JP2020530996A - 核酸の操作のための方法 - Google Patents

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Abstract

本発明は、宿主細胞を操作するための方法であって、a)組換え部位の第1の対にフランキングする第1の選択マーカーを含む第1のポリヌクレオチドカセットを組み込むステップ;b)組換え部位の第1の対を認識するリコンビナーゼの作用によって第1の選択マーカーを除去するステップ;c)組換え部位の第2の対にフランキングする第2の選択マーカーを含む第2のポリヌクレオチドカセットを組み込むステップ;およびd)組換え部位の第2の対を認識するリコンビナーゼの作用によって第2の選択マーカーを除去するステップを含み、組換え部位の第1の対が、同一の核酸配列を有し、組換え部位の第2の対が、同一の核酸配列を有し、組換え部位の第1および第2の対が、90〜98%の核酸配列同一性を有する、方法を開示する。また、第1の単一の組換え部位が、第1の組換え操作される領域に隣接し、第2の単一の組換え部位が、第2の組換え操作される領域に隣接し、第1および第2の組換え部位が、互いに、必要に応じて、宿主細胞ゲノムポリヌクレオチド中に存在する任意のさらなる組換え部位の核酸配列との90〜98%の同一性を有するヌクレオチド配列を有する、第1の組換え操作された領域および第2の組換え操作された領域を含む宿主細胞ゲノムポリヌクレオチドも開示される。【選択図】なし

Description

本発明は、核酸の組換え操作の分野、特に、核酸の必要な部分が除去されないことを確保しながらの核酸の特定の領域の正確な除去に関する。具体的には、本発明は、例えば、ゲノムポリヌクレオチドの組換え操作中に選択マーカーとして組み込まれた複数の望ましくない遺伝子エレメントの除去を可能にする。このプロセスは、FRT部位などの、短い組換え部位を使用して、その後除去しようとする遺伝子エレメントにフランキングさせる。除去しようとする異なる遺伝子エレメントにフランキングさせるための非同一の組換え部位の使用により、ゲノムポリヌクレオチドから他のエレメントを喪失することなく、意図される遺伝子エレメントの効率的な除去が可能となる。
原核および真核生物の遺伝子操作は、必要な属性を有する安定な系を生成することができるような、ゲノム中への遺伝子エレメントの安定な挿入を含むことが多い。あるいは、遺伝子操作を用いて、遺伝物質の望ましくないエレメントを除去し、必要に応じて、除去された遺伝物質を、他の遺伝子挿入物で置き換えることができる。選択マーカーは通常、正確な遺伝子操作を含有する細胞を選択することができるように、遺伝子操作中に導入される。しかしながら、特に、宿主細胞を、医学的または獣医学的使用のための生成物の製造のために使用しようとする場合、一度、正確に操作された宿主細胞が確立されたら、その後、マーカーを除去することが有用である。
ゲノムからの単一の遺伝子マーカーの除去は、公知である。Flpリコンビナーゼは、酵母遺伝物質の反転における役割を有することが発見された(BroachおよびHicks (1980) Cell 21; 501-506、Broachら(1982) Cell 29; 227-234)。Flpリコンビナーゼの潜在能力は、大腸菌において調査され(Cox (1983) P.N.A.S. 80; 4223-4227、Vetterら (1983) PNAS 80; 7204-7288、Andrewsら(1985) Cell 40; 795-803)、遺伝子エレメントの切出し、反転、転座および挿入におけるFlpリコンビナーゼの役割が解明された(GronostajskiおよびSadowski (1985) J. Biol. Chem. 260; 12328-35)。Flpリコンビナーゼは、約48bpの遺伝子エレメントであるFlpリコンビナーゼ標的(FRT)部位の間で組換えをもたらす。FRT部位は、選択マーカーにフランキングさせ、Flpリコンビナーゼを用いた酵母ゲノムからのその後の切出しを可能にするために使用されており(CreggおよびMadden (1989) Mol. Gen. Genet. 219; 320-323)、同様の戦略は、大腸菌において抗生物質耐性マーカーを切り出すために使用されてきた(CherepanovおよびWackernagel (1995) Gene 158; 9-14)。
原核および真核生物のより複雑な遺伝子操作は、複数の遺伝子エレメントの、ゲノムへの安定な組込みおよび/またはゲノムからの除去を必要とする。例えば、特定の糖に連結されたタンパク質を産生するための大腸菌の操作が記載されている(WO 09/104074、WO 11/60615、WO 11/138361)。大腸菌におけるバイオコンジュゲートの産生を達成するためには、必要な糖鎖を集合させるのに必要とされるグリコトランスフェラーゼをコードするいくつかの遺伝子、PglBなどのオリゴサッカリルトランスフェラーゼをコードする遺伝子、グリコシル化部位を含有する必要なタンパク質をコードする遺伝子ならびに潜在的には、ポリメラーゼ、コポリメラーゼ、フリッパーゼおよび/または糖を正確に装飾するための酵素などの他の酵素をコードするさらなる遺伝子の1以上のコピーを含む、複数の遺伝子エレメントを宿主細胞中に導入することが必要である。また、リポ多糖O-抗原リガーゼ、天然のグリコシルトランスフェラーゼまたはオリゴサッカリルトランスフェラーゼ、フリッパーゼ、ポリメラーゼまたはコポリメラーゼなどの特定の遺伝子エレメントを除去することも有益である。産生を容易にするために、これらの遺伝子のうちのいくつかを、産生細胞のゲノム中に組み込むこと、および望ましくない遺伝子を除去することが有益である(WO 14/57109、WO 15/52344)。しかしながら、標準的な方法を使用することは難しい(DatsenkoおよびWanner (2000) PNAS 97; 6640-5、KuhlmanおよびCox (2010) 38; e92)。特に、選択マーカーにフランキングする組換え部位の間で干渉が起こり、必要な遺伝物質の一部ならびに選択マーカーの切出しをもたらし得るため、複数の組込み物と結合した複数の選択マーカーを除去することが難しい。切り出される選択マーカーが、ゲノム中で互いに比較的近いところに位置する場合、これは特に問題である。この問題は、図4に示される。
本発明は、ゲノムから除去しようとするそれぞれの核酸セグメントにフランキングする同一の組換え部位の対であって、組換え部位のそれぞれの同一の対が、ゲノムから除去しようとする他の核酸セグメントにフランキングする組換え部位の対とは異なる、同一の組換え部位の対を使用することによって、この問題に対する解決法を提供する。
したがって、宿主細胞中のゲノムポリヌクレオチドから挿入核酸の少なくとも2つの部分を除去する方法であって、
a)互いに同一であり、第1の核酸配列を有する、同じ向きにある第1の組換え部位の対にフランキングする第1の挿入核酸を含むゲノムポリヌクレオチドを調製するステップ;
b)同一の組換え部位が組み換わって、第1の挿入核酸および第1の組換え部位の1つの切出しをもたらすように、ステップa)のゲノムポリヌクレオチドを、第1の組換え部位を認識するリコンビナーゼに曝露するステップ;
c)ステップb)のゲノムポリヌクレオチド中に、第2の組換え部位が互いに同一であり、第1の核酸配列との98%以下の配列同一性を有する第2の核酸配列を有する、同じ向きにある第2の組換え部位の対にフランキングする第2の挿入核酸を挿入するステップ;ならびに
d)同一の組換え部位が組み換わって、同一の組換え部位にフランキングしていないゲノムポリヌクレオチド配列を除去することなく、第2の挿入核酸および第2の組換え部位の1つの切出しをもたらすように、ステップc)のゲノムポリヌクレオチドを、第2の組換え部位を認識するリコンビナーゼに曝露するステップ
を含む方法が提供される。
したがって、宿主細胞中のゲノムポリヌクレオチドから挿入核酸の少なくとも2つの部分を除去する方法であって、
a)i)第1の挿入核酸が、互いに同一であり、第1の核酸配列を有する、同じ向きにある第1の組換え部位にフランキングする、ii)第2の挿入核酸が、互いに同一であり、第1の核酸配列との98%以下の配列同一性を有する第2の核酸配列を有する、同じ向きにある第2の組換え部位にフランキングする、およびiii)任意のさらなる組換え部位が、第1または第2の核酸配列との98%以下の配列同一性を有する核酸配列を有する、少なくとも第1および第2の挿入核酸を含むゲノムポリヌクレオチドを調製するステップ;ならびに
b)同一の組換え部位が組み換わって、同一の組換え部位にフランキングしていないゲノムポリヌクレオチドを除去することなく、同一の組換え部位にフランキングする挿入核酸の切出しをもたらすように、ゲノムポリヌクレオチドを、第1および第2の組換え部位を認識するリコンビナーゼに曝露するステップ
を含む方法も提供される。
理論によって束縛されることを望むものではないが、組換え部位の非同一の対の使用は、予想される核酸セグメントが優先的に除去されるように、組換え部位の同一の対の間での組換えを好む。
本発明の第2の態様においては、本発明の方法によって調製されたゲノムポリヌクレオチドを含む宿主細胞が提供される。
本発明の第3の態様においては、第1の単一の組換え部位が、第1の組換え操作される領域に隣接し、第2の単一の組換え部位が、第2の組換え操作される領域に隣接し、第1および第2の組換え部位が、互いに、宿主細胞ゲノムポリヌクレオチド中に存在する任意のさらなる組換え部位の核酸配列との90〜98%の同一性を有するヌクレオチド配列を有する、第1の組換え操作された領域および第2の組換え操作された領域を含む宿主細胞ゲノムポリヌクレオチドが提供される。
本発明の第4の態様においては、第1の組換え部位の傷が、第1の組換え操作される領域に隣接し、第2の組換え部位の傷が、第2の組換え操作される領域に隣接し、第1および第2の組換え部位の傷が、互いに98%未満同一であり、宿主細胞ゲノムポリヌクレオチド中に存在する任意のさらなる組換え部位の傷のポリヌクレオチド配列と98%未満同一である異なるポリヌクレオチド配列を有する、第1の組換え操作された領域および第2の組換え操作された領域を含有する宿主細胞ゲノムポリヌクレオチドを含む宿主細胞が提供される。
本発明の第5の態様においては、グリコシル化されたタンパク質を作製するためのプロセスであって、
a)グリコシル化されたタンパク質の産生にとって好適な条件下で本発明の宿主細胞を培養するステップ、および
b)培養物からグリコシル化されたタンパク質を単離するステップ
を含むプロセスが提供される。
本発明の第6の態様においては、それぞれの組換え部位の傷が、異なるポリヌクレオチド配列を有する、少なくとも2つの組換え領域に隣接する少なくとも2つの組換え部位の傷を含む原核生物のゲノムポリヌクレオチドまたは真核生物の染色体が提供される。
本発明の第7の態様においては、宿主細胞を操作するためのプロセスであって、
a)組換え部位の第1の対にフランキングする第1の選択マーカーを含む第1のポリヌクレオチドカセットを組み込むステップ;
b)組換え部位の第1の対を認識するリコンビナーゼの作用によって第1の選択マーカーを除去するステップ;
c)組換え部位の第2の対にフランキングする第2の選択マーカーを含む第2のポリヌクレオチドカセットを組み込むステップ;および
d)組換え部位の第2の対を認識するリコンビナーゼの作用によって第2の選択マーカーを除去するステップ
を含み、
組換え部位の第1の対が、同一の核酸配列を有し、組換え部位の第2の対が、同一の核酸配列を有し、組換え部位の第1および第2の対が、90〜98%の核酸配列同一性を有する、プロセスが提供される。
本発明の第8の態様においては、本発明のプロセスによって得られる操作された宿主細胞が提供される。例えば、操作された宿主細胞は、必要に応じて、複数のコピーの特定の遺伝子または遺伝子クラスターを挿入することによって改変される。組込みのための特定の遺伝子座を、異なる遺伝子の発現レベルを最適化するように選択することができる。同様に、異なる遺伝子座での2、3、4、5、6以上のコピーの遺伝子または遺伝子クラスターの組込みは、遺伝子または遺伝子クラスターの発現を最適化することができる。
ペリプラズム抽出物をロードしたSDS-PAGE上でのウェスタンブロットを示す図である。左パネル:His抗血清を用いた検出。右パネル:抗33F抗血清を用いた検出。レーン1は分子量マーカーを含有し、レーン2は8661株を含有し、レーン3は10852株を含有し、レーン4は10853株を含有する。 10175株および10180株における置き換えられたwcaおよびrfbクラスターのゲノム構成のスキームである。 10175株から10180株へのFLP媒介性耐性カセット除去から誘導された選択されたクローン上でのコロニーPCRを示す図である。レーン1、14および27はGeneRuler(商標)1kb DNAラダーを含有し、レーン2は除去前のSt10175を含有し、レーン3および4はFRTwt、パターンBを含有し、レーン5および6はFRTwt、パターンEを含有し、レーン7、8および9はFRT3、パターンEを含有し、レーン10、11および12はFRT3、パターンDを含有し、レーン13、15および16はFRT10、パターンEを含有し、レーン17および18はFRT10、パターンDを含有し、レーン19および20はFRT10、パターンCを含有し、レーン21および22はFRT13、パターンEを含有し、レーン23はFRT13、パターンAを含有し、レーン24および25はFRT13、パターンDを含有し、レーン26および28はFRT13、パターンCを含有し、レーン29はFRT13、パターンBを含有し、レーン30、31、32および33はFRT14、パターンEを含有し、レーン34はFRT14、パターンDを含有し、レーン35および36はFRT15、パターンEを含有し、レーン37、38および39はFRT15、パターンCを含有する。 FLP媒介性耐性カセット除去から誘導されたゲノムDNA株上での分取PCRを示す図である。 代替的なFRT部位を使用する利点を証明する概念スキームである。
本発明は、宿主細胞中のゲノムポリヌクレオチドから挿入核酸の少なくとも2つの部分を除去する方法であって、
a)互いに同一であり、第1の核酸配列を有する、同じ向きにある第1の組換え部位の対にフランキングする第1の挿入核酸を含むゲノムポリヌクレオチドを調製するステップ;
b)同一の組換え部位が組み換わって、第1の挿入核酸および第1の組換え部位の1つの切出しをもたらすように、ステップa)のゲノムポリヌクレオチドを、第1の組換え部位を認識するリコンビナーゼに曝露するステップ;
c)ステップb)のゲノムポリヌクレオチド中に、第2の組換え部位が互いに同一であり、第1の核酸配列との98%以下の配列同一性を有する第2の核酸配列を有する、同じ向きにある第2の組換え部位の対にフランキングする第2の挿入核酸を挿入するステップ;ならびに
d)同一の組換え部位が組み換わって、同一の組換え部位にフランキングしていないゲノムポリヌクレオチド配列を除去することなく、第2の挿入核酸および第2の組換え部位の1つの切出しをもたらすように、ステップc)のゲノムポリヌクレオチドを、第2の組換え部位を認識するリコンビナーゼに曝露するステップ
を含む方法を提供する。
本発明はまた、宿主細胞中のゲノムポリヌクレオチドから挿入核酸の少なくとも2つの部分を除去する方法であって、
a)i)第1の挿入核酸が、互いに同一であり、第1の核酸配列を有する、同じ向きにある第1の組換え部位の対にフランキングする、ii)第2の挿入核酸が、互いに同一であり、第1の核酸配列との98%以下の配列同一性を有する第2の核酸配列を有する、同じ向きにある第2の組換え部位の第2の対にフランキングする、およびiii)任意のさらなる組換え部位が、第1または第2の核酸配列との98%以下の配列同一性を有する核酸配列を有する、少なくとも第1および第2の挿入核酸を含むゲノムポリヌクレオチドを調製するステップ;ならびに
b)同一の組換え部位が組み換わって、同一の組換え部位にフランキングしていないゲノムポリヌクレオチドを除去することなく、同一の組換え部位にフランキングする挿入核酸の切出しをもたらすように、ゲノムポリヌクレオチドを、第1および第2の組換え部位を認識するリコンビナーゼに曝露するステップ
を含む方法も提供する。
理論によって束縛されることを望むものではないが、組換え部位の非同一の対の使用は、予想される核酸の断片が優先的に除去されるように、組換え部位の同一の対の間での組換えを好む。
用語「挿入核酸」は、ゲノムポリヌクレオチドの遺伝子操作の結果として、ゲノムポリヌクレオチドに組み込まれるようになる核酸セグメントを意味する。挿入核酸は、遺伝子組換えを導入する目的である、核酸セグメント、例えば、遺伝子を発現させるというよりはむしろ、典型的には、遺伝子組換えプロセスの望ましくない結果としてゲノムポリヌクレオチド中に組み込まれるようになる核酸セグメントである。かくして、挿入核酸は、必要に応じて、抗生物質耐性マーカーなどの遺伝子マーカーである。あるいは、挿入核酸は、相同組換えを補助するためにゲノムポリヌクレオチド中に挿入される配列、例えば、「ランディングパッド」である。本発明の目的は、一度、必要な複数の遺伝子操作が完了したら、ゲノムポリヌクレオチドから挿入核酸を効率的に除去する効率的な方法を提供することである。
用語「組換え部位」は、リコンビナーゼによって媒介される遺伝子組換えによるゲノムポリヌクレオチドからのその後の除去を可能にする、挿入核酸のいずれかの側にある配列を意味する。これらのものは、典型的には、相同組換え後に介在配列の欠失を可能にする、リコンビナーゼによって認識されるヌクレオチド配列である。
