JP2020507333A - ヘルスケア製品の連続的処理方法における脱気 - Google Patents

ヘルスケア製品の連続的処理方法における脱気 Download PDF

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Abstract

本明細書は、ヘルスケア製品の連続的な処理のための方法、ヘルスケア製品の連続的な病原体低減モジュール式処理のための方法における、高密度膜モジュールの病原体バリアとしての使用、ならびに少なくとも一つの高密度膜モジュールおよび/または少なくとも一つのナノ多孔性膜モジュールの使用であって、少なくとも一つの高密度膜モジュールおよび/または少なくとも一つのナノ多孔性膜モジュールが、流体流の脱気および/または脱泡のために用いられ、流体流が、膜モジュールの頂部から底部に通過して膜モジュールを通過する前記使用、ならびに、少なくとも一つの高密度膜モジュールおよび/または少なくとも一つのナノ多孔性膜モジュールを含むヘルスケア製品の連続的な病原体低減モジュール式処理のための単位操作に関する。

Description

従来、バイオテクノロジー関連のタンパク質等のヘルスケア製品はバッチ方式で精製されている。このように、個々の生産サイクルは、生産サイクルの完了後のある時点で製品が完全に除去される状態で、バッチごとに不連続的に処理される。新しい生産サイクルでは、新しいバッチを開始する必要がある。このバッチ方式生産は時間がかかり、スケールアップが難しく、高価であるため、バイオテクノロジー関連のタンパク質等のヘルスケア製品を製造する新しい方法が模索されている。したがって、治療用タンパク質の生産のための連続的な処理がますます重要となってきており、現実的な連続的なシステムの最初の解決策が出てきている。
従来のバッチ方式生産プロセスと連続的生産プロセスのいずれにおいても、閉じ込められたガス、特に空気が気泡を形成すると、生産プロセスが大幅に混乱する可能性がある。気泡は、所望の製品を含む流体流が濾過等の操作ユニットを通過するのを部分的または完全に阻害し、かつ/または、クロマトグラフィー等の所定のユニットの操作における通常の伝導を大幅に阻害し得るという状況がある。さらに、気泡は、主にコンポーネントを乾燥させることによって、例えばセンサーやクロマトグラフィーカラムのエラーを引き起こし、サンプル中に存在する気泡はピペッティングやサンプリングのエラーを引き起こし得る。したがって、従来のバッチ方式の生産プロセスでは、Biorad bubble trap等の気泡トラップを使用して、例えば液体の脱泡のために気泡が自動的に除去される。しかしながら、気泡トラップの移動相レベルは常にモニタリングする必要があるため、気泡トラップ等の自動的な制御と運転はエラーを生じやすく、実現が困難である。
したがって、流体中の気泡を機械的に除去する代わりに、流体を脱気することによって、すなわち流体中に溶解している気体を除去することによっても気体を除去することができる。連続生産プロセスにおける流体流を脱気する方法は、EP3015542A1に記載されている。具体的には、EP3015542A1には、疎水性マイクロ濾過膜モジュール、例えば、真空で動作するMembranaマイクロモジュールの使用が記載されております。気泡トラップと比較して、このような疎水性マイクロ濾過膜モジュールは、滅菌可能であり、継続的に使用できるという利点を有している。さらに、疎水性マイクロ濾過膜モジュールは、移動相とその後のプロセス制御システムによる制御を含まないためである。
しかしながら、このような疎水性マイクロ濾過膜の操作中に、液体の侵入(break-through)が起こる場合がある。これにより、真空システムが潜在的に破壊され、少なくとも理論上は、プロセスにおける滅菌または少なくとも病原体が減少した状態となる危険性がある。この危険性は、保健医療当局により設定された規制上の要件を完全に満たすプロセス内で最小化する必要がある。
したがって、ヘルスケア製品の処理および生産のための連続的な病原体低減方法において、最適化された溶液の脱泡および/または流体流の脱気の必要性がある。
驚くべきことに、高密度膜モジュールを病原体バリアとして用いることにより、この課題がはじめて解決された。
したがって、第1の態様では、本発明は、病原体バリアとしての膜モジュールの使用に関する。
本明細書において使用される「高密度膜モジュール」という用語は、膜を介した液体の連結性の物質移動を可能にする細孔を有さない少なくとも一つの分離層を含む膜モジュールを意味する。すなわち、高密度膜モジュールは、流体の大きな運動を介した物質移動を可能としない少なくとも一つの分離層を含む。
本明細書において使用される「病原体バリア」という用語は、0.01μm以上0.2μm以下のサイズの細孔をのみを有する材料、例えば膜である。すべての細孔が0.2μm以下であるため、病原体バリアにより、細菌、古細菌および原生動物等の微生物が、24時間超にわたってバイオバーデンで制御された連続プロセスを可能にする程度通過するのを阻害する。
病原体バリアとして膜モジュールを使用することは、操作中に真空側への液体の侵入が生じず、高密度膜モジュールが、液体の通過を可能にする細孔を有さないため有利である。不可能とは言わないまでも、生産中に滅菌することが難しい真空システムに、脱泡および/または脱気ポイントにおいて処理液が漏れるリスクが、最小化または完全に回避される。
