JP2020535848A - 細胞収容装置 - Google Patents

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Abstract

本開示によって、細胞収容装置と、表面積対体積比を増加させるチャネルのアレイを有する装置を製造する方法とが提供される。

Description

関連出願の相互参照
本出願は、米国仮出願第62/565、962号(2017年9月29日に出願)及び米国仮出願第62/671、297号(2018年5月14日に出願)の利益を主張する。なおこれらの文献は、本明細書によって参照により本明細書に組み込まれている。
糖尿病などの代謝異常を処置するために、生物学的生成物を送達する治療装置を用いることができる。治療装置は、インスリンなどの生物学的生成物を長時間与えるために移植可能な場合がある。これらの装置には、細胞収容装置と細胞収容装置内に収容されたマトリックスとが含まれる場合がある。マトリックスには、生物学的生成物を生成する細胞が含まれる場合がある。マトリックスの寸法が大きくなると、マトリックスの縁部表面から離れたところで酸素及び他の栄養素の利用可能性がさらに減る場合があり、マトリックス内に酸素及び栄養素の濃度が低いかまたはゼロの領域が存在する場合がある。酸素及び栄養素濃度が低いかまたはゼロのこれらの領域は、マトリックス中での細胞生存性及び生物学的生成物の合成をサポートすることができない場合がある。酸素、栄養素、及び他の作用物を輸送する際の空間的制限があると、装置のサイズが、酸素、栄養素、及び他の作用物が細胞に到達できる寸法に限定される可能性がある。したがって、このような装置の内部領域への大量輸送及び細胞収容装置内に収容されたマトリックスの内部領域への大量輸送を改善することが有用であり得る。
本開示は全般的に、医療装置及び方法に関する。種々の態様において、本開示によって、細胞収容装置を含む医療装置、それに関連する装置、ならびにこのような装置を製造及び使用する方法が提供される。
特定の態様において、本明細書で説明するのは、細胞収容装置であって、複数のチャネルを含む第1の表面と第1の表面と対向する複数の第2の表面とを有する第1のメンブレンと、第1のメンブレンの複数の第2の表面に対向しそこに取り付けられた第2のメンブレンと、を含み、第1のメンブレン及び第2のメンブレンは、表面積対体積比が少なくとも約40cm−1の囲まれたコンパートメントを形成し、囲まれたコンパートメントは、装置内に細胞を収容するための体積を与える細胞収容装置である。
いくつかの実施形態では、コンパートメントは単一の連続したオープンスペースを含む。いくつかの実施形態では、体積は約8uL〜約1、000uLである。いくつかの実施形態では、装置は長さ及び幅の少なくとも一方が約0.25cm〜約3cmである。いくつかの実施形態では、装置は厚さが少なくとも約300μmである。いくつかの実施形態では、複数のチャネルは第1のメンブレンに略垂直である。いくつかの実施形態では、複数のチャネルは直線アレイ内に配列されている。いくつかの実施形態では、複数のチャネルは極性アレイ内に配列されている。いくつかの実施形態では、チャネルは平均直径が約400μm〜約3、000μmである。いくつかの実施形態では、直径はチャネル内の最も狭い点で測定する。いくつかの実施形態では、各チャネルの中心は別のチャネルの中心から約75μm〜約500μmの距離で分離されている。いくつかの実施形態では、チャネルは高さ対直径比が少なくとも約0.2である。いくつかの実施形態では、装置は、横断面に沿った面積あたりのチャネル数が約50/cmよりも大きい。いくつかの実施形態では、第1のメンブレン及び第2のメンブレンの少なくとも一方が、複数の小繊維によって相互接続された複数の節を含む。いくつかの実施形態では、第1のメンブレン及び第2のメンブレンの少なくとも一方が、PVDF、PTFE、ePTFE、PCL、PE/PES、PP、PS、PMMA、PLGA、PLLA、またはそれらの任意の組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、装置はさらに、チャネル内の第1のメンブレン及び第2のメンブレンを通る開口部を含む。いくつかの実施形態では、開口部はチャネルに対する同心度が最大でチャネルの直径の25%である。いくつかの実施形態では、装置はさらに、装置を受け取るように構成されたフレームを含む。いくつかの実施形態では、フレームは複数の細胞収容装置を受け取るように構成されている。いくつかの実施形態では、フレームは、細胞収容装置の座屈を防ぐように構成された柔軟なメカニズムを含む。いくつかの実施形態では、装置はさらに細胞集団を含む。いくつかの実施形態では、細胞集団はインスリン分泌集団である。いくつかの実施形態では、細胞集団は、グルコース促進インスリン分泌(GSIS)が可能な幹細胞由来細胞である。いくつかの実施形態では、装置はさらに、親水性ポリマーを含むコーティングを含む。いくつかの実施形態では、装置はインスリン拡散係数が約2x10^−6cm/s〜約1x10^−5cm/sである。いくつかの実施形態では、装置は最大インスリン拡散距離が約150μm未満である。いくつかの実施形態では、第1のメンブレン及び第2のメンブレンは少なくとも約0.4Nの融合剥離力で融合されている。いくつかの実施形態では、第1のメンブレン及び第2のメンブレンの少なくとも一方が半透性である。いくつかの実施形態では、第1のメンブレン、第2のメンブレン、または両方の半透性は細胞を免疫攻撃から保護するように構成されている。いくつかの実施形態では、第1のメンブレン、第2のメンブレン、または両方の半透性は、免疫抑制療法がない場合に、細胞を免疫攻撃から保護するように構成されている。いくつかの実施形態では、第1のメンブレン及び第2のメンブレンの少なくとも一方は、装置内での細胞の血管新生を可能にするように構成されている。いくつかの実施形態では、第1のメンブレン及び第2のメンブレンの少なくとも一方は、免疫抑制療法がない場合に、装置内での細胞の血管新生を可能にするように構成されている。
本明細書で提供される別の態様は、細胞収容装置であって、複数のチャネルを含む第1の表面と第1の表面と対向する複数の第2の表面とを有する第1のメンブレンと、第1のメンブレンの複数の第2の表面に対向しそこに取り付けられた第2のメンブレンと、を含み、第1のメンブレン及び第2のメンブレンは、囲まれたコンパートメントを形成し、囲まれたコンパートメントは、装置内の100万〜10億のインスリン産生細胞を収容するための体積を与え、前記メンブレンは、装置からのインスリンの拡散を可能にする一方で装置内にインスリン産生細胞を保持する細胞収容装置である。
本明細書で提供される別の態様は、インスリン産生細胞と前記インスリン産生細胞を収容する装置とを含む組成物であって、前記装置は、個体に移植されると、装置内にインスリン産生細胞を保持しながらインスリンを放出し、装置内及び周囲での組織血管新生を容易にする組成物である。いくつかの実施形態では、個体は、装置の移植または血管新生の間に免疫抑制剤が投与されない。いくつかの実施形態では、装置は100万〜10億のインスリン産生細胞を含む。いくつかの実施形態では、装置は厚さが少なくとも約300μmである。いくつかの実施形態では、装置は、複数の小繊維によって相互接続された複数の節を含むメンブレンを含む。
別の態様では、本明細書で説明するのは、細胞収容装置を製造する方法であって、第1の面及び対向する第2の面を有する第1のメンブレンを用意することと、第1のメンブレンの第1の面内に複数のチャネルを形成することと、第1のメンブレンの第2の面に第2のメンブレンを融合して、第1のメンブレンの第2の面と第2のメンブレンとの間に細胞を収容するためのコンパートメントを形成することと、を含む方法である。
いくつかの実施形態では、第1のメンブレン内に複数のチャネルを形成することは、第1のメンブレンを所定時間、所定の圧力及び所定の温度で加熱することと、複数のチャネルをモールドを使って成形することと、を含む。いくつかの実施形態では、第1のメンブレンに第2のメンブレンを融合することをモールド内で行う。いくつかの実施形態では、モールドにはポジ型モールドが含まれる。いくつかの実施形態では、モールドにはネガ型モールドが含まれる。いくつかの実施形態では、所定の温度は約100℃〜約600℃である。いくつかの実施形態では、所定の圧力は約2ポンド/平方インチ(psi)〜約140psiである。いくつかの実施形態では、所定時間は約3分間〜約30分間である。いくつかの実施形態では、所定の圧力は約3.5psiであり、所定の温度は約370℃である。いくつかの実施形態では、第1のメンブレン内に複数のチャネルを形成することと、第1のメンブレンに第2のメンブレンを融合することとは、第1のメンブレン及び第2のメンブレンをフレーム内に配置することであって、第1のメンブレン及び第2のメンブレンは略平行であり、略位置合わせされており、ギャップ距離だけ分離されている、配置することと、第1のメンブレン上に融合ツールを用いて1つ以上の点を打点することであって、融合ツールは設定融合温度に加熱され、各打点の間に融合ツールはメンブレンに設定融合時間、接触する、打点することと、を含む。いくつかの実施形態では、第1のメンブレンに打点することにより、第1のメンブレン、第2のメンブレン、または両方を貫通し、第1のメンブレンの一部を第2のメンブレンに融合する。いくつかの実施形態では、フレームは、第1のメンブレン及び第2のメンブレンの外縁の少なくとも一部を取り囲む。いくつかの実施形態では、ギャップ距離は約300μm〜約1、200μmである。いくつかの実施形態では、融合ツールは打点接触面積が少なくとも約0.07mmである。いくつかの実施形態では、第1のメンブレン上に融合ツールを用いて1つ以上の点を打点することは、1つ以上の各点を最大で約16回打点することを含む。いくつかの実施形態では、第1のメンブレン上に融合ツールを用いて1つ以上の点を打点することは、1つ以上の各点を1〜6回打点することを含む。いくつかの実施形態では、設定融合温度は約250℃〜約600℃である。いくつかの実施形態では、設定融合時間は約1秒未満である。いくつかの実施形態では、第1のメンブレン及び第2のメンブレンの少なくとも一方は実質的に平坦である。いくつかの実施形態では、本方法はさらに、第1のメンブレン内に複数のチャネルを形成する前に第1のメンブレンをエンボシングすることを含む。いくつかの実施形態では、本方法はさらに、複数のチャネル内の第1のメンブレン及び第2のメンブレンの一部をレーザーアブレーションすることを含む。いくつかの実施形態では、レーザーアブレーションによって第1のメンブレンと第2のメンブレンとの融合部分を取り除いて開口部を形成する。いくつかの実施形態では、開口部はチャネルに対する同心度が最大でチャネルの直径の25%である。いくつかの実施形態では、第1のメンブレン及び第2のメンブレンの少なくとも一方は、PVDF、PTFE、ePTFE、PCL、PE/PES、PP、PS、PMMA、PLGA、PLLA、またはそれらの任意の組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、本方法はさらに、装置を親水性ポリマーによるコーティングを含む。いくつかの実施形態では、第1のメンブレンを焼結する。いくつかの実施形態では、第2のメンブレンを焼結しない。いくつかの実施形態では、第2のメンブレン及び第1のメンブレンは、少なくとも約0.2Nの融合剥離力で融合されている。
本明細書で提供される別の態様は、方法であって、糖尿病または前糖尿病の被検者の組織をインスリン分泌細胞集団を含む装置と接触させることであって、装置は、複数のチャネルを含む第1の表面と第1の表面と対向する複数の第2の表面とを有する第1のメンブレンと、第1のメンブレンの複数の第2の表面に対向しそこに取り付けられた第2のメンブレンと、を含み、第1のメンブレン及び第2のメンブレンは、表面積対体積比が少なくとも約40cm−1の囲まれたコンパートメントを形成し、囲まれたコンパートメントは装置内に細胞を収容するための体積を与える、接触させることと、糖尿病の被検者における血中グルコースレベルの上昇に応じて、インスリン分泌細胞集団からインスリンを放出することであって、上昇したグルコースレベルは非糖尿病の被検者における血中グルコースレベルよりも高い、放出することと、を含む方法である。
いくつかの実施形態では、インスリン分泌細胞集団は、糖尿病または前糖尿病の被検者における血中グルコースレベルを下げるのに十分な量のインスリンを放出する。いくつかの実施形態では、インスリンを放出することは、糖尿病の被検者における血中グルコースレベルが正常レベルまで下がったら停止する。いくつかの実施形態では、インスリンを放出することは、インスリン分泌細胞集団が糖尿病の被検者における血中グルコースレベルの上昇に再び曝露されたときに再開する。いくつかの実施形態では、インスリン分泌細胞集団は幹細胞由来細胞集団である。いくつかの実施形態では、インスリン分泌細胞集団はグルコース促進インスリン分泌(GSIS)が可能である。いくつかの実施形態では、第1のメンブレン及び第2のメンブレンの少なくとも一方は半透性である。いくつかの実施形態では、第1のメンブレン、第2のメンブレン、または両方の半透性は、細胞を免疫攻撃から保護するように構成されている。いくつかの実施形態では、第1のメンブレン、第2のメンブレン、または両方の半透性は、免疫抑制療法がない場合に、細胞を免疫攻撃から保護するように構成されている。いくつかの実施形態では、第1のメンブレン及び第2のメンブレンの少なくとも一方は、装置内での細胞の血管新生を可能にするように構成されている。いくつかの実施形態では、第1のメンブレン及び第2のメンブレンの少なくとも一方は、免疫抑制療法がない場合に、装置内での細胞の血管新生を可能にするように構成されている。
特定の態様において、本明細書で説明するのは、細胞収容装置であって、装置の外面を規定して表面積を有する第1の表面と、第1の表面と対向する第2の表面であって、装置の内面を規定する第2の表面と、第2の表面内に囲まれたコンパートメントであって、装置内に細胞を収容するための体積を与えるコンパートメントと、を含み、表面積対体積比は50cm−1以上である、細胞収容装置である。いくつかの態様では、装置には、装置の横断面を通って進む複数のチャネルが含まれる。いくつかの態様では、複数のチャネルの各チャネルは直径が400μm以上である。いくつかの態様では、直径はチャネル内の最も狭い点で測定する。いくつかの態様では、複数のチャネルの各チャネルは互いから450μmを超えない距離で分離されている。いくつかの態様では、複数のチャネルの各チャネルは高さ対直径比が0.2以上である。いくつかの態様では、装置の横断面に沿って測定した面積あたりのチャネル数が50/cmよりも大きい。いくつかの態様では、装置の横断面に沿って測定した面積あたりのチャネル数が100/cmよりも大きい。いくつかの態様では、表面積対体積比が80cm−1よりも大きい。いくつかの態様では、表面積対体積比が100cm−1よりも大きい。いくつかの態様では、表面積対体積比が120cm−1よりも大きい。いくつかの態様では、装置には、体積を有する単一の連続したオープンスペースが含まれる。いくつかの態様では、第1の表面または第2の表面には、複数の小繊維によって相互接続された複数の節が含まれる。いくつかの態様では、装置は、装置の横断面に沿って測定した厚さが300μmよりも大きい。いくつかの態様では、第1の表面または第2の表面には、PVDF、PTFE、ePTFE、PCL、PE/PES、PP、PS、PMMA、PLGA、またはPLLAが含まれる。いくつかの態様では、装置にはさらにフレームが含まれ、フレームは装置を受け取るように構成されている。いくつかの態様では、フレームは、複数の細胞収容装置を受け取るように構成されている。いくつかの態様では、フレームには、細胞収容装置の座屈を防ぐ柔軟なメカニズムが含まれる。いくつかの態様では、装置にはさらに細胞集団が含まれる。いくつかの態様では、細胞集団はインスリン分泌集団である。いくつかの態様では、細胞集団は、グルコース促進インスリン分泌(GSIS)が可能な幹細胞由来細胞である。
いくつかの態様では、装置にはさらに、親水性ポリマーによるコーティングが含まれる。いくつかの態様では、細胞を収容するための体積は、複数のチャネルの直径及び装置の面積あたりのチャネル数のうちの少なくとも一方に反比例している。いくつかの態様では、装置の表面積対体積比は、複数のチャネルの直径及び装置の面積あたりのチャネル数のうちの少なくとも一方に正比例している。いくつかの態様では、装置の表面積対体積比によって、装置に入り及び/または出る大量輸送をより大きくすることができる。他の態様では、本明細書で説明するのは、細胞収容装置であって、ベースと、ベースと対向する上面と、装置の横断面に沿ってベースから上面まで達する高さであって、300μmよりも長い高さと、細胞を収容するためのコンパートメントであって、ベースと上面との間に囲まれたコンパートメントと、装置の横断面に沿って延びる複数のチャネルと、を含み、装置の最大酸素拡散距離は150μm未満である、細胞収容装置である。いくつかの態様では、装置は高さが600μmよりも大きい。いくつかの態様では、ベースは実質的に平坦である。いくつかの態様では、複数のチャネルの各チャネルは直径が400μm以上である。いくつかの態様では、複数のチャネルの各チャネルは互いから450μmを超えない距離で分離されている。いくつかの態様では、複数のチャネルの各チャネルは直径が400μm以上である。いくつかの態様では、直径はチャネル内の最も狭い点で測定する。いくつかの態様では、複数の各チャネルは互いから450μmを超えない距離で分離されている。いくつかの態様では、複数の各チャネルは高さ対直径比が0.2以上である。いくつかの態様では、装置の横断面に沿って測定した面積あたりのチャネル数は50/cmよりも大きい。いくつかの態様では、装置の横断面に沿って測定した面積あたりのチャネル数が100/cmよりも大きい。いくつかの態様では、装置には、細胞を収容するための単一の連続的なコンパートメントが含まれる。いくつかの態様では、第1の表面または第2の表面には、複数の小繊維によって相互接続された複数の節が含まれる。いくつかの態様では、第1の表面または第2の表面には、PVDF、PTFE、ePTFE、PCL、PE/PES、PP、PS、PMMA、PLGA、またはPLLAが含まれる。いくつかの態様では、装置にはさらにフレームが含まれ、フレームは装置を受け取るように構成されている。いくつかの態様では、フレームは、複数の細胞収容装置を受け取るように構成されている。いくつかの態様では、フレームには細胞収容装置の座屈を防ぐ柔軟なメカニズムが含まれる。いくつかの態様では、装置にはさらに細胞集団が含まれる。いくつかの態様では、細胞集団はインスリン分泌集団である。いくつかの態様では、細胞集団はグルコース促進インスリン分泌(GSIS)が可能な幹細胞由来細胞である。いくつかの態様では、装置にはさらに、親水性ポリマーによるコーティングが含まれる。いくつかの態様では、細胞を収容するための体積は、複数のチャネルの直径及び装置の面積あたりのチャネル数のうちの少なくとも一方に反比例している。いくつかの態様では、装置の表面積対体積比は、複数のチャネルの直径及び装置の面積あたりのチャネル数のうちの少なくとも一方に正比例している。いくつかの態様では、装置の表面積対体積比は、複数のチャネルの直径及び装置の面積あたりのチャネル数のうちの少なくとも一方に正比例している。いくつかの態様では、装置の表面積対体積比を大きくすることによって、装置に入り及び/または出る大量輸送をより大きくすることができる。
他の態様では、本明細書で説明するのは、細胞収容装置を製造する方法であって、第1のメンブレンを用意することと、第1のメンブレンを囲む温度及び/または圧力を所定の値に調整することと、第1のメンブレンを変形させることと、第2のメンブレンを第1のメンブレンに融合することと、を含み、第1のメンブレンと第2のメンブレンとの間のコンパートメントによって、細胞を収容するためのコンパートメントが画定される方法。いくつかの態様では、所定の値は170°摂氏(C)未満である。いくつかの態様では、所定の値は140ポンド/平方インチ(psi)未満である。いくつかの態様では、所定の値は370℃未満である。いくつかの態様では、所定の値は5psi未満である。いくつかの態様では、第1のメンブレンを変形させることには、第1のメンブレンの一部をツールによって押し下げることが含まれる。いくつかの態様では、ツールには、第1のメンブレンと平行であるように構成された実質的に平坦な表面と、第1のメンブレンの一部を押し下げるように構成された表面上の複数の突出部とが含まれる。いくつかの態様では、複数の各突出部には円柱が含まれる。いくつかの態様では、ツールには先端部が含まれ、先端部は自由端において接触面積を有する。いくつかの態様では、接触面積は0.07mm以上である。いくつかの態様では、融合が先端部を用いて行われ、先端部は第1及び第2のメンブレンを押圧して、所定時間の間、互いに接触させる。いくつかの態様では、変形及び融合が先端部を用いて1ステップで行われ、先端部が第1のメンブレンに接触し、第1のメンブレンからずれて第2のメンブレンに向かって垂直方向に動き、第1及び第2のメンブレンを押圧して、所定時間の間、互いに接触させる。いくつかの態様では、先端部を所定の値の温度に調整する。いくつかの態様では、先端部は所定の値の圧力で押圧する。いくつかの態様では、所定時間は1秒以上である。いくつかの態様では、円柱は直径が300μm以上である。いくつかの態様では、円柱は高さが300μm以上である。いくつかの態様では、第1のメンブレンを変形させることは、メンブレンの割れ目を生じさせることなく行う。いくつかの態様では、第1のメンブレンを変形させることには、メンブレン上に複数の特徴部を形成することが含まれる。いくつかの態様では、複数の各特徴部は直径が300μm以上である。いくつかの態様では、複数の各特徴部は深さが300μm以上である。いくつかの態様では、本方法にはさらに、第1のメンブレンを囲む温度及び/または圧力を調整して特徴部の特性を制御することが含まれる。いくつかの態様では、第1のメンブレンを囲む温度及び/または圧力を増加させることによって、特徴部の深さを増加させる。いくつかの態様では、第2のメンブレンを第1のメンブレンに融合させることには、第2のメンブレンと第1のメンブレンとを融合して1つの連続層にすることが含まれる。いくつかの態様では、第2のメンブレンを第1のメンブレンに融合させることは、第2の所定の値を有する温度及び/または圧力で始める。いくつかの態様では、第2の所定の値は230°摂氏(C)未満である。いくつかの態様では、第2のメンブレンは実質的に平坦である。いくつかの態様では、変形させた後に、第1のメンブレンをエンボス加工する。いくつかの態様では、融合した後に、装置は、実質的に平坦な表面と、実質的に平坦な表面と対向するエンボス加工面とを有する。いくつかの態様では、本方法にはさらに、第1のメンブレンと第2のメンブレンとの融合部分をレーザーアブレーションによって取り除くことによって、装置を通って横断するチャネルを形成することが含まれる。いくつかの態様では、本方法にはさらに、装置をフレームに取り付けることが含まれる。いくつかの態様では、本方法にはさらに、フレーム上の装置を被検者に移植することが含まれる。いくつかの態様では、本方法にはさらに、細胞をコンパートメント内に封入することが含まれる。いくつかの態様では、本方法にはさらに、装置を被検者に移植することが含まれる。いくつかの態様では、第1のメンブレンまたは第2のメンブレンには、PVDF、PTFE、ePTFE、PCL、PE/PES、PP、PS、PMMA、PLGA、またはPLLAが含まれる。いくつかの態様では、本方法にはさらに、装置を親水性ポリマーでコーティングすることが含まれる。いくつかの態様では、第1のメンブレンを焼結する。いくつかの態様では、第2のメンブレンを焼結しない。
他の態様では、本明細書で説明するのは、細胞収容装置であって、ベースと、ベースと対向する上面と、装置の横断面に沿ってベースから上面まで達する高さであって、300μm以下である高さと、細胞を収容するためのコンパートメントであって、ベースと上面との間に囲まれたコンパートメントと、を含む細胞収容装置である。いくつかの態様では、高さは250μm未満である。いくつかの態様では、ベースには焼結したメンブレンが含まれる。いくつかの態様では、上面には焼結したメンブレンが含まれる。いくつかの態様では、ベースにはコーティングされたメンブレンが含まれ、コーティングによってメンブレンの親水性が増加する。いくつかの態様では、装置には少なくとも1つの融合されたドットが含まれ、ドットにはベースの一部とベースの一部に対応する上面の一部とを融合することが含まれ、ドットは高さに対する変化を限定するように構成されている。いくつかの態様では、ドットは直径が約0.5mm〜約3mmである。いくつかの態様では、ドットは直径が少なくとも約0.5mmである。いくつかの態様では、ドットは直径が最大で約3mmである。いくつかの態様では、ドットは直径が、約0.5mm〜約0.75mm、約0.5mm〜約1mm、約0.5mm〜約1.25mm、約0.5mm〜約1.5mm、約0.5mm〜約1.75mm、約0.5mm〜約2mm、約0.5mm〜約2.25mm、約0.5mm〜約2.5mm、約0.5mm〜約2.75mm、約0.5mm〜約3mm、約0.75mm〜約1mm、約0.75mm〜約1.25mm、約0.75mm〜約1.5mm、約0.75mm〜約1.75mm、約0.75mm〜約2mm、約0.75mm〜約2.25mm、約0.75mm〜約2.5mm、約0.75mm〜約2.75mm、約0.75mm〜約3mm、約1mm〜約1.25mm、約1mm〜約1.5mm、約1mm〜約1.75mm、約1mm〜約2mm、約1mm〜約2.25mm、約1mm〜約2.5mm、約1mm〜約2.75mm、約1mm〜約3mm、約1.25mm〜約1.5mm、約1.25mm〜約1.75mm、約1.25mm〜約2mm、約1.25mm〜約2.25mm、約1.25mm〜約2.5mm、約1.25mm〜約2.75mm、約1.25mm〜約3mm、約1.5mm〜約1.75mm、約1.5mm〜約2mm、約1.5mm〜約2.25mm、約1.5mm〜約2.5mm、約1.5mm〜約2.75mm、約1.5mm〜約3mm、約1.75mm〜約2mm、約1.75mm〜約2.25mm、約1.75mm〜約2.5mm、約1.75mm〜約2.75mm、約1.75mm〜約3mm、約2mm〜約2.25mm、約2mm〜約2.5mm、約2mm〜約2.75mm、約2mm〜約3mm、約2.25mm〜約2.5mm、約2.25mm〜約2.75mm、約2.25mm〜約3mm、約2.5mm〜約2.75mm、約2.5mm〜約3mm、または約2.75mm〜約3mmである。いくつかの態様では、ドットは直径が約0.5mm、約0.75mm、約1mm、約1.25mm、約1.5mm、約1.75mm、約2mm、約2.25mm、約2.5mm、約2.75mm、または約3mmである。いくつかの態様では、ドットが別の融合されたドットから、少なくとも3mm、離間に配置されている。いくつかの態様では、ドットは、ベースの一部と上面の一部との間に配置された接着剤を用いて形成される。いくつかの態様では、コンパートメントの体積は、ドットの直径及び装置の面積あたりのドット数のうちの少なくとも一方に反比例している。いくつかの態様では、装置の表面積対装置の体積の比は、ドットの直径及び装置の面積あたりのドット数のうちの少なくとも一方に正比例している。いくつかの態様では、装置の表面積対体積比を大きくすることによって、装置に入り及び/または出る大量輸送をより大きくすることができる。
