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Description
例えば、WO2011/110562A1によると、粗C4留分が選択的に水素化され、その後高沸点構成成分が選択的に水素化されたC4留分から分離され、次いで残りのC4留分が抽出蒸留によってさらに後処理されて粗1,3−ブタジエンが得られる。粗1,3−ブタジエンを精製蒸留(pure distillation)によってさらに精製して、純粋な1,3−ブタジエンを得る。
WO2013/083536によると、ガス状の精製された粗C4留分が抽出蒸留のための供給流として供給される。ここで、液状の粗C4留分が蒸留塔の上部3分の1に導入されて濃縮区域と蒸留分離区域を形成し、C3−炭化水素を含む頂部流、C4−オリゴマー及び−ポリマー及びC5+−炭化水素を含む底部流が蒸留塔から抜き出され、ガス状の精製された粗C4留分が蒸留分離区域から側部流として抜き出される。
この目的は、純粋な1,3−ブタジエンを粗C4留分から、選択性溶媒を使用する抽出蒸留によって単離する方法であって、以下の工程、
a)粗C4留分を予備蒸留塔に導入し、C3−炭化水素を含む低沸点留分を頂部流として抜き出し、ガス状のC4留分を側部流として抜き出し、第一の高沸点留分を底部流として抜き出す工程、
b)ガス状のC4留分を少なくとも1つの抽出塔中で選択性溶媒と接触させ、ブタン及びブテンを含む頂部留分、及び1,3−ブタジエン及び選択性溶媒を含む底部留分を得る工程、
c)粗1,3−ブタジエンを少なくとも1つのガス放出塔(回収塔)中で底部留分から脱着させ、ガス放出された選択性溶媒を得、且つそのガス放出された選択性溶媒を抽出塔に再循環させる工程、及び
d)粗1−3−ブタジエンの少なくとも一部を精製蒸留塔に供給し、第二の高沸点留分を分離し、ガス状の出口流(パージ流)を抜き出す工程、
を含む方法により、達成される。
a)粗C4留分を予備蒸留塔に導入し、C3−炭化水素を含む低沸点留分を頂部流として抜き出し、ガス状のC4留分を側部流として抜き出し、第一の高沸点留分を底部流として抜き出す工程、
b)ガス状のC4留分を少なくとも1つの抽出塔中で選択性溶媒と接触させ、ブタン及びブテンを含む頂部留分、及び1,3−ブタジエン及び選択性溶媒を含む底部留分を得る工程、
c)粗1,3−ブタジエンを少なくとも1つのガス放出塔(回収塔)中で底部留分から脱着させ、ガス放出された選択性溶媒を得、且つそのガス放出された選択性溶媒を抽出塔に再循環させる工程、及び
d)粗1−3−ブタジエンの少なくとも一部を精製蒸留塔に供給し、第二の高沸点留分を分離し、ガス状の出口流(パージ流)を抜き出す工程、
を含む方法により、達成される。
資本コストの理由から、1つの抽出塔を使用するのではなく、2つの塔を、それらが2倍の数の理論的棚段を有する塔に熱力学的に対応するように連結することが有利であり得る。抽出塔及びガス放出塔は各々、全体的に又は部分的に統合されて、統合された抽出及びガス放出塔にすることもできる。抽出塔及びガス放出塔に、(a)さらなる抽出塔(複数可)が先行する、及び/又は(a)さらなるガス放出塔(複数可)が続く、ことができる。統合された抽出及びガス放出塔の下流にさらなるガス放出塔が設置される場合、本明細書における統合された塔の場合は、抽出及び予備ガス放出塔(予備回収塔)を参照する。
精製蒸留塔からのパージ流は、予備蒸留塔からの蒸気と一緒に予備蒸留塔の頂部凝縮器を通って運ばれることが好ましい。これにより、精製蒸留塔中の微量の酸素の出口としての役目を果たし、精製蒸留塔中の酸素含有量を従来の酸素検出器の検出限界未満に下げるために、精製蒸留塔からのパージ流の体積流量を上昇させることができる。精製蒸留塔からのパージ流中に含まれる1,3−ブタジエンは予備蒸留塔の頂部凝縮器中で凝縮し、工程において保持される。