用語「組換え操作された領域」は、操作されたゲノムポリヌクレオチドの一部を意味する。これは、核酸配列の付加、核酸配列の欠失または核酸配列の置き換えを含んでもよい。
用語「ゲノムポリヌクレオチド」は、大きい遺伝物質、例えば、真核生物の染色体または原核生物の遺伝物質を意味する。
用語「宿主細胞」は、原核または真核細胞を意味する。典型的には、宿主細胞は、新しい遺伝物質を含有する、および/または遺伝物質を除去するように遺伝子操作されている。実施形態においては、複数の遺伝子操作が宿主細胞上で実行されており、本発明の方法を使用して効率的に切り出すことができる少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9または10個の挿入核酸をもたらすであろう。
本発明の方法を用いて、任意の形態の以前の遺伝子操作に従って挿入核酸を除去することができる。例えば、挿入核酸は、遺伝物質の付加、遺伝物質の除去または欠失した遺伝物質の追加の遺伝物質との置き換えの結果としてゲノムポリヌクレオチド中に存在してもよい。本発明の方法は、原核生物のゲノムポリヌクレオチド、プラスミドまたは真核生物の染色体と共に使用するのに好適である。
実施形態においては、第1および第2の挿入核酸は、選択マーカー、例えば、遺伝物質の付加、除去または置き換えが上手く行われた宿主細胞を同定するために使用される選択マーカーである。実施形態においては、選択マーカーは、抗生物質耐性マーカーである。実施形態においては、選択マーカーは、抗生物質、例えば、アンピシリン、カナマイシン、クロラムフェニコール、スペクチノマイシンまたはゲンタマイシンに対する耐性を付与するタンパク質をコードする。
実施形態においては、挿入核酸にフランキングする組換え部位の対は、互いに同一である。実施形態においては、挿入核酸にフランキングする組換え部位の対は、同じ向きにある。これにより、組換え部位を認識したリコンビナーゼの存在下で効率的な組換えを起こし、挿入核酸および組換え部位の1つの欠失をもたらすことができる。そのような組換えは、ゲノムポリヌクレオチド中に残存する、すなわち、「組換え部位の傷(跡:scar)」として残存する、単一の組換え部位をもたらす。
実施形態においては、組換え部位の第1および第2の対は、98%、96%、94%、92%、90%、85%、75%または70%以下の同一性を有する核酸配列を有する。実施形態においては、組換え部位の第1および第2の対は、70〜98%、75〜98%、80〜98%、85〜98%、90〜98%、92〜98%、94〜98%または96〜98%の同一性を有する核酸配列を有する。好適な実施形態においては、組換え部位の第1および第2の対は、第1の組換え部位の配列と、第2の組換え部位の配列との間に90〜98%の同一性を有する。
実施形態においては、第1および第2の認識部位は、ゲノムポリヌクレオチド中の任意の他の組換え部位に対する98%、96%、94%、92%、90%、85%、80%、75%または70%以下の同一性を有する。実施形態においては、第1および第2の組換え部位は、ゲノムポリヌクレオチド中に存在する任意の他の組換え部位との70〜98%、75〜98%、80〜98%、85〜98%、90〜98%、92〜98%、94〜98%または96〜98%の同一性を有する核酸配列を有する。好適な実施形態においては、組換え部位の第1および第2の対は、第1の組換え部位の配列と、第2の組換え部位およびゲノムポリヌクレオチド中に存在する任意のさらなる組換え部位の配列との間に90〜98%の同一性を有する。
実施形態においては、ステップa)は、第1もしくは第2の組換え部位または任意のさらなる組換え部位の核酸配列との98%、96%、94%、92%もしくは90%以下、または50%〜98%、60%〜98%、70%〜98%、80%〜98%、85%〜98%、90%〜98%、92%〜98%、94%〜98%、もしくは96%〜98%の配列同一性を有する第3の核酸配列を有する同一の第3の組換え部位のセットにフランキングする第3の挿入核酸を含むゲノムポリヌクレオチドを調製する。好適な実施形態においては、第3の組換え部位は、第1もしくは第2の組換え部位または任意のさらなる組換え部位との90〜98%の同一性を有する。
実施形態においては、ステップa)は、第1の核酸配列、第2の核酸配列、第3の核酸配列または任意のさらなる組換え部位の核酸配列との98%、96%、94%、92%もしくは90%以下、または50%〜98%、60%〜98%、70%〜98%、80%〜98%、85%〜98%、90%〜98%、92%〜98%、94%〜98%、もしくは96%〜98%の配列同一性を有する第4の核酸配列を有する同一の第4の組換え部位のセットにフランキングする第4の挿入核酸を含むゲノムポリヌクレオチドを調製する。好適な実施形態においては、第4の組換え部位は、第1もしくは第2の組換え部位または任意のさらなる組換え部位との90〜98%の同一性を有する。
実施形態においては、ステップa)は、第1の核酸配列、第2の核酸配列、第3の核酸配列、第4の核酸配列または任意のさらなる組換え部位の核酸配列との98%、96%、94%、92%もしくは90%以下、または50%〜98%、60%〜98%、70%〜98%、80%〜98%、85%〜98%、90%〜98%、92%〜98%、94%〜98%、もしくは96%〜98%の配列同一性を有する第5の核酸配列を有する同一の第5の組換え部位のセットにフランキングする第5の挿入核酸を含むゲノムポリヌクレオチドを調製する。好適な実施形態においては、第5の組換え部位は、第1もしくは第2の組換え部位または任意のさらなる組換え部位との90〜98%の同一性を有する。
実施形態においては、ステップa)は、第1の核酸配列、第2の核酸配列、第3の核酸配列、第4の核酸配列、第5の核酸配列または任意のさらなる組換え部位の核酸配列との98%、96%、94%、92%もしくは90%以下、または50%〜98%、60%〜98%、70%〜98%、80%〜98%、85%〜98%、90%〜98%、92%〜98%、94%〜98%、もしくは96%〜98%の配列同一性を有する第6の核酸配列を有する同一の第6の組換え部位のセットにフランキングする第6の挿入核酸を含むゲノムポリヌクレオチドを調製する。好適な実施形態においては、第6の組換え部位は、第1もしくは第2の組換え部位または任意のさらなる組換え部位との90〜98%の同一性を有する。
FRT部位の設計に関する原理は、Turan S, Kuehle J, Schambach A, Baum CおよびBode J (2010) J. Mol. Biol. 402; 52-69に記載されている。例えば、典型的なFRT部位は、隣接するリピートに対して直接の向きにある1bpのギャップによって隔てられた、8bpのスペーサーの周囲の2つの反転した13bpのリピート(a’およびa)と、さらなるリピート(b)とからなる48塩基対からなる:
b-----→a’----→スペーサー←--a。
変化は、典型的には、スペーサー配列中に導入される。好ましくは、スペーサーのAT含量は、75%より上である。好ましくは、スペーサーの2、3、4、5、6または7位のうちの少なくとも1つのbpに対して、変更が加えられる。好ましくは、スペーサーの1位および8位は、変化しない。好ましくは、5'-ポリピリミジントラクトの大きな中断は為されない。
実施形態においては、ステップa)で調製されるゲノムポリヌクレオチドは、組換え部位の同一の対にそれぞれフランキングした2、3、4、5、6、7、8、9または10個の挿入核酸を含み、組換え部位のそれぞれの対は、組換え部位の他の対とは異なり、例えば、組換え部位の特定の対は、ゲノムポリヌクレオチド中の組換え部位の任意の他の対との90%〜98%の配列同一性を有する。
実施形態においては、組換え部位は、30〜50、または40〜50塩基対の長さ、好ましくは、48塩基対の長さである。実施形態においては、組換え部位は、リコンビナーゼによって認識される。実施形態においては、リコンビナーゼは、好ましくは、FLPリコンビナーゼである。例えば、第1および第2の組換え部位(対として、または組換え後は、傷として)は、それぞれ他のフリッパーゼ認識標的(FRT)部位またはバリアントFRT部位と異なる。
実施形態においては、第1の組換え部位は、配列5’-gaagttcctattccgaagttcctattctctagaaagtataggaacttc-3’ (配列番号1)を有するFRT部位であり、第2の組換え部位は、配列番号2の配列を有するFRT部位である。
実施形態においては、第1の組換え部位は、配列5’-gaagttcctattccgaagttcctattctctagaaagtataggaacttc-3’ (配列番号1)を有するFRT部位であり、第2の組換え部位は、配列番号3の配列を有するFRT部位である。
実施形態においては、第1の組換え部位は、配列5’-gaagttcctattccgaagttcctattctctagaaagtataggaacttc-3’ (配列番号1)を有するFRT部位であり、第2の組換え部位は、配列番号4の配列を有するFRT部位である。
実施形態においては、第1の組換え部位は、配列5’-gaagttcctattccgaagttcctattctctagaaagtataggaacttc-3’ (配列番号1)を有するFRT部位であり、第2の組換え部位は、配列番号5の配列を有するFRT部位である。
実施形態においては、第1の組換え部位は、配列5’-gaagttcctattccgaagttcctattctctagaaagtataggaacttc-3’ (配列番号1)を有するFRT部位であり、第2の組換え部位は、配列番号6の配列を有するFRT部位である。
実施形態においては、第1の組換え部位は、配列5’-gaagttcctattccgaagttcctattctctagaaagtataggaacttc-3’ (配列番号1)を有するFRT部位であり、第2の組換え部位は、配列番号7の配列を有するFRT部位である。
実施形態においては、第1の組換え部位は、配列5’-gaagttcctattccgaagttcctattctctagaaagtataggaacttc-3’ (配列番号1)を有するFRT部位であり、第2の組換え部位は、配列番号8の配列を有するFRT部位である。
実施形態においては、第1の組換え部位は、配列5’-gaagttcctattccgaagttcctattctctagaaagtataggaacttc-3’ (配列番号1)を有するFRT部位であり、第2の組換え部位は、配列番号9の配列を有するFRT部位である。
実施形態においては、第1の組換え部位は、配列5’-gaagttcctattccgaagttcctattctctagaaagtataggaacttc-3’ (配列番号1)を有するFRT部位であり、第2の組換え部位は、配列番号10の配列を有するFRT部位である。
実施形態においては、第1の組換え部位は、配列番号2の配列を有するFRT部位であり、第2の組換え部位は、配列番号3の配列を有するFRT部位である。
実施形態においては、第1の組換え部位は、配列番号2の配列を有するFRT部位であり、第2の組換え部位は、配列番号4の配列を有するFRT部位である。
実施形態においては、第1の組換え部位は、配列番号2の配列を有するFRT部位であり、第2の組換え部位は、配列番号5の配列を有するFRT部位である。
実施形態においては、第1の組換え部位は、配列番号2の配列を有するFRT部位であり、第2の組換え部位は、配列番号6の配列を有するFRT部位である。
実施形態においては、第1の組換え部位は、配列番号2の配列を有するFRT部位であり、第2の組換え部位は、配列番号7の配列を有するFRT部位である。
実施形態においては、第1の組換え部位は、配列番号2の配列を有するFRT部位であり、第2の組換え部位は、配列番号8の配列を有するFRT部位である。
実施形態においては、第1の組換え部位は、配列番号2の配列を有するFRT部位であり、第2の組換え部位は、配列番号9の配列を有するFRT部位である。
実施形態においては、第1の組換え部位は、配列番号2の配列を有するFRT部位であり、第2の組換え部位は、配列番号10の配列を有するFRT部位である。
実施形態においては、第1の組換え部位は、配列番号2の配列を有するFRT部位であり、第2の組換え部位は、配列番号1の配列を有するFRT部位である。
実施形態においては、第1の組換え部位は、配列番号3の配列を有するFRT部位であり、第2の組換え部位は、配列番号4の配列を有するFRT部位である。
実施形態においては、第1の組換え部位は、配列番号3の配列を有するFRT部位であり、第2の組換え部位は、配列番号5の配列を有するFRT部位である。
実施形態においては、第1の組換え部位は、配列番号3の配列を有するFRT部位であり、第2の組換え部位は、配列番号6の配列を有するFRT部位である。
実施形態においては、第1の組換え部位は、配列番号3の配列を有するFRT部位であり、第2の組換え部位は、配列番号7の配列を有するFRT部位である。
実施形態においては、第1の組換え部位は、配列番号3の配列を有するFRT部位であり、第2の組換え部位は、配列番号8の配列を有するFRT部位である。
実施形態においては、第1の組換え部位は、配列番号3の配列を有するFRT部位であり、第2の組換え部位は、配列番号9の配列を有するFRT部位である。
実施形態においては、第1の組換え部位は、配列番号3の配列を有するFRT部位であり、第2の組換え部位は、配列番号10の配列を有するFRT部位である。
実施形態においては、第1の組換え部位は、配列番号3の配列を有するFRT部位であり、第2の組換え部位は、配列番号1の配列を有するFRT部位である。
実施形態においては、第1の組換え部位は、配列番号3の配列を有するFRT部位であり、第2の組換え部位は、配列番号2の配列を有するFRT部位である。
実施形態においては、第1の組換え部位は、配列番号4の配列を有するFRT部位であり、第2の組換え部位は、配列番号5の配列を有するFRT部位である。
実施形態においては、第1の組換え部位は、配列番号4の配列を有するFRT部位であり、第2の組換え部位は、配列番号6の配列を有するFRT部位である。
実施形態においては、第1の組換え部位は、配列番号4の配列を有するFRT部位であり、第2の組換え部位は、配列番号7の配列を有するFRT部位である。
実施形態においては、第1の組換え部位は、配列番号4の配列を有するFRT部位であり、第2の組換え部位は、配列番号8の配列を有するFRT部位である。
実施形態においては、第1の組換え部位は、配列番号4の配列を有するFRT部位であり、第2の組換え部位は、配列番号9の配列を有するFRT部位である。
実施形態においては、第1の組換え部位は、配列番号4の配列を有するFRT部位であり、第2の組換え部位は、配列番号10の配列を有するFRT部位である。
実施形態においては、第1の組換え部位は、配列番号4の配列を有するFRT部位であり、第2の組換え部位は、配列番号1の配列を有するFRT部位である。
実施形態においては、第1の組換え部位は、配列番号4の配列を有するFRT部位であり、第2の組換え部位は、配列番号2の配列を有するFRT部位である。
実施形態においては、第1の組換え部位は、配列番号4の配列を有するFRT部位であり、第2の組換え部位は、配列番号3の配列を有するFRT部位である。
実施形態においては、第1の組換え部位は、配列番号5の配列を有するFRT部位であり、第2の組換え部位は、配列番号6の配列を有するFRT部位である。
実施形態においては、第1の組換え部位は、配列番号5の配列を有するFRT部位であり、第2の組換え部位は、配列番号7の配列を有するFRT部位である。
実施形態においては、第1の組換え部位は、配列番号5の配列を有するFRT部位であり、第2の組換え部位は、配列番号8の配列を有するFRT部位である。
実施形態においては、第1の組換え部位は、配列番号5の配列を有するFRT部位であり、第2の組換え部位は、配列番号9の配列を有するFRT部位である。
実施形態においては、第1の組換え部位は、配列番号5の配列を有するFRT部位であり、第2の組換え部位は、配列番号10の配列を有するFRT部位である。
実施形態においては、第1の組換え部位は、配列番号5の配列を有するFRT部位であり、第2の組換え部位は、配列番号1の配列を有するFRT部位である。
実施形態においては、第1の組換え部位は、配列番号5の配列を有するFRT部位であり、第2の組換え部位は、配列番号2の配列を有するFRT部位である。
実施形態においては、第1の組換え部位は、配列番号5の配列を有するFRT部位であり、第2の組換え部位は、配列番号3の配列を有するFRT部位である。
実施形態においては、第1の組換え部位は、配列番号5の配列を有するFRT部位であり、第2の組換え部位は、配列番号4の配列を有するFRT部位である。
実施形態においては、第1の組換え部位は、配列番号6の配列を有するFRT部位であり、第2の組換え部位は、配列番号7の配列を有するFRT部位である。
実施形態においては、第1の組換え部位は、配列番号6の配列を有するFRT部位であり、第2の組換え部位は、配列番号8の配列を有するFRT部位である。
実施形態においては、第1の組換え部位は、配列番号6の配列を有するFRT部位であり、第2の組換え部位は、配列番号9の配列を有するFRT部位である。
実施形態においては、第1の組換え部位は、配列番号6の配列を有するFRT部位であり、第2の組換え部位は、配列番号10の配列を有するFRT部位である。
