JP2020512265A - Fe(II)P/Fe(II)MetP化合物を製造する方法 - Google Patents

Fe(II)P/Fe(II)MetP化合物を製造する方法 Download PDF

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Abstract

【課題】従来技術に係る方法の欠点、特に低い効率性および望ましくない副作用を解消する、最初に述べた種類の結晶水を含まない鉄(II)リン酸塩化合物を製造する方法を提供する。【解決手段】本発明は、一般式Fe3(PO4)2で表される結晶水を含まない鉄(II)オルトリン酸塩または一般式FeaMetb(POc)dで表される結晶水を含まない鉄(II)金属オルトリン酸塩、鉄(II)金属ピロリン酸塩もしくは鉄(II)金属メタリン酸塩を製造する方法に関する(一般式中、aは1〜5の数であり、bは0超5以下の数であり、cは2.5〜5の数であり、dは0.5〜3の数であり、MetはK、Pb、Cs、Mg、Ca、Sr、Ba、遷移金属(Dブロック)、特にSc、Y、La、Ti、Zr、Hf、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Mn、Cu、Zn、第3、第4、第5メイングループの金属および半金属、特にB、Al、Ga、In、Si、Sn、Sb、Biおよびランタノイドからなる群から選択される1つ以上の金属を表す)。【選択図】図3

Description

本発明は、一般式Fe3(PO42で表される結晶水を含まない鉄(II)オルトリン酸塩または一般式FeaMetb(POcdで表される結晶水を含まない鉄(II)金属オルトリン酸塩、鉄(II)金属ピロリン酸塩もしくは鉄(II)金属メタリン酸塩または上述のリン酸塩の組み合わせを製造する方法に関する(一般式中、aは1〜5の数であり、bは0超5以下の数であり、cは2.5〜5の数であり、dは0.5〜3の数であり、MetはK、Rb、Cs、Mg、Ca、Sr、Ba、遷移金属(Dブロック)、特にSc、Y、La、Ti、Zr、Hf、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Mn、Cu、Zn、第3、第4、第5メイングループの金属および半金属、特にB、Al、Ga、In、Si、Sn、Sb、Biおよびランタノイドからなる群から選択される1つ以上の金属を表す)。
金属リン酸塩化合物を製造する数多くの様々な手法が文献から知られている。例として、高温固相反応、ソル−ゲルプロセス、炭素熱合成および共沈が述べられている。その幅広い用途は、形成された前駆体化合物を所望の相に変換するために熱処理工程を伴うことが多いソルボサーマル合成およびレドックス沈殿反応が特に有利であることを意味する。
ソルボサーマル合成の場合、反応物は、昇圧下、100〜400℃の温度で、オートクレーブ内において適切な溶媒中で変換される。特別な反応条件によって溶媒の溶解能力が向上し、この方法を用いて、圧力のない条件下では生じない反応が可能となる。一般に使用される溶媒としては、水(水熱合成)、短鎖アルコール、アンモニアおよび二酸化炭素が挙げられる。
レドックス沈殿反応の場合、反応物は、変換のために溶液、懸濁液または混合物中に入れられて、酸化・還元プロセスが生じることによって、関連媒体から沈殿する難溶生成物が得られる。
特許文献1は、改良された組成均質性および修正された結晶構造を有すべき合成リンを含む無機物、特に整形外科施術および歯科施術における骨の修復および置換での使用に適したセメント組成用のカルシウムを含む無機物を製造する方法に関する。一例として、鉄(II)リン酸塩の製造が記載され、そこで、含水ホスフィン酸溶液H3PO2を、1:1のモル比Fe/Pで鉄(III)硝酸塩九水和物Fe(NO33・9H2Oと混合して変換している。まず鉄(III)硝酸塩を溶解し、変換において、他の生成物に加えて黄色の固体およびNOxガスが生成される。黄色の固体に、500℃で1時間空気中において熱処理を施し、その後X線回折法(XRD)を用いて分析している。特許文献1の著者は、熱処理の生成物が、更なる非晶質物質と共に、主相としてグラフトナイト結晶構造をもつFe3(PO42を含んでいたと述べている。しかしながら、特許文献1において再生されたX線ディフラクトグラムは、主相としてグラフトナイト結晶構造をもつFe3(PO42を実際に含むという事実について疑う余地はない。この方法の欠点は、生成物の明らかに顕著な不純物およびNOxガスの形成である。
非特許文献1は、水を含まない媒体中での共沈による高純度のナノ結晶LiFePO4の合成を記載している。LiFePO4が、2相プロセスにおいて合成される。これを行うために、硫酸鉄七水和物FeSO4・7H2Oおよび酢酸リチウムを、不活性雰囲気下においてエチレングリコールに溶解し、エチレングリコール中においてリン酸二水素アンモニウムに一滴ずつ添加している。変換中に発生した沈殿物を分離し、アセトンで数回洗浄し、40℃で24時間、空気中で乾燥させた。LiFePO4前駆体として知られる中間生成物を、550−750℃で12時間、不活性ガス雰囲気下で焼成した。この方法の欠点は、乾燥・焼成時間が長いことと、共沈および焼成工程を不活性ガス雰囲気下で実行しなければならないという事実である。
国際公開第98/31630号
Swider,J.ら著「Procedia Engineering,98(2014)」36−41
本発明の目的は、従来技術に係る方法の欠点、特に低い効率性および望ましくない副作用を解消する、最初に述べた種類の結晶水を含まない鉄(II)リン酸塩化合物を製造する方法を提供することである。
この目的は、本発明によれば、一般式Fe3(PO42で表される結晶水を含まない単金属鉄(II)オルトリン酸塩または一般式FeaMetb(POcdで表される結晶水を含まない混合金属鉄(II)金属オルトリン酸塩、鉄(II)金属ピロリン酸塩もしくは鉄(II)金属メタリン酸塩または上述のリン酸塩の組み合わせを製造する方法であって、
(i)酸化物、水酸化物、酸化水酸化物、炭酸塩、シュウ酸塩やギ酸塩、酢酸塩、クエン酸塩、乳酸塩等のカルボン酸塩、オルトリン酸塩、ホスホン酸塩、メタホスホン酸塩、ピロリン酸塩、硫酸塩およびそれらの混合物からなる群から選択される、混合物の20%〜90重量%の割合のFe(III)化合物、Fe(III)/Fe(II)化合物およびそれらの混合物から選択される鉄化合物(A)、
