JP2020504075A - 免疫チェックポイント阻害剤pd−1及びpd−l1に対する抗体治療をモニタリングするためのイムノアッセイ及び操作されたタンパク質 - Google Patents

免疫チェックポイント阻害剤pd−1及びpd−l1に対する抗体治療をモニタリングするためのイムノアッセイ及び操作されたタンパク質 Download PDF

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Abstract

PD1(プログラム細胞死タンパク質-1)の細胞外ドメイン、及び/又はPD-L1(プログラム細胞死リガンド1タンパク質(CD274又はB7-H1))タンパク質の細胞外ドメインを含む融合タンパク質。細胞外ドメインの部分は、特異的な形状で発現し、タンパク質として精製され、このようなタンパク質に対する生物学的治療抗体の循環レベルをモニタリングするためにイムノアッセイで使用される。患者から得られた生体サンプル中の生物学的治療抗体の循環レベルの量を決定する方法であって、患者が免疫療法の投与を少なくとも1回受けたことのある、方法についても記載される。

Description

本出願は、PD-1(プログラム細胞死1タンパク質)の細胞外ドメインを含む融合タンパク質、及び/又はPD-L1(プログラム細胞死リガンド1タンパク質)(CD274又はB7-H1)の細胞外ドメインを含む融合タンパク質に関する。細胞外ドメインの部分は、特異的な形状で発現し、タンパク質として精製され、このようなタンパク質に対する生物学的治療抗体の循環レベルをモニタリングするためにイムノアッセイで使用される。患者から得られた生体サンプル中の治療抗体を検出及びモニタリングする方法であって、患者が免疫療法の投与を少なくとも1回受けたことのある、前記方法についても本明細書に記載される。
プログラム細胞死1(PD-1)受容体は、最も試験されている免疫チェックポイント標的の1つであり、T細胞、B細胞、ナチュラルキラー(NK)/ナチュラルキラーT(NKT)細胞等を含む、活性化した免疫細胞型の表面で発現している1。PD-1及びPD-L1を標的とする複数の治療用モノクロナール抗体(mAb)が市販されており、またFDA及びEMAでレビューされている従来型の二重特異性mAbの数は少なくない。
PD-1は、T細胞活性の負の制御因子であり、腫瘍表面でPD-1がそのリガンドの1つであるPD-L1と相互作用すると、チェックポイントの遮断が生じ、有効な免疫応答を生み出す活性化T細胞の能力を減少させる。腫瘍細胞表面で高レベルのPD-L1が発現すると、細胞障害活性を含む、T細胞機能を抑制することによる抗腫瘍応答の回避が可能となる。PD-1又はPD-L1を標的とする治療抗体は、リガンド-受容体相互作用を遮断し、腫瘍微環境に対する免疫機能を復元する。このようなmAbの使用により多くのがん型にわたり刺激的な臨床応答がもたらされ、今日、臨床開発段階に達したこのようなmAbの数は日増しに増加している。
がん細胞により活性化された免疫学的チェックポイントの遮断を標的とするその新規性に起因して、このようなmAbを投与するための最適用量及びスケジュール、並びにこのようなパラメーターを決定するのに必要とされるツールが十分に開発されていない。一方、現行の抗PD-1 mAb療法レジメンは有望な結果を示しているものの、有効性を高め、コストを削減するためのより正確で個別化された投与レジメンを定義することが必要である。定常状態の抗体レベルは、同一の抗体レジメンについて10倍まで、また治療量以下での投与が使用される場合には更に大きく変化し得る2-4。このような試験は、コスト負荷及び有害事象発生率を減少させつつ、治療を最適化し得る。多数の免疫調節性mAbが、FDA及びEUによるレビューの対象となっており、その多くはファスト・トラックの基準を満たしているが、PD-1及びPD-L1標的mAbの循環レベルを測定する試験法の必要性が更に重視されている。開発中のイムノアッセイは、特に(1)適応疾患内及び適応疾患間の両方において定常状態のmAbレベルに認められる全体的な変動2-4、及び(2)このような療法下の患者に認められる進行状態の相違1,3,5を踏まえ、治療レジメンの有効な指針を提供する。
抗PD-1及び抗PD-L1レベルを測定することは、異なる腫瘍又は分子病理学について最適用量を決定する際だけでなく、寛解後に生ずることが知られている有害事象が循環レベルによって説明又は予測され得るか評価するためにも重要性となり得る。モニタリングプログラムが現在のところ存在しないので、未だ対処されていない必要性が存在し、また投与スケジュールを評価及び決定し、並びに不必要な免疫毒性及びコストを除去するのにより多くのデータが必要とされる。
ニボルマブは、ヒト化IgG4抗PD-1 mAbである。ニボルマブは、チェックポイント阻害剤として働き、活性化T細胞によるがんへの攻撃を阻止する負の制御因子を遮断し、従って免疫系によるがんの排除を可能にする。ニボルマブは、Medarex社で発見され、Medarex社及びOno Pharmaceutical社により開発され、Bristol-Myers Squibb社(2009年にMedarexを買収)及びOno社により市販された。
ニボルマブ(Opdivo(登録商標))は、がんを治療するのに使用される生物学的治療用mAbであり、また日本当局により2014年に6、FDAによってやはり2014年に7初めて承認された。ニボルマブは、手術不能又は転移性の皮膚メラノーマのためのフロントライン治療として用いられる。がんがBRAF内に突然変異を有する又は有しない場合、ニボルマブは、イピリムマブ(CTLA-4、細胞傷害性Tリンパ球関連タンパク質4に対するmAb)と組み合わせて差次的に使用される。ニボルマブは、扁平上皮非小細胞肺がん(NSCLC)のためのセカンドライン治療8、及び腎細胞がんのためのセカンドライン治療9として使用されるものと考えられ、2016年5月には、不応性の古典的ホジキンリンパ腫9について承認された。その他の多くのがんについても試験されており、大幅に用途が拡大される可能性がある。
Merck社は、やはりPD-1に対するIgG4クラスmAbである類似したmAb療法薬ペンブロリズマブ(Keytruda)を製造し、やはり2014年に承認された。2017年現在、ペンブロリズマブは、特定の状況において手術不能又は転移性メラノーマ、転移性NSCLCを治療するために、また頭部及び頸部扁平上皮がん、難治性の古典的ホジキンリンパ腫のためのセカンドライン治療として、静脈内輸液で使用されている。NSCLCでは、がんがPD-L1を過剰発現し、がんがEGFR又はALK内に突然変異を有さない場合、ペンブロリズマブがファーストライン治療である;PD-L1の評価は、妥当性確認及び承認されたコンパニオン診断により実施されなければならない。更に、ペンブロリズマブは、標的組織ではなくバイオマーカー(PD-1)の存在に基づきFDAにより承認された最初の薬物である10。多くのその他の抗PD-1及び抗PD-L1生物学的治療抗体がクリニックにおいて今日用いられ、それには、代替的フォーマット、例えば二重特異性抗体、DART(稀な腫瘍におけるデュアル抗CTLA-4及び抗PD-1遮断薬)、及びBite(二重特異性T細胞エンゲージャー)等が含まれる。
反対に、PD-L1の上方制御は、がんが宿主免疫系を回避するのを可能にし、腫瘍がPD-L1を高レベルで発現すると、それに関連して腫瘍侵襲性が高まり、死亡リスクが4.5倍高まる11。治療用としてすでに承認済みのPD-L1阻害剤に付加して、多くのPD-L1が免疫腫瘍学療法として開発されており、またアテゾリズマブ及びアベルマブを含め、臨床治験において有望な結果を示している。
このような薬物は、がん細胞に対しより積極的に攻撃し、それを殺傷することができるT細胞の有効性を高める。ニボルマブの場合、場合によっては、肺、結腸、肝臓、腎臓、及び甲状腺の免疫関連の炎症を含む重度の副作用;並びに皮膚、中枢神経系、心臓、及び消化器系に対する影響が認められる12。ペンブロリズマブの場合、患者は、重度の輸液関連反応、並びに肺炎症(致命的な場合もある)、及び炎症を引き起こした内分泌器官の炎症(脳下垂体、甲状腺(異なる患者において甲状腺機能低下症及び甲状腺機能亢進症の両方を引き起こす)、並びに1型糖尿病及び糖尿病性ケトアシドーシスを引き起こした膵炎)を含む副作用を発症し、その結果、一部の患者ではホルモン療法(例えば、インスリン療法又は甲状腺ホルモン)の終身的施療を引き起こした。患者は、mAb薬に起因する結腸、肝臓、及び腎臓の炎症も発症した13。多くのその他の症状及び倦怠感が両者について報告されている。
このような副作用を示す患者は、mAb薬を休薬し、次に副作用が緩和すれば/したとき、薬物を再開する。患者内のレベルがモニタリングされる場合、使用される用量を漸減する又は大幅に削減することが可能である。しかし、現在のところ、循環性mAb薬レベルを試験するのに利用可能なモニタリングアッセイは存在せず、またこのような試験のための抗原も認可されていない。
Goodman, Patel & Kurzrock, PD-1-PD-L1 immune-checkpoint blockade in B-cell lymphomas, Nature Reviews Clinical Oncology, 14:203-220,2017. Elassaiss-Schaap et al., Using Model-Based "Learn and Confirm" to Reveal the Pharmacokinetics-Pharmacodynamics Relationship of Pembrolizumab in the KEYNOTE-001 Trial CPT Pharmacometrics Syst. Pharmacol. (2017) 6,21-28;doi:10.1002/psp4.12132. Agrawal et al. Nivolumab dose selection: challenges, opportunities, and lessons learned for cancer immunotherapy. Journal for ImmunoTherapy of Cancer (2016) 4:72 DOI 10.1186/s40425-016-0177-2 Gardiner et al., A Randomized, Double-Blind, Placebo-Controlled Assessment of BMS-936558, a Fully Human Monoclonal Antibody to Programmed Death-1 (PD-1), in Patients with Chronic Hepatitis C Virus Infection. PLoS ONE, https://doi.org/10.1371/journal.pone.0063818 2013. Zheng et al., Level of circulating PD-L1 expression in patients with advanced gastric cancer and its clinical implications. Chin Journal of Cancer Research, 26, 104-111, 2014. Ono Pharmaceutical Co. Ltd. (2014), Human Anti-human PD-1 Monoclonal Antibody "OPDIVO(登録商標) Intravenous Infusion 20 mg/100 mg" Receives Manufacturing and Marketing Approval in Japan for the Treatment of Unresectable Melanoma [press release]. Retrieved from http://www.ono.co.jp/eng/news/pdf/sm_cn140704.pdf.] Bristol-Meyers Squibb (2016), Opdivo(登録商標) (nivolumab) Granted First Approval of a PD-1 Inhibitor in Hematology for the Treatment of Classical Hodgkin Lymphoma Patients Who Have Relapsed or Progressed After Auto-HSCT and Post-transplantation Brentuximab Vedotin by the FDA1 [press release]. Retrieved from https://news.bms.com/press-release/cancer/opdivo-nivolumab-granted-first-approval-pd-1-inhibitor-hematology-treatment-cla Federal Drug Administration (2014), FDA expands approved use of Opdivo to treat lung cancer, [press announcement]. Retrieved from https://www.fda.gov/NewsEvents/newsroom/ PressAnnouncements/ucm436534.htm Federal Drug Administration (2015), FDA approves Opdivo to treat advanced form of kidney cancer, [press announcement]. Retrieved from https://www.fda.gov/NewsEvents/Newsroom/ PressAnnouncements/ucm473971.htm Federal Drug Administration (2017),FDA grants accelerated approval to pembrolizumab for first tissue/site agnostic indication [press announcement]. Retrieved from https://www.fda.gov /Drugs/InformationOnDrugs/ApprovedDrugs/ucm560040.htm Thompson RH, Gillett MD, Cheville JC, Lohse CM, Dong H, Webster WS, Krejci KG, Lobo JR, Sengupta S, Chen L, Zincke H, Blute ML, Strome SE, Leibovich BC, Kwon ED (2004). Costimulatory B7-H1 in renal cell carcinoma patients: Indicator of tumor aggressiveness and potential therapeutic target. PNAS USA. 101 (49): 17174-9. doi:10.1073/pnas.0406351101 Opdivo (package insert), Bristol-Meyers Squibb, New York, NY; 2017. Pembrolizumab (package insert), Merck, Kelinworth, NJ; 2017.