この新規な使用は、本願発明者らによってはじめて考えられたものである。
本明細書において使用される「病原体低減」という用語は、「低バイオバーデン」、「微生物低減」および「生殖低減」と交換可能に使用され、病原体数が低減した状態、すなわち、適切な生殖低減法により達成される、単位面積または単位体積当たりの病原体数が0に近づくことを意味し、この生殖低減方法は、ガンマ線照射、ベータ線照射、オートクレーブ、エチレンオキシド(ETO)処理、オゾン処理、“Steam−in−place”(SIP)および/またはHeat in Place処理または1M NaOH等の消毒剤による処理から選択される。
さらに、驚くべきことに、少なくとも一つの高密度膜モジュールおよび/または少なくとも一つのナノ多孔性膜モジュールが、ヘルスケア製品の連続処理のための方法で使用できることがはじめて見出された。
上記のヘルスケア製品の処理を行い、最終的なヘルスケア製品が提供される。したがって、前記処理およびヘルスケア製品の生産の両方が、好ましくは病原体が低減した条件下で行われる。
本明細書において使用される「連続的」という用語は、少なくとも二つの方法工程および/または単位操作を連続的に行う方法を意味し、上流の工程の流入流体流(液体流)が下流の工程に移動する。下流の工程では、上流の工程が完了した後に流体流の処理が開始される。したがって、上流のユニットから下流のユニットへの流体流の連続的な輸送または移動は、上流が停止する前に下流のユニットが既に稼働すること、すなわち、連続的に接続された二つのユニットが、それらを流動する流体流の処理を同時に処理することを意味する。
本明細書において使用される「流体流(fluid stream)」または「流体流動(fluid flow)」という用語は、液体および/または気体の連続的な流れを意味する。流体流または流体流動は、製品を含み得る。
本明細書において使用される「ヘルスケア製品」という用語は、製薬産業において製造される中間体または有効成分等の、患者の診断、治療、またはケアに使用される製品を意味する。
いくつかのナノ多孔性または疎水性微孔性(microporous)膜モジュールを有するいくつかの高密度膜モジュールを、ヘルスケア製品の連続的な病原体低減処理のための方法において使用することができ、当業者は、ヘルスケア製品の連続的な病原体低減処理のための方法において、高密度膜モジュールのみ、またはナノ多孔性膜モジュールのみ、または疎水性微多孔膜モジュールのみを用いることが適切である状況を確認することができる。
本明細書に記載の高密度膜モジュールおよび/またはナノ多孔性膜モジュールの使用の一つの実施形態では、ヘルスケア製品は、ペプチド、タンパク質、小分子薬、核酸からなる群から選択される少なくとも一つの成分であるかまたはそれを含む。
本明細書において使用される「ペプチド」という用語は、比較的短い長さ(例えば、50アミノ酸未満)のアミノ酸のポリマーを意味する。ポリマーは直鎖であっても分岐鎖であってもよく、修飾アミノ酸を含んでもよく、非アミノ酸によって中断されてもよい。したがって、この用語には、例えば、ジスルフィド結合の形成、グリコシル化、脂質化、アセチル化、リン酸化、または、限定されないが蛍光マーカー、粒子、ビオチン、ビーズ、タンパク質、放射性標識、化学発光タグ、生物発光標識等の標識成分と結合させる等のその他の操作によって修飾されたアミノ酸ポリマーが包含される。
本明細書において使用される「タンパク質」という用語は、アミノ酸のポリペプチドを意味する。この用語には、全長、野生型、またはそれらの断片であり得るタンパク質が包含される。タンパク質は、対応する天然のアミノ酸、天然のアミノ酸ポリマーおよび非天然のアミノ酸ポリマーのヒト、非ヒト、および人工または化学的な疑似物であり得る。
タンパク質は治療用タンパク質である。
本明細書において用いられる「治療用タンパク質」という用語は、生物に適用されて、該生物の組織、器官または系の生物学的または医学的応答を引き出すタンパク質を意味する。
さらにこのましくは、タンパク質は抗体である。
本明細書において用いられる「抗体」という用語は、免疫グロブリンまたは免疫グロブリンの免疫学的に活性な部分、すなわち抗原結合部位を含む分子等の結合分子を意味する。
本明細書において用いられる「小分子薬」という用語は、生物学的プロセスの調節に役立つ可能性のある低分子量(<900ダルトン)の化合物を意味する。
本明細書において用いられる場合、「核酸」という用語は、一本鎖または二本鎖の形態のデオキシリボヌクレオチドまたはリボヌクレオチドまたはそれらのポリマーを意味する。特に限定しない限り、この用語には、参照核酸(reference nucleic acid)と類似する結合特性を有し、天然のヌクレオチドと同様にして代謝される天然のヌクレオチドの類似体(analogue)を含む核酸が包含される。特に明記しない限り、特定の核酸配列には、保存的に改変されたそれらの変異体(例えば、コドン置換の縮重)、ならびに明記された配列同様に相補配列も包含される。
少なくとも一つの膜モジュールおよび/または少なくとも一つのナノ多孔性膜モジュールが、ヘルスケア製品の連続的な病原体低減処理の方法において用いられ得るという知見は、膜モジュール、または例外的な場合においては疎水性微孔性膜モジュールがヘルスケア製品の連続的な病原体低減処理において用いられないという今日までの知見を驚かせるものであった。