(ii)固体、水溶液または懸濁液としての、ホスホン酸[H3PO3]、三酸化リン[P23]、ホスフィン酸[H3PO2]、四酸化リン[P24]、次二リン酸[H426]、二リン酸[H425]、次二ホスホン酸[H424]、上述の酸のFe塩およびMet塩およびそれらの混合物からなる群から選択される、混合物の5%〜50重量%の割合の還元剤(B)、
(iii)水溶液としてのリン酸[H3PO4]、固体または水溶液または懸濁液としての1≧x≧4、1≧y≧5および1≧z≧4の金属リン酸塩[Metx(PO4z]若しくは酸金属リン酸塩[MetxY(PO4z]、二リン酸[H427]、n≧3のメタリン酸[(HPO3n]又はそれらの塩、五酸化リン[P25]又はこれらの混合物(Metは前述の定義の通り)から選択される、混合物の0%〜50重量%の割合の任意のリン酸供与体(C)、および、
(iv)K、Pb、Cs、Mg、Ca、Sr、Ba、遷移金属(Dブロック)、特にSc、Y、La、Ti、Zr、Hf、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Mn、Cu、Zn並びに第3、第4および第5メイングループの金属および半金属特にB、Al、Ga、In、Si、Sn、Sb、Bi並びにランタノイドからなる群から選択される1つ以上の金属の金属化合物であって、上述の金属の酸化物、水酸化物、酸化水酸化物、炭酸塩、シュウ酸塩、ギ酸塩、酢酸塩、クエン酸塩、乳酸塩、オルトリン酸塩、ピロリン酸塩および硫酸塩から選択される金属化合物から選択される、混合物の0%〜50重量%の割合の任意の金属(Met)供与体(D)、
を含む混合物を製造する工程であって、混合物の成分(A)〜(D)の重量配分が、溶媒および/または懸濁剤を含まないその物質の割合に基づく工程(a)と、
得られた混合物が水性および/または有機溶媒を含む場合に、混合物を400℃未満の温度で乾燥する工程(b)と、
乾燥した又は乾燥させた混合物を、400〜1200℃の範囲内の温度で処理する工程(c)とを含む方法によって実現される。
(一般式中、aは1〜5の数であり、bは0超5以下の数であり、cは2.5〜5の数であり、dは0.5〜3の数であり、MetはK、Pb、Cs、Mg、Ca、Sr、Ba、遷移金属(Dブロック)、特にSc、Y、La、Ti、Zr、Hf、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Mn、Cu、Zn、第3、第4、第5メイングループの金属および半金属、特にB、Al、Ga、In、Si、Sn、Sb、Bi並びにランタノイドからなる群から選択される1つ以上の金属を表す。)
本発明の実施形態において、本発明に応じて製造された生成物は、一般式Fe3(PO42で表される結晶水を含まない単金属鉄(II)オルトリン酸塩であるかそれを含む。「単金属」という用語は、その生成物が、金属(カチオン成分)として鉄(II)のみを含むことを意味する。
本発明の更なる実施形態において、本発明に係る生成物は、一般分子式FeaMetb(POcdで表される結晶水を含まない混合金属鉄(II)金属オルトリン酸塩、鉄(II)金属ピロリン酸塩または鉄(II)金属メタリン酸塩であるかそれを含む(一般式中、aは1〜5の数であり、bは0超5以下の数であり、cは2.5〜5の数であり、dは0.5〜3の数である)。「混合金属」という用語は、生成物が、金属(カチオン)成分として、鉄(II)に加えて少なくとも1つの更なる金属を含むことを意味し、これが本明細書では「Met」と省略されている。
本発明に係る生成物では、リンが、酸化工程(V)において存在する。酸化の他の工程での低い割合のリンは、製造の結果として排除できず、避けられない不純物の範囲内での保護により埋め合わせる必要がある。本発明に係る生成物は、オルトリン酸(H3PO4)およびその凝縮物(ポリマー)から導き出される。オルトリン酸塩は、アニオン性構造ユニット[PO4 3-]を有し、ピロリン酸塩および二リン酸塩は、構造ユニット[P27 4-]を有し、環状メタリン酸塩は、構造ユニット=[(PO3 -n]を有する。
以下、実施形態を含む本発明に係る方法の工程(a)、(b)および(c)をより詳細に述べる。
工程(a)
本発明に係る方法の工程(a)における鉄化合物(A)および還元剤(B)および任意のリン酸供与体(C)および金属(Met)供与体(D)の本発明に係る反応物の混合物の製造は、水性溶媒または有機溶媒中で又は追加の溶媒無しで成分を溶解、懸濁および/または混合することによって実現できる。
本明細書において示す混合物の成分(A)〜(D)の重量配分は、溶媒および/または懸濁剤を含まないその物質の割合に基づく。例えば、リン酸[H3PO4]がリン酸供与体(C)として導入されて水溶液として使用される場合、H3PO4の重量配分を示すが、溶媒として導入される水は含まない。
少なくとも1つの懸濁された反応物を含む極性溶媒における懸濁液の製造は、生成物が通常一般的な極性溶媒に良好に溶解し、これが反応の進行を促進するため有利である。
好ましくは、極性溶媒が、工程(a)における本発明に係る混合物を製造するのに使用され、理想的には、特に噴霧乾燥手法が用いられる際にその後の乾燥ステップが大幅に簡素化且つ促進できるため、低粘度および/または低沸点の溶媒が使用される。水、短鎖長のアルコールおよびポリオールおよびアンモニア並びにそれらの混合物が適している。粘度が低く溶解度特性が非常に良好なため水が特に好ましい。
溶媒および/または懸濁剤は、その溶媒および/または懸濁剤を含まない混合物の総質量に対して10〜0.1の割合で存在させることができる。8〜1の重量比が好ましく、特に好ましくは4〜1である。溶媒および/または懸濁剤の割合が高いと混合物の処理が簡素化され、溶媒および/または懸濁剤の割合が低いとその後の乾燥ステップが短くなる。