実施形態においては、第1の組換え部位は、配列番号7の配列を有するFRT部位であり、第2の組換え部位は、配列番号8の配列を有するFRT部位である。
実施形態においては、第1の組換え部位は、配列番号7の配列を有するFRT部位であり、第2の組換え部位は、配列番号9の配列を有するFRT部位である。
実施形態においては、第1の組換え部位は、配列番号7の配列を有するFRT部位であり、第2の組換え部位は、配列番号10の配列を有するFRT部位である。
実施形態においては、第1の組換え部位は、配列番号6の配列を有するFRT部位であり、第2の組換え部位は、配列番号1の配列を有するFRT部位である。
実施形態においては、第1の組換え部位は、配列番号6の配列を有するFRT部位であり、第2の組換え部位は、配列番号2の配列を有するFRT部位である。
実施形態においては、第1の組換え部位は、配列番号6の配列を有するFRT部位であり、第2の組換え部位は、配列番号3の配列を有するFRT部位である。
実施形態においては、第1の組換え部位は、配列番号6の配列を有するFRT部位であり、第2の組換え部位は、配列番号4の配列を有するFRT部位である。
実施形態においては、第1の組換え部位は、配列番号6の配列を有するFRT部位であり、第2の組換え部位は、配列番号5の配列を有するFRT部位である。
実施形態においては、第1の組換え部位は、配列番号8の配列を有するFRT部位であり、第2の組換え部位は、配列番号9の配列を有するFRT部位である。
実施形態においては、第1の組換え部位は、配列番号8の配列を有するFRT部位であり、第2の組換え部位は、配列番号10の配列を有するFRT部位である。
実施形態においては、第1の組換え部位は、配列番号8の配列を有するFRT部位であり、第2の組換え部位は、配列番号1の配列を有するFRT部位である。
実施形態においては、第1の組換え部位は、配列番号8の配列を有するFRT部位であり、第2の組換え部位は、配列番号2の配列を有するFRT部位である。
実施形態においては、第1の組換え部位は、配列番号8の配列を有するFRT部位であり、第2の組換え部位は、配列番号3の配列を有するFRT部位である。
実施形態においては、第1の組換え部位は、配列番号8の配列を有するFRT部位であり、第2の組換え部位は、配列番号4の配列を有するFRT部位である。
実施形態においては、第1の組換え部位は、配列番号8の配列を有するFRT部位であり、第2の組換え部位は、配列番号5の配列を有するFRT部位である。
実施形態においては、第1の組換え部位は、配列番号8の配列を有するFRT部位であり、第2の組換え部位は、配列番号6の配列を有するFRT部位である。
実施形態においては、第1の組換え部位は、配列番号8の配列を有するFRT部位であり、第2の組換え部位は、配列番号7の配列を有するFRT部位である。
実施形態においては、第1の組換え部位は、配列番号9の配列を有するFRT部位であり、第2の組換え部位は、配列番号1の配列を有するFRT部位である。
実施形態においては、第1の組換え部位は、配列番号9の配列を有するFRT部位であり、第2の組換え部位は、配列番号2の配列を有するFRT部位である。
実施形態においては、第1の組換え部位は、配列番号9の配列を有するFRT部位であり、第2の組換え部位は、配列番号3の配列を有するFRT部位である。
実施形態においては、第1の組換え部位は、配列番号9の配列を有するFRT部位であり、第2の組換え部位は、配列番号4の配列を有するFRT部位である。
実施形態においては、第1の組換え部位は、配列番号9の配列を有するFRT部位であり、第2の組換え部位は、配列番号5の配列を有するFRT部位である。
実施形態においては、第1の組換え部位は、配列番号9の配列を有するFRT部位であり、第2の組換え部位は、配列番号6の配列を有するFRT部位である。
実施形態においては、第1の組換え部位は、配列番号9の配列を有するFRT部位であり、第2の組換え部位は、配列番号7の配列を有するFRT部位である。
実施形態においては、第1の組換え部位は、配列番号9の配列を有するFRT部位であり、第2の組換え部位は、配列番号8の配列を有するFRT部位である。
実施形態においては、第1の組換え部位は、配列番号9の配列を有するFRT部位であり、第2の組換え部位は、配列番号10の配列を有するFRT部位である。
実施形態においては、第1の組換え部位は、配列番号10の配列を有するFRT部位であり、第2の組換え部位は、配列番号1の配列を有するFRT部位である。
実施形態においては、第1の組換え部位は、配列番号10の配列を有するFRT部位であり、第2の組換え部位は、配列番号2の配列を有するFRT部位である。
実施形態においては、第1の組換え部位は、配列番号10の配列を有するFRT部位であり、第2の組換え部位は、配列番号3の配列を有するFRT部位である。
実施形態においては、第1の組換え部位は、配列番号10の配列を有するFRT部位であり、第2の組換え部位は、配列番号4の配列を有するFRT部位である。
実施形態においては、第1の組換え部位は、配列番号10の配列を有するFRT部位であり、第2の組換え部位は、配列番号5の配列を有するFRT部位である。
実施形態においては、第1の組換え部位は、配列番号10の配列を有するFRT部位であり、第2の組換え部位は、配列番号6の配列を有するFRT部位である。
実施形態においては、第1の組換え部位は、配列番号10の配列を有するFRT部位であり、第2の組換え部位は、配列番号7の配列を有するFRT部位である。
実施形態においては、第1の組換え部位は、配列番号10の配列を有するFRT部位であり、第2の組換え部位は、配列番号8の配列を有するFRT部位である。
実施形態においては、第1の組換え部位は、配列番号10の配列を有するFRT部位であり、第2の組換え部位は、配列番号9の配列を有するFRT部位である。
実施形態においては、第1および第2の挿入核酸は、第1および第2の挿入核酸の間の距離が500kb、400kb、300kb、200kb、150kb、100kb、75kb、50kbまたは25kb未満であるゲノムポリヌクレオチド上に位置する。
実施形態においては、ステップb)で、ゲノムポリヌクレオチドは、FLPリコンビナーゼをコードする遺伝子を宿主細胞中に導入することによって、リコンビナーゼに曝露される。FLPリコンビナーゼをコードする遺伝子は、必要に応じて、誘導的プロモーターまたは構成的プロモーターの制御下のプラスミド中で宿主細胞に導入される。誘導的プロモーターが用いられる場合、配列番号13の核酸配列を有するプラスミドpCP20を好適に使用することができる。
実施形態においては、FLPリコンビナーゼをコードする遺伝子は、配列番号12の配列に対する少なくとも80%、85%、90%、95%、98%または99%の同一性を有する核酸配列を有する。実施形態においては、FLPリコンビナーゼは、配列番号11の配列と少なくとも80%、85%、90%、95%、98%または99%同一であるアミノ酸配列を有する。
実施形態においては、挿入核酸は、少なくとも1つの選択マーカーをコードする。しかしながら、本発明の方法は、少なくとも2、3、4、5または6つの挿入核酸がそれぞれ選択マーカーをコードする場合に特に有用である。これらの場合、複数の選択マーカーを、望ましくない組換え事象によって選択マーカー間のDNAの領域を除去することなく、単一のステップでゲノムポリヌクレオチドから除去することができる。この利益は、選択マーカーがゲノムポリヌクレオチド中で互いに100、75、50、25、10、5または2kb以内に位置する場合に特に強力である。
実施形態においては、ゲノムポリヌクレオチドは、Escherichia、Neisseria、Shigella、Klebsiella、Xhantomonas、Salmonella、Yersinia、Lactococcus、Lactobacillus、Pseudomonas、Corynebacterium、Streptomyces、Streptococcus、Staphylococcus、BacillusまたはClostridium種に由来する。しかしながら、本発明の方法を使用して、真核および原核生物、植物、昆虫、酵母およびマウス、ラット、ウサギを含む哺乳動物を含む任意の生物に由来するゲノムポリヌクレオチドから複数の挿入核酸を除去することができることが明らかである。本発明の方法は、ゲノムポリヌクレオチドが大腸菌に由来する場合に好適である。
本発明のさらなる態様は、本発明の方法によって調製されたゲノムポリヌクレオチドである。
本発明のプロセスの実行後に、ゲノムポリヌクレオチドの少なくとも第1および第2の領域が組換え操作され、同一の組換え部位の対の間で核酸の2つの欠失が起こる。これは、対あたり1つの組換え部位および介在核酸の喪失をもたらす。その結果は、第1の単一の組換え部位が、第1の組換え操作される領域に隣接し、第2の単一の組換え部位が、第2の組換え操作される領域に隣接し、第1および第2の組換え部位が、互いに、宿主細胞ゲノムポリヌクレオチド中に存在する任意のさらなる組換え部位の核酸配列との90〜98%の同一性を有するヌクレオチド配列を有する、第1の組換え操作された領域および第2の組換え操作された領域を含む宿主細胞ゲノムポリヌクレオチドである。
実施形態においては、第1および第2の組換え操作される領域は、宿主細胞ゲノムの一部が除去された領域である。実施形態においては、第1および第2の組換え操作される領域は、20、50、100、250または500塩基対を超える長さのさらなる核酸セグメントが挿入されている部位である。実施形態においては、第1および第2の組換え部位は、リコンビナーゼ、例えば、FLPリコンビナーゼ、例えば、配列番号11のアミノ酸配列を有するFLPリコンビナーゼのための組換え部位である。
実施形態においては、第1および第2の組換え部位は、30〜50、または40〜50塩基対の長さ、好ましくは、48塩基対の長さである。実施形態においては、第1の組換え部位は、配列番号1〜10の核酸配列を有する。上に概略されたように、組換え部位の異種対の間ではなく、組換え部位の同種対の間で組換えが起こるように、配列番号1〜10の組換え部位のいずれかを、配列番号1〜10の任意の他の組換え部位と共に使用することができることが想定される。好ましい組合せは、配列番号1〜6の群から選択される配列を有する第2の組換え部位と共に使用される配列番号1〜6の群から選択される配列を有する第1の組換え部位を有する(第2の組換え部位は、第1の組換え部位とは異なる)。
実施形態においては、本発明の方法により、第1の組換え部位の傷が、第1の組換え操作される領域に隣接し、第2の組換え部位の傷が、第2の組換え操作される領域に隣接し、第1および第2の組換え部位の傷が、互いに98%未満同一であり、宿主細胞ゲノムポリヌクレオチド中に存在する任意のさらなる組換え部位の傷のポリヌクレオチド配列と98%未満同一である異なるポリヌクレオチド配列を有する、第1の組換え操作された領域および第2の組換え操作された領域を含有する宿主細胞ゲノムポリヌクレオチドを含む宿主細胞が得られる。
実施形態においては、第1および第2の組換え操作される領域は、宿主細胞ゲノムの一部が除去されている領域である。実施形態においては、第1および第2の組換え操作される領域は、20、50、100、250または500塩基対を超える長さのさらなる核酸セグメントが挿入されている領域である。
実施形態においては、第1および第2の組換え部位は、リコンビナーゼ、例えば、FLPリコンビナーゼ、例えば、配列番号11のアミノ酸配列を有するFLPリコンビナーゼのための組換え部位である。
実施形態においては、第1および第2の組換え部位は、30〜50、または40〜50塩基対の長さ、好ましくは、48塩基対の長さである。実施形態においては、第1の組換え部位は、配列番号1〜10の核酸配列を有する。第2の組換え部位は、必要に応じて、配列番号1〜10から選択される異なる核酸配列を有するであろう。両方とも配列番号1〜6を有する第1および第2の組換え部位の組合せが好ましい。
実施形態においては、第1および第2の組換え部位は、500kベース、400kベース、300kベース、200kベース、150kベース、100kベース、75kベース、50kベース、25kベース、10kベース、5kベース、4kベース、3kベース、2kベース、1kベース未満隔てられている。本発明の方法が行われない場合に介在核酸が意図せず欠失される可能性は、第1および第2の組換え部位が近い場合に、より高い。したがって、本発明の方法は、第1および第2の組換え部位が近いほど、より有利である。
実施形態においては、遺伝子操作は、大腸菌ゲノム、例えば、大腸菌W3110株中で行われる。遺伝子操作は、必要に応じて、wcaコラン酸クラスターを除去すること、および必要に応じて、それを挿入DNA、例えば、異種グリカンクラスターと置き換えることを含む。遺伝子操作は、必要に応じて、waaL遺伝子を欠失させること、および必要に応じて、それをpglB遺伝子と置き換えることを含む。遺伝子操作は、必要に応じて、rfbクラスターの少なくとも一部、例えば、rfb O16クラスターの少なくとも一部を欠失させることを含む。実施形態においては、waaL遺伝子のうちの少なくとも1、2または3個全部、rfbクラスターの少なくとも一部およびwcaコラン酸クラスターの少なくとも一部が欠失される。実施形態においては、waaL遺伝子のうちの少なくとも1、2または3個全部、rfbクラスターの少なくとも一部およびwcaコラン酸クラスターの少なくとも一部が、必要に応じて、上記のように、異種遺伝子によって置き換えられる。
本発明はまた、グリコシル化されたタンパク質を作製するためのプロセス(方法)であって、
a)グリコシル化されたタンパク質の産生にとって好適な条件下で本発明の宿主細胞を培養するステップ、および
b)培養物からグリコシル化されたタンパク質を単離するステップ
を含むプロセスを開示する。
細菌宿主細胞中での操作されたグリコシル化されたタンパク質の産生は、いくつかの宿主細胞遺伝子を欠失させ、所望のグリコシル化されたタンパク質、例えば、バイオコンジュゲートを作製するのに必要とされるタンパク質をコードする異種遺伝子を組み込むために、宿主細胞ゲノムポリヌクレオチドの複数の操作を必要とし得る。宿主細胞ゲノムの複数の組換え操作は、除去することが有利であり得る複数の遺伝子マーカーを導入することができる。かくして、本発明のプロセスは、グリコシル化されたタンパク質、例えば、バイオコンジュゲートの産生のために後に用いられる宿主細胞の構築に特に適用可能である。
本発明のさらなる態様は、それぞれの組換え部位の傷が、異なるポリヌクレオチド配列を有する、少なくとも2個(例えば、3、4、5、6、7、8、9または10個)の組換え領域に隣接する少なくとも2個(例えば、3、4、5、6、7、8、9または10個)の組換え部位の傷を含む原核生物のゲノムポリヌクレオチドまたは真核生物の染色体である。典型的には、組換え部位の傷の数は、組換え領域の数に等しい。
本発明のさらなる態様は、宿主細胞を操作するためのプロセス(方法)であって、
a)組換え部位の第1の対にフランキングする第1の選択マーカーを含む第1のポリヌクレオチドカセットを組み込むステップ;
b)組換え部位の第1の対を認識するリコンビナーゼの作用によって第1の選択マーカーを除去するステップ;
c)組換え部位の第2の対にフランキングする第2の選択マーカーを含む第2のポリヌクレオチドカセットを組み込むステップ;および
d)組換え部位の第2の対を認識するリコンビナーゼの作用によって第2の選択マーカーを除去するステップ
を含み、
組換え部位の第1の対が、同一の核酸配列を有し、組換え部位の第2の対が、同一の核酸配列を有し、組換え部位の第1および第2の対が、90〜98%の核酸配列同一性を有する、プロセスである。
実施形態においては、ステップb)およびステップd)のリコンビナーゼは、FLPリコンビナーゼ、例えば、配列番号7と少なくとも80%、85%、90%、95%、98%、99%または100%同一であるアミノ酸配列を有するFLPリコンビナーゼである。
本発明のさらなる態様は、本発明のプロセスによって得られる操作された宿主細胞である。
本特許明細書内で引用される全ての参考文献または特許出願は、参照により本明細書に組み込まれるものとする。
本発明は、以下の段落でさらに説明される。
1. 宿主細胞中のゲノムポリヌクレオチドから挿入核酸の少なくとも2つの部分を除去する方法であって、
a)互いに同一であり、第1の核酸配列を有する、同じ向きにある第1の組換え部位の対にフランキングする第1の挿入核酸を含むゲノムポリヌクレオチドを調製するステップ;
b)同一の組換え部位が組み換わって、第1の挿入核酸および第1の組換え部位の1つの切出しをもたらすように、ステップa)のゲノムポリヌクレオチドを、第1の組換え部位を認識するリコンビナーゼに曝露するステップ;
c)ステップb)のゲノムポリヌクレオチド中に、第2の組換え部位が互いに同一であり、第1の核酸配列との98%以下の配列同一性を有する第2の核酸配列を有する、同じ向きにある第2の組換え部位の対にフランキングする第2の挿入核酸を挿入するステップ;ならびに
d)同一の組換え部位が組み換わって、同一の組換え部位にフランキングしていないゲノムポリヌクレオチド配列を除去することなく、第2の挿入核酸および第2の組換え部位の1つの切出しをもたらすように、ステップc)のゲノムポリヌクレオチドを、第2の組換え部位を認識するリコンビナーゼに曝露するステップ
を含む方法。
