JP2020503248A - 疼痛の予防、緩和または治療における神経興奮性損傷関連ポリペプチドの使用 - Google Patents

疼痛の予防、緩和または治療における神経興奮性損傷関連ポリペプチドの使用 Download PDF

Info

Publication number
JP2020503248A
JP2020503248A JP2019519404A JP2019519404A JP2020503248A JP 2020503248 A JP2020503248 A JP 2020503248A JP 2019519404 A JP2019519404 A JP 2019519404A JP 2019519404 A JP2019519404 A JP 2019519404A JP 2020503248 A JP2020503248 A JP 2020503248A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pain
peptide
seq
amino acid
acid sequence
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2019519404A
Other languages
English (en)
Inventor
▲化▼▲敏▼ ▲韓▼
▲化▼▲敏▼ ▲韓▼
雨佳 田
雨佳 田
威 童
威 童
Original Assignee
▲拝▼西欧斯(北京)生物技▲術▼有限公司
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by ▲拝▼西欧斯(北京)生物技▲術▼有限公司 filed Critical ▲拝▼西欧斯(北京)生物技▲術▼有限公司
Publication of JP2020503248A publication Critical patent/JP2020503248A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K7/00Peptides having 5 to 20 amino acids in a fully defined sequence; Derivatives thereof
    • C07K7/04Linear peptides containing only normal peptide links
    • C07K7/06Linear peptides containing only normal peptide links having 5 to 11 amino acids
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K38/00Medicinal preparations containing peptides
    • A61K38/04Peptides having up to 20 amino acids in a fully defined sequence; Derivatives thereof
    • A61K38/08Peptides having 5 to 11 amino acids
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K38/00Medicinal preparations containing peptides
    • A61K38/04Peptides having up to 20 amino acids in a fully defined sequence; Derivatives thereof
    • A61K38/10Peptides having 12 to 20 amino acids
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P25/00Drugs for disorders of the nervous system
    • A61P25/04Centrally acting analgesics, e.g. opioids
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P29/00Non-central analgesic, antipyretic or antiinflammatory agents, e.g. antirheumatic agents; Non-steroidal antiinflammatory drugs [NSAID]
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K7/00Peptides having 5 to 20 amino acids in a fully defined sequence; Derivatives thereof
    • C07K7/04Linear peptides containing only normal peptide links
    • C07K7/08Linear peptides containing only normal peptide links having 12 to 20 amino acids
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K38/00Medicinal preparations containing peptides

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • Pharmacology & Pharmacy (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Proteomics, Peptides & Aminoacids (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
  • Epidemiology (AREA)
  • Gastroenterology & Hepatology (AREA)
  • Immunology (AREA)
  • Nuclear Medicine, Radiotherapy & Molecular Imaging (AREA)
  • Pain & Pain Management (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Rheumatology (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • Biophysics (AREA)
  • Genetics & Genomics (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Neurosurgery (AREA)
  • Neurology (AREA)
  • Biomedical Technology (AREA)
  • Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)
  • Peptides Or Proteins (AREA)

Abstract

本発明は、アミノ酸配列YEKLLDTEIもしくはその機能的変異体を含むペプチド、または前記ペプチドを含む医薬組成物の、疼痛(特に侵害受容性疼痛)を予防、緩和または治療する医薬の製造における使用、および疼痛の予防、緩和または治療方法を提供する。