本発明の好ましい実施形態において、鉄化合物(A)として使用されるFe(III)および/又はFe(III)/Fe(II)の化合物は、酸化物、水酸化物、酸化水酸化物、オルトリン酸塩、ピロリン酸塩、メタリン酸塩および硫酸塩から選択される。これらは、アニオンが混合・乾燥プロセス中に安定しているため有利である。この文脈において、安定しているとは、望ましくない分解および/またはレドックス反応が起こらないことを意味する。これらのアニオンは、温度処理工程(c)中に起こるレドックスプロセスの間望ましくない副産物を全く放出しないという利点も提供する。これは、より均一な粒径分布および多孔性をもつ生成物が得られることを意味する。これに加えて、文献で知られる方法においてよくあるコストのかかる反応雰囲気の浄化が不要になる。Fe(III)および/又はFe(III)/Fe(II)のオルトリン酸塩、ピロリン酸塩およびメタリン酸塩の使用は、生成物の形成のための酸化工程(V)においてリンを含むリン酸塩イオンを提供するという更なる利点も有する。
工程(a)において製造される混合物中の鉄化合物(A)の割合は、溶媒や懸濁剤を含まない全ての成分(i)〜(iv)の総重量に基づき20%〜90重量%であり、好ましくは25%〜85重量%であり、特に好ましくは30%〜75重量%である。
本発明の好ましい実施形態において、還元剤(B)は、ホスホン酸、ホスフィン酸、次二リン酸、二ホスホン酸および次二ホスホン酸またはそれらの混合物から選択される。これらは、溶液として扱い易く、非常に簡素な処理制御および物質の投入を可能とする。
代替として又は補助的な処置として、酸無水物の三酸化リン、四酸化リンまたはこれらの混合物を本発明に係る還元剤(B)として使用できる。無水物の使用は、工程(a)の後に実行される乾燥ステップ(b)を、無水物の低い含水量のおかげで比較的迅速に実行できる。
工程(a)において製造される混合物中の還元剤(B)の割合は、溶媒や懸濁剤を含まない全ての成分(i)〜(iv)の総重量に基づき5%〜50重量%であり、好ましくは7.5%〜40重量%であり、特に好ましくは10%〜30重量%である。
工程(a)において製造される混合物は、リンをもつリン酸塩イオンを酸化工程(V)における混合物にもたらすリン酸供与体(C)を更に含んでもよい。追加のリン酸供与体(C)を、温度処理工程(c)中に還元剤(B)から発生するリン酸塩イオンおよびそのリン酸供与体(C)により導入されるリン酸塩イオンが、Feイオン、該当する場合にはMetイオンに対するモル量で存在し、且つ、十分なリン酸塩イオンが生成物の形成に供されるような量で添加すると有利である。リン酸供与体としてのリン酸の水性で強酸の溶液の使用が、入手しやすく投入が簡単で価格が非常に低いため有利である。対応する酸無水物P25の使用は、混合後に行われる乾燥ステップを、その低含水量のおかげで極めてより迅速に行うことができるという利点に通ずる。
いずれも最終生成物におけるリン酸塩の割合に寄与するリン酸供与体(C)および還元剤(B)の割合の選択を通じて、例えばリン化物等への過還元を防止すると同時に十分なリン化合物を供して所望の生成物を得るために、混合物における還元剤(B)の還元効果の利点を制御・調節することもできる。
工程(a)において製造される混合物中の追加のリン酸供与体(C)の割合は、溶媒や懸濁剤を含まない全ての成分(i)〜(iv)の総重量に基づき0%〜50重量%、好ましくは0%〜40重量%、特に好ましくは0%〜30重量%である。
工程(a)において製造される混合物は、追加の金属供与体(D)を更に含んでもよい。本発明に係る一般式FeaMetb(POcdで表される結晶水を含まない混合金属鉄(II)金属オルトリン酸塩、鉄(II)金属ピロリン酸塩または鉄(II)金属メタリン酸塩の製造において、この金属供与体(D)は、リン酸供与体によって十分な量が供されない場合に、鉄を含む金属成分に加えて「Met」を供する。金属供与体(D)および「Met」を含むリン酸供与体(C)が、本発明に係る結晶水を含まない単金属鉄(II)オルトリン酸塩の製造においては使用されないことは理解されよう。
本発明によれば、金属(Met)供与体(D)は、酸化物、水酸化物、酸化水酸化物、炭酸塩、シュウ酸塩、ギ酸塩、酢酸塩、クエン酸塩、乳酸塩、オルトリン酸塩、ピロリン酸塩、硫酸塩およびそれらの混合物からなる群から選択される。水酸化物、酸化水酸化物、炭酸塩、シュウ酸塩、ギ酸塩、酢酸塩、クエン酸塩および/または乳酸塩の使用は、工程(c)における温度処理後、これらの化合物からの生成物中にアニオンの残渣が不純物として残らないという利点を有する。オルトリン酸塩およびピロリン酸塩の使用は、最終生成物の形成にリン酸塩イオンが同時に供されるという利点を有する。
工程(a)において製造される混合物中の追加の金属供与体(D)の割合は、溶媒や懸濁剤を含まない全ての成分(i)〜(iv)の総重量に基づき0%〜50重量%、好ましくは0%〜40重量%、特に好ましくは0%〜30重量%である。
混合物の製造は、理想的には、溶媒や懸濁剤を用いて又は用いず、攪拌バッチコンテナー(容器)内で行われる。プロペラ撹拌機、タービン翼撹拌機、ディスク撹拌機、ウォブルプレート(wobble plate)撹拌機、中空翼撹拌機、インペラ撹拌機、クロスアーム撹拌機、アンカー撹拌機、翼撹拌機、格子撹拌機、ガス注入撹拌機、螺旋撹拌機、歯付きディスク撹拌機、残量撹拌機、ジェットストリームミキサー、分散機等の少なくとも1つ攪拌装置のおよびこれら組立体の組み合わせの使用が有利である。特定の好ましい変形例において、混合物の製造は、1〜3の攪拌レベルをもつ少なくとも1つの一軸撹拌機(翼撹拌機、バー撹拌機、穿孔バー撹拌機、クロスアーム撹拌機、プロペラ撹拌機、タービン撹拌機、ディスク撹拌機、インペラ撹拌機)、および、歯付きディスクや分散機等の高速撹拌機または分散機の形態の少なくとも1つの分散組立体を同時に使用して行われる。更なる好ましい変形例において、少なくとも1つの分散組立体が、回路内に溶液または懸濁液を連続的に圧送する連続圧送回路における容器の外側に配置される。更なる好ましい変形例において、混合物の製造は、混合物の温度を調節するために内蔵型螺旋またはダブルシェルの形状の加熱および/または冷却要素を有するバッチコンテナー内において行われる。更に、本発明に係る混合物の加熱は、蒸気分配機を用いて行うことができる。更なる好ましい変形例において、本発明に係る混合物の温度制御は、熱交換器が備えられた反応器に圧送回路を有する。
混合物が溶液または懸濁液である本発明に係る方法に対して、好ましい実施形態のバッチコンテナーには、溶媒の蒸発により生じる固体含有率の変化を基本的に防止するために少なくとも1つの還流冷却器が備えられる。
