JP2020536098A - グリシン脳症を治療するためのベンゾエート含有組成物の使用 - Google Patents

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Abstract

本発明は、グリシン脳症の進行を阻害するために有用な医薬組成物及び製剤に関する。医薬組成物及び製剤は、グリセリルトリベンゾエートを含んでよい。医薬組成物及び製剤は、グリセリルジベンゾエートを含んでよい。医薬組成物及び製剤は、患者に経口投与されてよい。【選択図】なし

Description

1.本発明の技術分野
本発明は、一般に疾患及び障害の治療に有用な医薬組成物及び/又は製剤に関する。より具体的には、本発明は、グリセリルトリベンゾエート及び/又はグリセリルジベンゾエートを含む、グリシン脳症の治療のための医薬組成物及び/又は製剤に関する。
2.関連技術の説明
ニッケイの茶色の樹皮であるシナモンは、デザート、キャンディ、チョコレート等に一般的に用いられる香辛料及び調味料である。それにはまた、薬として用いられてきた長い歴史がある。中世の医師は、関節炎、咳嗽、嗄声、咽頭炎等を含む種々の障害を治療するために、薬にシナモンを用いた。シナモンは、マンガン、食物繊維、鉄、及びカルシウムを含有することに加えて、3つの主要な化合物、シンナムアルデヒド、シンナミルアセテート及びシンナミルアルコールを含有する。摂取後、これらの3つの活性化合物は、酸化及び加水分解によって、それぞれケイ皮酸に変換される。次いで、ケイ皮酸は肝臓でβ酸化されてベンゾエートになる。このベンゾエートは、ナトリウム塩(安息香酸ナトリウム)又はベンゾイル-CoAとして存在する。
安息香酸ナトリウムは、その抗微生物性のために、広く用いられている食物防腐剤である。それは、尿素サイクル障害のような高アンモニア血症と関連した、肝代謝異常の治療に用いられる食品医薬品局(FDA)認可の薬物であるUcephan(商標)の成分として、医学的な重要性も持つ。本発明者は、雌のSJL/Jマウスにおいて再発寛解型EAEの疾患過程を治療する際の、安息香酸ナトリウムの新規の使用を模索した(Brahmachari及びPahan、「Sodium benzoate, a food additive and a metabolite of cinnamon, modifies T cells at multiple steps and inhibits adoptive transfer of experimental allergic encephalomyelitis」、J. lmmunol.、2007、7月1日、179(1):275-83、を参照されたい。その全内容は、参照によって本出願に明白に組み入れられる)。
本発明者は、安息香酸ナトリウムが、マウスにおいて多発性硬化症(MS)の疾患過程を抑制することも発見した。本発明者は、安息香酸ナトリウムが、パーキンソン病(PD)及びアルツハイマー病(AD)のような神経変性障害と関連がある有益な神経保護タンパク質であるDJ-1と呼ばれるタンパク質を、上方制御するということも発見した。(Khasnavis及びPahan「Sodium Benzoate, a Metabolite of Cinnamon and a Food Additive, Upregulates Neuroprotective Parkinson Disease Protein DJ-1 in Astrocytes and Neurons」、Journal of Neuroimmune Pharmacology、2012年6月、7巻、2号、424〜435頁、を参照されたい。その全内容は、参照によって本出願に明白に組み入れられる)。