2. 宿主細胞中のゲノムポリヌクレオチドから挿入核酸の少なくとも2つの部分を除去する方法であって、
a)i)第1の挿入核酸が、互いに同一であり、第1の核酸配列を有する、同じ向きにある第1の組換え部位にフランキングする、ii)第2の挿入核酸が、互いに同一であり、第1の核酸配列との98%以下の配列同一性を有する第2の核酸配列を有する、同じ向きにある第2の組換え部位にフランキングする、およびiii)任意のさらなる組換え部位が、第1または第2の核酸配列との98%以下の配列同一性を有する核酸配列を有する、少なくとも第1および第2の挿入核酸を含むゲノムポリヌクレオチドを調製するステップ;ならびに
b)同一の組換え部位が組み換わって、同一の組換え部位にフランキングしていないゲノムポリヌクレオチドを除去することなく、同一の組換え部位にフランキングする挿入核酸の切出しをもたらすように、ゲノムポリヌクレオチドを、第1および第2の組換え部位を認識するリコンビナーゼに曝露するステップ
を含む方法。
3. ゲノムポリヌクレオチドが原核生物のゲノムポリヌクレオチドまたはプラスミドである、段落1または2に記載の方法。
4. ゲノムポリヌクレオチドが真核生物の染色体である、段落1または2または3に記載の方法。
5. 第1および第2の挿入核酸が選択マーカーである、段落1〜4のいずれか1つに記載の方法。
6. 第1および第2の挿入核酸が、アンピシリン、カナマイシン、クロラムフェニコール、スペクチノマイシンまたはゲンタマイシンに対する耐性を付与するタンパク質をコードする選択マーカーである、段落5に記載の方法。
7. ステップa)が、第1の核酸配列、第2の核酸配列または任意のさらなる組換え部位の核酸配列との98%以下の配列同一性を有する第3の核酸配列を有する同一の第3の組換え部位のセットにフランキングする第3の挿入核酸を含むゲノムポリヌクレオチドを調製する、段落2〜6のいずれか1つに記載の方法。
8. ステップa)が、第1の核酸配列、第2の核酸配列、第3の核酸配列または任意のさらなる組換え部位の核酸配列との98%以下の配列同一性を有する第4の核酸配列を有する同一の第4の組換え部位のセットにフランキングする第4の挿入核酸を含むゲノムポリヌクレオチドを調製する、段落7に記載の方法。
9. ステップa)が、第1の核酸配列、第2の核酸配列、第3の核酸配列、第4の核酸配列または任意のさらなる組換え部位の核酸配列との98%以下の配列同一性を有する第5の核酸配列を有する同一の第5の組換え部位のセットにフランキングする第5の挿入核酸を含むゲノムポリヌクレオチドを調製する、段落8に記載の方法。
10. ステップa)が、第1の核酸配列、第2の核酸配列、第3の核酸配列、第4の核酸配列、第5の核酸配列または任意のさらなる組換え部位の核酸配列との98%以下の配列同一性を有する第6の核酸配列を有する同一の第6の組換え部位のセットにフランキングする第6の挿入核酸を含むゲノムポリヌクレオチドを調製する、段落9に記載の方法。
11. ステップa)で調製されるゲノムポリヌクレオチドが、組換え部位の同一の対にそれぞれフランキングした2、3、4、5、6、7、8、9または10個の挿入核酸を含み、組換え部位のそれぞれの対が、組換え部位の任意の他の対との90%〜98%の配列同一性を有する、段落2〜5のいずれか1つに記載の方法。
12. 組換え部位が30〜50塩基対の長さ、好ましくは、48塩基対の長さである、段落1〜11のいずれか1つに記載の方法。
13. 組換え部位がリコンビナーゼ、好ましくは、FLPリコンビナーゼによって認識される、段落1〜12のいずれか1つに記載の方法。
14. 第1および第2の挿入核酸が、第1および第2の挿入核酸の間の距離が100kb未満であるゲノムポリヌクレオチド上に位置する、段落1〜13のいずれか1つに記載の方法。
15. 第1および第2の組換え部位が、フリッパーゼ認識標的(FRT)部位またはバリアントFRT部位である、段落1〜14のいずれか1つに記載の方法。
16. 第1の組換え部位が、配列5’-gaagttcctattccgaagttcctattctctagaaagtataggaacttc-3’(配列番号1)を有するFRT部位である、段落15に記載の方法。
17. 第2の組換え部位が、配列番号2、3、4、5または6のいずれか1つの配列を有するFRTバリアント部位である、段落15または16に記載の方法。
18. ステップb)で、ゲノムポリヌクレオチドが、FLPリコンビナーゼをコードする遺伝子を宿主細胞中に導入することによって、リコンビナーゼに曝露される、段落1〜17のいずれか1つに記載の方法。
19. FLPリコンビナーゼをコードする遺伝子が、配列番号12の配列と少なくとも80%同一である核酸配列を有する、段落18に記載の方法。
20. FLPリコンビナーゼが、配列番号11の配列と少なくとも80%同一であるアミノ酸配列を有する、段落18に記載の方法。
21. FLPリコンビナーゼをコードする遺伝子が、誘導的プロモーターまたは構成的プロモーターの制御下のプラスミド中で宿主細胞に導入される、段落18〜20のいずれか1つに記載の方法。
22. プラスミドが、誘導的プロモーターの制御下にFLPリコンビナーゼ遺伝子を含有する、段落21に記載の方法。
23. プラスミドが、配列番号12の核酸配列を有するpCP20である、段落21に記載の方法。
24. 挿入核酸が少なくとも1つの選択マーカーをコードする、段落1〜23のいずれか1つに記載の方法。
25. 少なくとも2、3、4、5または6つの挿入核酸がそれぞれ選択マーカーをコードする、段落24に記載の方法。
26. ゲノムポリヌクレオチドが、Escherichia、Neisseria、Shigella、Klebsiella、Xhantomonas、Salmonella、Yersinia、Lactococcus、Lactobacillus、Pseudomonas、Corynebacterium、Streptomyces、Streptococcus、Staphylococcus、BacillusまたはClostridium種に由来する、段落1〜25のいずれか1つに記載の方法。
27. ゲノムポリヌクレオチドが大腸菌に由来する、段落26に記載の方法。
28. 段落1〜27のいずれか1つに記載の方法によって調製されたゲノムポリヌクレオチドを含む宿主細胞。
29. 第1の単一の組換え部位が、第1の組換え操作される領域に隣接し、第2の単一の組換え部位が、第2の組換え操作される領域に隣接し、第1および第2の組換え部位が、互いに、必要に応じて、宿主細胞ゲノムポリヌクレオチド中に存在する任意のさらなる組換え部位の核酸配列との90〜98%の同一性を有するヌクレオチド配列を有する、第1の組換え操作された領域および第2の組換え操作された領域を含む宿主細胞ゲノムポリヌクレオチド。
30. 第1および第2の組換え操作される領域が、宿主細胞ゲノムの一部が除去されている領域である、段落29に記載の宿主細胞ゲノムポリヌクレオチド。
31. 第1および第2の組換え操作される領域が、20、50、100、200、300、400または500塩基対を超える長さのさらなる核酸セグメントが挿入されている領域である、段落29または30に記載の宿主細胞ゲノムポリヌクレオチド。
32. 第1および第2の組換え部位が、リコンビナーゼのための組換え部位である、段落29〜31のいずれか1つに記載の宿主細胞ゲノムポリヌクレオチド。
33. リコンビナーゼがFLPリコンビナーゼである、段落32に記載の宿主細胞ゲノムポリヌクレオチド。
34. FLPリコンビナーゼが配列番号11のアミノ酸配列を有する、段落33に記載の宿主細胞ゲノムポリヌクレオチド。
35. 第1および第2の組換え部位が30〜50塩基対の長さ、好ましくは、48塩基対の長さである、段落29〜34のいずれか1つに記載の宿主細胞ゲノムポリヌクレオチド。
36. 第1の組換え部位が配列番号1〜10のいずれか1つの核酸配列を有する、段落35に記載の宿主細胞ゲノムポリヌクレオチド。
37. 第1の組換え部位の傷が、第1の組換え操作される領域に隣接し、第2の組換え部位の傷が、第2の組換え操作される領域に隣接し、第1および第2の組換え部位の傷が、互いに98%未満同一であり、必要に応じて、宿主細胞ゲノムポリヌクレオチド中に存在する任意のさらなる組換え部位の傷のポリヌクレオチド配列と98%未満同一である異なるポリヌクレオチド配列を有する、第1の組換え操作された領域および第2の組換え操作された領域を含有する宿主細胞ゲノムポリヌクレオチドを含む宿主細胞。
38. 第1および第2の組換え操作される領域が、宿主細胞ゲノムの一部が除去されている領域である、段落37に記載の宿主細胞。
39. 第1および第2の組換え操作される領域が、20、50、100、200、300、400または500塩基対を超える長さのさらなる核酸セグメントが挿入されている領域である、段落37または38に記載の宿主細胞。
40. 第1および第2の組換え部位が、リコンビナーゼのための組換え部位である、段落37〜39のいずれか1つに記載の宿主細胞。
41. リコンビナーゼがFLPリコンビナーゼである、段落40に記載の宿主細胞。
42. FLPリコンビナーゼが配列番号11のアミノ酸配列を有する、段落41に記載の宿主細胞。
43. 第1および第2の組換え部位が30〜50塩基対の長さ、好ましくは、48塩基対の長さである、段落37〜34のいずれか1つに記載の宿主細胞。
44. 第1の組換え部位が配列番号1〜10のいずれか1つの核酸配列を有する、段落43に記載の宿主細胞。
45. 第1および第2の組換え部位が、100kベース、75kベース、50kベース、25kベース、10kベース、5kベース、4kベース、3kベース、2kベースまたは1kベース未満隔てられている、段落37〜44のいずれか1つに記載の宿主細胞。
46. 第1および第2の組換え部位が、5kベース未満隔てられている、段落45に記載の宿主細胞。
47. それぞれの組換え部位の傷が、異なるポリヌクレオチド配列を有する、少なくとも2つの組換え操作される領域に隣接する少なくとも2つの組換え部位の傷を含む原核生物のゲノムポリヌクレオチドまたは真核生物の染色体。
48. 宿主細胞を操作するための方法であって、
a)組換え部位の第1の対にフランキングする第1の選択マーカーを含む第1のポリヌクレオチドカセットを組み込むステップ;
b)組換え部位の第1の対を認識するリコンビナーゼの作用によって第1の選択マーカーを除去するステップ;
c)組換え部位の第2の対にフランキングする第2の選択マーカーを含む第2のポリヌクレオチドカセットを組み込むステップ;および
d)組換え部位の第2の対を認識するリコンビナーゼの作用によって第2の選択マーカーを除去するステップ
を含み、
組換え部位の第1の対が、同一の核酸配列を有し、組換え部位の第2の対が、同一の核酸配列を有し、組換え部位の第1および第2の対が、90〜98%の核酸配列同一性を有する、方法。
49. ステップb)およびd)のリコンビナーゼがFLPリコンビナーゼである、段落48に記載の方法。
50. FLPリコンビナーゼが、配列番号11と少なくとも80%同一であるアミノ酸配列を有する、段落49に記載の方法。
51. 段落48〜50のいずれか1つに記載の方法によって得られる操作された宿主細胞。
52. それぞれの組換え部位が他の組換え部位と98%未満同一であるヌクレオチド配列を有する、宿主細胞ゲノムポリヌクレオチド中に少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9または10個の組換え部位の単一のコピーを含む操作された宿主細胞。
53. 少なくとも2個の組換え部位がFRT部位である、段落52に記載の操作された宿主細胞。
54. 少なくとも2個の組換え部位が、宿主細胞ゲノムポリヌクレオチド中で100kb、75kb、50kb、25kb、10kb、5kb、3kbまたは1kb未満隔てられている、段落52または53に記載の操作された宿主細胞。
55. rfbクラスターのプロモーターをインタクトに維持しながら、天然のrfbクラスターの少なくとも一部およびwcaコラン酸クラスターの少なくとも一部が欠失している、操作されたグラム陰性宿主細胞。
56. waaL遺伝子も欠失している、段落53に記載の操作されたグラム陰性宿主細胞。
57. グラム陰性宿主細胞が大腸菌である、段落53または54に記載の操作されたグラム陰性宿主細胞。
58. 天然のrfbクラスターの少なくとも一部が異種グリカンクラスターと置き換えられる、段落53〜55のいずれか1つに記載の操作されたグラム陰性宿主細胞。
59. waaL遺伝子がpglB遺伝子と置き換えられる、段落53〜56のいずれか1つに記載の操作されたグラム陰性宿主細胞。
60. 宿主細胞が、a)オリゴサッカリルトランスフェラーゼ、例えば、PglBまたはPglL;b)異種グリカンクラスター、例えば、rfbクラスターまたは莢膜多糖を合成するのに必要とされるグリコシルトランスフェラーゼをコードする遺伝子クラスター;およびオリゴサッカリルトランスフェラーゼによって認識されるグリコシル化部位を含有するタンパク質、例えば、WO 06/119987(請求項1)に開示された最適化されたコンセンサス配列を発現するように操作される、段落28または37〜46または51〜59のいずれか1つに記載の宿主細胞。
61. グリコシル化されたタンパク質を作製するための方法であって、
i)グリコシル化されたタンパク質の産生にとって好適な条件下で段落60に記載の宿主細胞を培養するステップ、および
ii)培養物からグリコシル化されたタンパク質を単離するステップを含む方法。
本発明をより良く理解するために、以下の実施例を記載する。これらの実施例は、例示に過ぎず、いかなる様式でも本発明の範囲を限定すると解釈されるべきではない。
(実施例)
S. pneumoniae血清型33F莢膜多糖コンジュゲート産生のための株構築の場合における2つの代替的なFRT対の使用
stGVXN8661株は、単一のFRTwtが、組換え事象の部位に隣接する、ゲノムDNA上の3つの位置に存在するような、FRTwtの使用を含むいくつかのゲノム改変を含有する大腸菌W3110の誘導株である。
さらなるゲノム操作を用いて、残りのゲノムをインタクトに維持しながら、stGVXN8661からさらなる遺伝子を欠失させた。株のさらなる改変を可能にするためには、選択マーカーを除去する必要があった。
第1のステップは、欠失のために使用するためのpDOCプラスミドの構築と見なされる。p3910およびp3911を、以下のように調製した。HR2およびclmRカセットをドナープラスミドpDOC-C中にクローニングするための2つのPCR産物およびオリゴヌクレオチド対を使用するアセンブリPCRから得られる挿入物を生成した。一方のPCR産物は、clmRカセットおよびFRTwt部位をコードするオリゴヌクレオチドを使用してpKD3(GenBank: AY048742.1)から生成されたものであり、他方は、オリゴヌクレオチドを用いたW3110のゲノムDNAのPCRから誘導された3’相同領域であった。集合したDNAを、BamHI/EcoRIを使用して切断し、pDOC-C中の同じ部位にクローニングして、p482を得た。次いで、5’相同領域のPCR産物を、W3110の染色体DNAおよびオリゴヌクレオチドを用いて生成し、BamHIおよびSpeIで切断し、p482のSpeI/BamHI部位にクローニングして、p562を得た。5’-リン酸化されたオリゴヌクレオチドのアニーリングによって得られた複数のクローニング部位のヌクレオチド配列を、NheIおよびBamHIを介して、p562中にクローニングして、p1043を得た。2個のFRT3部位にフランキングするカナマイシン耐性カセット(kanR)を合成し、Genewiz LCCによるpUC57(GenBank: Y14837.1)中にクローニングして、p3268を得た。FRT3-kanR-FRT3を含有するp3268に由来するNdeI/BstBI断片を、p1043中にクローニングし、FRTwt-clmR-FRTwtを置換して、p3602を得た。p1043およびp3602の5’相同領域を、SpeI/NheIを介して新しい5'の1276bpの相同領域をクローニングすることによって置き換えて、それぞれ、p3910およびp3911を得た。
p3910およびp3911は、それぞれ、その間に2個のFRTwt部位にフランキングしたMCSおよび反転したclmR耐性カセット、ならびに2個のFRT3部位にフランキングしたkanR耐性カセットを含む5'および3’相同領域をコードする。これらの得られたプラスミドは、選択されたゲノム配列の欠失およびFRTwt-clmR-FRTwtまたはFRT3-kanR-FRT3とのそれらの置き換えのためのドナープラスミドであった。
欠失のためには、ヘルパープラスミドが必要である。pTKRED(GenBank: GU327533.1)のバリアントp2824を使用した。
欠失および選択。2つの平行欠失手順を、stGVXN8661株上で実行した。2つの手順は、ドナープラスミドとしてのp3910またはp3911の使用について、ならびに選択のために適用される耐性:p3910を用いた場合はクロラムフェニコールおよびp3911を用いた場合はカナマイシンについて異なる。stGVXN8661株に、エレクトロポレーションによって、p2824およびドナープラスミドを同時トランスフェクトした。p2824の温度感受性複製表現型のため、得られた細胞を、p2824の選択のためにはスペクチノマイシンならびにそれぞれ、p3910およびp3911の選択のためにはクロラムフェニコールまたはカナマイシンを添加したLB中で常に30℃で増殖させた。プラスミドを、アクセプター細胞中に挿入して、同じ細胞内でのドナープラスミドDNAの存在下のヘルパープラスミド上にコードされる酵素の発現を可能にした。