本出願は、プログラム細胞死1(PD-1)タンパク質及びプログラム細胞死-リガンド(PD-L1)タンパク質と関連する融合タンパク質を提供する。融合タンパク質は、診断アッセイにおける機能を改善するために、天然タンパク質の改変を含む組換えタンパク質及び/又は異なる特性を有する別のドメインから構成される融合タンパク質であり得る。
本明細書に記載する1つの態様は、オリゴマー形成ドメインに融合したPD-1タンパク質を含む組換えタンパク質を提供する。本明細書に記載する別の態様は、オリゴマー形成ドメインに融合したPD-1タンパク質を含む融合タンパク質を提供する。本明細書に記載する別の態様は、オリゴマー形成ドメインに融合したPD-L1タンパク質を含む組換えタンパク質を提供する。本明細書に記載する別の態様は、オリゴマー形成ドメインに融合したPD-L1タンパク質を含む融合タンパク質を提供する。本明細書に記載するなおも別の態様は、オリゴマー形成ドメインに融合したPD-1及びPD-L1タンパク質を含む融合タンパク質を提供する。いくつかの実施形態では、融合タンパク質は、組換えタンパク質である。
PD-1及び/又はPD-L1タンパク質は、複数の種又は単一の種に由来し得る。1つの態様では、PD-1及び/又はPD-L1タンパク質は、ヒトPD-1及び/又はヒトPD-L1タンパク質である。別の態様では、融合タンパク質は、PD-1及び/又はPD-L1タンパク質の細胞外ドメイン又はその断片を含む。1つの実施形態では、融合タンパク質は、PD-1の細胞外ドメインの免疫グロブリン様ドメインを含む。別の実施形態では、融合タンパク質は、PD-L1の細胞外ドメインの免疫グロブリン様ドメインを含む。
PD-1及び/又はPD-L1細胞外ドメイン又はその断片は、様々な改変されたタンパク質又はペプチドを含み得る。改変は、PD-1及びPD-L1の機能を変化させない限り、野生型PD-1及び/又はPD-L1における少なくとも1つのアミノ酸の置換、欠損、又は付加であり得る。そのような様々なタンパク質又はペプチドは、野生型タンパク質に対して70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、又は99%の配列相同性を有し得る。
本明細書に記載する融合タンパク質は、PD-1又はPD-L1タンパク質の細胞外ドメイン又はその断片、及びオリゴマー形成ドメインを含む。
いくつかの態様では、本明細書に記載する融合タンパク質は、PD-1タンパク質の細胞外ドメイン又はその断片、及びオリゴマー形成ドメインを含み、前記オリゴマー形成ドメインは、マウスIgG1 Fcドメイン、マウスIgG2A Fcドメイン、GCN4三量体ドメイン、クラスリン三量体ドメイン、及びp53四量体ドメイン、又はその断片からなる群から選択される。
その他の態様では、本明細書に記載する融合タンパク質は、PD-L1タンパク質の細胞外ドメイン又はその断片、及びオリゴマー形成ドメインを含み、前記オリゴマー形成ドメインは、マウスIgG1 Fcドメイン、マウスIgG2A Fcドメイン、GCN4三量体ドメイン、クラスリン三量体ドメイン、及びp53四量体ドメイン、又はその断片からなる群から選択される。
本明細書に記載するオリゴマー形成ドメインは、クラスリン、GCN4三量体形成ドメイン、p53四量体形成ドメイン、及び五量体ドメインからなる群から選択されるドメインを含み得る。いくつかの態様では、オリゴマー形成ドメインは、Fcドメイン、Fcドメインの断片、及びFcドメインのバリアントを含み得る。1つの実施形態では、PD-1及び/又はPD-L1タンパク質は、前記Fcドメイン又はその断片のC末端に融合している。別の実施形態では、PD-1及び/又はPD-L1タンパク質は、前記Fcドメイン又はその断片のN末端に融合している。1つの実施形態では、Fcドメインは、ヒト又はマウス免疫グロブリンのドメインであり得る。別の実施形態では、オリゴマー形成ドメインは、マウスIgG1又はマウスIgG2AのFc断片又はその断片を含み得る。
いくつかの態様では、本明細書に記載する融合タンパク質のオリゴマー形成ドメインは、マウスIgG1 Fcドメイン又はマウスIgG2A Fcドメインである。いくつかの態様では、マウスIgG1 Fcドメイン又はマウスIgG2A Fcドメインは、ヒンジ領域を含む。
本明細書に記載するPD-1タンパク質の細胞外ドメイン又はその断片、及びオリゴマー形成ドメインを含む融合タンパク質は、ヒンジ領域を含むマウスIgG1 Fcドメイン又はマウスIgG2A Fcドメインを含み得る。
本明細書に記載するPD-L1タンパク質の細胞外ドメイン又はその断片、及びオリゴマー形成ドメインを含む融合タンパク質は、ヒンジ領域を含むマウスIgG1 Fcドメイン又はマウスIgG2A Fcドメインを含み得る。
本明細書に記載する融合タンパク質は、より高次の構造、例えばタンパク質又は多量体複合体等の一部であり得る。これは、多量体形成ドメインを有するタンパク質の意図的な設計を通じてもよく、また組換えタンパク質の予期せぬ特性により本質的であってもよい。いくつかの態様では、PD-1及び/又はPD-L1タンパク質又はその断片は、1つ又は複数のペプチドリンカーを介してオリゴマー形成ドメインに融合している。いくつかの態様では、PD-1タンパク質の細胞外ドメイン又はその断片は、1つ又は複数のペプチドリンカーを介してオリゴマー形成ドメインに融合している。いくつかの態様では、PD-L1タンパク質の細胞外ドメイン又はその断片は、1つ又は複数のペプチドリンカーを介してオリゴマー形成ドメインに融合している。いくつかの態様では、PD-1及び/又はPD-L1タンパク質は、1つ又は複数のペプチドリンカーを介してFcドメイン又はその断片に融合している。いくつかの態様では、本明細書に記載する融合タンパク質において、PD-1タンパク質の細胞外ドメイン又はその断片は、アミノ酸のグリシン及びセリンを含む1つ若しくは複数のflexリンカーを介して、又はアミノ酸のグリシン、プロリン、及びセリンを含む1つ若しくは複数のflex proリンカーを介してオリゴマー形成ドメインに融合している。いくつかの態様では、前記1つ又は複数のペプチドリンカーは、配列番号4又は配列番号5に定めるアミノ酸配列を含む。いくつかの態様では、本明細書に記載する融合タンパク質において、PD-L1タンパク質の細胞外ドメイン又はその断片は、アミノ酸のグリシン及びセリンを含む1つ若しくは複数のflexリンカー、又はアミノ酸のグリシン、プロリン、及びセリンを含む1つ若しくは複数のflex proリンカーを介してオリゴマー形成ドメインに融合している。いくつかの態様では、前記1つ又は複数のペプチドリンカーは、配列番号4又は配列番号5に定めるアミノ酸配列を含む。
いくつかの実施形態では、融合タンパク質は、配列番号14〜27又は配列番号29〜30に定めるアミノ酸配列を含み得る。
その他の本発明の態様は、シグナル配列を更に含む本明細書に記載する融合タンパク質を含み、前記シグナル配列は、PD-1タンパク質の細胞外ドメイン又はその断片のN末端に融合している。本発明のその他の態様は、シグナル配列を更に含む本明細書に記載する融合タンパク質を含み、前記シグナル配列は、PD-L1タンパク質の細胞外ドメイン又はその断片のN末端に融合している。
いくつかの態様では、シグナル配列は、配列番号3に定めるアミノ酸配列を含む。その他の態様では、シグナル配列のアミノ酸配列は、配列番号3に定めるアミノ酸配列と少なくとも70%の相同性を共有する。
本発明のいくつかの態様では、本明細書に記載する融合タンパク質は、PD-1の細胞外ドメインを含み、そのアミノ酸配列は、配列番号1の残基21〜170、21〜145、33〜170、33〜145、35〜170、又は35〜145からなるアミノ酸配列と少なくとも70%の相同性を共有する。いくつかの態様では、融合タンパク質は、PD-1の細胞外ドメインを含み、そのアミノ酸配列は、配列番号1の残基21〜170からなるアミノ酸配列と少なくとも70%の相同性を共有する。いくつかの態様では、融合タンパク質は、PD-1の細胞外ドメインを含み、そのアミノ酸配列は、配列番号1の残基21〜170から構成される。
本発明のその他の態様では、本明細書に記載する融合タンパク質は、PD-L1の細胞外ドメインを含み、そのアミノ酸配列は、配列番号2の残基18〜239、18〜238、18〜225、18〜134、18〜127、19〜239、19〜238、19〜225、19〜134、19〜127、133〜225、133〜238、又は133〜239からなるアミノ酸配列と少なくとも70%の相同性を共有する。いくつかの態様では、融合タンパク質は、PD-L1の細胞外ドメインを含み、そのアミノ酸配列は、配列番号2の残基18〜239からなるアミノ酸配列と少なくとも70%の相同性を共有する。いくつかの態様では、融合タンパク質は、PD-L1の細胞外ドメインを含み、そのアミノ酸配列は配列番号2の残基18〜239から構成される。
なおも別の態様では、本明細書に記載する融合タンパク質は、PD-1の細胞外ドメインを含み、そのアミノ酸配列は、配列番号12に定めるアミノ酸配列と少なくとも70%の相同性を有する配列を含む。
なおも別の態様では、本明細書に記載する融合タンパク質は、PD-L1の細胞外ドメインを含み、そのアミノ酸配列は、配列番号22に定めるアミノ酸配列と少なくとも70%の相同性を有する配列を含む。
本発明による融合タンパク質は、PD-1の細胞外ドメイン又はその断片、及びオリゴマー形成ドメインを含み得るが、そのアミノ酸配列は、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10、配列番号11、及び配列番号28からなる群から選択される。
本発明による融合タンパク質は、PD-L1の細胞外ドメイン又はその断片、及びオリゴマー形成ドメインを含み得るが、そのアミノ酸配列は、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10、配列番号11、及び配列番号28からなる群から選択される。
いくつかの態様では、本明細書に記載する融合タンパク質のアミノ酸配列は、配列番号14、配列番号15、配列番号16、配列番号17、配列番号18、配列番号19、配列番号20、及び配列番号29からなる群から選択される。いくつかの態様では、本明細書に記載する融合タンパク質のアミノ酸配列は、配列番号14、配列番号15、配列番号16、配列番号17、配列番号18、配列番号19、配列番号20、又は配列番号29に定めるアミノ酸配列と少なくとも70%の相同性を共有するアミノ酸配列からなる群から選択される。
いくつかの態様では、本明細書に記載する融合タンパク質のアミノ酸配列は、配列番号21、配列番号22、配列番号23、配列番号24、配列番号25、配列番号26、配列番号27、及び配列番号30からなる群から選択される。いくつかの態様では、本明細書に記載する融合タンパク質のアミノ酸配列は、配列番号21、配列番号22、配列番号23、配列番号24、配列番号25、配列番号26、配列番号27、又は配列番号30に定めるアミノ酸配列と少なくとも70%の相同性を共有するアミノ酸配列からなる群から選択される。
本発明のいくつかの態様は、PD-1が組換えPD-1である本明細書に記載する融合タンパク質に関する。本発明のなおもその他の態様は、PD-1が組換えヒトPD-1である本明細書に記載する融合タンパク質に関する。
本発明のいくつかの態様は、PD-L1が組換えPD-L1である本明細書に記載する融合タンパク質に関する。本発明のなおもその他の態様は、PD-L1が組換えヒトPD-L1である、本明細書に記載する融合タンパク質に関する。
本明細書に記載する1つの態様は、組換え融合タンパク質をコードする核酸、該核酸を含むベクター、及び該ベクターを含む宿主細胞を提供する。1つの実施形態では、ベクターは、シグナルペプチド配列と連結した核酸分子をコードする。
本明細書に記載する別の態様は、
(a)宿主細胞に融合タンパク質をコードする核酸分子をトランスフェクトする工程であって、前記核酸分子が、
i)PD-1ペプチド及び/若しくはPD-L1ペプチドの細胞外ドメインをコードするヌクレオチド配列と連結しているヒト若しくはマウスIgGのFcドメインをコードするヌクレオチド配列と、前記PD-1ペプチド及び/若しくはPD-L1ペプチドの細胞外ドメインのN末端において融合している、又は
ii)ヒト若しくはマウス若しくはその他の哺乳動物のIgGのFcドメインをコードするヌクレオチド配列と連結しているPD-1ペプチド及び/若しくはPD-L1ペプチドをコードするヌクレオチド配列と、前記FcドメインのN末端において融合している
シグナルペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む、工程と、
(b)前記宿主細胞内で(a)の核酸分子を発現させることにより、前記融合タンパク質を作製する工程と
を含むPD-1タンパク質及び/又はPD-L1タンパク質の細胞外ドメインを含む融合タンパク質を作製する方法を提供する。1つの実施形態では、細胞外ドメインはリンカーを介してFcドメインに融合している。リンカーは、配列番号4又は配列番号5であり得る。本明細書に記載する別の態様は、PD-1及び/又はPD-L1タンパク質の細胞外ドメインを含む融合タンパク質を作製する方法を提供し、前記方法は、(a)宿主細胞に本明細書に記載する融合タンパク質をコードする核酸分子をトランスフェクトする工程と、(b)前記宿主細胞内で(a)の核酸分子を発現させることにより、前記融合タンパク質を作製する工程とを含む。
融合タンパク質の組換え製造では、多種多様な発現ベクターが、一般的な分子クローニングプロトコールに基づき構築可能である。ベクターコンポーネントとして、発現したタンパク質を分泌させるためのシグナル配列、真核細胞において安定な細胞系統をスクリーニングするための選択マーカー遺伝子を含む1つ又は複数のマーカー遺伝子、複製開始点、エンハンサーエレメント、プロモーター、転写終結配列、ポリAシグナル、インシュレーター等のうちの1つ又は複数が一般的に挙げられるが、但しこれらに限定されない。
PD-1及び/又はPD-L1又はその断片、及びオリゴマー形成ドメインを含む融合タンパク質を含む組成物も本明細書に提供される。本明細書に記載するPD-1及び/又はPD-L1又はその断片、及びオリゴマー形成ドメインを含む融合タンパク質を含む組成物を作製する方法が本明細書に更に提供される。融合タンパク質又は組成物を含むキットも提供される。
更に、融合タンパク質を抗原として使用して抗体をバイオモニタリングする方法が本明細書に提供される。本明細書に記載する融合タンパク質は、治療抗体をバイオモニタリングするための抗原として機能することができる。抗体として、抗PD-1(例えば、ニボルマブ及びペンブロリズマブ等)、及び/又は抗PD-L1抗体(アテゾリズマブ及びアベルマブ)が挙げられる。
本明細書に記載する1つの態様は、PD-1及び/又はPD-L1により媒介される疾患を診断、モニタリング、又はステージ分類する方法であって、免疫療法の投与を少なくとも1回受けたことのある患者から得られたサンプルを、本明細書に開示する融合タンパク質と接触させる工程を含む、方法を提供する。
本明細書に記載する1つの態様は、治療用抗PD-1及び/又は抗PD-L1抗体の有効性を判断する方法であって、免疫療法の投与を少なくとも1回受けたことのある患者から得られたサンプルを、本明細書に開示する融合タンパク質と接触させる工程を含む、方法を提供する。
本明細書に記載する別の態様は、免疫療法を患者に提供する方法であって、前記患者に治療抗体を投与する工程、並びに抗PD-1及び/又は抗PD-L1治療抗体の有無を検出する工程を含む、方法を含む。このような方法は、抗体に基づく療法の有効性をモニタリングするのに利用可能であるものと想定される。