さらに、多孔性膜モジュールは、当該膜を通過する液体の連結性の大量移動を可能にする、すなわち液体による孔の湿潤を可能にする孔を有する少なくとも一つの分離層を含むという点で、多孔性膜モジュールは、本明細書において用いられる高密度膜モジュールとは異なるものである。
本明細書において使用される「ナノ多孔性」という用語は、0.01μm以上0.2μm以下のサイズの細孔を持つ材料を意味する。
本明細書において使用される「微孔性」という用語は、直径が0.3μm超2μm未満の孔を有し、かつ/または30μm未満のサイズの空洞を有する材料を意味する。微孔性膜の例としては、EP3015542A1において使用されている疎水性マイクロ濾過膜が挙げられる。
本明細書に記載されている高密度膜モジュールおよび/またはナノ多孔性膜モジュールの使用の一つの実施形態において、高密度膜モジュールおよび/またはナノ多孔性膜モジュールは、真空を使用して動作する。
本明細書に記載されている高密度膜モジュールおよび/またはナノ多孔性膜モジュールを使用する一つの実施形態において、高密度膜モジュールおよび・または何多孔性膜モジュールは、脱気装置および病原体バリアとして使用される。
本明細書において使用される「脱気装置」または「脱気」という用語は、液体から溶解気体を除去する装置またはプロセスを意味する。すなわち、脱気の直後に、より少ないガスが前記流体に存在する。
本明細書において使用される「脱泡」または「脱泡装置」という用語は、流体流から流れる気泡を阻害する装置を意味する。すなわち、脱気の直後に、より少ない気泡が流体流に存在するが、該流体流宙の全体の溶解機体の量は変化しない。
本明細書に記載されている高密度膜モジュールの使用の一つの実施形態では、高密度膜モジュールは気泡を通過させるが、液体中の気泡の通過にのみ限定される。
本発明の高密度膜モジュールの使用の好ましい実施形態において、膜モジュールは極超/超疎水性のポリオレフィンを含む。
特に好ましい実施形態において、高密度膜モジュールはsuperphobic(登録商標)1×3膜モジュールコントラクター(contractor)G681W膜モジュールである。
本明細書に記載されている高密度膜モジュールおよび/またはナノ多孔性膜モジュールの一つの実施形態において、高密度膜モジュールおよび/またはナノ多孔性膜モジュールは流体流中に位置し、該流体流は膜モジュールを通過し、該流体流が高密度膜モジュールの頂部から底部に通過し、それにより高密度膜モジュールが重力による脱泡装置、ならびに脱気装置および病原体バリアとして機能する。
単に高密度膜モジュールを流体流の流路に接続することにより、病原体バリアとして高密度膜モジュールを使用するのに対し、従来使用されていた微孔性膜モジュールにおいて生じていたような、流体流中の気泡が高密度膜モジュールを通過しないということが予想外に見出された。
驚くべきことに、流体流が頂部から底部に高密度膜を介して通過する場合、高密度膜モジュールは脱気装置および脱泡装置として使用され得ることが見出された。
このような頂部から底部への通過は、連続的な製造プロセスにおける流体流が典型的には下流に続く単位操作に導かれるのに対し、重力のために流体流とは逆向きに気泡を発生させることから有利である。流体流中にこのような形で位置する高密度膜モジュールおよび/またはナノ多孔性膜モジュールは、重力のために流体流から気泡を分離する。したがって、頂部から底部への通過により流体流の脱泡が促進される。
したがって、重力により気泡が逆向きに流体流を生じさせ、それにより上述のように気泡が流体流から分離されるので、流体流が頂部から底部に通過すると、高密度膜モジュールおよび/またはナノ多孔性膜モジュールは脱泡装置として機能する。すなわち、高密度膜モジュールおよび/またはナノ多孔性膜モジュールの相境界界面で、気泡が流体流から分離される。したがって、高密度膜モジュールおよび/またはナノ多孔性膜モジュールは、下方に向かって流れる流体流から気泡を物理的に分離する気液分離装置として機能する。
このプロセスは、流体流の速度の範囲で、したがって、気泡の量が脱気装置の容量、例えば高密度膜を通過する気体速度を超えない限り、特に良好に機能する。流体流の速度、したがって気泡の量が脱気装置の能力の範囲内にある限り、すべての気泡が境界界面で分離される。
流体流の脱泡により、流体流に存在するすべての気体のすべての気泡が等しく除去されることに留意されたい。
さらに、流体流を上から下に通過させることで、気泡が高密度膜モジュールまたはナノ多孔性膜を自由に通過するリスクが排除される。理論的には、このリスクは、高密度膜モジュールまたはナノ多孔性膜モジュールの比脱気率が低いという事実によるものである。したがって、気泡が自由に通過するリスクを解消するために、流体流が高密度膜モジュールまたはナノ多孔性膜を下から上に通過する場合には、非常に大きな高密度膜モジュールまたは非常に大きなナノ多孔性膜を用いる必要がある。しかしながら、高密度膜モジュールまたはナノ多孔性膜モジュールの上から下に流体流を通過させることにより、流体流の脱泡を制御することが可能である。
好ましくは、本明細書に記載されている高密度膜モジュールは、脱気装置、脱装置剤および病原体バリアとして機能する。この実施形態は、特に、連続的な病原体低減方法におけるヘルスケア製品の処理に必要とされる滅菌または病原体低減状態にある流体流の脱泡または脱気のための最適な解決方法を示すという有益性がある。