粗1,3−ブタジエンがガス放出塔からガス状形態で抜き出されてガス状形態で精製蒸留塔へ供給される場合、粗1,3−ブタジエンが脱着されるガス放出塔からの専用パージ流は不要となる。ここで、脱着された粗1,3−ブタジエンは部分的に凝縮され、粗1,3−ブタジエンの凝縮された部分は還流(runback)としてガス放出塔及び/又は以下に記載する後スクラビング圏に運ばれ、粗1,3−ブタジエンの他の部分はガス状形態で精製蒸留塔(純蒸留塔)に供給される。ガス状形態で抜き出された粗1,3−ブタジエンの体積流量は、酸素のための従来のパージ流の体積流量の何倍もある。このようにして、ガス放出塔中の酸素含有量は、従来の酸素検出器の検出限界未満に下げることができる。
液状の粗C4留分は、有利には、側部で予備蒸留塔に供給されて、入口の上方に位置する濃縮区域と入口の下方に位置する回収区域(蒸留分離区域)とを形成する。予備蒸留塔は好ましくは棚板塔である。棚板塔は、特に、30〜100個の実用棚板、又は特に好ましくは50〜70個の実用棚板を有する。側部入口は、上方に位置する棚板の数と下方に位置する棚板の数とを20:80〜80:20の比率で分割することが好ましい。
一実施形態では、底部留分は抽出及び予備ガス放出塔に導入される。抽出及び予備ガス放出塔の上方部分は蒸留分離区域(回収区域)として作用し、そこで、なお溶剤中に溶解しているブタン及びブテン、及び他の低沸点物も、動かして頂部で抜き出すことができる。抽出及び予備ガス放出塔からの頂部生成物は、抽出塔に供給し戻すことができる。1,3−ブタジエンと一緒に少量のメチルアセチレン、1,2−ブタジエン及びC5+−炭化水素を含む粗1,3−ブタジエンは、抽出及び予備ガス放出塔からの側部抜出流として抜き出すことができる。様々なC4成分、例えばビニルアセチレンなどをなお含む予備脱ガス溶媒は、抽出及び予備ガス放出塔の底部で得られる。抽出及び予備ガス放出塔は、例えば、20〜80℃の底部温度及び3〜6バールの圧力で運転することができる。
抽出及び予備ガス放出塔からの底部で得られた予備脱ガス溶媒は、選択性溶媒が1,3−ブタジエンに対するよりも高い親和性を有するさらなる炭化水素、例えばC4−アセチレンが脱着されるガス放出塔に運ばれるのが好ましい。ガス放出塔は、例えば120〜200℃の温度及び1.2〜6バールの圧力で運転することができる。
C4−アセチレンを含むガスは、好ましくはガス放出塔から側部抜出流として抜き出される。例えば、ガス放出塔から側部抜出流として抜き出されるC4−アセチレンを含むガスは、選択性溶媒を回収するためにアセチレン洗浄で水を用いて洗浄することができる。アセチレン洗浄はガス放出塔の側部塔として構成することができる。洗浄水は、例えば、ガス放出塔及び/又は抽出及び予備ガス放出塔に入れて、溶媒回路に再利用することができる。C4−アセチレンを含む洗浄ガスによって同伴される水蒸気は凝縮され、その全部又は一部がアセチレン洗浄に再循環され得る。
ガス放出塔でのみ脱着される1,3−ブタジエンのその部分を回収するために、ガス放出塔からの頂部生成物を圧縮して抽出及び予備ガス放出塔に再循環させることができる。ガス放出塔からの頂部生成物は、例えば直接冷却器によって、圧縮前に適切に冷却される。
回収された選択性溶媒がガス放出塔の底部で得られ、これをまず熱回収のために使用し、最終冷却後に、以下に記述するように抽出塔及び任意に後スクラビング圏に再循環させることができる。