混合物が溶液または懸濁液である更なる変形例において、本発明に係る混合物の製造は、10℃または室温と溶液または懸濁液の沸点との間の温度範囲で、好ましくは150℃未満の温度で行われる。20℃〜100℃の温度範囲が好ましく、特に好ましくは40℃〜90℃である。更に、本発明に係る溶液または懸濁液の製造は、溶媒の自己圧力(autogenous pressure)と対応する温度で閉コンテナーを用いて液体の沸点よりも高い温度で行われる。
工程(b)
本発明に係る方法の工程(a)において製造された混合物は、それが水性および/または有機溶媒を含む場合、続く工程(b)において400℃未満の温度で乾燥させる。この400℃未満の温度は、乾燥プロセスにおいて乾燥させる混合物の温度を示す。乾燥手順に応じて、周囲大気の温度はこれより高くてもよい。
この文脈において、乾燥とは、水および/または他の溶媒が混合物から除去されて、その水および/または他の溶媒の含有率が最大で混合物の総質量の5重量%、好ましくは3重量%以下、特に好ましくは0.8重量%以下となるようにすることを意味する。乾燥の程度は、例えば、熱質量分析(TGA)を用いて判定できる。
工程(b)における混合物の乾燥は、任意の適切な乾燥プロセス、例えば凍結乾燥、超臨界乾燥、マイクロ波乾燥、真空乾燥、対流空気乾燥や不活性ガス雰囲気下での対流乾燥等の対流乾燥、噴霧乾燥、噴霧造粒、またはロータリーキルンでの乾燥を用いて行うことができる。
特に好ましい乾燥プロセスとしては、生成物が酸化する傾向を低く抑えることができるため、不活性ガス雰囲気下での対流乾燥および噴霧乾燥または噴霧造粒が挙げられる。高いエネルギー効率を有し生成物に均一な粒径分布をもたらすことができるため、噴霧乾燥が一層より好ましい。例えばロータリーキルンにおいて対流法を用いる乾燥の場合、乾燥を不活性ガス雰囲気下で行うときには、乾燥ガスの温度を600℃までとすることができる。この場合、乾燥させる混合物の温度は、400℃を超えなくてもよい。対流乾燥を不活性ガス雰囲気下で行わない場合、混合物中の還元剤の酸素による酸化を抑制するために、乾燥ガスの温度は、400℃、好ましくは300℃、特に好ましくは250℃を超えてはならない。
噴霧乾燥:
好ましい製造変形例において、本発明に係る生成物の乾燥は、噴霧乾燥器の高温ガス流中で、本発明によって製造した溶液または懸濁液の蒸発によって、工程(b)において行われる。高温ガスおよび生成物の流れは、連続流または対向流において案内され、蒸発は、少なくとも1つの圧力ノズル、単一物質ノズル(single−substance nozzle)若しくは二物質ノズル(two−substance nozzle)、または少なくとも1つの回転気化器、またはそれらの組み合わせを用いて実現される。連続流手法における乾燥が特に好ましい。加熱された空気、空気を含むバーナー排気ガス、窒素または不活性ガスを多く含む加熱された減酸素空気、および加熱された窒素が、高温ガス流として好ましく機能する。加熱された空気および空気を含むバーナー排気ガスの使用が特に好ましい。高温ガス流の加熱は、好ましくは、少なくとも1つのバーナー、高温ガス発生器、電気ガスヒーターまたは蒸気熱交換器またはそれらの組み合わせを用いて行われる。蒸発中、少なくとも1つの二物質ノズルまたは回転気化器の使用が特に好ましい。特に好ましくは、蒸発は、圧力が1.0〜6.0barの圧縮空気、窒素または高温蒸気を用いて二物質ノズルにおいて行われる。より好ましいのは、1.5〜3.0barの圧力範囲の圧縮空気を使用することである。
乾燥させた生成物流のプロセスガス流からの分離は、好ましくは、少なくとも1つのサイクロンまたは少なくとも1つのフィルターまたはそれらの組み合わせを用いて実現される。フィルターの使用が特に好ましい。
生成物の平均粒径(d50)は、1〜150μmの範囲内である。
噴霧造粒:
更なる好ましい製造変形例において、本発明に係る生成物の乾燥は、少なくとも1つの造粒ゾーンをもつ噴霧造粒器において既に乾燥させた物品からなる高温ガス流において流動床上で、本発明に応じて製造された溶液または懸濁液の蒸発により行われる。本発明に係る溶液または懸濁液の蒸発は、少なくとも1つのノズル、単一物質ノズル、二物質ノズル、多物質ノズルまたはそれらの組み合わせを用いて実現される。製造は、バッチでまたは連続的に行うことができる。蒸発は、好ましくは、圧力が1.0〜6.0barの圧縮空気、窒素または高温蒸気を用いて二物質ノズルにおいて行われる。1.5〜3.0barの圧力範囲の圧縮空気の使用が特に好ましい。
特に好ましい実施形態において、噴霧造粒は、溶液または懸濁液の連続スプレーおよび乾燥された造粒物の流動床からの連続除去による連続的な作業において造粒ゾーンで行われる。加熱された空気、加熱された空気を含むバーナー排気ガス、窒素または不活性ガスを多く含む加熱された減酸素空気、および加熱された窒素が高温ガス流として適している。加熱された空気および加熱された空気を含むバーナー排気ガスの使用が特に好ましい。
更なる好ましい実施形態において、上述のような本発明に係る溶液または懸濁液の乾燥は、幾つかの流動ゾーン、特に好ましくは2〜5ゾーンで噴霧造粒器において連続的に行われる。特に好ましい変形例において、最後の流動ゾーンは、生成物を冷却するのに使用され、冷ガスで本発明に係る溶液または懸濁液のスプレーはせずに流動化され保持される。
噴霧造粒法において、噴霧造粒器において必要な流動層は、有利には、アブレーションおよび噴霧乾燥によって連続的生成され、装置のフィルターまたはフィルターリターンにより設けられる。特に好ましい実施形態において、造粒システムは、一方で本発明に係る乾燥した生成物が篩によって粗すぎる粒子および細かすぎる粒子から分離され、その粗すぎる粒子および細かすぎる粒子が、破砕による流動化層として噴霧造粒器に戻される篩・破砕サイクルを有する。噴霧造粒のための高温ガスの発生は、噴霧乾燥における高温ガスの発生と同様に生じる。
このようにして生成された造粒物の平均粒径(d50)は、理想的には、150〜2000μm、好ましくは150〜1000μm、特に好ましくは300〜800μmの範囲内である。
工程(c)
その後、乾燥させた混合物には、400〜1200℃、好ましくは500〜1100℃、特に好ましくは600〜1000℃の範囲内で温度処理(焼成)が施される。温度は、反応に関わる物質の全ての溶解が確実となるように十分高く選択される必要がある。これに加えて、高い温度は、高いイオン移動度に繋がり、従って、迅速な反応速度に繋がり、対応する影響を必要な反応時間に及ぼす。
