JP2020521597A - 石灰化組織代替物の製造方法 - Google Patents

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Abstract

本発明は、石灰化組織代替物の製造方法に関する。この方法は、ブルシャイトを生成させるために、粉砕された真珠層、リン酸一カルシウム、及び水を反応させること、ブルシャイトを粉砕すること、及びリン酸水素二ナトリウム溶液中で、粉砕された真珠層と粉砕されたブルシャイトとの反応させることを含む。本発明はまた、この方法により製造された石灰化組織代替物、石灰化組織を修復するための石灰化組織代替物の使用、及び石灰化組織を送達するための送達装置に関する。

Description

本発明は、石灰化組織代替物の製造に関する。
感染、外傷、炎症、腫瘍及び先天性の病因により引き起こされる障害は、広範な外科的治療を必要とする最も一般的な整形外科的及び歯科的状態である。多くの代替骨が、注射及び移植可能な形態で使用される医療機器として開発されてきたが、それらの大部分は十分な骨伝導性及び骨誘導性を欠いていた。それにもかかわらず、代替骨は、年間80億ドル以上の市場価値を持つ整形外科及び歯科の分野で広範な臨床応用を有している。
真珠層は骨の治癒を促進することが示されており、これはマヤの時代に遡ることができる。真珠層と真珠には、骨形成を誘発できる微量元素と生理活性タンパク質が含まれていることが報告されている。しかしながら、真珠層における炭酸カルシウムの急速な分解速度は、移植可能又は注射可能な骨代替物としてのその用途を制限してきた。
従って、石灰化組織を修復するための改善された組成物が必要である。
石灰化組織を修復するための多孔質材料の生成は、材料組成を改善するための重要な設計基準となる。現在、2つの主要な多孔質材料がある。プレハブの多孔質材料と、移植後に多孔質構造がその場で生成される多孔質材料である。一般に、プレハブの多孔質材料は、対応する固体材料よりも弱い機械的強度を示す一方、その場で多孔質にされた材料は、構成要素の劣化後に制御不能な機械的破損を受ける場合がある。
先行技術文献が本明細書で参照される場合、そのような参照は、その文献がオーストラリア又は他の国における当該技術分野の一般的な一般知識の一部を形成するという承認を構成しないことを理解されたい。
本発明は、石灰化組織代替物における段階的な孔形成を誘導するマルチ−カルシウム塩吸収勾配を利用し、それにより、石灰化組織代替物の機械的特性を損なうことなく生体内で新しい骨形成を誘導する。
第1の態様は、石灰化組織代替物を生成する方法を提供し、この方法は、
粉砕された真珠層、リン酸一カルシウム、及び水を反応させてブルシャイトを生成させ、
ブルシャイトを粉砕し、
リン酸水素二ナトリウム溶液中で、粉砕された真珠層と粉砕されたブルシャイトとの反応させることを含む。
第2の態様は、第1の態様の方法により生成されたときに石灰化組織代替品を提供する。
第3の態様は、石灰化組織を修復するための石灰化組織代替物の製造において、粉砕された真珠層、リン酸一カルシウム、及び水の使用を提供する。
第4の態様は、石灰化組織を修復する方法を提供し、この方法は、石灰化組織を第2の態様の代替物と接触させることを含む。
第4の態様の代替形態は、石灰化組織を修復する方法で使用するための第2の態様の代替物を提供し、その方法は、石灰化組織を代替物と接触させることを含む。
態様のいずれか1つの態様において、石灰化組織は歯又は骨である。
第5の態様は、第1のチャンバと第2のチャンバとを備えた送達装置を提供し、第1のチャンバは粉砕された真珠層を備え、第2のチャンバは粉砕されたブルシャイトを備えており、粉砕されたブルシャイトは、粉砕された真珠層、リン酸一カルシウム、及び水を反応させ、得られたブルシャイトを粉砕することにより生成され、この装置は、粉砕された真珠層と粉砕されたブルシャイトを同時に反応するように送達するように適合され、それにより、リン酸水素二ナトリウム溶液の存在下で粉砕された真珠層と粉砕されたブルシャイトを反応させる。
図1は、実施例1の方法の概略図を示す。 図2は、実施例2に従って製造された石灰化組織代替物の機械的特性を示す縦棒グラフを含む。図2Aは、実施例2に従って調製された石灰化組織代替物(真珠-オルトリン酸塩粒子)のサンプルと多孔性市販製品(SKELITETM)の圧縮ピーク荷重(N)を示し、図2Bは圧縮強度(MPa)を示す。 図3は、実施例に従って調製された石灰化組織代替物(真珠層オルトリン酸塩粒子)の表面を示す3.39kX倍率のBSEモードで収集された走査型電子顕微鏡(SEM)顕微鏡写真である。明るい灰色の矢印は真珠層に囲まれたオルトリン酸カルシウムを指し、暗い灰色の矢印はオルトリン酸カルシウムでコーティングされた真珠層粒子を指す。 図4は、実施例に従って調製された石灰化組織代替物(真珠オルトリン酸塩粒子)の表面を示す7.39kX倍率のBSEモードで収集されたSEM顕微鏡写真である。顕微鏡写真は、真珠層を取り囲むオルトリン酸カルシウムを示す。未反応の真珠層構造が観察される。 図5は、真珠層、ブルシャイト粒子、及びリン酸四カルシウムを6:9:5の比(ターコイズ)で使用して、実施例2に従って調製された石灰化組織代替物Aで24時間培養されたHeLa細胞のレーザー共焦点走査顕微鏡写真を含む。細胞膜のF−アクチンは蛍光ファロイジン(赤)で標識され、核はヘキスト(青)で標識された。A.細胞の表面形態。B.石灰化組織代替物への細胞の接着の3D構造。白い矢印は、細胞、核、及び石灰化組織代替物を示す。C.石灰化組織代替物に付着した単一細胞の上昇。白い矢印は、細胞、核、及び石灰化組織代替物を示す。 図6は、10:5:5の比率で真珠層粒子、ブルシャイト粒子、リン酸四カルシウムを使用して、実施例2に従って調製された石灰化組織代替物E(ターコイズ)で72時間培養したMLO−Y4細胞のレーザー共焦点走査顕微鏡写真と分析を含む。細胞膜中のF−アクチンは、蛍光ファロイジン(赤)で標識された。A.石灰化組織代替物への細胞の接着の3D構造。B.石灰化組織代替物への単一細胞の接着の3D構造。骨細胞の樹状突起を示し、白い矢印は、細胞、樹状突起、及び石灰化組織代替物を示す。 図7は、レーザー共焦点走査顕微鏡写真と、6:9:5の比率で真珠層粒子、ブルシャイト粒子、リン酸四カルシウムを使用して、実施例2に従って調製した石灰化組織代替物Aで72時間培養したMLO−Y4細胞の分析である。細胞膜のF−アクチンは、蛍光ファロイジン(赤)で標識された。顕微鏡写真は、骨細胞の樹状突起接続(ネットワーク)を示す。白い矢印は、樹状突起の接続と細胞とを特定している。 