他の態様では、本明細書で説明するのは、方法であって、a)糖尿病の被検者の組織をインスリン分泌細胞集団を含む装置と接触させることであって、装置は、装置の外面を規定して表面積を有する第1の表面と、第1の表面と対向する第2の表面であって、装置の内面を規定する第2の表面と、第2の表面内に囲まれたコンパートメントであって、装置内に細胞を収容するための体積を与えるコンパートメントと、を含み、表面積対体積比が50cm−1以上である、接触させることと、b)糖尿病の被検者における血中グルコースレベルの上昇に応じて、インスリン分泌細胞集団からインスリンを放出することであって、上昇したグルコースレベルは非糖尿病の被検者における血中グルコースレベルよりも高い、放出することと、を含む方法である。いくつかの態様では、インスリン分泌細胞集団は、糖尿病の被検者における血中グルコースレベルを下げるのに十分な量のインスリンを放出する。いくつかの態様では、インスリンを放出することは、糖尿病の被検者における血中グルコースレベルが正常レベルまで下がったら停止する。いくつかの態様では、インスリンを放出することは、インスリン分泌細胞集団が糖尿病の被検者における血中グルコースレベルの上昇に再び曝露されたときに再開する。いくつかの態様では、インスリン分泌細胞集団は幹細胞由来細胞集団である。いくつかの態様では、インスリン分泌細胞集団はグルコース促進インスリン分泌(GSIS)が可能である。
他の態様では、本明細書で説明するのは、方法であって、a)糖尿病の被検者の組織をインスリン分泌細胞集団を含む装置と接触させることであって、装置は、ベースと、ベースと対向する上面と、装置の横断面に沿ってベースから上面まで達する高さであって、300μmよりも長い高さと、細胞を収容するためのコンパートメントであって、ベースと上面との間に囲まれたコンパートメントと、装置の横断面に沿って延びる複数のチャネルと、を含み、装置の最大酸素拡散距離は150μm未満である、接触させることと、b)糖尿病の被検者における血中グルコースレベルの上昇に応じて、インスリン分泌細胞集団からインスリンを放出することであって、上昇したグルコースレベルは非糖尿病の被検者における血中グルコースレベルよりも高い、放出することと、を含む方法である。いくつかの態様では、インスリン分泌細胞集団は、糖尿病の被検者における血中グルコースレベルを下げるのに十分な量のインスリンを放出する。いくつかの態様では、インスリンを放出することは、糖尿病の被検者における血中グルコースレベルが正常レベルまで下がったら停止する。いくつかの態様では、インスリンを放出することは、インスリン分泌細胞集団が糖尿病の被検者における血中グルコースレベルの上昇に再び曝露されたときに再開する。いくつかの態様では、インスリン分泌細胞集団は幹細胞由来細胞集団である。いくつかの態様では、インスリン分泌細胞集団はグルコース促進インスリン分泌(GSIS)が可能である。
他の態様では、本明細書で説明するのは、方法であって、a)糖尿病の被検者の組織をインスリン分泌細胞集団を含む装置と接触させることであって、装置は、ベースと、ベースと対向する上面と、装置の横断面に沿ってベースから上面まで達する高さであって、300μm以下である高さと、細胞を収容するためのコンパートメントであって、ベースと上面との間に囲まれたコンパートメントと、を含む、接触させることと、b)糖尿病の被検者における血中グルコースレベルの上昇に応じて、インスリン分泌細胞集団からインスリンを放出することであって、上昇したグルコースレベルは非糖尿病の被検者における血中グルコースレベルよりも高い、放出することと、を含む方法である。いくつかの態様では、インスリン分泌細胞集団は、糖尿病の被検者における血中グルコースレベルを下げるのに十分な量のインスリンを放出する。いくつかの態様では、インスリンを放出することは、糖尿病の被検者における血中グルコースレベルが正常レベルまで下がったら停止する。いくつかの態様では、インスリンを放出することは、インスリン分泌細胞集団が糖尿病の被検者における血中グルコースレベルの上昇に再び曝露されたときに再開する。いくつかの態様では、インスリン分泌細胞集団は幹細胞由来細胞集団である。いくつかの態様では、インスリン分泌細胞集団はグルコース促進インスリン分泌(GSIS)が可能である。
参照による組み込み
本明細書で述べるすべての刊行物、特許、及び特許出願は、それぞれの個々の刊行物、特許、または特許出願が参照により組み込まれていると明確かつ別個に示された場合と同じ程度まで、参照により本明細書に組み込まれている。
本開示の新規特徴は添付の請求項において詳細に述べる。本開示の原理を用いた例示的な実施形態について述べる以下の詳細な説明及び添付図面を参照することにより、本開示の特徴及び優位点がより良好に理解される。
いくつかの実施形態による、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)細胞収容装置の高倍率画像である。 いくつかの実施形態による、装置に充填される細胞の量がドットピッチ及び制限部の存在とともに変化する様子を示す図である。 いくつかの実施形態による、二層平坦シート及びチャネルアレイ装置内の種々の酸素圧力のゾーンを例示する図である。 いくつかの実施形態による、平坦な構成を伴う装置及びチャネルアレイを伴う装置の表面積及び血管新生潜在能力を例示する図である。 いくつかの実施形態による、平坦な構成を伴う装置またはチャネルアレイ装置とともに血管新生の増加を例示する図である。 いくつかの実施形態による、種々のサイズの六角形チャネルアレイ装置のコンピュータ支援設計(CAD)レンダリングを示す図である。 いくつかの実施形態による、細胞収容装置のCADレンダリング及び細胞収容装置の断面の走査型電子顕微鏡写真である。 いくつかの実施形態による、メンブレンが平坦な構成からチャネルを伴う形成された構成へ変形する模様を例示する図である。 いくつかの実施形態による、変形ステップ後の第1のメンブレンが平坦な第2のメンブレンと融合する模様及び融合した第1及び第2のメンブレンの画像である。 いくつかの実施形態による、細胞収容装置の断面の走査型電子顕微鏡写真及び細胞収容装置の種々の部分に沿ったより高倍率での走査型電子顕微鏡写真である。 いくつかの実施形態による、融合した第1及び第2のメンブレンの界面における細胞収容装置の断面の低倍率及び高倍率での走査型電子顕微鏡写真である。 いくつかの実施形態による、種々の温度及び圧力での変形ステップを受けた後のポリフッ化ビニリデン(PVDF)メンブレンの断面図の走査型電子顕微鏡写真である。 いくつかの実施形態による、種々の温度及び圧力での融合ステップを受けた後の細胞収容装置の断面の走査型電子顕微鏡写真である。 いくつかの実施形態による、スカラップ状の周囲と種々のSA:V比を実現するチャネル寸法の変化とを伴う細胞収容装置のレンダリングである。 いくつかの実施形態による、処理前、173℃及び100psiでの処理と急冷後、160℃及び100psiでの処理後におけるPVDFメンブレンの熱流測定値を示す図である。 いくつかの実施形態による、変形ステップを異なる圧力及び温度条件で行った細胞収容装置の断面の走査型電子顕微鏡写真である。 いくつかの実施形態による、変形ステップを異なる圧力及び温度条件で行った細胞収容装置における測定したチャネル深さを示す図である。 いくつかの実施形態による、細胞収容装置の表面干渉分光法プロファイルである。 いくつかの実施形態による、変形ステップを種々の温度及び圧力で行った後の拡張ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)の第1のメンブレンを低倍率及び高倍率で撮った走査型電子顕微鏡写真である。 いくつかの実施形態による、変形ステップを360℃及び6psiで行って融合ステップを370℃で5分間行った後のePTFE細胞収容装置の走査型電子顕微鏡写真である。 いくつかの実施形態による、レーザーアブレーションによる切断の融合部分の内腔を伴う細胞収容装置の走査型電子顕微鏡写真及び画像である。 いくつかの実施形態による、製造後の細胞収容装置の断面の走査型電子顕微鏡写真である。 いくつかの実施形態による、六角形チャネルアレイ装置及び柔軟なメカニズムを取り付けられたマクロ装置のデザインを例示する図である。 いくつかの実施形態による、細胞を含む混合物の細胞収容装置への充填を、装置がサポート用の機械フレームにマウントされた構成で行う場合(左)と、外部の充填チューブ及びフレームレスデザインを用いた構成で行う場合(右)とを示す図である。 いくつかの実施形態による、細胞を伴うマトリックスが充填された細胞収容装置のヘマトキシリン及びエオシン(H&E)染色された組織切片を示す図である。 いくつかの実施形態による、ラットへの移植20日後の細胞収容装置の周りの脈管構造を示す図である。 いくつかの実施形態による、ラットへの移植90日後の細胞収容装置の周りの脈管構造を示す図である。 いくつかの実施形態による、ラットへの細胞収容装置の腹膜前、網内、肝上、及び皮下移植を示す図である。 いくつかの実施形態による、ラットへの生体内移植後の細胞収容装置の周りの血管新生及びチャネル内での脈管構造のH&E染色された組織切片を示す図である。 いくつかの実施形態による、生体内移植後の低チャネル密度及び高チャネル密度の細胞収容装置の周りの血管新生を示す図である。 いくつかの実施形態による、生体内移植後の低チャネル密度及び高チャネル密度の細胞収容装置内で観察された装置あたりの血管及び血管分岐の数を示す図である。 いくつかの実施形態による、インスリン応答及び表面積対体積比への装置デザインの効果を例示する図である。 いくつかの実施形態による、直径が500μmのチャネルに対するチャネル密度の変化によって達成可能な表面積対体積比及び推定される許容可能なクラスター径を例示する図である。 いくつかの実施形態による、先端部を用いた2つのメンブレンのスポット溶接による融合プロセスの概略図である。 いくつかの実施形態による、異なる温度で異なる時間長さの間融合された2つの平坦なePTFEメンブレンの破断荷重を示す図である。 いくつかの実施形態による、345℃で0.5秒間シールされた装置の縁部の走査型電子顕微鏡写真である。 いくつかの実施形態による、典型的な剥離試験の応力ひずみ曲線を示す図である。 いくつかの実施形態による、水中で親水コーティング処置をした後のePTFE細胞収容装置を示す図である。 いくつかの実施形態による、破裂するまで充填されたフレームが無いePTFE細胞収容装置を示す図、及びPVDF及びePTFE細胞収容装置プロトタイプに対する破壊時の充填圧力(psi)のグラフである。 いくつかの実施形態による、人間が利用するようにフレーム上に組立てられた3つの細胞収容装置のプロトタイプを示す図である。 いくつかの実施形態による、メンブレンの表面上に親水コーティングを形成するためのプロトコルの例を示す図である。 いくつかの実施形態による、細胞を伴うePTFE及びPVDF細胞収容装置の連続した内部空間が完全に充填された状態でのH&E染色された組織切片を示す図である。 いくつかの実施形態による、最大容量まで細胞が充填されたePTFE細胞収容装置の画像である。 いくつかの実施形態による、ラットの腹膜前部位への生体内移植90日後の細胞を伴うPVDF細胞収容装置のH&E染色された組織切片を示す図である。 いくつかの実施形態による、ラットの皮下及び腹膜前部位への移植90日後のSC膵島細胞が充填されたPVDF細胞収容装置のH&E染色された組織切片を示す図である。 いくつかの実施形態による、3つの超極薄装置を含むマクロ装置の例を示す図である。 いくつかの実施形態による、超極薄装置に対して利用できる異なるePTFEメンブレンの走査型電子顕微鏡写真である。 いくつかの実施形態による、選択透過メンブレンを伴いラット膵島細胞が充填された移植された高流束超極薄装置の20mMグルコース刺激に応じたCペプチドの流束を示す図である。 いくつかの実施形態による、高流束メンブレンまたは選択透過メンブレンを伴って、封入した膵島細胞が充填された超極薄装置における静的なCペプチド放出を、高グルコース刺激の前(LGまたは低グルコース)、高グルコース刺激の間(HG)、及び高グルコース刺激の後(LG)について示す図である。 いくつかの実施形態による、AS1メンブレンを伴う超極薄装置の動的なGSIS(グルコース刺激インスリン分泌)を示す図である。 いくつかの実施形態による、非焼結及び焼結メンブレンならびにメンブレンの微細構造の変化の走査型電子顕微鏡写真であり、メンブレンの節及び小繊維の融合及び合体が存在する写真である。 いくつかの実施形態による、目標とするインスリン流束の1x10−6mol/m/s付近のメンブレンとなった親水コーティングプロセスの比較を示す図である。 いくつかの実施形態による、メンブレン親水性の表示としてH&E染料によって染色された3つの異なるコーティングプロセスV1、V2、及びV3によってコーティングされたメンブレンを示す図である。 いくつかの実施形態による、メンブレンの透水率、V1コーティングプロセスを伴うメンブレン、及びV3コーティングプロセスを伴うメンブレンを示す図である。 いくつかの実施形態による、乾燥及び濡れたコーティングされたメンブレンとともにコーティングプロセスをスケールアップするセットアップを示す図である。 いくつかの実施形態による、150mNの力の下での2つの細胞収容装置に対する300μm厚のPEEKフレームの機械的特性のシミュレーションを示す図である。 いくつかの実施形態による、融合されたドットを装置の中心に伴う細胞収容装置を保持するPEEKフレームの例を示す図である。 いくつかの実施形態による、フレーム上で最大限に充填された中心で融合されたドットを伴う単一の細胞収容装置を伴う単一のフレームモジュールの画像である。 いくつかの実施形態による、10日間の保管にわたって高い細胞生存性を伴う20%酸素及び37℃の標準状態の下で保管された最大限に充填された細胞収容装置における2、4、8、及び10日目でのH&E染色された組織切片を示す図である。 いくつかの実施形態による、NODscidガンマ(NSG)マウスモデル、免疫不全マウスモデル内でのSC膵島細胞が充填されてAS1メンブレンを伴う超極薄の細胞収容装置の90日移植にわたる血中グルコースレベルを示す図である。 いくつかの実施形態による、親水コーティングを伴い800万のSC膵島細胞が充填された高流束ePTFEメンブレンを伴う超極薄装置の画像である。 いくつかの実施形態による、装置の全体にわたる高密度の細胞のH&E染色画像であり、NSGマウスモデルに90日間移植した後の装置の核を含む画像である。 いくつかの実施形態による、装置の全体にわたる高密度の細胞のH&E染色画像であり、NSGマウスモデルに90日間移植した後の装置の核を含む画像である。 いくつかの実施形態による、AS1メンブレンを伴い、マウスモデル内での30日間の生体内移植後のSEM−01細胞が充填された細胞充填された超極薄装置の組織切片の低倍率画像である。 いくつかの実施形態による、AS1メンブレンを伴い、マウスモデル内での30日間の生体内移植後のSEM−01細胞が充填された細胞充填された超極薄装置の組織切片の高倍率画像である。 いくつかの実施形態による、細胞収容装置に封入及び充填する前の内分泌細胞の微小凝集塊を示す図である。 いくつかの実施形態による、マウス内での3ヶ月の移植後の内分泌細胞の微小凝集塊が充填された超極薄装置の染色された組織画像である。 いくつかの実施形態による、内分泌細胞が移植されたマウスまたは内分泌細胞が充填された超極薄装置における血清Cペプチド及び総インスリン含有量のレベルを示す図である。 いくつかの実施形態による、腹膜前部位でのヌードラット内での3ヶ月後のSC膵島細胞が充填されたコーティングされた選択透過メンブレンを含む超極薄装置の外植片のH&E染色画像である。 いくつかの実施形態による、ヌードマウスモデル内の腹膜前部位での12週間の移植後の1600万のSC膵島細胞が充填された超極薄装置のH&E染色画像である。 いくつかの実施形態による、SC膵島細胞が充填された超極薄装置が移植された4つの異なるマウスにおける60分間の血清Cペプチドレベルを示す図である。 A及びBはいくつかの実施形態による、異物反応(FBR)を誘発しなかった免疫適格性ブラック6マウスモデルに移植されたAS1メンブレンを伴う空の超極薄装置のH&E染色画像である。 A及びBはいくつかの実施形態による、異物反応(FBR)を誘発しなかった免疫適格性ブラック6マウスモデルに移植されたAS1メンブレンを伴う空の超極薄装置のH&E染色画像である。 いくつかの実施形態による、生体内での90日後の生存可能な無傷ラット膵島細胞を伴う超極薄装置のH&E染色画像である。 いくつかの実施形態による、糖尿病マウスモデルへの超極薄装置の移植前、移植中、移植から90日後の血中グルコースレベルを示す図である。 いくつかの実施形態による、マウスへの移植用にデザインされた、融合されたドットを装置の中心に伴う超極薄装置を示す図である。 A及びBはいくつかの実施形態による、複数の細胞収容装置を保持するためのマクロ装置フレームの種々の構成を示す図である。 いくつかの実施形態による、接着制限部をもたらす融合されたスポットのアレイによるヒト移植用の超極薄装置を示す図である。 いくつかの実施形態による、超極薄装置に対する外部制限部をもたらすための多孔金属プラテンによるセットアップを示す図である。 接着制限部を伴う超極薄装置の構成を示す図である。 外部多孔性制限部を伴う超極薄装置の構成を示す図である。 いくつかの実施形態による、外部多孔性制限部を伴うかまたは伴わない3.3mmドットピッチによるヒト移植用の超極薄装置の充填から測定された質量流量を示す図である。 いくつかの実施形態による、図75Aに示す装置と同様に、接着制限部を伴う超極薄装置の全体にわたる細胞分布のH&E染色画像である。 いくつかの実施形態による、ドットを伴わない六角形超極薄装置の典型的な構成を示す図である。 いくつかの実施形態による、ドットを伴わない六角形超極薄装置の典型的な構成の詳細図である。 いくつかの実施形態による、単一の超極薄装置を充填することができる細胞の量を示す図であり、図79Aと同様に装置がドットを伴わない場合、及び図79Bと同様に装置が3.3mmドットアレイマトリックスを伴う場合である。 A及びBは、いくつかの実施形態による、3.3mmドットアレイマトリックスを伴う2つの構成の六角形超極薄装置を示す図であり、何らの制限部も伴わずに充填した場合(A)、及び400μmスペーサを用いて離間に配置された多孔性プラテンを用いて充填した場合(B)の2つの構成である。 いくつかの実施形態による、単一の超極薄装置を充填することができる細胞の量を示す図であり、図81Aと同様に何らの制限部も伴わない場合、及び図81Bと同様に多孔性制限部を伴う場合である。 いくつかの実施形態による、ミニブタに移植されたヒト単一モジュールデザインの2.6mmドットピッチを伴う超極薄装置の例を示す図である。 いくつかの実施形態による、正中線から約3インチ離れて肋骨縁を避ける場所でのミニブタ内の標的とする腹膜前または皮下移植部位を示す図である。 いくつかの実施形態による、装置の移植に備えるための電気焼灼を用いた皮下切開を示す図である。 いくつかの実施形態による、装置の移植に備えるための照明された牽引子を用いた腹膜前切開を示す図である。 いくつかの実施形態による、超極薄装置の皮下留置の例を示す図である。 いくつかの実施形態による、超極薄装置の腹膜前留置の例を示す図である。 いくつかの実施形態による、超極薄装置の皮下(SQ)及び腹膜前(PP)移植から2週間後のミニブタの画像である。 いくつかの実施形態による、チャネルアレイ装置用の典型的なポジ型モールドの画像である。 いくつかの実施形態による、チャネルアレイ装置用の典型的なネガ型モールドの画像である。 いくつかの実施形態による、フレーム上に挿入された手動の充填チューブを伴う典型的なげっ歯状チャネルアレイ装置の画像である。 いくつかの実施形態による、充填口を伴うチャネルアレイ装置の質量流量を示す図である。 いくつかの実施形態による、一体化された流体チャネルを伴うチャネルアレイ装置の質量流量を示す図である。 いくつかの実施形態による、チャネルアレイ装置の典型的な幾何学的パラメータの画像である。 いくつかの実施形態による、高アスペクト比(上部)及び低アスペクト比(下部)を伴う典型的なチャネルアッセイ装置の説明図である。 いくつかの実施形態による、円柱状デザインパラメータの典型的なチャネルアッセイ装置の説明図である。 いくつかの実施形態による、高密度チャネルアレイ(150μm間隔)の説明図である。 いくつかの実施形態による、低密度チャネルアレイ(270μm間隔)の説明図である。 いくつかの実施形態による、典型的なレーザ穿孔されたチャネルアレイ装置の詳細な画像である。 いくつかの実施形態による、典型的なレーザ穿孔されたチャネルアレイ装置の画像である。 いくつかの実施形態による、チャネル内の開口部の同心度を測定するための図である。 典型的な開口部及びチャネルの測定した同心度のグラフである。 いくつかの実施形態による、典型的なレーザ穿孔されたチャネルアレイ装置の画像である。 いくつかの実施形態による、チャネルアレイ装置のシール界面の画像である。 いくつかの実施形態による、移植されたチャネルアレイ装置の周りの血管新生の高画像である。 いくつかの実施形態による、移植されたチャネルアレイ装置の周りの血管新生の低倍率画像である。 いくつかの実施形態による、血管宿主統合の図である。 いくつかの実施形態による、典型的なチャネルアレイ装置内の平衡状態O張力分布を示す図である。 いくつかの実施形態による典型的なチャネルアレイ装置内の平衡状態O張力分布を示す図である。 いくつかの実施形態による、典型的なチャネルアレイ装置の熱成形されたチャネルの画像である。 いくつかの実施形態による、チャネルアレイ装置の単一チャネルの内部チャンバ高さの画像である。 いくつかの実施形態による、典型的なメンブレンの融合剥離力を測定するグラフである。 いくつかの実施形態による、典型的な破裂したメンブレンチャネル及び完全成形されたメンブレンチャネルの画像である。 いくつかの実施形態による、熱成形されたメンブレンの画像である。 いくつかの実施形態による、典型的なメンブレンの特徴高さを示す棒グラフである。 いくつかの実施形態による、融合ツールを用いて形成された典型的なメンブレンの融合剥離力を示す棒グラフである。 いくつかの実施形態による、融合ツールを用いて形成された典型的なメンブレンの示差走査熱量分析の線グラフである。 いくつかの実施形態による、典型的な焼結メンブレン及び非焼結メンブレンの電子顕微鏡写真である。 いくつかの実施形態による、スポット溶接によるメンブレンの熱融合用の非ロードセル有効ツールの説明図である。 いくつかの実施形態による、非ロードセル有効位置ベースの融合ツールを用いた不均一な融合を伴う典型的なチャネルアレイ装置の画像である。 いくつかの実施形態による、不均一な融合を伴う非ロードセル有効位置ベースの融合ツールを用いて形成されたチャネルアレイ曲線の応力ひずみ曲線であり、融合強度がチャネルアレイ装置にわたって減少する曲線である。 いくつかの実施形態による、剥離試験における典型的なチャネルアレイ装置の画像である。 いくつかの実施形態による、非ロードセル有効位置ベースの融合ツールを用いて形成された典型的なチャネルアレイ装置の画像であり、融合領域とレーザ穿孔領域との位置が合っていない画像である。 いくつかの実施形態による、非ロードセル有効位置ベースの融合ツールを用いて形成された典型的なチャネルアレイ装置の画像であり、融合後リークテストでリークが検出されて接着剤を用いて修復した画像である。 いくつかの実施形態による、ロードセル有効荷重/力ベース融合ツールを用いて形成された単一行を伴う典型的なチャネルアレイ装置の画像である。 いくつかの実施形態による、ロードセル有効荷重/力ベース融合ツールを用いて形成されたチャネルアレイ装置の融合時間に対する融合強度/剥離力(N)を測定する棒グラフである。 いくつかの実施形態による、アレイデザインを伴い融合強度が約0.4〜0.6Nの典型的なチャネルアレイ装置の画像(左)、及び単一行デザインを伴い融合強度が約0.45Nである典型的なチャネルアレイ装置の画像(右)である。 いくつかの実施形態による、第1の変形メンブレン及び第2の平坦メンブレンを伴う典型的なチャネルアレイ装置の応力ひずみ曲線を示す図である。 いくつかの実施形態による、2X、4X、6X、または8X融合打点を用いて形成された典型的なチャネルアレイ装置の画像である。 いくつかの実施形態による、融合強度/剥離力(N)対融合打点数を測定する棒グラフであり、融合打点数は、ロードセル有効荷重/力ベース融合ツールを用いて、融合温度が800°F、融合時間が0.05秒、及び融合力が6lbで、第1の変形メンブレンと第2の平坦メンブレンとを融合するために用いられるグラフである。 いくつかの実施形態による、典型的なチャネルアレイ装置の融合強度/剥離力(N)対融合力を測定する棒グラフであり、融合力は、第1の変形メンブレンと第2の平坦メンブレンとを、融合温度が800°F、融合時間が0.05秒、及び融合打点数が1xで融合するものであるグラフである。 いくつかの実施形態による、引張試験においてロードセル有効融合ツールを用いて形成された第1の変形メンブレン及び第2の平坦メンブレンを伴う典型的なチャネルアレイ装置の画像であり、二重融合ドットになるメンブレン抗力が存在する画像である。 いくつかの実施形態による、典型的なチャネルアレイ装置の4X融合打点を用いた融合強度/剥離力(N)対目標融合力を示す棒グラフである。 いくつかの実施形態による、典型的なチャネルアレイ装置の融合強度/剥離力(N)を示す棒グラフである。 いくつかの実施形態による、本明細書におけるいくつかの実施形態による同時ドットの3x3アレイを伴う典型的なチャネルアレイ装置の画像である。 いくつかの実施形態による、典型的なチャネルアレイ装置の融合強度/剥離力(N)を示す棒グラフである。 いくつかの実施形態による、典型的なチャネルアレイ装置の融合強度/剥離力(N)を示す棒グラフである。 いくつかの実施形態による、剥離試験における典型的なチャネルアレイ装置の画像であり、メンブレンが裂ける間、融合点が無傷のままでいる画像である。 いくつかの実施形態による、非ロードセル有効またはロードセル有効融合ツールを用いて形成された典型的なチャネルアレイ装置に対する応力ひずみ曲線である。 いくつかの実施形態による、ロードセル有効融合ツールを用いたメンブレンの融合及び非融合領域の画像である。 いくつかの実施形態による、ロードセル有効融合ツールを用いて形成された典型的なチャネルアレイ装置のチャネルの画像であり、融合点の平均のシール/棚サイズを示す画像である。 いくつかの実施形態による、ロードセル有効融合ツールを用いて形成された典型的なチャネルアレイ装置の画像であり、融合点におけるレーザ穿孔穴と融合領域との間の同心度を示す画像である。 いくつかの実施形態による、世代1及び世代2融合ツールを用いて形成されたレーザ前チャネルアレイ装置の融合力/剥離力(N)を示す棒グラフである。
本開示は全般的に、医療装置及び方法に関する。医療装置には、細胞収容装置、それに関連する装置、ならびにこのような装置を製造及び使用する方法が含まれていてもよい。装置は、装置の外部及び内部にある環境間での大量輸送の改善をもたらすのに役立つ場合がある。
ある場合には、細胞収容装置には高い表面積対体積比が含まれていてもよい。高い表面積対体積比によって、装置に入り及び/または出る大量輸送の改善を装置が実現することができて、装置内の細胞に栄養素を送達する有効性を高めることができる場合がある。ある場合には、細胞収容装置には第1の表面が含まれていてもよい。第1の表面は装置の外面を規定して、表面積を有していてもよい。また細胞収容装置には、第1の表面と対向する第2の表面であって、装置の内面を規定する第2の表面が含まれていてもよい。また細胞収容装置は、第2の表面内に囲まれたコンパートメントであって、装置内に細胞を収容するための体積を与えるコンパートメントが含まれていてもよい。装置には、体積を有する単一の連続したオープンスペースが含まれていてもよい。装置の第1の表面または第2の表面には、複数の小繊維によって相互接続された複数の節が含まれていてもよい。また装置には、装置の横断面を通って進む複数のチャネルが含まれていてもよい。チャネルは、細胞収容装置に対して高い表面積対体積比をもたらしてもよい。各チャネルは、直径が400μm以上であってもよく、直径はチャネル内の最も狭い点で測定してもよい。複数の各チャネルを、互いから450μmを超えない距離で分離してもよい。装置は、装置の横断面に沿って測定して、厚さが250μmより大きくてもよい。ある場合には、チャネルは、細胞収容装置の厚さが、装置に入り及び/または出る(たとえば、栄養素の)大量輸送に対する問題点とならないようになっていてもよい。装置の第1の表面または第2の表面には、PVDF、PTFE、ePTFE、PCL、PE/PES、PP、PS、PMMA、PLGA、またはPLLAが含まれていてもよい。装置にはさらに、フレームが含まれていてもよく、フレームは1つまたは複数の細胞収容装置を受け取るように構成されている。フレームには、細胞収容装置の座屈を防ぐ柔軟なメカニズムが含まれていてもよい。装置には、親水性ポリマーによるコーティングが含まれていてもよい。細胞を収容するための体積は、複数のチャネルの直径及び装置の面積あたりのチャネル数のうちの少なくとも一方に反比例していてもよい。装置の表面積対体積比は、複数のチャネルの直径及び装置の面積あたりのチャネル数のうちの少なくとも一方に正比例していてもよい。装置の表面積対体積比によって、装置に入り及び/または出る大量輸送をより大きくすることができる場合がある。
