JP2020515546A - Mdm2−p53相互作用のイソインドリノン阻害剤およびそれを作製するためのプロセス - Google Patents

Mdm2−p53相互作用のイソインドリノン阻害剤およびそれを作製するためのプロセス Download PDF

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Abstract

本発明は、イソインドリン−1−オン誘導体を調製するためのプロセスに関し、具体的には、(2S,3S)−3−(4−クロロフェニル)−3−[(1R)−1−(4−クロロフェニル)−7−フルオロ−5−[(1S)−1−ヒドロキシ−1−(オキサン−4−イル)プロピル]−1−メトキシ−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−2−イル]−2−メチルプロパン酸を調製するためのプロセスに関する。本発明は、化合物(2S,3S)−3−(4−クロロフェニル)−3−[(1R)−1−(4−クロロフェニル)−7−フルオロ−5−[(1S)−1−ヒドロキシ−1−(オキサン−4−イル)プロピル]−1−メトキシ−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−2−イル]−2−メチルプロパン酸およびその塩の結晶形態にも関する。

Description

本発明は、イソインドリン−1−オン誘導体を調製するためのプロセスに関し、具体的には、(2S,3S)−3−(4−クロロフェニル)−3−[(1R)−1−(4−クロロフェニル)−7−フルオロ−5−[(1S)−1−ヒドロキシ−1−(オキサン−4−イル)プロピル]−1−メトキシ−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−2−イル]−2−メチルプロパン酸、ならびに化合物(2S,3S)−3−(4−クロロフェニル)−3−[(1R)−1−(4−クロロフェニル)−7−フルオロ−5−[(1S)−1−ヒドロキシ−1−(オキサン−4−イル)プロピル]−1−メトキシ−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−2−イル]−2−メチルプロパン酸およびその塩の結晶形態を調製するためのプロセスに関する。
イソインドリン化合物は、2015年9月29日出願の英国特許出願第1517216.6号および同第1517217.4号の優先権を主張する2016年9月29日出願の我々の以前の国際特許出願第PCT/GB2016/053042号および同第PCT/GB2016/053041号に開示されおり、これらの全ての内容は、参照によりそれらの全体として本明細書に組み込まれる。具体的には、化合物(2S,3S)−3−(4−クロロフェニル)−3−[(1R)−1−(4−クロロフェニル)−7−フルオロ−5−[(1S)−1−ヒドロキシ−1−(オキサン−4−イル)プロピル]−1−メトキシ−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−2−イル]−2−メチルプロパン酸が、我々の以前の国際特許出願第PCT/GB2016/053042号に開示されている。
形質転換関連タンパク質53(TP53)遺伝子は、53KDaのタンパク質、p53をコードする。腫瘍抑制因子タンパク質であるp53は、リン酸化、アセチル化、およびメチル化を含むいくつかの翻訳後修飾を介して低酸素症、DNA損傷、および癌遺伝子活性化等の細胞ストレスに反応し、活性化されるようになる多様な経路におけるシグナル伝達ノードとして機能する。p53は、自食作用、細胞接着、細胞代謝、繁殖性、ならびに幹細胞老化および成長を含む他の生理学的過程で付加的役割を果たす。ATM、CHK1および2、ならびにDNA−PKを含むキナーゼの活性化からもたらされるp53のリン酸化は、安定化した転写活性型のタンパク質をもたらし、このようにして様々な遺伝子産物を産生する。p53活性化への応答には、アポトーシス、生存、細胞周期停止、DNA修復、血管新生、浸潤、および自己調節が含まれる。それらの特定の組み合わせは、細胞の遺伝的バックグラウンドと共同して、観察される細胞効果、すなわちアポトーシス、細胞周期停止または老化を生じさせる。腫瘍細胞の場合、発がん性ストレスと相まった腫瘍抑制因子タンパク質および関連する細胞周期チェックポイント制御の喪失に起因して、アポトーシス経路が有利であり得る。
低酸素症およびDNA損傷等のストレス条件下で、タンパク質p53の細胞レベルが増加することが知られている。p53が、細胞周期にわたる進行、DNA修復の開始、およびプログラム細胞死を支配するいくつかの遺伝子の転写を開始することが知られている。これは、遺伝子研究を通して証明されたp53の腫瘍抑制因子としての役割に対する機構を提供する。
p53の活性は、MDM2タンパク質の転写自体がp53によって直接調節されるMDM2タンパク質との結合相互作用によって負にかつ密に調節される。p53は、そのトランス活性化ドメインがMDM2タンパク質によって結合されると不活性化される。いったん不活性化されると、p53の機能は抑制され、p53−MDM2複合体は、ユビキチン化の標的となる。
正常細胞において、活性p53と不活性MDM2結合p53との間の均衡は、自己調節の負のフィードバックループにおいて維持される。つまり、p53はMDM2発現を活性化することができ、次いで、p53の抑制につながる。
突然変異によるp53の不活性化が全ての一般的な成人散発性がんの約半分によく見られることが見出されている。さらに、腫瘍の約10%において、MDM2の遺伝子増幅および過剰発現が機能喪失型p53をもたらし、それによって悪性形質転換および無制御な腫瘍成長を許容する。
様々な機構によるp53の不活性化は、がんの発症および進行において頻繁に見られる因果的事象である。これらには、突然変異による不活性化、発がんウイルスによる標的化、ならびに、かなりの割合の症例においては、MDM2遺伝子の増幅および/またはその上昇した転写率によるMDM2タンパク質の過剰発現または増加した活性化が含まれる。MDM2タンパク質の過剰発現を生じさせるMDM2の遺伝子増幅が、一般的な散発性がんから採取した腫瘍試料において観察されてきた。全体的に、腫瘍の約10%がMDM2増幅を有し、最も高い発生率が肝細胞癌(44%)、肺(15%)、肉腫および骨肉腫(28%)、ならびにホジキン病(67%)に見られた(Danovi et al.,Mol.Cell.Biol.2004,24,5835−5843、Toledo et al.,Nat Rev Cancer 2006,6,909−923、Gembarska et al.,Nat Med 2012,18,1239−1247)。正常には、活性化したp53によるMDM2の転写活性化は、増加したMDM2タンパク質レベルをもたらして、負のフィードバックループを形成する。MDM2およびMDMXによるp53調節の本質的な性質は、遺伝子ノックアウトマウスモデルによって実証される。MDM2−/−ノックアウトマウスは、およそ着床時点で胚性致死性である。致死性は、Mdm2およびTrp53のダブルノックアウトにおいて救済される。MDM2は、p53トランス活性化ドメインへの結合およびその閉塞によって、ならびにそのE3−ユビキチンリガーゼ活性を通して複合体のプロテオソーム(proteosomal)破壊を促進することによって、p53の活性を直接阻害する。加えて、MDM2は、p53の転写標的であるため、これら2つのタンパク質は、自己調節フィードバックループにおいてつながっており、p53活性化が一過性であることを確実にする。
p16INK4a遺伝子座の代替リーディングフレーム(ARF)産物であるp14ARFタンパク質の誘導も、p53−MDM2相互作用を負に調節する機構である。p14ARFは、MDM2と直接相互作用し、p53転写応答の上方調節をもたらす。CDKN2A(INK4A)遺伝子におけるホモ接合性突然変異によるp14ARFの喪失は、上昇したレベルのMDM2、したがって、p53機能および細胞周期制御の喪失につながるであろう。
MDMXが強力なアミノ酸配列およびMDM2との構造的相同性を示すが、いずれのタンパク質も他方の喪失にとって代わることはできず、MDMXヌルマウスが子宮内で死亡する一方で、MDM2ノックアウトが初期胚発生中に致命的であるが、いずれもp53ノックアウトに助けられ得るため、致死性のp53依存性が実証されている。MDMXもp53に結合し、p53依存性転写を阻害するが、MDM2とは異なり、それはp53によって転写的に活性化されないため、同じ自己調節ループを形成しない。さらに、MDMXは、E3ユビキチンリガーゼ活性も核局在化シグナルも有しないが、それは、MDM2とのヘテロ二量体を形成してMDM2安定化に寄与することによってp53分解に寄与すると考えられている。
MDM2−p53阻害の治療上の論理的根拠は、タンパク質−タンパク質相互作用の強力な阻害剤がp53をMDM2の抑圧的支配から解放し、腫瘍におけるp53媒介性細胞死を活性化するということである。腫瘍においては、p53が既存のDNA損傷、または正常レベルもしくは過剰発現レベルでのMDM2の作用によって以前に遮断されていたがん遺伝子活性化シグナルを感知することから、選択性がもたらされることが想定される。正常細胞においては、p53活性化が、非アポトーシス経路の活性化、およびどちらかと言えば、保護的な成長阻害応答をもたらすことが予想される。加えて、MDM2−p53阻害剤の作用が非遺伝毒性の機構であるため、それらは、特に小児集団におけるがんの治療に好適である。
がんのうちの約50%が、p53をコードする遺伝子であるTP53が突然変異して、タンパク質の腫瘍抑制因子機能の喪失をもたらし、ときには新規の発がん機能を獲得するp53タンパク質バージョンさえももたらす細胞を持つ。
高レベルのMDM2増幅が存在するがんには、脂肪肉腫(88%)、軟部組織肉腫(20%)、骨肉腫(16%)、食道癌(13%)、およびB細胞悪性腫瘍を含むある特定の小児悪性腫瘍が含まれる。
本発明は、MDM2−p53相互作用を選択的に阻害し、かつ抗がん活性を有する新規の一連の化合物について説明する。
本発明は、1−メトキシイソインドリン、具体的には、(2S,3S)−3−(4−クロロフェニル)−3−[(1R)−1−(4−クロロフェニル)−7−フルオロ−5−[(1S)−1−ヒドロキシ−1−(オキサン−4−イル)プロピル]−1−メトキシ−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−2−イル]−2−メチルプロパン酸、およびその化合物の合成に有用な中間体を調製するための新規のプロセスを提供する。本発明は、化合物(2S,3S)−3−(4−クロロフェニル)−3−[(1R)−1−(4−クロロフェニル)−7−フルオロ−5−[(1S)−1−ヒドロキシ−1−(オキサン−4−イル)プロピル]−1−メトキシ−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−2−イル]−2−メチルプロパン酸およびその塩の新規の結晶形態も提供する。
第1の態様では、本発明は、式(1)の1−メトキシイソインドリン、
Figure 2020515546
またはその互変異性体もしくは溶媒和物もしくは塩を調製するためのプロセスであって、
前記プロセスが、式(2)の化合物を取り込むことであって、
Figure 2020515546
式中、cycが、フェニルまたは複素環式基Hetであり、前記複素環式基Hetが、ピリジニル、ピリミジニル、ピラジニル、もしくはピリダジニル、またはそのN−オキシドであり、
が、独立して、ヒドロキシ、ハロゲン、ニトロ、ニトリル、C1−4アルキル、ハロC1−4アルキル、ヒドロキシC1−4アルキル、C2−6アルケニル、C1−4アルコキシ、ハロC1−4アルコキシ、C2−4アルキニル、−O0,1−(CR−COH、−(CR−CO1−4アルキル、−(CR−CON(C1−4アルキル)、−P(=O)(R、−S(O)−R、3〜6個の環員を有する−S(O)−複素環式基、および−S(O)−N(Rから選択され、cycがHetである場合、Rが炭素原子に結合しており、
が、水素、C1−4アルキル、C2−6アルケニル、ヒドロキシC1−4アルキル、−(CR−COH、−(CR−CONR、−(CR−CO10から選択され、式中、R10が、C1−7アルキル、C1−7アルケネイル、C1−7ハロアルキル、トリC1−7アルキルシリル−C1−7アルキル、C5−20アリール、およびC5−20アリール−C1−7アルキルから選択され、
およびRが、独立して、ハロゲン、ニトリル、C1−4アルキル、ハロC1−4アルキル、C1−4アルコキシ、およびハロC1−4アルコキシから選択され、
Qが、−C(OH)R、−C(=O)R、ハロゲン(例えば、−F、−Cl、−Br、−I)、および−OTfから選択され、
およびRが、独立して、水素、C1−6アルキル、ハロC1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、ヒドロキシ、ヒドロキシC1−6アルキル、−COOC1−6アルキル、−(CH−O−C1−6アルキル、−(CH−O−(ヒドロキシC1−6アルキル)、−C1−6アルキル−NR、−(CR−CONR、−(CR−NRCOR、−(CR−O−CH−CONR、3〜7個の環員を有する複素環式基、3〜7個の環員を有する−CH−複素環式基、3〜7個の環員を有する−CH−O−複素環式基、3〜7個の環員を有する−CH−NH−複素環式基、3〜7個の環員を有する−CH−N(C1−6アルキル)−複素環式基、3〜7個の環員を有する−C(=O)NH−複素環式基、C3−8シクロアルキル、−CH−C3−8シクロアルキル、−CH−O−C3−8シクロアルキル、およびC3−8シクロアルケニルから選択され、前記シクロアルキル、前記シクロアルケニル、または前記複素環式基が、1つ以上のR基によって任意に置換されてもよく、各例において、前記複素環式基が、N、O、S、およびそれらの酸化形態から選択される1個以上(例えば、1、2、または3個)のヘテロ原子を含むか、または
Qが−C(OH)Rである場合、前記R基および前記R基が連結して、それらが結合している炭素原子と一緒に、C3−6シクロアルキルまたは3〜6個の環員を有するヘテロシクリル基を形成することができ、前記複素環式基が、N、O、S、およびそれらの酸化形態から選択される1個以上(例えば、1、2、または3個)のヘテロ原子を含み、前記C3−6シクロアルキルおよび前記ヘテロシクリル基が、1つ以上のR基によって任意に置換されてもよく、
が、水素、C1−6アルキル、ハロC1−6アルキル、ヒドロキシC1−6アルキル、−(CH−O−C1−6アルキル、−(CH−O−(ヒドロキシC1−6アルキル)、ヒドロキシC1−6アルコキシ、−(CH−CO1−6アルキル、−(CH−COH、−C1−6アルキル−N(H)(C1−4アルキル)2−e、−(CH)j−C3−8シクロアルキル、および−(CH−C3−8シクロアルケニルから選択され、
およびRが、独立して、水素、ハロゲン、ニトロ、ニトリル、C1−6アルキル、ハロC1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、ヒドロキシ、ヒドロキシC1−6アルキル、C1−6アルコキシ、−(CH−O−C1−6アルキル、ヒドロキシC1−6アルコキシ、−COOC1−6アルキル、−N(H)(C1−4アルキル)2−e、−C1−6アルキル−N(H)(C1−4アルキル)2−e、−(CH−C(=O)N(H)(C1−4アルキル)2−e、C3−8シクロアルキル、およびC3−8シクロアルケニルから選択されるか、または
前記R基および前記R基が連結して、それらが結合している炭素原子または窒素原子と一緒に、3〜5個の環員の芳香族ヘテロシクリル基に任意に縮合され得るC3−6シクロアルキルまたは3〜6個の環員を有する飽和ヘテロシクリル基を形成することができるか、または
炭素原子上にある場合、前記R基および前記R基が一緒に連結して、=CH基を形成することができ、Rが、独立して、ハロゲン、ニトロ、ニトリル、C1−6アルキル、ハロC1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、=O、ヒドロキシ、ヒドロキシC1−6アルキル、C1−6アルコキシ、−(CH−O−C1−6アルキル、ヒドロキシC1−6アルコキシ、−C(=O)C1−6アルキル、−C(=O)C1−6アルキル−OH、−C(=O)C1−6アルキル−N(H)(C1−4アルキル)2−e、−C(=O)N(H)(C1−4アルキル)2−e、−(CH−CO1−6アルキル、−(CH−COH、−N(H)(C1−4アルキル)2−e、−C1−6アルキル−N(H)(C1−4アルキル)2−e、3〜6個の環員を有するヘテロシクリル基、−C(=O)C1−4アルキルによって置換された3〜6個の環員を有するヘテロシクリル基、−C(=O)OC1−4アルキルによって置換された3〜6個の環員を有するヘテロシクリル基、−C(=O)N(H)(C1−4アルキル)2−eによって置換された3〜6個の環員を有するヘテロシクリル基、3〜6個の環員を有する−C(=O)ヘテロシクリル基、C3−8シクロアルキル、およびC3−8シクロアルケニルから選択され、Rがピリジンである場合、Rが−NH以外であり、
a、j、d、e、n、r、およびpが、独立して、0、1、および2から選択され、
kおよびmが、独立して、1および2から選択され、
uが、0、1、2、および3から選択され、
vおよびwが、独立して、0および1から選択される、取り込むことと、
式(2)の前記化合物を塩基の存在下でメチル化剤と反応させることと、を含む、プロセス。
第2の態様では、本発明は、(2S,3S)−3−(4−クロロフェニル)−3−[(1R)−1−(4−クロロフェニル)−7−フルオロ−5−[(1S)−1−ヒドロキシ−1−(オキサン−4−イル)プロピル]−1−メトキシ−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−2−イル]−2−メチルプロパン酸(3’)、
Figure 2020515546
またはその互変異性体もしくは溶媒和物もしくは薬学的に許容される塩である1−メトキシイソインドリンを調製するためのプロセスであって、
前記プロセスが、本発明の第1の態様によるプロセスを含む、プロセスを提供する。
第3の態様では、本発明は、(2S,3S)−3−(4−クロロフェニル)−3−[1−(4−クロロフェニル)−7−フルオロ−5−[(1S)−1−ヒドロキシ−1−(オキサン−4−イル)プロピル]−1−メトキシ−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−2−イル]−2−メチルプロパン酸、
Figure 2020515546
またはその互変異性体もしくは溶媒和物もしくは薬学的に許容される塩である1−メトキシイソインドリンを調製するためのプロセスであって、前記プロセスが、
(i)式(4)の化合物を取り込むことであって、
Figure 2020515546
式中、R10が、C1−7アルキル、C1−7アルケネイル、C1−7ハロアルキル、トリC1−7アルキルシリル−C1−7アルキル、C5−20アリール、およびC5−20アリール−C1−7アルキルから選択される、取り込むことと、
式(4)の前記化合物を塩基の存在下でメチル化剤と反応させて、式(5)の化合物を得ることと、
Figure 2020515546
(ii)その後、R10基を水素に変換して、(2S,3S)−3−(4−クロロフェニル)−3−[1−(4−クロロフェニル)−7−フルオロ−5−[(1S)−1−ヒドロキシ−1−(オキサン−4−イル)プロピル]−1−メトキシ−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−2−イル]−2−メチルプロパン酸(3)、
Figure 2020515546
またはその互変異性体もしくは溶媒和物もしくは薬学的に許容される塩を得る脱エステル化ステップと、
(iii)任意に、式(3)の前記化合物が分解されて、式(3’)の(2S,3S)−3−(4−クロロフェニル)−3−[(1R)−1−(4−クロロフェニル)−7−フルオロ−5−[(1S)−1−ヒドロキシ−1−(オキサン−4−イル)プロピル]−1−メトキシ−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−2−イル]−2−メチルプロパン酸、
Figure 2020515546
またはその互変異性体もしくは溶媒和物もしくは薬学的に許容される塩である立体異性体の割合を増加させるさらなるステップと、を含む、プロセスを提供する。
第4の態様では、本発明は、式(7)のアミンを調製するためのプロセスであって、
Figure 2020515546
前記プロセスが、式(12)のアルデヒドから出発し、
Figure 2020515546
前記プロセスが、
(i)式(12)の前記アルデヒドをHNBocおよびPhSONaと反応させて、式(13)の化合物を得るステップと、
Figure 2020515546
(ii)式(13)の前記化合物を塩基の存在下で脱離反応させて、式(14)のイミンを得るステップと、
Figure 2020515546
(iii)イミン(14)とプロパン−2−アールとの間で(S)−プロリンによって触媒されるイミノ−アルドール反応を起こして、式(15)のアルデヒドを得るステップと、
Figure 2020515546
(iii)アルデヒド(15)を酸化させて、酸(16)を得るステップと、
Figure 2020515546
(iii)酸(16)を変換して、エステル(17)を得るステップと、
Figure 2020515546
(iv)その後、Boc保護基を除去して、式(7)の前記アミンを得るステップと、を含む、プロセスを提供する。
第5の態様では、本発明は、(2S,3S)−3−(4−クロロフェニル)−3−[1−(4−クロロフェニル)−7−フルオロ−5−[(1S)−1−ヒドロキシ−1−(オキサン−4−イル)プロピル]−1−メトキシ−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−2−イル]−2−メチルプロパン酸(3)、
Figure 2020515546
またはその互変異性体もしくは溶媒和物もしくは薬学的に許容される塩である1−メトキシイソインドリンを調製するためのプロセスであって、
前記プロセスが、以下の式の化合物であって、
Figure 2020515546
式中、R10が、C1−7アルキル、C1−7ハロアルキル、トリC1−7アルキルシリル−C1−7アルキル、C5−20アリール、およびC5−20アリール−C1−7アルキルから選択される、化合物を脱エステル化して、
(2S,3S)−3−(4−クロロフェニル)−3−[1−(4−クロロフェニル)−7−フルオロ−5−[(1S)−1−ヒドロキシ−1−(オキサン−4−イル)プロピル]−1−メトキシ−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−2−イル]−2−メチルプロパン酸、またはその互変異性体もしくは溶媒和物もしくは薬学的に許容される塩を得るステップと、
任意に、式(3)の前記化合物が分解されて、式(3’)の(2S,3S)−3−(4−クロロフェニル)−3−[(1R)−1−(4−クロロフェニル)−7−フルオロ−5−[(1S)−1−ヒドロキシ−1−(オキサン−4−イル)プロピル]−1−メトキシ−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−2−イル]−2−メチルプロパン酸、
Figure 2020515546
またはその互変異性体もしくは溶媒和物もしくは薬学的に許容される塩である立体異性体の割合を増加させるさらなるステップと、を含む、プロセスを提供する。
第6の態様では、本発明は、(2S,3S)−3−(4−クロロフェニル)−3−[1−(4−クロロフェニル)−7−フルオロ−5−[(1S)−1−ヒドロキシ−1−(オキサン−4−イル)プロピル]−1−メトキシ−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−2−イル]−2−メチルプロパン酸(3)、
Figure 2020515546
またはその互変異性体もしくは溶媒和物もしくは薬学的に許容される塩である1−メトキシイソインドリンを調製するためのプロセスであって、
前記プロセスが、任意の順序で、
(i)式(4’’)の化合物を脱エステル化するステップであって、
Figure 2020515546
式中、R10が、C1−7アルキル、C1−7ハロアルキル、トリC1−7アルキルシリル−C1−7アルキル、C5−20アリール、およびC5−20アリール−C1−7アルキルから選択される、脱エステル化するステップと、
(ii)−Si(C1−4アルキル)保護基をアルコールから除去して、(2S,3S)−3−(4−クロロフェニル)−3−[(1−(4−クロロフェニル)−7−フルオロ−5−[(1S)−1−ヒドロキシ−1−(オキサン−4−イル)プロピル]−1−メトキシ−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−2−イル]−2−メチルプロパン酸、またはその互変異性体もしくは溶媒和物もしくは薬学的に許容される塩を得るステップと、
任意に、式(3)の前記化合物が分解されて、式(3’)の(2S,3S)−3−(4−クロロフェニル)−3−[(1R)−1−(4−クロロフェニル)−7−フルオロ−5−[(1S)−1−ヒドロキシ−1−(オキサン−4−イル)プロピル]−1−メトキシ−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−2−イル]−2−メチルプロパン酸、
Figure 2020515546
またはその互変異性体もしくは溶媒和物もしくは薬学的に許容される塩である立体異性体の割合を増加させるさらなるステップと、を含む、プロセスを提供する。
第7の態様では、本発明は、本明細書で定義される化合物(4’)、(4’’)、(5)、(18)、(19)、(21)、(22)、(23)、(24)、25)、(26a)、(26b)、または(27)である新規の化合物を提供する。
第8の態様では、本発明は、
(a)回折角15.1、15.5、15.8、および22.3度2θ(±0.2度2θ)のピークを特徴とするX線粉末回折パターン、または
(b)3.99、5.62、5.71、および5.87Åの面間隔を有する、(2S,3S)−3−(4−クロロフェニル)−3−[(1R)−1−(4−クロロフェニル)−7−フルオロ−5−[(1S)−1−ヒドロキシ−1−(オキサン−4−イル)プロピル]−1−メトキシ−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−2−イル]−2−メチルプロパン酸の結晶形態を提供する。
第9の態様では、本発明は、DSCに供されたときに266〜267℃(例えば、266.61℃)で発熱ピークを呈する、(2S,3S)−3−(4−クロロフェニル)−3−[(1R)−1−(4−クロロフェニル)−7−フルオロ−5−[(1S)−1−ヒドロキシ−1−(オキサン−4−イル)プロピル]−1−メトキシ−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−2−イル]−2−メチルプロパン酸の結晶形態を提供する。
定義
別途文脈が示さない限り、本明細書の全ての節(本発明の使用、方法、および他の態様を含む)における任意の化合物への言及は、本明細書で定義される全ての他の部分式、部分群、実施形態、および実施例への言及を含む。
「効力」とは、所与の強度の効果をもたらすために必要とされる量によって表される薬物活性の尺度である。効力の高い薬物は、低濃度でより大きい応答を喚起する。効力は、親和性および有効性に比例する。親和性は、薬物の受容体に結合する能力である。有効性は、受容体占有と、応答を分子、細胞、組織または系レベルで惹起する能力との間の関係である。
「アンタゴニスト」という用語は、アゴニスト媒介性生物学的応答を遮断または減衰する一種の受容体リガンドまたは薬物を指す。アンタゴニストは、それらの同族受容体に対して親和性を有するが、アゴニスト有効性を有さず、結合は、受容体における任意のリガンド(例えば、内因性リガンドまたは基質、アゴニストまたは逆アゴニスト)の相互作用を妨害し、その機能を阻害する。アンタゴニズムは、直接的にも間接的にも生じ得、任意の機構によって、任意の生理学的レベルで媒介され得る。結果として、リガンドのアンタゴニズムは、異なる状況下において、機能的に異なる方式で現れ得る。アンタゴニストは、受容体上の活性部位またはアロステリック部位への結合によってそれらの効果を媒介するか、あるいはそれらは、受容体の活性の生物学的調節において通常は関与しない固有の結合部位において相互作用し得る。アンタゴニスト活性は、アンタゴニスト−受容体複合体の存続期間に応じて可逆的でも不可逆的でもあり得、次いで、アンタゴニスト受容体結合の性質に依存する。
本明細書で使用されるとき、「媒介される」という用語は、例えば、本明細書に記載のMDM2/p53と併せて使用される(かつ例えば、種々の生理学的過程、疾患、病状、状態、療法、治療、または介入に適用される)とき、この用語が適用される種々の過程、疾患、病状、状態、治療、および介入が、タンパク質が生物学的役割を果たす過程、疾患、病状、状態、治療、および介入となるように限定的に機能するよう意図されている。この用語が疾患、病状、または状態に適用される場合、タンパク質によって果たされる生物学的役割は、直接的でも間接的でもあり得、疾患、病状、または状態の症状の発現(またはその病因または進行)に必要かつ/または十分であり得る。したがって、タンパク質機能(および具体的には異常なレベルの機能、例えば、過剰または過少発現)は、必ずしも疾患、病状、または状態の近因である必要はなく、むしろ、媒介される疾患、病状、または状態が、問題となるタンパク質が部分的にのみ関与する多因子病因および複雑な進行を有する疾患、病状、または状態を含むことが企図される。この用語が治療、予防または介入に適用される場合、タンパク質によって果たされる役割は、直接的でも間接的でもあり得、治療、予防の作動または介入の帰結に必要かつ/または十分であり得る。したがって、タンパク質によって媒介される病状または状態には、任意の特定のがん薬物または治療への耐性の発達が含まれる。
状態、すなわち病状、障害、または疾患の治療との関連で本明細書で使用される「治療」という用語は、概して、ヒトまたは動物(例えば、獣医学的用途)にかかわらず、いくらかの所望の治療効果、例えば、状態の進行の抑制が達成される治療および療法に関し、状態の進行速度の低減、状態の進行速度の停止、状態の改善、治療される状態に関連するか、またはそれによって引き起こされる少なくとも1つの症状の軽減または緩和、および状態の治癒を含む。例えば、治療は、障害の1つもしくは複数の症状の減少、または障害の完全な根絶であり得る。
状態、すなわち、病状、障害、または疾患の治療との関連で本明細書で使用される「予防」(すなわち、予防的措置としての化合物の使用)という用語は、概して、ヒトまたは動物(例えば、獣医学的用途)にかかわらず、例えば、疾患の発症の予防または疾患からの防御においていくらかの所望の予防効果が達成される予防(prophylaxis)または予防(prevention)に関する。予防には、障害の全ての症状の無期限の期間にわたる完全かつ全面的な遮断、疾患の1つもしくは複数の症状の発現の単なる減速、または疾患が発生する可能性を減少させることが含まれる。
がん等の病状または状態の予防または治療への言及は、それらの範囲内に、例えば、がんの緩和またはその発生率の低減を含む。
本発明の組み合わせは、別個に投与されたときに個々の化合物/薬剤の治療効果と比較して治療上効果的な効果をもたらし得る。
「効果的な」という用語は、相加作用、相乗作用、副作用の低減、毒性の低減、疾患進行までの時間増加、生存期間の増加、1つの薬剤の別の薬剤への感作もしくは再感作、または奏効率の改善等の有利な効果を含む。有利には、効果的な効果は、各構成成分またはいずれかの構成成分のより低い用量が患者に投与され、それにより、同じ治療効果をもたらし、かつ/または維持しながら、化学療法の毒性を軽減することを可能にし得る。本文脈における「相乗」効果は、個別に提示されたときの組み合わせの薬剤の治療効果の合計よりも大きな、組み合わせによって生み出される治療効果を指す。本文脈における「相加」効果は、個別に提示されたときの組み合わせの薬剤のうちのいずれかの治療効果よりも大きな、組み合わせによって生み出される治療効果を指す。本明細書で使用される「奏効率」という用語は、固形腫瘍の場合、所与の時点、例えば、12週目での、腫瘍のサイズの低減の程度を指す。したがって、例えば、50%奏効率は、腫瘍サイズの50%の低減を意味する。本明細書における「臨床奏功」への言及は、50%以上の奏効率を指す。「部分奏功」は、本明細書において、50%未満の奏効率であると定義される。
本明細書で使用されるとき、2つ以上の化合物および/または薬剤に適用される「組み合わせ」という用語は、2つ以上の薬剤が会合している材料を定義するよう意図されている。この文脈における「組み合わされた」および「組み合わせること」という用語は、それに応じて解釈されるものとする。
組み合わせにおける2つ以上の化合物/薬剤の会合は、物理的または非物理的であり得る。物理的に会合した組み合わせられた化合物/薬剤の例としては、
●2つ以上の化合物/薬剤を混和した状態で(例えば、同じ単位用量内に)含む組成物(例えば、単位製剤)、
●2つ以上の化合物/薬剤が(例えば、架橋、分子凝集、または共通のビヒクル部分への結合によって)化学的/物理化学的に結合している材料を含む組成物、
●2つ以上の化合物/薬剤が化学的/物理化学的に共包装されている(例えば、脂質小胞上もしくは中、粒子(例えば、微粒子もしくはナノ粒子)上もしくは中、または乳濁液液滴上もしくは中に配置されている)材料を含む組成物、
●2つ以上の化合物/薬剤が(例えば、一連の単位用量の一部として)共包装または共提示されている薬学的キット、薬学的パック、または患者パックが挙げられる。
非物理的に会合している組み合わせられた化合物/薬剤の例としては、
●2つ以上の化合物/薬剤のうちの少なくとも1つを、2つ以上の化合物/薬剤の物理的会合を形成するための少なくとも1つの化合物の即時会合についての説明書と一緒に含む材料(例えば、非単位製剤)、
●2つ以上の化合物/薬剤のうちの少なくとも1つを、2つ以上の化合物/薬剤との併用療法についての説明書と一緒に含む材料(例えば、非単位製剤)、
●2つ以上の化合物/薬剤のうちの少なくとも1つを、2つ以上の化合物/薬剤の他の化合物/薬剤(複数可)が投与されていた(または投与されている)患者集団への投与についての説明書と一緒に含む材料、
●2つ以上の化合物/薬剤のうちの少なくとも1つを、2つ以上の化合物/薬剤の他の化合物/薬剤(複数可)と組み合わせて使用するために特別に適合された量または形態で含む材料が挙げられる。
本明細書で使用されるとき、「併用療法」という用語は、(上記に定義される)2つ以上の化合物/薬剤の組み合わせの使用を含む療法を定義するよう意図されている。したがって、本出願における「併用療法」、「組み合わせ」、および化合物/薬剤の「組み合わせでの」使用への言及は、同じ全体的な治療レジメンの一部として投与される化合物/薬剤を指し得る。したがって、2つ以上の化合物/薬剤の各々の薬量は異なり得、各々、同じ時間または異なる時間に投与され得る。したがって、組み合わせの化合物/薬剤が、同じ薬学的製剤(すなわち、一緒に)、または異なる薬学的製剤(すなわち、別個に)のいずれかで、逐次(例えば、前もしくは後)または同時に投与され得ることが理解されよう。同じ製剤における同時が単位製剤としてである一方で、異なる薬学的製剤における同時は、非単位である。併用療法における2つ以上の化合物/薬剤の各々の薬量も、投与経路に関して異なり得る。
本明細書で使用されるとき、「薬学的キット」という用語は、投薬手段(例えば、測定装置)および/または送達手段(例えば、吸入器またはシリンジ)と一緒に、任意に全てが共通の外装内に収容された、薬学的組成物の一連の1つ以上の単位用量を定義する。2つ以上の化合物/薬剤の組み合わせを含む薬学的キットにおいて、個々の化合物/薬剤は、単位製剤または非単位製剤であり得る。単位剤形(複数可)は、ブリスターパック内に収容され得る。薬学的キットは、任意に、使用説明書をさらに含み得る。
本明細書で使用されるとき、「薬学的パック」という用語は、任意に共通の外装内に収容された、薬学的組成物の一連の1つ以上の単位用量を定義する。2つ以上の化合物/薬剤の組み合わせを含む薬学的パックにおいて、個々の化合物/薬剤は、単位製剤または非単位製剤であり得る。単位剤形(複数可)は、ブリスターパック内に収容され得る。薬学的パックは、任意に、使用説明書をさらに含み得る。
本明細書で使用される「任意に置換される」という用語は、置換されていなくても、本明細書で定義される置換基によって置換されていてもよい基を指す。
本明細書で使用される「Cx−y」(式中、xおよびyは整数である)という接頭辞は、所与の基における炭素原子の数を指す。したがって、C1−6アルキル基は、1〜6個の炭素原子を含み、C3−6シクロアルキル基は、3〜6個の炭素原子を含み、C1−4アルコキシ基は、1〜4個の炭素原子を含むといった具合である。
本明細書で使用される「ハロ」または「ハロゲン」という用語は、フッ素、塩素、臭素、またはヨウ素、具体的には、フッ素または塩素を指す。
化合物中のありとあらゆる水素(アルキル基における、または水素と称される場合等)には、水素の全ての同位体、具体的には、HおよびH(重水素)が含まれる。
本明細書で使用される「オキソ」という用語は、基=Oを指す。
基または基の一部として本明細書で使用される「C1−4アルキル」という用語は、それぞれ、1〜4個の炭素原子を含む直鎖または分岐飽和炭化水素基を指す。かかる基の例としては、メチル、エチル、n−プロピルイソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert ブチル等が挙げられる。
基または基の一部として本明細書で使用される「C2−4アルケニル」または「C2−6アルケニル」という用語は、それぞれ、2〜4個または2〜6個の炭素原子を含み、かつ炭素−炭素二重結合を含む直鎖または分岐炭化水素基を指す。かかる基の例としては、C3−4アルケニルまたはC3−6アルケニル基、等のエテニル(ビニル)、1−プロペニル、2−プロペニル(アリル)、イソプロペニル、ブテニル、ブタ−1,4−ジエニル、ペンテニル、およびヘキセニルが挙げられる。
基または基の一部として本明細書で使用される「C2−4アルキニル」または「C2−6アルキニル」という用語は、それぞれ、2〜4個または2〜6個の炭素原子を有し、かつ炭素−炭素三重結合を含む直鎖または分岐炭化水素基を指す。かかる基の例としては、C3−4アルキニルまたはC3−6アルキニル基、例えば、エチニルおよび2−プロピニル(プロパルギル)基が挙げられる。
基または基の一部として本明細書で使用される「C1−4アルコキシ」という用語は、−O−C1−4アルキル基を指し、式中、C1−4アルキルは、本明細書で定義される通りである。かかる基の例としては、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ等が挙げられる。
本明細書で使用される「C3−6シクロアルキル」という用語は、3〜6個の炭素原子の飽和単環式炭化水素環を指す。かかる基の例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、またはシクロヘキシル等が挙げられる。
本明細書で使用される「C3−6シクロアルケニル」という用語は、1つ以上(通常は1つ)の炭素−炭素二重結合(複数可)を有する3〜6個の炭素原子の部分飽和単環式炭化水素環を指す。かかる基の例としては、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、およびシクロヘキサジエニルが挙げられる。
基または基の一部として本明細書で使用される「ヒドロキシC1−4アルキル」という用語は、1個または1個よりも多く(例えば、1、2、または3個)の水素原子がヒドロキシル基で置き換えられている、本明細書で定義されるC1−4アルキル基を指す。したがって、「ヒドロキシC1−4アルキル」という用語は、モノヒドロキシC1−4アルキルを含み、ポリヒドロキシC1−4アルキルも含む。1個、2個、3個、またはそれよりも多くの水素原子がヒドロキシル基でウェル換えられている場合があるため、ヒドロキシC1−4アルキルは、1個、2個、3個、またはそれよりも多くのヒドロキシル基を有し得る。かかる基の例としては、ヒドロキシメチル、ヒドロキシエチル、ヒドロキシプロピル等が挙げられる。
基または基の一部として本明細書で使用される「ハロC1−4アルキル」という用語は、1個または1個よりも多く(例えば、1個、2個、または3個)の水素原子がハロゲンで置き換えられている本明細書で定義されるC1−4アルキル基を指す。したがって、「ハロC1−4アルキル」という用語は、モノハロC1−4アルキルを含み、ポリハロC1−4アルキルも含む。1個、2個、3個、またはそれよりも多くの水素原子がハロゲンで置き換えられている場合があるため、ハロC1−4アルキルは、1個、2個、3個、またはそれよりも多くのハロゲンを有し得る。かかる基の例としては、フルオロエチル、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、またはトリフルオロエチル等が挙げられる。
基または基の一部として本明細書で使用される「ハロC1−4アルコキシ」という用語は、1個または1個よりも多く(例えば、1個、2個、または3個)の水素原子がハロゲンで置き換えられている、本明細書で定義される−O−C1−4アルキル基を指す。したがって、「ハロC1−4アルコキシ」という用語は、モノハロC1−4アルコキシを含み、ポリハロC1−4アルコキシも含む。1個、2個、3個、またはそれよりも多くの水素原子がハロゲンで置き換えられている場合があるため、ハロC1−4アルコキシは、1個、2個、3個、またはそれよりも多くのハロゲンを有し得る。かかる基の例としては、フルオロエチルオキシ、ジフルオロメトキシ、またはトリフルオロメトキシ等が挙げられる。
本明細書で使用される「ヘテロシクリル基」という用語は、文脈が別途示さない限り、芳香族環系および非芳香族環系の両方を含むものとする。したがって、例えば、「ヘテロシクリル基」という用語は、それらの範囲内に、芳香族、非芳香族、不飽和、部分飽和、および飽和ヘテロシクリル環系を含む。一般に、文脈が別途示さない限り、かかる基は、単環式または二環式(縮合、スピロおよび架橋二環式基を含む)であり得、例えば、3〜12個の環員、より通常は5〜10個の環員を含み得る。4〜7個の環員への言及は、環内に4、5、6、または7個の原子を含み、4〜6個の環員への言及は、環内に4、5、または6個の原子を含む。単環式基の例は、3、4、5、6、7、および8個の環員、より通常は3〜7、または4〜7、および好ましくは5、6、または7個の環員、より好ましくは5または6個の環員を含む基である。二環式基の例は、8、9、10、11、および12個の環員、より通常は9または10個の環員を含む基である。ヘテロシクリル基は、5〜12個の環員、より通常は5〜10個の環員を有するヘテロアリール基であり得る。本明細書でヘテロシクリル基に言及する場合、ヘテロシクリル環は、文脈が別途示さない限り、任意に置換されていてもよく、すなわち、置換されていないか、または本明細書で定義される1つ以上(例えば、1、2、3、または4つ、具体的には、1つまたは2つ)の置換基によって置換されていてもよい。
ヘテロシクリル基は、例えば、縮合5および6員環もしくは2つの縮合6員環、または2つの縮合5員環から形成された5員または6員単環式環または二環式構造であり得る。各環は、特に窒素、硫黄、および酸素、ならびに窒素(nitorgen)または硫黄の酸化形態から選択される、最大5個のヘテロ原子を含み得る。具体的には、ヘテロシクリル環は、最大4個のヘテロ原子、より具体的には最大3個のヘテロ原子、より通常は最大2個、例えば、単一のヘテロ原子を含むであろう。一実施形態では、ヘテロシクリル環は、N、O、S、およびNまたはSの酸化形態から選択される1個または2個のヘテロ原子を含むであろう。一実施形態では、ヘテロシクリル環は、少なくとも1個の環窒素原子を含む。ヘテロシクリル環内の窒素原子は、イミダゾールもしくはピリジンの場合のように、塩基性、またはインドールもしくはピロール窒素の場合のように、本質的に非塩基性であり得る。一般に、ヘテロシクリル基に存在する塩基性窒素原子の数は、その環の任意のアミノ基置換基を含めて、5個未満であろう。
ヘテロシクリル基は、炭素原子またはヘテロ原子(例えば、窒素)を介して結合され得る。同様に、ヘテロシクリル基は、炭素原子またはヘテロ原子(例えば、窒素)上で置換され得る。
5員芳香族ヘテロシクリル基の例としては、ピロリル、フラニル、チエニル、イミダゾリル、フラザニル、オキサゾリル、オキサジアゾリル、オキサトリアゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、チアジアゾリル、イソチアゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル、およびテトラゾリル基が挙げられるが、これらに限定されない。
6員芳香族複素環式基の例としては、ピリジニル、ピラジニル、ピリダジニル、ピリミジニル、およびトリアジニルが挙げられるが、これらに限定されない。
「ヘテロアリール」という用語は、芳香族特徴を有するヘテロシクリル基を表すために本明細書で使用される。「ヘテロアリール」という用語は、1つ以上の環が非芳香族である多環式(例えば、二環式)環系を包含するが、但し、少なくとも1つの環が芳香族であることを条件とする。かかる多環式系において、基には芳香族環または非芳香族環が結合していてもよい。
ヘテロアリール基の例は、5〜12個の環員、より通常は5〜10個の環員を含む単環式基および二環式基である。
5員ヘテロアリール基の例としては、ピロール、フラン、チオフェン、イミダゾール、フラザン、オキサゾール、オキサジアゾール、オキサトリアゾール、イソオキサゾール、チアゾール、チアジアゾール、イソチアゾール、ピラゾール、トリアゾール、およびテトラゾール基が挙げられるが、これらに限定されない。
6員ヘテロアリール基の例としては、ピリジン、ピラジン、ピリダジン、ピリミジン、およびトリアジンが挙げられるが、これらに限定されない。
二環式ヘテロアリール基は、例えば、以下から選択される基であり得る。
a)1、2、または3個の環ヘテロ原子を含む5または6員環に縮合されたベンゼン環、
b)0、1、2、または3個の環ヘテロ原子を含む5または6員環に縮合されたピリジン環、
c)0、1、または2個の環ヘテロ原子を含む5または6員環に縮合されたピリミジン環、
d)0、1、2、または3個の環ヘテロ原子を含む5または6員環に縮合されたピロール環、
e)0、1、または2個の環ヘテロ原子を含む5または6員環に縮合されたピラゾール環、
f)0、1、または2個の環ヘテロ原子を含む5または6員環に縮合されたイミダゾール環、
g)0、1、または2個の環ヘテロ原子を含む5または6員環に縮合されたオキサゾール環、
h)0、1、または2個の環ヘテロ原子を含む5または6員環に縮合されたイソオキサゾール環、
i)0、1、または2個の環ヘテロ原子を含む5または6員環に縮合されたチアゾール環、
j)0、1、または2個の環ヘテロ原子を含む5または6員環に縮合されたイソチアゾール環、
k)0、1、2、または3個の環ヘテロ原子を含む5または6員環に縮合されたチオフェン環、
l)0、1、2、または3個の環ヘテロ原子を含む5または6員環に縮合されたフラン環、
m)1、2、または3個の環ヘテロ原子を含む5または6員環に縮合されたシクロヘキシル環、および
n)1、2、または3個の環ヘテロ原子を含む5または6員環に縮合されたシクロペンチル環。
別の5員環に縮合された5員環を含む二環式ヘテロアリール基の具体的な例としては、イミダゾチアゾール(例えば、イミダゾ[2,1−b]チアゾール)およびイミダゾイミダゾール(例えば、イミダゾ[1,2−a]イミダゾール)が挙げられるが、これらに限定されない。
5員環に縮合された6員環を含む二環式ヘテロアリール基の具体的な例としては、ベンゾフラン、ベンゾチオフェン、ベンズイミダゾール、ベンゾオキサゾール、イソベンゾオキサゾール、ベンズイソオキサゾール、ベンゾチアゾール、ベンズイソチアゾール、イソベンゾフラン、インドール、イソインドール、インドリジン、インドリン、イソインドリン、プリン(例えば、アデニン、グアニン)、インダゾール、ピラゾロピリミジン(例えば、ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン)、トリアゾロピリミジン(例えば、[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリミジン)、ベンゾジオキソール、イミダゾピリジン、およびピラゾロピリジン(例えば、ピラゾロ[1,5−a]ピリジン)基が挙げられるが、これらに限定されない。
2つの縮合6員環を含む二環式ヘテロアリール基の具体的な例としては、キノリン、イソキノリン、クロマン、チオクロマン、イソクロマン、クロメン、イソクロメン、ベンゾジオキサン、キノリジン、ベンゾオキサジン、ピリドピリジン、キノキサリン、キナゾリン、シンノリン、フタラジン、ナフチリジン、およびプテリジン基が挙げられるが、これらに限定されない。
芳香族環および非芳香族環を含む多環式ヘテロアリール基の例としては、テトラヒドロイソキノリン、テトラヒドロキノリン、ジヒドロベンズチオフェン、ジヒドロベンゾフラン、2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン、ベンゾ[1,3]ジオキソール、4,5,6,7−テトラヒドロベンゾフラン、テトラヒドロトリアゾロピラジン(例えば、5,6,7,8−テトラヒドロ−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピラジン)、クロマン、チオクロマン、イソクロマン、クロメン、イソクロメン、ベンゾジオキサン、ベンゾオキサジン、ベンゾジアゼピン、およびインドリン基が挙げられる。
窒素含有ヘテロアリール環は、少なくとも1個の環窒素原子を含まなければならない。窒素含有ヘテロアリール環は、N結合またはC結合であり得る。加えて、各環は、特に窒素、硫黄、および酸素から選択される、最大約4個の他のヘテロ原子を含み得る。具体的には、ヘテロアリール環は、最大3個のヘテロ原子、例えば、1、2、または3個、より通常は最大2個の窒素、例えば、単一の窒素を含むであろう。ヘテロアリール環内の窒素原子は、イミダゾールもしくはピリジンの場合のように、塩基性であり得るか、またはインドールもしくはピロール窒素の場合のように、本質的に非塩基性であり得る。一般に、ヘテロアリール基に存在する塩基性窒素原子の数は、その環の任意のアミノ基置換基を含めて、5個未満であろう。
窒素含有ヘテロアリール基の例としては、単環式基、例えば、ピリジル、ピロリル、イミダゾリル、オキサゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、オキサトリアゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、フラザニル、ピラゾリル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、トリアジニル、トリアゾリル(例えば、1,2,3−トリアゾリル、1,2,4−トリアゾリル)、テトラゾリル、および二環式基、例えば、キノリニル、イソキノリニル、ベンズイミダゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンズイソオキサゾール、ベンゾチアゾリルおよびベンズイソチアゾール、インドリル、3H−インドリル、イソインドリル、インドリジニル、イソインドリニル、プリニル(例えば、アデニン[6−アミノプリン]、グアニン[2−アミノ−6−ヒドロキシプリン])、インダゾリル、キノリジニル、ベンゾオキサジニル、ベンゾジアゼピニル、ピリドピリジニル、キノキサリニル、キナゾリニル、シンノリニル、フタラジニル、ナフチリジニル、およびプテリジニルが挙げられるが、これらに限定されない。
芳香族環および非芳香族環を含む窒素含有多環式ヘテロアリール基の例としては、テトラヒドロイソキノリニル、テトラヒドロキノリニル、およびインドリニルが挙げられる。
「非芳香族」という用語は、文脈が別途示さない限り、芳香族特徴を有しない不飽和環系、部分飽和および飽和ヘテロシクリル環系を包含する。「不飽和」および「部分飽和」という用語は、環構造(複数可)が1つより多くの原子価結合を共有する原子を含む環、すなわち、環が少なくとも1つの多重結合、例えば、C=C、C°C、またはN=C結合を含む環を指す。「飽和」という用語は、環原子間に多重結合が存在しない環を指す。飽和ヘテロシクリル基には、ピペリジニル、モルホリニル、およびチオモルホリニルが含まれる。部分飽和ヘテロシクリル基には、ピラゾリニル、例えば、ピラゾリン−2−イル、およびピラゾリン−3−イルが含まれる。
非芳香族ヘテロシクリル基の例は、3〜12個の環員、より通常は5〜10個の環員を有する基である。かかる基は、単環式または二環式であり得、例えば、3〜7個の環員、具体的には、4〜6個の環員を有し得る。かかる基は、具体的には、通常は窒素、酸素、および硫黄、ならびにそれらの酸化形態から選択される、1〜5個または1〜4個のヘテロ原子環員(より通常は1、2、または3個のヘテロ原子環員)を有する。ヘテロシクリル基は、例えば、環式エーテル部分(例えば、テトラヒドロフランおよびジオキサンにおいて見られる)、環式チオエーテル部分(例えば、テトラヒドロチオフェンおよびジチアンにおいて見られる)、環式アミン部分(例えば、ピロリジンにおいて見られる)、環式アミド部分(例えば、ピロリドンにおいて見られる)、環式チオアミド、環式チオエステル、環式尿素(例えば、イミダゾリジン−2−オンにおいて見られる)環式エステル部分(例えば、ブチロラクトンにおいて見られる)、環式スルホン(例えば、スルホランおよびスルホレンにおいて見られる)、環式スルホキシド、環式スルホンアミド、およびそれらの組み合わせ(例えば、チオモルホリン)を含み得る。
具体的な例としては、モルホリニル、ピペリジニル(例えば、ピペリジン−1−イル、ピペリジン−2−イル、ピペリジン−3−イル、およびピペリジン−4−イル)、ピペリジノニル、ピロリジニル(例えば、ピロリジン−1−イル、ピロリジン−2−イル、およびピロリジン−3−イル)、ピロリドニル、アゼチジニル、ピラニル(2H−ピランまたは4H−ピラン)、ジヒドロチエニル、ジヒドロピラニル、ジヒドロフラニル、ジヒドロチアゾリル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチエニル、ジオキサニル、オキサニル(別名、テトラヒドロピラニル)(例えば、オキサン−4−イル)、イミダゾリニル、イミダゾリジノニル、オキサゾリニル、チアゾリニル、ピラゾリン−2−イル、ピラゾリジニル、ピペラジノニル、ピペラジニル、およびN−アルキルピペラジン、例えば、N−メチルピペラジニルが挙げられる。一般に、典型的な非芳香族ヘテロシクリル基には、ピペリジニル、ピロリジニル、アゼチジニル、モルホリニル、ピペラジニル、およびN−アルキルピペラジン、例えば、N−メチルピペラジニル等の飽和基が含まれる。
本明細書で使用される「オキサン」および「オキサニル」という用語は、以下の基を指す。
Figure 2020515546
これは、「テトラヒドロピラン」またはテトラヒドロピラニル」とも称され得る。
窒素含有非芳香族ヘテロシクリル環において、環は、少なくとも1つの環窒素原子を含まなければならない。窒素含有ヘテロシクリル環は、N結合またはC結合であり得る。複素環式基は、例えば、環式アミン部分(例えば、ピロリジニルにおいて見られる)、環式アミド(ピロリジノニル、ピペリジノニル、またはカプロラクタミル等)、環式スルホンアミド(イソチアゾリジニル1,1−ジオキシド、[1,2]チアジナニル1,1−ジオキシド、または[1,2]チアゼパニル1,1−ジオキシド等)、およびそれらの組み合わせを含み得る。
窒素含有非芳香族ヘテロシクリル基の具体的な例としては、アジリジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、ピペリジニル(例えば、ピペリジン−1−イル、ピペリジン−2−イル、ピペリジン−3−イル、およびピペリジン−4−イル)、ピロリジニル(例えば、ピロリジン−1−イル、ピロリジン−2−イル、およびピロリジン−3−イル)、ピロリドニル、ジヒドロチアゾリル、イミダゾリニル、イミダゾリジノニル、オキサゾリニル、チアゾリニル、6H−1,2,5−チアジアジニル、ピラゾリン−2−イル、ピラゾリン−3−イル、ピラゾリジニル、ピペラジニル、およびN−アルキルピペラジン、例えば、N−メチルピペラジニルが挙げられる。
ヘテロシクリル基は、多環式縮合環系または架橋環系、例えば、ビシクロアルカン、トリシクロアルカンのオキサおよびアザ類似体(例えば、アダマンタンおよびオキサ−アダマンタン)であり得る。縮合環系と架橋環系との間の区別の説明については、Advanced Organic Chemistry,Jerry March,4th Edition,Wiley Interscience,pages 131−133,1992を参照されたい。
環式基または環の定義において、例えば、「0、1、または2個の窒素環員を含む5または6員環」という語句にあるように、環式基がある特定の数のヘテロ原子環員を含むと述べられている場合、明記されるある特定の数のヘテロ原子環員とは別に、残りの環員が炭素原子であることを意味すると解釈されるべきである。
式(1)の化合物は、1つ以上の結合によって分子の残りに連結され得る飽和環式基を含み得る。環式基が2つ以上の結合によって分子の残りに連結される場合、これらの結合(またはこれらの結合のうちの2つ)は、環の同じ原子(通常は炭素原子)または環の異なる原子に対してなされ得る。結合が環の同じ原子に対してなされる場合、これは、単一の原子(通常は第四級炭素)が2つの基に結合した環式基をもたらす。言い換えれば、式(1)の化合物が環式基を含む場合、その基は、結合によって分子の残りに結合され得るか、または環式基および分子の残りが共通の原子を有し得る(例えば、スピロ化合物)かのいずれかである。
ヘテロシクリル基は各々、置換されていなくても、1つ以上(例えば、1、2、または3つ)の置換基によって置換されていてもよい。例えば、ヘテロシクリルまたはカルボシクリル基は、置換されていなくても、1、2、3、または4つの置換基によって置換されていてもよく、具体的には、置換されていなくても、本明細書で定義される1、2、または3つの置換基を有する。環式基が飽和である場合、同じ炭素に連結された2つの置換基が存在し得る(置換基は、同じ、いわゆるジェミナルまたは「ジェム」二置換である)。
置換基の組み合わせは、例えば、組み合わせが安定したまたは化学的に実現可能な化合物(すなわち、40℃以下で少なくとも1週間維持されたときに実質的に変化しない化合物)をもたらす場合にのみ許容される。
本発明の化合物を構成する種々の官能基および置換基は、本発明の化合物の分子量が1000を超えないように特に選定される。より通常は、化合物の分子量は、750未満、例えば、700未満、または650未満、または600未満、または550未満であろう。より具体的には、分子量は、525未満、例えば、500以下である。
1−メトキシイソインドリン
本発明は、式(1)の化合物、
Figure 2020515546
またはその互変異性体もしくは溶媒和物もしくは薬学的に許容される塩を調製するためのプロセスを提供し、式中、R、R、R、R、Q、a、m、およびnは、本明細書で定義される通りである。
式(1)の化合物は、以下の「*」で印付けされたキラル中心を有する。
Figure 2020515546
式式(1)の化合物は、示される位置(本明細書で(3)と称される)に立体中心を含み、キラル非ラセミである。
具体的には、式(1)の化合物は、式(1’)の化合物であり、縞および中実のくさび形の結合によって示される立体化学を有する。
Figure 2020515546
典型的には、式(1)の化合物の少なくとも55%(例えば、少なくとも60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、または95%)が、示される立体異性体として存在する。一般的な一実施形態では、式(1)の化合物の総量の97%(例えば、99%)またはそれ以上(例えば、実質的に全て)が、単一の立体異性体として存在し得る。
化合物は、(例えば、−CROH基および/または−CHR基に)1つ以上のさらなるキラル中心も含み得る。
典型的には、式(1)の化合物は、少なくとも10%(例えば、少なくとも20%、40%、60%、80%、85%、90%、または95%)の鏡像異性体過剰率を有する。一般的な一実施形態では、式(1)の化合物は、97%(例えば、99%)またはそれ以上の鏡像異性体過剰率を有する。
一実施形態では、プロセスは、少なくとも10%(例えば、少なくとも20%、40%、60%、80%、85%、90%または95%)の立体異性体純度で、式(1)、(1)、(4’)、(5)、(18)、(19)、(21)、(22)、(23)、(24)、(25)、(26a)、(26b)、または(27)の化合物を作製するためのものである。
本節のために、イソインドリン−1−オン環は、以下のように番号付けされる。
Figure 2020515546
化合物は、化学命名ソフトウェアパッケージによって利用されるプロトコルに従って命名される。
Cyc
cyc基は、
(i)フェニル、または
(ii)ピリジニル、ピリミジニル、ピラジニル、もしくはピリダジニル、またはそのN−オキシドである、複素環式基Hetである。
cycがフェニルである化合物
一実施形態では、cycがフェニルであり、本発明は、式(1)の1−メトキシイソインドリン、
Figure 2020515546
またはその互変異性体もしくは溶媒和物もしくは塩を調製するためのプロセスであって、
前記プロセスが、式(2)の化合物を取り込むことであって、
Figure 2020515546
式中、Rが、独立して、ヒドロキシ、ハロゲン、ニトロ、ニトリル、C1−4アルキル、ハロC1−4アルキル、ヒドロキシC1−4アルキル、C2−6アルケニル、C1−4アルコキシ、ハロC1−4アルコキシ、C2−4アルキニル、−O0,1−(CR−COH、−(CR−CO1−4アルキル、−(CR−CON(C1−4アルキル)、−P(=O)(R、−S(O)−R、3〜6個の環員を有する−S(O)−複素環式基、および−S(O)−N(Rから選択され、
が、水素、C1−4アルキル、C2−6アルケニル、ヒドロキシC1−4アルキル、−(CR−COH、−(CR−CONR、−(CR−CO10から選択され、式中、R10が、C1−7アルキル、C1−7ハロアルキル、トリC1−7アルキルシリル−C1−7アルキル、C5−20アリール、およびC5−20アリール−C1−7アルキルから選択され、
およびRが、独立して、ハロゲン、ニトリル、C1−4アルキル、ハロC1−4アルキル、C1−4アルコキシ、およびハロC1−4アルコキシから選択され、
Qが、−C(OH)R、−C(=O)R、ハロゲン(例えば、−F、−Cl、−Br、−I)、および−OTfから選択され、
およびRが、独立して、水素、C1−6アルキル、ハロC1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、ヒドロキシ、ヒドロキシC1−6アルキル、−COOC1−6アルキル、−(CH−O−C1−6アルキル、−(CH−O−(ヒドロキシC1−6アルキル)、−C1−6アルキル−NR、−(CR−CONR、−(CR−NRCOR、−(CR−O−CH−CONR、3〜7個の環員を有する複素環式基、3〜7個の環員を有する−CH−複素環式基、3〜7個の環員を有する−CH−O−複素環式基、3〜7個の環員を有する−CH−NH−複素環式基、3〜7個の環員を有する−CH−N(C1−6アルキル)−複素環式基、3〜7個の環員を有する−C(=O)NH−複素環式基、C3−8シクロアルキル、−CH−C3−8シクロアルキル、−CH−O−C3−8シクロアルキル、およびC3−8シクロアルケニルから選択され、前記シクロアルキル、前記シクロアルケニル、または前記複素環式基が、1つ以上のR基によって任意に置換されてもよく、各例において、前記複素環式基が、N、O、S、およびそれらの酸化形態から選択される1個以上(例えば、1、2、または3個)のヘテロ原子を含むか、または
Qが−C(OH)Rである場合、前記R基および前記R基が連結して、それらが結合している炭素原子と一緒に、C3−6シクロアルキルまたは3〜6個の環員を有するヘテロシクリル基を形成することができ、前記複素環式基が、N、O、S、およびそれらの酸化形態から選択される1個以上(例えば、1、2、または3個)のヘテロ原子を含み、前記C3−6シクロアルキルおよび前記ヘテロシクリル基が、1つ以上のR基によって任意に置換されてもよく、
が、水素、C1−6アルキル、ハロC1−6アルキル、ヒドロキシC1−6アルキル、−(CH−O−C1−6アルキル、−(CH−O−(ヒドロキシC1−6アルキル)、ヒドロキシC1−6アルコキシ、−(CH−CO1−6アルキル、−(CH−COH、−C1−6アルキル−N(H)(C1−4アルキル)2−e、−(CH)j−C3−8シクロアルキル、および−(CH−C3−8シクロアルケニルから選択され、
およびRが、独立して、水素、ハロゲン、ニトロ、ニトリル、C1−6アルキル、ハロC1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、ヒドロキシ、ヒドロキシC1−6アルキル、C1−6アルコキシ、−(CH−O−C1−6アルキル、ヒドロキシC1−6アルコキシ、−COOC1−6アルキル、−N(H)(C1−4アルキル)2−e、−C1−6アルキル−N(H)(C1−4アルキル)2−e、−(CH−C(=O)N(H)(C1−4アルキル)2−e、C3−8シクロアルキル、およびC3−8シクロアルケニルから選択されるか、または
前記R基および前記R基が連結して、それらが結合している炭素原子または窒素原子と一緒に、3〜5個の環員の芳香族ヘテロシクリル基に任意に縮合され得るC3−6シクロアルキルまたは3〜6個の環員を有する飽和ヘテロシクリル基を形成することができるか、または
炭素原子上にある場合、前記R基および前記R基が一緒に連結して、=CH基を形成することができ、Rが、独立して、ハロゲン、ニトロ、ニトリル、C1−6アルキル、ハロC1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、=O、ヒドロキシ、ヒドロキシC1−6アルキル、C1−6アルコキシ、−(CH−O−C1−6アルキル、ヒドロキシC1−6アルコキシ、−C(=O)C1−6アルキル、−C(=O)C1−6アルキル−OH、−C(=O)C1−6アルキル−N(H)(C1−4アルキル)2−e、−C(=O)N(H)(C1−4アルキル)2−e、−(CH−CO1−6アルキル、−(CH−COH、−N(H)(C1−4アルキル)2−e、−C1−6アルキル−N(H)(C1−4アルキル)2−e、3〜6個の環員を有するヘテロシクリル基、−C(=O)C1−4アルキルによって置換された3〜6個の環員を有するヘテロシクリル基、−C(=O)OC1−4アルキルによって置換された3〜6個の環員を有するヘテロシクリル基、−C(=O)N(H)(C1−4アルキル)2−eによって置換された3〜6個の環員を有するヘテロシクリル基、3〜6個の環員を有する−C(=O)ヘテロシクリル基、C3−8シクロアルキル、およびC3−8シクロアルケニルから選択され、Rがピリジンである場合、Rが−NH以外であり、
a、j、d、e、n、r、およびpが、独立して、0、1、および2から選択され、
kおよびmが、独立して、1および2から選択され、
uが、0、1、2、および3から選択され、
vおよびwが、独立して、0および1から選択される、取り込むことと、
式(2)の前記化合物を塩基の存在下でメチル化剤と反応させることと、を含む、プロセスを提供する。
およびn
は、−CHR−に結合したフェニル基上の置換基(複数可)である。
nは、0、1、2、または3である。言い換えれば、−CHR−基に結合したフェニル基は、0、1、2、または3つの置換基Rを有し得る。
一実施形態では、nは、1、2、または3である。一実施形態では、nは、1または2である。別の実施形態では、nは、1である。
nが2または3である(すなわち、−CHR−基に結合したフェニル基が1つより多くのRで置換されている)場合、置換基Rは、同じであっても異なってもよい(すなわち、独立して、Rの定義から選択される)。
は、フェニル基のオルト(もしくはo−)、メタ(もしくはm−)、またはパラ(もしくはp−)位で結合し得、この位置は、フェニル基の基−CHR−への結合点に対して定義される。
は、独立して、ヒドロキシ、ハロゲン、ニトロ、ニトリル、C1−4アルキル、ハロC1−4アルキル、ヒドロキシC1−4アルキル、C2−6アルケニル、C1−4アルコキシ、ハロC1−4アルコキシ、C2−4アルキニル、−O0,1−(CR−COH、−(CR−CO1−4アルキル、−(CH−CON(C1−4アルキル)、−P(=O)(R、−S(O)−R、3〜6個の環員を有する−S(O)−複素環式基、および−S(O)−N(Rから選択される。
は、独立して、ヒドロキシ、ハロゲン、ニトロ、ニトリル、C1−4アルキル、ハロC1−4アルキル、ヒドロキシC1−4アルキル、C2−6アルケニル、C1−4アルコキシ、ハロC1−4アルコキシ、C2−4アルキニル、−O0,1−(CH−COH、−(CH−CO1−4アルキル、−(CH−CON(C1−4アルキル)、−P(=O)(R、−S(O)−R、3〜6個の環員を有する−S(O)−複素環式基、および−S(O)−N(Rから選択される。
は、独立して、ヒドロキシ、ハロゲン、ニトロ、ニトリル、C1−4アルキル、ハロC1−4アルキル、ヒドロキシC1−4アルキル、C2−6アルケニル、C1−4アルコキシ、ハロC1−4アルコキシ、C2−4アルキニル、−(CH−COH、−(CH−CO1−4アルキル、−(CH−CON(C1−4アルキル)、−P(=O)(R、−S(O)−R、3〜6個の環員を有する−S(O)−複素環式基、および−S(O)−N(Rから選択される。
一実施形態では、Rは、独立して、ハロゲン、ヒドロキシ、ニトリル、C1−4アルキル、C2−4アルキニル、またはC1−4アルコキシから選択され、例えば、Rは、独立して、クロロ、ヒドロキシ、ニトリル、メチル、またはメトキシから選択される。
一実施形態では、Rは、独立して、ハロゲン(例えば、クロロ)、C1−4アルキル(例えば、メチル)、C1−4アルコキシ(例えば、メトキシ)、−O0,1−(CR−COH(例えば、−COH、−(CH)−COH、−(C(CH)−COH、もしくは−O(CH)−COH)、または−S(O)−R(例えば、SOCH)から選択される。
一実施形態では、Rは、O0,1−(CR−COH、具体的には、−COH、−(CH)−COH、−(C(CH)−COH、または−O(CH)−COH)、例えば、−(C(CH)−COHである。
一実施形態では、Rは、クロロまたはニトリル、具体的には、クロロである。
一実施形態では、Rは、ニトロ(例えば、p−NO)である。
一実施形態では、Rは、オルト位またはメタ位にあるニトロである。
一実施形態では、Rは、独立して、ヒドロキシ、ハロゲン、ニトリル、C1−4アルキル、ハロC1−4アルキル、ヒドロキシC1−4アルキル、C2−6アルケニル、C1−4アルコキシ、ハロC1−4アルコキシ、C2−4アルキニル、−(CH−COH、−(CH−CO1−4アルキル、−(CH−CON(C1−4アルキル)、−P(=O)(R、−S(O)−C1−6アルキル、3〜6個の環員を有する−S(O)−複素環式基、および−S(O)−N(Rから選択される。
別の実施形態では、nは、1であり、Rは、クロロまたはニトリルである。
別の実施形態では、nは、1であり、Rは、クロロである。
別の実施形態では、nは、1であり、Rは、ニトリルである。
一実施形態では、R基のうちの1つまたはR基(式中、n=1)は、パラ位(すなわち、フェニル環の結合点に対してパラ)にある。一実施形態では、nは、1であり、Rは、p−クロロまたはp−ニトリルである。
一実施形態では、nは、1であり、Rは、ハロゲン(例えば、ClもしくはF)、ニトリル、C1−4アルコキシ(例えば、−OCH)、またはC1−4アルキル(例えば、−CH)である。
一実施形態では、Rは、−S(O)−C1−6アルキル、または3〜6個の環員を有する−S(O)−複素環式基および−S(O)−N(Rである。一実施形態では、Rは、−S−C1−6アルキル、−S(O)−C1−6アルキル、−S(O)−C1−6アルキル、3〜6個の環員を有する−S(O)−複素環式基、または−S(O)−N(C1−6アルキル)である。
別の実施形態では、Rは、−S−CH、−S(O)−CH、−S(O)−CH、または−S(O)−モルホリニルである。別の実施形態では、1つ以上のRは、−SOCH、または6個の環員を有する−SO−複素環式基、例えば、−SO−(モルホリニル)、具体的には、−SO−(1−モルホリニル)である。
一実施形態では、Rは、o−(−S(O)−C1−4アルキル)またはo−(3〜6個の環員を有する−S(O)−複素環式基)である。一実施形態では、Rは、o−S−C1−4アルキル、o−(−S(O)−C1−4アルキル)、またはo−(3〜6個の環員を有する−S(O)−複素環式基)である。一実施形態では、Rは、o−(−S(O)−CH)である。
一実施形態では、Rは、−(CH−COHである。一実施形態では、Rは、−COHである。一実施形態では、Rは、メタ位またはパラ位にある−(CH−COHである。一実施形態では、Rは、オルト位にある−(CH−COHである。
一実施形態では、Rは、独立して、ヒドロキシ、ハロゲン、ニトリル、C1−4アルキル、ハロC1−4アルキル、ヒドロキシC1−4アルキル、C2−6アルケニル、C1−4アルコキシ、ハロC1−4アルコキシ、C2−4アルキニル、−(CH−CO1−4アルキル、−(CH−CON(C1−4アルキル)、−P(=O)(R、−S(O)−C1−6アルキル、3〜6個の環員を有する−S(O)−複素環式基、および−S(O)−N(Rから選択される。
一実施形態では、nは、2である。一実施形態では、nが2である場合、フェニル基は、(i)o−(−S(O)−C1−4アルキル)またはo−(3〜6個の環員を有する−S(O)−複素環式基)および(ii)ハロゲン(例えば、ClもしくはF)、ニトリル、またはC1−4アルキル、具体的には、クロロ、ニトリル、またはメチルで置換される。
一実施形態では、nは、2であり、Rは、(i)−SOCHおよび(ii)クロロである。
一実施形態では、nは、2であり、Rは、(i)−SOCHおよび(ii)クロロ、ニトリル、またはメチルである。
一実施形態では、nは、2であり、Rは、(i)−COHおよび(ii)クロロである。
一実施形態では、nは、2であり、Rは、(i)−COHおよび(ii)クロロまたはニトリルである。
一実施形態では、nが2である場合、−CHR−に結合したフェニル基は、(i)ヒドロキシルおよび(ii)ハロゲン(例えば、ClもしくはF)またはニトリル、具体的には、クロロまたはニトリルで置換される。
一実施形態では、−CHR−に結合したフェニル基およびRは、以下の基を形成し、
Figure 2020515546
式中、具体的には、Rは、ハロゲン(例えば、クロロ)、ニトリル、またはC1−4アルキル(例えば、−CH)であり、Rは、C1−4アルキル(例えば、−CH)である。
一実施形態では、−CHR−に結合したフェニル基およびRは、以下の基を形成し、
Figure 2020515546
式中、具体的には、Rは、C1−4アルキル(例えば、−CH)であり、Rは、C1−4アルキル(例えば、−CH)である。
一実施形態では、nが2である場合、フェニル基は、(i)o−OHまたはo−CHOHおよび(ii)ハロゲン(例えば、ClもしくはF)、ニトリル、またはC1−4アルキル、具体的には、クロロまたはニトリルで置換される。一実施形態では、nが2である場合、フェニル基は、(i)ヒドロキシおよび(ii)ハロゲン(例えば、ClもしくはF)またはニトリル、具体的には、クロロまたはニトリルで置換される。一実施形態では、nが2である場合、フェニル基は、(i)o−ヒドロキシおよび(ii)p−Clまたはp−CN(例えば、p−Cl)で置換される。
一実施形態では、nは、2であり、Rは、フッ素(例えば、フェニル基のオルト位およびパラ位にある)である。
一実施形態では、Rは、ハロゲン(例えば、ClもしくはF)、C1−4アルキニル(例えば、−C≡CH)、ニトリル、−(CHCOOH(例えば、−COOH)、またはSO1−4アルキル(例えば、SOCH)であり、nは、1または2である。
一実施形態では、Rは、ハロゲン(例えば、Cl)、C1−4アルキニル(例えば、−C≡CH)、ニトリル、ヒドロキシC1−4アルキル(例えば、CHOH)、−(CHCOOH(例えば、−COOH)、−S(O)−C1−4アルキル(例えば、SCH、SOCH、もしくはSOCH)、−SO−(1−モルホリニル)、または−P(=O)(R(例えば、−P(=O)(CH)である。
一実施形態では、nは、1であり、Rは、Cl(例えば、p−Cl)、CN(例えば、p−CN)、またはC2−4アルキニル(例えば、p−Cアルキニル)であるか、またはnは、2であり、(i)Rは、p−Cl、o−CHOH、(ii)p−CN、o−CHOH、または(iii)p−Cl、o−COOH、(iv)p−Cl、o−SCH、(v)p−Cl、o−S(O)CH、(vi)p−Cl、o−SOCH、(vii)p−Cl、o−SO−(1−モルホリニル)、または(viii)p−Cl、o−P(O)(CHである。
一実施形態では、nは、1であり、Rは、Cl(例えば、p−Cl)、CN(例えば、p−CN)、またはC2−4アルキニル(例えば、p−Cアルキニル)である。
一実施形態では、nは、2であり、(i)Rは、p−Cl、o−CHOH、(ii)p−CN、o−CHOH、または(iii)p−Cl、o−COOH、(iv)p−Cl、o−SCH、(v)p−Cl、o−S(O)CH、(vi)p−Cl、o−SOCH、(vii)p−Cl、o−SO−(1−モルホリニル)、または(viii)p−Cl、o−P(O)(CHである。
一実施形態では、nは、1であり、Rは、−Cl、−CN、または−OMe(例えば、p−Cl、p−CN、またはp−OMe)である。一実施形態では、nは、1であり、Rは、−Clまたは−CN(例えば、p−Clまたはp−CN)である。
一実施形態では、nは、2である。nが2である場合、典型的には、フェニル基は、o位およびp位で置換される。具体的には、nは、2であり、Rは、p−クロロおよびo−(−S(O)−C1−4アルキル)またはo−(3〜6個の環員を有する−S(O)−複素環式基)のいずれかによって置換される。
一実施形態では、nは、2であり、Rは、o−COHおよびp−クロロである。
一実施形態では、nは、2であり、Rは、o−COHおよびp−ニトリルである。
一実施形態では、nは、2であり、Rは、o−CHOHおよびp−クロロである。
一実施形態では、nは、2であり、Rは、o−CHOHおよびp−ニトリルである。
一実施形態では、nは、2であり、Rは、o−OHおよびp−クロロである。
一実施形態では、nは、2であり、Rは、o−OHおよびp−ニトリルである。
一実施形態では、nは、2であり、Rは、o−SOCHおよびp−クロロである。
一実施形態では、nは、2であり、Rは、−SO−(1−モルホリニル)およびp−クロロである。
一実施形態では、Rは、−O0,1(CRCOOH(例えば、−COOH、−CHCOOH、−OCHCOOH、または−C(CHCOOHである。
一実施形態では、nは、2であり、Rは、p−Clおよびo−O0,1(CRCOOH(例えば、−COOH、−CHCOOH、−OCHCOOH、または−C(CHCOOH)である。
一実施形態では、Rは、ハロゲン(例えば、Cl)、ヒドロキシアルキル(例えば、−CHOH)、C1−4アルキニル(例えば、−C≡CH)、ニトリル、−O0,1(CRCOOH(例えば、−COOH、−CHCOOH、−OCHCOOH、もしくは−C(CHCOOH)、または−SO1−4アルキル(例えば、−SOCH)であり、nは、1または2である。
一実施形態では、Rは、ハロゲン(例えば、Cl)、ヒドロキシアルキル(例えば、−CHOH)、C1−4アルキニル(例えば、−C≡CH)、ニトリル、−(CHCOOH(例えば、−COOH)、または−SO1−4アルキル(例えば、−SOCH)であり、nは、1または2である。
一実施形態では、Rは、独立して、ヒドロキシ、ハロゲン、ニトリル、C1−4アルキル、ハロC1−4アルキル、ヒドロキシC1−4アルキル、C2−6アルケニル、C1−4アルコキシ、ハロC1−4アルコキシ、C2−4アルキニル、−(CH−COH、−O0,1−(CR−CO1−4アルキル(例えば、−(CH−CO1−4アルキル)、−(CH−CON(C1−4アルキル)、−P(=O)(R、−S(O)−C1−6アルキル、3〜6個の環員を有する−S(O)−複素環式基、および−S(O)−N(Rから選択される。
一実施形態では、nが2である場合、1つのRは、−O0,1−(CR−CO1−4アルキル、o−(−S(O)−C1−4アルキル)、またはo−(3〜6個の環員を有する−S(O)−複素環式基)であり、1つのRは、ハロゲン(例えば、ClもしくはF)、ニトリル、またはC1−4アルキル、具体的には、クロロ、ニトリル、またはメチルである。
一実施形態では、nが2である場合、1つのRは、o−(−S(O)−C1−4アルキル)またはo−(3〜6個の環員を有する−S(O)−複素環式基)であり、1つのRは、ハロゲン(例えば、ClもしくはF)、ニトリル、またはC1−4アルキル、具体的には、クロロ、ニトリル、またはメチルである。
一実施形態では、nが2である場合、1つのRは、−O0,1−(CR−CO1−4アルキルであり、1つのRは、ハロゲン(例えば、ClもしくはF)、ニトリル、またはC1−4アルキル、具体的には、クロロ、ニトリル、またはメチル、例えば、クロロである。