図8は、実施例2に従って調製された石灰化組織代替品(真珠層カルシウムオルトリン酸塩材料)上で72時間まで培養されたMC3T3細胞の細胞生存率を示す縦棒グラフである。細胞の生存率は、比色分析MTSアッセイを使用して決定した。 図9は、実施例2に従って調製された石灰化組織代替物A、C及びE(オルトリン酸カルシウム材料)で7日間及び14日間培養されたMC3T3細胞の細胞ALP活性を示す縦棒グラフである(比率6:9:5、8:7:5、及び10:5:5)。骨形成分化マーカーのアルカリホスファターゼ(ALP)の活性は、製造業者(Nanjing Jiancheng Bioengineering Institute、南京、中華人民共和国)の指示に従ってALPマイクロプレートテストキットを使用して、リン酸p−ニトロフェニルの加水分解の黄色の最終生成物であるp−ニトロフェノールの量を定量することによって決定された。 図10は、ヒドロキシアパタイトと真珠層オルトリン酸カルシウムの生体内での生分解速度(経時的な重量損失の割合)を示す折れ線グラフ(A)、及びヒドロキシアパタイトとオルトリン酸カルシウムの分解物の肉眼形態(B)を含む。*は、オルトリン酸カルシウムとヒドロキシアパタイトの統計的に有意な差を示す(P<0.05)。 図11は、実施例2、パート4のウサギ大腿骨皮質骨の骨欠損の動物モデルの外科的手順を示す写真を含む。図11Aは、麻酔ウサギの手術位置と剃毛を示す。図11Bは、ウサギの術前の準備を示す。図11Cは、遠位骨幹端領域の大腿骨皮質骨の露出を示す。図11Dは、人工骨欠損を作るための穴を開けているところを示す。図11Eは、骨欠損の基本的な形状であって、円形の貫通させた皮質骨欠損を示す。図11Fは、骨欠損の直径が5mmであることを示す。図11Gは、骨欠損に移植された真珠層オルトリン酸カルシウムを示す。図11Hは、骨欠損に移植されたヒドロキシアパタイトを示す。図11Iは、切開部の縫合を示す。 図12は、動物モデルの画像確認を含む。円は骨欠損部位を強調している。図12Aは、真珠層オルトリン酸カルシウムを移植した群のX線画像である。図12Bは、ヒドロキシアパタイトを移植した群のX線画像である。図12Cは、ブランク対照群のX線画像である。図12Dは、手術対照群のサンプルのマイクロCTスキャンであり、骨欠損の直径が5mmであることを明確に示している。 図13は、動物モデルから取得したサンプルの形態を示す写真を含む。黒い矢印は、骨欠損部位に残った真珠層のオルトリン酸カルシウム粒子を指す。白い矢印は、骨欠損部位に残っているヒドロキシアパタイト粒子を指す。円は、対照群の骨欠損部位を示す。 図14aは、本開示の石灰化組織代替物によって強力な骨芽細胞活性が刺激されたされたことを示す一連の画像を含む。A〜Dは、矢状面の2D Micro−CT画像と下記群の3D再構成画像を含む。A−NO4(4週間のオルトリン酸カルシウム移植群)-黒い矢印は、新しい骨梁構造を指す。B−HA4(4週間ヒドロキシアパタイト注入群)C−BC4(4週間のブランク対照群)D−NO8(8週間の真珠層のオルトリン酸カルシウム移植群) 図14bは、本開示の石灰化組織代替物によって強力な骨芽細胞活性が刺激されたされたことを示す一連の画像を含む。E〜Fは、矢状面の2D Micro−CT画像と下記群の3D再構成画像を含む。E−HA8(8週間のヒドロキシアパタイト移植群)F−BC8(8週間のブランク対照群) 図15は、NO4、HA4、及びBC4の群の4週間後のMicro−CTの分析を示す縦棒グラフである。骨量/総量(BV/TV)、骨表面/骨量(BS/BV)、皮質厚(Ct.Th)、フラクタル次元(FD)が表示される。#は、真珠層オルトリン酸カルシウムとヒドロキシアパタイトの統計的に有意な差を示す(P<0.05)。 図16は、NO8、HA8及びBC8の群の8週間後のMicro−CTの分析を示す縦棒グラフを含む。骨量/総量(BV/TV)、骨表面/骨量(BS/BV)、皮質厚(Ct.Th)、フラクタル次元(FD)が表示される。#は、真珠層オルトリン酸カルシウムとヒドロキシアパタイトの統計的に有意な差を示す(P<0.05)。 図17は、NO4、HA4及びBC4の群では4週間後、NO8、HA8及びBC8の群では8週間後の骨欠損部位の空隙率のMicro−CTデータの分析を示す縦棒グラフである。#は、真珠層オルトリン酸カルシウムとヒドロキシアパタイトの統計的に有意な差を示す(P<0.05)。
本発明者らは、石灰化組織の修復のための改善された石灰化組織代替物、及び石灰化組織代替物の製造方法を開発した。本発明は、主要成分の異なる分解時間を利用して、生体内で固体材料を多孔質構造に変換する。つまり、構成成分において、残りの真珠層粒子は最も早い分解速度を有し、この分解速度は、体液との接触により生分解し始める速度である。真珠層の溶解が起こると、生理活性マトリックスが放出され、細胞統合が促進され、骨形成が誘導される。同時に、細胞の内部成長を可能にする細孔が生成される。本開示の石灰化組織代替物の他の成分であるブルシャイト(又はモネタイト)、炭酸アパタイト、及びストロンチウム置換ヒドロキシアパタイトは、真珠層と比較して異なる溶解性を有し、これらの成分は2〜8ヶ月で生分解される。これらの異なるオルトリン酸カルシウムは、マクロファージ、破骨細胞、及び他の細胞タイプの細胞活性により、食作用及び体液固体反応を介して徐々に吸収され、これにより、多孔性と細胞の内部成長が増大する。後に、石灰化組織代替物中のヒドロキシアパタイトは、骨伝導性足場として最大2年間体内に保持され、その後、細胞媒介吸収によって新しい骨に完全に置き換えられる。使用された場合、生体不活性薬物キャリアラポナイトは体内に残る。
表1は、その場で材料表面に多孔質構造を生成し、石灰化組織修復のために細胞及び組織の内部成長を可能にする真珠層オルトリン酸塩成分の生分解速度を示す。
本発明は、真珠層粒子の表面にオルトリン酸カルシウムをコーティングする方法を提供し、この方法により製造されたオルトリン酸カルシウムでコーティングされた真珠層粒子を提供することにより、十分な骨伝導性及び骨誘導性の欠如、及び真珠層の急速な吸収の欠如を克服する。本発明はまた、例えばラポナイト粒子のように適切な添加物粒子に負荷された、正に帯電した抗体又は分子のオルトリン酸カルシウム被覆真珠層粒子からの制御された共放出を提供する。
理論に拘束されることを望まないが、石灰化組織代替物の未反応の真珠層は生理活性化合物を含み、それにより骨誘導性を高める。さらに、露出した真珠層は、他のオルトリン酸カルシウムよりも速く吸収される。4つの異なる主要成分の吸収勾配は、移植後の新しい骨形成を伴う段階的な孔形成のプロセスを提供する。従来のカルシウム塩材料で作られた従来の多孔性骨代替物と比較して、本発明の石灰化組織代替物の孔は生体内で生成され、それにより石灰化組織修復の初期段階でより強い機械的サポートを提供し、骨伝導性を高める。