本明細書に記載する別の態様は、抗PD-1及び/又は抗PD-L1治療抗体を測定することにより、PD-1及び/又はPD-L1により媒介される疾患を検出及び/又はモニタリングする方法を含む。いくつかの態様では、方法は、患者から得られたサンプルを本明細書に記載する融合タンパク質と接触させる工程を含む。いくつかの態様では、患者は治療抗体を用いた免疫療法コースを受けたことがある。
いくつかの態様では、本発明は、ニボルマブ、ペンブロリズマブ、及びその他の抗PD-1療法からなる群から選択される生物学的治療抗体の循環レベルの量を決定する方法であって、(i)抗体治療を受けている患者からサンプルを取得する工程と、(ii)前記サンプルを本明細書に記載する融合タンパク質と接触させる工程とを含む、方法に関する。
いくつかの態様では、本発明は、アテゾリズマブ、アベルマブ、及びその他の抗PD-L1療法からなる群から選択される生物学的治療抗体の(フリーの)循環レベルの量を決定する方法であって、(i)抗体治療を受けている患者からサンプルを取得する工程と、(ii)前記サンプルを本明細書に記載する融合タンパク質と接触させる工程とを含む、方法に関する。
語「a」又は「an」の使用は、特許請求の範囲及び/又は本明細書において用語「含む(comprising)」と連携して使用されるとき、「1つ」を意味し得るが、また「1つ又は複数」、「少なくとも1つ」、及び「1つ又は2つ以上」の意味とも合致する。
以下に記載する詳細な説明がより深く理解され得るように、上記において本明細書に開示する実施形態の特徴及び技術的長所についてかなり広範に概説してきた。追加の特徴及び長所がこれ以降に記載され、特許請求の範囲の主題を形成する。開示される概念及び具体的な実施形態は、本明細書に開示する様々な実施形態と同じ目的を実現するために、その他の構造を修正又は設計する基準として容易に利用され得るものと、当業者は認識すべきである。そのような均等な構築は、添付の特許請求の範囲に記載する本発明の精神及び範囲から逸脱しないものとやはり当業者は認識すべきである。本明細書に開示する様々な実施形態において特徴的と考えられる新たな特徴は、その成り立ち及び操作方法の両方に関して、添付の図面と結びつけて検討するとき、更なる目的及び長所と共に下記の説明からより深く理解される。しかし、各図の提示は説明目的であり説明に限られるが、また開示する実施形態に対して制限を設けるようには決して意図されないことも明確に理解されるはずである。
発現後及び還元性4〜20%トリス-グリシンTGXゲルで精製後の様々な融合タンパク質のSDS-PAGEクロマトグラフィーを示す図である。 発現後及び非還元性4〜20%トリス-グリシンTGXゲルで精製後の様々な融合タンパク質のSDS-PAGEクロマトグラフィーを示す図である。 連続希釈系列(0.5μg/ml〜0.04μg/mlに希釈)の抗PD-1抗体に対する、組換えPD-1融合タンパク質の特異的反応性を示す図である。 上記のような希釈系列の抗PD-L1抗体に対する、組換えPD-L1融合タンパク質の特異的反応性を示す図である。図は、PD-L1-Fc単量体及びPD-L1-p53四量体の反応性の比較についても示す。 ヒト血漿中抗PD-1抗体(ペンブロリズマブ)の定量における、様々なPD-1融合タンパク質の比較を示す図である。 ヒト血漿中抗PD-1抗体(ペンブロリズマブ)の定量における、様々なPD-1融合タンパク質のカットオフノイズに対するシグナルを示す図である。 抗PD-L1抗体に対する様々なPD-L1融合タンパク質の特異的反応性を示す図である。
配列の簡単な説明
配列番号1は、PD-1のアミノ酸配列である(UniProt: Q15116)。
配列番号2は、PD-L1のアミノ酸配列である(UniProt: Q9NZQ7)。
配列番号3は、ヒトIL2シグナルペプチドのアミノ酸配列である。
配列番号4は、可撓性のGly-Serリンカーのアミノ酸配列である。
配列番号5は、可撓性のGly-Pro-Serリンカーのアミノ酸配列である(Flex Proリンカー)。
配列番号6は、CH2及びCH3ドメインのみを含有するマウスIgG1のアミノ酸配列である。
配列番号7は、Fc領域を含有するマウスIgG1のアミノ酸配列である。
配列番号8は、Fc領域を含有するマウスIgG2Aのアミノ酸配列である。
配列番号9は、GCN4三量体ドメインのアミノ酸配列である。
配列番号10は、クラスリン三量体ドメインのアミノ酸配列である。
配列番号11は、p53四量体ドメインのアミノ酸配列である。
配列番号12は、PD-1断片のアミノ酸配列である。
配列番号13は、PD-L1断片のアミノ酸配列である。
配列番号14は、本発明の1つの実施形態によるPD-1融合タンパク質(HuIL2SS-PD-1(GGGGS)2-マウスIgG1(CH2、CH3のみ)362 AA Flexリンカー)のアミノ酸配列である。
配列番号15は、本発明の別の実施形態によるPD-1融合タンパク質(HuIL2SS-PD-1(GGGPS)2-マウスIgG1(CH2、CH3のみ)362 AA Flex Proリンカー)のアミノ酸配列である。
配列番号16は、本発明のなおも別の実施形態によるPD-1融合タンパク質(HuIL2SS-PD-1-マウスIgG1 Fc 365 AAヒンジ無し)のアミノ酸配列である。
配列番号17は、本発明のなおも別の実施形態によるPD-1融合タンパク質(HuIL2SS-PD-1-マウスIgG2A Fc 370 AAヒンジ無し)のアミノ酸配列である。
配列番号18は、本発明のなおも別の実施形態によるPD-1融合タンパク質(HuIL2SS-PD-1-GCN4三量体ドメイン)のアミノ酸配列である。
配列番号19は、本発明のなおも別の実施形態によるPD-1融合タンパク質(HuIL2SS-PD-1-クラスリン三量体ドメイン)のアミノ酸配列である。
配列番号20は、本発明のなおも別の実施形態によるPD-1融合タンパク質(HuIL2SS-PD-1-p53四量体ドメイン)のアミノ酸配列である。
配列番号21は、本発明の1つの実施形態によるPD-L1融合タンパク質(HuIL2SS-PD-L1(GGGGS)2-マウスIgG1(CH2、CH3のみ)361 AA Flexリンカー)のアミノ酸配列である。
配列番号22は、本発明の別の実施形態によるPD-L1融合タンパク質(HuIL2SS-PD-L1(GGGPS)2-マウスIgG1(CH2、CH3のみ)361 AA flex proリンカー)のアミノ酸配列である。
配列番号23は、本発明のなおも別の実施形態によるPD-L1融合タンパク質(HuIL2SS-PD-L1-マウスIgG1 Fc 364 AAヒンジ無し)のアミノ酸配列である。
配列番号24は、本発明のなおも別の実施形態によるPD-L1融合タンパク質(HuIL2SS-PD-L1-マウスIgG2A Fc 370 AAヒンジ無し)のアミノ酸配列である。
配列番号25は、本発明のなおも別の実施形態によるPD-L1融合タンパク質(HuIL2SS-PD-L1-GCN4三量体ドメイン)のアミノ酸配列である。
配列番号26は、本発明のなおも別の実施形態によるPD-L1融合タンパク質(HuIL2SS-PD-L1-クラスリン三量体ドメイン)のアミノ酸配列である。
配列番号27は、本発明のなおも別の実施形態によるPD-L1融合タンパク質(HuIL2SS-PD-L1-p53四量体ドメイン)のアミノ酸配列である。
配列番号28は、CH2及びCH3ドメインのみを含有するマウスIgG2Aのアミノ酸配列である。
配列番号29は、本発明の1つの実施形態によるPD-1融合タンパク質(HuIL2SS-PD-1(GGGGS)2-p53-Histag)のアミノ酸配列である。
配列番号30は、本発明の1つの実施形態によるPD-L1融合タンパク質(HuIL2SS-PD-L1(GGGGS)2-p53-Histag)のアミノ酸配列である。
配列番号31は、本発明の1つの実施形態によるポリヒスチジンタグのアミノ酸配列である。
下記の説明は、本開示の様々な実施形態を説明するように意図されているにすぎない。従って、具体的な改変について議論されたとしても、それに制限的意図は含まれない。本明細書に提示する主題の精神又は範囲から逸脱せずに様々な均等物を作製し、変更及び改変を加えることができることは当業者にとって明白であり、またそのような均等な実施形態も本明細書に含まれるものと理解されよう。
本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用される場合、単数形「a」、「an」、及び「the」には、記載内容が別途明確に定義しない限り、複数形の参照も含まれる。
本明細書全体を通じて、文脈により別途必要とされない限り、語「含む(comprise)」、又はその変化形、例えば「含む(comprises)」又は「含む(comprising)」等は、記載された要素若しくは整数、又は要素若しくは整数の群の組み入れを意味し、任意のその他の要素若しくは整数又は要素若しくは整数の群の除外ではないと理解される。
本明細書内の各実施形態は、別途明記されなければ、その他のいずれの実施形態に対しても、必要な変更を加えて適用される。
下記の用語は、別途指示がない限り、下記の意味を有するものと理解しなければならない。
本明細書で使用する場合、用語「組換え」とは、(1)その自然発生的環境から取り出され、(2)自然界において遺伝子が見出されるポリヌクレオチドの全部若しくは一部と関連せず、(3)自然界では連結することのないポリヌクレオチドと作動的に連結し、又は(4)自然界では生じない生体分子、例えば遺伝子若しくはタンパク質を意味する。用語「組換え」は、クローン化されたDNA単離物、化学的に合成されたポリヌクレオチド類似物、又は異種系により生物学的に合成されたポリヌクレオチド類似物、並びにそのような核酸によりコードされるタンパク質及び/又はmRNAを指すのに利用可能である。
本明細書で使用する場合、用語「核酸」とは、DNA又はRNAから構成される任意の物質を意味する。核酸は、合成により又は生存細胞により生成可能である。
本明細書で使用する場合、用語「ポリヌクレオチド」とは、ヌクレオチドのポリマー鎖を意味する。該用語には、DNA分子(例えば、cDNA又はゲノムDNA又は合成DNA)、及びRNA分子(例えば、mRNA又は合成RNA)、並びに非天然のヌクレオチド類似物、非天然のヌクレオシド間結合、又はその両方を含有するDNA又はRNAの類似物が含まれる。核酸は、任意のトポロジー構造を採り得る。例えば、核酸は、一本鎖、二本鎖、三本鎖、四重鎖、部分的二本鎖、分岐状、ヘアピン、環状、又はパッドロック構造であり得る。
本明細書で使用する場合、用語「タンパク質」とは、アミノ酸残基の1つ又は複数の鎖からなる大型の生物学的分子又は高分子を意味する。多くのタンパク質は、生化学反応を触媒し、また代謝にとってきわめて重要である酵素である。タンパク質は、筋肉内のアクチン及びミオシン、並びに細胞形状を維持する足場系を形成する細胞骨格内のタンパク質のように、構造的又は機械的な機能も有する。その他のタンパク質は、細胞シグナル伝達、免疫応答、細胞接着、及び細胞周期において重要である。但し、タンパク質は、完全に人工的又は組換えであり得る、すなわち既存の生体系内に自然には存在しない。
本明細書で使用する場合、用語「ポリペプチド」とは、自然発生的及び非自然発生的な両方のタンパク質、及びその断片、突然変異体、誘導体、及び類似体を意味する。ポリペプチドは、単量体又は多量体であり得る。ポリペプチドは、いくつかの異なるドメインを含み得るが、そのそれぞれは1つ又は複数の異なる活性を有する。ポリペプチドは、本明細書に記載するような融合タンパク質であり得る。
本明細書で使用する場合、用語「融合タンパク質」とは、自然発生的なタンパク質内に共存しない2つ又はそれ超のアミノ酸配列を含むタンパク質を意味する。融合タンパク質は、同一の生物又は異なる生物に由来する2つ又はそれ超のアミノ酸配列を含み得る。融合タンパク質の2つ又はそれ超のアミノ酸配列は一般的にインフレームであり、その間に終止コドンを含まず、融合タンパク質の一部としてmRNAから一般的に翻訳される。
本明細書で使用する場合、用語「抗原」とは、各抗体と特異的に結合する生体分子を意味する。多様なレパートリーに由来する抗体は、その可変領域相互作用(CDRループ)によって特異的な抗原構造と結合し、鍵と鍵穴間の嵌合に例えられる。
用語「バリアント」は、ポリヌクレオチド配列の文脈で使用されるとき、野生型遺伝子と関連するポリヌクレオチド配列を包含し得る。この定義は、例えば、「対立遺伝子」、「スプライス」、「種」、又は「多形性」に関するバリアントも含み得る。スプライスバリアントは、参照分子と顕著な同一性を有し得るが、MRNAプロセシング期間中のエクソンの選択的スプライシングに起因して、より多くの又はより少ない数のポリヌクレオチドを一般的に有する。対応するポリペプチドは、追加の機能的ドメインを有する、又はドメインの欠損を有する可能性がある。種のバリアントは、種毎に異なるポリヌクレオチド配列である。本発明で特に有用なものは、野生型標的遺伝子産物のバリアントである。バリアントは、核酸配列内の少なくとも1つの突然変異に起因する可能性があり、mRNAの変化を引き起こす可能性がある、又は構造若しくは機能が変化したり、またしなかったりし得るポリペプチドをもたらす可能性がある。任意の所与の天然又は組換え遺伝子は、1つ又は多くの対立形質を有する場合もあれば、ない場合もある。バリアントを誘発する一般的な突然変異変化は、一般的に、自然に生じたヌクレオチドの欠損、付加、又は置換による。これらの種類の変化それぞれは、所与の配列において、単独で又はその他の変化と組み合わさって、1回又は複数回生ずる可能性がある。
用語「抗体」又は「免疫グロブリン」は、本明細書で使用する場合、同一の意味を有し、本発明では同じように使用される。用語「抗体」とは、本明細書で使用する場合、免疫グロブリン分子及び免疫グロブリン分子の免疫学的に活性な部分、すなわち、抗原と免疫的特異的に結合する抗原結合部位を含む分子を意味する。従って、抗体という用語は、抗体分子全体だけでなく、抗体断片又は誘導体も包含する。抗体断片には、Fc、Fv、Fab、F(ab')2、Fab'、dsFv、scFv、sc(Fv)2、及び二重特異性抗体が含まれるが、但しこれらに限定されない。
自然の抗体では、2本の重鎖がジスルフィド結合により相互に連結しており、各重鎖はジスルフィド結合により軽鎖と連結している。ラムダ(λ)とカッパ(κ)の2種類の軽鎖が存在する。抗体分子の機能的活性を決定する5つの主要な重鎖クラス(又はアイソタイプ)、すなわちIgM、IgD、IgG、IgA、及びIgEが存在する。各鎖は、異なる配列ドメインを含有する。軽鎖は、2つのドメイン、すなわち可変ドメイン(VL)及び定常ドメイン(CL)を含む。重鎖は、4つのドメイン、すなわち可変ドメイン(VH)と3つの定常ドメイン(CH1、CH2、及びCH3、まとめてCHと呼ぶ)を含む。可変領域は、軽鎖(VL)及び重鎖(VH)のいずれも、結合認識部及び抗原に対する特異性を決定する。定常領域ドメインは、軽鎖(CL)及び重鎖(CH)それぞれ、抗体鎖会合、分泌、経胎盤移動、補体結合、及びFc受容体(FcR)への結合等の重要な生物学的特性を付与する。Fv断片は、免疫グロブリンのFab断片のN末端部分であり、1本の軽鎖及び1本の重鎖からなる可変部分から構成される。抗体の特異性は、抗体結合部位と抗原決定基の間の構造的相補性に存する。抗体結合部位は、主に高頻度可変性領域又は相補性決定領域(CDR)に由来する残基からなる。時に、非高頻度可変領域又はフレームワーク領域(FR)に由来する残基が、全体的なドメイン構造、従って結合部位に影響を及ぼす。相補性決定領域又はCDRは、天然の免疫グロブリン結合部位において、その天然のFv領域の結合親和力及び特異性を共に定義するアミノ酸配列を指す。免疫グロブリンの軽鎖及び重鎖それぞれは、L-CDR1、L-CDR2、L-CDR3及びH-CDR1、H-CDR2、H-CDR3とそれぞれ命名された3つのCDRを有する。抗原結合部位には、従って重鎖及び軽鎖V領域のそれぞれに由来するCDRのセットを含む6つのCDRが含まれる。フレームワーク領域(FR)とは、CDRの間に挿入されたアミノ酸配列を意味する。