好ましくは、本明細書に記載されている高密度膜モジュールおよび/またはナノ多孔性膜モジュールは、脱気装置として、脱泡装置として、病原体バリアとして、および気液分離装置として機能する。
高密度膜モジュールおよび/またはナノ多孔性膜モジュールが真空を使用して操作される場合、好ましくは、この膜モジュールは気相と、通常製品を含む流体流の液体により形成される液相とを含む。すなわち、気体は、気相および液相の両方から真空の方向に高密度および/またはナノ多孔性膜モジュールを通過し得る。このような設定において、真空を使用することにより、高密度および/またはナノ多孔性膜モジュールにおいて、気体除去率は液相においてよりも気相において高く、液体膜バリアにおけるさらなる物質移動の抑制が起き得るという効果が得られる。しかしながら、このような抑制にもかかわらず、液相および高密度および/またはナノ多孔性膜の真空側における溶解気体の分圧の違いにより、液相から真空方向への気体の除去も引き起こされる。全体としては、このような設定における気体は、気相および液相から真空の方向へ、高密度および/またはナノ多孔性膜を通過し得る。さらに、高密度および/またはナノ多孔性膜の非真空側において、気泡から液相に気体が溶解する。この溶解気体は膜を通して拡散され得る。
好ましくは、膜モジュールが高密度膜モジュールであり、真空を使用して稼働する場合、膜モジュール内の液体レベルは、高密度膜を介した気体の拡散によって制御される。
すなわち、膜モジュール内の気相と液体レベルとの比率は、真空強度および/または流体流の速度、、したがって上述したように気泡の量の制御し、それによって高密度膜による気相からの気体の拡散を制御することを介してあらかじめ決定されたレベルに維持される。
これによって、膜モジュールにおける液体レベルの信頼性の高い堅牢(robust)な制御が可能になるという利点がある。
真空を使用して高密度膜モジュールおよび/またはナノ多孔性膜モジュールを操作する好ましい実施形態において、高密度膜モジュールおよび/またはナノ多孔性膜モジュールは、真空ポンプを使用して操作される。
本明細書に記載されている高密度膜モジュールおよび/またはナノ多孔性膜モジュールの使用の一つの実施形態において、高密度膜モジュールおよび/またはナノ多孔性膜モジュールは真空ポンプを使用して操作され、かつ該真空ポンプは液体トラップ(liquid trap)を使用して保護されている。
液体トラップの例は、取り外し可能なキャップを備えたガラス瓶である。真空管システムは該キャップを介して、つまり2本の管を介して接続できる。一方の管に真空が適用されると、瓶内の空気が排出され、もう一方の管に真空が誘導される。明らかに、プロセスシステムに接続された一つの管を介して誤って持ち越される可能性のある水は、ガラス瓶に閉じ込められ、他の管またはポンプに持ち込まれない。
本明細書に記載されている高密度膜モジュールおよび/またはナノ多孔性膜モジュールの使用の一つの実施形態において、高密度膜モジュールはプロセス制御システムによって制御される。
プロセス制御システムを使用することによって、ヘルスケア製品の連続的な病原体低減処理の方法を自動化できるという効果がある。自動化により、効率的で、安全で、信頼できる、標準化された、高品質の製品を得ることができる生産プロセスを設定することが容易になる。
本明細書において使用される「プロセス制御」という用語は、製造環境をモニタリングし、使用者によって設定されたさまざまな設定ポイントに基づいてプロセスまたは製造フローを電子的に制御するシステムおよびそのシステム装置を意味する。
そのようなプロセス制御システムによって、とりわけ、高密度膜を動作させる真空ポンプのポンプ速度等の性能データがモニタリングされ得る。上記のパフォーマンスデータの偏差は漏れを示している可能性があるため、汚染リスクを最小限に抑えるためにシステムを早期にシャットダウンすることができる。例えば、真空ポンプの回転速度がモニタリングされ、ポンプは25mbarを供給するように設定される。漏れがある場合、設定された25mbarを供給するためにポンプはさらにポンプする必要があるため、回転速度を上げられる。このようなプロセス制御システムは、高密度膜モジュールの性能もモニタリングすることができる。例えば、気泡検出器を高密度膜モジュールの下流で使用することができる。気泡が検出される場合、プロセス制御システムは、下流の重要な単位操作が気泡の影響を受けないように、プロセス流を停止および/またはプロセス流を迂回させることができる。
したがって、一つの実施形態では、高密度膜モジュールおよび/またはナノ多孔性膜モジュールの下流に気泡検出器が設置される。
さらに、同じまたは異なる実施形態では、潜在的な漏れを検出するために真空ポンプの速度がモニタリングされる。
本明細書に記載されている高密度膜モジュールおよび/またはナノ多孔質膜モジュールの使用の一つの実施形態では、高密度膜モジュールおよび/またはナノ多孔性膜モジュールは、
・細胞分離器
・濃縮用限外濾過ユニット
・再循環ループ
・好ましくは濃縮、例えば限外濾過を伴う緩衝液または培地交換用のユニット
・好ましくは細菌濾過器によるバイオバーデン低減
・補足クロマトグラフィー
・ウイルスの不活性化、例えばコイルフローインバーター、すなわち滞留時間モジュール
・クロマトグラフィー中間体および高精製、例えばイオン交換、混合様式、疎水性相互作用、SECクロマトグラフィー
・均質化ループ
・ウイルス濾過
・pH、伝導率、流量計等のプロセス分析用のフローセル、