使用において、石灰化組織代替物は、オルトリン酸カルシウムに比べて真珠層の吸収が速いため生体内で孔を発達させ、これは、骨形成を妨げるリン酸カルシウムベースの市販製品の吸収が遅いという問題を解決する。
本発明の態様のいずれにおいても、石灰化組織は骨又は歯であり得る。本明細書で使用される「修復」は、石灰化組織の改善、再建、再構築、又は回復を含む。感染、外傷、炎症、腫瘍性又は先天性の病因により修復が必要になる場合がある。本明細書で使用される「石灰化組織の修復」は、最終的に別の組織又は器官の治療、例えば、目的が脊柱管狭窄と、脊髄及び/又は脊髄神経圧迫とを緩和することである脊椎固定術の実行を含む。
本明細書で使用される石灰化組織「代替物」とは、骨形成、骨伝導及び/又は骨誘導を通じて石灰化組織の修復を促進させる石灰化組織と接触する材料を指す。石灰化組織「代替物」は、真珠層オルトリン酸カルシウム塩又は石灰化組織移植片とも呼ばれる。一実施形態では、石灰化組織代替物は、空隙を埋めるために使用される。
本明細書で使用される「骨形成」という用語は、石灰化組織の発達及び形成を指す。骨形成のプロセスには、骨伝導及び/又は骨誘導が含まれる場合がある。
「骨伝導」という用語は、移植部位近くの骨形成細胞が足場、すなわち石灰化組織代替物を横切って移動し、経時的に足場を新しい石灰化組織に置き換える受動的プロセスを指す。骨伝導性材料により、骨芽細胞及び破骨細胞は、付着、移動、成長、及び/又は分裂することができる。
「骨誘導」という用語は、石灰化組織の代替物又は移植片が骨形成細胞を移植部位に補充し、それらが新しい骨を形成するように誘導する能動的なプロセスを指す。骨誘導とは、初期系統の細胞(例えば、間葉系幹細胞又は骨前駆細胞)の骨形成細胞への誘引、増殖、及び分化を指し、新しい石灰化組織の形成をもたらす。
石灰化組織代替物を製造する方法は、出発材料及びさらなる反応物として真珠層を使用し、製造された石灰化組織代替物は真珠層を含む。真珠層は、炭酸カルシウム(CaCO)と生理活性剤とを含むアラゴナイト鉱物の有機又は無機の生物複合材料である。
真珠層は、特定の粒径の区分に粉砕又は粉にされ、その後、任意に水和物(Ca(HPO.HO)としてリン酸一カルシウムと反応して、ブルシャイト結晶を形成する。ブルシャイト結晶は、特定の粒径の区分に粉砕又は粉にされる。ブルシャイト結晶は、粉砕又は粉にされる前に任意に乾燥される。一実施形態では、粉砕されたブルシャイトの粒径は、粉砕された真珠層の粒径よりも小さい。
理論に拘束されることを望まないが、石灰化組織代替物の製造において真珠層の粒径が重要であると思われる。粒径は硬化時間に影響する。粉砕された真珠層粒子が細かいほど、石灰化組織代替物の硬化時間は速くなる。従って、異なる修復の適用性が異なる硬化時間を必要とする限り、粉砕された真珠層の粒径、それゆえ石灰化組織代替物の硬化時間は、石灰化組織に必要な修復に従って適応され得る。
真珠層及びブルシャイトは、ボールミル、オプションで高エネルギーボールミル、又は遊星ボールミルによって粉砕又は粉にされる。
一実施形態では、粉砕された真珠層の粒径は、約1000μm以下、約900μm以下、約800μm以下、約700μm以下、約600μm以下、約500μm以下、約400μm以下、約300μm以下、約200μm以下、約100μm以下、約50μm以下、又は約10μm以下である。
一実施形態では、粉砕された真珠層の粒径は、約1μm以上、約5μm以上、約10μm以上、約15μm以上、約20μm以上、約30μm以上、約40μm以上、約50μm以上、約60μm以上、約70μm以上、約80μm以上、約90μm以上、又は約100μm以上である。
一実施形態では、粉砕された真珠層の粒径は、約50μm〜約100μm、約50μm〜約200μm、約50μm〜約300μm、約50μm〜約400μm、又は約50μm〜約500μmである。
一実施形態では、粉砕ブルシャイト粒径は、約500μm以下、約400μm以下、約300μm以下、約200μm以下、約100μm以下、約90μm以下、約80μm又は以下、約70μm以下、約60μm以下、約50μm以下、約40μm以下、約30μm以下、約20μm以下、約10μm以下、約9μm以下、約8μm以下、約7μm以下、約6μm以下、約5μm以下、約4μm以下、約3μm以下、約2μm以下、又は約1μm以下である。
一実施形態では、粉砕ブルシャイト粒径は、約1μm以上、約2μm以上、約3μm以上、約4μm以上、約5μm以上、約6μm以上、約7μm又は以上、約8μm以上、約9μm以上、約10μm以上、約15μm以上、約20μm以上、約30μm以上、約40μm以上、約50μm以上、約60μm以上、約70μm以上、約80μm以上、約90μm以上、又は約100μm以上である。
一実施形態では、粉砕ブルシャイト粒径は、約10μm〜約20μm、約10μm〜約30μm、約10μm〜約40μm、約10μm〜約50μm、約10μm〜約60μm、約10μm〜約70μm、約10μm〜約80μm、約10μm〜約90μm、約10μm〜約100μm、約10μm〜約150μm、又は約10μm〜約200μmである。
一実施形態では、石灰化組織代替物は約5mmの粒径を有する。別の実施形態では、石灰化組織代替物は、約1μm、約5μm、約10μm、約50μm、約100μm、約500μm、約1mm、約2mm、約3mm、約4mm、約5mm、約6mm、約7mm、約8mm、約9mm、又は約10mmである。
本明細書で使用される「粒子」及び「微粒子」は、別個の構成単位を指すが、固体に融合される粒子を排除しない。従って、「粒子」及び「微粒子」とは、粉砕された真珠層及び粉砕されたブルシャイト、ならびにオルトリン酸カルシウムで被覆され又は囲まれた融合真珠層を含む石灰化組織代替物を指す。粒子は粉末であってもよい。
本明細書で使用する「粒径」とは、粒子が通過する選択的メッシュのポアサイズを指す。従って、規定の粒径を有する粉砕された真珠層、及び粉砕されたブルシャイトは、規定のポアサイズを有する1つ又は複数のメッシュを使用してふるい分けすることにより選択できる。ふるい及びメッシュは、当技術分野で知られている。
一実施形態において、粉砕された真珠層とリン酸一カルシウムは、約4:10の比率で反応する。別の実施形態において、粉砕された真珠層とリン酸一カルシウムは、約4:5、約4:6、約4:7、約4:8、約4:9、約4:11、約4:12、約4:13、約4:14、約4:15、約0.5:10、約1:10、約2:10、約3:10、約5:10、約6:10、約7:10 、約8:10、又は約9:10の比で反応する。
