調整部８５として機能する。

第１印刷処理部８１は、ラインヘッド３１〜３４を用いて、印刷対象シート（本発明におけるプリント対象シートの一例）に印刷対象データ（本発明におけるプリント対象データの一例）に基づく画像を形成する第１印刷処理（本発明におけるプリント処理の一例）を実行する。

具体的に、第１印刷処理部８１は、操作表示部６におけるユーザーの操作によって前記第１印刷処理の実行指示が入力された場合に、前記第１印刷処理を実行する。また、第１印刷処理部８１は、外部の情報処理装置から前記第１印刷処理の実行指示が入力された場合に、前記第１印刷処理を実行する。

第１情報取得部８２は、第１印刷処理部８１によって前記第１印刷処理が実行される場合に、前記印刷対象データに含まれる画像における線の太さ（線幅）を示す太さ情報を取得する。

例えば、第１情報取得部８２は、前記印刷対象データが文書データである場合は、当該文書データに含まれる当該文書データの文字のフォントに関するフォント情報に基づいて、前記太さ情報を取得する。具体的に、第１情報取得部８２は、前記フォント情報に含まれるフォント種類情報、フォントサイズ情報、フォント太さ情報、及び文字が太字か否かを示す情報のうち複数の情報に基づいて、前記太さ情報を取得する。

例えば、記憶部７には、前記フォント情報に含まれる複数の情報の組み合わせと前記太さ情報とが対応付けられた第１テーブルデータが予め格納されている。第１情報取得部８２は、記憶部７に格納された前記第１テーブルデータを参照することで、前記フォント情報に対応する前記太さ情報を取得することが可能である。

また、第１情報取得部８２は、前記印刷対象データが図形データである場合は、当該図形データをビットマップ画像に変換して、変換後のビットマップ画像に含まれる線を構成する画素の数に基づいて、前記太さ情報を取得する。

また、第１情報取得部８２は、前記印刷対象データが色の異なる複数の前記線画像を含む場合は、前記印刷対象データに含まれる画像の色ごとに前記太さ情報を取得する。

なお、第１情報取得部８２は、前記印刷対象データが線の太さの異なる複数の前記線画像を含む場合は、当該線の太さの異なる複数の前記線画像に対応する複数の前記太さ情報を取得してもよい。

また、第１情報取得部８２は、文書データをビットマップ画像に変換して、変換後のビットマップ画像に含まれる線を構成する画素の数に基づいて、前記太さ情報を取得してもよい。また、第１情報取得部８２は、図形データが当該図形データに含まれる線の太さに関する情報を有する場合は、当該情報に基づいて前記太さ情報を取得してもよい。

第２印刷処理部８３は、ラインヘッド３１〜３４を用いて、シートに一又は互いに太さの異なる複数の線を含む検査用画像を形成する第２印刷処理を実行する。

具体的に、第２印刷処理部８３は、第１印刷処理部８１によって前記第１印刷処理が実行されるごとに、前記印刷対象シートに第１情報取得部８２によって取得される前記太さ情報に対応する太さの線を含む前記検査用画像を形成する前記第２印刷処理を実行する。

例えば、前記第２印刷処理では、第１情報取得部８２によって複数の色に対応する複数の前記太さ情報が取得された場合に、当該複数の太さ情報に対応しており、それぞれの色がその線に対応する前記太さ情報の色と同色の複数の線を含む前記検査用画像が印刷される。

なお、前記第２印刷処理では、第１情報取得部８２によって同じ色に対応する複数の前記太さ情報が取得された場合に、当該複数の太さ情報に対応しており、当該色と同色の複数の線を含む前記検査用画像が印刷されてもよい。