は、水素、C1−4アルキル、C2−6アルケニル、ヒドロキシC1−4アルキル、−(CR−COH、−(CR−CONR、−(CR−CO10から選択され、式中、R10は、C1−7アルキル、C1−7アルケネイル、C1−7ハロアルキル、トリC1−7アルキルシリル−C1−7アルキル、C5−20アリール、およびC5−20アリール−C1−7アルキルから選択される。
一実施形態では、Rは、−(CR−CO10から選択され、R10は、酸保護基である。
一実施形態では、Rは、−(CR−CO10から選択され、R10は、C1−7アルキル、C1−7アルケネイル、C1−7ハロアルキル、トリC1−7アルキルシリル−C1−7アルキル、C5−20アリール、およびC5−20アリール−C1−7アルキルから選択される。
Figure 2020515546
Figure 2020515546
具体的には、Rは、−(CR−CO10から選択され、式中、R10は、C1−7アルキル、C1−7アルケネイルC1−7ハロアルキル、トリC1−7アルキルシリル−C1−7アルキル、C5−20アリール、およびC5−20アリール−C1−7アルキルから選択される。
一実施形態では、R10は、C1−7アルキル、例えば、C1−4アルキル(例えば、メチル、t−ブチル)である。
一実施形態では、R10は、C1−7アルケネイル、例えば、C1−4アルケネイル(例えば、−CHCH=CH)である。
一実施形態では、R10は、C1−7トリハロアルキル、例えば、C1−4トリハロアルキル(例えば、−CF、−CCl)である。
一実施形態では、R10は、トリC1−7アルキルシリル−C1−7アルキル(例えば、−CHCHSi(CH)である。
一実施形態では、R10は、C5−20アリール−C1−7アルキル(例えば、ベンジル、ニトロベンジル、パラ−メトキシベンジル)から選択される。
一実施形態では、R10は、C5−20アリール(例えば、フェニル)から選択される。
一実施形態では、R10は、メチル、t−ブチル、−CHCH=CH、−CF、−CCl、−CHCHSi(CH、フェニル、ベンジル、ニトロベンジル、パラ−メトキシベンジルから選択される。
一実施形態では、R10は、−CHCH=CH、−CHCHSi(CH、およびフェニルから選択される。
Figure 2020515546
一実施形態では、uは、0、1、または2から選択される。一実施形態では、uは、0または1から選択される。
一実施形態では、Rは、水素、C1−4アルキル、C2−6アルケニル、ヒドロキシC1−4アルキル、および−(CR−COHから選択される。一実施形態では、Rは、水素、C1−4アルキル、ヒドロキシC1−4アルキル、および−(CR−COHから選択される。一実施形態では、Rは、水素、C1−4アルキル、C2−6アルケニル、およびヒドロキシC1−4アルキルから選択される。別の実施形態では、Rは、水素および−(CH−COH(例えば、−CH−COH)から選択される。
一実施形態では、Rは、水素、C1−4アルキル(例えば、−CH)、ヒドロキシC1−4アルキル(例えば、CHOH)、または−(CHCOOH(例えば、−COOH、−CHCOOH、−CHCH−COH、−(CH(CH))−COH、もしくは−(C(CH−COH、例えば、−COOH、−CHCOOH、−CHCH−COH、もしくは−(CH(CH))−COH)である。
一実施形態では、Rは、水素、C1−4アルキル、C2−6アルケニル、およびヒドロキシC1−4アルキルから選択される。
一実施形態では、Rは、水素、C1−4アルキル(例えば、−CH)、ヒドロキシC1−4アルキル(例えば、CHOH)、または−(CHCOOH(例えば、−CHCOOH)である。一実施形態では、Rは、水素、−CH、−CHOH、および−CHCOHから選択される。
一実施形態では、Rは、水素、−CH、−CHOH、−CH=CH、および−CH(OH)CHOHから選択される。
一実施形態では、Rは、水素、−CH、−CHOH、および−CHCOHから選択される。
一実施形態では、Rは、水素またはC1−4アルキル(例えば、−CHまたは−CHCH)である。
一実施形態では、Rは、水素、−CH、および−CHCHから選択される。一実施形態では、Rは、水素およびメチルから選択される。
一実施形態では、Rは、水素および−(R−COH(例えば、−COOH、−CHCOOH、−CHCH−COH、−(CH(CH))−COH、および−(C(CH−COH)から選択される。
Figure 2020515546
一実施形態では、Rは、水素、C1−4アルキル(例えば、−CH)、または−(CHCOOH(例えば、−CHCOOH、−CHCH−COH、もしくは−(CH(CH))−COH)である。
一実施形態では、Rは、水素、C1−4アルキル(例えば、−CH)、または−(CHCOOH(例えば、−CHCOOH)である。
一実施形態では、Rは、−(CR−COH(例えば、−CH−COH)である。
Figure 2020515546
が水素以外である場合、式(1)の化合物は、少なくとも2つのジアステレオ異性体として存在し得る。
Figure 2020515546
誤解を避けるために、一般式(1)および全ての部分式は、−CHR−基におけるエピマーとして関連する、個々のジアステレオ異性体およびジアステレオ異性体の混合物の両方を網羅する。一実施形態では、式Iの化合物は、ジアステレオ異性体1A、またはその互変異性体もしくは溶媒和物もしくは薬学的に許容される塩である。一実施形態では、式Iの化合物は、ジアステレオ異性体1B、またはその互変異性体もしくは溶媒和物もしくは薬学的に許容される塩である。
一実施形態では、化合物は、ジアステレオ異性体1Aであり、Rは、以下から選択される。
i.C1−4アルキル、C2−6アルケニル、ヒドロキシC1−4アルキル、−(R−COH(例えば、−COOH、−CHCOOH、−CHCH−COH、−(CH(CH))−COHおよび−(C(CH−COH)、−(CH−CO1−4アルキル、および−(CH−CONR、または
ii.C1−4アルキル、C2−6アルケニル、およびヒドロキシC1−4アルキル。
一実施形態では、化合物は、ジアステレオ異性体1Aであり、Rは、以下から選択される。
i.C1−4アルキル、C2−6アルケニル、ヒドロキシC1−4アルキル、−(CH−COH、−(CH−CO1−4アルキル、および−(CH−CONR、または
ii.C1−4アルキル、C2−6アルケニル、およびヒドロキシC1−4アルキル。
別の実施形態では、Rは、水素および−(R−COH(例えば、−COOH、−CHCOOH、−CHCH−COH、−(CH(CH))−COH、および−(C(CH−COH)から選択される。
別の実施形態では、Rは、水素および−(CH−COH(例えば、−CH−COH)から選択される。
一実施形態では、化合物は、ジアステレオ異性体1Aであり、Rは、以下から選択される。
i.−CH、−CHOH、−CH=CH、および−CH(OH)CHOH、または
ii.C1−4アルキル(例えば、−CHもしくは−CHCH)、または
iii.−CHおよび−CHCH
一実施形態では、化合物は、ジアステレオ異性体1Bであり、Rは、以下から選択される。
i.C1−4アルキル、C2−6アルケニル、ヒドロキシC1−4アルキル、−(R−COH(例えば、−COOH、−CHCOOH、−CHCH−COH、−(CH(CH))−COHおよび−(C(CH−COH)、−(CH−CO1−4アルキル、および−(CH−CONR、または
ii.C1−4アルキル、C2−6アルケニル、およびヒドロキシC1−4アルキル。
一実施形態では、化合物は、ジアステレオ異性体1Bであり、Rは、以下から選択される。
i.C1−4アルキル、C2−6アルケニル、ヒドロキシC1−4アルキル、−(CH−COH、−(CH−CO1−4アルキル、および−(CH−CONR、または
ii.C1−4アルキル、C2−6アルケニル、およびヒドロキシC1−4アルキル。
別の実施形態では、Rは、水素および−(CH−COH(例えば、−CH−COH)から選択される。
一実施形態では、化合物は、ジアステレオ異性体1Bであり、Rは、以下から選択される。
i.−CH、−CHOH、−CH=CH、および−CH(OH)CHOH、または
ii.C1−4アルキル(例えば、−CHもしくは−CHCH)、または
iii.−CHおよび−CHCH
別の実施形態では、Rは、水素および−(R−COH(例えば、−COOH、−CHCOOH、−CHCH−COH、−(CH(CH))−COH、および−(C(CH−COH)から選択される。
一実施形態では、Rは、C1−4アルキル、ヒドロキシC1−4アルキル、−(CH−COH、−(CH−CO1−4アルキル、および−(CH−CONRから選択され(具体的には、−CH−COH)、化合物は、ジアステレオ異性体1Aである。
一実施形態では、Rは、C1−4アルキル、ヒドロキシC1−4アルキル、−(CH−COH、−(CH−CO1−4アルキル、および−(CH−CONRから選択され(具体的には、−CH−COH)、化合物は、ジアステレオ異性体1Bである。
一実施形態では、Rは、ヒドロキシC1−4アルキル(例えば、−CHOH)であり、化合物は、ジアステレオ異性体1Aである。
一実施形態では、Rは、−(CH−COH(例えば、−CH−COH)であり、化合物は、ジアステレオ異性体1Aである。
一実施形態では、Rおよびそれが結合している炭素上の水素は、H(すなわち、重水素)である。
およびa
aは、0、1、2、または3である。言い換えれば、イソインドリン−1−オンのフェニル基は、0、1、2、または3つの置換基Rを有し得る。
一実施形態では、aは、0または1である。別の実施形態では、aは、0である。別の実施形態では、aは、1である。
aが2または3である(すなわち、イソインドリン−1−オンのフェニル基が1つより多くのRで置換されている)場合、置換基Rは、同じであっても異なってもよい(すなわち、独立して、Rの定義から選択される)。
一実施形態では、aは、1であり、置換基Rは、イソインドリン−1−オンの4位にあり、式(1)の化合物は、式(Ir)の化合物、またはその互変異性体もしくは溶媒和物もしくは薬学的に許容される塩である。
Figure 2020515546
は、独立して、ハロゲン、ニトリル、C1−4アルキル、ハロC1−4アルキル、C1−4アルコキシ、およびハロC1−4アルコキシから選択される。
一実施形態では、Rは、ハロゲンである。一実施形態では、Rは、フルオロまたはクロロである。別の実施形態では、Rは、フルオロである。
一実施形態では、aは、1であり、置換基Rは、イソインドリン−1−オンの4位にあり、Rは、Fであり、式(1)の化合物は、式(Is)の化合物、またはその互変異性体もしくは溶媒和物もしくは薬学的に許容される塩である。
Figure 2020515546
一実施形態では、aは、0であり、式(1)の化合物は、式(It)の化合物、またはその互変異性体もしくは溶媒和物もしくは薬学的に許容される塩である。
Figure 2020515546
一実施形態では、Rは、C1−4アルキル(例えば、−CH)、またはハロゲン(例えば、FもしくはCl)であり、aは、1である。
一実施形態では、aは、0であり、Rは、不在(すなわち、水素)である。
一実施形態では、aは、0または1であり、Rは、ハロゲン(例えば、フッ素)である。
およびm
mは、1または2である。言い換えれば、フェニル基は、1または2つの置換基Rを有し得る。
一実施形態では、mは、1であり、フェニル基は、1つの置換基を有する。
は、フェニル基のオルト(もしくはo−)、メタ(もしくはm−)、またはパラ(もしくはp−)位で結合し得、この位置は、フェニル基のイソインドリン−1−オン環の3位への結合点に対して定義される。
mが2である(すなわち、フェニル基が1つより多くのRで置換されている)場合、置換基Rは、同じであっても異なってもよい(すなわち、独立して、Rの定義から選択される)。
一実施形態では、mは、1であり、置換基Rは、フェニル基のp位にあり、式(1)の化合物は、式(Iu)の化合物、またはその互変異性体もしくは溶媒和物もしくは薬学的に許容される塩である。
Figure 2020515546
は、独立して、ハロゲン、ニトリル、C1−4アルキル、ハロC1−4アルキル、C1−4アルコキシ、およびハロC1−4アルコキシから選択される。
一実施形態では、Rは、ハロゲン、C1−4アルキル、ハロC1−4アルキル、またはC1−4アルコキシである。別の実施形態では、Rは、ハロゲン(例えば、クロロ)である。
一実施形態では、Rは、ハロゲン(例えば、ClもしくはF)、C1−4アルキル(例えば、−CHCH)、ニトリル、ハロC1−4アルキル(例えば、−CFもしくは−CFCH)、またはハロC1−4アルコキシ(例えば、−OCF)であり、mは、1または2である。
一実施形態では、mは、1であり、Rは、ハロゲン、ニトリル、C1−4アルキル、ハロC1−4アルキル、C1−4アルコキシ、およびハロC1−4アルコキシから選択される。
一実施形態では、mは、1であり、Rは、−Cl(例えば、p−Cl)、−F(例えば、4−F)、−CN(例えば、p−CN)、−CF(例えば、p−CF)、−OCF3(例えば、p−OCF)、CFCH(例えば、p−CFCH)、または−CHCH(例えば、p−CHCH)であるか、またはmは、2であり、Rは、p−Fまたはm−Fである。
一実施形態では、mは、1であり、Rは、−Cl(例えば、p−Cl)である。

Qは、−C(OH)R、−C(=O)R、ハロゲン(例えば、−F、−Cl、−Br、−I)、およびOTfから選択される。
一実施形態では、Qは、−C(OH)Rである。
一実施形態では、Qは、−C(=O)Rである。
一実施形態では、Qは、脱離基、例えば、ハロゲン(例えば、−F、−Cl、−Br、−I)またはOTf等のパラジウムカップリング反応での使用に好適な脱離基である。
一実施形態では、Qは、ハロゲン(例えば、−F、−Cl、−Br、−I)である。
一実施形態では、Qは、OTfである。
およびR
およびRは、独立して、水素、C1−6アルキル、ハロC1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、ヒドロキシ、ヒドロキシC1−6アルキル、−COOC1−6アルキル、−(CH−O−C1−6アルキル、−(CH−O−(ヒドロキシC1−6アルキル)、−C1−6アルキル−NR、−(CR−CONR、−(CR−NRCOR、−(CR−O−CH−CONR、3〜7個の環員を有する複素環式基、3〜7個の環員を有する−CH−複素環式基、3〜7個の環員を有する−CH−O−複素環式基、3〜7個の環員を有する−CH−NH−複素環式基、3〜7個の環員を有する−CH−N(C1−6アルキル)−複素環式基、3〜7個の環員を有する−C(=O)NH−複素環式基、C3−8シクロアルキル、−CH−C3−8シクロアルキル、−CH−O−C3−8シクロアルキル、およびC3−8シクロアルケニルから選択され、前記シクロアルキル、前記シクロアルケニル、または前記複素環式基は、1つ以上のR基によって任意に置換されてもよく、各例において、前記複素環式基は、N、O、S、およびそれらの酸化形態から選択される1個以上(例えば、1、2、または3個)のヘテロ原子を含むか、または
Qが−C(OH)Rである場合、前記R基および前記R基が連結して、それらが結合している炭素原子と一緒に、C3−6シクロアルキルまたは3〜6個の環員を有するヘテロシクリル基を形成することができ、前記複素環式基は、N、O、S、およびそれらの酸化形態から選択される1個以上(例えば、1、2、または3個)のヘテロ原子を含み、前記C3−6シクロアルキルおよび前記ヘテロシクリル基は、1つ以上のR基によって任意に置換されてもよく、
およびRは、独立して、水素、ハロゲン、ニトロ、ニトリル、C1−6アルキル、ハロC1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、ヒドロキシ、ヒドロキシC1−6アルキル、C1−6アルコキシ、−(CH−O−C1−6アルキル、ヒドロキシC1−6アルコキシ、−COOC1−6アルキル、−N(H)(C1−4アルキル)2−e、−C1−6アルキル−N(H)(C1−4アルキル)2−e、−(CH−C(=O)N(H)(C1−4アルキル)2−e、C3−8シクロアルキル、およびC3−8シクロアルケニルから選択されるか、または
Qが−C(OH)Rである場合、前記R基および前記R基が連結して、それらが結合している炭素または窒素原子と一緒に、3〜5個の環員の芳香族ヘテロシクリル基に任意に縮合され得るC3−6シクロアルキルまたは3〜6個の環員を有する飽和ヘテロシクリル基を形成することができるか、または
炭素原子上にある場合、前記R基および前記R基が一緒に連結して、=CH基を形成することができ、
は、独立して、ハロゲン、ニトロ、ニトリル、C1−6アルキル、ハロC1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、=O、ヒドロキシ、ヒドロキシC1−6アルキル、C1−6アルコキシ、−(CH−O−C1−6アルキル、ヒドロキシC1−6アルコキシ、−C(=O)C1−6アルキル、−C(=O)C1−6アルキル−OH、−C(=O)C1−6アルキル−N(H)(C1−4アルキル)2−e、−C(=O)N(H)(C1−4アルキル)2−e、−(CH−CO1−6アルキル、−(CH−COH、−N(H)(C1−4アルキル)2−e、−C1−6アルキル−N(H)(C1−4アルキル)2−e、3〜6個の環員を有するヘテロシクリル基、−C(=O)C1−4アルキルによって置換された3〜6個の環員を有するヘテロシクリル基、−C(=O)OC1−4アルキルによって置換された3〜6個の環員を有するヘテロシクリル基、−C(=O)N(H)(C1−4アルキル)2−eによって置換された3〜6個の環員を有するヘテロシクリル基、3〜6個の環員を有する−C(=O)ヘテロシクリル基、C3−8シクロアルキル、およびC3−8シクロアルケニルから選択され、Rがピリジンである場合、Rは−NH以外であり、
j、e、rおよびpは、独立して、0、1、および2から選択され、
kは、1および2から選択される。
一実施形態では、RおよびRは、独立して、水素、C1−6アルキル、ハロC1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、ヒドロキシ、ヒドロキシC1−6アルキル、−COOC1−6アルキル、−(CH−O−C1−6アルキル、−(CH−O−(ヒドロキシC1−6アルキル)、−C1−6アルキル−NR、−(CR−CONR、−(CR−NRCOR、−(CR−O−CH−CONR、3〜7個の環員を有する複素環式基、3〜7個の環員を有する−CH−複素環式基、3〜7個の環員を有する−CH−O−複素環式基、3〜7個の環員を有する−CH−NH−複素環式基、3〜7個の環員を有する−CH−N(C1−6アルキル)−複素環式基、3〜7個の環員を有する−C(=O)NH−複素環式基、C3−8シクロアルキル、−CH−C3−8シクロアルキル、−CH−O−C3−8シクロアルキル、およびC3−8シクロアルケニルから選択され、前記シクロアルキル、前記シクロアルケニル、または前記複素環式基は、1つ以上のR基によって任意に置換されてもよく、各例において、前記複素環式基は、N、O、S、およびそれらの酸化形態から選択される1個以上(例えば、1、2、または3個)のヘテロ原子を含む。
一実施形態では、Rは、C1−6アルキル(例えば、メチル)、C1−6アルコキシ(例えば、メトキシ)、および−C(=O)C1−6アルキル(例えば、−C(=O)CH)から選択される1つ以上のRによって任意に置換されるシクロアルキル、シクロアルケニル、または複素環式基である。
一実施形態では、Rは、1つ以上のR基によって任意に置換されるシクロアルキルまたはシクロアルケニル基であり、式中、Rは、ヒドロキシである。
およびRは、同じであっても異なってもよい。
およびRが異なる場合、式(1)の化合物は、少なくとも2つのジアステレオ異性体として存在し得る。
Figure 2020515546
誤解を避けるために、一般式(1)および全ての部分式は、−CROH基におけるエピマーとして関連する、個々のジアステレオ異性体およびジアステレオ異性体の混合物の両方を網羅する。
式(1)の化合物の一実施形態では、RおよびRは異なり、化合物は、ジアステレオ異性体2A、またはその互変異性体もしくは溶媒和物もしくは薬学的に許容される塩である。
式(1)の化合物の一実施形態では、RおよびRは異なり、化合物は、ジアステレオ異性体2B、またはその互変異性体もしくは溶媒和物もしくは薬学的に許容される塩である。
一実施形態では、Rは、メチルであり、式(1)の化合物は、式(Iv)の化合物、またはその互変異性体もしくは溶媒和物もしくは薬学的に許容される塩である。
Figure 2020515546
一実施形態では、Rは、エチルであり、式(1)の化合物は、式(Iv’)の化合物、またはその互変異性体もしくは溶媒和物もしくは薬学的に許容される塩である。
Figure 2020515546
一実施形態では、Rは、C1−6アルキルまたはハロC1−6アルキルから選択される。一実施形態では、Rは、1つ以上のR基(例えば、−OH)によって任意に置換されるC3−6シクロアルキル(例えば、シクロプロピル、シクロブチルまたはシクロヘキシル)である。
一実施形態では、Rは、C1−6アルキル、ヒドロキシC1−6アルキル、−(CH−O−C1−6アルキル、−(CH−O−(ヒドロキシC1−6アルキル)、−C1−6アルキル−NR(例えば、−C1−6アルキル−N(H)(C1−4アルキル)2−e)、−(CR−NRCOR、3〜7個の環員を有する複素環式基、3〜7個の環員を有する−CH−複素環式基、3〜7個の環員を有する−CH−NH−複素環式基、3〜7個の環員を有する−CH−N(C1−6アルキル)−複素環式基、3〜7個の環員を有する−C(=O)NH−複素環式基、C3−8シクロアルキル、および−CH−C3−8シクロアルキルから選択され、前記シクロアルキルまたは前記複素環式基は、1つ以上のR基によって任意に置換されてもよく、各例において、前記複素環式基は、N、O、S、およびそれらの酸化形態から選択される1個以上(例えば、1、2、または3個)のヘテロ原子を含む。
一実施形態では、Rは、C1−6アルキル、ヒドロキシC1−6アルキル、−(CH−O−C1−6アルキル、−(CH−O−(ヒドロキシC1−6アルキル)、−C1−6アルキル−N(H)(C1−4アルキル)2−e、3〜7個の環員を有する複素環式基、3〜7個の環員を有する−CH−複素環式基、3〜7個の環員を有する−C(=O)NH−複素環式基、C3−8シクロアルキル、および−CH−C3−8シクロアルキルから選択され、前記シクロアルキルまたは前記複素環式基は、1つ以上のR基によって任意に置換されてもよく、各例において、前記複素環式基は、N、O、S、およびそれらの酸化形態から選択される1個以上(例えば、1、2、または3個)のヘテロ原子を含む。
一実施形態では、Rは、3〜7個の環員を有する複素環式基,3〜7個の環員を有する−CH−複素環式基、3〜7個の環員を有する−C(=O)NH−複素環式基、C3−8シクロアルキル、および−CH−C3−8シクロアルキルから選択され、前記シクロアルキルまたは前記複素環式基は、1つ以上のR基によって任意に置換されてもよく、各例において、前記複素環式基は、N、O、S、およびそれらの酸化形態から選択される1個以上(例えば、1、2、または3個)のヘテロ原子を含む。
一実施形態では、Rは、3〜7個の環員を有する複素環式基および3〜7個の環員を有する−CH−複素環式基から選択され、前記複素環式基は、1つ以上のR基によって任意に置換されてもよく、各例において、前記複素環式基は、N、O、S、およびそれらの酸化形態から選択される1個以上(例えば、1または2個)のヘテロ原子を含む。
実施形態では、複素環式基は、飽和である。一実施形態では、Rは、3〜6個の環員を有する飽和複素環式基または−CH−(3〜6個の環員を有する飽和複素環式基)であり、例えば、複素環式基は、オキセタニル、オキサニル、ピペリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、ピロリジニル、イミダゾリニル、アゼチジニル、チオモルポリニル(thiomorpolinyl)、例えば、オキサニル、ピペルジニル(piperdinyl)、またはピペラジニルから選択される。
一実施形態では、Rは、3〜6個の環員を有する飽和複素環式基および3〜6個の環員を有する−CH−飽和複素環式基から選択され、前記複素環式基は、1つ以上のR基によって任意に置換されてもよく、各例において、前記複素環式基は、N、O、Sから選択される1個以上(例えば、1、2、または3個)のヘテロ原子を含む。一実施形態では、Rは、3〜6個の環員を有する窒素含有飽和複素環式基および−CH−(3〜6個の環員を有する窒素含有飽和複素環式基)から選択され、前記複素環式基は、1つ以上のR基によって任意に置換されてもよく、前記複素環式基は、任意に、N、O、Sから選択される1個以上(例えば、1、2、または3個)のさらなるヘテロ原子を含む。
一実施形態では、Rは、3〜7個の環員を有する窒素含有飽和複素環式基または−CH−(3〜7個の環員を有する窒素含有飽和複素環式基)であり、前記窒素含有飽和複素環式基は、1つ以上のR基によって任意に置換されてもよく、前記窒素含有飽和複素環式基は、任意に、N、O、Sから選択される1個以上(例えば、1、2、または3個)のさらなるヘテロ原子を含み得る。一実施形態では、3〜7個の環員(3〜6個の環員等)を有する窒素含有飽和複素環式基は、ピペリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、ピロリジニル、イミダゾリニル、アゼチジニル、チオモルポリニル(thiomorpolinyl)、例えば、ピペルジニル(piperdinyl)またはピペラジニルから選択される。
一実施形態では、Rは、3〜6個の環員を有する窒素含有芳香族複素環式基または−CH−(3〜6個の環員を有する窒素含有芳香族複素環式基)であり、前記複素環式基は、1つ以上のR基によって任意に置換されてもよく、複素環式基は、任意に、N、O、Sから選択される1個以上(例えば、1、2、または3個)のさらなるヘテロ原子を含み得る。
別の実施形態では、Rは、3〜6個の環員を有する窒素含有芳香族複素環式基であり、前記複素環式基は、置換されていなくても、例えば、ハロゲン(例えば、フッ素)、C1−6アルキル(例えば、メチル)、C1−6アルコキシ(例えば、メトキシ)、および−C(=O)C1−6アルキル(例えば、−C(=O)CH)から選択される1つ以上のR基によって置換されていてもよい。
一実施形態では、Rは、3〜6個の環員を有する酸素含有芳香族複素環式基または−CH−(3〜6個の環員を有する酸素含有芳香族複素環式基)であり、前記複素環式基は、1つ以上のR基によって任意に置換されてもよく、前記複素環式基は、任意に、N、O、Sから選択される1個以上(例えば、1、2、または3個)のさらなるヘテロ原子を含み得る。
別の実施形態では、Rは、3〜6個の環員を有する酸素含有芳香族複素環式基であり、前記複素環式基は、置換されていなくても、1つ以上のR基、例えば、ハロゲン(例えば、フッ素)、C1−6アルキル(例えば、メチル)、C1−6アルコキシ(例えば、メトキシ)、および−C(=O)C1−6アルキル(例えば、−C(=O)CH)から選択されるR基によって置換されていてもよい。
一実施形態では、Rは、1つ以上のRによって任意に置換される5または6個の環員を含むヘテロシクリル基から選択される。
一実施形態では、Rは、1つ以上のRによって任意に置換される5個の環員を含む芳香族ヘテロシクリル基から選択される。一実施形態では、Rは、1つ以上のRによって任意に置換される5個の環員を含む芳香族窒素含有(例えば、ジアザ)ヘテテロシクリル(heteterocyclyl)基から選択される。一実施形態では、Rは、ピラゾリル(例えば、ピラゾール−4−イルまたはピラゾール−3−イル)である。
一実施形態では、Rは、1つ以上のRによって任意に置換される6個の環員を含む飽和ヘテテロシクリル(heteterocyclyl)基から選択される。一実施形態では、Rは、1つ以上のRによって任意に置換される6個の環員を含む飽和酸素または窒素含有ヘテテロシクリル(heteterocyclyl)基から選択される。
一実施形態では、Rは、1つ以上のRによって任意に置換されるオキサニル、ピペリジニル、ピラゾリル、またはイミダゾリルから選択される。一実施形態では、Rは、1つ以上のRによって任意に置換されるオキサニル、ピペリジニル、ピラゾリル、またはイミダゾリルから選択され、Rは、ハロ(例えば、−F)またはC1−4アルキル(例えば、メチル)から選択される。
一実施形態では、Rは、1つ以上のRによって任意に置換されるオキサニル(別名、テトラヒドロピラニル)またはピペリジニルから選択される。一実施形態では、Rは、置換されていないか、または1つ以上のRによって置換されたオキサニルまたはピペリジニルから選択され、Rは、ハロ(例えば、−F)またはC1−4アルキル(例えば、メチル)、具体的には、ハロ(例えば、−F)から選択される。
一実施形態では、Rは、1つ以上のRによって任意に置換されるC3−8シクロアルキル、例えば、C3−6シクロアルキル(例えば、シクロブチルまたはシクロヘキシル)であり、例えば、Rは、ヒドロキシである。一実施形態では、Rは、1つ以上のヒドロキシによって任意に置換されるシクロヘキシルである。一実施形態では、Rは、トランス立体化学(例えば、トランス−4−ヒドロキシシクロヘキサン)における1つ以上のヒドロキシルによって任意に置換されるシクロヘキシルである。
一実施形態では、Rは、1つ以上のR基(例えば、メチル、−COCH)によって任意に置換される、3〜7個の環員を有する−CH−NH−複素環式基(例えば、−CH−NH−オキサニルおよび3〜7個の環員を有する−CH−N(C1−6アルキル)−複素環式基(例えば、−CHNCH−(ピペリジニル)から選択される。
一実施形態では、Rは、−(CR−CONRまたは3〜7個の環員を有する−C(=O)NH−複素環式基である。一実施形態では、Rは、4〜6個の環員を有する−C(=O)NH−複素環式基(例えば、ピペリジニル、ピラゾリル、またはアゼチジニル)である。
一実施形態では、Rは、−(CR−CONRである。一実施形態では、Rは、−(CR−CONH(C1−4アルキル)、具体的には、−(CO)NHCH、−(CO)NHCHCH、または−(CO)NH(CH(CH)である。
一実施形態では、Rは、1つ以上のR基(例えば、メチル、−COCH)によって任意に置換される3〜7個の環員を有する−C(=O)NH−複素環式基(例えば、−C(=O)NH−ピペリジニル、−C(=O)NH−アゼチジニル、または−C(=O)NH−ピラゾリル)である。
一実施形態では、Rは、−C1−6アルキル−NR(例えば、−C1−6アルキル−N(H)(C1−4アルキル)2−e)である。一実施形態では、Rは、−CHNH2、−CHNHCH、または−CHN(CHである。一実施形態では、Rは、−C1−6アルキル−NRであり、式中、Rは、C3−8シクロアルキルである。一実施形態では、Rは、−C1−2アルキル−NH−C3−6シクロアルキル(例えば、−CH−NH−シクロプロピル)である。
一実施形態では、Rは、−C1−6アルキル−NRであり、式中、R基およびR基が連結して、それらが結合している窒素原子と一緒に、C3−6シクロアルキルまたは3〜6個の環員を有するヘテロシクリル基を形成することができる。一実施形態では、RおよびRは一緒に、3〜6個の環員を有する飽和ヘテロシクリル基、例えば、ピペラジニルを形成する。
一実施形態では、Rは、−C1−6アルキル−NRであり、式中、R基およびR基が連結して、それらが結合している窒素原子と一緒に、3〜5個の環員の芳香族ヘテロシクリル基に任意に縮合され得るC3−6シクロアルキルまたは3〜6個の環員を有する飽和ヘテロシクリル基を形成する。一実施形態では、Rは、−C1−6アルキル−NRであり、式中、R基およびR基が連結して、それらが結合している窒素原子と一緒に、3〜5個の環員の芳香族ヘテロシクリル基に縮合される3〜6個の環員を有する飽和ヘテロシクリル基を形成する。Rは、独立して、ハロゲン、ニトロ、ニトリル、C1−6アルキル、ハロC1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、=O、ヒドロキシ、ヒドロキシC1−6アルキル、C1−6アルコキシ、−(CH−O−C1−6アルキル、ヒドロキシC1−6アルコキシ、−C(=O)C1−6アルキル、−C(=O)C1−6アルキル−OH、−C(=O)C1−6アルキル−N(H)(C1−4アルキル)2−e、−C(=O)N(H)(C1−4アルキル)2−e、−(CH−CO1−6アルキル、−(CH−COH、−N(H)(C1−4アルキル)2−e、−C1−6アルキル−N(H)(C1−4アルキル)2−e、3〜6個の環員を有するヘテロシクリル基、−C(=O)C1−4アルキルによって置換された3〜6個の環員を有するヘテロシクリル基、−C(=O)OC1−4アルキルによって置換された3〜6個の環員を有するヘテロシクリル基、−C(=O)N(H)(C1−4アルキル)2−eによって置換された3〜6個の環員を有するヘテロシクリル基、3〜6個の環員を有する−C(=O)ヘテロシクリル基、C3−8シクロアルキル、およびC3−8シクロアルケニルから選択される。
一実施形態では、Rは、独立して、ハロゲン(例えば、フッ素)、C1−6アルキル(例えば、メチル)、C1−6アルコキシ(例えば、メトキシ)、および−C(=O)C1−6アルキル(例えば、−C(=O)CH)から選択される。
一実施形態では、Rは、独立して、C1−6アルキル(例えば、メチル)、C1−6アルコキシ(例えば、メトキシ)、および−C(=O)C1−6アルキル(例えば、−C(=O)CH)から選択される。
一実施形態では、Rは、C1−6アルキル(例えば、メチルまたはエチル)、ハロC1−6アルキル(例えば、トリフルオロメチル)、C2−6アルケニル(例えば、Cアルケニル)、ヒドロキシC1−6アルキル(例えば、−CHOH、−CHCHOH)、−C1−6アルキル−NR(例えば、−CHNH2、−CHNHCH3、−CHN(CH、または−CH−NH−シクロプロピル)、−(CR−CONR(例えば、−(CO)NHCH、−(CO)NHCHCH、−(CO)NHCHCHNH、または−(CO)NH(CH(CH)、−(CH−O−C1−6アルキル(例えば、−CHOCH3、−CHOCHCH、または−CHOCD)、−(CR−NRCOR(例えば、−CHNHCOCH)、−(CR−O−CH−CONR(例えば、−CH−O−CHCON(CH)、−(CH−O−(ヒドロキシC1−6アルキル)(例えば、−CH−O−CHCHOH、)、3〜7個の環員を有する−C(=O)NH−複素環式基、C3−6シクロアルキル、3〜7個の環員を有する複素環式基(例えば、オキサニル)、または3〜7個の環員を有する−CH−複素環式基であり、前記シクロアルキルまたは前記複素環式基は、N、O、S、および酸化形態から選択される1個以上(例えば、1、2、または3個)のヘテロ原子を含み、1つ以上のR基(例えば、C1−6アルキル(例えば、メチル)、C1−6アルコキシ(例えば、メトキシ)、および−C(=O)C1−6アルキル(例えば、−C(=O)CH)から選択される)によって任意に置換されてもよい。一実施形態では、Rは、メチルまたはエチルであり、Rは、C1−6アルキル(例えば、メチル)、ヒドロキシC1−6アルキル、−C1−6アルキル−NR、−(CR−CONR、−(CH−O−C1−6アルキル、−(CR−NRCOR、−(CR−O−CH−CONR、−(CH−O−(ヒドロキシC1−6アルキル)、3〜7個の環員を有する複素環式基(例えば、オキサニル)、または3〜7個の環員を有する−CH−複素環式基であり、前記複素環式基は、N、O、S、および酸化形態から選択される1個以上(例えば、1、2、または3個)のヘテロ原子を含み、C1−6アルキル(例えば、メチル)、C1−6アルコキシ(例えば、メトキシ)、および−C(=O)C1−6アルキル(例えば、−C(=O)CH)から選択される1つ以上のR基によって任意に置換されてもよい。
一実施形態では、Rは、水素、C1−6アルキル(例えば、−CH、−CHCHまたは−CHCHCH)、C2−6アルケニル(例えば、−CH=CH)、およびハロC1−6アルキル(例えば、−CF)から選択される。
一実施形態では、Rは、水素またはC1−6アルキル(例えば、−CHまたは−CHCH)から選択される。
Figure 2020515546
であり、部分Rが複素環式基またはシクロアルキル基を含む場合、その複素環式基は、C1−6アルキル(例えば、メチル)、ヒドロキシ、ハロゲン(例えば、フルオロ)、−C(=O)C1−6アルキル(例えば、−C(=O)C(CH)、−(CH−COH(例えば、−CHCOOHもしくはCHCHCOOH、または−(CH−CO1−6アルキル(例えば、CHCHCOOCH)から選択される1つ以上のR基によって任意に置換されてもよい。
一実施形態では、Rは、C1−6アルキル(例えば、メチルまたはエチル)、ハロC1−6アルキル(例えば、トリフルオロメチル)、C2−6アルケニル(例えば、Cアルケニル)、ヒドロキシC1−6アルキル(例えば、−CHOH、−CHCHOH)、−C1−6アルキル−NR(例えば、−CHNH2、−CHNHCH3、−CHN(CH、または−CH−NH−シクロプロピル)、−(CR−CONR(例えば、−(CO)NHCH、−(CO)NHCHCH、−(CO)NHCHCHNH、または−(CO)NH(CH(CH)、−(CH−O−C1−6アルキル(例えば、−CHOCH3、−CHOCHCH、または−CHOCD)、−(CR−NRCOR(例えば、−CHNHCOCH)、−(CR−O−CH−CONR(例えば、−CH−O−CHCON(CH)、−(CH−O−(ヒドロキシC1−6アルキル)(例えば、−CH−O−CHCHOH、)、3〜7個の環員を有する−C(=O)NH−複素環式基、C3−6シクロアルキル、3〜7個の環員を有する複素環式基(例えば、オキサニル)、または3〜7個の環員を有する−CH−複素環式基であり、前記シクロアルキルまたは前記複素環式基は、N、O、S、および酸化形態から選択される1個以上(例えば、1、2、または3個)のヘテロ原子を含み、1つ以上のR基(例えば、C1−6アルキル(例えば、メチル)、C1−6アルコキシ(例えば、メトキシ)、および−C(=O)C1−6アルキル(例えば、−C(=O)CH)から選択される)によって任意に置換されてもよい。一実施形態では、Rは、メチルまたはエチルであり、Rは、C1−6アルキル(例えば、メチル)、ヒドロキシC1−6アルキル、−C1−6アルキル−NR、−(CR−CONR、−(CH−O−C1−6アルキル、−(CR−NRCOR、−(CR−O−CH−CONR、−(CH−O−(ヒドロキシC1−6アルキル)、3〜7個の環員を有する複素環式基(例えば、オキサニル)、または3〜7個の環員を有する−CH−複素環式基であり、前記複素環式基は、N、O、S、および酸化形態から選択される1個以上(例えば、1、2、または3個)のヘテロ原子を含み、C1−6アルキル(例えば、メチル)、C1−6アルコキシ(例えば、メトキシ)、および−C(=O)C1−6アルキル(例えば、−C(=O)CH)から選択される1つ以上のR基によって任意に置換されてもよい。
一実施形態では、Rは、水素またはC1−6アルキル(例えば、−CHまたは−CHCH)から選択される。
Figure 2020515546
式(1)の一実施形態では、Rは、1つ以上のR基、例えば、以下の基によって任意に置換される3〜7個の環員を有する複素環式基である。
(結合点は、破線の結合で表される)
Figure 2020515546
式(1)の一実施形態では、Rは、1つ以上のR基、例えば、以下の基によって任意に置換される3〜7個の環員を有する複素環式基である。
(結合点は、破線の結合で表される)
Figure 2020515546
一実施形態では、Rは、1つ以上のR基、例えば、以下の基によって任意に置換される3〜7個の環員を有する−CH−複素環式基である。
(結合点は、破線の結合で表される)」
Figure 2020515546
一実施形態では、Rは、以下から選択される。
(結合点は、破線の結合で表される)
Figure 2020515546
一実施形態では、Rは、以下から選択される。
(結合点は、破線の結合で表される)
Figure 2020515546
一実施形態では、Rは、水素またはC1−6アルキルである。一実施形態では、Rは、C1−6アルキルである。一実施形態では、Rは、メチルまたはエチルである。一実施形態では、Rは、エチルである。
一実施形態では、Rは、C1−6アルキル(メチルまたはエチル等、例えば、メチル)であり、Rは、ヒドロキシC1−6アルキルおよび−(CH)−O−C1−6アルキルから選択され、一実施形態では、Rは、メチルであり、Rは、メチル、−CH−OH、および−CH−OCHから選択される。一実施形態では、Rは、メチルであり、Rは、メチル、エチル、またはプロピルである。一実施形態では、Rは、メチルであり、Rは、メチルである。
一実施形態では、Rは、C1−6アルキルまたはハロC1−6アルキル(例えば、メチル、−モノフルオロメチル、トリフルオロメチル、またはエチル)である。
一実施形態では、Rは、C3−8シクロアルキル、例えば、C3−6シクロアルキル(例えば、シクロプロピル)である。
一実施形態では、Rは、C1−6アルキル(メチルまたはエチル等、例えば、エチル)であり、Rは、以下から選択される。
(結合点は、破線の結合または「*」で印付けされた結合終端で表される)
Figure 2020515546
Figure 2020515546
一実施形態では、Rは、C1−6アルキル(メチルまたはエチル等、例えば、エチル)であり、Rは、以下から選択される。
(結合点は、破線の結合または「*」で印付けされた結合終端で表される)
Figure 2020515546
Figure 2020515546
具体的には、Rは、以下のものである。
(結合点は、破線の結合で表される)
Figure 2020515546
一実施形態では、Rは、C1−6アルキル(メチルまたはエチル等、例えば、メチル)であり、Rは、オキサニルであり、式(1)の化合物は、式(Iw)の化合物である。
Figure 2020515546
式(Iw)の一実施形態では、Rは、水素またはフッ素である。
一実施形態では、Rは、イミダゾリルであり、式(1)の化合物は、式(Ix)の化合物、またはその互変異性体もしくは溶媒和物もしくは薬学的に許容される塩である。
Figure 2020515546
一実施形態では、Rは、N−メチルピペリジニルであり、式(1)の化合物は、式(Ix’)の化合物、またはその互変異性体もしくは溶媒和物もしくは薬学的に許容される塩である。
Figure 2020515546
一実施形態では、Rは、4−フルオロ−1−メチルピペリジン−4−イルであり、式(1)の化合物は、式(Ix’’)の化合物、またはその互変異性体もしくは溶媒和物もしくは薬学的に許容される塩である。
Figure 2020515546
一実施形態では、Rは、1つ以上のR基(例えば、メチル)によって任意に置換されるピラゾリルである。一実施形態では、Rは、N−メチルピラゾール−3−イルまたはN−メチルピラゾール−4−イルである。
一実施形態では、Rは、メチル、オキサニル、ピラゾリル、イミダゾリル、ピペリジニル、およびシクロヘキシルから選択され、前記シクロアルキルおよび前記複素環式基は、1つ以上のR基(例えば、メチル、フッ素、またはヒドロキシル)によって任意に置換される。
一実施形態では、Rは、1つ以上のR基(例えば、メチル、フッ素、またはヒドロキシル、具体的には、メチルおよびフッ素)によって任意に置換されるピペリジニルから選択される。
一実施形態では、式(1)の化合物は、式(Ix)の化合物であり、Rは、C1−4アルキルである。
一実施形態では、Rは、C1−6アルキル(例えば、−CH、−CHCH、または−CHCHCH、例えば、メチルまたはエチル、例えば、エチル)であり、Rは、1つ以上のR基によって任意に置換される3〜7個の環員を有する複素環式基である。
一実施形態では、Rは、C1−6アルキル(例えば、−CH、−CHCH、または−CHCHCH、例えば、メチルまたはエチル、例えば、エチル)であり、Rは、1つ以上のR基(例えば、メチルイミダゾリル)によって任意に置換されるイミダゾリルである。
一実施形態では、Rは、C1−6アルキル(例えば、−CH、−CHCHまたは−CHCHCH、例えば、メチルまたはエチル、例えば、エチル)であり、Rは、1つ以上のR基(例えば、メチルピペリジニル)によって任意に置換されるピペリジニルである。
一実施形態では、Rは、C1−6アルキル(例えば、−CH、−CHCH、または−CHCHCH、例えば、メチルまたはエチル、例えば、エチル)であり、Rは、C1−4アルキル、ヒドロキシルC1−4アルキル、メトキシC1−4アルキル、5もしくは6個の環員を有する複素環式基、またはC3−6シクロアルキルであり、前記複素環式基または前記C3−6シクロアルキル基は、1つ以上のR(例えば、メチル、ハロゲン(フッ素等)、C(=O)Me、または−OH)によって任意に置換される。
一実施形態では、Rは、C1−6アルキル(例えば、−CH、−CHCH、または−CHCHCH、例えば、メチルまたはエチル、例えば、エチル)であり、Rは、1つ以上のR(例えば、メチル、ハロゲン(フッ素等)、C(=O)Me、または−OH)によって任意に置換される、メチル、エチル、ヒドロキシルメチル、ヒドロキシエチル、メトキシメチル、ピペリジニル、オキサニル、イミダゾリル、ピラゾリル、シクロブチル、シクロヘキシルである。
一実施形態では、RおよびRの両方が同じである。一実施形態では、RおよびRの両方がメチルであり、式(1)の化合物は、式(Iy)の化合物、またはその互変異性体もしくは溶媒和物もしくは薬学的に許容される塩である。
Figure 2020515546
一実施形態では、基−CROHは、−C(CHOH以外である。
一実施形態では、Rは、以下からなる基から選択される。
(結合点は、破線の結合で表される)
Figure 2020515546
一実施形態では、Rは、以下からなる基から選択される。
(結合点は、破線の結合で表される)
Figure 2020515546
一実施形態では、Rは、独立して、ハロゲン、ニトロ、ニトリル、C1−6アルキル、ハロC1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、=O、ヒドロキシ、ヒドロキシC1−6アルキル、C1−6アルコキシ、−(CH−O−C1−6アルキル、ヒドロキシC1−6アルコキシ、−C(=O)C1−6アルキル、−C(=O)C1−6アルキル−OH、−C(=O)C1−6アルキル−N(H)(C1−4アルキル)2−e、−C(=O)N(H)(C1−4アルキル)2−e、−(CH−CO1−6アルキル、−(CH−COH、−NH(C1−4アルキル)、−N(C1−4アルキル)、−C1−6アルキル−N(H)(C1−4アルキル)2−e、3〜6個の環員を有するヘテロシクリル基、−C(=O)C1−4アルキルによって置換された3〜6個の環員を有するヘテロシクリル基、−C(=O)OC1−4アルキルによって置換された3〜6個の環員を有するヘテロシクリル基、−C(=O)N(H)(C1−4アルキル)2−eによって置換された3〜6個の環員を有するヘテロシクリル基、3〜6個の環員を有する−C(=O)ヘテロシクリル基、C3−8シクロアルキル、およびC3−8シクロアルケニルから選択される。
別の実施形態では、Rは、独立して、ハロゲン、ニトロ、ニトリル、C1−6アルキル、ハロC1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、=O、ヒドロキシ、ヒドロキシC1−6アルキル、C1−6アルコキシ、−(CH−O−C1−6アルキル、ヒドロキシC1−6アルコキシ、−C(=O)C1−6アルキル、−C(=O)C1−6アルキル−OH、−C(=O)C1−6アルキル−N(H)(C1−4アルキル)2−e、−C(=O)N(H)(C1−4アルキル)2−e、−(CH−CO1−6アルキル、−(CH−COH、−C1−6アルキル−N(H)(C1−4アルキル)2−e、3〜6個の環員を有するヘテロシクリル基、−C(=O)C1−4アルキルによって置換された3〜6個の環員を有するヘテロシクリル基、−C(=O)OC1−4アルキルによって置換された3〜6個の環員を有するヘテロシクリル基、−C(=O)N(H)(C1−4アルキル)2−eによって置換された3〜6個の環員を有するヘテロシクリル基、3〜6個の環員を有する−C(=O)ヘテロシクリル基、C3−8シクロアルキル、およびC3−8シクロアルケニルから選択される。
別の実施形態では、Rが飽和複素環基である場合、Rは、独立して、ハロゲン、ニトロ、ニトリル、C1−6アルキル、ハロC1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、=O、ヒドロキシ、ヒドロキシC1−6アルキル、C1−6アルコキシ、−(CH−O−C1−6アルキル、ヒドロキシC1−6アルコキシ、−C(=O)C1−6アルキル、−C(=O)C1−6アルキル−OH、−C(=O)C1−6アルキル−N(H)(C1−4アルキル)2−e、−C(=O)N(H)(C1−4アルキル)2−e、−(CH−CO1−6アルキル、−(CH−COH、−N(H)(C1−4アルキル)2−e、−C1−6アルキル−N(H)(C1−4アルキル)2−e、3〜6個の環員を有するヘテロシクリル基、−C(=O)C1−4アルキルによって置換された3〜6個の環員を有するヘテロシクリル基、−C(=O)OC1−4アルキルによって置換された3〜6個の環員を有するヘテロシクリル基、−C(=O)N(H)(C1−4アルキル)2−eによって置換された3〜6個の環員を有するヘテロシクリル基、3〜6個の環員を有する−C(=O)ヘテロシクリル基、C3−8シクロアルキル、およびC3−8シクロアルケニルから選択される。
部分式
一実施形態では、式(1)の化合物は、式(II)の化合物、またはその互変異性体もしくは溶媒和物もしくは薬学的に許容される塩であり、
Figure 2020515546
式中、R、R、R、R、R、R、a、およびmは、本明細書で定義される通りである。
一実施形態では、Rは、クロロ、ニトリル、メチル、またはメトキシである。一実施形態では、Rは、ヒドロキシまたはヒドロキシC1−4アルキル(例えば、ヒドロキシル)である。
一実施形態では、Rは、O0,1(CRCOOH(例えば、−COOH、−CHCOOH、−OCHCOOH、または−C(CHCOOHである。
別の実施形態では、Rは、クロロまたはニトリルであり、式(II)の化合物は、式(IIa)もしくは(IIb)の化合物、またはその互変異性体もしくは溶媒和物もしくは薬学的に許容される塩であり、
Figure 2020515546
式中、R、R、R、R、およびmは、本明細書で定義される通りである。一実施形態では、Rは、−SO−Rである。具体的には、Rは、−SO−C1−4アルキル、例えば、−SO−CHまたは5〜6個の環員を有する−SO−複素環式基(例えば、−SO−モルホリニル、典型的には−SO−(1−モルホリニル)である。別の実施形態では、一実施形態では、Rは、ヒドロキシまたはヒドロキシC1−4アルキル(例えば、−CHOHまたは−OH)である。
一実施形態では、Rは、メチルまたはエチルであり、式(1)の化合物は、式(IIIa)もしくは(IIIb)の化合物、またはその互変異性体もしくは溶媒和物もしくは薬学的に許容される塩であり、
Figure 2020515546
式中、R、R、R、R、R、a、およびmは、本明細書で定義される通りである。
一実施形態では、aは、1であり、式(1)の化合物は、式(IVa)の化合物、またはその互変異性体もしくは溶媒和物もしくは薬学的に許容される塩であり、
Figure 2020515546
式中、R、R、R、R、R、aおよびmは、本明細書で定義される通りである。
一実施形態では、式(1)の化合物は、式(IVb)の化合物、またはその互変異性体もしくは溶媒和物もしくは薬学的に許容される塩であり、
Figure 2020515546
式中、R、R、R、R、R、a、およびmは、本明細書で定義される通りである。
一実施形態では、Rは、Fであり、式(IVa)の化合物は、式(V)の化合物、またはその互変異性体もしくは溶媒和物もしくは薬学的に許容される塩であり、
Figure 2020515546
式中、R、R、R、R、およびmは、本明細書で定義される通りである。
一実施形態では、mは、1であり、置換基Rは、フェニル基の4位にあり、式(1)の化合物は、式(VI)の化合物、またはその互変異性体もしくは溶媒和物もしくは薬学的に許容される塩である。
Figure 2020515546
一実施形態では、Rは、クロロであり、式(VI)の化合物は、式(VIa)の化合物、またはその互変異性体もしくは溶媒和物もしくは薬学的に許容される塩である。
Figure 2020515546
本明細書で上述された部分式の別の実施形態では、Rは、水素および−(R−COH(例えば、−COOH、−CHCOOH、−CHCH−COH、−(CH(CH))−COH、および−(C(CH−COH)から選択される。
本明細書で上述された部分式の別の実施形態では、Rは、−(CH(CH))−COHおよび−(C(CH−COH)から選択される。
Figure 2020515546
一実施形態では、本発明は、式(1)の化合物、またはその互変異性体もしくは溶媒和物もしくは薬学的に許容される塩を調製するためのプロセスを提供し、
式中、Rは、独立して、ヒドロキシ、ハロゲン、ニトロ、ニトリル、C1−4アルキル、ハロC1−4アルキル、ヒドロキシC1−4アルキル、C2−6アルケニル、C1−4アルコキシ、ハロC1−4アルコキシ、およびC2−4アルキニルから選択され、
は、水素、C1−4アルキル、C2−6アルケニル、ヒドロキシC1−4アルキル、および−CHCOHから選択され、
およびRは、独立して、ハロゲン、ニトリル、C1−4アルキル、ハロC1−4アルキル、C1−4アルコキシ、およびハロC1−4アルコキシから選択され、
およびRは、独立して、水素、C1−6アルキル、ハロC1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、ヒドロキシ、ヒドロキシC1−6アルキル、−COOC1−6アルキル、3〜7個の環員を有する複素環式基、3〜7個の環員を有する−CH−複素環式基、3〜7個の環員を有する−CH−O−複素環式基、3〜7個の環員を有する−CH−NH−複素環式基、3〜7個の環員を有する−CH−N(C1−6アルキル)−複素環式基、3〜7個の環員を有する−C(=O)NH−複素環式基、C3−8シクロアルキル、−CH−C3−8シクロアルキル、−CH−O−C3−8シクロアルキル、およびC3−8シクロアルケニルから選択され、前記シクロアルキル、前記シクロアルケニル、または前記複素環式基は、1つ以上のR基によって任意に置換されてもよく、各例において、前記複素環式基は、N、O、S、およびそれらの酸化形態から選択される1個以上(例えば、1、2、または3個)のヘテロ原子を含み、
およびRは、独立して、水素、ハロゲン、ニトロ、ニトリル、C1−6アルキル、ハロC1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、ヒドロキシ、ヒドロキシC1−6アルキル、C1−6アルコキシ、−(CH−O−C1−6アルキル、ヒドロキシC1−6アルコキシ、−COOC1−6アルキル、−N(H)(C1−4アルキル)2−e、−C1−6アルキル−N(H)(C1−4アルキル)2−e、−(CH−C(=O)N(H)(C1−4アルキル)2−e3−8シクロアルキル、およびC3−8シクロアルケニルから選択され、
は、独立して、ハロゲン、ニトロ、ニトリル、C1−6アルキル、ハロC1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、=O、ヒドロキシ、ヒドロキシC1−6アルキル、C1−6アルコキシ、−(CH−O−C1−6アルキル、ヒドロキシC1−6アルコキシ、−C(=O)C1−6アルキル、−C(=O)C1−6アルキル−OH、−C(=O)C1−6アルキル−N(H)(C1−4アルキル)2−e、−C(=O)N(H)(C1−4アルキル)2−e、−(CH−CO1−6アルキル、−(CH−COH、−N(H)(C1−4アルキル)2−e、−C1−6アルキル−N(H)(C1−4アルキル)2−e、3〜6個の環員を有するヘテロシクリル基、−C(=O)C1−4アルキルによって置換された3〜6個の環員を有するヘテロシクリル基、−C(=O)OC1−4アルキルによって置換された3〜6個の環員を有するヘテロシクリル基、−C(=O)N(H)(C1−4アルキル)2−eによって置換された3〜6個の環員を有するヘテロシクリル基、3〜6個の環員を有する−C(=O)ヘテロシクリル基、C3−8シクロアルキル、およびC3−8シクロアルケニルから選択され、
n、e、r、およびjは、独立して、0、1、および2から選択され、
kおよびmは、独立して、1および2から選択され、
vおよびaは、独立して、0および1から選択される。
一実施形態では、本発明は、式(1)の化合物、またはその互変異性体もしくは溶媒和物もしくは薬学的に許容される塩を調製するためのプロセスを提供し、
式中、Rは、独立して、ヒドロキシ、ハロゲン、ニトロ、ニトリル、およびC1−4アルキルから選択され、
は、水素、C1−4アルキル、C2−6アルケニル、ヒドロキシC1−4アルキル、および−CHCOHから選択され、
およびRは、独立して、ハロゲン、ニトリル、およびC1−4アルキルから選択され、
は、水素、C1−6アルキル、ハロC1−6アルキル、C2−6アルケニル、およびC2−6アルキニルから選択され、
は、水素、C1−6アルキル、ハロC1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、ヒドロキシ、ヒドロキシC1−6アルキル、−COOC1−6アルキル、3〜7個の環員を有する複素環式基、3〜7個の環員を有する−CH−複素環式基、3〜7個の環員を有する−CH−O−複素環式基、3〜7個の環員を有する−CH−NH−複素環式基、3〜7個の環員を有する−CH−N(C1−6アルキル)−複素環式基、3〜7個の環員を有する−C(=O)NH−複素環式基、C3−8シクロアルキル、−CH−C3−8シクロアルキル、−CH−O−C3−8シクロアルキル、およびC3−8シクロアルケニルから選択され、前記シクロアルキル、前記シクロアルケニル、または前記複素環式基は、1つ以上のR基によって任意に置換されてもよく、各例において、前記複素環式基は、N、O、S、およびそれらの酸化形態から選択される1個以上(例えば、1、2、または3個)のヘテロ原子を含み、
およびRは、独立して、水素、ハロゲン、ニトロ、ニトリル、C1−6アルキル、ハロC1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、ヒドロキシ、ヒドロキシC1−6アルキル、C1−6アルコキシ、−(CH−O−C1−6アルキル、ヒドロキシC1−6アルコキシ、−COOC1−6アルキル、−N(H)(C1−4アルキル)2−e、−C1−6アルキル−N(H)(C1−4アルキル)2−e、−(CH−C(=O)N(H)(C1−4アルキル)2−e、C3−8シクロアルキル、およびC3−8シクロアルケニルから選択され、
は、独立して、ハロゲン、ニトロ、ニトリル、C1−6アルキル、ハロC1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、=O、ヒドロキシ、ヒドロキシC1−6アルキル、C1−6アルコキシ、−(CH−O−C1−6アルキル、ヒドロキシC1−6アルコキシ、−C(=O)C1−6アルキル、−C(=O)C1−6アルキル−OH、−C(=O)C1−6アルキル−N(H)(C1−4アルキル)2−e、−C(=O)N(H)(C1−4アルキル)2−e、−(CH−CO1−6アルキル、−(CH−COH、−N(H)(C1−4アルキル)2−e、−C1−6アルキル−N(H)(C1−4アルキル)2−e、3〜6個の環員を有するヘテロシクリル基、−C(=O)C1−4アルキルによって置換された3〜6個の環員を有するヘテロシクリル基、−C(=O)OC1−4アルキルによって置換された3〜6個の環員を有するヘテロシクリル基、−C(=O)N(H)(C1−4アルキル)2−eによって置換された3〜6個の環員を有するヘテロシクリル基、3〜6個の環員を有する−C(=O)ヘテロシクリル基、C3−8シクロアルキル、およびC3−8シクロアルケニルから選択され、
n、e、r、およびjは、独立して、0、1、および2から選択され、
kおよびmは、独立して、1および2から選択され、
vおよびaは、独立して、0および1から選択される。
一実施形態では、本発明は、式(1)の化合物、またはその互変異性体もしくは溶媒和物もしくは薬学的に許容される塩を調製するためのプロセスを提供し、
式中、Rは、独立して、ヒドロキシ、ハロゲン、ニトロ、ニトリル、およびC1−4アルキルから選択され、
は、水素、C1−4アルキル、C2−6アルケニル、ヒドロキシC1−4アルキル、および−CHCOHから選択され、
およびRは、独立して、ハロゲン、ニトリル、およびC1−4アルキルから選択され、
は、水素およびC1−6アルキルから選択され、
は、3〜7個の環員を有する複素環式基、3〜7個の環員を有する−CH−複素環式基、C3−8シクロアルキル、および−CH−C3−8シクロアルキルから選択され、前記シクロアルキルまたは前記複素環式基は、1つ以上のR基によって任意に置換されてもよく、各例において、前記複素環式基は、N、O、S、およびそれらの酸化形態から選択される1個以上(例えば、1、2、または3個)のヘテロ原子を含み、
およびRは、独立して、水素およびC1−6アルキルから選択され、
は、独立して、ハロゲン、ニトロ、ニトリル、C1−6アルキル、ハロC1−6アルキル、C2−6アルケニル、ヒドロキシ、ヒドロキシC1−6アルキル、C1−6アルコキシ、−C(=O)C1−6アルキル、および−N(H)(C1−4アルキル)2−eから選択され、
nおよびeは、独立して、0、1、および2から選択され、
mは、1および2から選択され、
aは、0および1から選択される。
一実施形態では、本発明は、式(1)の化合物、またはその互変異性体もしくは溶媒和物もしくは薬学的に許容される塩を調製するためのプロセスを調製するためのプロセスを提供し、
式中、Rは、独立して、ハロゲン、ヒドロキシ、およびニトリルから選択され、
は、水素、C1−4アルキル、および−CHCOHから選択され、
およびRは、独立して、ハロゲンから選択され、
は、水素およびC1−6アルキルから選択され、
は、3〜7個の環員を有する複素環式基、3〜7個の環員を有する−CH−複素環式基、C3−8シクロアルキル、および−CH−C3−8シクロアルキルから選択され、前記シクロアルキル、前記シクロアルケニル、または前記複素環式基は、1つ以上のR基によって任意に置換されてもよく、各例において、前記複素環式基は、N、O、S、およびそれらの酸化形態から選択される1個以上(例えば、1、2、または3個)のヘテロ原子を含み、
およびRは、独立して、水素およびC1−6アルキルから選択され、
は、独立して、ハロゲン、ニトロ、ニトリル、およびC1−6アルキルから選択され、
nは、1であり、mは、1であり、
aは、0および1から選択される。
一実施形態では、本発明は、式(1)の化合物、またはその互変異性体もしくは溶媒和物もしくは薬学的に許容される塩を調製するためのプロセスを提供し、
式中、Rは、独立して、ハロゲン、ヒドロキシ、およびニトリルから選択され、
は、水素、C1−4アルキル、および−CHCOHから選択され、
およびRは、独立して、ハロゲンから選択され、
は、水素およびC1−6アルキルから選択され、
は、1つ以上のR基によって任意に置換される3〜7個の環員を有する複素環式基であり、
およびRは、独立して、水素およびC1−6アルキルから選択され、
は、独立して、ハロゲンおよびC1−6アルキルから選択され、
nは、1であり、mは、1であり、
aは、1である。
一実施形態では、本発明は、式(1)の化合物、またはその互変異性体もしくは溶媒和物もしくは薬学的に許容される塩を調製するためのプロセスを提供し、
式中、Rは、ハロゲン(例えば、Cl)、C1−4アルキニル(例えば、−C≡CH)、ニトリル、ヒドロキシC1−4アルキル(例えば、CHOH)、−O0,1(CRCOOH(例えば、−COOH、−CHCOOH、−OCHCOOH、もしくは−C(CHCOOH、−S(O)−C1−4アルキル(例えば、SCH、SOCH、もしくはSOCH)、−SO−(1−モルホリニル)、または−P(=O)(R、(例えば、−P(=O)(CH)であり、
nは、1または2であり、
は、水素、C1−4アルキル(例えば、−CH)、ヒドロキシC1−4アルキル(例えば、CHOH)、または−(CHCOOH(例えば、−CHCOOH、−CHCH−COH、もしくは−(CH(CH))−COH)であり、
は、ハロゲン(例えば、F)であり、
aは、0または1であり、
は、ハロゲン(例えば、Cl)であり、
mは、1であり、
は、水素またはC1−6アルキル(例えば、−CHまたは−CHCH)であり、
Figure 2020515546
であり、部分Rが複素環式基またはシクロアルキル基を含む場合、その複素環式基は、C1−6アルキル(例えば、メチル)、ヒドロキシ、ハロゲン(例えば、フルオロ)、−C(=O)C1−6アルキル(例えば、−C(=O)C(CH)、−(CH−COH(例えば、−CHCOOHもしくはCHCHCOOH、または−(CH−CO1−6アルキル(例えば、CHCHCOOCH)から選択される1つ以上のR基によって任意に置換されてもよい。
一実施形態では、本発明は、式(1)の化合物、またはその互変異性体もしくは溶媒和物もしくは薬学的に許容される塩を調製するためのプロセスを提供し、
式中、Rは、ハロゲン(例えば、Cl)、C1−4アルキニル(例えば、−C≡CH)、ニトリル、ヒドロキシC1−4アルキル(例えば、CHOH)、−(CHCOOH(例えば、−COOH)、−S(O)−C1−4アルキル(例えば、SCH、SOCH、もしくはSOCH)、−SO−(1−モルホリニル)、または−P(=O)(R、(例えば、−P(=O)(CH)であり、
nは、1または2であり、
は、水素、C1−4アルキル(例えば、−CH)、ヒドロキシC1−4アルキル(例えば、CHOH)、または−(CHCOOH(例えば、−CHCOOH)であり、
は、ハロゲン(例えば、F)であり、
aは、0または1であり、
は、ハロゲン(例えば、Cl)であり、
mは、1であり、
は、水素またはC1−6アルキル(例えば、−CHまたは−CHCH)であり、
Figure 2020515546
であり、Rが複素環式基を含む場合、その複素環式基は、C1−6アルキル(例えば、メチル)から選択される1つ以上のR基によって任意に置換されてもよい。
式(I)の一実施形態では、Rは、3〜7個の環員を有する複素環式基、例えば、以下のものである。
(結合点は、破線の結合で表される)
Figure 2020515546
式の一実施形態では、Rが複素環式基を含む場合、複素環式基は、Rが、1つ以上のR基、例えば、以下の基によって任意に置換される3〜7個の環員を有する複素環式基、
(結合点は、破線の結合で表される)
Figure 2020515546
または1つ以上のR基、例えば、以下の基によって任意に置換される3〜7個の環員を有する−CH−複素環式基であるものである。
(結合点は、破線の結合で表される)
Figure 2020515546
式の一実施形態では、Rが複素環式基を含む場合、複素環式基は、Rが、1つ以上のR基、例えば、以下の基によって任意に置換される3〜7個の環員を有する複素環式基、
(結合点は、破線の結合で表される)
Figure 2020515546
または1つ以上のR基、例えば、以下の基によって任意に置換される3〜7個の環員を有する−CH−複素環式基であるものである。
(結合点は、破線の結合で表される)
Figure 2020515546
一実施形態では、本発明は、式(1)の化合物、またはその互変異性体もしくは溶媒和物もしくは薬学的に許容される塩を調製するためのプロセスを提供し、
式中、Rは、−Cl、−CN、−OH、または−OCHであり、
nは、1であり、
は、水素であり、
aは、0または1であり、Rは、ハロゲン(例えば、フッ素)であり、
は、ハロゲン(例えば、Cl)であり、
mは、1であり、
は、C1−4アルキル(例えば、メチルまたはエチル)であり、
は、C1−4アルキル(例えば、メチルもしくはエチル)、ヒドロキシルC1−4アルキル(例えば、ヒドロキシルメチルもしくはヒドロキシエチル)、メトキシC1−4アルキル(例えば、メトキシメチル)、5もしくは6個の環員を有する複素環式基(例えば、ピペリジニル、オキサニル、イミダゾリル、もしくはピラゾリル)、またはC3−6シクロアルキル(例えば、シクロブチルもしくはシクロヘキシル)であり、前記5もしくは6個の環員を有する複素環式基および前記C3−6シクロアルキル基は、メチル、ハロゲン(フッ素等)、−C(=O)Me、および−OHから独立して選択される1または2つのR基で任意に置換されてもよい。
一実施形態では、本発明は、式(1)の化合物、またはその互変異性体もしくは溶媒和物もしくは薬学的に許容される塩を調製するためのプロセスを提供し、
式中、Rは、−Cl、−CN、−OH、または−OCHであり、
nは、1であり、
は、水素または−(CH−COHであり、式中、uは、独立して、0および1から選択され、
aは、0または1であり、Rは、ハロゲン(例えば、フッ素)であり、
は、ハロゲン(例えば、Cl)であり、
mは、1であり、
は、C1−4アルキル(例えば、メチルまたはエチル)であり、
は、C1−4アルキル(例えば、メチルもしくはエチル)、ヒドロキシルC1−4アルキル(例えば、ヒドロキシルメチルもしくはヒドロキシエチル)、メトキシC1−4アルキル(例えば、メトキシメチル)、5もしくは6個の環員を有する複素環式基(例えば、ピペリジニル、オキサニル、イミダゾリルもしくはピラゾリル)、またはC3−6シクロアルキル(例えば、シクロブチルもしくはシクロヘキシル)であり、
前記5もしくは6個の環員を有する複素環式基および前記C3−6シクロアルキル基は、メチル、ハロゲン(フッ素等)、−C(=O)Me、および−OHから独立して選択される1または2つのR基で任意に置換されてもよい。
一実施形態では、本発明は、式(1)の化合物、またはその互変異性体もしくは溶媒和物もしくは薬学的に許容される塩を調製するためのプロセスを提供し、
式中、Rは、ハロゲン(例えば、Cl)またはニトリルであり、
nは、1であり、
は、水素または−(CHCOOH(例えば、−CHCOOH)であり、
は、ハロゲン(例えば、F)であり、
aは、0または1であり、
は、ハロゲン(例えば、Cl)であり、
mは、1であり、
は、水素またはC1−6アルキル(例えば、−CHまたは−CHCH)であり、
は、C1−4アルキル(例えば、メチル)、ヒドロキシルC1−4アルキル(例えば、ヒドロキシルメチル)、メトキシC1−4アルキル(例えば、メトキシメチル)、5または6個の環員を有する複素環式基(例えば、ピペリジニル、オキサニル、イミダゾリル、またはピラゾリル))であり、
前記5または6個の環員を有する複素環式基は、C1−4アルキル(例えば、メチル)から独立して選択される1または2つのR基で任意に置換されてもよい。
一実施形態では、本発明は、式(1)の化合物、またはその互変異性体もしくは溶媒和物もしくは薬学的に許容される塩を調製するためのプロセスを提供し、
式中、Rは、ハロゲン(例えば、Cl)、ニトリル、O0,1(CRCOOH(例えば、−COOH、−CHCOOH、−OCHCOOH、または−C(CHCOOHであり、
nは、1または2であり、
は、水素および−(R−COH(例えば、−COOH、−CHCOOH、−CHCH−COH、−(CH(CH))−COH、および−(C(CH−COH)から選択され、
は、ハロゲン(例えば、F)であり、
は、ハロゲン(例えば、Cl)であり、
mは、1であり、
は、水素またはC1−6アルキル(例えば、−CHまたは−CHCH)であり、
は、C1−4アルキル(例えば、メチル)、ヒドロキシルC1−4アルキル(例えば、ヒドロキシルメチル)、メトキシC1−4アルキル(例えば、メトキシメチル)、5または6個の環員を有する複素環式基(例えば、ピペリジニル、オキサニル、イミダゾリル、またはピラゾリル))であり、
前記5または6個の環員を有する複素環式基は、C1−4アルキル(例えば、メチル)から独立して選択される1または2つのR基で任意に置換されてもよい。
誤解を避けるために、1つの置換基についての一般的かつ具体的な実施形態および例の各々が、本明細書で定義される1つ以上、具体的には、全ての他の置換基についての一般的かつ具体的な実施形態および例の各々と組み合わせられてもよく、全てのかかる実施形態が本出願によって包含されることを理解されたい。
cycがHetである化合物
一実施形態では、cycがHetであり、本発明は、式(1)の1−メトキシイソインドリン、
Figure 2020515546
またはその互変異性体もしくは溶媒和物もしくは塩を調製するためのプロセスであって、
前記プロセスが、式(2)の化合物を取り込むことであって、
Figure 2020515546
式中、ピリジニル、ピリミジニル、ピラジニル、もしくはピリダジニル、またはそのN−オキシドであるHet、
が、炭素原子に結合しており、独立して、ヒドロキシ、ハロゲン、ニトロ、ニトリル、C1−4アルキル、ハロC1−4アルキル、ヒドロキシC1−4アルキル、C2−6アルケニル、C1−4アルコキシ、ハロC1−4アルコキシ、C2−4アルキニル、−O0,1−(CR−COH、−(CR−CO1−4アルキル、−(CR−CON(C1−4アルキル)、−P(=O)(R、−S(O)−R、3〜6個の環員を有する−S(O)−複素環式基、および−S(O)−N(Rから選択され、
が、独立して、ヒドロキシ、ハロゲン、ニトロ、ニトリル、C1−4アルキル、ハロC1−4アルキル、ヒドロキシC1−4アルキル、C2−6アルケニル、C1−4アルコキシ、ハロC1−4アルコキシ、C2−4アルキニル、−O0,1−(CR−COH、−(CR−CO1−4アルキル、−(CR−CON(C1−4アルキル)、−P(=O)(R、−S(O)−R、3〜6個の環員を有する−S(O)−複素環式基、および−S(O)−N(Rから選択され、
が、水素、C1−4アルキル、C2−6アルケニル、ヒドロキシC1−4アルキル、−(CR−COH、−(CR−CONR、−(CR−CO10から選択され、式中、R10が、C1−7アルキル、C1−7ハロアルキル、トリC1−7アルキルシリル−C1−7アルキル、C5−20アリール、およびC5−20アリール−C1−7アルキルから選択され、
およびRが、独立して、ハロゲン、ニトリル、C1−4アルキル、ハロC1−4アルキル、C1−4アルコキシ、およびハロC1−4アルコキシから選択され、
Qが、−C(OH)R、−C(=O)R、ハロゲン(例えば、−F、−Cl、−Br、−I)、および−OTfから選択され、
およびRが、独立して、水素、C1−6アルキル、ハロC1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、ヒドロキシ、ヒドロキシC1−6アルキル、−COOC1−6アルキル、−(CH−O−C1−6アルキル、−(CH−O−(ヒドロキシC1−6アルキル)、−C1−6アルキル−NR、−(CR−CONR、−(CR−NRCOR、−(CR−O−CH−CONR、3〜7個の環員を有する複素環式基、3〜7個の環員を有する−CH−複素環式基、3〜7個の環員を有する−CH−O−複素環式基、3〜7個の環員を有する−CH−NH−複素環式基、3〜7個の環員を有する−CH−N(C1−6アルキル)−複素環式基、3〜7個の環員を有する−C(=O)NH−複素環式基、C3−8シクロアルキル、−CH−C3−8シクロアルキル、−CH−O−C3−8シクロアルキル、およびC3−8シクロアルケニルから選択され、前記シクロアルキル、前記シクロアルケニル、または前記複素環式基が、1つ以上のR基によって任意に置換されてもよく、各例において、前記複素環式基が、N、O、S、およびそれらの酸化形態から選択される1個以上(例えば、1、2、または3個)のヘテロ原子を含むか、または
Qが−C(OH)Rである場合、前記R基および前記R基が連結して、それらが結合している炭素原子と一緒に、C3−6シクロアルキルまたは3〜6個の環員を有するヘテロシクリル基を形成することができ、前記複素環式基が、N、O、S、およびそれらの酸化形態から選択される1個以上(例えば、1、2、または3個)のヘテロ原子を含み、前記C3−6シクロアルキルおよび前記ヘテロシクリル基が、1つ以上のR基によって任意に置換されてもよく、
が、水素、C1−6アルキル、ハロC1−6アルキル、ヒドロキシC1−6アルキル、−(CH−O−C1−6アルキル、−(CH−O−(ヒドロキシC1−6アルキル)、ヒドロキシC1−6アルコキシ、−(CH−CO1−6アルキル、−(CH−COH、−C1−6アルキル−N(H)(C1−4アルキル)2−e、−(CH)j−C3−8シクロアルキル、および−(CH−C3−8シクロアルケニルから選択され、
およびRが、独立して、水素、ハロゲン、ニトロ、ニトリル、C1−6アルキル、ハロC1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、ヒドロキシ、ヒドロキシC1−6アルキル、C1−6アルコキシ、−(CH−O−C1−6アルキル、ヒドロキシC1−6アルコキシ、−COOC1−6アルキル、−N(H)(C1−4アルキル)2−e、−C1−6アルキル−N(H)(C1−4アルキル)2−e、−(CH−C(=O)N(H)(C1−4アルキル)2−e、C3−8シクロアルキル、およびC3−8シクロアルケニルから選択されるか、または
前記R基および前記R基が連結して、それらが結合している炭素原子または窒素原子と一緒に、3〜5個の環員の芳香族ヘテロシクリル基に任意に縮合され得るC3−6シクロアルキルまたは3〜6個の環員を有する飽和ヘテロシクリル基を形成することができるか、または
炭素原子上にある場合、前記R基および前記R基が一緒に連結して、=CH基を形成することができ、Rが、独立して、ハロゲン、ニトロ、ニトリル、C1−6アルキル、ハロC1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、=O、ヒドロキシ、ヒドロキシC1−6アルキル、C1−6アルコキシ、−(CH−O−C1−6アルキル、ヒドロキシC1−6アルコキシ、−C(=O)C1−6アルキル、−C(=O)C1−6アルキル−OH、−C(=O)C1−6アルキル−N(H)(C1−4アルキル)2−e、−C(=O)N(H)(C1−4アルキル)2−e、−(CH−CO1−6アルキル、−(CH−COH、−N(H)(C1−4アルキル)2−e、−C1−6アルキル−N(H)(C1−4アルキル)2−e、3〜6個の環員を有するヘテロシクリル基、−C(=O)C1−4アルキルによって置換された3〜6個の環員を有するヘテロシクリル基、−C(=O)OC1−4アルキルによって置換された3〜6個の環員を有するヘテロシクリル基、−C(=O)N(H)(C1−4アルキル)2−eによって置換された3〜6個の環員を有するヘテロシクリル基、3〜6個の環員を有する−C(=O)ヘテロシクリル基、C3−8シクロアルキル、およびC3−8シクロアルケニルから選択され、Rがピリジンである場合、Rが−NH以外であり、
a、j、d、e、n、r、およびpが、独立して、0、1、および2から選択され、
kおよびmが、独立して、1および2から選択され、
uが、0、1、2、および3から選択され、
vおよびwが、独立して、0および1から選択される、取り込むことと、
式(2)の前記化合物を塩基の存在下でメチル化剤と反応させることと、を含む、プロセスを提供する。
Het
Hetは、ピリジニル、ピリミジニル、ピラジニル、もしくはピリダジニル、またはそのN−オキシドである。
一実施形態では、Hetは、ピリジニル、ピリミジニル、もしくはピリダジニル、またはそのN−オキシドである。
一実施形態では、Hetは、ピリジニルもしくはピリミジニル、またはそのN−オキシドである。一実施形態では、Hetは、ピリジニルまたはピリミジニルである。一実施形態では、Hetは、任意に置換されるピリミジン−2−イルである。
一実施形態では、Het基の結合点は、Het基の2位にあり、Hetは、ピリジン−2−イル、ピリミジン−2−イル、またはピリダジン−2イルである。言い換えれば、Het環は、Het環における窒素原子に隣接した炭素原子によって分子の残りに結合している。
一実施形態では、Hetは、ピリジニルである。具体的には、Hetは、ピリジン−2−イルであり得、式(1)の化合物は、式(Ia)の化合物、またはその互変異性体もしくは溶媒和物もしくは薬学的に許容される塩であるか、またはHetは、ピリジン−3−イルであり、式(1)の化合物は、式(Ib)の化合物、またはその互変異性体もしくは溶媒和物もしくは薬学的に許容される塩である。
Figure 2020515546
一実施形態では、Hetは、N−オキシドピリジニルである。具体的には、Hetは、N−オキシドピリジン−2−イルであり得、式(1の化合物)は、式(Ia’)の化合物、またはその互変異性体もしくは溶媒和物もしくは薬学的に許容される塩である。
Figure 2020515546
一実施形態では、Hetは、ピリミジニルである。具体的には、Hetは、ピリミジン−2−イルであり得、式(1)の化合物は、式(Ic)の化合物、またはその互変異性体もしくは溶媒和物もしくは薬学的に許容される塩である。
Figure 2020515546
一実施形態では、式(1)の化合物は、ピリジン−2−イルまたはピリミジン−2−イルであり得、式(1)の化合物は、式(Id)の化合物、またはその互変異性体もしくは溶媒和物もしくは薬学的に許容される塩であり、
Figure 2020515546
式中、Lは、CR、CH、またはNである。式(Ic)の一実施形態では、Lは、CHまたはNである。
一実施形態では、Hetは、ピリド−2−イルまたはピリミジン−2−イルである。
一実施形態では、Hetは、以下からなる群から選択される(破線は、CHR基に結合した炭素原子への結合を表す)。
Figure 2020515546
一実施形態では、Hetは、以下からなる群から選択される(破線は、CHR基に結合した炭素原子への結合を表す)。
Figure 2020515546
およびn
は、Het基上の置換基(複数可)である。Rは、Het基の(窒素原子ではなく)炭素原子に結合している。
nは、0、1、2、または3である。言い換えれば、Het基は、0、1、2、または3つの置換基Rを有し得る。
一実施形態では、nは、1、2、または3である。一実施形態では、nは、1または2である。別の実施形態では、nは、1である。
nが2または3である(すなわち、Het基が1つより多くのRで置換されている)場合、置換基Rは、同じであっても異なってもよい(すなわち、独立して、Rの定義から選択される)。
は、6員Het基のオルト(もしくはo−)、メタ(もしくはm−)、またはパラ(もしくはp−)位で炭素原子に結合していてもよく、この位置は、6員Het基の基−CHR−への結合点に対して定義される。
は、独立して、ヒドロキシ、ハロゲン、ニトロ、ニトリル、C1−4アルキル、ハロC1−4アルキル、ヒドロキシC1−4アルキル、C2−6アルケニル、C1−4アルコキシ、ハロC1−4アルコキシ、C2−4アルキニル、−O0,1−(CR−COH、−(CR−CO1−4アルキル、−(CR−CON(C1−4アルキル)、−P(=O)(R、−S(O)−R、3〜6個の環員を有する−S(O)−複素環式基、および−S(O)−N(Rから選択される。
一実施形態では、Rは、独立して、ヒドロキシ、ハロゲン、ニトロ、ニトリル、C1−4アルキル、ハロC1−4アルキル、ヒドロキシC1−4アルキル、C2−6アルケニル、C1−4アルコキシ、ハロC1−4アルコキシ、C2−4アルキニル、−(CR−COH、−(CR−CO1−4アルキル、−(CR−CON(C1−4アルキル)、−P(=O)(R、−S(O)−R、3〜6個の環員を有する−S(O)−複素環式基、および−S(O)−N(Rから選択される。
一実施形態では、Rは、炭素原子に結合しており、独立して、ヒドロキシ、ハロゲン、ニトロ、ニトリル、C1−4アルキル、ハロC1−4アルキル、ヒドロキシC1−4アルキル、C2−6アルケニル、C1−4アルコキシ、ハロC1−4アルコキシ、C2−4アルキニル、−(CR−CO1−4アルキル、−(CR−CON(C1−4アルキル)、−P(=O)(R、−S(O)−R、3〜6個の環員を有する−S(O)−複素環式基、および−S(O)−N(Rから選択される。
一実施形態では、Rは、独立して、ハロゲン、ヒドロキシ、ニトリル、C1−4アルキル、C2−4アルキニル、またはC1−4アルコキシから選択され、例えば、Rは、独立して、フルオロ、クロロ、ヒドロキシ、ニトリル、メチル、またはメトキシから選択される。
一実施形態では、Rは、独立して、ハロゲン(例えば、クロロ)、C1−4アルキル(例えば、メチル)、C1−4アルコキシ(例えば、メトキシ)、−O0,1−(CR−COH(例えば、−COH、−(CH)−COH、−(C(CH)−COH、もしくは−O(CH)−COH)、または−S(O)−R(例えば、SOCH)から選択される。
一実施形態では、Rは、O0,1−(CR−COH、具体的には、−COH、−(CH)−COH、−(C(CH)−COH、または−O(CH)−COH)、例えば、−(C(CH)−COHである。
一実施形態では、Rは、クロロまたはニトリル、具体的には、クロロである。
一実施形態では、Rは、ニトロ(すなわち、p−NO)である。
一実施形態では、Rは、オルト位またはメタ位にあるニトロである。
別の実施形態では、nは、1であり、Rは、クロロまたはニトリルである。
別の実施形態では、nは、1であり、Rは、クロロである。
別の実施形態では、nは、1であり、Rは、ニトリルである。
一実施形態では、R基のうちの1つまたはR基(式中、n=1)は、パラ位(すなわち、6員環の結合点に対してパラ)にある。一実施形態では、nは、1であり、Rは、p−クロロまたはp−ニトリルである。
一実施形態では、nは、1であり、Rは、ハロゲン(例えば、ClもしくはF)、ニトリル、C1−4アルコキシ(例えば、−OCH)、またはC1−4アルキル(例えば、CH)である。
一実施形態では、nは、2である。一実施形態では、nが2である場合、Het基は、(i)o−(−S(O)−C1−4アルキル)またはo−(3〜6個の環員を有する−S(O)−複素環式基)、および(ii)ハロゲン(例えば、ClもしくはF)、ニトリル、またはC1−4アルキル、具体的には、クロロ、ニトリル、またはメチルで置換される。
別の実施形態では、1つ以上のRは、−SOCH、または6個の環員を有する−SO−複素環式基、例えば、−SO−(モルホリニル)、具体的には、−SO−(1−モルホリニル)である。
一実施形態では、Rは、o−(−S(O)−C1−4アルキル)またはo−(3〜6個の環員を有する−S(O)−複素環式基)である。
一実施形態では、nは、2であり、Rは、(i)−SOCHおよび(ii)クロロである。
一実施形態では、nは、2であり、Rは、(i)−SOCHおよび(ii)クロロ、ニトリル、またはメチルである。
一実施形態では、HetおよびRは、以下の基を形成し、
Figure 2020515546
式中、具体的には、Rは、ハロゲン(例えば、クロロ)、ニトリル、またはC1−4アルキル(例えば、−CH)であり、Rは、C1−4アルキル(例えば、−CH)である。
一実施形態では、HetおよびRは、以下の基を形成し、
Figure 2020515546
式中、具体的には、Rは、C1−4アルキル(例えば、−CH)であり、Rは、C1−4アルキル(例えば、−CH)である。
一実施形態では、nが2である場合、Het基は、(i)o−OHまたはo−CHOH、および(ii)ハロゲン(例えば、ClもしくはF)、ニトリル、またはC1−4アルキル、具体的には、クロロまたはニトリルで置換される。一実施形態では、nが2である場合、Het基は、(i)ヒドロキシおよび(ii)ハロゲン(例えば、ClもしくはF)またはニトリル、具体的には、クロロまたはニトリルで置換される。一実施形態では、nが2である場合、Het基は、(i)o−ヒドロキシ、および(ii)p−Clまたはp−CN(例えば、p−Cl)で置換される。
一実施形態では、nは、2であり、Rは、フッ素(例えば、Het基のオルト位およびパラ位にある)である。
一実施形態では、Rは、ハロゲン(例えば、ClもしくはF)、C1−4アルキニル(例えば、−C≡CH)、ニトリル、−(CHCOOH(例えば、−COOH)、または−SO1−4アルキル(例えば、SOCH)であり、nは、1または2である。
一実施形態では、nは、1であり、Rは、Cl(例えば、p−Cl)、CN(例えば、p−CN)、F、例えば、(p−F)、CH(例えば、p−CH)、またはOCH(p−OCH)であるか、またはnは、2であり、(i)Rは、p−F、o−F、または(ii)p−CH、o−OCH、または(iii)p−Cl、o−SOCH、または(iv)p−Cl、o−OHである。
一実施形態では、nは、1であり、Rは、Cl(例えば、p−Cl)、CN(例えば、p−CN)、F、例えば、(p−F)、CH(例えば、p−CH)、またはOCH(p−OCH)である。
一実施形態では、nは、2であり、(i)Rは、p−F、o−F、または(ii)p−CH、o−OCH、または(iii)p−Cl、o−SOCH、または(iv)p−Cl、o−OHである。
一実施形態では、nは、2であり、Rは、p−Clおよびo−OHである。
一実施形態では、Rは、−O0,1(CRCOOH(例えば、−COOH、−CHCOOH、−OCHCOOH、または−C(CHCOOH)である。
一実施形態では、nは、2であり、Rは、p−Clおよびo−O0,1(CRCOOH(例えば、−COOH、−CHCOOH、−OCHCOOH、または−O−C(CHCOOH)である。
一実施形態では、nは、1であり、Rは、−Cl、−CN、−OMe、−O0,1(CRCOOH(例えば、−COOH)、またはC1−4アルキル(例えば、−CH)(例えば、p−Cl、p−CN、またはp−OMe)である。一実施形態では、nは、1であり、Rは、−Clまたは−CN(例えば、p−Clまたはp−CN)である。
一実施形態では、nは、1であり、Rは、−Cl、−CN、または−OMe(例えば、p−Cl、p−CN、またはp−OMe)である。一実施形態では、nは、1であり、Rは、−Clまたは−CN(例えば、p−Clまたはp−CN)である。
一実施形態では、Rは、独立して、ヒドロキシ、ハロゲン(例えば、塩素)、ニトリル、C1−4アルキル(例えば、メチル)、C1−4アルコキシ(例えば、メトキシ)、および−O0,1−(CR−COH(例えば、−COH)から選択される。
一実施形態では、Rは、O0,1−(CR−COH、具体的には、−COH、−(CH)−COH、−(C(CH)−COH、または−O(CH)−COH)、例えば、−COHである。