・処理中のサンプルのサンプルポート
からなる群から選択される少なくとも一つの単位操作を通過する。
本明細書に記載されている高密度膜モジュールおよび/またはナノ多孔性膜モジュールの使用の一つの実施形態では、高密度膜モジュールおよび/またはナノ多孔性膜モジュールは、キャリブレーション緩衝液、洗浄液、pHおよび伝導剤、賦形剤または製品を含む流体流等の補助流体を含む群から選択される流体流中に位置する。
本明細書において使用される「単位」または「単位操作」という用語は、ヘルスケア製品の製造プロセスにおける一つのプロセスス工程を実行する装置、およびその特定のデバイスが実行するプロセスを意味する。すなわち、最終的なヘルスケア製品を提供するために、製品が所望の特性および/または所望の純度を有するまで、ヘルスケア製品を含む流体流をいくつかの単位操作に通す必要がある。
本明細書に記載されている高密度膜モジュールおよび/またはナノ多孔性膜モジュールの使用の好ましい実施形態では、ヘルスケア製品の連続的な病原体低減製造プロセスは、治療タンパク質、例えば抗体の連続的な病原体低減製造である。
本明細書に記載されている高密度膜モジュールおよび/またはナノ多孔性膜モジュールの使用の好ましい実施形態では、ヘルスケア製品の連続的な病原体低減製造プロセスは、使い捨て物品を使用する。
本明細書で使用される「使い捨て物品」という用語は、流体流と接触するそれぞれの構成要素、特に機器、容器、フィルターおよび接続要素が、1回使用の使い捨てに適していることを意味し、前記容器はプラスチックおよび金属の両方から作られ得る。本発明の範囲内で、この用語は、本発明によるプロセスで一度だけ使用され、プロセスで再び使用されない、鋼製から作られるもの等の使い捨て物品も含む。これらの使い捨て物品、例えば鋼製から作られるものは、本発明の範囲内で「使い捨て物品として使用される」物体としても指定される。このような使用される使い捨て物品は、本発明による方法において「使い捨て」または「1回使用(single-use)」物品(「SU技術」)としても指定され得る。このようにして、本発明によるプロセスおよびモジュール式システムの病原体低減状態はさらに改善される。
驚くべきことに、使い捨て管(disposable tubes)/使い捨て管(disposable tubing)、特に溶接可能なチューブを使用するには、流体流の脱気および/または脱泡が必要であることが明らかとなった。理論に縛られることを望まないが、この知見は、予想よりも高いおよび/または速い速度で溶接可能な管に流入する空気によるものであると考えられており、最先端技術はこの洞察について何らの言及もしていない。
本明細書において使用される「溶接可能な管」という用語は、例えばシリコンを含むプラスチックから製造された管(tubes)およびチューブ(tubing)を意味する。溶接可能な管の例は、シリコンのような管、およびシリコン化合物を含む管、例えばPharmed BPT、Cflex Sanipure管およびPVC管である。
したがって、高密度膜および/またはナノ多孔性膜を使用することは、使い捨て製品を使用するヘルスケア製品の連続的な病原体低減製造プロセスにおいて特に有利である。
本明細書において記載されている高密度膜モジュールおよび/またはナノ多孔性膜モジュールの使用の好ましい実施形態では、ヘルスケア製品の連続的な病原体低減製造プロセスはモジュール式である。
本明細書において使用される「モジュール式」という用語は、個々の単位操作を個別の相互接続モジュールで実行できることを意味し、モジュールは事前に構成、殺菌、および閉鎖され、さまざまな組み合わせで相互接続できる。
本明細書において使用される「閉鎖」という用語は、記載された方法が、流体流が室内環境に曝されないように操作されることを意味する。材料、物体、緩衝液等を外部から追加できるが、この追加は、流体環境が部屋の環境にさらされるのを避けるように行われる。
本明細書において使用される「閉鎖」という用語は、「機能的に閉じた」および「閉じた」の両方を意味する。
詳細には、製品が周囲の環境に決して曝されないように、閉鎖された生産プラント(プロセスシステム)が設計および運用される。閉鎖されたシステムへの追加と閉鎖されたシステムの利用、完全に閉鎖された方法で実行する必要がある。環境内の汚染物質からの効果的なバリアを提供するために、細菌分離器が使用され得る。「機能的に閉じた」という用語は、開放し得るが、滅菌、無菌またはバイオバーデン/低病原体であるプロセスの要求に適するかまたは満たす洗浄、消毒および/滅菌により「閉じられる」プロセスを意味する。これらのシステムは、システム内での生産中は閉じたままにされる。例としては、使用と使用との間に定置洗浄(CIP)および定置滅菌(SIP)されるプロセス容器が挙げられる。特定のシステムのセットアップ中に適切な対策が講じられている場合、低バイオバーデン/低病原体操作では、クロマトグラフィーや一部の濾過システム等の非滅菌システムも閉じられる。
本明細書において記載されている高密度膜モジュールおよび/またはナノ多孔性膜モジュールの使用の一つの実施形態では、高密度膜モジュールおよび/またはナノ多孔性膜モジュールは、流体流が単位操作に入る前、および/または細胞分離器、クロマトグラフィー、サンプリング位置、濃縮ユニット、透析濾過、濾過、再循環ループ、好ましくは濃縮、例えば限外濾過を伴う緩衝液または培地交換用のユニット、ウイルス不活性化ユニット、例えばコイルフローインバーター、すなわち滞留時間モジュールおよび/または均質化ループを含む群から選択される検証ポイントを通過する前の流体流中に配置される。