Description

(関連出願の参照)
本願は、2016年10月10日に提出した、出願番号が201610885295.4である中国特許出願に基づく優先権を主張し、当該特許文献の内容の全てを引用することにより本明細書に組み込まれる。
本発明は、医療の分野に関し、具体的には、疼痛の予防、緩和または治療における神経興奮性損傷関連ポリペプチドの使用を提供する。
疼痛は、人々が一生の間にしばしば遭遇する不快感である。それは、体躯が脅かされていることを警告しており、生命に欠かせない特別な保護機能である。一方、それは、様々な病気の最も一般的な症状であり、現在の人々の健常を悩ませている最も深刻な問題の1つである。疼痛は機構が非常に複雑な神経活動である。疼痛研究は、現在の神経科学研究における重要な課題の1つとなっている。
既存の研究によれば、N−メチル−D−アスパラギン酸(N−methy−D−spartate:NMDA)受容体のNR2Bサブユニットは、脊髄ニューロンの興奮性シナプス伝達、中枢感作および慢性疼痛などの生理学的および病理学的プロセスに関与していることを示している。後根神経節(dorsal root ganglion:DRG)のニューロンは、周縁突起(peripheral process)および中心突起(central process)を有し、周縁突起末端は傷害性刺激を直接受け、それらはAδ線維およびC線維を介して脊髄後角表層の中心突起末端に伝達され、グルタミン酸、アスパラギン酸、SP、およびCGRPなどの神経伝達物質を放出し、グルタミン酸をさらにNMDA受容体およびAMPA受容体に結合させる。Mg2+がNMDA受容体イオンチャネルを遮断したので、AMPA受容体のみが活性化され、前記活性化されたAMPA受容体はNaの細胞への流入を活性化し続け、膜の脱分極をもたらし、Mg2+によるチャネルの遮断を排除し、Ca2+透過性を高め、そして大量に細胞に入るCa2+はPKCを活性化し、PKCはNMDA受容体をリン酸化し、異なるNMDA受容体サブタイプの発現比を変化させ、同時にNMDA受容体のサイレントシナプスを機能性シナプスに変換する。NMDA関連NOSはCa2+濃度の影響を受け、NOSはPSD−95およびPSD−93のPDZ部位で酵素反応を起こし、NOを生成してグアニル酸シクラーゼを活性化させ、そしてグアニル酸を合成し、そしてPSDカルモジュリン依存性リン酸化を増強し、シナプス伝達物質の放出を調節し、神経細胞の興奮性を変える。そのようなフィードバック増幅効果は、さらに侵害性情報を中枢に伝達し、痛覚敏感および疼痛信号増幅を引き起こす。
上記のプロセスでは、Ca2+濃度およびNR2BとPSD−95との相互作用が疼痛信号を増幅する重要な条件であることがわかり、したがって、これらの条件の1つを制限しても疼痛信号を低減する可能性がある。したがって、PSD95の阻害剤の研究開発は、疼痛の治療のためにも重要な意味を持っている。
中国特許出願番号201610885295.4
第1の態様によれば、本発明は、アミノ酸配列YEKLLDTEI(SEQ ID NO:1)もしくはその機能的変異体を含むペプチド、または前記ペプチドを含む医薬組成物の、対象(患者)の疼痛を予防、緩和または治療する医薬の製造における使用を提供する。
第2の態様によれば、本発明は、アミノ酸配列YEKLLDTEIもしくはその機能的変異体を含むペプチド、または前記ペプチドを含む医薬組成物を、それを必要とする対象に投与することを含む、疼痛の予防、緩和または治療方法を提供する。
第1の態様に係る使用または第2の態様に係る方法のいくつかの実施形態において、機能的変異体は、YEKLLDTEIにおけるLDTEI(SEQ ID NO:4)セグメントに1つまたは複数の所で保存的置換によって生成された変異体である。
いくつかの実施形態において、保存的な置換は、DとEの間、L、VとIの間、およびTとSの間の置換からなる群から選ばれる。
いくつかの実施形態において、機能的変異体は、YEKLLDTEIにおけるLDTEIセグメントがLDTEL(SEQ ID NO:5)、LDTEV(SEQ ID NO:6)、LDTDI(SEQ ID NO:7)、LDTDL(SEQ ID NO:8)、LDTDV(SEQ ID NO:9)、LDSEI(SEQ ID NO:10)、LDSEL(SEQ ID NO:11)、LDSEV(SEQ ID NO:12)、LDSDI(SEQ ID NO:13)、LDSDL(SEQ ID NO:14)、LDSDV(SEQ ID NO:15)、LETEI(SEQ ID NO:16)、LETEL(SEQ ID NO:17)、LETEV(SEQ ID NO:18)、LETDI(SEQ ID NO:19)、LETDL(SEQ ID NO:20)、LETDV(SEQ ID NO:21)、VDTEI(SEQ ID NO:22)、VDTEL(SEQ ID NO:23)、VDTEV(SEQ ID NO:24)、VDTDI(SEQ ID NO:25)、VDTDL(SEQ ID NO:26)、VDTDV(SEQ ID NO:27)、IDTEI(SEQ ID NO:28)、IDTEL(SEQ ID NO:29)、IDTEV(SEQ ID NO:30)、IDTDI(SEQ ID NO:31)、IDTDL(SEQ ID NO:32)、IDTDV(SEQ ID NO:33)、IETEI(SEQ ID NO:34)、IETEL(SEQ ID NO:35)、IETEV(SEQ ID NO:36)、IETDI(SEQ ID NO:37)、IETDL(SEQ ID NO:38)、およびIETDV(SEQ ID NO:39)からなる群より選ばれる配列のいずれかで置換することによって生成される変異体である。
第1の態様に係る使用または第2の態様に係る方法のいくつかの実施形態において、前記ペプチドは、アミノ酸配列YEKLLDTEIもしくはその機能的変異体、および内在化ペプチドを含むキメラペプチドである。
いくつかの実施形態において、内在化ペプチドは、アミノ酸配列YGRKKRRQRRR(SEQ ID NO:2)を含む。
いくつかの実施形態において、キメラペプチドは、アミノ酸配列YGRKKRRQRRRYEKLLDTEI(SEQ ID NO:3)を含む。
第1の態様に係る使用または第2の態様に係る方法のいくつかの実施形態において、疼痛は侵害受容性疼痛である。
いくつかの実施形態において、疼痛は外部ストレスまたは刺激による疼痛である。
いくつかの実施形態において、外部ストレスまたは刺激は熱刺激もしくはタッチである。
いくつかの実施形態において、前記侵害受容性疼痛は体性痛および/または内臓痛である。
いくつかの実施形態において、体性痛は火傷、切り傷、挫傷、肩痛、四肢痛、腰痛、関節炎、腱炎、筋膜炎を含む。
いくつかの実施形態において、内臓痛は胃痛、虫垂炎、膵炎、消化性潰瘍を含む。
いくつかの実施形態において、前記の使用および方法に係る前記対象は神経損傷していない対象である。
いくつかの実施形態において、前記対象は健常な対象である。
プルダウン実験でP5とPDZ1/2ドメインとの相互作用を検出することを示している図である。MはDNA分子量マーカーを表し、レーン1はHis+PDZ1/2+P5であり、レーン2は単独のP5であり、レーン3はHis+P5であり、レーン4はHis+PDZ1/2である。レーン1に示す溶出バンドには、P5およびPDZ1/2の両方を含み、P5がPDZ1/2ドメインとを結合できることが裏付けられる。 熱板実験において、ポリペプチドP5、陰性対照(生理食塩水)、および陽性対照(イブプロフェン)でラットを処理することによって得られた結果を示す図である。 プリック実験(プリックテスト)において、ポリペプチドP5、陰性対照(生理食塩水)、および陽性対照(イブプロフェン)でラットを処理した結果を示す図である。
〔発明の詳細な説明〕
本発明者らは、疼痛のメカニズムを研究することにより疼痛治療のための複数の標的を推定し、実験を通して疼痛を予防、緩和または治療することができるペプチドを設計およびスクリーニングし、そして最終的に理想的な特性を有するペプチドを選択した。本発明で得られたペプチドは、高効率および低毒性という利点を有する。
特に断らない限り、本明細書に記載された全ての用語は、一般的に、当業者によって理解される意味を有する。
用語「キメラペプチド」は、自然に互いに結合していない2つのペプチド成分を有するペプチドを意味する。前記2つのペプチド成分は、融合タンパク質として、または化学結合によって互いに結合されてもよい。
用語「機能的変異体」は、母体(親)が同一または類似の生物学的機能および特性を有する変異体を指す。非限定的な例として、「機能的変異体」は、母体における1つまたは複数の所で保存的置換を行うことによって得られてもよい。