ある場合には、細胞収容装置は酸素拡散距離が短くてもよい。この短い酸素拡散距離は、細胞収容装置の寸法(たとえば、その厚さ)と独立していてもよい。たとえば、細胞収容装置には、ベース及びベースと対向する上面が含まれていてもよい。細胞を収容するためのコンパートメントが、ベースと上面との間に囲まれていてもよく、ある場合には、生命維持のために栄養素にアクセスするために細胞の外部からの大量輸送に依拠していてもよい。装置の横断面に沿ってベースから上面まで達する高さは、高い値(たとえば、300μmよりも大きい)であってもよい。それとは関係なく、装置に対する酸素拡散距離は150μm未満であってもよい。ある場合には、これは、装置の種々のチャネルまたは内腔によって可能であってもよい。チャネルは、ある場合には、装置の横断面にわたって延びてもよく、装置の厚さとは関係なく装置の酸素拡散距離が短いことを可能にしてもよい。ベースは実質的に平坦であってもよい。
本明細書で説明する細胞収容装置は、2つのメンブレンを用いて製造してもよい。あるステップでは、本明細書で説明する種々の材料を用いて第1のメンブレンを用意してもよい。ある場合には、第1のメンブレンを、温度及び/または圧力を所定の値に設定及び/または調整してもよいチャンバ内に設けてもよい。第1のメンブレンを変形させてもよい(たとえば、細胞を収容するためのコンパートメントまたは体積を形成するために)。その後、第2のメンブレンを第1のメンブレンに融合してコンパートメントを形成してもよい。任意的に、装置のチャネル内にアパーチャを形成して、細胞収容装置を通る連続した通路を、レーザなどの種々の手段を用いて可能にしてもよい。ある場合には、第1のメンブレンを変形させるために、または第1のメンブレンを第2のメンブレンに融合させるために、温度及び/または圧力を調整してもよい。これらの各プロセスで用いる温度及び/または圧力は、細胞収容装置を製造する不可欠な部分であってもよい。変形または融合領域の温度及び/または圧力を調整することで、特徴部の特性を制御してもよい。ある場合には、変形または融合領域の温度及び/または圧力を増加させることで、特徴部の深さを増加させてもよい。ある場合には、変形させた後に、第1のメンブレンをエンボス加工してもよい。ある場合には、融合した後に、装置が、実質的に平坦な表面及び実質的に平坦な表面と対向するエンボス加工面を有していてもよい。図1に示すのは、PVDFメンブレンを用いて形成された細胞収容装置であって、アパーチャの規則的に離間に配置されたアレイを装置のチャネル内に有する細胞収容装置の高倍率画像である。メンブレンを変形させることには、さらに(または代替的に)解繊が含まれていてもよい。あるメンブレンからの節が巻き戻って、別のメンブレンからの小繊維と相互に作用して、絡み合い及びシールを形成する。
前述したように、種々の生物学的生成物を生成する細胞が装置に封入されていると、たとえば、治療を送達するのに大変有用な場合がある。本明細書では、装置を細胞収容装置と言う場合があり、装置の内部にマトリックスが収容されていてもよい。マトリックスは細胞収容装置の内部空間における生体材料とすることができる。マトリックスには、ヒドロゲル、多孔性スポンジ、電界紡糸繊維、ポリマー材料、または他の多孔性の生体適合性材料が含まれていてもよい。マトリックスにはさらに、成長因子、栄養素、または他の作用物であって、細胞の活性及び生物学的生成物の合成を高めるものが含まれていてもよい。マトリックスには、生物学的生成物の生成を可能にする細胞または他のタンパク質発現系(たとえば、無細胞発現系)が含まれていてもよい。マトリックスの厚さが増加すると、マトリックスの縁部表面から離れたところで酸素及び他の栄養素の利用可能性がさらに減少する場合がある。たとえば、これは、酸素または栄養素の輸送が主に受動輸送または拡散に依拠するときに起こる場合がある。この結果、表面から遠く離れたマトリックス内の領域に送達される栄養素が非常少ないかまたはゼロとなる場合がある。栄養素の利用可能性はさらに、栄養素がマトリックスを通るときに細胞による消費によって激減する可能性がある。マトリックス内の栄養素が減少することは、酸素または他の栄養素に対する需要が高い細胞またはシステムにとって問題となり得る。細胞は刺激の後で非常に活性になるため、細胞による酸素消費量は、刺激があると基礎状態から増加する可能性がある。細胞生存性及び活性にとって重要な栄養素の利用可能性が減少することによって、マトリックス及びマトリックスが入る細胞収容装置の寸法の増加が制限される場合がある。マトリックス内での大量輸送制限によって、装置サイズを拡大して生物学的生成物の出力を増加させることが制限される場合がある。マトリックス内の細胞の密度を小さくして消費量を減らすことは全般的に、望ましくない場合がある。なぜならば、細胞密度の低下と相殺するためにマトリックス寸法を大きくすることは非現実的だからである。
細胞収容装置のデザインを調整して、装置の表面積対体積(SA:V)比を制御してもよい。ある場合には、現在の装置のSA:V比を大きくするようにデザインを与えてもよい。SA:V比を大きくすることは、装置の内部領域への(たとえば、栄養素の)輸送を改善するのに役立つ場合がある。SA:V比を大きくするこのようなデザインの1つは、マトリックス及び細胞収容装置を通るチャネル及び/または他の幾何学的形状を組み込むことであり得る。ある場合には、チャネルは、装置及び装置内に収容されたマトリックスのSA:V比を大きくするのに役立つ場合がある。チャネルには、細胞収容装置の一方の側から反対側に完全に進むスルーホールまたは内腔を含めることができる。チャネルはパターンで配列することもできるし、またははっきりとしたパターンなしで設けてもよい。一例として、チャネルを、チャネル間に所定の間隔を伴うアレイパターンで設けてもよい。代替的に、チャネルをランダムパターンで設けてもよい。
細胞収容装置にチャネルを含めることで、装置にチャネルがない場合よりも装置のサイズを容易に拡大できる場合がある。図3に例示するのは、二層平坦シート及びチャネルアレイ装置内の種々の酸素圧力のゾーンである。図3に示すように、チャネルアレイ301を伴う装置300(本明細書では、チャネルアレイ装置とも言う)は、マトリックス及び細胞収容装置を通って進むチャネルを有することができる。チャネル300を伴う細胞収容装置は任意の厚さであってもよいが、やはり酸素または栄養素が低いゾーンを有することを回避してもよい。従来の二層平坦シートは、酸素または栄養素が低いゾーンを避けるためにその厚さが300μm以下に限定される場合がある。チャネルを伴う細胞収容装置の場合は、二層平坦シートデザインまたは他のチャネルなしデザインと比べて、大量輸送が向上して血管新生潜在能力が高まる場合がある。これらの特徴の結果、装置にチャネルがない場合よりもチャネルアレイ装置のサイズを容易に拡大できる場合がある。
チャネルを伴う細胞収容装置(チャネルアレイ装置とも言われる)は、表面積を増加させて大量輸送が行われるようにすることができる。大量輸送の増加によって、マトリックス及び装置の全体にわたる全体的な拡散流束を増加させることができる。この増加によって、マトリックス及び装置の寸法を大きくするとともに、栄養素が非常に低いかまたは無い領域を減らすことができる。その結果、装置の最大酸素拡散距離は150μm未満となり得る。任意的に、チャネルを伴う細胞収容装置によって、血管新生潜在能力の増加が可能になる場合がある。図4に例示するのは、平坦な構成の装置及びチャネルがある装置の表面積及び血管新生潜在能力である。図5に、平坦な構成を伴う装置またはチャネルを伴う装置とともに血管新生の増加を例示する。図6に示すのは、チャネルサイズは増加しているがSA:V比は同様の六角形装置のコンピュータ支援設計(CAD)レンダリングである。図4に示すように、チャネルがある装置だと平坦な構成の装置と比べて面積あたりの細胞数が多くなり得る。なぜならば、マトリックスの全体にわたって細胞に十分な栄養素を与えて、その生存能力及び活性をサポートすることができるからである。平坦な構成の装置と比べて、生体内に移植されると、チャネルによって脈管構造がチャネルの周りにまたチャネルを通って成長することができる。平坦な構成の装置では、図4及び図5に示すように、血管新生が装置の上面及び下面に限定される。ある場合には、チャネルの特性及び/またはチャネルの数もしくは密度によって、血管新生を増加させることができ得る。たとえば、チャネルの直径はチャネルの断面距離であってもよい。チャネルの直径は、第2のメンブレンの平面に平行な1つの横断面内でのその最も狭い点で測定してもよい。装置のチャネル密度は装置の面積あたりのチャネル数であってもよい。面積あたりのチャネル数が装置の横断面に沿って存在するように、チャネルを配列してもよい。本明細書で説明するようなチャネルのサイズ、数、及び/または密度によって、血管新生が増加し、細胞への栄養素の大量輸送を増加できる場合がある。細胞収容装置によって、マトリックス及び細胞またはマトリックスの他の中身が、チャネル内の脈管構造と直接接触することが保護され得る。表面積ならびに脈管構造成長パターン及び潜在能力を変えるように、アレイのデザイン(たとえば、そのチャネルサイズ及び間隔)を変更することができる。
チャネルの寸法を調整して、細胞収容装置内の体積及びSA:V比を制御してもよい。いくつかの実施形態では、チャネルの直径を長くして細胞収容装置内の体積を減らしてもよい。その結果、チャネルの直径を長くすることによって、細胞収容装置に対するSA:V比が大きくなり得る。いくつかの実施形態では、チャネルの直径を短くして細胞収容装置内の体積を増やしてもよい。チャネルの直径を短くすることによって、細胞収容装置に対するSA:V比が小さくなり得る。
マトリックスを、細胞収容装置内に収容される1つ以上の部片として接続することができる。マトリックスには、細胞収容装置内の単一の連続部片が含まれていてもよい。またマトリックスには、その厚さを通って進むチャネルが、細胞収容装置を通ってチャネルが進む場所にあってもよい。マトリックスは、細胞収容装置の内部空間における生体材料とすることができる。マトリックスには、ヒドロゲル、多孔性スポンジ、電界紡糸繊維、ポリマー材料、または他の多孔性の生体適合性材料が含まれていてもよい。マトリックスにはさらに、成長因子、栄養素、または他の作用物であって、細胞の活性及び生物学的生成物の合成を高めるものが含まれていてもよい。マトリックスには、生物学的生成物の生成を可能にする細胞または他のタンパク質発現系が含まれていてもよい。図7に示すのは、細胞収容装置のレンダリング及びマトリックスを収容してもよい接続された内部を伴う細胞収容装置の断面の走査型電子顕微鏡写真である。
細胞収容装置は、その応用例にとって適切な種々の長さ、幅、及び高さを有してもよい。長さは装置の上面上の最長寸法であってもよい。幅は上面上の長さに垂直な寸法であってもよい。装置の高さは、装置の厚さと言ってもよく、装置の横断面に沿ってベースから上面に達してもよい。ある場合には、細胞収容装置の長さは、約0.2cm以上、0.5cm以上、1.0cm以上、1.5cm以上、2.0cm以上、2.5cm以上、3.0cm以上、4.0cm以上、5.0cm以上、6.0cm以上、7.0cm以上、8.0cm以上、9.0cm以上、10cm以上、20cm以上、30cm以上、40cm以上、60cm以上、100cm以上、120cm以上、150cm以上、180cm以上、または200cm以上であってもよい。ある場合には、細胞収容装置の幅は、約0.2cm以上、0.5cm以上、1.0cm以上、1.5cm以上、2.0cm以上、3.0cm以上、4.0cm以上、または5.0cm以上、6.0cm以上、7.0cm以上、8.0cm以上、9.0cm以上、または10cm以上であってもよい。ある場合には、細胞収容装置の高さは、約100μm以上、200μm以上、300μm以上、400μm以上、500μm以上、600μm以上、700μm以上、800μm以上、900μm以上、1000μm以上、0.2cm以上、0.3cm以上、0.4cm以上、0.5cm以上、0.6cm以上、0.7cm以上、0.8cm以上、0.9cm以上、1.0cm以上、2cm以上、3cm以上、4cm以上、または5cm以上(装置の横断面に沿って測定)であってもよい。
細胞収容装置は、SA:V比が、栄養素及び所望の生成物を装置を通して輸送するのに適切な値となるようにデザインしてもよい。ある場合には、SA:V比は50cm−1以上であってもよい。他の場合では、SA:V比は、約20cm−1以上、40cm−1以上、60cm−1以上、80cm−1以上、100cm−1以上、120cm−1以上、150cm−1以上、200cm−1以上、250cm−1以上、300cm−1以上、またはそれらの間の任意の値であってもよい。装置の最大酸素拡散距離は、50μm未満、100μm未満、150μm未満、200μm未満、250μm未満、300μm未満、350μm未満、400μm未満、450μm未満、または500μm未満であってもよい。
ある場合には、細胞収容装置750のチャネル751は、形状が略円柱形であってもよい。図3、6、及び7に例示するのは、細胞収容装置内の円柱形チャネルである。本明細書では説明を目的として、主に円柱形状のチャネルについて説明するが、当然のことながら、チャネルは任意の形状であってもよく、たとえば、チャネルの壁は略直線状、曲線状、バレル形状、または他の形状であってもよいことが理解される。ある場合には、チャネルの断面積は、細胞収容装置の第1のメンブレン711の上面から第2のメンブレン720のベースまで変化してもよい。ある場合には、装置には融合部分754が含まれていてもよい。たとえば、装置は、第1のメンブレン711が第2のメンブレン720に融合されて、細胞収容装置内にコンパートメント753を与えてもよい。コンパートメント753に細胞を充填してもよい。ある場合には、チャネルの融合部分(たとえば、第1のメンブレンが第2のメンブレンと合う部分)は略円形または他の形状であってもよい。本明細書の他の場所で記載したように、ある場合には、メンブレンの融合部分に開口部752を形成して、細胞収容装置を通って進むチャネルを与えてもよい。チャネルは、本明細書で説明するように、断面距離、または直径を含んでいてもよい。代替的に、チャネルの断面距離は、チャネルの断面が略円形であるときの直径を指してもよい。チャネルの直径は、第2のメンブレンの平面に平行な1つの横断面内でのその最も狭い点で測定してもよい。代替的に、直径は、チャネルまたは装置の高さに沿ったチャネル幅の平均値として測定してもよい。代替的に、直径は、第2のメンブレンの平面に平行な1つの横断面内でのその最も広い点で測定してもよい。ある場合には、チャネルの直径は、100μm以上、200μm以上、300μm以上、400μm以上、500μm以上、600μm以上、700μm以上、800μm以上、900μm以上、または1000μm以上とすることができる。任意的に、チャネルの高さは直径に比例していてもよい。ある場合には、チャネルの高さ対直径比は、約0.1以上、0.2以上、0.3以上、0.4以上、0.5以上、0.6以上、0.7以上、0.8以上、0.9以上、1.0以上、1.1以上、1.2以上、1.3以上、1.4以上、1.5以上、1.6以上、1.7以上、1.8以上、1.9以上、2.0以上、3以上、4以上、5以上、6以上、7以上、8以上、9以上、または10以上であってもよい。
複数のチャネルが装置の横断面を通って進んでもよい。横断面に沿った面積あたりのチャネル数が存在するように、チャネルを配列してもよい。本明細書では、面積あたりのチャネル数を装置のチャネル密度と言ってもよい。ある場合には、横断面に沿った面積あたりのチャネル数は、約10チャネル/cm以上、15チャネル/cm以上、20チャネル/cm以上、25チャネル/cm以上、30チャネル/cm以上、35チャネル/cm以上、40チャネル/cm以上、45チャネル/cm以上、50チャネル/cm以上、60チャネル/cm以上、70チャネル/cm以上、80チャネル/cm以上、90チャネル/cm以上、100チャネル/cm以上、110チャネル/cm以上、120チャネル/cm以上、130チャネル/cm以上、140チャネル/cm以上、150チャネル/cm以上、175チャネル/cm以上、または200チャネル/cm以上であってもよい。
酸素または他の栄養素であって細胞生存性及び活性にとって重要なものを受け取る量が低いかまたはゼロである領域がなくなるように、チャネルを離間に配置することができる。ある場合には、チャネルを離間に配置するかまたは互いから分離することを、約100μm以下、200μm以下、300μm以下、400μm以下、500μm以下、600μm以下、700μm以下、800μm以下、900μm以下、または1000μm以下の距離で行うことができる。任意的に、距離をあるチャネルの中心から隣接チャネルの中心まで測定してもよい。ある場合には、細胞収容装置は、装置の全体にわたって1つの距離のチャネル間隔を有することができる。代替的に、細胞収容装置は、細胞収容装置にわたって複数の異なる距離のチャネル間隔を有することができる。ある場合には、装置にわたって、チャネルを規則的なチャネル間隔距離を伴う規則的アレイに配列することができる。たとえば、図6に例示するように、チャネルを六角形アレイで配列してもよい。代替的に、チャネルの他の配列(たとえば、円形、四角形など)を与えてもよい。
ある場合には、チャネルの内腔の領域はチャネルの断面積に比例することができる。内腔を装置の融合領域の一部から切断してもよい。ある場合には、内腔の領域は、チャネルの断面積の約0%以上、10%以上、20%以上、30%以上、40%以上、50%以上、60%以上、70%以上、80%以上、90%以上、または99%以上である。
複数の内腔が装置の横断面を通って進んでもよい。横断面に沿った面積あたりの内腔数が存在するように、内腔を配列してもよい。本明細書では、面積あたりの内腔数を装置の内腔密度と言ってもよい。ある場合には、横断面に沿った面積あたりの内腔数は、約10内腔/cm以上、15内腔/cm以上、20内腔/cm以上、25内腔/cm以上、30内腔/cm以上、35内腔/cm以上、40内腔/cm以上、45内腔/cm以上、50内腔/cm以上、60内腔/cm以上、70内腔/cm以上、80内腔/cm以上、90内腔/cm以上、100内腔/cm以上、110内腔/cm以上、120内腔/cm以上、130内腔/cm以上、140内腔/cm以上、150内腔/cm以上、175内腔/cm以上、または200内腔/cm以上であってもよい。
チャネルアレイ装置を種々の生体内及び生体外応用例に対して適用することができる。一例では、装置は、そのマトリックス内に膵島細胞のような機能を持つ細胞または発現系を収容することができる。マトリックスには、単離された膵島細胞、膵臓から単離された細胞、組織から単離された細胞、幹細胞、幹細胞由来細胞、人工多能性細胞、分化細胞、形質転換細胞、または発現系(1つ以上の生物学的生成物を合成することができる)が含まれていてもよい。任意的に、マトリックスには、1つ以上の生物学的生成物を合成する第1のタイプの細胞をサポートする第2のタイプの細胞が含まれていてもよい。細胞を、マトリックス内に配置する前に封入することができる。細胞をマイクロカプセル内に封入してもよいし、または共形的にコーティングしてもよい。この装置を膵島細胞機能を補うために用いることができる。
装置内のチャネルアレイのデザインは、血管新生潜在能力または装置を通ってもしくは装置の周りに成長することができる脈管構造の量に影響する可能性がある。装置内のチャネルを血管新生潜在能力を増加させるようにデザインすることができる。このような装置は、栄養素の輸送が改善されて、内部に収容された細胞に対する低酸素の危険性が低くなる可能性がある。このような装置は、装置寸法を大きくすることができ、細胞または他の発現系を伴う、より大きいマトリックスを収容することができる。このように輸送が向上した装置によって、細胞生存性を最初の生成から1年超まで長くすることができる。ある場合には、細胞生存性は、1ヶ月、2ヶ月、4ヶ月、6ヶ月、8ヶ月、10ヶ月、12ヶ月、14ヶ月、16ヶ月、18ヶ月、20ヶ月、22ヶ月、24ヶ月、36ヶ月、48ヶ月、またはそれ以上を超えることができる。
チャネルアレイ装置の表面積の変化が、生物学的生成物の動力学に影響する可能性がある。生物学的生成物には、ヒト細胞、動物細胞、または遺伝子組み換え細胞が含まれていてもよい。表面積が増加しているため、チャネルアレイ装置は生物学的生成物の生成及び放出を増加させることができる。図32に例示するのは、インスリン応答及び表面積対体積比に対する装置デザインの効果である。図32に示すように、チャネルアレイ装置は、チャネルアレイがない同様のサイズの装置と比べて、生物学的生成物の生成及び放出を増加させ得る。チャネルアレイ装置は、チャネルアレイがない同様のサイズの装置よりもSA:V比が大きい場合がある。チャネルアレイ装置でのSA:V比の増加によって、チャネルアレイがない同様のサイズの装置の場合よりも生物学的生成物の流束を高くすることができ得る。膵島細胞のような機能を持つ細胞を伴うマトリックスの場合、SA:V比の増加によって、面積あたりの膵島当量(IEQ)を高くすることができ得る。ある場合には、この結果、インスリン生成を増加させてインスリン流束を増加させることができる。図6に示すのは、SA:V比が同様でサイズが増加している六角形チャネルアレイ装置のレンダリングである。図18に示すのは、異なるSA:V比を実現するために全体寸法が同様でチャネル寸法が変化している細胞収容装置のレンダリングである。
ある場合には、本明細書で説明する装置は、後でさらに説明するように組立てて及び/またはフレーム上にマウントすることができる。フレームは、1つの細胞収容装置または複数の細胞収容装置を受け取るように構成してもよい。任意的に、装置はフレームに加えてサブフレームにマウントすることができる。フレームによって、本開示の装置(たとえば、チャネルアレイ装置)に対する柔軟なサポートが与えられ得る。フレームによって装置の不要な折れ曲がりが防止され得る。フレームは、細胞収容装置の座屈を防ぐ1つ以上の柔軟なメカニズムを有することができる。柔軟なメカニズムによって、装置内の敏感な装置領域の座屈が防止され得る。柔軟なメカニズムはフレームの曲がりを可能にする切れ目を有することができる。柔軟なメカニズムによって、組立体は組織に沿ってその移植場所で湾曲することができる。代替的に、本明細書で説明する装置をフレームなしで用いてもよい。たとえば、装置を、個体に単独で、何らの構造支持体またはフレームも用いずに移植してもよい。図50に示すのは、人間が利用するようにフレーム上に組立てられた3つの細胞収容装置のプロトタイプである。装置及び装置を保持するフレームを、誘発する異物反応が低い材料を用いて形成することができる。装置及びフレーム用の材料を炎症または線維症を減らすように選ぶことができる。装置及びフレームを抗炎症または抗マクロファージ療法とともに用いて、異物反応をさらに減らすことができる。
細胞収容装置は単純なプロセスを用いて製造することができる。ある場合には、細胞収容装置を、第1のメンブレンを変形させてチャネルアレイの形状にし、変形させた第1のメンブレンに第2のメンブレンを融合することによって製造してもよい。ある場合には、第1のメンブレンを変形させるガイドとしてツールを用いてもよい。ある場合には、チャネルの形状の先端部を用いて、メンブレンを、先端部がメンブレンに接触する場所で変形させてもよい。
メンブレンには生体適合性の多孔性材料が含まれていてもよい。メンブレン用の材料によって、製造ステップ後に約6kDa以下の生物学的生成物の拡散が可能になる。代替的に、メンブレン用の材料によって、製造ステップ後に、約2kDa以下、約4kDa以下、約6kDa以下、約8kDa以下、約10kDa以下、約12kDa以下、約14kDa以下、約16kDa以下、約18kDa以下、約20kDa以下、約25kDa以下、約30kDa以下、約35kDa以下、約40kDa以下、約45kDa以下、約50kDa以下、約60kDa以下、約70kDa以下、約80kDa以下、約90kDa以下、約100kDa以下、約200kDa以下、約300kDa以下、約400kDa以下、または約500kDa以下の生物学的生成物の拡散が可能になる。メンブレン用の材料の平均孔径は、製造ステップ後に、約1nm以下、約2nm以下、約3nm以下、約4nm以下、約5nm以下、約6nm以下、約7nm以下、約8nm以下、約9nm以下、約10nm以下、約12nm以下、約14nm以下、約16nm以下、約18nm以下、または約20nm以下であってもよい。
メンブレンの形成、接合、及び切断の製造ステップを、メンブレン形成または融合装置などの1つ以上の装置を用いて行うことができる。装置を3次元プリンティングプロセス、微細加工、または他の機械加工技術によって形成することができる。ある場合には、装置はモジュール方式であってもよい。ある場合には、装置の形状はチャネルの寸法及び/または形状に影響する場合がある。装置には、メンブレン(たとえば、前述した第1のメンブレン)用のポジ及び/またはネガ型モールドが含まれていてもよい。装置は金属で形成してもよい。
装置にはメンブレン用のプラットフォームが含まれていてもよい。ある場合には、プラットフォームには、細胞収容装置用のモールド(たとえば、ネガ型モールド)が含まれていてもよい。ある場合には、プラットフォームにはプレートが含まれていてもよい。プラットフォームにはさらに、切り取り、またはメンブレンをモールドしてもよい孔が含まれていてもよい。切り取りは、細胞収容装置に対して形成すべきチャネルの直径(または内腔)に影響し得る。ある場合には、プラットフォームを所定の高さに配置して、異なる表面からずれるようにしてもよい。異なる表面は、その表面に向かってメンブレンが、本明細書で説明する装置を用いて押し下げられるように構成されている表面であってもよい。このずれ高さによって、メンブレン(たとえば、第1のメンブレン)におけるチャネルの深さを決めることができる。
装置には種々のツールが含まれていてもよい。ある場合には、ツールにはメンブレンを変形させて及び/または融合するための先端部または複数の先端部が含まれていてもよい。ツールは、第1のメンブレンの一部を押し下げることによって第1のメンブレンを変形させることができる。ツールには、第1のメンブレンと平行であるように構成された実質的に平坦な表面と、第1のメンブレンの一部を変形させるかまたは押し下げることができる表面上の1つ以上の突出部とを含めることができる。ある場合には、ツールには複数の突出部が含まれていてもよい。複数の各突出部には円柱が含まれていてもよい。
細胞収容装置を製造するための機械は、メンブレン(たとえば、前述した第1のメンブレン)をサポートするように構成してもよい。プラットフォームにはサポート内または下方に孔が含まれていてもよく、第2のメンブレンを配置してもよい。複数の突出部を含むツールを、プラットフォームと結合するように構成してもよい。ある場合には、ツールはサポートプラットフォームを押し下げてもよい。任意的に、ツールの突出部をプラットフォームの孔と嵌合するように構成してもよい。ある場合には、第1のメンブレンをプラットフォームの上に(たとえば、その孔の上方に)配置してもよい。ツールは第1のメンブレンを押し下げてもよく、孔を通してメンブレンの一部を押すことによって、変形したメンブレンを形成してもよい。ある場合には、本明細書で説明する正しい圧力及び/または温度を用いて、変形したメンブレンを第2のメンブレンとともに融合してもよい。