多くの承認された治療抗体は、G1m17.1:Km3重鎖及び軽鎖定常領域アロタイプを使用している(Jeffris及びLefranc、2009)。その他の抗体は、代替的なG1m3:Km3アロタイプを使用する。アロタイピーの相違は、今日ほどに一般的であるとは知られていなかったので、mAb療法の最初の頃は、治療抗体の排除におけるアロタイプの役割は明白ではなかった。治療mAbのアロタイプと排出の間に明確な関連性が存在する。これは、細胞コンパートメント内に隔離されたmAbの一部が血流中に戻りリサイクルされ、急速に排出されないように保つ働きを有するFcRn新生児Fc受容体との相互作用の相違に起因する(Ternantら、2016)。このようなアロタイピーの相違及び細胞免疫刺激に対する効果は、今日より深く知られるようになってきた(Websterら、2016)。免疫原性を生じさせる可能性は少ないが、かかる相違は、半減期に対して明白な効果を有する。従って、循環性の治療抗体の量を測定する試験を行えば、薬物のレベル及び用量増加に対する潜在的必要性を明らかにすることができる。或いは、一部の患者では、T細胞表面上の抗PD-1のレベルが高レベルを維持する場合、特に有効なレベルを維持するのに必要とされる薬物はより少量であり得る。このような抗原は、特異的試薬と連携して、又はイムノアッセイ分野の習熟者にとってなじみ深い競合アッセイにおいて使用される場合、任意の種類の抗体(IgG1、IgG4、DART、BiTe等)による結合を測定するのに利用可能である。
複数の免疫チェックポイント阻害剤mAb及びその他の薬物を使用する次世代併用療法もまた、レベルをモニタリングする有効な手段を必要とする。このような種類の併用療法は、より有効であるだけでなく、一般的となりつつある(Dempkeら、2017)。本明細書に記載するアッセイもまた、このような場合、抗PD-1又は抗PD-L1成分を測定するのに重要であろう。
本明細書で使用する場合、「部位指定突然変異誘発(site-directed mutagenesis)」とは、突然変異がDNA分子内の定義された部位に形成されるプロセスを意味する。定義された部位とは、相互作用の親和性に基づき選択される部位を意味する。突然変異誘発のためのDNA分子は、通常プラスミドとして知られている環状分子である。一般的に、部位指定突然変異誘発は、公知の野生型遺伝子配列を必要とする。この技術は、「部位特異的突然変異誘発(site-specific mutagenesis)」又は「オリゴヌクレオチド指定突然変異誘発(oligonucleotide-directed mutagenesis)」としても知られている。従って、「部位指定突然変異(site-directed mutation)」とは、部位指定突然変異誘発の技術により、DNA分子内の定義された部位において形成される突然変異を意味する。1つの実施形態では、部位指定突然変異誘発を使用して生成される突然変異体DNA配列は、野生型の配列と40%を超える、45%を超える、50%を超える、55%を超える、60%を超える、65%を超える、70%を超える、75%を超える、80%を超える、85%を超える、90%を超える、95%を超える、又は98%を超える相同性を有する。或いは、突然変異DNAは、任意の公知の突然変異誘発手順(例えば、放射線、ニトロソグアニジン等)を使用してin vivoで生成され得る。DNA構築物配列は、野生型、突然変異体、又は改変体であり得る。更に、配列は、同属性(homologous)又は非同属性(heterologous)であり得る。
用語「野生型配列」又は「野生型遺伝子」は、本明細書では交換可能に使用され、宿主細胞内の天然の又は自然発生的な配列を指す。いくつかの実施形態では、野生型配列とは、タンパク質エンジニアリングプロジェクトの出発点である目的の配列を指す。野生型配列は、同属タンパク質又は非同属タンパク質をコードし得る。同属タンパク質は、介入を伴わずに宿主細胞が産生するタンパク質である。非同属タンパク質は、介入を伴わなければ宿主細胞が産生することはないタンパク質である。
用語「改変された配列」及び「改変された遺伝子」は、本明細書では交換可能に使用され、自然発生的な核酸配列の欠損、挿入、又は中断を含む配列を指す。いくつかの好ましい実施形態では、改変された配列の発現産物は、短縮されたタンパク質(例えば、改変が配列の欠損又は中断である場合)である。いくつかの特に好ましい実施形態では、短縮されたタンパク質は生物学的活性を保持する。代替的実施形態では、改変された配列の発現産物は、延長されたタンパク質(例えば、核酸配列内に挿入を含む改変)である。いくつかの実施形態では、挿入は短縮されたタンパク質(例えば、挿入が終止コドンの形成を引き起こすとき)をもたらす。従って、挿入は、発現産物として短縮されたタンパク質をもたらす場合もあれば、また延長されたタンパク質をもたらす場合もある。
本明細書で使用する場合、用語「突然変異配列」及び「突然変異遺伝子」は、交換可能に使用され、宿主細胞の野生型配列に生ずる少なくとも1つのコドン内に改変を有する配列を指す。突然変異配列の発現産物は、野生型と比較して変化したアミノ酸配列を含むタンパク質である。発現産物は、機能的能力の変化(例えば、結合親和力の強化)を有し得る。
本明細書で使用する場合、用語「リンカー」とは、1〜30個のアミノ酸、好ましくは3〜6個のアミノ酸を含むポリペプチドを意味する。リンカーのアミノ酸は、ロイシン(Leu、L)、イソロイシン(Ile、I)、アラニン(Ala、A)、グリシン(Gly、G)、バリン(Val、V)、プロリン(Pro、P)、リジン(Lys、K)、アルギニン(Arg、R)、セリン(Ser、S)、アスパラギン(Asn、N)、及びグルタミン(Gln、Q)、トリプトファン(Trp、W)、メチオニン(Met、M)アスパラギン酸(Asp、D)、システイン(Cys、C)、グルタミン酸(Glu、E)、ヒスチジン(His、H)、フェニルアラニン(Phe、F)、トレオニン(The、T)、及びチロシン(Tyr、Y)からなる群から選択され得る。
「診断上の(diagnostic)」又は「診断される(diagnosed)」とは、疾患に罹患しやすい病理学的状態又は患者について、その存在又は性質を識別することを意味する。診断方法は、感度及び特異性において異なる。診断アッセイの「感度」は、試験結果が陽性である疾患個体の割合(%)(「真の陽性」の割合(%))である。アッセイにより検出されない疾患個体は「偽陰性」である。罹患しておらず、アッセイにおいて試験結果が陰性である対象は、「真の陰性」と呼ばれる。診断アッセイの「特異性」は、1から偽陽性の割合を差し引いたものであり、「偽陽性」の割合は、疾患を有さないが試験結果が陽性である者の割合として定義される。ある特定の診断方法が、状態の確定診断を下すことはできないとしても、該方法が診断に役立つ有望な示唆を提供するのであればそれで十分である。
用語「患者」又は「個体」は、本明細書では交換可能に使用され、治療される哺乳動物の対象を意味するが、但しヒト患者であるのが好ましい。場合によっては、本発明の方法は、実験動物、獣医学用途、及びマウス、ラット、ハムスターを含む齧歯類、並びに霊長類を含む、但しこれらに限定されない動物疾患モデルの開発において使用される。
用語「サンプル」とは、本明細書で使用する場合、対象又は患者から得られる任意の生体物質を意味する。1つの態様では、サンプルは、血液、腹水、CSF、唾液、又は尿を含み得る。その他の態様では、サンプルは、全血、血漿、血清、血液サンプルから濃縮されたB細胞、及び培養細胞(例えば、対象から得られたB細胞)を含み得る。サンプルには、生検試料又は神経組織を含む組織サンプルも含まれ得る。なおもその他の態様では、サンプルには、細胞全体及び/又は細胞溶解物が含まれ得る。
用語「治療すること(treating)」、又は「治療(treatment)」とは、本明細書で使用する場合、そのような用語が当てはまる障害又は状態、或いはそのような障害又は状態の1つ若しくは複数の症状を逆転させ、緩和し、その進行を阻害し、又は予防することを意味する。「治療有効量」には、対象に治療ベネフィットを付与するのに必要とされる活性薬剤の最小量が意図されている。例えば、哺乳動物に対する「治療有効量」は、障害と関連した病理学的症状、疾患進行、若しくは生理学的状態における改善、又はそのような障害を克服する抵抗性を誘発し、向上させ、さもなければ引き起こすような量である。
用語「予防(prevention)」とは、本明細書で使用する場合、疾患又は状態を有するとまだ診断されていない対象に、該疾患又は状態が生ずるのを防ぐことを意味する。
用語「がん」、「過剰増殖性」、及び「新生物的」とは、本明細書で使用する場合、自律的増殖能力、すなわち、急速に増殖する細胞成長により特徴付けられる異常な状態(state)又は状況(condition)を有する細胞を指す。過剰増殖的及び新生物的な疾患状態は、病理的、すなわち疾患状態を特徴付ける又は構成するものとして分類される場合もあれば、また非病理的、すなわち正常から逸脱しているが、疾患状態と関連しないものとして分類される場合もある。該用語には、組織病理学的なタイプ又は侵襲のステージを問わず、すべての種類のがん腫又は発がんプロセス、転移性組織、又は悪性変換した細胞、組織、若しくは器官が含まれるように意図されている。用語「がん」又は「新生物」には、罹患した肺、乳房、甲状腺、リンパ管、胃腸管、及び泌尿生殖路等の様々な臓器系の悪性腫瘍、並びに例えばほとんどの結腸がん、腎細胞がん、前立腺がん、及び/又は精巣腫瘍、肺の非小細胞がん、小腸のがん、及び食道のがん等の悪性腫瘍を含む腺がんが含まれる。
本明細書に記載する1つの態様は、PD-1及び/又はPD-L1により媒介される疾患及び療法の有効性を診断、モニタリング、又はステージ分類するために、治療抗体を利用する。より具体的には、患者が免疫療法コースを少なくとも1回受けたことがある場合に、治療抗体を検出及びモニタリングする方法が開示される。様々ながん又は慢性感染症が、本明細書に開示する方法に基づきモニタリング、ステージ分類、又は診断され得る。
がんの例として、血液悪性腫瘍、例えばB細胞リンパ系新生物、T細胞リンパ系新生物、非ホジキンリンパ腫(NHL)、B-NHL、T-NHL、慢性リンパ球性白血病(CLL)、小リンパ球性リンパ腫(SLL)、マントル細胞リンパ腫(MCL)、NK細胞リンパ系新生物、及び骨髄細胞系新生物等が挙げられるが、但しこれらに限定されない。非造血系のがんの例として、結腸がん、乳がん、肺がん、脳がん、前立腺がん、頭部及び頸部のがん、膵がん、膀胱がん、結腸直腸がん、骨がん、子宮頸がん、肝がん、口腔がん、食道がん、甲状腺がん、腎がん、胃がん、精巣がん、及び皮膚がんが挙げられるが、但しこれらに限定されない。
慢性感染症の例として、ウイルス性、細菌性、寄生虫性、又は真菌性の感染症、例えば慢性肝炎、肺感染症、下気道感染症、気管支炎、インフルエンザ、肺炎、及び性感染症等が挙げられるが、但しこれらに限定されない。ウイルス性感染症の例として、肝炎(HAV、HBV、HCV)、単純ヘルペス(HSV)、帯状疱疹、HPV、インフルエンザ(Flu)、AIDS、及びAIDS関連の合併症、水痘(varicella)、流行性感冒、サイトメガロウイルス(CMV)感染症、天然痘(variola)、コロラドダニ熱、デング熱、エボラ出血熱、口蹄疫、ラッサ熱、はしか、マールブルグ出血熱、伝染性単核症、流行性耳下腺炎、ノロウイルス、脊髄灰白質炎、進行性多巣性白質脳症(PML)、狂犬病、風疹、SARS、ウイルス性脳炎、ウイルス性胃腸炎、ウイルス性髄膜炎、ウイルス性肺炎、西ナイル熱、及び黄熱病が挙げられるが、但しこれらに限定されない。細菌性感染症の例として、肺炎、細菌性髄膜炎、コレラ、ジフテリア、結核、炭疽病、ボツリヌス中毒症、ブルセラ症、カンピロバクター症、発疹チフス、淋病、リステリア症、ライム病、リウマチ熱、百日咳(pertussis)、ペスト、サルモネラ症、猩紅熱、細菌性赤痢、梅毒、破傷風、トラコーマ、野兎病、腸チフス、及び尿路感染症が挙げられるが、但しこれらに限定されない。寄生虫性感染症の例として、マラリア、リーシュマニア症、トリパノソーマ病、シャガス病、クリプトスポリジウム症、肝蛭症、フィラリア症、アメーバ感染症、ジアルジア症、蟯虫感染症、住血吸虫症、条虫症、トキソプラズマ症、旋毛虫症、及びトリパノソーマ病が挙げられるが、但しこれらに限定されない。真菌性感染症の例として、カンジダ症、アスペルギルス症、コクシジオイデス症、クリプトコッカス症、ヒストプラスマ症、及び足部白癬が挙げられるが、但しこれらに限定されない。
本明細書に開示する方法は、治療用抗PD-1及び/又は抗PD-L1抗体の投薬量を決定するのに利用可能である。特に、方法は、免疫療法コースを少なくとも1回受けたことのあるヒトから得たサンプルを試験して、治療用抗PD-1及び/又は抗PD-L1抗体のレベルを測定する工程であって、前記抗体のレベルに応じて、前記抗体による更なる治療が調節可能である、工程を含む。
更なる実施形態では、本明細書の開示は、PD-1及び/又はPD-L1を標的とする治療抗体による治療に対する患者の応答性を検出する方法であって、前記患者から得たサンプルにおいて、不活性TNFαの有無又は量を決定する工程を含み、前記有無又は量が前記治療に対する前記患者の応答性の低下又は減少を示唆する、方法に関する。好ましい実施形態では、方法は、患者プロファイルを取得するための、治療抗体及び前記治療抗体を標的とする抗薬物抗体の有無又は量の決定も含み、その場合、前記患者プロファイルは前記治療に対する応答性を示唆する。
PD-1及びPD-L1
本発明は、PD-1(プログラム細胞死1タンパク質)の細胞外ドメイン及びオリゴマー形成ドメインを含む融合タンパク質、及び/又はPD-L1(プログラム細胞死リガンド1タンパク質)の細胞外ドメイン及びオリゴマー形成ドメインを含む融合タンパク質に関する。
PD-1及びPD-L1配列は、天然のヒト配列のバリアントであり得る。本明細書で使用する場合、用語「バリアント」とは、参照実体と有意な構造的同一性を示すが、参照実体と比較して、1つ又は複数の化学的部分の有無又はレベルにおいて参照実体とは構造的に異なる実体を意味する。多くの実施形態では、バリアントは、その参照実体とは機能的にも異なる。一般的に、特定の実体が参照実体の「バリアント」と的確にみなせるかどうかは、それと参照実体との構造的同一性の程度に基づく。当業者が認識するように、生物学的又は化学的参照実体はいずれも、ある特徴的な構造的要素を有する。バリアントとは、定義上、1つ又は複数のそのような特徴的な構造的要素を共有する異なる化学的実体である。ポリペプチドは、直線若しくは3次元空間において相互に相対的な指定位置を有し、及び/又は特定の生物学的機能に寄与する複数のアミノ酸から構成される特徴的な配列要素を有し得る。例えば、ポリペプチドバリアントは、アミノ酸配列における1つ若しくは複数の相違、及び/又はポリペプチド骨格に共有結合した化学的部分(例えば、炭化水素、脂質等)における1つ若しくは複数の相違の結果として、参照ポリペプチドとは相違し得る。いくつかの実施形態では、ポリペプチドバリアントは、参照ポリペプチドと少なくとも85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、又は99%の全体的な配列同一性を示す。代替的又は付加的に、いくつかの実施形態では、ポリペプチドバリアントは、参照ポリペプチドと少なくとも1つの特徴的配列要素を共有しない。いくつかの実施形態では、参照ポリペプチドは、1つ又は複数の生物学的活性を有する。いくつかの実施形態では、ポリペプチドバリアントは、参照ポリペプチドの生物学的活性のうちの1つ又は複数を共有する。いくつかの実施形態では、ポリペプチドバリアントは、参照ポリペプチドの生物学的活性のうちの1つ又は複数を欠く。いくつかの実施形態では、ポリペプチドバリアントは、参照ポリペプチドと比較して、1つ又は複数の生物学的活性レベルの低下を示す。多くの実施形態では、目的とするポリペプチドが、特定の位置における少数の配列変化を除き親の配列と同一のアミノ酸配列を有する場合、該目的とするポリペプチドは、親又は参照ポリペプチ