用語「PDZドメイン」は、約90アミノ酸のモジュラータンパク質ドメインを意味し、脳シナプスタンパク質PSD−95、ショウジョウバエ(Drosophila)分離コネキシンディスク・ラージDiscs−Large(DLG)、および上皮タイトジャンクションタンパク質Z01とが高い配列同一性(例えば、少なくとも60%)を有することを特徴とする。PDZドメインは、ディスク・ラージホモログリピート(「DHRs」)およびGLGFリピートとしても呼ばれている。PDZドメインは、通常、コアコンセンサス配列(Doyle, D. A., 1996,Cell 85:1067−76)を保持することを示す。例示的なPDZドメイン含有タンパク質およびPDZドメイン配列は、米国特許出願No.10/714,537に開示された。
用語「特異的結合」とは、2つの分子(例えば、リガンドと受容体)間の結合を指し、多くの他の異なる分子の存在下であっても、1種の分子(例えば、リガンド)と他の1種の特定の分子(例えば、受容体)に結合する能力、すなわち、異種分子の混合物中に、1種の分子と別の1種の分子に優先的に結合する能力を特徴とする。リガリガンドと受容体との特定的結合も、次のように、過剰量の非標識リガンドが存在する場合、検出可能に標識されたリガンドと受容体との結合が低下した(すなわち、結合競合実験)ことが実証された。
第1の態様によれば、本発明は、アミノ酸配列YEKLLDTEI(SEQ ID NO:1)もしくはその機能的変異体を含むペプチド、または前記ペプチドを含む医薬組成物の、疼痛を予防、緩和または治療する医薬の製造における使用を提供する。
いくつかの実施形態において、前記機能的変異体は、YEKLLDTEIにおけるLDTEIセグメントに1つまたは複数の所で保存的置換によって生成された変異体である。
いくつかの実施形態において、保存的な置換は、DとEの間、L、VとIの間、およびTとSの間の置換からなる群から選ばれる。
いくつかの特定の実施形態において、機能的変異体は、SEQ ID NO:1におけるLDTEIセグメントを、LDTEL、LDTEV、LDTDI、LDTDL、LDTDV、LDSEI、LDSEL、LDSEV、LDSDI、LDSDL、LDSDV、LETEI、LETEL、LETEV、LETDI、LETDL、LETDV、VDTEI、VDTEL、VDTEV、VDTDI、VDTDL、VDTDV、IDTEI、IDTEL、IDTEV、IDTDI、IDTDL、IDTDV、IETEI、IETEL、IETEV、IETDI、IETDL、およびIETDVからなる群より選ばれる配列のいずれかで置換することによって生成される変異体である。
いくつかの実施形態において、本発明に記載の機能的変異体は、前記ペプチドと少なくとも60%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、またはそれ以上の同一性を有するアミノ酸配列をさらに含む。本領域で既に分かるように、2種の蛋白質の間の「同一性(アイデンティティ)」は、1種のタンパク質のアミノ酸配列と、その保守的アミノ酸で置換された第2種の蛋白質の配列との比較によって決定される。2種のタンパク質の間の同一性の程度は、当業者に周知のコンピュータアルゴリズムおよび方法によって決定される。2つのアミノ酸配列の間の同一性は、好ましくは、BLASTPアルゴリズムによって決定される。
いくつかの実施形態において、本明細書に記載の機能的変異体は、上記ペプチドに比べると、上記で開示された具体的なペプチドと異なっている1つ、2つ、3つ、4つ、5つまたはそれ以上の位置におけるアミノ酸残基の置換、削除、追加、および/または挿入を有する。
上述したように、機能的変異体は、1つまたは多数の置換、削除、追加、および/または挿入により、上記で開示された特定のペプチドから区別することができる。これらの変異体は、天然に存在しまたは合成的に生成したものでもよい。例えば、本明細書に記載の上記ペプチド配列の1つ以上を修飾し、本明細書に記載の当該分野によく知られている様々な技術のいずれかでその生物活性を評価することができる。
いくつかの実施形態において、アミノ酸配列YEKLLDTEI(SEQ ID NO:1)、またはその機能的変異体を含むペプチドは、アミノ酸配列YEKLLDTEIまたはその機能的変異体、および内在化ペプチドを含むキメラペプチドである。
内在化ペプチドは、細胞透過性ペプチドとも呼ばれ、タンパク質薬物の分野で広く用いられ、その機能は、それに結合した活性ペプチドが細胞に取り込まれ、および吸収されることを促進することである。非限定的な例として、内在化ペプチドは、Tatペプチドであってもよく、その中で、Tatペプチドの非限定的な例としては、YGRKKRRQRRR(SEQ ID NO:2)であってもよい。
いくつかの実施形態において、前記内在化ペプチドは、アミノ酸配列YGRKKRRQRRR(SEQ ID NO:2)を含む。
いくつかの実施形態において、前記キメラペプチドは、アミノ酸配列YGRKKRRQRRRYEKLLDTEI(SEQ ID NO:3)を含む。
上記のようなペプチドが、必要に応じて誘導体化(例えば、アセチル化、リン酸化、および/またはグリコシル化)を行って、それらの標的との親和性を促進し、その細胞膜を横切る輸送能を促進し、またはその安定性を促進することができることは、当業者にとって理解すべきである。
疼痛は、実際的または潜在的な組織損傷に関連付けられている不快な感覚や感情的な経験である。疼痛の病態生理学によると、疼痛は、侵害受容性疼痛、非侵害受容性疼痛、および総疼痛に分類することができ、その中で、侵害受容性疼痛には体性痛および内臓痛を含み、非侵害受容性疼痛には中心性疼痛(中枢性疼痛(central pain))、末梢性疼痛(peripheral pain)、および心理性疼痛(psychologic pain)を含む。
いくつかの実施形態において、本発明の予防、緩和または治療される疼痛は侵害受容性疼痛である。侵害受容性疼痛は、侵害性刺激の活性化、および感作侵害性受容器(例えばAδおよびC系神経線維によって引き起こされる生理学的反応であり、組織損傷に対して引き起こす病態生理学的過程であり、組織損傷で生じるさまざまな媒介物質(例えばH、プロスタグランジン、ブラジキニン、セロトニン、アデノシンなど)が感覚神経終末を刺激し、さまざまな神経終末受容体を感作させ、さまざまな痛み信号を神経線維に沿って伝達することを引き起こし、痛感覚を引き起こす。
いくつかの実施形態において、本発明の予防、緩和または治療される疼痛は、外部ストレスまたは刺激による疼痛である。いくつかの実施形態において、前記外部ストレスまたは刺激は熱刺激もしくはタッチである。
いくつかの実施形態において、本発明の予防、緩和または治療される侵害受容性疼痛は体性痛である。体性痛は、体表面(皮膚組織)または深部組織(骨格や筋組織)の痛覚受容器にさまざまな侵害性刺激を受けて引き起こされた疼痛であって、前者は表在体性痛とも呼ばれ、後者は深部体性痛とも呼ばれる。
いくつかの実施形態において、体性痛は火傷、切り傷、挫傷、肩痛、四肢痛、腰痛、関節炎、腱炎、筋膜炎を含むが、これらに限定されない。
いくつかの実施形態において、本発明の予防、緩和または治療される侵害受容性疼痛は内臓痛である。内臓痛は、胸部、腹部、骨盤における臓器などに対する浸透、圧迫、引っ張りまたはねじれに起因するこれらの領域の疼痛受容体の活性化で引き起こされる疼痛であり、これらの通常位置決めが困難である。
いくつかの実施形態において、内臓痛は胃痛、虫垂炎、膵炎、消化性潰瘍を含むが、これに限定されない。
本発明のいくつかの実施形態において、アミノ酸配列YEKLLDTEIまたはその機能的変異体を含む医薬組成物は、従来の方法、例えば、混合、溶解、造粒、錠剤化、研磨、乳化、カプセル化、捕捉、または凍結乾燥という方法により調製することができる。
本発明のいくつかの実施形態において、医薬組成物は、1つ以上の生理学的に許容される担体(キャリア)、希釈剤、賦形剤または補助原料を用い、従来の方法で製剤化することができる。
本発明のいくつかの実施形態において、ペプチドまたは医薬組成物を水溶液に加えて調製してもよく、好ましくは、(注射部位に不快感を低減させるために)生理学的に適合する緩衝液、例えばハンクス溶液、リンゲル溶液、または生理食塩水もしくは酢酸緩衝液に加えて調製する。当該溶液は、懸濁剤、安定剤、および/または分散剤などの製剤化薬剤を含有してもよい。
本発明のいくつかの実施形態において、本発明に係るペプチドまたは医薬組成物は、使用前に適切な担体(例えば滅菌非発熱性水)を用いて再構成するための粉末形態であってもよい。
本発明のいくつかの実施形態において、浸透しようとするバリアに適した浸透剤を製剤中に用いてもよい。