従来、抗体等の治療用タンパク質はバッチ方式で精製される。つまり、個々の生産サイクルは、生産サイクルの完了後に製品が全体として除去される状態で、バッチ方式で不連続に処理される。新しい生産サイクルの場合、新しいバッチを開始する必要がある。
そのようなバッチ方式のプロセスでは、所望の生成物を含む流体流は、クロマトグラフィー装置に入る前に脱気される。
今般、驚くべきことに、ヘルスケア製品の生産のための連続的な方法/プロセスにおいて、所望の製品を含む流体流は、それがクロマトグラフィー装置に入る前だけでなく、より頻繁に脱泡されることが有利であることが見出された。この理論に縛られることを望まないが、現在、空気を使い捨て管に予想よりも速く/より高い速度で入れるという上記の発見とは別に、より頻繁に脱泡する必要性は、ヘルスケア製品の製造のための連続的な方法/プロセスで使用される空気貯蔵袋によるものであり、異なる単位操作により流体流が処理されるさまざまな速度を考慮される。この飽和により、気泡が形成され、ヘルスケア製品の沈殿を引き起こし得る。さらに、気泡の形成は、問題の単位操作の効率を低下させ、所望の製品を含む流体流の滞留時間挙動を変更する可能性がある流体流の連続的な流れを妨害または変更し得る。この変更は、代表的なサンプリングを妨げる可能性がある。したがって、気泡形成は、再循環回路、例えば限外濾過、濾過、滞留時間モジュール、均質化工程および中空糸モジュールを含む単位操作の前および/または最中において特に重要である。
通常、ヘルスケア製品の連続的な病原体低減生産プロセスでは、いくつかの高密度膜および/またはナノ多孔性膜が使用される。すべての重要なポイントで高密度膜および/またはナノ多孔性膜のみを使用する代わりに、気泡ポイント(bubble-point)が3barを超える微孔性疎水性膜または気泡ポイント(bubble-point)が3barを超える疎水性限外濾過膜を使用するのが妥当であり得る。すなわち、本明細書において記載されるヘルスケア製品の生産のための連続的な方法/プロセスは、高密度膜および/またはナノ多孔性膜および疎水性微多孔性膜を組み合わせて使用してもよい。
しかしながら、当業者は、ヘルスケア製品の連続的な病原体低減生産プロセスにおいて、高密度膜のみ、ナノ多孔性膜のみ、または疎水性微多孔性膜のみを使用することが適切な状況を特定することができる。
本明細書において使用される「気泡ポイント」という用語は、プロセス液体が孔に入り、それによって孔内の気体を置換できる圧力を意味する。
別の態様では、本発明は、ヘルスケア製品の連続的な病原体低減モジュール式処理方法に関し、少なくとも一つの高密度膜モジュールおよび/または少なくとも一つのナノ多孔性膜モジュールが、流体流の脱気および/または脱泡に使用され、流体流は、高密度膜の頂部から底部に通過して膜モジュールを通過することを特徴とする。
この方法は、気泡が単位操作に入るのを防ぎ、環境に対する病原体の障壁が維持され、微生物の逆成長につながる偶発的な漏れのリスクを最小限に抑えられるため有利である。
ヘルスケア製品の連続的な病原体低減モジュール式処理のための前記方法の好ましい実施形態では、膜モジュールは高密度膜モジュールであり、膜モジュールの液面は高密度膜を通る気体拡散によって制御される
さらに別の態様において、本発明は、少なくとも一つの高密度膜モジュールおよび/または少なくとも一つのナノ多孔性膜モジュールを含むヘルスケア製品の連続的な病原体低減モジュール式処理のための単位操作に関する。
前記単位操作は、好ましくは
・細胞分離器
・好ましくは濃縮、例えば限外濾過を伴う緩衝液または培地交換用のユニット
・好ましくは細菌濾過器によるバイオバーデン低減
・補足クロマトグラフィー
・ウイルスの不活性化、例えばコイルフローインバーター、すなわち滞留時間モジュール
・クロマトグラフィー中間体および高精製、例えばイオン交換クロマトグラフィー
・例えば細胞濾過器によるバイオバーデン低減
・均質化ループ
・ウイルス濾過
を含む群から選択される。
図1は、治療用タンパク質の生産のための連続的な病原体低減方法で使用するための、最新技術で知られている疎水性マイクロ濾過膜を操作するための病原体低減方法の概略図を示す。 気体飽和流体は、圧力センサー(3)を備え、疎水性マイクロ濾過膜(4)を使用して脱気されるポンプ(2)によってリザーバー(1)からポンプで汲み上げられる。流体は、気泡の存在を感知する単位操作(6)に流れ込む。疎水性マイクロ濾過膜(4)での脱気には、真空ポンプ(8)が使用される。無菌の疎水性マイクロ濾過膜(5)により、病原体が低減した状態が確保される。動作中、センサー(7)で測定される真空ポンプ(8)によって生成される圧力が水の分圧を超えないようにされ、そうしないと水の膜蒸留(membrane distillation)が発生する。膜(4)および膜(5)は、真空耐性のシリコン管を介して接続されている。動作中、疎水性マイクロ濾過膜(4)の気泡ポイント(bubble-point)を超えないように圧力センサー(3)をモニタリングする必要があり、そうしないと、フィルターの孔が濡れてしまい、微生物の逆成長を引き起こし、その結果、病原体が低減した状態を破壊され得る。病原体が低減した状態を確保しながら、真空領域のフィルターを交換する必要がある場合は、次の手順を実行する必要がある。