ドの「バリアント」とみなされる。一般的に、親と比較して、バリアント内の20%、15%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%よりも少ない残基が置換される。いくつかの実施形態では、バリアントは、親と比較して10、9、8、7、6、5、4、3、2、又は1個の置換残基を有する。多くの場合、バリアントは、ごく少数(例えば、5、4、3、2個、又は1個よりも少ない)の置換された機能的残基(すなわち、特定の生物学的活性に関与する残基)を有する。更に、バリアントは、親と比較して5、4、3、2、又は1個を超えない付加又は欠損を一般的に有し、また多くの場合、付加又は欠損を有さない。更に、いずれの付加又は欠損も、約25、約20、約19、約18、約17、約16、約15、約14、約13、約10、約9、約8、約7、約6個よりも一般的に少なく、また約5、約4、約3、又は約2残基よりも少ないのが一般的である。いくつかの実施形態では、親又は参照ポリペプチドは、天然において見出されるポリペプチドである。当業者には自明なように、特に目的とするポリペプチドが感染性病原体ポリペプチドであるとき、目的とする特定のポリペプチドについて複数のバリアントが天然において一般的に見出され得る。
本明細書に記載する1つの実施形態では、融合タンパク質は、PD-1タンパク質の予測された細胞外ドメイン(配列番号1)又はその断片を含む。1つの態様では、PD-1タンパク質の細胞外ドメインは、配列番号12又はその断片を含む。別の態様では、PD-1の細胞外ドメインは、配列番号1の位置21〜170に位置するアミノ酸からなるポリペプチド配列に対して約70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又はそれ超の相同性を有し得る。
PD-1の細胞外ドメインは、配列番号1の残基1〜171を含むポリペプチド、配列番号1の残基1〜170を含むポリペプチド、配列番号1の残基1〜145を含むポリペプチド、配列番号1の残基21〜171を含むポリペプチド、配列番号1の残基21〜170を含むポリペプチド、配列番号1の残基21〜145を含むポリペプチド、配列番号1の残基33〜171を含むポリペプチド、配列番号1の残基33〜170を含むポリペプチド、配列番号1の残基33〜145を含むポリペプチド、配列番号1の残基35〜171を含むポリペプチド、配列番号1の残基35〜170を含むポリペプチド、及び配列番号1の残基35〜145を含むポリペプチドを含む。1つの実施形態では、PD-1の細胞外ドメインは、配列番号1の残基1〜171を含むポリペプチド、配列番号1の残基1〜170を含むポリペプチド、配列番号1の残基1〜145を含むポリペプチド、配列番号1の残基21〜171を含むポリペプチド、配列番号1の残基21〜170を含むポリペプチド、配列番号1の残基21〜145を含むポリペプチド、配列番号1の残基33〜171を含むポリペプチド、配列番号1の残基33〜170を含むポリペプチド、配列番号1の残基33〜145を含むポリペプチド、配列番号1の残基35〜171を含むポリペプチド、配列番号1の残基35〜170を含むポリペプチド、及び配列番号1の残基35〜145を含むポリペプチドに対して約70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又はそれ超の相同性を有し得る。なおも別の実施形態では、PD-1の細胞外ドメインは、配列番号12に定めるアミノ酸配列を含む。別の実施形態では、PD-1の細胞外ドメインは、配列番号12に定めるアミノ酸配列に対して約70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又はそれ超の相同性を有し得る。
本明細書に記載する別の実施形態では、融合タンパク質は、PD-L1タンパク質の細胞外ドメイン(配列番号2)又はその断片を含む。別の実施形態では、PD-L1タンパク質の細胞外ドメインは、配列番号13又はその断片を含む。更に、PD-L1の細胞外ドメインは、配列番号2の位置19〜238に位置するアミノ酸からなるポリペプチド配列に対して約70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%又はそれ超の相同性を有し得る。
PD-L1の細胞外ドメインは、配列番号2の残基1〜240を含むポリペプチド、配列番号2の残基1〜239を含むポリペプチド、配列番号2の残基1〜238を含むポリペプチド、配列番号2の残基19〜240を含むポリペプチド、配列番号2の残基19〜239を含むポリペプチド、配列番号2の残基19〜238を含むポリペプチド、配列番号2の残基18〜239を含むポリペプチド、配列番号2の残基18〜238を含むポリペプチド、配列番号2の残基18〜225を含むポリペプチド、配列番号2の残基18〜134を含むポリペプチド、配列番号2の残基18〜127を含むポリペプチド、配列番号2の残基19〜239を含むポリペプチド、配列番号2の残基19〜238を含むポリペプチド、配列番号2の残基19〜225を含むポリペプチド、配列番号2の残基19〜134を含むポリペプチド、配列番号2の残基19〜127を含むポリペプチド、配列番号2の残基133〜225を含むポリペプチド、配列番号2の残基133〜238を含むポリペプチド、及び配列番号2の残基133〜239を含むポリペプチドであり得る。1つの実施形態では、PD-L1の細胞外ドメインは、配列番号2の残基1〜240を含むポリペプチド、配列番号2の残基1〜239を含むポリペプチド、配列番号2の残基1〜238を含むポリペプチド、配列番号2の残基19〜240を含むポリペプチド、配列番号2の残基19〜239を含むポリペプチド、配列番号2の残基19〜238を含むポリペプチド、配列番号2の残基18〜239を含むポリペプチド、配列番号2の残基18〜238を含むポリペプチド、配列番号2の残基18〜225を含むポリペプチド、配列番号2の残基18〜134を含むポリペプチド、配列番号2の残基18〜127を含むポリペプチド、配列番号2の残基19〜239を含むポリペプチド、配列番号2の残基19〜238を含むポリペプチド、配列番号2の残基19〜225を含むポリペプチド、配列番号2の残基19〜134を含むポリペプチド、配列番号2の残基19〜127を含むポリペプチド、配列番号2の残基133〜225を含むポリペプチド、配列番号2の残基133〜238を含むポリペプチド、及び配列番号2の残基133〜239を含むポリペプチドに対して約70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又はそれ超の相同性を有し得る。なおも別の実施形態では、PD-L1の細胞外ドメインは、配列番号13に定めるアミノ酸配列を含む。別の実施形態では、PD-L1の細胞外ドメインは、配列番号13に定めるアミノ酸配列に対して約70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又はそれ超の相同性を有し得る。
更に、特定の残基が、既知のmAbとその標的の間の親和性相互作用を強化改善するために、部位指定突然変異誘発により改変され得る。いくつかの実施形態では、改変は、親と比較して10、9、8、7、6、5、4、3、2、又は1個の残基において置換を構成する。多くの場合、部位指定突然変異誘発を利用する改変は、ごく少数(例えば、5、4、3、2、又は1個よりも少ない)の置換された機能的残基(すなわち、結合親和力に関与する残基)を有する。更に、部位指定突然変異誘発を利用する改変は、5、4、3、2、又は1個を超えない付加又は欠損を一般的に有し、また多くの場合、親と比較して付加又は欠損を有さない。更に、付加、欠損、又は置換のいずれも、約50残基、約45残基、約40残基、約35残基、約30残基、約25残基、約20残基、約19残基、約18残基、約17残基、約16残基、約15残基、約14残基、約13残基、約12残基、約11残基、約10残基、約9残基、約8残基、約7残基、約6残基よりも一般的に少なく、また約5残基、約4残基、約3残基、又は約2残基よりも少ないのが一般的である。いくつかの実施形態では、親又は参照ポリペプチドは、天然において見出されるポリペプチドである。
1つの実施形態では、抗PD-1抗体との相互作用において重要なPD-1内の1つ又は複数のアミノ酸残基が、抗体とその標的の間の親和性相互作用を強化改善するために改変される。いくつかの実施形態では、PD-1内で改変される1つ又は複数のアミノ酸残基は、水素結合に関与する。別の実施形態では、PD-1内で改変される1つ又は複数のアミノ酸残基は、塩橋形成に関与する。なおも別の実施形態では、PD-1内で改変される1つ又は複数のアミノ酸残基は、水が媒介する相互作用に関与する。なおも別の実施形態では、PD-1内で改変される1つ又は複数のアミノ酸残基は、ファンデルワールス相互作用に関与する。
1つの実施形態では、ペンブロリズマブmAbとの相互作用において重要なPD-1内の1つ又は複数のアミノ酸残基が改変される。関連する実施形態では、PD-1内で改変される1つ又は複数のアミノ酸残基は、PD-1N66、PD-1T76、PD-1K78、PD-1S87、PD-1K131 PD-1F63、PD-1E84、PD-1S87、PD-1G90、及びPD-1A132からなる群より選択可能である。別の関連する実施形態では、PD-1内で改変されるアミノ酸残基は、PD-1D85である。なおも別の実施形態の関連する実施形態では、PD-1内で改変される1つ又は複数のアミノ酸残基は、PD-1K78、PD-1S87、及びPD-1D85からなる群より選択可能である。なおも別の実施形態の関連する実施形態では、PD-1内で改変される1つ又は複数のアミノ酸残基は、PD-1V64、PD-1Y68、PD-1Q75、PD-1D77、PD-1A81、PD-1F82、PD-1P83、PD-1R86、PD-1Q88、PD-1P89、PD-1G90、PD-1I126、PD-1L128、PD-1A129、及びPD-1I134からなる群より選択可能である。なおも別の実施形態の関連する実施形態では、PD-1内で改変される1つ又は複数のアミノ酸残基は、PD-1N66、PD-1T76、PD-1K78、PD-1S87、PD-1K131 PD-1F63、PD-1E84、PD-1S87、PD-1G90、PD-1A132、PD-1D85、PD-1K78、PD-1S87、及びPD-1D85、PD-1V64、PD-1Y68、PD-1Q75、PD-1D77、PD-1A81、PD-1F82、PD-1P83、PD-1R86、PD-1Q88、PD-1P89、PD-1G90、PD-1I126、PD-1L128、PD-1A129、及びPD-1I134からなる群より選択可能である。
1つの実施形態では、ニボルマブmAbとの相互作用において重要なPD-1内の1つ又は複数のアミノ酸残基が改変される。関連する実施形態では、PD-1内で改変される1つ又は複数のアミノ酸残基は、PD-1P28、PD-1L128、PD-1A129、PD-1P130、PD-1A132、PD-1D29、PD-1R30、PD-1S60、及びPD-1K131からなる群より選択可能である。別の関連する実施形態では、PD-1内で改変される1つ又は複数のアミノ酸残基は、PD-1S27、PD-1P28、PD-1P31、PD-1E61、PD-1A129、PD-1P130、PD-1K131、PD-1A132、及びPD-1Q133からなる群より選択可能である。
1つの実施形態では、PD-1内で改変される1つ又は複数のアミノ酸残基は、ニボルマブ又はペンブロリズマブとPD-1の間の水素結合又はファンデルワールス相互作用に関与する。特定の実施形態では、PD-1内で改変される1つ又は複数のアミノ酸残基は、PD-1L128、PD-1A129、PD-1A130、PD-1K131、及びPD-1A132からなる群より選択可能である。
1つの実施形態では、PD-1との相互作用において重要なペンブロリズマブmAb内の1つ又は複数のアミノ酸残基が改変される。いくつかの実施形態では、改変されるペンブロリズマブmAb内の1つ又は複数のアミノ酸残基として、重鎖CDR1(HCDR1)内の残基が挙げられる。いくつかの実施形態では、ペンブロリズマブmAbのHCDR1内で改変される1つ又は複数のアミノ酸残基は、重鎖T30、重鎖Y33、及び重鎖Y35からなる群より選択可能である。いくつかの実施形態では、改変されるペンブロリズマブmAb内の1つ又は複数のアミノ酸残基として、重鎖CDR2(HCDR2)内の残基が挙げられる。いくつかの実施形態では、ペンブロリズマブmAbのHCDR2内で改変される1つ又は複数のアミノ酸残基は、重鎖N52、重鎖S54、重鎖N55、重鎖G57、重鎖T58、及び重鎖N59からなる群より選択可能である。いくつかの実施形態では、改変されるペンブロリズマブmAb内の1つ又は複数のアミノ酸残基として、重鎖CDR3(HCDR3)内の残基が挙げられる。いくつかの実施形態では、ペンブロリズマブmAbのHCDR3内で改変される1つ又は複数のアミノ酸残基は、重鎖R99、重鎖Y101、重鎖R102、重鎖F103、重鎖D104、重鎖M105、及び重鎖D108からなる群より選択可能である。いくつかの実施形態では、改変されるペンブロリズマブmAb内の1つ又は複数のアミノ酸残基として、軽鎖CDR1(LCDR1)内の残基が挙げられる。いくつかの実施形態では、ペンブロリズマブmAbのLCDR1内で改変される1つ又は複数のアミノ酸残基は、軽鎖T31、軽鎖S32、軽鎖Y34、及び軽鎖Y36からなる群より選択可能である。いくつかの実施形態では、改変されるペンブロリズマブmAb内の1つ又は複数のアミノ酸残基として、軽鎖CDR2(LCDR2)内の残基が挙げられる。いくつかの実施形態では、ペンブロリズマブmAbのLCDR2内で改変される1つ又は複数のアミノ酸残基は、軽鎖Y53、軽鎖L54、軽鎖Y57、and軽鎖E59からなる群より選択可能である。いくつかの実施形態では、改変されるペンブロリズマブmAb内の1つ又は複数のアミノ酸残基として、軽鎖CDR3(LCDR3)内の残基が挙げられる。いくつかの実施形態では、ペンブロリズマブmAbのLCDR3内で改変される1つ又は複数のアミノ酸残基は、軽鎖S95、軽鎖R96、軽鎖D97、軽鎖L98、及び軽鎖L100からなる群より選択可能である。