一実施形態では、粉砕された真珠層とリン酸一カルシウムは室温で反応する。別の実施形態において、粉砕された真珠層とリン酸一カルシウムは、約4℃、約10℃、約15℃、約20℃、約25℃、約30℃、約35℃、約37℃、約40℃、約42℃、約50℃、又は約60℃で反応する。
粉砕前に乾燥した場合、ブルシャイト結晶は、例えば風乾又は凍結乾燥されてもよい。
この方法の第2段階目では、追加の粉砕された真珠層を粉砕されたブルシャイトと混合し、リン酸水素二ナトリウム(NaHP0)溶液で反応させる。
一実施形態では、リン酸水素二ナトリウム溶液は約8.2から約9.5のpHを有する。一実施形態において、リン酸水素二ナトリウム溶液は、約7.5、約7.6、約7.7、約7.8、約7.9、約8、約8.1、約8.2、約8.3、約8.4、約8.5、約8.6、約8.7、約8.8、約8.9、約9、約9.1、約9.2、約9.3、約9.4、約9.5、約9.6、約9.7、約9.8、約9.9、約10、約10.2、約10.4、約10.6、約10.8、又は約11のpHを有する。一実施形態では、リン酸水素二ナトリウム溶液は約9.25のpHを有する。
一実施形態では、リン酸水素二ナトリウム溶液は、2.5%から4%の溶液である。別の実施形態では、リン酸水素二ナトリウム溶液は約1%、約1.5%、約2%、約2.5%、約3%、約3.5%、約4%、約4.5%、約5%、約5.5%、約6%、約6.5%、約7%、約7.5%、約8%、約8.5%、約9%、約9.5%、又は約10%である。
一実施形態において、粉砕された真珠層と粉砕されたブルシャイトは、約4:10の比率で反応する。別の実施形態において、粉砕された真珠層と粉砕されたブルシャイトは、約4:5、約4:6、約4:7、約4:8、約4:9、約4:11、約4:12、約4:13、約4:14、約4:15、約0.5:10、約1:10、約2:10、約3:10、約5:10、約6:10、約7:10 、約8:10、又は約9:10の比で反応する。
本方法の第2段階目のさらなる実施形態では、リン酸水素二ナトリウム溶液中の粉砕された真珠層と粉砕ブルシャイトとの反応は、リン酸四カルシウム(Ca(POO)をさらに含む。この段階でリン酸四カルシウムを使用することには3つの利点がある。それはブルシャイトと早く反応してヒドロキシアパタイトを形成し、初期硬化につながる。真珠層とブルシャイトの間の反応を触媒し得る。また、真珠層、ブルシャイト、炭酸アパタイトとは異なる吸収速度を提供する。吸収勾配は、移植後の石灰化組織代替物の孔の段階的な生成に役立つ。
一実施形態では、リン酸三カルシウム(α−TCP)が水和反応によりヒドロキシアパタイトに変換するため、リン酸三カルシウム(α−TCP)がリン酸四カルシウムの代わりに使用される。
一実施形態では、粉砕された真珠層、粉砕されたブルシャイト、及びリン酸四カルシウムは、リン酸水素二ナトリウム溶液中において、6:9:5、7:8:5、8:7:5、9:6:5、又は10:5:5の比で反応する。
例2に示すように、粉砕された真珠層、粉砕されたブルシャイト、及びリン酸四カルシウムの比率を変えると、石灰化組織代替物の特性が変わる。X線回折(XRD)で示されているように、粉砕された真珠層の割合を変えると、石灰化組織代替物の真珠層の割合が変わり、大きな利点が得られる。例えば、石灰化組織代替物Eのように、真珠層の割合が高い石灰化組織代替物も、比較的低い割合の真珠層を有する石灰化組織代替物と比較して、生理活性剤の割合が最も高く、それゆえ最高レベルの骨誘導性を有する。例えば、石灰化組織代替物Eのように真珠層の割合が高い石灰化組織代替物は、比較的低い割合の真珠層を有する石灰化組織代替物と比較して、生理活性剤の割合が最も高く、従って最高レベルの骨誘導性を有する。当然の結果として、石灰化組織代替物Aのように、真珠層の割合がより低い石灰化組織代替物は、比較的高い割合の真珠層を持つ石灰化組織代替物と比較して、アパタイトの割合が最も高いため、骨伝導性のレベルが最も高くなる。すなわち、比較的低い割合の真珠層と高い割合のアパタイトとを有する石灰化組織代替物は、より遅い吸収速度を有し、それにより、より長い期間足場又は機械的支持を提供する。従って、石灰化組織代替物の構成は、石灰化組織が必要とされる特定の修復に従って変更できる。
一実施形態では、リン酸水素二ナトリウム溶液は、溶液中の他の反応物と約1:4、約1:3、約1:2、又は約1:1、又は約10%、約20%、約25%、約30%、約33%、約40%、約50%、又は約60%で反応する。
一実施形態では、粉砕された真珠層及び粉砕されたブルシャイト、及び任意にリン酸四カルシウムは、約37℃で反応する。この実施形態は、石灰化組織代替物が反応し、その場で硬化させ凝固させることができる手術に特に適している。体温が37℃でない非ヒト動物の修復に石灰化組織代替物が使用される場合、粉砕された真珠層と粉砕されたブルシャイト、及び必要に応じてリン酸四カルシウムは、体温で反応する。
別の実施形態では、粉砕された真珠層及び粉砕されたブルシャイト、及び任意のリン酸四カルシウムは、室温で、又は約4℃、約10℃、約15℃、約20℃、約25℃、約30℃、約35℃、約37℃、約40℃、約42℃、約50℃、又は約60℃で反応する。約37℃を上回る又は下回る反応温度は、事前に凝固及び事前に硬化されて移植されることを目的とした石灰化組織代替物の製造に適している。
一実施形態では、この方法は、組成物の硬化時間を変更する薬剤、任意にヘクトライト、ラポナイト又はアルファ硫酸カルシウムを添加することをさらに含む。そのような添加物はまた、例えばラポナイト粒子のように適切な添加物粒子に負荷された、正に帯電した抗体又は分子の石灰化組織代替物(真珠層オルトリン酸塩粒子)からの制御された共放出を提供することにも役立ち得る。そのような制御された同時放出は、当技術分野で知られている(例えば、Xiao et al.Mater Sci Eng C Mater Biol Appl(2016)60:348-56; Ordikhani et al.J Mater Sci Mater Med(2015)26(12):269 ; Li et al.ACS Appl Mater Interfaces(2014)6(15):12328-34; Wang et al。ACS Appl Mater Interfaces(2014)6(19):16687-95)。
一実施形態では、本発明の方法により生成される場合、石灰化組織代替品は粒子状であり、粒子表面にオルトリン酸カルシウムを含む。