本発明に係る生成物の温度処理は、不活性または還元雰囲気、好ましくは窒素、不活性ガス、最大濃度の5体積%H2のフォーミングガスまたはそれらの組み合わせの下でバッチでまたは連続的に行われる。プロセスガス中の酸素の体積パーセントは、理想的には、0.0%〜1.0体積%、好ましくは0.3体積%未満、特に好ましくは0.03体積%未満である。フォーミングガスの使用は、特に好ましくは「95/5」、言い換えると95体積%窒素(N2)および5体積%水素(H2)である。
好ましい実施形態において、工程(c)における温度処理は、プロセスガス雰囲気が生成物の連続流または生成物に対する対向流に案内されるようにする制御された雰囲気下で連続的な作業として行われる。
更なる好ましい変形例において、本発明に係る化合物は、冷却ゾーンが接続されたロータリーキルン内で対向流のプロセスガスで熱処理により処理される。プロセスガスは、冷却ゾーン側に導入され、酸化を防止するために冷却生成物上を流れる。独立して制御可能な少なくとも1つの加熱されたゾーン、好ましくは2〜8の加熱ゾーンをもつ間接的に加熱された回転ドラムの使用が特に好ましい。間接的な加熱は、典型的には、電気抵抗加熱(加熱要素、加熱コイル)、ガスバーナー、オイルバーナー、誘導等を用いて非常に多くの様々な方法で行われる。電気抵抗加熱およびガスバーナーが好ましい。
更なる好ましい実施形態において、回転ドラムは、径方向に延出するリフティングパドル、好ましくは2〜6のリフティングパドルの形状のフィッティングを内側に有し、これにより、固体のガス相との混合を向上し、壁側の熱の伝達を促進できる。更に、回転ドラム内の滞留時間を短縮するのに適した軸方向コンベア部品をもつリフティングパドルまたはフィッティングが有利である。適切な回転ドラムは、酸素の透過を防止するために不活性ガス雰囲気または還元雰囲気において適用されるガスで洗い流すシール(gas−flushed seal)を有する。雰囲気分離は、有利には、ダブルシャトル弁、回転弁および/または洗浄スクリューにより行われる。対象となる生成物を不活性または還元雰囲気の層で運ぶことにより、キルンへの酸素の侵入を最小限に抑えられる。
工程(c)における温度処理において、とりわけ鉄化合物(A)により混合物に導入されるFe(III)イオンを、Fe(II)イオンに還元する必要がある。
好ましい実施形態において、工程(c)における温度処理は、ロータリーキルンで行われる。これにより、連続的な温度処理手順を行うことが可能となり、従ってバッチ手順よりも費用効率が高い。間接的に加熱されたロータリーキルンの使用が、これにより生成物領域の雰囲気の正確な制御が可能となるため特に好ましい。
本発明に係る方法の工程(c)における温度処理は、有利には、不活性ガス雰囲気で行われ、言い換えると、この雰囲気は、関連する温度範囲で混合物の成分と反応しないガスまたはガス混合物からなる。N2または希ガス、特にアルゴンが不活性ガスとして適している。
本発明に係る方法の好ましい実施形態において、工程(c)における温度処理は、還元ガス雰囲気下で行われる。この文脈において、還元ガス雰囲気とは、これが、処理された混合物を還元するのに適した、特に鉄化合物(A)により混合物に導入されたFe(III)イオンをFe(II)イオンに還元するのに適した少なくとも1つの還元ガス成分を含むことを意味する。適切な還元ガス成分はCOおよびH2である。N2中に5体積%のH2を含むフォーミングガスの使用が、可燃性も毒性も有さないため特に好ましい。
本発明によれば、Fe(III)イオンのFe(II)イオンへの還元の大部分を還元剤(B)を用いて行い、還元の残りを還元ガス雰囲気を用いて行うことが特に好ましい。これにより、遊離炭素の形成および金属リン化物の形成の両方を抑制できる。
本発明に係る方法の好ましい実施形態において、工程(a)において製造される混合物は、ストイキオメトリに基づき、且つ、還元剤(B)を介した100%の変換によってFe(III)イオンのFe(II)イオンへの還元が70%〜99%、好ましくは80%〜98%、特に好ましくは90%〜95%となると想定した還元剤(B)に対する分子比でFe(III)イオンを含む。ストイキオメトリの観点から高い割合の還元剤が必要となる場合、生成物を不純にし、暗い色に染色する金属リン化物および/または元素金属の形成のリスクがある。本発明によれば、使用される還元剤(B)の結果としてFe(III)イオンの100%のストイキオメトリ変換または還元は起こらないことを想定している。還元の残りは、還元ガス雰囲気により実現できる。
酸化工程(III)におけるリンと還元剤としてのホスホン酸[H3PO3]の例を用いると、これは、還元を70%〜99%と想定したときの0.35:1〜0.495:1となる還元剤中のP(III)原子のFe(III)イオンに対するストイキオメトリ比に対応しうる。
本発明に係る方法の特別な利点は、その高い効率性、および、不純物の形成に繋がる望ましくない二次反応を回避できることにある。更なる利点は、Fe(III)をFe(II)に還元するのに元素金属等の追加の還元剤を必要としないことである。還元は、5未満のリンの酸化レベルで、リンおよび酸素化合物の酸化によってのみ行うことができ、温度処理の工程(c)における還元雰囲気が、金属リン化物および/または元素金属の形成のリスクを回避するように還元を補助する。
本発明に係る方法の更なる利点は、鉄(II)リン酸塩、ピロリン酸塩およびメタリン酸塩化合物の既知の合成方法と比較して滞留・反応時間が短いことである。本発明に係る方法に沿う工程(c)における温度処理は、4時間未満、更には多くの場合1〜2時間未満の滞留・反応時間で非常に効率よく行うことができる。これとは対照的に、従来技術に係る一般的な合成は、24時間を超える滞留または反応時間を伴うこともある。
本発明の実施形態において、製造される生成物は、グラフトナイト結晶構造をもつ一般式Fe3(PO42で表される結晶水を含まない鉄(II)オルトリン酸塩である。この生成物は、とりわけ、電磁放射、特にIR放射の吸収体として特に適しており、このため、担体材料、好ましくは熱可塑性ポリマーに有利に導入できる。