一般に、粗1,3−ブタジエンは、後スクラビング圏において回収された選択性溶媒で処理される。これは、粗1,3−ブタジエンが精製蒸留塔に入る前に、粗1,3−ブタジエン中になお含まれているC4−アセチレンが洗い流されるという利点を有する。後スクラビング圏から流れ落ちる溶媒は、抽出及び予備ガス放出塔に導入することができる。
後スクラビング圏は、別個の塔、例えば、抽出及び予備ガス放出塔に割り当てられた側部塔によって形成されることができる。適切な実施形態では、後スクラビング圏は、塔の実質的に長手方向に延びる隔壁によって分離された抽出及び予備ガス放出塔の上方区域によって形成される。抽出及び予備ガス放出塔の上方領域には、次いで、隔壁が塔の長手方向に配置されて、抽出の役割を果たす第一の上方区域、後スクラビング圏を形成する第二の上方区域、及び底部で隔壁に隣接し脱着の役割を果たす第三の区域を形成する。隔壁は、後スクラビング圏の断面積が抽出圏の断面積よりも小さくなるように、非中心的に配置されることが好ましい。
粗1,3−ブタジエンの少なくとも一部は、精製蒸留塔に供給される。精製蒸留塔において、純粋な1,3−ブタジエンが単離されると共に、第二の高沸点留分が分離される。第二の高沸点留分は、精製蒸留塔の底部から抜き出される。さらに、精製蒸留塔からパージ流が抜き出される。精製蒸留塔からのパージ流は、実質的に微量の水蒸気、酸素及び不活性ガスを有する1,3−ブタジエンからなる。精製蒸留塔からのパージ流は、酸素及び不活性ガスを排出する役目を果たす。
精製蒸留塔は、例えば、40〜80℃の底部温度及び2〜8バールの圧力で運転することができる。
精製蒸留塔からのパージ流は精製蒸留塔の頂部で抜き出すことができ、純粋な1,3−ブタジエンは精製蒸留塔からの側部流として抜き出すことができる。このようにして、1,3−ブタジエン中の水の物理的溶解度よりも低い水含有量を有する純粋な1,3−ブタジエンを得ることができる。
有利な実施形態では、パージ流及び純粋な1,3−ブタジエンを精製蒸留塔からの頂部蒸気として一緒に抜き出し、純粋な1,3−ブタジエン及び水を頂部蒸気から凝縮させる。凝縮されない構成成分は、精製蒸留塔からパージ流として排出されるか、又は以下に記載するように再循環される。凝縮した純粋な1,3−ブタジエンの副流は、相分離後、ランバックとして精製蒸留塔へ導入され、他の部分は純粋な1,3−ブタジエンとして抜き出される。このようにして得られた純粋な1,3−ブタジエンの水含有量は、1,3−ブタジエン中の水の物理的溶解度に対応する。
本発明の方法の好ましい実施形態では、精製蒸留塔からのパージ流は予備蒸留塔からの蒸気と一緒に予備蒸留塔の頂部凝縮器を通って運ばれる。一般に、精製蒸留塔は予備蒸留塔よりも幾分低い圧力で運転される。次いで、パージ流は、精製蒸留塔から圧力勾配に逆らってパージ流を運ぶために、例えば送風機又は圧縮機によって、活発に運ばれる。精製蒸留塔からのパージ流は、例えば、頂部で予備蒸留塔に導入することができ、又は凝縮器への供給導管に導入することができる。この実施形態は、精製蒸留塔中の微量の酸素のためのパージ流としての役目を果たし、精製蒸留塔中の酸素含有量を従来の酸素検出器の検出限界未満に下げるために、精製蒸留塔からのパージ流の体積流量を広い範囲内で増加させることを可能にする。最後に、パージ流は酸素の出口の役目も果たす。これにより、精製蒸留塔中に存在する1,3−ブタジエンの重合傾向が低下し、その結果として、製造運転を今度はより長く維持することができる。精製蒸留塔からのパージ流中に含まれる1,3−ブタジエンは、この運転様式では失われない。予備蒸留塔の頂部凝縮器は、C3−炭化水素が頂部流として分離される一方、高級炭化水素が凝縮されて予備蒸留塔へのランバックとして導入されるように運転される。従って、1,3−ブタジエンは予備蒸留塔の頂部凝縮器中で物質収支当たり完全に凝縮し、予備蒸留塔に流入して、そこから側部流として抜き出されるガス状のC4留分の一部を形成する。