細胞収容装置を製造するための種々の装置(たとえば、前述したプラットフォーム、及びツール)及びメンブレンを保持する成形機のチャンバ。チャンバをシールしてもよい。チャンバをプラットフォーム及び/またはツールを保持するように構成してもよい。チャンバは、メンブレン融合を起こすのに必要な所定または所望の温度を与えてもよい。成形機は、ガス入口及び/または通気孔を伴う密閉チャンバを有していてもよい。成形機はメンブレンを保持するように構成してもよい。たとえば、成形機にはプラットフォームが含まれていてもよい。成形機の密閉チャンバ内に平坦な第1のメンブレンを配置することができる。通気孔が閉じている間に、連続して、またはチャンバを所定の温度に加熱するのと同時に、窒素ガスまたは他のガスをガス入口を通して密閉チャンバ内に導入して、所定の圧力に到達してもよい。ツールを用いて、メンブレンを変形させてもよく、変形した第1のメンブレンを生成してもよい。ある場合には、変形ステップが完了した後で通気孔を開いて、密閉チャンバをガス抜きすることができる。
前述したように、ツールを用いて第1のメンブレンを変形させてもよい。ツールには単一の先端部、または複数の先端部が含まれていてもよい。ある場合には、チャネルの形状の先端部を用いて、メンブレンを、先端部がメンブレンに接触する場所で変形させてもよい。先端部は、円柱状、円錐状、またはテーパ状の円柱状の形または他の形状であってもよい。先端部は自由端において接触面積を有していてもよい。先端部の接触面積はメンブレンに接触することができる。先端部の面積は、約0.5mm以下、約0.6mm以下、約0.8mm以下、約1.0mm以下、約1.2mm以下、約1.4mm以下、約1.6mm以下、約1.8mm以下、約2.0mm以下、約2.2mm以下、約2.4mm以下、約2.6mm以下、約2.8mm以下、約3.0mm以下、約4.0mm以下、または約5.0mm以下であってもよい。先端部の面積は、約0.2mm以上、約0.3mm以上、約0.4mm以上、約0.5mm以上、約0.6mm以上、約0.7mm以上、約0.8mm以上、約0.9mm以上、約1.0mm以上、約1.2mm以上、約1.4mm以上、約1.6mm以上、約1.8mm以上、約2.0mm以上、約2.2mm以上、約2.4mm以上、約2.6mm以上、約2.8mm以上、約3.0mm以上、約4.0mm以上、または約5.0mm以上であってもよい。メンブレンとの最初に接触した後に先端部が移動する垂直距離が、チャネルの高さの決定に役立ってもよい。メンブレンとの最初に接触した後に先端部が移動する垂直距離を、チャネルの所定の高さを実現するように調整してもよい。
第1のメンブレンを変形させてチャネルアレイの形状にすることができる。第1のメンブレンを熱成形によって変形させることができる。第1のメンブレンを膨張ベースの熱成形によって変形させることができる。第1のメンブレンを変形させることには、ツールを用いて第1のメンブレンの一部を押し下げることが含まれていてもよい。一例では、第1のメンブレンをモールドを用いて成形機の密閉チャンバ内に配置して、チャネルアレイを形成することができる。第1のメンブレンは変形ステップ前は平坦シートとすることができる。第1のメンブレンを伴う成形機を、変形にとって臨界の所定の温度に加熱することができる。通気孔が閉じている間に、連続して及び/または同時に、ガスをガス入口を通して密閉チャンバ内に導入して臨界の所定の圧力に到達し、変形した第1のメンブレンを生成してもよい。ある場合には、窒素ガス中でポンピングすることによって圧力を与えることができる。臨界圧力は正圧または負圧として印加することができる。変形ステップが完了した後に通気孔を開いて、密閉チャンバをガス抜きすることができる。図8に示すのは、メンブレンが平坦な構成からチャネルを伴う形成された構成へ変形する模様のクローズアップである。平坦な第1のメンブレン810が、密閉チャンバ内のモールド820の上に配置されている。チャンバを所定の温度に加熱してメンブレンに所定の圧力を印加した後で、第1のメンブレン811はモールドの周りで変形してチャネルを形成する。いくつかの実施形態では、熱成形によって、生着及び血管新生を可能にして改善する設定高さ及びアスペクト比の特定の内部形状を形成することができる。
第1のメンブレンが変形した後、第2のメンブレンを第1のメンブレンに融合して、細胞収容装置を形成することができる。第2のメンブレンは実質的に平坦であってもよい。第2のメンブレンを変形した第1のメンブレンの一方の側に配置してもよい。2つのメンブレンを、融合のための臨海温度に加熱することができる。融合のための所定の温度及び/または圧力に到達したら、2つのメンブレンを一緒に圧縮及び/または融合することができる。2つのメンブレンの圧縮は、第1のメンブレンにわたって選ばれた場所で行うことができる。圧縮は、チャネルアレイの形状及び間隔の特徴を有するモールドまたはプレートによって容易にすることができる。加熱はオーブン内で行うことができる。代替的に、加熱を発熱体を伴うツールによって行うことができる。融合した第1及び第2のメンブレンは、界面で融合を形成して、コンパートメントを形成することができる。コンパートメントを相互接続してもよく、その結果、体積を有する単一の連続したオープンスペースを含む装置となる。コンパートメントを装置のベースと上面との間に囲んでもよく、コンパートメントは細胞を収容してもよい。図9に、形成した第1のメンブレン1211と平坦な第2のメンブレン1220との間の融合、及び融合した第1及び第2のメンブレンを伴う結果として得られる装置1250を示す。
第1及び第2のメンブレンの構造を製造プロセスステップによって変えてもよい。図10に、細胞収容装置の種々の部分に沿った細胞収容装置の断面図を示す。PVDFメンブレンの超微細構造は、主に節から主に細長い小繊維(材料が変形または融合している)まで変化する。第1のメンブレンまたは第2のメンブレンには、複数の小繊維によって相互接続された複数の節が含まれていてもよい。変形または融合ステップの間、節構造の一部が細長い小繊維に変化してもよい。メンブレンが曝露される熱のレベルまたは圧力のレベルは、節構造の数に影響する可能性がある。全般的に、変形も融合もしなかったメンブレンの領域(たとえば、チャネルの上面または一番上)では、観察される節は多くて小繊維は少ない場合がある。全般的に、変形または融合を受けたメンブレンの領域(たとえば、チャネルの底部または中間チャネル)では、受けた変形または融合が小さいメンブレンよりも、観察される小繊維は多い。全般的に、変形または融合を受けたメンブレンの領域(たとえば、チャネルの底部または中間チャネル)では、受けた変形または融合が小さいメンブレンよりも、観察される節が少ない。節は、変形または融合ステップにおいて加熱及び/または圧力下で小繊維に伸ばし得る材料の貯蔵所であってもよい。構造内で節から小繊維へ移行する材料がないと、変形または融合ステップにおいてメンブレンは割れ目を伴う場合がある。メンブレンの割れ目を生じさせることなく変形及び融合を行うことが重要である。節及び小繊維構造の数ならびに節及び小繊維構造の数の変化は、メンブレンの材料に特有な場合がある。
第1及び第2のメンブレンはさらなる接着剤を用いずに融合することができる。第1及び第2のメンブレンは、融合に対する臨海温度において接着剤を用いずにセルフシールすることができる。第1及び第2のメンブレン間の融合によって、高いシール完全性を得ることができる。融合した第1及び第2のメンブレン間の継ぎ目を視覚化することは難しい可能性があり、図11に示すように走査型電子顕微鏡によって、第1及び第2のメンブレンの融合部分は1つの連続したメンブレンとして見え得る。高いシール完全性によって、より高い圧力で細胞収容装置を充填できる場合がある。任意的に、融合前に接着剤を第1及び第2のメンブレンの間に配置することができる。ある場合には、接着剤は感圧性及び/または感温性とすることができる。図38に、装置の周辺をシールするためのツールを示す。図39に、345℃で0.5秒間シールした装置の周縁エッジの走査型電子顕微鏡写真を示す。メンブレン間の継ぎ目を超微細構造的なレベルで特定するのは難しい。
臨界圧力及び臨海温度の範囲は、メンブレンとして用いる材料に対して異なっていてもよい。たとえばePTFEの場合、変形した形状をメンブレンが保持するのに必要な所望の温度が存在していてもよい。ある場合には、所望の温度は材料が焼結される温度であってもよい。ある場合には、臨界圧力及び/または臨海温度の範囲は各製造ステップに対して異なっていてもよい。変形ステップに対して、臨界圧力は、10psi未満、20psi未満、30psi未満、40psi未満、50psi未満、60psi未満、70psi未満、80psi未満、90psi未満、100psi未満、110psi未満、120psi未満、130psi未満、140psi未満、150psi未満、160psi未満、170psi未満、180psi未満、190psi未満、または200psi未満であってもよい。変形ステップに対して、臨海温度は100℃未満、110℃未満、120℃未満、130℃未満、140℃未満、150℃未満、160℃未満、170℃未満、180℃未満、190℃未満、または200℃未満であってもよい。変形ステップに対して、臨海温度は、210℃未満、220℃未満、230℃未満、240℃未満、250℃未満、260℃未満、270℃未満、280℃未満、290℃未満、300℃未満、310℃未満、320℃未満、330℃未満、340℃未満、350℃未満、360℃未満、370℃未満、380℃未満、390℃未満、400℃未満、410℃未満、420℃未満、または430℃未満であってもよい。融合ステップに対して、臨海温度は、150℃未満、160℃未満、170℃未満、180℃未満、190℃未満、200℃未満、210℃未満、220℃未満、230℃未満、240℃未満、250℃未満、260℃未満、270℃未満、280℃未満、290℃未満、300℃未満、310℃未満、320℃未満、330℃未満、340℃未満、350℃未満、360℃未満、370℃未満、380℃未満、390℃未満、400℃未満、410℃未満、420℃未満、または430℃未満であってもよい。融合ステップに対して、臨界圧力は、10psi未満、20psi未満、30psi未満、40psi未満、50psi未満、60psi未満、70psi未満、80psi未満、90psi未満、100psi未満、110psi未満、120psi未満、130psi未満、140psi未満、150psi未満、160psi未満、170psi未満、180psi未満、190psi未満、または200psi未満であってもよい。臨界圧力及び臨海温度の組み合わせを、各製造ステップ及び用いる材料に対してカスタマイズする必要があってもよい。各材料に対する臨界圧力及び/または臨海温度範囲として、ポリマーの結晶領域の二次再配列を伴うことなく材料が変形できる範囲が存在していてもよい。臨界圧力及び臨海温度範囲において、熱弾性材料における節がより多くの細繊維構造まで伸びて、新しい変形または融合した形状に適応してもよい。しかし、臨界圧力及び臨海温度範囲の外側では、材料は、変形または融合の間に結晶性及び割れ目になる場合がある。
メンブレンは、変形または融合に対する臨海温度及び圧力の範囲の外側で変形または融合した場合に、割れ目を伴う可能性がある。変形に対する臨海温度及び圧力の範囲の外側の温度及び圧力を選択すると、融合ステップにおいて、第1のメンブレンが第2のメンブレンに対して融合しないかまたは融合が不十分となる場合がある。第1のメンブレンにおけるこの割れ目は、融合ステップまで明らかとならない場合がある。臨海温度または圧力範囲の外側では、メンブレンの材料は結晶化度が増加する場合がある。結晶化度が増加した第1のメンブレンに対する材料は、第2のメンブレンに対する材料に対して融合が不十分であるかまたは融合しない場合がある。相対結晶化度を示差走査熱量測定法(DSC)を用いて測定して、材料の転移エンタルピーを計算することができる。メンブレンのDSC熱流測定値における二次ピークは、メンブレンの結晶構造の再配列を示す場合があり、メンブレンが別のメンブレンと容易に融合しない場合があることを示す場合がある。この再配列は相対結晶化度の増加を伴うことなく生じる場合がある。再配列は相対結晶化度の減少を伴うことなく生じる場合もある。メンブレンの結晶領域の配列は融合における重要な因子であり、結晶構造の潜在的な再配列では、融合中の別のメンブレンに対する結晶領域の鎖の絡み合いが可能とならない場合がある。図15にメンブレンのDSC熱流測定値の別の例を示す。100psi及び160℃で変形させたメンブレンのDSC熱流測定値はショルダーピークを維持していたが、これと比べて、ベースラインのPVDFメンブレンは、その結晶構造が著しくは変化しておらず、第2のメンブレンと融合する。100psi及び173℃で変形させて急冷却したメンブレンの熱流測定値は、最初の融解吸熱において異なる二次ピークがあった。これは、このメンブレンが二次結晶領域を形成して、別のメンブレンとの融合に失敗することを示していた。
ある場合には、先端部を用いて第1のメンブレンを変形させてもよい。先端部は、メンブレンと最初に接触した後に所定の垂直距離だけ移動して、チャネルの所定の高さに達してもよい。ある場合には、先端部を用いて、2つのメンブレンを、先端部がメンブレン同士を接触させる場所(第1のメンブレンはすでに変形している)で融合してもよい。先端部を用いて融合を行ってもよい。先端部は第1及び第2のメンブレンを押圧して、所定時間の間、互いに接触させる。ある場合には、単一プロセスまたはステップで、先端部を用いて第1のメンブレンを変形させて第1のメンブレンを第2のメンブレンに融合させてもよい。ある場合には、第1及び第2のメンブレンは所定の高さにおいて垂直方向にずれている。この垂直方向のずれによってチャネル高さが決まってもよい。先端部を用いて変形及び融合を1つのステップで行ってもよい。先端部が第1のメンブレンに接触し、第1のメンブレンからずれて第2のメンブレンに向かって垂直方向に動き、そして第1及び第2のメンブレンを押圧して、所定時間の間、互いに接触させる。ある場合には、メンブレン上で単一の先端部を用いてもよい。図42に、2mmの先端部を用いた2つのメンブレンのスポット溶接による融合プロセスの概略図を示す。他の場合では、メンブレン上で複数の先端部を、たとえば同時に用いてもよい。
ある場合には、メンブレン(複数可)が静止している間に、先端部を横方向(x−y方向)及び垂直方向(z方向)に動かしてもよい。ある場合には、メンブレン(複数可)を保持するステージを横方向に動かす間に、先端部を垂直方向にのみ動かしてもよい。ある場合には、先端部は、メンブレン表面に対して所定の横方向距離だけ移動した後に、所定の垂直距離だけ下方に移動してメンブレン内に入り、中立の垂直位置(その以前の垂直位置であってもよい)まで後退してもよい。メンブレン(複数可)上で所定の数のチャネルが変形及び/または融合するまで、この周期を繰り返してもよい。ある場合には、メンブレンを保持するステージが横方向に移動して、先端部の下の所定の場所に位置し、先端部が所定の垂直距離だけ下方に移動してメンブレン内に入って、中立の垂直位置まで後退する。メンブレン(複数可)上で所定の数のチャネルが変形及び/または融合するまで、この周期を繰り返してもよい。先端部及び/またはメンブレンを保持するステージの動きをプログラムして自動化してもよい。先端部は、周期間にx及び/またはy方向に、約100μm、約200μm、約300μm、約400μm、約500μm、約600μm、約700μm、約800μm、約900μm、または約1000μmだけ横方向に移動してもよい。先端部は、メンブレンに接触した後に、垂直方向に約100μm、約200μm、約300μm、約400μm、約500μm、約600μm、約700μm、約800μm、約900μm、または約1000μmだけ移動してもよい。
先端部を用いて細胞収容装置を製造するとき、メンブレンの変形及び/または融合に対して臨界時間、温度、及び圧力範囲が存在していてもよい。先端部がメンブレンと接触している時間を先端部接触時間と言ってもよい。ある場合には、先端部接触時間は、約0.1秒、約0.2秒、約0.3秒、約0.4秒、約0.5秒、約0.6秒、約0.7秒、約0.8秒、約0.9秒、または約1秒であってもよい。先端部接触時間は、約2秒、約3秒、4秒間、5秒、約6秒、約7秒、約8秒、約9秒、約10秒、約11秒、約12秒、約13秒、約14秒、約15秒、約16秒、約17秒、約18秒、約19秒、20秒間、約25秒、または約30秒であってもよい。先端部を変形及び/または融合に対する臨海温度を上回る温度まで加熱してもよい。実質的に前述したように、先端部を変形及び/または融合に対するほぼ臨海温度における温度まで加熱してもよい。先端部を、臨海温度を上回る約0℃、約1℃、約2℃、約3℃、約4℃、約5℃、約6℃、約7℃、約8℃、約9℃、約10℃、約15℃、約20℃まで加熱してもよい。先端部は、10psi未満、20psi未満、30psi未満、40psi未満、50psi未満、60psi未満、70psi未満、80psi未満、90psi未満、100psi未満、110psi未満、120psi未満、130psi未満、140psi未満、150psi未満、160psi未満、170psi未満、180psi未満、190psi未満、または200psi未満の圧力をメンブレンに印加して、変形及び/または融合を行ってもよい。
ある場合には、融合前に第1のメンブレンを焼結してもよいしまたは焼結しなくてもよい。ある場合には、融合前に第2のメンブレンを焼結してもよいしまたは焼結しなくてもよい。一例では、融合前に第1のメンブレンを焼結して第2のメンブレンは焼結しなくてもよい。メンブレンを種々の温度で種々の時間、焼結してもよい。焼結しメンブレンは、同じタイプの非焼結メンブレンよりも融合温度が低くてもよい。一例では、第1のメンブレンを370℃で7分間焼結してもよい。図37に、370℃で7分間焼結と300℃で非焼結のePTFEメンブレンのDSC測定値を示す。焼結したメンブレンの融合温度は320〜325℃で、非焼結のePTFEメンブレンに対する340〜350℃と比べて低かった。任意的に、メンブレンを焼結するか否かは、第1のメンブレンを第2のメンブレンに融合することにとって重要であってもよい。ある場合には、メンブレンを焼結することは、メンブレンが変形して、変形した形状を維持するのに役立つ場合がある。任意的に、焼結したメンブレンを非焼結メンブレンに融合することによって、所望の特性(たとえば、密封、装置完全性、及び/または形状)が得られる場合がある。
融合した第1及び第2のメンブレンの縁部を切り取って、細胞収容装置の周辺上の過剰なメンブレンを取り除くことができる。ある場合には、打ち抜くことによって切り取りを行うことができる。位置合わせフレームを用いて細胞収容装置を取り付けて位置合わせしてもよく、周辺打ち抜きを用いて細胞収容装置の過剰な周辺を切断する。
図20に示すように、第1及び第2のメンブレン間の融合部分を切断してチャネルの内腔を形成することができる。第1のメンブレンと第2のメンブレンとの融合部分をレーザーアブレーションによって取り除いてもよく、その結果、装置を通って横断するチャネルが形成される。図21に、レーザーアブレーションによる切断の融合部分2754の内腔2752を伴う細胞収容装置と、フレームに入った細胞収容装置との走査型電子顕微鏡写真及び画像を示す。図22に、チャネルを通して切断して内腔を形成することを含む製造ステップの後の細胞収容装置の断面の走査型電子顕微鏡写真を示す。レーザエッチングまたはレーザーアブレーションによって切断を行うことができる。除去部分は、第1及び第2のメンブレン間のシールを損なわないように融合部分の領域の一部とすることができる。除去部分は、融合部分の領域の約0%、約10%、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、または約99%とすることができる。
組立てた細胞収容装置を、モジュラーシステム(本明細書ではマクロ装置とも言う)の一部として得ることができる。図23に1つ以上の細胞収容装置2950を例示する。それぞれの内部に、マクロ装置を形成するためにフレーム2980上に組立て可能な細胞を含むマトリックスを充填することができる。複数のチャネルアレイ装置、またはマトリックスを伴う細胞収容装置を、フレーム上に種々の構成で配置することができる。各装置は、装置内部にマトリックスを充填するための充填口2955を有していてもよい。充填口は、装置シールの割れ目が生じる可能性を下げるように小さくデザインされている。充填口を用いて装置内に細胞を充填してもよい。ある場合には、フレームには柔軟な裏当て材または構造支持体が含まれていてもよい。任意的に、チャネルアレイ装置を、フレームに加えてサブフレーム2981にマウントすることができる。フレームによってチャネルアレイ装置に対する柔軟なサポートが得られる場合がある。フレームによって装置の不要な折れ曲がりが防止される場合がある。フレームは、敏感な装置領域の座屈を防ぐ1つ以上の柔軟なメカニズムを有することができる。柔軟なメカニズム2982は切れ目を有してフレームが切れ目で曲がることを可能にすることができる。柔軟なメカニズムによって、組立体が組立体移植の場所における組織に沿って湾曲することができる。フレームはハンドリングタブ2956を有することができる。組立てられた装置の外科的取り扱い及び/または移植に対して、ハンドリングタブを用いてもよい。フレームは輸送を可能にする孔を有することができる。
フレームは、フレーム上にマウントされた細胞収容装置の座屈を防ぐ柔軟なメカニズムを有することができる。柔軟なメカニズムには、小さい切れ目または切取部が含まれ、一方でフレームの小部分が無傷のままである。ある場合には、切れ目はフレームの上面及び下面のほぼ同じ場所にあってもよく、一方で2つの切れ目の間のフレームの小部分は無傷のままであってもよい。他の場合では、切れ目はフレームの表面の一方にあってもよく、一方でフレームの小部分は無傷のままであってもよい。切れ目は種々の形状であってもよく、たとえば、略円錐状、円柱状、角錐状、矩形状、または他の形状であって、フレームの一部を取り除くものである。切れ目によって、フレームは種々の角度(任意の所与の方向に0°〜90°の範囲)で曲がることができる。
マクロ装置はその応用例に応じていくつかの構成及び寸法を有することができる。ある場合には、マクロ装置の幅は、少なくとも3cm、4cm、5cm、6cm、または7cmであってもよい。ある場合には、マクロ装置の長さは、少なくとも5cm、6cm、7cm、8cm、9cm、10cm、11cm、12cm、13cm、14cm、または15cmであってもよい。
細胞収容装置にマトリックスを充填することができる。ある場合には、細胞収容装置に圧力によって充填することができる。他の場合では、細胞収容装置に遠心分離によって充填することができる。図24に、細胞を含む混合物を伴うPVDF細胞収容装置がフレームに入っている場合(左)及びフレームに入っていない場合(右)の充填を示す。ある場合には、充填チューブを細胞収容装置に接続してフレームレス装置を充填してもよい。他の場合では、フレームに入った細胞収容装置において、フレームによって、充填ハブから流体チャネルが装置上の充填口に接続することができてもよい。装置が充填されたら、装置を充填チューブまたは充填ハブから分離して、シールしてもよい。フレームをシールしてもよい。接着剤またはUV硬化接着剤を用いて装置及び/またはフレームをシールしてもよい。マトリックスには生物学的生成物を生成する細胞または発現系を含めることができる。マトリックスにはさらに細胞培養培地を含めることができる。マトリックスにはさらに多孔性の生体適合性材料を含めることができる。充填するために細胞収容装置の小さい領域のみを未シール状態にしておくことによって、シール破れの危険性を減らすことができる。細胞収容装置にマトリックスを充填した後に、小さい領域をシールすることができる。図25に、細胞を伴うマトリックスが充填された細胞収容装置を、ヘマトキシリン及びエオシン(H&E)染色の組織切片によって視覚化したものを示す。ある場合には、以下のプロセスを用いて細胞収容装置を充填してもよい(たとえば、細胞を)。第1に、培地中に細胞を浮遊させてもよい。第2に、加圧下で充填口内に細胞を投与してもよい。第3に、充填口を取り除いてもよい。最後に、充填口開口部をシールしてもよい(たとえば、UV硬化接着剤を用いて)。
組立てたチャネルアレイ装置またはそのコンポーネントを、その表面上で処理することができる。血管新生を促すように表面を材料を用いて処理することができる。コーティングはVEGF、または他の血管新生促進因子もしくは物質であってもよい。汚損防止特性が得られる材料を用いて外面を処理することができる。装置の周りに線維症が発生する可能性または結合組織が構成される可能性を減らすために、装置の表面を処理することができる。線維症の可能性を減らすように装置の材料を選択することができる。物理的特徴を形成するように装置の表面を処理することができるか、または線維症を減らすように化学的に処理することができる。親水コーティングで表面を処理することができる。親水コーティングには、ポリマー、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール、ポリドーパミン、oactが含まれていてもよい。図41に、メンブレンの表面上に親水コーティングを形成するためのプロトコルの例を示す。コーティング処置の前に、親水コーティングによって疎水性表面に親水性を与えてもよい。メンブレン表面の親水性を改善すると、装置の内部及び外部環境間でのメンブレンを通した親水性分子の輸送が改善される場合がある。図38に、水中で親水コーティング処置をした後のePTFE細胞収容装置を示す。気泡は、水に装置の内部を充填して装置の内部から空気を移動させる能力があることを示す。
細胞収容装置のメンブレンには1つ以上の多孔材料を含めることができる。メンブレンには、PTFE、ePTFE、PVDF、PCL、PE/PES、PP、PS、PMMA、PLGA、PLLA、または他の熱弾性材料が含まれていてもよい。メンブレン用の材料を種々の方法で合成してもよい。多孔材料の合成方法には、膨張法、溶液キャスティング法、浸漬沈殿及び相分離法、電界紡糸法、等網目状ネットワークが得られる方法、小柱状ネットワークが得られる方法、または他の方法が含まれていてもよい。メンブレンは、多孔材料であって、製造プロセス後に、この材料を通して、分子量が約3000kDa未満、約2000kDa未満、約1000kDa未満、約500kDa未満、約400kDa未満、約300kDa未満、約200kDa未満、約100kDa未満、約50kDa未満、約40kDa未満、約30kDa未満、約20kDa未満、約10kDa未満、約6kDa未満、約5kDa未満、約4kDa未満、約3kDa未満、約2kDa未満、約1kDa未満の材料を輸送することができる多孔材料であってもよい。メンブレンの平均孔径は、約5nm、約10nm、約15nm、約20nm、約30nm、約40nm、約50nm、約60nm、約70nm、約80nm、約90nm、約100nm、約200nm、約300nm、約400nm、約500nm、約600nm、約700nm、約800nm、約900nm、約1000nm、約1100nm、約1200nm、約1300nm、約1400nm、約1500nm、約1700nm、約2000nm、または約2500nmであってもよい。
製造ステップにおけるパラメータによってチャネルアレイの寸法を制御することができる。第1のメンブレンを所定のチャネルアレイデザインに変形させるために、モールドまたはプレートを用いることができる。チャネルの深さを変えるために、変形ステップ中の温度を用いることができる。チャネルの深さを変えるために、変形ステップ中の圧力を用いることができる。チャネルの深さを変えるために、変形ステップ中の温度及び圧力の組み合わせを用いることができる。変形中の温度及び圧力は第1のメンブレンの材料に特有であってもよい。チャネル寸法の変化は、細胞収容装置内の相互接続されたポケットの3次元形状に影響することができる。これらの製造パラメータを用いて、チャネルアレイ装置に対する細胞収容の構成及び寸法を調整することができる。これらのパラメータ用いて、細胞収容のSA:V比を変えることができる。細胞収容のSA:V比によって、装置内及び周辺の血管新生が改善される場合がある。
