JP2020504016A - 鋳造産業における酸を含有するコーティング組成物の使用 - Google Patents
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Abstract
Description
鋳物用鋳型(本発明の目的のためには「鋳型」とも呼ばれる)および鋳物用中子(本発明の目的のためには「中子」とも呼ばれる)に使用される鋳型ベース材料は、主に粒状耐火性材料、例えば洗浄されている分級ケイ砂である。それ自体公知の他の好適な鋳型ベース材料は、例えばジルコンサンド、クロマイトサンド、シャモット、オリビンサンド、長石含有砂、およびアンダルサイトサンドである。鋳型ベース材料はまた、記載されたものとは異なる鋳型ベース材料の混合物、または他の好ましい鋳型ベース材料の混合物であり得る。耐火性鋳型ベース材料は、好ましくは自由流動形態であり、それが好適なキャビティに導入され、そこで圧縮されることが可能になる。鋳型ベース材料または対応する成形材料混合物(成形材料)は、鋳造用鋳型の強度を高めるために圧縮する。鋳造用鋳型を製造するために、鋳型ベース材料は、有機または無機成形材料バインダー(バインダー)を使用して結合させる。成形材料バインダーは、成形材料の粒子間に強力な凝集力を生じさせ、鋳造用鋳型に必要な機械的安定性を提供する。工業的実施における鋳型および中子の製造は、一般にかつ有利には、粒子状構成成分を圧縮し、バインダーを硬化させるシューティング機または造型機において実施し、これはまた、本発明との関係において使用される鋳型および中子にも当てはまる。
すべての有機成形材料バインダーに共通の特徴は、それらの硬化メカニズムに関係なく、液体金属を鋳造用鋳型に導入すると、それらが熱分解を受け、その結果、汚染物質、例えばベンゼン、トルエン、キシレン、フェノール、ホルムアルデヒド、ならびにその他の熱分解および/またはクラッキングの生成物を放出することがあり、これらのうちのいくつかは不特定である。これらの排出を最小にすることにおいて種々の手段が成功をもたらしてきたが、それでもなお現在のところ、有機成形材料バインダーの場合にはそれらを完全に回避することはできない。
鋳造工程中の分解生成物の排出を最小にするかまたは防止するために、無機材料をベースとし、多くとも非常に低い割合の有機化合物を含有する成形材料バインダーを使用することができる。この種の成形材料バインダー系は、例えば、GB782205A、US6972059B1、US5582232A、US5474606A、およびUS7022178から、既にかなり長い間公知である。
本明細書との関係では、「無機的に結合した」という表現は、鋳型または中子が無機成形材料バインダー(上記で定義されたような)により結合されていることを意味する。
無機成形材料バインダーの構成成分として特に重要なのはアルカリ金属水ガラスである。アルカリ金属水ガラスは、溶融物から固化したガラス質の、換言すれば、非晶質の、水溶性のケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム、およびケイ酸リチウム、それらの混合物、ならびにまた対応する水溶液を指す。以下の「水ガラス」という用語は、それらの非晶質の、水溶性のケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウムおよび/もしくはケイ酸リチウムならびに/またはそれらの水溶液ならびに/または前述のケイ酸塩の混合物、ならびに/またはそれらの溶液を指し、それぞれの場合において、1.6〜4.0の範囲、好ましくは1.8〜2.5の範囲のSiO2対M2Oのモル率(モル比)を有し、M2Oは酸化リチウム、酸化ナトリウムおよび酸化カリウムの総量を表す。「水ガラス結合」という表現は、鋳物成形要素、より具体的には鋳型または中子が、水ガラスを含むかまたは水ガラスからなる成形材料バインダーを使用して製造されているかまたは製造可能であることを意味する。例えば、US7770629B2には、耐火性鋳型ベース材料と同様に水ガラスベースの成形材料バインダーおよび粒子状金属酸化物を含む成形材料混合物が提案されており、使用される粒子状金属酸化物は、好ましくは沈降シリカまたはヒュームドシリカである。
− 鋳物表面の滑らかさを改善する機能;
− 液体金属と鋳型もしくは中子との分離を最大にする機能;
− 鋳型/中子の構成成分と溶融物との間の化学反応を防止し、それにより鋳型/中子と鋳物との間の分離を容易にする機能;ならびに/または
− 気泡、差し込み、バリ、および/もしくはすくわれなどの鋳物の表面欠陥を防止する機能
を果たすことを意図している。
上述の、また適切な場合における、耐火性コーティングまたは鋳型もしくは中子に適用されるべきコーティング組成物の精密な組成によって、さらなる機能を一般に確立しかつ最適化し、かつ/または特定の意図する目的に適合させる。