いくつかの実施形態において、本発明に係るペプチドは、薬学的に許容可能な担体と共に、タブレット、丸剤、錠剤、トローチ、カプセル、液体、ゲル(ジェル)、シロップ、スラリー、懸濁液などに調製することに用いてもよい。例えば、粉末、カプセルおよびタブレットなどの固形製剤に対して適切な賦形剤は、乳糖、ショ糖、マンニトールおよびソルビトール等の糖類などの充填剤、コーンスターチ、コムギデンプン、コメデンプン、ジャガイモデンプン、ゼラチン、トラガカント、メチルセルロース、カルボキシプロピルメチルセルロース、ナトリウムカルボキシメチルセルロースおよび/またはポビドン(PVP)などのセルロース調剤、並びに造粒剤および結合剤が挙げられる。必要に応じて、崩壊剤(例えば、架橋性のポリビニルピロリドン、寒天など)、またはアルギン酸もしくはその塩(例えば、アルギン酸ナトリウムなど)を添加してもよい。必要に応じて、固形剤形は、標準的な技術を用いて、糖または腸溶性コーティングで被覆することができる。例えば、懸濁剤、エリキシル剤および液剤などのような液体製剤に対して適切な担体、賦形剤または希釈剤は、水、グリセロール、油およびアルコールが挙げられる。さらに、矯味剤、防腐剤、着色剤等を添加してもよい。
前記製剤に加えて、本発明に係るペプチドをデポー製剤として製剤化してもよい。したがって、例えば、化合物は、適当なポリマー材料、または疎水性材料(例えば、許容される油におけるエマルジョンとして調製され)、またはイオン交換樹脂と共に製剤化することができ、または、例えば難溶性塩のような難溶性誘導体に製剤化することができる。
いくつかの実施形態において、前記対象は神経損傷していない対象である。いくつかの実施形態において、前記対象は健常な対象である。
第2の態様によれば、本発明は、アミノ酸配列YEKLLDTEIもしくはその機能的変異体を含むペプチド、または前記ペプチドを含む医薬組成物を、それを必要とする対象に投与することを含む、疼痛の予防、緩和または治療方法を提供する。
いくつかの実施形態において、前記機能的変異体は、YEKLLDTEIにおけるLDTEIセグメントに1つまたは複数の所で保存的置換によって生成された変異体である。いくつかの実施形態において、保存的な置換は、DとEの間、L、VとIの間、およびTとSの間の置換からなる群から選ばれる。いくつかの特定の実施形態において、機能的変異体は、SEQ ID NO:1におけるLDTEIセグメントを、LDTEL、LDTEV、LDTDI、LDTDL、LDTDV、LDSEI、LDSEL、LDSEV、LDSDI、LDSDL、LDSDV、LETEI、LETEL、LETEV、LETDI、LETDL、LETDV、VDTEI、VDTEL、VDTEV、VDTDI、VDTDL、VDTDV、IDTEI、IDTEL、IDTEV、IDTDI、IDTDL、IDTDV、IETEI、IETEL、IETEV、IETDI、IETDL、およびIETDVからなる群より選ばれる配列のいずれかで置換することによって生成される変異体である。
いくつかの実施形態において、本発明に記載の機能的変異体は、前記ペプチドと少なくとも60%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、またはそれ以上の同一性を有するアミノ酸配列をさらに含む。本領域で既に分かるように、2種の蛋白質の間の「同一性(アイデンティティ)」は、1種のタンパク質のアミノ酸配列と、その保守的アミノ酸で置換された第2種の蛋白質の配列との比較によって決定される。2種のタンパク質の間の同一性の程度は、当業者に周知のコンピュータアルゴリズムおよび方法によって決定される。2つのアミノ酸配列の間の同一性は、好ましくは、BLASTPアルゴリズムによって決定される。
いくつかの実施形態において、本明細書に記載の機能的変異体は、上記ペプチドに比べると、上記で開示された具体的なペプチドと異なっている1つ、2つ、3つ、4つ、5つまたはそれ以上の位置におけるアミノ酸残基の置換、削除、追加、および/または挿入を有する。
上述したように、機能的変異体は、1つまたは多数の置換、削除、追加、および/または挿入により、上記で開示された特定のペプチドから区別することができる。これらの変異体は、天然に存在しまたは合成的に生成したものでもよい。例えば、本明細書に記載の上記ペプチド配列の1つ以上を修飾し、本明細書に記載の当該分野によく知られている様々な技術のいずれかでその生物活性を評価することができる。
いくつかの実施形態において、アミノ酸配列YEKLLDTEI(SEQ ID NO:1)、またはその機能的変異体を含むペプチドは、アミノ酸配列YEKLLDTEIまたはその機能的変異体、および内在化ペプチドを含むキメラペプチドである。
内在化ペプチドは、細胞透過性ペプチドとも呼ばれ、タンパク質薬物の分野で広く用いられ、その機能は、それに結合した活性ペプチドが細胞に取り込まれ、および吸収されることを促進することである。非限定的な例として、内在化ペプチドは、Tatペプチドであってもよく、その中で、Tatペプチドの非限定的な例としては、YGRKKRRQRRR(SEQ ID NO:2)であってもよい。
いくつかの実施形態において、前記内在化ペプチドは、アミノ酸配列YGRKKRRQRRR(SEQ ID NO:2)を含む。
いくつかの実施形態において、前記キメラペプチドは、アミノ酸配列YGRKKRRQRRRYEKLLDTEI(SEQ ID NO:3)を含む。
上記のようなペプチドが、必要に応じて誘導体化(例えば、アセチル化、リン酸化、および/またはグリコシル化)を行って、それらの標的との親和性を促進し、その細胞膜を横切る輸送能を促進し、またはその安定性を促進することができることは、当業者にとって理解すべきである。
いくつかの実施形態において、前記疼痛は侵害受容性疼痛である。
いくつかの実施形態において、前記疼痛は熱刺激もしくはタッチによる疼痛である。
いくつかの実施形態において、前記疼痛は灼熱痛もしくは刺痛である。
いくつかの実施形態において、予防、緩和または治療される侵害受容性疼痛は体性痛である。いくつかの実施形態において、体性痛は火傷、切り傷、挫傷、肩痛、四肢痛、腰痛、関節炎、腱炎、筋膜炎を含むが、これらに限定されない。
いくつかの実施形態において、予防、緩和または治療される侵害受容性疼痛は内臓痛である。いくつかの実施形態において、内臓痛は胃痛、虫垂炎、膵炎、消化性潰瘍を含むが、これに限定されない。
いくつかの実施形態において、アミノ酸配列YEKLLDTEIまたはその機能的変異体を含むペプチド、あるいは前記ペプチドを含む医薬組成物の投与は、非経口、静脈内、経口、皮下、動脈内、頭蓋内、髄腔内、腹腔内、局所、鼻腔内、または筋肉内であってもよく、好ましくは静脈内投与である。
いくつかの実施形態において、非経口投与のための本発明に係る医薬組成物は、好ましくは無菌、および実質的に等張性である。注射については、ペプチドまたは医薬組成物を水溶液に加えて調製してもよく、好ましくは、(注射部位に不快感を低減させるために)生理学的に適合する緩衝液、例えばハンクス溶液、リンゲル溶液、または生理食塩水もしくは酢酸緩衝液に加えて調製する。当該溶液は、懸濁剤、安定剤、および/または分散剤などの製剤化薬剤を含有してもよい。
あるいは、本発明に係るペプチドまたは医薬組成物は、使用前に適切な担体(例えば滅菌非発熱性水)を用いて再構成するための粉末形態であってもよい。
経粘膜投与については、浸透しようとするバリアに適した浸透剤が製剤中に用いられる。該投与経路は、化合物を鼻腔まで転送するために用いられ、または舌下投与に用いられる。
いくつかの実施形態において、経口投与については、本発明に係るペプチドと薬学的に許容可能な担体と共に、タブレット、丸剤、錠剤、トローチ、カプセル、液体、ゲル(ジェル)、シロップ、スラリー、懸濁液などに調製して、患者の治療のために経口摂取することに用いられる。例えば、粉末、カプセルおよびタブレットなどの経口固形製剤に対して適切な賦形剤は、乳糖、ショ糖、マンニトールおよびソルビトール等の糖類などの充填剤、コーンスターチ、コムギデンプン、コメデンプン、ジャガイモデンプン、ゼラチン、トラガカント、メチルセルロース、カルボキシプロピルメチルセルロース、ナトリウムカルボキシメチルセルロースおよび/またはポビドン(PVP)などのセルロース調剤、並びに造粒剤および結合剤が挙げられる。必要に応じて、崩壊剤(例えば、架橋性のポリビニルピロリドン、寒天など)、またはアルギン酸もしくはその塩(例えば、アルギン酸ナトリウムなど)を添加してもよい。必要に応じて、固形剤形は、標準的な技術を用いて、糖または腸溶性コーティングで被覆することができる。例えば、懸濁剤、エリキシル剤および液剤などのような経口液体製剤に対して適切な担体、賦形剤または希釈剤は、水、グリセロール、油およびアルコールが挙げられる。さらに、矯味剤、防腐剤、着色剤等を添加してもよい。