一般式FeaMetb(POcdの特に有利な鉄(II)金属メタリン酸塩は、「Met」がカリウム、マグネシウム、マンガンおよび亜鉛の群から選択されるものである。本発明に係るこれらの組成の生成物は、この種の組成物が少なくとも多くの国で食品法下において特別な許可を必要としないため、例えば食品用包装材料等の食品と接触する製品での使用にとりわけ適している。
本発明の更なる実施形態において、製造される鉄(II)リン酸塩は、一般式FeaMetb(POcdで表される混合金属結晶水を含まない鉄(II)金属オルトリン酸塩であり(一般式中、Metは、金属カリウム(K)、マグネシウム(Mg)および亜鉛(Zn)の1つまたは組み合わせ、好ましくはカリウム(K)単体またはカリウム(K)のマグネシウム(Mg)若しくは亜鉛(Zn)との組み合わせを表す)、鉄(II)金属オルトリン酸塩は、特に好ましくはKFePO4、K(Fe0.75Zn0.25)PO4またはK(Fe0.75Mg0.25)PO4である。
本発明の更なる実施形態において、製造される鉄(II)リン酸塩は、一般式FeaMetb(P27dで表される混合金属結晶水を含まない鉄(II)金属ピロリン酸塩であり(一般式中、Metは、マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)およびバリウム(Ba)金属の1つまたはそれらの組み合わせを表す)、鉄(II)金属ピロリン酸塩は、特に好ましくはMgFeP27、CaFeP27、SrFeP27またはBaFeP27である。
上述のグラフトナイト構造をもつ鉄(II)オルトリン酸塩のように、上述の混合金属結晶水を含まない鉄(II)金属オルトリン酸塩およびピロリン酸塩はとりわけ、電磁放射、特にIR放射の吸収体として特に適しており、このため、担体材料、好ましくは熱可塑性ポリマーに有利に導入できる。
工程(c)において得られる材料は、好ましくは150μm未満、好ましくは30μm未満、特に好ましくは4μm未満に粒径(d50)が調節される。
以下、本発明を、実施形態および添付の図面を用いて、より詳細に説明する。
図1は、製造例1に沿って本発明に従って製造された結晶水を含まないFe227のX線ディフラクトグラムを示す。 図2は、製造例2に沿って本発明に従って製造された結晶水を含まないMg1.5Fe1.5(PO42およびFe3(PO42の相混合物のX線ディフラクトグラムを示す。 図3は、製造例3に沿って本発明に従って製造された結晶水を含まないFe3(PO42のX線ディフラクトグラムを示す。 図4は、製造例4に沿って本発明に従って製造された結晶水を含まないKFe(PO4)のX線ディフラクトグラムを示す。 図5は、製造例5に沿って本発明に従って製造された結晶水を含まないKFe0.90Zn0.10(PO4)のX線ディフラクトグラムを示す。 図6は、製造例6に沿って本発明に従って製造された結晶水を含まないKFe0.75Zn0.25(PO4)のX線ディフラクトグラムを示す。 図7は、製造例7に沿って本発明に従って製造された結晶水を含まないKFe0.75Mn0.25(PO4)のX線ディフラクトグラムを示す。 図8は、製造例8に沿って本発明に従って製造された結晶水を含まないBaFeP27のX線ディフラクトグラムを示す。 図9は、製造例3に沿って本発明に従って製造された結晶水を含まないFe3(PO42の粒径分布を示す。
X線回折法(XRD)
以下の実施例に従って製造した生成物に対して、D8 Advance A25型回折計(Bruker)およびCuKα放射線を用いてX線回折測定(XRD)を行う。
ICDD(国際回折データセンター)(前身はJCPDS(粉末回折標準のための合同委員会))のデータベースから、対応する参照ディフラクトグラム(Powder Diffraction Files;PDF)に基づき、生成物およびそれらの結晶構造を特定した。製造した生成物のPDFカードが入手できなかった場合は、アイソタイプ化合物(=同じ構造種類の化合物)のPDFカードを用いた。
元素分析
製造した生成物のストイキオメトリを確認するために、Axios FAST分光計(PANalytical)を用いた蛍光X線分析(XRF)によって、元素分析を行った。
粒径測定
当業者であれば、光分散法や顕微鏡法といった一般的な方法を用いて平均粒径を測定できる。本明細書において示す平均粒径は、レーザー粒径測定装置(Horiba製モデルLA−950V2;ソフトウェアバージョン7.2)を用いて測定した。
製造例1‐結晶水を含まないFe227
下記材料からなる懸濁液を噴霧造粒した。
i)35.5kg 鉄(III)酸化物−水酸化物[FeO(OH)またはFe23・1H2O]、
ii)16.5kg 98%ホスホン酸[H3PO3]、
iii)26.5kg 75%リン酸[H3PO4]および
LA:220kg 水
こうして得られた造粒物を、700℃、フォーミングガス雰囲気(N2中に5体積%のH2を含有)下、平均滞留時間4時間でロータリーキルン内で温度処理した。ほぼ無色〜わずかにピンク色の生成物が得られる。生成物のX線ディフラクトグラム(XRD)を、図1に示す。生成物は、PDFカード01−072−1516を用いて特定した。
製造例2‐結晶水を含まないMg1.5Fe1.5(PO42およびFe3(PO42の相混合物
下記材料からなる懸濁液を噴霧造粒した。
i)8.45kg 鉄(III)酸化物−水酸化物[FeO(OH)またはFe23・1H2O]、
ii)7.95kg 98%ホスホン酸[H3PO3]、
iii)19.6kg 鉄(III)リン酸塩二水和物[FePO4・2H2O]、
iv)8.43kg 炭酸マグネシウム[MgCO3]および
LA:160kg 水
こうして得られた造粒物を、750℃、フォーミングガス雰囲気(N2中に5体積%のH2を含有)下、平均滞留時間3時間でロータリーキルン内で温度処理した。ほぼ無色の生成物が得られる。生成物のX線ディフラクトグラム(XRD)を、図2に示す。生成物は、PDFカードを用いて、主相Mg1.5Fe1.5(PO42(PDFカード01−071−6793)および副相Fe3(PO42(PDFカード00−49−1087)の相混合物として特定した。
製造例3‐結晶水を含まないFe3(PO42
下記材料からなる懸濁液を噴霧造粒した。
i)21.75kg 鉄(III)酸化物−水酸化物[FeO(OH)またはFe23・1H2O]、
ii)12.15kg 98%ホスホン酸[H3PO3]、
iii)10.3kg 鉄(III)リン酸塩二水和物[FePO4・2H2O]および
LA:140kg 水