は、水素、C1−4アルキル、C2−6アルケニル、ヒドロキシC1−4アルキル、−(CR−COH、−(CR−CO1−4アルキル、および−(CR−CONRから選択される。
一実施形態では、uは、0、1、または2から選択される。一実施形態では、uは、0または1から選択される。
一実施形態では、Rは、水素、C1−4アルキル、C2−6アルケニル、ヒドロキシC1−4アルキル、および−(CR−COHから選択される。一実施形態では、Rは、水素、C1−4アルキル、ヒドロキシC1−4アルキル、および−(CR−COHから選択される。一実施形態では、Rは、水素、C1−4アルキル、C2−6アルケニル、およびヒドロキシC1−4アルキルから選択される。別の実施形態では、Rは、水素および−(CH−COH(例えば、−CH−COH)から選択される。
一実施形態では、Rは、水素、C1−4アルキル(例えば、−CH)、ヒドロキシC1−4アルキル(例えば、CHOH)、または−(CHCOOH(例えば、−COOH、−CHCOOH、−CHCH−COH、−(CH(CH))−COH、もしくは−(C(CH−COH、例えば、−COOH、−CHCOOH、−CHCH−COH、もしくは−(CH(CH))−COH)である。
一実施形態では、Rは、水素、C1−4アルキル、C2−6アルケニル、およびヒドロキシC1−4アルキルから選択される。
一実施形態では、Rは、水素、C1−4アルキル(例えば、−CH)、ヒドロキシC1−4アルキル(例えば、CHOH)、または−(CHCOOH(例えば、−CHCOOH)である。
一実施形態では、Rは、水素、−CH、−CHOH、および−CH(OH)CHOHから選択される。
一実施形態では、Rは、水素、−CH、−CHOH、−CH=CH、および−CH(OH)CHOHから選択される。
一実施形態では、Rは、水素、−CH、−CHOH、および−CHCOHから選択される。
一実施形態では、Rは、水素またはC1−4アルキル(例えば、−CHまたは−CHCH)である。
一実施形態では、Rは、水素、−CH、および−CHCHから選択される。一実施形態では、Rは、水素およびメチルから選択される。
一実施形態では、Rは、水素および−(R−COH(例えば、−COOH、−CHCOOH、−CHCH−COH、−(CH(CH))−COH、および−(C(CH−COH)から選択される。
Figure 2020515546
一実施形態では、Rは、水素、C1−4アルキル(例えば、−CH)、または−(CHCOOH(例えば、−CHCOOH、−CHCH−COH、もしくは−(CH(CH))−COH)である。
一実施形態では、Rは、水素、C1−4アルキル(例えば、−CH)、または−(CHCOOH(例えば、−CHCOOH)である。
一実施形態では、Rは、−(CR−COH(例えば、−CH−COH)である。
Figure 2020515546
別の実施形態では、Rは、水素であり、式(1)の化合物は、式(Ie)の化合物、またはその互変異性体もしくは溶媒和物もしくは薬学的に許容される塩である。
Figure 2020515546
が水素以外である場合、式(1)の化合物は、少なくとも2つのジアステレオ異性体として存在し得る。
Figure 2020515546
誤解を避けるために、一般式(1)および全ての部分式は、−CHR−基におけるエピマーとして関連する、個々のジアステレオ異性体およびジアステレオ異性体の混合物の両方を網羅する。一実施形態では、式Iの化合物は、ジアステレオ異性体1A、またはその互変異性体もしくは溶媒和物もしくは薬学的に許容される塩である。一実施形態では、式Iの化合物は、ジアステレオ異性体1B、またはその互変異性体もしくは溶媒和物もしくは薬学的に許容される塩である。
一実施形態では、化合物は、ジアステレオ異性体1Aであり、Rは、以下から選択される。
i.C1−4アルキル、C2−6アルケニル、ヒドロキシC1−4アルキル、−(R−COH(例えば、−COOH、−CHCOOH、−CHCH−COH、−(CH(CH))−COHおよび−(C(CH−COH)、−(CH−CO1−4アルキル、および−(CH−CONR、または
ii.C1−4アルキル、C2−6アルケニル、およびヒドロキシC1−4アルキル。
一実施形態では、化合物は、ジアステレオ異性体1Aであり、Rは、以下から選択される。
i.C1−4アルキル、C2−6アルケニル、ヒドロキシC1−4アルキル、−(CH−COH、−(CH−CO1−4アルキル、および−(CH−CONR、または
ii.C1−4アルキル、C2−6アルケニル、およびヒドロキシC1−4アルキル。
別の実施形態では、Rは、水素および−(R−COH(例えば、−COOH、−CHCOOH、−CHCH−COH、−(CH(CH))−COH、および−(C(CH−COH)から選択される。
別の実施形態では、Rは、水素および−(CH−COH(例えば、−CH−COH)から選択される。
一実施形態では、化合物は、ジアステレオ異性体1Aであり、Rは、以下から選択される。
iv.−CH、−CHOH、−CH=CH、および−CH(OH)CHOH、または
v.C1−4アルキル(例えば、−CHもしくは−CHCH)、または
vi.−CHおよび−CHCH
一実施形態では、化合物は、ジアステレオ異性体1Bであり、Rは、以下から選択される。
i.C1−4アルキル、C2−6アルケニル、ヒドロキシC1−4アルキル、−(R−COH(例えば、−COOH、−CHCOOH、−CHCH−COH、−(CH(CH))−COHおよび−(C(CH−COH)、−(CH−CO1−4アルキル、および−(CH−CONR、または
ii.C1−4アルキル、C2−6アルケニル、およびヒドロキシC1−4アルキル。
一実施形態では、化合物は、ジアステレオ異性体1Bであり、Rは、以下から選択される。
i.C1−4アルキル、C2−6アルケニル、ヒドロキシC1−4アルキル、−(CH−COH、−(CH−CO1−4アルキル、および−(CH−CONR、または
ii.C1−4アルキル、C2−6アルケニル、およびヒドロキシC1−4アルキル。
別の実施形態では、Rは、水素および−(CH−COH(例えば、−CH−COH)から選択される。
一実施形態では、化合物は、ジアステレオ異性体1Bであり、Rは、以下から選択される。
iv.−CH、−CHOH、−CH=CH、および−CH(OH)CHOH、または
v.C1−4アルキル(例えば、−CHもしくは−CHCH)、または
vi.−CHおよび−CHCH
別の実施形態では、Rは、水素および−(R−COH(例えば、−COOH、−CHCOOH、−CHCH−COH、−(CH(CH))−COH、および−(C(CH−COH)から選択される。
一実施形態では、Rは、C1−4アルキル、ヒドロキシC1−4アルキル、−(CH−COH、−(CH−CO1−4アルキル、および−(CH−CONRから選択され(具体的には、−CH−COH)、化合物は、ジアステレオ異性体1Aである。
一実施形態では、Rは、C1−4アルキル、ヒドロキシC1−4アルキル、−(CH−COH、−(CH−CO1−4アルキル、および−(CH−CONRから選択され(具体的には、−CH−COH)、化合物は、ジアステレオ異性体1Bである。
一実施形態では、Rは、ヒドロキシC1−4アルキル(例えば、−CHOH)であり、化合物は、ジアステレオ異性体1Aである。
一実施形態では、Rは、−(CH−COH(例えば、−CH−COH)であり、化合物は、ジアステレオ異性体1Aである。
一実施形態では、Rおよびそれが結合している炭素上の水素は、H(すなわち、重水素)である。
およびa
aは、0、1、2、または3である。言い換えれば、イソインドリン−1−オンのフェニル基は、0、1、2、または3つの置換基Rを有し得る。
一実施形態では、aは、0または1である。別の実施形態では、aは、0である。別の実施形態では、aは、1である。
aが2または3である(すなわち、イソインドリン−1−オンのフェニル基が1つより多くのRで置換されている)場合、置換基Rは、同じであっても異なってもよい(すなわち、独立して、Rの定義から選択される)。
一実施形態では、aは、1であり、置換基Rは、イソインドリン−1−オンの4位にあり、式(1)の化合物は、式(Ir)の化合物、またはその互変異性体もしくは溶媒和物もしくは薬学的に許容される塩である。
Figure 2020515546
は、独立して、ハロゲン、ニトリル、C1−4アルキル、ハロC1−4アルキル、C1−4アルコキシ、およびハロC1−4アルコキシから選択される。
一実施形態では、Rは、ハロゲンである。一実施形態では、Rは、フルオロまたはクロロである。別の実施形態では、Rは、フルオロである。
一実施形態では、aは、1であり、置換基Rは、イソインドリン−1−オンの4位にあり、Rは、Fであり、式(1)の化合物は、式(Is)の化合物、またはその互変異性体もしくは溶媒和物もしくは薬学的に許容される塩である。
Figure 2020515546
一実施形態では、Rは、C1−4アルキル(例えば、−CH)、またはハロゲン(例えば、FもしくはCl)であり、aは、1である。
一実施形態では、aは、0であり、Rは、不在(すなわち、水素)である。
一実施形態では、aは、0または1であり、Rは、ハロゲン(例えば、フッ素)である。
およびm
mは、1または2である。言い換えれば、フェニル基は、1または2つの置換基Rを有し得る。
一実施形態では、mは、1であり、フェニル基は、1つの置換基を有する。
は、フェニル基のオルト(もしくはo−)、メタ(もしくはm−)、またはパラ(もしくはp−)位で結合し得、この位置は、フェニル基のイソインドリン−1−オン環の3位への結合点に対して定義される。
mが2である(すなわち、フェニル基が1つより多くのRで置換されている)場合、置換基Rは、同じであっても異なってもよい(すなわち、独立して、Rの定義から選択される)。
一実施形態では、mは、1であり、置換基Rは、フェニル基のp位にあり、式(1)の化合物は、式(Iu)の化合物、またはその互変異性体もしくは溶媒和物もしくは薬学的に許容される塩である。
Figure 2020515546
は、独立して、ハロゲン、ニトリル、C1−4アルキル、ハロC1−4アルキル、C1−4アルコキシ、およびハロC1−4アルコキシから選択される。
一実施形態では、Rは、ハロゲン、C1−4アルキル、ハロC1−4アルキル、またはC1−4アルコキシである。別の実施形態では、Rは、ハロゲン(例えば、クロロ)である。
一実施形態では、Rは、ハロゲン(例えば、ClもしくはF)、C1−4アルキル(例えば、−CHCH)、ニトリル、ハロC1−4アルキル(例えば、−CFもしくは−CFCH)、またはハロC1−4アルコキシ(例えば、−OCF)であり、mは、1または2である。
一実施形態では、mは、1であり、Rは、ハロゲン、ニトリル、C1−4アルキル、ハロC1−4アルキル、C1−4アルコキシ、およびハロC1−4アルコキシから選択される。
一実施形態では、mは、1であり、Rは、−Cl(例えば、p−Cl)、−F(例えば、p−F)、−CN(例えば、p−CN)、−CF(例えば、p−CF)、−OCF(例えば、p−OCF)、CFCH(例えば、p−CFCH)または−CHCH(例えば、p−CHCH)であるか、またはmは2であり、Rは、p−Fまたはm−Fである。

Qは、−C(OH)R、−C(=O)R、ハロゲン(例えば、−F、−Cl、−Br、−I)、およびOTfから選択される。
一実施形態では、Qは、−C(OH)Rである。
一実施形態では、Qは、−C(=O)Rである。
一実施形態では、Qは、ハロゲン(例えば、−F、−Cl、−Br、−I)である。
一実施形態では、Qは、OTfである。
およびR
およびRは、独立して、水素、C1−6アルキル、ハロC1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、ヒドロキシ、ヒドロキシC1−6アルキル、−COOC1−6アルキル、−(CH−O−C1−6アルキル、−(CH−O−(ヒドロキシC1−6アルキル)、−C1−6アルキル−NR、−(CR−CONR、−(CR−NRCOR、−(CR−O−CH−CONR、3〜7個の環員を有する複素環式基、3〜7個の環員を有する−CH−複素環式基、3〜7個の環員を有する−CH−O−複素環式基、3〜7個の環員を有する−CH−NH−複素環式基、3〜7個の環員を有する−CH−N(C1−6アルキル)−複素環式基、3〜7個の環員を有する−C(=O)NH−複素環式基、C3−8シクロアルキル、−CH−C3−8シクロアルキル、−CH−O−C3−8シクロアルキル、およびC3−8シクロアルケニルから選択され、前記シクロアルキル、前記シクロアルケニル、または前記複素環式基は、1つ以上のR基によって任意に置換されてもよく、各例において、前記複素環式基は、N、O、S、およびそれらの酸化形態から選択される1個以上(例えば、1、2、または3個)のヘテロ原子を含むか、または
前記R基および前記R基が連結して、それらが結合している炭素原子と一緒に、C3−6シクロアルキルまたは3〜6個の環員を有するヘテロシクリル基を形成することができ、前記複素環式基は、N、O、S、およびそれらの酸化形態から選択される1個以上(例えば、1、2、または3個)のヘテロ原子を含み、前記C3−6シクロアルキルおよび前記ヘテロシクリル基は、1つ以上のR基によって任意に置換されてもよく、
およびRは、独立して、水素、ハロゲン、ニトロ、ニトリル、C1−6アルキル、ハロC1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、ヒドロキシ、ヒドロキシC1−6アルキル、C1−6アルコキシ、−(CH−O−C1−6アルキル、ヒドロキシC1−6アルコキシ、−COOC1−6アルキル、−N(H)(C1−4アルキル)2−e、−C1−6アルキル−N(H)(C1−4アルキル)2−e、−(CH−C(=O)N(H)(C1−4アルキル)2−e、C3−8シクロアルキル、およびC3−8シクロアルケニルから選択されるか、または
前記R基および前記R基が連結して、それらが結合している炭素原子または窒素原子と一緒に、3〜5個の環員の芳香族ヘテロシクリル基に任意に縮合され得るC3−6シクロアルキルまたは3〜6個の環員を有する飽和ヘテロシクリル基を形成することができるか、または
炭素原子上にある場合、前記R基および前記R基が一緒に連結して、=CH基を形成することができ、
は、独立して、ハロゲン、ニトロ、ニトリル、C1−6アルキル、ハロC1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、=O、ヒドロキシ、ヒドロキシC1−6アルキル、C1−6アルコキシ、−(CH−O−C1−6アルキル、ヒドロキシC1−6アルコキシ、−C(=O)C1−6アルキル、−C(=O)C1−6アルキル−OH、−C(=O)C1−6アルキル−N(H)(C1−4アルキル)2−e、−C(=O)N(H)(C1−4アルキル)2−e、−(CH−CO1−6アルキル、−(CH−COH、−N(H)(C1−4アルキル)2−e、−C1−6アルキル−N(H)(C1−4アルキル)2−e、3〜6個の環員を有するヘテロシクリル基、−C(=O)C1−4アルキルによって置換された3〜6個の環員を有するヘテロシクリル基、−C(=O)OC1−4アルキルによって置換された3〜6個の環員を有するヘテロシクリル基、−C(=O)N(H)(C1−4アルキル)2−eによって置換された3〜6個の環員を有するヘテロシクリル基、3〜6個の環員を有する−C(=O)ヘテロシクリル基、C3−8シクロアルキル、およびC3−8シクロアルケニルから選択され、Rがピリジンである場合、Rは−NH以外であり、
j、e、rおよびpは、独立して、0、1、および2から選択され、
kは、1および2から選択される。
一実施形態では、RおよびRは、独立して、水素、C1−6アルキル、ハロC1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、ヒドロキシ、ヒドロキシC1−6アルキル、−COOC1−6アルキル、−(CH−O−C1−6アルキル、−(CH−O−(ヒドロキシC1−6アルキル)、−C1−6アルキル−NR、−(CR−CONR、−(CR−NRCOR、−(CR−O−CH−CONR、3〜7個の環員を有する複素環式基、3〜7個の環員を有する−CH−複素環式基、3〜7個の環員を有する−CH−O−複素環式基、3〜7個の環員を有する−CH−NH−複素環式基、3〜7個の環員を有する−CH−N(C1−6アルキル)−複素環式基、3〜7個の環員を有する−C(=O)NH−複素環式基、C3−8シクロアルキル、−CH−C3−8シクロアルキル、−CH−O−C3−8シクロアルキル、およびC3−8シクロアルケニルから選択され、前記シクロアルキル、前記シクロアルケニル、または前記複素環式基は、1つ以上のR基によって任意に置換されてもよく、各例において、前記複素環式基は、N、O、S、およびそれらの酸化形態から選択される1個以上(例えば、1、2、または3個)のヘテロ原子を含む。
一実施形態では、Rは、C1−6アルキル(例えば、メチル)、C1−6アルコキシ(例えば、メトキシ)、および−C(=O)C1−6アルキル(例えば、−C(=O)CH)から選択される1つ以上のRによって任意に置換されるシクロアルキル、シクロアルケニル、または複素環式基である。
一実施形態では、Rは、1つ以上のR基によって任意に置換されるシクロアルキルまたはシクロアルケニル基であり、式中、Rは、ヒドロキシである。
およびRは、同じであっても異なってもよい。
およびRが異なる場合、式(1)の化合物は、少なくとも2つのジアステレオ異性体として存在し得る。
Figure 2020515546
誤解を避けるために、一般式(1)および全ての部分式は、−CROH基におけるエピマーとして関連する、個々のジアステレオ異性体およびジアステレオ異性体の混合物の両方を網羅する。
式(1)の化合物の一実施形態では、RおよびRは異なり、化合物は、ジアステレオ異性体2A、またはその互変異性体もしくは溶媒和物もしくは薬学的に許容される塩である。
式(1)の化合物の一実施形態では、RおよびRは異なり、化合物は、ジアステレオ異性体2B、またはその互変異性体もしくは溶媒和物もしくは薬学的に許容される塩である。
一実施形態では、Rは、メチルであり、式(1)の化合物は、式(Iv)の化合物、またはその互変異性体もしくは溶媒和物もしくは薬学的に許容される塩である。
Figure 2020515546
一実施形態では、Rは、エチルであり、式(1)の化合物は、式(Iv’)の化合物、またはその互変異性体もしくは溶媒和物もしくは薬学的に許容される塩である。
Figure 2020515546
一実施形態では、Rは、C1−6アルキルまたはハロC1−6アルキルから選択される。一実施形態では、Rは、1つ以上のR基(例えば、−OH)によって任意に置換されるC3−6シクロアルキル(例えば、シクロプロピル、シクロブチルまたはシクロヘキシル)である。
一実施形態では、Rは、C1−6アルキル、ヒドロキシC1−6アルキル、−(CH−O−C1−6アルキル、−(CH−O−(ヒドロキシC1−6アルキル)、−C1−6アルキル−NR(例えば、−C1−6アルキル−N(H)(C1−4アルキル)2−e)、−(CR−NRCOR、3〜7個の環員を有する複素環式基、3〜7個の環員を有する−CH−複素環式基、3〜7個の環員を有する−CH−NH−複素環式基、3〜7個の環員を有する−CH−N(C1−6アルキル)−複素環式基、3〜7個の環員を有する−C(=O)NH−複素環式基、C3−8シクロアルキル、および−CH−C3−8シクロアルキルから選択され、前記シクロアルキルまたは前記複素環式基は、1つ以上のR基によって任意に置換されてもよく、各例において、前記複素環式基は、N、O、S、およびそれらの酸化形態から選択される1個以上(例えば、1、2、または3個)のヘテロ原子を含む。
一実施形態では、Rは、C1−6アルキル、ヒドロキシC1−6アルキル、−(CH−O−C1−6アルキル、−(CH−O−(ヒドロキシC1−6アルキル)、−C1−6アルキル−N(H)(C1−4アルキル)2−e、3〜7個の環員を有する複素環式基、3〜7個の環員を有する−CH−複素環式基、3〜7個の環員を有する−CH−NH−複素環式基、3〜7個の環員を有する−CH−N(C1−6アルキル)−複素環式基、3〜7個の環員を有する−C(=O)NH−複素環式基、C3−8シクロアルキル、および−CH−C3−8シクロアルキルから選択され、前記シクロアルキルまたは前記複素環式基は、1つ以上のR基によって任意に置換されてもよく、各例において、前記複素環式基は、N、O、S、およびそれらの酸化形態から選択される1個以上(例えば、1、2、または3個)のヘテロ原子を含む。
一実施形態では、Rは、3〜7個の環員を有する複素環式基、3〜7個の環員を有する−CH−複素環式基、3〜7個の環員を有する−CH−NH−複素環式基、3〜7個の環員を有する−CH−N(CH)−複素環式基、3〜7個の環員を有する−C(=O)NH−複素環式基、C3−6シクロアルキル、および−CH−C3−6シクロアルキルから選択され、前記シクロアルキルまたは前記複素環式基は、1つ以上のR基によって任意に置換されてもよく、各例において、前記複素環式基は、N、O、S、およびそれらの酸化形態から選択される1個以上(例えば、1、2、または3個)のヘテロ原子を含む。
一実施形態では、Rは、3〜7個の環員を有する複素環式基および3〜7個の環員を有する−CH−複素環式基から選択され、前記複素環式基は、1つ以上のR基によって任意に置換されてもよく、各例において、前記複素環式基は、N、O、S、およびそれらの酸化形態から選択される1個以上(例えば、1または2個)のヘテロ原子を含む。
実施形態では、複素環式基は、飽和である。一実施形態では、Rは、3〜6個の環員を有する飽和複素環式基または−CH−(3〜6個の環員を有する飽和複素環式基)であり、例えば、複素環式基は、オキセタニル、オキサニル、ピペリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、ピロリジニル、イミダゾリニル、アゼチジニル、チオモルポリニル(thiomorpolinyl)、例えば、オキサニル、ピペルジニル(piperdinyl)、またはピペラジニルから選択される。
一実施形態では、Rは、3〜6個の環員を有する飽和複素環式基および3〜6個の環員を有する−CH−飽和複素環式基から選択され、前記複素環式基は、1つ以上のR基によって任意に置換されてもよく、各例において、前記複素環式基は、N、O、Sから選択される1個以上(例えば、1、2、または3個)のヘテロ原子を含む。一実施形態では、Rは、3〜6個の環員を有する窒素含有飽和複素環式基および−CH−(3〜6個の環員を有する窒素含有飽和複素環式基)から選択され、前記複素環式基は、1つ以上のR基によって任意に置換されてもよく、前記複素環式基は、任意に、N、O、Sから選択される1個以上(例えば、1、2、または3個)のさらなるヘテロ原子を含む。
一実施形態では、Rは、3〜7個の環員を有する窒素含有飽和複素環式基または−CH−(3〜7個の環員を有する窒素含有飽和複素環式基)であり、前記窒素含有飽和複素環式基は、1つ以上のR基によって任意に置換されてもよく、前記窒素含有飽和複素環式基は、任意に、N、O、Sから選択される1個以上(例えば、1、2、または3個)のさらなるヘテロ原子を含み得る。一実施形態では、3〜7個の環員(3〜6個の環員等)を有する窒素含有飽和複素環式基は、ピペリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、ピロリジニル、イミダゾリニル、アゼチジニル、チオモルポリニル(thiomorpolinyl)、例えば、ピペルジニル(piperdinyl)またはピペラジニルから選択される。
一実施形態では、Rは、3〜6個の環員を有する窒素含有芳香族複素環式基または−CH−(3〜6個の環員を有する窒素含有芳香族複素環式基)であり、前記複素環式基は、1つ以上のR基によって任意に置換されてもよく、複素環式基は、任意に、N、O、Sから選択される1個以上(例えば、1、2、または3個)のさらなるヘテロ原子を含み得る。
別の実施形態では、Rは、3〜6個の環員を有する窒素含有芳香族複素環式基であり、前記複素環式基は、置換されていなくても、例えば、ハロゲン(例えば、フッ素)、C1−6アルキル(例えば、メチル)、C1−6アルコキシ(例えば、メトキシ)、および−C(=O)C1−6アルキル(例えば、−C(=O)CH)から選択される1つ以上のR基によって置換されていてもよい。
一実施形態では、Rは、3〜6個の環員を有する酸素含有芳香族複素環式基または−CH−(3〜6個の環員を有する酸素含有芳香族複素環式基)であり、前記複素環式基は、1つ以上のR基によって任意に置換されてもよく、前記複素環式基は、任意に、N、O、Sから選択される1個以上(例えば、1、2、または3個)のさらなるヘテロ原子を含み得る。
別の実施形態では、Rは、3〜6個の環員を有する酸素含有芳香族複素環式基であり、前記複素環式基は、置換されていなくても、1つ以上のR基、例えば、ハロゲン(例えば、フッ素)、C1−6アルキル(例えば、メチル)、C1−6アルコキシ(例えば、メトキシ)、および−C(=O)C1−6アルキル(例えば、−C(=O)CH)から選択されるR基によって置換されていてもよい。
一実施形態では、Rは、1つ以上のRによって任意に置換される5または6個の環員を含むヘテロシクリル基から選択される。
一実施形態では、Rは、1つ以上のRによって任意に置換される5個の環員を含む芳香族ヘテロシクリル基から選択される。一実施形態では、Rは、1つ以上のRによって任意に置換される5個の環員を含む芳香族窒素含有(例えば、ジアザ)ヘテテロシクリル(heteterocyclyl)基から選択される。一実施形態では、Rは、ピラゾリル(例えば、ピラゾール−4−イルまたはピラゾール−3−イル)である。
一実施形態では、Rは、1つ以上のRによって任意に置換される6個の環員を含む飽和ヘテテロシクリル(heteterocyclyl)基から選択される。一実施形態では、Rは、1つ以上のRによって任意に置換される6個の環員を含む飽和酸素または窒素含有ヘテテロシクリル(heteterocyclyl)基から選択される。
一実施形態では、Rは、1つ以上のRによって任意に置換されるオキサニル、ピペリジニル、ピラゾリル、またはイミダゾリルから選択される。一実施形態では、Rは、1つ以上のRによって任意に置換されるオキサニル、ピペリジニル、ピラゾリル、またはイミダゾリルから選択され、Rは、ハロ(例えば、−F)またはC1−4アルキル(例えば、メチル)から選択される。
一実施形態では、Rは、1つ以上のRによって任意に置換されるオキサニル(別名、テトラヒドロピラニル)またはピペリジニルから選択される。一実施形態では、Rは、置換されていないか、または1つ以上のRによって置換されたオキサニルまたはピペリジニルから選択され、Rは、ハロ(例えば、−F)またはC1−4アルキル(例えば、メチル)、具体的には、ハロ(例えば、−F)から選択される。
一実施形態では、Rは、1つ以上のRによって任意に置換されるC3−8シクロアルキル、例えば、C3−6シクロアルキル(例えば、シクロブチルまたはシクロヘキシル)であり、例えば、Rは、ヒドロキシである。一実施形態では、Rは、1つ以上のヒドロキシによって任意に置換されるシクロヘキシルである。一実施形態では、Rは、トランス立体化学(例えば、トランス−4−ヒドロキシシクロヘキサン)における1つ以上のヒドロキシルによって任意に置換されるシクロヘキシルである。
一実施形態では、Rは、1つ以上のR基(例えば、メチル、−COCH)によって任意に置換される、3〜7個の環員を有する−CH−NH−複素環式基(例えば、−CH−NH−オキサニルおよび3〜7個の環員を有する−CH−N(C1−6アルキル)−複素環式基(例えば、−CHNCH−(ピペリジニル)から選択される。
一実施形態では、Rは、−(CR−CONRまたは3〜7個の環員を有する−C(=O)NH−複素環式基である。一実施形態では、Rは、4〜6個の環員を有する−C(=O)NH−複素環式基(例えば、ピペリジニル、ピラゾリル、またはアゼチジニル)である。
一実施形態では、Rは、−(CR−CONRである。一実施形態では、Rは、−(CR−CONH(C1−4アルキル)、具体的には、−(CO)NHCH、−(CO)NHCHCH、または−(CO)NH(CH(CH)である。
一実施形態では、Rは、1つ以上のR基(例えば、メチル、−COCH)によって任意に置換される3〜7個の環員を有する−C(=O)NH−複素環式基(例えば、−C(=O)NH−ピペリジニル、−C(=O)NH−アゼチジニル、または−C(=O)NH−ピラゾリル)である。
一実施形態では、Rは、−C1−6アルキル−NR(例えば、−C1−6アルキル−N(H)(C1−4アルキル)2−e)である。一実施形態では、Rは、−CHNH2、−CHNHCH、または−CHN(CHである。一実施形態では、Rは、−C1−6アルキル−NRであり、式中、Rは、C3−8シクロアルキルである。一実施形態では、Rは、−C1−2アルキル−NH−C3−6シクロアルキル(例えば、−CH−NH−シクロプロピル)である。
一実施形態では、Rは、−C1−6アルキル−NRであり、式中、R基およびR基が連結して、それらが結合している窒素原子と一緒に、C3−6シクロアルキルまたは3〜6個の環員を有するヘテロシクリル基を形成することができる。一実施形態では、RおよびRは一緒に、3〜6個の環員を有する飽和ヘテロシクリル基、例えば、ピペラジニルを形成する。
一実施形態では、Rは、−C1−6アルキル−NRであり、式中、R基およびR基が連結して、それらが結合している窒素原子と一緒に、3〜5個の環員の芳香族ヘテロシクリル基に任意に縮合され得るC3−6シクロアルキルまたは3〜6個の環員を有する飽和ヘテロシクリル基を形成する。一実施形態では、Rは、−C1−6アルキル−NRであり、式中、R基およびR基が連結して、それらが結合している窒素原子と一緒に、3〜5個の環員の芳香族ヘテロシクリル基に縮合される3〜6個の環員を有する飽和ヘテロシクリル基を形成する。Rは、独立して、ハロゲン、ニトロ、ニトリル、C1−6アルキル、ハロC1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、=O、ヒドロキシ、ヒドロキシC1−6アルキル、C1−6アルコキシ、−(CH−O−C1−6アルキル、ヒドロキシC1−6アルコキシ、−C(=O)C1−6アルキル、−C(=O)C1−6アルキル−OH、−C(=O)C1−6アルキル−N(H)(C1−4アルキル)2−e、−C(=O)N(H)(C1−4アルキル)2−e、−(CH−CO1−6アルキル、−(CH−COH、−N(H)(C1−4アルキル)2−e、−C1−6アルキル−N(H)(C1−4アルキル)2−e、3〜6個の環員を有するヘテロシクリル基、−C(=O)C1−4アルキルによって置換された3〜6個の環員を有するヘテロシクリル基、−C(=O)OC1−4アルキルによって置換された3〜6個の環員を有するヘテロシクリル基、−C(=O)N(H)(C1−4アルキル)2−eによって置換された3〜6個の環員を有するヘテロシクリル基、3〜6個の環員を有する−C(=O)ヘテロシクリル基、C3−8シクロアルキル、およびC3−8シクロアルケニルから選択される。
一実施形態では、Rは、独立して、ハロゲン(例えば、フッ素)、C1−6アルキル(例えば、メチル)、C1−6アルコキシ(例えば、メトキシ)、および−C(=O)C1−6アルキル(例えば、−C(=O)CH)から選択される。
一実施形態では、Rは、独立して、C1−6アルキル(例えば、メチル)、C1−6アルコキシ(例えば、メトキシ)、および−C(=O)C1−6アルキル(例えば、−C(=O)CH)から選択される。
一実施形態では、Rは、C1−6アルキル(例えば、メチルまたはエチル)、ハロC1−6アルキル(例えば、トリフルオロメチル)、C2−6アルケニル(例えば、Cアルケニル)、ヒドロキシC1−6アルキル(例えば、−CHOH、−CHCHOH)、−C1−6アルキル−NR(例えば、−CHNH2、−CHNHCH3、−CHN(CH、または−CH−NH−シクロプロピル)、−(CR−CONR(例えば、−(CO)NHCH、−(CO)NHCHCH、−(CO)NHCHCHNH、または−(CO)NH(CH(CH)、−(CH−O−C1−6アルキル(例えば、−CHOCH3、−CHOCHCH、または−CHOCD)、−(CR−NRCOR(例えば、−CHNHCOCH)、−(CR−O−CH−CONR(例えば、−CH−O−CHCON(CH)、−(CH−O−(ヒドロキシC1−6アルキル)(例えば、−CH−O−CHCHOH、)、3〜7個の環員を有する−C(=O)NH−複素環式基、C3−6シクロアルキル、3〜7個の環員を有する複素環式基(例えば、オキサニル)、または3〜7個の環員を有する−CH−複素環式基であり、前記シクロアルキルまたは前記複素環式基は、N、O、S、および酸化形態から選択される1個以上(例えば、1、2、または3個)のヘテロ原子を含み、1つ以上のR基(例えば、C1−6アルキル(例えば、メチル)、C1−6アルコキシ(例えば、メトキシ)、および−C(=O)C1−6アルキル(例えば、−C(=O)CH)から選択される)によって任意に置換されてもよい。一実施形態では、Rは、メチルまたはエチルであり、Rは、C1−6アルキル(例えば、メチル)、ヒドロキシC1−6アルキル、−C1−6アルキル−NR、−(CR−CONR、−(CH−O−C1−6アルキル、−(CR−NRCOR、−(CR−O−CH−CONR、−(CH−O−(ヒドロキシC1−6アルキル)、3〜7個の環員を有する複素環式基(例えば、オキサニル)、または3〜7個の環員を有する−CH−複素環式基であり、前記複素環式基は、N、O、S、および酸化形態から選択される1個以上(例えば、1、2、または3個)のヘテロ原子を含み、C1−6アルキル(例えば、メチル)、C1−6アルコキシ(例えば、メトキシ)、および−C(=O)C1−6アルキル(例えば、−C(=O)CH)から選択される1つ以上のR基によって任意に置換されてもよい。
一実施形態では、Rは、水素、C1−6アルキル(例えば、−CH、−CHCHまたは−CHCHCH)、C2−6アルケニル(例えば、−CH=CH)、およびハロC1−6アルキル(例えば、−CF)から選択される。
一実施形態では、Rは、水素、C1−6アルキル(例えば、−CHまたは−CHCH)、C2−6アルケニル(例えば、−CH=CH)、およびハロC1−6アルキル(例えば、−CF)から選択される。
一実施形態では、Rは、C1−6アルキル(例えば、−CHもしくは−CHCH)、C3−8シクロアルキル(例えば、シクロプロピル、シクロブチル、もしくはシクロヘキシル)、C2−6アルケニル(例えば、−CH=CH)、ハロC1−6アルキル(例えば、−CF)、ヒドロキシC1−6アルキル(例えば、−CHOHもしくは−CHCHOH)、−C1−6アルキル−NR(例えば、−CHNH、−CHN(CH、−CHNHCH、もしくは−CHNH(シクロプロピル))、−(CR−CONR(例えば、−C(=O)NHCH、−(CO)NHCHCH、−(CO)NHCHCHNH2、−C(=O)NH(CH(CH))、または−(CH−O−C1−6アルキル(例えば、−CHOCH、−CHOCHCH、もしくは−CHOCD)、−(CR−NRCOR(例えば、−CHNHC(=O)CH)、−(CR−O−CH−CONR(例えば、−CHOCHC(=O)N(CH)、−(CH−O−(ヒドロキシC1−6アルキル)(例えば、−CHOCHCHOH)、3〜7個の環員を有する複素環式基、例えば、
(結合点は、破線の結合で表される)
Figure 2020515546
または3〜7個の環員を有する−CH−複素環式基、例えば、
(結合点は、破線の結合で表される)
Figure 2020515546
であり、部分Rが複素環式基を含む場合、その複素環式基は、C1−6アルキル(例えば、メチル)、ヒドロキシアルキル(例えば、−CHCHOH)、ハロゲン(例えば、フルオロ)、=O、C1−6アルコキシ(例えば、メトキシ)、−C(=O)C1−6アルキル(例えば、−C(=O)CH)、−C(=O)ヒドロキシC1−6アルキル(例えば、−C(=O)CHOH)、3〜6個の環員を有するヘテロシクリル基(例えば、オキセタニルまたはピリミジニル)、および−S(O)−C1−4アルキルから選択される1つ以上のR基によって任意に置換されてもよく、dは、0、1、および2から選択される(例えば、−SO−CH)。
一実施形態では、Rは、C1−6アルキル(例えば、−CHまたは−CHCH)、C3−8シクロアルキル(例えば、シクロプロピル、cycloブチルまたはシクロヘキシル)、C2−6アルケニル(例えば、−CH=CH)、ハロC1−6アルキル(例えば、−CF)、ヒドロキシC1−6アルキル(例えば、−CHOHまたは−CHCHOH)、−C1−6アルキル−NR(例えば、−CHNH、−CHN(CH、−CHNHCH、または−CHNH(シクロプロピル))、−(CR−CONR(例えば、−C(=O)NHCH、−(CO)NHCHCH、−(CO)NHCHCHNH2、−C(=O)NH(CH(CH))、または−(CH−O−C1−6アルキル(例えば、−CHOCH、−CHOCHCHまたは−CHOCD)、−(CR−NRCOR(例えば、−CHNHC(=O)CH)、−(CR−O−CH−CONR(例えば、−CHOCHC(=O)N(CH)、−(CH−O−(ヒドロキシC1−6アルキル)(例えば、−CHOCHCHOH)、3〜7個の環員を有する複素環式基、例えば、(結合点は、破線の結合で表される)
Figure 2020515546
または3〜7個の環員を有する−CH−複素環式基、例えば、
(結合点は、破線の結合で表される)
Figure 2020515546
であり、部分Rが複素環式基を含む場合、その複素環式基は、C1−6アルキル(例えば、メチル)、ハロゲン(例えば、フルオロ)、=O、C1−6アルコキシ(例えば、メトキシ)、−C(=O)C1−6アルキル(例えば、−C(=O)CH)、−C(=O)ヒドロキシC1−6アルキル(例えば、−C(=O)CHOH)、3〜6個の環員を有するヘテロシクリル基(例えば、ピリミジニル)、および−S(O)−C1−4アルキルから選択される1つ以上のR基によって任意に置換されてもよく、dは、0、1、および2から選択される(例えば、−SO−CH)。
式(1)の一実施形態では、Rは、1つ以上のR基、例えば、以下の基によって任意に置換される3〜7個の環員を有する複素環式基である。
(結合点は、破線の結合で表される)
Figure 2020515546
Figure 2020515546
Figure 2020515546
式(1)の一実施形態では、Rは、1つ以上のR基、例えば、以下の基によって任意に置換される3〜7個の環員を有する複素環式基である。
(結合点は、破線の結合で表される)
Figure 2020515546
Figure 2020515546
Figure 2020515546
一実施形態では、Rは、1つ以上のR基、例えば、以下の基によって任意に置換される3〜7個の環員を有する−CH−複素環式基である。
(結合点は、破線の結合で表される)
Figure 2020515546
一実施形態では、Rは、以下から選択される。
(結合点は、破線の結合で表される)
Figure 2020515546
Figure 2020515546
一実施形態では、Rは、以下から選択される。
(結合点は、破線の結合で表される)
Figure 2020515546
Figure 2020515546
一実施形態では、Rは、以下から選択される。
(結合点は、破線の結合で表される)
Figure 2020515546
一実施形態では、Rは、以下から選択される。
(結合点は、破線の結合で表される)
Figure 2020515546
一実施形態では、Rは、水素またはC1−6アルキル(例えば、−CH、−CHCH、または−CHCHCH、例えば、−CHまたは−CHCH)である。一実施形態では、Rは、C1−6アルキルである。一実施形態では、Rは、メチルまたはエチルである。一実施形態では、Rは、エチルである。
一実施形態では、Rは、C1−6アルキル(メチルまたはエチル等、例えば、メチル)であり、Rは、ヒドロキシC1−6アルキルおよび−(CH)−O−C1−6アルキルから選択され、一実施形態では、Rは、メチルであり、Rは、メチル、−CH−OH、および−CH−OCHから選択される。一実施形態では、Rは、メチルであり、Rは、メチル、エチル、またはプロピルである。一実施形態では、Rは、メチルであり、Rは、メチルである。
一実施形態では、Rは、C1−6アルキルまたはハロC1−6アルキル(例えば、メチル、モノフルオロメチル、トリフルオロメチル、またはエチル)である。
一実施形態では、Rは、C3−8シクロアルキル、例えば、C3−6シクロアルキル(例えば、シクロプロピル)である。
一実施形態では、Rは、C1−6アルキル(例えば、−CH、−CHCH、または−CHCHCH、例えば、メチルまたはエチル、例えば、エチル)でありRは、以下から選択される。
(結合点は、破線の結合または「*」で印付けされた結合終端で表される)
Figure 2020515546
Figure 2020515546
一実施形態では、Rは、C1−6アルキル(例えば、−CH、−CHCH、または−CHCHCH、例えば、メチルまたはエチル、例えば、エチル)でありRは、以下から選択される。
(結合点は、破線の結合または「*」で印付けされた結合終端で表される)
Figure 2020515546
Figure 2020515546
具体的には、Rは、以下のものである。
(結合点は、破線の結合で表される)
Figure 2020515546
具体的には、Rは、以下のものである。
(結合点は、破線の結合で表される)
Figure 2020515546
一実施形態では、Rは、C1−6アルキル(例えば、−CH、−CHCHまたは−CHCHCH)、例えば、メチルまたはエチル、例えば、メチル)であり、Rは、オキサニルであり、式(1)の化合物は、式(Iw)の化合物である。
Figure 2020515546
式(Iw)の一実施形態では、Rは、水素またはフッ素である。
一実施形態では、Rは、イミダゾリルであり、式(1)の化合物は、式(Ix)の化合物、またはその互変異性体もしくは溶媒和物もしくは薬学的に許容される塩である。
Figure 2020515546
一実施形態では、Rは、N−メチルピペリジニルであり、式(1)の化合物は、式(Ix’)の化合物、またはその互変異性体もしくは溶媒和物もしくは薬学的に許容される塩である。
Figure 2020515546
一実施形態では、Rは、4−フルオロ−1−メチルピペリジン−4−イルであり、式(1)の化合物は、式(Ix’’)の化合物、またはその互変異性体もしくは溶媒和物もしくは薬学的に許容される塩である。
Figure 2020515546
一実施形態では、Rは、1つ以上のR基(例えば、メチル)によって任意に置換されるピラゾリルである。一実施形態では、Rは、N−メチルピラゾール−3−イルまたはN−メチルピラゾール−4−イルである。
一実施形態では、Rは、メチル、オキサニル、ピラゾリル、イミダゾリル、ピペリジニル、およびシクロヘキシルから選択され、前記シクロアルキルおよび前記複素環式基は、1つ以上のR基(例えば、メチル、フッ素、またはヒドロキシル)によって任意に置換される。
一実施形態では、Rは、1つ以上のR基(例えば、メチル、フッ素、またはヒドロキシル、具体的には、メチルおよびフッ素)によって任意に置換されるピペリジニルから選択される。
一実施形態では、式(1)の化合物は、式(Ix)の化合物であり、Rは、C1−4アルキルである。
一実施形態では、Rは、C1−6アルキル(例えば、−CH、−CHCH、または−CHCHCH、例えば、メチルまたはエチル、例えば、エチル)であり、Rは、1つ以上のR基によって任意に置換される3〜7個の環員を有する複素環式基である。
一実施形態では、Rは、C1−6アルキル(例えば、−CH、−CHCH、または−CHCHCH、例えば、メチルまたはエチル、例えば、エチル)であり、Rは、1つ以上のR基(例えば、メチルイミダゾリル)によって任意に置換されるイミダゾリルである。
一実施形態では、Rは、C1−6アルキル(例えば、−CH、−CHCHまたは−CHCHCH、例えば、メチルまたはエチル、例えば、エチル)であり、Rは、1つ以上のR基(例えば、メチルピペリジニル)によって任意に置換されるピペリジニルである。
一実施形態では、Rは、C1−6アルキル(例えば、−CH、−CHCH、または−CHCHCH、例えば、メチルまたはエチル、例えば、エチル)であり、Rは、C1−4アルキル、ヒドロキシルC1−4アルキル、メトキシC1−4アルキル、5もしくは6個の環員を有する複素環式基、またはC3−6シクロアルキルであり、前記複素環式基または前記C3−6シクロアルキル基は、1つ以上のR(例えば、メチル、ハロゲン(フッ素等)、C(=O)Me、または−OH)によって任意に置換される。
一実施形態では、Rは、C1−6アルキル(例えば、−CH、−CHCH、または−CHCHCH、例えば、メチルまたはエチル、例えば、エチル)であり、Rは、1つ以上のR(例えば、メチル、ハロゲン(フッ素等)、C(=O)Me、または−OH)によって任意に置換される、メチル、エチル、ヒドロキシルメチル、ヒドロキシエチル、メトキシメチル、ピペリジニル、オキサニル、イミダゾリル、ピラゾリル、シクロブチル、シクロヘキシルである。
一実施形態では、RおよびRの両方が同じである。一実施形態では、RおよびRの両方がメチルであり、式(1)の化合物は、式(Iy)の化合物、またはその互変異性体もしくは溶媒和物もしくは薬学的に許容される塩である。
Figure 2020515546
一実施形態では、基−CROHは、−C(CHOH以外である。
一実施形態では、Rは、以下からなる基から選択される。
(酸素への結合点は、破線の結合または「*」で示される結合終端で表される):
Figure 2020515546
Figure 2020515546
Figure 2020515546
Figure 2020515546
Figure 2020515546
Figure 2020515546
一実施形態では、Rは、独立して、ハロゲン、ニトロ、ニトリル、C1−6アルキル、ハロC1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、=O、ヒドロキシ、ヒドロキシC1−6アルキル、C1−6アルコキシ、−(CH−O−C1−6アルキル、ヒドロキシC1−6アルコキシ、−C(=O)C1−6アルキル、−C(=O)C1−6アルキル−OH、−C(=O)C1−6アルキル−N(H)(C1−4アルキル)2−e、−C(=O)N(H)(C1−4アルキル)2−e、−(CH−CO1−6アルキル、−(CH−COH、−NH(C1−4アルキル)、−N(C1−4アルキル)、−C1−6アルキル−N(H)(C1−4アルキル)2−e、3〜6個の環員を有するヘテロシクリル基、−C(=O)C1−4アルキルによって置換された3〜6個の環員を有するヘテロシクリル基、−C(=O)OC1−4アルキルによって置換された3〜6個の環員を有するヘテロシクリル基、−C(=O)N(H)(C1−4アルキル)2−eによって置換された3〜6個の環員を有するヘテロシクリル基、3〜6個の環員を有する−C(=O)ヘテロシクリル基、C3−8シクロアルキル、およびC3−8シクロアルケニルから選択される。
別の実施形態では、Rは、独立して、ハロゲン、ニトロ、ニトリル、C1−6アルキル、ハロC1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、=O、ヒドロキシ、ヒドロキシC1−6アルキル、C1−6アルコキシ、−(CH−O−C1−6アルキル、ヒドロキシC1−6アルコキシ、−C(=O)C1−6アルキル、−C(=O)C1−6アルキル−OH、−C(=O)C1−6アルキル−N(H)(C1−4アルキル)2−e、−C(=O)N(H)(C1−4アルキル)2−e、−(CH−CO1−6アルキル、−(CH−COH、−C1−6アルキル−N(H)(C1−4アルキル)2−e、3〜6個の環員を有するヘテロシクリル基、−C(=O)C1−4アルキルによって置換された3〜6個の環員を有するヘテロシクリル基、−C(=O)OC1−4アルキルによって置換された3〜6個の環員を有するヘテロシクリル基、−C(=O)N(H)(C1−4アルキル)2−eによって置換された3〜6個の環員を有するヘテロシクリル基、3〜6個の環員を有する−C(=O)ヘテロシクリル基、C3−8シクロアルキル、およびC3−8シクロアルケニルから選択される。
別の実施形態では、Rが飽和複素環基である場合、Rは、独立して、ハロゲン、ニトロ、ニトリル、C1−6アルキル、ハロC1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、=O、ヒドロキシ、ヒドロキシC1−6アルキル、C1−6アルコキシ、−(CH−O−C1−6アルキル、ヒドロキシC1−6アルコキシ、−C(=O)C1−6アルキル、−C(=O)C1−6アルキル−OH、−C(=O)C1−6アルキル−N(H)(C1−4アルキル)2−e、−C(=O)N(H)(C1−4アルキル)2−e、−(CH−CO1−6アルキル、−(CH−COH、−N(H)(C1−4アルキル)2−e、−C1−6アルキル−N(H)(C1−4アルキル)2−e、3〜6個の環員を有するヘテロシクリル基、−C(=O)C1−4アルキルによって置換された3〜6個の環員を有するヘテロシクリル基、−C(=O)OC1−4アルキルによって置換された3〜6個の環員を有するヘテロシクリル基、−C(=O)N(H)(C1−4アルキル)2−eによって置換された3〜6個の環員を有するヘテロシクリル基、3〜6個の環員を有する−C(=O)ヘテロシクリル基、C3−8シクロアルキル、およびC3−8シクロアルケニルから選択される。
部分式
一実施形態では、式(1)の化合物は、式(II)の化合物、またはその互変異性体もしくは溶媒和物もしくは薬学的に許容される塩であり、
Figure 2020515546
式中、Lは、CR、CH、またはNであり、R、R、R、R、R、R、a、およびmは、本明細書で定義される通りである。一実施形態では、Lは、CHである。一実施形態では、Lは、Nである。一実施形態では、Lは、CR、例えば、C−OHまたはC−ヒドロキシC1−4アルキル(例えば、C−OHまたはC−CHOH)である。
一実施形態では、Rは、クロロ、ニトリル、メチル、またはメトキシである。一実施形態では、Rは、ヒドロキシまたはヒドロキシC1−4アルキル(例えば、ヒドロキシル)である。
一実施形態では、Rは、O0,1(CRCOOH(例えば、−COOH、−CHCOOH、−OCHCOOH、または−C(CHCOOHである。
別の実施形態では、Rは、クロロまたはニトリルであり、式(II)の化合物は、式(IIa)もしくは(IIb)の化合物、またはその互変異性体もしくは溶媒和物もしくは薬学的に許容される塩であり、
Figure 2020515546
式中、R、R、R、R、R、およびmは、本明細書で定義される通りである。
一実施形態では、Rは、メチルまたはエチルであり、式(II)の化合物は、式(IIIa)もしくは(IIIb)の化合物、またはその互変異性体もしくは溶媒和物もしくは薬学的に許容される塩であり、
Figure 2020515546
式中、R、R、R、R、R、およびmは、本明細書で定義される通りである。
Figure 2020515546
式中、R、R、R、R、R、a、およびmは、本明細書で定義される通りである。
一実施形態では、aは、1であり、式(II)の化合物は、式(IVa)の化合物、またはその互変異性体もしくは溶媒和物もしくは薬学的に許容される塩であり、
Figure 2020515546
式中、R、R、R、R、R、およびmは、本明細書で定義される通りである。
一実施形態では、式(II)の化合物は、(IVb)の化合物、またはその互変異性体もしくは溶媒和物もしくは薬学的に許容される塩であり、
Figure 2020515546
式中、R、R、R、R、R、およびmは、本明細書で定義される通りである。
一実施形態では、Rは、Fであり、式(1)の化合物は、式(V)の化合物、またはその互変異性体もしくは溶媒和物もしくは薬学的に許容される塩であり、
Figure 2020515546
式中、R、R、R、R、およびmは、本明細書で定義される通りである。
一実施形態では、mは、1であり、置換基Rは、フェニル基の4位にあり、式(II)の化合物は、式(VI)の化合物、またはその互変異性体もしくは溶媒和物もしくは薬学的に許容される塩である。
Figure 2020515546
一実施形態では、Rは、クロロであり、式(VI)の化合物は、式(VIa)の化合物、またはその互変異性体もしくは溶媒和物もしくは薬学的に許容される塩である。
Figure 2020515546
一実施形態では、本発明は、式(1)の化合物、またはその互変異性体もしくは溶媒和物もしくは薬学的に許容される塩を調製するためのプロセスを提供し、
式中、Hetは、ピリジニル、ピリミジニル、もしくはピリダジニル、またはそのN−オキシドであり、
は、炭素原子に結合しており、独立して、ヒドロキシ、ハロゲン、ニトロ、ニトリル、C1−4アルキル、ハロC1−4アルキル、ヒドロキシC1−4アルキル、C2−6アルケニル、C1−4アルコキシ、ハロC1−4アルコキシ、およびC2−4アルキニルから選択され、
は、水素、C1−4アルキル、C2−6アルケニル、ヒドロキシC1−4アルキル、および−CHCOHから選択され、
およびRは、独立して、ハロゲン、ニトリル、C1−4アルキル、ハロC1−4アルキル、C1−4アルコキシ、およびハロC1−4アルコキシから選択され、
およびRは、独立して、水素、C1−6アルキル、ハロC1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、ヒドロキシ、ヒドロキシC1−6アルキル、−COOC1−6アルキル、3〜7個の環員を有する複素環式基、3〜7個の環員を有する−CH−複素環式基、3〜7個の環員を有する−CH−O−複素環式基、3〜7個の環員を有する−CH−NH−複素環式基、3〜7個の環員を有する−CH−N(C1−6アルキル)−複素環式基、3〜7個の環員を有する−C(=O)NH−複素環式基、C3−8シクロアルキル、−CH−C3−8シクロアルキル、−CH−O−C3−8シクロアルキル、およびC3−8シクロアルケニルから選択され、前記シクロアルキル、前記シクロアルケニル、または前記複素環式基は、1つ以上のR基によって任意に置換されてもよく、各例において、前記複素環式基は、N、O、S、およびそれらの酸化形態から選択される1個以上(例えば、1、2、または3個)のヘテロ原子を含み、
は、独立して、ハロゲン、ニトロ、ニトリル、C1−6アルキル、ハロC1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、=O、ヒドロキシ、ヒドロキシC1−6アルキル、C1−6アルコキシ、−(CH−O−C1−6アルキル、ヒドロキシC1−6アルコキシ、−C(=O)C1−6アルキル、−C(=O)C1−6アルキル−OH、−C(=O)C1−6アルキル−N(H)(C1−4アルキル)2−e、−C(=O)N(H)(C1−4アルキル)2−e、−(CH−CO1−6アルキル、−(CH−COH、−N(H)(C1−4アルキル)2−e、−C1−6アルキル−N(H)(C1−4アルキル)2−e、3〜6個の環員を有するヘテロシクリル基、−C(=O)C1−4アルキルによって置換された3〜6個の環員を有するヘテロシクリル基、−C(=O)OC1−4アルキルによって置換された3〜6個の環員を有するヘテロシクリル基、−C(=O)N(H)(C1−4アルキル)2−eによって置換された3〜6個の環員を有するヘテロシクリル基、3〜6個の環員を有する−C(=O)ヘテロシクリル基、C3−8シクロアルキル、およびC3−8シクロアルケニルから選択され、
n、e、r、およびjは、独立して、0、1、および2から選択され、
kおよびmは、独立して、1および2から選択され、
vおよびaは、独立して、0および1から選択される。
一実施形態では、本発明は、式(1)の化合物、またはその互変異性体もしくは溶媒和物もしくは薬学的に許容される塩を調製するためのプロセスを提供し、
式中、Hetは、ピリジニルまたはピリミジニルであり、
は、炭素原子に結合しており、独立して、ヒドロキシ、ハロゲン、ニトロ、ニトリル、およびC1−4アルキルから選択され、
は、水素、C1−4アルキル、C2−6アルケニル、ヒドロキシC1−4アルキル、および−CHCOHから選択され、
およびRは、独立して、ハロゲン、ニトリル、およびC1−4アルキルから選択され、
は、水素、C1−6アルキル、ハロC1−6アルキル、C2−6アルケニル、およびC2−6アルキニルから選択され、
は、水素、C1−6アルキル、ハロC1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、ヒドロキシ、ヒドロキシC1−6アルキル、−COOC1−6アルキル、3〜7個の環員を有する複素環式基、3〜7個の環員を有する−CH−複素環式基、3〜7個の環員を有する−CH−O−複素環式基、3〜7個の環員を有する−CH−NH−複素環式基、3〜7個の環員を有する−CH−N(C1−6アルキル)−複素環式基、3〜7個の環員を有する−C(=O)NH−複素環式基、C3−8シクロアルキル、−CH−C3−8シクロアルキル、−CH−O−C3−8シクロアルキル、およびC3−8シクロアルケニルから選択され、前記シクロアルキル、前記シクロアルケニル、または前記複素環式基は、1つ以上のR基によって任意に置換されてもよく、各例において、前記複素環式基は、N、O、S、およびそれらの酸化形態から選択される1個以上(例えば、1、2、または3個)のヘテロ原子を含み、
は、独立して、ハロゲン、ニトロ、ニトリル、C1−6アルキル、ハロC1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、=O、ヒドロキシ、ヒドロキシC1−6アルキル、C1−6アルコキシ、−(CH−O−C1−6アルキル、ヒドロキシC1−6アルコキシ、−C(=O)C1−6アルキル、−C(=O)C1−6アルキル−OH、−C(=O)C1−6アルキル−N(H)(C1−4アルキル)2−e、−C(=O)N(H)(C1−4アルキル)2−e、−(CH−CO1−6アルキル、−(CH−COH、−N(H)(C1−4アルキル)2−e、−C1−6アルキル−N(H)(C1−4アルキル)2−e、3〜6個の環員を有するヘテロシクリル基、−C(=O)C1−4アルキルによって置換された3〜6個の環員を有するヘテロシクリル基、−C(=O)OC1−4アルキルによって置換された3〜6個の環員を有するヘテロシクリル基、−C(=O)N(H)(C1−4アルキル)2−eによって置換された3〜6個の環員を有するヘテロシクリル基、3〜6個の環員を有する−C(=O)ヘテロシクリル基、C3−8シクロアルキル、およびC3−8シクロアルケニルから選択され、
n、e、r、およびjは、独立して、0、1、および2から選択され、
kおよびmは、独立して、1および2から選択され、
vおよびaは、独立して、0および1から選択される。
一実施形態では、本発明は、式(1)の化合物、またはその互変異性体もしくは溶媒和物もしくは薬学的に許容される塩を調製するためのプロセスを提供し、
式中、Hetは、ピリジニルまたはピリミジニルであり、
は、炭素原子に結合しており、独立して、ヒドロキシ、ハロゲン、ニトロ、ニトリル、およびC1−4アルキルから選択され、
は、水素、C1−4アルキル、C2−6アルケニル、ヒドロキシC1−4アルキル、および−CHCOHから選択され、
およびRは、独立して、ハロゲン、ニトリル、およびC1−4アルキルから選択され、
は、水素およびC1−6アルキルから選択され、
は、3〜7個の環員を有する複素環式基、3〜7個の環員を有する−CH−複素環式基、C3−8シクロアルキル、および−CH−C3−8シクロアルキルから選択され、前記シクロアルキルまたは前記複素環式基は、1つ以上のR基によって任意に置換されてもよく、各例において、前記複素環式基は、N、O、S、およびそれらの酸化形態から選択される1個以上(例えば、1、2、または3個)のヘテロ原子を含み、
は、独立して、ハロゲン、ニトロ、ニトリル、C1−6アルキル、ハロC1−6アルキル、C2−6アルケニル、ヒドロキシ、ヒドロキシC1−6アルキル、C1−6アルコキシ、−C(=O)C1−6アルキル、および−N(H)(C1−4アルキル)2−eから選択され、
nおよびeは、独立して、0、1、および2から選択され、
mは、1および2から選択され、
aは、0および1から選択される。
一実施形態では、本発明は、式(1)の化合物、またはその互変異性体もしくは溶媒和物もしくは薬学的に許容される塩を調製するためのプロセスを提供し、
式中、Hetは、ピリジニルまたはピリミジニルであり、
は、炭素原子に結合しており、独立して、ハロゲン、ヒドロキシ、およびニトリルから選択され、
は、水素、C1−4アルキル、および−CHCOHから選択され、
およびRは、独立して、ハロゲンから選択され、
は、水素およびC1−6アルキルから選択され、
は、3〜7個の環員を有する複素環式基、3〜7個の環員を有する−CH−複素環式基、C3−8シクロアルキル、および−CH−C3−8シクロアルキルから選択され、前記シクロアルキル、前記シクロアルケニル、または前記複素環式基は、1つ以上のR基によって任意に置換されてもよく、各例において、前記複素環式基は、N、O、S、およびそれらの酸化形態から選択される1個以上(例えば、1、2、または3個)のヘテロ原子を含み、
は、独立して、ハロゲン、ニトロ、ニトリル、およびC1−6アルキルから選択され、
nは、1であり、mは、1であり、
aは、0および1から選択される。
一実施形態では、本発明は、式(1)の化合物、またはその互変異性体もしくは溶媒和物もしくは薬学的に許容される塩を調製するためのプロセスを提供し、
式中、Hetは、ピリジニルまたはピリミジニルであり、
は、炭素原子に結合しており、独立して、ハロゲン、ヒドロキシ、およびニトリルから選択され、
は、水素、C1−4アルキル、および−CHCOHから選択され、
およびRは、独立して、ハロゲンから選択され、
は、水素およびC1−6アルキルから選択され、
は、1つ以上のR基によって任意に置換される3〜7個の環員を有する複素環式基であり、
は、独立して、ハロゲンおよびC1−6アルキルから選択され、
nは、1であり、mは、1であり、
aは、1である。
一実施形態では、本発明は、式(1)の化合物、またはその互変異性体もしくは溶媒和物もしくは薬学的に許容される塩を調製するためのプロセスを提供し、
式中、Hetは、ピリジニルまたはピリミジニルであり、
は、炭素原子に結合しており、独立して、ハロゲン、ヒドロキシ、およびニトリルから選択され、
は、水素、C1−4アルキル、および−CHCOHから選択され、
およびRは、独立して、ハロゲンから選択され、
は、水素およびC1−6アルキルから選択され、
は、1つ以上のR基によって任意に置換される3〜7個の環員を有する複素環式基であり、
は、独立して、ハロゲンおよびC1−6アルキルから選択され、
nは、1であり、mは、1であり、
aは、1である。
一実施形態では、本発明は、式(1)の化合物、またはその互変異性体もしくは溶媒和物もしくは薬学的に許容される塩を調製するためのプロセスを提供し、
式中、Hetは、ピリジニル、ピリミジニル、もしくはピリダジニル、またはそのN−オキシドであり、
は、ハロゲン(例えば、Cl)、ニトリル、ヒドロキシ、C1−4アルコキシ(例えば、−OCH)、C1−4アルキル(例えば、CH)、または−S(O)−C1−4アルキルであり、
nは、1または2であり、
は、水素、C1−4アルキル(例えば、−CH)、ヒドロキシC1−4アルキル(例えば、−CHOHまたは−CH(OH)CHOH)、−CHCOH、およびC2−6アルケニル(例えば、−CH=CH)から選択され、
は、C1−4アルキル(例えば、−CH)、またはハロゲン(例えば、FもしくはCl)であり、
aは、0または1であり、
は、ハロゲン(例えば、ClもしくはF)、C1−4アルキル(例えば、−CHCH)、ニトリル、ハロC1−4アルキル(例えば、−CFもしくは−CFCH)、またはハロC1−4アルコキシ(例えば、−OCF)であり、
mは、1または2であり、
は、水素、C1−6アルキル(例えば、−CHまたは−CHCH)、C2−6アルケニル(例えば、−CH=CH)、およびハロC1−6アルキル(例えば、−CFまたは−CHF)であり、
は、C1−6アルキル(例えば、−CHもしくは−CHCH)、C3−8シクロアルキル(例えば、シクロプロピル、シクロブチル、もしくはシクロヘキシル)、C2−6アルケニル(例えば、−CH=CH)、ハロC1−6アルキル(例えば、−CF)、ヒドロキシC1−6アルキル(例えば、−CHOHもしくは−CHCHOH)、−C1−6アルキル−NR(例えば、−CHNH、−CHN(CH、−CHNHCH、もしくは−CHNH(シクロプロピル))、−(CR−CONR(例えば、−C(=O)NHCH、−(CO)NHCHCH、−(CO)NHCHCHNH2、−C(=O)NH(CH(CH))、または−(CH−O−C1−6アルキル(例えば、−CHOCH、−CHOCHCH、もしくは−CHOCD)、−(CR−NRCOR(例えば、−CHNHC(=O)CH)、−(CR−O−CH−CONR(例えば、−CHOCHC(=O)N(CH)、−(CH−O−(ヒドロキシC1−6アルキル)(例えば、−CHOCHCHOH)、3〜7個の環員を有する複素環式基、例えば、
(結合点は、破線の結合で表される)
Figure 2020515546
または3〜7個の環員を有する−CH−複素環式基、例えば、
(結合点は、破線の結合で表される)
Figure 2020515546
であり、部分Rが複素環式基を含む場合、その複素環式基は、C1−6アルキル(例えば、メチル)、ヒドロキシアルキル(例えば、−CHCHOH)、ハロゲン(例えば、フルオロ)、=O、C1−6アルコキシ(例えば、メトキシ)、−C(=O)C1−6アルキル(例えば、−C(=O)CH)、−C(=O)ヒドロキシC1−6アルキル(例えば、−C(=O)CHOH)、3〜6個の環員を有するヘテロシクリル基(例えば、オキセタニルまたはピリミジニル)、および−S(O)−C1−4アルキルから選択される1つ以上のR基によって任意に置換されてもよく、dは、0、1、および2から選択される(例えば、−SO−CH)。
式(1)の一実施形態では、Rは、3〜7個の環員を有する複素環式基、例えば、以下のものである。
(結合点は、破線の結合で表される)
Figure 2020515546
式(1)の一実施形態では、Rは、1つ以上のR基、例えば、以下の基によって任意に置換される3〜7個の環員を有する複素環式基である。
(結合点は、破線の結合で表される)
Figure 2020515546
Figure 2020515546
Figure 2020515546
または1つ以上のR基、例えば、以下の基によって任意に置換される3〜7個の環員を有する−CH−複素環式基であるものである。
(結合点は、破線の結合で表される)
Figure 2020515546
一実施形態では、本発明は、式(1)の化合物、またはその互変異性体もしくは溶媒和物もしくは薬学的に許容される塩を調製するためのプロセスを提供し、
式中、Hetは、ピリジニル、ピリミジニル、もしくはピリダジニル、またはそのN−オキシドであり、
は、ハロゲン(例えば、Cl)、ニトリル、ヒドロキシ、C1−4アルコキシ(例えば、−OCH)、C1−4アルキル(例えば、CH)、または−S(O)−C1−4アルキルであり、
nは、1または2であり、
は、水素、C1−4アルキル(例えば、−CH)、ヒドロキシC1−4アルキル(例えば、−CHOHまたは−CH(OH)CHOH)、−CHCOH、およびC2−6アルケニル(例えば、−CH=CH)から選択され、
は、C1−4アルキル(例えば、−CH)、またはハロゲン(例えば、FもしくはCl)であり、
aは、0または1であり、
は、ハロゲン(例えば、ClもしくはF)、C1−4アルキル(例えば、−CHCH)、ニトリル、ハロC1−4アルキル(例えば、−CFもしくは−CFCH)、またはハロC1−4アルコキシ(例えば、−OCF)であり、
mは、1または2であり、
は、水素、C1−6アルキル(例えば、−CHまたは−CHCH)、C2−6アルケニル(例えば、−CH=CH)、およびハロC1−6アルキル(例えば、−CFまたは−CHF)であり、
は、C1−6アルキル(例えば、−CHもしくは−CHCH)、C3−8シクロアルキル(例えば、シクロプロピル、シクロブチル、もしくはシクロヘキシル)、C2−6アルケニル(例えば、−CH=CH)、ハロC1−6アルキル(例えば、−CF)、ヒドロキシC1−6アルキル(例えば、−CHOHもしくは−CHCHOH)、−C1−6アルキル−NR(例えば、−CHNH、−CHN(CH、−CHNHCH、もしくは−CHNH(シクロプロピル))、−(CR−CONR(例えば、−C(=O)NHCH、−(CO)NHCHCH、−(CO)NHCHCHNH2、−C(=O)NH(CH(CH))、または−(CH−O−C1−6アルキル(例えば、−CHOCH、−CHOCHCH、もしくは−CHOCD)、−(CR−NRCOR(例えば、−CHNHC(=O)CH)、−(CR−O−CH−CONR(例えば、−CHOCHC(=O)N(CH)、−(CH−O−(ヒドロキシC1−6アルキル)(例えば、−CHOCHCHOH)、3〜7個の環員を有する複素環式基、例えば、
(結合点は、破線の結合で表される)
Figure 2020515546
または3〜7個の環員を有する−CH−複素環式基、例えば、
(結合点は、破線の結合で表される)
Figure 2020515546
であり、Rが複素環式基を含む場合、その複素環式基は、C1−6アルキル(例えば、メチル)、ハロゲン(例えば、フルオロ)、=O、C1−6アルコキシ(例えば、メトキシ)、−C(=O)C1−6アルキル(例えば、−C(=O)CH)、−C(=O)ヒドロキシC1−6アルキル(例えば、−C(=O)CHOH)、3〜6個の環員を有するヘテロシクリル基(例えば、ピリミジニル)、および−S(O)−C1−4アルキルから選択される1つ以上のR基によって任意に置換されてもよく、dは、0、1、および2から選択される(例えば、−SO−CH)。
式(1)の一実施形態では、Rは、3〜7個の環員を有する複素環式基、例えば、以下のものである。
(結合点は、破線の結合で表される)
Figure 2020515546
式(1)の一実施形態では、Rは、1つ以上のR基、例えば、以下の基によって任意に置換される3〜7個の環員を有する複素環式基である。
(結合点は、破線の結合で表される)
Figure 2020515546
Figure 2020515546
Figure 2020515546
または1つ以上のR基、例えば、以下の基によって任意に置換される3〜7個の環員を有する−CH−複素環式基であるものである。
(結合点は、破線の結合で表される)
Figure 2020515546
一実施形態では、本発明は、式(1)の化合物、またはその互変異性体もしくは溶媒和物もしくは薬学的に許容される塩を調製するためのプロセスを提供し、
式中、Hetは、ピリジン−2−イルまたはピリミジン−2−イルであり、
は、−Cl、−CN、−OH、または−OMeであり、
nは、1であり、
は、水素であり、
aは、0または1であり、Rは、ハロゲン(例えば、フッ素)であり、
は、ハロゲン(例えば、Cl)であり、
mは、1であり、
は、C1−4アルキル(例えば、メチルまたはエチル)であり、
は、C1−4アルキル(例えば、メチルもしくはエチル)、ヒドロキシルC1−4アルキル(例えば、ヒドロキシルメチルもしくはヒドロキシエチル)、メトキシC1−4アルキル(例えば、メトキシメチル)、5もしくは6個の環員を有する複素環式基(例えば、ピペリジニル、オキサニル、イミダゾリル、もしくはピラゾリル)、またはC3−6シクロアルキル(例えば、シクロブチルもしくはシクロヘキシル)であり、前記5もしくは6個の環員を有する複素環式基および前記C3−6シクロアルキル基は、メチル、ハロゲン(フッ素等)、−C(=O)Me、および−OHから独立して選択される1または2つのR基で任意に置換されてもよい。
一実施形態では、本発明は、式(1)の化合物、またはその互変異性体もしくは溶媒和物もしくは薬学的に許容される塩を調製するためのプロセスを提供し、
式中、Hetは、ピリジン−2−イルまたはピリミジン−2−イルであり、
は、−Cl、−CN、−OH、または−OMeであり、
nは、1であり、
は、水素であり、
は、ハロゲン(例えば、Cl)であり、
mは、1であり、
は、C1−4アルキル(例えば、メチルまたはエチル)であり、
は、C1−4アルキル(例えば、メチルもしくはエチル)、ヒドロキシルC1−4アルキル(例えば、ヒドロキシルメチルもしくはヒドロキシエチル)、メトキシC1−4アルキル(例えば、メトキシメチル)、5もしくは6個の環員を有する複素環式基(例えば、ピペリジニル、オキサニル、イミダゾリル、もしくはピラゾリル)、またはC3−6シクロアルキル(例えば、シクロブチルもしくはシクロヘキシル)であり、前記5もしくは6個の環員を有する複素環式基および前記C3−6シクロアルキル基は、メチル、ハロゲン(フッ素等)、−C(=O)Me、および−OHから独立して選択される1または2つのR基で任意に置換されてもよい。
プロセス
一般的なプロセス
本発明は、式(1)の1−メトキシイソインドリン、
Figure 2020515546
またはその互変異性体もしくは溶媒和物もしくは塩を調製するためのプロセスであって、
前記プロセスが、式(2)の化合物を取り込むことであって、
Figure 2020515546
式中、cycが、フェニルまたは複素環式基Hetであり、前記複素環式基Hetが、ピリジニル、ピリミジニル、ピラジニル、もしくはピリダジニル、またはそのN−オキシドであり、
が、独立して、ヒドロキシ、ハロゲン、ニトロ、ニトリル、C1−4アルキル、ハロC1−4アルキル、ヒドロキシC1−4アルキル、C2−6アルケニル、C1−4アルコキシ、ハロC1−4アルコキシ、C2−4アルキニル、−O0,1−(CR−COH、−(CR−CO1−4アルキル、−(CR−CON(C1−4アルキル)、−P(=O)(R、−S(O)−R、3〜6個の環員を有する−S(O)−複素環式基、および−S(O)−N(Rから選択され、cycがHetである場合、Rが炭素原子に結合しており、
が、水素、C1−4アルキル、C2−6アルケニル、ヒドロキシC1−4アルキル、−(CR−COH、−(CR−CONR、−(CR−CO10から選択され、式中、R10が、C1−7アルキル、C1−7アルケネイル、C1−7ハロアルキル、トリC1−7アルキルシリル−C1−7アルキル、C5−20アリール、およびC5−20アリール−C1−7アルキルから選択され、
およびRが、独立して、ハロゲン、ニトリル、C1−4アルキル、ハロC1−4アルキル、C1−4アルコキシ、およびハロC1−4アルコキシから選択され、
Qが、−C(OH)R、−C(=O)R、ハロゲン(例えば、−F、−Cl、−Br、−I)、および−OTfから選択され、
およびRが、独立して、水素、C1−6アルキル、ハロC1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、ヒドロキシ、ヒドロキシC1−6アルキル、−COOC1−6アルキル、−(CH−O−C1−6アルキル、−(CH−O−(ヒドロキシC1−6アルキル)、−C1−6アルキル−NR、−(CR−CONR、−(CR−NRCOR、−(CR−O−CH−CONR、3〜7個の環員を有する複素環式基、3〜7個の環員を有する−CH−複素環式基、3〜7個の環員を有する−CH−O−複素環式基、3〜7個の環員を有する−CH−NH−複素環式基、3〜7個の環員を有する−CH−N(C1−6アルキル)−複素環式基、3〜7個の環員を有する−C(=O)NH−複素環式基、C3−8シクロアルキル、−CH−C3−8シクロアルキル、−CH−O−C3−8シクロアルキル、およびC3−8シクロアルケニルから選択され、前記シクロアルキル、前記シクロアルケニル、または前記複素環式基が、1つ以上のR基によって任意に置換されてもよく、各例において、前記複素環式基が、N、O、S、およびそれらの酸化形態から選択される1個以上(例えば、1、2、または3個)のヘテロ原子を含むか、または
Qが−C(OH)Rである場合、前記R基および前記R基が連結して、それらが結合している炭素原子と一緒に、C3−6シクロアルキルまたは3〜6個の環員を有するヘテロシクリル基を形成することができ、前記複素環式基が、N、O、S、およびそれらの酸化形態から選択される1個以上(例えば、1、2、または3個)のヘテロ原子を含み、前記C3−6シクロアルキルおよび前記ヘテロシクリル基が、1つ以上のR基によって任意に置換されてもよく、
が、水素、C1−6アルキル、ハロC1−6アルキル、ヒドロキシC1−6アルキル、−(CH−O−C1−6アルキル、−(CH−O−(ヒドロキシC1−6アルキル)、ヒドロキシC1−6アルコキシ、−(CH−CO1−6アルキル、−(CH−COH、−C1−6アルキル−N(H)(C1−4アルキル)2−e、−(CH)j−C3−8シクロアルキル、および−(CH−C3−8シクロアルケニルから選択され、
およびRが、独立して、水素、ハロゲン、ニトロ、ニトリル、C1−6アルキル、ハロC1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、ヒドロキシ、ヒドロキシC1−6アルキル、C1−6アルコキシ、−(CH−O−C1−6アルキル、ヒドロキシC1−6アルコキシ、−COOC1−6アルキル、−N(H)(C1−4アルキル)2−e、−C1−6アルキル−N(H)(C1−4アルキル)2−e、−(CH−C(=O)N(H)(C1−4アルキル)2−e、C3−8シクロアルキル、およびC3−8シクロアルケニルから選択されるか、または
前記R基および前記R基が連結して、それらが結合している炭素原子または窒素原子と一緒に、3〜5個の環員の芳香族ヘテロシクリル基に任意に縮合され得るC3−6シクロアルキルまたは3〜6個の環員を有する飽和ヘテロシクリル基を形成することができるか、または
炭素原子上にある場合、前記R基および前記R基が一緒に連結して、=CH基を形成することができ、Rが、独立して、ハロゲン、ニトロ、ニトリル、C1−6アルキル、ハロC1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、=O、ヒドロキシ、ヒドロキシC1−6アルキル、C1−6アルコキシ、−(CH−O−C1−6アルキル、ヒドロキシC1−6アルコキシ、−C(=O)C1−6アルキル、−C(=O)C1−6アルキル−OH、−C(=O)C1−6アルキル−N(H)(C1−4アルキル)2−e、−C(=O)N(H)(C1−4アルキル)2−e、−(CH−CO1−6アルキル、−(CH−COH、−N(H)(C1−4アルキル)2−e、−C1−6アルキル−N(H)(C1−4アルキル)2−e、3〜6個の環員を有するヘテロシクリル基、−C(=O)C1−4アルキルによって置換された3〜6個の環員を有するヘテロシクリル基、−C(=O)OC1−4アルキルによって置換された3〜6個の環員を有するヘテロシクリル基、−C(=O)N(H)(C1−4アルキル)2−eによって置換された3〜6個の環員を有するヘテロシクリル基、3〜6個の環員を有する−C(=O)ヘテロシクリル基、C3−8シクロアルキル、およびC3−8シクロアルケニルから選択され、Rがピリジンである場合、Rが−NH以外であり、
a、j、d、e、n、r、およびpが、独立して、0、1、および2から選択され、
kおよびmが、独立して、1および2から選択され、
uが、0、1、2、および3から選択され、
vおよびwが、独立して、0および1から選択される、取り込むことと、
式(2)の前記化合物を塩基の存在下でメチル化剤と反応させることと、を含む、プロセスに関する。
具体的には、本発明は、式(1)の化合物が、式(1)の化合物:
Figure 2020515546
またはその互変異性体もしくは溶媒和物もしくは塩であり、
式(2)の化合物が、式(2)の化合物である、請求項1に記載の1−メトキシイソインドリンを調製するためのプロセスに関する。
Figure 2020515546
言い換えれば、本発明は、式(1)の化合物、
Figure 2020515546
またはその互変異性体もしくは溶媒和物もしくは塩を調製するためのプロセスであって、
前記プロセスが、式(2)の化合物を取り込むことであって、
Figure 2020515546
式中、Rが、独立して、ヒドロキシ、ハロゲン、ニトロ、ニトリル、C1−4アルキル、ハロC1−4アルキル、ヒドロキシC1−4アルキル、C2−6アルケニル、C1−4アルコキシ、ハロC1−4アルコキシ、C2−4アルキニル、−O0,1−(CR−COH、−(CR−CO1−4アルキル、−(CR−CON(C1−4アルキル)、−P(=O)(R、−S(O)−R、3〜6個の環員を有する−S(O)−複素環式基、および−S(O)−N(Rから選択され、
が、水素、C1−4アルキル、C2−6アルケニル、ヒドロキシC1−4アルキル、−(CR−COH、−(CR−CONR、−(CR−CO10から選択され、式中、R10が、C1−7アルキル、C1−7アルケネイル、C1−7ハロアルキル、トリC1−7アルキルシリル−C1−7アルキル、C5−20アリール、およびC5−20アリール−C1−7アルキルから選択され、
およびRが、独立して、ハロゲン、ニトリル、C1−4アルキル、ハロC1−4アルキル、C1−4アルコキシ、およびハロC1−4アルコキシから選択され、
Qが、−C(OH)R、−C(=O)R、ハロゲン(例えば、−F、−Cl、−Br、−I)、および−OTfから選択され、
およびRが、独立して、水素、C1−6アルキル、ハロC1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、ヒドロキシ、ヒドロキシC1−6アルキル、−COOC1−6アルキル、−(CH−O−C1−6アルキル、−(CH−O−(ヒドロキシC1−6アルキル)、−C1−6アルキル−NR、−(CR−CONR、−(CR−NRCOR、−(CR−O−CH−CONR、3〜7個の環員を有する複素環式基、3〜7個の環員を有する−CH−複素環式基、3〜7個の環員を有する−CH−O−複素環式基、3〜7個の環員を有する−CH−NH−複素環式基、3〜7個の環員を有する−CH−N(C1−6アルキル)−複素環式基、3〜7個の環員を有する−C(=O)NH−複素環式基、C3−8シクロアルキル、−CH−C3−8シクロアルキル、−CH−O−C3−8シクロアルキル、およびC3−8シクロアルケニルから選択され、前記シクロアルキル、前記シクロアルケニル、または前記複素環式基が、1つ以上のR基によって任意に置換されてもよく、各例において、前記複素環式基が、N、O、S、およびそれらの酸化形態から選択される1個以上(例えば、1、2、または3個)のヘテロ原子を含むか、または
Qが−C(OH)Rである場合、前記R基および前記R基が連結して、それらが結合している炭素原子と一緒に、C3−6シクロアルキルまたは3〜6個の環員を有するヘテロシクリル基を形成することができ、前記複素環式基が、N、O、S、およびそれらの酸化形態から選択される1個以上(例えば、1、2、または3個)のヘテロ原子を含み、前記C3−6シクロアルキルおよび前記ヘテロシクリル基が、1つ以上のR基によって任意に置換されてもよく、
が、水素、C1−6アルキル、ハロC1−6アルキル、ヒドロキシC1−6アルキル、−(CH−O−C1−6アルキル、−(CH−O−(ヒドロキシC1−6アルキル)、ヒドロキシC1−6アルコキシ、−(CH−CO1−6アルキル、−(CH−COH、−C1−6アルキル−N(H)(C1−4アルキル)2−e、−(CH)j−C3−8シクロアルキル、および−(CH−C3−8シクロアルケニルから選択され、
およびRが、独立して、水素、ハロゲン、ニトロ、ニトリル、C1−6アルキル、ハロC1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、ヒドロキシ、ヒドロキシC1−6アルキル、C1−6アルコキシ、−(CH−O−C1−6アルキル、ヒドロキシC1−6アルコキシ、−COOC1−6アルキル、−N(H)(C1−4アルキル)2−e、−C1−6アルキル−N(H)(C1−4アルキル)2−e、−(CH−C(=O)N(H)(C1−4アルキル)2−e、C3−8シクロアルキル、およびC3−8シクロアルケニルから選択されるか、または
前記R基および前記R基が連結して、それらが結合している炭素原子または窒素原子と一緒に、3〜5個の環員の芳香族ヘテロシクリル基に任意に縮合され得るC3−6シクロアルキルまたは3〜6個の環員を有する飽和ヘテロシクリル基を形成することができるか、または
炭素原子上にある場合、前記R基および前記R基が一緒に連結して、=CH基を形成することができ、Rが、独立して、ハロゲン、ニトロ、ニトリル、C1−6アルキル、ハロC1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、=O、ヒドロキシ、ヒドロキシC1−6アルキル、C1−6アルコキシ、−(CH−O−C1−6アルキル、ヒドロキシC1−6アルコキシ、−C(=O)C1−6アルキル、−C(=O)C1−6アルキル−OH、−C(=O)C1−6アルキル−N(H)(C1−4アルキル)2−e、−C(=O)N(H)(C1−4アルキル)2−e、−(CH−CO1−6アルキル、−(CH−COH、−N(H)(C1−4アルキル)2−e、−C1−6アルキル−N(H)(C1−4アルキル)2−e、3〜6個の環員を有するヘテロシクリル基、−C(=O)C1−4アルキルによって置換された3〜6個の環員を有するヘテロシクリル基、−C(=O)OC1−4アルキルによって置換された3〜6個の環員を有するヘテロシクリル基、−C(=O)N(H)(C1−4アルキル)2−eによって置換された3〜6個の環員を有するヘテロシクリル基、3〜6個の環員を有する−C(=O)ヘテロシクリル基、C3−8シクロアルキル、およびC3−8シクロアルケニルから選択され、Rがピリジンである場合、Rが−NH以外であり、
a、j、d、e、n、r、およびpが、独立して、0、1、および2から選択され、
kおよびmが、独立して、1および2から選択され、
uが、0、1、2、および3から選択され、
vおよびwが、独立して、0および1から選択される、取り込むことと、
式(2)の前記化合物を塩基の存在下でメチル化剤と反応させることと、を含む、プロセスを提供する。
本出願人は、本発明のプロセスが改善されたジアステレオ制御を提供することができることを見出した。
具体的には、本発明のプロセスは、以下の所望の立体異性体の割合が増加する生成物を提供することができる。
Figure 2020515546