第２情報取得部８４は、第１情報取得部８２によって取得された前記太さ情報に対応するインクの拡散性を示す拡散性情報を取得する。

具体的に、第２情報取得部８４は、前記第２印刷処理で前記印刷対象シートに形成された前記検査用画像に基づいて、前記拡散性情報を取得する。

例えば、制御部８は、第２印刷処理部８３によって前記第２印刷処理が実行される場合に、画像読取部５を用いて当該第２印刷処理によって前記印刷対象シートに形成された前記検査用画像を読み取る。そして、第２情報取得部８４は、制御部８によって読み取られた前記検査用画像に基づいて、前記拡散性情報を取得する。

ここで、前記拡散性情報は、シートにおけるインクの拡散し易さを示す情報である。例えば、前記拡散性情報は、第１情報取得部８２によって取得された前記太さ情報が示す線幅に対する、前記検査用画像に含まれる当該太さ情報に対応する線の線幅の比率を示す情報である。当該比率が１を超える場合は、シートに形成された線のエッジに滲みが生じていることになる。なお、前記拡散性情報は、第１情報取得部８２によって取得された前記太さ情報が示す線幅と、前記検査用画像に含まれる当該太さ情報に対応する線の線幅との差を示す情報であってもよい。

また、第２情報取得部８４は、前記印刷対象データが色の異なる複数の前記線画像を含む場合は、前記印刷対象データに含まれる画像の色ごとに、前記拡散性情報を取得する。

なお、第２情報取得部８４は、前記印刷対象データが線の太さの異なる複数の前記線画像を含む場合は、当該線の太さの異なる複数の前記線画像に対応する複数の前記拡散性情報を取得してもよい。

吐出量調整部８５は、第２情報取得部８４によって取得された前記拡散性情報に基づいて、前記第１印刷処理におけるノズル３０Ａからの一回当たりのインクの吐出量を調整する。換言すると、吐出量調整部８５は、１ドットの形成に用いられるインク量を調整する。

具体的に、吐出量調整部８５は、前記印刷対象データに含まれる画像の色ごとの前記拡散性情報に基づいて、当該色に対応する一又は複数のラインヘッドからのインクの吐出量を調整する。

例えば、吐出量調整部８５は、前記拡散性情報が１を超える場合は、前記圧電素子に印加される前記駆動電圧を低下させることで、調整対象のラインヘッドのノズル３０Ａからの一回当たりのインクの吐出量を減少させる。また、吐出量調整部８５は、前記拡散性情報が１未満である場合は、前記圧電素子に印加される前記駆動電圧を上昇させることで、調整対象のラインヘッドのノズル３０Ａからの一回当たりのインクの吐出量を増加させる。

なお、吐出量調整部８５は、前記加圧室内のインクの温度を調整することで、調整対象のラインヘッドのノズル３０Ａからの一回当たりのインクの吐出量を増減させてもよい。

また、吐出量調整部８５は、前記印刷対象データが線の太さの異なる複数の画像を含む場合は、当該複数の画像のそれぞれが印刷されるタイミングで、当該画像に対応する前記拡散性情報に基づいてインクの吐出量を調整してもよい。

［第１吐出量調整処理］
以下、図４を参照しつつ、画像形成装置１０Ａにおいて制御部８により実行される第１吐出量調整処理の手順の一例について説明する。ここで、ステップＳ１１、Ｓ１２・・・は、制御部８により実行される処理手順（ステップ）の番号を表している。なお、前記第１吐出量調整処理は、前記第１印刷処理の実行指示が入力された場合に実行される。

＜ステップＳ１１＞
まず、ステップＳ１１において、制御部８は、前記印刷対象データに含まれる画像における線の太さ（線幅）を示す前記太さ情報を取得する。ここで、ステップＳ１１の処理は、制御部８の第１情報取得部８２により実行される。

＜ステップＳ１２＞
ステップＳ１２において、制御部８は、ラインヘッド３１〜３４を用いて、前記印刷対象シートにステップＳ１１で取得された前記太さ情報に対応する太さの線を含む前記検査用画像を形成する前記第２印刷処理を実行する。ここで、ステップＳ１２の処理は、制御部８の第２印刷処理部８３により実行される。