被検者の生体内の種々の部位に装置を移植することができる。ある場合には、被検者にフレーム上の装置を移植することができる。一例では、腹膜前または後直筋(retrorectus)移植によって装置を配置することができる。他の例では、網内移植によって装置を配置することができる。別の例では、皮下移植によって装置を配置することができる。別の例では、肝上移植によって装置を配置することができる。図28に、ラット内への細胞収容装置の腹膜前、網内、肝上、及び皮下移植を示す。
生体内の移植部位に装置を固定することができる。一例では、組織接着剤を用いて装置を固定することができる。組織接着剤は、フィブリン、シアノアクリレート、ポリエチレングリコール、アルブミン系接着剤、またはポリマー系接着剤とすることができる。別の例では、多血小板血漿を用いて装置を固定することができる。
生体内移植の後に、装置の周りに及び装置内のチャネルを通して血管が形成される場合がある。図31及び32に、ラット内の腹膜前部位への移植から20日及び90日後の細胞収容装置の周りの及びチャネルを通る脈管構造を示す。図29に、ラットへの生体内移植後の細胞収容装置の周りの血管新生及びチャネル内の脈管構造のH&E染色された組織切片を示す。図30に、生体内移植後の低チャネル密度及び高チャネル密度の細胞収容装置の周りの血管新生を示す。血管は平滑筋細胞を有していてもよい。これは一般的に動脈中に見出される。血管は動脈特徴を有していてもよい。図30及び図31に、チャネルアレイ装置内のチャネルの密度が血管新生のレベルに影響し得ることを示す。チャネルの密度が高いほど、血管新生のレベルが増加する場合がある。チャネルの密度が低いほど、血管新生のレベルが減少する場合がある。チャネルアレイ装置内のチャネルの直径が、血管の血管新生及び分岐のレベルに影響する場合がある。
種々の機能的ゴールを実現するように細胞収容装置をデザインすることができる。細胞収容装置のゴールの1つは、生体内移植後の装置内の細胞に対する細胞生存性の少なくとも1年をもたらし得ることである。いくつかの実施形態では、細胞生存性の少なくとも1年は少なくとも4x10の細胞を有し得るように、装置はデザインされている。被験者の生体内移植部位から装置を回収または外植して、移植後細胞生存性の評価及び他の機能評価を行ってもよい。装置内の大量輸送及び装置のメンブレンを通る大量輸送を改善するように、細胞収容装置をデザインしてもよい。宿主血管供給への近さを改善する部位で、細胞収容装置をコーティング及び/または移植してもよい。細胞収容装置を、装置内の柔軟性をそれ自体に折り重なることなく可能とするように宿主/装置インターフェースを安定させるようにデザインしてもよい。細胞収容装置を、装置の完全性を含まずに装置に安定性を与えるように組織統合を抑えるようにデザインしてもよい。好都合な非特異的な生体材料反応が得られる材料及びコーティングを用いるように、細胞収容装置をデザインしてもよい。
超極薄装置
本明細書ではチャネルを含む細胞収容装置について主に説明しているが、細胞収容装置は必ずしもチャネルを含む必要はない。たとえば、細胞収容装置の種々の機能的ゴールを満たす別のアプローチを、ある場合には、超極薄の細胞収容装置(本明細書では超極薄装置とも言う)を用いて達成することができる。それに応じて、細胞収容装置(たとえば、チャネルを含むもの)の所与の実施形態に対して説明した種々のパラメータ、特性、または記載(たとえば、コーティング、材料など)を、細胞収容装置の別の実施形態(たとえば、超極薄装置)に同様に適用することができる。
超極薄装置は総断面厚さが薄くてもよい。その代わりにまたはそれに加えて、超極薄装置はメンブレンが薄くてもよい。超極薄装置のメンブレンは、生体適合性ポリマーまたは生体材料、たとえばePTFE、PVDF、PEEK、PS、PES、PAN/PVC、ナイロン、ポリウレタン、ポリカーボネート、ポリアクリロニトリル、ガラス繊維、ポリカプロラクトン、ヒドロゲル、ポリエステル、ポリ無水物、またはセルロースであってもよい。またメンブレンを、永続的な非分解性材料、または代替的に、分解プロファイルが制御された生分解性材料から形成してもよい。超極薄装置の寸法によって高いSA:V比が得られる場合がある。高いSA:V比によって、装置に出入りする分子の輸送、たとえば、装置内の留置細胞用に栄養素及び酸素の装置内への輸送、及びインスリンまたは他の分泌生成物の装置から外への輸送を高めることができる。インスリン産生細胞が充填された超極薄装置から外へのモデリングされたインスリン拡散は、0.4〜10ng/cm/10分であり得る。超極薄装置は、チャネルアレイ装置の場合と同様に装置の厚さを通って進むチャネルを有していなくてもよい。図57及び58に、断面厚さが250μmで細胞が充填された超極薄装置(黒丸)と3つの超極薄装置を伴うマクロ装置との概略図を示す。
超極薄装置は総断面厚さが約250μmであってもよい。いくつかの実施形態では、超極薄装置の総断面厚さは、5000μm未満、4000μm未満、3000μm未満、2000μm未満、1000μm未満、900μm未満、800μm未満、700μm未満、600μm未満、500μm未満、400μm未満、300μm未満、200μm未満、100μm未満、または50μm未満であってもよい。いくつかの実施形態では、超極薄装置の総断面厚さは、少なくとも1000μm、900μm、800μm、700μm、600μm、500μm、400μm、300μm、200μm、100μm、50μm、または10μmであってもよい。
超極薄装置は、メンブレンの厚さが2μm〜25μmの範囲であってもよい。いくつかの実施形態では、超極薄装置のメンブレンは、100μm未満、90μm未満、80μm未満、70μm未満、60μm未満、50μm未満、40μm未満、30μm未満、20μm未満、10μm未満、5μm未満、または1μm未満であってもよい。
超極薄装置は、SA:V比が、装置を通して栄養素及び所望の生成物を輸送するのに適切な値となるようにデザインしてもよい。ある場合には、SA:V比は80cm−1以上であってもよい。他の場合には、SA:V比は、約20cm−1以上、約40cm−1以上、約60cm−1以上、約80cm−1以上、約100cm−1以上、約120cm−1以上、約150cm−1以上、またはそれらの間の任意の値であってもよい。装置の最大酸素拡散距離は、50μm未満、100μm未満、150μm未満、200μm未満、250μm未満、300μm未満、350μm未満、400μm未満、450μm未満、または500μm未満であってもよい。
超極薄装置のメンブレンの特性はその機能を高めるように選択してもよい。このような特性の1つはメンブレンの流束選択性であってもよい。種々のメンブレン特性(たとえば、微細構造、ねじれ、孔径、多孔度、及び/または厚さ)が流束選択性に寄与する場合がある。流束選択性は、メンブレンを通ることができる分子に影響する場合がある。微細構造がメンブレンの流束選択性に影響するため、メンブレンの処理は、その微細構造及びその流束選択性に影響する可能性がある。
超極薄装置のメンブレンの特性を、免疫保護に対するその能力を改善するように選択してもよい。たとえば、メンブレンの流束選択性が高いと、多量の抗体及び補体タンパク質がメンブレンを横切って動くことが防止され得る。またメンブレンの流束選択性が高いと、栄養素がメンブレンを通って細胞収容装置の内部まで拡散することを減らすことができる。メンブレンの流束選択性が中間の場合、細胞生存に対する流束特性が良好となり、死細胞からの抗原の放出が減り、抗体がメンブレンを横切って動くことがあるレベルで防止され得る。メンブレンの流束選択性が低いと、メンブレンを通る栄養素交換が高流束によって促進されることが可能になる場合があり、メンブレンを横切る細胞の輸送を制限することができる場合があり、細胞よりも小さい分子の輸送が起こらない場合がある。また、メンブレンの流束選択性が中間かまたは低いと、抗体の潜在的な交換が可能となる場合があり、メンブレンの流束選択性が高い場合と比べて機械的特性が低くなる場合がある。
超極薄装置に対して、種々のタイプのメンブレンを用いることができる。図47に、超極薄装置に対して使用できる異なる多孔度厚さのePTFEメンブレンの走査型電子顕微鏡写真を示す。表1に、種々のメンブレン特性、たとえば、それらの流束、厚さ、拡散選択性、及びインスリン流束を示す。拡散選択性は抗体流束対インスリン流束の比として規定される。比が低いほど、選択性が高い流束であることを示す。なぜならば、インスリンは抗体よりもはるかに小さい分子であるからである。Cメンブレンは、拡散選択性がA及びBメンブレンよりも低く、より大きい分子(たとえば、抗体)がそのメンブレンを横切って輸送されることを可能にする上で選択性が高い。
図48に示すように、選択透過メンブレンが含まれ、ラット膵島細胞が充填された高流束超極薄装置は、20mMグルコース刺激に応じてインスリンを生成及び分泌することができた。測定は、超極薄装置の外部へのCペプチドの流束によって行った。Cペプチド(連結ペプチドとしても知られる)は、プロインスリンから開裂されてインスリン分子を形成するポリペプチドである。Cペプチドはインスリンに対する等モル量で存在するため、Cペプチドのレベルは生成及び分泌されるインスリンのレベルを示す。スプラーグドーリーラットから取り入れた膵島を用いて、超極薄装置内への封入後のインスリン輸送動力学を評価した。封入したラット膵島細胞が充填された超極薄装置は、フリーラット膵島が充填された超極薄装置と比べて、超極薄装置からのインスリンの放出が約5〜10分間遅れることを示した。測定は、時間に対する動的GSIS(グルコース刺激インスリン分泌)として行った。封入した膵島細胞は、グルコース刺激に応答してインスリンを生成及び放出することができる。封入しても、封入した細胞がグルコース刺激を受け取ってグルコース刺激への応答をインスリンを生成及び分泌することによって行う能力は妨げられない。膵島細胞が充填された超極薄装置は、その環境でのグルコース濃度に応じて二相性インスリン分泌及び遮断の転換を可能にする拡散動力学を有している。GSISは、グルコースへの露出下で細胞がインスリンを分泌するときに生じる。分泌されるインスリンの量はグルコース露出のレベルに比例する場合がある。GSISの間、グルコース露出のレベルに従って、インスリン分泌は減少し、停止し、開始し、及び増加する場合がある。いくつかの態様にはさらに、被検者の血中グルコースレベルを下げるのに十分な量でインスリンを細胞収容装置内の細胞から放出することが含まれる。いくつかの態様では、被検者の血中グルコースレベルが正常レベルまで下がったら、インスリンの放出は停止する。いくつかの態様では、細胞収容装置内の細胞が被検者の高い血中グルコースレベルに再び曝露されるとインスリンの放出は再開する。
メンブレンの選択は、超極薄装置からのインスリンの流束動力学及びグルコース刺激に対する超極薄装置の応答性に影響を及ぼす可能性がある。図49に、高流束メンブレンまたは選択透過メンブレンを含んで、封入した膵島細胞が充填された超極薄装置における静的なCペプチド放出を、高グルコース刺激の前(LGまたは低グルコース)、高グルコース刺激の間(HG)、及び高グルコース刺激の後(LG)について示す。3つのすべてのタイプの超極薄メンブレンにおける封入した膵島細胞が、グルコース刺激に応答した。高流束メンブレンを伴う超極薄装置は、HG条件下で装置あたり約1.7x10pMのCペプチドになり、一方で、選択透過メンブレンを伴う超極薄装置は、HG条件下で装置あたり約5x10pMのCペプチドになった。超極薄装置の場合、HG条件に応じてインスリンの放出に遅延が生じた。インスリン放出における遅延は、超極薄装置内にインスリンを保持することに起因する場合があり、いくつかのメンブレンがインスリンへの粘着性を有し得ることを示す場合がある。図50に、AS1メンブレンを伴う超極薄装置の動的GSISを示す。AS1は高流束メンブレンであるため、この結果、高流束超極薄装置となって、インスリンを生成及び分泌することによって20mMの高グルコース刺激に応答し、高グルコース刺激が取り除かれるとインスリン生成及び分泌をターンオフする。
多くのプロセスによって超極薄装置及び細胞収容装置を調製することができる。これらのプロセスには、メンブレン作製、メンブレンコーティング、装置組立、及び無菌細胞充填を含めることができる。目標とする特性を実現するようにメンブレンを作製及び処理することができる。目標とする特性には、輸送流束特性、機械的特性、多孔度、孔径、厚さ、微細構造、またはねじれが含まれていてもよい。作製プロセスには、メンブレン延伸または焼結が含まれていてもよい。メンブレンをさらにコーティングプロセスを用いて処理して種々の所望の特性を与えることができる。前述したように、これらのコーティングには、親水性ポリマー、VEGF、または他の分子であって血管新生またはタンパク質輸送を促すものが含まれていてもよい。そして、メンブレンを作製して、装置に組立てることができる。超極薄装置の組立ては、自動または半自動組立てとすることができるロボット組立てを用いて行うことができる。装置に対するフレームを作製することができる。任意的に、1つ以上の超極薄装置をマクロ装置としてフレーム上で組立てることができる。超極薄装置に細胞を無菌で充填することができる。無菌細胞充填を、圧力充填プロセス、遠心分離、重力充填、開放充填、またはそれらの任意の組み合わせによって行ってもよい。
メンブレンを細胞収容装置に作製する前に焼結してもよい。メンブレンの焼結プロセスを用いて、メンブレンの多孔度及び流束特性を変えてもよい。焼結によって、その細孔構造を維持しながらメンブレンの多孔度が増加し得る。焼結によって、メンブレンの機械的安定性及びインスリン流束を改善することができる。図51に、非焼結及び焼結メンブレンの走査型電子顕微鏡写真を示し、メンブレンの微細構造の変化を示す。焼結したメンブレンの節及び小繊維について融合及び合体が存在する。
焼結プロセスは非常に一貫していてロット間変動を小さくすることができる。表2に示すのは、焼結したメンブレンの融点温度(約326℃〜333℃の範囲)であり、非焼結メンブレンの融点温度(約345℃)とは異なっている(DSCにより測定)。焼結プロセスの結果、ロット間変動は0.76%となり、焼結プロセスの一貫性を示した。メンブレンの焼結を用いてメンブレンの多孔度を変えることができ、次にそれを用いて、細胞収容装置の多孔度及び流束特性を調整することができる。焼結プロセスでの一貫性によって、細胞収容装置の大量生産におけるメンブレン多孔度及び特性に影響を及ぼす魅力ある選択肢が得られる場合がある。
いくつかの実施形態では、フレーム上で組立てた細胞収容装置を、非焼結メンブレンを用いて作製した後、後熱硬化に通してフレーム上の多孔度を減らしてもよい。非焼結メンブレン及び後熱硬化を用いた組立体のこの製造方法によって、製造プロセス全体におけるステップ、時間、及び/またはコストが減る場合がある。
いくつかの実施形態では、細胞収容装置には、少なくとも1つの焼結したメンブレン及び少なくとも1つの非焼結メンブレンが含まれていてもよい。細胞収容装置のメンブレンのこのような非対称な焼結によって、制御された幾何学的形状を伴う装置が得られる場合がある。1つの細胞収容装置内で異なるタイプのメンブレンを用いることによって、その異なる機械的特性に起因して装置内に湾曲が誘起される場合がある。第1のメンブレンは第2のメンブレンよりも柔軟であるかまたは延性があってもよい。いくつかの実施形態では、1つの装置内の異なるタイプのメンブレンは、焼結したメンブレン及び非焼結メンブレンであってもよい。
メンブレンをコーティングすることによって、細胞収容装置の流束特性を調整する別のアプローチが得られる。メンブレンを細胞収容装置に作製する前に親水コーティングでコーティングしてもよい。親水コーティングによって、メンブレンを濡らすことが可能になり、装置に細胞を充填するために利用できる限外濾過が可能になり、拡散が可能になり、生体適合性の中性電荷表面が得られる場合がある。図52に、目標とするインスリン流束の1x10−6mol/m/s付近のメンブレンとなった親水コーティングプロセスの比較を示す。親水コーティングプロセスによって、ロット内変動が約9%でロット間変動が約8%となった。
いくつかの実施形態では、疎水性メンブレンを親水コーティングでコーティングすることができる。親水コーティングは生体適合性とすることができ、インスリン及び他の分子の拡散を改善することができる。いくつかの実施形態では、未コーティングの疎水性メンブレンでは、インスリン及び他の分子の拡散が可能とならない場合がある。いくつかの実施形態では、ナノ薄コーティングプロセスによって、メンブレン及び細胞収容装置に対する適切なレベルの透過性及びインスリン拡散が得られる場合がある。いくつかの実施形態では、メンブレンの半透性は細胞を免疫攻撃から保護するように構成されている。いくつかの実施形態では、メンブレンの半透性は、免疫抑制療法がない場合に、細胞を免疫攻撃から保護するように構成されている。
ePTFE材料は疎水性であるため、親水性ポリマーをePTFE微細構造の周りで重合して、メンブレンの濡れを可能にし、流体力学的抵抗を下げることができる。この結果、細胞充填プロセス中の限外濾過を容易にすることができ、低圧力を用いて装置内に細胞を導入することを可能にすることができる。また中性の親水性表面を形成して、宿主タンパク質及び細胞の吸着または付着を最小限にすることもできる。
フレームに入って焼結したメンブレンを、100%エタノール内に5分間置いた後に、30%エタノールにほぼ5分間浸漬してもよい。メンブレンを次に、30%エタノール中の9gAPS、27mLのHPA、及び18mLのTEGDAから構成されたコーティング溶液に室温でほぼ5分間浸漬することができる。重合反応を、LabViewソフトウェアを用いて制御して、室温から3℃/分のレートで増加させて70℃で行うことができる。フレームに入ったコーティングされたメンブレンをコーティング溶液から取り出して、沸騰した100%エタノールに移して未反応モノマーを取り除き、そして、過剰の蒸留水を数回替えて浸漬することができる。最後に、コーティングされたメンブレンを連続した窒素気流を用いてチャンバ内で乾燥させる。
図53に、メンブレン親水性の表示としてH&E染料によって染色された3つの異なるコーティングプロセスV1、V2、及びV3によってコーティングされたメンブレンを示す。V1コーティングプロセスを受けたメンブレンは、高度に染色されたピンク色に見えて、オーバーコーティングされているように見えた。V2コーティングプロセスを受けたメンブレンは、可変レベルのH&E染料染色を有し、中心よりもその縁部の方が強く、傾斜コーティングを有するように見えた。V3コーティングプロセスを受けたメンブレンは、ナノ薄コーティングプロセスによってコーティングされていて、その断面厚さの全体にわたって一様にコーティングされているように見えた。図54に、メンブレン、V1コーティングプロセスを受けたメンブレン、及びV3コーティングプロセスを受けたメンブレンの透水率を示す。V3コーティングされたメンブレンは、約1.8x10−14の高透過性を示し、一方で、メンブレン及びV1コーティングされたメンブレンは1x10−15未満の低い透水率を示した。
いくつかの実施形態では、超極薄装置におけるコーティングされたメンブレンの透水率は、少なくとも1x10−16、1x10−15、1x10−14、または1x10−13であってもよい。いくつかの実施形態では、超極薄装置の第1のメンブレン及び第2のメンブレンは透水率が同じであってもよい。いくつかの実施形態では、超極薄装置の第1のメンブレン及び第2のメンブレンは透水率が異なっていてもよい。いくつかの実施形態では、第1及び第2のメンブレン上で異なるコーティングプロセスを用いて、異なる透水率を実現してもよい。いくつかの実施形態では、第1のメンブレン、第2のメンブレン、または両方の半透性は、細胞を免疫攻撃から保護するように構成されている。いくつかの実施形態では、第1のメンブレン、第2のメンブレン、または両方の半透性は、免疫抑制療法がない場合に、細胞を免疫攻撃から保護するように構成されている。
複数のメンブレンまたは複数の細胞収容装置を一度にコーティングするように、コーティングプロセスをデザイン及びスケールアップしてもよい。いくつかの実施形態では、40のヒト細胞収容装置を一度にコーティングするようにコーティングプロセスをスケールアップしてもよい。図55に、乾燥及び濡れたコーティングされたメンブレンとともにコーティングプロセスをスケールアップするセットアップを示す。濡れたコーティングされたメンブレンの透過照明によって観察された高い光透過によって、コーティングされたメンブレンの湿潤性が実証され、この光透過は、コーティングされたメンブレンの親水性及び透過性の表示として機能する。
細胞収容装置に対するフレームには種々の材料が含まれていてもよい。いくつかの実施形態では、フレームは生体適合性材料であってもよい。前述したように、フレームは1つの細胞収容装置または複数の細胞収容装置を保持していてもよい。フレームの機械的特性は、生体内移植後に装置を囲む宿主生体組織と同様であってもよい。材料の機械的特性の1つの指標はそのヤング率である。図56に、種々の生物材料及び合成材料のヤング率、ならびに候補メンブレン、候補フレーム材料、及び装置全体に対する目標とするヤング率(複合ヤング率)の範囲を示す。メンブレンに対する目標とするヤング率は、10〜10Paの範囲であってもよい。フレーム材料に対する目標とするヤング率は、10〜10Paの範囲であってもよい。装置複合体(マクロ装置またはフレームを伴う装置とも言われる)に対する目標とするヤング率は、10〜10Paの範囲(装置単独に対する範囲とフレーム単独に対する範囲の中間)であってもよい。いくつかの実施形態では、メンブレンのヤング率は、少なくとも10Pa、10Pa、10Pa、10Pa、または10Paであってもよい。いくつかの実施形態では、フレームのヤング率は、少なくとも10Pa、10Pa、または10Paであってもよい。いくつかの実施形態では、装置複合体のヤング率は、少なくとも10Pa、10Pa、または10Paであってもよい。
いくつかの実施形態では、フレームにはポリエーテルエーテルケトン(PEEK)が含まれていてもよい。図57に、150mNの力の下での2つの細胞収容装置に対する300μm厚のPEEKフレームの機械的特性のシミュレーションを示す。シミュレーションが示すところによれば、PEEKフレームは、最大応力が約88MPa(約103MPaの降伏応力を下回る)、最大歪みが約0.014、及び最大変位が約4.711mmとなる。
図58に、融合されたドットを装置の中心に伴う細胞収容装置を保持するPEEKフレームの例を示す。フレームを、その目標とする寸法を実現するために適切な方法を用いて微細加工または機械加工してもよい。図59に、最大限に充填されたフレーム上に中心で融合されたドットを伴う単一の細胞収容装置を含む単一のフレームモジュールを示す。フレーム上に中心で融合されたドットを伴う充填された装置は、メンブレンの横膨張が限定されていることを示す。
図89A及びBに、マクロ装置フレームによって保持された複数の装置を伴うマクロ装置の種々の構成を示す。あるデザインでは、マクロ装置フレームは柔軟で複数の装置を保持することができる。いくつかの実施形態では、マクロ装置フレームは、複数の装置を保持するための柔軟な統合フレームとすることができ、個々の細胞収容装置を囲む多孔質構造を有することができる。
図59に示すように、細胞収容装置に細胞を最大限に充填してもよい。図60に、最大限に充填された細胞収容装置内に20%酸素及び37℃の標準状態下で保管されたときの少なくとも10日間の細胞生存性を示す。これは、H&E染色された組織切片内に細胞が存在することによって明らかである。細胞が充填された細胞収容装置を種々の状態下で保管して、移植前の細胞収容装置内の細胞の生存能力を延ばしてもよい。細胞が充填された細胞収容装置を種々の温度下で、4℃、23℃、または37℃で保管してもよい。いくつかの実施形態では、細胞が充填された細胞収容装置の保管温度は、少なくとも1℃、2℃、3℃、4℃、5℃、6℃、7℃、8℃、9℃、10℃、11℃、12℃、13℃、14℃、15℃、16℃、17℃、18℃、19℃、20℃、21℃、22℃、23℃、24℃、25℃、26℃、27℃、28℃、29℃、30℃、31℃、32℃、33℃、34℃、35℃、36℃、37℃、38℃、39℃、または40℃であってもよい。いくつかの実施形態では、細胞が充填された細胞収容装置を低酸素、正常酸素、または高酸素条件で保管してもよい。
細胞収容装置の2つのメンブレンをその表面に沿って融合して別個のドットにしてもよい。装置の融合されたドット形状、直径または距離、及び密度(たとえば中心間の間隔)の種々の構成が存在してもよい。ドットは円形、矩形、三角形、直線状、または他の形状であってもよい。ドットは種々の断面距離または直径を有していてもよい。いくつかの実施形態では、ドット直径は、少なくとも0.1mm、0.2mm、0.3mm、0.4mm、0.5mm、0.6mm、0.7mm、0.8mm、0.9mm、1.0mm、1.1mm、1.2mm、1.3mm、1.4mm、1.5mm、1.6mm、1.7mm、1.8mm、1.9mm、2.0mm、2.1mm、2.2mm、2.3mm、2.4mm、2.5mm、2.6mm、2.7mm、2.8mm、2.9mm、3.0mm、3.1mm、3.2mm、3.3mm、3.4mm、3.5mm、3.6mm、3.7mm、3.8mm、3.9mm、4.0mm、4.5mm、または5.0mmであってもよい。
装置は1つの融合されたドットまたは複数の融合されたドットを有していてもよい。ドットは規則的に離間に配置してもよい。ドットをマトリックスアレイ内で規則的に離間に配置してもよい。ドットを不規則またはランダムに離間に配置してもよい。いくつかの実施形態では、ドットは離間に配置され、中心間が、少なくとも0.5mm、1.0mm、1.5mm、2.0mm、2.5mm、3.0mm、3.5mm、4.0mm、4.5mm、5.0mm、5.5mm、6.0mm、6.5mm、7.0mm、7.5mm、8.0mm、8.5mm、9.0mm、9.5mm、または10.0mmであってもよい。いくつかの実施形態では、ドットは互いに重なり合って配置してオーバーラップしてもよい。
ドットの全表面積が、細胞収容装置のメンブレンの表面積の一部を覆っていてもよい。ドットが覆う細胞収容装置のメンブレンの表面積は、細胞生存性、細胞機能、及び装置内部からの分子の放出を維持できるその能力を妨げない部分であってもよい。いくつかの実施形態では、メンブレンの表面積の30%、25%、20%、15%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、または1%未満をドットが覆ってもよい。
ドットによって、装置のメンブレンが互いから離れるように曲がることがないような接着制限部が得られてもよい。装置の充填中に互いから離れるように装置のメンブレンが変形し、曲がり、または膨張することを制限するように、ドット密度及び直径を選択することができる。ドット直径及び密度は、一連のカウンタを形成することによって、許容可能な充填体積に影響を及ぼすことができる。同じ寸法の装置の場合、ドットピッチが短い装置はドットピッチが長い装置よりもドット密度が高くてもよい。同じドット直径及び装置寸法を有する装置の場合、ドットピッチが短い装置は、ドットピッチが長い装置よりも、充填に利用できる内部体積を小さくすることができる。
ドットの寸法を調整して、細胞収容装置内の体積及びSA:V比を制御してもよい。いくつかの実施形態では、ドットの表面積を増加させて細胞収容装置内の体積を減少させてもよい。その結果、チャネルの表面積が増加することによって、細胞収容装置に対するSA:V比が大きくなってもよい。いくつかの実施形態では、ドットの表面積を減少させて細胞収容装置内の体積を増加させてもよい。ドットの表面積が減少することによって、細胞収容装置に対するSA:V比が小さくなってもよい。
ドットを種々のパターンで形成してもよい。ドットを、装置に装置全体にわたって一様に充填する能力を維持するパターンで形成してもよい。装置に充填することができる細胞の体積及び/または量を調整するようにドットパターンをデザインすることができる。装置に細胞を充填する間に装置のメンブレンが膨張することも曲がることも抑えるように、ドットパターンをデザインすることができる。いくつかの実施形態では、装置は1つのドットを有していてもよい。いくつかの実施形態では、装置は複数のドットを有していてもよい。いくつかの実施形態では、装置は少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、または30のドットを有していてもよい。