本発明の方法の好ましい実施形態では、第二の高沸点留分は、予備蒸留塔の下方区域に再循環される。第二の高沸点留分に任意に含まれる1,3−ブタジエンは、この運転様式では失われない。これは、精製蒸留塔の運転におけるさらなる自由度、例えば粗C4留分の組成の変化に柔軟に対応する機会を生み出し、プラントのエネルギー消費を最小限に抑える。精製蒸留塔の底部をより柔軟に加熱することが可能である。例えば、得られる純粋な1,3−ブタジエン中の高沸点不純物の含有量が増加することが判明した場合、精製蒸留塔の底部への熱供給を低下させることができる。これにより、高沸点物が精製蒸留塔においてあまり強く動かされなくなる。しかしながら、次いで1,3−ブタジエンがより強く動かされる。結果として、純粋な1,3−ブタジエンの含有量は、精製蒸留塔からの底部で増加する。しかしながら、塔の底部に集まる第二の高沸点留分は廃棄されずに、この好ましい実施形態では、予備蒸留塔の下方区域に再循環されるので、この1,3−ブタジエンの含有量は失われない。そうでなければ、精製蒸留塔の底部への熱供給が減少するときに典型的に生じる純粋な1,3−ブタジエンの損失は、よって、これにより回避される。時折底部加熱の調整を必要とする現実的な運転条件下では、これは、粗C4留分中に含まれる1,3−ブタジエンをベースとする、純粋な1,3−ブタジエンの純度を損うことのない、純粋な1,3−ブタジエンの収率のさらなる増加というさらなる利点を提供する。これにより、工程がより効率的になり、さらなる自由度があるので、工程はより簡易且つ柔軟に運転できるようになる。
さらに好ましい実施形態では、精製蒸留塔に供給される粗1,3−ブタジエンは、ガス状形態で抽出及び予備ガス放出塔から抜き出され、ガス状形態で精製蒸留塔に導入される。後スクラビング圏が設けられている場合には、抽出及び予備ガス放出塔から後スクラビング圏を通る精製蒸留塔への連続的なガス経路がある。粗1,3−ブタジエンは部分凝縮器中で部分的に凝縮され、粗1,3−ブタジエンの凝縮された部分はランバックとして塔又は後スクラビング圏へ供給される。粗1,3−ブタジエンの凝縮されない部分は、ガス状形態で精製蒸留塔に供給される。分子状酸素及び不活性ガスがガス状の粗1,3−ブタジエンと共に抜き出されるので、抽出及び予備ガス放出塔からのガス状のパージ流は、もはや必要ではない。ガス状形態で抜き出された粗1,3−ブタジエンの体積流量は、酸素及び不活性ガス用の従来のパージ流の体積流量の何倍もある。よって、抽出及び予備ガス放出塔中の酸素含有量は、従来の酸素検出器の検出限界未満に下げることができる。精製蒸留塔からのパージ流は、ガス状形態の粗1,3−ブタジエンを介して精製蒸留塔に導入された分子状酸素のための出口としての役目を果たす。よってこの実施形態は、精製蒸留塔からのパージ流が予備蒸留塔からの蒸気と一緒に予備蒸留塔の頂部凝縮器を通って運ばれる場合に、特に好ましい。そして精製蒸留塔への分子状酸素の追加導入は、精製蒸留塔の頂部で抜き出されるパージ流の量を増加させ、よってこれを介してより多くの分子状酸素を抜き出すことにより、特に経済的に補償できる。