＜ステップＳ１３＞
ステップＳ１３において、制御部８は、画像読取部５を用いて、ステップＳ１２で実行された前記第２印刷処理によって前記印刷対象シートに形成された前記検査用画像を読み取る読取処理を実行する。

＜ステップＳ１４＞
ステップＳ１４において、制御部８は、ステップＳ１３で読み取られた前記検査用画像に基づいて、前記拡散性情報を取得する。ここで、ステップＳ１４の処理は、制御部８の第２情報取得部８４により実行される。

＜ステップＳ１５＞
ステップＳ１５において、制御部８は、ステップＳ１４で取得された前記拡散性情報に基づいて、ステップＳ１６で実行される前記第１印刷処理におけるノズル３０Ａからの一回当たりのインクの吐出量を調整する。ここで、ステップＳ１５の処理は、制御部８の吐出量調整部８５により実行される。

＜ステップＳ１６＞
ステップＳ１６において、制御部８は、ラインヘッド３１〜３４を用いて、前記印刷対象シートに前記印刷対象データに基づく画像を形成する前記第１印刷処理を実行する。ここで、ステップＳ１６の処理は、制御部８の第１印刷処理部８１により実行される。

このように、画像形成装置１０Ａでは、前記印刷対象データに含まれる画像における線の太さと同じ太さの線を含む前記検査用画像が形成されて、当該検査用画像から前記拡散性情報が取得される。そして、取得された前記拡散性情報に基づいて、前記第１印刷処理におけるノズル３０Ａからの一回当たりのインクの吐出量が調整される。これにより、前記印刷対象シートに形成される前記線画像のエッジの滲みを抑制することが可能である。

なお、ステップＳ１２、及びステップＳ１３の処理は省略されてもよい。この場合、第２印刷処理部８３は、予め定められたタイミングが到来するごとに、シートに互いに太さ及び色のいずれか一方又は両方が異なる複数の線を含む前記検査用画像を形成する前記第２印刷処理を実行してよい。また、制御部８は、当該第２印刷処理が実行される場合に、画像読取部５を用いて当該第２印刷処理によってシートに形成された前記検査用画像を読み取り、読取結果を記憶部７に格納してよい。また、第２情報取得部８４は、記憶部７に格納された前記読取結果に基づいて、前記拡散性情報を取得してよい。なお、前記タイミングは、画像形成装置１０Ａの電源投入時、予め定められた時刻又は日付を起算点とする予め定められた周期の到来時などのタイミングである。

また、制御部８は、画像形成装置１０Ａと通信可能に接続された外部の画像読取装置を用いて、シートに形成された前記検査用画像を読み取ってもよい。この場合、画像形成装置１０Ａは、画像読取部５を備えていなくてもよい。

［第２実施形態］
次に、図５及び図６を参照しつつ、本発明の第２実施形態に係る画像形成装置１０Ｂの構成について説明する。

画像形成装置１０Ｂは、図５に示されるように、制御部８の構成が異なる点を除けば、画像形成装置１０Ａと同じ構成を備える。以下、画像形成装置１０Ｂが備える制御部８について説明する。

画像形成装置１０Ｂの制御部８は、図５に示されるように、第１印刷処理部８１、第１情報取得部８２、第３情報取得部８６、第２情報取得部８７、及び吐出量調整部８５を含む。具体的に、画像形成装置１０ＢのＲＯＭ８Ｂには、制御部８のＣＰＵ８Ａに後述の第２吐出量調整処理（図６のフローチャート参照）を実行させるための第２吐出量調整プログラムが予め記憶されている。そして、制御部８は、ＣＰＵ８Ａを用いてＲＯＭ８Ｂに記憶されている前記第２吐出量調整プログラムを実行する。これにより、制御部８は、第１印刷処理部８１、第１情報取得部８２、第３情報取得部８６、第２情報取得部８７、及び吐出量調整部８５として機能する。