管(9)は溶接できないため、無菌コネクター(10)、(11)を使用する必要がある。この例では、無菌コネクター(11)は、疎水性マイクロ濾過膜(4)および(5)ならびに管(9)からなる交換アセンブリの真空側の交換接続として機能する。 図2は、治療用タンパク質の生産のための連続病原体低減方法において、脱泡装置、脱気装置として使用され、病原体バリアとして使用される高密度膜モジュールの概略図を示す。 気体が飽和した流体の流れは、ポンプ(2)によってリザーバ(1)から汲み出され、高密度膜(12)を含む膜モジュールを使用して脱気および脱泡される。脱気および脱泡された流体は、気泡の存在を感知する単位操作(6)に下流に流れる。真空ポンプ(8)は、高密度膜(12)を含む膜モジュールに接続されている。高密度膜(12)は、病原体バリアとしても機能する。動作中、センサー(7)で測定される真空ポンプ(8)によって生成される圧力は、理想的には水の分圧を超えないようにされ、そうしないと、水の膜蒸留が発生する。さらに、動作中、製品を含む流体流は、高密度膜(12)を含む膜モジュールを上から下へ通過し、その結果、流体流(液体)と気相との間に相境界界面(13)と、高密度膜(12)を含む膜モジュール中の気体相とが形成される。したがって、高密度膜(12)を含む膜モジュールは、所定量の流体流(液体)および所定量の気体を含む。上部から下部への通過により、気泡が重力により流体流とは反対に上昇し、下流の単位操作(6)に流れる流体流から離れることが保証される。真空ポンプ(8)によって生成される真空により、この分離された気体は高密度膜を透過し、高密度膜(12)を含む膜モジュール内の気相と液相との比率、すなわち気体/液体の高さが制御される。相境界界面での脱泡、および膜を介した真空方向への気体の移動に加えて、流体流は、液相および高密度膜の真空側における溶解ガスの分圧の違いにより、相境界界面(13)の下の液体(流体流)においても脱気される。 さらに、高密度膜(12)を含む膜モジュールにおける高密度膜は、病原体バリアとしても機能する。 高密度膜(12)を含む膜モジュールを出る流体流に気泡が存在しないことを確保するために、気泡検出器(4)が使用される。これらは、クロマトグラフィー装置での使用から当業者に公知である。このような気泡検出器の一例は、プロセス制御システムを使用してモニタリングできる超音波センサーである。プロセス制御システムが、例えばポンプの回転速度が本来の速度よりも速い、または、気泡が検出器(4)で測定される等の異常を検出した場合、ポンプ(2)のスイッチがすぐに切れる、または、流体流が追加の配管(図示せず)を介して排出部に向かう。高密度膜(12)の性能が低下した場合、滅菌溶接により交換することができる。 図3は、高密度膜モジュールを使用して治療用タンパク質を製造するための連続的な病原体低減方法において、脱気および脱泡がどのように実行されるかの概略図を示す。 この役割の目的は、さまざまな場所で可能な限り脱気されて気泡を含まず、病原体が低減した状態を確保することにある。 製品(14)を含む流体流は、高密度膜(12a)を含む膜モジュールを介して脱泡および脱気され、クロマトグラフィー装置(15)に導かれる。クロマトグラフィー緩衝液(16)も、高密度膜(12b)を含む膜モジュールを介して脱泡および脱気される。脱泡および脱気により、クロマトグラフ装置の性能に気泡が影響しないことが確保される。クロマトグラフィー装置を出る流体流は、高密度膜(12c)を含む膜モジュールを介して次の単位操作、例えば、再循環ラインを備えた限外濾過ユニット(18)へと流れる。気泡は、例えば製品の沈殿を導くことにより、流体流中の製品を損傷する可能性があるため、この場所で気泡を検出するための気泡センサー(17)が使用される。単位操作(18)を出る流体流は、次に、高密度膜(12d)を含む膜モジュールを介して脱泡および脱気され、単位操作(19)、例えば透析濾過ユニットに流入する。加えて、透析濾過ユニット(19)で使用される緩衝液(20)は、高密度膜(12e)を含む膜モジュールを介して脱泡およびガス供給(gassed)する必要がある。真空は、好ましくは、中央の真空管(23)および真空ポンプ(24)を介して提供される。真空側の圧力は、センサー(21)を使用して測定される。前記圧力は、局所的にまたはプロセス制御システム(22)を介して調整することができる。プロセス制御システム(PLS)(22)は、センサー(17)の変化、つまり気泡の通過をモニタリングする。そのような通過により、流体流中への病原体の侵入および/または気泡の形成の潜在的なリスクがもたらされ、それにより単位操作の性能が影響を受け得、かつ/または流体流に含まれる製品が損傷し得る。したがって、プロセス制御システムによって潜在的な通過が検出された場合、システムは単一の単位操作または生産プロセス全体が停止され、欠陥部品が交換され得る。 図4は、通常動作モードでの真空ポンプの制御挙動と、漏れがある場合の回転速度の増加を模式的に示しており、これらの値が所定の閾値を超えて増加するとプロセス工程が保留される。
実施例1
本実施例では、3MのモジュールG681Wが高密度膜として使用された。最大脱気速度を試験するために、モジュールを、空の3.2mm cflex管を介して水を含む貯蔵容器に接続した。モジュールの出口を密閉し、真空出口を25mbarの真空ポンプに接続した。空のモジュールの最大脱気速度は0.5ml/分であった。流体、すなわち水がモジュールを下から上へ通過した。20ml/分のポンプ速度では、散発的な気泡でさえモジュールの入口で流体流から分離できなかった。