充填中の装置の厚さはさらに、装置の外面に外部制限部を適用することによって制御することができる。外部制限部を細胞収容装置のメンブレンの外面上に配置して、メンブレンの大部分または全表面を覆うことができる。充填中に装置のメンブレンが互いから離れるように変形することを、外部制限部によって物理的に限定してもよい。装置が充填されたときに装置内部から移動した空気の放出を助けるように、外部制限部を多孔性とすることができる。多孔性制限部の間に目標間隔を伴うスペーサを用いることによって、外部制限部をさらに調整可能とすることができる。スペーサは、充填前の装置の全厚に対応してもよい。
別個のドットにおけるメンブレンを融合するように、ドットを種々のプロセスによって形成してもよい。本明細書で説明するスポット溶接プロセスを用いた融合プロセスによってドットを形成してもよい。第1のメンブレン上のドットに対する所望の場所に接着剤を配置し、その後に第1のメンブレンを第2のメンブレンと接触させることによって、ドットを形成してもよい。接着剤ドットを多層に積み重ねることができる。いくつかの実施形態では、接着剤ドットを2つの層で積み重なる。いくつかの実施形態では、接着剤を自動または半自動プロセスでメンブレン上に配置してもよい。いくつかの実施形態では、自動分配器をプログラムして特定の体積または重量の接着剤を特定の場所に分配するようにしてもよい。いくつかの実施形態では、メンブレン及びドットパターンの寸法に関する情報を分配器に与えて、メンブレン上への接着剤の分配をガイドするようにしてもよい。接着剤配置及びスポット溶接プロセスの組み合わせによってドットを形成してもよい。
融合されたドットを形成することに多くの接着剤が適している場合がある。接着剤は、シアノアクリレート、ウレタンアクリレート、UV硬化エポキシ、熱硬化エポキシ、または二部エポキシ(一方の要素をメンブレン内に移植(モノマー)、他方をその周りに溶解状態で塗布してもよい(架橋剤))であってもよい。代わりにまたは組み合わせて、溶媒を用いてメンブレン接合を部分的に可溶化して結合を形成してもよい。
接着剤の特性及び接着剤配置のパターンを用いてドット直径及び密度と充填中の装置の厚さとを調整することができる。接着性がメンブレン内への接着剤侵入のレートに影響を及ぼす場合がある。最初の塗布によってドットの有効径を設定してもよい。侵入速度を接着剤の粘度の関数とすることができる。接着剤の化学的性質に応じて、侵入速度はメンブレンの電荷及び親水化の度合いの影響を受ける場合がある。コーティング、メンブレン、及び接着性は共に、ドットパターンの密度を形作る。その代わりにまたはそれに加えて、これらのパラメータを時間によって調節するピコパルス接着剤分配器によってドットパターンを制御することができ、分配器による分配を非線形分配とすることができる。
いくつかの実施形態では、接着剤は粘度が約200cP〜450cPである。いくつかの実施形態では、接着剤は粘度が少なくとも10cP、20cP、30cP、40cP、50cP、60cP、70cP、80cP、90cP、100cP、200cP、300cP、400cP、500cP、600cP、700cP、800cP、900cP、または1000cPである。
種々のパラメータを一定に維持しながら、細胞収容装置を種々のサイズにスケール変更することができる。たとえば、ヒト移植用の装置の場合と同等な微環境をマウス移植用の装置内に設けるように、装置をスケール変更することができる。装置の機能にとって重要な種々のパラメータを一定に維持することができる。これらのパラメータは、インスリンなどの対象とする分子の拡散距離またはSA:V比とすることができる。装置のサイズが機械的特性に影響を及ぼす可能性があるため、標的とする移植部位において折り重なることなく装置の柔軟性が維持されるように装置をデザインしてもよい。充填プロセスもスケールアップするため、より高いスループットでの装置の充填に適合するように、スケールアップした装置をデザインすることができる。スケール変更した装置のデザインでは、更新した流体チャネルを組み込んで、充填後の装置の最終シールを改善してもよい。図74A及びBに示すように、スケール変更した装置のデザインでは、基本的な柔軟なマクロ装置フレームの代わりに、複数の装置に対して一体化されたマクロ装置フレームを組み込んでもよい。
本明細書では、第1のメンブレンと第1のメンブレンに対向しそこに取り付けられた第2のメンブレンとを含むePTFE細胞収容装置が提供される。第1のメンブレンには第1の表面及び第2の表面が含まれていてもよい。第1の表面には、複数のチャネルと表面積を有する対向する第2の面とが含まれていてもよい。第1のメンブレン及び第2のメンブレンによって、ePTFE装置内に細胞を収容するための体積を与える囲まれたコンパートメントを形成してもよい。
典型的なPVDFチャネルアレイ装置はUV光の下で減衰してもよい。
典型的なフレームレスePTFEチャネルアレイ装置によってePTFE転写が可能になってもよいが、状況によっては、装置は生体内で歪んでもよい。典型的なフレームレスePTFEチャネルアレイ装置では、安定フレーム、ならびに直線及び角度が付いた充填チューブを、それぞれ用いる。角度が付いた充填チューブによって流体流の改善が得られる場合がある。さらに、角度が付いた充填チューブによって、メンブレンに取り付けられた充填チューブ内のデッドスペースが増加する場合がある。最後に、角度が付いた充填チューブによって、製造中のレーザビジョンに対する必要性が減る場合がある。図示したように、角度が付いた充填チューブは、メンブレンの対称的な二等分面から斜めであり、直線の充填チューブは、メンブレンの対称的な二等分面と同一平面または平行である。
本明細書ではさらに、細胞収容装置を製造する方法が提供される。本方法には、第1のメンブレンを用意することと、第1のメンブレン内に複数のチャネルを形成することと、第2のメンブレンを第1のメンブレンに融合することと、が含まれていてもよい。第1のメンブレンには第1の面及び第2の面が含まれていてもよい。第2の面は第1の面と対向していてもよい。第1のメンブレンの第1の面内に複数のチャネルを形成してもよい。第1のメンブレンの第2の面に第2のメンブレンを融合してもよい。第1のメンブレンの第2の面と第2のメンブレンとを融合することによって、コンパートメントを形成してもよい。第1のメンブレンの第2の面と第2のメンブレンとの間に細胞を収容するようにコンパートメントを構成してもよい。
第1のメンブレンの第1の面内に複数のチャネルを形成することを、モールド1021、1022によって行う。モールドには、ポジ型モールド1021(図86Aに見られる)またはネガ型モールド1022(図86Aに見られる)が含まれていてもよい。ポジ型モールド1021は第1のメンブレンの第2の面に接触してもよく、一方で、ネガ型モールド1022はメンブレンの第1の面に接触してもよい。ネガ型モールド1022を用いることによって、メンブレンの3D熱成形が改善されて、厚さ及び多孔度がより最適なメンブレンが生成される場合がある。
典型的なチャネルアレイ装置の上部によって、外部の充填チューブを介して装置内に細胞を挿入することが可能になる場合がある。典型的なチャネルアレイ装置の下部にはメンブレンが含まれる。図示した外部の充填チューブには、角度が付いた充填チューブが含まれていてもよい。充填チューブはメンブレンの対称的な二等分面から斜めになっている。典型的なチャネルアレイ装置の上部はさらに、サポートするための機械フレームとして機能してもよい。典型的なチャネルアレイ装置は、内部体積が約24μlで、チャネル品質が約50で、フットプリントが約1x0.5cmで、チャネルが1mmで、チャネル間(C−C)距離が約1mmであってもよい。図87に見られるように、典型的なチャネルアレイ装置にはフレームが含まれている。挿入チューブ1040をフレーム上に手動で取り付けてもよい。図87に示す典型的なチャネルアレイ装置には、げっ歯状チャネルアレイ装置が含まれていてもよい。
ポケットフレームによって、チャネルアレイ装置内に流体チャネルを組み込みことが可能になる場合がある。さらに、ポケットフレームの方が、挿入チューブを手動で追加する必要がなく製造が簡単である。複数のこのようなチャネルアレイ装置を一度に形成してもよい。複数の同時に形成されたチャネルアレイ装置は容易に充填され、分離され、及びシールされて、自律型及び/または機械動作の製造が可能になる場合がある。チャネルアレイ装置内のポケットフレームを、選択的レーザ焼結(SLS)、射出成形、溶液キャスティング、機械加工、またはそれらの任意の組み合わせによって形成してもよい。このようなプロセスによって、ポケットフレームの幾何学的形状及び解像度に対する十分に高い制御が可能になる場合がある。
さらに、ポケットフレームを、そのフープ強度を通して、チャネルアレイ装置に対するねじれ抵抗、剛軟度、または両方をもたらすように構成してもよい。このような抵抗は、可変厚、幅、断面形状、またはそれらの任意の組み合わせを有するポケットフレームによって得てもよい。さらに、第1及び第2のメンブレン間でシールされたポケットフレームを、汚染を防ぐように気密に構成することができる。
最後に、図106a及び106bにそれぞれ示すように、チャネルアレイ装置1050内のポケットフレーム1051によって、充填口を伴うチャネルアレイ装置1050よりも、質量流量を大きくて均一にすることができる。
図107A〜Bに示すように、チャネルアレイ装置の幾何学的な設計パラメータ1070は、有効性を高めるように最適化されている。チャネルアレイ装置1070内のチャネルの幾何学的形状を、細胞チャンバ高さ(A)、融合領域(B)、開口径(C)、チャネル直径(D)、及びチャネル間隔(E)によって規定してもよい。
細胞チャンバ高さ(A)を、第1のメンブレン1071の内面と第2のメンブレン1072の内面との間の最大法線距離として測定してもよい。細胞チャンバ高さ(A)を、チャネルアレイ装置1070内のすべてのチャネル1073に対して、第1のメンブレン1071の内面と第2のメンブレン1072の内面との間の最大法線距離の平均値として測定してもよい。いくつかの実施形態では、細胞チャンバ高さ(A)は少なくとも約300μmである。下表3に示すとおり、細胞チャンバ高さ(A)を、装置の拡散流束、異物反応、血管新生、非外傷性細胞充填、及び体積/フットプリントを変えるように最適化してもよい。
融合領域(B)を、第1のメンブレン1071と第2のメンブレン1072とが融合される全表面積として測定してもよい。融合領域(B)を代替的に、第2のメンブレン1072と略平行な第1のメンブレン1071の上面の表面積として測定または相関づけてもよい。下表3に示すように、融合領域(B)を、装置のシール完全性、異物反応、及び血管新生を変えるように最適化してもよい。
いくつかの実施形態では、装置1070にはさらに、チャネル1073内第1のメンブレン1071と第2のメンブレン1072とを通る開口部1074が含まれる。開口部1074は開口径(C)を有していてもよい。開口径(C)を、開口部1074の平均、最大、または最小内径として測定してもよい。開口径(C)を、装置1070内の複数のチャネル1073内の複数の開口部1074の平均、最大、または最小開口径(C)として測定してもよい。いくつかの実施形態では、開口部1074は、チャネル1073に対する同心度が最大でチャネル直径(D)の25%である。下表3に示すように、開口径(C)は、装置のシール完全性、異物反応、及び血管新生を変えるように最適化してもよい。
いくつかの実施形態では、チャネル直径(D)を、チャネル1073の最大、最小、または平均内径として測定してもよい。いくつかの実施形態では、チャネル直径(D)を、チャネル1073の最大、最小、または平均通常内径として測定してもよい。いくつかの実施形態では、チャネル直径(D)をチャネル内の最も狭い点で測定する。いくつかの実施形態では、チャネルは平均直径が約400μm〜約3、000μmである。下表3に示すように、チャネル直径(D)を、装置の拡散流束、異物反応、血管新生、非外傷性細胞充填、及び体積/フットプリントを変えるように最適化してもよい。
チャネル間隔(E)を、2つの隣接チャネル1073の内面間の最大、最小、または平均距離として測定してもよい。チャネル間隔(E)を、2つの隣接チャネル1073の内面間の最大、最小、または平均法線距離として測定してもよい。チャネル間隔(E)を、複数の各チャネル1073に対して、2つの隣接チャネル1073の内面間の最大、最小、または平均距離の平均値として測定してもよい。いくつかの実施形態では、各チャネルの中心は別のチャネルの中心から約75μm〜約500μmの距離で分離されている。下表3に示すように、チャネル間隔(E)を、装置の拡散流束、非外傷性細胞充填、及び体積/フットプリントを変えるように最適化してもよい。
チャネル1073をさらに、図89Bに示すように、そのアスペクト比によって特徴付けてもよい。アスペクト比を、細胞チャンバ高さ(A)とチャネル直径(D)との間の比として計算してもよい。アスペクト比は少なくとも約0.5であってもよい。
図107Cに示すように、使用を考えてチャネルの幾何学的形状をデザイン及び最適化することができる。第1のメンブレン1073の第1の表面に対するチャネル1073の円柱度、真円度、及び垂直度が一様であれば、最適な使用及び細胞増殖が可能になる。
図108A〜Bに、チャネルアレイの典型的な第1のメンブレンの内面を示す。下表4に示すように、チャネルの間隔及びサイジングによって、表面対体積比を増加させることができる。図90Aにチャネル間隔が50μmの典型的なチャネルアレイを示し、図90Bにチャネル間隔が270μmの典型的なチャネルアレイを示す。
いくつかの実施形態では、チャネルアレイ装置1070は長さ及び幅の少なくとも一方が約0.25cm〜約3cmである。いくつかの実施形態では、複数の各チャネル1073が第1のメンブレンに略垂直である。いくつかの実施形態では、チャネル1073は直線アレイ内に配列されている。いくつかの実施形態では、チャネル1073は極性アレイ内に配列されている。いくつかの実施形態では、装置は、横断面に沿った面積あたりのチャネル数が約50/cmよりも大きい。いくつかの実施形態では、装置は表面積対体積比が少なくとも約40cm−1である。いくつかの実施形態では、チャネルアレイ装置1070には第1のメンブレンと第2のメンブレンとの間のコンパートメントが含まれる。コンパートメントには単一の連続したオープンスペースが含まれていてもよい。コンパートメントは体積が約8uL〜約600uLであってもよい。
いくつかの実施形態では、チャネルアレイを形成する方法にはさらに、複数のチャネル内の第1のメンブレン及び第2のメンブレンの一部をレーザーアブレーションすることが含まれる。いくつかの実施形態では、レーザーアブレーションによって、第1のメンブレンと第2のメンブレンとの融合部分を取り除いて開口部を形成する。
いくつかの実施形態では、開口部はチャネルに対する同心度が最大でチャネルの直径の25%である。図91A(左)に、典型的なレーザ穿孔されたチャネルアレイ装置の詳細な画像を示す。開口部は、チャネルに対する容認できない同心度が約25%よりも大きい。図91A(右)に、典型的なレーザ穿孔されたチャネルアレイ装置の詳細な画像を示す。開口部は、チャネルに対する許容できる同心度が約25%よりも小さい。図91Cに示すように、同心度が増すと、各開口部の周りの融合領域の幅の均一性が向上して、結合強度及びシーリングを増加させることができる。さらに、同心度が増すと、表面積対体積比が増加して、強度及び完全性に必要なシール領域の要求されるサイズが減る。シール表面積が減ると、FBRを刺激して中心の血管のさらなる拡散距離を形成する残存する「棚」が減る。
図91Bに示すような典型的なアレイ装置にわたって左から右への開口部とチャネルとの位置合わせを図92に示す。同心度値が0であることは完全な同心に対応する。たとえば、テスト894(中央)に対応付けられるレーザーアブレーションパラメータが形成する開口部は、テスト898(右側)に対応付けられるアブレーションパラメータに対応付けられるパラメータの場合よりも、同心度値がはるかに高かった。
図93Aに、典型的なレーザ穿孔されたチャネルアレイ装置の画像を示す。図93Bに、チャネルアレイ装置のシール界面の画像を示す。図94A〜Bに、移植されたチャネルアレイ装置の周りの血管新生の高倍率及び低倍率画像を示す。図95に、いくつかの実施形態による血管宿主統合の図を示す。いくつかの実施形態では、第1のメンブレン及び第2のメンブレンの少なくとも一方は、装置内での細胞の血管新生を可能にするように構成されている。いくつかの実施形態では、第1のメンブレン及び第2のメンブレンの少なくとも一方は、免疫抑制療法がない場合に、装置内での細胞の血管新生を可能にするように構成されている。
圧力が100mmHgでの典型的なチャネルの静脈性毛細血管を伴う平衡状態O張力分布を、図96Aに、チャネル直径が1、100μm、1、300μm、及び1、500μmで、チャネルのエッジ間距離が150μm及び250μmについて示す。さらに、圧力が45mmHgでの典型的なチャネルの静脈性毛細血管を伴う平衡状態O張力分布を、図96Aに、チャネル直径が1、100μm、1、300μm、及び1、500μmで、チャネルエッジ間距離が150μm及び250μmについて示す。
いくつかの実施形態では、モールドを用いて複数のチャネルを成形することには、複数のチャネルを熱成形することが含まれる。図115A〜Bに、360℃で7分間、3psiの負圧で熱成形された典型的な非焼結メンブレンの上面斜視及び断面画像をそれぞれ示す。図示したように、熱成形プロセスによって、亀裂または構造崩壊が無い成形されたチャネルが得られる。このような熱成形プロセスによって、急激な曲がり及び大きい細胞チャンバ高さ1150として約558μmが可能であり、その結果、表面積対体積比が増え、細胞を収容するための十分な空間が得られる。図98に示すように、典型的なメンブレンを熱成形しても破裂は起きないが、代替的なメンブレン及びプロセスを用いることで、焼結の低減及び展性の増加によって融合強度を高めることができ得る。このような方法及びメンブレンによってさらに、より大きい細胞チャンバ高さ1150を得ることができ得る。
図99Aに、破裂した(左)及び破裂していない(右)チャネルのアレイを示す。上記に示すように、典型的なメンブレンを3.5psi及び370℃で7分間、熱成形すると、118Bに示すように、最大の細胞チャンバ高さを伴うチャネルが得られる。図100及び下表6に示すように、118Bのメンブレンによって、約672μmの優れた細胞チャンバ高さ及び約27ulの細胞体積が可能になる。
さらに、図101に示すように、約370℃の温度で熱成形すると、メンブレンの融合剥離抵抗力を増加させることができる。なおこのメンバブレンのチャネルは、図103Aの融合ツールを用いて、温度474℃、融合時間0.05秒、及びZずれ2.625mmで形成した。
さらに、図102Aに、図99Bの典型的なメンブレンに対する示差走査熱量測定法グラフを、正規化エンタルピーが23.696J/gで開始xが321.25℃、及び正規化エンタルピーが23.141J/gで開始xが321.14℃について示す。さらに、図102Bに、メンブレン焼結あり(右)及びメンブレン焼結なし(左)のメンブレンの電子顕微鏡写真を示す。メンブレンを焼結することによって、細胞装置の安定性が増加し得る。
図122A及び122Bに、典型的な熱融合ツールの説明図及び画像を示す。熱融合ツールには、設定数の融合打点を(各打点を設定融合時間だけ)与えるように構成可能な位置ベースの融合ツールが含まれていてもよい。いくつかの実施形態では、設定融合時間は約1秒未満である。いくつかの実施形態では、融合ツール1220は、第1のメンブレンを1つ以上の各点において1〜6時間、打点する。いくつかの実施形態では、融合ツール1220は、第1のメンブレンを1つ以上の各点において最大で約16時間、打点する。さらに、融合ヘッドの温度を、チャネルの特性及びそれによって形成される融合を変えるように調整することができる。いくつかの実施形態では、設定融合温度は約250℃〜約600℃である。いくつかの実施形態では、融合ツール1220は、打点接触面積が少なくとも約0.07mmである。いくつかの実施形態では、融合ツール1220は、熱成形された面と対向する第1のメンブレンの側に接触する。
いくつかの実施形態では、チャネルを、第1のメンブレン及び第2のメンブレンをフレーム1221内に配置して、第1のメンブレン上の1つ以上の点を融合ツール1220を用いて打点することによって形成する。いくつかの実施形態では、フレームは第1のメンブレン及び第2のメンブレンの外縁の少なくとも一部を取り囲む。第1のメンブレン及び第2のメンブレンは融合の間、略平行であってもよい。第1のメンブレン及び第2のメンブレンを略位置合わせしてもよく、それによって、第2のメンブレンの全体または大部分が第1のメンブレンによって覆われる。第1のメンブレン及び第2のメンブレンを、ギャップ距離だけ分離してもよい。いくつかの実施形態では、ギャップ距離は約300μm〜約1、200μmである。
いくつかの実施形態では、第1のメンブレンを打点すると、第1のメンブレン、第2のメンブレン、または両方を貫通して、第1のメンブレンの一部を第2のメンブレンに融合する。いくつかの実施形態では、第1のメンブレン及び第2のメンブレンの少なくとも一方が実質的に平坦である。いくつかの実施形態では、第1のメンブレン及び第2のメンブレンの少なくとも一方に非焼結の平坦シートが含まれている。
融合打点パラメータを最適化することが、図104に示すような不一致(いくつかの領域で融合が位置合わせ不良で不一致である)を防ぐのに必要であり得る。図105Bに示す引張剥離強度試験結果(図105Bに示す典型的な機械によって測定)は、融合強度が非平行度の量に反比例することを意味している。
図125A〜Bに示す融合後装置内のレーザ穿孔開口部によって開口部の同心度が向上し得るが、このようなレーザ穿孔ツールに位置合わせ不良があるとさらに不一致が生じる場合がある。図97Bに示すように、このような誤差は接着剤によって固定することができるが、融合プローブ内にロードセルを組み込んでロボット製造及び誘導機器を用いることによって、製造方法を改善して再加工時間、廃物、及びリークを減らすことができる。ロードセルを組み込むと、工具形状とは関係なく融合力を正確に較正することができる。最適化されたロボット有効融合パラメータが開発されると、処理速度が向上して熱収縮衝撃が減少する。視覚誘導システムを用いれば、熱成形されたチャネルに対する融合の同心度が改善される。
代替的な典型的な負荷感応型熱融合ツールには、先端部、ロードセル、及びメンブレンを保持するように構成されたフレームが含まれていてもよい。熱融合ツールには、設定数の融合打点に対して設定融合時間にわたって設定融合力を与えるように構成可能な位置ベースの融合ツールが含まれていてもよい。ロードセルによって、融合ツールは各点を同じ力で融合することができる。熱融合ツールによって形成した単一行のチャネルを含む典型的なアレイ装置を、図107に示す。
図108に示すように、約0.05秒という最短の融合時間によって、剥離力が最も強い融合がメンブレン間に形成された(.45N)。剥離力は融合強度を示すので、融合時間が短いことで装置の安定性及び寿命が増加し得る。融合温度800°F、場所あたり1打点、及び融合力約6ポンドで熱融合ツールによって形成した完全な装置を、図109に示す。チャネルの丸い均一な形状、ならびに図110に示す装置の剥離力応力ひずみ曲線によって、約0.45Nという高い融合強度が確認される。
2、4、6、及び8融合打点で形成したチャネルを伴う典型的なチャネルアレイ装置を図111に示す。図112に示すように、8融合打点によって最も強い融合が形成されたが、4融合打点によってチャネルが無傷のままで最も強い融合が形成された。
図113に、融合強度/剥離力(N)対第1の変形メンブレンと第2の平坦メンブレンとを伴う典型的なチャネルアレイ装置の融合力を、融合温度800°F、融合時間0.05秒、1融合打点について表す棒グラフを示す。融合打点力が6及び12ポンドにおいて、剥離力がより高い約0.4N及び約0.36Nの装置がそれぞれ得られたが、2つの変数の間に観察可能な関係は確認されなかった。融合打点力が高くなることは、融合ツール先端部及びメンブレンフレームに付随する劣化が生じるために、それほど理想的ではない場合がある。この相関関係は、図138A〜Bに示すように確認されている。これらの図では、8ポンドの融合力で形成されたメンブレンを含む典型的なアレイチャネル装置が、メンブレン裂け、しわ、及び長方形または二重チャネルを示したことを示している。したがって典型的なメンブレンに対して融合力が8ポンド未満であることが、さらなる考え方である。
図115に、装置のチャネルが4融合打点で融合力が6ポンドで形成された場合は、装置のチャネルが4融合打点で融合力が3ポンドで形成された場合(0.47N)よりも強い装置(0.65N)であることを示す。両装置とも、融合温度800°Fで融合時間0.05秒で形成されている。さらに、図116に示すのは、融合温度800°F及び融合時間0.05秒で形成した装置であり、4打点で6重量ポンド(〜0.65)、及び2打点で8重量ポンド(〜0.7N)で形成した装置は、1または2打点で6重量ポンド(〜0.47N)で形成した典型的な装置よりも強かった。
図117Aに、同時に形成された3x3チャネルアレイを伴う典型的なアレイ装置の画像を示す。複数のチャネルの各チャネルは、1つのチャネルが2回目を打点される前に1回打点される。図117Aに示すように、各チャネルを、別のチャネルを打点する前に2回連続的に打点する(0.75N)ことによって融合した装置よりも、同時に打点することによって、より大きな剥離強度(0.9N)を伴う典型的な装置が形成される。
典型的な融合されたメンブレンの剥離力の比較を、図118及び下表7に示す。メンブレンAは、8ポンドの力で2回打点するロードセル融合ツールによって形成し、メンブレンBは、6ポンドの力で4回打点するロードセル融合ツールによって形成し、メンブレンCは、非ロード有効細胞融合ツールによって形成している。
メンブレンA及びCを図119に示す。メンブレンは均一で一様な融合を示している。メンブレンAの場合、印加した融合力の範囲にわたって、測定した融合強度に有意差は見られなかった。メンブレンBの場合、融合力が8ポンド未満であると、裂け、しわ、及び抗力が小さい最も強いメンブレンが得られた。またメンブレンCの場合、最も高い融合強度は6ポンドにおいて測定された。図121で、メンブレンA及びCをさらに比較する。メンブレンCの方が明らかに均一で高い剥離力を示している。
図120に、温度800°F、融合時間0.05秒、融合力6ポンドで4融合打点で融合した典型的なメンブレン部分の低解像度及び高解像度顕微鏡画像を示す。これらの画像では、典型的なメンブレンは融合強度が約1.38Nであることを示しており、これは非融合メンブレンの全強度に等しい。
図121に、シールサイズが約170+/−8umのメンブレンの融合されたチャネルの詳細な画像を示す。図122Aに、レーザーアブレーション領域と融合領域の高い同心度を示す。最後に、図148に、非ロードセル有効(世代1)及びロードセル有効(世代2)融合ツールを用いて形成した典型的なレーザ前チャネルアレイ装置の融合力/剥離力(N)を示す。メンブレンからロードセル有効融合ツールを用いて形成した典型的なメンブレンは、著しく高い(1.52N)剥離力を示す。
別に定義がない限り、本明細書で用いたすべての技術用語は、本開示が属する当業者によって広く理解されているものと同じ意味を有する。
本明細書で用いる場合、単数形「a」、「an」、及び「the」には、文脈から明らかにそうでないと示される場合を除いて、複数形への言及が含まれる。本明細書では「または」に言及する場合はいずれも、特に明記しない限り、「及び/または」が包含されることを意図している。
本明細書で用いる場合、用語「約」は、記載した量に10%、5%、または1%(その中の増分を含む)だけ近い量を指す。
本明細書で用いる場合、用語「略垂直である」は、垂直から1度、2度、3度、4度、5度、6度、7度、8度、9度、10度、またはその中の増分内にある2つ以上の表面間の関係を指す。