1つの実施形態では、PD-1との相互作用において重要なニボルマブmAb内の1つ又は複数のアミノ酸残基が改変される。いくつかの実施形態では、改変されるニボルマブmAb内の1つ又は複数のアミノ酸残基として、重鎖CDR1(HCDR1)内の残基が挙げられる。いくつかの実施形態では、ペンブロリズマブmAbのHCDR1内で改変される1つ又は複数のアミノ酸残基は、重鎖G26、重鎖I27、重鎖N31、及び重鎖G33からなる群より選択可能である。いくつかの実施形態では、改変されるニボルマブmAb内の1つ又は複数のアミノ酸残基として、重鎖CDR2(HCDR2)内の残基が挙げられる。いくつかの実施形態では、ペンブロリズマブmAbのHCDR2内で改変される1つ又は複数のアミノ酸残基は、重鎖V50、重鎖W52、及び重鎖Y53からなる群より選択可能である。いくつかの実施形態では、改変されるニボルマブmAb内の1つ又は複数のアミノ酸残基として、重鎖CDR3(HCDR3)内の残基が挙げられる。いくつかの実施形態では、ペンブロリズマブmAbのHCDR3内で改変される1つ又は複数のアミノ酸残基として、重鎖N99、重鎖D100、重鎖D101、及び重鎖Y102からなる群より選択可能である。いくつかの実施形態では、改変されるニボルマブmAb内の1つ又は複数のアミノ酸残基として、軽鎖CDR1(LCDR1)内の残基が挙げられる。いくつかの実施形態では、改変されるニボルマブmAb内の1つ又は複数のアミノ酸残基として、軽鎖CDR2(LCDR2)内の残基が挙げられる。いくつかの実施形態では、ペンブロリズマブmAbのLCDR2内で改変される1つ又は複数のアミノ酸残基は、軽鎖L46、軽鎖A55、及び軽鎖T56からなる群より選択可能である。いくつかの実施形態では、改変されるニボルマブmAb内の1つ又は複数のアミノ酸残基として、軽鎖CDR3(LCDR3)内の残基が挙げられる。いくつかの実施形態では、ペンブロリズマブmAbのLCDR3内で改変されるアミノ酸残基は、軽鎖S91である。
別の実施形態では、抗PD-L1抗体との相互作用において重要なPD-L1内の1つ又は複数のアミノ酸残基が、抗体とその標的の間の親和性相互作用を強化改善するために改変される。いくつかの実施形態では、PD-L1内で改変される1つ又は複数のアミノ酸残基は、水素結合に関与する。別の実施形態では、PD-L1内で改変される1つ又は複数のアミノ酸残基は、塩橋形成に関与する。なおも別の実施形態では、PD-L1内で改変される1つ又は複数のアミノ酸残基は、水が媒介する相互作用に関与する。なおも別の実施形態では、PD-L1内で改変される1つ又は複数のアミノ酸残基は、ファンデルワールス相互作用に関与する。
オリゴマー形成ドメイン
本発明は、PD-1(プログラム細胞死1タンパク質)の細胞外ドメイン、又はPD-L1(プログラム細胞死リガンド1タンパク質)の細胞外ドメイン、及びオリゴマー形成ドメインを含む融合タンパク質について開示する。本明細書に記載するオリゴマー形成ドメインは、Fcドメイン、クラスリン三量体形成ドメイン、GCN4三量体形成ドメイン、p53四量体形成ドメイン、及び五量体ドメインからなる、又はヒンジレス単量体Fcドメインからさえもなる群から選択されるドメインを含み得、新規タンパク質を生み出す。いくつかの実施形態では、オリゴマー形成ドメインはオリゴマー形成領域を欠いており、また融合タンパク質は単量体である。いくつかの実施形態では、オリゴマー形成ドメインは、ヒンジレス単量体Fcドメインであり、また融合タンパク質は単量体である。オリゴマー形成ドメインは、抗原又は抗体可変ドメインに曝露するための構造としてウイルス様の粒子を含み得る。このようなオリゴマー形成ドメインは当業者に公知であるが、診断用の新規タンパク質を生み出すために使用されたことはなかった。
いくつかの態様では、オリゴマー形成ドメインは、Fcドメイン、Fcドメインの断片、及びFcドメインのバリアントからなる群から選択されるアミノ酸配列を含み得る。1つの実施形態では、本明細書に記載する融合タンパク質は、より高次の構造、例えばタンパク質又は多量体複合体等の一部であり得る。いくつかの実施形態では、PD-1及び/又はPD-L1タンパク質は、1つ又は複数のペプチドリンカーを介してFcドメイン又はその断片に融合している。1つの実施形態では、PD-1及び/又はPD-L1タンパク質は、前記Fcドメイン又はその断片のC末端に融合している。別の実施形態では、PD-1及び/又はPD-L1タンパク質は、前記Fcドメイン又はその断片のN末端に融合している。
いくつかの実施形態では、オリゴマー形成ドメインは、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10、配列番号11、又は配列番号28からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。
1つの実施形態では、オリゴマー形成ドメインは、配列番号9に定めるアミノ酸配列(GCN4三量体ドメイン)、配列番号10に定めるアミノ酸配列(クラスリン三量体ドメイン)、及び配列番号11に定めるアミノ酸配列(p53四量体ドメイン)からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、Fcドメインは、配列番号9に定めるアミノ酸配列(GCN4三量体ドメイン)に対して約70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又はそれ超の相同性を有し得る。いくつかの実施形態では、Fcドメインは、配列番号10に定めるアミノ酸配列(クラスリン三量体ドメイン)に対して約70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又はそれ超の相同性を有し得る。いくつかの実施形態では、Fcドメインは、配列番号11に定めるアミノ酸配列(p53四量体ドメイン)に対して約70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又はそれ超の相同性を有し得る。
1つの実施形態では、Fcドメインは、免疫グロブリンCH2ドメイン又は免疫グロブリンCH3ドメインを含む。別の実施形態では、Fcドメインは、免疫グロブリンCH2及びCH3ドメインを含む。いくつかの実施形態では、Fcドメインは、IgG1のCH2とCH3ドメイン、IgG4のCH2とCH3ドメイン、IgG1のCH2ドメインとIgG4のCH3ドメイン、及びIgG4のCH2ドメインとIgG1のCH3ドメインからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、Fcドメインは、マウス又はヒトのドメインであり得る。いくつかの実施形態では、Fcドメインは、マウスIgG1又はIgG2Aのドメインであり得る。その他の実施形態では、Fcドメインは、IgGヒンジドメインを含む。
1つの実施形態では、Fcドメインは、配列番号6に定めるアミノ酸配列(マウスIgG1、CH2、及びCH3)、配列番号7に定めるアミノ酸配列(マウスIgG1 Fc)、配列番号8に定めるアミノ酸配列(マウスIgG2A Fc)、及び配列番号28に定めるアミノ酸配列(マウスIgG2A、CH2、及びCH3)からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、Fcドメインは、配列番号6に定めるアミノ酸配列に対して約70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又はそれ超の相同性を有し得る。いくつかの実施形態では、Fcドメインは、配列番号7に定めるアミノ酸配列に対して約70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又はそれ超の相同性を有し得る。いくつかの実施形態では、Fcドメインは、配列番号8に定めるアミノ酸配列に対して約70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又はそれ超の相同性を有し得る。いくつかの実施形態では、Fcドメインは、配列番号28に定めるアミノ酸配列に対して約70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又はそれ超の相同性を有し得る。
本明細書で使用する場合、用語Ig「ヒンジ」領域とは、システイン残基を含み、そこでジスルフィド結合が免疫グロブリンの2本の重鎖を連結している自然発生的なIgヒンジ領域配列の一部分と配列同一性又は類似性を共有するアミノ酸配列を含むポリペプチドを意味する。自然発生的な免疫グロブリンヒンジ領域アミノ酸配列と、本明細書に記載するヒンジ領域リンカーとの配列類似性は、少なくとも50%から約75〜80%の範囲であり得るが、一般的には約90%を上回る。
いくつかの実施形態では、本出願の融合タンパク質のマウスIgG1 Fcドメインはヒンジを含む。いくつかの実施形態では、本出願の融合タンパク質のマウスIgG1 Fcドメインはヒンジを欠く。例示的なマウスIgG1 Fcドメインのアミノ酸配列は、配列番号6(ヒンジを欠く)及び配列番号7(ヒンジを含む)である。
いくつかの実施形態では、本出願の融合タンパク質のマウスIgG2A Fcドメインは、ヒンジを含む。いくつかの実施形態では、本出願の融合タンパク質のマウスIgG2A Fcドメインは、ヒンジを欠く。例示的なマウスIgG2A Fcドメインのアミノ酸配列は、配列番号28(ヒンジを欠く)及び配列番号8(ヒンジを含む)。
リンカー
いくつかの実施形態では、PD-1及び/又はPD-L1タンパク質は、1つ又は複数のペプチドリンカーを介してオリゴマー形成ドメイン又はその断片に融合している。1つの実施形態では、PD-1及び/又はPD-L1タンパク質は、1つ又は複数のペプチドリンカーを介して前記オリゴマー形成ドメイン又はその断片のC末端に融合している。別の実施形態では、PD-1及び/又はPD-L1タンパク質は、1つ又は複数のペプチドリンカーを介して前記オリゴマー形成ドメイン又はその断片のN末端に融合している。
いくつかの実施形態では、ペプチドリンカーは、少なくとも1つのグリシン、及び少なくとも1つのセリンを一般的に含む連続したアミノ酸の配列から構成され得る。また、ペプチドリンカーは、少なくとも1つのグリシン、少なくとも1つのプロリン、及び少なくとも1つのセリンを一般的に含む連続したアミノ酸の配列からも構成され得る。例示的な可撓性リンカー及び可撓性プロリンカーとして、配列番号4(GGGS)又は配列番号5(GGGPS)に定めるアミノ酸配列が挙げられるが、但しペプチドリンカーの正確なアミノ酸配列は特にこれに限らない。いくつかの実施形態では、PD-1及び/又はPD-L1タンパク質は、2つ又はそれ超の異なるペプチドリンカーを介してオリゴマー形成ドメイン又はその断片に融合している。いくつかの実施形態では、PD-1及び/又はPD-L1タンパク質は、2つ又はそれ超の同一のペプチドリンカーを介してオリゴマー形成ドメイン又はその断片に融合している。
いくつかの自然発生的なアミノ酸配列は、適するリンカーとして機能し得る、又は適するリンカーを設計するのに利用され得るものの、ペプチドリンカーは、本明細書に記載するように天然において見出されないのが一般的である。リンカーは、約1〜30個のアミノ酸、例えば、約2〜25、約3〜20、約4〜16個、又は約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、若しくは20個等のアミノ酸を含み得る。
シグナルペプチド配列
本明細書に開示する融合タンパク質は、哺乳動物細胞、特にヒト細胞等で、発現ベクターの細胞膜を横断するタンパク質の移行を促進するシグナルペプチド配列(又は「シグナル配列」)を一般的に含む。それにもかかわらず、例えば、本明細書に開示する融合タンパク質が、哺乳動物細胞、特にヒト細胞等で発現ベクターの細胞膜を横断するポリペプチドの移行を促進するシグナルペプチド配列を一般的に含む場合には、ポリペプチドは、シグナルペプチド配列を欠いてもよい。それにもかかわらず、融合タンパク質は、シグナルペプチド配列を欠く場合もある。合成により生成されるポリペプチドは、同様にシグナルペプチド配列を欠く場合もある。
シグナルペプチド配列は、融合タンパク質のN末端に一般的に含まれる。融合タンパク質のその他の配列モチーフもまた移行に役立つ可能性があるものの、シグナルペプチド配列は、真核細胞内タンパク質翻訳後に、真核細胞(例えば、哺乳動物細胞、例えばヒト細胞等)の細胞表面膜の外部にタンパク質を移行させるのに十分であるのが好ましい。
例示的なシグナルペプチド配列は、ヒトインターロイキン2シグナルペプチド配列である、配列番号3に定めるアミノ酸配列(MYRMQLLSCIALSLALVTNS)を有する。この十分に特徴付けがなされた配列は、ヒト細胞及びその他の哺乳動物細胞の両方において、その外部にタンパク質を移行させる能力を有する。
アフィニティータグ
融合タンパク質は、任意選択的にアフィニティータグを含み得る。アフィニティータグは精製において有用であり、また融合タンパク質を利用するアッセイにおいても有用であり得る。例示的なアフィニティータグとして、ポリヒスチジン、キチン質結合タンパク質、マルトース結合タンパク質、Strep-tag、グルタチオン-S-トランスフェラーゼ、FLAG-tag、V5-tag、Myc-tag、HA-tag、NE-tag、AviTag、カルモジュリンタグ、ポリグルタミン酸、S-tag、SBP-tag、Softag 1、Softag 3、TC tag、VSV-tag、Xpress tag、Isopeptag、SpyTag、SnoopTag、ビオチンカルボキシルキャリアタンパク質、緑色蛍光タンパク質タグ、HaloTag、Nus-tag、及びチオレドキシンタグが挙げられるが、但しアフィニティータグの選択は特に限定的ではない。それにもかかわらず、融合タンパク質は、例えば、アフィニティータグが使用後に除去される場合、又はアフィニティータグを必要としない戦略を使用して融合タンパク質が精製される場合、アフィニティータグを欠いてもよい。例示的なアフィニティータグは、7つの連続したヒスチジンを含むアミノ酸配列(配列番号31)を一般的に含むポリヒスチジンである。別の例示的なアフィニティータグは、4〜10個の連続したヒスチジンを含むポリヒスチジンタグである。
融合タンパク質
本明細書に記載する実施形態で取り上げた融合タンパク質は、PD-1(プログラム細胞死1タンパク質)の細胞外ドメイン、又はPD-L1(プログラム細胞死リガンド1タンパク質)の細胞外ドメイン、及びオリゴマー形成ドメインを含み得るが、その場合、オリゴマー形成ドメインは、マウスIgG1 Fcドメイン、マウスIgG2A Fcドメイン、GCN4三量体ドメイン、クラスリン三量体ドメイン、及びp53四量体ドメイン、又はその断片からなる群から選択される。
本明細書に開示する類の融合タンパク質は、配列番号14、配列番号15、配列番号16、配列番号17、配列番号18、配列番号19、配列番号20、配列番号21、配列番号22、配列番号23、配列番号24、配列番号25、配列番号26、配列番号27、配列番号29、又は配列番号30に定めるアミノ酸配列を有し得る。融合タンパク質は、配列番号14、配列番号15、配列番号16、配列番号17、配列番号18、配列番号19、配列番号20、配列番号21、配列番号22、配列番号23、配列番号24、配列番号25、配列番号26、配列番号27、配列番号29、又は配列番号30に定めるアミノ酸配列と、少なくとも約85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又は99.5%の配列同一性を有するアミノ酸配列を有し得る。
核酸、クローニング細胞、及び発現細胞
本明細書に記載する実施形態は、本明細書に記載する融合タンパク質をコードするヌクレオチド配列を含む核酸も含む。核酸は、DNA又はRNAであり得る。本明細書に記載する融合タンパク質をコードするヌクレオチド配列を含むDNAは、ヌクレオチド配列と作動可能に連結したプロモーターを一般的に含む。プロモーターは、好ましくは、目的とする発現細胞におけるヌクレオチド配列の構成的発現又は誘導可能な発現を駆動する能力を有する。核酸の正確なヌクレオチド配列は、ヌクレオチド配列が本明細書に記載する融合タンパク質をコードする限り、特に限定的ではない。コドンは、例えば、目的とする発現細胞(例えば、ヒト細胞等の哺乳動物細胞)のコドンバイアスを一致させるために、及び/又はクローニング期間中の便宜を図るために選択され得る。DNAは、例えば、複製開始点(例えば、原核細胞におけるプラスミド複製用の)を含み得るプラスミドであり得る。