こうして得られた造粒物を、750℃、フォーミングガス雰囲気(N2中に5体積%のH2を含有)下、平均滞留時間90分でロータリーキルン内で温度処理した。ほぼ無色の生成物が得られる。生成物のX線ディフラクトグラム(XRD)を、図3に示す。生成物は、グラフトナイト構造に結晶化し、PDFカード00−49−1087を用いて特定された。生成物を、50重量%の生成物の粒径が3μm未満となるように粉砕した。粉砕物の粒径分布を図9に示す。
製造例4‐結晶水を含まないKFe(PO4)の製造
下記材料からなる懸濁液を噴霧造粒した。
i)11.80kg 鉄(III)酸化物−水酸化物[FeO(OH)またはFe23・1H2O]、
ii)10.70kg 98%ホスホン酸[H3PO3]、
iii)24.8kg 鉄(III)リン酸塩二水和物[FePO4・2H2O]、
IV)29.8kg 50%苛性アルカリ溶液[KOH]、
V)1.0kg 75%リン酸[H3PO4]および
LA:110kg 水
こうして得られた造粒物を、650℃、フォーミングガス雰囲気(N2中に5体積%のH2を含有)下、平均滞留時間3時間でロータリーキルン内で温度処理した。淡い薄緑の生成物が得られる。生成物のX線ディフラクトグラム(XRD)を、図4に示す。生成物は、PDFカード01−076−4615を用いて特定した。
製造例5‐結晶水を含まないKFe0.90Zn0.10(PO4
下記材料からなる懸濁液を噴霧造粒した。
i)10.60kg 鉄(III)酸化物−水酸化物[FeO(OH)またはFe23・1H2O]、
ii)9.65kg 98%ホスホン酸[H3PO3]、
iii)22.30kg 鉄(III)リン酸塩二水和物[FePO4・2H2O]、
IV)2.15kg 酸化亜鉛[ZnO]、
IV)29.8kg 50%苛性アルカリ溶液[KOH]、
V)4.15kg 75%リン酸[H3PO4]および
LA:120kg 水
こうして得られた造粒物を、600℃、フォーミングガス雰囲気(N2中に5体積%のH2を含有)下、平均滞留時間2時間でロータリーキルン内で温度処理した。薄い灰色の生成物が得られる。生成物のX線ディフラクトグラム(XRD)を、図5に示す。生成物は、PDFカード01−076−4615に応じたKFe(PO4)構造に密接に関連しているように思われる新しい構造種類である。
製造例6‐結晶水を含まないKFe0.75Zn0.25(PO4
下記材料からなる懸濁液を噴霧造粒した。
i)8.85kg 鉄(III)酸化物−水酸化物[FeO(OH)またはFe23・1H2O]、
ii)8.05kg 98%ホスホン酸[H3PO3]、
iii)18.60kg 鉄(III)リン酸塩二水和物[FePO4・2H2O]、
IV)5.40kg 酸化亜鉛[ZnO]、
IV)29.8kg 50%苛性アルカリ溶液[KOH]、
V)9.30kg 75%リン酸[H3PO4]および
LA:120kg 水
こうして得られた造粒物を、600℃、フォーミングガス雰囲気(N2中に5体積%のH2を含有)下、平均滞留時間2時間でロータリーキルン内で温度処理した。薄い灰色の生成物が得られる。生成物のX線ディフラクトグラム(XRD)を、図6に示す。この生成物は、文献で知られていない。これは、アイソタイプ的に結晶化して、PDFカード01−081−1034に応じたKZn(PO4)を形成する。
製造例7‐結晶水を含まないKFe0.75Mn0.25(PO4
下記材料からなる懸濁液を噴霧造粒した。
i)8.85kg 鉄(III)酸化物−水酸化物[FeO(OH)またはFe23・1H2O]、
ii)8.05kg 98%ホスホン酸[H3PO3]、
iii)18.60kg 鉄(III)リン酸塩二水和物[FePO4・2H2O]、
IV)8.85kg 炭酸マンガン水和物[MnCO3・H2O]、
IV)29.8kg 50%苛性アルカリ溶液[KOH]、
V)9.30kg 75%リン酸[H3PO4]および
LA:140kg 水
こうして得られた造粒物を、600℃、フォーミングガス雰囲気(N2中に5体積%のH2を含有)下、平均滞留時間2時間でロータリーキルン内で温度処理した。薄い灰色の生成物が得られる。生成物のX線ディフラクトグラム(XRD)を、図7に示す。この生成物は、文献で知られていない。これは、アイソタイプ的に結晶化して、PDFカード01−076−4615に応じたKFe(PO4)を形成する。
製造例8‐結晶水を含まないBaFeP27
下記材料からなる懸濁液を噴霧造粒した。
i)8.70kg 鉄(III)酸化物−水酸化物[FeO(OH)またはFe23・1H2O]、
ii)8.20kg 98%ホスホン酸[H3PO3]、
iii)19.05kg 鉄(III)リン酸塩二水和物[FePO4・2H2O]、
IV)63.09kg 水酸化バリウム八水和物[Ba(OH)2・8H2O]、
V)26.15kg 75%リン酸[H3PO4]および
LA:250kg 水
こうして得られた造粒物を、800℃、フォーミングガス雰囲気(N2中に5体積%のH2を含有)下、平均滞留時間4時間でロータリーキルン内で温度処理した。薄い灰色の生成物が得られる。生成物のX線ディフラクトグラム(XRD)を、図8に示す。生成物は、アイソタイプ的に結晶化して、PDFカード01−084−1833に応じたBaCoP27を形成する。

Claims (10)

  1. 一般式Fe3(PO42で表される結晶水を含まない鉄(II)オルトリン酸塩または一般式FeaMetb(POcdで表される結晶水を含まない鉄(II)金属オルトリン酸塩、鉄(II)金属ピロリン酸塩もしくは鉄(II)金属メタリン酸塩または上述のリン酸塩の組み合わせを製造する方法であって、
    (i)酸化物、水酸化物、酸化水酸化物、炭酸塩、シュウ酸塩やギ酸塩、酢酸塩、クエン酸塩、乳酸塩等のカルボン酸塩、オルトリン酸塩、ホスホン酸塩、メタリン酸塩、ピロリン酸塩、硫酸塩およびそれらの混合物からなる群から選択される、混合物の20%〜90重量%の割合のFe(III)化合物、Fe(III)/Fe(II)化合物およびそれらの混合物から選択される鉄化合物(A)、
    (ii)固体、水溶液または懸濁液としての、ホスホン酸[H3PO3]、三酸化リン[P23]、ホスフィン酸[H3PO2]、四酸化リン[P24]、次二リン酸[H426]、二リン酸[H425]、次二ホスホン酸[H424]、上述の酸のFe塩およびMet塩およびそれらの混合物からなる群から選択される、混合物の5%〜50重量%の割合の還元剤(B)、