鋳造において使用するためのコーティング組成物は、通常、以下の構成要素:(i)1種または複数の微粒子耐火物、すなわち、微粒子状、耐火性または高耐火性無機材料と、(ii)1つまたは複数の化合物(水、アルコールなど)を含むキャリア液と、(iii)さらなる構成成分として、例えば、1種または複数の耐火性コーティングバインダー(以下、略して「バインダー」とも呼ぶ)および/または殺生物剤および/または湿潤剤および/またはレオロジー添加剤とを含むかまたはそれからなる。したがって、鋳型および中子をコーティングするための即時使用コーティング組成物は、通常、キャリア流体中、例えば水性(含水)キャリア液中または非水性(無水)キャリア液中の微粒子状、耐火性または高耐火性無機材料(耐火物)の懸濁液であり;キャリア液に関する詳細については、下記を参照されたい。
本明細書中の「耐火物」という用語は、当業者の通常の理解に沿って、少なくとも短時間、溶融鉄の、通常は鋳鉄の鋳造または凝固に関与する温度への曝露に耐えることができる組成物、材料、および鉱物を指すために使用する。「高耐火性」と呼ばれる組成物、材料、および鉱物は、溶融鋼の鋳造熱に一時的に耐えることができるものである。溶融鋼の鋳造中に生じ得る温度は通常、溶融鉄または鋳鉄の鋳造中に生じ得る温度よりも高い。耐火性組成物、材料、および鉱物(耐火物)ならびに高耐火性組成物、材料、および鉱物は、例えば、DIN 51060:2000−06から当業者に公知である。
耐火性コーティングバインダー(バインダー)の主な目的は、コーティング組成物中に存在する耐火物を成形材料上に固定することである。本発明との関係においてもまた好適なバインダーの例は、ポリビニルアルコール、ポリアクリレート、ポリビニルアセテートおよび/または前述のポリマーの対応するコポリマーなどの合成樹脂(有機ポリマー)または合成樹脂の分散物である。ポリビニルアルコールが好ましい。バインダーとして好適なのはまた、天然樹脂、デキストリン、デンプン、およびペプチドである。
レオロジー添加剤(標準化剤)は加工に所望の耐火性コーティング流動性を設定するために使用する。本発明との関係においてもまた好適な無機標準化剤は、例えば膨潤性粘土、例えばナトリウムベントナイト、またはさらにはアタパルジャイト(パリゴルスカイト)である。本発明との関係においてもまた好適な有機標準化剤の例としては、セルロース誘導体、より具体的にはカルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、およびヒドロキシプロピルセルロースなどの膨潤性ポリマー;植物粘液、ポリビニルピロリドン、ペクチン、ゼラチン、寒天、ポリペプチドおよび/またはアルギン酸塩が挙げられる。前述のレオロジー添加剤または標準化剤は、本発明に従って使用されるコーティング組成物の好ましい成分である。
コーティング組成物は、消泡剤、顔料および/または染料をさらに含み得る。使用する消泡剤は、例えば、シリコーン油または鉱油であり得る。顔料の例は、赤色および黄色の酸化鉄、ならびにまたグラファイトである。染料の例は、当業者に公知の市販の染料である。前述の消泡剤、顔料および/または染料もまた、本発明に従って使用されるコーティング組成物の好ましい成分である。
しかし、上記のように、無機成形材料バインダーを使用して、より具体的には水ガラス含有成形材料バインダーを使用して製造された鋳物成形要素、特に鋳型および中子は、水または水様水分への曝露に対して低い安定性を有する。したがって、水ベースのコーティング組成物中に存在する水は、それらで処理(コーティング)されている無機的に結合した鋳型および中子を損傷する可能性がある。結果として、特に、このようにしてコーティングされた鋳型および中子の強度は有害に低下する可能性がある。鋳造技術において公知のこの特定の問題(例えば、WO00/05010A1参照)は、例えば、鋳型および中子の特に強力な硬化、塗布された耐火性コーティングを乾燥させるための高価で、簡便でないプロセス、または成形材料混合物の適合を含む、使用されている既存の手段では、現在のところ、不適切にしか対処されていない。
文献WO2013/044904A1は、含水耐火性コーティングの成分としての特定の粘土の組合せによって、非常に高い固形分を有するが、それにもかかわらず市販の即時使用耐火性コーティングと同等の粘度を有し、無機成形材料バインダーにより結合し、これらの耐火性コーティングでコーティングされた中子および鋳型の品質を明らかに改善することができる耐火性コーティングを製造する可能性を明記している。
文献DE102011115025A1およびWO2013/050022A2には、水性コーティング組成物を特定の塩と特定の濃度範囲で混合すると、コーティングされた無機中子および鋳型の品質が改善されること、および特に、前記中子および鋳型の保存安定性が明らかに向上することが明記されている。当該塩は、マグネシウムおよび/またはマンガンの塩、特にそれらの硫酸塩および塩化物である。
文献DE2730753A1は、溶融金属の加工に使用される鋳型をコーティングするための組成物、およびこの組成物でコーティングされた鋳型を記載している。前述の組成物は、例えばギ酸またはその塩を含み得る。
文献DE102006040385A1は、セラミックおよびガラス質バインダーをベースとする温度安定性BN成形離型層を開示しており;しかし、この文献は、鋳造において使用するための(対応する粒子状の鋳型ベース材料に基づく)無機的に結合した鋳型または中子の使用を開示していない。
しかし、我々自身の調査に示すように、上述の従来技術による手順の場合であっても、上で特定された問題は依然としてある程度存在する。