一実施形態では、本発明は、Qが−C(OH)Rである、1−メトキシイソインドリンを調製するためのプロセスを提供する。
一実施形態では、本発明は、Qが−C(=O)Rである、1−メトキシイソインドリンを調製するためのプロセスを提供する。
Qが−C(=O)Rである実施形態では、プロセスは、式RM(式中、Mが金属である)の有機金属試薬(例えば、式RMgBrのグリニャール試薬または式Zn(Rの有機亜鉛試薬)との反応によってQが基−C(=O)Rから基−C(OH)Rに変換されるその後のステップを含み得る。
一実施形態では、本発明は、Qがハロゲン(例えば、−F、−Cl、−Br、−I)である、1−メトキシイソインドリンを調製するためのプロセスを提供する。
Figure 2020515546
Qが−OTfである化合物は、Qが−OC1−4アルキルおよび−OHである対応する化合物から調製され得る。

は、水素、C1−4アルキル、C2−6アルケニル、ヒドロキシC1−4アルキル、−(CR−COH、−(CR−CONR、−(CR−CO10から選択され、式中、R10は、C1−7アルキル、C1−7アルケネイル、C1−7ハロアルキル、トリC1−7アルキルシリル−C1−7アルキル、C5−20アリール、およびC5−20アリール−C1−7アルキル(例えば、−CHCHCO1−4アルキル、−CHCHCOCHCH=CH、−CHCHCOCHCHSi(C1−4アルキル)、および−CHCH−COフェニルから選択される。
一実施形態では、Rは、−(CR−CO10から選択され、式中、R10は、C1−7アルキル、C1−7アルケネイル、C1−7ハロアルキル、トリC1−7アルキルシリル−C1−7アルキル、C5−20アリール、およびC5−20アリール−C1−7アルキルから選択される。
Figure 2020515546
具体的には、Rは、−(CR−CO10から選択され、式中、R10は、C1−7アルキル、C1−7アルケネイル C1−7ハロアルキル、トリC1−7アルキルシリル−C1−7アルキル、C5−20アリール、およびC5−20アリール−C1−7アルキルから選択される。
一実施形態では、R10は、C1−7アルキル、例えば、C1−4アルキル(例えば、メチル、t−ブチル)である。
一実施形態では、R10は、C1−7アルケネイル、例えば、C1−4アルケネイル(例えば、−CHCH=CH)である。
一実施形態では、R10は、C1−7トリハロアルキル、例えば、C1−4トリハロアルキル(例えば、−CF、−CCl)である。
一実施形態では、R10は、トリC1−7アルキルシリル−C1−7アルキル(例えば、−CHCHSi(CH)である。
一実施形態では、R10は、C5−20アリール−C1−7アルキル(例えば、ベンジル、ニトロベンジル、パラ−メトキシベンジル)から選択される。
一実施形態では、R10は、C5−20アリール(例えば、フェニル)から選択される。
一実施形態では、R10は、メチル、t−ブチル、−CHCH=CH、−CF、−CCl、−CHCHSi(CH、フェニル、ベンジル、ニトロベンジル、パラ−メトキシベンジルから選択される。
一実施形態では、R10は、−CHCH=CH、−CHCHSi(CH、およびフェニルから選択される。
Figure 2020515546
一実施形態では、uは、0、1、または2から選択される。一実施形態では、uは、0または1から選択される。
具体的には、Rは、
Figure 2020515546
具体的には、Rは、−CHCH=CH、−CHCHSi(CH、および−Ph、例えば、−CHCH=CHから選択され得る。
一実施形態では、プロセスは、好ましくは、R10が水素に変換されるその後の脱エステル化ステップを含む。
が、−(CR−CO1−4アルキル、−(CR−COCHCH=CH、−(CR−COCHCHSi(C1−4アルキル)、および−(CR−COアリールから選択される場合、脱エステル化ステップは、−(CR−COHである基Rを提供する。
が、−(CH(CH))−CO1−4アルキル、−(CH(CH))−COCHCH=CH、−(CH(CH))−COCHCHSi(C1−4アルキル)(例えば、COCHCHSi(CH)、および−(CH(CH))−COアリールから選択される場合、脱エステル化ステップは、−(CH(CH))−COHである基Rを提供する。
Figure 2020515546
任意の条件が脱エステル化ステップに使用され得る。
が−(CH(CH))−COCHCH=CHである場合、脱エステル化ステップは、Pd触媒、例えば、Pd(Phを使用して促進され得る。
がCOCHCHSi(CHである場合、脱エステル化ステップは、フッ化物源、例えば、TBAFを使用して促進され得る。
がCOPhである場合、脱エステル化ステップは、例えば、LiOHまたはNaOHを使用して、加水分解、具体的には塩基性加水分解によって促進され得る。
特定の生成物
式(1)、(2)、(1)、および(2)(それらの任意の部分式)の化合物の置換基は、本明細書の上記の化合物の一般開示に開示される置換基のうちのいずれかであり得る。
一実施形態では、本発明は、Rがp−Clであり、nが1である、1−メトキシイソインドリンを調製するためのプロセスを提供する。
一実施形態では、本発明は、Rがp−Clであり、mが1である、1−メトキシイソインドリンを調製するためのプロセスを提供する。
一実施形態では、本発明は、Rが4−Fであり、aが1である、1−メトキシイソインドリンを調製するためのプロセスを提供する。
本発明の特定のプロセスでは、生成物は、式(3)の1−メトキシイソインドリンである。
Figure 2020515546
立体化学
一実施形態では、生成物は、主に式(1’)の立体異性体である1−メトキシイソインドリンである。
Figure 2020515546
例えば、生成物は、所望の立体異性体の50%、60%、70%、80%、90%、95%、97%、98%、または99%超であり得、他方の立体異性体の50%、40%、30%、20%、10%、5%、3%、2%、または1%未満であり得る。
Figure 2020515546
一実施形態では、生成物は、主に式(1’)の立体異性体である1−メトキシイソインドリンである。
Figure 2020515546
例えば、生成物は、所望の立体異性体の50%、60%、70%、80%、90%、95%、97%、98%、または99%超であり得、他方の立体異性体の50%、40%、30%、20%、10%、5%、3%、2%、または1%未満であり得る。
Figure 2020515546
特定のプロセスでは、生成物は、主に式(3’)の立体異性体である1−メトキシイソインドリンである。
Figure 2020515546
例えば、生成物は、所望の立体異性体の50%、60%、70%、80%、90%、95%、97%、98%、または99%超であり得、他方の立体異性体の50%、40%、30%、20%、10%、5%、3%、2%、または1%未満であり得る。
Figure 2020515546
一実施形態では、メチル化ステップ後に直接得られるプロセスの生成物は、主に式(1’)、(1’)、または(3’)の立体異性体である。
例えば、生成物は、所望の立体異性体(1’)、(1’)、または(3’)の50%、60%、70%、80%、90%、95%、97%、98%、または99%超であり得、他方の立体異性体の50%、40%、30%、20%、10%、5%、3%、2%、または1%未満であり得る。
別の実施形態では、プロセスは、任意の段階で、式1の化合物が分解されて、式(1’)、(1’)、または(3’)の立体異性体の割合を増加させる追加のステップを含む。
化合物は、当業者に既知の任意の標準方法によって分解され得る。例えば、式(1’)、(1’)、または(3’)の化合物は、結晶化(恐らく化合物の誘導体を最初に形成した後)またはクロマトグラフィー(例えば、超臨界流体クロマトグラフィー)によって分解され得る。
したがって、本発明は、任意の段階で、式(1)、(1)、または(3)の化合物が分解されて、式(1’)、(1’)、または(3’)の立体異性体の割合を増加させるさらなるステップを含むプロセスを提供する。
例えば、分解ステップ後、生成物は、所望の立体異性体(1’)、(1’)、または(3’)の50%、60%、70%、80%、90%、95%、97%、98%、または99%超であり得、他方の立体異性体の50%、40%、30%、20%、10%、5%、3%、2%、または1%であり得る。
(2S,3S)−3−(4−クロロフェニル)−3−[(1R)−1−(4−クロロフェニル)−7−フルオロ−5−[(1S)−1−ヒドロキシ−1−(オキサン−4−イル)プロピル]−1−メトキシ−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−2−イル]−2−メチルプロパン酸を調製するための具体的なプロセス
さらなる実施形態では、本発明は、(2S,3S)−3−(4−クロロフェニル)−3−[1−(4−クロロフェニル)−7−フルオロ−5−[(1S)−1−ヒドロキシ−1−(オキサン−4−イル)プロピル]−1−メトキシ−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−2−イル]−2−メチルプロパン酸、
Figure 2020515546
またはその互変異性体もしくは溶媒和物もしくは薬学的に許容される塩である1−メトキシイソインドリンを調製するためのプロセスであって、前記プロセスが、
(i)式(4)の化合物を取り込むステップであって、
Figure 2020515546
式中、R10が、C1−7アルキル、C1−7アルケネイル、C1−7ハロアルキル、トリC1−7アルキルシリル−C1−7アルキル、C5−20アリール、およびC5−20アリール−C1−7アルキルから選択される、取り込むステップと、
式(4)の前記化合物を塩基の存在下でメチル化剤と反応させて、式(5)の化合物を得るステップと、
Figure 2020515546
(ii)その後、R10基を水素に変換して、(2S,3S)−3−(4−クロロフェニル)−3−[(1−(4−クロロフェニル)−7−フルオロ−5−[(1S)−1−ヒドロキシ−1−(オキサン−4−イル)プロピル]−1−メトキシ−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−2−イル]−2−メチルプロパン酸(3)、
Figure 2020515546
またはその互変異性体もしくは溶媒和物もしくは薬学的に許容される塩を得る脱エステル化ステップと、
(iii)任意に、式(3)の化合物が分解されて(例えば、結晶化またはクロマトグラフィー、例えば、超臨界流体クロマトグラフィーによって)、式(3’)の(2S,3S)−3−(4−クロロフェニル)−3−[(1R)−1−(4−クロロフェニル)−7−フルオロ−5−[(1S)−1−ヒドロキシ−1−(オキサン−4−イル)プロピル]−1−メトキシ−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−2−イル]−2−メチルプロパン酸、
Figure 2020515546
またはその互変異性体もしくは溶媒和物もしくは薬学的に許容される塩である立体異性体の割合を増加させるさらなるステップと、を含む、プロセスを提供する。
当業者であれば、単純エステルを脱エステル化して酸を形成するための条件を熟知している。具体的なR10基には、−CHCH=CH、−CHCHSi(CH、およびフェニルが含まれる。
10が−CHCH=CHである場合、脱エステル化は、触媒Pd(例えば、Pd(PPh)、およびメタノール中KCO)を使用して行われ得る。
10が−CHCHSi(CHである場合、脱エステル化は、フッ化物(例えば、DMF中CsFまたはメタノール中TBAF)を使用して行われ得る。
10がフェニルである場合、脱エステル化は、塩基性加水分解(例えば、THF/水中LiOH)を使用して行われ得る。
この実施形態では、式(4)の化合物は、式(6)の化合物を取り込むことと、
Figure 2020515546
式(6)の化合物を式(7)のアミンとカップリングすることとによって調製され得る。
Figure 2020515546
当業者であれば、標準のカップリング条件を熟知している。言及され得るある特定の条件には、HATUおよびDIPEAが含まれる。
この実施形態では、式(6)の化合物は、式(6’)の化合物から調製され得、
Figure 2020515546
前記プロセスが、
(i)式(6’)の化合物をエステル化して、式(6’’)のエステルを得ることと、
Figure 2020515546
(ii)式(6’’)の化合物を分解して、例えば、結晶化またはクロマトグラフィーによって分解することによって、式(6’’’)のエステルを得ることと、
Figure 2020515546
(ii)式(6’’’)のエステルを加水分解して、式(6)の化合物を得ることと、を含む。
化合物(6’’)の分解は、一対のジアステレオマー塩、例えば、キラル非ラセミアミンとの反応によって形成される塩の結晶化によって起こり得る。
エステル化ステップおよび加水分解ステップは、当業者に既知の条件を使用して行われ得る。
一実施形態では、式(6’’)および(6’’’)の化合物において、C1−4アルキル基は、メチルであり、すなわち、式(6’’)および(6’’’)の化合物は、メチルエステルである。
式(6’’)のエステルは、式(6)の酸を、ヨウ化メチル、例えば、ヨウ化メチル、DMF中KCOと反応させることによって調製され得る。
式(6’’)のエステルは、例えば、クロマトグラフィーによって分解されて、所望の立体異性体の50%、60%、70%、80%、90%、95%、97%、98%、または99%超であり得、かつ他方の立体異性体の50%、40%、30%、20%、10%、5%、3%、2%、または1%未満であり得る生成物を提供することができる。
Figure 2020515546
式(6)の化合物を得るためのエステルの加水分解は、例えば、塩基性加水分解(例えば、THF/メタノール/水中LiOH)によって行われ得る。
この実施形態では、式(6’)の化合物は、式(8)の化合物から調製され得、
Figure 2020515546
前記プロセスは、式(8)の化合物を、式EtM(式中、Mが金属含有含有残留物である)の有機金属試薬(例えば、式EtMgBrのグリニャール試薬または式ZnEtの有機亜鉛試薬)、例えば、ZnEtおよびEtLiと反応させるステップを含む。
式(8)の化合物は、式(9)の化合物から出発して調製され得、
Figure 2020515546
式中、Halが、ハロゲン(例えば、−F、−Cl、−Br、−I、例えば、−Br)であり、
前記プロセスは、
(i)式(9)の化合物をエステル化して、式(10)の化合物を得るステップと、
Figure 2020515546
(ii)式(9)の化合物をホウ素化して、式(11a)または(11b)の化合物を得るステップであって、
Figure 2020515546
式中、XおよびYが、独立して、HおよびC1−4アルキル(例えば、−CH、−CHCH)から選択されるか、またはXおよびYが一緒に、1〜3個のC1−4アルキル基(例えば、−C(CHC(CH−および−CHC(CHCH−)または1〜2個のオキソ基によって任意に置換されるC1−5アルキレン鎖を形成し、アルキレン鎖の1〜2個の炭素原子が、−NCH−(例えば、−OC−CHN(CH)CHCO−)によって置換されてもよく、
Figure 2020515546
式中、Mが、金属、例えば、NaまたはK、具体的にはKである、得るステップと、
(iii)式(11a)または(11b)の化合物を(11c)の化合物とカップリングして、式(8)の化合物を得るステップであって、
Figure 2020515546
式中、LGが、パラジウム触媒(例えば、Pd(dba))、((チオフェン−2−カルボニル)オキシ)銅等の銅(I)塩、および亜リン酸塩(例えば、亜リン酸トリエチル)の存在下で、脱離基(例えば、1〜3個のC1−4アルキル基によって任意に置換されるベンゼンチオール、例えば、4−メチルベンゼンチオール)である、得るステップと、を含む。
式(8)の化合物を調製するためのプロセスは新規のものであり、本発明は、(2S,3S)−3−(4−クロロフェニル)−3−[(1R)−1−(4−クロロフェニル)−7−フルオロ−5−[(1S)−1−ヒドロキシ−1−(オキサン−4−イル)プロピル]−1−メトキシ−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−2−イル]−2−メチルプロパン酸を調製するための方法で使用するためにこのプロセスを提供し、本発明は、この方法自体も提供する。
この実施形態では、式(7)のアミンは、
Figure 2020515546
式(12)のアルデヒドから出発するプロセスを使用して調製され得、
Figure 2020515546
前記プロセスは、
(i)式(12)の前記アルデヒドをHNBocおよびPhSONaと反応させて、式(13)の化合物を得るステップと、
Figure 2020515546
(ii)式(13)の化合物を塩基(例えば、炭酸塩、例えば、炭酸カリウム)の存在下で脱離反応させて、式(14)のイミンを得るステップと、
Figure 2020515546
(iii)イミン(14)とプロパン−2−アールとの間で(S)−プロリンによって触媒されるイミノ−アルドール反応を起こして、式(15)のアルデヒドを得るステップと、
Figure 2020515546
(iii)アルデヒド(15)を酸化させて、酸(16)を得るステップと、
Figure 2020515546
(iii)酸(16)を変換して、エステル(17)を得るステップと、
Figure 2020515546
(iv)その後、Boc保護基を除去して、式(7)の前記アミンを得るステップと、を含む。
具体的には、このプロセスでは、R10は、以下のものである。
●−CHCH=CH
●−CHCHSi(CH、および
●−Ph
10が−CHCH=CHである場合、エステル(17)は、酸(17)を臭化アリルと反応させることによって調製され得る。
10が−CHCHSi(CHまたは−Phである場合、エステル(17)は、例えば、DCCおよびDMAPを使用して、酸(17)をアルコールHO−CHCHSi(CHまたはPhOHとカップリングすることによって調製され得る。
Boc基は、加水分解、例えば、酸加水分解によって除去され得る。
式(7)のアミンを調製するためのプロセスは新規のものであり、本発明は、(2S,3S)−3−(4−クロロフェニル)−3−[(1R)−1−(4−クロロフェニル)−7−フルオロ−5−[(1S)−1−ヒドロキシ−1−(オキサン−4−イル)プロピル]−1−メトキシ−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−2−イル]−2−メチルプロパン酸を調製するための方法で使用するためにこのプロセスを提供し、本発明は、この方法自体も提供する。
別の実施形態では、本発明は、(2S,3S)−3−(4−クロロフェニル)−3−[1−(4−クロロフェニル)−7−フルオロ−5−[(1S)−1−ヒドロキシ−1−(オキサン−4−イル)プロピル]−1−メトキシ−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−2−イル]−2−メチルプロパン酸(3)、
Figure 2020515546
またはその互変異性体もしくは溶媒和物もしくは薬学的に許容される塩である1−メトキシイソインドリンを調製するためのプロセスであって、
前記プロセスが、以下の式の化合物であって、
Figure 2020515546
式中、R10が、C1−7アルキル、C1−7ハロアルキル、トリC1−7アルキルシリル−C1−7アルキル、C5−20アリール、およびC5−20アリール−C1−7アルキルから選択される、化合物を脱エステル化して、
(2S,3S)−3−(4−クロロフェニル)−3−[(1R)−1−(4−クロロフェニル)−7−フルオロ−5−[1−ヒドロキシ−1−(オキサン−4−イル)プロピル]−1−メトキシ−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−2−イル]−2−メチルプロパン酸、またはその互変異性体もしくは溶媒和物もしくは薬学的に許容される塩を得るステップと、
任意に、式(3)の化合物が分解されて(例えば、結晶化またはクロマトグラフィー、例えば、超臨界流体クロマトグラフィーによって)、式(3’)の(2S,3S)−3−(4−クロロフェニル)−3−[(1R)−1−(4−クロロフェニル)−7−フルオロ−5−[(1S)−1−ヒドロキシ−1−(オキサン−4−イル)プロピル]−1−メトキシ−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−2−イル]−2−メチルプロパン酸、
Figure 2020515546
またはその互変異性体もしくは溶媒和物もしくは薬学的に許容される塩である立体異性体の割合を増加させるさらなるステップと、を含む、プロセスを提供する。
この場合、分解という用語は、エピマーまたはジアステレオ異性体(3’)の割合を増加させるプロセスを含む。
具体的には、本発明のこの実施形態では、R10は、−CHCHSi(CHおよびフェニル、例えば、−CHCHSi(CHから選択される。
10がケイ素保護基である場合、これは、フッ化物源を使用して除去され得る。具体的には、適切な有機溶媒(DCM、THF、DMF)中TBAF、または適切な溶媒(DMF、NMP、DMSO)中CsF。言及され得る一組の条件は、DMF中CsF(例えば、60℃)である。
好適な脱エステル化方法は、本明細書の以上で論じられている。
この実施形態では、式(4’)の化合物は、式(4)の化合物を取り込むことであって、
Figure 2020515546
式中、R10が、C1−7アルキル、C1−7アルケネイル、C1−ハロアルキル、トリC1−7アルキルシリル−C1−7アルキル、C5−20アリール、およびC5−20アリール−C1−7アルキルから選択される、取り込むことと、式(4)の化合物を塩基の存在下でメチル化剤と反応させることとによって調製され得る。
式(4’)の化合物を調製するためのプロセスは新規のものであり、本発明は、(2S,3S)−3−(4−クロロフェニル)−3−[(1R)−1−(4−クロロフェニル)−7−フルオロ−5−[(1S)−1−ヒドロキシ−1−(オキサン−4−イル)プロピル]−1−メトキシ−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−2−イル]−2−メチルプロパン酸を調製するための方法で使用するためにこのプロセスを提供し、本発明は、この方法自体も提供する。
我々は、本明細書の以下、表題「メチル化ステップ」でメチル化プロセスについて論じており、その表題下での開示は、変更すべきところは変更して、式(4)の化合物を調製するための上記のプロセスに適用される。
具体的には、メチル化は、低温で強塩基を使用して行われる。これらの条件下で、変換は、立体化学を保持して行われ得、このプロセスは、以下の式の化合物を取り込むことであって、
Figure 2020515546
式中、R10が、C1−7アルキル、C1−7アルケネイル、C1−7ハロアルキル、トリC1−7アルキルシリル−C1−7アルキル、C5−20アリール、およびC5−20アリール−C1−7アルキルから選択される、取り込むことと、この化合物を塩基の存在下でメチル化剤と反応させて、以下の式の化合物を得ることと、を含む。
Figure 2020515546
エピマー化の程度は、温度によっても変わる。最小のエピマー化は、より低い温度で生じる。したがって、本発明の一実施形態では、メチル化ステップは、0℃未満、−10℃未満、−20℃未満、−30℃未満、−40℃未満、または−50℃未満の温度、好ましくは−50℃〜−78℃、例えば、−70℃の温度で行われる。この実施形態では、望ましくないエピマー化は、低温の使用によって最小限に抑えられる。
このプロセスは、出発材料のジアステレオマー純度が生成物中で保持され、かつその後の分解ステップが必要とされない可能性があるため、非常に有利である。
一実施形態では、塩基は、BuLi、tBuLi、sec−BuLi、LDA、LHMDS、NaHMDS、KHMDS、LTMP、LiOtBu、およびKotBuから選択される。
一実施形態では、塩基は、リチウム濃度を有する。ジアステレオ選択性は、ナトリウム塩基およびカリウム塩基と比較してリチウム塩基を使用したときに改善される(Li>Na>K)。
具体的には、塩基は、n−BuLi、hexylLi、LiOtBu、例えば、LiOtBuである。
一実施形態では、溶媒は、有機溶媒、例えば、エーテル性溶媒である。
一実施形態では、メチル化剤は、MeOTfまたはフルオロスルホン酸メチルである。
具体的には、
−塩基は、n−BuLi、t−BuLi、sec−BuLi、LDA、LHMDS、NaHMDS、KHMDS、LTMP、LiOtBu、またはKOtBuから選択され、
−メチル化剤は、MeOTfおよびフルオロスルホン酸メチルから選択され、
−メチル化剤と反応させるステップは、エーテル性溶媒中で行われる。
一実施形態では、塩基は、式(4’)の化合物とメチル化剤との混合物に添加される。
本プロセスの一実施形態では、式(4)の化合物は、式(6)の化合物を取り込むことと、
Figure 2020515546
式(6)の化合物を式(7)のアミンとカップリングすることとによって調製される。
Figure 2020515546
当業者であれば、酸とアミンのカップリングを伴う反応を熟知している。具体的には、カップリングステップは、HATUおよびEDCの存在下で行われる。一実施形態では、溶媒は、CHClである。
好ましくは、反応は、主に示されるジアステレオ異性体である式(4)の生成物をもたらす結晶化誘導動的分解である。
Figure 2020515546
この実施形態では、具体的には、R10は、トリメチルシリルエチルである。
必要に応じて、ジアステレオマー純度は、任意に播種を使用して、再結晶化、例えば、MeOH/水からの再結晶化によって、さらに増加し得る。
式(4)の化合物を調製するためのプロセスは新規のものであり、本発明は、(2S,3S)−3−(4−クロロフェニル)−3−[(1R)−1−(4−クロロフェニル)−7−フルオロ−5−[(1S)−1−ヒドロキシ−1−(オキサン−4−イル)プロピル]−1−メトキシ−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−2−イル]−2−メチルプロパン酸を調製するための方法で使用するためにこのプロセスを提供し、本発明は、この方法自体も提供する。
一実施形態では、式(6)の化合物は、式(6’)の化合物を取り込むことと、
Figure 2020515546
キラル非ラセミ塩基を使用して式(6’)の化合物を分解することとによって調製される。
キラル非ラセミ塩基が式(6’)の化合物と反応して、一対のジアステレオマー塩が得られる。
Figure 2020515546
所望のジアステレオ異性体は、結晶化によって分離され得る。
一実施形態では、キラル非ラセミ塩基は、アミン、例えば、ビス[(1S)−1−フェニルエチル]アミンである。
式(6)の化合物を調製するためのプロセスは新規のものであり、本発明は、(2S,3S)−3−(4−クロロフェニル)−3−[(1R)−1−(4−クロロフェニル)−7−フルオロ−5−[(1S)−1−ヒドロキシ−1−(オキサン−4−イル)プロピル]−1−メトキシ−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−2−イル]−2−メチルプロパン酸を調製するための方法で使用するためにこのプロセスを提供し、本発明は、この方法自体も提供する。
一実施形態では、式(6’)の化合物は、式(28)の化合物を取り込むことであって、
Figure 2020515546
式中、R11が、水素、C1−7アルキル、C1−7アルケネイル、C1−7ハロアルキル、トリC1−7アルキルシリル−C1−7アルキル、C5−20アリール、およびC5−20アリール−C1−7アルキル(例えば、−CHCH=CH、−CHCHSi(CH、およびフェニル)である、取り込むことと、式(28)の化合物を塩基の存在下で式(29)の化合物と反応させることであって、
Figure 2020515546
式中、Xが、−OC1−4アルキル(例えば、−OCH、−OCHCH)、ハロゲン(例えば、−Cl)、−N(OCH)CH、−OC1−4ハロアルキル(例えば、−OCHCF)、2−チオピリジン、または2−ピロリル)である、反応させることと、
その後、ケイ素系保護基を除去することによって−OSi(Cアルキル)基を−OH基に変換することと、R11が水素以外である場合、脱エステル化してR11を水素に変換することとによって調製される。
当業者であれば、ケイ素系保護基を除去するための標準方法を認識する。一実施形態では、−OSi(C基を−OH基に変換するステップは、酸、例えば、HCl、TFA、HPO、またはHSO、例えば、HPOを使用して行われる。あるいは、フッ化物源、例えば、TBAFまたはCsFが使用され得る。
一実施形態では、R11は、水素であり、塩基は、式(6’)の化合物に対して1を超える当量で、例えば、1.5、1.7、1.8、または1.9を超える当量で、例えば、2当量で添加される。R11が水素である場合、化合物がさらなる酸性水素を有するため、追加当量の塩基が必要とされる。
一実施形態では、塩基は、LDA、LHMDS、LTMP、BuLi、HexLi、sec−BuLi、またはtBuLi、例えば、n−BuLi、Hexl−Li、sec−BuLi、またはLiTMPである。一実施形態では、添加物、例えば、TMEDAおよびLiClも添加される。一実施形態では、溶媒は、エーテル性である。
一実施形態では、反応は、低温で、例えば、−50℃〜−70℃で行われる。
一実施形態では、Xは、Clである。
一実施形態では、式(6’)の化合物を塩基で処理するステップは、式(6’)の化合物を塩基の溶液に添加することによって行われる。
具体的には、反応は、THF中TMEDAの存在下でsecBuLiである塩基を使用して行われ得、式(29)の化合物は、4−クロロ安息香酸メチルエステルである。
具体的には、反応は、THF中でLiTMPである塩基を使用して行われ得、式(29)の化合物は、4−クロロ安息香酸エチルエステルである。
具体的には、反応は、THF中でBuLi、hexyl−Li、またはsec−BuLiである塩基を使用して行われ得、式(29)の化合物は、4−クロロ安息香酸エチルエステルである。
具体的には、反応は、THF中でn−BuLi、hexyl−Li、またはsec−BuLiである塩基を使用して行われ得、式(29)の化合物は、4−クロロベンゾイルクロリドである。
一実施形態では、反応は、THF中でn−BuLiまたはHexLiである塩基を使用して行われ得、式(29)の化合物は、4−クロロベンゾイルクロリドであり、温度は、−50℃〜−70℃である。
一実施形態では、塩基は、n−BuLiまたはHexLiであり、式(29)の化合物は、4−クロロベンゾイルクロリドであり、R11は、Hである。
具体的には、反応は、式(28)の化合物を塩基の溶液に添加することによって行われる。
一実施形態では、式(6’)の化合物は、式(30)の化合物を取り込むことと、
Figure 2020515546
式(30)の化合物を酸化剤、例えば、KMnOで処理することと、その後、ケイ素保護基を除去することによって−OSi(Cアルキル)基を−OH基に変換することとによって調製される。
式(30)の化合物は、次いで、
(i)式(28)の化合物を取り込むことであって、
Figure 2020515546
式中、R11が、水素、C1−7アルキル、C1−7アルケネイル、C1−7ハロアルキル、トリC1−7アルキルシリル−C1−7アルキル、C5−20アリール、およびC5−20アリール−C1−7アルキル(例えば、−CHCH=CH、−CHCHSi(CH、およびフェニル)である、取り込むことと、
式(6’)の化合物を塩基で処理することと、その後、式(31)の化合物を添加することとによって、または
Figure 2020515546
(ii)式(28)の化合物を取り込むことであって、
Figure 2020515546
式中、R11が、水素、C1−7アルキル、C1−7アルケネイル、C1−7ハロアルキル、トリC1−7アルキルシリル−C1−7アルキル、C5−20アリール、およびC5−20アリール−C1−7アルキル(例えば、−CHCH=CH、−CHCHSi(CH、およびフェニル)である、取り込むことと、
式(28)の化合物を塩基の存在下でヨウ素と反応させて、式(32)の化合物を得ることと、
Figure 2020515546
式(32)の化合物を塩基で処理することと、その後、式(31)の化合物を添加することとによって、のいずれかで調製される。
Figure 2020515546
式(6’)の化合物を調製するためのプロセスは新規のものであり、本発明は、(2S,3S)−3−(4−クロロフェニル)−3−[(1R)−1−(4−クロロフェニル)−7−フルオロ−5−[(1S)−1−ヒドロキシ−1−(オキサン−4−イル)プロピル]−1−メトキシ−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−2−イル]−2−メチルプロパン酸を調製するための方法で使用するためにこれらのプロセスを提供し、本発明は、これらの方法自体も提供する。
一実施形態では、式(28)の化合物は、式(33)の化合物を、
Figure 2020515546
(C1−4アルキル)Si−Tと反応させることであって、式中、Tが、Clまたは−OTfであり、R11が、水素、C1−7アルキル、C1−7アルケネイル、C1−7ハロアルキル、トリC1−7アルキルシリル−C1−7アルキル、C5−20アリール、およびC5−20アリール−C1−7アルキル(例えば、−CHCH=CH、−CHCHSi(CH、およびフェニル)である、反応させることと、
11が水素以外である場合、任意に、脱エステル化してR11を水素に変換することとによって調製される。
このステップは、アルコールのケイ素系保護基での保護を表し、これらの通常の条件は、共通の一般知識の範囲内にある。
必要に応じて、任意の好適な脱エステル化条件を使用して、R11を水素に変換することができ、例えば、アルキルエステルが、酸、例えば、HClまたはTFA、例えば、TFAを使用して加水分解され得る。
一実施形態では、式(33)の化合物は、式(34)の化合物を塩基の存在下で式(35)の化合物と反応させることと、
Figure 2020515546
11が水素以外である場合、任意に、脱エステル化してR11を水素に変換することとによって調製される。
具体的には、塩基は、BuLi、HexLi、またはtBuLiである。具体的には、溶媒は、エーテル性溶媒(例えば、2−MeTHF、THF、またはヘキサンであり、
11が水素以外である場合、任意に、脱エステル化してR11を水素に変換する。
添加物、例えば、LiClが(例えば、0.5〜1モル当量で)添加され得る。
具体的には、塩基は、式(34)の化合物と式(35)の化合物との混合物に添加される。
必要に応じて、任意の好適な脱エステル化条件を使用してR11を水素に変換することができ、例えば、アルキルエステルが、酸、例えば、HClまたはTFA、例えば、TFAを使用して加水分解され得る。
一実施形態では、R11は、C1−4アルキル、例えば、t−Buである。
一実施形態では、式(35)の化合物は、(36)の化合物、
Figure 2020515546
式中、Xが、−OC1−4アルキル(例えば、−OCH、−OCHCH)、ハロゲン(例えば、−Cl)、−N(OCH)CH、−OC1−4ハロアルキル(例えば、−OCHCF)、2−チオピリジン、または2−ピロリル)である、化合物を、
式R11OHのアルコールまたは式R11OM(式中、Mが、Li、Na、またはLiである)のアルコキシドと反応させることによって調製され、
次いで、式(36)の化合物は、式(37)の酸を塩素化剤と反応させることによって調製される。
Figure 2020515546
一実施形態では、塩素化剤は、SOClまたはCOCl、例えば、COClである。
アルコールは、所望の式(35)のエステルをもたらすために選択される。具体的には、R11は、t−Buであり、式(36)の化合物は、式LiOt−Buのアルコキシドと反応する。
別の実施形態では、本発明は、(2S,3S)−3−(4−クロロフェニル)−3−[1−(4−クロロフェニル)−7−フルオロ−5−[(1S)−1−ヒドロキシ−1−(オキサン−4−イル)プロピル]−1−メトキシ−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−2−イル]−2−メチルプロパン酸(3)、
Figure 2020515546
またはその互変異性体もしくは溶媒和物もしくは薬学的に許容される塩である1−メトキシイソインドリンを調製するためのプロセスであって、
前記プロセスが、任意の順序で、
(i)式(4’’)の化合物を脱エステル化するステップであって、
Figure 2020515546
式中、R10が、C1−7アルキル、C1−7ハロアルキル、トリC1−7アルキルシリル−C1−7アルキル、C5−20アリール、およびC5−20アリール−C1−7アルキルから選択される、脱エステル化するステップと、
(ii)−Si(C1−4アルキル)保護基をアルコールから除去して、
(2S,3S)−3−(4−クロロフェニル)−3−[(1R)−1−(4−クロロフェニル)−7−フルオロ−5−[1−ヒドロキシ−1−(オキサン−4−イル)プロピル]−1−メトキシ−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−2−イル]−2−メチルプロパン酸、またはその互変異性体もしくは溶媒和物もしくは薬学的に許容される塩を得るステップと、
任意に、式(3)の前記化合物が分解されて、式(3’)の(2S,3S)−3−(4−クロロフェニル)−3−[(1R)−1−(4−クロロフェニル)−7−フルオロ−5−[(1S)−1−ヒドロキシ−1−(オキサン−4−イル)プロピル]−1−メトキシ−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−2−イル]−2−メチルプロパン酸、
Figure 2020515546
またはその互変異性体もしくは溶媒和物もしくは薬学的に許容される塩である立体異性体の割合を増加させるさらなるステップと、を含む、プロセスを提供する。
好適な脱エステル化方法は、本明細書の以上で論じられている。
ケイ素保護基の除去は、フッ化物源(例えば、TBAF)を使用して行われ得る。
一実施形態では、R10は、トリC1−7アルキルシリル−C1−7アルキル、例えば、−CHCHSi(CHであり、脱エステル化および脱保護は、フッ化物源(例えば、TBAF)を使用して一段階で行われ得る。
別の実施形態では、本発明は、(2S,3S)−3−(4−クロロフェニル)−3−[1−(4−クロロフェニル)−7−フルオロ−5−[1−ヒドロキシ−1−(オキサン−4−イル)プロピル]−1−メトキシ−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−2−イル]−2−メチルプロパン酸(3’’)、
Figure 2020515546
またはその互変異性体もしくは溶媒和物もしくは薬学的に許容される塩である1−メトキシイソインドリンを調製するためのプロセスであって、
前記プロセスが、式(18)のケトンから出発し、
Figure 2020515546
前記プロセスが、式(18)のケトンを式EtM(式中、Mが金属含有残留物である)の有機金属試薬(例えば、式EtMgBrのグリニャール試薬または式Zn(Et)の有機亜鉛試薬)と反応させて、
(2S,3S)−3−(4−クロロフェニル)−3−[(1R)−1−(4−クロロフェニル)−7−フルオロ−5−[1−ヒドロキシ−1−(オキサン−4−イル)プロピル]−1−メトキシ−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−2−イル]−2−メチルプロパン酸、またはその互変異性体もしくは溶媒和物もしくは薬学的に許容される塩を得るステップと、
任意に、式(3)の化合物が分解されて(例えば、結晶化またはクロマトグラフィー、例えば、超臨界流体クロマトグラフィーによって)、式(3’)の(2S,3S)−3−(4−クロロフェニル)−3−[(1R)−1−(4−クロロフェニル)−7−フルオロ−5−[(1S)−1−ヒドロキシ−1−(オキサン−4−イル)プロピル]−1−メトキシ−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−2−イル]−2−メチルプロパン酸、
Figure 2020515546
またはその互変異性体もしくは溶媒和物もしくは薬学的に許容される塩である立体異性体の割合を増加させるさらなるステップを含む、プロセスを提供する。
この実施形態では、式(18)のケトンは、式(19)の化合物を脱エステル化することによって調製され得、
Figure 2020515546
式中、R10は、C1−7アルキル、C1−7アルケネイル、C1−7ハロアルキル、トリC1−7アルキルシリル−C1−7アルキル、C5−20アリール、およびC5−20アリール−C1−7アルキル(例えば、−CHCH=CH、−CHCHSi(CH、およびフェニル)から選択される。
この場合もやはり、好適な脱エステル化方法は、本明細書の以上で論じられている。
この実施形態では、式(19)の化合物は、
(i)式(21)の化合物を取り込むことと、
Figure 2020515546
式(21)の化合物を塩基の存在下でメチル化剤と反応させることと、
(ii)任意に、式(19)の化合物が分解されて(例えば、結晶化またはクロマトグラフィー、例えば、超臨界流体クロマトグラフィーによって)、以下の立体異性体(19’)の割合を増加させるさらなるステップによって調製され得る。
Figure 2020515546
この実施形態では、式(21)の化合物は、式(8)の化合物を取り込むことと、
Figure 2020515546
式(8)の化合物を式(7)のアミンとカップリングすることとによって調製され得る。
Figure 2020515546
好適なカップリング条件は、本明細書の以上で論じられている。この実施形態では、式(8)および(7)の化合物は、本明細書に開示されるプロセスによって調製され得る。
別の実施形態では、本発明は、(2S,3S)−3−(4−クロロフェニル)−3−[1−(4−クロロフェニル)−7−フルオロ−5−[1−ヒドロキシ−1−(オキサン−4−イル)プロピル]−1−メトキシ−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−2−イル]−2−メチルプロパン酸、
Figure 2020515546
またはその互変異性体もしくは溶媒和物もしくは薬学的に許容される塩である1−メトキシイソインドリンを調製するためのプロセスであって、前記プロセスが、
(i)式(22)のエポキシド化合物を取り込むステップと、
Figure 2020515546
式(22)のエポキシドを式MMe(式中、Mが金属(例えば、CuI/MeLi)である)の有機金属と反応させて、式(3’’)の化合物を得るステップと、
(ii)任意に、式(3’’)の化合物が分解されて、式(3’)の(2S,3S)−3−(4−クロロフェニル)−3−[(1R)−1−(4−クロロフェニル)−7−フルオロ−5−[(1S)−1−ヒドロキシ−1−(オキサン−4−イル)プロピル]−1−メトキシ−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−2−イル]−2−メチルプロパン酸、
Figure 2020515546
またはその互変異性体もしくは溶媒和物もしくは薬学的に許容される塩である立体異性体の割合を増加させるさらなるステップと、を含む、プロセスを提供する。
この実施形態では、式(22)の化合物は、例えば、m−CPBA等の過酸を使用して、式(23)の化合物を酸化させることによって調製され得る。
Figure 2020515546
この実施形態では、式(23)の化合物は、式(24)の化合物を脱エステル化することによって調製され得、
Figure 2020515546
式中、R10は、C1−7アルキル、C1−7アルケネイル、C1−7ハロアルキル、トリC1−7アルキルシリル−C1−7アルキル、C5−20アリール、およびC5−20アリール−C1−7アルキル(例えば、−CHCH=CH、−CHCHSi(CH、およびフェニル)から選択される。
好適なエステル化条件は、本明細書の以上で論じられている。
この実施形態では、式(24)の化合物は、式(25)の化合物から出発するプロセスによって調製され得、
Figure 2020515546
式中、Halは、ハロゲン(例えば、−F、−Cl、−Br、−I、例えば、−Br)であり、
前記プロセスは、
(i)式(25)の化合物をホウ素化して、式(26a)または(26b)の化合物を得るステップであって、
Figure 2020515546
式中、XおよびYが、独立して、HおよびC1−4アルキル(例えば、−CH、−CHCH)から選択されるか、またはXおよびYが一緒に、1〜3個のC1−4アルキル基(例えば、−C(CHC(CH−および−CHC(CHCH−)または1〜2個のオキソ基によって任意に置換されるC1−5アルキレン鎖を形成し、アルキレン鎖の1〜2個の炭素原子が、−NCH−(例えば、−OC−CHN(CH)CHCO−)によって置換されてもよく、
Figure 2020515546
式中、Mが、金属、例えば、NaまたはK、具体的にはKである、得るステップと、
(iii)式(26a)または(26b)の化合物を(26c)の化合物とカップリングして、式(24)の化合物を得るステップであって、
Figure 2020515546
式中、LGが、パラジウ触媒(例えば、Pd(PPh)および塩基(例えば、リン酸カリウム)の存在下で、脱離基(例えば、Halまたはトリフラート)である、得るステップと、を含む。
この実施形態では、式(25)の化合物は、式(27)の化合物から出発するプロセスによって調製され得、
Figure 2020515546
(式中、Halが、ハロゲン(例えば、−F、−Cl、−Br、−I、例えば、−Br)である)
式(27)の化合物を塩基の存在下でメチル化と反応させるステップと、
任意に、式(25)の化合物が分解されて(例えば、結晶化またはクロマトグラフィー、例えば、超臨界流体クロマトグラフィーによって)、以下の立体異性体(25’)の割合を増加させるさらなるステップとによって調製され得る。
Figure 2020515546
(式中、Halが、ハロゲン(例えば、−F、−Cl、−Br、−I、例えば、−Br)である)
この実施形態では、式(27)の化合物は、式(9)の化合物から出発するプロセスによって調製され得、
Figure 2020515546
式(9)の化合物を式(7)のアミンとカップリングすることによって調製され得る。
Figure 2020515546
メチル化ステップ
メチル化ステップは、塩基、例えば、ブレンステッド・ローリー塩基の存在下で行われる。
一実施形態では、塩基は、弱塩基(水溶液中で完全にイオン化しないもの)である。
いくつかの実施形態では、塩基は、例えば、Bordwell,Acc.Chem.Res.21:456 1988)、Crampton,J.Chem.Res.(S)22(1997)、Kaliurand et al.,J.Org.Chem.65(19):6202(2000)、Kaljurand et al,J.Org.Chem.70(3):1019(2005)に報告されるように、溶媒、例えば、DMSO中で10以上のpKaを有する。
いくつかの実施形態では、触媒は、強塩基である。いくつかの実施形態では、触媒は、強塩基、例えば、立体的ヒンダード強塩基、例えば、弱い求核試薬である強塩基である。
塩基は、式(2)の化合物の量に対して有効な量、例えば、0.5〜2当量、好ましくは1〜2当量、例えば、1〜1.5当量で存在し得る。
本発明のメチル化ステップの一実施形態では、
(i)塩基が式(2)の化合物とメチル化剤との混合物に添加されるか、または
(ii)メチル化剤が式(2)の化合物と塩基との混合物に添加されるかのいずれかである。
具体的には、塩基は、式(2)の化合物とメチル化剤との混合物に添加される。例えば、メチル化剤が式(2)の化合物に添加され、その後、塩基が、式(2)の化合物とメチル化剤との混合物に添加される。
本発明のメチル化ステップの一実施形態では、塩基は、n−BuLi、t−BuLi、sec−BuLi、LDA、LHMDS、NaHMDS、KHMDS、LTMP、LiOtBu、またはKOtBuから選択される。
本発明によるメチル化ステップの一実施形態では、塩基は、KCO、NaCO、CsCO、NaOH、LiOH、KOH、KPO、EtN、DIPEA、1,8−ビス(ジメチルアミノ)ナフタレン,N,N,N′,N′−テトラメチル−1,8−ナフタレンジアミン(すなわち、プロトンスポンジ)、KHMDS、ルチジン、2,6−ジ−tert−ブチルピリジン、およびN−メチルモルホリンから選択される。
本発明によるメチル化ステップの一実施形態では、メチル化剤は、MeI、MeSO、MeOBF、MeOTf、および(MeO)CHBFから選択される。
具体的には、メチル化剤は、MeI、MeSO、MeOBF、MeOTf,(MeO)CHBF、およびフルオロスルホン酸メチル、例えば、MeOTfおよびフルオロスルホン酸メチル、例えば、MeOTfから選択される。
本発明によるメチル化ステップの一実施形態では、溶媒は、有機溶媒、例えば、非プロトン性溶媒、例えば、THF、1,4−ジオキサン、アセトン、アセトニトリル、DMF、ジクロロメタン、またはそれらの混合物である。
本発明によるメチル化ステップの一実施形態では、溶媒は、エーテル性溶媒、例えば、THFである。
第1の実施形態では、
−塩基は、KCO、CsCO、NaOH、LiOH、およびKOHから選択され、
−メチル化剤は、MeIおよびMeSOから選択され、
−メチル化剤と反応させるステップは、有機溶媒、例えば、非プロトン性溶媒、例えば、アセトン、DMF、ジクロロメタン、またはそれらの混合物中で行われる。
具体的には、
−塩基は、CsCOであり、
−メチル化剤は、MeIであり、
−メチル化と反応させるステップは、有機溶媒、例えば、非プロトン性溶媒、例えば、アセトン、ジクロロメタン、またはそれらの混合物中で行われる。
この実施形態では、本出願人は、驚くべきことに、所望の立体異性体の割合が増加することを見出した。
理論に束縛されることなく、本出願人は、改善された立体選択性が、所望のアルコール前駆体の割合を増加させる塩基条件下で生じるエピマー化によって提供されると考えている。
Figure 2020515546
したがって、反応は、主に主要な立体異性体を経て、メチル化生成物の所望の立体異性体を得る。
Figure 2020515546
例えば、生成物は、所望の立体異性体の50%、60%、70%、80%、90%、95%、97%、98%、または99%超であり得、他方の立体異性体の50%、40%、30%、20%、10%、5%、3%、2%、または1%未満であり得る。
第2の実施形態では、
−塩基は、1,8−ビス(ジメチルアミノ)ナフタレン,N,N,N′,N′−テトラメチル−1,8−ナフタレンジアミン(すなわち、プロトンスポンジ)、ルチジン、および2,6−ジ−tert−ブチルピリジンから選択され、
−メチル化剤は、MeOBF、MeOTf、および(MeO)CHBFから選択され、
−メチル化剤と反応させるステップは、有機溶媒、例えば、非プロトン性溶媒、例えば、THF、1,4−ジオキサン、ジクロロメタン、またはそれらの混合物中で行われる。
具体的には、
−塩基は、1,8−ビス(ジメチルアミノ)ナフタレン,N,N,N′,N′−テトラメチル−1,8−ナフタレンジアミン(すなわち、プロトンスポンジ)であり、
−メチル化剤は、MeOBFであり、
−メチル化剤と反応させるステップは、有機溶媒、例えば、非プロトン性溶媒、例えば、ジクロロメタン中で行われる。
あるいは、第2の実施形態では、
−塩基は、n−BuLi、t−BuLi、sec−BuLi、LDA、LHMDS、NaHMDS、KHMDS、LTMP、LiOtBu、またはKOtBuから選択され、
−メチル化剤は、MeOTfおよびフルオロスルホン酸メチルから選択され、
−メチル化剤と反応させるステップは、エーテル性溶媒中で行われる。
この第2の実施形態では、本出願人は、驚くべきことに、アルコールがエピマー化しないことを見出した。したがって、出発材料が主に必要とされる立体化学である場合、その立体化学は、生成物中で保持される。
Figure 2020515546
したがって、本発明の一実施形態では、式(1’)の1−メトキシイソインドリンは、式(1’)の化合物、
Figure 2020515546
またはその互変異性体もしくは溶媒和物もしくは薬学的に許容される塩であり、式(2)の化合物は、式(2’)の化合物であり、
Figure 2020515546
−塩基は、1,8−ビス(ジメチルアミノ)ナフタレン,N,N,N′,N′−テトラメチル−1,8−ナフタレンジアミン(すなわち、プロトンスポンジ)、ルチジン、および2,6−ジ−tert−ブチルピリジンから選択され、
−メチル化剤は、MeOBF、MeOTf、および(MeO)CHBFから選択され、
−メチル化剤と反応させるステップは、有機溶媒、例えば、非プロトン性溶媒、例えば、THF、1,4−ジオキサン、ジクロロメタン、またはそれらの混合物中で行われるか、または
−塩基は、n−BuLi、t−BuLi、sec−BuLi、LDA、LHMDS、NaHMDS、KHMDS、LTMP、LiOtBu、またはKOtBuから選択され、
−メチル化剤は、MeOTfおよびフルオロスルホン酸メチルから選択され、
−メチル化剤と反応させるステップは、エーテル性溶媒中で行われる。
論じられるように、これらの条件下で、アルコール(2’)は、エピマー化しない。したがって、この実施形態では、アルコールは、主に以下の所望の立体異性体であり得る。
Figure 2020515546
エピマー化の程度は、塩基金属対イオンによって変わる。金属対アニオンがLi、その後、Na、その後、Kである場合、最小のエピマー化が生じる。したがって、本発明の一実施形態では、塩基は、Li、例えば、n−BuLi、t−BuLi、sec−BuLi、LDA、LHMDS、LTMP、またはLiOtBuである金属対アニオンを有する。具体的には、塩基は、LiOtBuである。
エピマー化の程度は、温度によっても変わる。最小のエピマー化は、より低い温度で生じる。したがって、本発明の一実施形態では、メチル化ステップは、0℃未満、−10℃未満、−20℃未満、−30℃未満、−40℃未満、または−50℃未満の温度、好ましくは−50℃〜−78℃、例えば、−70℃の温度で行われる。この実施形態では、望ましくないエピマー化は、低温の使用によって最小限に抑えられる。
具体的には、本発明の一実施形態では、塩基は、LiOtBuであり、メチル化剤は、MeOTfである。
例えば、アルコールは、所望の立体異性体の50%、60%、70%、80%、90%、95%、97%、98%、または99%超であり得、他方の立体異性体の50%、40%、30%、20%、10%、5%、3%、2%、または1%未満であり得る。
立体異性体富化アルコール(2’)は、例えば、分解(例えば、結晶化またはクロマトグラフィー、例えば、超臨界流体クロマトグラフィー)によって調製され得る。
このプロセスは、さらなる分解ステップを必要とすることなく、主に必要とされる立体異性体でもあるメチル化生成物をもたらす。
Figure 2020515546
結晶化誘導動的分解
一実施形態では、本発明は、式(1)の化合物、
Figure 2020515546
またはその互変異性体もしくは溶媒和物もしくは薬学的に許容される塩を調製するためのプロセスを提供し、式中、R、R、R、R、Q、a、m、およびnは、本明細書で定義される通りであり、
式(T)の化合物は、式(U)の化合物と反応する。
Figure 2020515546
当業者であれば、酸とアミンのカップリングを伴う反応を熟知している。任意の標準のカップリング条件が使用され得る。具体的には、カップリングステップは、HATUおよびEDCの存在下で行われる。
一実施形態では、反応は、CHClである溶媒中で行われる。
一実施形態では、式(U)の化合物は、式(U’)の化合物であり、
Figure 2020515546
反応は、主に示されるジアステレオ異性体である式の生成物をもたらす。
Figure 2020515546
例えば、生成物は、示されるジアステレオ異性体の50%、60%、70%、80%、90%、95%、97%、98%、または99%超であり得、他方のジアステレオ異性体の50%、40%、30%、20%、10%、5%、3%、2%、または1%未満であり得る。
好ましくは、プロセスは、結晶化誘導動的分解であり、示されるジアステレオ異性体は、反応条件下で結晶化する。
必要に応じて、示されるジアステレオ異性体のジアステレオマー純度が再結晶化によってさらに増加し得る。必要に応じて、ジアステレオマー純度は、任意に播種を使用して、再結晶化、例えば、MeOH/水からの再結晶化によって、さらに増加し得る。
一実施形態では、cycは、フェニルである。この実施形態では、アルコールは、主に以下の所望の立体異性体であり得る。
Figure 2020515546
具体的には、式(U)の化合物は、式(7)の化合物であり、
Figure 2020515546
式中、R10は、本明細書で定義される通りである。
具体的には、R10は、C1−7アルキル、C1−7アルケネイル、C1−7ハロアルキル、トリC1−7アルキルシリル−C1−7アルキル、C5−20アリール、およびC5−20アリール−C1−7アルキル、例えば、C1−7アルキル、C1−7ハロアルキル、トリC1−7アルキルシリル−C1−7アルキル、C5−20アリール、およびC5−20アリール−C1−7アルキル、例えば、−CHCHSi(CHから選択される。
一実施形態では、式(T)の化合物は、式(6)の化合物である。
Figure 2020515546

一実施形態では、本発明は、1−メトキシイソインドリンを調製するための本明細書の任意のプロセスを提供し、本プロセスは、1−メトキシイソインドリンが薬学的に許容される塩に変換される追加のステップを含む。
一実施形態では、本発明は、(2S,3S)−3−(4−クロロフェニル)−3−[(1R)−1−(4−クロロフェニル)−7−フルオロ−5−[(1S)−1−ヒドロキシ−1−(オキサン−4−イル)プロピル]−1−メトキシ−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−2−イル]−2−メチルプロパン酸である1−メトキシイソインドリンを調製するための本明細書の任意のプロセスを提供し、本プロセスは、2S,3S)−3−(4−クロロフェニル)−3−[(1R)−1−(4−クロロフェニル)−7−フルオロ−5−[(1S)−1−ヒドロキシ−1−(オキサン−4−イル)プロピル]−1−メトキシ−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−2−イル]−2−メチルプロパン酸が薬学的に許容される塩に変換される追加のステップを含む。
一実施形態では、薬学的に許容される塩は、(トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン塩である。
塩、溶媒和物、互変異性体、異性体、N−オキシド、エステル、プロドラッグ、および同位体
本明細書における任意の化合物、例えば、式(1)または(1)の化合物への言及は、その任意の部分群および任意の例についても言及し、そのイオン形態、塩、溶媒和物、異性体(別途特定されない限り、幾何学的および立体化学的異性体を含む)、互変異性体、N−オキシド、エステル、プロドラッグ、同位体、および保護形態、例えば、以下に論じられるもの、具体的には、その塩または互変異性体または異性体またはN−オキシドまたは溶媒和物、より具体的には、その塩または互変異性体またはN−オキシドまたは溶媒和物も含む。