    (iii)水溶液としてのリン酸[H3PO4]、固体または水溶液または懸濁液としての1≧x≧4、1≧y≧5、および1≧z≧4の金属リン酸塩[Metx(PO4z]もしくは酸金属リン酸塩[MetxY(PO4z]、二リン酸[H427]、n≧3のメタリン酸[(HPO3n]またはそれらの塩、五酸化リン[P25]またはこれらの混合物(Metは、前述の定義の通り)から選択される、混合物の0%〜50重量%の割合の任意のリン酸供与体(C)、および、
    (iv)K、Pb、Cs、Mg、Ca、Sr、Ba、遷移金属(Dブロック)、特にSc、Y、La、Ti、Zr、Hf、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Mn、Cu、Zn並びに第3、第4および第5メイングループの金属および半金属、特にB、Al、Ga、In、Si、Sn、Sb、Bi並びにランタノイドからなる群から選択される1つ以上の金属の金属化合物であって、上述の金属の酸化物、水酸化物、酸化水酸化物、炭酸塩、シュウ酸塩、ギ酸塩、酢酸塩、クエン酸塩、乳酸塩、オルトリン酸塩、ピロリン酸塩および硫酸塩およびそれらの混合物から選択される金属化合物から選択される、混合物の0%〜50重量%の割合の任意の金属(Met)供与体(D)、
    を含む混合物を製造する工程であって、前記混合物の成分(A)〜(D)の重量配分が、溶媒および/または懸濁剤を含まないその物質の割合に基づく工程(a)と、
    得られた前記混合物が水性および/または有機溶媒を含む場合に、前記混合物を400℃未満の温度で乾燥する工程(b)と、
    前記乾燥したまたは乾燥させた混合物を、400〜1200℃の範囲内の温度で処理する工程(c)とを含む製造方法。
    (一般式中、aは1〜5の数であり、bは0超5以下の数であり、cは2.5〜5の数であり、dは0.5〜3の数であり、MetはK、Pb、Cs、Mg、Ca、Sr、Ba、遷移金属(Dブロック)、特にSc、Y、La、Ti、Zr、Hf、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Mn、Cu、Zn、第3、第4、第5メイングループの金属および半金属、特にB、Al、Ga、In、Si、Sn、Sb、Bi並びにランタノイドからなる群から選択される1つ以上の金属を表す。)
  2. 工程(b)における前記乾燥が、対流乾燥により、好ましくは噴霧乾燥により、100〜400℃の範囲内、好ましくは110〜350℃の範囲内、特に好ましくは150〜270℃の範囲内の温度で行われることを特徴とする請求項1に記載の製造方法。
  3. 工程(c)における前記温度処理が、不活性ガス雰囲気または還元ガス雰囲気下で、好ましくはN2中に5体積%以下のH2のフォーミングガス雰囲気下でまたは不活性ガス雰囲気下で行われることを特徴とする請求項1または2に記載の製造方法。
  4. 工程(c)における前記温度処理が、ロータリーキルン内で行われることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の製造方法。
  5. 工程(c)における前記温度処理が、500〜1100℃の範囲内、好ましくは600〜1000℃の範囲内、特に好ましくは700〜800℃の範囲内の温度で行われることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の製造方法。
  6. 前記鉄(II)リン酸塩が、一般式Fe3(PO42で表される結晶水を含まない鉄(II)オルトリン酸塩であり且つグラフトナイト結晶構造を有することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の製造方法。
  7. 前記鉄(II)リン酸塩が、一般式FeaMetb(POcdで表される混合金属結晶水を含まない鉄(II)金属オルトリン酸塩であり、前記鉄(II)金属オルトリン酸塩が、特に好ましくはKFePO4、K(Fe0.90Zn0.10)PO4、K(Fe0.75Mn0.25)PO4、K(Fe0.75Zn0.25)PO4またはK(Fe0.75Mg0.25)PO4であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の製造方法。
    (一般式中、Metは、金属カリウム(K)、マグネシウム(Mg)および亜鉛(Zn)の1つまたは組み合わせ、好ましくはカリウム(K)単体またはカリウム(K)のマグネシウム(Mg)若しくは亜鉛(Zn)との組み合わせを表す。)
  8. 前記鉄(II)リン酸塩が、一般式FeaMetb(P27dで表される混合金属結晶水を含まない鉄(II)金属ピロリン酸塩であり、前記鉄(II)金属ピロリン酸塩が、特に好ましくはCaFeP27、SrFeP27またはBaFeP27であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の製造方法。
    (一般式中、Metは、金属カルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)およびバリウム(Ba)の1つまたはそれらの組み合わせを表す。)
  9. 鉄化合物(A)として使用される前記Fe(II)および/またはFe(III)/Fe(II)化合物が、酸化物、酸化水酸化物、水酸化物、オルトリン酸塩、ピロリン酸塩、メタリン酸塩および硫酸塩から選択されることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の製造方法。
  10. 工程(c)において温度処理後に得られる生成物が、粒径(d50)に関して、好ましくは(d50)<150μm、特に好ましくは(d50)<30μm、より好ましくは(d50)<4μmに粒径(d50)が調節されることを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載の製造方法。
JP2019553906A 2017-03-30 2018-03-26 Fe(II)P/Fe(II)MetP化合物を製造する方法 Active JP6770205B2 (ja)

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