したがって、従来技術から出発して、以下の有利な特性のうちの1つまたは複数、好ましくはすべてを有するかまたは可能にすることを意図した、鋳造において使用するためのさらに改善されたコーティング組成物が必要である:
− それによって製造可能なコーティングされた鋳型および/または中子の強度が、特に鋳型および中子を、無機成形材料バインダーを用いて、より具体的には水ガラス含有成形材料バインダーを用いて製造した場合、公知の含水耐火性コーティングまたはコーティング組成物でコーティングされた鋳型および中子と比較して、増大する;
− それによって製造可能なコーティングされた鋳型および/または中子の保存安定性およびまた大気中の水分に対する耐性が、公知の含水耐火性コーティングまたはコーティング組成物でコーティングされた鋳型および中子と比較して、増大する;
− コーティング組成物自体の保存安定性が、公知の含水コーティング組成物と比較して、著しく損なわれることがなく、またはさらに増強される;
− 高温の鋳型および/または中子に(すなわち、特に50℃を超える温度、好ましくは50〜100℃の範囲の温度を有するこれらの鋳型および/または中子に)、コーティング組成物を塗布することが可能になるか、または少なくとも改善される;
− それによって製造可能なコーティングされた鋳型および/または中子により、高い鋳造品質および鋳物表面の滑らかさ、好ましくは欠陥の少ない鋳造品質、より好ましくは欠陥のない鋳造品質が可能になる;
− 鉄および/もしくは鋼の鋳造にも、無機的に結合した、特に水ガラス結合鋳造用成形要素、特に鋳型および/もしくは中子を使用することが可能になる、またはこれらの目的のために使用する可能性が拡張される。
ここで本発明の主な目的は、無機的に結合した鋳物成形要素、特に水ガラス結合鋳物成形要素、好ましくは鋳型および/または中子に、それらの特性、特にそれらの強度に悪影響を及ぼすことなく使用することができるコーティング組成物を鋳造において使用することを可能にすることであった。
本発明のさらなる目的は、含水耐火性コーティングでコーティングされた無機的に結合した鋳物成形要素を製造するための対応する方法を提供することであった。
さらに、本発明の目的は、その内容物が本発明に従って特定されたコーティング組成物を含むキットを提供することであった。
より厳密に特定された実施形態、構成成分または特徴を「含む」または「含有する」、本発明に従って使用されるコーティング組成物、本発明の方法、本発明のコーティングされた鋳型または中子、および本発明のキットは、以下に記載され、より狭い範囲で理解されるべき、前記使用、方法、コーティングされた鋳型またはキットの対応する変形形態も、それぞれの場合において開示されることを意図しており、これらの実施形態、構成成分または特徴「からなる」前記変形形態は、それぞれの場合においてより厳密に定義される。
本発明によれば、主な目的および一般目的の上記のさらなる態様は、鋳造において使用するための水ガラス結合鋳型上または水ガラス結合中子上にコーティングを製造するための、
(a)1つまたは複数の耐火物と、
(b)5以下、好ましくは4以下のpHを有する水性相と
を含むコーティング組成物の使用であって、
水ガラス結合鋳型または水ガラス結合中子が、粒子状非晶質二酸化ケイ素を含む、使用によって達成される。
コーティング組成物中の耐火物(構成成分(a)参照)は、好ましくは、石英、酸化アルミニウム、二酸化ジルコニウム、ケイ酸アルミニウム、フィロケイ酸塩、ケイ酸ジルコニウム、オリビン、タルク、雲母、グラファイト、コークス、長石、珪藻土、カオリン、焼成カオリン、メタカオリナイト、酸化鉄、およびボーキサイトからなる群から選択される1種または複数の物質である。
本発明の目的のために、コーティング組成物中のpHは、それぞれの場合において懸濁液から、または好ましくは標準方法DIN 19260:2012−10に従う懸濁液から決定される。
本発明のコーティング組成物でコーティングすることができる(コーティングされる)鋳物成形要素は、それ自体公知の任意の所望の方法で、例えばシューティング、流し込みまたは3D印刷技術によって製造することができる。
pHが7に達するまで水酸化ナトリウムを添加することによってコーティング組成物から得られた比較コーティング組成物を使用すること以外の点では同一の条件下で製造されたコーティングされた水ガラス結合比較用鋳型またはコーティングされた水ガラス結合比較用中子と比較して、コーティングされた水ガラス結合鋳型またはコーティングされた水ガラス結合中子は、乾燥時の低下がより小さい曲げ強度を有することにおいて、本発明による使用が好ましい。工業的実施において特に技術的に関連があるのは、実際には、これらの「酸性」コーティング組成物(すなわち、5以下、好ましくは4以下のpHを有する水性相を含むもの)であり、それらの「アルカリ」(pH7以上)均等物が、乾燥時の曲げ強度の大幅な低下を示す、コーティングされた水ガラス結合鋳型または中子をもたらす。
本発明によるコーティング組成物の使用との関係においては、水ガラス結合鋳型または水ガラス結合中子は、粒子状非晶質二酸化ケイ素を含む。
「粒子状非晶質二酸化ケイ素」という用語は、本発明との関係において、粒子状合成二酸化ケイ素、好ましくは沈降シリカおよび/またはヒュームドシリカを指す。ヒュームドシリカが好ましい。