前記製剤に加えて、本発明に係るペプチドをデポー製剤として製剤化してもよい。そのような長時間作用型製剤は、移植(例えば、皮下または筋肉内)、または筋肉内注射によって投与することができる。したがって、例えば、化合物は、適当なポリマー材料、または疎水性材料(例えば、許容される油におけるエマルジョンとして調製され)、またはイオン交換樹脂と共に製剤化することができ、または、例えば難溶性塩のような難溶性誘導体に製剤化することができる。
あるいは、他の薬物送達システムを用いることができる。キメラペプチドは、リポソーム、エマルションを用いて送達することができる。また、いくつかの有機溶剤、例えばジメチルスルホキシドなども用いることができる。さらに、化合物は、治療剤含有固体重合体の半透性基質のような徐放性システム(持続放出性製剤)を用いて送達することができる。
本発明に係るペプチドまたは医薬組成物は、意図する目的を有効に達成するため(例えば、侵害受容性疼痛を予防、緩和または治療するため)の治療有効量で投与される。治療有効量とは、本明細書に開示のペプチドまたは医薬組成物で治療されていない対象(または動物モデル)の対照群における疼痛に対しては、本明細書に開示のペプチドまたは医薬組成物で治療される対象(または動物モデル)について、有意に疼痛を予防、緩和または治療するのために用いられるペプチドまたは医薬組成物の十分な量を意味する。
いくつかの実施形態において、前記ペプチドの投与用量の範囲は、0.1μg〜10μg/kgであり、例えば0.1μg/kg、0.2μg/kg、0.3μg/kg、0.4μg/kg、0.5μg/kg、0.6μg/kg、0.7μg/kg、0.8μg/kg、0.9μg/kg、1μg/kg、2μg/kg、3μg/kg、4μg/kg、5μg/kg、6μg/kg、7μg/kg、8μg/kg、9μg/kg、または10μg/kgが挙げられる。いくつかの実施形態において、用量は、好ましくは0.2μg/kgである。
いくつかの実施形態において、投与される本発明に係るペプチドまたは医薬組成物の量は、治療されている被験者の体重、痛みの重症度、投与方法、処方医師の調整に依存している。
いくつかの実施形態において、本発明に係るペプチドまたは医薬組成物の治療に有効な投与量は、有意な毒性を引き起こすことがなく、治療上の有益効果を与えることができる。キメラペプチドの毒性は、標準的な薬学的手順によって細胞培養または実験動物において測定し、例えば、LD50(対象群の50%を殺す用量)やLD1OO(対象群の100%を殺す用量)を測定して決定することができる。毒性効果と治療効果との用量比は、治療指数である。実験では、本発明に係るペプチドが用量200mg/kgで有意な毒性を有さないことを確認した。
いくつかの実施形態において、本発明のペプチドまたは組成物の有効性(薬効)は、少なくとも2時間持続することができる。
いくつかの実施形態において、前記対象は神経損傷していない対象である。
いくつかの実施形態において、前記対象は健常な対象である。
上記の詳細な説明は、本発明を当業者にさらに明確に理解させるだけを目指しているが、いずれの態様を限定するものではないことを理解すべきである。当業者は、前記実施形態に様様な修正および変更をすることができる。
以下の実施例は、単に本発明のいくつかの実施形態を説明するために提供されたものであり、如何なる制限の目的や性質にならない。
実施例1:活性ペプチド分子のスクリーニング
既に報告された研究結果によれば、Tat膜貫通ペプチドYGRKKRRQRRRを選択して他の異なる数のアミノ酸に連結してペプチドライブラリーを形成した。ペプチドライブラリーにおけるペプチド分子を、それぞれ生体外で発現・精製されたPDZ1/2ドメインに相互作用し、相互作用力の強さによりポリペプチドに対して予備スクリーニングをした。
固定相分子(リガンド)は、PDZ1/2タンパク質で、分子量:約20kD、濃度:2mg/mLであった。移動相分子(分析物)は、スクリーニングされているポリペプチドで、分子量:約2kD、濃度:10mg/mLであった。Biacore 3000機器を使用して、CM5チップが固定に用いられた。泳動バッファーは、PBS+0.005% Tween 20であった。アミノカップリング法を用いて固定した。リガンドの濃度は、10μg/mLであった。固定バッファーは、10mMの酢酸ナトリウム、pH4.0であった。一定量の1400 RUでフロー細胞(flowcell)2に固定された。流速が10μL/mLで、リガンド試料導入が1分間であった。再生液(再生剤)がPH2.0+2.5の10mMのGlyを用い、再生は流速30μL/分間で行った。試料導入時間(ロードする時間)は30sであった。
動力学的分析は以下の条件で行われ、すなわち、対照チャネル:フロー細胞1、泳動バッファー:PBS、運行モード:Kinetic Analysis Wizardモード、濃度勾配:6.25nM、12.5nM、25nM、50nM、100nM、200nM、400nM、試料導入時間:1分間、解離時間:2分間、流速:30μL/分間。
データは、フィッティングソフトウェアBIAevaluation 4.1により適合(フィッティング)させた。フィッティングモデルは、1:1の結合モデルである。解離定数KD値は作用力に反比例した。
スクリーニングにより、PDZ1/2ドメインと強い相互作用能力を持つキメラペプチドが得られ、P5と命名し、その配列は次の通りである。
P5: YGRKKRRQRRRYEKLLDTEI
以下の実験において、さらにキメラペプチドP5を試験した。
実施例2:プルダウン実験でP5とPDZ1/2ドメインとの相互作用を検出する
P5がPDZ1/2ドメインとを相互作用できることを裏付けるために、プルダウン実験をした。
カラムは、100μLのHisビーズおよび1mLのMCAC−0バッファーを用いて5分間平衡させた。4℃で振とうした。得られた混合物を、4℃で5000gで遠心分離させ、上澄みを捨てた。混合物に、PDZ1/2タンパク質1mgを加え、そしてバッファーを用いて1mLになるまで追加した。4℃で、得られた混合物を1時間回転して結合させた。前記混合物を、4℃で5000gで遠心分離させ、上澄みを捨てた。得られた混合物を、1mLのMCAC−0バッファーを用いて、1回あたり5分間(4℃で、振とうで洗浄し)で3回洗浄した。混合物に、P5タンパク質1mgを加え、そしてバッファーを用いて1mLになるまで追加した。4℃で、得られた混合物を2時間回転して結合させた。前記混合物を、4℃で5000gで遠心分離させ、上澄みを捨てた。得られた混合物を、1mLの溶解液(lysis buffer)を用いて、1回あたり5分間(4℃で、振とうで洗浄し)で3回洗浄した。洗浄後、20μLのMCAC−300を加えた。遠心分離し、溶出液を取ってSDS−PAGE検出を行った。実験結果は図1に示した。
図1に示すように、ポリペプチドP5の溶出バンドに、P5とPDZ1/2ドメインとの両方を同時に含んでおり、これにより、ポリペプチドP5がPDZ1/2ドメインに結合できることを裏付けた。
実施例3: ポリペプチドP5の熱板鎮痛効果の検出
実験手順
動物のスクリーニング
実験用ラットとしては、240〜260gの雄性SDラット(化阜康成有限公司から入手)18匹を選択し、ポリペプチドP5の0.2μg/kg用量での投与群、生理食塩水群、および陽性薬物対照群(イブプロフェン、50mg/kg)という3群に6匹ずつ分け、熱板実験に使用された。
実験前のスクリーニング
熱板実験のモデル化前に、ラットを55℃の熱板上に置き、そして30秒以内に後足をなめたり足を持ち上げたりしなかったラットは、実験に使用されない。
動物モデルの作成
4.0クロム製腸線(山東博達医療用品有限公司製)を生理食塩水(中国石家荘四薬有限公司製、中国医薬承認番号H13023200)に入れて30分間予め浸漬して軟化させる必要がある。ラットの大腿(太股)の中部を剃毛し、ヨウ素を拭き取り、ハサミで表皮に1cm以下の傷を切り、次にJ31060止血鉗子を用いて大腿二頭筋を裂き、大腿中部に坐骨神経を可視に露出させた。大腿に近い端は坐骨神経の三叉があり、坐骨神経の大腿骨中央部を選択し、4.0クロム製腸線で4回緩く結紮し、ここで、力の大きさは結紮箇所の付近における筋肉が軽微に震える程度になると適宜であり、隣接結紮箇所のピッチ1mmとし、その後、それぞれ筋肉および表皮組織を縫合した。
投与
実験前に、手術に成功した実験群のラットには、ペプチドP5生理食塩水溶液(用量0.2μg/kg)を1回限りで尾静脈注射し、NS(生理食塩水)群のラットには生理食塩水0.3mLを腹腔内注射し、陽性薬物群にはイブプロフェン懸濁液(上海強生製薬有限公司製、中国医薬承認番号H19991011)(用量50mg/kg)を胃内投与した。