本明細書で使用する「オルトリン酸塩」とはアニオンPO4 3−を指し、「オルトリン酸カルシウム」とは、変化した化学量論を有したカルシウム及びオルトリン酸塩を含む複数の化合物を指す。一実施形態では、オルトリン酸カルシウムはヒドロキシアパタイトであってもよい。
一実施形態では、石灰化組織代替物は、体温が37℃ではない非ヒト動物の修復に使用される場合、湿度100%及び37℃、又は湿度100%及び体温で硬化する。この実施形態は、石灰化組織代替物が反応し、その場で硬化させることができる手術に特に適している。別の実施形態では、石灰化組織代替物は、約4℃、約10℃、約15℃、約20℃、約25℃、約30℃、約35℃、約37℃、約40℃、約42℃、約50℃、又は約60℃で硬化される。
別の実施形態では、石灰化組織代替物は、約99%、約98%、約97%、約96%、約95%、約94%、約93%、約92%、約91%、約90%、約80%、約70%、約60%、又は約50%の湿度で硬化する。別の実施形態では、石灰化組織代替物は、上記の温度と湿度の任意の組み合わせで硬化する。
一実施形態では、石灰化組織代替物のピーク負荷は約45Nを超える。別の実施形態では、石灰化組織代替物のピーク負荷は、約50N超、約100N超、約150N超、約200N超、約250N超、約300N超、約350N超、約400N超、約450N超、約500N超、約550N超、約600N超、約650N超、約700N超、約750N超、約800N超、約850N超、約900N超、約950N超、又は約1000N超である。
一実施形態では、石灰化組織代替物は、約2.3MPaより大きい圧縮強度を有する。別の実施形態では、石灰化組織代替物の圧縮強度は、約2.5MPa超、約3MPa超、約3.5MPa超、約4MPa超、約4.5MPa超、約5MPa超、約5.5MPa超、約6MPa超、約6.5MPa超、約7MPa超、約7.5MPa超、約8MPa超、約8.5MPa超、約9MPa超、約9.5 MPa超、約10MPa超、約10.5MPa超、約11MPa超、約11.5MPa超、又は約12MPa超である。
上記のように、増大された機械的強度、例えばピーク負荷は、ある程度の改善され、延長された骨伝導を反映する。
一実施形態では、石灰化組織代替物は移植可能又は注射可能である。
一実施形態では、石灰化組織代替物は、30分〜90分の初期硬化時間(Ti)を有する。別の実施形態では、Tiは約30分、約35分、約40分、約45分、約50分、約55分、約60分、約65分、約70分、約75分、約80分、約85分、又は約90分である。
一実施形態では、石灰化組織代替物は、60分から120分の最終硬化時間(Tf)を有する。別の実施形態では、Tfは約60分、約65分、約70分、約75分、約80分、約85分、約90分、約95分、約100分、約105分、約110分、約115分、又は約120分である。
移植可能な石灰化組織代替物は、移植の前又は後に凝固又は硬化され得る。対照的に、注入可能な石灰化組織代替物は、注入後に凝固又は硬化され得る。
石灰化組織代替物の注入は、第5の態様の送達装置により促進される。送達装置は、修復時まで、しばしば手術時まで、石灰化組織代替物の凝固又は硬を遅らせる手段を提供する。凝固又は硬の遅延は、装置の別々のチャンバ内の粉砕したブルシャイトと粉砕した真珠層を提供することにより達成され、装置の作動により、粉砕したブルシャイトと粉砕した真珠層が反応する。
一実施形態では、第5の態様の送達装置の第1のチャンバ及び/又は第2のチャンバは、リン酸水素二ナトリウム溶液をさらに含む。別の実施形態では、送達装置は、リン酸水素二ナトリウム溶液を含む第3のチャンバを含む。
一実施形態では、送達装置からの送達は、粉砕された真珠層と粉砕されたブルシャイトを混合することを含む。
一実施形態では、送達装置は注射器である。
ここで使用される「反応近接」とは、粉砕された真珠層が粉砕されたブルシャイトと反応するのに十分な空間的関係を指し、粉砕された真珠層と粉砕されたブルシャイトとの混合を伴う場合がある。
石灰化組織代替物は、対象の石灰化組織の修復に使用するためのものである。
本明細書で使用される「対象」は、ヒト又は非ヒト動物、例えば家畜動物、動物園動物、又は愛玩動物であり得る。一実施形態では、対象は哺乳動物である。哺乳動物は有蹄動物であってもよく、及び/又は、例えば、ウマ、ウシ、シカ、ヒツジ、イヌ、又はネコであってもよい。一実施形態では、対象は霊長類である。一実施形態では、対象はヒトである。従って、本発明は、人間の医学的用途に加えて、馬、牛、羊などの家畜、及び犬や猫などの愛玩動物の治療を含む獣医学及び動物飼育の用途も有する。
治療有効量の石灰化組織代替物を対象に投与する正確な方法は、必要な修復に関して医療従事者の裁量であることが当業者に認識されるであろう。他の薬剤との組み合わせ、投与のタイミングなどを含む投与様式及びその類は、被験者の状態及び病歴と同様に、治療に対する被験者のあり得る反応性によって影響を受ける可能性がある。
石灰化組織代替物は、Good Medical Practiceに一致して製造及び投与される。この文脈で考慮すべき要因は、修復される特定の石灰化組織、石灰化組織が修復される特定の対象、対象の治療状態、投与部位、投与方法、投与のスケジュール、可能性のある副作用、及び、施術者に知られているその他の要因を含む。投与される石灰化組織代替物の治療的有効量は、このような考慮事項によって管理される。
「治療有効量」という用語は、対象の石灰化組織を修復するのに有効な石灰化組織代替物の量を指す。
この明細書における記載及びクレーム全体を通して、「含む」という単語、及び「含んでいる」及び「含まれた」のようにその単語の派生形は、「含むがこれらに限定されない」ことを意味し、他の添加物、成分の整数又はステップを除外することを意図していない。
以下の非限定的な実施例を参照して本発明を説明する。
−例1−
本発明は、真珠層粒子との多くの化学反応に関する。
1)真珠層が選択され、粉末状に粉砕される(粉砕層)。次いで、粉末を、50から400μmまでの異なる孔径を有する選択的メッシュでふるい分けした。
2)粒径50〜100μmの選択された真珠層粒子を、室温で30分間、4:10の比率でリン酸一カルシウムと混合した。
3)真珠層粒子を蒸留水中でリン酸一カルシウムと反応させ、室温でブルシャイト結晶とCOを形成させた。反応は数分で起った。結晶を室温で3日間風乾するか、2〜3時間凍結乾燥した。
4)ブルシャイト結晶は、10〜100μmの粒径の粉末に粉砕された(粉砕ブルシャイト)。
5)結晶ブルシャイト粉末は、リン酸水素二ナトリウム溶液(pH8.2〜9.5)中に、室温で4:10の比率で粒径50〜400μmの真珠層粒子と混合された。この反応は、37℃、湿度100%で90分で混合物を硬化させた。