上記で特定された製造操作の後では、一次非晶質二酸化ケイ素粒子(「一次粒子」)は多くの場合アグロメレート形態であり、すなわち一次粒子のアグロメレートとして存在する。粒子状非晶質二酸化ケイ素の一次粒子の粒子形状は、好ましくは球状である。球形の一次粒子は、例えば走査型電子顕微鏡によって観察することができる。好ましくは、粒子状非晶質二酸化ケイ素の一次粒子は球状であり、二次元顕微鏡(好ましくは走査型電子顕微鏡)画像の評価により決定される0.9以上の球形度を有する。
一実施形態によれば、同様に好ましいのは、水性相(b)が、
(b1)水と
(b2)好ましくはpKa<5、より好ましくはpKa<4を有する、1種または複数の酸と
を含み、
好ましくは、構成成分(b1)の質量対構成成分(b2)の質量の比が、10:1〜200:1の範囲、より好ましくは10:1〜100:1の範囲にある、コーティング組成物の本発明のまたは好ましい本発明の使用である。
本発明に従って使用するためのコーティング組成物の製造において、1種または複数の酸は、通例の形態、すなわち固体または液体の形態で、任意に希釈して、好ましくは水で希釈してコーティング組成物のさらなる構成成分と(換言すれば、特に、構成成分(a)の耐火物および構成成分(b1)の水と)混合させて、所望のpHに設定するかまたは到達させることができる。
コーティング組成物の本発明のまたは好ましい本発明の使用のさらなる実施形態では、水性相(b)の総質量に対する構成成分(b1)の質量の比率は、好ましくは50%超、より好ましくは70%超、非常に好ましくは90%超である。
一般に、2つ以上の好ましい実施形態が同時に実現される本発明の使用が好ましい。
本発明の好ましいパラメータ、特性、および構成成分の特に好ましい組合せは、添付の特許請求の範囲から一般的に明らかである。
1つの特に好ましい変形形態は、構成成分(b2)が、無機酸および有機酸からなる群から選択される1種または複数の酸を含む、コーティング組成物の本発明のまたは好ましい本発明の使用である。この場合の前述の有機酸は、好ましくはモノカルボン酸、ジカルボン酸、およびトリカルボン酸、好ましくは25℃および1013mbar(または1013hPa)で固体であるモノカルボン酸、ジカルボン酸、およびトリカルボン酸からなる群から選択される。特に好ましくは、有機酸は、クエン酸およびシュウ酸からなる群から選択される。前述の無機酸は、好ましくは、塩酸、硝酸、リン酸、および酸性リン酸塩、例えばリン酸アルミニウムからなる群から、より好ましくは、塩酸、硝酸、およびリン酸からなる群から選択される。
構成成分(b2)中のまたは成分(b2)としての1種または複数の無機酸と組み合わせた有機酸の使用が好ましい。特に好ましいのは、構成成分(b2)中または構成成分(b2)としての有機酸の使用である。
さらに特に好ましいのは、コーティング組成物の本発明の使用、好ましくは、好ましいと示される本発明の使用であり、構成成分(a)は、粒子状非晶質二酸化ケイ素、好ましくは一次粒子(i)が球状であり、かつ/またはレーザー回折により決め定してD90<10μm、好ましくはD90<1μmを有する粒子状非晶質二酸化ケイ素、より好ましくは、副構成成分として(i)二酸化ジルコニウムおよび/または(ii)ルイス酸を含み、非常に好ましくは二酸化ジルコニウムを含む粒子状非晶質二酸化ケイ素を含む。構成成分(a)の粒子状非晶質二酸化ケイ素の一次粒子が(i)球状であり、かつ/または(ii)レーザー回折により決定してD90<10μm、好ましくはD90<1μmを有する、コーティング組成物の本発明の使用が、好ましい。好ましくは、構成成分(a)の粒子状非晶質二酸化ケイ素の一次粒子は(i)球状であり、二次元顕微鏡画像の評価により決定される0.9以上の球形度を有する。現代の市販の電子または光学顕微鏡システムにより、デジタル画像分析が可能になり、したがって粒子形態を簡便に決定することができる。球形度の試験にはデジタル画像解析が好ましい。
粒子状非晶質二酸化ケイ素の一次粒子の「D90」は、それらの粒度分布を表す。粒度分布は、それ自体公知の方法で、レーザー回折によって、好ましくはDIN ISO 13320:2009〜10に従う標準的な方法によって決定する。体積平均粒度分布関数の累積度数分布について、ここで確認されたD90値は、90体積%の一次粒子が特定の値(例えば10μm)以下の粒度を有することを示す。粒度分布を決定するための好適な機器は、それ自体公知の、Malvern、United Kingdom製の「Mastersizer 3000」タイプ、好ましくはBeckman Coulter、USA製の「Coulter LS 230」タイプのレーザー回折機器であり、測定は、好ましくは、「偏光散乱強度差計測」(「PIDS」)技術によって実施する。前述のレーザー回折技術を用いて、散乱光信号を、それぞれの場合において、好ましくは一次粒子の屈折および吸収挙動も考慮に入れたミー理論に従って評価する。
「副構成成分」という用語は、本発明との関係において、構成成分(a)の粒子状非晶質二酸化ケイ素が、例えば粒子状非晶質二酸化ケイ素の上流製造手順および/または上流処理手順からの不純物または付着物として生じる場合がある少量のみのそのような副構成成分を含むことを表す。前記副構成成分は、それぞれの場合において、構成成分(a)の粒子状非晶質二酸化ケイ素の総質量に基づいて、好ましくは18質量%(または質量分率)以下の量で、より好ましくは12質量%以下の量で、最も好ましくは8質量%以下の量で存在する。