次に、挿入手順を実施した。新鮮に形質転換された株を、180rpmで一晩、5ml規模で30℃にてアンピシリンおよびスペクチノマイシンの存在下、TSB培地中で増殖させた。50μlの密培養物を、スペクチノマイシンおよびクロラムフェニコールまたはカナマイシンを添加した1mlのTSBを含有する新しいチューブに移した。次いで、新しい培養物を、30℃で2時間、180rpmで増殖させ、細胞を4℃で15分間、4000rpmで遠心分離し、上清を、スペクチノマイシン、0.2%アラビノース(w/v)、および1mM IPTGを添加したTSB培地で置き換えた。この培地組成は、ヘルパープラスミド選択、ならびにリコンビナーゼおよびSceIエンドヌクレアーゼ発現を支援して、挿入を可能にする。細胞を再懸濁し、30℃で3時間、180rpmでさらにインキュベートした。50μlのこれらの培養物を用いて、0.2%アラビノース(w/v)および1mM IPTGを添加した1mlのTSBを接種し、30℃で一晩、180rpmで増殖させた。このステップにおける耐性の非存在は、ヘルパープラスミドの喪失を増強する。
0.5mlの培養物を、用いたドナープラスミド(DNA挿入物の選択のため)に応じて、clmまたはkan、および10%(w/v)スクロース(ドナープラスミドに対して対抗選択するため)を添加したTSBプレート上に塗布し、37℃で一晩インキュベートした(温度感受性ヘルパープラスミドの喪失について選択するため)。
細胞の芝生が、両方の手順について出現した。用いたドナープラスミドに応じて、clmまたはkanを添加したTSBプレート上で画線を作製し、37℃で一晩、再度インキュベートした。
正確な挿入表現型について得られたコロニーをスクリーニングするために、画線に由来する単一のコロニーを、p3910を用いた場合はspec、amp、もしくはclmを添加したLBプレート上に、またはp3911を用いた場合はspec、amp、もしくはkanを添加したLBプレート上に複製塗布した。clmまたはkanに耐性である(挿入物の存在について)が、ampおよびspecについて感受性である(ドナーおよびヘルパープラスミドの非存在について)コロニーを、挿入についてさらに分析した。
株が、W3110を起源とする置き換えられたDNAを喪失し、DNA挿入物を含有していたことを確認するために、コロニーPCRを実施した。正確な表現型を有する候補コロニーを拾い、コロニーPCR試験を行った。3つのPCRを実行した。i)1つのPCRは、組換えが正確に起こった場合にのみ、挿入されたDNAの5’側の領域を増幅する。用いられたオリゴヌクレオチドは、p3910を用いた組込みについては4897/3233およびp3911を用いた組込みについては4897/4363である。ii)1つのPCRは、組換えが正確に起こった場合にのみ、挿入されたDNAの3’側の領域を増幅する。用いられたオリゴヌクレオチドは、p3910を用いた組込みについては3315/3208およびp3911を用いた組込みについては4364/3208である。iii)1つのPCRは、置換されているゲノム領域を増幅するものであり、正確に改変された株がいかなる生成物も与えるべきではないが、非改変株は与えるべきであることを意味する。用いられたオリゴヌクレオチドは、3213/3208である。両方の組込みに由来する様々なクローンが、正しいPCRパターン(PCR iおよびii陽性、PCR iii陰性)を示した。得られた株を、p3910をドナープラスミドとして用いた場合、st8661 Δ::FRTwt-clmR-FRTwt (st10851)と命名し、p3911をドナープラスミドとして用いた場合、st8661 Δ::FRT3-kanR-FRT3 (st10852)と命名した。
以下のステップは、wbbILの「マーカーがない」欠失を得るための組み込まれた株からの抗生物質耐性の除去である。2つの得られた株を、FLPリコンビナーゼを発現する温度感受性pCP20プラスミドで形質転換し[1]、アンピシリンを添加したLBプレート上に塗布して、pCP20について選択した。プレートを、30℃で一晩インキュベートして、プラスミドの複製を可能にした。5mlのLB培養物に、プレートに由来する画線を接種し、42℃で一晩増殖させて、pCP20の喪失を確保した。一晩培養物に由来する連続希釈液を、LBプレート上に塗布した。単一のコロニーを、st8661 Δ::FRTwt-clmR-FRTwtから誘導される場合、アンピシリン、クロラムフェニコールを添加した、もしくは抗生物質を添加しないLBプレート上で、またはst8661 Δ::FRT3-kanR-FRT3から誘導される場合、アンピシリン、カナマイシンを添加した、もしくは抗生物質を添加しないLBプレート上で複製させた。両方の場合、抗生物質を含まないプレート上でのみ、100%のコロニーが増殖したが、これは、両方の状況において、耐性カセットがpCP20によりコードされるFLPリコンビナーゼによって除去されたことを示している。
FLPにより除去されたDNAがFRTにフランキングした挿入された耐性カセットに限定されたかどうかを理解するために、コロニーPCRを実行した。用いたオリゴヌクレオチド4897/2174は、耐性が除去され、境界領域が存在する場合、2781bpの生成物をもたらす。新しく挿入されたFRTと、上流のwca遺伝子座に存在するFRTwtとの間の領域が失われた場合、バンドは予想されない。耐性がΔ::FRT3-kanR-FRT3から除去された場合にのみ、正確なバンドが観察されたが、これは、wca遺伝子座のFRTwt部位と、新しく導入されたFRT3との間では、FRT交差反応が起こらないことを示している。逆に、FRTwtが導入された場合、wca遺伝子座に存在する他のFRTwt部位との交差反応は、2個の部位間の遺伝物質の喪失を引き起こす。st8661 Δ::FRT3-kanR-FRT3 (st10852)に由来するカナマイシン耐性カセットから得られる株は、st10853と命名される。
st10852およびst10853株によるSp33F糖コンジュゲートの産生が、st8661において観察されたものと同等であるかどうかをチェックするために、以下の実験を行った。st8661株、st10852株、およびst10853株を、エレクトロポレーションにより、全てIPTG誘導性プロモーター下に、担体タンパク質、大腸菌K30に由来するrcsA、鎖長調節因子、wzyをコードする、プラスミド3914、ならびに構成的に発現される遺伝子wchA、および33FクラスターのwciBからwzyまでの遺伝子をコードする、プラスミド3750で形質転換した。産生細胞を、10mM MgCl2、スペクチノマイシン、およびテトラマイシンを添加した5mlのTB-dev培地中に接種し、37℃で一晩、静止期まで増殖させた。次いで、10mM MgCl2、スペクチノマイシン、テトラマイシン、および0.01mM IPTGを含有する50mlのTBdev中、0.05のOD600まで細胞を希釈した。6時間後、0.09のIPTGを培養物に添加した後、37℃で一晩増殖させた。IPTGは、p3814中にコードされるエレメント(担体タンパク質およびwca遺伝子座中の33F莢膜多糖クラスターの発現を駆動するrcsAを含む)、およびゲノムに組み込まれたpglBの発現を駆動する。次いで、細胞を遠心分離により収獲し、ペリプラズム細胞抽出物を、リゾチーム法[2]を用いて調製した。ペリプラズム抽出物(OD600に正規化)を、SDS PAGEによって分離し、電気泳動転写後にイムノブロッティングによって分析した(図1)。抗His抗血清(左パネル)および抗33F抗血清(右パネル)を用いた検出は両方とも、全ての試料について70〜170kDaに明らかなラダー状パターンを示し、これは、担体タンパク質および33F多糖からなる糖タンパク質を強く示している。st10852およびst10853から得られた糖コンジュゲートの量および質は、st8661において観察されたものと同等である。これは、欠失領域の上流の遺伝子が依然として存在し、活性であることを示している。
st10853株を、バイオリアクター規模の33Fバイオコンジュゲート産生のために用いた。さらに、株のゲノムを、同様の手順によってさらに改変し、最終的な無耐性株を達成した。
近隣の耐性カセットの同時的切出しのための代替的なFRT部位の使用に関する体系的研究
代替的なFRT配列の存在についてのみ異なる、一連の大腸菌W3110誘導株を構築した。第1に、O16 rfbクラスターを、置換されるクラスターの同じ向きの、ゲンタマイシン耐性カセットgntR、次いで、反対の向きの、クロラムフェニコール耐性カセットclmRによって置き換え、2個のFRTwt部位の間に封入した。第2に、6回の平行相同組換えを実行して、コラン酸wcaクラスターを、置き換えられるクラスターの反対の向きにある、カナマイシン耐性カセットkanRで置き換え、2個のFRTwt、FRT3、FRt10、FRT13、FRT14、およびFRT15部位の間に封入して、それぞれ、10175、10176、10177、10178、10179、および10180株を得た。
6個の株は、カナマイシン、ゲンタマイシン、およびクロラムフェニコールを含有する培地中で増殖することができる。図2は、6個の株におけるwcaおよびrfb遺伝子座の遺伝子構成を記載する。
FRTwt部位と、代替的なFRT部位との交差反応の程度を評価するために、耐性カセット除去プロトコールを、6個の株に適用した。これらの株を、FLPリコンビナーゼを発現する温度感受性pCP20プラスミドで形質転換し[1]、アンピシリンを添加したLBプレート上に塗布して、pCP20について選択した。プレートを、30℃で一晩インキュベートして、プラスミドの複製を可能にした。5mlのLB培養物に、プレートに由来する画線を接種し、37℃で週末にかけて増殖させて、pCP20の喪失を確保した。密培養物に由来する連続希釈液を、LBプレート上に塗布した。組換えあたり60個の単一コロニーを、アンピシリン、カナマイシン、クロラムフェニコール、ゲンタマイシンを添加した、または抗生物質を添加していないLBプレート上で複製させ、37℃で一晩増殖させた。
クロラムフェニコールカセットにフランキングするFRT部位と、カナマイシン耐性カセットにフランキングするものとの交差反応の場合、カナマイシン、ゲンタマイシン、およびクロラムフェニコールに対する耐性の喪失が予想される。交差反応がない場合、ゲンタマイシン耐性は保持されるはずであるが、カナマイシンおよびクロラムフェニコール耐性は喪失するはずである。カナマイシン耐性の持続は、対応するカセットにフランキングするFRT部位の準最適な効率を用いて説明することができる。クロラムフェニコール耐性の持続は、両方ともアンピシリンおよびクロラムフェニコール耐性である、FRTwt対の順最適な効率、またはpCP20の保持によって説明することができる。最後のシナリオでは、アンピシリン耐性の同時的持続が予想される。
複製されたクローンの耐性パターンを観察し、それを表1にまとめた。一般に、アンピシリン耐性の状況を無視して、5つの異なる表現型パターンが観察された:パターンA:このクローンは、カナマイシン、ゲンタマイシン、およびクロラムフェニコールに耐性であり、両方のFRT対上でFLPリコンビナーゼ活性の完全な欠如を示す;パターンB:耐性は残っておらず、2つのFRT対の間で非特異的な交差反応を示す;パターンC:カナマイシンおよびゲンタマイシンに耐性であり、kanRにフランキングするFRT対上でのFLPリコンビナーゼ活性の欠損を示す;パターンD:クロラムフェニコールおよびゲンタマイシンに耐性であり、clmRにフランキングするFRTwt対上でのFLPリコンビナーゼ活性の欠損またはclmRおよびkanRにフランキングするFRT対間で交差反応しないが、プラスミドpCP20が持続する、kanRおよびclmRの正確な特異的除去を示す;パターンE:ゲンタマイシンにのみ耐性であり、clmRおよびkanRにフランキングするFRT対間で交差反応することなく、kanRおよびclmRの正確な特異的除去を示す。
パターンA(耐性は除去されない)は、kanRがFRT13部位にフランキングする10178株を用いた場合に、1個のクローンについてのみ観察された。パターンB(全ての耐性が除去された)は、ほとんどkanRがFRTwtにフランキングする10175株についてのみ観察されたが、この株からの耐性除去に関するクローンの93%を占めている。唯一の例外は、FRT13がkanRにフランキングする10178株から誘導される1個のクローンである。パターンE(ゲンタマイシン耐性のみ残っている)は、代替的なFRT部位がkanRにフランキングする全ての株の50%を超える事例において常に観察されたが、このパターンを示す10175株(FRTwtがclmRとkanRの両方にフランキングする)から誘導されるクローンは7%に過ぎない。パターンC(カナマイシンおよびゲンタマイシン耐性が残っている)は、FRT10、FRT13、およびFRT15がkanRにフランキングする数例において観察された。これは、これらの特異的FRT部位に対して作用する際のFLPリコンビナーゼのわずかに劣った効率を示し得る。パターンD(ゲンタマイシンおよびクロラムフェニコール耐性が残っている)は、FRT3、FRT10、FRT13およびFRT14がkanRにフランキングするいくつかの事例において観察された。st10176 (FRT3)から誘導される1個のクローンを除いて、パターンDを呈する全てのクローンがアンピシリン耐性でもあり、クロラムフェニコール耐性表現型がclmRの除去の欠陥というよりもむしろ、pCP20の持続性に起因する可能性が高いことを示唆している。
これらの結果は、近隣のFRTwt対の間のDNAの喪失の可能性が高い(93%の事例)が、その可能性は、2個のFRTwt対のうちの1個が、代替的なFRT部位の対によって置き換えられた場合に有意に低下することを示している。ゲンタマイシン耐性の切出しは、代替的なFRT部位のいずれかがkanRにフランキングする場合に300の事例のうち1の事例においてのみ観察されたが、FLPにより触媒される反応の特異性を強調している。代替的なFRT部位を使用した場合の正確な遺伝子パターン(ゲンタマイシンカセットのみが残存する)のパーセンテージを、表現型から推測することができる。表現型パターンEは、2個のカセットの正確な特異的除去が起こった遺伝的シナリオを用いた場合にのみ説明することができるが、表現型パターンDは、同じもの(アンピシリン耐性も存在する場合のみ)によって、またはclmRの切出しの欠如によって説明することができる。かくして、表現型パターンEに属するクローンは、gntRを喪失することなく、clmRとkanRの両方の正確な特異的除去が存在する最小限の可能な数のクローンであるが、パターンE+Dに属するクローンは、この遺伝子構成が存在する最大限の可能な数のクローンである。表1は、これらのことを考慮に入れた正しい遺伝子パターンを有するクローンのパーセンテージをまとめたものである。
FLPにより媒介される耐性除去後のクラスターの遺伝子構成を確認するために、それぞれの試験した株について異なる表現型パターンに属する選択されたクローンに対して、コロニーPCRを行った。オリゴヌクレオチド3206/3208の使用は、耐性が除去されていない場合は、7922bpの産物を、2個のFRT部位の間の全ゲノム領域が除去されている場合は3388bpの産物を、clmRのみが切り出される場合は6990bpの産物を、kanRのみが切り出される場合は6550bpの産物を、およびgntRのみが残っている望ましいパターンが達成される場合は5618bpの産物をもたらす。パターンDに属する試験した全てのクローンは、kanRのみの切出しではなく、clmRとkanRの両方の切出しに対応するバンドを示す。明らかな耐性パターン(A、B、C、またはE)を示すクローンの観察される産物の長さは、以下の例外で、唯一の可能な推測された遺伝子パターンに一致する。FRTwtがclmRとkanRの両方にフランキングする株から誘導されるパターンEを示す4個のクローンのうちの2個をアッセイしたが、PCR産物は観察されなかった。10179株 (FRT14)に由来するパターンEに属する4個のクローンを試験したところ、それらのうちの1個は、いかなるPCR産物も示さなかった。代替的なFRT部位を使用した場合にパターンAに属する唯一のコロニーは、FRT13を担持する株に由来し、耐性が除去されていない場合に、対照において観察される、予想される7922bpのバンドよりもむしろ、clmRのみの除去と適合する長さ(6990bp)の産物を示す。FRT13を有する株から誘導される1個のクローンは、表現型パターンCを示したが、PCRは、その代わりに、clmRとkanRの両方の除去に一致する長さのバンドを示す(図3)。
パターンBを示すFRTwtのみを担持する株から誘導される1個のクローン、パターンEを示すFRT3を担持する株から誘導される1個のクローン、パターンEを示すFRT10を担持する株から誘導される1個のクローン、パターンCを示すFRT10を担持する株から誘導される1個のクローン、パターンEを示すFRT13を担持する株から誘導される1個のクローン、パターンBを示すFRT13を担持する株から誘導される1個のクローン、パターンEを示すFRT14を担持する株から誘導される1個のクローン、およびパターンEを示すFRT15を担持する株から誘導される1個のクローンを保存し、それぞれ、10247、10248、10249、10250、10251、10252、10253、10254と命名した。これらの8個の株について、ゲノムを単離し、オリゴヌクレオチド3206/3208を用いるPCRを行った。PCR産物を精製し、配列決定した。得られた産物の長さ(図4)および得られた配列決定の結果により、予想されるゲノム構成がさらに確認される。代替的なFRT部位(FRT13、10525株)を用いた場合に2個のFRT対の間のゲノム材料の完全な除去が観察される唯一の株において、唯一の残されるFRT部位は、FRTwtである。