6)合成ヘクトライト(ラポナイト)又はアルファ硫酸カルシウムを含む添加剤は、注射又は埋め込みデバイスとしてのさまざまな用途の硬化時間を制御するために追加され得る。
7)硬化後、真珠層の表面にヒドロキシアパタイトが見られた。
ステップ(2)と(3)の化学反応は次のとおり。
CaCO3 + Ca(H2P042・H2O + 2H2O → 2CaHPO4・2H2O + CO2
ステップ(5)の化学反応である:
5.2CaHPO4・2H2O + 3.6CaCO3 → Ca8.8(HPO40.7(PO44.5(CO30.7(OH)1.3 + 2.9CO2 + 12H2O
例1の方法の概要を図1に示す。
−例2−
1.実験手順
真珠層が選択され、粉末状に粉砕された。次いで、粉末は、孔径が200μm未満の選択的メッシュでふるい分けされた。真珠層粒子をリン酸一カルシウムと4:10の比率で混合し、混合物を室温で蒸留水と反応させて、ブルシャイト結晶とCOを形成させた。ブルシャイト結晶を37℃で乾燥させた後、粉砕した。例1の場合、化学反応は次のとおり。
CaCO3 + Ca(H2PO4)2・H20 + 2H20 → 2CaHP04・2Η2O + C02
真珠層粒子は、5つの異なる比率(A 6:9:5、B 7:8:5、C 8:7:5、D 9:6:5、E 10:5:5)でブルシャイト粒子とリン酸四カルシウムと混合された。5つの比率は、それぞれ30%の真珠層、35%の真珠層、40%の真珠層、45%の真珠層、50%の真珠層に相当する。混合物を、4%リン酸水素二ナトリウム溶液(pH9.25)で、室温で、液体/粉末(mL/g)比1:3で反応させた。混合ペーストは、湿度100%、37℃で硬化した。化学反応は次のとおり。
2CaHPO4 + 2Ca4(PO42O → Ca10(PO4)6(OH)2
5.2CaHPO4・2H2O + 3.6CaCO3 → Ca8.8(HPO40.7(PO44.5(CO30.7(OH)1.3 + 2.9CO2 + 12H2O
2.物理的特性
i.X線開設(XRD)
A〜Eの5つの石灰化組織代替物をX線回折装置(XRD、PANanalytical X 'Pert PRO、オランダ)で分析した。各石灰化組織代替物のサンプルは、回折角(2θ)の10°から90°の範囲でステップサイズ0.0070°のステップスキャン法を使用してスキャンされ、回折計は40kV及び40mAで動作された。
XRDの結果(表2)は、真珠層オルトリン酸カルシウム粒子、すなわち石灰化組織代替物の無機化学組成を示す。

XRDデータは、石灰化組織代替物Eでは、真珠層の割合が最も高く、従って生物活性成分の割合が最も高く、それゆえ骨誘導性が最も高いことを示している。石灰化組織代替物Aでは、真珠層の割合が最も低く、アパタイトの割合が最も高かった。その結果、石灰化組織代替物Aの吸収速度は最も遅いため、より長い時間機械的サポートを提供し、大きな石灰化組織欠損に有益である。
ii.圧縮試験
機械的特性評価(表3、図2)は、湿度100%、37℃で3日間保持された円筒状試験片(直径10mmx高さ20mm)で実行され、即座にクロスヘッド速度0.1mm.min-1で1kNのロードセルを装備したインストロン試験機を使用して、圧縮試験に供された。この試験では、市販の円筒形多孔質骨代替材料(SKELITETM)がコントロール(直径5 mmx高さ5mm)として使用された。
圧縮強度は、次の数1に従って計算される。
σは、圧縮強度である。
Fは、圧縮下で対象にかかる力である。
Aは、力が適用される実際の断面積である。
ここで、
は、対象の元の試験片領域だる。
ΔLは、対象の長さが変化する量である。
は、対象の元の長さである。

真珠層オルトリン酸塩粒子、すなわち石灰化組織代替物の圧縮強度は、市販製品の圧縮強度の2〜3倍である。従って、石灰化組織代替物は、石灰化組織欠損において、より強力な機械的サポートを提供する。
iii.走査電子顕微鏡(SEM)
後方散乱電子(BSE)及び二次電子(SE)モードの走査電子顕微鏡(SEM)を使用して、5つの石灰化組織代替物の微細構造と形態を分析した。
図3及び4のSEM顕微鏡写真は、真珠層オルトリン酸塩粒子、すなわち石灰化組織代替物の表面形態をはっきりと示し、オルトリン酸カルシウムに囲まれた真珠層粒子、及びオルトリン酸カルシウムに被覆された真珠層粒子を示し、骨誘導性を高める生理活性組成物を供給する未反応の真珠層と、体内への移植後数週間で孔形成可能な早い吸収速度を有する露出した真珠層を示す。孔は、新しい石灰化組織の形成を初期段階で促進し、つまりオルトリン酸カルシウムは機械的サポートを提供するが、後の段階で石灰化組織に置き換えられる。
iv.硬化時間
初期及び最終の硬化時間(表4及び5)は、Vicat針による水硬性セメントペーストが硬化する時間の標準的な試験方法であるVicat法によって決定された。初期硬化時間は、反応開始から針のめり込みが25mmになるまでの時間として計算される。最終硬化時間は、針が試験材料にめり込まなくなるときの経過時間として計算される。測定値を3回収集し、平均値+SDで表した(n=5)。


表4及び表5は、原料としてより微細な粒子を使用して製造された石灰化組織代替物の硬化時間は、より粗い粒子の使用よりも速いことを示している。従って、石灰化組織代替物の硬化時間には粒径が重要である。
3.生体外試験
石灰化組織代替物の細胞適合性を調べるために、HeLa、ML0−Y4、及びMC3T3細胞株を石灰化組織代替物で培養した(図5〜8)。細胞接着はレーザー共焦点走査顕微鏡により観察された。細胞増殖は、コントロールとしてヒドロキシアパタイトを使用した比色MTS法により試験された。
v.レーザー走査型共焦点顕微鏡-細胞接着と細胞適合性
a.HeLa細胞株(24時間)
図5に示すHeLa細胞培養は、真珠層オルトリン酸塩粒子、すなわち石灰化組織の良好な細胞接着と細胞適合性を示した。
b.MLO−Y4細胞株(72時間)
MLO−Y4は、骨細胞様細胞株である。MLO−Y4細胞は、例2に従って調製された石灰化組織代替物A上で、真珠層粒子、ブルシャイト粒子及びリン酸四カルシウムを6:9:5の比率で使用して72時間培養した。細胞膜中のF−アクチンは、蛍光ファロイジン(赤)で標識された。レーザー共焦点走査顕微鏡は、石灰化組織代替物(ターコイズ)への細胞接着、及び石灰化組織代替物への進入する3D構造を示した。図6及び図7は、石灰化組織代替物への接着(図6)、樹状突起の成長(図6B)、及び樹状突起結合の生成(図7)を示している。
c.MC3T3細胞株(最大72時間)