さらに、脳由来神経栄養因子(BDNF)及びニューロトロフィン-3(NT-3)のような神経栄養因子のレベルが、AD及びPDのような異なる神経変性障害の患者の脳で減少することがわかっている。近年では、本発明者は、安息香酸ナトリウムが脳細胞でBDNF及びNT-3の産生を増加させることを詳細に報告し、それが神経変性障害に有益であり得ることを示した、(Janaら、「Up-regulation of neurotrophic factors by cinnamon and its metabolite sodium benzoate: therapeutic implications for neurodegenerative disorders」、J. Neuroimmune Pharmacol.、2013年6月、8(3):739-55、を参照されたい。その全内容は、参照によって本出願に明白に組み入れられる)。
しかし、安息香酸ナトリウムは速やかに代謝されて、体から排出される。したがって、血流から有毒なアンモニアを、継続的に確実に除去するために、少なくとも尿素サイクル障害に関連して、安息香酸ナトリウムは、通常1日につき3〜4回投与される。
J. lmmunol.、2007、7月1日、179(1):275-83 Journal of Neuroimmune Pharmacology、2012年6月、7巻、2号、424〜435頁 J. Neuroimmune Pharmacol.、2013年6月、8(3):739-55
本発明は、グリシン脳症の治療のための組成物及び方法に関する。一態様では、グリシン脳症の進行を阻害する方法が開示される。この方法は、グリセリルトリベンゾエート及び/又はグリセリルジベンゾエートを含む有効量の医薬組成物を、それを必要とする患者に投与することを含む。
本発明は、医薬、医薬組成物及び/又は製剤の製造にも関する。一態様では、本発明は、グリシン脳症の治療のための医薬、医薬組成物及び/又は製剤の製造用のグリセリルトリベンゾエート及び/又はグリセリルジベンゾエート化合物の使用に関する。
さらなる実施形態において、本発明は、グリシン脳症の進行を阻害するための製剤を使用する方法にも関する。この方法は、有効量の製剤をそれを必要とする患者に投与することを含み、該製剤は、約1グラム/1mlのグリセリルトリベンゾエートを含む。
あとに続く詳細な説明がよりよく理解されるように、前述では、むしろ概括的に本発明の特徴及び技術的利点を概説した。本発明のさらなる特徴及び利点は、本出願の特許請求の範囲の主題を構成する以下に記載される。開示された概念及び特定の実施形態が、本発明の同一の目的を実行するための他の実施形態を修正する又は設計するための基準として容易に利用され得ることは、当業者によって理解されるべきである。このような同等の実施形態が、添付の特許請求の範囲に記載したように、本発明の精神及び範囲から逸脱しないことも当業者によって理解されなければならない。
種々の実施形態は、下に記載される。実施形態の種々の要素の関係及び機能は、以下の詳細な説明を参照することによって、よりよく理解され得る。しかし、実施形態は、本明細書で明白に開示されたものに限定されない。ある特定の場合において、本明細書で開示された実施形態の理解のために、必須ではない細部が省略されている場合があることを理解すべきである。
安息香酸ナトリウムは、特定の疾患又は障害の治療に有用であり得るが、速やかに代謝されて体から排出される。したがって、本発明者は、投与計画を減らし、患者の服薬遵守を改善することができる、安息香酸ナトリウムの持続放出及び徐放性の形態を発見した。
本発明は、医薬組成物の1日1回の投与だけを必要とするグリシン脳症のための治療を提供する。一部の態様では、グリシン脳症のための治療は、医薬組成物の1日2回の投与を含んでよい。ある特定の態様では、本明細書で開示された医薬組成物(及び/又は製剤)は、グリセリルトリベンゾエート(別名トリベンゾイン)を含む。他の態様では、本明細書で開示された医薬組成物(及び/又は製剤)は、グリセリルジベンゾエートを含む。一部の態様では、本明細書で開示された医薬組成物(及び/又は製剤)は、グリセリルトリベンゾエート及びグリセリルジベンゾエートの両方を含む。
グリセリルジベンゾエート及びグリセリルトリベンゾエートは、これらの分子が種々のリパーゼによって腸で切断されるので、体内で安息香酸ナトリウムをゆっくりと生ずる。したがって、グリセリルジベンゾエート及びグリセリルトリベンゾエートは安息香酸ナトリウムと比較して、非常に改善された治療有効性を示すと仮定される。