式(1)の多くの化合物は、塩、例えば、酸付加塩、またはある特定の場合には、有機および無機塩基の塩、例えば、カルボン酸塩、スルホン酸塩、およびリン酸塩の形態で存在し得る。全てのかかる塩は、本発明の範囲内であり、式(1)の化合物への言及は、化合物の塩形態を含む。
本発明の塩は、従来の化学的方法、例えば、Pharmaceutical Salts:Properties,Selection,and Use,P.Heinrich Stahl(Editor),Camille G.Wermuth(Editor),ISBN:3−90639−026−8,Hardcover,388 pages,August 2002に記載の方法によって、塩基性部分または酸性部分を含む親化合物から合成され得る。一般に、かかる塩は、これらの化合物の遊離酸または塩基形態を水中もしくは有機溶媒中またはこれらの混合物中で適切な塩基または酸と反応させることによって調製され得る。一般に、エーテル、酢酸エチル、エタノールイソプロパノール、またはアセトニトリル等の非水性媒体が使用される。
酸付加塩(単塩または二塩)は、無機および有機の両方の多様な酸で形成され得る。酸付加塩の例としては、酢酸、2,2−ジクロロ酢酸、アジピン酸、アルギン酸、アスコルビン酸(例えば、L−アスコルビン酸)、L−アスパルギン酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、4−アセトアミド安息香酸、ブタン酸、(+)カンファー酸、カンファー−スルホン酸、(+)−(1S)−カンファー−10−スルホン酸、カプリン酸、カプロン酸、カプリル酸、桂皮酸、クエン酸、シクラミン酸、ドデシル硫酸、エタン−1,2−ジスルホン酸、エタンスルホン酸、2−ヒドロキシエタンスルホン酸、ギ酸、フマル酸、ガラクタル酸、ゲンチジン酸、グルコヘプトン酸、D−グルコン酸、グルクロン酸(例えば、D−グルクロン酸)、グルタミン酸(例えば、L−グルタミン酸)、α−オキソグルタル酸、グリコール酸、馬尿酸、ハロゲン化水素酸(例えば、臭化水素酸、塩酸、ヨウ化水素酸)、イセチオン酸、乳酸(例えば、(+)−L−乳酸、(±)−DL−乳酸)、ラクトビオン酸、マレイン酸、リンゴ酸、(−)−L−リンゴ酸、マロン酸、(±)−DL−マンデル酸、メタンスルホン酸、ナフタレン−2−スルホン酸、ナフタレン−1,5−ジスルホン酸、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、ニコチン酸、硝酸、オレイン酸、オロト酸、シュウ酸、パルミチン酸、パモ酸、リン酸、プロピオン酸、ピルビン酸、L−ピログルタミン酸、サリチル酸、4−アミノ−サリチル酸、セバシン酸、ステアリン酸、コハク酸、硫酸、タンニン酸、(+)−L−酒石酸、チオシアン酸、p−トルエンスルホン酸、ウンデシレン酸、および吉草酸から選択される酸、ならびにアシル化アミノ酸および陽イオン交換樹脂で形成される単塩または二塩が挙げられる。
ある特定の塩群は、酢酸、塩酸、ヨウ化水素酸、リン酸、硝酸、硫酸、クエン酸、乳酸、コハク酸、マレイン酸、リンゴ酸、イセチオン酸、フマル酸、ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸(メシラート)、エタンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、吉草酸、酢酸、プロパン酸、ブタン酸、マロン酸、グルクロン酸、およびラクトビオン酸から形成される塩からなる。ある特定の塩は、塩酸塩である。
一実施形態では、化合物は、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン(TRIS)塩である。
化合物が陰イオン性であるか、または陰イオン性であり得る(例えば、−COOHは−COOであり得る)官能基を有する場合、塩は、有機または無機塩基で形成され得、好適な陽イオンを生成する。好適な無機陽イオンの例としては、アルカリ金属イオン、例えば、Li、Na、およびK、アルカリ土類金属陽イオン、例えば、Ca2+、およびMg2+、ならびに他の陽イオン、例えば、Al3+またはZnが挙げられるが、これらに限定されない。好適な有機陽イオンの例としては、アンモニウムイオン(すなわち、NH )および置換アンモニウムイオン(例えば、NH、NH 、NHR 、NR )が挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの好適な置換アンモニウムイオンの例は、メチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、プロピルアミン、ジシクロヘキシルアミン、トリエチルアミン、ブチルアミン、エチレンジアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、ピペラジン、ベンジルアミン、フェニルベンジルアミン、コリン、メグルミン、およびトロメタミン、ならびにリジンおよびアルギニン等のアミノ酸に由来するものである。一般的な第四級アンモニウムイオンの例は、N(CH である。
式(1)の化合物がアミン官能基を含む場合、それらは、例えば、当業者に周知の方法に従ってアルキル化剤と反応させることによって、第四級アンモニウム塩を形成し得る。かかる第四級アンモニウム化合物は、式(1)の範囲内である。
本発明の化合物は、塩が形成される酸のpKaに応じて単塩または二塩として存在し得る。
本発明の化合物の塩形態は、典型的には、薬学的に許容される塩であり、薬学的に許容される塩の例は、Berge et al.,1977,”Pharmaceutically Acceptable Salts,”J.Pharm.Sci.,Vol.66,pp.1−19で論じられている。しかしながら、薬学的に許容されない塩も中間体形態として調製され得、それは、次いで、薬学的に許容される塩に変換され得る。例えば、本発明の化合物の精製または分離において有用であり得るかかる薬学的に許容されない塩形態も、本発明の一部を形成する。
本発明の一実施形態では、式(1)の化合物および本明細書に記載のその部分群および例を、塩の形態で、10mg/mLを超える濃度、典型的には15mg/mLを超える濃度、典型的には20mg/mLを超える濃度で含む溶液(例えば、水溶液)を含む薬学的組成物が提供される。
N−オキシド
アミン官能基を含む式(1)の化合物は、N−オキシドも形成し得る。本明細書におけるアミン官能基を含む式(1)の化合物への言及は、N−オキシドも含む。
化合物がいくつかのアミン官能基を含む場合、1個または1個より多くの窒素原子が酸化されて、N−オキシドを形成する。N−オキシドの具体的な例は、窒素含有複素環式基の第三級アミンまたは窒素原子のN−オキシドである。
N−オキシドは、対応するアミンを過酸化水素または過酸(例えば、ペルオキシカルボン酸)等の酸化剤で処理することによって形成され得、例えば、Advanced Organic Chemistry,Jerry March,4th Edition,Wiley Interscience,pagesを参照されたい。より具体的には、N−オキシドは、L.W.Deady(Syn.Comm.1977,7,509−514)の手順によって作製され得、この手順では、アミン化合物は、例えば、ジクロロメタン等の不活性溶媒中で、m−クロロ過安息香酸(MCPBA)と反応させられる。
本発明の一実施形態では、化合物は、例えば、R基またはR基上の窒素原子由来のN−オキシドであり、例えば、ピリジンN−オキシドである。
幾何学的異性体および互変異性体
式(1)の化合物は、いくつかの異なる幾何学的異性体形態および互変異性体形態で存在し得、式(1)の化合物への言及は、全てのかかる形態を含む。誤解を避けるために、化合物がいくつかの幾何学的異性体形態または互変異性体形態のうちの1つで存在し、かつ1つのみが具体的に記載または示される場合、それでもなお他の全ても式(1)によって包含される。
例えば、ある特定のヘテロアリール環は、以下に示されるAおよびB等の2つの互変異性体形態で存在し得る。簡略化するために、式は一方の形態を例示するが、この式は、両方の互変異性体形態を包含すると解釈されるべきである。
Figure 2020515546
互変異性体形態の他の例としては、例えば、以下の互変異性体対:ケト/エノール(以下に例示される)、イミン/エナミン、アミド/イミノアルコール、アミジン/エンジアミン、ニトロソ/オキシム、チオケトン/エンチオール、およびニトロ/aci−ニトロに見られるような、例えば、ケト形態、エノール形態、およびエノラート形態が挙げられる。
Figure 2020515546
立体異性体
別途言及または指定されない限り、化合物の化学表記は、全ての可能な立体化学的異性体形態の混合物を表す。
立体中心は、例えば、「縞」または「中実」くさび形の線を使用して、通常の様式で例示される。
Figure 2020515546
化合物が2つのジアステレオ異性体/エピマーの混合物として記載される場合、立体中心の配置は指定されず、直線で表される。
式(1)の化合物が1つ以上のキラル中心を含み、2つ以上の光学異性体の形態で存在し得る場合、式(1)の化合物への言及は、文脈が他の意味の解釈を必要としない限り、個々の光学異性体として、または2つ以上の光学異性体の混合物(例えば、ラセミもしくはスカレミック混合物)としてのいずれかで、その全ての光学異性体形態(例えば、鏡像異性体、エピマー、およびジアステレオ異性体)を含む。
光学異性体は、それらの光学活性(すなわち、+および−異性体、またはdおよびl異性体)によって特徴付けおよび特定され得るか、またはそれらは、Cahn・Ingold・Prelogによって開発された「RおよびS」命名法を使用してそれらの絶対立体化学に関して特徴付けられ得、Advanced Organic Chemistry,Jerry March,4th Edition,John Wiley&Sons,New York,1992,pages 109−114を参照されたく、Cahn,Ingold&Prelog,Angew.Chem.Int.Ed.Engl.,1966,5,385−415も参照されたい。
光学異性体は、キラルクロマトグラフィー(キラル支持体上でのクロマトグラフィー)を含むいくつかの技術によって分離され得、かかる技術は、当業者によく知られている。
キラルクロマトグラフィーの代替手段として、光学異性体は、(+)−酒石酸、(−)−ピログルタミン酸、(−)−ジ−トルオイル−L−酒石酸、(+)−マンデル酸、(−)−リンゴ酸、および(−)−カンファースルホン酸等のキラル酸でジアステレオ異性体塩を形成し、選択的結晶化によってジアステレオ異性体を分離し、その後、塩を解離して、遊離塩基の個別の鏡像異性体を得ることによって分離され得る。
さらに、鏡像異性体分離は、鏡像異性的に純粋なキラル補助基を化合物に共有結合させ、その後、クロマトグラフィー等の従来の方法を使用してジアステレオ異性体分離を行うことによって達成され得る。これに続いて、前述の共有結合が切断されて、適切な鏡像異性的に純粋な生成物が生成される。
式(1)の化合物が2つ以上の光学異性体形態として存在する場合、一対の鏡像異性体の一方の鏡像異性体は、例えば、生物学的活性に関して、他方の鏡像異性体に優る利点を呈し得る。したがって、ある特定の状況において、治療薬として一対の鏡像異性体のうちの一方のみ、または複数のジアステレオ異性体のうちの1つのみを使用することが望ましくあり得る。
したがって、本発明は、1つ以上のキラル中心を有する化合物を含む組成物を提供し、式(1)の化合物の少なくとも55%(例えば、少なくとも60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、または95%)が、単一の光学異性体(例えば、鏡像異性体またはジアステレオ異性体)として存在する。一般的な一実施形態では、式(1)の化合物の総量の99%またはそれ以上(例えば、実質的に全て)が、単一の光学異性体(例えば、鏡像異性体またはジアステレオ異性体)として存在し得る。
二重結合を包含する化合物は、前記二重結合にE(逆に)またはZ(一緒に)立体化学を有し得る。二価環式または(部分)飽和ラジカル上の置換基は、シス配置またはトランス配置のいずれかを有し得る。シスおよびトランスという用語は、本明細書で使用されるとき、Chemical Abstracts命名法(J.Org.Chem.1970,35(9),2849−2867)に従い、環部分上の置換基の位置を指す。
立体化学的に純粋な式(1)の化合物が特に対象となる。式(1)の化合物が、例えば、Rと指定される場合、これは、化合物がS異性体を実質的に含まないことを意味する。式(1)の化合物が、例えば、Eと指定される場合、これは、化合物がZ異性体実質的に含まないことを意味する。シス、トランス、R、S、E、およびZという用語は、当業者によく知られている。
同位体変形
本発明は、本発明の全ての薬学的に許容される同位体で標識された化合物、すなわち、1つ以上の原子が同じ原子番号を有するが、通常自然界で見られる原子質量または質量数とは異なる原子質量または質量数を有する原子によって置換される式(1)の化合物を含む。
本発明の化合物中への包含に好適な同位体の例は、水素(H(D)およびH(T)等)、炭素(11C、13C、および14C等)、塩素(36Cl等)、フッ素(18F等)、ヨウ素(123I、125I、および131I等)、窒素(13Nおよび15N等)、酸素(15O、17O、および18O等)、リン(32P等)、ならびに硫黄(35S等)の同位体を含む。
式(1)のある特定の同位体で標識された化合物、例えば、放射性同位体を組み込む化合物は、薬物および/または基質組織分布研究に有用である。式(1)の化合物は、それらが標識された化合物と他の分子、ペプチド、タンパク質、酵素、または受容体との間の複合体の形成を検出または特定するのに使用され得る有益な診断特性も有し得る。検出または特定方法は、例えば、放射性同位体、酵素、蛍光物質、発光物質(例えば、ルミノール、ルミノール誘導体、ルシフェリン、イクオリン、およびルシフェラーゼ)等の標識薬剤で標識されている化合物を使用することができる。放射性同位体トリチウム、すなわち、H(T)、および炭素−14、すなわち、14Cは、それらの組み込み易さおよび容易な検出手段を考慮して、この目的に特に有用である。
重水素等のより重い同位体、すなわち、H(D)での置換は、より高い代謝的安定性に起因するある特定の治療的利点、例えば、インビボ半減期の増加または必要投薬量の低減をもたらし得、それ故に、いくつかの状況で使用され得る。
具体的には、本出願における水素への全ての言及は、水素が明確に定義されているか、または水素が関連原子の(具体的には、炭素の)原子価を満たすために黙示的に存在するかにかかわらず、HおよびHを網羅すると理解されるべきである。
11C、18F、15O、および13N等の陽電子放出同位体での置換は、標的の占有率を試験するための陽電子放出トポグラフィー(PET)研究に有用であり得る。
同位体で標識された式(1)の化合物は、一般に、当業者に既知の従来の技法によって、または以前に用いられていた標識されていない試薬の代わりに適切な同位体で標識された試薬を使用した添付の実施例および調製に記載のプロセスに類似したプロセスによって調製され得る。
エステル
カルボン酸基またはヒドロキシル基を持つ式(1)の化合物のカルボン酸エステル、アシルオキシエステル、およびリン酸エステル等のエステルも式(1)によって包含される。エステルの例は、基−C(=O)ORを含む化合物であり、式中、Rは、エステル置換基、例えば、C1−7アルキル基、C3−12ヘテロシクリル基、またはC5−12アリール基、典型的には、C1−6アルキル基である。エステル基の具体的な例としては、−C(=O)OCH、−C(=O)OCHCH、−C(=O)OC(CH、および−C(=O)OPhが挙げられるが、これらに限定されない。アシルオキシ(逆エステル)基の例は、−OC(=O)Rによって表され、式中、Rは、アシルオキシ置換基、例えば、C1−6アルキル基、C3−12ヘテロシクリル基、またはC5−12アリール基、典型的には、C1−6アルキル基である。アシルオキシ基の具体的な例としては、−OC(=O)CH(アセトキシ)、−OC(=O)CHCH、−OC(=O)C(CH、−OC(=O)Ph、および−OC(=O)CHPhが挙げられるが、これらに限定されない。リン酸エステルの例は、リン酸に由来するものである。
本発明の一実施形態では、式(1)は、その範囲内に、カルボン酸基またはヒドロキシル基を持つ式(1)の化合物のエステルを含む。別の実施形態では、本発明の、式(1)は、その範囲内に、カルボン酸基またはヒドロキシル基を持つ式(1)の化合物のエステルを含まない。
溶媒和物および結晶形態
化合物の任意の多形形態、および溶媒和物、例えば、水和物、アルコラート等も、式(1)によって包含される。
本発明の化合物は、例えば、水(すなわち、水和物)または一般的な有機溶媒と溶媒和物を形成し得る。本明細書で使用されるとき、「溶媒和物」という用語は、本発明の化合物の1つ以上の溶媒分子との物理的会合を意味する。この物理的会合は、水素結合を含む様々な程度のイオン結合および共有結合を含む。ある特定の事例では、溶媒和物は、例えば、1つ以上の溶媒分子が結晶性固体の結晶格子に組み込まれると、単離することができる。「溶媒和物」という用語は、溶液相および単離可能な溶媒和物の両方を包含するよう意図されている。好適な溶媒和物の非限定的な例としては、水、イソプロパノール、エタノール、メタノール、DMSO、酢酸エチル、酢酸、またはエタノールアミン等と組み合わせた本発明の化合物が挙げられる。本発明の化合物は、それらが溶液中に存在しているときにそれらの生物学的効果を発揮し得る。
溶媒和物は、薬学的化学においてよく知られている。それらは、(例えば、それらの精製、物質の保管(例えば、その安定性)、および物質の取り扱い易さとの関連で、物質を調製するためのプロセスに重要であり得、化学合成の単離または精製段階の一部として形成される。当業者であれば、標準的かつ長年使用されている技法を用いて、水和物または他の溶媒和物が、所与の化合物を調製するために使用される単離条件または精製条件によって形成されたかを決定することができる。かかる技法の例としては、熱重量分析(TGA)、示差走査熱量測定(DSC)、X線結晶学(例えば、単結晶X線結晶学またはX線粉末回折)、および固体NMR(SS−NMR、別名、マジック角回転NMRまたはMAS−NMR)が挙げられる。かかる技法は、NMR、IR、HPLC、およびMSと同程度に、熟練化学者の標準の分析ツールキットの一部である。
あるいは、当業者であれば、この特定の溶媒和物に必要とされる溶媒の量を含む結晶化条件を使用して溶媒和物を意図的に形成することができる。その後、本明細書に記載の標準方法は、溶媒和物が形成されたかを確証するために使用され得る。
さらに、本発明の化合物は、1つ以上の多形または非晶質結晶形態を有し得、そのようなものとして本発明の範囲に含まれるよう意図されている。
本発明は、(2S,3S)−3−(4−クロロフェニル)−3−[(1R)−1−(4−クロロフェニル)−7−フルオロ−5−[(1S)−1−ヒドロキシ−1−(オキサン−4−イル)プロピル]−1−メトキシ−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−2−イル]−2−メチルプロパン酸のある特定の結晶形態も提供する。
結晶およびそれらの結晶構造は、単結晶X線結晶学、X線粉末回折(XRPD)、示差走査熱量測定(DSC)、および赤外分光法、例えば、フーリエ変換赤外分光法(FTIR)を含むいくつかの技法を使用して特徴付けられ得る。様々な湿度条件下での結晶の挙動も、重量測定蒸気収着研究およびXRPDによって分析され得る。
化合物の結晶構造の決定は、本明細書およびFundamentals of Crystallography,C.Giacovazzo,H.L.Monaco,D.Viterbo,F.Scordari,G.Gilli,G.Zanotti and M.Catti,(International Union of Crystallography/Oxford University Press,1992 ISBN 0−19−855578−4(p/b),0−19−85579−2(h/b))に記載の方法等の従来の方法に従って実行され得るX線結晶学によって行われ得る。この技法は、単結晶のX線回折の分析および解釈を含む。
あるいは、化合物の結晶構造は、X線粉末回折(XRPD)の固体技法によって分析され得る。XRPDは、本明細書(実施例6を参照のこと)およびIntroduction to X−ray Powder Diffraction,Ron Jenkins and Robert L.Snyder(John Wiley&Sons,New York,1996)に記載の方法等の従来の方法に従って実行され得る。XRPDディフラクトグラムにおける定義されたピーク(ランダムなバックグラウンドノイズとは対照的に)の存在は、化合物がある程度の結晶化度を有することを示す。
化合物のX線粉末パターンは、X線回折スペクトルの回折角(2θ)および面間隔(d)パラメータによって特徴付けられる。これらは、ブラッグの等式、nλ=2d Sin θ,(式中、nは1であり、λは使用した陰極の波長であり、dは面間隔であり、θは回折角である)によって関連付けられる。本明細書において、面間隔、回折角、および全パターンは、データの特性により、X線粉末回折における結晶の特定に重要である。相対強度は、結晶成長の方向、粒径、および測定条件に応じて変わり得るため、厳密に解釈されるべきではない。加えて、回折角は、通常、2θ±0.2度の許容範囲内で変化する。ピークとは、主ピークを意味し、上述以外の回折角で中間よりも大きくないピークを含む。
一実施形態では、本発明は、
(a)回折角15.1、15.5、15.8、および22.3度2θ(±0.2度2θ)のピークを特徴とするX線粉末回折パターン、または
(b)3.99、5.62、5.71、および5.87Åの面間隔を有する、(2S,3S)−3−(4−クロロフェニル)−3−[(1R)−1−(4−クロロフェニル)−7−フルオロ−5−[(1S)−1−ヒドロキシ−1−(オキサン−4−イル)プロピル]−1−メトキシ−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−2−イル]−2−メチルプロパン酸の結晶形態を提供する。
具体的には、(2S,3S)−3−(4−クロロフェニル)−3−[(1R)−1−(4−クロロフェニル)−7−フルオロ−5−[(1S)−1−ヒドロキシ−1−(オキサン−4−イル)プロピル]−1−メトキシ−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−2−イル]−2−メチルプロパン酸の結晶形態は、
(a)回折角11.3、15.1、15.5、15.8、17.2、20.8、22.3、および28.6度2θ(±0.2度2θ)のピークを特徴とするX線粉末回折パターン、または
(b)3.12、3.99、4.27、5.17、5.62、5.71、5.87、および7.85Åの面間隔を有する。
具体的には、(2S,3S)−3−(4−クロロフェニル)−3−[(1R)−1−(4−クロロフェニル)−7−フルオロ−5−[(1S)−1−ヒドロキシ−1−(オキサン−4−イル)プロピル]−1−メトキシ−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−2−イル]−2−メチルプロパン酸の結晶形態は、本明細書の表1に記載される、回折角(2θ)での主ピークの存在を特徴とするX線粉末回折パターン、面間隔(d)、および強度を有する。
具体的には、(2S,3S)−3−(4−クロロフェニル)−3−[(1R)−1−(4−クロロフェニル)−7−フルオロ−5−[(1S)−1−ヒドロキシ−1−(オキサン−4−イル)プロピル]−1−メトキシ−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−2−イル]−2−メチルプロパン酸の結晶形態は、図1に示されるX線粉末回折パターンの回折角と同じ回折角でピークを呈するX線粉末回折パターンを有し、好ましくは、このピークは、図1のピークと同じ相対強度を有する。
具体的には、(2S,3S)−3−(4−クロロフェニル)−3−[(1R)−1−(4−クロロフェニル)−7−フルオロ−5−[(1S)−1−ヒドロキシ−1−(オキサン−4−イル)プロピル]−1−メトキシ−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−2−イル]−2−メチルプロパン酸の結晶形態は、実質的に図1に示されるX線粉末回折パターンを有する。
一実施形態では、本発明は、DSCに供されたときに266〜267℃(例えば、266.61℃)で発熱ピークを呈する、(2S,3S)−3−(4−クロロフェニル)−3−[(1R)−1−(4−クロロフェニル)−7−フルオロ−5−[(1S)−1−ヒドロキシ−1−(オキサン−4−イル)プロピル]−1−メトキシ−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−2−イル]−2−メチルプロパン酸の結晶形態を提供する。
本発明の結晶形態は、実質的に結晶質であり得、これは、1つの単結晶形態が優勢であり得るが、他の結晶形態が微量で、好ましくはごく少量で存在し得るを意味する。
例えば、結晶形態は、5重量%以下の任意の他の結晶形態を含み得る。
好ましくは、結晶形態は、単結晶形態であり、4%未満、または3%未満、または2%未満の他の結晶形態を伴い、具体的には、約1重量%以下の他の結晶形態を含む。より好ましくは、単結晶形態は、0.9重量%未満、または0.8重量%未満、または0.7重量%未満、または0.6重量%未満、または0.5重量%未満、または0.4重量%未満、または0.3重量%未満、または0.2重量%未満、または0.1重量%未満、または0.05重量%未満、または0.01重量%未満の他の結晶形態、例えば、0重量%の他の結晶形態を伴う。
本発明の多形形態は、それらが、以下の点で、他の多形体に優る以下の利点のうちの1つ以上を享受するであろう。
●より可溶性であり、
●より良好な安定性(例えば、改善された有効期間)を有し、
●より良好な熱安定性を有し、
●生成に対する利点を有し、
●水溶液中で改善された溶解度を有し、
●より良好な物理化学的特性を有し、
●改善された抗がん活性を有し得、かつ
●改善された治療指数を有し得る。
具体的には、多形体は、より安定している場合がある。本明細書で使用される「安定した」または「安定性」という用語は、化学的安定性および固体(物理的)安定性を含む。「化学的安定性」という用語は、多形体が、ほとんどまたは全く化学分解(degradation)または化学分解(de組成物)なしで、通常の保管条件下で、単離された形態で、または例えば、本明細書に記載の薬学的に許容される担体、希釈剤、またはアジュバントと混和した状態で提供される製剤の形態で保管され得ることを意味する。「固体安定性」とは、多形体が、ほとんどまたは全く固体変換(例えば、水和、脱水、溶媒和、脱溶媒和、結晶化、再結晶化、または固相転移)なしで、通常の保管条件下で、単離された固体形態で、または例えば、本明細書に記載の薬学的に許容される担体、希釈剤、またはアジュバントと混合した状態で提供される固体製剤の形態で保管され得ることを意味する。
錯体
式(1)は、その範囲内に、化合物の錯体(例えば、化合物との包接錯体もしくはクラスレート、例えば、シクロデキストリン、または金属との錯体)も含む。包接錯体、クラスレート、および金属錯体は、当業者に周知の方法を用いて形成され得る。
プロドラッグ
式(1)の化合物の任意のプロドラッグも、式(1)の化合物によって包含される。「プロドラッグ」とは、例えば、インビボで生物学的に活性な式(1)の化合物に変換される任意の化合物を意味する。
例えば、いくつかのプロドラッグは、活性化合物のエステル(例えば、生理学的に許容される代謝的に不安定なエステル)である。代謝中、エステル基(−C(=O)OR)が切断されて、活性薬物をもたらす。かかるエステルは、例えば、親化合物中のカルボン酸基(−C(=O)OH)のうちのいずれかを、適切な場合に親化合物中に存在する任意の他の反応性基を保護した後にエステル化し、続いて、必要に応じて脱保護することによって形成され得る。
かかる代謝的に不安定なエステルの例としては、式−C(=O)ORのものが挙げられ、式中、Rは、
1−7アルキル(例えば、−Me、−Et、−nPr、−iPr、−nBu、−sBu、−iBu、−tBu)、
1−7アミノアルキル(例えば、アミノエチル、2−(N,N−ジエチルアミノ)エチル、2−(4−モルホリノ)エチル)、およびアシルオキシ−C1−7アルキル(例えば、アシルオキシメチル、アシルオキシエチル、pivaloyloxyメチル、アセトキシメチル、1−アセトキシエチル、1−(1−メトキシ−1−メチル)エチル−カルボキシルオキシエチル、1−(ベンゾイルオキシ)エチル、イソプロポキシ−カルボニルオキシメチル、1−イソプロポキシ−カルボニルオキシエチル、シクロヘキシル−カルボニルオキシメチル、1−シクロヘキシル−カルボニルオキシエチル、シクロヘキシルオキシ−カルボニルオキシメチル、1−シクロヘキシルオキシ−カルボニルオキシエチル、(4−オキサニルオキシ)カルボニルオキシメチル、1−(4−オキサニルオキシ)カルボニルオキシエチル、(4−オキサニル)カルボニルオキシメチル、および1−(4−テトラヒドロピラニル)カルボニルオキシエチル)である。
また、いくつかのプロドラッグは、酵素的に活性化されて、活性化合物をもたらすか、またはさらなる化学反応時に、活性化合物(例えば、抗原指向性酵素プロドラッグ療法(ADEPT)、遺伝子指向性酵素プロドラッグ療法(GDEPT)、およびリガンド指向性酵素プロドラッグ療法(LIDEPT)等で見られるもの)をもたらす化合物をもたらす。例えば、プロドラッグは、糖誘導体もしくは他のグリコシドコンジュゲートであり得るか、またはアミノ酸エステル誘導体であり得る。一実施形態では、式(1)は、その範囲内に、式(1)の化合物のプロドラッグを含まない。
式(1)の化合物を調製するための方法
ある特定の化合物が異なるジアステレオマー形態および/または鏡像異性体形態で存在することができ、それらを調製するためのプロセスが鏡像異性的に純粋な合成前駆体を利用し得ることが理解される。
あるいは、ラセミ前駆体が使用され得、これらのプロセスで生成されるジアステレオ異性体の混合物は、例えば、ジアステレオマー誘導体を使用した非キラルもしくはキラル分取クロマトグラフィーまたは分解を使用して当業者に周知の方法によって、例えば、L−酒石酸等の鏡像異性的に純粋な酸(または(1R)−1−フェニルエタン−1−アミン等の鏡像異性的に純粋な塩基)で形成された塩の結晶化、または鏡像異性的に純粋なキラル補助基を化合物に共有結合し、その後、キラルもしくは非キラルクロマトグラフィー等の従来の方法を使用して分離することによって形成されたジアステレオマー誘導体の鏡像異性体分離によって分離され得る。その後、上述の共有結合が切断されて、適切な鏡像異性的に純粋な生成物が生成される。
前駆体化合物を式Iの化合物に変換するための様々な周知の官能基相互変換が当業者に知られており、Advanced Organic Chemistry,Jerry March,4th Edition,John Wiley&Sons,1992に記載されている。例えば、オルガノ−スズ試薬(スティル反応)、グリニャール試薬、および窒素求核試薬との反応等を使用した可能な金属触媒官能化が、‘Palladium Reagents and Catalysts’[Jiro Tsuji,Wiley,ISBN 0−470−85032−9]and Handbook of OrganoPalladium Chemistry for Organic Synthesis[Volume 1,Edited by Ei−ichi Negishi,Wiley,ISBN 0−471−31506−0]に記載されている。
適切な場合、以下で以前に説明された反応の後に当業者に既知の1つ以上の反応が続くか、または当業者に既知の1つ以上の反応が先行し、上で定義される必須の置換を達成して式(1)の他の化合物を得るのに適切な順序で行われる。条件を本文献で見つけることができるかかる反応の非限定的な例としては、以下が挙げられる。
反応性官能基の保護、
反応性官能基の脱保護、
ハロゲン化、
脱ハロゲン化、
脱アルキル化、
アミン、アニリン、アルコール、およびフェノールのアルキル化またはアリール化、
ヒドロキシル基での光延反応、
適切な基での付加環化反応、
ニトロ、エステル、シアノ、アルデヒドの還元、
遷移金属触媒カップリング反応、
アシル化、
スルホニル化/スルホニル基の導入、
エステル基の鹸化/加水分解、
エステル基のアミド化またはエステル交換、
カルボン酸基のエステル化またはアミド化、
ハロゲン交換、
アミン、チオール、またはアルコールでの求核置換、
還元的アミノ化、
カルボニルおよびヒドロキシルアミン基でのオキシム形成、
S−酸化、
N−酸化、
塩化。
ある特定の化合物、例えば、式(1)の化合物ならびにその部分式および特定の実施例がジアステレオマー形態および/または鏡像異性体形態で存在することができ、それらを調製するためのプロセスが鏡像異性的に純粋な合成前駆体を利用し得ることが理解される。
あるいは、ラセミ前駆体が使用され得、これらのプロセスで生成されるジアステレオ異性体の混合物は、例えば、ジアステレオマー誘導体を使用した非キラルもしくはキラル分取クロマトグラフィーまたは分解を使用して当業者に周知の方法によって、例えば、L−酒石酸等の鏡像異性的に純粋な酸で形成された塩の結晶化、または鏡像異性的に純粋なキラル補助基を化合物に共有結合し、その後、キラルクロマトグラフィー等の従来の方法を使用して分離することによって形成されたジアステレオマー誘導体の鏡像異性体分離によって分離され得る。その後、上述の共有結合が切断されて、適切な鏡像異性的に純粋な生成物が生成される。
必要とされる中間体のある特定のものは、市販されているか、文献において知られているか、文献における方法に類似した方法によって調製されるか、または以下の例となる手順に記載の方法に類似した方法によって調製されるかのいずれかである。他の化合物は、当該技術分野で周知の方法を使用して官能基相互変換によって調製され得る。
さらなる実施形態では、本発明は、新規の中間体を提供する。一実施形態では、本発明は、化合物(4’)、(5)、(13)、(15)、(16)、(18)、(19)、(21)、(22)、(23)、(24)、(25)、(26a)、(26b)、または(27)である新規の中間体を提供する。
本明細書に記載の化合物のある特定の他のものは新規のものであり、本発明は、それらの化合物自体にも関する。
具体的には、本発明は、式(1)、(1’)、(2)、(2)、(3)、(3’)、(3’’)、(4)、(4’)、(4’’)、(5)、(6)、(6’)、(8)、(9)、(10)、(11)、(11a)、(11b)、(11c)、(19)、および(21)の新規の中間体を提供する。
保護基
本明細書に記載の反応のうちの多くにおいて、1つ以上の基を保護して、分子上の望ましくない位置で反応が起こるのを阻止することが必要であり得る。保護基の例、ならびに官能基を保護および脱保護する方法は、Protective Groups in Organic Synthesis(T.Green and P.Wuts;3rd Edition;John Wiley and Sons,1999)で見つけることができる。
具体的には、化合物は、保護された形態で合成され得、保護基が除去されて、式)(1)の化合物が生成され得る。
ヒドロキシ基は、例えば、エーテル(−OR)またはエステル(−OC(=O)R)として、例えば、t−ブチルエーテル、テトラヒドロピラニル(THP)エーテル、ベンジル、ベンズヒドリル(ジフェニルメチル)、またはトリチル(トリフェニルメチル)エーテル、トリメチルシリル、またはt−ブチルジメチルシリルエーテル、またはアセチルエステル(−OC(=O)CH)として保護され得る。
アルデヒドまたはケトン基は、例えば、それぞれ、アセタール(R−CH(OR))またはケタール(RC(OR))として保護され得、そこで、カルボニル基(>C=O)が、例えば、第一級アルコールで処理される。アルデヒドまたはケトン基は、酸の存在下で大過剰量の水を使用して加水分解によって容易に生成され得る。
アミン基は、例えば、アミド(−NRCO−R)またはカルバメート(−NRCO−OR)として、例えば、メチルアミド(−NHCO−CH)、ベンジルカルバメート(−NHCO−OCH、−NH−Cbz、またはNH−Z)、t−ブチルカルバメート(−NHCO−OC(CH、−NH−Boc)、2−ビフェニル−2−プロピルカルバメート(−NHCO−OC(CH、−NH−Bpoc)、9−フルオレニルメチルカルバメート(−NH−Fmoc)、6−ニトロベラトリルカルバメート(−NH−Nvoc)、2−トリメチルシリルエチルカルバメート(−NH−Teoc)、2,2,2−トリクロロエチルカルバメート(−NH−Troc)、アリルカルバメート(−NH−Alloc)、または2(−フェニルスルホニル)エチルカルバメート(−NH−Psec)として保護され得る。
環式アミン等のアミンおよび複素環式N−H基の他の保護基には、トルエンスルホニル(tosyl)およびメタンスルホニル(mesyl)基、ベンジル基、例えば、パラ−メトキシベンジル(PMB)基、およびテトラヒドロピラニル(THP)基が含まれる。
カルボン酸基は、エステルとして、例えば、C1−7アルキルエステル(例えば、メチルエステル、t−ブチルエステル)、C1−7ハロアルキルエステル(例えば、C1−7トリハロアルキルエステル)、トリC1−7アルキルシリル−C1−7アルキルエステル、またはC5−20アリール−C1−7アルキルエステル(例えば、ベンジルエステル、ニトロベンジルエステル、パラ−メトキシベンジルエステルとして保護され得る。チオール基は、例えば、チオエーテル(−SR)として、例えば、ベンジルチオイエーテル、アセトアミドメチルエーテル(−S−CHNHC(=O)CH)として保護され得る。
本発明の化合物の単離および精製
本発明の化合物は、当業者に周知の標準の手法に従って単離および精製され得、かかる方法の例としては、クロマトグラフ手法、例えば、カラムクロマトグラフィー(例えば、フラッシュクロマトグラフィー)およびHPLCが挙げられる。化合物の精製に特に有用な技法の1つは、クロマトグラフィーカラムから出現する精製された化合物を検出する手段として質量分析を使用した分取液体クロマトグラフィーである。
分取LC−MSは、本明細書に記載の化合物等の有機小分子の精製に使用される標準の効果的な方法である。液体クロマトグラフィー(LC)および質量分析(MS)のための方法は、粗材料のより良好な分離およびMSによる試料の改善された検出を提供するように変更され得る。分取勾配LC法の最適化は、様々なカラム、揮発性溶出剤および改質剤、ならびに勾配を必要とする。分取LC−MS法を最適化し、その後、それらを使用して化合物を精製するための方法は、当該技術分野で周知である。かかる方法は、Rosentreter U,Huber U.;Optimal fraction collecting in preparative LC/MS;J Comb Chem.;2004;6(2),159−64、およびLeister W,Strauss K,Wisnoski D,Zhao Z,Lindsley C.,Development of a custom high−throughput preparative liquid chromatography/mass spectrometer platform for the preparative purification and analytical analysis of compound libraries;J Comb Chem.;2003;5(3);322−9に記載されている。分取LC−MSによって化合物を精製するためのかかるシステムの例は、本出願の以下の実施例の節に記載されている(表題「質量指向精製LC−MSシステム」下)。
式(1)の化合物およびその塩の再結晶化法は、当業者に周知の方法によって実行され得、例えば(P.Heinrich Stahl(Editor),Camille G.Wermuth(Editor),ISBN:3−90639−026−8,Handbook of Pharmaceutical Salts:Properties,Selection,and Use,Chapter 8,Publisher Wiley−VCH)を参照されたい。有機反応から得られた生成物は、反応混合物から直接単離された場合、純粋であることはめったにない。化合物(またはその塩)が固体である場合、それは、好適な溶媒から再結晶化によって精製および/または結晶され得る。良好な再結晶化溶媒は、精製される適度な量の物質を高温で溶解するはずであるが、少量の物質はより低い温度で溶解する。これは、不純物を低温で容易に溶解するか、または全く溶解しない。最後に、溶媒は、精製された生成物から容易に除去されるはずである。これは、通常、それが比較的低い沸点を有することを意味し、当業者であれば、特定の物質の溶媒を再結晶化を熟知しており、その情報が利用不可能である場合、いくつかの溶媒を試験するであろう。精製された材料の良好な収量を得るために、全ての不純材料を溶解するのに最小限の量の温溶媒が使用される。実際には、必要とするよりも3〜5%多くの溶媒が使用されると、溶液は飽和しない。不純化合物が溶媒中で不溶性の不純物を含む場合、それは、濾過によって除去され、その後、溶液を結晶化させる。加えて、不純化合物が、化合物が生得していない微量の着色材料を含む場合、それは、少量の脱色剤、例えば、活性化木炭を温溶液に添加し、それを濾過し、その後、それを結晶化させることによって除去され得る。通常、結晶化は、溶液の冷却時に自発的に生じる。そうでない場合、結晶化は、溶液を室温未満に冷却するか、または純粋な材料の単結晶(種晶)を添加することによって誘導され得る。再結晶化も実行され得、および/または収量が抗溶媒または共溶媒の使用によって最適化され得る。この場合、化合物は、好適な溶媒中に高温で溶解し、濾過され、その後、要求される化合物が低溶解度を有する追加の溶媒が添加されて、結晶化を助ける。その後、結晶は、典型的には、真空濾過を使用して単離され、洗浄され、その後、例えば、オーブン内でまたは脱水乾燥により乾燥される。
精製法の他の例としては、例えば冷フィンガーを使用した真空下での加熱ステップを含む昇華、および溶融物からの結晶化が挙げられる(Crystallization Technology Handbook 2nd Edition,edited by A.Mersmann,2001)。
生物学的効果
本発明の化合物が医薬または療法に有用であろうことが想定される。本発明の化合物、その部分群および例が、p53のMDM2との相互作用を阻害することが示されている。かかる阻害により、細胞増殖停止およびアポトーシスがもたらされ、これは、本明細書に記載の病状または状態、例えば、以下で論じられる疾患および状態ならびにp53およびMDM2が役割を果たす上の「発明の背景」の節に記載の疾患および状態の予防または治療に有用であり得る。したがって、例えば、本発明の化合物ががんの緩和またはがんの発生率の低減に有用であり得ることが想定される。
本発明の化合物は、成人集団の治療に有用であり得る。本発明の化合物は、小児集団の治療に有用であり得る。
本発明の化合物がMDM2−p53複合体の形成の良好な阻害剤であることが示されている。式(1)のアンタゴニスト化合物は、MDM2に結合し、MDM2に対して効力を発揮することができる。本明細書に記載のアッセイプロトコルおよび当該技術分野で既知の他の方法を使用して、MDM2/p53に対する本発明の化合物の有効性が決定された。より具体的には、式(1)の化合物およびその部分群は、MDM2/p53に対して親和性を有する。
本発明のある特定の化合物は、0.1μM未満、具体的には、0.01または0.001μM未満のIC50値を有するものである。
MDM2/p53機能は、様々なプロセス、例えば、血管リモデリングおよび抗血管新生プロセス、および代謝経路調節、ならびに発がんにおけるその役割のため、多くの疾患に関与している。MDM2に対するそれらの親和性の結果として、化合物が、自己免疫状態;真性糖尿病;慢性炎症性疾患、例えば、ループス腎炎、全身性エリテマトーデス(SLE)、自己免疫媒介性糸球体腎炎、関節リウマチ、乾癬、炎症性腸疾患、自己免疫性真性糖尿病、湿疹過敏反応、喘息、COPD、鼻炎、および上気道疾患;常染色体劣性遺伝性先天性魚鱗癬(ARCI)等の過角化疾患;糸球体障害、慢性腎臓病(CKD)腎臓炎、ポドサイト喪失、糸球体硬化症、タンパク尿、および進行性腎臓病を含む腎臓病;心血管疾患、例えば、心肥大、再狭窄、不整脈、アテローム性動脈硬化症;虚血損傷関連性心筋梗塞、血管損傷、脳卒中、および再灌流傷害;血管増殖性疾患;加齢黄斑変性、具体的には、ウェット型の加齢黄斑変性、未熟児網膜症(ROP)および糖尿病性網膜症等の虚血性増殖性網膜症等の、眼疾患、ならびに血管腫を含む、様々な疾患または状態の治療または防止に有用であると判明し得ることが予期される。
MDM2に対するそれらの親和性により、本化合物ががん等の増殖性障害の治療または予防に有用であり得ることが判明すると予測される。
治療(または阻害)され得るがん(およびそれらの良性対応物)の例としては、上皮性起源腫瘍(腺癌、扁平上皮癌、移行上皮癌、および他の癌腫を含む様々な種類の腺腫および癌腫)、例えば、膀胱癌および尿路癌、乳癌、消化管癌(食道癌、胃(stomach)(胃(gastric))癌、小腸癌、結腸癌、腸癌、結腸直腸癌、直腸癌、および肛門癌を含む)、肝臓癌(肝細胞癌)、胆嚢および胆管系癌、膵臓外分泌腺癌、腎臓癌(例えば、腎細胞癌)、肺癌(例えば、腺癌、小細胞肺癌、非小細胞肺癌、気管支肺胞上皮癌、および中皮腫)、頭頸部(例えば、舌癌、口腔癌、喉頭癌、咽頭癌、鼻咽頭癌、へんとう腺癌、唾液腺癌、鼻腔癌、および副鼻腔癌)、卵巣癌、卵管癌、腹膜癌、膣癌、外陰癌、陰茎癌、精巣癌、頸癌、子宮筋層癌、子宮内膜癌、甲状腺癌(例えば、甲状腺濾胞腺癌)、脳癌、副腎癌、前立腺癌、皮膚癌、および付属器癌(例えば、黒色腫、基底細胞癌、扁平上皮癌、角化棘細胞腫、異形成母斑);血液学的悪性腫瘍(すなわち、白血病、リンパ腫)ならびにボーダーライン悪性腫瘍の前癌性血液学的障害および状態、例えば、リンパ系の血液学的悪性腫瘍および関連状態(例えば、急性リンパ性白血病[ALL]、慢性リンパ球性白血病[CLL]、B細胞リンパ腫、例えば、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫[DLBCL]、濾胞性リンパ腫、バーキットリンパ腫、マントル細胞リンパ腫、T細胞リンパ腫および白血病、ナチュラルキラー[NK]細胞リンパ腫、ホジキンリンパ腫、ヘアリー細胞白血病、意義不明の単クローン性免疫グロブリン血症、形質細胞腫、多発性骨髄腫、および移植後リンパ増殖性障害)、ならびに骨髄細胞系列の血液学的悪性腫瘍および関連状態(例えば、急性骨髄性白血病[AML]、慢性骨髄性白血病[CML]、慢性骨髄単球性白血病[CMML]、好酸球増加症候群、骨髄増殖症候群、例えば、真性多血症、本態性血小板血症、および原発性骨髄線維症、骨髄増殖性症候群、骨髄異形成症候群、および前骨髄球性白血病);間葉起源の腫瘍、例えば、軟部組織、骨、または軟骨の肉腫、例えば、骨肉腫、線維肉腫、軟骨肉腫、横紋筋肉腫、平滑筋肉腫、脂肪肉腫、血管肉腫、カポジ肉腫、ユーイング肉腫、滑膜肉腫、類上皮肉腫、消化管間質腫瘍、良性および悪性組織球腫、ならびに隆起性皮膚線維肉腫;中枢神経系または末梢神経系の腫瘍(例えば、星状細胞腫(例えば、神経膠腫)、神経腫および膠芽腫、髄膜腫、上衣腫、松果体腫瘍、および神経鞘腫);内分泌腫瘍(例えば、下垂体部腫瘍、副腎腫瘍、島細胞腫、上皮小体腫瘍、カルチノイド腫瘍、および甲状腺髄様癌);眼および付属器腫瘍(例えば、網膜芽細胞腫);胚細胞および絨毛性腫瘍(例えば、奇形腫、セミノーマ、未分化胚細胞腫、胞状奇胎、および絨毛腫);ならびに小児性および胎児性腫瘍(例えば、髄芽腫、神経芽細胞腫、ウィルムス腫瘍、および原始神経外胚葉腫瘍);または患者を悪性腫瘍に罹り易くする先天性または別様の症候群(例えば、色素性乾皮症)が挙げられるが、これらに限定されない。
細胞の増殖は、厳密に制御された機能である。細胞が無制御様式で複製する(数が増加する)、無制御に成長する(より大きくなる)、かつ/またはアポトーシス、壊死、もしくはアノイキスによる細胞死(プログラム細胞死)の低減を経験するときに、異常な細胞増殖の状態であるがんが生じる。一実施形態では、異常な細胞増殖は、無制御細胞増殖、過度の細胞増殖、またはプログラム細胞死の低減から選択される。具体的には、異常な細胞増殖の状態または疾患は、がんである。
したがって、異常な細胞増殖(すなわち、無制御および/または急速な細胞増殖)を含む疾患または状態を治療するための本発明の薬学的組成物、使用、または方法において、異常な細胞増殖を含む疾患または状態は、一実施形態では、がんである。
多くの疾患は、持続的かつ無調節の血管新生を特徴とする。慢性増殖性疾患は、多くの場合、顕著な血管新生を伴い、これは、炎症性および/もしくは増殖性状態に寄与するもしくはそれを維持し得るか、または血管の侵入性増殖による組織破壊につながる。腫瘍成長および転移は、血管新生依存性であることが見出されている。したがって、本発明の化合物は、腫瘍血管新生の開始の予防および妨害に有用であり得る。
血管新生は、一般に、新しい血管もしくは代替血管の発生、または新血管形成を説明するために使用される。それは、必要な生理学的に正常なプロセスであり、このプロセスによって脈管構造が胚に確立される。血管新生は、一般に、排卵、月経、および創傷治癒部位を除いて、ほとんどの正常な成人組織に生じない。しかしながら、多くの疾患は、持続的かつ無調節の血管新生を特徴とする。例えば、関節炎において、新たな毛細血管が関節に侵入し、軟骨を破壊する。糖尿病において(および多くの様々な眼疾患において)、新たな血管が黄斑もしくは網膜または他の眼構造に侵入し、失明を引き起こし得る。アテローム性動脈硬化のプロセスは、血管新生に関連付けられている。腫瘍成長および転移は、血管新生依存性であることが見出されている。化合物は、疾患、例えば、がんおよび転移、眼疾患、関節炎、ならびに血管腫の治療に有益であり得る。
したがって、本発明の化合物は、転移および転移性がんの治療に有用であり得る。転移または転移性疾患は、1つの臓器または部分から別の非隣接臓器または部分への疾患の広がりである。本発明の化合物によって治療され得るがんには、原発腫瘍(すなわち、発生部位におけるがん細胞)、局所侵入(局所領域内の周囲の正常組織に浸透および浸潤するがん細胞)、および転移性(または二次性)腫瘍、すなわち、血流を通じて(血行性散布)またはリンパ管を介してまたは体腔にわたって(トランス体腔)体内の他の部位および組織まで循環した悪性細胞から形成された腫瘍が含まれる。具体的には、本発明の化合物は、転移および転移性がんの治療に有用であり得る。
一実施形態では、血液学的悪性腫瘍は、白血病である。別の実施形態では、血液学的悪性腫瘍は、リンパ腫である。一実施形態では、がんは、AMLである。別の実施形態では、がんは、CLLである。
一実施形態では、本発明の化合物は、白血病、例えば、急性または慢性白血病、具体的には、急性骨髄性白血病(AML)、急性リンパ球性白血病(ALL)、慢性リンパ球性白血病(CLL)、または慢性骨髄性白血病(CML)の予防または治療に使用するためのものである。一実施形態では、本発明の化合物は、リンパ腫、例えば、急性または慢性リンパ腫、具体的には、バーキットリンパ腫、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫またはびまん性大細胞型B細胞リンパ腫の予防または治療に使用するためのものである。
一実施形態では、本発明の化合物は、急性骨髄性白血病(AML)または急性リンパ球性白血病(ALL)の予防または治療に使用するためのものである。
一実施形態は、p53野生型であるか、またはMDM2増幅を有するがんを有する部分集団から選択される患者におけるがんの予防または治療に使用するための本発明の化合物を含む。
がんは、MDM2阻害剤での治療に感受性があるがんであり得る。がんは、MDM2を過剰発現するがんであり得る。がんは、p53野生型であるがんであり得る。
特定のがんには、MDM2増幅および/またはDM2過剰発現を有するがん、例えば、肝細胞癌、肺癌、肉腫、骨肉腫、およびホジキン病が含まれる。
特定のがんには、野生型p53を有するがんが含まれる。特定のがんには、排他的ではないが具体的には、MDM2が高度に発現される場合、野生型p53を有するがん細胞が含まれる。
一実施形態では、がんは、p53機能性腫瘍である。一実施形態では、治療されるこの疾患は、p53機能性固形および血液学的悪性腫瘍である。別の実施形態では、治療される患者は、p53変異体腫瘍を有し、例えば、p53変異体腫瘍を有するAML患者である。
一実施形態では、がんは、脳腫瘍、例えば、神経膠腫、または神経芽細胞腫である。
一実施形態では、がんは、皮膚癌、例えば、黒色腫である。
一実施形態では、がんは、肺がん、例えば、中皮腫である。一実施形態では、中皮腫は、悪性腹膜中皮腫または悪性胸膜中皮腫である。
一実施形態では、がんは、消化管癌、例えば、GIST、胃癌、結腸直腸癌、または腸癌である。
一実施形態では、がんは、骨肉腫である。
一実施形態では、がんは、脂肪肉腫である。
一実施形態では、がんは、ユーイング肉腫である。
一実施形態では、がんは、脂肪肉腫、軟部組織肉腫、骨肉腫、食道癌、およびB細胞悪性腫瘍を含むある特定の小児悪性腫瘍である。
一実施形態では、がんは、結腸直腸癌、乳癌、肺癌、および脳癌である。
一実施形態では、がんは、小児癌である。
特定のがんがMDM2阻害剤に感受性があるがんであるかは、「診断方法」という見出しの節に記載の方法によって決定され得る。
さらなる態様は、本明細書に記載の疾患または状態、具体的には、がんの治療のための薬剤を製造するための化合物の使用を提供する。
ある特定のがんは、特定の薬物での治療に耐性がある。これは、腫瘍の種類に起因し得るか(最も一般的な上皮悪性腫瘍は、本質的に化学療法抵抗性であり、前立腺は、現在利用可能な化学療法または放射線療法のレジメンに比較的耐性がある)、または耐性は、疾患が進行するにつれて自発的に、もしくは治療の結果として生じ得る。この点に関して、前立腺への言及は、抗アンドロゲン療法、具体的には、アビラテロンもしくはエンザルタミドに対して耐性を示す前立腺、または去勢抵抗性前立腺を含む。同様に、多発性骨髄腫への言及は、ボルテゾミブ非感受性多発性骨髄腫または不応性多発性骨髄腫を含み、慢性骨髄性白血病への言及は、イミタニブ非感受性慢性骨髄性白血病および不応性慢性骨髄性白血病を含む。この点に関して、中皮腫への言及は、トポイソメラーゼ毒素、アルキル化剤、抗チューブリン剤、抗葉酸剤、白金化合物、および放射線療法に対して耐性を示す中皮腫、具体的には、シスプラチン耐性中皮腫を含む。
化合物は、腫瘍成長の治療に、病理発生に、細胞を化学療法に感作させることによる化学および放射線療法への耐性に、かつ抗転移薬としても有用であり得る。
全ての種類の治療的抗がん介入は、標的腫瘍細胞にかけられるストレスを必然的に増加させる。MDM2/p53の阻害剤は、以下の可能性を有する化学療法薬のクラスを代表する:(i)悪性細胞を抗がん剤および/または治療に感作させること、(ii)抗がん剤および/または治療に対する耐性を緩和するか、またはその発生率を低減すること、(iii)抗がん剤および/または治療に対する耐性を逆転させること、(iv)抗がん剤および/または治療の活性を増強すること、(v)抗がん剤および/または治療に対する耐性の発現を遅延させるか、または防止すること。
一実施形態では、本発明は、MDM2によって媒介される疾患または状態の治療に使用するための化合物を提供する。さらなる実施形態では、MDM2によって媒介される疾患または状態は、MDM2の過剰発現および/もしくは活性の増加、または高コピー数のMDM2および/もしくは野生型p53を特徴とするがんである。
さらなる態様は、本明細書に記載の疾患または状態、具体的には、がんの治療のための薬剤を製造するための化合物の使用を提供する。
一実施形態では、MDM2/p53によって媒介される疾患または状態の予防または治療に使用するための化合物せが提供される。一実施形態では、MDM2タンパク質とp53との間の相互作用を阻害するための化合物が提供される。
一実施形態では、定義される少なくとも1つの化合物の有効量を含む薬学的組成物が提供される。本発明のさらなる態様では、本明細書で定義される化合物が提供される。
一実施形態では、哺乳動物に、定義される少なくとも1つの化合物を含む薬剤を投与するステップを含む、がんを予防または治療するための方法が提供される。
診断方法
式(1)の化合物を投与する前に、患者は、患者が罹患しているか、または罹患しているかもしれない疾患または状態が、Mdm2/p53を阻害する化合物での治療に感受性があるものであるかを決定するためにスクリーニングされ得る。「患者」という用語は、ヒトおよび霊長類等の獣医学的対象、具体的には、ヒト患者を含む。
例えば、患者から採取される生物学的試料は、患者が罹患しているか、または罹患しているかもしれないがん等の状態または疾患が、MDM2レベルの上方調節またはMDM2/p53の生化学的経路下流の上方調節につながる遺伝的異常または異常なタンパク質発現を特徴とするものであるかを決定するために分析され得る。
MDM2発現、受容体もしくはそれらのリガンド上方調節、細胞遺伝学的異常、または受容体もしくはリガンドの突然変異体バリアントの存在に影響を及ぼす、MDM2の活性化もしくは感作、調節経路の喪失、または阻害をもたらす異常の例。MDM2/p53、具体的には、MDM2の過剰発現の上方調節を有するか、または野生型p53を呈する腫瘍は、MDM2/p53の阻害剤に特に感受性があり得る。例えば、序文の節で論じられるように、MDM2増幅および/またはp14ARF等のその負の調節因子の欠失が、様々ながんにおいて特定されている。
上方調節という用語は、遺伝子増幅(すなわち、複数の遺伝子コピー)、細胞遺伝学的異常、および転写または翻訳後効果による発現の増加を含む、高度発現または過剰発現を含む。したがって、患者は、MDM2の上方調節の特徴を示すマーカーを検出するための診断検査に供され得る。診断という用語は、スクリーニングを含む。マーカーには、例えば、p53における突然変異の存在またはMDM2の増幅またはp14ARFの欠失(喪失)を特定するためのDNA組成の測定値を含む、遺伝子マーカーが含まれる。マーカーという用語は、前述のタンパク質のタンパク質レベル、タンパク質状態、およびmRNAレベルを含む、MDM2/p53の上方調節の特徴を示すマーカーも含む。遺伝子増幅は、7コピー超、ならびに2〜7コピーの獲得を含む。
診断検査およびスクリーニングは、典型的には、腫瘍生検試料、血液試料(脱落腫瘍細胞の単離および富化)、脳脊髄液、血漿、血清、唾液、便生検、痰、染色体分析、胸膜液、腹水、口腔スメア、皮膚生検、または尿から選択される生物学的試料(すなわち、体内組織または体液)で行われる。
タンパク質の細胞遺伝学的異常、遺伝子増幅、突然変異、および上方調節を特定および分析する方法は、当業者に既知である。スクリーニング方法には、標準方法、例えば、従来のサンガーもしくは次世代配列決定方法によるDNA配列分析、逆転写ポリメラーゼ連鎖反応(RT−PCR)、RNA配列決定(RNAseq)、ナノストリングハイブリダイゼーション近接性RNA nCounterアッセイ、またはインサイチュハイブリダイゼーション、例えば、蛍光インサイチュハイブリダイゼーション(FISH)、または対立遺伝子特異的ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)が含まれ得るが、これらに限定されない。
RT−PCRによるスクリーニングの際に、腫瘍のmRNAレベルは、mRNAのcDNAコピーを作成し、続いて、PCRによってcDNAを増幅することによって評価される。PCR増幅方法、プライマーの選択方法、および増幅のための条件は、当業者に知られている。核酸操作およびPCRは、例えば、Ausubel,F.M.et al.,eds.(2004)Current Protocols in Molecular Biology,John Wiley&Sons Inc.、またはInnis,M.A.et al.,eds.(1990)PCR Protocols:a guide to methods and applications,Academic Press,San Diegoに記載の標準方法によって行われる。核酸技法を伴う反応および操作も、Sambrook et al.,(2001),3rd Ed,Molecular Cloning:A Laboratory Manual,Cold Spring Harbor Laboratory Pressに記載されている。あるいは、RT−PCRのための市販のキット(例えば、Roche Molecular Biochemicals)、または米国特許第4,666,828号、同第4,683,202号、同第4,801,531号、同第5,192,659号、同第5,272,057号、同第5,882,864号、および同第6,218,529号に記載され、参照により本明細書に組み込まれる手法が使用され得る。mRNA発現を評価するためのインサイチュハイブリダイゼーション技法の例は、蛍光インサイチュハイブリダイゼーション(FISH)であろう(Angerer(1987)Meth.Enzymol.,152:649を参照のこと)。
一般に、インサイチュハイブリダイゼーションは、以下の主要なステップを含む。(1)分析される組織の固定、(2)標的核酸の到達性を増加させ、かつ非特異的結合を低減するための試料のハイブリダイゼーション前処置、(3)核酸混合物の生物学的構造または組織における核酸へのハイブリダイゼーション、(4)ハイブリダイゼーションにおいて結合しなかった核酸断片を除去するためのハイブリダイゼーション後洗浄、および(5)ハイブリダイズされた核酸断片の検出。かかる用途において使用されるプローブは、典型的には、例えば、放射性同位体または蛍光レポーターで標識される。ある特定のプローブは、ストリンジェントな条件下で標的核酸(複数可)との特異的なハイブリダイゼーションを可能にするのに十分に長く、例えば、約50、100、または200ヌクレオチド長〜約1000ヌクレオチド長である。FISHを行うための標準方法は、Ausubel,F.M.et al.,eds.(2004)Current Protocols in Molecular Biology,John Wiley&Sons Inc and Fluorescence In Situ Hybridization:Technical Overview by John M.S.Bartlett in Molecular Diagnosis of Cancer,Methods and Protocols,2nd ed.;ISBN:1−59259−760−2;March 2004,pps.077−088;Series:Methods in Molecular Medicineに記載されている。
遺伝子発現を特性付けるための方法は、(DePrimo et al.(2003),BMC Cancer,3:3)によって説明されている。簡潔には、プロトコルは次の通りである:(dT)24オリゴマーを使用してポリアデニル化mRNAから第1鎖cDNA合成をプライミングし、続いてランダム六量体プライマーで第2鎖cDNA合成をプライミングして、二本鎖cDNAが総RNAから合成される。二本鎖cDNAは、ビオチン化リボヌクレオチドを使用したcRNAのインビトロ転写の鋳型として使用される。cRNAは、Affymetrix(Santa Clara,CA,USA)によって説明されるプロトコルに従って化学的に断片化され、その後、ヒトゲノムアレイ上の遺伝子特異的オリゴヌクレオチドプローブに一晩ハイブリダイズされる。あるいは、DNAマイクロアレイの一種である一塩基多型(SNP)アレイを使用して、集団内の多型を検出することができる。
あるいは、mRNAから発現されるタンパク質産物は、腫瘍試料の免疫組織化学、マイクロタイタープレートでの固相免疫アッセイ、ウエスタンブロット法、二次元SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動、ELISA、フローサイトメトリー、および当該技術分野で既知の特定のタンパク質を検出するための他の方法、例えば、キャピラリー電気泳動によってアッセイされ得る。検出方法は、部位特異的抗体の使用を含むであろう。当業者であれば、全てのかかる周知の技法が、本事例において、MDM2およびp53上方調節の検出、MDM2もしくはp53バリアントもしくは変異体の検出、またはMDM2の負の調節因子の喪失の検出に使用され得ることを認識するであろう。
MDM2またはp53等のタンパク質の異常なレベルは、標準のタンパク質アッセイ、例えば、本明細書に記載のアッセイを使用して測定され得る。高レベルまたは過剰発現は、Chemicon Internationalのアッセイ等のアッセイでタンパク質レベルを測定することによって、組織試料、例えば、腫瘍組織中で検出することもできる。目的とするタンパク質は、試料溶解物から免疫沈降され、そのレベルが測定される。アッセイ方法は、マーカーの使用も含む。
言い換えれば、p53およびMDM2過剰発現は、腫瘍生検によって測定され得る。
遺伝子コピー変化を評価するための方法には、細胞遺伝学的研究室で一般に使用されている技法、例えば、MLPA(マルチプレックスライゲーション依存性プローブ増幅)、異常なコピー数を検出するマルチプレックスPCR方法、または遺伝子増幅、獲得、および欠失を検出することができる他のPCR技法が含まれる。
適切な場合、元機能性(ex−functional)アッセイ、例えば、がん患者における循環する白血病細胞の測定を利用して、MDM2/p53阻害剤での攻撃に対する応答を評価することもできる。
したがって、これらの技法の全てを使用して、本発明の化合物での治療に特に好適な腫瘍を特定することもできる。
したがって、本発明のさらなる態様では、スクリーニングされて、MDM2/p53阻害剤での治療に感受性があるであろう疾患または状態に罹患しているか、または罹患している危険性があると決定された患者における病状または状態の治療または予防のための薬剤を製造するための本発明による化合物の使用を含む。
本発明の別の態様は、MDM2の増幅を有する部分集団から選択される患者におけるがんの予防または治療に使用するための本発明の化合物を含む。
本発明の別の態様は、p53野生型を有する部分集団から選択される患者におけるがんの予防または治療に使用するための本発明の化合物を含む。
本発明の別の態様は、p14ARF等のMDM2の負の調節因子の喪失を有する患者におけるがんの予防または治療に使用するための本発明の化合物を含む。
血管正規化のMRI決定(例えば、MRI勾配エコー、スピンエコー、およびコントラスト促進法を使用して、血液量、相対的な欠陥サイズ、および血管透過性を測定する)を、循環するバイオマーカーと組み合わせて使用して、本発明の化合物での治療に好適な患者を特定することもできる。
したがって、本発明のさらなる態様は、MDM2/p53によって媒介される病状または状態を診断および治療するための方法であり、この方法は、(i)患者をスクリーニングして、患者が罹患しているか、または罹患しているかもしれない疾患または状態がMDM2/p53阻害剤での治療に感受性があるものであるかを決定することと、(ii)患者が疾患または状態にこのようにして感受性があることが示された場合、その後、患者に本明細書で定義される式(1)の化合物およびその部分群または例を投与することとを含む。
本発明の化合物の利点
式(1)の化合物は、先行技術の化合物に優るいくつかの利点を有する。本発明の化合物は、以下の態様のうちの1つ以上において特別な利点を有し得る。
(i)優れた効力、
(ii)優れたインビボ有効性、
(iii)優れたPK、
(iv)優れた代謝的安定性、
(v)優れた経口バイオアベイラビリティ、および
(vi)優れた生理化学的特性。
優れた効力およびインビボ有効性
式(1)の化合物は、MDM2への増加した親和性、および具体的には、MDM2アンタゴニストに感受性があることが知られている細胞株に対して増加した細胞効力を有する。
強化された標的結合は、薬物投薬量の低減およびMDM2活性と毒作用との間の良好な分離(「治療濃度域」)を可能にするため、薬学的化合物において非常に望ましい特性である。
式(1)の化合物は、改善された細胞効力および/またはp53野生型対変異体p53細胞株への改善された選択性を有する。MDM2に対する増加した効力の結果として、本発明の化合物は、がん細胞株およびインビボモデルにおいて増加したインビボ有効性を有し得る。加えて、本化合物は、MDMXおよびMDM2の遺伝子パラログ間の類似した配列、構造的類似性、および機能的類似性にもかかわらず、MDMXよりもMDM2に選択性を示す。
優れたPKおよび代謝的安定性
式(1)の化合物は、有益なADMET特性、例えば、より良好な代謝的安定性(例えば、マウス肝臓ミクロソームで決定される)、より良好なP450プロファイル、短い半減期、および/または有益なクリアランス(例えば、低または高クリアランス)を有し得る。式(1)の多くの化合物が改善されたPKプロファイルを有することも見出されている。
これらの特徴は、体循環内でより多くの薬物が利用可能になり、適切な作用部位に到達してその治療効果を発揮するという利点を付与し得る。増加した薬物濃度が腫瘍において薬理学的作用を発揮することにより、改善された有効性がもたらされる可能性があり、それにより、投与される投薬量の低減が可能になる。したがって、式(1)の化合物は、必要投薬量の低減を呈するはずであり、より容易に製剤化および投与されるはずである。
これにより、MDM2活性と毒作用との間の良好な分離(「治療濃度域」)がもたらされる。式(1)の多くの化合物は、有効性に必要とされるCmaxの低減を有する(より良好なMDM2効力および/またはPKのため)。
優れた経口バイオアベイラビリティ
潜在的には、本発明の化合物は、経口曝露(経口曝露またはAUC)に好適な生理化学的特性を有する。具体的には、式(1)の化合物は、改善された経口バイオアベイラビリティまたは改善された経口吸収の再現性を呈し得る。経口バイオアベイラビリティは、経口経路によって投薬されたときの化合物の血漿中曝露量の、静脈内(i.v.)経路によって投薬されたときの化合物の血漿中曝露量に対する比率(F)としてパーセンテージで表したものと定義され得る。
10%、20%、または30%を超える、より具体的には、40%を超える経口バイオアベイラビリティ(F値)を有する化合物は、それらが、非経口投与ではなく、または非経口投与と同様に、経口投与され得るという点で、特に有益である。
優れた生理化学的特性
式(1)の化合物は、有益な生理化学的特性、具体的には、酸性条件下での化学的安定性および低減された親油性を有し得る。
親油性は、分配係数(partition−coefficient)(logP)または分配係数(distribution−coefficient)(logD)を使用して測定され得る。分配係数(partition coefficient)が、平衡状態にある2つの非混和性相(n−オクタノールおよび水)間のイオン化されていない化合物の濃度の比率である一方で、分配係数(distribution coefficient)は、2つの相の各々における全ての形態の化合物(イオン化と非イオン化)の濃度の合計の比率である。高親油性は、低い水溶解度、不良な薬物動態特性(低い経口バイオアベイラビリティ)、望ましくない薬物代謝、および高多様性(high promiscuity)等の不良な薬物様特性と関連している。最適な親油性を有する化合物は、薬物開発において成功する可能性がより高いであろう。しかしながら、タンパク質−タンパク質相互作用(PPI)の阻害に許容されるレベルの効力を保持しながら、低減されたlogP(またはlogP計算値、clogP)を達成することは、関与する標的の親油性性質のため、困難であり得る。
薬学的製剤
活性化合物が単独で投与されることが可能である一方で、それは、一般に、薬学的組成物(例えば、製剤)として提示される。
したがって、本発明は、上記に定義される薬学的組成物と、少なくとも1つの式(1)の化合物(および本明細書で定義されるその部分群)を、1つ以上の薬学的に許容される賦形剤、および任意に本明細書に記載の他の治療薬または予防薬と一緒に含む(例えば、混合する)薬学的組成物を作製する方法とをさらに提供する。
薬学的に許容される賦形剤(複数可)は、例えば、担体(例えば、固体、液体、もしくは半固体担体)、アジュバント、希釈剤、充填剤もしくは増量剤、造粒剤、コーティング剤、放出制御剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、防腐剤、抗酸化剤、緩衝剤、懸濁化剤、増粘剤、香味剤、甘味料、矯味剤、安定剤、または薬学的組成物中で従来使用されている任意の他の賦形剤から選択され得る。様々な種類の薬学的組成物のための賦形剤の例は、以下により詳細に記載される。
本明細書で使用される「薬学的に許容される」という用語は、正しい医学的判断の範囲内で、妥当な利益/リスク比に相応の、過度の毒性、刺激、アレルギー応答、または他の問題もしくは合併症なしで、対象(例えば、ヒト対象)の組織と接触させて使用するのに好適な化合物、材料、組成物、および/または剤形に関する。各賦形剤も、製剤の他の成分と相溶性であるという意味で「許容される」ものでなければならない。
式(1)の化合物を含む薬学的組成物は、既知の技法に従って製剤化され得、例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences,Mack Publishing Company,Easton,PA,USAを参照されたい。
薬学的組成物は、経口、非経口、局所、経鼻、気管支内、舌下、眼内、耳内、直腸、膣内、または経皮投与に好適な任意の形態であり得る。組成物が非経口投与を対象とする場合、それらは、静脈内、筋肉内、腹腔内、皮下投与用に、または注射、注入、もしくは他の送達手段による標的臓器もしくは組織内への直接送達用に製剤化され得る。送達は、ボーラス注射、短期注入、またはより長期の注入によるものであり得、受動的送達を介するか、または好適な注入ポンプもしくはシリンジドライバの利用によるものであり得る。
非経口投与に適合された薬学的製剤には、抗酸化剤、緩衝液、静菌薬、共溶媒、界面活性剤、有機溶媒混合物、シクロデキストリン錯体形成剤、乳化剤(乳濁液製剤を形成および安定化するため)、リポソームを形成するためのリポソーム構成成分、ポリマーゲルを形成するためのゲル化用ポリマー、凍結乾燥防止剤、および、とりわけ、有効成分を可溶形態で安定化し、かつ製剤を対象とするレシピエントの血液と等張性にするための薬剤の組み合わせを含有し得る水性および非水性滅菌注射溶液が含まれる。非経口投与用の薬学的製剤は、懸濁化剤および増粘剤を含み得る水性および非水性滅菌懸濁液の形態もとり得る(R.G.Strickly,Solubilizing Excipients in oral and injectable formulations,Pharmaceutical Research,Vol 21(2)2004,p 201−230)。
製剤は、単位用量または複数投与容器、例えば、密封アンプル、バイアル、およびプレフィルドシリンジ中に提示され得、使用直前に、滅菌液体担体、例えば、注射用水の添加のみを必要とする凍結乾燥(freeze−dried)(凍結乾燥(lyophilised))条件下で保管され得る。一実施形態では、製剤は、後に適切な希釈剤を使用して再構成するために、薬学的有効成分として瓶中に提供される。
薬学的製剤は、式(1)の化合物またはその部分群を凍結乾燥させることによって調製され得る。凍結乾燥(lyophilisation)とは、組成物を凍結乾燥させる(freeze−drying)手順を指す。したがって、凍結乾燥(freeze−drying)および凍結乾燥(lyophilisation)は、本明細書で同義語として使用される。
即時注射溶液および懸濁液は、滅菌粉末、顆粒、および錠剤から調製され得る。
非経口注射用の本発明の薬学的組成物は、使用直前に滅菌注入用溶液または分散液に再構築するために、薬学的に許容される滅菌水性または非水性溶液、分散液、懸濁液、または乳濁液、ならびに滅菌粉末も含み得る。好適な水性および非水性担体、希釈剤、溶媒、またはビヒクルの例としては、水、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール等)、カルボキシメチルセルロース、およびそれらの好適な混合物、植物油(例えば、ヒマワリ油、紅花油、トウモロコシ油、またはオリーブ油)、ならびにオレイン酸エチル等の注射用有機エステルが挙げられる。適切な流動性が、例えば、レシチン等の増粘剤の使用によって、分散液の場合は要求される粒径の維持によって、かつ界面活性剤の使用によって維持され得る。
本発明の組成物は、アジュバント、例えば、防腐剤、湿潤剤、乳化剤、および分散剤も含み得る。微生物の作用の防止は、様々な抗菌剤および抗真菌剤、例えば、パラベン、クロロブタノール、フェノール、ソルビン酸等の包含によって確実にされ得る。糖、塩化ナトリウム等の等張性を調整する薬剤を含むことも望ましくあり得る。注射用医薬品形態の長期吸収は、モノステアリン酸アルミニウムおよびゼラチン等の吸収を遅延させる薬剤の包含によってもたらされ得る。
本発明の典型的な一実施形態では、薬学的組成物は、静脈内投与、例えば、注射または注入による投与に好適な形態である。静脈内投与の場合、溶液は、そのままの状態で投薬され得るか、または、投与前に、注入バッグ(0.9%食塩水または5%デキストロース等の薬学的に許容される賦形剤を含有する)中に注入され得る。
別の典型的な実施形態では、薬学的組成物は、皮下(s.c.)投与に好適な形態である。
経口投与に好適な薬学的剤形には、錠剤(コーティングされたものまたはコーティングされていないもの)、カプセル(硬質シェルまたは軟質シェル)、カプレット、丸剤、トローチ剤、シロップ剤、溶液、粉末、顆粒、エリキシル剤および懸濁液、舌下錠剤、ウエハース、または頬パッチ等のパッチが含まれる。
したがって、錠剤組成物は、活性化合物の単位投薬量を、糖または糖アルコール、例えば、ラクトース、スクロース、ソルビトール、もしくはマンニトール、ならびに/あるいは炭酸ナトリウム、リン酸カルシウム、炭酸カルシウム、またはセルロースもしくはその誘導体、例えば、微晶質セルロース(MCC)、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、およびトウモロコシデンプン等のデンプン等の非糖由来の希釈剤等の不活性希釈剤または担体と一緒に含み得る。錠剤は、結合剤および造粒剤、例えば、ポリビニルピロリドン、崩壊剤(例えば、架橋カルボキシメチルセルロース等の膨潤性架橋ポリマー)、滑沢剤(例えば、ステアリン酸塩)、防腐剤(例えば、パラベン)、抗酸化剤(例えば、BHT)、緩衝剤(例えば、リン酸またはクエン酸緩衝液)、およびクエン酸塩/重炭酸塩混合物等の発泡剤等の標準成分も含み得る。かかる賦形剤は、よく知られており、本明細書で詳細に論じられる必要はない。
錠剤は、薬物を、胃液との接触時に放出する(即時放出錠剤)か、または長期間にわたってまたは消化管の特定の領域で、制御された様式で放出する(放出制御錠剤)かのいずれかが行われるように設計され得る。
カプセル製剤は、硬ゼラチン種または軟ゼラチン種のものであり得、活性構成成分を固体、半固体、または液体形態で含み得る。ゼラチンカプセルは、動物ゼラチンまたはその合成もしくは植物由来の同等物から形成され得る。
固体剤形(例えば、錠剤、カプセル等)は、コーティングされていてもコーティングされていなくてもよい。コーティングは、保護膜(例えば、ポリマー、ろう、もしくはニス)、または薬物放出を制御するための機構または審美的目的もしくは識別目的のための機構のいずれかとして機能する。コーティング(例えば、Eudragit(商標)型のポリマー)は、活性構成成分を消化管内の所望の場所で放出するように設計され得る。したがって、コーティングは、ある特定のpH条件下で消化管内で分解し、それにより、化合物を胃、または回腸、十二指腸、空腸、もしくは結腸中で選択的に放出するように選択され得る。
コーティングの代わりに、またはコーティングに加えて、薬物は、放出制御剤、例えば、化合物を消化管内に制御された様式で放出するように適合され得る放出遅延剤を含む固体マトリックス中に提示され得る。あるいは、薬物は、化合物を様々な酸度またはアルカリ度条件下で消化管内に選択的に放出するように適合され得るポリマーコーティング、例えば、ポリメタクリレートポリマーコーティング中に提示され得る。あるいは、マトリックス材料または放出遅滞コーティングは、剤形が消化管を通過すると実質的に連続して浸食する浸食性ポリマー(例えば、無水マレイン酸ポリマー)の形態をとり得る。別の代替例では、コーティングは、腸内の微生物作用下で崩壊するように設計され得る。さらなる代替例として、活性化合物は、化合物の放出の浸透圧制御を提供する送達系中に製剤化され得る。浸透圧放出および他の遅延放出または持続放出製剤(例えば、イオン交換樹脂に基づく製剤)は、当業者に周知の方法に従って調製され得る。
式(1)の化合物は、担体とともに製剤化され得、ナノ粒子の形態で投与され得、ナノ粒子の表面積の増加がそれらの吸収を助ける。加えて、ナノ粒子は、細胞中への直接透過の可能性を提供する。ナノ粒子薬物送達系は、「Nanoparticle Technology for Drug Delivery」(Ram B GuptaおよびUday B.Kompellaによる編集)Informa Healthcare,ISBN 9781574448573(2006年3月13日刊行)に記載されている。薬物送達用のナノ粒子も、J.Control.Release,2003,91(1−2),167−172、およびSinha et al.,Mol.Cancer Ther.August 1,(2006)5,1909に記載されている。
薬学的組成物は、典型的には、およそ1w/w%〜およそ95%の有効成分および99w/w%〜5w/w%の薬学的に許容される賦形剤または賦形剤の組み合わせを含む。典型的には、本組成物は、およそ20w/w%〜およそ90w/w%%の有効成分および80w/w%〜10%の薬学的に許容される賦形剤または賦形剤の組み合わせを含む。薬学的組成物は、およそ1%〜およそ95%、典型的にはおよそ20%〜およそ90%の有効成分を含む。本発明による薬学的組成物は、例えば、アンプル、バイアル、坐薬、プレフィルドシリンジ、糖衣錠、錠剤、またはカプセルの形態等の単位用量形態であり得る。
薬学的に許容される賦形剤(複数可)は、製剤の所望の物理的形態に従って選択され得、例えば、希釈剤(例えば、充填剤または増量剤等の固体希釈剤、ならびに溶媒および共溶媒等の液体希釈剤)、崩壊剤、緩衝剤、滑沢剤、流動助剤、放出制御剤(例えば、放出遅滞または遅延ポリマーまたはろう)、結合剤、造粒剤、色素、可塑剤、抗酸化剤、防腐剤、香味剤、矯味剤、等張調整剤、およびコーティング剤から選択され得る。
当業者であれば、製剤に使用するための成分の適切な量の選択に関する専門知識を有するであろう。例えば、錠剤およびカプセルは、典型的には、0〜20%の崩壊剤、0〜5%の滑沢剤、0〜5%の流動助剤、および/または0〜99w/w%の充填剤/もしくは増量剤(薬物用量に応じて)を含む。それらは、0〜10w/w%のポリマー結合剤、0〜5w/w%の抗酸化剤、0〜5w/w%の色素も含み得る。加えて、緩徐放出錠剤は、0〜99w/w%のポリマー(用量に応じて)を含むであろう。錠剤またはカプセルの膜コーティングは、典型的には、0〜10w/w%の放出制御(例えば、遅延)ポリマー、0〜3w/w%の色素、および/または0〜2w/w%の可塑剤を含む。
非経口製剤は、典型的には、0〜20w/w%の緩衝液、0〜50w/w%の共溶媒、および/または0〜99w/w%の注射用水(WFI)(用量に応じて、かつ凍結乾燥させた場合)を含む。筋肉内デポー用の製剤は、0〜99w/w%の油も含み得る。
経口投与用の薬学的組成物は、有効成分を固体担体と組み合わせ、所望の場合、結果として得られた混合物を造粒し、所望の場合または必要に応じて、適切な賦形剤を、錠剤、糖衣錠コア、またはカプセルに添加した後に、混合物を加工することによって得られ得る。有効成分が測定された量で拡散するか、または放出されることを可能にするポリマーまたはろう状マトリックス中にそれらを組み込むことも可能である。
本発明の化合物は、固体分散液として製剤化される場合もある。固体分散液は、2つ以上の固体の均質な非常に細かい分散相である。製薬技術に使用するための固体分散液の一種である固体溶液(分子分散系)がよく知られており(Chiou and Riegelman,J.Pharm.Sci.,60,1281−1300(1971)を参照のこと)、溶解速度の増加および水難溶性薬物のバイオアベイラビリティの増加に有用である。
本発明は、本明細書に記載の固体溶液を含む固体剤形も提供する。固体剤形には、錠剤、カプセル、咀嚼錠剤、および分散性錠剤または発泡錠が含まれる。既知の賦形剤を固溶体とブレンドして、所望の剤形を提供することができる。例えば、カプセルは、(a)崩壊剤および滑沢剤、または(b)崩壊剤、滑沢剤、および界面活性剤とブレンドされた固溶体を含み得る。加えて、カプセルは、ラクトースまたは微晶質セルロース等の増量剤を含み得る。錠剤は、少なくとも1つの崩壊剤、滑沢剤、界面活性剤、増量剤、および流動促進剤とブレンドされた固溶体を含み得る。咀嚼錠剤は、増量剤、滑沢剤、所望の場合、追加の甘味料(人口甘味料等)、および好適な風味とブレンドされた固溶体を含み得る。固溶体は、糖ビーズ(「ノンパレイユ」)等の不活性担体の表面上に薬物溶液および好適なポリマーを噴霧することによって形成され得る。その後、これらのビーズは、カプセルに充填され得るか、または錠剤に圧縮され得る。
薬学的製剤は、単一のパッケージ、通常はブリスターパックに全治療過程を含む「患者パック」で患者に提示され得る。患者パックは、患者が、患者の処方箋には通常欠けている患者パックに収容された添付文書を常に参照できるという点で、薬剤師が患者の医薬品補給分をバルク補給分から分割する従来の処方箋に優る利点を有する。添付文書の包含は、医師の説明書とともに、患者コンプライアンスを改善することが示されている。
局所使用および経鼻送達用の組成物には、軟膏、クリ−ム剤、スプレー、パッチ、ゲル、液滴、およびインサート(例えば、眼内インサート)が含まれる。かかる組成物は、既知の方法に従って製剤化され得る。
直腸または膣内投与用の製剤の例としては、例えば活性化合物を含む形作られた成形用またはろう状材料から形成され得るペッサリーおよび坐薬が挙げられる。活性化合物の溶液も、直腸投与に使用され得る。
吸入による投与用の組成物は、吸入可能な粉末組成物または液体または粉末スプレーの形態をとり得、粉末吸入器デバイスまたはエアロゾル分散デバイスを使用して標準形態で投与され得る。かかるデバイスはよく知られている。吸入による投与の場合、粉末化製剤は、典型的には、活性化合物を、ラクトース等の不活性固体粉末化希釈剤と一緒に含む。
式(1)の化合物は、一般に、単位剤形で提示され、したがって、典型的には、所望の生物学的活性レベルを提供するのに十分な化合物を含む。例えば、製剤は、1ナノグラム〜2グラムの有効成分、例えば、1ナノグラム〜2ミリグラムの有効成分を含み得る。これらの範囲内で、化合物の特定の部分範囲は、0.1ミリグラム〜2グラムの有効成分(より通常は10ミリグラム〜1グラム、例えば、50ミリグラム〜500ミリグラム)、または1マイクログラム〜20ミリグラム(例えば、1マイクログラム〜10ミリグラム、例えば、0.1ミリグラム〜2ミリグラムの有効成分)である。
経口組成物の場合、単位剤形は、1ミリグラム〜2グラム、より典型的には、10ミリグラム〜1グラム、例えば、50ミリグラム〜1グラム、例えば、100ミリグラム〜1グラムの活性化合物を含み得る。
活性化合物は、それを必要とする患者(例えば、ヒトまたは動物患者)に、所望の治療効果を達成するのに十分な量で投与される。
治療方法
式(1)の化合物および本明細書で定義される部分群わせは、MDM2/p53によって媒介される様々な病状または状態の予防または治療に有用であり得る。かかる病状および状態の例は、上に記載されている。
化合物は、一般に、かかる投与を必要とする対象、例えば、ヒトまたは動物患者、典型的にはヒトに投与される。
化合物は、典型的には、治療的または予防的に有用であり、かつ一般に非毒性である量で投与される。しかしながら、ある特定の状況では(例えば、生命にかかわる疾患の場合)、式(1)の化合物を投与する利点は、いずれの毒作用または副作用の不利点に勝る場合があり、その場合、化合物を毒性の程度に関連する量で投与することが望ましいとみなされ得る。
化合物は、有益な治療効果を維持するために長期間にわたって投与され得るか、または短期間のみ投与され得る。あるいは、組み合わせは、継続的な様式で、または断続的な投薬を提供する様式(例えば、パルス様式)で投与され得る。
式(1)の化合物の典型的な1日用量は、体重1kg当たり100ピコグラム〜100ミリグラム、より典型的には体重1kg当たり5ナノグラム〜25ミリグラム、より通常は体重1kg当たり10ナノグラム〜15ミリグラム(例えば、10ナノグラム〜10ミリグラム、より典型的には1マイクログラム/kg〜20ミリグラム/kg、例えば、1マイクログラム〜10ミリグラム/kg)の範囲であり得るが、必要に応じて、より高いまたはより低い用量が投与され得る。式(1)の化合物は、毎日投与され得るか、例えば、2日毎、または3日毎、または4日毎、または5日毎、または6日毎、または7日毎、または10日毎、または14日毎、または21日毎、または28日毎に繰り返し投与され得る。
投薬量は、患者の体表面積に対する投与される薬物の量(mg/m)でも表され得る。式(1)の化合物の典型的な1日用量は、3700 pg/m2〜3700mg/m2、より典型的には185 ng/m2〜925mg/m2、より通常は370 ng/m2〜555mg/m2(例えば、370 ng/m2〜370mg/m2、より典型的には37mg/m2〜740mg/m2、例えば、37mg/m2〜370mg/m2)の範囲であり得るが、必要に応じて、より高いまたはより低い用量が投与され得る。式(1)の化合物は、毎日投与され得るか、例えば、2日毎、または3日毎、または4日毎、または5日毎、または6日毎、または7日毎、または10日毎、または14日毎、または21日毎、または28日毎に繰り返し投与され得る。
本発明の化合物は、例えば、0.1〜5000mg、または1〜1500mg、2〜800mg、または5〜500mg、例えば、2〜200mgまたは10〜1000mgの用量範囲で、経口投与され得、用量の具体的な例としては、10、20、50、および80mgが挙げられる。化合物は、1日1回または1日2回以上投与され得る。化合物は、継続的に投与され得る(すなわち、治療レジメンの持続期間にわたって中断なしに毎日服用され得る)。あるいは、化合物は、断続的に投与され得る(すなわち、治療レジメンの持続期間全体を通して、1週間等の所与の期間にわたって継続的に服用され、その後、1週間等の期間にわたって中断され、その後、1週間等の別の期間にわたって継続的に服用され、それ以降も同様に服用/中断され得る)。断続的な投与を伴う治療レジメンの例としては、投与が、1周期以上にわたって、例えば、2、3、4、5、6、7、8、9、または10周期以上にわたって、1週間服用、1週間中断、または2週間服用、1週間中断、または3週間服用、1週間中断、または2週間服用、2週間中断、または4週間服用、2週間中断、または1週間服用、3週間中断のサイクルであるレジメンが挙げられる。この不連続の治療は、週ではなく日数にも基づき得る。例えば、治療は、1〜6日間にわたる毎日投薬、1〜6日間にわたる無投薬で構成され得、このパターンが治療プロトコル中に繰り返され得る。本発明の化合物が投薬されない日(または週)数は、必ずしも、本発明の化合物が投薬される日(または週)数と等しくある必要はない。
一実施形態では、本発明の化合物は、1日3mg/m〜125mg/mで投与され得る。治療は、連続的な毎日の投薬によるものであり得、より通常は、治療中断によって隔てられた複数の治療周期からなり得る。単一の治療周期の一例は、1日用量を5日連続、続いて、無治療を3週間である。
具体的な一投薬レジメンは、1週間にわたって(例えば、5日間の治療)1日1回(例えば、経口)、続いて、1、2、または3週間の治療中断である。代替の投薬レジメンは、1、2、3、または4週間にわたって週に1回(例えば、経口)である。
1つの特定の投薬スケジュールでは、患者は、1日1時間、最大10日間、具体的には、1週間にわたって最大5日間、式(1)の化合物の注入が行われ、治療は、所望の間隔で、例えば、2〜4週間、具体的には、3週間毎に繰り返される。
より具体的には、患者は、1日1時間、5日間にわたって、式(1)の化合物の注入が行われ、治療は、3週間毎に繰り返される。
別の特定の投薬スケジュールでは、患者は、30分間〜1時間にわたって注入が行われ、続いて、様々な持続時間、例えば、1〜5時間、例えば、3時間、注入が維持される。
本発明の化合物は、ボーラスまたは持続注入によっても投与され得る。本発明の化合物は、治療周期中、毎日〜週1回、または2週間に1回、または3週間に1回、または4週間に1回、投与され得る。治療周期中に毎日投与される場合、この毎日の投薬は、治療周期の週数にわたって不連続であり得、例えば、1週間(または数日間)投薬され、1週間(または数日間、投薬されず、このパターンが治療周期中に繰り返される。
さらなる特定の投薬スケジュールでは、患者は、12時間〜5日間にわたって持続注入が行われ、具体的には、24時間〜72時間にわたって持続注入が行われる。
しかしながら、最終的には、投与される化合物の量および使用される組成物の種類は、治療される疾患または生理学的状態の性質に相応するものであり、医師の裁量による。
本発明の組み合わせを単一薬剤として使用するか、または本発明の化合物を、細胞増殖を調節し、それ故に、がん発症の特有の特徴のうちの2つを治療するための異なる機構を介して作用する別の薬剤と組み合わせることが有益であり得る。組み合わせ実験が、例えば、Chou TC,Talalay P.Quantitative analysis of dose−effect relationships:the combined effects of multiple drugs or enzyme inhibitors.Adv Enzyme Regulat 1984;22:27−55に記載されるように行われ得る。
本明細書で定義される化合物は、唯一の治療薬として投与され得るか、または特定の病状、例えば、上記に定義されるがん等の腫瘍性疾患の治療のための1つ以上の他の化合物(または療法)とともに投与され得る。上記の状態の治療のために、本発明の化合物は、がん療法において、1つ以上の他の薬剤、より具体的には、他の抗がん剤またはアジュバント(療法における支持剤)と組み合わせて有利に用いられ得る。式(1)の化合物と一緒に投与され得る(同時であれ、異なる時間間隔であれ)他の治療薬または治療の例としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない。
●トポイソメラーゼI阻害剤
●代謝拮抗剤
●チューブリン標的剤
●DNA結合剤およびトポイソメラーゼII阻害剤
●アルキル化剤
●モノクローナル抗体
●抗ホルモン
●シグナル伝達阻害剤
●プロテアソーム阻害剤
●DNAメチルトランスフェラーゼ阻害剤
●サイトカインおよびレチノイド
●クロマチン標的療法薬
●放射線療法、および
●他の治療薬または予防薬
抗がん剤またはアジュバント(もしくははその塩)の具体的な例としては、以下の群(i)〜(xlviii)、および任意に群(xlix)から選択される薬剤のうちのいずれかが挙げられるが、これらに限定されない。
(i)白金化合物、例えば、シスプラチン(任意にアミフォスチンと組み合わせられる)、カルボプラチン、またはオキサリプラチン、
(ii)タキサン化合物、例えば、パクリタキセル、パクリタキセルタンパク質結合粒子(Abraxane(商標))、ドセタキセル、カバジタキセル、またはラロタキセル、
(iii)トポイソメラーゼI阻害剤、例えば、カンプトセシン化合物、例えば、カンプトセシン、イリノテカン(CPT11)、SN−38、またはトポテカン、
(iv)トポイソメラーゼII阻害剤、例えば、抗腫瘍エピポドフィロトキシンまたはポドフィロトキシン誘導体、例えば、エトポシド、またはテニポシド、
(v)ビンカアルカロイド、例えば、ビンブラスチン、ビンクリスチン、リポソームビンクリスチン(Onco−TCS)、ビノレルビン、ビンデシン、ビンフルニン、またはビンベシル、
(vi)ヌクレオシド誘導体、例えば、5−フルオロウラシル(5−FU、任意にロイコボリンと組み合わせて)、ゲムシタビン、カペシタビン、テガフール、UFT、S1、クラドリビン、シタラビン(Ara−C、シトシンアラビノシド)、フルダラビン、クロファラビン、またはネララビン、
(vii)代謝拮抗剤、例えば、クロファラビン、アミノプテリン、またはメトトレキサート、アザシチジン、シタラビン、フロクスウリジン、ペントスタチン、チオグアニン、チオプリン、6−メルカプトプリン、またはヒドロキシ尿素(ヒドロキシカルバミド)、
(viii)窒素マスタードまたはニトロソ尿素等のアルキル化剤、例えば、シクロホスファミド、クロラムブシル、カルムスチン(BCNU)、ベンダムスチン、チオテパ、メルファラン、トレオスルファン、ロムスチン(CCNU)、アルトレタミン、ブスルファン、ダカルバジン、エストラムスチン、フォテムスチン、イホスファミド(任意にメスナと組み合わせて)、ピポブロマン、プロカルバジン、ストレプトゾシン、テモゾロミド、ウラシル、メクロレタミン、メチルシクロヘキシルクロロエチルニトロ尿素、またはニムスチン(ACNU)、
(ix)アントラサイクリン、アントラセンジオン、および関連薬物、例えば、ダウノルビシン、ドキソルビシン(任意にデクスラゾキサンと組み合わせて)、ドキソルビシンのリポソーム製剤(例えば、Caelyx(商標)、Myocet(商標)、Doxil(商標))、イダルビシン、ミトキサントロン、エピルビシン、アムサクリン、またはバルルビシン、
(x)エポチロン、例えば、イキサベピロン、パツピロン、BMS−310705、KOS−862およびZK−EPO、エポチロンA、エポチロンB、デスオキシエポチロンB(別名、エポチロンDまたはKOS−862)、アザ−エポチロンB(別名、BMS−247550)、アウリマリド、イソラウリマリド、またはルエテロビン、
(xi)DNAメチルトランスフェラーゼ阻害剤、例えば、テモゾロマイド、アザシチジン、またはデシタビン、
(xii)抗葉酸剤、例えば、メトトレキサート、ペメトレキセド二ナトリウム、またはラルチトレキセド、
(xiii)細胞傷害性抗生物質、例えば、アンチノマイシンD、ブレオマイシン、マイトマイシンC、ダクチノマイシン、カルミノマイシン、ダウノマイシン、レバミゾール、プリカマイシン、またはミトラマイシン、
(xiv)チューブリン結合剤、例えば、コンブレスタチン、コルヒチン、またはニコダゾール、
(xv)キナーゼ阻害剤等のシグナル伝達阻害剤、例えば、受容体チロシンキナーゼ阻害剤(例えば、EGFR(上皮成長因子受容体)阻害剤、VEGFR(血管内皮細胞成長因子受容体)阻害剤、PDGFR(血小板由来成長因子受容体)阻害剤、Axl阻害剤、MTKI(複数標的キナーゼ阻害剤)、Raf阻害剤、ROCK阻害剤、mTOR阻害剤、MEK阻害剤、またはPI3K阻害剤)、例えば、イマチニブ メシラート、エルロチニブ、ゲフィチニブ、ダサチニブ、ラパチニブ、ドボチニブ、アキシチニブ、ニロチニブ、バンデタニブ、ボタリニブ、パゾパニブ、ソラフェニブ、スニチニブ、テムシロリムス、エベロリムス(RAD 001)、ベムラフェニブ(PLX4032またはRG7204)、ダブラフェニブ、エンコラフェニブ、セルメチニブ(AZD6244)、トラメチニブ(GSK121120212)、ダクトリシブ(BEZ235)、ブパルリシブ(BKM−120、NVP−BKM−120)、BYL719、コパンリシブ(BAY−80−6946)、ZSTK−474、CUDC−907、アピトリシブ(GDC−0980、RG−7422)、ピクチリシブ(ピクトレリシブ、GDC−0941、RG−7321)、GDC−0032、GDC−0068、GSK−2636771、イデラリシブ(以前のCAL−101、GS 1101、GS−1101)、MLN1117(INK1117)、MLN0128(INK128)、IPI−145(INK1197)、LY−3023414、イパタセルチブ、アフレセルチブ、MK−2206、MK−8156、LY−3023414、LY294002、SF1126もしくはPI−103、ソノリシブ(PX−866)、またはAT13148、
(xvi)オーロラキナーゼ阻害剤、例えば、AT9283、バラセルチブ(AZD1152)、TAK−901、MK0457(VX680)、セニセルチブ(R−763)、ダヌセルチブ(PHA−739358)、アリセルチブ(MLN−8237)、またはMP−470、
(xvii)CDK阻害剤、例えば、AT7519、ロスコビチン、セリシクリブ、アルボシジブ(フラボピリドール)、ジナシクリブ(SCH−727965)、7−ヒドロキシ−スタウロスポリン(UCN−01)、JNJ−7706621、BMS−387032(別名、SNS−032)、PHA533533、ZK−304709、またはAZD−5438、ならびにパルボシクリブ(PD332991)およびリボシクリブ(LEE−011)等のCDK4阻害剤を含む、
(xviii)PKA/B阻害剤およびPKB(akt)経路阻害剤、例えば、AT13148、AZ−5363、セマフォア、SF1126、およびMTOR阻害剤、例えば、ラパマイシン類似体、AP23841およびAP23573、カルモジュリン阻害剤(フォークヘッド転座阻害剤)、API−2/TCN(トリシリビン)、RX−0201、エンザスタウリンHCl(LY317615)、NL−71−101、SR−13668、PX−316、またはKRX−0401(ペリホシン/NSC 639966)、
(xix)Hsp90阻害剤、例えば、オナレスピブ(AT13387)、ハービマイシン、ゲルダナマイシン(GA)、17−アリルアミノ−17−デスメトキシゲルダナマイシン(17−AAG)、例えば、NSC−330507、Kos−953、およびCNF−1010、17−ジメチルアミノエチルアミノ−17−デメトキシゲルダナマイシン塩酸塩(17−DMAG)、例えば、NSC−707545およびKos−1022、NVP−AUY922(VER−52296)、NVP−BEP800、CNF−2024(BIIB−021経口プリン)、ガネテスピブ(STA−9090)、SNX−5422(SC−102112)、またはIPI−504、
(xx)モノクローナル抗体(放射性同位体、毒素、または他の薬剤にコンジュゲートしていないものまたはコンジュゲートしているもの)、抗CD、抗VEGFR、抗HER2、または抗EGFR抗体等の抗体誘導体および関連薬剤、例えば、リツキシマブ(CD20)、オファツムマブ(CD20)、イブリツモマブチウキセタン(CD20)、GA101(CD20)、トシツモマブ(CD20)、エプラツズマブ(CD22)、リンツズマブ(CD33)、ゲムツズマブオゾガマイシン(CD33)、アレムツズマブ(CD52)、ガリキシマブ(CD80)、トラスツズマブ(HER2抗体)、ペルツズマブ(HER2)、トラスツズマブ−DM1(HER2)、エルツマキソマブ(HER2およびCD3)、セツキシマブ(EGFR)、パニツムマブ(EGFR)、ネシツムマブ(EGFR)、ニモツズマブ(EGFR)、ベバシズマブ(VEGF)、カツマキスマブ(EpCAMおよびCD3)、アバゴモマブ(CA125)、ファルレツズマブ(葉酸塩受容体)、エロツズマブ(CS1)、デノスマブ(RANKリガンド)、フィギツムマブ(IGF1R)、CP751,871(IGF1R)、マパツムマブ(TRAIL受容体)、metMAB(met)、ミツモマブ(GD3ガングリオシド)、ナプツモマブエスタフェナトクス(5T4)、もしくはシルツキシマブ(IL6)、またはCTLA−4遮断抗体および/もしくはPD−1およびPD−L1および/もしくはPD−L2に対する抗体等の免疫調節剤、例えば、イピリムマブ(CTLA4)、MK−3475(ペムブロリズマブ、以前のラムブロリズマブ、抗PD−1)、ニボルマブ(抗PD−1)、BMS−936559(抗PD−L1)、MPDL320A、AMP−514もしくはMEDI4736(抗PD−L1)、またはトレメリムマブ(以前のチシリムマブ、CP−675,206、抗CTLA−4)、