MC3T3は骨芽細胞前駆細胞株であり、培養72時間までの細胞増殖アッセイに使用された。細胞増殖アッセイの結果を図8に示す。ネガティブコントロールは細胞を含まない試薬の吸光度であり、ポジティブコントロールは一般的な骨代替物であるヒドロキシアパタイト(Sigma-Aldrich)で培養したMC3T3細胞である。図8に示すように、細胞がオルトリン酸カルシウム塩粒子、すなわち石灰化組織代替物上で培養されたとき、ヒドロキシアパタイトと比較して細胞増殖はより速かった。細胞骨形成分化の結果を図9に示す。これは、真珠層オルトリン酸カルシウム複合体に対するALP活性がヒドロキシアパタイトよりも有意に高かったことを示す。この結果は、ヒドロキシアパタイトと比較して、オルトリン酸カルシウム材料が骨芽細胞に対してより強い骨誘導性を提供することを示した。
4.動物試験
石灰化組織代替物の生分解効率を調査するために、円筒状の石灰化組織代替物をウサギの背中の表在筋膜下に移植した。そして、石灰化組織代替物の生体適合性と骨誘導性を調べるために、石灰化組織代替物をウサギ大腿骨の遠位骨幹端領域の人工の骨欠損部位に移植した。例2に従って調製した石灰化組織代替物Cを動物実験で使用し、ヒドロキシアパタイトをコントロールとして使用した。
体重2.8+0.3kgの骨格的に成熟したニュージーランド白ウサギを動物実験で使用した。実験を開始する前に、動物を1週間順化させた。それらは、食物と水と共に、ケージごとに1匹ずつ滑らかな壁のステンレス製ケージに別々に保管され、National Health and Medical Research Council(NHMRC)の動物管理ガイドラインに従って取り扱われた。罹患率、瀕死、及び一般的な健康の観察(ケージ側)を1日1回行った。
vi.生分解効率
ニュージーランドシロウサギを、アミロバルビトン(0.03 mg/kg体重)の静脈内注射により麻酔した。円筒形の材料(直径10mm、高さ5mm、4つの真珠層リン酸カルシウム材料と4つのヒドロキシアパタイト材料)を、背側正中線アプローチ(左の真珠層カルシウムオルトリン酸塩材料、右のヒドロキシアパタイト材料)を介して動物の両側傍脊椎表層筋膜の下に移植した。各材料の1つを4つの異なる時点(3週間、6週間、9週間、又は12週間)で取り出し、重量を測定し、それぞれの重量損失の割合を計算した。テストは3回実行され、各時間経過における減量率の平均±SDを計算した。図10Aは、生分解速度を示す折れ線グラフであり、図10Bは、経時的な分解された材料の形態を示す写真を含む。図10Aの折れ線グラフは、真珠層カルシウムオルトリン酸塩材料の生分解速度がヒドロキシアパタイトよりも大幅に速いことを示している。しかし、図10Bに示すように、真珠層オルトリン酸カルシウム真珠層材料に対して、材料の侵食された表面が観察されたが、円筒形状は維持された。これは、石灰化組織代替物の生分解が、最も一般的に使用されている骨代替生体材料であるヒドロキシアパタイトよりも速いことを示している。そして、生物分解速度は、身体的支持が崩壊することなく、段階的で緩やかだった。
vii.生体適合性と骨誘導性
ニュージーランドシロウサギを、アミロバルビトン(0.03 mg/kg体重)の静脈内注射により麻酔した。動物を手術台の上に仰向けに置き、無菌状態で実験用膝(右)の毛を剃り、準備し、覆った。右大腿骨の骨幹端領域には、縦方向の内側傍膝蓋骨切開が入り、大腿骨の皮質骨を露出させるために膝蓋骨を横方向に脱臼させた。大腿骨の線骨端から2.5mm離れて、直径5mm、深さ5mmの円形の欠損を、ステンレス鋼の歯科用ドリルで作成した。次に、表5に従って、異なる石灰化組織代替物(Nacre-Orthophosphate)又はコントロール材料(hydroxyapatite)を異なる骨欠損部位に移植した。切開は層ごとに閉じた。各ウサギには、1つの大腿骨のみが手術され、33匹のウサギに合計33個の欠陥が形成された(図11)。術後、動物モデルは手術対照群のX線及びマイクロCTによって確認された(図12)。その後、ウサギはケージに戻され、自由に歩き回ることができた。手術後の最初の3日間、セファゾリン(200mg/kg)の筋肉内注射により各ウサギに抗感染症治療が行われた。
4週間及び8週間後、すべてのウサギを屠殺し、右大腿骨を回収し、軟部組織を除去した(図13)。次に、Micro−CTスキャンとアッセイを行う前に、サンプルをエタノール/水の体積分率でエタノール勾配で脱水した。

回収された大腿骨をスキャンし、マイクロCTを使用して高解像度で再構築し、骨/移植の界面を観察した(図14aのA、B、C、D、図14bのE、F)。試験片を、すべての3次元で10.5μmの等方性解像度で70keV及び145μAでμCT(Skyscanll72、Bruker、ドイツ)でスキャンした。大腿骨全体をスキャンした。各スキャンについて、大腿骨遠位でスキャンを実行し、0.5mm近位で継続した。選択した領域の総体積は一定であった(48mm)。3D画像に適用されたグレーの閾値を使用して、新しく形成された骨組織(閾値60)を残留物(閾値110)から分離した。欠陥部位で新しく形成された骨組織の体積は、閾値110から閾値60を引くことにより計算された。新しい骨組織の体積割合は、選択された体積の割合として表された。分解率は、さまざまな注入時間での材料の体積分率の差を計算することによって決定された。サンプルごとに3回繰り返した。その後、骨量/総量(BV/TV)、骨表面/骨量(BS/BV)、皮質厚(Ct.Th)、フラクタル次元(FD)及び多孔率(PoV/TV%)の値が計算された(図15、16、17)。
回収したサンプルの肉眼による観察(図13)、及びMicro−CTの画像(図14aのA及びD)から、骨欠損部位からの炎症性滲出、骨溶解、骨破壊などの炎症、感染又は拒絶の兆候はなかった。動物の一般的な健康観察から、ウサギは手術後は一般に健康であり、明らかな感染性及びアレルギーの兆候は検出されなかった。従って、この試験は、真珠層オルトリン酸カルシウム材料が安全で生体適合性のある移植片であることを示した。
4週間後と8週間後のMicro−CTの画像から、周囲の骨組織がオルトリン酸カルシウム材料にしっかりと接続されており、良好な材料の骨統合(図14aのA及びD)を示した。ブランク対照群(図14aのC及び図14bのF)と比較して、移植された真珠層オルトリン酸カルシウムとヒドロキシアパタイトの両方が骨欠損の回復を促進した。しかし、8週間後、オルトリン酸カルシウムを移植した群は、ヒドロキシアパタイトを移植した群(図14aのD及び図14bのE)よりも骨欠損側の皮質骨の良好な連続性を示し、より優れた骨治癒特性を示した。さらに重要なことは、真珠層オルトリン酸カルシウムを移植した群の皮質骨の厚さは、ヒドロキシアパタイトを移植した群よりも明らかに厚く、強い骨膜反応を示した。正確には、石灰化組織代替物によって刺激される強力な骨芽細胞活性を示した。