一部の実施形態では、グリシン脳症の進行を阻害するための治療が開示される。グリシン脳症では、体内のグリシンのレベルが上昇する。グリシンのレベルの上昇は、多数の有害な状態を引き起こす。グリシンは、ベンゾエートと反応して馬尿酸を形成することが知られている。その後、馬尿酸は尿を通して排泄され得る。
安息香酸ナトリウムはグリシン脳症の現在の唯一の治療法であるが、体から非常に速やかに排出されるため、患者は高用量の化合物で頻繁に(1日数回)治療する必要がある。例えば、乳児は約6時間ごとに約2.8グラム/日の用量で治療する必要があり得る。そのような高用量のために、治療を受けている患者はしばしば眠くなり、他の問題を経験している。
しかし、本発明者は、グリセリルトリベンゾエート及び/又はグリセリルジベンゾエート化合物は、これらの化合物はベンゾエートを放出するためにリパーゼによって切断される必要があるため、安息香酸ナトリウムの徐放性製剤として働くことができることを発見した。
本明細書において考えられる一部の治療は、グリセリルトリベンゾエート及び/又はグリセリルジベンゾエートを含む有効量の医薬組成物を、それを必要とする患者に投与することを含む。本発明に従って、治療は1日1回実施されてよい。一部の態様では、治療は1日2回の実施を含んでよい。
本発明によって考えられる治療方法では、グリセリルトリベンゾエート及び/又はグリセリルジベンゾエートが、単独で又は薬学的に許容される担体若しくは賦形剤と共に組成物で用いられてもよい。本明細書において、「薬学的に許容される担体」という用語は、無毒性、不活性の固体、半固体若しくは液体充填剤、希釈剤、封入材料、又は任意のタイプの製剤補助剤を意味する。薬学的に許容される担体の役割を果たすことができる材料のいくつかの例は、ラクトース、グルコース及びスクロースのような糖;コーンスターチ及びジャガイモデンプンのようなデンプン;カルボキシメチルセルロースナトリウム、エチルセルロース及びセルロースアセテートのようなセルロース及びその誘導体;粉末状トラガカンタ;モルト;ゼラチン;タルク;カカオバター及び坐薬ワックスのような賦形剤、ピーナッツ油、綿実油、サフラワー油、ゴマ油、オリーブ油、トウモロコシ油及びダイズ油のような油;プロピレングリコールのようなグリコール;エチルオレエート及びエチルラウレートのようなエステル;寒天;水酸化マグネシウム及び水酸化アルミニウムのような緩衝剤;アルギン酸;パイロジェンフリー水;等張生理食塩水;リンゲル液であり、エチルアルコール、及びリン酸緩衝液、並びにラウリル硫酸ナトリウム及びステアリン酸マグネシウムのような他の無毒性相溶性滑沢剤、並びに着色料、解除剤、コーティング剤、甘味料、香料及び芳香剤、防腐剤、及び酸化防止剤も、配合者の判断によって組成物中に存在することもできる。他の適した薬学的に許容される賦形剤は、「Remington's Pharmaceutical Sciences」、Mack Pub. Co.、New Jersey、1991、に記載され、その内容は、参照によって本明細書に明白に組み入れられる。
ある特定の実施形態では、グリセリルトリベンゾエート及び/又はグリセリルジベンゾエートは、ヒト及び他の動物に経口投与される場合がある。グリセリルトリベンゾエート及び/又はグリセリルジベンゾエートは、投与のために製剤化されてよく、製剤の方法は当技術分野では周知である(例えば、Remington: The Science and Practice of Pharmacy、Mack Publishing Company、Easton、Pa.、第19版 (1995)を参照されたい)。
本明細書に開示される任意の製剤は、グリシン脳症の進行を治療する/阻害するために使用することができる。一部の実施形態では、本発明は、グリシン脳症の進行を阻害するための製剤を使用する方法に関する。この方法は、有効量の製剤をそれを必要とする患者に投与することを含む。一部の実施形態では、製剤は、1グラム/1mlのグリセリルトリベンゾエートを含む。一部の実施形態では、製剤は、グリセリルトリベンゾエートに代えて、又はそれに加えて、グリセリルジベンゾエートを含んでいてもよい。