この実験は、代替的なFRT部位の使用が、封入されたDNAを喪失することなく、既に存在するFRTwt部位の近隣のゲノム領域からの耐性カセットの切出しのための妥当かつ効率的な手法であることを証明する。
さらなるS. pneumoniae血清型莢膜多糖コンジュゲート産生のための株の開発における代替的なFRT部位の使用
stGVXN9876株は、単一コピーのFRTwtが、組換え事象の部位に隣接する、ゲノムDNA上の3つの位置に存在するような、FRTwtの使用を含むいくつかのゲノム改変を含有する大腸菌W3110の誘導株である。
ゲノム操作の目的は、S. pneumoniaeのグリカンクラスターに由来するグリコシルトランスフェラーゼのコピーおよびC. jejuniに由来するgneエピメラーゼのコピーを付加することであった。
第1のステップは、置き換えのために使用するためのpDOCプラスミドの構築と見なされる。p3408を、以下のように調製した。5’相同領域のPCR産物(wcaクラスターの第1の遺伝子、wzaの上流1.2kbを含有する)を、オリゴヌクレオチドを使用することによって大腸菌W3110のゲノムから取得し、pDOC-CのEcoRI/XhoI部位にクローニングして、p693を得た。3’相同領域のPCR産物(wcaクラスターの最後の遺伝子、wcaMの下流1.2kbを含有する)を、オリゴヌクレオチドを使用することによって大腸菌W3110のゲノムから取得し、p693のBcuI/NheI部位にクローニングして、p699を得た。複数のクローニング部位を、p699のAscI/BamHI部位にクローニングして、p3259を得た。プラスミド3914を、遺伝子合成サービスとしてGenewiz LCCから取得した。2個のFRT13部位にフランキングする、カナマイシン耐性カセットkanRを含有する、オリゴヌクレオチド4110/4111を用いたp3914に由来するPCR産物を、p3259のHindIII部位にクローニングして、p3306を得た。プラスミド3256は、合成プロモーターJ23114の制御下のS. pneumoniaeのグリカンクラスター上でのPCRを起源とするS. pneumoniaeのグリコシルトランスフェラーゼをコードする遺伝子、次いで、転写ターミネーターrrnb T2をコードする。この発現カセットを増幅し、kanRに対して反対の方向に、p3375のPacI/XmaI部位にクローニングした。Campylobacter jejuniのゲノムから以前に増幅されたgneをコードするプラスミド207を、PCRのための鋳型として用いた。得られたアンプリコンは、gneの上流に、1個のオリゴヌクレオチドが付加された、合成プロモーターJ23100を含有し、それを、p3375のSbfI/XmaI部位にクローニングして、p3408を得た。
p3408は、wcaクラスター中への挿入のための5'および3’相同領域、およびそれらの間に、反対の向きに、以下のエレメント:J23114プロモーター、S. Pneumoniaeのグリコシルトランスフェラーゼ遺伝子、rrnb T2ターミネーター、J23100プロモーター、gneをコードする。
置き換えのために、9876株を、エレクトロポレーションにより、pTKRED(GenBank: GU327533.1)およびドナープラスミドp3408で同時形質転換した。pTKREDの温度感受性複製表現型のため、得られた細胞を、pTKREDの選択のためにはスペクチノマイシンおよびp3408の選択のためにはカナマイシンを添加したLB中で常に30℃で増殖させた。プラスミドを、アクセプター細胞中に挿入して、同じ細胞内でのドナープラスミドDNAの存在下のヘルパープラスミド上にコードされる酵素の発現を可能にした。
次に、挿入手順を実施した。新鮮に形質転換された株を、180rpmで一晩、5ml規模で30℃にてカナマイシンおよびスペクチノマイシンの存在下、TSB培地中で増殖させた。50μlの密培養物を、スペクチノマイシンおよびカナマイシンを添加した1mlのTSBを含有する新しいチューブに移した。次いで、新しい培養物を、30℃で2時間、180rpmで増殖させ、細胞を4℃で15分間、4000rpmで遠心分離し、上清を、スペクチノマイシン、0.2%アラビノース(w/v)、および1mM IPTGを添加したTSB培地で置き換えた。この培地組成は、ヘルパープラスミド選択、ならびにリコンビナーゼおよびSceIエンドヌクレアーゼ発現を支援して、挿入を可能にする。細胞を再懸濁し、30℃で3時間、180rpmでさらにインキュベートした。0.5mlの培養物を、kan(DNA挿入物の選択のため)、および10%(w/v)スクロース(ドナープラスミドに対して対抗選択するため)を添加したTSBプレート上に塗布し、37℃で一晩インキュベートした(温度感受性ヘルパープラスミドの喪失について選択するため)。細胞の芝生が出現した。kanを添加したTSBプレート上で画線を作製し、37℃で一晩、インキュベートした。
正確な挿入表現型について得られたコロニーをスクリーニングするために、画線に由来する単一のコロニーを、spec、amp、またはkanを添加したLBプレート上に複製塗布した。kanに耐性である(挿入物の存在について)が、ampおよびspecについて感受性である(ドナーおよびヘルパープラスミドの非存在について)コロニーを、挿入についてさらに分析した。
株が、W3110を起源とする置き換えられたDNAを喪失し、DNA挿入物を含有していたことを確認するために、コロニーPCRを実施した。正確な表現型を有する候補コロニーを拾い、コロニーPCR試験を行った。2つのPCRを実行した。i)1つのPCRは、オリゴヌクレオチド3206/4195を使用し、組換えが正確に起こった場合にのみ、挿入されたDNAの5’側の領域を増幅する。ii)1つのPCRは、オリゴヌクレオチド3081/3957を使用し、組換えが正確に起こった場合にのみ、挿入されたDNAの3’側の領域を増幅する。組込みに由来する様々なクローンが、正しいPCRパターン(PCR iおよびii陽性)を示した。得られた株を、st10084と命名した。
以下のステップは、組み込まれた株からの抗生物質耐性の除去である。10084株を、FLPリコンビナーゼを発現する温度感受性pCP20プラスミドで形質転換し[1]、アンピシリンを添加したLBプレート上に塗布して、pCP20について選択した。プレートを、30℃で一晩インキュベートして、プラスミドの複製を可能にした。5mlのLB培養物に、プレートに由来する画線を接種し、42℃で一晩増殖させて、pCP20の喪失を確保した。一晩培養物に由来する連続希釈液を、LBプレート上に塗布した。60個の単一コロニーを、アンピシリン、カナマイシンを添加した、または抗生物質を添加していないLBプレート上に複製した。全てのコロニーが抗生物質を含まないプレート上で増殖し、5個のコロニーがカナマイシンプレート上で増殖し(耐性カセットは切り出されなかった)、14個のコロニーがアンピシリンプレート上で増殖した(pCP20が保持された)。
カナマイシン耐性の喪失がカセットの切出しに起因すること、およびカナマイシン耐性カセット以外のゲノム材料が失われなかったことを確認するために、コロニーPCRを行った。オリゴヌクレオチド3081および3957を使用して、以下が予想される:i. カナマイシンカセットが除去され、FRT部位にフランキングするDNAが除去されていない場合、1513bpのバンド;ii. カナマイシンカセットが除去されていない場合、2879bpのバンド;iii. Rfb O16遺伝子座中に存在するFRT13部位とFRTwt部位との間のDNA領域がループアウトされた場合、PCR産物なし。
正しい耐性パターン(アンピシリンおよびカナマイシン耐性なし)を示す12個のコロニーを、コロニーPCRによって試験したところ、それらの全部が、カナマイシン耐性カセットが切り出され、FRT12とFRTwt部位の間のDNAがインタクトである場合に予想される1513bpのバンドを示した。対照として、耐性除去前の株は、予想された2879bpのバンドを示した。
2個の代替的なFRT部位対(wca遺伝子座の置き換えについてはFRT13、rfb遺伝子座の置き換えについてはFRTwt)の使用により、これらの2個の隣接する遺伝子座中のDNAを喪失することなく、二重マーカーがない組込みを得ることができた。得られた株を、10085と命名した。
単一のFRTwtコピーを既に含有する株においてさらなる組換え変化を導入するための代替的なFRT部位の使用
stLMTB11280株は、FRTwtのコピーが、組換え事象の部位に隣接する、ゲノムDNA上の複数の位置に存在するような、FRTwtの使用を含むいくつかのゲノム改変を含有する大腸菌W3110の誘導株である。2個の単一コピーのFRTwtならびにクロラムフェニコール耐性カセットにフランキングするFRTwt配列の対が存在していた。
さらなるゲノム操作を行って、ゲノム中に操作されたクラスターのコピーを付加した。
ドナーpDOCプラスミドpLMTB4184は、O16抗原クラスターのrfbDからwbbLへの遺伝子の置き換えのための5'および3’相同領域をコードする。それらの間に、同じ向きに、目的の7個の遺伝子をコードする転写単位、次いで、2個のFRT3部位にフランキングした、反対の向きのカナマイシン耐性カセットがあった。
置き換えのために、11280株を、エレクトロポレーションにより、pTKRED(GenBank: GU327533.1)およびドナープラスミドp4184で同時形質転換した。pTKREDの温度感受性複製表現型のため、得られた細胞を、pTKREDの選択のためには10mM MgCl2、スペクチノマイシンおよびp4184の選択のためにはカナマイシンを添加したTSB中で常に30℃で増殖させた。プラスミドを、アクセプター細胞中に挿入して、同じ細胞内でのドナープラスミドDNAの存在下のヘルパープラスミド上にコードされる酵素の発現を可能にした。
次に、挿入手順を実施した。新鮮に形質転換された株を、180rpmで一晩、5ml規模で30℃にてカナマイシンおよびスペクチノマイシンの存在下、TSB培地、10mM MgCl2中で増殖させた。50μlの密培養物を、スペクチノマイシンおよびカナマイシンを添加した1mlのTSBを含有する新しいチューブに移した。次いで、新しい培養物を、30℃で2時間、180rpmで増殖させ、細胞を4℃で15分間、4000rpmで遠心分離し、上清を、kan、10mM MgCl2、0.2%アラビノース(w/v)、および1mM IPTGを添加したTSB培地で置き換えた。この培地組成は、ヘルパープラスミド選択、ならびにリコンビナーゼおよびSceIエンドヌクレアーゼ発現を支援して、挿入を可能にする。細胞を再懸濁し、30℃で4時間、180rpmでさらにインキュベートした。細胞を4℃で15分間、4000rpmで遠心分離し、1mLのTSB、MgCl2、0.2% ara、1mM IPTG中に新しく再懸濁し、30℃で1時間、さらにインキュベートした。次いで、密培養物を、kan(DNA挿入物の選択のため)、および10%(w/v)スクロース(ドナープラスミドに対して対抗選択するため)を添加したTSBプレート上に塗布し、37℃で一晩インキュベートした(温度感受性ヘルパープラスミドの喪失について選択するため)。細胞の芝生が出現した。kanおよび10%(w/v)スクロースを添加したTSBプレート上で画線を作製し、37℃で一晩、インキュベートした。
正確な挿入表現型について得られたコロニーをスクリーニングするために、画線に由来する単一のコロニーを、spec、amp、またはkanを添加したLBプレート上に複製塗布した。kanに耐性である(挿入物の存在について)が、ampおよびspecについて感受性である(ドナーおよびヘルパープラスミドの非存在について)コロニーを、挿入についてさらに分析した。
株が、W3110を起源とする置き換えられたDNAを喪失し、DNA挿入物を含有していたことを確認するために、コロニーPCRを実施した。正確な表現型を有する候補コロニーを拾い、コロニーPCR試験を行った。3つのPCRを実行した。i)1つのPCRは、オリゴヌクレオチド2449/5210を使用し、組換えが正確に起こった場合にのみ、挿入されたDNAの5’側の領域を増幅する。ii)1つのPCRは、オリゴヌクレオチド546/1237を使用し、組換えが正確に起こった場合にのみ、挿入されたDNAの3’側の領域を増幅する。iii)1つのPCRは、オリゴヌクレオチド3454/3455を使用し、組換えの失敗を意味する、標的遺伝子座が改変されていない場合にのみ、産物を与える。組込みに由来する様々なクローンが、正しいPCRパターン(PCR iおよびii陽性、PCR iii陰性)を示した。得られた株を、stLMTB11339と命名した。
以下のステップは、組み込まれた株からのクロラムフェニコール(ECAクラスター)およびカナマイシンに対する抗生物質耐性の除去である。11339株を、FLPリコンビナーゼを発現する温度感受性pCP20プラスミドで形質転換し[1]、アンピシリンを添加したLBプレート上に塗布して、pCP20について選択した。プレートを、30℃で一晩インキュベートして、プラスミドの複製を可能にした。5mlのLB培養物に、プレートに由来する画線を接種し、42℃で一晩増殖させて、pCP20の喪失を確保した。一晩培養物に由来する連続希釈液を、LBプレート上に塗布した。60個の単一コロニーを、アンピシリン、カナマイシン、クロラムフェニコールを添加した、または抗生物質を添加していないLBプレート上に複製した。9個のコロニーが抗生物質を含まないプレート上で増殖せず、5個のコロニーがカナマイシンプレート上で増殖し(耐性カセットは切り出されなかった)、19個のコロニーがアンピシリンプレート上で増殖した(pCP20が保持された)。合計41個のコロニーが、正確な耐性パターンを示した(抗生物質を含まないLBプレート上でのみ増殖した)。
耐性の喪失がカセットの切出しに起因すること、および耐性カセット以外のゲノム材料が失われなかったことを確認するために、2つのコロニーPCRを行った。1)カナマイシンカセットの除去。オリゴヌクレオチド3376および1265を使用して、以下が予想される:i. カナマイシンカセットが除去され、FRT部位にフランキングするDNAが除去されていない場合、900bpのバンド;ii. カナマイシンカセットが除去されていない場合、1945bpのバンド;iii. wca遺伝子座中に存在するFRT3部位とFRTwt部位との間のDNA領域がループアウトされた場合、PCR産物なし。2)クロラムフェニコールカセットの除去。オリゴヌクレオチド3376および3495を使用して、以下が予想される:i. クロラムフェニコールカセットが除去され、FRT部位にフランキングするDNAが除去されていない場合、2023bpのバンド;ii. クロラムフェニコールカセットが除去されていない場合、2991bpのバンド。
正しい耐性パターン(アンピシリン、クロラムフェニコールおよびカナマイシン耐性なし)を示す8個のコロニーを、コロニーPCRによって試験したところ、それらの全部が、カナマイシン耐性カセットが切り出され、FRT13とFRTwt部位の間のDNAがインタクトである場合に予想される900bpのバンドを示した。8個のコロニーのうちの4個だけが、クロラムフェニコールカセット除去から予想される2023bpのバンドを示したが、他の4個はPCRにおいてシグナルを与えなかった。対照として、耐性除去前の株は、クロラムフェニコールおよびカナマイシンカセットについて、それぞれ、予想された2991bpおよび1945bpのバンドを示した。
2個の代替的なFRT部位対(wca遺伝子座の置き換えについてはFRT13、rfb遺伝子座の置き換えについてはFRTwt)の使用により、これらの2個の隣接する遺伝子座中のDNAを喪失することなく、二重マーカーがない組込みを得ることができた。さらに、2つの異なる選択マーカーを使用することにより、wec ECAクラスターからのクロラムフェニコール耐性カセットの、rfb O16クラスターからのカナマイシン耐性カセットの同時的切出しが可能となった。得られた株を、11340と命名した。
代替的なFRT部位の使用による望ましくない遺伝子エレメントを含まない株の調製
stLMTB10502株は、以下の遺伝子:i. 1個のFRTwt部位で置き換えられたwaaL;ii. 1個のFRT3部位で置き換えられた、rfbDからwbbLまでのrfb O16クラスターが欠失している、大腸菌W3110の誘導株である。
ゲノム操作の目的は、望ましくない糖クラスターを含まない株を、さらなる相同組換えのための出発点として使用することができるように、上記のクラスターとrfbD遺伝子(rfb O16クラスターの第2の遺伝子)との間の短いゲノム領域(2525bp)をインタクトに維持しながら、wcaコラン酸クラスターを欠失させることであった。コラン酸と、O16抗原クラスターの間のゲノム領域の維持は、i. それが挿入されたエレメントの発現のために利用されるO16抗原クラスターのプロモーターを含有するため、およびii. 相同領域が維持されるため、O16抗原クラスター置き換えのためにドナーpDOCを使用することによって株をさらに改変することができるため、基本的である。