Micro−CTデータ分析の結果に示されているように(図15、16、17)、オルトリン酸カルシウム移植群のBV/TV及びBS/BVは、ヒドロキシアパタイト移植群よりも統計的に高かった。さらに、4週間で、真珠層オルトリン酸カルシウム移植群の骨欠損部位の空隙率は、ヒドロキシアパタイト移植群よりも低かった。結果は、真珠層オルトリン酸カルシウムを移植した群で、より多くの新しい骨が形成されたことを示す。これは、真珠層オルトリン酸カルシウム材料の骨誘導性によって説明できる。
要約すると、前臨床試験の重要な部分として、動物の試験は、ヒドロキシアパタイトなどの従来のリン酸カルシウム材料と比較して、オルトリン酸カルシウム材料が、その迅速な生分解速度、良好な生体適合性、及び骨誘導性により、より良い骨代替物であることを確認した。

Claims (31)

  1. 石灰化組織代替物の製造方法であって、
    粉砕された真珠層、リン酸一カルシウム、及び水を反応させてブルシャイトを生成し、
    ブルシャイトを粉砕し、
    リン酸水素二ナトリウム溶液中で、粉砕された真珠層と粉砕されたブルシャイトとを反応させることを備える方法。
  2. 粉砕された真珠層が、400μm以下又は200μm以下の粒径を有する、請求項1に記載の方法。
  3. 粉砕された真珠層が、50μm以上の粒径を有する、請求項1又は請求項2に記載の方法。
  4. 粉砕された真珠層が、50μm〜400μm又は50μm〜100μmの粒径を有する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 粉砕されたブルシャイトが10μm〜100μmの粒径を有する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 粉砕された真珠層とリン酸一カルシウムとを4:10の比で反応させる、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
  7. リン酸水素二ナトリウム溶液が8.2から9.5のpHを有する、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
  8. リン酸水素二ナトリウム溶液が2.5%から4%の溶液である、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
  9. 粉砕された真珠層とリン酸一カルシウムとを反応させ、及び/又は粉砕された真珠層と粉砕されたブルシャイトとを室温又はで約37℃反応させる、請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
  10. さらに、ブルシャイトを粉砕する前にブルシャイトを乾燥させることを含む請求項1〜9のいずれか1項に記載の方法。
  11. さらに、10μmから100μmの粒径を有する粉砕されたブルシャイトを分離することを含む請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法。
  12. 粉砕された真珠層と粉砕されたブルシャイトとが4:10の比率で反応する、請求項1〜11のいずれか一項に記載の方法。
  13. リン酸水素二ナトリウム溶液中で、粉砕された真珠層と粉砕されたブルシャイトとの反応が、リン酸四カルシウムをさらに含む、請求項1〜11のいずれか一項記載の方法。
  14. 粉砕された真珠層、粉砕されたブルシャイト、及びリン酸四カルシウムが、リン酸水素二ナトリウム溶液中で、6:9:5、7:8:5、8:7:5、9:6:5、又は10:5:5の比率で反応する、請求項13記載の方法。
  15. リン酸水素二ナトリウム溶液が、溶液中の他の反応物と反応する反応物比が25%、33%、40%又は50%である、請求項1〜14のいずれか一項に記載の方法。
  16. 組成物の硬化時間を変更する薬剤、任意にヘクトライト、ラポナイト又はアルファ硫酸カルシウムを添加することをさらに含む請求項1〜15のいずれか一項に記載の方法。
  17. 請求項1〜16のいずれか一項に記載の方法により製造された石灰化組織代替物。
  18. 粒子状であり、粒子表面にヒドロキシアパタイトを含む、請求項17に記載の代替物。
  19. 湿度100%及び37℃で硬化する、請求項17又は18に記載の代替物。
  20. 45Nより大きいピーク荷重、又は2.3MPaより大きい圧縮強度を有する、請求項17〜19のいずれか一項に記載の代替物。
  21. 移植可能又は注射可能である、請求項17〜20のいずれか一項に記載の代替物。
  22. 30分〜90分の初期硬化時間(Ti)を有する、請求項17〜21のいずれか一項に記載の代替物。
  23. 60分〜120分の最終硬化時間(Tf)を有する、請求項17〜21のいずれか一項に記載の代替物。
  24. 石灰化組織を修復するための石灰化組織代替物の製造における、粉砕された真珠層、リン酸一カルシウム、及び水の使用。
  25. 石灰化組織を修復するための方法であって、石灰化組織を請求項17〜23のいずれか一項に記載の代替物と接触させることを含む方法。
  26. 石灰化組織が歯又は骨である、請求項1〜16又は請求項25のいずれか一項に記載の方法、又は請求項24に記載の使用。
  27. 第1チャンバ及び第2チャンバを備える送達装置であって、第1チャンバは、粉砕された真珠層を含み、第2チャンバは、粉砕されたブルシャイトを含み、粉砕されたブルシャイトは、粉砕された真珠層と、リン酸一カルシウムと、水とを反応させ、得られたブルシャイトを粉砕することにより生成され、装置は、反応近接状態で粉砕された真珠層と粉砕されたブルシャイトを同時に送達し、それにより、粉砕された真珠層と粉砕されたブルシャイトとをリン酸水素二ナトリウム溶液の存在下で反応させるように適合される装置。
  28. 第1のチャンバ及び/又は第2のチャンバは、リン酸水素二ナトリウム溶液をさらに含む、請求項27に記載の装置。
  29. 装置が、リン酸水素二ナトリウム溶液を含む第3チャンバを含む、請求項27に記載の装置。
  30. 送達が、粉砕された真珠層と粉砕されたブルシャイトを混合することを含む、請求項27〜29のいずれか一項に記載の装置。
  31. 請求項27〜30のいずれか一項に記載の装置がシリンジである。
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