さらなる好ましい実施形態では、抽出塔からのガス状のパージ流が提供される。出口は、凝縮器に又はその下流に、例えば蒸留物捕集器、すなわち抽出塔の頂部凝縮器で凝縮されない残りのガス構成成分が排出されるところに配置するのが好ましい。これらの凝縮されない構成成分は、実質的にブタン、ブテン、窒素などの不活性ガス、及び少量の分子状酸素からなる。抽出塔からのパージ流は、ガス放出塔で脱着されてC4−アセチレンを含むガスを希釈するために有利に使用することができる。
底部留分14は、抽出及び予備ガス放出塔K3の上方区域15に供給される。粗1,3−ブタジエンのかなりの部分は、抽出及び予備ガス放出塔K3の下方区域18において脱着される。粗1,3−ブタジエンを、C4−アセチレンを分離するために、回収された選択性溶媒23と後スクラビング圏において接触させる。後スクラビング圏は、塔の実質的に長手方向に延びる隔壁によって分離される、抽出及び予備ガス放出塔K3の上方区域16である。抽出及び予備ガス放出塔K3の最上部で、後スクラビング圏のすぐ上に位置する洗浄区域から排出された粗1,3−ブタジエン19は、凝縮器20で部分的に凝縮される。粗1,3−ブタジエンの凝縮部分21は、ランバックとして洗浄区域に運ばれ、ランバックはそこを通って後スクラビング圏に流れこむ。粗1,3−ブタジエンの他の部分22は、ガス状形態で精製蒸留塔K5に供給される。抽出及び予備ガス放出塔K3の底部は、気化器25によって加熱される。
抽出及び予備ガス放出塔K3の頂部で区域15から排出されるブタン及びブテンを含むガス17は、抽出塔K2の下方区域に運び戻される。熱力学的には、抽出及び予備ガス放出塔K3の区域15及び抽出塔K2は一緒に単独の抽出塔に対応し、これは塔の高さが理由で、垂直に2つに分割されている。
抽出及び予備ガス放出塔K3の底部からの予備脱気された溶媒は、流れ26としてガス放出塔K4にさらに運ばれる。ガス放出塔K4において、さらなる粗1,3−ブタジエンが脱着され、これが導管27、直接冷却器K6、圧縮装置31及び導管24を介して、抽出及び予備ガス放出塔K3の下方区域に運ばれる。冷却媒体は、導管29及び30を介して導入及び排出される。実質的に選択性溶媒の成分、例えば水及びNMPからなる本質的な凝縮物は、冷却媒体としての役目を果たす。ガス放出塔K4の底部は、気化器37によって加熱される。
C4−アセチレンを含むガス28は、ガス放出塔K4から側部抜出流として抜き出される。アセチレン洗浄K7において、C4−アセチレンを含むガス28は、導管36を介して導入される水で洗浄される。アセチレン洗浄K7の最上部で得られた流れ32は、抽出塔K2からのパージ流13で希釈される。凝縮した構成成分は凝縮器33で凝縮されて、ランバック35としてアセチレン洗浄K7に部分的に導入することができる。残りは実質的に工程廃水である。凝縮されない構成成分は、流れ34(希釈されたアセチレン流)として排出される。
精製蒸留塔K5において、第二の高沸点留分43が粗1,3−ブタジエン22から分離される。蒸気は凝縮器39に導入される。蒸気の凝縮されない部分は、パージ流38を形成する。純粋な1,3−ブタジエンは、凝縮物として凝縮器39において得られ、流れ40として抜き出される。副流はランバックとして、蒸留塔K5に導入される。精製蒸留塔K5の底部は、気化器42によって加熱される。
比較例2
先行技術による方法をシミュレートした。粗C4留分の組成及び純粋な1,3−ブタジエンの目標規格は、実施例1と同じであった。ベースとして使用したプラントは、WO2013/083536A1に従った先行する蒸留塔を有しており、隔壁2を備えた予備蒸留塔K1の代わりに、液状の粗C4留分を供給した。精製蒸留塔から予備蒸留塔への高沸点留分の再循環は行わなかった。