上記の構成成分の他に、本発明に従って使用されるコーティング組成物は、さらなる構成成分、例えばエステル、ラクトン、および/または酸無水物、例えばギ酸メチル、ギ酸エチル、炭酸プロピレン、γ−ブチロラクトン、ジアセチン、トリアセチン、それ自体公知の「二塩基酸エステル」(ジカルボン酸、特にグルタル酸、コハク酸、およびアジピン酸の2種以上のジメチルエステルの混合物)、無水酢酸、炭酸メチル、およびε−カプロラクトンもまた含んでもよい。
− 1種または複数の殺生物剤、
− 1種または複数の湿潤剤、
− 1種または複数のレオロジー添加剤、および
− 1種または複数のバインダー、好ましくはポリビニルアルコール
のうちの1つまたは複数またはすべてを含む。
好適な殺生物剤としては、殺微生物剤、特に殺菌剤、殺藻剤および/または殺真菌剤などの通例の殺生物剤が挙げられる。上でさらに示された殺生物剤が、好ましくは使用され得る。好適な湿潤剤は、好ましくは上でさらに列挙された湿潤剤である。好適なレオロジー添加剤は、好ましくは上でさらに列挙されたレオロジー添加剤である。好適なバインダーは、好ましくは上で列挙されたバインダーである。ポリビニルアルコールは、特に好ましいバインダーである。
さらなる実施形態では、コーティング組成物が、それぞれの場合にコーティング組成物の総質量に基づいて、80質量%未満、好ましくは45質量%未満の固形分を有する、コーティング組成物の本発明の使用が好ましい。
さらなる実施形態によれば、コーティング組成物が、それぞれの場合において、コーティング組成物の総質量に基づいて、2質量%以下の総量で、好ましくは0.05〜0.80質量%の範囲の量で、好ましくはポリビニルアルコールを含む1種または複数のバインダーを含む、本発明のまたは本発明に好ましい使用が、特に好ましい。
別の実施形態によれば、コーティング組成物の本発明のまたは本発明に好ましい使用が、特に好ましく、コーティング組成物は、900℃超、好ましくは1250℃超の温度を有する金属溶融物の鋳造に使用するための、好ましくは鉄および/または鋼を含む金属溶融物の鋳造に使用するための水ガラス結合鋳型または水ガラス結合中子に塗布する。
さらに、特に好ましいのは、コーティング組成物を、鉄または鋼の鋳造に使用するための水ガラス結合鋳型または水ガラス結合中子に塗布する、コーティング組成物の本発明のまたは本発明に好ましい使用である。
本発明のさらなる主題は、水ガラス結合鋳型または水ガラス結合中子に塗布するためのコーティング組成物の水性相において、5以下、好ましくは4以下のpHを設定するために酸を使用することである。前述の酸は、好ましくは無機酸および有機酸からなる群から選択される。ここでの有機酸は、好ましくはモノカルボン酸、ジカルボン酸、およびトリカルボン酸、好ましくは25℃および1013mbarで固体であるモノカルボン酸、ジカルボン酸、およびトリカルボン酸、より好ましくはクエン酸およびシュウ酸からなる群から選択される。ここでの無機酸は、好ましくは、塩酸、硝酸、リン酸、および酸性リン酸塩、例えばリン酸アルミニウムからなる群から、より好ましくは、塩酸、硝酸、およびリン酸からなる群から選択される。前述の本発明の酸の使用の好ましい一変形形態では、水ガラス結合鋳型または水ガラス結合中子は、粒子状非晶質二酸化ケイ素を含み、酸は、好ましくは4以下のpHを設定するために使用する。
同様に、本発明の主題は、鋳造において使用するための、好ましくは高い保存安定性を有するコーティングされた水ガラス結合鋳型、または好ましくは高い保存安定性を有するコーティングされた水ガラス結合中子を製造する方法であって、以下の工程:
(1)本発明によるコーティング組成物の使用との関係において、既に定義されたコーティング組成物を提供または製造する工程、
(2)コーティングされていない水ガラス結合鋳型またはコーティングされていない水ガラス結合中子を提供または製造する工程、および
(3)工程(1)から提供または製造されたコーティング組成物を、工程(2)から提供もしくは製造された鋳型または提供もしくは製造された中子に塗布する工程
を含む方法である。
工程(1)からの提供または製造されたコーティング組成物を、工程(3)において提供もしくは製造された鋳型または提供もしくは製造された中子へ塗布することは、本発明の方法の工程(2)に従って、それ自体公知の方法で、好ましくは上に好適であると示された塗布方法によって、より好ましくは本発明に従って使用され、浸漬浴として提供されるコーティング組成物に、鋳型または中子を浸漬することによって、実施することができる。
本発明の前述の方法の好ましい実施形態において、提供もしくは製造された鋳型または提供もしくは製造された中子は、粒子状非晶質二酸化ケイ素を含む。
本発明のさらなる主題はまた、鋳造において使用するためのコーティングされた鋳型またはコーティングされた中子であって、それぞれの場合に、
(X)水ガラス結合鋳型または水ガラス結合中子と、
(Y)コーティング組成物の本発明の使用との関係において、上で定義されたコーティング組成物を含むコーティングと
を含む、コーティングされた鋳型またはコーティングされた中子である。