本明細書で用いる場合、用語「略平行である」は、平行から1度、2度、3度、4度、5度、6度、7度、8度、9度、10度、またはその中の増分内にある2つ以上の表面間の関係を指す。
本明細書で用いる場合、語句「少なくとも1つ」、「1つ以上」、「及び/または」は、使用時には接続的及び離接的の両方のオープンエンド表現である。たとえば、表現「A、B、及びCのうちの少なくとも1つ」、「A、B、またはCのうちの少なくとも1つ」、「A、B、及びCのうちの1つ以上」、「A、B、またはCのうちの1つ以上」、及び「A、B、及び/またはC」はそれぞれ、A単独で、B単独で、C単独で、A及びB共に、A及びC共に、B及びC共に、またはA、B、及びC共にを意味する。
本開示の好ましい実施形態について本明細書で図示し説明してきたが、当業者には明らかなように、このような実施形態は単に一例として示している。本開示から逸脱することなく、多くの変形、変更、及び代用が当業者に想起される。当然のことながら、本明細書で説明した本開示の実施形態に対する種々の代替案を、本開示を実施するときに用いてもよい。以下の請求項において本開示の範囲が規定されること、これらの請求項及びそれらの均等物の範囲内にある方法及び構造に及ぶことが意図されている。
本開示はさらに以下の非限定的な例によって限定される。
例1
小さい動物での評価用の六角形チャネルアレイ装置
この例では、小さい動物での評価用の六角形チャネルアレイ装置の構成について説明する。図6に、種々のサイズの六角形チャネルアレイ装置のレンダリングを示す。ラットでの試験用にデザインされたチャネルアレイ装置は細長い六角形状で、寸法は1.9cmx0.8cmである。ラット装置は93のチャネルを有し、SA:V比は82cm−1で、安全体積は97%であり、43μlの体積を保持することができる。マウスでの試験用にデザインされたチャネルアレイ装置は六角形状で、寸法は0.64cmx0.55cmである。マウス装置は19のチャネルを有し、SA:V比は82cm−1で、安全体積は95%であり、10μlの体積を保持することができる。ミッド装置は1.4cmx0.55cmで、49のチャネルを有し、SA:V比は83cm−1で、安全体積は96%であり、24μlの体積を保持することができる。SA:V比を一定に保ちながら、装置のサイズをスケール変更することができる。
例2
変形ステップ後のPVDFメンブレンの超微細構造分析
この例では、変形ステップ後のPVDFメンブレンの超微細構造分析について説明する。PVDFメンブレンは、圧力及び温度の組み合わせの下で変形ステップを受けた。組み合わせは、65psi及び135℃、65psi及び150℃、65psi及び165℃、100psi及び135℃、100psi及び150℃、100psi及び165℃、140psi及び135℃、140psi及び150℃、140psi及び165℃であった。図12及び図16に、変形ステップを受けた後のPVDFメンブレンの断面図の走査型電子顕微鏡写真を示す。図17に、変形ステップを異なる圧力及び温度条件で行った場合の細胞収容装置に対する測定したチャネル深さまたは特徴深さ(μm)を示す。PVDFメンブレンは、温度及び圧力条件に応じてチャネル深さが異なっており、165℃という高い温度では全般的にチャネルは深くなった。チャネルの寸法は温度及び圧力条件によって制御することができる。チャネル寸法の制御は、細胞収容装置のSA:V比を決定するため、重要である。
例3
融合ステップ後のPVDF細胞収容装置の分析
この例では、融合ステップ後のPVDF細胞収容装置の分析について説明する。第1のPVDFメンブレンは変形ステップを、65psi及び135℃、65psi及び150℃、65psi及び165℃、100psi及び135℃、100psi及び150℃、100psi及び165℃、140psi及び135℃、140psi及び150℃、または140psi及び165℃の下で受けた。次に、変形メンブレンを225℃で第2のPVDFメンブレンに融合した。図13に、融合ステップを受けた後のPVDF細胞収容装置の断面図の走査型電子顕微鏡写真を示す。第1のメンブレンを、65psi及び165℃、100psi及び150℃、140psi及び135℃、140psi及び150℃で変形させて、第2のメンブレンに融合した。これらの温度及び圧力パラメータの外で変形させた第1のメンブレンは融合が不十分であり、第1及び第2のメンブレン間の継ぎ目が走査型電子顕微鏡写真で明確に視認できた。
図19に、融合が不十分な細胞収容装置の断面の走査型電子顕微鏡写真を示す。変形ステップを種々の圧力及び温度で行っている。165℃及び140psiで変形させたメンブレンをDSCで測った熱流測定値は、約175℃に二次ピークを示した。これは、この変形メンブレンの結晶の再配列を示している。150℃及び100psiで変形させて第2のメンブレンへの融合が成功したメンブレンの熱流測定値は、二次ピークを示さなかった。
例4
融合及び非融合条件のDSC分析
この例では、融合及び非融合条件のDSC分析について説明する。第1のPVDFメンブレンは、変形ステップを100psi及び160℃または100psi及び173℃の下で受け、続いて急冷された。図20に、100psi及び160℃で変形させたメンブレンの熱流測定値は小さいショルダーピークを有し、ベースラインPVDFメンブレンと同様であったことを示す。すなわち、このメンブレンは結晶配列を保存して、第2のメンブレンと融合することを示している。100psi及び173℃で変形させたメンブレンの熱流測定値は二次ピークを有していた。すなわち、このメンブレンは結晶領域を形成して、第2のメンブレンと融合しないことを示していた。
例5
細胞収容装置の表面プロファイル
この例では、細胞収容装置の表面プロファイルについて説明する。図18に、そのチャネルアレイ内で均一な幾何学的形状を伴う平滑面を有していた細胞収容装置の表面インフェロメトリーを示す。活性領域は滑らかな多孔質表面を有していたが、融合領域は平坦面を有していた。
例6
変形及び融合ステップ後のePTFEの超微細構造分析
この例では、変形及び融合ステップ後のePTFEメンブレンの超微細構造分析について説明する。ePTFEメンブレンは、変形ステップを30psi及び340℃、4psi及び360℃、または6psi及び360℃で受けた。図19に、変形ステップを受けた後のePTFEメンブレンの走査型電子顕微鏡写真を示す。ePTFEメンブレンはチャネルを形成することができた。全般的に温度が上がると、変形の増加及び節の減少が観察された。図20に、変形ステップを6psi及び360℃で、融合ステップを370℃で5分間受けた融合したePTFEメンブレンを示す。ePTFEメンブレンは、PVDFメンブレンと比べて、変形及び融合ステップに対して異なる温度及び圧力範囲が必要である。ここで説明する製造ステップを異なる材料のメンブレンに適用して細胞収容装置の形成に成功する場合がある。
例7
ラットへの細胞収容装置の生体内移植
この例では、ラットへの細胞収容装置の生体内移植について説明する。これらの装置は、チャネル直径は同様で約350μmであったが、チャネル間隔は異なっていた。低密度装置はチャネル間のチャネル間隔が約500μmであり、高密度装置はチャネル間隔が約200μmであった。図28に示すように、高チャネル密度及び低チャネル密度を伴う細胞収容装置を、正常なラットの種々の場所の生体内に移植した(腹膜前、網内、肝上、及び皮下移植)。図29に、腹膜前移植後の細胞収容装置の周りの血管新生を示す。装置内の各チャネルにおいて微細血管が観察された。脈管構造のH&E組織像は平滑筋細胞の存在を示しており、動脈中に見られた。図37に、低チャネル密度装置と比べて高チャネル密度装置で観察されたさらなる血管新生及びさらなる分岐を示す。図32に、低チャネル密度及び高チャネル密度装置に対する血管及び分岐の装置あたりのカウントを示す。低チャネル密度装置の場合の装置あたり約500血管と比べて、高チャネル密度装置は装置あたり約1000血管であった。また、低チャネル密度装置の場合の装置あたり約300分岐と比べて、高チャネル密度装置は分岐が著しく多くて装置あたり約500分岐であった。装置のチャネル密度が高いほど、装置の周りの血管新生が多かった。より高いチャネル装置で見られる血管新生が増える利点は、より多くのチャネルが装置に加えられるため、装置の完全性とバランスを取る必要があり得ることである。チャネル密度は細胞収容装置の周りの血管新生のレベルに影響する可能性がある。
生体内移植に備えて、細胞収容装置に細胞を充填した。図42に、種々の細胞収容装置の連続した内部空間に細胞が完全に充填されたH&E染色された組織切片を示す。20μm厚のePTFEメンブレン5310を用いて形成した装置(上部)に、その単一の連続した内部空間の全体にわたって細胞5320を充填した。この装置は、モデリングされたインスリン拡散速度が10分間あたり約11ng/cmの場合がある。下部に示すように、125μm厚のPVDFメンブレン5330を用いて形成した装置に、その単一の連続した内部空間の全体にわたって細胞5320を充填した。この装置は、モデリングされたインスリン拡散速度が10分間あたり約6ng/cmの場合がある。図43に、最大容量まで細胞が充填されたePTFE細胞収容装置の画像を示す。上部のパネルでは、H&E染色された組織切片によって、装置の全体にわたって細胞が充填された装置の単一の連続した内部空間が示されている。左下では、クローズアップ画像によって、高さが約150μmで幅が約400μmの内部空間の1つのポケット内に細胞を含む微細組織が示されている。右下に、ePTFE細胞収容装置の5x倍率の光学顕微鏡写真を示す。チャネルを伴う製造された細胞収容装置のその内部空間の連続充填が示されている。これにより、細胞収容装置の内部空間全体に細胞を充填できることが示されている。
細胞収容装置はラットの生体内に長時間移植され、細胞収容装置内の細胞は長時間の生体内移植の間生存した。図26及び図27に、細胞収容装置の周り及びチャネルを通る脈管構造を、ヌードラット内の腹膜前部位への移植から20日後(図26)及び90日後(図27)について示す。図44に、ラットの腹膜前部位への生体内移植から90日後の細胞5520を伴うPVDF細胞収容装置5510のH&E染色された組織切片を示す。腹膜前部位に移植された装置5510内のSC膵島細胞5520は、90日目に高い細胞含有物を有するとともに、装置の周り及びチャネルを通る血管新生5530が見えていた。宿主組織は、装置の周り及び装置のチャネルを通る新しい組織を形成した。図45に、異物反応が可能なヌードラットの皮下及び腹膜前部位への移植90日後のSC膵島細胞5620が充填されたPVDF細胞収容装置5610のH&E染色された組織切片を示す。皮下及び腹膜前部位の両方に移植された装置5610内のSC膵島細胞5620は、90日目に高い細胞含有物を有していた。これは、SC膵島細胞が両方の移植部位において装置内で90日間存続したことを示している。皮下及び腹膜前部位の両方に移植された装置の周り及び装置のチャネルを通って血管新生5630が観察された。血管新生の一部は、細動脈様の特徴物を有するように見え、複数の細胞層の厚さであった血管壁を画定していた。装置の外面は、両方の移植部位において宿主組織に一体化するように見えた。皮下部位での装置の周りの方が線維症の密度は高かったが、装置内の細胞の生存に対する明らかな影響はなかった(上部及び左下)。宿主組織は装置のチャネルを通しても存在しており、維管束組織に対するサポート、さらに装置に対する機械的安定性を与えていた。これは、細胞収容装置に細胞を複数の移植部位に移植、装置内の細胞の長時間にわたる高い細胞生存性を維持し、血管新生及び新しい組織を装置の周り及び装置を通して形成できることを示している。
例8
クラスタサイズのデザインへの影響
この例では、クラスタサイズがどのようにデザインに影響を及ぼす可能性があるかについて説明する。クラスタサイズは装置に充填された細胞集合体のサイズを指す。
例9
ePTFEメンブレンの変形条件
この例では、ePTFEメンブレンに対する変形条件の結果を示す。図41に示すのは、360℃及び6psiで熱変形によって形成したePTFE細胞収容装置(形成時、上部)、及びその後に樹脂を用いてハードキャスティングしたものの断面画像である(下部)。形成時のePTFEメンブレンは、そのチャネル形状を保持しているようには見えず、節よりも小繊維構造が多いようには見えなかった。ePTFEメンブレンを樹脂を用いてハードキャスティングしたものは、変形ステップ後にそのチャネル形状を保持するように見えた。
例10
2つの平坦なePTFEメンブレンのT剥離試験
この例では、融合したePTFEメンブレンの結合強度を試験する焼結及び非焼結のePTFEメンブレンのT剥離試験について説明する。図43に、異なる温度で異なる時間長さの間(1、5、15秒)融合された2つの平坦なePTFEメンブレンの薄膜引張試験に対するASTMD882−08規格に従うASTMT剥離試験による破壊荷重(N)を示す。ePTFEメンブレンは、融合前に370℃で7分間焼結した(AS)かまたは非焼結(AU)のいずれかであった。焼結したePTFEメンブレンは融合温度が約320℃〜325℃であり、非焼結のePTFEメンブレンは融合温度が約340℃〜350℃であった(DSCで測定)。2つの平坦なePTFEメンブレンを、302℃〜427℃の範囲の種々の温度で1、5、または15秒間、互いに融合した。ASTMT剥離試験を受けた後に、破断または破壊荷重(N)を記録した。全般的に、焼結−焼結メンブレン(AS/AS)間の融合は、破壊荷重(0N付近〜約0.3Nの範囲)が、非焼結−非焼結メンブレン(AU/AU)(0N付近〜約1Nの範囲)、または非焼結−焼結メンブレン(AU/AS)(約0.2N〜0.7Nの範囲)と比べて、最も低かった。全般的に、AU/AUメンブレンの融合は破壊荷重がもっと高かった。全般的に、融合温度の増加とともに破壊荷重は増加した。全般的に、少なくとも1つの非焼結メンブレンを有していると、破壊荷重が高くなった。
例11
ePTFE装置のT剥離試験
この例では、ePTFE装置のT剥離試験について説明する。図38に、薄膜引張試験に対するASTMD882−08規格によるASTMT剥離試験用に用いるツールを示す。このツールを用いて、融合した細胞収容ePTFE装置を試験した。破壊時の被試験装置を示す。グラフはePTFE装置の応力ひずみ曲線を示す。第1のメンブレンは焼結及び変形させ、第2のメンブレンは平坦で非焼結であり、これらを474℃で0.05秒間融合した。ePTFE装置は、破壊ひずみが60%よりも大きく、約0.4Nの荷重に達した。これは、融合領域がもっと広い融合した平坦メンブレンの荷重の約78%であった。この応力ひずみ曲線は、融合部位が融合されて、高い引っ張り歪みにおいてさえ融合したままであることを示していた。
例12
ePTFE装置のバースト圧力
この例では、細胞収容装置のバースト圧力の測定について説明する。装置のシール強度を試験するために、装置に10秒あたり1psiで水を充填して、破壊時の圧力またはバースト圧力を測定した。図39に、バースト圧力試験用の充填されたフレームを伴わないePTFE細胞収容装置と、ePTFE細胞収容装置(eCAD)プロトタイプに対する破壊時の充填圧力(psi)のグラフとを示す。PVDFプロトタイプの場合、破壊時のバースト圧力は約10psiであった。ePTFEプロトタイプの場合、破壊時のバースト圧力は約11psiであった。このバースト圧力は、典型的な充填条件下で装置が曝露され得る約2psiの最大充填圧力よりもはるかに高い。
例13
細胞収容装置プロトタイプ
この例では、細胞収容装置のプロトタイプについて説明する。図14に、スカラップ状の周囲と種々のSA:V比を実現するためのチャネル寸法の変化とを伴う細胞収容装置のレンダリングを示す。図14に示すように、細胞収容装置は、全高1801、内部高さ1802、メンブレン厚1803、内部間隔1804、内径1805、スルーホール内径1806、及びスルーホール間隔1807によって特徴付けられる。
いくつかの実施形態では、全高1801は約400μm〜約1、600μmである。いくつかの実施形態では、全高1801は少なくとも約400μmである。いくつかの実施形態では、全高1801は最大で約1、600μmである。いくつかの実施形態では、全高1801は、約400μm〜約600μm、約400μm〜約850μm、約400μm〜約1、000μm、約400μm〜約1、200μm、約400μm〜約1、400μm、約400μm〜約1、600μm、約600μm〜約850μm、約600μm〜約1、000μm、約600μm〜約1、200μm、約600μm〜約1、400μm、約600μm〜約1、600μm、約850μm〜約1、000μm、約850μm〜約1、200μm、約850μm〜約1、400μm、約850μm〜約1、600μm、約1、000μm〜約1、200μm、約1、000μm〜約1、400μm、約1、000μm〜約1、600μm、約1、200μm〜約1、400μm、約1、200μm〜約1、600μm、または約1、400μm〜約1、600μmである。いくつかの実施形態では、全高1801は約400μm、約600μm、約850μm、約1、000μm、約1、200μm、約1、400μm、または約1、600μmである。いくつかの実施形態では、内部高さ1802は約300μm〜約1、200μmである。いくつかの実施形態では、内部高さ1802は少なくとも約300μmである。いくつかの実施形態では、内部高さ1802は最大で約1、200μmである。いくつかの実施形態では、内部高さ1802は、約300μm〜約400μm、約300μm〜約650μm、約300μm〜約800μm、約300μm〜約1、000μm、約300μm〜約1、200μm、約400μm〜約650μm、約400μm〜約800μm、約400μm〜約1、000μm、約400μm〜約1、200μm、約650μm〜約800μm、約650μm〜約1、000μm、約650μm〜約1、200μm、約800μm〜約1、000μm、約800μm〜約1、200μm、または約1、000μm〜約1、200μmである。いくつかの実施形態では、内部高さ1802は約300μm、約400μm、約650μm、約800μm、約1、000μm、または約1、200μmである。
いくつかの実施形態では、メンブレン厚1803は約50μm〜約250μmである。いくつかの実施形態では、メンブレン厚1803は少なくとも約50μmである。いくつかの実施形態では、メンブレン厚1803は最大で約250μmである。いくつかの実施形態では、メンブレン厚1803は、約50μm〜約75μm、約50μm〜約100μm、約50μm〜約125μm、約50μm〜約150μm、約50μm〜約175μm、約50μm〜約200μm、約75μm〜約100μm、約75μm〜約125μm、約75μm〜約150μm、約75μm〜約175μm、約75μm〜約200μm、約100μm〜約125μm、約100μm〜約150μm、約100μm〜約175μm、約100μm〜約200μm、約125μm〜約150μm、約125μm〜約175μm、約125μm〜約200μm、約150μm〜約175μm、約150μm〜約200μm、または約175μm〜約200μmである。いくつかの実施形態では、メンブレン厚1803は約50μm、約75μm、約100μm、約125μm、約150μm、約175μm、約200μm、または約250μmである。
いくつかの実施形態では、内部間隔1804は約40μm〜約500μmである。いくつかの実施形態では、内部間隔1804は少なくとも約40μmである。いくつかの実施形態では、内部間隔1804は最大で約500μmである。いくつかの実施形態では、内部間隔1804は、約40μm〜約60μm、約40μm〜約80μm、約40μm〜約100μm、約40μm〜約150μm、約40μm〜約200μm、約40μm〜約270μm、約40μm〜約350μm、約40μm〜約400μm、約40μm〜約500μm、約60μm〜約80μm、約60μm〜約100μm、約60μm〜約150μm、約60μm〜約200μm、約60μm〜約270μm、約60μm〜約350μm、約60μm〜約400μm、約60μm〜約500μm、約80μm〜約100μm、約80μm〜約150μm、約80μm〜約200μm、約80μm〜約270μm、約80μm〜約350μm、約80μm〜約400μm、約80μm〜約500μm、約100μm〜約150μm、約100μm〜約200μm、約100μm〜約270μm、約100μm〜約350μm、約100μm〜約400μm、約100μm〜約500μm、約150μm〜約200μm、約150μm〜約270μm、約150μm〜約350μm、約150μm〜約400μm、約150μm〜約500μm、約200μm〜約270μm、約200μm〜約350μm、約200μm〜約400μm、約200μm〜約500μm、約270μm〜約350μm、約270μm〜約400μm、約270μm〜約500μm、約350μm〜約400μm、約350μm〜約500μm、または約400μm〜約500μmである。いくつかの実施形態では、内部間隔1804は約40μm、約60μm、約80μm、約100μm、約150μm、約200μm、約270μm、約350μm、約400μm、または約500μmである。
いくつかの実施形態では、内径1805約300μm〜約1、600μm。いくつかの実施形態では、内径1805は少なくとも約300μmである。いくつかの実施形態では、内径1805は最大で約1、600μmである。いくつかの実施形態では、内径1805は、約300μm〜約500μm、約300μm〜約700μm、約300μm〜約900μm、約300μm〜約1、100μm、約300μm〜約1、300μm、約300μm〜約1、600μm、約500μm〜約700μm、約500μm〜約900μm、約500μm〜約1、100μm、約500μm〜約1、300μm、約500μm〜約1、600μm、約700μm〜約900μm、約700μm〜約1、100μm、約700μm〜約1、300μm、約700μm〜約1、600μm、約900μm〜約1、100μm、約900μm〜約1、300μm、約900μm〜約1、600μm、約1、100μm〜約1、300μm、約1、100μm〜約1、600μm、または約1、300μm〜約1、600μmである。いくつかの実施形態では、内径1805は約300μm、約500μm、約700μm、約900μm、約1、100μm、約1、300μm、または約1、600μmである。
いくつかの実施形態では、スルーホール内径1806は約100μm〜約600μmである。いくつかの実施形態では、スルーホール内径1806は少なくとも約100μmである。いくつかの実施形態では、スルーホール内径1806は最大で約600μmである。いくつかの実施形態では、スルーホール内径1806は、約100μm〜約200μm、約100μm〜約300μm、約100μm〜約400μm、約100μm〜約500μm、約100μm〜約600μm、約200μm〜約300μm、約200μm〜約400μm、約200μm〜約500μm、約200μm〜約600μm、約300μm〜約400μm、約300μm〜約500μm、約300μm〜約600μm、約400μm〜約500μm、約400μm〜約600μm、または約500μm〜約600μmである。いくつかの実施形態では、スルーホール内径1806は約100μm、約200μm、約300μm、約400μm、約500μm、または約600μmである。
いくつかの実施形態では、スルーホール間隔1807は約100μm〜約400μmである。いくつかの実施形態では、スルーホール間隔1807は少なくとも約100μmである。いくつかの実施形態では、スルーホール間隔1807は最大で約400μmである。いくつかの実施形態では、スルーホール間隔1807は約100μm〜約200μm、約100μm〜約300μm、約100μm〜約400μm、約200μm〜約300μm、約200μm〜約400μm、または約300μm〜約400μmである。いくつかの実施形態では、スルーホール間隔1807は約100μm、約200μm、約300μm、または約400μmである。
一例では、装置のチャネル1810は、内径1805が800μmで、内部高さ1802が650μmで、スルーホール1820のスルーホール内径1806が300μmであってもよい。この装置は、全高1801が850μmで、100μmメンブレン厚1803で、チャネル1810間の内部間隔1804が270μmであってもよい。この装置はSA:V比が77cm−1であってもよい。別の例では、装置のチャネル1810は、内径1805が650μmで、内部高さ1802が650μmで、スルーホール1820のスルーホール内径が400μmであってもよい。この装置は、全高1801が850μmで、100μmメンブレン厚1803で、チャネル1810間の内部間隔1804が80μmであってもよい。この装置はSA:V比が138cm−1であってもよい。異なるSA:V比を実現するために、チャネル1810の寸法及び間隔を調整してもよい。装置はスルーホール間隔1807が約200μmであってもよい。
例14
ヒト装置プロトタイプ
この例では、人間が利用するようにフレーム上に組立てられた細胞収容装置のプロトタイプについて説明する。図40に、人間が利用するようにフレーム上に組立てられた3つの細胞収容装置のプロトタイプを示す。細胞収容装置は形状が六角形であってもよい。フレームは、寸法が約26.9mmx75.6mmであってもよく、形状が長円形で細胞収容装置間の空間に穿孔があってもよい。細胞収容装置は約850μm厚で20cmのフットプリントであってもよい。組立てられた装置は約4億の細胞を保持して細胞塊体積が約350μLであってもよい。これらの細胞はインスリンを形成することができる場合がある。
例15
メンブレンの表面改質
この例では、メンブレン表面を改質するプロセスについて説明する。メンブレンを処理して、疎水性表面を伴うメンブレン上に親水性を与えてもよい。メンブレンの表面を、親水性を伴うポリマーを架橋することによって改質してもよい。またポリマーは生体適合性であってもよく、メンブレン上に生体適合性コーティングを形成してもよい。一例では、アンモニウム過硫酸塩(APS)開始剤を用いた熱開始重合プロセスにおいて、ヒドロキシプロピルアクリレート(HPA)をテトラ(エチレングリコール)ジアクリレート(TEGDA)を用いてメンブレン上で架橋してもよい。図41に、メンブレンの表面上に親水コーティングを形成するためのプロトコルの例を示す。ePTFE装置を100%エタノールに浸漬した後に、30%エタノールに3分間浸漬した。装置を、30%エタノール中の3%HPA、2%TEGDA、1%APSに5分間浸漬して、室温から80℃まで加熱した。そして、装置を100%エタノール中で5分間煮沸し、Milli−Q水または超純水に30分間浸漬して、乾燥させた。図38に、水中に親水コーティング処置浸漬した後のePTFE細胞収容装置を示す。図41に、表面改質後のePTFE装置の電子顕微鏡写真を示す。
例16
装置のドット直径及び密度
この例では、装置のドット直径及び密度(たとえば中心間の間隔)について説明する。接着剤ドットを2層で積み重ねた。装置を手動でひっくり返して、細胞充填中に装置の厚さを制限するように作用する接着剤ドットのパターンを形成した。37ドットのパターン(各ドットは直径が約1.25mmで中心間の間隔が3.3mm)を、2連続層で堆積した。最初に、接着剤を0.05秒塗布で塗布して、各ドットを別個に1秒間硬化させることによって、パターンをメンブレンに対して作成した。より小さい第2の層を第1のパターン上に0.03秒の分配時間で適用して、未硬化のままにした。次に周辺接着剤を本明細書で説明するように配置して、マシンビジョンを用いてメンブレンを未硬化の接着剤の上に配置した。1秒の侵入時間の後、組立体全体の硬化を、最初に周辺を硬化させ、次に内部領域を掃引してドットパターンを28及び112秒間、それぞれ硬化させることによって行った。次に、完成装置を手動で組立体プラットフォームから取り出し、二次容器内に配置して、組立後の熱硬化を37℃で2時間行った。
例17
装置のドット直径及び充填のパラメータ