(xxi)エストロゲン受容体アンタゴニストまたは選択的エストロゲン受容体調節剤(SERM)またはエストロゲン合成阻害剤、例えば、タモキシフェン、フルベストラント、トレミフェン、ドロロキシフェン、ファスロデックス、またはラロキシフェン、
(xxii)アロマターゼ阻害剤および関連薬物、例えば、エキセメスタン、アナストロゾール、レトラゾール、テストラクトンアミノグルテチミド、ミトタン、またはボロゾール、
(xxiii)抗アンドロゲン(すなわち、アンドロゲン受容体アンタゴニスト)および関連薬物、例えば、ビカルタミド、ニルタミド、フルタミド、シプロテロン、またはケトコナゾール、
(xxiv)ホルモンおよびその類似体、例えば、メドロキシプロゲステロン、ジエチルスチルベストロール(別名、ジエチルスチルベストロール)、またはオクトレオチド、
(xxv)ステロイド、例えば、プロピオン酸ドロモスタノロン、酢酸メゲストロール、ナンドロロン(デカノアート、フェンプロピオナート)、フルオキシメストロン、またはゴシポール、
(xxvi)ステロイド系シトクロムP450 17アルファ−ヒドロキシラーゼ−17,20−リアーゼ阻害剤(CYP17)、例えば、アビラテロン、
(xxvii)ゴナンドトロピン放出ホルモンアゴニストまたはアンタゴニスト(GnRA)、例えば、アバレリックス、酢酸ゴセレリン、酢酸ヒストレリン、酢酸ロイプロリド、トリプトレイン、ブセレリン、またはデスロレリン、
(xxviii)グルココルチコイド、例えば、プレドニソン、プレドニゾロン、デキサメサゾン、
(xxix)レチノイド、レキシノイド、ビタミンD、またはレチノイン酸等の分化剤、およびレチノイン酸代謝遮断剤(RAMBA)、例えば、アキュテイン、アリトレチノイン、ベキサロテン、またはトレチノイン、
(xxx)ファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤、例えば、チピファルニブ、
(xxxi)ヒストンデアセチラーゼ(HDAC)阻害剤等のクロマチン標的療法薬、例えば、酪酸ナトリウム、スベロイルアニリドヒドロキシアミド酸(SAHA)、デプシペプチド(FR 901228)、ダシノスタット(NVP−LAQ824)、R306465/JNJ−16241199、JNJ−26481585、トリコスタチンA、ボリノスタット、クラミドシン、A−173、JNJ−MGCD−0103、PXD−101、またはアピシジン、
(xxxii)プロテアソーム阻害剤を含むユビキチン−プロテアソーム経路を標的とする薬物、例えば、ボルテゾミブ、カーフィルゾミブ、CEP−18770、MLN−9708、またはONX−0912、NEDD8阻害剤、HDM2アンタゴニスト、およびデユビキチナーゼ(DUB)、
(xxxiii)光線力学薬、例えば、ポルフィマーナトリウムまたはテモポルフィン、
(xxxiv)トラベクチジン等の海洋生物由来の抗がん剤、
(xxxv)放射免疫療法のための放射性標識薬物、例えば、ベータ粒子放出同位体(例えば、ヨウ素131、イットリウム90)またはアルファ粒子放出同位体(例えば、ビスマス213もしくはアクチニウム225)、例えば、イブリツモマブまたはヨウ素トシツモマブまたはアルファラジウム223、
(xxxvi)テロメラーゼ阻害剤、例えば、テロメスタチン、
(xxxvii)マトリックスメタロプロテイナーゼ阻害剤、例えば、バチマスタット、マリマスタット、プロノスタット、またはメタスタット、
(xxxviii)組換えインターフェロン(インターフェロンγおよびインターフェロンα等)およびインターロイキン(例えば、インターロイキン2)、例えば、アルデスロイキン、デニロイキンジフチトクス、インターフェロンアルファ2a、インターフェロンアルファ2b、またはペグインターフェロンアルファ2b、
(xxxix)選択的免疫応答調節剤、例えば、サリドマイドまたはレナリドマイド、
(xl)シプリューセル−T(Provenge)またはOncoVex等の治療ワクチン、
(xli)ピシバニール、ロムルチド、シゾフィラン、ビルリジン、またはチモシンを含む、サイトカイン活性化剤、
(xlii)三酸化ヒ素、
(xliii)Gタンパク質共役受容体(GPCR)阻害剤、例えば、アトラセンタン、
(xliv)L−アスパラギナーゼ、ペグアスパルガーゼ、ラスブリカーゼ、またはペガデマーゼ等の酵素、
(xlv)PARP阻害剤等のDNA修復阻害剤、例えば、オラパリブ、ベラパリブ、イニパリブ、INO−1001、AG−014699、またはONO−2231、
(xlvi)デス受容体(例えば、TNF関連アポトーシス誘導リガンド(TRAIL)受容体)のアゴニスト、例えば、マパツムマブ(以前のHGS−ETR1)、コナツムマブ(以前のAMG 655)、PRO95780、レキサツムマブ、ドゥラネルミン、CS−1008、アポマブ、または組換えヒトTRAIL/Apo2リガンド等の組換えTRAILリガンド、
(xlvii)免疫チェックポイント阻害剤等の免疫療法薬、がんワクチン、およびCAR−T細胞療法薬、
(xlviii)ベネトクラックス(ABT−199またはGDC−0199)、ABT−737、ABT−263、TW−37、サブトクラックス(sabutoclax)、オバトクラックス、およびMIM1等のBcl−2(B細胞リンパ腫2)アンタゴニストを含む、細胞死(アポトーシス)の調節因子、ならびにLCL−161(Novartis)、Debio−1143(Debiopharma/Ascenta)、AZD5582、ビリナパント/TL−32711(TetraLogic)、CUDC−427/GDC−0917/RG−7459(Genentech)、JP1201(Joyant)、T−3256336(Takeda)、GDC−0152(Genentech)またはHGS−1029/AEG−40826(HGS/Aegera)を含む、IAPアンタゴニスト、
(xlix)予防剤(補助薬)、すなわち、化学療法薬剤に関連する副作用のうちのいくつかを軽減または緩和する薬剤、例えば、
−鎮吐剤、
−化学療法関連好中球減少症を予防するか、またはその持続期間を低減させる薬剤、および血小板、赤血球、もしくは白血球レベルの低減から生じる合併症を予防する薬剤、例えば、インターロイキン−11(例えば、オプレルベキン)、エリスロポエチン(EPO)およびその類似体(例えば、ダルベポエチンアルファ)、コロニー刺激因子類似体、例えば、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM−CSF)(例えば、サルグラモスチム)、ならびに顆粒球コロニー刺激因子(G−CSF)およびその類似体(例えば、フィルグラスチム、ペグフィルグラスチム)、
−デノスマブまたはビスホスホネート等の骨吸収を抑制する薬剤、例えば、ゾレドロネート、ゾレドロン酸、パミドロネート、およびイバンドロネート、
−デキサメサゾン、プレドニソン、およびプレドニゾロン等の炎症性応答を抑制する薬剤、
−先端巨大症または他のまれなホルモン産生腫瘍を有する患者における成長ホルモンおよびIGF−I(および他のホルモン)の血中濃度を低減させるために使用される薬剤、例えば、酢酸オクトレオチド等のホルモンソマトスタチンの合成形態、
−葉酸レベルを低減させる薬剤に対する解毒剤、例えば、ロイコボリンまたはフォリン酸、
−疼痛に対する薬剤、例えば、モルヒネ、ジアモルフィン、およびフェンタニル等のアヘン剤、
−COX−2阻害剤等の非ステロイド系抗炎症薬(NSAID)、例えば、セレコキシブ、エトリコキシブ、およびルミラコキシブ、
−粘膜炎用の薬剤、例えば、パリフェルミン、
−食欲不振、悪液質、浮腫、または血栓塞栓症エピソードを含む副作用の治療のための薬剤、例えば、酢酸メゲストロール
本発明の組み合わせ中に存在する化合物は各々、個別に異なる投薬スケジュールで、かつ異なる経路を介して投与され得る。したがって、2つ以上の薬剤の各々の薬量は異なり得、各々、同じ時間または異なる時間に投与され得る。当業者であれば、自身の共通の一般知識を通じて、使用すべき投薬レジームおよび併用療法を認識するであろう。例えば、本発明の化合物は、それらの既存の併用レジメンに従って投与される1つ以上の他の薬剤と組み合わせて使用していてもよい。標準の併用レジメンの例が、以下に提供される。
タキサン化合物は、1治療過程当たり、体表面積1平方メートル当たり50〜400mg(mg/m)の投薬量、例えば、75〜250mg/m、特にパクリタキセルの場合は約175〜250mg/m、ドセタキセルの場合は約75〜150mg/mの投薬量で有利に投与される。
カンプトセシン化合物は、1治療過程当たり、体表面積1平方メートル当たり0.1〜400mg(mg/m)、例えば、1〜300mg/mの投薬量、特にイリノテカンの場合は約100〜350mg/m、トポテカンの場合は約1〜2mg/mの投薬量で有利に投与される。
抗腫瘍ポドフィロトキシン誘導体は、1治療過程当たり、体表面積1平方メートル当たり30〜300mg(mg/m)、例えば、50〜250mg/mの投薬量、特にエトポシドの場合は約35〜100mg/m、テニポシドの場合は約50〜250mg/mの投薬量で有利に投与される。
抗腫瘍ビンカアルカロイドは、1治療過程当たり、体表面積1平方メートル当たり2〜30mg(mg/m)の投薬量、特にビンブラスチンの場合は約3〜12mg/mの投薬量、ビンクリスチンの場合は約1〜2mg/mの投薬量、ビノレルビンの場合は約10〜30mg/mの投薬量で有利に投与される。
抗腫瘍ヌクレオシド誘導体は、1治療過程当たり、体表面積1平方メートル当たり200〜2500mg(mg/m2)、例えば、700〜1500mg/m2の投薬量、特に5−FUの場合は200〜500mg/m2の投薬量、ゲムシタビンの場合は約800〜1200mg/m2の投薬量、カペシタビンの場合は約1000〜2500mg/m2の投薬量で有利に投与される。
窒素マスタードまたはニトロソ尿素等のアルキル化剤は、1治療過程当たり、体表面積1平方メートル当たり100〜500mg(mg/m)、例えば、120〜200mg/mの投薬量、特にシクロホスファミドの場合は約100〜500mg/mの投薬量、クロラムブシルの場合は約0.1〜0.2mg/kgの投薬量、カルムスチンの場合は約150〜200mg/mの投薬量、ロムスチンの場合は約100〜150mg/mの投薬量で有利に投与される。
抗腫瘍アントラサイクリン誘導体は、1治療過程当たり、体表面積1平方メートル当たり1〜75mg(mg/m)、例えば、15〜60mg/mの投薬量、特にドキソルビシンの場合は40〜75mg/mの投薬量、ダウノルビシンの場合は約25〜45mg/mの投薬量、イダルビシンの場合は約10〜15mg/mの投薬量で有利に投与される。
抗エストロゲン剤は、特定の薬剤および治療される状態に応じて、1日約1〜100mgの投薬量で有利に投与される。タモキシフェンは、5〜50mg、典型的には10〜20mgの投薬量で1日2回、有利に経口投与され、この療法を、治療効果を達成および維持するのに十分な時間にわたって継続する。トレミフェンは、約60mgの投薬量で1日1回、有利に経口投与され、この療法を、治療効果を達成および維持するのに十分な時間にわたって継続する。アナストロゾールは、約1mgの投薬量で1日1回、有利に経口投与される。ドロロキシフェンは、約20〜100mgの投薬量で1日1回、有利に経口投与される。ラロキシフェンは、約60mgの投薬量で1日1回、有利に経口投与される。エキセメスタンは、約25mgの投薬量で1日1回、有利に経口投与される。
抗体は、体表面積1平方メートル当たり約1〜5mg(mg/m)の投薬量で、または異なる場合、当該技術分野で知られているように有利に投与される。トラスツズマブは、1治療過程当たり、体表面積1平方メートル当たり1〜5mg(mg/m)、具体的には2〜4mg/mの投薬量で有利に投与される。
式(1)の化合物が、併用療法において、1、2、3、4つ、またはそれよりも多くの他の治療薬(典型的には1つまたは2つ、より典型的には1つ)とともに投与される場合、化合物は、同時にまたは逐次投与され得る。後者の場合、2つ以上の化合物は、有利な効果または相乗効果を確実に達成するのに十分な期間内ならびに量および様式で投与されるであろう。逐次投与される場合、それらは、近接した間隔で(例えば、5〜10分間の期間にわたって)、またはより長い間隔で(例えば、1、2、3、4時間以上おいて、または必要に応じて、さらにより長い期間をおいて)投与され得、正確な投薬量レジメンは、治療薬(複数可)の特性に相応する。これらの投薬量は、例えば、1治療過程当たり1回、2回、またはそれよりも多く投与され得、これは、例えば、7、14、21、または28日毎に繰り返され得る。
典型的な投与方法および投与順序ならびに組み合わせの各構成成分のそれぞれの投薬量およびレジームが、投与される特定の他の薬剤および本発明の化合物、それらの投与経路、治療される特定の腫瘍、ならびに治療される特定の宿主に依存することが理解されよう。最適な投与方法および投与順序ならびに投薬量およびレジームは、従来の方法を使用して、かつ本明細書に記載の情報を考慮して、当業者によって容易に決定され得る。
組み合わせとして投与される場合、本発明による化合物と1つ以上の他の抗がん剤(複数可)との重量比は、当業者によって決定され得る。当業者によく知られているように、前述の重量比ならびに正確な投薬量および投与頻度は、本発明による特定の化合物および使用される他の抗がん剤(複数可)、治療される特定の状態、治療される状態の重症度、特定の患者の年齢、体重、性別、食生活、投与時間、および全身健康状態、投与様式、ならびに個体が服用しているかもしれない他の薬に依存する。さらに、有効な1日量は、治療される対象の応答に応じて、および/または本発明の化合物を処方する医師の評価に応じて、低減または増加され得ることは明らかである。式(1)の本化合物と別の抗がん剤との具体的な重量比は、1/10〜10/1、より具体的には1/5〜5/1、さらにより具体的には1/3〜3/1の範囲であり得る。
本発明の化合物は、非化学療法治療、例えば、放射線療法、光線力学療法、遺伝子療法、外科手術、および栄養制限食と併せて投与される場合もある。放射線療法は、根治、姑息、補助、術前補助、または予防目的であり得る。
本発明の化合物は、放射線療法および化学療法に対して腫瘍細胞を感作する際に治療用途も有する。したがって、本発明の化合物は、「放射線増感剤」および/もしくは「化学増感剤」として使用され得るか、または別の「放射線増感剤」および/または「化学増感剤」と組み合わせて投与され得る。一実施形態では、本発明の化合物は、化学増感剤として使用するためのものである。
「放射線増感剤」という用語は、イオン化放射に対する細胞の感度を増加させ、かつ/またはイオン化放射で治療可能な疾患の治療を促進するための、治療有効量で患者に投与される分子と定義される。
「化学増感剤」という用語は、化学療法に対する細胞の感度を増加させ、かつび/または化学療法薬で治療可能な疾患の治療を促進するための、治療有効量で患者に投与される分子と定義される。
多くのがん治療プロトコルは、現在、x線照射と併せて放射線増感剤を用いている。x線活性化放射線増感剤の例としては、メトロニダゾール、ミソニダゾール、デスメチルミソニダゾール、ピモニダゾール、エタニダゾール、ニモラゾール、マイトマイシンC、RSU 1069、SR 4233、EO9、RB 6145、ニコチンアミド、5−ブロモデオキシウリジン(BUdR)、5−ヨードデオキシウリジン(IUdR)、ブロモデオキシシチジン、フルオロデオキシウリジン(FudR)、ヒドロキシ尿素、シスプラチン、ならびにそれらの治療上有効な類似体および誘導体が挙げられるが、これらに限定されない。
がんの光線力学療法(PDT)は、増感剤の放射線活性化剤として可視光を用いる。光線力学放射線増感剤の例としては、ヘマトポルフィリン誘導体、フォトフリン、ベンゾポルフィリン誘導体、スズエチオポルフィリン、フェオボルビド−a、バクテリオクロロフィル−a、ナフタロシアニン、フタロシアニン、亜鉛フタロシアニン、ならびにそれらの治療上有効な類似体および誘導体が挙げられるが、これらに限定されない。
放射線増感剤は、放射線増感剤の標的細胞への組み込みを促進する化合物、治療薬、栄養素、および/もしくは酸素の標的細胞への流入を制御する化合物、追加の放射線を用いるか用いずに腫瘍に作用する化学療法剤、またはがんもしくは他の疾患を治療するための他の治療上有効な化合物を含むが、これらに限定されない、1つ以上の他の化合物の治療有効量と併せて投与され得る。
化学増感剤は、化学増感剤の標的細胞への組み込みを促進する化合物、治療薬、栄養素、および/もしくは酸素の標的細胞への流入を制御する化合物、腫瘍に作用する化学療法剤、またはがんもしくは他の疾患を治療するための他の治療上有効な化合物を含むが、これらに限定されない、1つ以上の他の化合物の治療有効量と併せて投与され得る。カルシウムアンタゴニスト、例えば、ベラパミルは、許容される化学療法剤に耐性を示す腫瘍細胞における化学療法感受性を確立するために、かつ薬物感受性悪性腫瘍におけるかかる化合物の有効性を増強するために、抗腫瘍剤との組み合わせに有用であることが見出されている。
別の化学療法剤との併用療法における使用について、式(1)の化合物および1、2、3、4、またはそれ以上の他の治療薬は、例えば、2、3、4、またはそれ以上の治療薬を含む剤形、すなわち、全ての成分を含む単位薬学的組成物中に一緒に製剤化され得る。あるいは、個々の治療薬が別個に製剤化されて、任意にそれらの使用に関する説明書とともに、キットの形態で一緒に提示され得る。
一実施形態では、薬学的組成物は、式Iの化合物を薬学的に許容される担体および任意に1つ以上の治療薬(複数可)と一緒に含む。
別の実施形態では、本発明は、腫瘍細胞の増殖を抑制するための薬学的組成物の製造における本発明による組み合わせの使用に関する。
さらなる実施形態では、本発明は、がんに罹患している患者の治療における同時、別個、または逐次使用のための組み合わせ調製物として含む、式Iの化合物および1つ以上の抗がん剤を含む生成物に関する。
(2S,3S)−3−(4−クロロフェニル)−3−[(1R)−1−(4−クロロフェニル)−7−フルオロ−5−[(1S)−1−ヒドロキシ−1−(オキサン−4−イル)プロピル]−1−メトキシ−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−2−イル]−2−メチルプロパン酸のX線粉末ディフラクトグラムである。 (2S,3S)−3−(4−クロロフェニル)−3−[(1R)−1−(4−クロロフェニル)−7−フルオロ−5−[(1S)−1−ヒドロキシ−1−(オキサン−4−イル)プロピル]−1−メトキシ−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−2−イル]−2−メチルプロパン酸のDSC走査である。
本発明は、これより、以下の実施例に記載される特定の実施形態を参照して例示されるが、限定されるものではない。化合物は、AutoNom(MDL)もしくはChemAxon Structure to Name等の自動命名パッケージを使用して命名されるか、または化学物質供給業者によって命名される通りである。本実施例では、以下の略語を使用する。
Figure 2020515546
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カラムクロマトグラフィー
カラムクロマトグラフィーを使用した精製を、例えば、298nmでUV監視し、254nmで収集するBiotage自動フラッシュ精製システムを使用して達成することができる。Biotage自動クロマトグラフィー予充填シリカカートリッジをほとんどの場合に使用した。明記される場合、いくつかの化合物の精製を、オクタデシル(エンドキャップ)官能化シリカを有するBiotage C18逆相シリカカラムを使用して行うか、またはBiotage KP−NHカートリッジを、一級アミン結合シリカを使用する高極性化合物の分離のために使用した。
必要に応じて、半分取HPLCを、例えば、以下の機械:(i)バイナリポンプシステム、UV検出器、および画分収集器を有し、かつVarian Starソフトウェアによって制御されるVarian Prostar Modular HPLCシステム、(ii)バイナリポンプ、オートサンプラー、画分収集器、およびダイオードアレイ検出器を有し、かつAgilent ChemStationソフトウェアによって制御されるAgilent 1200 HPLCシステムのうちの一方を使用して実行することができる。
分析的LC−MSシステムの説明
以下の実施例では、調製される化合物の多くを、本システムおよび以下に記載される好適な動作条件を使用して質量分析によって特徴付けた。異なる同位体を有する原子が存在し、単の質量が見積もられる場合、化合物について見積もられた質量は、モノアイソトピック質量(すなわち、35Cl、79Br等)である。以下に記載されるようにいくつかのシステムを使用することができ、これらは、極めて類似の動作条件を備えることができ、極めて類似の動作条件下で走行するように設定することができる。可能な動作条件も以下に記載する。
Figure 2020515546
Figure 2020515546
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質量指向精製LC−MSシステム
分取LC−MSは、本明細書に記載の化合物等の有機小分子の精製に使用される標準の効果的な方法である。液体クロマトグラフィー(LC)および質量分析(MS)のための方法は、粗材料のより良好な分離およびMSによる試料の改善された検出を提供するように変更され得る。分取勾配LC法の最適化は、様々なカラム、揮発性溶出剤および改質剤、ならびに勾配を必要とする。分取LC−MS法を最適化し、その後、それらを使用して化合物を精製するための方法は、当該技術分野で周知である。かかる方法は、Rosentreter U,Huber U.;Optimal fraction collecting in preparative LC/MS;J Comb Chem.;2004;6(2),159−64、およびLeister W,Strauss K,Wisnoski D,Zhao Z,Lindsley C.,Development of a custom high−throughput preparative liquid chromatography/質量分析計 platform for the preparative purification and analytical analysis of compound libraries;J Comb Chem.;2003;5(3);322−9に記載されている。
分取LC−MSによって化合物を精製するためのいくつかのシステムが以下に記載されているが、当業者であれば、記載される代替システムおよび方法を使用することができることを理解するであろう。具体的には、順相分取LCに基づく方法を本明細書に記載の逆相方法の代わりに使用してもよい。多くの分取LC−MSシステムは、逆相LCおよび揮発性酸性改質剤を利用し、その理由は、このアプローチが小分子の精製に非常に効果的であり、溶出剤が陽イオンエレクトロスプレー質量分析と適合性があるためである。他のクロマトグラフ溶液、例えば、順相LC、あるいは上述の分析的方法に概説される緩衝移動相、塩基性改質剤等の利用を代替で使用して、化合物を精製することができる。
Figure 2020515546
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カラム:様々な市販のカラム(アキラルおよびキラルの両方)を使用して、移動相、有機改質剤、およびpHの変化と併せて、それらが広範囲の選択性の点で最も広く網羅することができるように使用した。全てのカラムを製造業者の推奨動作条件に従って使用した。典型的には、利用可能な場合、5ミクロン粒径のカラムを使用した。例えば、Waters製のカラム(XBridge Prep Phenyl 5m OBD 100×19mm、XBridge Prep C18 5m OBD 100×19mm、Waters Atlantis Prep T3 OBD 5m 100×19mm、およびSunFire Prep C18 OBD 5m 100×19mmを含むが、これらに限定されない)、Phenomenex製のカラム(Synergy MAX−RPおよびLUX(商標)Cellulose−2を含むが、これに限定されない)、Astec製のカラム(V、V2、およびT2を含むが、これらに限定されない、Chirobiotic(商標)カラム)、およびDiacel(登録商標)製のカラム(Chiralpak(登録商標)AD−Hを含むが、これに限定されない)がスクリーニングに利用可能であった。
溶出剤:移動相溶出剤を、カラム分離性能を最適化するために、カラム製造業者推奨固定相制限と併せてカラム分離性能を最適化するために選択した。
方法:分析トレースに従って、最も適切な分取クロマトグラフィータイプを選択した。典型的なルーチンは、化合物構造に最も適したタイプのクロマトグラフィー(低または高pH)を使用して分析的LC−MSを実行することであった。分析トレースが良好なクロマトグラフィーを示した時点で、同じタイプの好適な調製方法を選択した。
溶媒全ての化合物を、通常、100%MeOHもしくは100%DMSOまたは90:10メタノール:水+0.2%ギ酸中に溶解させた。
超臨界流体クロマトグラフィー(SFC)
いくつかの場合、最終化合物を、を使用した超臨界流体クロマトグラフィー(SFC)によって精製した。Waters Thar Prep100分取SFCシステム(P200 CO2ポンプ、2545改質剤ポンプ、2998 UV/VIS検出器、2767液体ハンドラー、積層注入モジュールで)。Waters 2767液体ハンドラーは、オートサンプラーおよび画分収集器の両方の役割を果たした。
化合物の分取精製に使用したカラムは、別途明記されない限り、Diacel Chiralpak IA/IB/IC、YMC Amylose/Cellulose C、またはPhenomenex Lux Cellulose−4(5umで20〜21.2×250 mm)であった。
適切な均一濃度方法を、未修飾条件または塩基性条件下でのメタノール、エタノール、またはイソプロパノール溶媒系に基づいて選択した。使用した標準方法は、典型的には、5〜55%の改質剤/CO2、100mL/分、120バールの背圧、40℃のカラム温度であった。
全ての化合物を精製ステップ前に分析的にスクリーニングした。各試料を、エタノール、メタノール、およびイソプロパノールにわたって未修飾条件および塩基性条件(5.0uL注入、5/95勾配で5分間)の両方で実行した。必要に応じて、アセトニトリル、酢酸エチル、およびTHF等の広範な溶媒にわたる二次スクリーニングも考慮してもよい。その後、分析者により、所望の生成物がどこに溶出して分離が達成されるかに応じて、どのpHおよびどの均一濃度条件を使用すべきかが決定された。
塩基性条件下で使用した改質剤は、ジエチルアミン(0.1v/v%)であった。時折、ギ酸(0.1v/v%)を酸性改質剤として使用してもよい。
精製を、210〜400nmで監視することによってWaters Fractionlynxソフトウェアで制御し、別途明記されない限り、収集閾値を260nmでトリガした。収集した画分を、SFC(Waters SQDを有するWaters/Thar SFCシステム)で分析した。所望の生成物を含有していた画分を真空遠心分離によって濃縮した。
提供された情報から、当業者は、本明細書に記載の化合物を分取LC−MSによって精製することができた。
合成法
以下の一般手順と同様のおよび/またはそれに類似した方法に従って、以下に記載される化合物を調製した。
以下の合成手順を、使用した方法の例証のために提供しており、所与の調製またはステップについて、使用した前駆体は、提供される記述におけるステップに従って合成された個々のバッチに必ずしも由来しなくてもよい。
当業者に理解されるように、示されるプロトコルを使用して合成された化合物は、溶媒和物、例えば、水和物として存在し、および/または残留溶媒もしくは微量の不純物を含有し得る。塩形態として単離された化合物は、化学量論的整数、すなわち、単塩もしくは二塩、または化学量論的中間体のものであり得る。
以下の化合物のうちのいくつかを塩として単離し、例えば、いくつかの化合物は酸性であり、TRIS塩として単離することができる。
序文:立体化学(dr)*
いくつかの場合、化合物は、イソインドリノンの1位のジアステレオ異性体の混合物として存在する。そのような場合、ジアステレオ異性体割当(dr)を、イソインドリノン環の1位のS異性体に対するR異性体の比率として見積もる。
例えば、以下の場合、生成物は、以下からなる。
●(2S,3S)−3−(4−クロロフェニル)−3−[(1R)−1−(4−クロロフェニル)−7−フルオロ−1−ヒドロキシ−5−[(1S)−1−ヒドロキシ−1−(オキサン−4−イル)プロピル]−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−2−イル]−2−メチルプロパン酸プロプ−2−エン−1−イル(75%)
●(2S,3S)−3−(4−クロロフェニル)−3−[(1S)−1−(4−クロロフェニル)−7−フルオロ−1−ヒドロキシ−5−[(1S)−1−ヒドロキシ−1−(オキサン−4−イル)プロピル]−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−2−イル]−2−メチルプロパン酸プロプ−2−エン−1−イル(25%)
●ジアステレオ異性体割当(dr)を3:1にする。
Figure 2020515546
1R異性体が主成分を表す場合、これを、以下のように書く。
(2S,3S)−3−(4−クロロフェニル)−3−[(1R)−1−(4−クロロフェニル)−7−フルオロ−1−ヒドロキシ−5−[(1S)−1−ヒドロキシ−1−(オキサン−4−イル)プロピル]−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−2−イル]−2−メチルプロパン酸プロプ−2−エン−1−イル[dr(1R:1S)=3:1]
中間体
テトラヒドロ−2H−ピラン−4−カルボチオ酸S−p−トリル
Figure 2020515546
イソヘキサン(300mL)中4−メチルベンゼンチオール(18.63g、150mmol)およびテトラヒドロ−2H−ピラン−4−カルボニルクロリド(22.29g、150mmol)の撹拌溶液を氷浴中で冷却し、30分間にわたってトリエチルアミン(23.00mL、165mmol)で液滴処理して、高粘度の白色のペーストを得て、これを室温で一晩撹拌した。混合物を濾過し、固体を、メチルt−ブチルエーテル(70mL)とイソヘキサン(140mL)との混合物で、その後、メチルt−ブチルエーテル(200mL)で2回洗浄した。合わせた濾液を蒸発させて、白色の結晶性固体として、テトラヒドロ−2H−ピラン−4−カルボチオ酸S−p−トリル(32.452g、130mmol、87%収率)を得た。1H NMR(CDCl,400 MHz)δ7.31−7.26(2H,m),7.25−7.19(2H,m),4.11−3.95(2H,m),3.61−3.35(2H,m),2.93−2.76(1H,m),2.37(3H,s),1.98−1.79(4H,m).,m/z 237.1(M+H)(ES);
(2S,3S)−3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−3−(4−クロロフェニル)−2−メチル−プロパン酸
Figure 2020515546
(2S,3S)−3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−3−(4−クロロフェニル)−2−メチル−プロパン酸の合成を、Org.Synth,2009,86,11−17に記載の条件と同様の条件を使用して行った。
ステップ1:N−[(ベンゼンスルホニル)(4−クロロフェニル)メチル]カルバミン酸tert−ブチル
撹拌棒、N注入口、バブラー、および熱プローブを装備した10Lのフランジフラスコに、THF(2L)中カルバミン酸t−ブチル(660g、5.64mol、1.0当量)の溶液を添加した。ベンゼンスルフィン酸ナトリウム(927.0g、5.64mol、1.0当量)を少量ずつに分けて添加し、白色の濁った溶液としてスラリー状にした。その後、水(3L)および4−クロロベンズアルデヒド(810g、5.76mol、1.02当量)をギ酸(97%、1.25L、33.4mol、5.8当量)とともに一度に添加した。反応物を2日間撹拌した。結果として得られた白色の固体を濾過し、水(2×1L)で洗浄し、オーバーヘッド撹拌機および氷浴を装備した20Lのバケツに入れた。白色の固体を氷冷ジエチルエーテル(3L)中で1時間にわたって粉砕した。固体を濾過し、氷冷ガソリン(2×1L)で洗浄し、40℃の真空オーブン内で一晩乾燥させて、自由流動性の白色の固体を得た。
ステップ2:N−[(4−クロロフェニル)メチリデン]カルバミン酸tert−ブチル
撹拌棒、N注入口、バブラー、熱プローブ、およびコンデンサーを装備した5LのRBFに、THF(2.4L)およびステップ1の生成物(138g、0.363mol、1.0当量)を添加して、濁った懸濁液を得た。その後、無水炭酸カリウム(300.0g、2.177mol、6.0当量)を添加し、反応物を24時間還流加熱した(油浴73℃)。混合物を濾過し、パッドをTHF(1L)で洗浄した。濾液を濃縮し、残りの固体を高真空下で乾燥させて、ベージュ色の固体/ろう(90g)を得て、これを次のステップですぐに使用した。
ステップ3:N−[(1S,2S)−1−(4−クロロフェニル)−2−メチル−3−オキソプロピル]カルバミン酸tert−ブチル
撹拌棒、N注入口、バブラー、および熱プローブを装備した10Lのフランジフラスコに、HPLCグレードのアセトニトリル(4.5L)中N−[(4−クロロフェニル)メチリデン]カルバミン酸tert−ブチル(90g、0.375mol、1.0当量)を添加した。これにより、濁った白色の溶液が生じた。プロピオンアルデヒド(43.5g、54mL、0.854mol、2.0当量)を少量ずつに分けて添加し、アセトン/カーダイス浴を使用して反応物を0℃に冷却した。その後、S−プロリン(8.6g、0.075、20mol%)を添加し、反応物を室温で一晩撹拌した。このプロセスを二連で行い、その後、2つのバッチを20Lの分液漏斗中で合わせ、水(1.6L)を添加し(吸熱17−10℃)、反応物を20分間勢いよく撹拌した。ジエチルエーテル(4.5L)およびブライン(2L)を添加し、撹拌し、有機層を分離し、MgSOで乾燥させた。これを濾過し、回転蒸発器上で、30℃で真空内濃縮して、ベージュ色のろうを得て、これをジエチルエーテル(1L)中に溶解させて、残留アセトニトリルを除去した。その後、これをヘキサン(500mL)中で、室温で一晩粉砕した。オフホワイトの固体を濾過し、高真空下で乾燥させて、白色の固体(75g)のアルデヒドを得た。
ステップ1:(2S,3S)−3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−3−(4−クロロフェニル)−2−メチル−プロパン酸
撹拌棒、N注入口、バブラー、滴下漏斗、および熱プローブを装備した10Lのフランジフラスコに、ステップ3のアセトニトリル(2L)中アルデヒド(187.5g、0.63mol、1.0当量)を添加し、アセトン/カーダイス浴を使用して0℃に冷却した。水(1.7L)中亜塩素酸ナトリウム(156.7g、1.73mol、2.75当量)を10分間にわたって滴加した。溶液は、強い黄色になった。反応物を0℃で保ち、水(1.8L)中スルファミン酸(177.4g、1.83mol、2.90当量)を30分間にわたって滴加した(注:過度に速く添加すると非常に大きな発熱が生じ、アセトン/カーダイス浴内で−40℃に冷却する)。反応物は、極めて強い黄色の溶液になり(塩素により生成)、白色の沈殿物が観察された。反応物を室温で一晩撹拌した。固体を濾過し、水(2×1L)で洗浄し、50℃の真空オーブン内で乾燥させて、自由流動性の粉末(130g)を得た。1H NMR(400 MHz,DMSO−d6):12.13(1H,s),7.43(1H,d),7.40−7.22(4H,m),4.63(1H,t),,2.77−2.65(1H,m),1.36(9H,s),1.12(4H,d)。MS:m/z=312[M−H,[α] 20=−54(c 1.15,MeOH)。
アリル保護したβ−アミノ酸
(2S,3S)−3−アミノ−3−(4−クロロフェニル)−2−メチルプロパン酸アリル塩酸塩
Figure 2020515546
ステップ1:(2S,3S)−3−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−3−(4−クロロフェニル)−2−メチルプロパン酸アリル
臭化アリル(3.9mL、45.10mmol)を無水DMF(120mL)中(2S,3S)−3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−3−(4−クロロフェニル)−2−メチル−プロパン酸(12g、38.24mmol)の撹拌混合物に滴加し、N下で、室温で2時間撹拌した。混合物を水(1000mL)中に注ぎ、酢酸エチル(3×500mL)で抽出し。合わせた有機物を、水(500mL)、4%LiCl水溶液(2×250mL)で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、蒸発させた。結果として得られた粗固体を、イソヘキサン勾配(15CV)中0〜100%酢酸エチルを使用したシリカカラムクロマトグラフィー(330g)によって精製して、無色の固体(12.1g、89.6%)として表題生成物を得た。H NMR(400 MHz,CDCl3)7.27(2H,d),7.18(2H,d),5.85−5.73(1H,m),5.33−5.32(1H,m),5.25−5.17(2H,m),4.94−4.90(1H,m),4.50−4.48(2H,m),2.90(1H,dd),1.40(9H,s),1.16(3H,d)。
ステップ2:(2S,3S)−3−アミノ−3−(4−クロロフェニル)−2−メチルプロパン酸アリル塩酸塩
(2S,3S)−3−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−3−(4−クロロフェニル)−2−メチルプロパン酸アリル(12g、33.9mmol)をジオキサン(120mL)中4N HCl中に室温で1時間撹拌した。混合物を蒸発乾固させた。トルエン(2×50mL)を添加し、粗固体をさらに蒸発させて、クリーム色の固体(9.8g、100%)を得た。H NMR(400 MHz,CDCl3)9.00−8.95(3H,s,br),7.37(2H,d,J=8.7 Hz),7.31(2H,d,J=8.5 Hz),5.75−5.65(1H,m),5.18−5.12(2H,m),4.45−4.38(3H,m),3.25−3.16(1H,m),1.34(3H,d)。MS:[M+H]+=254.1,[α] 20=−60.09(c 1.0,MeOH)。
SEM保護したβ−アミノ酸
(2S,3S)−3−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−3−(4−クロロフェニル)−2−メチルプロパン酸2−(トリメチルシリル)エチル
Figure 2020515546
DCC(13.81g、66.9mmol)を、DCM(320mL)中(2S,3S)−3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−3−(4−クロロフェニル)−2−メチル−プロパン酸(20.0g、63.7mmol)、2−(トリメチルシリル)エタノール(10.96mL、76mmol)、およびDMAP(0.779g、6.37mmol)の氷冷却撹拌懸濁液に少量ずつに分けて添加した。混合物を室温になるまで緩徐に温め、18時間撹拌した。反応混合物を濾過してDCUを除去し、DCM(300mL)で洗浄した。濾液を1M HCl(400mL)で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、濾過し、真空内濃縮して、淡黄色の油として(2S,3S)−3−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−3−(4−クロロフェニル)−2−メチルプロパン酸2−(トリメチルシリル)エチル(29.0g、59.5mmol、93%収率)を得て、これは、静置中に固化した。H NMR in CDCl H NMR(CDCl,400 MHz)δ7.30−7.24(2H,m),7.22−7.14(2H,m),5.48−5.34(1H,m),5.02−4.78(1H,m),4.24−3.94(2H,m),2.98−2.64(1H,m),1.40(9H,s),1.12(3H,d),0.91−0.77(2H,m),0.00(9H,s)。粗生成物をさらに精製することなく次のステップで使用した。
(2S,3S)−3−アミノ−3−(4−クロロフェニル)−2−メチルプロパン酸2−(トリメチルシリル)エチル
Figure 2020515546
TFA(22.94mL、298mmol)を、DCM(120mL)中(2S,3S)−3−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−3−(4−クロロフェニル)−2−メチルプロパン酸2−(トリメチルシリル)エチル(29.0g、59.5mmol)の氷冷却撹拌溶液に添加した。混合物を0℃で1時間撹拌した。さらなる量のTFA(22.94mL、298mmol)を添加し、混合物を0℃で4時間撹拌し、その後、室温になるまで緩徐に温め、1.5時間撹拌した。混合物を0℃に再冷却し、飽和NaHCO(水溶液)(約300mL)で慎重に緩徐にクエンチした(注:沸騰)。層を分離し、有機相を飽和NaHCO(3×200mL)、ブライン(200mL)で洗浄し、乾燥させ、真空内濃縮して、オレンジ色の油(19.72g)を得た。粗生成物をMeOH(約20mL)中SCX(100g)のカラムに装填した。カラムをMeOH(500mL)で洗浄し、その後、生成物をMeOH(約1,000mL)中0.7Mアンモニアで溶出した。結果として得られた混合物を真空内濃縮して、淡オレンジ色の油として(2S,3S)−3−アミノ−3−(4−クロロフェニル)−2−メチルプロパン酸2−(トリメチルシリル)エチル(14.60g、44.2mmol、74.2%収率)を得た。H NMR(DMSO−d,400 MHz)δ7.39−7.26(4H,m),3.97−3.85(3H,m),2.62−2.49(1H,m),1.94(2H,br s),1.07(3H,d),0.76−0.61(2H,m),−0.03(9H,s)。
フェニル保護したβ−アミノ酸
(2S,3S)−3−アミノ−3−(4−クロロフェニル)−2−メチルプロパン酸フェニル塩酸塩
Figure 2020515546
ステップ1:(2S,3S)−3−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−3−(4−クロロフェニル)−2−メチルプロパン酸フェニル
室温の無水ジクロロメタン(100mL)中(2S,3S)−3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−3−(4−クロロフェニル)−2−メチル−プロパン酸(5g、15.93mmol)、N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド(3.62g、17.52mmol)および4−ジメチルアミノピリジン(194mg、1.59mmol)の溶液に、フェノール(6.96g、31.86mmol)を一度に添加した。反応物を室温で3時間撹拌した後、LCMSは、生成物への完全変換を示した。混合物を水(50mL)で希釈し、分離した。水をジクロロメタン(3×50mL)で洗浄し、有機物を合わせた。有機物を飽和重炭酸ナトリウム(100mL×2)、ブライン(100mL×2)で洗浄し、相分離器カートリッジに通過させ、減圧下で濃縮した。粗生成物を酢酸エチル(200mL)中に溶解させ、5分間撹拌し、結果として得られた沈殿物を濾去した。濾液を濃縮し、シリカクロマトグラフィー(勾配溶出:ジクロロメタン中0〜5%酢酸エチル)によって精製した。生成物を含有した画分を合わせ、濃縮した。イソヘキサン(2×50mL)中10%ジエチルエーテルを使用して粗材料を粉砕して、無色の固体(4.2g、68%)として表題化合物を得た。H NMR(400 MHz,CDCl3)7.36−7.26(6H,m),7.21(1H,dd),6.88(2H,d),5.29(1H,s,br),5.14(1H,s),3.16−3.10(1H,m),1.41(9H,s),1.30(3H,d)。
ステップ2:(2S,3S)−3−アミノ−3−(4−クロロフェニル)−2−メチルプロパン酸フェニル塩酸塩
丸底フラスコに、酢酸エチル(1M溶液、60mL)中(2S,3S)−3−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−3−(4−クロロフェニル)−2−メチルプロパン酸フェニル(4.1g、10.52mmol)および無水HClを添加し、結果として得られた混合物を室温で16時間撹拌した。混合物を減圧下で濃縮した。結果として得られた固体をジエチルエーテル(25mL)中で粉砕して、オフホワイトの固体(3.05g、量的)として表題化合物を得た。H NMR(400 MHz,DMSO)8.91(3H,s),7.65(2H,d),7.58(2H,d),7.36(2H,dd),7.24(1H,dd),6.76(2H,d),4.54(1H,d),3.47(1H,m),1.49(3H,d)。
2−(4−クロロベンゾイル)−3−フルオロ−5−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−カルボニル)安息香酸の合成
Figure 2020515546
ステップ1:5−ブロモ−2−(4−クロロベンゾイル)−3−フルオロ安息香メチル
MeOH(6.25L)中5−ブロモ−2−(4−クロロベンゾイル)−3−フルオロ安息香酸( 625gm 1.751mol)の溶液に、濃縮HCl(62mL)を添加し、混合物を48時間還流加熱した。反応物を室温に冷却させ、生成物が沈殿した。これを濾過し、40℃の真空オーブン内で一晩乾燥させた。母液をそれらの体積の半分に濃縮し、一晩撹拌させた。さらなる固体が溶液から沈殿し、これを濾過によって収集し、40℃の真空オーブン内で乾燥させた。これらを先の収穫物と合わせて、白色の固体(1256.9g、96.7%)として5−ブロモ−2−(4−クロロベンゾイル)−3−フルオロ安息香酸メチルを得た。
ステップ2:2−(4−クロロベンゾイル)−3−フルオロ−5−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)安息香酸メチル
ジオキサン(2L)中5−ブロモ−2−(4−クロロベンゾイル)−3−フルオロ安息香メチル(264.5g、0.713mol、1.0当量)の撹拌溶液に、ビスピナコラートジボロン(217.3g、0.856mol、1.2当量)および酢酸カリウム(139.7g、1.426、2.0当量)を添加した。これをNで20分間脱気した後、Pd(dppf)Cl.DCM(17.47g、0.021mol、0.03当量)を添加し、さらに10分間脱気した後、90℃に一晩加熱した。反応物を室温に冷却した後、大きい分離器に移した。酢酸エチル(2L)を添加し、有機物を水(3×1L)で洗浄した。有機物を合わせ、乾燥させ(MgSO4)、濃縮して、茶色の油(468.6g)にした。
粗材料をトルエン中に取り込み、シリカカラム(4Lのシンター、厚さ20cm)上に置き、トルエン(15L)で溶出した。材料を濃縮し、全ての他のランと合わせた後、ガソリン40−60(4L)中で3時間にわたってスラリー状にして、オフホワイトの固体(908.2g、66.3%)として表題化合物を得た。H NMR(CDCl):8.32(1H,s,Ar−H),7.72−7.79(5H,m,5xAr−H),3.75(3H,s,O−Me),1.39(12H,s,C−CH
ステップ3:(4−(4−クロロベンゾイル)−3−フルオロ−5−(メトキシカルボニル)フェニル)ボロン酸
アセトン(340mL)および水(170mL)中2−(4−クロロベンゾイル)−3−フルオロ−5−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)安息香酸メチル(50g、107mmol)の懸濁液に、酢酸アンモニウム(20.71g、269mmol)および過ヨウ素酸ナトリウム(57.5g、269mmol)を添加した。懸濁液を室温で48時間撹拌した。反応混合物をEtOAc(100mL)で希釈し、濾過した。濾過ケーキをEtOAc(4×100mL)で洗浄した。濾液をおよそ半分の体積に真空内で部分的に濃縮した。混合物を1M HCl(水溶液)(200mL)で希釈し、層を分離した。水相をEtOAc(200mL)で抽出し、合わせた有機抽出物をブライン(400mL)で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、真空内濃縮して、白色の固体(約42g)として粗生成物を得た。
粗生成物をイソヘキサン(300mL)で粉砕し、濾過し、イソヘキサン(3×200mL)で洗浄し、乾燥させて、白色の固体として、(4−(4−クロロベンゾイル)−3−フルオロ−5−(メトキシカルボニル)フェニル)ボロン酸(38.9g、104mmol、97%収率)を得た。H NMR(DMSO−d6,400 MHz)δ8.64(2H,br s),8.34(1H,d),7.95(1H,dd),7.80−7.68(2H,m),7.65−7.55(2H,m),3.69(3H,s).m/z 336.9(M+H)(ES);
ステップ4:2−(4−クロロベンゾイル)−3−フルオロ−5−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−カルボニル)安息香酸メチル
乾燥THF(350mL)中(4−(4−クロロベンゾイル)−3−フルオロ−5−(メトキシカルボニル)フェニル)ボロン酸(25g、74.3mmol)およびテトラヒドロ−2H−ピラン−4−カルボチオ酸S−p−トリル(36.0g、152mmol)の混合物を排出し、窒素で戻し充填した(3回)。乾燥THF(20mL)中Pd(dba)(0.340g、0.371mmol)、((チオフェン−2−カルボニル)オキシ)銅(29.0g、152mmol)、および亜リン酸トリエチル(0.260mL、1.486mmol)を添加し、混合物を排出し、窒素で戻し充填した(3回)。反応物を室温で72時間撹拌した。混合物をMTBE(300mL)で希釈し、Celiteパッドを通して濾過し、MTBE(1000mL)で洗浄した。濾液を真空内濃縮し、残渣をMTBE(500mL)中に再溶解させ、1M NaOH(水溶液)(2×300mL)で洗浄した。水相をMTBE(400mL)で抽出し、合わせた有機相をブライン(300mL)で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、濾過し、真空内で部分的に濃縮して、およそ300mLにした。
溶液を脱色木炭(約5g)で2時間撹拌し、その後、Celite上で濾過した。濾液を真空内濃縮して、濃いオレンジ色の油(47.5g)を得た。粗生成物をイソヘキサン(250mL)と共蒸発させて、黄色/オレンジ色の固体を得た。固体をイソヘキサン(550mL)中に懸濁させ、還流加熱し、3時間勢いよく撹拌した。懸濁液を濾過し、収集した固体をイソヘキサン(3×100mL)で洗浄し、乾燥させて、淡黄色の固体として、2−(4−クロロベンゾイル)−3−フルオロ−5−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−カルボニル)安息香酸メチル(26.4g、63.9mmol、86%収率)を得た。H NMR(CDCl,400 MHz)δ8.41(1H,d),7.91(1H,dd),7.78−7.69(2H,m),7.49−7.41(2H,m),4.16−4.02(2H,m),3.77(3H,s),3.66−3.55(2H,m),3.55−3.46(1H,m),1.99−1.76(4H,m)。35Cl(ES)のm/z 404.9(M+H)
ステップ5:2−(4−クロロベンゾイル)−3−フルオロ−5−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−カルボニル)安息香酸
1N LiOH(4.40mL、4.40mmol)を、ジオキサン(15mL)中2−(4−クロロベンゾイル)−3−フルオロ−5−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−カルボニル)安息香酸メチル(0.89g、2.199mmol)の溶液に添加し、結果として得られた懸濁液を1時間撹拌した。混合物をEtOAcおよび水で希釈し、1N HCl(20mL)を添加した。粗生成物をEtOAcで抽出し、合わせた有機抽出物をブラインで洗浄し、乾燥させ(MgSO)、真空下で濃縮して、白色の固体として表題化合物(0.78g)を得た。H NMR(CDCl,400 MHz)δ13.92(s,1H),8.36(d,1H),8.28(dd,1H),7.76(d,1H),7.66−7.57(m,2H),3.95−3.87(m,2H),3.85−3.73(m,1H),3.53(ddd,2H),1.81−1.73(m,3H),1.69−1.53(m,2H)。LCMS m/z 391/393(M+H)
2−(4−クロロベンゾイル)−3−フルオロ−5−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−カルボニル)安息香酸誘導体の代替合成:2−(4−クロロベンゾイル)−3−フルオロ−5−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−カルボニル)安息香酸エチル
Figure 2020515546
ステップ1:3−フルオロ−5−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−カルボニル)安息香酸塩
THF(47mL)中(3−(エトキシカルボニル)−5−フルオロフェニル)ボロン酸(2.00g、9.43mmol)およびテトラヒドロ−2H−ピラン−4−カルボチオ酸S−p−トリル(4.91g、20.76mmol)の混合物を排出し、窒素で戻し充填した(3回)。その後、混合物をトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(O)(0.173g、0.189mmol)、((チオフェン−2−カルボニル)オキシ)銅(3.96g、20.76mmol)、および亜リン酸トリエチル(0.132mL、0.755mmol)で処理し、混合物を排出し、窒素で戻し充填した(3回)。混合物を室温で3日間撹拌し、その後、MTBE(20mL)で希釈し、Celiteを通して濾過した。パッドをMTBE(2×50mL)で除去し、合わせた濾液を蒸発させた。残渣をMTBE(50mL)中に取り込み、冷1N水酸化ナトリウム水溶液(2×25mL)で、続いて、水(2×25mL)で、その後、ブライン(25mL)で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、蒸発させた。残渣をクロマトグラフィー(SiO、80gカラム、0〜50%MTBE/イソヘキサン)によって精製して、黄色の油(2.618g、99%)を得て、これをクロマトグラフィー(SiO、80gカラム、0〜25%EtOAc/イソヘキサン)によってさらに精製して、淡黄色の油として3−フルオロ−5−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−カルボニル)安息香酸エチル(2.336g、8.21mmol、87%収率)を得た。H NMR(CDCl)δ:8.36(t,1H),7.92(ddd,1H),7.82(ddd,1H),4.43(q,2H),4.11−3.99(m,2H),3.58(ddd,2H),3.54−3.45(m,1H),1.94−1.72(m,4H),1.42(t,3H)。LCMS m/z 281(M+H)
ステップ2〜3:2−(4−クロロベンゾイル)−3−フルオロ−5−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−カルボニル)安息香酸エチル
塩化亜鉛(1.362g、9.99mmol)および撹拌棒フラスコ内に入れ、隔膜で密閉し、排出し、140℃(ブロック)で3時間加熱した。塩化亜鉛を冷却させ、窒素でパージし、THF(10mL)中に溶解させて、1.0M溶液を得た。
THF(0.5mL)中3−フルオロ−5−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−カルボニル)安息香酸エチル(280mg、0.999mmol)の撹拌溶液を塩化亜鉛(THF中1.0M)(0.5mL、0.500mmol)で処理し、10分間撹拌した。その後、溶液を2,2,6,6−テトラメチルピペリジン塩化マグネシウム−塩化リチウム錯体(THF/トルエン中1.0M)(1.1mL、1.100mmol)で処理し、室温で一晩撹拌した。その後、溶液を、−40℃で、シアン化銅.2LiCl(THF中1M溶液)(1.1mL、1.100mmol)で、その直後に、THF(0.5mL)中4−クロロベンゾイルクロリド(0.154mL、1.199mmol)の溶液で処理し、室温で3日間撹拌した。混合物を飽和NaHCO水溶液(10mL)でクエンチし、MTBE(3×10mL)で抽出した。合わせた抽出物をブライン(10mL)で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、蒸発させて、茶色の油(526mg)を得た。油をクロマトグラフィー(SiO、24gカラム、0〜50%MTBE/イソヘキサン)によって精製して、黄色の固体として、2−(4−クロロベンゾイル)−3−フルオロ−5−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−カルボニル)安息香酸エチル(183mg、0.415mmol、41.6%収率)を得た。H NMR(CDCl,400 MHz)δ8.43(d,1H),7.90(dd,1H),7.78−7.69(m,2H),7.48−7.41(m,2H),4.21(q,2H),4.14−4.01(m,2H),3.59(ddd,2H),3.55−3.46(m,1H),1.98−1.78(m,4H),1.17−1.07(m,3H)。LCMS m/z 419(M+H)
ステップ4:2−(4−クロロベンゾイル)−3−フルオロ−5−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−カルボニル)安息香酸
THF(1mL)およびメタノール(0.5mL)中2−(4−クロロベンゾイル)−3−フルオロ−5−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−カルボニル)安息香酸エチル(100mg、0.239mmol)の撹拌溶液を、水(0.24mL)中水酸化リチウム(10mg、0.418mmol)の溶液で処理し、室温で3時間撹拌した。溶液を濃縮して有機溶媒の大半を除去し、残渣を水(10mL)で希釈し、メチルt−ブチルエーテル(3×5mL)で洗浄し、1N塩酸でpH1に酸性化した。水層をメチルt−ブチルエーテル(3×5mL)で抽出し、合わせた有機層をブライン(10mL)で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、蒸発させて、クリーム色の固体として、2−(4−クロロベンゾイル)−3−フルオロ−5−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−カルボニル)安息香酸(97mg、0.199mmol、83%収率)を得た。H NMR(CDCl,400 MHz)δ13.92(s,1H),8.36(d,1H),8.28(dd,1H),7.79−7.70(m,2H),7.65−7.60(m,2H),3.94−3.87(m,2H),3.83−3.74(m,1H),3.53(ddd,2H),1.83−1.72(m,2H),1.69−1.53(m,2H)。LCMS m/z 391(M+H)
合成1a(アリルエステル)
(2S,3S)−3−(4−クロロフェニル)−3−[(1R)−1−(4−クロロフェニル)−7−フルオロ−5−[(1S)−1−ヒドロキシ−1−(オキサン−4−イル)プロピル]−1−メトキシ−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−2−イル]−2−メチルプロパン酸
Figure 2020515546
ステップ1:2−(4−クロロベンゾイル)−3−フルオロ−5−(1−ヒドロキシ−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)プロピル)安息香酸
窒素雰囲気下で−50℃の50mLのTHFに、ジエチル亜鉛(62mL、ヘキサン中1M溶液、62.0mmol)およびエチルリチウム(36mL、ジブチルエーテル中1.72M溶液、62.0mmol)を添加した。混合物を−50℃で1時間撹拌し、その後、2−(4−クロロベンゾイル)−3−フルオロ−5−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−カルボニル)安息香酸(9.7g、24.0mmol)をTHF(100mL)溶液として添加した。混合物がすぐに濃いオレンジ色になり、内部温度が−22℃に達した。混合物を−50℃で20分間撹拌した後、2N HCl(500mL)(注意)を緩徐に添加することによってクエンチした。1時間撹拌した後、pHを2M HClで1〜2に調整し、水相を酢酸エチル(200mL)で抽出し、2M HCl(75mL)で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗生成物をシリカカラムクロマトグラフィー(勾配溶出、イソヘキサン中0〜100%EtOAc)によって精製して、無色の泡として表題化合物(9.03g、90%)を得た。
H NMR(400 MHz,DMSO)7.89(1H,s),7.70(2H,d),7.64−7.55(3H,m),4.96(1H,s),3.91(1H,dd),3.79(1H,dd),3.30−3.17(2H,m),1.92−1.85(3H,m),1.69(1H,d),1.42−1.28(2H,m),1.03(1H,d),0.65(3H,dd)交換性プロトンは1つも観察されなかった。MS:[M+H]+=421
ステップ2:(S)−2−(4−クロロベンゾイル)−3−フルオロ−5−(1−ヒドロキシ−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)プロピル)安息香酸メチル
粗2−(4−クロロベンゾイル)−3−フルオロ−5−(1−ヒドロキシ−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)プロピル)安息香酸(6.32g、15mmol)、KCO(2.69g、19mmol)、およびDMF(50mL)を含有する丸底フラスコに、ヨウ化メチル(0.934mL、16mmol)を添加した。反応物を室温で1.5時間撹拌した後、LCMSは、所望の生成物への完全変換を示した。混合物を減圧下で濃縮し、残渣を酢酸エチル(150mL)中に溶解させ、水(100mL)で、その後、4%LiCl水溶液(2×100mL)で洗浄した。有機層を硫酸マグネシウム上で乾燥させ、濾過し、濃縮して、淡黄色の泡を得た。キラルSFCを使用して鏡像異性体を分離して、無色の固体として表題化合物を得た。
(S)−2−(4−クロロベンゾイル)−3−フルオロ−5−(1−ヒドロキシ−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)プロピル)安息香酸メチル:高速走行異性体MS:[M+H]+=435.[α] 20=−1.83(c 1.0,MeOH)。H NMR(400 MHz,CDCl3)7.84(1H,d),7.75−7.72(2H,m),7.47−7.42(3H,m),4.05(1H,dd),3.95(1H,dd),3.72(3H,s),3.44−3.27(2H,m),1.99−1.88(3H,m),1.78(2H,s),1.55−1.41(2H,m),1.18(1H,d),0.77(3H,dd);MS:[M+H]+=435
(R)−2−(4−クロロベンゾイル)−3−フルオロ−5−(1−ヒドロキシ−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)プロピル)安息香酸メチル:低速走行異性体MS:[M+H]+=435.[α] 20=+1.48(c 1.0,MeOH)。
ステップ3:(S)−2−(4−クロロベンゾイル)−3−フルオロ−5−(1−ヒドロキシ−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)プロピル)安息香酸
(S)−2−(4−クロロベンゾイル)−3−フルオロ−5−(1−ヒドロキシ−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)プロピル)安息香酸メチル(8.2g、18.86mmol)をTHF(250mL)、メタノール(30mL)、および水(50mL)中に溶解させた。無水LiOH(2.26g、94.3mmol)を添加し、混合物を室温で2時間撹拌した。結果として得られた溶液を濃縮しておよそ60mLの体積にし、水(500mL)で希釈し、ジエチルエーテル(400mL)で洗浄した。その後、水層を2N HClで酸性化し、DCM(3×200mL)で抽出した。合わせた抽出物を乾燥させ(MgSO)、蒸発させて、無色の泡として表題化合物(8.1g、量的)を得た。H NMR(400 MHz,CDCl)7.86(1H,s),7.71(2H,d),7.49−7.41(3H,m),4.05(1H,dd),3.98−3.93(1H,m),3.43−3.28(2H,m),1.97−1.89(2H,m),1.77−1.74(1H,m),1.52−1.40(2H,m),1.20−1.13(1H,m),0.75(3H,dd)、OHおよびCOOHは観察されなかった。MS:[M−H=419.[α] 20=−2.3(c 1.0,MeOH)。
ステップ4:(2S,3S)−3−(4−クロロフェニル)−3−[(1R)−1−(4−クロロフェニル)−7−フルオロ−1−ヒドロキシ−5−[(1S)−1−ヒドロキシ−1−(オキサン−4−イル)プロピル]−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−2−イル]−2−メチルプロパン酸プロプ−2−エン−1−イル
無水DMF(10mL)中(S)−2−(4−クロロベンゾイル)−3−フルオロ−5−(1−ヒドロキシ−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)プロピル)安息香酸(1.0g、2.37mmol)、(2S,3S)−3−アミノ−3−(4−クロロフェニル)−2−メチルプロパン酸アリル塩酸塩(0.69g、2.37mmol)、およびDIPEA(1.23mL、7.11mmol)の撹拌溶液に、HATU(1.35g、3.55mmol)を一度に添加した。3時間撹拌した後、反応物を水(100mL)で希釈し、2N HCl(25mL)を添加した。混合物を10分間撹拌し、沈殿した固体を濾過し、0.5M HCl、水で洗浄し、風乾した。この固体をEtOAc(100mL)中に溶解させ、MgSOで乾燥させ、蒸発させて、淡クリーム色の固体を得た。粗固体を最小限のDCM(合計およそ8mL)中に溶解させ、乾燥シリカカートリッジ(40g、Isochim球状粒子カートリッジ)の上部に塗布し、100%イソヘキサン(2CV)、その後、20CVにわたってイソヘキサン中0〜100%EtOAcの勾配で溶出するクロマトグラフにかけた。画分5〜18(およそ40〜60%EtOAcから溶出)をプールし、蒸発させて、無色の泡を得た。
無色の泡をDCM(10mL)中に溶解させ、MeOH(30mL)で希釈し、溶液を蒸発させた。メタノール(10mL)を残渣に添加し、混合物を蒸発させ、回転(真空ポンプ)で10分間、真空下で保持し、無色の固体として表題化合物を得た。(1.36g、90%)[dr(1R:1S)=24:1*]。H NMR(400 MHz,CDCl3)7.70(1H,s),7.18(1H,d),7.03(4H,s),6.96(4H,s),5.61−5.50(1H,m),5.08−4.99(2H,m),4.38(1H,d),4.30−4.20(3H,m),4.09(1H,s),3.93(1H,dd),3.61(1H,dd),3.35−3.28(1H,m),3.15(1H,dd),2.03(1H,s),1.93−1.68(4H,m),1.34−1.22(5H,m),0.9(1H,d),0.68(3H,t)。MS:[M−H]=654。
ステップ5[方法1(MeOBFを使用)]:
(2S,3S)−3−(4−クロロフェニル)−3−[(1R)−1−(4−クロロフェニル)−7−フルオロ−5−[(1S)−1−ヒドロキシ−1−(オキサン−4−イル)プロピル]−1−メトキシ−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−2−イル]−2−メチルプロパン酸プロプ−2−エン−1−イル
(2S,3S)−3−(4−クロロフェニル)−3−[(1R)−1−(4−クロロフェニル)−7−フルオロ−1−ヒドロキシ−5−[(1S)−1−ヒドロキシ−1−(オキサン−4−イル)プロピル]−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−2−イル]−2−メチルプロパン酸プロプ−2−エン−1−イル(0.53g、0.8mmol)を含有したオーブン乾燥丸底フラスコに、新鮮な無水DCM(15mL)を室温で添加した。微細な白色の懸濁液を室温で5分間撹拌した後、新たに調製したプロトンスポンジ(0.57g、5mL無水DCM中2.6mmol)溶液を添加し、反応混合物を室温でさらに5分間撹拌した(依然として非常に微細な白色の懸濁液)。新鮮なMeOBF(0.36g、2.4mmol)を白色の微細な懸濁液に室温で一度に添加した。6時間撹拌した後、黄色の不均一な反応混合物を濾過し、黄色の濾過溶液を減圧下で濃縮して、黄色の固体を得た。粗固体をジエチルエーテル/DCM(25mL、9:1)の混合物で洗浄し、淡黄色の固体を濾過した。淡オフホワイトの溶液になった濾液を減圧下で濃縮し、残渣をイソヘキサン/ジエチルエーテル(10mL、1:1)の混合物で洗浄した。結果として得られた粗生成物をシリカカラムクロマトグラフィー(勾配溶出、DCM中0〜20%EtOAc)によって精製して、オフホワイトの泡固体(0.225g、41%)として所望の生成物を得て、所望の生成物にはいくらかのプロトンスポンジが混入していた(0.288g、LC−MSによる1:1混合物)。その後、混入材料をDCM(1mL)中に取り込み、1gのMP−TsOHカートリッジ(Bioatage)に装填し、1カラムリザーバー体積のDCMで溶出した(プロセスを2回繰り返した)。収集した画分を減圧下で濃縮して、白色の泡固体(0.19g、35%)として純粋な生成物を得た。これらの2つの収集した固体を合わせ、高真空上で乾燥させて、表題化合物(0.373g、70%)を得た。[dr(1R:1S)=24:1]*,H NMR(400 MHz,CDCl3)7.66(1H,d),7.29(1H,d),6.94−6.86(8H,m),5.60−5.49(1H,m),5.06−4.96(2H,m),4.34−4.26(4H,m),4.03(1H,dd),3.91(1H,dd),3.42−3.27(2H,m),3.24(3H,s),1.98−1.87(3H,m),1.75(1H,d),1.70(1H,s),1.50−1.37(5H,m),1.08(1H,d),0.70(3H,dd)。MS:[M+H]=670。
ステップ5[方法2(CsCO/MeIを使用)]:
(2S,3S)−3−(4−クロロフェニル)−3−[(1R)−1−(4−クロロフェニル)−7−フルオロ−5−[(1S)−1−ヒドロキシ−1−(オキサン−4−イル)プロピル]−1−メトキシ−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−2−イル]−2−メチルプロパン酸プロプ−2−エン−1−イル
(2S,3S)−3−(4−クロロフェニル)−3−[1−(4−クロロフェニル)−7−フルオロ−1−ヒドロキシ−5−[(1S)−1−ヒドロキシ−1−(オキサン−4−イル)プロピル]−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−2−イル]−2−メチルプロパン酸プロプ−2−エン−1−イル(7.10g、10.80mmol)[dr(1R:1S)=3:1*)、CsCO(7.05g、20mmol)、およびMeI(0.8mL、12.9mmol)を、1:1アセトン:ジクロロメタン(250mL)中で、室温で48時間撹拌した。反応混合物を蒸発乾固させ、残渣を酢酸エチル(500mL)中に溶解させ、水(500mL)で洗浄した。水層を酢酸エチル(300mL)で戻し抽出し、有機抽出物を合わせ、乾燥させ(MgSO)、蒸発させて、(2S,3S)−3−(4−クロロフェニル)−3−[(1R)−1−(4−クロロフェニル)−7−フルオロ−5−[(1S)−1−ヒドロキシ−1−(オキサン−4−イル)プロピル]−1−メトキシ−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−2−イル]−2−メチルプロパン酸プロプ−2−エン−1−イル[dr(1R:1S)=3:1]*(7.6g、100%)を得た。
ジアステレオ異性体を、SFC[(LUX CELLULOSE−4カラム、10/90 MeOH/CO、100mL/分、120バール、40C、GLS 40PSI、SYSTEM 3150PSI、DROP 100バール、STACKER、225nm、試料を300mLのMeOH/CAN(1:1)中4400mgとして調製、500μL/inj、およそ7.4mg/imj、CT3.9/1.0分、合計INJ 611)によって分離して、以下の表題化合物を得ることができる。
(2S,3S)−3−(4−クロロフェニル)−3−[(1R)−1−(4−クロロフェニル)−7−フルオロ−5−[(1S)−1−ヒドロキシ−1−(オキサン−4−イル)プロピル]−1−メトキシ−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−2−イル]−2−メチルプロパン酸プロプ−2−エン−1−イル
速く溶出する異性体として:
および
(2S,3S)−3−(4−クロロフェニル)−3−[(1S)−1−(4−クロロフェニル)−7−フルオロ−5−[(1S)−1−ヒドロキシ−1−(オキサン−4−イル)プロピル]−1−メトキシ−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−2−イル]−2−メチルプロパン酸プロプ−2−エン−1−イル(遅く溶出する異性体として:H NMR(400 MHz,CDCl3)7.66−7.62(3H,m),7.37(3H,s),7.34(1H,s),7.32−7.29(1H,m),7.26(2H,m,CHClと重複),5.61−5.50(1H,m),5.08−4.97(2H,m),4.31−4.24(3H,m),4.17(1H,d,),4.03(1H,dd),3.90(1H,dd),3.41−3.23(2H,m),2.33(3H,s),1.98−1.87(3H,m),1.76(1H,d),1.72(1H,s),1.50−1.37(2H,m),1.05(1H,d),0.79−0.69(6H,m);MS:[M+H]+=670
ステップ6(方法1):(2S,3S)−3−(4−クロロフェニル)−3−[(1R)−1−(4−クロロフェニル)−7−フルオロ−5−[(1S)−1−ヒドロキシ−1−(オキサン−4−イル)プロピル]−1−メトキシ−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−2−イル]−2−メチルプロパン酸
(2S,3S)−3−(4−クロロフェニル)−3−[(1R)−1−(4−クロロフェニル)−7−フルオロ−5−[(1S)−1−ヒドロキシ−1−(オキサン−4−イル)プロピル]−1−メトキシ−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−2−イル]−2−メチルプロパン酸プロプ−2−エン−1−イル(0.35g、0.52mmol、ステップ5、方法1のもの)、Pd(PPh(0.060g、0.05mmol)、およびKCO(0.14g、1.05mmol)をメタノール(10mL)中で、室温で1.5時間撹拌した。反応混合物を濃縮して5mLにし、その後、5%クエン酸水溶液(75mL)で希釈した。沈殿した固体を酢酸エチル(3×50mL)で抽出した。有機層を合わせ、乾燥させ(MgSO)、蒸発させて、白色の固体を得た。粗材料を、0〜100%酢酸エチル:イソヘキサン勾配を使用したシリカクロマトグラフィーによって精製して、生成物(0.19g、58%)を得た。
この材料を5mLのジエチルエーテル中に溶解させ、数滴のイソヘキサンを添加して、混濁溶液を得た。フラスコに栓をし、溶液を18時間静置した。結果として得られた結晶を濾過し、1:1ジエチルエーテル:イソヘキサンで洗浄して、白色の固体(0.164g、49%)として表題化合物を得た。1H NMR(400 MHz,DMSO−d6):12.56−12.00(1H,m),7.71(1H,s),7.42(1H,d),7.02(4H,d),6.88(3H,d),4.91(1H,s),4.23(1H,d),3.99−3.85(2H,m),3.75(1H,dd),3.25−3.10(5H,m),2.02−1.90(1H,m),1.90−1.78(2H,m),1.67(1H,d),1.43−1.17(6H,m),0.95(1H,d),0.58(3H,t)。MS:m/z=630[M+H]。MS:m/z=628[M−H
ステップ6(方法2):(2S,3S)−3−(4−クロロフェニル)−3−[(1R)−1−(4−クロロフェニル)−7−フルオロ−5−[(1S)−1−ヒドロキシ−1−(オキサン−4−イル)プロピル]−1−メトキシ−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−2−イル]−2−メチルプロパン酸
ステップ5(方法2)の生成物から出発し、ステップ6(方法1)に記載の手順と同様の手順を使用して、(2S,3S)−3−(4−クロロフェニル)−3−[1−(4−クロロフェニル)−7−フルオロ−5−[(1S)−1−ヒドロキシ−1−(オキサン−4−イル)プロピル]−1−メトキシ−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−2−イル]−2−メチルプロパン酸を白色の固体として得た[dr(1R:1S)=3:1]。この材料300mgを、Lux C2(21.2mm×250nn、5um)カラムを使用し、かつ32:68 MeOH:CO(0.1v/v%NH3)で溶出したSFCによって精製して、表題化合物(175mg)を得た。
表題化合物を、キラルHPLCを使用して他方のエピマー(イソインドリノン1位で)と区別することができる:
27℃で維持したChiralpak IAカラム(250×4.6mm、5μ)を使用したShimadzu Prominence HPLC−UVで分析を行った。移動相は、85:15 ヘプタン:IPA+0.1%トリフルオロ酢酸からなり、均一濃度で25分間、1mL/分で泳動し、UV検出を254nmの波長で行った。
(2S,3S)−3−(4−クロロフェニル)−3−[(1R)−1−(4−クロロフェニル)−7−フルオロ−5−[(1S)−1−ヒドロキシ−1−(オキサン−4−イル)プロピル]−1−メトキシ−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−2−イル]−2−メチルプロパン酸(表題化合物)[保持時間=9.85]。
(2S,3S)−3−(4−クロロフェニル)−3−[(1S)−1−(4−クロロフェニル)−7−フルオロ−5−[(1S)−1−ヒドロキシ−1−(オキサン−4−イル)プロピル]−1−メトキシ−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−2−イル]−2−メチルプロパン酸(保持時間=8.0)
合成1b(SEMエステル)
(2S,3S)−3−(4−クロロフェニル)−3−[(1R)−1−(4−クロロフェニル)−7−フルオロ−5−[(1S)−1−ヒドロキシ−1−(オキサン−4−イル)プロピル]−1−メトキシ−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−2−イル]−2−メチルプロパン酸
Figure 2020515546
ステップ1:(2S,3S)−3−(4−クロロフェニル)−3−[(1R)−(4−クロロフェニル)−7−フルオロ−1−ヒドロキシ−5−[(1S)−1−ヒドロキシ−1−(オキサン−4−イル)プロピル]−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−2−イル]−2−メチルプロパン酸2−(トリメチルシリル)エチル
HATU(0.095g、0.249mmol)を、DMF(1mL)中(S)−2−(4−クロロベンゾイル)−3−フルオロ−5−(1−ヒドロキシ−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)プロピル)安息香酸(0.1g、0.238mmol)、(2S,3S)−3−アミノ−3−(4−クロロフェニル)−2−メチルプロパン酸2−(トリメチルシリル)エチル(0.093g、0.297mmol)、およびDIPEA(0.083ml、0.475mmol)の混合物に添加し、混合物を3時間撹拌した。飽和NHClを添加し、粗生成物をEtOAcで抽出した。組み合わせられた有機抽出物を、水、NaHCO、食塩水で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、濃縮し、表題化合物[dr(1R:1S)=3:1)*(0.17g)を淡黄色の粘着性ガラス/泡として得た。生成物をさらに精製することなく次のステップで使用した。
ステップ2:(2S,3S)−3−(4−クロロフェニル)−3−[(1R)−1−(4−クロロフェニル)−7−フルオロ−5−[(1S)−1−ヒドロキシ−1−(オキサン−4−イル)プロピル]−1−メトキシ−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−2−イル]−2−メチルプロパン酸2−(トリメチルシリル)エチル
ヨードメタン(0.016ml、0.261mmol)を、1:1のアセトン:DCM(0.75mL)中(2S,3S)−3−(4−クロロフェニル)−3−[1−(4−クロロフェニル)−7−フルオロ−1−ヒドロキシ−5−[(1S)−1−ヒドロキシ−1−(オキサン−4−イル)プロピル]−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−2−イル]−2−メチルプロパン酸2−(トリメチルシリル)エチル[dr(1R:1S)=3:1)*(0.17g、0.237mmol)、および炭酸セシウム(0.155g、0.474mmol)の懸濁液に添加し、混合物を一晩撹拌した。さらなるヨードメタン(4.45μl、0.071mmol)を添加し、混合物を5時間撹拌した。飽和NHClを添加し、粗生成物をDCMで抽出した。合わせた有機抽出物を、食塩水で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、シリカで吸収した。粗生成物を、クロマトグラフィー(SiO、24gカラム、0〜50%EtOAc/イソヘキサン)によって精製し、(2S,3S)−3−(4−クロロフェニル)−3−[(1R)−1−(4−クロロフェニル)−7−フルオロ−5−[(1S)−1−ヒドロキシ−1−(オキサン−4−イル)プロピル]−1−メトキシ−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−2−イル]−2−メチルプロパン酸2−(トリメチルシリル)エチル(0.057g、0.074mmol、収率31.2%)を得た。1H NMR(クロロホルム−d)δ:7.73(d、1H)、7.38〜7.34(m、1H)、6.99(m(br)、8H)、4.42〜4.27(m、2H)、4.09(td、1H)、4.02〜3.82(m、3H)、3.44(ddd、1H)、3.38(ddd、1H)、3.30(s、3H)、1.98(dq、3H)、1.89〜1.74(m、1H)、1.50(ddd、2H)、1.44(d、3H)、1.20〜1.12(m、1H)、0.78(q、3H)、0.72〜0.61(m、2H)、−0.00(s、9H)。LCMS[M+Na+]:752/754/756
ステップ3:(2S,3S)−3−(4−クロロフェニル)−3−[(1R)−1−(4−クロロフェニル)−7−フルオロ−5−[(1S)−1−ヒドロキシ−1−(オキサン−4−イル)プロピル]−1−メトキシ−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−2−イル]−2−メチルプロパン酸
TBAF(0.082ml、0.082mmol)を、THF(0.684ml、0.068mmol)中(2S,3S)−3−(4−クロロフェニル)−3−[(1R)−1−(4−クロロフェニル)−7−フルオロ−5−[(1S)−1−ヒドロキシ−1−(オキサン−4−イル)プロピル]−1−メトキシ−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−2−イル]−2−メチルプロパン酸2−(トリメチルシリル)エチル(0.050g、0.068mmol)の溶液に添加し、混合物を室温で16時間撹拌した。第2の割合のTBAF(0.082ml、0.082mmol)を添加し、反応物をさらに16時間撹拌した。反応物を、減圧下で濃縮し、残渣をEtOAc(10mL)で希釈し、次いで、分離漏斗へと移動させた。飽和NHCl(10mL)を添加して、相を分離した。有機層を、水(10mL)、食塩水(10mL)で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、濾過して、減圧下で濃縮した。粗生成物を、クロマトグラフィー(SiO、12gカラム、0〜10%MeOH/DCM)によって精製し、白色の固体を得た。固体を、EtOAcに溶解し、飽和NHCl(3×20mL)で洗浄した。次いで、有機層を、食塩水で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、真空下で濃縮して、表題化合物(0.028g、0.044mmol、収率63.6%)を白色の固体として得た。
合成1bに対する代替的末端
(2S,3S)−3−(4−クロロフェニル)−3−[(1R)−1−(4−クロロフェニル)−7−フルオロ−5−[(1S)−1−ヒドロキシ−1−(オキサン−4−イル)プロピル]−1−メトキシ−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−2−イル]−2−メチルプロパン酸
Figure 2020515546
ステップ1:(2S,3S)−3−(4−クロロフェニル)−3−[(1R)−1−(4−クロロフェニル)−7−フルオロ−1−メトキシ−5−[(1S)−1−(オキサン−4−イル)−1−[(トリメチルシリル)オキシ]プロピル]−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−2−イル]−2−メチルプロパン酸2−(トリメチルシリル)エチル
トリフルオロメタンスルホン酸トリメチルシリル(0.179ml、0.992mmol)を、0℃で、窒素下で、DCM(3mL)中(2S,3S)−3−(4−クロロフェニル)−3−[1−(4−クロロフェニル)−7−フルオロ−5−[(1S)−1−ヒドロキシ−1−(オキサン−4−イル)プロピル]−1−メトキシ−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−2−イル]−2−メチルプロパン酸2−(トリメチルシリル)エチル[dr(1R:1S)=3:1](0.29g、0.397mmol)の溶液に滴下で添加し、混合物を1.2時間撹拌した。飽和NaHCOを0℃で添加し、粗生成物をDCMで抽出した。合わせた有機抽出物を、食塩水で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、シリカで吸収した。粗生成物を、クロマトグラフィー(SiO、12gカラム、0〜10%EtOAc/イソヘキサン)によって精製し、(2S,3S)−3−(4−クロロフェニル)−3−[1−(4−クロロフェニル)−7−フルオロ−1−メトキシ−5−[(1S)−1−(オキサン−4−イル)−1−[(トリメチルシリル)オキシ]プロピル]−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−2−イル]−2−メチルプロパン酸2−(トリメチルシリル)エチル[dr(1R:1S)〜3:1]を白色の固体として得た。1mLのEtOHを、100mgのこの混合物に添加し、溶液を得た。溶液を真空下で手短に濃縮し、その間に、沈殿物が形成された。約0.5mLのEtOHを添加し、非常に濃い懸濁液を得た。さらなる約0.5mLのEtOHを添加し、懸濁液を溶解するまでヒートガンで加熱した。沈殿物が素早く現れ、懸濁液が残り、45分間撹拌した。沈殿物を、相分離カートリッジを通して濾過し、EtOHで洗浄し、風乾させた。固体をDCMに溶解し、溶液を真空下で濃縮し、(2S,3S)−3−(4−クロロフェニル)−3−[(1R)−1−(4−クロロフェニル)−7−フルオロ−1−メトキシ−5−[(1S)−1−(オキサン−4−イル)−1−[(トリメチルシリル)オキシ]プロピル]−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−2−イル]−2−メチルプロパン酸2−(トリメチルシリル)エチル(0.059g、0.072mmol、収率58.5%)を白色の固体として得た。LCMS[M+Na]:824/826/828
ステップ2:(2S,3S)−3−(4−クロロフェニル)−3−[(1R)−1−(4−クロロフェニル)−7−フルオロ−5−[(1S)−1−ヒドロキシ−1−(オキサン−4−イル)プロピル]−1−メトキシ−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−2−イル]−2−メチルプロパン酸
TBAF(THF中1M)(0.156ml、0.156mmol)を、THF(0.3mL)中(2S,3S)−3−(4−クロロフェニル)−3−[(1R)−1−(4−クロロフェニル)−7−フルオロ−1−メトキシ−5−[(1S)−1−(オキサン−4−イル)−1−[(トリメチルシリル)オキシ]プロピル]−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−2−イル]−2−メチルプロパン酸2−(トリメチルシリル)エチル(0.05g、0.062mmol)の溶液に添加し、混合物を一晩撹拌した。飽和NH4Clを添加し、粗生成物をEtOAcで抽出した。合わせた有機抽出物を、水、1N HCl、水、食塩水で洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、真空下で濃縮して、(2S,3S)−3−(4−クロロフェニル)−3−[(1R)−1−(4−クロロフェニル)−7−フルオロ−5−[(1S)−1−ヒドロキシ−1−(オキサン−4−イル)プロピル]−1−メトキシ−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−2−イル]−2−メチルプロパン酸(0.037g、0.053mmol、収率85%)を白色の固体として得た。
合成1c(フェニルエステル)
Figure 2020515546
ステップ1:(2S,3S)−3−(4−クロロフェニル)−3−[(1R)−1−(4−クロロフェニル)−7−フルオロ−1−ヒドロキシ−5−[(1S)−1−ヒドロキシ−1−(オキサン−4−イル)プロピル]−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−2−イル]−2−メチルプロパン酸フェニル
室温で、無水DMF(10mL)中(S)−2−(4−クロロベンゾイル)−3−フルオロ−5−(1−ヒドロキシ−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)プロピル)安息香酸(0.649g、1.54mmol)、(2S,3S)−3−アミノ−3−(4−クロロフェニル)−2−メチルプロパン酸フェニル塩酸塩(0.5g、1.54mmol)、およびDIPEA(0.805mL、4.62mmol)の撹拌溶液に、HATU(0.875g、2.30mmol)を一度に添加した。反応物を室温で1.5時間撹拌した。反応物を水で希釈し、2N HClを添加した。結果として得られた固体を濾過し、風乾させた。この固体を、最小限のDCMに溶解し、乾燥シリカカートリッジ(80g)の上部に適用し、クロマトグラフィーにかけ、イソヘキサン勾配で、0%〜90%EtOAcで溶出した。生成物を含む画分をプールし、蒸発させて、無色の固体を得た。無色の泡をDCM/MeOHに溶解し、溶液を蒸発させた。メタノール(10mL)を残渣に添加し、混合物を蒸発させ、真空下で、ロータロー上(真空ポンプ)で10分間保持し、表題化合物[dr(1R:1S)=3:1)をクリーム状の固体として得た。(0.752g、71%)。H NMR(400 MHz、CDCl3)7.74〜7.69(2H、m)、7.38(1H、dd)、7.29(1H、dd)、7.26〜7.21(1H、m、CHCl3と重複)、7.18〜7.11(2H、m)、7.06〜7.03(6H、m)、6.58〜6.53(2H、m)、4.58〜4.44(2H、m)、3.96〜3.76(1H、m)、3.47(3H、d)、3.34〜3.07(2H、m)、2.09〜1.65(5H、m)、1.47(2H、d)、1.06〜0.78(3H、m)、0.70(3H、dd,)。
ステップ2:(2S,3S)−3−(4−クロロフェニル)−3−[(1R)−1−(4−クロロフェニル)−7−フルオロ−5−[(1S)−1−ヒドロキシ−1−(オキサン−4−イル)プロピル]−1−メトキシ−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−2−イル]−2−メチルプロパン酸フェニル
丸底フラスコに、新たに開封した無水DCM(10mL)および1,8−ビス(ジメチルアミノ)ナフタレン(プロトンスポンジ)(0.69g、3.26mmol)を添加し、混合物を溶解するまで撹拌した。次いで、ステップ1からの生成物(0.75g、1.09mmol)およびトリメチルオキソニウムテトラフルオロホウ酸塩(0.483g、3.26mmol)を添加した。混合物を室温で18時間添加した。混合物をDCM(40mL)および水(40mL)で希釈し、層を振盪して分離し、DCM(3×50mL)で水性逆抽出した。有機物をプールし、水(100mL)、食塩水(100mL)で洗浄し、MgSOで乾燥させ、減圧下で濃縮した。結果として得られた粗残渣を、ジエチルエーテル(50mL)で粉砕し、濾過した。濾液を濃縮し、シリカクロマトグラフィーによって精製した(イソ−ヘキサン中勾配溶出0〜100%酢酸エチル)。生成物を含む画分を合わせ、濃縮し、表題化合物を薄桃色の泡(0.385g)[dr(1R:1S)=2:1)として得た。SFCによる精製によって、フェニル(2S,3S)−3−(4−クロロフェニル)−3−[(1R)−1−(4−クロロフェニル)−7−フルオロ−5−[(1S)−1−ヒドロキシ−1−(オキサン−4−イル)プロピル]−1−メトキシ−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−2−イル]−2−メチルプロパン酸フェニル(0.096g、12%)(より遅く溶出する異性体として)を得た。MS:[M+H]=706.3、708.3
ステップ3:(2S,3S)−3−(4−クロロフェニル)−3−[(1R)−1−(4−クロロフェニル)−7−フルオロ−5−[(1S)−1−ヒドロキシ−1−(オキサン−4−イル)プロピル]−1−メトキシ−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−2−イル]−2−メチルプロパン酸
室温で、THF(2mL)および水(1mL)中(2S,3S)−3−(4−クロロフェニル)−3−[(1R)−1−(4−クロロフェニル)−7−フルオロ−5−[(1S)−1−ヒドロキシ−1−(オキサン−4−イル)プロピル]−1−メトキシ−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−2−イル]−2−メチルプロパン酸フェニル(より遅く流れる異性体、50mg、0.071mmol)の撹拌溶液に、LiOH.HO(20mg)を一度に添加し、混合物を16時間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮した。結果として得られた残渣を、水(2mL)で希釈し、ジエチルエーテル(2mL)で洗浄し、酢酸エチル(3mL)を添加した。混合物を2M HClで酸性化し、酢酸エチル(3×3mL)で逆抽出した。有機物をプールし、食塩水(2×3mL)で洗浄し、MgSOで乾燥させ、減圧下で濃縮して、表題化合物を薄白色の粗固体(0.044g)として得た。
合成2a(アリルエステル)
Figure 2020515546
ステップ1:
(2S,3S)−3−(4−クロロフェニル)−3−[1−(4−クロロフェニル)−7−フルオロ−1−ヒドロキシ−5−(オキサン−4−カルボニル)−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−2−イル]−2−メチルプロパン酸プロプ−2−エン−1−イル
室温で、無水DCM(500mL)中2−(4−クロロベンゾイル)−3−フルオロ−5−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−カルボニル)安息香酸(18.53g;47.4mmol)、(2S,3S)−3−アミノ−3−(4−クロロフェニル)−2−メチルプロパン酸アリル塩酸塩(13.73g;47.5mmol)、およびDIPEA(36.6mL;211mmol)の撹拌溶液に、HATU(27g;71mmol)を一度に添加した。反応物を、室温で2時間撹拌し、1N HCl(500mL)、2:1の飽和NaHCO:食塩水混合物(500mL)で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、蒸発させた。残渣を、15カラム体積を超えるイソヘキサン勾配で、0〜100%EtOAcで溶出するシリカ(330g)でクロマトグラフィーにかけ、表題化合物をジアステレオ異性体の混合物(30.9g)として得た。MS:[M+H]+=626。これをさらに精製することなく次のステップで使用した。
ステップ2:(2S,3S)−3−(4−クロロフェニル)−3−[(1R)−1−(4−クロロフェニル)−7−フルオロ−1−メトキシ−5−(オキサン−4−カルボニル)−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−2−イル]−2−メチルプロパン酸プロプ−2−エン−1−イル
ヨードメタン(3.54mL;56.9mmol)を、1:1のアセトン:DCM(1000mL)中、ステップ1に由来する粗(2S,3S)−3−(4−クロロフェニル)−3−[1−(4−クロロフェニル)−7−フルオロ−1−ヒドロキシ−5−(オキサン−4−カルボニル)−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−2−イル]−2−メチルプロパン酸プロプ−2−エン−1−イル(30.9g)および無水炭酸セシウム(33.6g;94.8mmol)の撹拌混合物に添加し、混合物を室温で18時間撹拌した。反応物を濃縮して、残渣をEtOAc(1000mL)と水(1000mL)とに分配した。層を分離し、EtOAc(1000mL)で水性抽出した。プールした有機物を、水(750mL)で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、蒸発させて、表題化合物をジアステレオ異性体の混合物として、淡オレンジ色の泡(2ステップにわたって28.7g、94.7%)を得た。これをキラルSFCを使用して分離し、以下を得た:
速く流れる異性体:(2S,3S)−3−(4−クロロフェニル)−3−[(1S)−1−(4−クロロフェニル)−7−フルオロ−1−メトキシ−5−(オキサン−4−カルボニル)−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−2−イル]−2−メチルプロパン酸塩(6.6g;21.7%)H NMR(400MHz、CDCl3)8.20(1H、s)、7.79(1H、d)、7.63(2H、d)、7.42〜7.35(4H、m)、7.27(2H、d)、5.61〜5.50(1H、m)、5.09〜4.97(2H、m)、4.28〜4.25(3H、m)、4.18(1H、d)、4.11〜4.04(2H、m)、3.62〜3.48(3H、m)、2.35(3H、s)、1.95〜1.79(4H、m)、0.78(3H、d)。
遅く流れる異性体:
(2S,3S)−3−(4−クロロフェニル)−3−[(1R)−1−(4−クロロフェニル)−7−フルオロ−1−メトキシ−5−(オキサン−4−カルボニル)−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−2−イル]−2−メチルプロパン酸プロプ−2−エン−1−イル
(14.22g;46.9%)。H NMR(400MHz、CDCl3)8.23(1H、d)、7.77(1H、dd)、6.92(8H、s)、5.60〜5.49(1H、m)、5.07〜4.96(2H、m)、4.34〜4.27(4H、m)、4.11〜4.04(2H、m)、3.61〜3.48(3H、m)、3.27(3H、s)、1.94〜1.76(4H、m)、1.40(3H、dd)。MS:[M+H]+=640.2。[α] 20=+71.57(c1.0、MeOH)。
遅く流れる異性体を以下のステップで使用した。
ステップ3:(2S,3S)−3−(4−クロロフェニル)−3−[(1R)−1−(4−クロロフェニル)−7−フルオロ−1−メトキシ−5−(オキサン−4−カルボニル)−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−2−イル]−2−メチルプロパン酸
窒素下、室温で、無水MeOH(1500mL)中(2S,3S)−3−(4−クロロフェニル)−3−[(1R)−1−(4−クロロフェニル)−7−フルオロ−1−メトキシ−5−(オキサン−4−カルボニル)−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−2−イル]−2−メチルプロパン酸プロプ−2−エン−1−イル(30.5g、47.65mmol)の撹拌溶液に、KCO(13.22g、95.6mmol)、その後にPd(PPh(5.5g、4.76mmol)を添加した。1.5時間撹拌した後、反応物を約50mLに濃縮して、5%クエン酸(1000mL)を添加した。混合物を、EtOAc(3×500mL)で抽出し、プールした抽出物を乾燥させ(MgSO)、蒸発させた。15カラム体積を超えるDCM勾配で0〜20%アセトンで溶出するSiO(330g)でクロマトグラフィーによって、表題化合物を約10mol%のトリフェニルホスフィンオキシドを含んだ淡オレンジ色の固体として得た。(27.8g)。H NMR(400MHz、CDCl3)8.23(1H、d)、7.77(1H、d)、6.90(8H、s)、4.28(2H、dd)、4.10〜4.03(2H、m)、3.61〜3.47(3H、m)、3.26(3H、s)、1.95〜1.78(4H、m)、1.40(3H、d)。交換可能なプロトンは観察されていない。