熱板実験
ラットは、手術してから7日間後に熱板実験を行った。ラットを摂食に適応させ、室内環境を約25℃に維持し、そしてYLS−6Bインテリジェント熱板装置(北京衆実迪創科技発展有限公司製)の温度を約55℃に設定した。ラットは、密封で取り外し可能な透明の有機ガラス製シリンダー内の熱板機器に置き、ラットの後足を舐める時間または跳躍反応の時間を記録した。このラット(SDラット)が投与後磁製ジャーに入れてから20秒間に反応がない場合、ラットの足をやけどしないように、間もなくラットを取り出し、その疼痛閾値は20秒で計算できる。各ラットを連続して2回試験し、各試験の間隔は少なくとも30秒であり、それらの平均値を取った。
実験終了後、生理食塩水対照群および各薬物投与群のラットの投与前および投与後10分、70分、および130分の灼熱痛反応時間(すなわち、疼痛閾値、単位s)を記録した。
実験結果
表計算ソフトMicrosoft Excelに付属しているT検定関数(両側等分散)を用いて、実験用ラットについてモデル化前後の灼熱痛足持ち上げ(足を持ち上げる)閾値の統計的有意差(統計学的差異)を分析し、モデル化に成功したか否かを評価し、次に投与前、投与後の各時間点での灼熱痛閾値の差異を分析して薬効(有効性)を評価した。P<0.05は統計的有意差があり、P<0.01は顕著な統計的有意差があると考えられた。
実験結果を以下の表1および図2に示した。
結果は、用量0.2μg/kgの治療群のラットは、手術側のモデル化前とモデル化後との閾値時間に顕著な統計的有意差(p=0.0002)があり、モデル化に成功したことを示している。用量0.2μg/kgの投与前と投与後10分間との間は、統計的有意差(p=0.013)があった。P5投与後10分間と生理食塩水投与後10分間との間は、統計的有意差(p=0.028)もあって、P5投与が短時間で鎮痛効果を奏し得ることを示している。さらに、用量0.2μg/kgのP5投与前と投与後130分間との間は、統計的有意差(P=0.047)が存在しており、投与後10分間と投与後130分間との間は、統計的有意差がなかった(p=0.697)ので、投与後10分間と投与後130分間内に鎮痛効果に統計的有意差がなく、すなわち、ポリペプチドP5の治療効果は少なくとも130分間持続することを明らかにされた。
陽性対照群の結果によれば、用量50mg/kgのイブプロフェン治療群ラットは、健常側と手術側との足持ち上げ閾値に、統計的有意差(p<0.01)があり、モデル化に成功したことを示している。投与前と投与後10分間との間は、統計的有意差(p=0.03)があって、イブプロフェン投与が短時間で鎮痛効果を奏し得ることを示している。しかしながら、手術側のイブプロフェン投与130分間後とその投与前との足持ち上げ閾値において統計的有意差がなく(p>0.05)、鎮痛効果を130分間維持することができないことを示している。
実施例4: プリック実験でのポリペプチドP5による鎮痛効果の検出
実験手順
ラットのスクリーニング
実験用ラットとしては、240〜260gの雄性SDラット(化阜康成有限公司から入手)18匹を選択し、ポリペプチド0.2μg/kg用量での投与群、生理食塩水群、および陽性薬物対照群(イブプロフェン、50mg/kg)という3群に6匹ずつ分け、プリック実験(プリックテスト)に使用された。
モデル化
4.0クロム製腸線(山東博達医療用品有限公司製)を生理食塩水(中国石家荘四薬有限公司製、中国医薬承認番号H13023200)に入れて30分間予め浸漬して軟化させる必要がある。ラットの大腿(太股)の中部を剃毛し、ヨウ素を拭き取り、ハサミで表皮に1cm以下の傷を切り、次にJ31060止血鉗子を用いて大腿二頭筋を裂き、大腿中部に坐骨神経を可視に露出させた。大腿に近い端は坐骨神経の三叉があり、坐骨神経の大腿骨中央部を選択し、4.0クロム製腸線で4回緩く結紮し、ここで、力の大きさは結紮箇所の付近における筋肉が軽微に震える程度になると適宜であり、隣接結紮箇所のピッチ1mmとし、その後、それぞれ筋肉および表皮組織を縫合した。
投与
実験前に、手術に成功した実験群のラットには、ペプチドP5生理食塩水溶液(用量0.2μg/kg)を1回限りで尾静脈注射し、NS群には生理食塩水0.3mLを腹腔内注射し、陽性薬物群にはイブプロフェン懸濁液(上海強生製薬有限公司製、中国医薬承認番号H19991011)(用量50mg/kg)を胃内投与(強制経口投与)した。
プリック実験
ラットの手術をしてから14日間後、投与群は投与前、および投与後10分\70分\130分後に実験を行った。実験用ラットを有機ガラス製観察用格子形装置に入れ、ラットが周りを見ていなくなるまで、ラットに5分間環境に順応させた。ZS−CTY足底刺痛システム(北京衆実迪創科技発展有限責任公司製)を、Win7の32ビットのコンピュータに接続し、テスト用ソフトウェアを実行し、機器を零位補正し、10gの分銅をかけた後に再度1回補正し、ラットの被検後肢の足底中央にゆっくりとvonFreyプローブで優しく刺激し、ラットの足収縮(足を引っ込める)反応を観察し、ラットの刺激による足収縮反応が迅速に発生した場合、陽性反応としてマークされ、ラットの身体活動による足収縮反応は勘定に入れない。各時間点に対して2回記録して平均値を計算して刺痛による足持ち上げの(力強度)閾値(単位:g)とし、10gの分銅で足底刺痛システム(製造元:北京衆実迪創科技発展有限公司、シリアル番号:20160101060001)を零位補正した後、ラットの足裏にタッチすると、依然として基本的な示度の変動が存在し、変動は一般に+3g〜+5gであり、最終値はこの値を減算する必要がある。まだベースラインがある場合、それは削除される。
実験結果
表計算ソフトMicrosoft Excelに付属しているT検定関数(両側異分散)を用いて、実験用ラットについて未処理側および手術側のプリックによる足持ち上げの(力強度)閾値の統計的有意差を分析し、モデル化に成功したか否かを評価し、次に投与前後、投与後の各時間点での刺痛閾値の差異を分析して薬効および薬効継続期間を評価した。P<0.05は統計的有意差があり、P<0.01は顕著な統計的有意差があると考えられた。
実験結果を以下の表2および図3に示した。
結果は、用量0.2μg/kgの治療群のラットは、健常側と手術側とのプリックによる足持ち上げの(力強度)閾値において統計的有意差(p=0.0004)があり、モデル化に成功したことを示している。用量0.2μg/kgの治療群のラットは、投与前と投与後10分間との間は、ラット手術側のプリックによる足持ち上げ閾値において、統計的有意差(p=0.03)があった。P5投与後10分間と生理食塩水投与後10分間との間は、ラット手術側のプリックによる足持ち上げ閾値において、統計的有意差(p=0.03)もあって、P5投与が短時間で鎮痛効果を奏し得ることを示している。また、用量0.2μg/kgの治療群のラットは、P5投与前と投与後130分間との間は、ラット手術側のプリックによる足持ち上げ閾値において、統計的有意差(p=0.03)があった。投与後10分間と投与後130分間との間は、ラット手術側のプリックによる足持ち上げ閾値において、投与後130分間内にプリックによる足持ち上げ時間は統計的有意差がなく(p=0.687)、すなわち、ポリペプチドP5の治療効果は少なくとも130分間を持続し得ることを示している。
陽性薬物対照群の結果は、用量50mg/kgのイブプロフェン治療群が、健常側および手術側のプリックの力強度による足持ち上げ閾値において統計的有意差(p<0.01)があり、モデル化に成功したことを示している。投与前と投与後10分間との間は、統計的有意差が明らかにされなく(p=0.069)、P5投与後10分間と生理食塩水投与後10分間との間は、統計的有意差も明らかにされなかった(p=0.08)。さらに、イブプロフェン投与後130分間と投与前との間はp>0.05であり、これは、陽性薬物の鎮痛効果が130分間維持できず、ポリペプチドP5の鎮痛効果が陽性薬物よりも優れていたことを示している。
実施例5: 急性毒性試験
ラットに対する急性毒性試験結果は、用量1000mg/kg体重の場合、P5がラットに致死効果および有意な毒性副作用を持たないことが明らかにされた。
本発明に開示された精神および範囲から逸脱しない限り、本明細書に記載の実施形態に対してさまざまな変更および同等物の入替をすることができる。特に文脈で断らない限り、本明細書に記載の実施態様に係る任意の特徴、手順(ステップ)や実施形態は、任意の他の特徴、手順や実施形態とを組み合わせて用いることができる。