本発明のこの後者の主題の好ましい一実施形態では、コーティングされた鋳型またはコーティングされた中子は、本発明の前述の方法または本発明に従う好ましい方法によって製造可能である。
本発明の上に開示の鋳型および/または本発明の上に開示の中子は、好ましくは900℃超の温度を有する金属溶融物の鋳造に、好ましくは鉄および/または鋼を含む金属溶融物の鋳造に、より好ましくは1250℃超の温度を有する鉄および/または鋼を含む金属溶融物の鋳造に使用する。
本発明の主題はまた、別々の構成要素、
(U)鋳造において使用するための水ガラス結合鋳型または水ガラス結合中子上にコーティングを製造するための、
(a)1つまたは複数の耐火物、および
(b)5以下のpHを有する水性相
を含むコーティング組成物と、
(V)水ガラスを含むバインダーと、
(W)粒子状非晶質二酸化ケイ素と
を含むキットである。
上述のコーティング組成物の本発明の使用は、従来技術から公知である同等のまたは同等に使用されるコーティング組成物を超える以下の利点を特に有することが見出されており、および/または検討中の態様に応じてそのような利点を実証する:
− それを用いて製造可能なコーティングされた水ガラス結合鋳型および/もしくは中子、好ましくは粒子状非晶質二酸化ケイ素を含む水ガラス結合鋳型および/もしくは中子の強度の改善;
− それを用いて製造可能なコーティングされた水ガラス結合鋳型および/もしくは中子、好ましくは粒子状非晶質二酸化ケイ素を含む水ガラス結合鋳型および/もしくは中子の保存安定性の改善;
− それを用いて製造可能なコーティングされた水ガラス結合鋳型および/もしくは中子大気中、好ましくは粒子状非晶質二酸化ケイ素を含む水ガラス結合鋳型および/もしくは中子の大気中の水分に対する耐性の改善;
− 高温の鋳型および/もしくは中子に(すなわち、好ましくは50℃を超える温度、好ましくは50〜100℃の範囲の温度を有する鋳型および/もしくは中子に)、好ましくは水ガラス結合鋳型および/もしくは中子に、より具体的には、粒子状非晶質二酸化ケイ素を含む水ガラス結合鋳型および/もしくは中子に、コーティング組成物を塗布する可能性の改善;ならびに/または
− 記載のコーティング組成物の本発明の使用による、鉄および/または鋼鉄の鋳造のための、水ガラス結合鋳物成形要素、より具体的には鋳型および/または中子、好ましくは粒子状非晶質二酸化ケイ素を含む水ガラス結合鋳型および/または中子の使用の可能性の改善。
これらの利点は、本発明の他の主題および態様にも準用される。
(例1)
コーティング組成物の製造
表1に示す本発明のコーティング組成物(「SZ1」)および、また本発明ではない比較コーティング組成物(「SZ2」および「SZ3」)は、それぞれ示される成分を互いに混合することによって従来の方法で製造した。
この目的のために、それぞれの場合に必要な量の水をガラスビーカーに最初に導入し(それぞれの場合で「濃縮物」としてのコーティング組成物約2kgのバッチサイズ、表1参照)、レオロジー添加剤および耐火物(フィロケイ酸塩、ジルコンフラワー、グラファイト)を添加し、次いでこれらの成分を高剪断ディゾルバー式撹拌機を用いて3分間従来の方法で混和した。次いで、コーティング組成物の他の構成成分(表1参照)を示された割合で添加し、続いて高剪断ディゾルバー式撹拌機を用いてさらに2分間撹拌した。これにより、それぞれの場合に表1に示す希釈可能な耐火性コーティング組成物濃縮物を得た。
表1aに示す即時使用コーティング組成物の密度は、標準試験方法DIN EN ISO 2811−2(方法A)に従って測定した。
表1aに示す即時使用コーティング組成物のpH値は、それぞれの場合において懸濁液から、標準試験方法DIN 19260:2012−10に従って測定した。
コーティング組成物SZ1およびSZ3は、それぞれレオロジー添加剤としてアタパルジャイトを含有していた。コーティング組成物SZ2は、文献WO00/05010に記載されているタイプのものである。
鋳物用中子の軟化の調査
鋳物用中子の軟化(すなわち、曲げ強度の最大低下)を決定するために、試験中子(試験片)を、従来通りMultiserw製の中子シューティング機(モデルLUT、ガス圧:2bar、ショットタイム:3.0秒、シューティング圧:4.0bar)にて、(表4に示す「中子系1」に従って)製造した。中子製造の1時間後、室温(25℃)で上記の即時使用コーティング組成物「SZ1」、「SZ2」および「SZ3」(表1a参照)を用いて、浸漬によって(条件:1秒間の浸漬;3秒間のコーティング組成物中での保持時間、1秒間の除去)、試験中子をコーティング(コーティング)した。耐火性コーティングの湿潤膜厚は、それぞれの場合に約250μmに調整した。その後、コーティングされた試験中子を下記の条件下(120℃で1時間)で強制空気オーブン中で乾燥させ、それぞれの場合に乾燥条件下でのそれらの曲げ強度の変化を調べた。
コーティングされた試験中子をそれぞれ1時間乾燥させ、その間にそれらの曲げ強度(1978年10月版、the Verein Deutscher GiessereifachleuteのデータシートR202に示された定義に対応してN/cm2で)を、タイプ「Multiserw−Morek LRu−2e」の標準試験装置を使用して、それぞれの場合に標準測定プログラム「Rg1v_B 870.0 N/cm2」(3点曲げ強度)により、乾燥中の異なる時点で、次いで乾燥操作終了の1時間後に測定した。