ステップ4:(2S,3S)−3−(4−クロロフェニル)−3−[(1R)−1−(4−クロロフェニル)−7−フルオロ−5−[(1S)−1−ヒドロキシ−1−(オキサン−4−イル)プロピル]−1−メトキシ−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−2−イル]−2−メチルプロパン酸
この反応物を同じ規模で二連で行った。ジ−n−ブチルエーテル(35.1mL、58mmol)中エチルリチウムの1.65M溶液を、窒素下、−50℃で、無水THF(58mL)中のヘキサン(58mL)中1Mジエチル亜鉛の溶液に1分にわたって添加し、混合物を、窒素下、−50℃でさらに1時間に撹拌した。無水THF(100mL)中(2S,3S)−3−(4−クロロフェニル)−3−[(1R)−1−(4−クロロフェニル)−7−フルオロ−1−メトキシ−5−(オキサン−4−カルボニル)−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−2−イル]−2−メチルプロパン酸(13.9g、23.2mmol)の溶液を、30〜45秒にわたって、急流で添加した。添加を完了すると、反応物を−50℃の冷却槽内で10分間撹拌し、次いで、1N HCl(150mL)で慎重にクエンチし、および室温に達成させた。混合物を、EtOAc(2×750mL)で抽出し、両方の反応物からのプールした抽出物を乾燥させ(MgSO)、蒸発させて、淡オレンジ色の泡(32g)を得た。この材料を、同一の様式で調製された8gの材料と組み合わせ、15カラム体積を超えるDCM勾配で、0〜20%アセトンで溶出するSiO(330g)でクロマトグラフィーにかけ、表題化合物をジアステレオ異性体の混合物として、淡黄色の泡(33g)として得た。キラルSFC[YMC AMYLOSE−Cカラム、20/80 EtOH/CO、100mL/分、120bar、40C、GLS 40PSI、SYSTEM 3750PSI、DROP 131bar、STACKER、230nm)による精製。表題化合物をより速く溶出する異性体(13.8g)として単離した。この材料を、ジエチルエーテル(30mL)に溶解し、室温で18時間放置した。結果として得られた固体を、母液をデカントすることによって単離し、固体を1:1のジエチルエーテル:イソヘキサンで洗浄した。次いで、固体を、200mLメタノール:ジクロロメタン(1:2)に溶解し、脱脂綿の短いパッドを通して濾過した。溶媒を蒸発によって除去し、表題化合物を白色の固体(9.36g、25%)として得た。
表題化合物は、分析的HPLCを使用して他方のエピマーから分化され得る:これを、Chiralpak IAカラム(250×4.6mm、5μ)を使用する島津製作所製Prominence HPLC−UVで行い、27℃で維持した。移動相は、70:30のヘプタン:エタノール+0.1%トリフルオロ酢酸からなり、1mL/分で、25分間均一濃度で行われ、254nmの波長でUV検出を行った。
(2S,3S)−3−(4−クロロフェニル)−3−[(1R)−1−(4−クロロフェニル)−7−フルオロ−5−[(1S)−1−ヒドロキシ−1−(オキサン−4−イル)プロピル]−1−メトキシ−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−2−イル]−2−メチルプロパン酸(表題化合物)[保持時間=6.45分]。
(2S,3S)−3−(4−クロロフェニル)−3−[(1R)−1−(4−クロロフェニル)−7−フルオロ−5−[(1R)−1−ヒドロキシ−1−(オキサン−4−イル)プロピル]−1−メトキシ−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−2−イル]−2−メチルプロパン酸(保持時間=9.06分)
(2S,3S)−3−(4−クロロフェニル)−3−[(1R)−1−(4−クロロフェニル)−7−フルオロ−5−[(1S)−1−ヒドロキシ−1−(オキサン−4−イル)プロピル]−1−メトキシ−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−2−イル]−2−メチルプロパン酸(9.36g)を、無水MeOH(300mL)に溶解し、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン(1.8g;1当量)を添加した。混合物を、全ての固体が溶解するまで撹拌し、次いで、減圧下で蒸発させて、表題化合物をトリス塩(11.3g)として得た。1H NMR(500MHz、DMSO−d6)δ7.69(s、1H)、7.39(d、J=10.7Hz、1H)、7.01(広幅s、4H)、6.96〜6.88(m、4H)、4.92(広幅s、1H)、4.34〜4.22(m、1H)、3.88(dd、J=10.9、4.2Hz、1H)、3.74(dd、J=11.1、4.2Hz、1H)、3.71〜3.61(m、1H)、3.29(s、6H)、3.33〜3.22(m、1H)、3.21〜3.14(m、1H)、3.13(s、3H)、1.94(tt、J=12.2、3.6Hz、1H)、1.89〜1.78(m、2H)、1.66(d、J=12.8Hz、1H)、1.41〜1.24(m、2H)、1.19(d、J=6.8Hz、3H)、0.93(d、J=13.2Hz、1H)、0.57(t、J=7.3Hz、3H)。MS:[M+H]+=630。
合成2b(SEMエステル)
(2S,3S)−3−(4−クロロフェニル)−3−[(1R)−1−(4−クロロフェニル)−7−フルオロ−1−ヒドロキシ−5−(オキサン−4−カルボニル)−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−2−イル]−2−メチルプロパン酸2−(トリメチルシリル)エチル
Figure 2020515546
HATU(10.22g、26.9mmol)を、室温で、DMF(130mL)中(2S,3S)−3−アミノ−3−(4−クロロフェニル)−2−メチルプロパン酸2−(トリメチルシリル)エチル(10.15g、30.7mmol)、2−(4−クロロベンゾイル)−3−フルオロ−5−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−カルボニル)安息香酸(10.0g、25.6mmol)、およびDIPEA(8.94ml、51.2mmol)の撹拌溶液に少しずつ添加した。混合物を室温で3.5時間撹拌した。反応混合物を水(200mL)で希釈し、EtOAc(200mL)で抽出した。有機相を食塩水(3×200mL)で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、濾過し、真空中で濃縮して、表題化合物(19.99g、23.29mmol、収率91%)[dr(1R:1S)=2.5:1]を泡状の淡黄色の固体として得た。H NMR(CDCl、400MHz)δ8.17〜8.07(1H、m)、7.78〜7.68(1H、m)、7.60(1H、d)、7.43〜7.35(2H、m)、7.22(1H、d)、7.09〜7.01(2H、m)、7.00〜6.93(2H、m)、4.38(1H、d)、4.21〜4.05(2H、m)、4.05〜3.95(2H、m)、3.94〜3.77(2H、m)、3.64〜3.40(3H、m)、1.89〜1.63(4H、m)、1.28(3H、d、主要ds)、0.77(3H、d、非主要ds)、0.70〜0.53(2H、m)、−0.06(9H、s)。m/z 708.2(M+Na)
(2S,3S)−3−(4−クロロフェニル)−3−[(1R)−1−(4−クロロフェニル)−7−フルオロ−1−メトキシ−5−(オキサン−4−カルボニル)−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−2−イル]−2−メチルプロパン酸2−(トリメチルシリル)エチル
Figure 2020515546
ヨウ化メチル(1.202ml、19.22mmol)を、アセトン(90mL)およびDCM(90mL)中(2S,3S)−3−(4−クロロフェニル)−3−[(1R)−1−(4−クロロフェニル)−7−フルオロ−1−ヒドロキシ−5−(オキサン−4−カルボニル)−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−2−イル]−2−メチルプロパン酸2−(トリメチルシリル)エチル(15g、17.48mmol))[dr(1R:1S)=2.5.1]、およびCsCO(11.39g、35.0mmol)の撹拌懸濁液に添加した。混合物を室温で18時間撹拌した。混合物を、飽和NHCl水溶液(200mL)で洗浄した。水性相をDCM(2×200mL)で抽出した。合わせた有機相を、1M HCl水溶液(400mL)および食塩水(400mL)で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、濾過し、真空中で濃縮して、粗生成物を淡オレンジ色の泡状の固体(15.3g)として得た。粗生成物を、クロマトグラフィー(SiO、330gカラム、5〜40%EtOAc/イソヘキサン)によって精製し、表題化合物(9.678g、13.54mmol、収率77%)[dr(1R:1S〜3:1)を淡黄色の固体として得た。m/z 639.9(M−MeOH−2×Me)(ES);
5.1gの生成物をキラルSFCによって精製し、以下を得た。
薄白色の固体として、主要なジアステレオ異性体である、(2S,3S)−3−(4−クロロフェニル)−3−[(1R)−1−(4−クロロフェニル)−7−フルオロ−1−メトキシ−5−(オキサン−4−カルボニル)−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−2−イル]−2−メチルプロパン酸2−(トリメチルシリル)エチル(3.295g、4.66mmol、収率64.0%)。H NMR(CDCl、400MHz)δ8.23(1H、d)、7.76(1H、dd)、7.05〜6.78(8H、br m)、4.31(1H、d)、4.28〜4.20(1H、m)、4.13〜4.02(2H、m)、3.92〜3.77(2H、m)、3.63〜3.52(2H、m)、3.53〜3.46(1H、m)、3.27(3H、s)、1.97〜1.73(4H、m)、1.37(3H、d)、0.70〜0.52(2H、m)、−0.07(9H、s)。m/z 721.8(M+Na)
薄白色の固体として、非主要なジアステレオ異性体である、(2S,3S)−3−(4−クロロフェニル)−3−[(1S)−1−(4−クロロフェニル)−7−フルオロ−1−メトキシ−5−(オキサン−4−カルボニル)−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−2−イル]−2−メチルプロパン酸2−(トリメチルシリル)エチル(1.219g、1.722mmol、収率23.66%)。H NMR(CDCl、400MHz)δ8.20(1H、d)、7.78(1H、dd)、7.66〜7.59(2H、m)、7.45〜7.30(4H、br m)、7.30〜7.22(2H、m)、4.26〜4.12(2H、m)、4.12〜4.02(2H、m)、3.91〜3.75(2H、m)、3.66〜3.43(3H、m)、2.34(3H、s)、1.98〜1.74(4H、m)、0.76(3H、d)、0.68〜0.53(2H、m)、−0.07(9H、s)。
あるいは、(2S,3S)−3−(4−クロロフェニル)−3−[1−(4−クロロフェニル)−7−フルオロ−1−メトキシ−5−(オキサン−4−カルボニル)−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−2−イル]−2−メチルプロパン酸2−(tトリメチルシリル)エチル(4.35g、6.21mmol)[dr(1R:1S〜3:1]を、EtOH(150mL)に懸濁し、50℃で1.5時間撹拌した。固体を濾過し、EtOH(2×25mL)で洗浄し、乾燥させ、(2S,3S)−3−(4−クロロフェニル)−3−[(1R)−1−(4−クロロフェニル)−7−フルオロ−1−メトキシ−5−(オキサン−4−カルボニル)−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−2−イル]−2−メチルプロパン酸2−(トリメチルシリル)エチル(2.186g、3.06mmol、収率49.2%)を薄白色の固体として得た。
より多くの固体が破壊し始めたときに、母液を約20mLに真空中で部分的に濃縮した。この混合物を、加熱して還流させ、より多くのEtOHを全固体が溶解(約20〜30mL)するまで添加した。混合物を、一晩室温に冷却し、白色の固体の結晶化を得た。固体を濾過し、EtOH(2×10mL)で洗浄し、乾燥させ、(2S,3S)−3−(4−クロロフェニル)−3−[(1R)−1−(4−クロロフェニル)−7−フルオロ−1−メトキシ−5−(オキサン−4−カルボニル)−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−2−イル]−2−メチルプロパン酸2−(トリメチルシリル)エチル(0.429g、0.600mmol、収率9.66%)の第2作物を淡黄色の固体として得た。m/z 721.8(M+Na)
(2S,3S)−3−(4−クロロフェニル)−3−[(1R)−1−(4−クロロフェニル)−7−フルオロ−1−メトキシ−5−(オキサン−4−カルボニル)−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−2−イル]−2−メチルプロパン酸
Figure 2020515546
TBAF(THF中1.0M)(5.52ml、5.52mmol)を、THF(46mL)中(2S,3S)−3−(4−クロロフェニル)−3−[(1R)−1−(4−クロロフェニル)−7−フルオロ−1−メトキシ−5−(オキサン−4−カルボニル)−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−2−イル]−2−メチルプロパン酸(2S,3S)−2−(トリメチルシリル)エチル(3.224g、4.60mmol)の撹拌溶液に添加した。混合物を室温で20時間撹拌した。さらなる割合のTBAF(THF中1.0M)(0.920ml、0.920mmol)を添加し、混合物を室温でさらに72時間撹拌した。溶媒を真空中で除去し、残渣をEtOAc(100mL)に再溶解し、飽和NHCl水溶液(4×75mL)、水(75mL)、および食塩水(75mL)で洗浄した。有機相を乾燥させ(MgSO)、濾過し、真空中で濃縮して、泡状の淡黄色の固体(3.183g)を得た。
粗生成物を、EtOAc(100mL)に再溶解し、1M HCl水溶液(3×100mL)および水(100mL)で洗浄した。有機相を乾燥させ(MgSO)、濾過し、真空中で濾過して、(2S,3S)−3−(4−クロロフェニル)−3−[(1R)−1−(4−クロロフェニル)−7−フルオロ−1−メトキシ−5−(オキサン−4−カルボニル)−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−2−イル]−2−メチルプロパン酸(2.941g、4.31mmol、収率94%)を淡黄色の固体として得た。H NMR(DMSO−d6、400MHz)δ12.28(1H、s)、8.27(1H、d)、8.03(1H、dd)、7.25〜6.95(4H、m)、6.96〜6.73(4H、m)、4.24(1H、d)、3.99〜3.93(1H、m)、3.89(2H、ddd)、3.86〜3.76(1H、m)、3.59〜3.46(2H、m)、3.22(3H、s)、1.79〜1.67(2H、m)、1.67〜1.50(2H、m)、1.30(3H、d)。m/z 599.9(M+H)
(2S,3S)−3−(4−クロロフェニル)−3−[(1R)−1−(4−クロロフェニル)−7−フルオロ−5−[(1S)−1−ヒドロキシ−1−(オキサン−4−イル)プロピル]−1−メトキシ−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−2−イル]−2−メチルプロパン酸
Figure 2020515546
温度計を備えた三つ口フラスコを、窒素下で、THF(40mL)で充填し、−50℃(ドライアイス/アセトン)に冷却した。EtZn(ヘキサン中1.0M)(5.62ml、5.62mmol)、続いてEtLi(ジブチルエーテル中8重量%)(3.33ml、5.62mmol)を滴下で添加した。混合物を、−50℃で45分間撹拌した後、THF(20mL)中の(2S,3S)−3−(4−クロロフェニル)−3−[(1R)−1−(4−クロロフェニル)−7−フルオロ−1−メトキシ−5−(オキサン−4−カルボニル)−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−2−イル]−2−メチルプロパン酸(1.5g、2.248mmol)を滴下で添加した。混合物を−50℃で2時間撹拌した。反応物を、飽和NHCl(30mL)で慎重にクエンチし、室温に温めた。混合物を、1M HCl水溶液でpH約1〜2に酸性化し、EtOAc(2×100mL)で抽出した。合わせた有機抽出物を、食塩水(200mL)で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、濾過し、真空中で濃縮して、および黄色のゴム状の固体(2.1g)を得た。粗生成物を、クロマトグラフィー(SiO、80gカラム、0〜5%MeOH/DCM)によって精製し、(2S,3S)−3−(4−クロロフェニル)−3−[1−(4−クロロフェニル)−7−フルオロ−5−[1−ヒドロキシ−1−(オキサン−4−イル)プロピル]−1−メトキシ−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−2−イル]−2−メチルプロパン酸(1.212g、1.903mmol、収率85%)を薄白色の固体として得た。(第3級アルコールでのエピマーの1:1の混合物)。
H NMR(DMSO−d6、400MHz)δ12.24(1H、br s)、7.71(1H、s)、7.41(1H、dd)、7.21〜6.94(4H、br m)、6.94〜6.83(4H、br m)、4.92(1H、br s)、4.21(1H、d)、3.95(1H、dd)、3.92〜3.84(1H、m)、3.79〜3.69(1H、m)、3.27〜3.19(1H、m)、3.19〜3.10(4H、m)、2.02〜1.78(3H、m)、1.76〜1.56(1H、m)、1.45〜1.22(2H、m)、1.28(3H、d)、1.01〜0.86(1H、m)、0.63〜0.51(3H、m)。m/z 630.0(M+H)
1.1gのジアステレオマー混合物を、以下の条件を使用してキラルSFC[AmyC(20mm×250mm、5um)カラムによって分離し:カラム温度40℃;流量50mL/分;BPR 125 BarG;検出器波長210nm;注入量200uL(10mg);濃度均一条件20:80のMeOH:CO(0.1%v/v TFA)]、(2S,3S)−3−(4−クロロフェニル)−3−[(1R)−1−(4−クロロフェニル)−7−フルオロ−5−[(1S)−1−ヒドロキシ−1−(オキサン−4−イル)プロピル]−1−メトキシ−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−2−イル]−2−メチルプロパン酸(491mg、0.740mmol、収率42.8%)を得た。
あるいは、EtLi/EtZnを、2−(トリメチルシリル)エチル(2S,3S)−3−(4−クロロフェニル)−3−[(1R)−1−(4−クロロフェニル)−7−フルオロ−5−[1−ヒドロキシ−1−(オキサン−4−イル)プロピル]−1−メトキシ−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−2−イル]−2−メチルプロパン酸塩と反応させることができ
Figure 2020515546
EtZn(ヘキサン中1.0M)(1.070mL、1.070mmol)およびEtLi(ジブチルエーテル中8重量%)(0.634mL、1.070mmol)を、PhMe(1.5mL)中1−((2R,4R)−2−ヒドロキシ−7,7−ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン−1−イル)−N−((1R,2R)−2−(((2S)−2−ヒドロキシ−7,7−ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン−1−イル)メチルスルホンアミド)シクロヘキシル)メタンスルホンアミド(23.40mg、0.043mmol)の撹拌溶液に添加した。混合物を、室温で15分間撹拌し、2−(トリメチルシリル)エチル(2S,3S)−3−(4−クロロフェニル)−3−[(1R)−1−(4−クロロフェニル)−7−フルオロ−1−メトキシ−5−(オキサン−4−カルボニル)−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−2−イル]−2−メチルプロパン酸塩(300mg、0.428mmol)を、PhMe(9.0mL)中に添加した。混合物を室温で3時間撹拌した。反応混合物を、飽和NHCl水溶液(15mL)でクエンチし、水(20mL)で希釈し、EtOAc(2×30mL)で抽出した。合わせた有機相を、食塩水(50mL)で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、濾過し、真空中で濃縮して、粗生成物を黄色の油/ゴム(約350mg)として得た。粗生成物を、クロマトグラフィー(SiO、80gカラム、40gカラム、0〜30%EtOAc/PhMe)によって精製し、(2S,3S)−3−(4−クロロフェニル)−3−[(1R)−1−(4−クロロフェニル)−7−フルオロ−5−[1−ヒドロキシ−1−(オキサン−4−イル)プロピル]−1−メトキシ−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−2−イル]−2−メチルプロパン酸2−(トリメチルシリル)エチル(230mg、0.290mmol、収率67.7%y;ジアステレオ異性体の1:1の混合物)を淡黄色の泡状の固体として得た。
H NMR(CDCl3、400 MHz)δ7.68〜7.61(1H、m)、7.33〜7.27(1H、m)、7.00〜6.66(8H、br m)、4.33〜4.19(2H、m)、4.08〜3.99(1H、m)、3.98〜3.74(3H、m)、3.47〜3.26(2H、m)、3.24(3H、s、ジアステレオマー a)、3.23(3H、s、ジアステレオマー b)、2.00〜1.84(3H、m)、1.80〜1.64(2H、m)、1.51〜1.39(2H、m)、1.37(3H、d)、1.13〜1.04(1H、m)、0.75〜0.66(3H、m)、0.65〜0.55(2H、m)、−0.07(9H、s)。m/z 752.2(M+Na)
ジアステレオ異性体の混合物(219mg)を、以下の条件を使用してSFC[Lux C4(21.2mm×250mm、5um)カラムによって分離し:カラム温度40℃;流量50mL/分;BPR 125 BarG;検出器波長210nm;注入量400uL(9mg);濃度均一条件20:80のMeOH:CO)]、所望の異性体である
薄白色の固体として、(2S,3S)−3−(4−クロロフェニル)−3−[(1R)−1−(4−クロロフェニル)−7−フルオロ−5−[(1S)−1−ヒドロキシ−1−(オキサン−4−イル)プロピル]−1−メトキシ−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−2−イル]−2−メチルプロパン酸2−(トリメチルシリル)エチル(95mg、0.127mmol、収率29.8%)、H NMR(CDCl、400MHz)δ7.66(1H、d)、7.29(1H、dd)、7.08〜6.64(8H、br m)、4.33〜4.19(2H、m)、4.03(1H、dd)、3.97〜3.75(3H、m)、3.45〜3.26(2H、m)、3.23(3H、s)、2.01〜1.84(3H、m)、1.74(1H、d)、1.70(1H、s)、1.50〜1.39(2H、m)、1.37(3H、d)、1.14〜1.03(1H、m)、0.70(3H、t)、0.64〜0.54(2H、m)、−0.07(9H、s)。
および、白色の固体として(2S,3S)−3−(4−クロロフェニル)−3−[(1R)−1−(4−クロロフェニル)−7−フルオロ−5−[(1R)−1−ヒドロキシ−1−(オキサン−4−イル)プロピル]−1−メトキシ−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−2−イル]−2−メチルプロパン酸2−(トリメチルシリル)エチル(98mg、0.131mmol、収率30.7%)を得た。H NMR(CDCl、400MHz)δ1H NMR(CDCl3、400MHz)δ7.65(1H、d)、7.29(1H、dd)、7.07〜6.62(8H、br m)、4.38〜4.17(2H、m)、4.04(1H、dd)、3.96〜3.75(3H、m)、3.46〜3.26(2H、m)、3.24(3H、s)、2.00〜1.85(3H、m)、1.82〜1.71(1H、m)、1.68(1H、s)、1.51〜1.39(2H、m)、1.37(3H、d)、1.17〜1.01(1H、m)、0.70(3H、t)、0.60(2H、ddd)、−0.07(9H、s)。
2つの異性体はまた、以下の条件を使用して、分析的キラルSFC[Lux C4(4.6mm×250mm、5um)カラムによって特徴付けられ得:カラム温度40℃;流量4mL/分;検出器波長210〜400nm;注入量1.0uL;BPR 125 BarG;濃度均一条件15:85 MeOH:CO]:
(2S,3S)−3−(4−クロロフェニル)−3−[(1R)−1−(4−クロロフェニル)−7−フルオロ−5−[(1S)−1−ヒドロキシ−1−(オキサン−4−イル)プロピル]−1−メトキシ−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−2−イル]−2−メチルプロパン酸2−(トリメチルシリル)エチル(保持時間=3.09分)
(2S,3S)−3−(4−クロロフェニル)−3−[(1R)−1−(4−クロロフェニル)−7−フルオロ−5−[(1R)−1−ヒドロキシ−1−(オキサン−4−イル)プロピル]−1−メトキシ−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−2−イル]−2−メチルプロパン酸2−(トリメチルシリル)エチル(保持時間=3.63分)
(2S,3S)−3−(4−クロロフェニル)−3−[(1R)−1−(4−クロロフェニル)−7−フルオロ−5−[(1S)−1−ヒドロキシ−1−(オキサン−4−イル)プロピル]−1−メトキシ−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−2−イル]−2−メチルプロパン酸2−(トリメチルシリル)エチルは、次いで、上記のものと同様の手順を使用して脱保護され、(2S,3S)−3−(4−クロロフェニル)−3−[(1R)−1−(4−クロロフェニル)−7−フルオロ−5−[(1S)−1−ヒドロキシ−1−(オキサン−4−イル)プロピル]−1−メトキシ−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−2−イル]−2−メチルプロパン酸を得ることができる。
合成3a(エポキシド)
(2S,3S)−3−(4−クロロフェニル)−3−[(1R)−1−(4−クロロフェニル)−7−フルオロ−1−メトキシ−5−[1−(オキサン−4−イル)エテニル]−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−2−イル]−2−メチルプロパン酸2−(トリメチルシリル)エチル
経路A:
Figure 2020515546
ステップ1:トリフルオロメタンスルホン酸1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)ビニル
KHMDS(THF中1M)(39.0mL、39.0mmol)を、窒素下、−78℃でTHF(150mL)に添加した。THF(20mL)中1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)エタノン(5g、39.0mmol)の溶液を添加し、混合物を、窒素下、−78℃で1.5時間撹拌し、淡黄色の溶液を得た。THF(25mL)中N−(5−クロロピリジン−2−イル)−1,1,1−トリフルオロ−N−((トリフルオロメチル)スルホニル)メタンスルホンアミド(15.32g、39.0mmol)の溶液を、20分にわたって添加し、結果として得られたオレンジ色、次いで無色の混合物を室温に緩徐に温め、一晩撹拌した。反応物を、NaHCOでクエンチし、粗生成物をMTBE(300mL)で抽出した。合わせた有機抽出物を、食塩水で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、真空下で濃縮した。残渣を、少量の10%EtOAc:イソヘキサンに溶解し、40gカラムに充填した。粗生成物を、クロマトグラフィー(SiO、40gカラム、0〜10%EtOAc/イソヘキサン)によって精製した。生成物を含む画分を合わせ、濾過し、10%EtOAc:イソヘキサンで洗浄し、次いで、濃縮した。固体が残渣中に形成され、それを10%EtOAc:イソヘキサンに溶解し、脱脂綿を通して濾過した。次いで、濾液を40gカラムに充填し、粗生成物をクロマトグラフィー(SiO、40gカラム、0〜10%EtOAc/イソヘキサン)によって精製し、1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)ビニルトリフルオロメタンスルホン酸塩(6.17g、20.15mmol、収率51.7%)を無色の油として得た。H NMR(CDCl)δ:5.14(dd、1H)、4.94(dd、1H)、4.06〜3.98(m、2H)、3.41(td、2H)、2.54〜2.41(m、1H)、1.89〜1.79(m、2H)、1.66〜1.50(m、2H)。
ステップ2:2−(4−クロロベンゾイル)−3−フルオロ−5−(1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)ビニル)安息香酸メチル
Pd(PPh(0.552g、0.478mmol)を、ジオキサン(45mL)中メチル2−(4−クロロベンゾイル)−3−フルオロ−5−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)安息香酸塩(4g、9.55mmol)、1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)ビニルトリフルオロメタンスルホン酸塩(3.66g、11.94mmol)、および2M KPO(9.55ml、19.11mmol)の脱気した混合物に添加し、混合物をパージして窒素雰囲気下に置いた。次いで、混合物を90℃で1.5時間撹拌し、室温に冷却させた。混合物をEtOAcで希釈し、セライトを通して濾過し、EtOAcおよび水で洗浄した。粗生成物をEtOAcで抽出し、合わせた有機抽出物を食塩水で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、シリカで吸収した。粗生成物を、クロマトグラフィー(SiO、80gカラム、0〜20%EtOAc/イソヘキサン)によって精製し、メチル2−(4−クロロベンゾイル)−3−フルオロ−5−(1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)ビニル)安息香酸塩(2.79g、6.86mmol、収率71.8%)を白色の固体として得た。LCMS:[M+H]:403/405
ステップ3:2−(4−クロロベンゾイル)−3−フルオロ−5−(1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)ビニル)安息香酸
1N LiOH(4.96ml、4.96mmol)を、ジオキサン(20mL)中2−(4−クロロベンゾイル)−3−フルオロ−5−(1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)ビニル)安息香酸メチル(1g、2.482mmol)の溶液に添加し、結果として得られた懸濁液を3.5時間撹拌した。混合物を、1N HClおよび水で希釈し、粗生成物をEtOAcで抽出した。合わせた有機抽出物を、食塩水で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、真空下で濃縮して、2−(4−クロロベンゾイル)−3−フルオロ−5−(1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)ビニル)安息香酸(0.936g、2.335mmol、収率94%)を白色の固体として得た。LCMS[M+H]:389/391
ステップ4:(2S,3S)−3−(4−クロロフェニル)−3−[(1R)−1−(4−クロロフェニル)−7−フルオロ−1−ヒドロキシ−5−[1−(オキサン−4−イル)エテニル]−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−2−イル]−2−メチルプロパン酸2−(トリメチルシリル)エチル(2:1)
HATU(0.513g、1.350mmol)を、DMF(6mL)中2−(4−クロロベンゾイル)−3−フルオロ−5−(1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)ビニル)安息香酸(0.5g、1.286mmol)、(2S,3S)−3−アミノ−3−(4−クロロフェニル)−2−メチルプロパン酸(2−(トリメチルシリル)エチル(0.505g、1.607mmol)、およびDIPEA(0.448ml、2.57mmol)の混合物に添加し、混合物を一晩撹拌した。飽和NHClを添加し、粗生成物をEtOAcで抽出した。合わせた有機抽出物を、水、NaHCO、食塩水で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、濃縮して、表題化合物の2:1の混合物)(0.88g、1.285mmol、収率100%)を無色の粘着性ガラス/泡[dr(1R:1S)=2:1]として得た。生成物をさらに精製することなく次のステップで使用した。
ステップ5:(2S,3S)−3−(4−クロロフェニル)−3−[(1R)−1−(4−クロロフェニル)−7−フルオロ−1−メトキシ−5−[1−(オキサン−4−イル)エテニル]−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−2−イル]−2−メチルプロパン酸2−(トリメチルシリル)エチル
ヨードメタン(0.059ml、0.948mmol)を、1:1のアセトン:DCM(3mL)中ステップ4からの生成物および炭酸セシウム(0.562g、1.723mmol)の懸濁液(0.59g、0.862mmol)に添加し、混合物を一晩撹拌した。飽和NHClを添加し、粗生成物をDCMで抽出した。合わせた有機抽出物を食塩水で洗浄し、乾燥させた(MgSO)。別個の実験からの粗生成物(0.255g)を合わせ、混合物をシリカで吸収した。粗生成物を、クロマトグラフィー(SiO、80gカラム、0〜25%EtOAc/イソヘキサン)によって精製し、(2S,3S)−3−(4−クロロフェニル)−3−[(1R)−1−(4−クロロフェニル)−7−フルオロ−1−メトキシ−5−[1−(オキサン−4−イル)エテニル]−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−2−イル]−2−メチルプロパン酸2−(トリメチルシリル)エチル(0.437g、0.525mmol、収率48.0%)を得た。1H NMR(CDCl3、400MHz)δ7.68(d、1H)、7.12(dd、1H)、7.02〜6.80(m、8H)、5.31(s、1H)、5.17(d、1H)、4.34〜4.21(m、2H)、4.06〜3.98(m、2H)、3.92〜3.74(m、2H)、3.55〜3.40(m、2H)、3.26(s、3H)、2.72〜2.61(m、1H)、1.79〜1.65(m、2H)、1.64〜1.50(m、2H)、1.36(d、3H)、0.64〜0.52(m、2H)、−0.07(s、9H)。LCMS[M+H]+:720/722/724.(M+Na)+
合成3b(エポキシド)
(2S,3S)−3−(4−クロロフェニル)−3−[(1R)−1−(4−クロロフェニル)−7−フルオロ−1−メトキシ−5−[1−(オキサン−4−イル)エテニル]−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−2−イル]−2−メチルプロパン酸2−(トリメチルシリル)エチル
Figure 2020515546
ステップ1〜2:(2S,3S)−3−[(1R)−5−ブロモ−1−(4−クロロフェニル)−7−フルオロ−1−メトキシ−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−2−イル]−3−(4−クロロフェニル)−2−メチルプロパン酸2−(トリメチルシリル)エチル
HATU(6.83g、17.96mmol)を、DMF(114ml、11.98mmol)中5−ブロモ−2−(4−クロロベンゾイル)−3−フルオロ安息香酸(4.28g、11.98mmol)、(2S,3S)−3−アミノ−3−(4−クロロフェニル)−2−メチルプロパン酸2−(トリメチルシリル)エチル(5.00g、15.93mmol)、およびDIPEA(6.28ml、35.9mmol)の溶液ン添加し、反応混合物を4時間撹拌した。水(50mL)を添加し、粗生成物を酢酸エチル(50mL)で抽出した。有機相を、飽和NaHCO(50mL)、水(4×50mL)、食塩水(50mL)で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、濾過して、真空下で濃縮した。粗生成物をさらに精製することなく次のステップで使用した。
THF(21.84ml、11.91mmol)中(2S,3S)−3−[5−ブロモ−1−(4−クロロフェニル)−7−フルオロ−1−ヒドロキシ−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−2−イル]−3−(4−クロロフェニル)−2−メチルプロパン酸2−(トリメチルシリル)エチル(8.02g、11.91mmol)およびNaOH(0.476g、11.91mmol)の溶液を、室温で30分間撹拌した後、MeI(0.893ml、14.29mmol)を添加した。反応混合物を、さらに3時間撹拌し、第2の割合のNaOH(200mg)を添加し、混合物をさらに16時間撹拌した。飽和NHCl(10mL)を添加し、有機相を分離し、水(20mL)で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、濾過して、減圧下で濃縮した。粗生成物を、クロマトグラフィー(SiO、80gカラム、0〜30%EtOAc/イソヘキサン)によって精製し、2−(トリメチルシリル)エチル(2S,3S)−3−[(1S)−5−ブロモ−1−(4−クロロフェニル)−7−フルオロ−1−メトキシ−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−2−イル]−3−(4−クロロフェニル)−2−メチルプロパン酸塩(0.203g、0.301mmol、収率2.53%)および(2S,3S)−3−[(1R)−5−ブロモ−1−(4−クロロフェニル)−7−フルオロ−1−メトキシ−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−2−イル]−3−(4−クロロフェニル)−2−メチルプロパン酸2−(トリメチルシリル)エチル(4.27g、6.33mmol、収率53.2%)を白色の固体として得た。LCMS m/z 667(M+H)
ステップ3〜4:(2S,3S)−3−(4−クロロフェニル)−3−[(1R)−1−(4−クロロフェニル)−7−フルオロ−1−メトキシ−5−[1−(オキサン−4−イル)エテニル]−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−2−イル]−2−メチルプロパン酸2−(トリメチルシリル)エチル
フラスコを、(2S,3S)−3−[(1R)−5−ブロモ−1−(4−クロロフェニル)−7−フルオロ−1−メトキシ−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−2−イル]−3−(4−クロロフェニル)−2−メチルプロパン酸2−(トリメチルシリル)エチル(1g、1.498mmol)、ビス(ピナコラート)ジボロン(0.571g、2.247mmol)、酢酸カリウム(0.441g、4.49mmol)、およびPdCl(dppf)(0.055g、0.075mmol)で充填した。システムを真空にし、窒素で戻し充填した(3回)。1,4−ジオキサン(3mL)を添加し、システムを真空にして窒素で戻し充填した(3回)。混合物を90℃に加熱し、2時間撹拌した。反応混合物をEtOAc(50mL)で希釈し、セライトのパッドをとおして濾過し、EtOAc(200mL)で溶出した。濾液を真空中で濃縮して、粗生成物を粘性の茶色の油として得た。粗生成物をさらに精製することなく次のステップで使用した。
Pd(PPh(0.086g、0.074mmol)を、ジオキサン(7mL)中(2S,3S)−3−(4−クロロフェニル)−3−[(1R)−1−(4−クロロフェニル)−7−フルオロ−1−メトキシ−3−オキソ−5−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−2−イル]−2−メチルプロパン酸2−(トリメチルシリル)エチル(1.06g、1.483mmol)、トリフルオロメタンスルホン酸1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)ビニル(0.483g、1.854mmol)、および2M KPO(1.483ml、2.97mmol)の脱気した混合物に添加し、混合物をパージして窒素雰囲気下に置いた。次いで、混合物を90℃で1.5時間撹拌し、室温に冷却して、一晩撹拌した。混合物をEtOAcで希釈し、セライトを通して濾過し、EtOAcおよび水で洗浄した。粗生成物をEtOAcで抽出し、合わせた有機抽出物を食塩水で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、シリカで吸収した。粗生成物を、クロマトグラフィー(SiO、40gカラム、0〜20%EtOAc/イソヘキサン)によって精製し、(2S,3S)−3−(4−クロロフェニル)−3−[(1R)−1−(4−クロロフェニル)−7−フルオロ−1−メトキシ−5−[1−(オキサン−4−イル)エテニル]−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−2−イル]−2−メチルプロパン酸2−(トリメチルシリル)エチル(0.538g、0.755mmol、収率50.9%)を白色の固体として得た。1H NMR(DMSO−d6、400MHz)δ7.71(d、1H)、7.54(dd、1H)、7.30〜6.50(m(br)、4H)、7.00(d、2H)、6.86(d、2H)、5.46(s、1H)、5.20(s、1H)、4.18(d、1H)、4.12〜3.99(m、1H)、3.89(dd、2H)、3.84〜3.72(m、2H)、3.53〜3.37(m、2H)、3.19(d、3H)、2.90〜2.79(m、1H)、1.71〜1.57(m、2H)、1.48〜1.31(m、2H)、1.28(d、3H)、0.59〜0.47(m、2H)、−0.10(s、9H)
(2S,3S)−3−(4−クロロフェニル)−3−[(1R)−1−(4−クロロフェニル)−7−フルオロ−5−[1−ヒドロキシ−1−(オキサン−4−イル)プロピル]−1−メトキシ−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−2−イル]−2−メチルプロパン酸
Figure 2020515546
ステップ1:(2S,3S)−3−(4−クロロフェニル)−3−[(1R)−1−(4−クロロフェニル)−7−フルオロ−1−メトキシ−5−[1−(オキサン−4−イル)エテニル]−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−2−イル]−2−メチルプロパン酸
TBAF(THF中1M)(0.385ml、0.385mmol)を、THF(1mL)中の溶液(2S,3S)−3−(4−クロロフェニル)−3−[(1R)−1−(4−クロロフェニル)−7−フルオロ−1−メトキシ−5−[1−(オキサン−4−イル)エテニル]−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−2−イル]−2−メチルプロパン酸塩(0.224g、0.321mmol)に添加し、混合物を窒素下で一晩撹拌した。第2の割合のTBAF(THF中1M)(0.064ml、0.064mmol)を添加し、混合物をさらに24時間撹拌した。飽和NHClを添加し、粗生成物をEtOAcで抽出した。合わせた有機抽出物を、水、1N HCl、水、食塩水で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、真空下で濃縮して、表題化合物(0.172g、0.273mmol、収率85%)を白色の固体として得た。1H NMR(DMSO−d6)δ:12.25(s、1H)、7.71(d、1H)、7.52(dd、1H)、7.25〜6.54(m(br)、4H)、7.00(d、2H)、6.89(d、2H)、5.46(s、1H)、5.20(s、1H)、4.22(d、1H)、3.99〜3.81(m、3H)、3.54〜3.36(m、2H)、3.20(s、3H)、2.92〜2.79(m、1H)、1.71〜1.59(m、2H)、1.48〜1.32(m、2H)、1.28(d、3H)。LCMS[M+H]:598/600/602。
ステップ2:(2S,3S)−3−(4−クロロフェニル)−3−[(1R)−1−(4−クロロフェニル)−7−フルオロ−1−メトキシ−5−[2−(オキサン−4−イル)オキシラン−2−イル]−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−2−イル]−2−メチルプロパン酸
mCPBA(0.069g、0.302mmol)を、DCM(1mL)中の(2S,3S)−3−(4−クロロフェニル)−3−[(1R)−1−(4−クロロフェニル)−7−フルオロ−1−メトキシ−5−[1−(オキサン−4−イル)エテニル]−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−2−イル]−2−メチルプロパン酸(0.17g、0.241mmol)に添加し、混合物を3日間撹拌した。反応物を、ピロ亜硫酸ナトリウムの10%水溶液でクエンチし、層を分離した。粗生成物をDCMで抽出し、合わせた有機抽出物を、飽和NHCl、食塩水で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、次いでシリカで吸収した。粗生成物を、クロマトグラフィー(SiO、12gカラム、0〜50%EtOAc/イソヘキサン)によって精製し、(2S,3S)−3−(4−クロロフェニル)−3表題化合物(0.097g、0.142mmol、収率58.8%)を白色の固体として得た。1H NMR(DMSO−d6)δ:12.26(s、1H)、7.69(s、1H)、7.47(d、1H)、7−10〜6.90(m(br)、4H)、7.00(d、2H)、6.88(d、2H)、4.21(d、1H)、3.99〜3.77(m、3H)、3.18(s、1.5H)、3.18(s、1H)、3.16(dd、1H)、2.77〜2.70(m、1H)、2.41〜2.34(m、1H)、1.53(d、1H)、1.44(d、1H)、1.28(d、3H)、1.26〜1.13(m、3H)。LCMS[M+H]:614/616/618
ステップ3:(2S,3S)−3−(4−クロロフェニル)−3−[(1R)−1−(4−クロロフェニル)−7−フルオロ−5−[1−ヒドロキシ−1−(オキサン−4−イル)プロピル]−1−メトキシ−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−2−イル]−2−メチルプロパン酸
MeLi(DME中1.6M)(0.140ml、0.223mmol)を、窒素下、0℃で、THF(0.5mL)中銅(I)ヨウ化物(0.021g、0.111mmol)の懸濁液に添加し、混合物を10分間撹拌した。THF(1mL)中(2S,3S)−3−(4−クロロフェニル)−3−[(1R)−1−(4−クロロフェニル)−7−フルオロ−1−メトキシ−5−[2−(オキサン−4−イル)オキシラン−2−イル]−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−2−イル]−2−メチルプロパン酸(0.055g、0.072mmol)の溶液を添加し、結果として得られた黄色の懸濁液を、室温に緩徐に温め、4時間撹拌した。第2の割合のMeCuLi(MeLi(DME中1.6M)(0.056ml、0.090mmol)の、窒素下、0℃で、THF(250μL)中の銅(I)ヨウ化物(8.52mg、0.045mmol)への添加から生成され、5分間撹拌した)を室温で添加し、混合物をさらに1時間撹拌した。反応物を、飽和NHCl、続いて1N HClでクエンチし、粗生成物をEtOAcで抽出した。合わせた有機抽出物を、食塩水で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、シリカで吸収した。粗生成物を、クロマトグラフィー(SiO、4gカラム、0〜5%MeOH/DCM)によって精製し、(2S,3S)−3−(4−クロロフェニル)−3−[(1R)−1−(4−クロロフェニル)−7−フルオロ−5−[1−ヒドロキシ−1−(オキサン−4−イル)プロピル]−1−メトキシ−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−2−イル]−2−メチルプロパン酸(0.022g、0.033mmol、収率46.3%)を白色の固体として得た。LCMS[M+H]+:630/632/634
合成4
段階1:tert−ブチル3−ブロモ−5−フルオロ安息香酸塩
Figure 2020515546
3−ブロモ−5−フルオロ安息香酸(32.0g、1.0当量)を、固体の大部分が溶解するまで、DCM(288mL、9体積)およびTHF(32mL、1体積)の混合物中で撹拌した。DMF(0.57mL、5mol%)を添加し、フラスコを、周囲温度の水浴に入れた。塩化オキサリル(13.7mL、1.10当量)を、シリンジポンプを介して1時間にわたって添加し、添加の終了から30分後、反応をHPLC(分析の前に試料をMeOHにクエンチし、メチルエステルを形成した)によって完了した。結果として得られた薄いスラリーを、一晩成熟させ、100mL体積に濃縮し、THF(160mL、5体積)で希釈し、再度100mLに濃縮した。酸塩化物の結果として得られた薄いスラリーを、THFとの全体積160mLに希釈した。THF中LiOtBuの溶液(20重量%、67.3g、77mL、1.15当量)を、THF(243mL)で希釈し、次いで、この溶液を氷/塩浴で−9℃の内部温度に冷却した。内部温度を−3℃未満に保持しながら、これに、酸塩化物を含むスラリーを55分にわたって添加した。反応を添加の終了後15分完了した。溶液を、周囲温度に温めながら一晩成熟させ、ヘプタン(320mL、10体積)で希釈し、水(160mL、5体積)で洗浄した。水性層を、界面で不溶性ラグに除去し、次いで、有機層をsolka−flocのパッドを通して濾過した。パッドをヘプタン(10mL)ですすぎ、次いで、合わせた有機層を水(2×80mL、2.5体積)で2回洗浄した。結果として得られた有機層を、減圧下で100mLの最終体積に蒸留し、ヘプタン(160mL、5体積)で希釈し、再度100mLの総体積に濃縮した。3−ブロモ−5−フルオロ安息香酸tert−ブチルの溶液を、次のステップで直接使用した。NMR H(400MHz;CDCl):7.89〜7.88(1H、m)、7.60〜7.57(1H、m)、7.40〜7.37(1H、m)、1.57(9H、s)。
段階2:3−フルオロ−5−[1−ヒドロキシ−1−(オキサン−4−イル)プロピル]安息香酸
Figure 2020515546
in 2−MeTHF(200mL、10体積)中3−ブロモ−5−フルオロ安息香酸tert−ブチル(20.0g、1.0当量)および1−(オキサン−4−イル)プロパン−1−オン(10.85g、1.05当量)の溶液を、THF(72.7mL、0.5当量)中LiClの0.5M溶液で処理し、−70℃に冷却した。ヘキサン中n−ブチルリチウムの溶液(2.2M、39.0mL、1.1当量)を、1時間にわたって滴下で添加し、反応を添加の終了時に完了した。混合物を−20℃に温め、半飽和NHCl水溶液(200mL)でクエンチし、10分間撹拌した。混合物を落ち着かせ、層を分離した。有機相を水(50mL、2.5体積)で洗浄した。溶液を、HPLCによって20.6gの3−フルオロ−5−[1−ヒドロキシ−1−(オキサン−4−イル)プロピル]安息香酸tert−ブチル(アッセイ収率84%)についてアッセイした。LCMS(M−H);m/z=337.2。有機溶液を、減圧下で蒸留によって約40mLの総体積(約2体積)に濃縮した。HPLC分析が、反応が98%完了であったと示したときに、3−フルオロ−5−[1−ヒドロキシ−1−(オキサン−4−イル)プロピル]安息香酸tert−ブチルの濃縮溶液を、20℃で、TFA(28.0mL、6.0当量)で処理し、溶液を60℃に温め、2時間成熟させ、混合物を20℃に冷却し、次いで、MTBE(40mL、2体積)およびヘプタン(80mL、4体積)で希釈した。溶液を標準3−フルオロ−5−[1−ヒドロキシ−1−(オキサン−4−イル)プロピル]安息香酸tert−ブチルで播種し、種子床が成長した間に30分間成熟させた。スラリーを、ヘプタン(120mL)の添加によって1時間にわたって希釈し、濾過し、ケーキをヘプタン(40mL)で洗浄して、表題化合物を薄白色の固体(14.89g、収率87%)として得た。NMR H(400MHz;DMSO):13.23(1H、s)、7.79(1H、t)、7.50〜7.47(1H、m)、7.43〜7.39(1H、m)、4.79(1H、s、広範)、3.79(2H、ddd)、3.18(2H、dt)、1.86〜1.79(3H、m)、1.64(1H、d)、1.36〜1.09(2H、m)、0.93(1H、d)、0.58(3H、t);LCMS(M+H):m/z=283.1
段階3:3−フルオロ−5−[1−(オキサン−4−イル)−1−[(トリメチルシリル)オキシ]プロピル]安息香酸
Figure 2020515546
0℃で、DCM(40mL)中3−フルオロ−5−[1−ヒドロキシ−1−(オキサン−4−イル)プロピル]安息香酸(7.06g、1.0当量)の懸濁液に、EtN(7.08g、2.6当量)を30分にわたって添加した(温度を5℃未満に維持)。結果として得られた透明な溶液を、DCM(40mL)中TMSOTf(13.34g、2.4当量)の溶液で60分にわたって処理した(温度を5℃未満に維持)。反応混合物を0℃でさらに1時間撹拌した。水(88mL)を、冷反応混合物に15分にわたって添加し、相を分離した。有機相を0.2M KHSO溶液(53mL)および水(2×88mL)で洗浄した。溶液をNaSOで乾燥させ、真空中で濃縮した。粗生成物(油)を、DCM/ヘプタンから結晶化し、表題化合物(8.24g、93%)を薄白色の固体として得た。NMR H(400MHz;DMSO):7.79(1H、t)、7.65〜8.62(1H、m)、7.35〜7.31(1H、m)、3.98(2H、ddd)、3.33(2H、dtd)、2.04〜1.84(3H、m)、1.75(1H、d)、1.37(1h、qd)、1.26〜1.20(2H、m)、0.72(3H、t)、0.25(9H、s);LCMS(M+H):m/z=355.2
段階4:2−(4−クロロベンゾイル)−3−フルオロ−5−[1−ヒドロキシ−1−(オキサン−4−イル)プロピル]安息香酸
Figure 2020515546
−70℃の内部温度で、THF(60mL、15体積)に、n−BuLi(9.8mL、2.0当量、ヘキサン中2.3M溶液)を添加した。THF(20.0mL、5体積)中3−フルオロ−5−[1−(オキサン−4−イル)−1−[(トリメチルシリル)オキシ]プロピル]安息香酸(4.0g、1.0当量)の溶液を、内部温度を−65℃に維持しながら、60分にわたって滴下で添加した。結果として得られた淡赤色の溶液を、添加の終了後30分間撹拌し、THF(2体積、8.0mL)中4−クロロベンゾイルクロリド(1.6mL、1.15当量)を、内部温度を−60℃に維持しながら、10分にわたって添加し、反応を添加の終了時に完了し、この溶液を0℃に温め、2−(4−クロロベンゾイル)−3−フルオロ−5−[1−(オキサン−4−イル)−1−[(トリメチルシリル)オキシ]プロピル]安息香酸をTHF中の溶液として得た。LCMS(M+H):m/z=493.2
溶液に、濃縮HPO(3.8mL、5.0当量)を添加し、混合物を50℃で18時間撹拌した。混合物をトルエン(40mL、10体積)および4%NaCl水溶液(20mL、5体積)で希釈した。相を分離し、上部の有機層を、4%NaCl水溶液(20mL)および水(10mL)で洗浄した。有機層を約1/3の体積に濃縮し、次いで、トルエン(60mL、15体積)で希釈した。溶液を約35mLの総体積(約9体積、50℃浴温度、80mbar圧力)に濃縮し、その時間にわたって白色の固体が沈殿した。スラリーを50℃で1時間成熟させ、次いで、周囲温度に冷却し、3時間成熟させた。スラリーを濾過し、ケーキを2×8mL(2×2体積)トルエンで洗浄した後、真空オーブン(50℃オーブン温度)中で一定質量に乾燥させた。表題化合物を、修正収率81%(4.04g、95重量%)で白色の固体として得た。LCMS(M+H):m/z=421.1
段階5:2−(4−クロロベンゾイル)−3−フルオロ−5−[(1S)−1−ヒドロキシ−1−(オキサン−4−イル)プロピル]安息香酸−ビス[(1S)−1−フェニルエチル]アミン塩
Figure 2020515546
2−(4−クロロベンゾイル)−3−フルオロ−5−[1−ヒドロキシ−1−(オキサン−4−イル)プロピル]安息香酸(ラセミ体、300g、85重量%、255g 6、1.0当量)を、55℃で10分間撹拌することによって、イソプロパノール(4000mL)に溶解し、均質溶液を得た後、25℃に冷却した。溶液に、IPA(300ml)中ビス[(1S)−1−フェニルエチル]アミン(136.52g;1.0当量)を2分にわたって添加し、続いてIPAですすぎを行った(200mL)。溶液を、周囲温度(22〜23°)で15分間撹拌し、その後、表題化合物(0.50g)の標準試料で播種し、固体をすぐに結晶化し、わずかな吸熱(約−0.4°)を観察した。懸濁液を、19℃の内部温度で20時間撹拌し、、濾過し、ケーキをIPA(450mL)で洗浄した。固体を真空吸引下で2時間、次いで、50℃の真空オーブン中で20時間乾燥させ、HPLCによって、ベージュ色の固体;175.5g(IPA溶媒和物として収率41%)を得て、混合物は95:5鏡像体比である。
キラルHPLC条件:
Figure 2020515546
均質溶液が形成されるまで、80℃に温め、この温度で15分間撹拌することによって材料(250g、1.0当量、95:5鏡像体比)を、IPA(4000mL、16体積)に溶解した。溶液を、約1時間にわたって52℃に冷却し、表題化合物(0.50g)の標準試料で播種し、懸濁液を4時間にわたって20℃に冷却し、その後、周囲温度、この温度で一晩撹拌した(計24時間)。固体を、真空下での濾過によって単離し、フィルターケーキをIPA(2×450mL)で洗浄し、フィルターケーキを5分間吸引乾燥させた後、50℃の真空オーブン中でさらに乾燥させた。2−(4−クロロベンゾイル)−3−フルオロ−5−[(1S)−1−ヒドロキシ−1−(オキサン−4−イル)プロピル]安息香酸〜ビス[(1S)−1−フェニルエチル]アミン塩を、HPLCによってベージュ色の固体(219.2g;88%回収)を得て、鏡像体比は99.6:0.4.であった。NMR H(400MHz;DMSO):7.84(1H、d)、7.67(1H、t)、7.65(1H、t)、7.58(1H、t)、7.56(1H、t)、7.47(1H、dd)、7.34〜7.30(4H、m)、7.28〜7.20(6H、m)、4.90(1H、s)、3.90(1H、dd)、3.80〜3.72(1H、m)、3.51〜3.46(1H、m)、3.30〜3.15(1H、m)、1.93〜1.83(3H、m)、1.68(1H、d)、1.41〜1.28(1H、m)、1.26(3H、s)、1.24(3H、s)、1.04(3H、s)、1.03(3H、s)、0.65(3H、t)
段階6:(2S,3S)−3−アミノ−3−(4−クロロフェニル)−2−メチルプロパン酸2−(トリメチルシリル)エチル−塩酸塩
Figure 2020515546
−10℃で、DCM(1100mL、10体積)中(2S,3S)−3−{[(tert−ブトキシ)カルボニル]アミノ}−3−(4−クロロフェニル)−2−メチルプロパン酸(109.82g、1.0当量)、2−トリメチルシリルエタノール(49.66g、1.2当量)、およびDMAP(4.28g、0.05mol%)の懸濁液に、EDC・HCl(100.65g、1.5当量)を75分にわたって5等分で添加した(温度を0℃未満に維持)。結果として得られた透明な溶液を、室温に緩徐に温め、16時間撹拌した。1N HCl溶液(1000mL)を、15分にわたって反応混合物に緩徐に添加し、相を分離した。有機相を5%NaHCO3溶液(500mL)および水(2×500mL)で洗浄した。有機相を、真空中で濃縮して、(2S,3S)−3−{[(tert−ブトキシ)カルボニル]アミノ}−3−(4−クロロフェニル)−2−メチルプロパン酸2−(トリメチルシリル)エチルを得て、これを次のステップで直接使用した。LCMS(M+H):m/z=414.2
粗材料(ワックス上の白色の固体)を、DCM(200mL)/ヘプタン(1500mL)に再溶解し、ジオキサン(350mL、4.0当量)中HClの4N溶液を、2時間にわたってヘプタン溶液に滴下で添加した。この添加の間、HCl塩は、沈殿し始め、懸濁液は、反応が周囲温度で24時間成熟されるため、段階的に濃くなる。50℃の真空オーブン中で一定重量に乾燥させた後、懸濁液を、MTBE(800mL)で希釈し、濾過し、フィルターケーキをMTBE(2×200mL)で洗浄し、表題化合物を白色のフレーク状の固体(108.22g、88%)として得た。NMR H(400MHz;CDCl):8.93(3H、bs)、7.39〜7.29(4H、m)、4.3(1H、bd)、4.06〜3.92(2H、m)、3.17〜3.08(1H、m)、1.32(3H、d)、0.80〜0.71(2H、m)、−0.02(9H、s);LCMS(M+H):m/z=314.1
段階7:(2S,3S)−3−(4−クロロフェニル)−3−[(1R)−1−(4−クロロフェニル)−7−フルオロ−1−ヒドロキシ−5−[(1S)−1−ヒドロキシ−1−(オキサン−4−イル)プロピル]−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−2−イル]−2−メチルプロパン酸2−(トリメチルシリル)エチル
Figure 2020515546
ジクロロメタン(150mL、10体積)を、2−(4−クロロベンゾイル)−3−フルオロ−5−[(1S)−1−ヒドロキシ−1−(オキサン−4−イル)プロピル]安息香酸−ビス[(1S)−1−フェニルエチル]アミン塩(15.0g、1.0当量)、(2S,3S)−3−アミノ−3−(4−クロロフェニル)−2−メチルプロパン酸2−(トリメチルシリル)エチル−塩酸塩(8.2g、1.1当量)、EDC塩酸塩(4.7g、1.15当量)、DMAP(260mg、0.1当量)、および2−ヒドロキシピリジン−N−オキシド(230mg、0.1当量)の混合物に添加した。混合物を18時間撹拌し、次いで、NaHCO水溶液(4.5g、60mLのHO中2.5当量)の添加によってクエンチした。層を分離し、DCM相を30mL(2体積)に濃縮した。MTBE(150mL、10体積)を添加し、有機層を、2回、水溶液HPO水溶液(3.5mL、60mLの水中2.5当量)、NaHCO水溶液(4.5g、60mLのHO中2.5当量)、および水(60mL)で逐次的に洗浄した。有機層を60mL(2体積)に濃縮し、MeOH(300mL、20体積)で希釈し、150mL(10体積)に濃縮した。MeOH溶液を、水(15mL)で希釈し、標準試料(15mg、0.1重量%)で播種し、種子床が成長した間に周囲温度で30分間成熟させた。スラリーを水(45mL)で希釈し、2時間にわたって添加し、1時間成熟させ、次いで濾過した。ケーキを2.5/1のMeOH:HO(45mL)および水(45mL)で洗浄し、50℃の真空オーブン中で18時間乾燥させ、表題化合物を白色の固体(13.5g、収率89%、19F NMRによるとd.r.>99:1)として得た。NMR H(400MHz;CDCl):7.80(1H、s)、7.15(1H、d)、7.01〜6.99(4H、m)、6.97〜6.92(4H、m)、4.77(1H、s)、4.36(1H、d)、4.16〜4.08(1H、m)、3.94〜3.90(1H、m)、3.89〜3.79(2H、m)、3.47(1H、d)、3.31(1H、t)、3.08(1H、t)、2.55(1H、s)、1.91(1H、sep)、1.86〜1.77(2H、m)、1.74〜1.71(1H、m)、1.41〜1.22(5H、m)、0.94(1H、d)、0.68〜0.54(5H、m)、0.10(9H、s)、NMR 19F(376MHz、CDCl)δ:−−119.1およびLCMS(M+H):m/z=716.2
段階8:(2S,3S)−3−(4−クロロフェニル)−3−[(1R)−1−(4−クロロフェニル)−7−フルオロ−5−[(1S)−1−ヒドロキシ−1−(オキサン−4−イル)プロピル]−1−メトキシ−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−2−イル]−2−メチルプロパン酸2−(トリメチルシリル)エチル
Figure 2020515546
固体(2S,3S)−3−(4−クロロフェニル)−3−[(1R)−1−(4−クロロフェニル)−7−フルオロ−1−ヒドロキシ−5−[(1S)−1−ヒドロキシ−1−(オキサン−4−イル)プロピル]−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−2−イル]−2−メチルプロパン酸2−(トリメチルシリル)エチル(2.5g、1.0当量)を、室温で、100mL三つ口フラスコ中の無水THF(12.5mL、5体積)に溶解した。溶液を−70℃の内部温度に冷却し、MeOTf(トリフルオロメタンスルホン酸メチル)(0.46mL、1.2当量)を添加した。結果として得られた透明な溶液を、−70℃の内部温度で保持し、LiOtBu(THF中20重量%、1.9mL、1.2当量)を、シリンジポンプによって1時間の間にわたって滴下で添加した。混合物を−70℃で18時間保持し、次いで、2時間にわたって−15℃に温め、この時点で、変換は>98%であった。反応混合物を、IPA(12.5mL)、その後、水(12.5mL)で希釈した。溶液を生成物10で播種し、種子床が形成された間に周囲温度で30分間撹拌した。さらなる水(25mL)を、1.5時間にわたってシリンジポンプを介して緩徐に添加し、スラリーを周囲温度で1時間成熟させた後、濾過した。ケーキを、1:1のIPA/水(20mL)で洗浄し、50℃の真空オーブン中で乾燥させ、表題化合物(2.4g)(未修正の収率94%、19F NMRによって100:0.5 d.r)を得た。NMR H(400MHz;CDCl):7.67(1H、d)、7.28(1H、dd)、6.93〜6.88(8H、m)、4.30〜4.19(m、2H)、4.01(dd、1H)、3.92−3.77(m、3H)、3.40〜3.26(m、2H)、3.22(s、3H)、1.97〜1.84(m、4H)、1.72(bs、3H)、1.49〜1.38(m、2H)、1.36(d、3H)、1.07(bd、1H)、0.69(t、3H)、0.61〜0.52(m、2H)、−0.08(s、9H);NMR 19F(376MHz、CDCl)δ:−118.8およびLCMS(M+H):m/z=730.3
段階9:(2S,3S)−3−(4−クロロフェニル)−3−[(1R)−1−(4−クロロフェニル)−7−フルオロ−5−[(1S)−1−ヒドロキシ−1−(オキサン−4−イル)プロピル]−1−メトキシ−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−2−イル]−2−メチルプロパン酸
Figure 2020515546
(2S,3S)−3−(4−クロロフェニル)−3−[(1R)−1−(4−クロロフェニル)−7−フルオロ−5−[(1S)−1−ヒドロキシ−1−(オキサン−4−イル)プロピル]−1−メトキシ−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−2−イル]−2−メチルプロパン酸2−(トリメチルシリル)エチル(170.0g、1.0当量)およびCsF(70.7g、2.0当量)を、5L固定容器に充填し、DMF(510mL、3体積)を周囲温度で添加した。混合物を60℃に温め、この温度で7時間熟成させ、この時点で反応を完了した。混合物を20℃に冷却し、一晩撹拌した。DMFをEtOAc(1700mL、10mL)および1M HCl(510mL、3体積)で希釈した。層を分離し、有機層を5%LiCl水溶液(4×680mL、4体積)および水(2×680mL、4体積)で逐次的に洗浄した後、濃縮した。結果として得られた油を、EtOAc(各時250mL)から2回濃縮し、表題化合物を淡黄色の泡(141g corr、92重量%、収率96%)として得た。固体をEtOAc(684mL、4体積)に懸濁し、70℃に加熱し、この温度で1時間保持し、次いで、2時間にわたって20℃に冷却した。ヘプタン(1370mL、8体積)を、70分にわたって添加し、スラリーを一晩成熟させた。固体を濾過し、EtOAc/ヘプタン1:2(2×300mL)で洗浄し、50℃の真空オーブン中で一定の重量に乾燥させ、133g(収率86%)を得た。
生成物を、安定した無水結晶形態で単離した。これは、遊離酸「形態F」として設計されており、安定した結晶多形体である。
形態FのXRPDは、図1に示され、DSCは、図2に示される。
XRPDは、以下の共鳴でピークを有する(表1):
Figure 2020515546
Figure 2020515546
ステップ10a:(2S,3S)−3−(4−クロロフェニル)−3−[(1R)−1−(4−クロロフェニル)−7−フルオロ−5−[(1S)−1−ヒドロキシ−1−(オキサン−4−イル)プロピル]−1−メトキシ−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−2−イル]−2−メチルプロパン酸(トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン塩
Figure 2020515546
(2S,3S)−3−(4−クロロフェニル)−3−[(1R)−1−(4−クロロフェニル)−7−フルオロ−5−[(1S)−1−ヒドロキシ−1−(オキサン−4−イル)プロピル]−1−メトキシ−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−2−イル]−2−メチルプロパン酸(113.0g、1.0当量)およびトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン(21.95g、1.01当量)を、2L容器に固体として充填した。メタノール(1130mL)を、窒素下で撹拌しながら添加し、移動懸濁液を得た。固体を、38〜40°で30分にわたって温めることによって溶解し、透明な溶液を得た。これを、20〜22°に冷却し、次いで、Buchi製ロータリーエバポレーターで、減圧下で濃縮し、白色の泡を得た。泡を、結晶皿に移動し、週末(60時間)にわたって60℃で、真空下で乾燥させ(ca 20mmHg)、表題化合物を歯切れの良い白色の泡(134.1g;99.5)として得た。
合成5:他の中間体の調製
2−(4−クロロベンゾイル)−3−フルオロ−5−(1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−1((トリメチルシリル)オキシ)プロピル)安息香酸
Figure 2020515546
Sec−ブチルリチウム(シクロヘキサン/ヘキサン92/8中1.28M)(9.70ml、12.41mmol)を、窒素下、−70℃で、THF(20mL)中TMEDA(1.873ml、12.41mmol)の撹拌溶液に添加した。混合物を、−70℃で10分間撹拌した後、THF(20mL)中3−フルオロ−5−(1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−1−((トリメチルシリル)オキシ)プロピル)安息香酸(2.0g、5.64mmol)の溶液を、約30分にわたって滴下で添加した。混合物を、−70℃で1時間撹拌した後、THF(15mL)中4−クロロ安息香酸メチル(3.85g、22.57mmol)の溶液を、約15分にわたって滴下で添加した。混合物を−70℃で10分間撹拌し、次いで、室温に温め、一晩(18時間)撹拌した。反応混合物を、飽和NHCl水溶液(50mL)でクエンチし、1M KHSO水溶液(50mL)で約pH3に酸性化した。水性相を、TBME(3×200mL)で抽出し、合わせた有機抽出物を、食塩水(300mL)で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、濾過し、真空中で濃縮して、淡黄色の固体(5.97g)を得た。粗生成物を、シリカで吸収し、クロマトグラフィー(SiO、80gカラム、5〜40%[(EtOAc中1%AcOH)/イソヘキサン])によって精製し、2−(4−クロロベンゾイル)−3−フルオロ−5−(1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−1−((トリメチルシリル)オキシ)プロピル)安息香酸(1.957g、収率68.9%)を薄白色の固体として得た。
3−(4−クロロフェニル)−4−フルオロ−6−(1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−1−((トリメチルシリル)オキシ)プロピル)イソベンゾフラン−1(3H)−オン
Figure 2020515546
Sec−ブチルリチウム(シクロヘキサン/ヘキサン、92/8中1.28M)(4.85ml、6.21mmol)を、窒素下、−70℃で2分にわたって、THF(15mL)中TMEDA(0.937ml、6.21mmol)の撹拌溶液に滴下で添加した。混合物を、10分間撹拌し、次いで、THF(10mL)中3−フルオロ−5−(1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−1−((トリメチルシリル)オキシ)プロピル)安息香酸(1.0g、2.82mmol)の溶液を、25分にわたって少しずつ添加した。−70℃で60分間撹拌した後、THF(10mL)中4−クロロベンズアルデヒド(0.991g、7.05mmol)の溶液を、15分にわたって少しずつ添加した。反応物を、室温に緩徐に温め、一晩撹拌した。水(25mL)、続いてNHCl(水溶液、飽和、25mL)を注意して添加した。混合物を、1M KHSOでpH<3に酸性化にし、次いで、TBME(3×25mL)で抽出した。合わせた有機層を、食塩水(25mL)で洗浄し、次いで、乾燥させ(MgSO)、濾過し、次いで、真空中で濃縮し、淡黄色のゴム(1.91g)を得た。粗生成物を、最小限の量のDCMに溶解し、濾過し、40gカラムに充填し、クロマトグラフィー(SiO、40gカラム、イソ−ヘキサン中0〜50%EtOAc)によって精製し、3−(4−クロロフェニル)−4−フルオロ−6−(1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−1−((トリメチルシリル)オキシ)プロピル)イソベンゾフラン−1(3H)−オン(1.04g、収率71.9%)を粘着性の白色のゴムとして得た。1H NMR(DMSO−d6)δ:7.70〜7.67(m、1H)、7.55〜7.47(m、3H)、7.42〜7.36(m、2H)、6.87(s、1H)、3.92〜3.84(m、1H)、3.80〜3.71(m、1H)、3.29〜3.13(m、2H)、2.22〜2.09(m、1H)、2.04〜1.83(m、2H)、1.77〜1.64(m、1H)、1.23〜0.96(m、3H)、0.62(t、1.5H)、0.61(t、1.5H)、0.24(s、4.5H)、0.24(s、4.5H)。LCMS m/z 499/501(M+Na)+。
2−(4−クロロベンゾイル)−3−フルオロ−5−(1−ヒドロキシ−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)プロピル)安息香酸
Figure 2020515546
KMnO(226mg、1.431mmol)を、水(3mL、167mmol)中3−(4−クロロフェニル)−4−フルオロ−6−(1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−1−((トリメチルシリル)オキシ)プロピル)イソベンゾフラン−1(3H)−オン(455mg、0.954mmol)、ピリジン(2mL、24.73mmol)、およびKOH(395mg、5.98mmol)の撹拌混合物に添加した。反応物を窒素下に置き、次いで、60℃で19時間撹拌した。反応物を、室温に冷却させ、次いで、水(25mL)で洗浄されたセライトパッドを通して濾過した。濾液を1M HCl水溶液でpH1に酸性化し、次いで白色の固体を真空中の濾過によって回収し、次いで、水(15mL)で洗浄した。白色の固体を、真空中で乾燥させ、粗生成物(340mg)を、Companion(12gカラム、溶出物としてのEtOAc:イソ−ヘキサン中の0〜60%混合物の1%AcOHを使用する)でクロマトグラフィーによって精製し、2−(4−クロロベンゾイル)−3−フルオロ−5−(1−ヒドロキシ−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)プロピル)安息香酸を白色の固体(246mg、58%)として得た。H NMR(400MHz、DMSO−d)δ13.55(br s、1H)、7.88(d、1H)、7.75〜7.65(m、2H)、7.65〜7.59(m、2H)、7.56(dd、1H)、4.95(s、1H)、4.00〜3.83(m、1H)、3.78(dd、1H)、3.29〜3.23(m、1H)、3.23〜3.13(m、1H)、1.99〜1.78(m、3H)、1.76〜1.59(m、1H)、1.48〜1.23(m、2H)、1.08〜0.95(m、1H)、0.64(t、3H)。LCMS m/z 421(M+H)+。
2−(4−クロロベンゾイル)−3−フルオロ−5−(1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−1−((トリメチルシリル)オキシ)プロピル)安息香酸tert−ブチル
Figure 2020515546
nBuLi(ヘキサン中2.3M)(0.582ml、1.340mmol)を、窒素下、−78℃でTHF(3.69ml、1.218mmol)中2,2,6,6−テトラメチルピペリジン(0.247ml、1.461mmol)の溶液に添加し、混合物を30分間撹拌した。THF(0.3mL)中3−フルオロ−5−(1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−1−((トリメチルシリル)オキシ)プロピル)安息香酸tert−ブチル(0.500g、1.218mmol)の溶液を滴下で添加し、混合物をさらに45分間撹拌した。次いで、4−クロロベンゾイルクロリド(0.187ml、1.461mmol)を添加し、反応物をさらに1時間撹拌した。飽和NHCl(3mL)、続いてEtOAc(5mL)を添加した。層を分離し、有機抽出物を、水(10mL)、食塩水(10mL)で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、濾過し、減圧下で濃縮して、粗生成物(735.8mg)を得た。粘性の無色の油として2−(4−クロロベンゾイル)−3−フルオロ−5−(1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−1−((トリメチルシリル)オキシ)プロピル)安息香酸tert−ブチル(0.250g、0.451mmol、収率37.0%)を得るためのクロマトグラフィー(SiO、40gカラム、イソ−ヘキサン中0〜30%EtOAc)による精製。1H NMR(MeOD)δ:7.88(d、1H)、7.79〜7.72(m、2H)、7.57〜7.51(m、2H)、7.43(dd、1H)、4.04〜3.97(m、1H)、3.95〜3.86(m、1H)、3.46〜3.33(m、2H)、2.16〜2.02(m、3H)、1.92〜1.78(m、1H)、1.45〜1.25(m、3H)、1.28(s、9H)、0.78(t、3H)、0.30(s、9H)。LCMS m/z 403/405(M−tBu−HOTMS+H)+。
2−(4−クロロベンゾイル)−3−フルオロ−5−(1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−1−((トリメチルシリル)オキシ)プロピル)安息香酸
Figure 2020515546
THF(0.4ml)中2,2,6,6−テトラメチルピペリジン(0.081ml、0.480mmol)の撹拌溶液を、n−ブチルリチウム、ヘキサン(0.18ml、0.450mmol)中2.5Mで、窒素下、−78℃(浴)で滴下で処理し、−78℃(浴)で20分間撹拌した。次いで、溶液を、THF(0.4ml)中3−フルオロ−5−(1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−1−((トリメチルシリル)オキシ)プロピル)安息香酸(0.050g、0.141mmol)の溶液で処理し、−78℃(浴)で1時間撹拌した。混合物を、4−クロロ安息香酸エチル(0.099ml、0.635mmol)で処理し、室温に達成させた。混合物を、飽和NHCl(10ml)でクエンチし、1M KHSO(2ml)で酸性化し、MTBE(3×5ml)で抽出した。合わせた抽出物を、食塩水(10ml)で洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、蒸発させて、茶色の油(137mg)を得た。
油を、クロマトグラフィー(SiO、12gカラム、イソ−ヘキサン中0〜40%EtOAc、両方共に1%の酢酸を含む)によって精製した。きれいな画分をプールし、トルエン(10ml)で希釈し、蒸発させた。残渣を、トルエン(2×10ml)に溶解し、蒸発させた。残渣を、数滴の酢酸エチルを含むバイアルに移動させ、蒸発させた。残渣を、40℃で4時間、真空下で乾燥させ、2−(4−クロロベンゾイル)−3−フルオロ−5−(1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−1−((トリメチルシリル)オキシ)プロピル)安息香酸(29mg、0.056mmol、収率39.6%)を黄色の泡として得た。
3−フルオロ−2−ヨード−5−(1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−1−((トリメチルシリル)オキシ)プロピル)安息香酸tert−ブチル
Figure 2020515546
n−BuLi(ヘキサン中2.5M)(5.85ml、14.61mmol)を、窒素下、0℃(浴)で、THF(20ml)中2,2,6,6−テトラメチルピペリジン(2.466ml、14.61mmol)の溶液に滴下で添加し、混合物を1時間撹拌した。混合物を、−78℃(浴)に冷却し、THF(20ml)中3−フルオロ−5−(1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−1−((トリメチルシリル)オキシ)プロピル)安息香酸tert−ブチル(4.00g、9.74mmol)の溶液を滴下で添加し、混合物を−78℃(浴)で1時間撹拌した。THF(20ml)中ヨウ素(3.71g、14.61mmol)の溶液を滴下で添加し、混合物を−78℃(浴)で3.5時間撹拌した。反応物を、飽和NH4Cl水溶液(80ml)でクエンチし、混合物を室温に温め、一晩撹拌した。EtOAc(80ml)および1Mチオ硫酸ナトリウム水溶液(80ml)を添加し、層を分離した。水性層をEtOAc(2×60ml)で抽出し、合わせた有機抽出物を食塩水(80ml)で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、真空中で濃縮した。粗生成物を、クロマトグラフィー(SiO、120gカラム、イソ−ヘキサン中0〜50%EtOAc)によって精製し、3−フルオロ−2−ヨード−5−(1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−1−((トリメチルシリル)オキシ)プロピル)安息香酸tert−ブチル(3.59g、収率67.3%)を粘着性の黄色の油として得た。1H NMR(CDCl)δ:7.38(dd、1H)、7.09(dd、1H)、4.04〜3.95(m、1H)、3.93〜3.84(m、1H)、3.34(ddd、1H)、3.26(ddd、1H)、2.01〜1.84(m、2H)、1.88〜1.74(m、1H)、1.74〜1.66(m、1H)、1.63(s、9H)、1.40〜1.28(m、1H)、1.22〜1.14(m、2H)、0.72(t、3H)、0.23(s、9H)。LCMS m/z 559(M+Na)+
3−(4−クロロフェニル)−4−フルオロ−6−(1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−1−((トリメチルシリル)オキシ)プロピル)イソベンゾフラン−1(3H)−オン
Figure 2020515546
THF(7ml)中3−フルオロ−2−ヨード−5−(1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−1−((トリメチルシリル)オキシ)プロピル)安息香酸tert−ブチル(1.00g、1.864mmol)の溶液を、窒素下で−30℃に冷却し、イソプロピルマグネシウムクロリド(1.398ml、2.80mmol)を滴下で添加した。混合物を、−30℃で15分間撹拌し、次いで、THF(7ml)中4−クロロベンズアルデヒド(1.048g、7.46mmol)の溶液を添加し、混合物を−30℃で30分間撹拌し、次いで、室温に緩徐に温めた後、一晩撹拌した。飽和NHCl水溶液(40ml)を添加し、反応混合物をEtOAc(2×100ml)で抽出した。合わせた有機層を、食塩水(80ml)で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、真空中で濃縮した。粗生成物を、クロマトグラフィー(SiO、120gカラム、イソ−ヘキサン中0〜50%EtOAc)によって精製し、3−(4−クロロフェニル)−4−フルオロ−6−(1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−1−((トリメチルシリル)オキシ)プロピル)イソベンゾフラン−1(3H)−オン(702mg、1.472mmol、収率79%)を淡黄色の泡として得た。
生物学的アッセイ
96ウェルプレート結合アッセイ(ELISA)を使用したMDM2−p53相互作用
ELISAアッセイを、200μL/ウェルの1μgmL−1ビオチン化IP3ペプチドとプレインキュベートしたストレプトアビジンコーティングプレートで行った。プレートをPBSで洗浄した後、プレートはMDM2結合にすぐに使用することができた。
96ウェルプレートにアリコートしたDMSO中の化合物および対照溶液を、2.5〜5v/v%の最終DMSO濃度中、インビトロ翻訳MDM2の最適化濃度の190μLのアリコートと室温(例えば、20℃)で20分間プレインキュベートした後に、MDM2−化合物混合物をb−IP3ストレプトアビジンプレートに移し、4℃で90分間インキュベートした。PBSで3回洗浄して結合していないMDM2を除去した後、各ウェルを、一次マウスモノクローナル抗MDM2抗体(Ab−5、Calbiochem、使用した抗体原液に応じて1/10000または1/200希釈で使用)のTBS−Tween(50mM Tris(pH7.5)、150mM NaCl、0.05%Tween 20非イオン性洗剤)緩衝溶液と20℃で1時間インキュベートし、その後、TBS−Tweenで3回洗浄した後に、ヤギ−抗マウス西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP)コンジュゲート二次抗体(抗体原液に応じて1/20000または1/2000で使用)のTBS−Tween緩衝溶液と20℃で45分間インキュベートした。結合していない二次抗体をTBS−Tweenで3回洗浄することによって除去した。結合したHRP活性を、定量化可能な光シグナルを発生させるためのジアシルヒドラジド基質であるルミノールの酸化を使用した増強化学発光(ECL(商標)、Amersham Biosciences)によって測定した。所与の濃度でのMDM2阻害パーセンテージを、[1−(化合物で処理した試料中で検出されたRLU−RLU陰性DMSO対照)÷(DMSO陽性および陰性対照のRLU)]×100として、または(化合物で処理した試料中で検出されたRLU÷DMSO対照のRLU)×100として算出する。IC50を、濃度に対するMDM2阻害%のプロットを使用して算出し、2つまたは3つの独立した実験の平均である。
ウエスタンブロット分析
SJSA細胞を、0.5%DMSO中5、10、および20μMの化合物で6時間処理した。細胞を、0.5%DMSOのみの対照と一緒に、氷冷リン酸緩衝生理食塩水(PBS)で洗浄し、タンパク質抽出物を、高分子量DNAを分解して試料の粘度を低減するための2×5秒間の超音波処理(Soniprep 150ME)を行って、細胞をSDS緩衝液(62.5mMトリス(pH6.8)、2%ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)、10%グリセロール)中に溶解させることによって調製した。試料のタンパク質濃度を、Pierce BCAアッセイシステム(Pierce,Rockford,IL)を使用して推定し、50μgアリコートのタンパク質を、標準のSDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS−PAGE)およびウエスタン免疫ブロッティング手技を使用して分析した。β−メルカプトエタノール(5%)およびブロモフェノールブルー(0.05%)を添加し、試料を5分間沸騰させ、その後、短時間遠心分離した後に、プレキャスト4〜20%勾配トリス−グリシン緩衝SDS−ポリアクリルアミドゲル(Invitrogen)上に装填した。分子量標準(SeeBlue(商標)、Invitrogen)を全てのゲルに含め、電気泳動をNovex XL tank(Invitrogen)で90分間にわたって180ボルトで行った。分離したタンパク質を、BioRad電気泳動タンク、ならびに25mMトリス、190mMグリシン、および20%メタノール転写緩衝液を使用して、30ボルトで、または2時間にわたって70ボルトで、ゲルからHybond Cニトロセルロース膜(Amersham)上に一晩電気泳動転写した。転写したタンパク質の免疫検出に使用した一次抗体は、1:1000のマウスモノクローナルNCL−p53DO−7(Novocastra)、1:500のMDM2(Ab−1、クローンIF2)(Oncogene)、1:100のWAF1(Ab−1、クローン4D10)(Oncogene)、1:1000のActin(AC40)(Sigma)であった。使用した二次抗体は、1:1000のペルオキシダーゼコンジュゲート親和性精製ヤギ抗マウス(Dako)であった。タンパク質の検出および可視化を、青色感受性オートラジオグラフィフィルム(Super RX、Fuji)への曝露による光検出を用いた増強化学発光(ECL(商標)、Amersham)によって行った。
プロトコルA:SJSA−1およびSN40R2アッセイ
試験したMDM2増幅細胞株は、p53野生型および突然変異骨肉腫の同質遺伝子的に一致した対(それぞれSJSA−1およびSN40R2)であった。全ての細胞培養物を、10%ウシ胎仔血清を補充したRPMI 1640培地(Gibco,Paisley,UK)で増殖させ、定期的に試験し、マイコプラズマ感染に対して陰性であることを確認した。細胞の増殖およびその阻害を、以前に概説されたスルホローダミンB(SRB)法を使用して測定した。100μLの3×10/mLおよび2×10/mL SJSA−1およびSN40R2細胞、それぞれ、を96ウェル組織培養プレートに播種し、5%CO2加湿インキュベーター内で、37℃で24時間インキュベートし、その後、培地を、様々なMDM2−p53アンタゴニスト濃度を含む100μlの試験培地と交換し、さらに72時間インキュベートして細胞を増殖させた後に、25μLの50%トリクロロ酢酸(TCA)を添加して、細胞を4℃で1時間固定した。TCAを蒸留水で洗い流し、100μLのSRB色素(1%酢酸中0.4w/v%)(Sigma−Aldrich,Poole,Dorset)をプレートの各ウェルに添加した。SRB色素と室温で30分間インキュベートした後、プレートを1%酢酸で洗浄し、放置して乾燥させた。その後、ウェル中の細胞の数の尺度であるSRB染色タンパク質を、100μLの10mmトリス−HCl(pH10.5)中に再懸濁させ、λ=570nmでの吸光度を、FluoStar Omegaプレートリーダーを使用して、各ウェル中で測定した。GI50を、Prism v4.0統計ソフトウェアを使用したデータの非線形回帰分析によって算出した。
プロトコルB:SJSA−1およびSN40R2アッセイ
CellTiter−Glo(登録商標)発光細胞生存アッセイは、代謝的に活性な細胞の存在を知らせる、存在するATPの定量に基づいて培養物中の生存細胞の数を決定するための均一方法である。SJSA−1およびSN40R2の両方を、10%FBS(PAA番号A15−204)および10U/mLペニシリン/ストレプトマイシンを補充したRPMI 1640(Life Technologies、番号61870)中で増殖させた。75μL中2000個の細胞を96ウェルプレートの各ウェルに播種し、5%CO2加湿インキュベーター内に37℃で24時間放置した。その後、DMSO中の様々なMDM2−p53アンタゴニスト濃度を細胞に添加して、0.3%の最終DMSO濃度にし、さらに72時間インキュベートして細胞を増殖させた。100μLのCTG試薬(Promega、番号G7573)を全てのウェルに添加し、発光をTopCountで測定した。EC50値を、XLfitをActivity Base(IDBS、Guildford,Surrey,UK)と併せて使用して、シグモイド4パラメータ曲線当てはめから決定した。
抗増殖活性
細胞増殖の阻害を、Alamar Blueアッセイ(Nociari,M.M,Shalev,A.,Benias,P.,Russo,C.Journal of Immunological Methods 1998,213,157−167)を使用して測定する。この方法は、レサズリンをその蛍光生成物レゾルフィンに還元する生存細胞の能力に基づく。各増殖アッセイについて、細胞を、96ウェルプレートにプレーティングし、16時間回復させた後に、阻害剤化合物(0.1v/v%DMSO中)をさらに72時間にわたって添加する。インキュベーション期間の終わりに、10v/v%Alamar Blueを添加し、さらに6時間インキュベートした後に、535nM ex/590nM emで蛍光生成物を決定する。本発明の化合物の抗増殖作用を、例えば、DSMZ、ECACC、またはATCCから入手可能ながん細胞株の増殖を阻害する化合物の能力を測定することによって決定することができる。
結果
表3:(2S,3S)−3−(4−クロロフェニル)−3−[(1R)−1−(4−クロロフェニル)−7−フルオロ−5−[(1S)−1−ヒドロキシ−1−(オキサン−4−イル)プロピル]−1−メトキシ−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−2−イル]−2−メチルプロパン酸についての本明細書に記載のアッセイから得られた生物学的データ
Figure 2020515546
1つより多くのデータ点を得た場合、上記の表は、これらのデータ点の平均(例えば、幾何平均または算術平均)を示す。
言うまでもなく、本発明がほんの一例として記載されている上述の実施形態の詳細に限定されるようには意図されていないことが理解されよう。
細胞増殖のための組み合わせプロトコル
抗がん剤(化合物II)と組み合わせた式(1)の化合物(化合物1)の効果を、以下の技法を使用して評価することができる。ヒト細胞株(例えば、SJSA−1)由来の細胞を、それぞれ、2.5×10、6.0×10、または4.0×10細胞/ウェルの濃度で、96ウェル組織培養プレートに播種した。細胞を24〜48時間回復させた後に、化合物(複数可)またはビヒクル対照(0.35〜0.5%DMSO)を以下のように添加した。
化合物を72〜96時間にわたって同時に添加した。化合物を合計72〜96時間インキュベートした後、細胞を氷冷10w/v%トリクロロ酢酸で1時間にわたって氷上に固定し、その後、プレート洗浄機(Labsystems Wellwash Ascent)を使用してdH0で4回洗浄し、風乾した。その後、細胞を、室温で20分間にわたって1%酢酸中0.4w/v%スルホローダミンB(Sigma)で染色し、その後、1v/v%酢酸で4回洗浄し、風乾した後に、10mMトリス緩衝液を添加して、色素を可溶化した。比色分析生成物を、Wallac Victorプレートリーダー(1420 multilabel counter、Perkin Elmer Life Sciences)でAbs490nmまたはAbs570nmで読み取ることによって定量した。様々な用量の化合物Iの存在下での化合物IIのIC50を決定した。IC50が有効用量以下の化合物Iの存在下で下方推移したときに、相乗作用を決定した。化合物IIおよび化合物Iへの応答が相まって、個別に2つの化合物の合計に相当する効果をもたらしたときに、相加作用を決定した。アンタゴニスト効果を、IC50を上方推移させるもの、すなわち、2つの化合物への応答が個別に2つの化合物の効果の合計未満である場合のものと定義した。
薬学的製剤実施例
(i)錠剤製剤
式(1)の化合物を含む錠剤組成物を、適切な量の化合物(例えば、50〜250mg)を適切な希釈剤、崩壊剤、圧縮剤、および/または流動促進剤と混合することによって調製する。1つの可能な錠剤は、50mgの化合物を、希釈剤として197mgのラクトース(BP)、および滑沢剤として3mgのステアリン酸マグネシウムとともに含み、既知の様式で圧縮して錠剤を形成する。圧縮された錠剤を、任意にフィルムコーティングすることができる。
(ii)カプセル製剤
カプセル製剤を、100〜250mgの式(1)の化合物を当量のラクトースと混合し、結果として得られた混合物を標準の硬ゼラチンカプセルに充填することによって調製する。適切な崩壊剤および/または流動促進剤を、必要に応じて、適切な量で含めることができる。
(iii)注入用製剤I
注射による投与用の非経口組成物を、10%プロピレングリコールを含有する水中に式(1)の化合物(例えば、塩形態)を溶解させて、1.5重量%の濃度の活性化合物を得ることによって調製することができる。その後、溶液を等張化し、濾過または最終滅菌によって滅菌し、アンプルまたはバイアルまたはプレフィルドシリンジに充填し、密封する。
(iv)注入用製剤II
注射用の非経口組成物を、水中に式(1)の化合物(例えば、塩形態)(2mg/mL)およびマンニトール(50mg/mL)を溶解させ、溶液を滅菌濾過または最終滅菌し、密封可能な1mLのバイアルまたはアンプルまたはプレフィルドシリンジに充填することによって調製する。
(v)注入用製剤III
注射または注入による静脈内送達用の製剤を、水中に式(1)の化合物(例えば、塩形態)を20mg/mLで溶解させ、その後、等張性を調整することによって調製することができる。その後、バイアルを密封し、オートクレーブ処理によって滅菌するか、またはアンプルもしくはバイアルもしくはプレフィルドシリンジに充填し、濾過によって滅菌し、密封する。
(vi)注入用製剤IV
注射または注入による静脈内送達用の製剤を、緩衝液(例えば、0.2M酢酸、pH4.6)を含有する水中に式(1)の化合物(例えば、塩形態)を20mg/mLで溶解させることによって調製することができる。その後、バイアル、アンプル、またはプレフィルドシリンジを密封し、オートクレーブ処理によって滅菌するか、または濾過によって滅菌し、密封する。
(vii)皮下または筋肉内注射製剤
皮下または筋肉内投与用の組成物を、式(1)の化合物を医薬品等級のトウモロコシ油と混合して、5〜50mg/mLの濃度を得ることによって調製する。組成物を滅菌し、好適な容器に充填する。
(viii)凍結乾燥製剤I
製剤化された式(1)の化合物のアリコートを50mLのバイアルに入れ、凍結乾燥させる。凍結乾燥中、組成物を、一段階凍結プロトコルを使用して(−45℃)で凍結させる。アニーリングのために温度を−10℃に上げ、その後、凍結のために−45℃に下げ、続いて、+25℃でおよそ3400分間一次乾燥させた後、温度が50℃になった場合、ステップを増加させて二次乾燥させる。一次乾燥および二次乾燥中の圧力を、80ミリトルに設定する。一次乾燥および二次乾燥中の圧力を、80ミリトルに設定する。
(ix)凍結乾燥製剤II
本明細書で定義される製剤化された式(1)の化合物またはその塩のアリコートを50mLのバイアルに入れ、凍結乾燥させる。凍結乾燥中、組成物を、一段階凍結プロトコルを使用して(−45℃)で凍結させる。アニーリングのために温度を−10℃に上げ、その後、凍結のために−45℃に下げ、続いて、+25℃でおよそ3400分間一次乾燥させた後、温度が50℃になった場合、ステップを増加させて二次乾燥させる。一次乾燥および二次乾燥中の圧力を、80ミリトルに設定する。一次乾燥および二次乾燥中の圧力を、80ミリトルに設定する。
(x)静脈内投与に使用するための凍結乾燥製剤III
緩衝水溶液を、式Iの化合物を緩衝液中に溶解させることによって調製する。緩衝溶液を濾過して粒子状物質を除去した後に容器(1型ガラスバイアル等)に充填し、その後、(例えば、Fluorotec栓を用いて)部分的に密封する。化合物および製剤が十分に安定している場合、製剤を、オートクレーブ処理によって121℃で好適な時間滅菌する。製剤がオートクレーブ処理に対して安定していない場合、製剤を、好適なフィルターを使用して滅菌し、滅菌条件下で滅菌バイアルに充填することができる。溶液を好適なサイクルを使用して凍結乾燥させる。凍結乾燥サイクルの完了時に、バイアルに窒素を戻し充填して大気圧にし、栓をし、(例えば、アルミニウム圧着により)固定する。静脈内投与の場合、凍結乾燥させた固体を、0.9%生理食塩水または5%デキストロース等の薬学的に許容される希釈剤で再構成することができる。溶液を、そのままの状態で投薬することができるか、または、投与前に、注入バッグ(0.9%生理食塩水または5%デキストロース等の薬学的に許容される希釈剤を含有する)中にさらに希釈することができる。
(xii)瓶中の粉末
経口投与用の組成物を、瓶またはバイアルに式(1)の化合物を充填することによって調製する。その後、組成物を、好適な希釈剤、例えば、水、果汁、またはOraSweetもしくはSyrspend等の市販のビヒクルで再構成する。再構成された溶液を、投与用の投薬カップまたは経口シリンジに分注することができる。