Claims (10)

  1. アミノ酸配列YEKLLDTEI(SEQ ID NO:1)もしくはその機能的変異体を含むペプチド、または前記ペプチドを含む医薬組成物の、対象の疼痛を予防、緩和または治療する医薬の製造における使用。
  2. アミノ酸配列YEKLLDTEIもしくはその機能的変異体を含むペプチド、または前記ペプチドを含む医薬組成物を、それを必要とする対象に投与することを含む、疼痛の予防、緩和または治療方法。
  3. 前記機能的変異体は、YEKLLDTEIにおけるLDTEIセグメントの1つまたは複数の保存的置換によって生成された変異体であり、好ましくは、前記保存的置換はDとEとの間の置換、LとVとIとの間の置換、およびTとSとの間の置換からなる群より選ばれる、請求項1に記載の使用または請求項2に記載の方法。
  4. 前記機能的変異体は、YEKLLDTEIにおけるLDTEIセグメントを、LDTEL、LDTEV、LDTDI、LDTDL、LDTDV、LDSEI、LDSEL、LDSEV、LDSDI、LDSDL、LDSDV、LETEI、LETEL、LETEV、LETDI、LETDL、LETDV、VDTEI、VDTEL、VDTEV、VDTDI、VDTDL、VDTDV、IDTEI、IDTEL、IDTEV、IDTDI、IDTDL、IDTDV、IETEI、IETEL、IETEV、IETDI、IETDL、およびIETDVからなる群より選ばれる配列のいずれかで置換することによって生成される変異体である、請求項3に記載の使用または方法。
  5. 前記ペプチドは、アミノ酸配列YEKLLDTEIもしくはその機能的変異体、および内在化ペプチドを含むキメラペプチドであり、好ましくは、前記内在化ペプチドは、アミノ酸配列YGRKKRRQRRR(SEQ ID NO:2)を含む、前記請求項のいずれか1項に記載の使用または方法。
  6. 前記キメラペプチドは、アミノ酸配列YGRKKRRQRRRYEKLLDTEI(SEQ ID NO:3)を含む、請求項5に記載の使用または方法。
  7. 前記疼痛は侵害受容性疼痛であり、好ましくは、前記疼痛は外部ストレスまたは刺激による疼痛であり、より好ましくは、前記外部ストレスまたは刺激は熱刺激もしくはタッチである、前記請求項のいずれか1項に記載の使用または方法。
  8. 前記侵害受容性疼痛は体性痛および/または内臓痛である、請求項7に記載の使用または方法。
  9. 前記体性痛は火傷、切り傷、挫傷、肩痛、四肢痛、腰痛、関節炎、腱炎、筋膜炎を含み、および/または前記内臓痛は胃痛、虫垂炎、膵炎、消化性潰瘍を含む、請求項8に記載の使用または方法。
  10. 前記対象は神経損傷していない対象であり、好ましくは、前記対象は健常な対象である、前記請求項のいずれか1項に記載の使用または方法。
JP2019519404A 2016-10-10 2017-09-30 疼痛の予防、緩和または治療における神経興奮性損傷関連ポリペプチドの使用 Pending JP2020503248A (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
CN201610885295.4 2016-10-10
CN201610885295.4A CN107913395B (zh) 2016-10-10 2016-10-10 神经兴奋性损伤相关多肽在预防、缓解或治疗疼痛的用途
PCT/CN2017/104750 WO2018068670A1 (zh) 2016-10-10 2017-09-30 神经兴奋性损伤相关多肽在预防、缓解或治疗疼痛的用途