なお、第１印刷処理部８１、第１情報取得部８２、及び吐出量調整部８５の構成は、画像形成装置１０Ａと同じであるため、その説明を省略する。

第３情報取得部８６は、第１印刷処理部８１によって前記第１印刷処理が実行される場合に、前記印刷対象シートのシート種類を示す種類情報を取得する。

例えば、画像形成装置１０Ｂでは、操作表示部６におけるユーザーの操作によって、給紙カセット１１に収容されるシートの種類が予め登録されている。具体的に、画像形成装置１０Ｂでは、登録されたシートの種類を示す登録情報が記憶部７に格納されている。第３情報取得部８６は、記憶部７に格納されている前記登録情報を前記種類情報として取得することが可能である。

なお、第３情報取得部８６は、前記第１印刷処理の実行指示が入力される場合に、操作表示部６又は外部の情報処理装置の表示部に前記種類情報の入力に用いられる入力画面を表示させて、当該入力画面で入力された情報を前記種類情報として取得してもよい。

第２情報取得部８７は、第１情報取得部８２によって取得された前記太さ情報、及び第３情報取得部８６によって取得された前記種類情報の両方に対応する前記拡散性情報を取得する。

具体的に、第２情報取得部８７は、前記印刷対象データが色の異なる複数の前記線画像を含む場合は、第１情報取得部８２によって取得された前記太さ情報、当該太さ情報に対応する色、及び第３情報取得部８６によって取得された前記種類情報の全てに対応する前記拡散性情報を取得する。

例えば、画像形成装置１０Ｂでは、線の太さ、線の色、及びシートの種類の組み合わせと前記拡散性情報とが対応付けられた第２テーブルデータが予め記憶部７に格納されている。第２情報取得部８７は、前記第２テーブルデータを参照することで、第１情報取得部８２によって取得された前記太さ情報、当該太さ情報に対応する色、及び第３情報取得部８６によって取得された前記種類情報の全てに対応する前記拡散性情報を取得可能である。

［第２吐出量調整処理］
以下、図６を参照しつつ、画像形成装置１０Ｂにおいて制御部８により実行される第２吐出量調整処理の手順の一例について説明する。

なお、前記第２吐出量調整処理は、ステップＳ１２〜ステップＳ１４の処理に替えて、ステップＳ１７、及びステップＳ１８の処理が実行される点を除けば、前記第１吐出量調整処理と同じ処理内容を有する。以下、前記第１吐出量調整処理とは異なる点についてのみ説明を行う。

＜ステップＳ１７＞
ステップＳ１７において、制御部８は、前記種類情報を取得する。ここで、ステップＳ１７の処理は、制御部８の第３情報取得部８６により実行される。

＜ステップＳ１８＞
ステップＳ１８において、制御部８は、ステップＳ１１で取得された前記太さ情報、及びステップＳ１７で取得された前記種類情報に基づいて、前記拡散性情報を取得する。ここで、ステップＳ１８の処理は、制御部８の第２情報取得部８７により実行される。

このように、画像形成装置１０Ｂでは、記憶部７に格納された前記第２テーブルデータが参照されて、前記印刷対象データに含まれる画像における線の太さ、及び前記印刷対象シートの種類に対応する前記拡散性情報が取得される。そして、取得された前記拡散性情報に基づいて、前記第１印刷処理におけるノズル３０Ａからの一回当たりのインクの吐出量が調整される。これにより、前記印刷対象シートに形成される前記線画像のエッジの滲みを抑制することが可能である。

なお、前記第２テーブルデータは、高温高湿、低温低湿のような温度条件及び湿度条件の組み合わせから成る環境条件ごとに複数用意されていてもよい。この場合、第２情報取得部８７は、筐体１内の温湿度に基づいて、参照対象の前記第２テーブルデータを特定すればよい。