この例では、種々の構成のドットを伴う装置の充填体積について説明する。ドット直径及び密度(たとえば、中心間の間隔)は、一連のカラムを形成することによって、許容可能な充填体積に影響を及ぼすことができる。種々の構成のドットを用いて例16に説明するように装置を調製した。装置をドットのパターンを用いて調製した。各ドットは直径が約1.25mmで、ドットピッチが2.6mm、3.3mm、または4.4mmであった。あるドットの中心を、その隣接するドットの中心からドットピッチ距離だけ離して配置した。同じ寸法の装置の場合に、ドットピッチが短い装置の方がドットピッチが長い装置よりもドット密度が高くてもよい。ドット直径及び装置寸法が同じ装置の場合に、ドットピッチが短い装置の方が、ドットピッチが長い装置よりも充填に利用できる内部体積が小さい可能性がある。そして、装置の外部上で制限されない状態でまたは外部制限部を伴って、装置に細胞懸濁液を充填した。外部制限部によって、装置のメンブレンが互いから離れるように外側に膨張することが防止される場合がある。図2に、装置に充填された細胞の量がドットピッチ及び制限部の存在とともに変化する様子を示す。ドットピッチが減少すると、充填する細胞の量は少なかった。細胞量は、ドットピッチが4.4mmで、制限部を用いずに充填した装置内の108x10細胞から、ドットピッチが2.6mmで、外部制限部を用いて充填した装置内の42x10細胞の細胞量まで減少した。同じドットピッチの装置の場合、装置に充填した大量の細胞が、外部制限部を用いて充填したときに減少した。
例18
細胞収容装置上の接着剤ドット
細胞収容装置上にドットを形成するとき、装置を手動でひっくり返して、細胞充填中に装置の厚さを制限するように作用する接着剤ドットのパターンを形成することができる。たとえば、37ドットのパターン(各ドットは直径が約1.25mmで中心間の間隔が3.3mm)を、2連続層で堆積した。最初に、接着剤を0.05秒塗布で塗布して、各ドットを別個に1秒間硬化させることによって、パターンをメンブレンに対して作成した。より小さい第2の層を第1のパターン上に0.03秒の分配時間で適用して、未硬化のままにした。次に周辺接着剤をメンブレン上に配置して、マシンビジョンを用いてメンブレンを未硬化の接着剤の上に配置した。1秒の侵入時間の後、組立体全体の硬化を、最初に周辺を硬化させ、次に内部領域を掃引してドットパターンを28及び112秒間、それぞれ硬化させることによって行った。次に、完成装置を手動で組立体プラットフォームから取り出し、二次容器内に配置して、組立後の熱硬化を37℃で2時間行った。
例19
超極薄装置の生体内移植
この例では、超極薄の細胞収容装置のNODscidガンマ(NSG)マウスモデル、免疫不全マウスモデルへの移植について説明する。NGSマウスに糖尿病を誘発した。図61に示すように、マウスの血中グルコースレベルは400mg/dL以上に上がった。糖尿病を誘発した後、超極薄装置をマウスの精巣上体脂肪パッド内に移植した。図61Aに、移植された超極薄装置の例を示す。これらの移植された超極薄装置には、親水コーティング及び800万のSC膵島細胞を伴う高流束ePTFEメンブレンが含まれている。超極薄装置を移植した後、すべてのテストマウスの血中グルコースレベルは約100mg/dLまで減少して糖尿病誘発前のレベルに近くなり、図61に示すように、90日間、超極薄装置を取り出すかまたは外植するまでそうであった。外植した超極薄装置を組織学によって分析した。図62B及びCに、装置の全体にわたる高密度の細胞を示し、NSGマウスモデルに90日間移植した後の装置の核が含まれている。膵島細胞が充填された超極薄装置を糖尿病の被検者に移植して、被検者の血中グルコースレベルを長期間に渡って減らして正常化することができる。
例20
AS1超極薄装置の生体内移植
この例では、マウスモデルに30日間及び3ヶ月間の生体内移植を行った後の超極薄装置内の細胞の状態について説明する。図62に、マウスモデルに30日間の生体内移植を行った後の細胞が充填された超極薄装置の組織切片の低倍率画像を示す。超極薄装置をAS1メンブレンを用いて形成して、SC膵島細胞を充填した(SEM−01と指定)。図63に組織切片の高倍率画像を示す。細胞は良好に分配され、30日間の生体内後に装置の全体にわたって生存可能であった。
例21
超極薄装置内の内分泌細胞の生体内移植
この例では、マウスモデルに3ヶ月間の生体内移植を行った後の超極薄装置内の内分泌細胞の細胞表現型について説明する。図64に、細胞収容装置に封入及び充填する前の内分泌細胞の微小凝集塊を示す。図65に、マウスに3ヶ月間の生体内移植を行った後の内分泌細胞の微小凝集塊が充填された超極薄装置の染色された組織画像を示す。青い染みは核を示し、オレンジブラウンの染みはCペプチドの存在を示し、ピンク色の染みはグルカゴンの存在を示している。図64の微小凝集塊内のオレンジブラウン及びピンク色の染みは、Cペプチド及びグルカゴンを分泌する活性な内分泌細胞の存在を示す。図65の微小凝集塊内のオレンジブラウン及びピンク色の染みは、3ヶ月間の生体内移植の間、超極薄装置内の内分泌細胞が生存可能及び活性な状態を続け、その内分泌腺表現型、分泌Cペプチド及び、グルカゴンを維持することを示している。
例22
超極薄装置を用いた腹腔内グルコース負荷試験
この例では、種々の構成の超極薄装置を用いた腹腔内グルコース負荷試験について説明する。図66に、内分泌細胞が移植されたマウスまたは内分泌細胞が充填された超極薄装置における血清Cペプチド及び総インスリン含有量のレベルを示す。試験群は、被膜下に移植されたD601mcRA2内分泌細胞(群A)、AS1メンブレンを伴い、D601細胞が充填された超極薄装置(群B)、及びタイプAのePTFEメンブレンを伴い、D601細胞が充填された超極薄装置(群C)であった。細胞または装置をマウスに移植して、腹腔内グルコース負荷試験を行った。血清Cペプチドレベルを、ベースライン(青色)及び30分間グルコース刺激(オレンジ色)で、移植片内の総インスリン含有量とともに測定した。すべての群が、グルコース刺激による血清Cペプチドレベルの増加を示し、グルコース刺激によるインスリン生成を示した。群Aは、血清Cペプチドレベルがベースラインで約100pM、グルコース刺激により約250pMであり、総インスリン含有量が約700μgであった。群Bは、血清Cペプチドレベルがベースラインで約100pM、グルコース刺激により約200pMであり、総インスリン含有量が約500μgであった。群Cは、血清Cペプチドレベルがベースラインで約50pM、グルコース刺激により約600pMであり、総インスリン含有量が約550μgであった。この例では、血清Cペプチドレベルの増加により測定されたように、インスリン生成の増加によるグルコース制御の証拠を示している。
例23
ヌードマウスモデルにおける宿主/超極薄装置の相互作用
この例では、ヌードマウスモデルへの装置移植後の宿主と超極薄装置の相互作用について説明する。図67に、ヌードラットの腹膜前部位での3ヶ月後のSC膵島細胞が充填されたコーティングされた選択透過メンブレンを含む超極薄装置の外植片のH&E染色画像を示す。画像は、マクロファージ及びマクロファージ融合、及び血管新生が無いことによる親水コーティングを有する選択透過メンブレンを伴う超極薄装置内での異物反応(FBR)の緩和を示している。また画像は、超極薄装置の内部からの宿主組織の分離及び装置内での生存細胞の集中を示している。
例24
SC膵島細胞が充填された移植された装置における細胞生存性及び表現型
この例では、ヌードマウスモデルにSC膵島細胞が充填された超極薄装置の12週間の移植を行った後の細胞生存性及び表現型の維持について説明する。図68に、ヌードマウスモデルの腹膜前部位に12週間の移植を行った後の1600万のSC膵島細胞が充填された超極薄装置のH&E染色画像を示す。画像は、12週間の生体内後の装置核内での高レベルの細胞生存性を示す。図69に、腹膜腔にグルコースを投与した後の、SC膵島細胞が充填された超極薄装置が移植された4つの異なるマウスにおける60分間の間の血清Cペプチドレベルを示す。血清Cペプチドは、4つのマウスにおいて、0分での約30〜100pMから時間とともに約1000pM以上まで増加した。これは、マウスに移植された超極薄装置内のSC膵島細胞が活性で、インスリンを生成するその能力を維持していることを示している。
例25
免疫適格性マウスモデルに移植された超極薄装置の生体適合性
この例では、免疫適格性ブラック6マウスモデルに移植されたAS1メンブレンを伴う超極薄装置の生体適合性について説明する。コーティングされたAS1メンブレンを伴う空のマウスサイズの超極薄装置をブラック6マウスの皮下に配置して、超極薄装置用の材料に対するベースライン宿主反応を評価した。1ヶ月後、宿主組織及び細胞からの装置完全性の維持について、及び異物反応(FBR)について、装置を評価した。図70A及び84Bに、装置内部に細胞が無いこと及びFBRが無いことを示す。FBRは、最初の月内のピーキングとして記述している(Beets、1998)。画像は、生体内にある間は装置の完全性は維持されたこと、ならびに装置材料及びコーティングは生体適合性があってFBRを誘発しないことを示している。
例26
糖尿病のNSGマウスモデルへの超極薄装置の移植
この例では、AS1メンブレンを伴いラット膵島細胞が封入された超極薄装置を糖尿病のNSGマウスモデルに移植することについて説明する。AS1メンブレンを伴い400IEQラット膵島細胞が充填された超極薄装置を、糖尿病のNSGマウスに90日間、移植した。図71に、90日間の生体内後の生存可能な無傷のラット膵島細胞を伴う超極薄装置のH&E染色画像を示す。図72に、超極薄装置の移植前及び移植から90日間にわたる血中グルコースレベルを示す。糖尿病を誘発した後、動物にインスリンペレットを投与して、実験の最初の10〜20日間、血糖症を制御した。超極薄装置を移植した(「移植」と標示)後、90日間の移植にわたって、血中グルコースレベルは400mg/dL以上から約100mg/dL〜約300mg/dLまで減少した。マウスから装置を外植した後に血中グルコースレベルは増加した。このことは、超極薄装置の移植によって、長期に渡るグルコース制御が得られることを示している。
例27
超極薄装置の細胞充填
図87及び88に、種々の構成の超極薄装置を示す。マウスモデルへの移植用にデザインされた超極薄装置は、800万の細胞を充填することができ、融合されたドットを装置の中心に有する。ヒト移植用にデザインされた超極薄装置は、融合されたドットもドットのアレイも有することができず、1億3300万の細胞を充填することができる。
例28
ドットを伴う超極薄装置の質量流量
図75Aに、装置が充填されたときに装置の2つのメンブレンが互いから離れるように曲がることがないようにする接着制限部を与えるスポット溶接部のアレイを伴う超極薄ヒト移植用の装置を示す。図75Bに、装置が充填されたときに装置の2つのメンブレンが互いから離れるように曲がることを抑える超極薄装置に対する外部制限部を与える多孔金属プラテンを用いたセットアップを示す。任意の細胞収容装置(たとえば、超極薄装置及びスポット溶接部を伴う超極薄装置)を充填するときに、外部多孔性制限部を用いてもよい。図77に、3.3mmドットピッチを伴い外部多孔性制限部を伴うかまたは伴わないヒト移植用の超極薄装置の充填から測定した質量流量を示す。質量流量(cm/分または標準立方センチメートル/分(sccm)で測定)は、外部多孔性制限部を伴う場合または伴わない場合で同様であり、約10秒で約7.5または8sccmのピークに到達し、時間とともに減少した。最初のピークに到達した後で、外部多孔性制限部を伴わない方が質量流量がわずかに高い。図78に、図75Aに示す装置と同様に、接着制限部を伴う超極薄装置の全体にわたる細胞分布のH&E染色画像を示す。これは、接着制限部を伴う装置を装置全体にわたって一様に充填できることを示す。
例29
ドットを伴わないかまたはドットを伴う超極薄装置の細胞充填
この例では、ドットを伴わないかまたはドットを伴う超極薄装置の細胞充填について説明する。図79A及びBに、ドットを伴わない場合(A)及び3.3mmドットアレイマトリックスを装置の全体にわたって伴う場合(B)の2つの構成の六角形超極薄装置を示す。図80に、図79Aの場合と同様にドットを伴わない場合、及び図79Bの場合と同様に3.3mmドットアレイマトリックスを伴う場合の、単一の超極薄装置を充填することができる細胞の量を示す。ドットを伴わない装置には約1億2000万の細胞を充填することができ、3.3mmドットマトリックスを伴う装置には約8000万の細胞を充填することができた。このことは、ドットアレイマトリックス用いて、細胞充填を調整することができ、また装置に細胞を充填する間に装置のメンブレンが膨張または湾曲することを抑えられることを示している。
例30
制限部を伴う超極薄装置の細胞充填
この例では、多孔性制限部を伴うかまたは伴わない超極薄装置の細胞充填について説明する。図81A及びBに、何らの制限部も伴わずに充填した場合(A)及び400μmスペーサを用いて離間に配置された多孔性プラテンを伴って充填した場合(B)の、3.3mmドットアレイマトリックスを伴う2つの構成の六角形超極薄装置を示す。図82に、図81Aの場合と同様に何らの制限部も伴わない場合、及び図81Bの場合と同様に多孔性制限部を伴う場合の、単一の超極薄装置を充填することができる細胞の量を示す。何らの制限部も伴わない装置には約8700万の細胞を充填することができ、多孔性制限部を伴う装置には約8000万の細胞を充填することができた。このことは、多孔性制限部によって、装置を充填する間のメンブレン膨張及び湾曲を抑えられることを示している。多孔性制限部間の目標距離を伴うスペーサを用いることによって、制限部をさらに調整可能とすることができる。
例31
ミニブタモデルへの生体内移植
この例では、人間サイズの超極薄装置のミニブタ移植研究について説明する。10のミニブタに、空の超極薄装置、またはSC膵島細胞(SEM−01)または腹膜前もしくは皮下部位の豚膵島細胞が充填された超極薄装置を移植した。図83Aに、ミニブタに移植されたヒト単一モジュールデザインの2.6mmドットピッチを伴う超極薄装置の例を示す。図83Bに、ミニブタの正中線から約3インチ離れて肋骨縁を避ける場所にある標的とする腹膜前または皮下移植部位を示す。図83Cに、装置の移植に備えるためのBovie電気焼灼による皮下切開を示す。図83Dに、装置の移植に備えるための照明された牽引子による腹膜前切開を示す。移植部位の切開は、異なる移植アプローチに適応させることができる。図84Aに、超極薄装置の皮下留置の例を示す。図84Bに、超極薄装置の腹膜前留置の例を示す。図85に、超極薄装置の皮下(SQ)及び腹膜前(PP)移植から2週間後のミニブタの例を示す。画像は移植部位の周囲に炎症があるという肉眼的証拠は何ら示しておらず、動物も窮迫または痛みの徴候は示さなかった。

Claims (77)

  1. 細胞収容装置であって、
    (a)複数のチャネルを含む第1の表面と前記第1の表面と対向する複数の第2の表面とを有する第1のメンブレンと、
    (b)前記第1のメンブレンの前記複数の第2の表面に対向しそこに取り付けられた第2のメンブレンと、を含み、
    前記第1のメンブレン及び前記第2のメンブレンは、表面積対体積比が少なくとも約40cm−1の囲まれたコンパートメントを形成し、
    前記囲まれたコンパートメントは、前記装置内に細胞を収容するための体積を与える前記細胞収容装置。
  2. 前記コンパートメントは単一の連続したオープンスペースを含む請求項1に記載の装置。
  3. 体積は約8uL〜約1、000uLである請求項1に記載の装置。
  4. 長さ及び幅の少なくとも一方が約0.25cm〜約3cmである請求項1に記載の装置。
  5. 厚さが少なくとも約300μmである請求項1に記載の装置。
  6. 前記複数のチャネルは前記第1のメンブレンに略垂直である請求項1に記載の装置。
  7. 前記複数のチャネルは直線アレイ内に配列されている請求項1に記載の装置。
  8. 前記複数のチャネルは極性アレイ内に配列されている請求項1に記載の装置。
  9. 前記複数のチャネルは平均直径が約400μm〜約3、000μmである請求項1に記載の装置。
  10. 前記直径は、前記複数のチャネル内の最も狭い点で測定される請求項9に記載の装置。
  11. 前記複数の各チャネルの中心は別のチャネルの中心から約75μm〜約500μmの距離で分離されている請求項1に記載の装置。
  12. 前記チャネルは、高さ対直径比が少なくとも約0.2である請求項1に記載の装置。
  13. 前記装置は、横断面に沿った面積あたりのチャネル数が約50/cmよりも大きい請求項1に記載の装置。
  14. 前記第1のメンブレン及び前記第2のメンブレンの少なくとも一方が、複数の小繊維によって相互接続された複数の節を含む請求項1に記載の装置。
  15. 前記第1のメンブレン及び前記第2のメンブレンの少なくとも一方が、PVDF、PTFE、ePTFE、PCL、PE/PES、PP、PS、PMMA、PLGA、PLLA、またはそれらの任意の組み合わせを含む請求項1に記載の装置。
  16. 前記チャネル内の前記第1のメンブレン及び前記第2のメンブレンを通る開口部をさらに含む請求項1に記載の装置。
  17. 前記開口部は前記チャネルに対する同心度が最大で前記チャネルの直径の25%である請求項16に記載の装置。
  18. 前記装置を受け取るように構成されたフレームをさらに含む請求項1に記載の装置。
  19. 前記フレームは複数の細胞収容装置を受け取るように構成されている請求項18に記載の装置。
  20. 前記フレームは、前記細胞収容装置の座屈を防ぐように構成された柔軟なメカニズムを含む請求項18に記載の装置。
  21. 細胞集団をさらに含む請求項1に記載の装置。
  22. 細胞集団はインスリン分泌集団である請求項21に記載の装置。
  23. 細胞集団は、グルコース促進インスリン分泌(GSIS)が可能な幹細胞由来細胞である請求項21に記載の装置。
  24. 親水性ポリマーを含むコーティングをさらに含む請求項1に記載の装置。
  25. インスリン拡散係数が約2x10−6cm/s〜約1x10−5cm/sである請求項1に記載の装置。
  26. 最大酸素拡散距離が約150μm未満である請求項1に記載の装置。
  27. 前記第1のメンブレン及び前記第2のメンブレンは少なくとも約0.4Nの融合剥離力で融合されている請求項1に記載の装置。
  28. 第1のメンブレン及び前記第2のメンブレンの少なくとも一方が半透性である請求項1に記載の装置。
  29. 前記第1のメンブレン、前記第2のメンブレン、または両方の半透性は、前記細胞を免疫攻撃から保護するように構成されている請求項28に記載の装置。
  30. 前記第1のメンブレン、前記第2のメンブレン、または両方の半透性は、免疫抑制療法がない場合に、前記細胞を免疫攻撃から保護するように構成されている請求項29に記載の装置。
  31. 前記第1のメンブレン及び前記第2のメンブレンの少なくとも一方は、前記装置内での前記細胞の血管新生を可能にするように構成されている請求項1に記載の装置。
  32. 前記第1のメンブレン及び前記第2のメンブレンの少なくとも一方は、免疫抑制療法がない場合に、前記装置内での前記細胞の血管新生を可能にするように構成されている請求項31に記載の組成物。
  33. 細胞収容装置であって、
    (a)複数のチャネルを含む第1の表面と前記第1の表面と対向する複数の第2の表面とを有する第1のメンブレンと、
    (b)前記第1のメンブレンの前記複数の第2の表面に対向しそこに取り付けられた第2のメンブレンと、を含み、
    前記第1のメンブレン及び前記第2のメンブレンは、囲まれたコンパートメントを形成し、
    前記囲まれたコンパートメントは、前記装置内の100万〜10億のインスリン産生細胞を収容するための体積を与え、前記メンブレンは、前記装置からのインスリンの拡散を可能にする一方で前記装置内に前記インスリン産生細胞を保持する前記細胞収容装置。
  34. インスリン産生細胞と前記インスリン産生細胞を収容する装置とを含む組成物であって、前記装置は、個体に移植されると、前記装置内に前記インスリン産生細胞を保持しながらインスリンを放出し、前記装置内及び周囲での組織血管新生を容易にする前記組成物。
  35. 前記個体は、前記装置の前記移植または血管新生の間に免疫抑制剤が投与されない請求項34に記載の組成物。
  36. 100万〜10億のインスリン産生細胞を含む請求項34に記載の組成物。
  37. 前記装置は厚さが少なくとも約300μmである請求項34に記載の組成物。
  38. 前記装置は、複数の小繊維によって相互接続された複数の節を含むメンブレンを含む請求項34に記載の組成物。
  39. 細胞収容装置を製造する方法であって、
    (a)第1の面及び対向する第2の面を有する第1のメンブレンを用意することと、
    (b)前記第1のメンブレンの前記第1の面内に複数のチャネルを形成することと、
    (c)前記第1のメンブレンの前記第2の面に第2のメンブレンを融合して、前記第1のメンブレンの前記第2の面と前記第2のメンブレンとの間に細胞を収容するためのコンパートメントを形成することと、を含む方法。
  40. 前記第1のメンブレン内に複数のチャネルを形成することは、
    (a)前記第1のメンブレンを所定時間、所定の圧力及び所定の温度で加熱することと、
    (b)前記複数のチャネルをモールドを使って成形することと、を含む請求項39に記載の方法。
  41. 前記第1のメンブレンに前記第2のメンブレンを融合することを前記モールド内で行う請求項40に記載の方法。
  42. 前記モールドにはポジ型モールドが含まれる請求項41に記載の方法。
  43. 前記モールドにはネガ型モールドが含まれる請求項41に記載の方法。
  44. 前記所定の温度は約100°摂氏(C)〜約600℃である請求項40に記載の方法。
  45. 前記所定の圧力は約2ポンド/平方インチ(psi)〜約140psiである請求項40に記載の方法。
  46. 前記所定時間は約3分間〜約30分間である請求項40に記載の方法。
  47. 前記所定の圧力は約3.5psiであり、所定の温度は約370℃である請求項40に記載の方法。
  48. 前記第1のメンブレン内に複数のチャネルを形成することと、前記第1のメンブレンに前記第2のメンブレンを融合することとは、
    (a)前記第1のメンブレン及び前記第2のメンブレンをフレーム内に配置することであって、前記第1のメンブレン及び前記第2のメンブレンは略平行であり、略位置合わせされており、ギャップ距離だけ分離されている、前記配置することと、
    (b)前記第1のメンブレン上に融合ツールを用いて1つ以上の点を打点することであって、前記融合ツールは設定融合温度に加熱され、各打点の間に前記融合ツールは前記メンブレンに設定融合時間、接触する、前記打点することと、を含む請求項39に記載の方法。
  49. 前記第1のメンブレンに打点することにより、前記第1のメンブレン、前記第2のメンブレン、または両方を貫通し、前記第1のメンブレンの一部を前記第2のメンブレンに融合する請求項48に記載の方法。
  50. 前記フレームは、前記第1のメンブレン及び前記第2のメンブレンの外縁の少なくとも一部を取り囲む請求項48に記載の方法。
  51. 前記ギャップ距離は約300μm〜約1、200μmである請求項48に記載の方法。
  52. 前記融合ツールは打点接触面積が少なくとも約0.07mmである請求項48に記載の方法。
  53. 前記第1のメンブレン上に融合ツールを用いて1つ以上の点を打点することは、前記1つ以上の各点を最大で約16回打点することを含む請求項48に記載の方法。
  54. 前記第1のメンブレン上に融合ツールを用いて1つ以上の点を打点することは、前記1つ以上の各点を1〜6回打点することを含む請求項53に記載の方法。
  55. 前記設定融合温度は約250℃〜約1、600℃である請求項53に記載の方法。
  56. 前記設定融合時間は約1秒未満である請求項53に記載の方法。
  57. 前記第1のメンブレン及び前記第2のメンブレンの少なくとも一方は実質的に平坦である請求項39に記載の方法。
  58. 前記第1のメンブレン内に前記複数のチャネルを形成する前に前記第1のメンブレンをエンボシングすることをさらに含む請求項39に記載の方法。
  59. 前記複数のチャネル内の前記第1のメンブレン及び前記第2のメンブレンの一部をレーザーアブレーションすることをさらに含む請求項39に記載の方法。
  60. 前記レーザーアブレーションによって前記第1のメンブレンと前記第2のメンブレンとの前記融合部分を取り除いて開口部を形成する請求項59に記載の方法。
  61. 前記開口部は前記チャネルに対する同心度が最大で前記チャネルの直径の25%である請求項60に記載の方法。
  62. 前記第1のメンブレン及び前記第2のメンブレンの少なくとも一方は、PVDF、PTFE、ePTFE、PCL、PE/PES、PP、PS、PMMA、PLGA、PLLA、またはそれらの任意の組み合わせを含む請求項39に記載の方法。
  63. 前記装置を親水性ポリマーでコーティングすることをさらに含む請求項39に記載の方法。
  64. 前記第1のメンブレンを焼結する請求項39に記載の方法。
  65. 前記第2のメンブレンを焼結しない請求項39に記載の方法。
  66. 前記第2のメンブレン及び前記第1のメンブレンは、少なくとも約0.2Nの融合剥離力で融合されている請求項39に記載の方法。
  67. 方法であって、
    a)糖尿病または前糖尿病の被検者の組織をインスリン分泌細胞集団を含む装置と接触させることであって、前記装置は、
    (i)複数のチャネルを含む第1の表面と前記第1の表面と対向する複数の第2の表面とを有する第1のメンブレンと、
    (ii)前記第1のメンブレンの前記複数の第2の表面に対向しそこに取り付けられた第2のメンブレンと、を含み、
    前記第1のメンブレン及び前記第2のメンブレンは、表面積対体積比が少なくとも約40cm−1の囲まれたコンパートメントを形成し、
    前記囲まれたコンパートメントは前記装置内に細胞を収容するための体積を与える、前記接触させることと、
    b)前記糖尿病の被検者における血中グルコースレベルの上昇に応じて、前記インスリン分泌細胞集団からインスリンを放出することであって、上昇したグルコースレベルは非糖尿病の被検者における血中グルコースレベルよりも高い、前記放出することと、を含む方法。
  68. 前記インスリン分泌細胞集団は、前記糖尿病または前糖尿病の被検者における血中グルコースレベルを下げるのに十分な量のインスリンを放出する請求項67のいずれか1項に記載の方法。
  69. インスリンを放出することは、前記糖尿病の被検者における前記血中グルコースレベルが正常レベルまで下がったら停止する請求項68に記載の方法。
  70. インスリンを放出することは、前記インスリン分泌細胞集団が前記糖尿病の被検者における血中グルコースレベルの上昇に再び曝露されたときに再開する請求項69に記載の方法。
  71. 前記インスリン分泌細胞集団は幹細胞由来細胞集団である請求項70に記載の方法。
  72. 前記インスリン分泌細胞集団はグルコース促進インスリン分泌(GSIS)が可能である請求項71に記載の方法。
  73. 前記第1のメンブレン及び前記第2のメンブレンの少なくとも一方は半透性である請求項68に記載の方法。
  74. 前記第1のメンブレン、前記第2のメンブレン、または両方の半透性は、前記細胞を免疫攻撃から保護するように構成されている請求項73に記載の方法。
  75. 前記第1のメンブレン、前記第2のメンブレン、または両方の半透性は、免疫抑制療法がない場合に、前記細胞を免疫攻撃から保護するように構成されている請求項74に記載の方法。
  76. 前記第1のメンブレン及び前記第2のメンブレンの少なくとも一方は、前記装置内での前記細胞の血管新生を可能にするように構成されている請求項68に記載の方法。
  77. 前記第1のメンブレン及び前記第2のメンブレンの少なくとも一方は、免疫抑制療法がない場合に、前記装置内での前記細胞の血管新生を可能にするように構成されている請求項76に記載の方法。
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