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2020503248A true JP2020503248A (ja) 2020-01-30

Family

ID=61892488

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019519404A Pending JP2020503248A (ja) 2016-10-10 2017-09-30 疼痛の予防、緩和または治療における神経興奮性損傷関連ポリペプチドの使用

Country Status (6)

Country Link
US (1) US20200385423A1 (ja)
EP (1) EP3524257A4 (ja)
JP (1) JP2020503248A (ja)
KR (1) KR20190067219A (ja)
CN (1) CN107913395B (ja)
WO (1) WO2018068670A1 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2019006691A1 (zh) * 2017-07-05 2019-01-10 拜西欧斯(北京)生物技术有限公司 用于治疗、改善或预防脑出血的肽及其用途
CN110799547B (zh) * 2017-07-05 2023-02-28 拜西欧斯(北京)生物技术有限公司 用于治疗、改善或预防神经系统相关病症的化合物及其用途
JP7002788B2 (ja) * 2017-07-05 2022-03-03 拜西欧斯(北京)生物技術有限公司 ポリペプチドの薬学的に許容される塩およびその使用
KR20210115502A (ko) 2020-03-13 2021-09-27 (주)포에버엔케이 기능성 펩타이드를 함유하는 경피 통증 경감 주사액 조성물
KR20230042193A (ko) 2021-09-19 2023-03-28 (주)포에버엔케이 기능성 펩타이드를 함유하는 경피 통증 경감 주사액 조성물

Family Cites Families (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
GB9930825D0 (en) * 1999-12-30 2000-02-16 Synaptica Limited Animal models for neurodegenerative disease
AU2001261501A1 (en) * 2000-05-12 2001-11-26 Roger A. Johns Inhibition of the interaction of psd93 and psd95 with the nnos and nmda receptors
WO2005097090A2 (en) * 2004-04-05 2005-10-20 Icos Corporation AGENTS THAT DISRUPT PSD95 - nNOS INTERACTION, COMPOSITIONS CONTAINING THE SAME, AND THERAPEUTIC USES THEREOF
CN100422209C (zh) * 2005-12-28 2008-10-01 南京农业大学 海螺毒素变体多肽化合物、制备方法和用途
CA2739416C (en) * 2008-09-03 2017-10-31 Arbor Vita Corporation Agents and methods for treatment of pain
CN103804500B (zh) * 2014-01-22 2015-12-30 广州军区广州总医院 用于治疗慢性疼痛的多肽
CN104017066B (zh) * 2014-05-07 2016-08-10 徐州医学院 一段具有明显镇痛作用的多肽
CN107312069B (zh) * 2016-04-27 2018-11-06 拜西欧斯(北京)生物技术有限公司 兴奋性神经毒性相关损伤的治疗肽
CN110049994B (zh) * 2016-12-08 2023-05-02 拜西欧斯(北京)生物技术有限公司 一种缀合物及其应用
WO2019006691A1 (zh) * 2017-07-05 2019-01-10 拜西欧斯(北京)生物技术有限公司 用于治疗、改善或预防脑出血的肽及其用途
CN110799547B (zh) * 2017-07-05 2023-02-28 拜西欧斯(北京)生物技术有限公司 用于治疗、改善或预防神经系统相关病症的化合物及其用途
JP7002788B2 (ja) * 2017-07-05 2022-03-03 拜西欧斯(北京)生物技術有限公司 ポリペプチドの薬学的に許容される塩およびその使用
WO2019061395A1 (zh) * 2017-09-30 2019-04-04 拜西欧斯(北京)生物技术有限公司 兴奋性神经毒性相关损伤的治疗肽组合物

Also Published As

Publication number Publication date
EP3524257A4 (en) 2020-07-01
WO2018068670A1 (zh) 2018-04-19
US20200385423A1 (en) 2020-12-10
CN107913395A (zh) 2018-04-17
EP3524257A1 (en) 2019-08-14
KR20190067219A (ko) 2019-06-14
CN107913395B (zh) 2019-12-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2020503248A (ja) 疼痛の予防、緩和または治療における神経興奮性損傷関連ポリペプチドの使用
WO2019195454A1 (en) Neurotoxins for use in inhibiting cgrp
EP1993589B1 (en) Treatments for neurological disorders
CN107312069A (zh) 兴奋性神经毒性相关损伤的治疗肽
CN109718363B (zh) 预防、缓解或治疗阿尔茨海默病的肽及其应用
Dehen et al. Congenital insensitivity to pain and the “morphine-like” analgesic system
US20210322510A1 (en) Oxytocin improves treatment of obstructive sleep apnea
CN103665136A (zh) 大胡蜂属昆虫中多肽有效部位的制备方法及医药用途
US20070148159A1 (en) Use of crotoxin as an analgesic - CIP
TWI327473B (en) Composition for treating a cerebrovascular disease and a method for increasing expression of erythropoietin
CN104524544B (zh) 一种多肽在治疗糖尿病中的应用
JP2019504007A (ja) 糖尿病を治療するための医薬製剤
CN107596371A (zh) P2y1受体及其阻断剂在预防和治疗抗抑郁症和/或抗焦虑症中的应用
RU2656188C1 (ru) Синтетическое анальгетическое средство пептидной природы и способ его применения
WO2019006690A1 (zh) 多肽的药学可接受的盐及其应用
CN115595315A (zh) 核糖核酸酶i在抑制疼痛的药物中的新用途
US5981508A (en) Facilitation of repair of neural injury with CM101/GBS toxin
JP6153838B2 (ja) 血管透過性抑制剤
WO2019135363A1 (ja) 腱滑膜病変を主体とした疾患の治療薬
US11446264B2 (en) Memory manipulation via modification of protein kinase C zeta activity
WO2017088177A1 (zh) 贻贝粘蛋白产品及其预防和抑制神经炎症的应用
JP2002322085A (ja) 知的機能障害治療剤
CN115944713A (zh) 一种神经营养因子和穿透肽组合物及其应用
CN115969850A (zh) 小檗胺在制备镇痛药物中的应用
CN101411700A (zh) 5,7,4’-三羟基二氢黄酮或其衍生物用于止痛的用途

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190718

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20190718

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20200424

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200511

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20201207