ドナーpDOCプラスミドpLMTB3385は、コラン酸クラスターのwzaからwcaMへの遺伝子の置き換えのための5'および3’相同領域をコードする。それらの間で、反対の向きに、カナマイシン耐性カセットが、2個のFRT15部位にフランキングしていた。
置き換えのために、11502株を、エレクトロポレーションにより、pTKRED(GenBank: GU327533.1)およびドナープラスミドp3385で同時形質転換した。pTKREDの温度感受性複製表現型のため、得られた細胞を、pTKREDの選択のためにはスペクチノマイシンおよびp3385の選択のためにはカナマイシンを添加したTSB中で常に30℃で増殖させた。プラスミドを、アクセプター細胞中に挿入して、同じ細胞内でのドナープラスミドDNAの存在下のヘルパープラスミド上にコードされる酵素の発現を可能にした。
次に、挿入手順を実施した。新鮮に形質転換された株を、180rpmで一晩、5ml規模で30℃にてカナマイシンおよびスペクチノマイシンの存在下、TSB培地中で増殖させた。50μlの密培養物を、スペクチノマイシンおよびカナマイシンを添加した1mlのTSBを含有する新しいチューブに移した。次いで、新しい培養物を、30℃で2時間、180rpmで増殖させ、細胞を4℃で15分間、4000rpmで遠心分離し、上清を、kan、10mM MgCl2、0.2%アラビノース(w/v)、および1mM IPTGを添加したTSB培地で置き換えた。この培地組成は、ヘルパープラスミド選択、ならびにリコンビナーゼおよびSceIエンドヌクレアーゼ発現を支援して、挿入を可能にする。細胞を再懸濁し、30℃で4時間、180rpmでさらにインキュベートした。細胞を4℃で15分間、4000rpmで遠心分離し、1mLのTSB、MgCl2、0.2% ara、1mM IPTG中に新しく再懸濁し、30℃で1時間、さらにインキュベートした。次いで、密培養物を、kan(DNA挿入物の選択のため)、および10%(w/v)スクロース(ドナープラスミドに対して対抗選択するため)を添加したTSBプレート上に塗布し、37℃で一晩インキュベートした(温度感受性ヘルパープラスミドの喪失について選択するため)。細胞の芝生が出現した。kanおよび10%(w/v)スクロースを添加したTSBプレート上で画線を作製し、37℃で一晩、インキュベートした。
正確な挿入表現型について得られたコロニーをスクリーニングするために、画線に由来する単一のコロニーを、spec、amp、またはkanを添加したLBプレート上に複製塗布した。kanに耐性である(挿入物の存在について)が、ampおよびspecについて感受性である(ドナーおよびヘルパープラスミドの非存在について)コロニーを、挿入についてさらに分析した。60個の試験したクローンのうちの11個が、正確なパターンを有していたが、残りのクローンはアンピシリン耐性の持続を示した。
株が、W3110を起源とする置き換えられたDNAを喪失し、DNA挿入物を含有していたことを確認するために、コロニーPCRを実施した。正確な表現型を有する候補コロニーを拾い、コロニーPCR試験を行った。3つのPCRを実行した。i)1つのPCRは、オリゴヌクレオチド3206/4363を使用し、組換えが正確に起こった場合にのみ、挿入されたDNAの5’側の領域を増幅する。ii)1つのPCRは、オリゴヌクレオチド4364/3975を使用し、組換えが正確に起こった場合にのみ、挿入されたDNAの3’側の領域を増幅する。iii)1つのPCRは、オリゴヌクレオチド3872/3957を使用し、組換えの失敗を意味する、標的遺伝子座が改変されていない場合にのみ、産物を与える。組込みに由来する全てのクローンが、正しいPCRパターン(PCR iおよびii陽性、PCR iii陰性)を示した。得られた株を、stLMTB10605と命名した。
以下のステップは、組み込まれた株からのカナマイシン耐性カセットの除去である。10605株を、FLPリコンビナーゼを発現する温度感受性pCP20プラスミドで形質転換し[1]、アンピシリンを添加したLBプレート上に塗布して、pCP20について選択した。プレートを、30℃で一晩インキュベートして、プラスミドの複製を可能にした。5mlのLB培養物に、プレートに由来する画線を接種し、42℃で一晩増殖させて、pCP20の喪失を確保した。一晩培養物に由来する連続希釈液を、LBプレート上に塗布した。10個の単一コロニーを、アンピシリン、カナマイシンを添加した、または抗生物質を添加していないLBプレート上に複製した。2個のコロニーが、正確な耐性パターンを示し(抗生物質を含まないLBプレート上でのみ増殖した)、それらをコロニーPCRにおいて試験した。
耐性の喪失がカセットの切出しに起因すること、および耐性カセット以外のゲノム材料が失われなかったことを確認するために、カナマイシン耐性にフランキングするFRT15部位の外側にアニーリングする、オリゴヌクレオチド3206および3957を使用して、1つのコロニーPCRを行った。カナマイシンカセットが除去され、FRT部位にフランキングするDNAが除去されていない場合、423bpのバンドが予想される; カナマイシンカセットが除去されていない場合、2862bpのバンドが予想される; rfb遺伝子座中に存在するFRT15部位とFRT3部位との間のDNA領域がループアウトされた場合、PCR産物がないことが予想される。試験したコロニーは両方とも、正確なカセット除去から予想されるパターンを示した。
2個の代替的なFRT部位対(wca遺伝子座の置き換えについてはFRT15、rfb遺伝子座の置き換えについてはFRT3)の使用により、これらの2個の隣接する遺伝子座中のDNAを喪失することなく、二重マーカーがない欠失を得ることができた。これは、FRT3部位とFRT15部位との交差反応の欠如の初めての証拠である。得られた株を、10651と命名した。
ECA wcaクラスターの全部または一部(wzzEからwecGまで)を、それぞれ、10739株および10740株を起源とする10651株から後に除去したが、これを糖特異的バイオコンジュゲート産生誘導株の開発のための一般的な出発株として使用することができる。
相同遺伝子クラスターの組込みを可能にするための株開発における代替的なFRT部位の使用
stLMTB10739株を、2つの高度に相同な遺伝子クラスターの組込みのための出発株として用いた。
最初の遺伝子操作において、wcaコラン酸クラスターを、異種グリカンクラスターで置き換えた。ドナーpDOCプラスミドpLMTB2941は、wcaクラスターの置き換えのための5'および3’相同領域をコードする。それらの間に、同じ向きに、異種遺伝子クラスター、次いで、2個のFRTwt部位にフランキングした、反対の向きのクロラムフェニコール耐性カセットがあった。
置き換えのために、10739株を、エレクトロポレーションにより、pTKRED(GenBank: GU327533.1)およびドナープラスミドp2941で同時形質転換した。pTKREDの温度感受性複製表現型のため、得られた細胞を、pTKREDの選択のためにはスペクチノマイシンおよびp2941の選択のためにはアンピシリンを添加したTBdev中で常に30℃で増殖させた。プラスミドを、アクセプター細胞中に挿入して、同じ細胞内でのドナープラスミドDNAの存在下のヘルパープラスミド上にコードされる酵素の発現を可能にした。
次に、挿入手順を実施した。新鮮に形質転換された株を、180rpmで一晩、5ml規模で30℃にてクロラムフェニコールおよびスペクチノマイシンの存在下、TBdev培地中で増殖させた。50μlの密培養物を、スペクチノマイシンおよびクロラムフェニコールを添加した2mlのTBdevを含有する新しいチューブに移した。次いで、新しい培養物を、30℃で3時間、180rpmで増殖させ、細胞を4℃で5分間、4000rpmで遠心分離し、上清を、スペクチノマイシン、0.2%アラビノース(w/v)、および1mM IPTGを添加した2mLのTBdev培地で置き換えた。この培地組成は、ヘルパープラスミド選択、ならびにリコンビナーゼおよびSceIエンドヌクレアーゼ発現を支援して、挿入を可能にする。細胞を再懸濁し、30℃で4時間、180rpmでさらにインキュベートした。細胞を4℃で5分間、4000rpmで遠心分離し、2mLのTBdev中に新しく再懸濁し、37℃で1時間、さらにインキュベートした。次いで、密培養物を、clm(DNA挿入物の選択のため)、および10%(w/v)スクロース(ドナープラスミドに対して対抗選択するため)を添加したTBdevプレート上に塗布し、37℃で一晩インキュベートした(温度感受性ヘルパープラスミドの喪失について選択するため)。細胞の芝生が出現した。kanおよび10%(w/v)スクロースを添加したTSBプレート上で画線を作製し、37℃で一晩、インキュベートした。
正確な挿入表現型について得られたコロニーをスクリーニングするために、画線に由来する120個の単一コロニーを、spec、amp、またはclmを添加したLBプレート上に複製塗布した。clmに耐性である(挿入物の存在について)が、ampおよびspecについて感受性である(ドナーおよびヘルパープラスミドの非存在について)コロニーを、挿入についてさらに分析した。120個のコロニーのうちの119個が、clmに対して耐性であり、ampおよびspecに対して感受性であった。
株が、W3110を起源とする置き換えられたDNAを喪失し、DNA挿入物を含有していたことを確認するために、コロニーPCRを実施した。正確な表現型を有する候補コロニーを拾い、コロニーPCR試験を行った。3つのPCRを実行した。i)1つのPCRは、オリゴヌクレオチド1822/3050を使用し、組換えが正確に起こった場合にのみ、挿入されたDNAの5’側の領域を増幅する。ii)1つのPCRは、オリゴヌクレオチド1366/746を使用し、組換えが正確に起こった場合にのみ、挿入されたDNAの3’側の領域を増幅する。iii)1つのPCRは、挿入されたゲノムの一部を増幅するオリゴヌクレオチド3967/3969を使用する。組込みに由来する21個の試験したクローンのうちの21個が、正しいPCRパターン(PCR i、iiおよびiiiが陽性である)を示した。
10個のクローンを、機能について試験した。試験したクローンは全て、異種遺伝子を発現する能力を獲得した。1個の優良なクローンを選択し、stLMTB10867と命名した。
さらなるステップとして、第1の異種遺伝子クラスターとの高い相同性を有する第2の遺伝子クラスターを、構成的に発現されるO16抗原rfb遺伝子座に挿入した。wcaが組み込まれたクラスターと、第2のグリカン遺伝子クラスターとの間に長い相同ストレッチが存在する場合、この第2の相同組換え手順の間にクロラムフェニコール耐性圧を保持することが必須である。このように、相同ストレッチを5’組換え領域として使用した場合、クロラムフェニコール耐性カセットが切り出されるため、望ましい組換え事象について選択することができた。この場合、ドナープラスミドは、rfbクラスターの置き換えのための5'および3’相同領域をコードする、pDOC p3952である。それらの間に、同じ向きに、第2の遺伝子クラスター、次いで、2個のFRT3部位にフランキングした、反対の向きのカナマイシン耐性カセットがあった。
置き換えのために、10867株を、エレクトロポレーションにより、pTKRED(GenBank: GU327533.1)およびドナープラスミドp3952で同時形質転換した。pTKREDの温度感受性複製表現型のため、得られた細胞を、pTKREDの選択のためにはスペクチノマイシンおよびp3952の選択のためにはカナマイシンを添加したLB中で常に30℃で増殖させた。プラスミドを、アクセプター細胞中に挿入して、同じ細胞内でのドナープラスミドDNAの存在下のヘルパープラスミド上にコードされる酵素の発現を可能にした。
次に、挿入手順を実施した。新鮮に形質転換された株を、180rpmで一晩、5ml規模で28℃にてカナマイシンおよびスペクチノマイシンの存在下、TBdev培地中で増殖させた。50μlの密培養物を、スペクチノマイシンおよびクロラムフェニコールを添加した2 mlのTBdevを含有する新しいチューブに移した。次いで、新しい培養物を、30℃で3時間、180rpmで増殖させ、細胞を4℃で5分間、4000rpmで遠心分離し、上清を、スペクチノマイシン、0.2%アラビノース(w/v)、および1mM IPTGを添加した2mLのTBdev培地で置き換えた。この培地組成は、ヘルパープラスミド選択、ならびにリコンビナーゼおよびSceIエンドヌクレアーゼ発現を支援して、挿入を可能にする。細胞を再懸濁し、30℃で4時間、180rpmでさらにインキュベートした。50μLの培養物を用いて、0.2%アラビノース(w/v)および1mM IPTGを含む2mLのTBdevを接種し、30℃で一晩増殖させた。次の日、培養物を37℃に1時間置いた後、kan(DNA挿入物の選択のため)、clm(望ましい組換え事象の選択のため)、および10%(w/v)スクロース(ドナープラスミドに対して対抗選択するため)を添加したTBdevプレート上に塗布し、37℃で一晩インキュベートした(温度感受性ヘルパープラスミドの喪失について選択するため)。細胞の芝生が出現した。clm、kanおよび10%(w/v)スクロースを添加したTBdevプレート上で画線を作製し、37℃で一晩、インキュベートした。
正確な挿入表現型について得られたコロニーをスクリーニングするために、画線に由来する60個の単一コロニーを、spec、amp、またはclm+kanを添加したLBプレート上に複製塗布した。clmおよびkanに耐性である(挿入物の存在について、および正確な組換えパターンを有する)が、ampおよびspecについて感受性である(ドナーおよびヘルパープラスミドの非存在について)コロニーを、挿入についてさらに分析した。60個のコロニーのうちの55個が、望ましい耐性パターンを示した。
正確な表現型を有する候補コロニーを拾い、コロニーPCR試験を行った。2つのPCRを実行した。i)1つのPCRは、オリゴヌクレオチド3204/3940を使用し、組換えが正確に起こった場合にのみ、挿入されたDNAの5’側の領域を増幅し、wcaとrfb遺伝子座の間の遺伝物質は失われなかった。ii)1つのPCRは、オリゴヌクレオチド548/1237を使用し、組換えが正確に起こった場合にのみ、挿入されたDNAの3’側の領域を増幅する。iii)1つのPCRは、挿入されたゲノムの一部を増幅するオリゴヌクレオチド3967/3969を使用する。30個のコロニーを、PCR iのために最初にスクリーニングした。3個の陽性コロニーが見出された。PCR iiおよびiiiを、これらのコロニーに対してのみ実行したところ、それらの全てについて陽性の結果が得られた。
3個のクローンを、機能(酵素発現)について試験した。試験したクローンは全て、特に、rfbクラスターから、予想された酵素を発現する能力を獲得した(説明については以下を参照されたい)。1個の優良なクローンを選択し、stLMTB10883と命名した。
以下のステップは、組み込まれた株からのクロラムフェニコール(コラン酸wcaクラスター)およびカナマイシン(O16クラスター中の上記組込み)に対する抗生物質耐性の除去である。10883株を、FLPリコンビナーゼを発現する温度感受性pCP20プラスミドで形質転換し[1]、アンピシリンを添加したLBプレート上に塗布して、pCP20について選択した。プレートを、30℃で一晩インキュベートして、プラスミドの複製を可能にした。5mlのLB培養物に、プレートに由来する画線を接種し、42℃で一晩増殖させて、pCP20の喪失を確保した。一晩培養物に由来する連続希釈液を、LBプレート上に塗布した。20個の単一コロニーを、アンピシリン、カナマイシン、クロラムフェニコールを添加した、または抗生物質を添加していないLBプレート上に複製した。全てのコロニーが、正確な耐性パターンを示した(抗生物質を含まないLBプレート上でのみ増殖した)。
耐性の喪失がカセットの切出しに起因すること、および耐性カセット以外のゲノム材料が失われなかったことを確認するために、2つのコロニーPCRを行った。i. FRT3部位の外側に結合するオリゴヌクレオチド3966および1237を用いたカナマイシンカセットの除去;ii. FRTwt部位の外側に結合するオリゴヌクレオチド3929および1231を用いたクロラムフェニコールカセットの除去。3個のスクリーニングされたコロニーが、カナマイシンカセットの正確な除去から予想されるパターンを有していた。これらのうちの2個を、クロラムフェニコールPCRのために試験し、これについても予想されたパターンが得られた。このカナマイシン/クロラムフェニコール除去から得られる2個の確認されたクローンのうちの1個を、stLMTB10900と命名した。
2個の代替的なFRT部位対(rfb遺伝子座の置き換えについてはFRT13、wca遺伝子座の置き換えについてはFRTwt)の使用により、これらの2個の隣接する遺伝子座中のDNAを喪失することなく、二重マーカーがない組込みを得ることができた。この特定の事例では、クラスターの第2のコピーおよびカナマイシン耐性カセットの挿入の間のクロラムフェニコールカセットの持続が、正確な組換え事象の選択にとって厳密に必要であったため、同時的除去が必須であった。