一部の実施形態では、製剤は持続放出製剤であってよく、これは、それらが長期間にわたって徐々にグリセリルトリベンゾエート(及び/又はグリセリルジベンゾエート)を放出することを意味する。他の実施形態では、製剤は遅延放出製剤であってよく、これは、それらがその投与直後の時間より遅い時間にグリセリルトリベンゾエート(及び/又はグリセリルジベンゾエート)を放出することを意味する。
一部の実施形態では、製剤は患者に経口投与される。一部の実施形態では、1日の総用量を、2回又は3回の実質的に等しい用量等の複数回用量に分け、一日を通して異なる回数で投与することができる。一部の実施形態では、50kgの患者に基づいた場合、1日あたり約1.25グラム〜約15グラムのグリセリルトリベンゾエートを患者に投与することができる。
本発明に従う使用のための医薬組成物は、滅菌の、非発熱性溶液又は懸濁液、コーティングされたカプセル、凍結乾燥された粉末の形態で、又は当技術分野で公知の他の形態である可能性がある。
経口投与のための固体剤形は、カプセル剤、錠剤、丸剤、散剤及び顆粒剤を含む。このような固体剤形では、活性化合物は、少なくとも1種の不活性な、薬学的に許容される賦形剤又は担体、例えばクエン酸ナトリウム又はリン酸二カルシウム、並びに/又はa)充填剤又は増量剤、例えばデンプン、ラクトース、スクロース、グルコース、マンニトール及びケイ酸、b)結合剤、例えばカルボキシメチルセルロース、アルギン酸塩、ゼラチン、ポリビニルピロリジノン、スクロース及びアカシア、c)保湿剤、例えばグリセリン、d)崩壊剤、例えば寒天、炭酸カルシウム、ジャガイモ若しくはタピオカデンプン、アルギン酸、ある特定のケイ酸塩、及び炭酸ナトリウム、e)溶解遅延剤、例えばパラフィン、f)吸収促進剤、例えば第四級アンモニウム化合物、g)湿潤剤、例えばアセチルアルコール及びグリセロールモノステアレート、h)吸収剤、例えばカオリン及びベントナイト粘土、並びにi)滑沢剤、例えばタルク、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、固体のポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウム及びそれらの混合物、と混合される。カプセル剤、錠剤及び丸剤の場合、剤形は緩衝剤も含んでよい。
類似したタイプの固体組成物は、ラクトース又は乳糖並びに高分子量ポリエチレングリコールなどの賦形剤を用いた軟及び硬ゼラチンカプセルの充填剤として用いられてもよい。
錠剤、糖衣錠、カプセル剤、丸剤、及び顆粒剤の固体剤形は、腸溶性コーティング及び医薬製剤技術分野で周知の他のコーティングのような、コーティング及びシェルで調製することができる。それらは場合によって不透明剤を含有してよく、活性成分(複数可)だけを、又は優先して腸管のある特定の部分で、場合によって遅効性の方法で放出する組成物でもあり得る。使用することができる埋封組成物の例は、ポリマー物質及びワックスを含む。
活性化合物は、上記のように1種以上の賦形剤と共にマイクロカプセルに入れた形状にすることもできる。錠剤、糖衣錠、カプセル剤、丸剤、及び顆粒剤の固体剤形は、腸溶性コーティング、放出調節コーティング及び医薬製剤技術分野で周知の他のコーティングのような、コーティング及びシェルで調製することができる。このような固体剤形では、活性化合物は、少なくとも1種の、スクロース、ラクトース又はデンプンのような不活性な希釈剤と混合されてよい。このような剤形は、通常の慣行であるように、不活性な希釈剤以外の追加の物質、例えば、錠剤化における滑沢剤並びにステアリン酸マグネシウム及び微結晶性セルロースのような他の錠剤化における補助剤も含んでよい。カプセル剤、錠剤及び丸剤の場合、剤形は緩衝剤も含んでよい。それらは場合によって不透明剤を含有してよく、活性成分(複数可)だけを、又は優先して腸管のある特定の部分で、場合によって遅効性の方法で放出する組成物でもあり得る。使用することができる埋封組成物の例は、ポリマー物質及びワックスを含む。