表2に報告された値から、とりわけ、本発明のコーティング組成物(SZ1)でコーティングされた試験中子の曲げ強度の最大低下は、発明ではない比較コーティング組成物(SZ2およびSZ3)の場合より有意に小さかったことが分かる。表2の値からさらに明らかなように、本発明ではない比較コーティング組成物SZ3では、選択された条件下で使用可能なコーティングされた中子を製造することは不可能であった。
コーティングされたおよびコーティングされていない鋳物用中子の保存安定性の調査
保存安定性を決定するために、水ガラス結合試験中子(試験片)を従来の方法で(例2に記載したのと同じ方法で)製造し、それらの曲げ強度を、それぞれの場合においてそれらの製造直後にコーティングせずに、上記の通り測定した(保存時間1時間、相対湿度30〜60%の範囲、保存温度20〜25℃の範囲);表3を参照されたい(項目「1時間後非コーティング」)。
中子系1について表4に示されたバインダーは、この場合、市販のアルカリ金属水ガラスバインダー「Cordis(登録商標)8511」(Huttenes−Albertus Chemische Werke GmbH)であった。
中子系1について表4に示された添加剤は、この場合、その主構成成分(95質量%以上)が粒子状非晶質二酸化ケイ素である市販のバインダー添加剤、「Anorgit(登録商標)8396」(Huttenes−Albertus Chemische Werke GmbH)であった。
コーティング鋳物用中子の曲げ強度の調査
それぞれの場合において、粒子状非晶質二酸化ケイ素含有および非含有水ガラス結合試験中子(試験片)を、従来の方法(例2に記載されたものと類似しているが、使用したコアシューティング機の暫定的なメンテナンスの後で)で製造し、それらの曲げ強度を、比較目的のために、それぞれの場合において製造直後にコーティングせずに、上記の通り(保存時間1時間、温度20〜25℃の範囲、相対湿度30〜60%)決定した(試験の中子製造条件については、表6を参照されたい)。
上記の中子系A、BおよびCは、表6に示すように、それぞれの場合において、成形材料、バインダーおよび任意に添加剤構成成分のみから構成されていた。
Claims (19)
- 鋳造において使用するための水ガラス結合鋳型上または水ガラス結合中子上にコーティングを製造するための、
(a)1種または複数の耐火物と、
(b)5以下のpHを有する水性相と
を含むコーティング組成物の使用であって、前記水ガラス結合鋳型または前記水ガラス結合中子が、粒子状非晶質二酸化ケイ素を含む、使用。 - 前記コーティングされた水ガラス結合鋳型または前記コーティングされた水ガラス結合中子が、pHが7に達するまで水酸化ナトリウムを添加することによってコーティング組成物から得られた比較コーティング組成物を使用すること以外の点では同一の条件下で製造されたコーティングされた水ガラス結合比較用鋳型またはコーティングされた水ガラス結合比較用中子と比較して、
− 乾燥時の低下がより小さい曲げ強度を有し、
かつ/または
− 増大した保存安定性を有する、
請求項1に記載の使用。 - 前記水性相(b)が、
(b1)水と
(b2)好ましくはpKa<5、より好ましくはpKa<4を有する、1種または複数の酸と
を含み、好ましくは、構成成分(b1)の質量対構成成分(b2)の質量の比が、10:1〜200:1の範囲、より好ましくは10:1〜100:1の範囲にあり、
かつ/または
好ましくは、前記水性相(b)の総質量に対する構成成分(b1)の質量の比が、50%超、より好ましくは70%超、非常に好ましくは90%超であり、
かつ/または
好ましくは、前記水性相が、4以下のpHを有する、
請求項1または2に記載の使用。 - 前記構成成分(b2)が、無機酸および有機酸からなる群から選択される1種または複数の酸を含み、
− 前記有機酸が、好ましくは、モノカルボン酸、ジカルボン酸、およびトリカルボン酸、好ましくは25℃および1013mbarで固体であるモノカルボン酸、ジカルボン酸、およびトリカルボン酸、より好ましくはクエン酸およびシュウ酸からなる群から選択され、
かつ/または
− 前記無機酸が、好ましくは、塩酸、硝酸、リン酸、および酸性リン酸塩からなる群から、より好ましくは、塩酸、硝酸、およびリン酸からなる群から選択され、
かつ/または
− 前記コーティング組成物の総質量に対する構成成分(b2)の無機酸および有機酸の総質量の比率が、0.1〜10%の範囲に、好ましくは0.5〜5%の範囲に、より好ましくは1〜5%の範囲に、非常に好ましくは1〜3.5%の範囲に、特に好ましくは2.5〜3.5%の範囲にある、
請求項3に記載の使用。 - 前記構成成分(a)が、
粒子状非晶質二酸化ケイ素、
好ましくは、一次粒子が(i)球状であり、かつ/もしくは(ii)レーザー回折により決定してD90<10μm、好ましくはD90<1μmを有する粒子状非晶質二酸化ケイ素、
より好ましくは、副構成成分として(i)二酸化ジルコニウムおよび/もしくは(ii)ルイス酸を含む粒子状非晶質二酸化ケイ素、
ならびに/または