また、本発明の様々な態様は、本明細書に記載するような融合タンパク質をコードするヌクレオチド配列を含む核酸を含む細胞とも関連する。細胞は、発現細胞又はクローニング細胞であり得る。その他のクローニング細胞も利用され得るが、核酸は、大腸菌(E. coli)中にクローン化されるのが一般的である。細胞が発現細胞である場合、核酸は任意選択的に染色体の核酸であり、すなわちその場合ヌクレオチド配列は染色体に組み込まれているが、但し核酸は、例えば染色体外DNAとして発現細胞内に存在し得る。
本発明の様々な態様は、本明細書に記載するような融合タンパク質をコードする配列を含む核酸を含む細胞を含む。細胞は、発現細胞であるのが一般的である。発現細胞の性質は特に限定的ではない。哺乳動物の発現細胞が、融合タンパク質又はオリゴマー性の融合タンパク質について、その好ましいフォールディング、翻訳後修飾、及び/又は分泌を可能にし得るが、但しその他の真核細胞又は原核細胞も発現細胞として利用され得る。例示的な発現細胞として、CHO、BHK、NS0、Sp2/0、COS、C127、HEK、HT-1080、PER.C6、HeLa、及びジャーカット細胞が挙げられる。
本発明の別の態様は、本明細書において、
a)宿主細胞に本発明による融合タンパク質をコードする核酸分子をトランスフェクトする工程と、
b)前記宿主細胞内で(a)の核酸分子を発現させることにより、前記融合タンパク質を作製する工程と
を含むPD-1(プログラム細胞死1タンパク質)の細胞外ドメイン及び/又はPD-L1(プログラム細胞死リガンド1タンパク質)の細胞外ドメイン、及びオリゴマー形成ドメインを含む融合タンパク質を作製する方法を提供する。
イムノアッセイ及び試薬
イムノアッセイは、細胞表面抗原を測定する、又はサンプル中の抗体を測定するのに通常使用される。一般的に、フローサイトメトリーを使用する免疫蛍光検査法は、好んで選択されるイムノアッセイである。但し、その他のイムノアッセイ、例えば酵素結合免疫吸着測定法(ELISA)も利用され得る。この技術は抗原-抗体相互作用の特別な特性に基づき、単純な相分離により生体分子検出用の強力なアッセイを生み出す。
ELISAに関する試験法及び機器類は、免疫蛍光検査法の場合より単純である。更になお、ELISAと免疫蛍光アッセイとは完全に異なるアッセイである。ELISAアッセイは、全身を反映する血漿/血清中のタンパク質(抗原)又は抗体を測定する。逆に、表面免疫蛍光アッセイは、個々の細胞表面上の抗原を特異的に測定し、また身体内の細胞の量に関する情報を提供しない。従って、全身の測定を可能にするELISAアッセイを開発することには利点が存在する。
周知の特異性の高いELISAの1つとして、サンドイッチELISAが挙げられる。このアッセイでは、抗体が固相又は支持体に結合しており、次にそれが試験対象サンプルと接触してバイナリー固相の抗体:抗原複合体が形成することにより、抗原がサンプルから抽出される。適当な期間インキュベーションした後、固体支持体を洗浄して流体サンプルの残渣物を取り除き、次に既知量の標識抗体を含有する溶液と接触させる。
本発明のいくつかの実施形態は、抗PD-1及び/又は抗PD-L1抗体を含有する組成物をアッセイするためのイムノアッセイに関する。その他の実施形態は、PD-1及び/又はPD-L1抗原を含有する組成物をアッセイするためのイムノアッセイに関する。
本発明による例示的なイムノアッセイは、例えば比色検出、蛍光検出、又は化学発光検出を使用するELISAアッセイ(酵素結合免疫吸着測定法)である。本発明によるその他の例示的なイムノアッセイは、当業者により周知されており、例えば、スロープ補正(Slope Correction)を使用するELISA、RIA(ラジオイムノアッセイ)、競合的EIA(競合的酵素免疫測定法)、DAS-ELISA(二重抗体サンドイッチ-ELISA)、ブリッジングELISA、タンパク質又は抗体マイクロアレイの使用に基づく技術(Luminex技術に基づくアレイ等の液体ビーズに基づくアレイを含む)、分離した微粒子に基づく技術、金コロイド又はその他の目視可能な微粒子、又は蛍光粒子の沈殿に基づくアッセイ、例えば視覚的(目視による)解釈又はスマートフォン若しくはポータブルリーダー若しくはベンチトップリーダーのようなリーダーを使用する、迅速試験及びポイントオブケア用途で一般的に使用されるイムノクロマトグラフィーに基づく水平方向又は垂直方向のフロー試験等、アフィニティークロマトグラフィー技術、均質な移動度シフトアッセイ(HMSA, Homogeneous Mobility Shift Assay)、リガンド結合アッセイ、レクチン結合アッセイ、バイオセンサー等が挙げられる。
循環性抗PD-1抗体は、その他のIgG4抗体と類似した半減期を有することが公知である(Farolfiら、2016)。また、PD-1抗体は循環性T細胞を被覆し、循環からそれ自体を有効に除去する(血漿中をもはや自由に循環しない)。これは、ヒトにおいて循環性抗PD-1(ニボルマブ)レベルの比較的急速な減衰を引き起こす。循環レベル、T細胞在留レベル、及び転帰の間の関連性は明白ではなく、従ってこれを解明することができるアッセイは有用である。但し、抗PD-1(ニボルマブ)は、循環性T細胞上に、0.3〜10mg/kgの初期用量に依存して60〜80%の占有レベルで長期間継続的に在留することが公知である(Brahmerら、2010)。この機能では、抗PD-1は、リガンドと腫瘍上のPD-L1との結合、及び後続する免疫応答のシャットダウンを阻止するPD-1の拮抗薬として作用する。投与、T細胞占有率、及び測定可能な循環性抗PD-1又は抗PD-L1を転帰と関連付けることが重要である。従って、抗PD-1及び/又は抗PD-L1抗体を検出及び/又はモニタリングする方法を提供することが本開示の目的である。
特に、抗PD-1及び/又は抗PD-L1治療抗体、抗体:抗原複合体、並びに/或いはPD-1及び/又はPD-L1を標的とする抗体は、当業者にとって公知の改変されたサンドイッチELISA技術又はその他のイムノアッセイ技術を使用して検出可能又はモニタリング可能である。
特別な実施形態では、抗PD-1又は抗PD-L1生物学的薬剤の濃度は、本発明の実施例に示すように、それと同様にELISAにより測定される。
本明細書に記載する融合タンパク質は、抗体がT細胞の表面上又は腫瘍細胞上の同一の抗原に結合するのを阻止する、又はそれと競合させるのにも利用可能である。
1つの態様では、抗PD-1及び/又は抗PD-L1治療抗体は、治療抗体による免疫療法の投与を少なくとも1回受けたことのある患者において測定される。治療抗体として、抗PD-1又は抗PD-L1治療抗体を挙げることができるが、但しこれらに限定されない。抗体:抗原複合体は、ELISA技術又はその他のイムノアッセイにより測定され、治療抗体の循環レベルの決定を可能にする。この結果の解釈及び治療の変更は、次に臨床的徴候及び症状に精通し、抗体免疫療法の有効性を決定する腫瘍学者により決定される。患者によっては、特に患者が異なるアロタイプを有する場合(定常領域多形性)、抗体治療がその他の患者よりも急速に排除される。
本発明の1つの態様は、免疫療法を患者に提供する方法であって、治療抗体を前記患者に投与する工程と、本明細書に記載する融合タンパク質を使用して抗PD-1及び/又は抗PD-L1治療抗体の存在を検出する工程とを含む、方法を含む。このような方法は、抗体に基づく療法の有効性をモニタリングするのに利用可能であることが予想される。1つの実施形態では、有効性の顕在化が遅延し、有効性が症状を除去しない場合には、医師は用量の増加を希望し得る。本明細書に記載するこのようなツールは、治療抗体の循環レベルに生じる予想される変化の高感度検出を可能にする。
更なる実施形態では、本発明は、抗PD-1及び/又は抗PD-L1治療抗体を測定することにより、PD-1及び/又はPD-L1により媒介される疾患を検出及び/又はモニタリングする方法を提供する。PD-1及び/又はPD-L1により媒介される疾患を検出及び/又はモニタリングする前記方法は、患者から得られたサンプルを本明細書に記載する融合タンパク質と接触させる工程を含む。更なる実施形態では、PD-1及び/又はPD-L1により媒介される疾患を検出及び/又はモニタリングする方法は、治療抗体による免疫療法のコースを受けたことのある患者に実施される。
本発明のいくつかの態様は、ニボルマブ、ペンブロリズマブ、及びその他の抗PD-1療法からなる群から選択される生物学的治療抗体の循環レベルの量を決定する方法に関する。いくつかの実施形態では、生物学的治療抗体の循環レベルの量を決定する方法は、(i)抗体治療を受けている患者からサンプルを取得する工程と、(ii)前記サンプルを本発明による融合タンパク質と接触させる工程とを含む。
本発明のその他の態様は、アテゾリズマブ、アベルマブ、及びその他の抗PD-L1療法からなる群から選択される生物学的治療抗体の(フリーの)循環レベルの量を決定する方法であって、(i)抗体治療を受けている患者からサンプルを取得する工程と、(ii)前記サンプルを本発明による融合タンパク質と接触させる工程とを含む、方法に関する。
いくつかの実施形態は、PD-1及び/又はPD-L1、又はその断片、及びオリゴマー形成ドメインを含む融合タンパク質を含む組成物に関する。本明細書に記載するようなPD-1及び/又はPD-L1、又はその断片、及びオリゴマー形成ドメインを含む融合タンパク質を含む組成物を作製する方法が本明細書に更に提供される。融合タンパク質又は組成物を含むキットも提供される。
いくつかの実施形態は、抗PD-1及び/又は抗PD-L1抗体を含有する組成物をアッセイするための、本明細書に記載するような融合タンパク質を含むイムノアッセイ試薬を含む。イムノアッセイ試薬は、固体支持体と結合し得る。固体支持体は、例えば、ビーズ、膜、マイクロタイタープレート、ポリペプチドチップ、又はクロマトグラフィーカラムの固相であり得る。
様々な実施形態は、抗PD-1及び/又は抗PD-L1抗体を含有する組成物をアッセイするデバイスも含む。デバイスは、サンプルが抗PD-1及び/又は抗PD-L1抗体を含有するか決定するためのデバイスであり得る。別途規定されなければ、本明細書で使用されるすべての技術的及び科学的用語は、本発明が関係する当業者により一般的に理解される意味と同一の意味を有する。例示的な方法及び材料を以下に記載するが、但し、本明細書に記載する方法及び材料と類似した又は均等の方法及び材料も利用可能であり、またそれは当業者にとって明白である。本明細書に記載されるすべての公開資料及びその他の参考資料は参照により全体が組み込まれている。矛盾する場合、本明細書が定義を含め管理する。材料、方法、及び実施例は、説明目的に限定され、また制限するようには意図されない。
本明細書及び特許請求の範囲の全体を通じて、語「含む(comprise)」又はその変化形、例えば「含む(comprises)」又は「含む(comprising)」等は、記載された整数又は整数の群の組み入れを意味し、任意のその他の整数又は整数の群の除外を意味しないと理解される。
本発明は、下記の実施例を参照することにより、より完全に理解される。但し、実施例を、本発明の範囲の制限として解釈すべきでない。本明細書に記載されるすべての文献及び特許の引用は、明示的に参照として組み込まれている。
(実施例1)
チェックポイントタンパク質の発現及び精製
ヒトPD-1及びPD-L1の様々な融合タンパク質をコードする遺伝子を合成により生成し、コドンを哺乳動物における発現に最適化し、pTT5ベクター又はその他の高発現性哺乳動物ベクターにクローン化した。プラスミドDNAの低エンドトキシンスケールアップ調製を実施して、哺乳動物での一過性発現に備えた。
ヒト胚腎臓(HEK)293派生細胞の培養物を、スケールアップした発現プラスミドで一時的にトランスフェクトし、標準的なトランスフェクションプロトコールを利用して増殖させた。細胞ペレットを遠心分離により採取し、細胞培養物上清(CCS)中でのタンパク質発現を、トランスフェクション後4〜5日目にウェスタンブロット及びSDS-PAGEにより検証した。
IgG1又はIgG2aを含む融合タンパク質を、プロテインAアフィニティークロマトグラフィーにより精製し、透析により処方化し、一定量分取し、-80℃で保管した。p53多量体形成ドメインを含有するタンパク質はC末端ヒスチジンタグを有したが、それを固定化金属アフィニティークロマトグラフィーにより精製し、バッファー交換し、一定量分取し、-80℃で保管した。タンパク質の発現及び四量体化の確認を、SDS-PAGE及びCE-SDS(PD-1-p53-His)により評価した。
図1及び図2は、還元及び非還元条件下で実施した4〜20%トリス-グリシンTGX(商標)SDS-PAGEゲルをそれぞれ示す。ゲルを、InstantBlue(商標)タンパク質染色剤で染色した。左から右に1〜10の番号を各ゲルのレーンに付けた。第1レーンは分子量マーカーを含み、レーン2〜5は配列番号14〜17に対応する融合タンパク質を含み、レーン6〜8は配列番号21〜23に対応する融合タンパク質を含む、該融合タンパク質は、真核細胞にクローン化し、発現させた。各融合タンパク質は、検出可能なレベルで発現する能力を有した。
(実施例2)
PD-1及びPD-L1組換えタンパク質の特異性
2a.抗PD-1及び抗PD-L1抗体に対する特異的反応性
いくつかの組換えPD-1及びPD-L1タンパク質を、市販の抗PD-1抗体及び抗PD-L1抗体に対するその特異的反応性について試験した。PD-L1タンパク質及びPD-1タンパク質の組換えバージョンを、ELISAアッセイを使用して直接標識した蛍光抗体により個別に試験した。
ELISAプレートを、PD-1融合タンパク質又はPD-L1融合タンパク質でコーティングし、蛍光リーダーを使用して、APCがコンジュゲートした抗PD-1抗体又は抗PDL-1抗体による検出を行った。異なる抗原及び同一抗原の異なるバージョンについて、タンパク質のMWが異なることからそれを補償するために、50nMの等しいモル濃度で試験した。図3Aは、連続希釈系列(0.5μg/ml〜0.04μg/mlの希釈)の抗PD-1抗体に対するPD-1-p53(PD1-(GGGPS)2-p53-HisTag、配列番号29)の特異的反応性を示す。図3Bは、上記のような希釈系列の抗PD-1抗体に対するPD-L1-p53タンパク質(PD-L1-(GGGPS)2-p53-HisTag、配列番号30)の特異的反応性を示す。また図3Bは、PD-L1 Fc単量体(配列番号22)とPD-L1 p53四量体(配列番号30)の反応性の比較も示す。
2b.ヒト血漿中抗PD1抗体の定量におけるPD-1融合タンパク質の比較
組換えタンパク質PD1-(GGGPS)2-IgG1-Fc(CH2、CH3のみ)(配列番号14)、PD1-IgG1-Fc(配列番号16)、及びPD1-p53(配列番号29)を、がん治療で使用される抗PD1治療用mAbを検出するために、並びにヒト血漿中の抗PD1 mAb薬物濃度を決定するために試験したが、この場合、ペンブロリズマブ(Keytruda(登録商標))を使用した。