経口投与用の液体剤形は、薬学的に許容される乳剤、マイクロ乳剤、溶剤、懸濁剤、シロップ剤及びエリキシル剤を含む。活性化合物に加えて、液体剤形は、当技術分野で一般的に用いられる不活性な希釈剤を含有してよく、例えば水又は他の溶媒、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、エチルカーボネート、EtOAc、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、ジメチルホルムアミド、油(特に、綿実、落花生類、トウモロコシ、胚芽、オリーブ、ヒマシ及びゴマの油)、グリセリン、テトラヒドロフルフリルアルコール、ポリエチレングリコール及びソルビタンの脂肪酸エステルのような可溶化剤及び乳化剤、並びにそれらの混合物である。不活性な希釈剤の他に、経口の組成物は、湿潤剤、乳化剤及び懸濁剤、甘味料、香料及び芳香剤のようなアジュバントを含むこともできる。
本発明の有効量の組成物は、一般に、グリシン脳症の進行を阻害する(例えば、遅らせる、又は停止させる)のに十分な任意の量を含む。担体材料と合わせて単一の剤形を製造することができる活性成分(グリセリルトリベンゾエート及び/又はグリセリルジベンゾエート)の量は、治療されるホスト及び投与の特定の様式によって異なる。しかし、任意の特定の患者のための具体的な用量レベルは、用いられる特定の化合物の活性、年齢、体重、一般健康状態、性別、食事、投与時間、投与経路、排出率、薬物の組合せ、及び治療法を受けている特定の障害又は疾患の重症度を含む種々の要因によることは、理解される。所与の状態のための治療有効量は、ルーチンの実験で容易に決定することができ、普通の臨床医の技術及び判断の範囲内である。
本発明の治療方法によると、所望の結果を達成するような量、及び必要ならばそのような期間、グリセリルトリベンゾエート及び/又はグリセリルジベンゾエートの有効量をヒト又は下等な哺乳動物のような患者に投与することによって、該患者における障害の進行は遅くなる又は停止する。疾患又は障害の進行を遅らせる又は停止するために有効な化合物の量は、どんな医学的治療にでも適用できる妥当なベネフィット/リスク比で、疾患又は障害を治療するために十分な化合物の量と呼んでよい。
しかし、本発明の化合物及び組成物の一日の合計使用量は、理にかなった医学判断の範囲内で主治医によって決定されることは、理解される。任意の特定の患者のための具体的な治療的に有効な用量レベルは、治療される疾患又は障害、及び障害の重症度、用いられる特定の化合物の活性、用いられる特定の組成物;患者の年齢、体重、一般健康状態、性別、及び食事、用いられる特定の化合物の投与時間、投与経路、及び排出率、治療期間、用いられる特定の化合物と組み合わせて又は同時に使用する薬物、並びに医薬技術分野で周知の要因などを含む種々の要因による。
ヒトのような温血動物に投与される、グリセリルトリベンゾエート及び/又はグリセリルジベンゾエートのような本発明の化合物の「有効量」又は用量は、治療される障害によって異なる場合がある。グリシン脳症に関連して、グリセリルトリベンゾエート(及び/又はグリセリルジベンゾエート)の有効量は、50kgの患者に基づいた場合、1日あたり約1.25g〜約15gであってよい。例えば、有効量は、50kgの患者につき、1日あたり約1.25g、約2.5g、約4g、約5g、約7.5g、約10g、又は約12gであってよい。一部の実施形態では、有効量は、50kgの患者につき、1日あたり約1.25g〜約10g、約1.25g〜約7g、約1.25g〜約4g、又は約1.25g〜約2gであってよい。
実験を、グリシン脳症の治療におけるグリセリルトリベンゾエート(トリベンゾイン)及び/又はグリセリルジベンゾエートの有効性を試験するために行う。本発明者は、グリシンデカルボキシラーゼsiRNA(3日ごとに20μg/マウス)をマウス(C57/BL6)に注射して、グリシン脳症様状態を作り出す。
その後、種々の用量(25mg/kg体重/日〜200mg/kg体重/日)のグリセロールトリベンゾエート及び/又はグリセリルジベンゾエートでマウスを経口的に治療する。その後、血清中のグリシンを分光光度法で測定して、種々の治療のそれぞれの有効性を決定する。