石英、酸化アルミニウム、二酸化ジルコニウム、ケイ酸アルミニウム、フィロケイ酸塩、ケイ酸ジルコニウム、オリビン、タルク、雲母、グラファイト、コークス、長石、珪藻土、カオリン、焼成カオリン、メタカオリナイト、酸化鉄、およびボーキサイトからなる群から選択される1種もしくは複数の物質
を含む、請求項1から4までのいずれか1項に記載の使用。 - 前記コーティング組成物が、以下の構成成分:
− 1種または複数の殺生物剤、
− 1種または複数の湿潤剤、
− 1種または複数のレオロジー添加剤、および
− 1種または複数のバインダー、好ましくはポリビニルアルコール
のうちの1つまたは複数またはすべてを含む、請求項1から5までのいずれか1項に記載の使用。 - 前記コーティング組成物が、前記コーティング組成物の総質量に基づいて、80質量%未満、好ましくは45質量%未満の固形分を有し、
かつ/または
前記コーティング組成物が、前記コーティング組成物の総質量に基づいて、2質量%以下の総量で、好ましくは0.05〜0.80質量%の範囲の量で、好ましくはポリビニルアルコールを含む1種または複数のバインダーを含む、
請求項1から6までのいずれか1項に記載の使用。 - 前記コーティング組成物を、900℃超、好ましくは1250℃超の温度を有する金属溶融物の鋳造に使用するための、好ましくは鉄および/もしくは鋼を含む金属溶融物の鋳造に使用するための水ガラス結合鋳型もしくは水ガラス結合中子に塗布し、
かつ/または
前記コーティング組成物を、鉄もしくは鋼の鋳造に使用するための水ガラス結合鋳型もしくは水ガラス結合中子に塗布し、
かつ/または
前記コーティング組成物を、50℃超、好ましくは70℃超の水ガラス結合中子または水ガラス結合鋳型の温度で、より好ましくは100℃未満の温度で、水ガラス結合鋳型または水ガラス結合中子に塗布する、
請求項1から7までのいずれか1項に記載の使用。 - 水ガラス結合鋳型または水ガラス結合中子に塗布するためのコーティング組成物の水性相において5以下のpHを設定するための、酸の使用。
- 前記酸が、無機酸および有機酸からなる群から選択され、
前記有機酸が、好ましくは、モノカルボン酸、ジカルボン酸、およびトリカルボン酸、好ましくは25℃および1013mbarで固体であるモノカルボン酸、ジカルボン酸、およびトリカルボン酸、より好ましくはクエン酸およびシュウ酸からなる群から選択され、
かつ/または
前記無機酸が、好ましくは、塩酸、硝酸、リン酸、および酸性リン酸塩からなる群から、より好ましくは、塩酸、硝酸、およびリン酸からなる群から選択され、
かつ/または
前記水ガラス結合鋳型または前記水ガラス結合中子が、粒子状非晶質二酸化ケイ素を含み、前記酸を、好ましくは4以下のpHを設定するために使用する、
請求項9に記載の使用。 - 鋳造において使用するための、高い保存安定性を有するコーティングされた水ガラス結合鋳型または高い保存安定性を有するコーティングされた水ガラス結合中子を製造する方法であって、以下の工程:
(1)請求項1から7までのいずれか1項に記載のコーティング組成物を提供または製造する工程、
(2)コーティングされていない水ガラス結合鋳型またはコーティングされていない水ガラス結合中子を提供または製造する工程、および
(3)前記工程(1)から提供または製造されたコーティング組成物を、前記提供もしくは製造された鋳型または前記提供もしくは製造された中子に塗布する工程
を含む、方法。 - 前記提供もしくは製造された鋳型または前記提供もしくは製造された中子が、粒子状非晶質二酸化ケイ素を含む、請求項11に記載の方法。
- 前記鋳型への塗布を、50℃超、好ましくは70℃超の前記中子または前記鋳型の温度で、より好ましくは100℃未満の温度で実施する、請求項11または12に記載の方法。
- 鋳造において使用するためのコーティングされた鋳型またはコーティングされた中子であって、それぞれの場合に、
(X)水ガラス結合鋳型または水ガラス結合中子と、
(Y)請求項1から7までのいずれか1項に記載のコーティング組成物を含むコーティングと
を含む、コーティングされた鋳型またはコーティングされた中子。 - 請求項11から13までのいずれか1項に記載の方法によって製造可能である、請求項14に記載のコーティングされた鋳型またはコーティングされた中子。
- 前記水ガラス結合鋳型および/または前記水ガラス結合中子が粒子状非晶質二酸化ケイ素を含む、請求項14または15に記載のコーティングされた鋳型またはコーティングされた中子。
- 900℃超の温度を有する金属溶融物の鋳造に使用するための、好ましくは鉄および/または鋼を含む金属溶融物の鋳造に使用するための、請求項14から16までのいずれか1項に記載のコーティングされた鋳型またはコーティングされた中子。
- 別々の構成要素で、
(U)鋳造において使用するための水ガラス結合鋳型または水ガラス結合中子上にコーティングを製造するための、
(a)1種または複数の耐火物、および
(b)5以下のpHを有する水性相
を含むコーティング組成物と、
(V)水ガラスを含むバインダーと、
(W)粒子状非晶質二酸化ケイ素と
を含むキット。 - 構成要素(U)としてコーティング組成物を含み、前記コーティング組成物が、請求項1から7までのいずれか1項に記載のものである、請求項18に記載のキット。
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