また、前記第２テーブルデータに替えて、線の太さ、及び線の色の組み合わせと前記拡散性情報とが対応付けられた第３テーブルデータが記憶部７に格納されていてもよい。この場合、制御部８は、第３情報取得部８６を含んでいなくてもよい。また、第２情報取得部８７は、前記第３テーブルデータを参照して、第１情報取得部８２によって取得された前記太さ情報に対応する前記拡散性情報を取得すればよい。

１ 筐体
２ シート搬送部
３ 画像形成部
４ 搬送ユニット
５ 画像読取部
６ 操作表示部
７ 記憶部
８ 制御部
１０Ａ 画像形成装置
１０Ｂ 画像形成装置
８１ 第１印刷処理部
８２ 第１情報取得部
８３ 第２印刷処理部
８４ 第２情報取得部
８５ 吐出量調整部
８６ 第３情報取得部
８７ 第２情報取得部

Claims (7)

1. インクを吐出する複数のノズルを有する吐出部と、
   前記吐出部を用いて、プリント対象シートにプリント対象データに基づく画像を形成するプリント処理を実行する第１プリント処理部と、
   前記プリント対象データに含まれる画像における線の太さを示す太さ情報を取得する第１情報取得部と、
   前記第１情報取得部によって取得された前記太さ情報に対応するインクの拡散性を示す拡散性情報を取得する第２情報取得部と、
   前記第２情報取得部によって取得された前記拡散性情報に基づいて、前記プリント処理における前記ノズルからの一回当たりのインクの吐出量を調整する吐出量調整部と、
   を備える画像形成装置。
2. 前記吐出部を用いて、シートに一又は互いに太さの異なる複数の線を含む検査用画像を形成する第２プリント処理部を備え、
   前記第２情報取得部は、シートから画像を読み取る画像読取部によって読み取られる前記検査用画像に基づいて前記拡散性情報を取得する、
   請求項１に記載の画像形成装置。
3. 前記第２プリント処理部は、前記プリント処理が実行されるごとに前記第１情報取得部によって取得される前記太さ情報に対応する太さの線を含む前記検査用画像を形成する、
   請求項２に記載の画像形成装置。
4. 前記吐出部によるインクの吐出位置を経由するシートの搬送経路における当該吐出位置よりも前記シートの搬送方向の下流側でシートから画像を読み取る前記画像読取部を備える、
   請求項２又は３に記載の画像形成装置。
5. 前記プリント対象シートのシート種類を示す種類情報を取得する第３情報取得部を備え、
   前記第２情報取得部は、前記第１情報取得部によって取得された前記太さ情報及び前記第３情報取得部によって取得された前記種類情報の両方に対応する前記拡散性情報を取得する、
   請求項１に記載の画像形成装置。
6. 複数のインク色に対応する複数の前記吐出部を備え、
   前記第１情報取得部は、前記プリント対象データに含まれる画像の色ごとに前記太さ情報を取得し、
   前記第２情報取得部は、前記プリント対象データに含まれる画像の色ごとに前記拡散性情報を取得し、
   前記吐出量調整部は、前記プリント対象データに含まれる画像の色ごとの前記拡散性情報に基づいて、当該色に対応する一又は複数の前記吐出部からのインクの吐出量を調整する、
   請求項１〜５のいずれかに記載の画像形成装置。
7. インクを吐出する複数のノズルを有する吐出部を備える画像形成装置で実行される画像形成方法であって、
   前記吐出部を用いて、プリント対象シートにプリント対象データに基づく画像を形成するプリント処理を実行することと、
   前記プリント対象データに含まれる画像における線の太さを示す太さ情報を取得することと、
   取得された前記太さ情報に対応するインクの拡散性を示す拡散性情報を取得することと、
   取得された前記拡散性情報に基づいて、前記プリント処理における前記ノズルからの一回当たりのインクの吐出量を調整することと、
   を含む画像形成方法。