本明細書で開示され、特許請求される、すべての組成物及び方法は、本発明を考慮して、過度の実験なしで作製し実行することができる。本発明が多くの異なる形に具現化されてよいのに対して、本発明の特定の好ましい実施形態は、詳細に本明細書に記載される。本発明は本発明の原理を例示するものであって、図示された特定の実施形態に本発明を限定するものではない。さらに、反対に特別に述べない限り、「1つの(a)」という用語の使用は、「少なくとも1つ」又は「1つ以上の」を含むことを意図する。例えば、「1つの化合物(a compound)」は、「少なくとも1つの化合物」又は「1つ以上の化合物」を含むことを意図する。
絶対的表現又は近似表現のいずれかによって与えられる任意の範囲は、両方を含むことを意図し、本明細書で用いられるどんな定義も明確にするためであって、制限するためのものではない。それにもかかわらず、本発明の幅広い範囲を示す数値の範囲及びパラメータは近似的なものであり、具体的な例で示される数値はできるだけ正確に報告される。しかし、どのような数値でも、本質的に、それぞれの試験測定で見られる標準偏差から必然的に生じる一定の誤差を含む。さらに、本明細書で開示されるすべての範囲は、その中に包含されるすべての部分範囲(すべての小数値及び全数値を含む)を含むことを理解されるべきである。
さらにまた、本発明は、本明細書に記載される種々の実施形態の一部又は全部の、可能なすべての組合せを含む。本明細書に記載される現在好ましい実施形態への種々の変更及び修正が当業者にとって明白であることも理解すべきである。本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、また本発明が意図する利点を減ずることなく、このような変更及び修正がなされる可能性がある。したがって、このような変更及び修正が、添付した特許請求の範囲により包含されることが意図している。

Claims (16)

  1. グリシン脳症の進行を阻害する方法であって、グリセリルトリベンゾエートを含む有効量の医薬組成物をそれを必要とする患者に投与することを含む方法。
  2. 医薬組成物が1日1回患者に投与される、請求項1に記載の方法。
  3. 有効量が、50kgの患者に基づいた場合、1日約1.25グラム〜約15グラムである、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 医薬組成物が、薬学的に許容される担体又は賦形剤と共に製剤化される、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
  5. 医薬組成物が経口投与される、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
  6. 組成物がグリセリルジベンゾエートを含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
  7. グリシン脳症の進行を阻害する方法であって、グリセリルジベンゾエートを含む有効量の医薬組成物をそれを必要とする患者に投与することを含む方法。
  8. 組成物がグリセリルトリベンゾエートを含む、請求項7に記載の方法。
  9. 医薬組成物が1日1回患者に投与される、請求項7又は8に記載の方法。
  10. 有効量が、50kgの患者に基づいた場合、1日約1.25グラム〜約15グラムである、請求項7〜9のいずれか1項に記載の方法。
  11. 医薬組成物が、薬学的に許容される担体又は賦形剤と共に製剤化される、請求項7〜10のいずれか1項に記載の方法。
  12. 医薬組成物が経口投与される、請求項7〜11のいずれか1項に記載の方法。
  13. グリシン脳症の進行を阻害するための製剤を使用する方法であって、有効量の製剤をそれを必要とする患者に投与することを含み、製剤が約1グラム/1mlのグリセリルトリベンゾエートを含む、方法。
  14. 製剤が持続放出製剤及び遅延放出製剤からなる群から選択される、請求項13に記載の方法。
  15. 製剤が患者に経口投与される、請求項13又は14に記載の方法。
  16. 50kgの患者に基づいた場合、1日約1.25グラム〜約15グラムのグリセリルトリベンゾエートが患者に投与される、請求項13〜15のいずれか1項に記載の方法。
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