コーティングバッファーとしてPBS、pH7.4を用いて稀釈した、濃度50nMのいくつかのPD-1融合タンパク質により、ELISAプレートを一晩コーティングした。翌日、プレートを1×ELISA洗浄バッファー(BioRad社、BUF031C)で5回洗浄した。ブロッキング工程を、200μLの1:4 BlockACE(BioRad社、BUF029)水溶液を添加することにより開始し、製造業者の指示に基づき調製した。別の洗浄工程を行った後、プレートを37℃で1時間インキュベートした。100マイクロリッターの各ペンブロリズマブ標準濃度、並びにIgG1陰性対照をアッセイバッファー(1:8 BlockACE水溶液)で稀釈し、各ウェルに添加した。プレートを37℃で1時間インキュベートし、次にこれまでに記載したように1×ELISA洗浄バッファーで5回洗浄した。この工程の後、西洋ワサビペルオキシダーゼ抗体とFc特異的コンジュゲートした0.5μg/mLの全マウス抗ヒトIgG4、100μLを各ウェルに添加した(Thermoscientific社、クローンHP6023、カタログ番号A-10654)。プレートを、37℃で30分間インキュベートした;1×ELISA洗浄バッファー中で5回洗浄し、ABTS基質(Roche社、カタログ番号11 684 302 001)添加後15、30、及び60分のときに光学密度を測定した。
図4Aは、ヒト血漿中のペンブロリズマブの濃度を決定するためのPD-1組換えタンパク質の使用を示す。6濃度(10μg/mL、1μg/mL、0.1μg/mL、0.01μg/ml、0.001μg/mL、及び0.0001μg/mL)のペンブロリズマブ標準を使用して、生成した組換えPD1タンパク質毎に標準曲線を作成した。試験されるPD1タンパク質は、「単量体様」、二量体、及び四量体の異なるオリゴマー状態で存在する。データは、PD1-p53(四量体)が、PD1-Fc(二量体)及びPD1-Fc(CH2、CH3)(「単量体」)よりも高いアビディティー及び低いEC50値を有することを示す。更に、PD1-p53を使用すれば、0.01〜10μg/mlの範囲の濃度においてS/CO(カットオフノイズに対するシグナル)が改善する(図4B)。このアッセイでは、カットオフ値は、これらのサンプルについて得られた光学密度の陰性血漿サンプル3例の平均値に標準偏差の3倍を加算して決定した。
2c.PD-L1組換えタンパク質の反応性
異なるPD-L1融合タンパク質について、特異的抗PD-L1抗体に対するその反応性を試験した。PD-L1(PD-L1-p53四量体(配列番号30)及びPD-L1-Fc二量体(R&D systems社))の組換えバージョンを、蛍光標識した抗PD-L1 mAbを用いて試験した。要するに、ELISAプレート(黒色)を、20nMの等しいモル濃度の異なるPD-L1タンパク質でコーティングし、蛍光リーダーを使用して、APCがコンジュゲートした抗PDL-1抗体による直接検出を行った。図5は、連続希釈系列(5μg/ml〜0.001μg/mlに4倍希釈)の抗PD-L1抗体に対する、PD-L1 Fc二量体(R&D sys社)とPD-L1 p53四量体(配列番号30)との反応性の比較を示し、濃度のカットオフに対するシグナルを表わす。PD-L1 p53四量体は、PD-L1-Fc二量体よりも高い結合反応性を示した。
[参考資料]

Claims (29)

  1. プログラム細胞死1(PD-1)タンパク質の細胞外ドメイン又はその断片、及びオリゴマー形成ドメインを含む融合タンパク質であって、前記オリゴマー形成ドメインが、マウスIgG1 Fcドメイン、マウスIgG2A Fcドメイン、GCN4三量体ドメイン、クラスリン三量体ドメイン、及びp53四量体ドメイン、又はその断片からなる群から選択される、融合タンパク質。
  2. 前記マウスIgG1 Fcドメイン又はマウスIgG2A Fcドメインが、ヒンジ領域を含む、請求項1に記載の融合タンパク質。
  3. PD-1タンパク質の前記細胞外ドメイン又はその断片が、1つ又は複数のペプチドリンカーを介して前記オリゴマー形成ドメインに融合している、請求項1又は2に記載の融合タンパク質。
  4. PD-1タンパク質の前記細胞外ドメイン又はその断片が、アミノ酸のグリシン及びセリンを含む1つ若しくは複数のflexリンカーを介して、又はアミノ酸のグリシン、プロリン、及びセリンを含む1つ若しくは複数のflex proリンカーを介して前記オリゴマー形成ドメインに融合している、請求項1から3のいずれか一項に記載の融合タンパク質。
  5. PD-1タンパク質の前記細胞外ドメイン又はその断片が、配列番号4又は配列番号5に定めるアミノ酸配列を含む1つ又は複数のペプチドリンカーを介して、前記オリゴマー形成ドメインに融合している、請求項1から4のいずれか一項に記載の融合タンパク質。
  6. シグナル配列を更に含み、前記シグナル配列が、PD-1タンパク質の前記細胞外ドメイン又はその断片のN末端に融合している、請求項1から5のいずれか一項に記載の融合タンパク質。
  7. 前記シグナル配列が、配列番号3に定めるアミノ酸配列と、少なくとも70%の相同性を共有する、請求項6に記載の融合タンパク質。
  8. PD-1の前記細胞外ドメインのアミノ酸配列が、
    (i)配列番号1の残基21〜170からなるアミノ酸配列と、少なくとも70%の相同性を共有するアミノ酸配列、
    (ii)配列番号1の残基21〜145からなるアミノ酸配列と、少なくとも70%の相同性を共有するアミノ酸配列、
    (iii)配列番号1の残基33〜170からなるアミノ酸配列と、少なくとも70%の相同性を共有するアミノ酸配列、
    (iv)配列番号1の残基33〜145からなるアミノ酸配列と、少なくとも70%の相同性を共有するアミノ酸配列、
    (v)配列番号1の残基35〜170からなるアミノ酸配列と、少なくとも70%の相同性を共有するアミノ酸配列、及び
    (vi)配列番号1の残基35〜145からなるアミノ酸配列と、少なくとも70%の相同性を共有するアミノ酸配列、
    からなる群から選択される、請求項1から7のいずれか一項に記載の融合タンパク質。
  9. PD-1の前記細胞外ドメインのアミノ酸配列が、配列番号12に定めるアミノ酸配列と、少なくとも70%の相同性を有する配列を含む、請求項1から8のいずれか一項に記載の融合タンパク質。
  10. 前記オリゴマー形成ドメインのアミノ酸配列が、
    (i)配列番号6に定めるアミノ酸配列と、少なくとも70%の相同性を共有するアミノ酸配列、
    (ii)配列番号7に定めるアミノ酸配列と、少なくとも70%の相同性を共有するアミノ酸配列、
    (iii)配列番号8に定めるアミノ酸配列と、少なくとも70%の相同性を共有するアミノ酸配列、
    (iv)配列番号9に定めるアミノ酸配列と、少なくとも70%の相同性を共有するアミノ酸配列、
    (v)配列番号10に定めるアミノ酸配列と、少なくとも70%の相同性を共有するアミノ酸配列、
    (vi)配列番号11に定めるアミノ酸配列と、少なくとも70%の相同性を共有するアミノ酸配列、及び
    (vii)配列番号28に定めるアミノ酸配列と、少なくとも70%の相同性を共有するアミノ酸配列
    からなる群から選択される、請求項1から9のいずれか一項に記載の融合タンパク質。
  11. 前記融合タンパク質のアミノ酸配列が、
    (i)配列番号14に定めるアミノ酸配列と、少なくとも70%の相同性を共有するアミノ酸配列、
    (ii)配列番号15に定めるアミノ酸配列と、少なくとも70%の相同性を共有するアミノ酸配列、
    (iii)配列番号16に定めるアミノ酸配列と、少なくとも70%の相同性を共有するアミノ酸配列、
    (iv)配列番号17に定めるアミノ酸配列と、少なくとも70%の相同性を共有するアミノ酸配列、
    (v)配列番号18に定めるアミノ酸配列と、少なくとも70%の相同性を共有するアミノ酸配列、
    (vi)配列番号19に定めるアミノ酸配列と、少なくとも70%の相同性を共有するアミノ酸配列、
    (vii)配列番号20に定めるアミノ酸配列と、少なくとも70%の相同性を共有するアミノ酸配列、及び
    (viii)配列番号29に定めるアミノ酸配列と、少なくとも70%の相同性を共有するアミノ酸配列
    からなる群から選択される、請求項1から10のいずれか一項に記載の融合タンパク質。
  12. PD-1が、組換えPD-1である、請求項1から11のいずれか一項に記載の融合タンパク質。
  13. PD-1が、組換えヒトPD-1である、請求項1から12のいずれか一項に記載の融合タンパク質。
  14. プログラム細胞死-リガンド1(PD-L1)タンパク質の細胞外ドメイン又はその断片、及びオリゴマー形成ドメインを含む融合タンパク質であって、前記オリゴマー形成ドメインが、マウスIgG1 Fcドメイン、マウスIgG2A Fcドメイン、GCN4三量体ドメイン、クラスリン三量体ドメイン、及びp53四量体ドメイン、又はその断片からなる群から選択される、融合タンパク質。
  15. 前記マウスIgG1 Fcドメイン又はマウスIgG2A Fcドメインが、ヒンジ領域を含む、請求項14に記載の融合タンパク質。
  16. PD-L1タンパク質の前記細胞外ドメイン又はその断片が、1つ又は複数のペプチドリンカーを介して、前記オリゴマー形成ドメインに融合している、請求項14又は15に記載の融合タンパク質。
  17. PD-L1タンパク質の前記細胞外ドメイン又はその断片が、アミノ酸のグリシン及びセリンを含む1つ若しくは複数のflexリンカーを介して、又はアミノ酸のグリシン、プロリン、及びセリンを含む1つ若しくは複数のflex proリンカーを介して、前記オリゴマー形成ドメインに融合している、請求項14から16のいずれか一項に記載の融合タンパク質。
  18. PD-L1タンパク質の前記細胞外ドメイン又はその断片が、配列番号4又は配列番号5に定めるアミノ酸配列を含む1つ又は複数のペプチドリンカーを介して、前記オリゴマー形成ドメインに融合している、請求項14から17のいずれか一項に記載の融合タンパク質。
  19. シグナル配列を更に含み、前記シグナル配列が、PD-L1タンパク質の前記細胞外ドメイン又はその断片のN末端に融合している、請求項14から18のいずれか一項に記載の融合タンパク質。
  20. 前記シグナル配列が、配列番号3に定めるアミノ酸配列と、少なくとも70%の相同性を共有する、請求項19に記載の融合タンパク質。
  21. PD-L1の前記細胞外ドメインのアミノ酸配列が、
    (i)配列番号2の残基18〜239からなるアミノ酸配列と、少なくとも70%の相同性を共有するアミノ酸配列、
    (ii)配列番号2の残基18〜238からなるアミノ酸配列と、少なくとも70%の相同性を共有するアミノ酸配列、
    (iii)配列番号2の残基18〜225からなるアミノ酸配列と、少なくとも70%の相同性を共有するアミノ酸配列、
    (iv)配列番号2の残基18〜134からなるアミノ酸配列と、少なくとも70%の相同性を共有するアミノ酸配列、
    (v)配列番号2の残基18〜127からなるアミノ酸配列と、少なくとも70%の相同性を共有するアミノ酸配列、
    (vi)配列番号2の残基19〜239からなるアミノ酸配列と、少なくとも70%の相同性を共有するアミノ酸配列、
    (vii)配列番号2の残基19〜238からなるアミノ酸配列と、少なくとも70%の相同性を共有するアミノ酸配列、
    (viii)配列番号2の残基19〜225からなるアミノ酸配列と、少なくとも70%の相同性を共有するアミノ酸配列、
    (ix)配列番号2の残基19〜134からなるアミノ酸配列と、少なくとも70%の相同性を共有するアミノ酸配列、
    (x)配列番号2の残基19〜127からなるアミノ酸配列と、少なくとも70%の相同性を共有するアミノ酸配列、
    (xi)配列番号2の残基133〜225からなるアミノ酸配列と、少なくとも70%の相同性を共有するアミノ酸配列、
    (xii)配列番号2の残基133〜238からなるアミノ酸配列と、少なくとも70%の相同性を共有するアミノ酸配列、及び
    (xiii)配列番号2の残基133〜239からなるアミノ酸配列と、少なくとも70%の相同性を共有するアミノ酸配列
    からなる群から選択される、請求項14から20のいずれか一項に記載の融合タンパク質。
  22. PD-L1の前記細胞外ドメインのアミノ酸配列が、配列番号13に定めるアミノ酸配列と少なくとも70%の相同性を有する配列を含む、請求項14から21のいずれか一項に記載の融合タンパク質。
  23. 前記オリゴマー形成ドメインのアミノ酸配列が、
    (i)配列番号6に定めるアミノ酸配列と、少なくとも70%の相同性を共有するアミノ酸配列、
    (ii)配列番号7に定めるアミノ酸配列と、少なくとも70%の相同性を共有するアミノ酸配列、
    (iii)配列番号8に定めるアミノ酸配列と、少なくとも70%の相同性を共有するアミノ酸配列、
    (iv)配列番号9に定めるアミノ酸配列と、少なくとも70%の相同性を共有するアミノ酸配列、及び
    (v)配列番号10に定めるアミノ酸配列と、少なくとも70%の相同性を共有するアミノ酸配列、及び
    (vi)配列番号11に定めるアミノ酸配列と、少なくとも70%の相同性を共有するアミノ酸配列、及び
    (vii)配列番号28に定めるアミノ酸配列と、少なくとも70%の相同性を共有するアミノ酸配列
    からなる群から選択される、請求項14から22のいずれか一項に記載の融合タンパク質。
  24. 前記融合タンパク質のアミノ酸配列が、
    (i)配列番号21に定めるアミノ酸配列と、少なくとも70%の相同性を共有するアミノ酸配列、
    (ii)配列番号22に定めるアミノ酸配列と、少なくとも70%の相同性を共有するアミノ酸配列、
    (iii)配列番号23に定めるアミノ酸配列と、少なくとも70%の相同性を共有するアミノ酸配列、
    (iv)配列番号24に定めるアミノ酸配列と、少なくとも70%の相同性を共有するアミノ酸配列、
    (v)配列番号25に定めるアミノ酸配列と、少なくとも70%の相同性を共有するアミノ酸配列、
    (vi)配列番号26に定めるアミノ酸配列と、少なくとも70%の相同性を共有するアミノ酸配列、
    (vii)配列番号27に定めるアミノ酸配列と、少なくとも70%の相同性を共有するアミノ酸配列、及び
    (viii) 配列番号30に定めるアミノ酸配列と、少なくとも70%の相同性を共有するアミノ酸配列
    からなる群から選択される、請求項14から23のいずれか一項に記載の融合タンパク質。
  25. PD-L1が、組換えPD-L1である、請求項14から24のいずれか一項に記載の融合タンパク質。
  26. PD-L1が、組換えヒトPD-L1である、請求項14から25のいずれか一項に記載の融合タンパク質。
  27. ニボルマブ、ペンブロリズマブ、及びその他の抗PD-1療法からなる群から選択される生物学的治療抗体の循環レベルの量を決定する方法であって、
    (i)抗体治療を受けている患者からサンプルを取得する工程と、
    (ii)前記サンプルを、請求項1に記載の融合タンパク質と接触させる工程と
    を含む、方法。
  28. アテゾリズマブ、アベルマブ、及びその他の抗PD-L1療法からなる群から選択される生物学的治療抗体の(フリーの)循環レベルの量を決定する方法であって、
    (i)抗体治療を受けている患者からサンプルを取得する工程と、
    (ii)前記サンプルを、請求項14に記載の融合タンパク質と接触させる工程と
    を含む、方法。
  29. ポリヒスチジンアフィニティータグを更に含む、請求項1から26のいずれか一項に記載の融合タンパク質。
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