先行技術による方法をシミュレートした。粗C4留分の組成及び純粋な1,3−ブタジエンの目標規格は、実施例1と同じであった。ベースとして使用したプラントは、WO2013/083536A1に従った先行する蒸留塔を有しており、隔壁2を備えた予備蒸留塔K1の代わりに、液状の粗C4留分を供給した。精製蒸留塔から予備蒸留塔への高沸点留分の再循環は行わなかった。
1 液状の粗C4留分(WO2013/083536A1の図1の参照符号1)
2 蒸気状の精製された粗C4留分(WO2013/083536A1の図1の参照符号4)
3 上流の蒸留塔から得られた底部流(WO2013/083536A1の図1の参照符号3)
4 精製蒸留で得られた底部流
2 蒸気状の精製された粗C4留分(WO2013/083536A1の図1の参照符号4)
3 上流の蒸留塔から得られた底部流(WO2013/083536A1の図1の参照符号3)
4 精製蒸留で得られた底部流
この方法では、廃棄される2つのC5+−含有高沸点流が得られた:上流の蒸留塔からの底部流及び精製蒸留で得られる底部流である。約43kg/hの1,3−ブタジエンの損失があった。比較例2の上流の蒸留塔では、ほんのわずかな割合のC5+成分のみが分離された(55%)。はるかに高い割合のC5+成分が、ガス状の精製された粗C4留分を介して抽出塔に運ばれた。
Claims (5)
- 純粋な1,3−ブタジエンを粗C4留分から選択性溶媒を用いる抽出蒸留によって単離する方法であって、以下の工程、
a)液状の粗C4留分を予備蒸留塔の流入領域に導入し、前記予備蒸留塔は当該予備蒸留塔の実質的に長手方向に配置された隔壁によって中間部で前記流入領域と側部抜出領域とに分割され、C3−炭化水素を含む第一の低沸点留分を頂部流として抜き出し、ガス状のC4留分を側部流として前記側部抜出領域から抜き出し、第一の高沸点留分を底部流として抜き出す工程、
b)前記ガス状のC4留分を少なくとも1つの抽出塔中で選択性溶媒と接触させ、ブタン及びブテンを含む頂部留分、及び1,3−ブタジエン及び選択性溶媒を含む底部留分を得る工程、
c)粗1,3−ブタジエンを少なくとも1つのガス放出塔中で前記底部留分から脱着させ、ガス放出された選択性溶媒を得、且つ前記ガス放出された選択性溶媒を前記抽出塔に再循環させる工程、及び
d)前記粗1−3−ブタジエンの少なくとも一部を精製蒸留塔に供給し、第二の高沸点留分を分離し、ガス状のパージ流を抜き出して、第二の高沸点留分を前記予備蒸留塔の下方区域に再循環させる工程、
を含む方法。 - 前記精製蒸留塔からの前記パージ流が前記予備蒸留塔からの蒸気と一緒に前記予備蒸留塔の頂部凝縮器を通って運ばれる、請求項1に記載の方法。
- 前記粗1,3−ブタジエンを、後スクラビング圏でガス放出された選択性溶媒と接触させる、請求項1又は2に記載の方法。
- 前記脱着された粗1,3−ブタジエンを部分的に凝縮し、前記粗1,3−ブタジエンの凝縮された部分を還流として前記回収塔及び/又は前記後スクラビング圏に運び、前記粗1,3−ブタジエンの他の部分をガス状形態で前記精製蒸留塔に供給する、請求項2又は3に記載の方法。
- 前記ガス状のC4留分を前記選択性溶媒と、抽出塔において、及び抽出及び予備ガス放出塔の上方区域において接触させ、前記粗1,3−ブタジエンを、前記抽出及び予備ガス放出塔の下方区域及びガス放出塔で底部留分から脱着させる、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
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