コンピテント細胞を取得し、それらを異なるセットのプラスミドで形質転換することによって、27_0048株10739、10867、10883、および10900を試験し、機能について比較した。適切な抗生物質を添加した5mLのTBdev 10mM MgCl2に、10μLの回復懸濁液を接種し、37℃で一晩増殖させた。50mLのTBdev 10mM MgCl2および抗生物質の主培養液をOD600 0.1まで接種し、37℃で振とうした。必要に応じて、1mM IPTGおよび0.1%アラビノースを用いて、OD600 0.8で誘導を実行した。培養物を、37℃で一晩増殖させた。2ODに対応する容量を収獲し、100μLのLammliバッファー中に再懸濁し、95℃で10分間加熱した。プロテイナーゼKを添加し、55℃で1時間インキュベートした後、不活化のために70℃で10分間インキュベートした。試料を十分にボルテックスし、スピンダウンした。0.4ODに対応する容量を、SDS-pageゲル上に載せた。泳動後、膜上への転写、およびウェスタンブロットの後、発現された酵素の機能を測定した。wcaによりコードされるクラスターは、それ自身の発現についてrcsAの発現に依拠するが、rfbによりコードされるクラスターは活性であるが、生合成にはwchAが必要である。両方のクラスターが活性であるかどうかを理解するために、使用するプラスミドの組合せを選択した。組み込まれたクラスターの両方が機能的である:10883および10900株におけるwchAの存在は、抗血清反応種の産生をもたらすが、rcsAの付加は、wcaが組み込まれたクラスターを活性化し、抗血清反応種をもたらすことを観察することができる。
挿入DNAの欠失を実行するための有用な配列
以下、更に本発明の実施形態を示す。
(1)宿主細胞中のゲノムポリヌクレオチドから挿入核酸の少なくとも2つの部分を除去する方法であって、
a)互いに同一であり、第1の核酸配列を有する、同じ向きにある第1の組換え部位の対にフランキングする第1の挿入核酸を含むゲノムポリヌクレオチドを調製するステップ;
b)同一の組換え部位が組み換わって、第1の挿入核酸および第1の組換え部位の1つの切出しをもたらすように、ステップa)のゲノムポリヌクレオチドを、第1の組換え部位を認識するリコンビナーゼに曝露するステップ;
c)ステップb)のゲノムポリヌクレオチド中に、第2の組換え部位が互いに同一であり、第1の核酸配列との98%以下の配列同一性を有する第2の核酸配列を有する、同じ向きにある第2の組換え部位の対にフランキングする第2の挿入核酸を挿入するステップ;ならびに
d)同一の組換え部位が組み換わって、同一の組換え部位にフランキングしていないゲノムポリヌクレオチド配列を除去することなく、第2の挿入核酸および第2の組換え部位の1つの切出しをもたらすように、ステップc)のゲノムポリヌクレオチドを、第2の組換え部位を認識するリコンビナーゼに曝露するステップ
を含む方法。
(2)宿主細胞中のゲノムポリヌクレオチドから挿入核酸の少なくとも2つの部分を除去する方法であって、
a)i)第1の挿入核酸が、互いに同一であり、第1の核酸配列を有する、同じ向きにある第1の組換え部位にフランキングする、ii)第2の挿入核酸が、互いに同一であり、第1の核酸配列との98%以下の配列同一性を有する第2の核酸配列を有する、同じ向きにある第2の組換え部位にフランキングする、およびiii)任意のさらなる組換え部位が、第1または第2の核酸配列との98%以下の配列同一性を有する核酸配列を有する、少なくとも第1および第2の挿入核酸を含むゲノムポリヌクレオチドを調製するステップ;ならびに
b)同一の組換え部位が組み換わって、同一の組換え部位にフランキングしていないゲノムポリヌクレオチドを除去することなく、同一の組換え部位にフランキングする挿入核酸の切出しをもたらすように、ゲノムポリヌクレオチドを、第1および第2の組換え部位を認識するリコンビナーゼに曝露するステップ
を含む方法。
(3)ゲノムポリヌクレオチドが原核生物のゲノムポリヌクレオチドまたはプラスミドである、(1)または(2)に記載の方法。
(4)ゲノムポリヌクレオチドが真核生物の染色体である、(1)または(2)または(3)に記載の方法。
(5)第1および第2の挿入核酸が選択マーカーである、(1)〜(4)のいずれか一に記載の方法。
(6)第1の単一の組換え部位が、第1の組換え操作される領域に隣接し、第2の単一の組換え部位が、第2の組換え操作される領域に隣接し、第1および第2の組換え部位が、互いに、必要に応じて、宿主細胞ゲノムポリヌクレオチド中に存在する任意のさらなる組換え部位の核酸配列との90〜98%の同一性を有するヌクレオチド配列を有する、第1の組換え操作された領域および第2の組換え操作された領域を含む宿主細胞ゲノムポリヌクレオチド。
(7)第1の組換え部位の傷が、第1の組換え操作される領域に隣接し、第2の組換え部位の傷が、第2の組換え操作される領域に隣接し、第1および第2の組換え部位の傷が、互いに98%未満同一であり、必要に応じて、宿主細胞ゲノムポリヌクレオチド中に存在する任意のさらなる組換え部位の傷のポリヌクレオチド配列と98%未満同一である異なるポリヌクレオチド配列を有する、第1の組換え操作された領域および第2の組換え操作された領域を含有する宿主細胞ゲノムポリヌクレオチドを含む宿主細胞。
(8)第1および第2の組換え部位が、リコンビナーゼ、例えば、FLPリコンビナーゼのための組換え部位である、(7)に記載の宿主細胞。
(9)第1の組換え部位が配列番号1〜10のいずれか1つの核酸配列を有する、(8)に記載の宿主細胞。
(10)第1および第2の組換え部位が、100、75、50、25、10または5kベース未満隔てられている、(7)〜(9)のいずれか一に記載の宿主細胞。
(11)それぞれの組換え部位の傷が、異なるポリヌクレオチド配列を有する、少なくとも2つの組換え操作される領域に隣接する少なくとも2つの組換え部位の傷を含む原核生物のゲノムポリヌクレオチドまたは真核生物の染色体。
(12)宿主細胞を操作するための方法であって、
a)組換え部位の第1の対にフランキングする第1の選択マーカーを含む第1のポリヌクレオチドカセットを組み込むステップ;
b)組換え部位の第1の対を認識するリコンビナーゼの作用によって第1の選択マーカーを除去するステップ;
c)組換え部位の第2の対にフランキングする第2の選択マーカーを含む第2のポリヌクレオチドカセットを組み込むステップ;および
d)組換え部位の第2の対を認識するリコンビナーゼの作用によって第2の選択マーカーを除去するステップ
を含み、
組換え部位の第1の対が、同一の核酸配列を有し、組換え部位の第2の対が、同一の核酸配列を有し、組換え部位の第1および第2の対が、90〜98%の核酸配列同一性を有する、方法。
(13)ステップb)およびd)のリコンビナーゼがFLPリコンビナーゼである、(12)に記載の方法。
(14)FLPリコンビナーゼが、配列番号11と少なくとも80%同一であるアミノ酸配列を有する、(13)に記載の方法。
(15)(12)〜(14)のいずれか一に記載の方法によって得られる操作された宿主細胞。
(16)それぞれの組換え部位が他の組換え部位と98%未満同一であるヌクレオチド配列を有する、宿主細胞ゲノムポリヌクレオチド中に少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9または10個の組換え部位の単一のコピーを含む操作された宿主細胞。
(17)少なくとも2個の組換え部位がFRT部位である、(16)に記載の操作された宿主細胞。
(18)少なくとも2個の組換え部位が、宿主細胞ゲノムポリヌクレオチド中で100kb、75kb、50kb、25kb、10kb、5kb、3kbまたは1kb未満隔てられている、(16)または(17)に記載の操作された宿主細胞。
(19)rfbクラスターのインタクトなプロモーターを維持しながら、天然のrfbクラスターの少なくとも一部およびwcaコラン酸クラスターの少なくとも一部が欠失している、操作されたグラム陰性宿主細胞。
(20)waaL遺伝子も欠失している、(19)に記載の操作されたグラム陰性宿主細胞。
(21)グラム陰性宿主細胞が大腸菌である、(19)または(20)に記載の操作されたグラム陰性宿主細胞。
(22)天然のrfbクラスターの少なくとも一部が異種グリカンクラスターと置き換えられる、(19)〜(21)のいずれか一に記載の操作されたグラム陰性宿主細胞。
(23)waaL遺伝子がpglB遺伝子またはpglL遺伝子と置き換えられる、(19)〜(22)のいずれか一に記載の操作されたグラム陰性宿主細胞。
(24)宿主細胞が、a)オリゴサッカリルトランスフェラーゼ、例えば、PglBまたはPglL;b)異種グリカンクラスター、例えば、rfbクラスターまたは莢膜多糖を合成するのに必要とされるグリコシルトランスフェラーゼをコードする遺伝子クラスター;およびオリゴサッカリルトランスフェラーゼによって認識されるグリコシル化部位を含有するタンパク質、例えば、WO 06/119987(請求項1)に開示された最適化されたコンセンサス配列を発現するように操作される、(6)〜(10)または(16)〜(23)のいずれか一に記載の宿主細胞。
(25)グリコシル化されたタンパク質を作製するための方法であって、
i)グリコシル化されたタンパク質の産生にとって好適な条件下で(24)に記載の宿主細胞を培養するステップ、および
ii)培養物からグリコシル化されたタンパク質を単離するステップ
を含む方法。
本発明をより良く理解するために、以下の実施例を記載する。これらの実施例は、例示に過ぎず、いかなる様式でも本発明の範囲を限定すると解釈されるべきではない。
(実施例)

Claims (25)

  1. 宿主細胞中のゲノムポリヌクレオチドから挿入核酸の少なくとも2つの部分を除去する方法であって、
    a)互いに同一であり、第1の核酸配列を有する、同じ向きにある第1の組換え部位の対にフランキングする第1の挿入核酸を含むゲノムポリヌクレオチドを調製するステップ;
    b)同一の組換え部位が組み換わって、第1の挿入核酸および第1の組換え部位の1つの切出しをもたらすように、ステップa)のゲノムポリヌクレオチドを、第1の組換え部位を認識するリコンビナーゼに曝露するステップ;
    c)ステップb)のゲノムポリヌクレオチド中に、第2の組換え部位が互いに同一であり、第1の核酸配列との98%以下の配列同一性を有する第2の核酸配列を有する、同じ向きにある第2の組換え部位の対にフランキングする第2の挿入核酸を挿入するステップ;ならびに
    d)同一の組換え部位が組み換わって、同一の組換え部位にフランキングしていないゲノムポリヌクレオチド配列を除去することなく、第2の挿入核酸および第2の組換え部位の1つの切出しをもたらすように、ステップc)のゲノムポリヌクレオチドを、第2の組換え部位を認識するリコンビナーゼに曝露するステップ
    を含む方法。
  2. 宿主細胞中のゲノムポリヌクレオチドから挿入核酸の少なくとも2つの部分を除去する方法であって、
    a)i)第1の挿入核酸が、互いに同一であり、第1の核酸配列を有する、同じ向きにある第1の組換え部位にフランキングする、ii)第2の挿入核酸が、互いに同一であり、第1の核酸配列との98%以下の配列同一性を有する第2の核酸配列を有する、同じ向きにある第2の組換え部位にフランキングする、およびiii)任意のさらなる組換え部位が、第1または第2の核酸配列との98%以下の配列同一性を有する核酸配列を有する、少なくとも第1および第2の挿入核酸を含むゲノムポリヌクレオチドを調製するステップ;ならびに
    b)同一の組換え部位が組み換わって、同一の組換え部位にフランキングしていないゲノムポリヌクレオチドを除去することなく、同一の組換え部位にフランキングする挿入核酸の切出しをもたらすように、ゲノムポリヌクレオチドを、第1および第2の組換え部位を認識するリコンビナーゼに曝露するステップ
    を含む方法。
  3. ゲノムポリヌクレオチドが原核生物のゲノムポリヌクレオチドまたはプラスミドである、請求項1または2に記載の方法。
  4. ゲノムポリヌクレオチドが真核生物の染色体である、請求項1または2または3に記載の方法。
  5. 第1および第2の挿入核酸が選択マーカーである、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 第1の単一の組換え部位が、第1の組換え操作される領域に隣接し、第2の単一の組換え部位が、第2の組換え操作される領域に隣接し、第1および第2の組換え部位が、互いに、必要に応じて、宿主細胞ゲノムポリヌクレオチド中に存在する任意のさらなる組換え部位の核酸配列との90〜98%の同一性を有するヌクレオチド配列を有する、第1の組換え操作された領域および第2の組換え操作された領域を含む宿主細胞ゲノムポリヌクレオチド。
  7. 第1の組換え部位の傷が、第1の組換え操作される領域に隣接し、第2の組換え部位の傷が、第2の組換え操作される領域に隣接し、第1および第2の組換え部位の傷が、互いに98%未満同一であり、必要に応じて、宿主細胞ゲノムポリヌクレオチド中に存在する任意のさらなる組換え部位の傷のポリヌクレオチド配列と98%未満同一である異なるポリヌクレオチド配列を有する、第1の組換え操作された領域および第2の組換え操作された領域を含有する宿主細胞ゲノムポリヌクレオチドを含む宿主細胞。
  8. 第1および第2の組換え部位が、リコンビナーゼ、例えば、FLPリコンビナーゼのための組換え部位である、請求項7に記載の宿主細胞。
  9. 第1の組換え部位が配列番号1〜10のいずれか1つの核酸配列を有する、請求項8に記載の宿主細胞。
  10. 第1および第2の組換え部位が、100、75、50、25、10または5kベース未満隔てられている、請求項7〜9のいずれか一項に記載の宿主細胞。
  11. それぞれの組換え部位の傷が、異なるポリヌクレオチド配列を有する、少なくとも2つの組換え操作される領域に隣接する少なくとも2つの組換え部位の傷を含む原核生物のゲノムポリヌクレオチドまたは真核生物の染色体。
  12. 宿主細胞を操作するための方法であって、
    a)組換え部位の第1の対にフランキングする第1の選択マーカーを含む第1のポリヌクレオチドカセットを組み込むステップ;
    b)組換え部位の第1の対を認識するリコンビナーゼの作用によって第1の選択マーカーを除去するステップ;
    c)組換え部位の第2の対にフランキングする第2の選択マーカーを含む第2のポリヌクレオチドカセットを組み込むステップ;および
    d)組換え部位の第2の対を認識するリコンビナーゼの作用によって第2の選択マーカーを除去するステップ
    を含み、
    組換え部位の第1の対が、同一の核酸配列を有し、組換え部位の第2の対が、同一の核酸配列を有し、組換え部位の第1および第2の対が、90〜98%の核酸配列同一性を有する、方法。
  13. ステップb)およびd)のリコンビナーゼがFLPリコンビナーゼである、請求項12に記載の方法。
  14. FLPリコンビナーゼが、配列番号11と少なくとも80%同一であるアミノ酸配列を有する、請求項13に記載の方法。
  15. 請求項12〜14のいずれか一項に記載の方法によって得られる操作された宿主細胞。
  16. それぞれの組換え部位が他の組換え部位と98%未満同一であるヌクレオチド配列を有する、宿主細胞ゲノムポリヌクレオチド中に少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9または10個の組換え部位の単一のコピーを含む操作された宿主細胞。
  17. 少なくとも2個の組換え部位がFRT部位である、請求項16に記載の操作された宿主細胞。
  18. 少なくとも2個の組換え部位が、宿主細胞ゲノムポリヌクレオチド中で100kb、75kb、50kb、25kb、10kb、5kb、3kbまたは1kb未満隔てられている、請求項16または17に記載の操作された宿主細胞。
  19. rfbクラスターのインタクトなプロモーターを維持しながら、天然のrfbクラスターの少なくとも一部およびwcaコラン酸クラスターの少なくとも一部が欠失している、操作されたグラム陰性宿主細胞。
  20. waaL遺伝子も欠失している、請求項19に記載の操作されたグラム陰性宿主細胞。
  21. グラム陰性宿主細胞が大腸菌である、請求項19または20に記載の操作されたグラム陰性宿主細胞。
  22. 天然のrfbクラスターの少なくとも一部が異種グリカンクラスターと置き換えられる、請求項19〜21のいずれか一項に記載の操作されたグラム陰性宿主細胞。
  23. waaL遺伝子がpglB遺伝子またはpglL遺伝子と置き換えられる、請求項19〜22のいずれか一項に記載の操作されたグラム陰性宿主細胞。
  24. 宿主細胞が、a)オリゴサッカリルトランスフェラーゼ、例えば、PglBまたはPglL;b)異種グリカンクラスター、例えば、rfbクラスターまたは莢膜多糖を合成するのに必要とされるグリコシルトランスフェラーゼをコードする遺伝子クラスター;およびオリゴサッカリルトランスフェラーゼによって認識されるグリコシル化部位を含有するタンパク質、例えば、WO 06/119987(請求項1)に開示された最適化されたコンセンサス配列を発現するように操作される、請求項6〜10または16〜23のいずれか一項に記載の宿主細胞。
  25. グリコシル化されたタンパク質を作製するための方法であって、
    i)グリコシル化されたタンパク質の産生にとって好適な条件下で請求項24に記載の宿主細胞を培養するステップ、および
    ii)培養物からグリコシル化されたタンパク質を単離するステップ
    を含む方法。
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