実施例2
モノクローナル抗体の生産のための連続的な病原体低減方法およびこの生産に使用されるシステムのそれぞれにおいて、高密度膜モジュール、この場合3MのモジュールG681Wが使用された。モジュールは、設置前にエチレンオキシド処理により滅菌され、無菌コネクターまたは溶接により生産システムに接続された。流体流および緩衝液の流量は、それぞれ0〜30ml/分の間で変化させた。G681Wモジュールへの流れは、4.8mm Cflex管を経由した。流れの方向は上から下であった。モジュールの真空側は、真空ポンプを備えた内径6mmの収集管を介して接続された。採用された真空ポンプは、真空コントローラーCVC3000を備えたVacuubrand MD4CNT Varioであった。真空の設定点は25mbarであり、ポンプが作動を開始した点は50mbarであった。ポンプの圧力と回転速度は、Siemensのプロセス制御システムPCS−7に送信された。閾値を超えた場合、プロセス工程の回転速度が保留された。
G681Wモジュールは、生産プロセス内の以下の場所に設置された。
プロテインAクロマトグラフィーは、PallのBioSMBデバイスを使用して行われた。この単位操作のために、G681Wモジュールは、ポンプの吸引側の直前に設置された。この実施例では、5つのG681Wモジュールが緩衝液用に、1つが流入流体流用に設置された。さらに、フロースルーモードにおいて、すなわち洗浄(polishing)のために、PallのBioSMBを使用して2つのクロマトグラフィー工程を行った。この単位操作のために、G681Wモジュールは、ポンプの吸引側の直前に再び設置された。この場合、3つのG681Wモジュールが緩衝液用に、2つが流入流体流用に設置された。後続の単位操作で−ここでは、供給および流出モードでの連続的な限外濾過で実行される濃縮工程−G681Wモジュールは、供給流用の蠕動(peristaltic)ポンプの吸引側の直前に設置された。連続的な限外濾過の後、Gambro 2H透析モジュールを使用して、連続的な向流透析濾過で流体流をさらに処理した。この単位操作では、G681Wモジュールは、供給流用の蠕動ポンプの吸引側の直前に設置された。

Claims (13)

  1. 病原体バリアとしての高密度膜モジュールの使用。
  2. ヘルスケア製品の連続加工のための方法における、少なくとも一つの高密度膜モジュールおよび/または少なくとも一つのナノ多孔性膜モジュールの使用。
  3. 前記膜モジュールが高密度膜モジュールであり、該高密度膜モジュールが真空を使用して動作する、請求項2に記載の使用。
  4. 前記高密度膜モジュールが流体流中に位置し、該流体流が膜モジュールを通過し、該流体流が前記高密度膜モジュールの頂部から底部に通過し、それにより高密度膜モジュールが重力による脱泡装置、ならびに脱気装置および病原体バリアとして機能する、請求項3に記載の使用。
  5. 前記高密度膜モジュールの液面が、高密度膜を通過する気体の拡散によって制御される、請求項4に記載の使用。
  6. 前記真空が真空ポンプを使用して生成され、前記ポンプが液体トラップを使用して保護される、請求項4または5に記載の使用。
  7. 前記高密度膜モジュールおよび/またはナノ多孔性膜モジュールがプロセス制御システムによって制御される、請求項2〜6のいずれか一項に記載の使用。
  8. 前記高密度膜モジュールおよび/またはナノ多孔性膜モジュールの下流に気泡検出器が設置される、請求項2〜7のいずれか一項に記載の使用。
  9. 潜在的な漏れを検出するために真空ポンプの速度がモニタリングされる、請求項2〜8のいずれか一項に記載の使用。
  10. 前記流体流が単位操作に入る前、および/または濃縮のための限外濾過ユニット、再循環ループ、好ましくは濃縮、例えば限外濾過を伴う緩衝液または培地の交換のためのユニット、好ましく細菌濾過器によるバイオバーデン低減、補足クロマトグラフィー、ウイルス不活性化、クロマトグラフィー中間体および高精製、例えばイオン交換、混合様式、疎水性相互作用、SECクロマトグラフィー、均質化ループ、ウイルス濾過、pH、伝導率、流量計等のプロセス分析のためのフローセル、処理中のサンプルのサンプルポートを含む群から選択される検証ポイントを通過する前に、前記高密度膜モジュールおよび/またはナノ多孔性膜モジュールが流体流中に配置する、請求項2〜9のいずれか一項に記載の使用。
  11. 少なくとも一つの高密度膜モジュールおよび/または少なくとも一つのナノ多孔性膜モジュールが、流体流の脱気および/または脱泡のために使用され、前記流体流が、膜モジュールの頂部から底部に通過して膜モジュールを通過する、ヘルスケア製品の連続的な病原体低減モジュール式処理のための方法。
  12. 前記膜モジュールが高密度膜モジュールであり、該膜モジュール内の液面が、高密度膜を通過するガスの拡散によって制御される、請求項11に記載の方法。
  13. 少なくとも一つの高密度膜モジュールおよび/または少なくとも一つのナノ多孔性膜モジュールを含むヘルスケア製品の連続的な病原体低減モジュール式処理のためのユニット操作方法。
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