Claims (63)

  1. 式(1)の1−メトキシイソインドリン、
    Figure 2020515546
    またはその互変異性体もしくは溶媒和物もしくは塩を調製するためのプロセスであって、
    前記プロセスが、式(2)の化合物を取り込むことであって、
    Figure 2020515546
    式中、cycが、フェニルまたは複素環式基Hetであり、前記複素環式基Hetが、ピリジニル、ピリミジニル、ピラジニル、もしくはピリダジニル、またはそのN−オキシドであり、
    が、独立して、ヒドロキシ、ハロゲン、ニトロ、ニトリル、C1−4アルキル、ハロC1−4アルキル、ヒドロキシC1−4アルキル、C2−6アルケニル、C1−4アルコキシ、ハロC1−4アルコキシ、C2−4アルキニル、−O0,1−(CR−COH、−(CR−CO1−4アルキル、−(CR−CON(C1−4アルキル)、−P(=O)(R、−S(O)−R、3〜6個の環員を有する−S(O)−複素環式基、および−S(O)−N(Rから選択され、cycがHetである場合、Rが炭素原子に結合しており、
    が、水素、C1−4アルキル、C2−6アルケニル、ヒドロキシC1−4アルキル、−(CR−COH、−(CR−CONR、−(CR−CO10から選択され、式中、R10が、C1−7アルキル、C1−7アルケネイル、C1−7ハロアルキル、トリC1−7アルキルシリル−C1−7アルキル、C5−20アリール、およびC5−20アリール−C1−7アルキルから選択され、
    およびRが、独立して、ハロゲン、ニトリル、C1−4アルキル、ハロC1−4アルキル、C1−4アルコキシ、およびハロC1−4アルコキシから選択され、
    Qが、−C(OH)R、−C(=O)R、ハロゲン(例えば、−F、−Cl、−Br、−I)、および−OTfから選択され、
    およびRが、独立して、水素、C1−6アルキル、ハロC1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、ヒドロキシ、ヒドロキシC1−6アルキル、−COOC1−6アルキル、−(CH−O−C1−6アルキル、−(CH−O−(ヒドロキシC1−6アルキル)、−C1−6アルキル−NR、−(CR−CONR、−(CR−NRCOR、−(CR−O−CH−CONR、3〜7個の環員を有する複素環式基、3〜7個の環員を有する−CH−複素環式基、3〜7個の環員を有する−CH−O−複素環式基、3〜7個の環員を有する−CH−NH−複素環式基、3〜7個の環員を有する−CH−N(C1−6アルキル)−複素環式基、3〜7個の環員を有する−C(=O)NH−複素環式基、C3−8シクロアルキル、−CH−C3−8シクロアルキル、−CH−O−C3−8シクロアルキル、およびC3−8シクロアルケニルから選択され、前記シクロアルキル、前記シクロアルケニル、または前記複素環式基が、1つ以上のR基によって任意に置換されてもよく、各例において、前記複素環式基が、N、O、S、およびそれらの酸化形態から選択される1個以上(例えば、1、2、または3個)のヘテロ原子を含むか、または
    Qが−C(OH)Rである場合、前記R基および前記R基が連結して、それらが結合している炭素原子と一緒に、C3−6シクロアルキルまたは3〜6個の環員を有するヘテロシクリル基を形成することができ、前記複素環式基が、N、O、S、およびそれらの酸化形態から選択される1個以上(例えば、1、2、または3個)のヘテロ原子を含み、前記C3−6シクロアルキルおよび前記ヘテロシクリル基が、1つ以上のR基によって任意に置換されてもよく、
    が、水素、C1−6アルキル、ハロC1−6アルキル、ヒドロキシC1−6アルキル、−(CH−O−C1−6アルキル、−(CH−O−(ヒドロキシC1−6アルキル)、ヒドロキシC1−6アルコキシ、−(CH−CO1−6アルキル、−(CH−COH、−C1−6アルキル−N(H)(C1−4アルキル)2−e、−(CH−C3−8シクロアルキル、および−(CH−C3−8シクロアルケニルから選択され、
    およびRが、独立して、水素、ハロゲン、ニトロ、ニトリル、C1−6アルキル、ハロC1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、ヒドロキシ、ヒドロキシC1−6アルキル、C1−6アルコキシ、−(CH−O−C1−6アルキル、ヒドロキシC1−6アルコキシ、−COOC1−6アルキル、−N(H)(C1−4アルキル)2−e、−C1−6アルキル−N(H)(C1−4アルキル)2−e、−(CH−C(=O)N(H)(C1−4アルキル)2−e、C3−8シクロアルキル、およびC3−8シクロアルケニルから選択されるか、または
    前記R基および前記R基が連結して、それらが結合している炭素原子または窒素原子と一緒に、3〜5個の環員の芳香族ヘテロシクリル基に任意に縮合され得るC3−6シクロアルキルまたは3〜6個の環員を有する飽和ヘテロシクリル基を形成することができるか、または
    炭素原子上にある場合、前記R基および前記R基が一緒に連結して、=CH基を形成することができ、Rが、独立して、ハロゲン、ニトロ、ニトリル、C1−6アルキル、ハロC1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、=O、ヒドロキシ、ヒドロキシC1−6アルキル、C1−6アルコキシ、−(CH−O−C1−6アルキル、ヒドロキシC1−6アルコキシ、−C(=O)C1−6アルキル、−C(=O)C1−6アルキル−OH、−C(=O)C1−6アルキル−N(H)(C1−4アルキル)2−e、−C(=O)N(H)(C1−4アルキル)2−e、−(CH−CO1−6アルキル、−(CH−COH、−N(H)(C1−4アルキル)2−e、−C1−6アルキル−N(H)(C1−4アルキル)2−e、3〜6個の環員を有するヘテロシクリル基、−C(=O)C1−4アルキルによって置換された3〜6個の環員を有するヘテロシクリル基、−C(=O)OC1−4アルキルによって置換された3〜6個の環員を有するヘテロシクリル基、−C(=O)N(H)(C1−4アルキル)2−eによって置換された3〜6個の環員を有するヘテロシクリル基、3〜6個の環員を有する−C(=O)ヘテロシクリル基、C3−8シクロアルキル、およびC3−8シクロアルケニルから選択され、Rがピリジンである場合、Rが−NH以外であり、
    a、j、d、e、n、r、およびpが、独立して、0、1、および2から選択され、
    kおよびmが、独立して、1および2から選択され、
    uが、0、1、2、および3から選択され、
    vおよびwが、独立して、0および1から選択される、取り込むことと、
    式(2)の前記化合物を塩基の存在下でメチル化剤と反応させることと、を含む、プロセス。
  2. 式(1)の前記化合物が、式(1)の化合物、
    Figure 2020515546
    またはその互変異性体もしくは溶媒和物もしくは塩であり、
    式(2)の前記化合物が、式(2)の化合物である、請求項1に記載の1−メトキシイソインドリンを調製するためのプロセス。
    Figure 2020515546
  3. がp−Clであり、nが1である、請求項2に記載の1−メトキシイソインドリンを調製するためのプロセス。
  4. がp−Clであり、mが1である、請求項2または3に記載の1−メトキシイソインドリンを調製するためのプロセス。
  5. が4−Fであり、aが1である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の1−メトキシイソインドリンを調製するためのプロセス。
  6. Qが−C(OH)Rである、請求項1〜5のいずれか一項に記載の1−メトキシイソインドリンを調製するためのプロセス。
  7. 任意の段階で、式1の前記化合物が分解されて式(1’)の立体異性体の割合を増加させるさらなるステップを含む、請求項1〜6のいずれか一項に記載の1−メトキシイソインドリンを調製するためのプロセス。
    Figure 2020515546
  8. 式(1)の前記化合物が、例えば、結晶化またはクロマトグラフィー(例えば、超臨界流体クロマトグラフィー)によって分解される、請求項7に記載の1−メトキシイソインドリンを調製するためのプロセス。
  9. (2S,3S)−3−(4−クロロフェニル)−3−[(1R)−1−(4−クロロフェニル)−7−フルオロ−5−[(1S)−1−ヒドロキシ−1−(オキサン−4−イル)プロピル]−1−メトキシ−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−2−イル]−2−メチルプロパン酸(3’)、
    Figure 2020515546
    またはその互変異性体もしくは溶媒和物もしくは薬学的に許容される塩である1−メトキシイソインドリンを調製するためのプロセスであって、
    前記プロセスが、請求項1〜15のいずれか一項に記載のプロセスを含む、プロセス。
  10. (2S,3S)−3−(4−クロロフェニル)−3−[1−(4−クロロフェニル)−7−フルオロ−5−[(1S)−1−ヒドロキシ−1−(オキサン−4−イル)プロピル]−1−メトキシ−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−2−イル]−2−メチルプロパン酸、
    Figure 2020515546
    またはその互変異性体もしくは溶媒和物もしくは薬学的に許容される塩である1−メトキシイソインドリンを調製するためのプロセスであって、前記プロセスが、
    (i)式(4)の化合物を取り込むステップであって、
    Figure 2020515546
    式中、R10が、C1−7アルキル、C1−7アルケネイル、C1−7ハロアルキル、トリC1−7アルキルシリル−C1−7アルキル、C5−20アリール、およびC5−20アリール−C1−7アルキルから選択される、取り込むステップと、
    式(4)の前記化合物を塩基の存在下でメチル化剤と反応させて、式(5)の化合物を得るステップと、
    Figure 2020515546
    (ii)その後、R10基を水素に変換して、(2S,3S)−3−(4−クロロフェニル)−3−[1−(4−クロロフェニル)−7−フルオロ−5−[(1S)−1−ヒドロキシ−1−(オキサン−4−イル)プロピル]−1−メトキシ−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−2−イル]−2−メチルプロパン酸(3)、
    Figure 2020515546
    またはその互変異性体もしくは溶媒和物もしくは薬学的に許容される塩を得る脱エステル化ステップと、
    (iii)任意に、式(3)の前記化合物が分解されて、式(3’)の(2S,3S)−3−(4−クロロフェニル)−3−[(1R)−1−(4−クロロフェニル)−7−フルオロ−5−[(1S)−1−ヒドロキシ−1−(オキサン−4−イル)プロピル]−1−メトキシ−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−2−イル]−2−メチルプロパン酸、
    Figure 2020515546
    またはその互変異性体もしくは溶媒和物もしくは薬学的に許容される塩である立体異性体の割合を増加させるさらなるステップと、を含む、プロセス。
  11. 式(4)の前記化合物が、式(6)の化合物を取り込むことと、
    Figure 2020515546
    式(6)の前記化合物を式(7)のアミンとカップリングすることとによって調製される、請求項10に記載の1−メトキシイソインドリンを調製するためのプロセス。
    Figure 2020515546
  12. 式(7)のアミンを調製するためのプロセスであって、
    Figure 2020515546
    前記プロセスが、式(12)のアルデヒドから出発し、
    Figure 2020515546
    前記プロセスが、
    (i)式(12)の前記アルデヒドをHNBocおよびPhSONaと反応させて、式(13)の化合物を得るステップと、
    Figure 2020515546
    (ii)式(13)の前記化合物を塩基の存在下で脱離反応させて、式(14)のイミンを得るステップと、
    Figure 2020515546
    (iii)イミン(14)とプロパン−2−アールとの間で(S)−プロリンによって触媒されるイミノ−アルドール反応を起こして、式(15)のアルデヒドを得るステップと、
    Figure 2020515546
    (iii)アルデヒド(15)を酸化させて、酸(16)を得るステップと、
    Figure 2020515546
    (iii)酸(16)を変換して、エステル(17)を得るステップと、
    Figure 2020515546
    (iv)その後、Boc保護基を除去して、式(7)の前記アミンを得るステップと、を含む、プロセス。
  13. 前記塩基が、n−BuLi、t−BuLi、sec−BuLi、LDA、LHMDS、NaHMDS、KHMDS、LTMP、LiOtBu、またはKOtBuから選択される、請求項1〜11のいずれか一項に記載の1−メトキシイソインドリンを調製するためのプロセス。
  14. 前記塩基が、KCO、NaCO、CsCO、NaOH、LiOH、KOH、KPO、EtN、DIPEA、1,8−ビス(ジメチルアミノ)ナフタレン,N,N,N′,N′−テトラメチル−1,8−ナフタレンジアミン(すなわち、プロトンスポンジ)、KHMDS、ルチジン、2,6−ジ−tert−ブチルピリジン、およびN−メチルモルホリンから選択される、請求項1〜11のいずれか一項に記載の1−メトキシイソインドリンを調製するためのプロセス。
  15. 前記メチル化剤が、MeI、MeSO、MeOBF、MeOTf,(MeO)CHBF、およびフルオロスルホン酸メチルから選択される、請求項1〜11のいずれか一項に記載の1−メトキシイソインドリンを調製するためのプロセス。
  16. 前記メチル化剤が、MeI、MeSO、MeOBF、MeOTf、および(MeO)CHBFから選択される、請求項1〜11のいずれか一項に記載の1−メトキシイソインドリンを調製するためのプロセス。
  17. 前記メチル化剤が、MeOTfおよびフルオロスルホン酸メチルから選択される、請求項1〜11のいずれか一項に記載の1−メトキシイソインドリンを調製するためのプロセス。
  18. 前記メチル化剤と反応させる前記ステップが、有機溶媒、例えば、非プロトン性溶媒、例えば、THF、1,4−ジオキサン、アセトン、アセトニトリル、DMF、ジクロロメタン、またはそれらの混合物中で行われる、請求項1〜11のいずれか一項に記載の1−メトキシイソインドリンを調製するためのプロセス。
  19. 前記メチル化剤と反応させる前記ステップが、エーテル性溶媒、例えば、THF中で行われる、請求項1〜11のいずれか一項に記載の1−メトキシイソインドリンを調製するためのプロセス。
  20. −前記塩基が、KCO、CsCO、NaOH、LiOH、およびKOHから選択され、
    −前記メチル化剤が、MeIおよびMeSOから選択され、
    −前記メチル化剤と反応させる前記ステップが、有機溶媒、例えば、非プロトン性溶媒、例えば、アセトン、DMF、ジクロロメタン、またはそれらの混合物中で行われる、請求項1〜11のいずれか一項に記載の1−メトキシイソインドリンを調製するためのプロセス。
  21. −前記塩基が、CsCOであり、
    −前記メチル化剤が、MeIであり、
    −前記メチル化と反応させる前記ステップが、有機溶媒、例えば、非プロトン性溶媒、例えば、アセトン、ジクロロメタン、またはそれらの混合物中で行われる、請求項20に記載の1−メトキシイソインドリンを調製するためのプロセス。
  22. −前記塩基が、1,8−ビス(ジメチルアミノ)ナフタレン,N,N,N′,N′−テトラメチル−1,8−ナフタレンジアミン(すなわち、プロトンスポンジ)、ルチジン、および2,6−ジ−tert−ブチルピリジンから選択され、
    −前記メチル化剤が、MeOBF、MeOTf、および(MeO)CHBFから選択され、
    −前記メチル化剤と反応させる前記ステップが、有機溶媒、例えば、非プロトン性溶媒、例えば、THF、1,4−ジオキサン、ジクロロメタン、またはそれらの混合物中で行われる、請求項1〜11のいずれか一項に記載の1−メトキシイソインドリンを調製するためのプロセス。
  23. −前記塩基が、1,8−ビス(ジメチルアミノ)ナフタレン,N,N,N′,N′−テトラメチル−1,8−ナフタレンジアミン(すなわち、プロトンスポンジ)であり、
    −前記メチル化剤が、MeOBFであり、
    −前記メチル化剤と反応させる前記ステップが、有機溶媒、例えば、非プロトン性溶媒、例えば、ジクロロメタン中で行われる、請求項22に記載の1−メトキシイソインドリンを調製するためのプロセス。
  24. −前記塩基が、n−BuLi、t−BuLi、sec−BuLi、LDA、LHMDS、NaHMDS、KHMDS、LTMP、LiOtBu、またはKOtBuから選択され、
    −前記メチル化剤が、MeOTfおよびフルオロスルホン酸メチルから選択され、
    −前記メチル化剤と反応させる前記ステップが、エーテル性溶媒中で行われる、請求項1〜11のいずれか一項に記載の1−メトキシイソインドリンを調製するためのプロセス。
  25. (i)前記塩基が式(2)の前記化合物と前記メチル化剤との混合物に添加されるか、または
    (ii)前記メチル化剤が式(2)の前記化合物と前記塩基との混合物に添加されるかのいずれかである、請求項1〜11または13〜24のいずれか一項に記載の1−メトキシイソインドリンを調製するためのプロセス。
  26. 前記塩基が、式(2)の前記化合物と前記メチル化剤との混合物に添加される、請求項1〜11または13〜25のいずれか一項に記載の1−メトキシイソインドリンを調製するためのプロセス。
  27. 前記メチル化剤と反応させる前記ステップが、0℃未満、−10℃未満、−20℃未満、−30℃未満、−40℃未満、または−50℃未満の温度、好ましくは−50℃〜−70℃の温度で行われる、請求項1〜11または13〜26のいずれか一項に記載の1−メトキシイソインドリンを調製するためのプロセス。
  28. (2S,3S)−3−(4−クロロフェニル)−3−[1−(4−クロロフェニル)−7−フルオロ−5−[(1S)−1−ヒドロキシ−1−(オキサン−4−イル)プロピル]−1−メトキシ−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−2−イル]−2−メチルプロパン酸(3)、
    Figure 2020515546
    またはその互変異性体もしくは溶媒和物もしくは薬学的に許容される塩である1−メトキシイソインドリンを調製するためのプロセスであって、
    前記プロセスが、式(4’)の化合物であって、
    Figure 2020515546
    式中、R10が、C1−7アルキル、C1−7ハロアルキル、トリC1−7アルキルシリル−C1−7アルキル、C5−20アリール、およびC5−20アリール−C1−7アルキルから選択される、化合物を脱エステル化して、
    (2S,3S)−3−(4−クロロフェニル)−3−[1−(4−クロロフェニル)−7−フルオロ−5−[(1S)−1−ヒドロキシ−1−(オキサン−4−イル)プロピル]−1−メトキシ−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−2−イル]−2−メチルプロパン酸、またはその互変異性体もしくは溶媒和物もしくは薬学的に許容される塩を得るステップと、
    任意に、式(3)の前記化合物が分解されて、式(3’)の(2S,3S)−3−(4−クロロフェニル)−3−[(1R)−1−(4−クロロフェニル)−7−フルオロ−5−[(1S)−1−ヒドロキシ−1−(オキサン−4−イル)プロピル]−1−メトキシ−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−2−イル]−2−メチルプロパン酸、
    Figure 2020515546
    またはその互変異性体もしくは溶媒和物もしくは薬学的に許容される塩である立体異性体の割合を増加させるさらなるステップと、を含む、プロセス。
  29. 10が、−CHCHSi(CHおよびフェニル、例えば、−CHCHSi(CHから選択される、請求項28に記載の1−メトキシイソインドリンを調製するためのプロセス。
  30. 式(4’)の前記化合物が、式(4)の化合物を取り込むことであって、
    Figure 2020515546
    式中、R10が、C1−7アルキル、C1−7アルケネイル、C1−7ハロアルキル、トリC1−7アルキルシリル−C1−7アルキル、C5−20アリール、およびC5−20アリール−C1−7アルキルから選択される、取り込むことと、式(4)の前記化合物を塩基の存在下でメチル化剤と反応させることとによって調製される、請求項28または29に記載の(2S,3S)−3−(4−クロロフェニル)−3−[1−(4−クロロフェニル)−7−フルオロ−5−[(1S)−1−ヒドロキシ−1−(オキサン−4−イル)プロピル]−1−メトキシ−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−2−イル]−2−メチルプロパン酸(3)である1−メトキシイソインドリンを調製するためのプロセス。
  31. −前記塩基が、n−BuLi、t−BuLi、sec−BuLi、LDA、LHMDS、NaHMDS、KHMDS、LTMP、LiOtBu、またはKOtBuから選択され、
    −前記メチル化剤が、MeOTfおよびフルオロスルホン酸メチルから選択され、
    −前記メチル化剤と反応させる前記ステップが、エーテル性溶媒中で行われる、請求項30に記載の(2S,3S)−3−(4−クロロフェニル)−3−[1−(4−クロロフェニル)−7−フルオロ−5−[(1S)−1−ヒドロキシ−1−(オキサン−4−イル)プロピル]−1−メトキシ−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−2−イル]−2−メチルプロパン酸(3)である1−メトキシイソインドリンを調製するためのプロセス。
  32. 前記塩基が、式(4’)の前記化合物と前記メチル化剤との混合物に添加される、請求項30または31に記載の(2S,3S)−3−(4−クロロフェニル)−3−[1−(4−クロロフェニル)−7−フルオロ−5−[(1S)−1−ヒドロキシ−1−(オキサン−4−イル)プロピル]−1−メトキシ−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−2−イル]−2−メチルプロパン酸(3)である1−メトキシイソインドリンを調製するためのプロセス。
  33. 前記塩基が、式(2)の前記化合物と前記メチル化剤との混合物に添加される、請求項1〜11および13〜32のいずれか一項に記載の1−メトキシイソインドリンを調製するためのプロセス。
  34. 前記メチル化剤と反応させる前記ステップが、0℃未満、−10℃未満、−20℃未満、−30℃未満、−40℃未満、または−50℃未満の温度、好ましくは−50℃〜−70℃の温度で行われる、請求項1〜11および13〜32のいずれか一項に記載の1−メトキシイソインドリンを調製するためのプロセス。
  35. 式(4)の前記化合物が、式(6)の化合物を取り込むことと、
    Figure 2020515546
    式(6)の前記化合物を式(7)のアミンとカップリングすることとによって調製される、請求項30〜34のいずれか一項に記載の(2S,3S)−3−(4−クロロフェニル)−3−[1−(4−クロロフェニル)−7−フルオロ−5−[(1S)−1−ヒドロキシ−1−(オキサン−4−イル)プロピル]−1−メトキシ−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−2−イル]−2−メチルプロパン酸(3)である1−メトキシイソインドリンを調製するためのプロセス。
    Figure 2020515546
  36. 式(7)の前記化合物が、請求項12に記載のプロセスによって調製される、請求項35に記載の(2S,3S)−3−(4−クロロフェニル)−3−[1−(4−クロロフェニル)−7−フルオロ−5−[(1S)−1−ヒドロキシ−1−(オキサン−4−イル)プロピル]−1−メトキシ−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−2−イル]−2−メチルプロパン酸(3)である1−メトキシイソインドリンを調製するためのプロセス。
  37. 式(6)の化合物を調製するためのプロセスであって、前記プロセスが、式(6’)の化合物を取り込むことと、
    Figure 2020515546
    キラル非ラセミ塩基を使用して式(6’)の前記化合物を分解することと、を含む、プロセス。
  38. 前記キラル非ラセミ塩基が、アミン、例えば、ビス[(1S)−1−フェニルエチル]アミンである、請求項37に記載の式(6)の化合物を調製するためのプロセス。
  39. 式(6)の前記化合物が、請求項37または38に記載のプロセスによって調製される、請求項35または36に記載の(2S,3S)−3−(4−クロロフェニル)−3−[1−(4−クロロフェニル)−7−フルオロ−5−[(1S)−1−ヒドロキシ−1−(オキサン−4−イル)プロピル]−1−メトキシ−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−2−イル]−2−メチルプロパン酸(3)である1−メトキシイソインドリンを調製するためのプロセス。
  40. 式(6’)の化合物を調製するためのプロセスであって、前記プロセスが、式(28)の化合物を取り込むことであって、
    Figure 2020515546
    式中、R11が、水素、C1−7アルキル、C1−7アルケネイル、C1−7ハロアルキル、トリC1−7アルキルシリル−C1−7アルキル、C5−20アリール、およびC5−20アリール−C1−7アルキル(例えば、−CHCH=CH、−CHCHSi(CH、およびフェニル)である、取り込むことと、式(28)の前記化合物を塩基の存在下で式(29)の化合物と反応させることであって、
    Figure 2020515546
    式中、Xが、−OC1−4アルキル(例えば、−OCH、−OCHCH)、ハロゲン(例えば、−Cl)、−N(OCH)CH、−OC1−4ハロアルキル(例えば、−OCHCF)、2−チオピリジン、または2−ピロリル)である、反応させることと、
    その後、ケイ素保護基を除去することによって前記−OSi(Cアルキル)基を−OH基に変換することと、R11が水素以外である場合、脱エステル化してR11を水素に変換することと、を含む、プロセス。
  41. 11が水素であり、前記塩基が、式(6’)の前記化合物に対して1を超える当量で、例えば、1.5を超える当量、1.7を超える当量、1.8を超える当量、または1.9を超える当量で、例えば、2当量で添加される、請求項40に記載の式(6’)の化合物を調製するためのプロセス。
  42. 前記塩基が、LDA、LHMDS、LTMP、BuLi、HexLi、sec−BuLi、またはtBuLi、例えば、n−BuLi、Hex−Li、またはsec−BuLiである、請求項40または41に記載の式(6’)の化合物を調製するためのプロセス。
  43. 式(6’)の前記化合物を塩基で処理する前記ステップが、式(6’)の前記化合物を前記塩基の溶液に添加することによって行われる、請求項40〜42のいずれか一項に記載の式(6’)の化合物を調製するためのプロセス。
  44. 前記−OSi(C基を−OH基に変換する前記ステップが、酸、例えば、HCl、TFA、HPO、またはHSO、例えば、HPOを使用して行われる、請求項40〜43のいずれか一項に記載の式(6’)の化合物を調製するためのプロセス。
  45. 式(6’)の化合物を調製するためのプロセスであって、前記プロセスが、式(30)の化合物を取り込むことと、
    Figure 2020515546
    式(30)の前記化合物を酸化剤、例えば、KMnOで処理することと、その後、ケイ素保護基を除去することによって前記−OSi(C基を−OH基に変換することと、を含む、プロセス。
  46. 式(30)の前記化合物が、
    (i)式(28)の化合物を取り込むことであって、
    Figure 2020515546
    式中、R11が、水素、C1−7アルキル、C1−7アルケネイル、C1−7ハロアルキル、トリC1−7アルキルシリル−C1−7アルキル、C5−20アリール、およびC5−20アリール−C1−7アルキル(例えば、−CHCH=CH、−CHCHSi(CH、およびフェニル)である、取り込むことと、
    式(6’)の前記化合物を塩基で処理することと、その後、式(31)の化合物を添加することとによって、または
    Figure 2020515546
    (ii)式(28)の化合物を取り込むことであって、
    Figure 2020515546
    式中、R11が、水素、C1−7アルキル、C1−7アルケネイル、C1−7ハロアルキル、トリC1−7アルキルシリル−C1−7アルキル、C5−20アリール、およびC5−20アリール−C1−7アルキル(例えば、−CHCH=CH、−CHCHSi(CH、およびフェニル)である、取り込むことと、
    式(28)の前記化合物を塩基の存在下でヨウ素と反応させて、式(32)の化合物を得ることと、
    Figure 2020515546
    式(32)の前記化合物を塩基で処理することと、その後、式(31)の前記化合物を添加することとによって、のいずれかで調製される、請求項45に記載の式(6’)の化合物を調製するためのプロセス。
    Figure 2020515546
  47. 式(6’)の前記化合物が、請求項40〜46のいずれか一項に従って調製される、請求項37に記載の(2S,3S)−3−(4−クロロフェニル)−3−[1−(4−クロロフェニル)−7−フルオロ−5−[(1S)−1−ヒドロキシ−1−(オキサン−4−イル)プロピル]−1−メトキシ−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−2−イル]−2−メチルプロパン酸(3)である1−メトキシイソインドリンを調製するためのプロセス。
  48. 式(28)の前記化合物が、式(33)の化合物を、
    Figure 2020515546
    (C1−4アキル(akyl))Si−Tと反応させることであって、式中、Tが、Clまたは−OTfであり、R11が、水素、C1−7アルキル、C1−7アルケネイル、C1−7ハロアルキル、トリC1−7アルキルシリル−C1−7アルキル、C5−20アリール、およびC5−20アリール−C1−7アルキル(例えば、−CHCH=CH、−CHCHSi(CH、およびフェニル)である、反応させることと、
    11が水素以外である場合、任意に、脱エステル化してR11を水素に変換することと、によって調製される、請求項47に記載の(2S,3S)−3−(4−クロロフェニル)−3−[1−(4−クロロフェニル)−7−フルオロ−5−[(1S)−1−ヒドロキシ−1−(オキサン−4−イル)プロピル]−1−メトキシ−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−2−イル]−2−メチルプロパン酸(3)である1−メトキシイソインドリンを調製するためのプロセス。
  49. 式(33)の前記化合物が、式(34)の化合物と式(35)の化合物を塩基の存在下で反応させることであって、
    Figure 2020515546
    式中、R11が、水素、C1−7アルキル、C1−7アルケネイル、C1−7ハロアルキル、トリC1−7アルキルシリル−C1−7アルキル、C5−20アリール、およびC5−20アリール−C1−7アルキル(例えば、−CHCH=CH、−CHCHSi(CH、およびフェニル)である、反応させることと、
    11が水素以外である場合、任意に、脱エステル化してR11を水素に変換することと、を含むプロセスによって調製される、請求項48に記載の(2S,3S)−3−(4−クロロフェニル)−3−[1−(4−クロロフェニル)−7−フルオロ−5−[(1S)−1−ヒドロキシ−1−(オキサン−4−イル)プロピル]−1−メトキシ−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−2−イル]−2−メチルプロパン酸(3)である1−メトキシイソインドリンを調製するためのプロセス。
  50. 前記塩基が、HexLiまたはBuLiである、請求項49に記載の(2S,3S)−3−(4−クロロフェニル)−3−[1−(4−クロロフェニル)−7−フルオロ−5−[(1S)−1−ヒドロキシ−1−(オキサン−4−イル)プロピル]−1−メトキシ−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−2−イル]−2−メチルプロパン酸(3)である1−メトキシイソインドリンを調製するためのプロセス。
  51. 前記塩基が、式(34)の前記化合物と式(35)の前記化合物との混合物に添加される、請求項49または50に記載の(2S,3S)−3−(4−クロロフェニル)−3−[1−(4−クロロフェニル)−7−フルオロ−5−[(1S)−1−ヒドロキシ−1−(オキサン−4−イル)プロピル]−1−メトキシ−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−2−イル]−2−メチルプロパン酸(3)である1−メトキシイソインドリンを調製するためのプロセス。
  52. (2S,3S)−3−(4−クロロフェニル)−3−[1−(4−クロロフェニル)−7−フルオロ−5−[(1S)−1−ヒドロキシ−1−(オキサン−4−イル)プロピル]−1−メトキシ−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−2−イル]−2−メチルプロパン酸(3)、
    Figure 2020515546
    またはその互変異性体もしくは溶媒和物もしくは薬学的に許容される塩である1−メトキシイソインドリンを調製するためのプロセスであって、
    前記プロセスが、任意の順序で、
    (i)式(4’’)の化合物を脱エステル化するステップであって、
    Figure 2020515546
    式中、R10が、C1−7アルキル、C1−7ハロアルキル、トリC1−7アルキルシリル−C1−7アルキル、C5−20アリール、およびC5−20アリール−C1−7アルキルから選択される、脱エステル化するステップと、
    (ii)−Si(C1−4アルキル)保護基をアルコールから除去して、
    (2S,3S)−3−(4−クロロフェニル)−3−[(1R)−1−(4−クロロフェニル)−7−フルオロ−5−[1−ヒドロキシ−1−(オキサン−4−イル)プロピル]−1−メトキシ−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−2−イル]−2−メチルプロパン酸、またはその互変異性体もしくは溶媒和物もしくは薬学的に許容される塩を得るステップと、
    任意に、式(3)の前記化合物が分解されて、式(3’)の(2S,3S)−3−(4−クロロフェニル)−3−[(1R)−1−(4−クロロフェニル)−7−フルオロ−5−[(1S)−1−ヒドロキシ−1−(オキサン−4−イル)プロピル]−1−メトキシ−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−2−イル]−2−メチルプロパン酸、
    Figure 2020515546
    またはその互変異性体もしくは溶媒和物もしくは薬学的に許容される塩である立体異性体の割合を増加させるさらなるステップと、を含む、プロセス。
  53. 10が−CHCHSi(CHである、請求項52に記載の1−メトキシイソインドリンを調製するためのプロセス。
  54. 前記プロセスが、前記1−メトキシイソインドリンが薬学的に許容される塩に変換される追加のステップを含む、請求項1〜11、13〜36、39、または47〜53のいずれか一項に記載の1−メトキシイソインドリンを調製するためのプロセス。
  55. 前記プロセスが、前記2S,3S)−3−(4−クロロフェニル)−3−[(1R)−1−(4−クロロフェニル)−7−フルオロ−5−[(1S)−1−ヒドロキシ−1−(オキサン−4−イル)プロピル]−1−メトキシ−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−2−イル]−2−メチルプロパン酸が薬学的に許容される塩に変換される追加のステップを含む、請求項1〜11、13〜36、39、または47〜53のいずれか一項に記載の(2S,3S)−3−(4−クロロフェニル)−3−[(1R)−1−(4−クロロフェニル)−7−フルオロ−5−[(1S)−1−ヒドロキシ−1−(オキサン−4−イル)プロピル]−1−メトキシ−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−2−イル]−2−メチルプロパン酸である1−メトキシイソインドリンを調製するためのプロセス。
  56. 前記薬学的に許容される塩が、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン塩である、請求項54または55に記載の1−メトキシイソインドリンを調製するためのプロセス。
  57. (a)回折角15.1、15.5、15.8、および22.3度2θ(±0.2度2θ)のピークを特徴とするX線粉末回折パターン、または
    (b)3.99、5.62、5.71、および5.87Åの面間隔を有する、(2S,3S)−3−(4−クロロフェニル)−3−[(1R)−1−(4−クロロフェニル)−7−フルオロ−5−[(1S)−1−ヒドロキシ−1−(オキサン−4−イル)プロピル]−1−メトキシ−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−2−イル]−2−メチルプロパン酸の結晶形態。
  58. (a)回折角11.3、15.1、15.5、15.8、17.2、20.8、22.3、および28.6度2θ(±0.2度2θ)のピークを特徴とするX線粉末回折パターン、または
    (b)3.12、3.99、4.27、5.17、5.62、5.71、5.87、および7.85Åの面間隔を有する、請求項60に記載の(2S,3S)−3−(4−クロロフェニル)−3−[(1R)−1−(4−クロロフェニル)−7−フルオロ−5−[(1S)−1−ヒドロキシ−1−(オキサン−4−イル)プロピル]−1−メトキシ−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−2−イル]−2−メチルプロパン酸の結晶形態。
  59. 本明細書の表1に記載される、回折角(2θ)での主ピークの存在を特徴とするX線粉末回折パターン、面間隔(d)、および強度を有する、請求項57または58に記載の(2S,3S)−3−(4−クロロフェニル)−3−[(1R)−1−(4−クロロフェニル)−7−フルオロ−5−[(1S)−1−ヒドロキシ−1−(オキサン−4−イル)プロピル]−1−メトキシ−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−2−イル]−2−メチルプロパン酸の結晶形態。
  60. 図1に示されるX線粉末回折パターンの回折角と同じ回折角でピークを呈するX線粉末回折パターンを有し、好ましくは、前記ピークが、図1におけるピークと同じ相対強度を有する、請求項57〜59のいずれか一項に記載の(2S,3S)−3−(4−クロロフェニル)−3−[(1R)−1−(4−クロロフェニル)−7−フルオロ−5−[(1S)−1−ヒドロキシ−1−(オキサン−4−イル)プロピル]−1−メトキシ−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−2−イル]−2−メチルプロパン酸の結晶形態。
  61. 実質的に図1に示されるX線粉末回折パターンを有する、請求項57〜60のいずれか一項に記載の(2S,3S)−3−(4−クロロフェニル)−3−[(1R)−1−(4−クロロフェニル)−7−フルオロ−5−[(1S)−1−ヒドロキシ−1−(オキサン−4−イル)プロピル]−1−メトキシ−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−2−イル]−2−メチルプロパン酸の結晶形態。
  62. DSCに供されたときに266〜267℃(例えば、266.61℃)で発熱ピークを呈する、(2S,3S)−3−(4−クロロフェニル)−3−[(1R)−1−(4−クロロフェニル)−7−フルオロ−5−[(1S)−1−ヒドロキシ−1−(オキサン−4−イル)プロピル]−1−メトキシ−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−2−イル]−2−メチルプロパン酸の結晶形態。
  63. 請求項10で定義される化合物(5)、請求項28で定義される(4’)、請求項52で定義される(4’’)、本明細書で定義される(18)、本明細書で定義される(19)、本明細書で定義される(21)、本明細書で定義される(22)、本明細書で定義される(23)、本明細書で定義される(24)、本明細書で定義される(25)、本明細書で定義される(26a)もしくは(26b)、または本明細書で定義される(27)である、化合物。

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