JP2020502543A - 逆マグネトロン冷陰極電離真空計に用いられるアノード電極シールド - Google Patents

逆マグネトロン冷陰極電離真空計に用いられるアノード電極シールド Download PDF

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Abstract

【課題】自由電子プラズマ密度対圧力を維持できる冷陰極電離真空計を提供する。【解決手段】冷陰極電離真空計は、延出したアノードと、その長さに沿ってアノードを囲むカソードとを備える。カソードは、アノードとカソード間のプラズマの発生とカソードへのイオン電流の発生とを可能にする放電空間を、アノード周囲に形成する。さらに本真空計は、自由電子の経路を長くしてプラズマを維持するために、放電空間を通る磁場を印加する磁石と、アノードを支持するフィードスルー絶縁体と、カソードに取り付けられ、アノードから離間して囲むシールドと、電気コントローラとを備える。シールドは、絶縁体から電気的に絶縁され、絶縁体をプラズマの電子から遮蔽する。電気コントローラは、アノードとカソード間に電圧を印加してプラズマ放電によりイオン化を発生させ、カソードへの測定されるイオン電流に基づいて圧力を決定する。【選択図】図5A

Description

本願は、2016年12月13日付出願の米国仮特許出願第62/433,320号の利益を主張する。上記出願の全教示内容は、参照をもって本明細書に取り入れたものとする。
冷陰極電離真空計は、良く知られている。一般的に知られている3種類の冷陰極電離真空計には、通常マグネトロン(正マグネトロン)型の真空計、逆マグネトロン型の真空計、およびフィリップス(またはペニング)真空計が含まれる。これらの種類の真空計はいずれも、測定対象の真空に接続された非磁性の真空エンベロープ内に、一対の電極(すなわち、アノードとカソード)を備えている。アノード電極とカソード電極との間には、両電極間に電場を生じさせるように高電圧の直流電位差が印加される。この電場と直交するようにして磁場が、上記両電極の軸心に沿って印加される。これにより、自由電子の経路長が長くなるので、電子が中性の分子や原子と衝突してイオンを発生させるための自由電子プラズマが維持される。陽イオンがカソード電極に移動することにより、放電電流が圧力の関数である平衡値に維持される。
冷陰極電離真空計(以下、CCIG(cold cathode ionization gauge の略)ともいう)は、まず当該電離真空計の真空計エンベロープ内部のガス分子や原子をイオン化した後、結果として生じるイオン電流を測定することにより、真空系の全圧を間接的に測定する。測定されたイオン電流は、真空計エンベロープ内部のガス濃度およびガス全圧に直接関係する。すなわち、真空系内部の圧力が減少すると、測定されるイオン電流も減少する。ガス固有の検量線により、イオン電流測定値に基づいて全圧を算出することができる。
本明細書で説明するCCIGは、逆マグネトロン型の原理を用いたものである。当該真空計は、円筒対称性を有する。(その軸心に位置する)アノードピンとカソード円筒状外囲体との間の高電圧の電位差(すなわち、径方向の電場)により、イオン化事象を起こすためのエネルギーが電子に与えられる。これと交差する軸方向の磁場が、エンベロープ内部の放電を維持するのに必要な経路長を、電子軌道に与える。放電電流が、系内の圧力に比例した測定量となる。
放電は、一般的に1個の電子が真空計のイオン化空間内に放出されることで開始する、電子なだれイオン化過程によって確立される。1個の電子が放出される原因となる過程には、電界放出事象や宇宙線イオン化過程が含まれ得る。この電子なだれ過程は、各電子に多数のイオン化過程が発生するように電子軌道の経路長を長くすることによって生じる。各々のイオン化過程は、陽イオンだけでなく追加の電子も放出させることで、当該電子を上記放電に参加させる。当該イオンがカソード内壁に衝突することによっても、追加の電子が上記放電内に放出されて総電荷に貢献する。自由電子プラズマと陽イオンとで構成される放電が、系内の圧力の増加とともに単調増加するイオン電流を生じさせる(変数が減少した場合についても同様)。
本発明では、アノードとカソードとを備えるCCIGに、アノードを支持するフィードスルー絶縁体を放電プラズマの電子から遮蔽するシールドが、前記カソードにおいて設けられている。実施形態例では、前記シールドが、前記カソード自体に組み込まれてもよいし、前記カソードに取り付けられた別体の部材であってもよい。
CCIGは、延出したアノードと、前記アノードの長さに沿って前記アノードを取り囲むカソードと、前記アノードを支持するフィードスルー絶縁体と、を備える。前記カソードは、前記アノードと当該カソードとの間の純電子プラズマの発生、および結果として生じる当該カソードへのイオン電流の発生を可能にするための放電空間を、前記アノードの周囲に形成する。前記真空計は、さらに、自由電子の経路を長くして前記プラズマを維持するために、前記放電空間を通るように磁場を印加する磁石を備える。シールドが、前記カソードに取り付けられており、前記アノードから離間して前記アノードを取り囲んでいる。前記シールドは、前記絶縁体から電気的に絶縁されていて、前記絶縁体を前記プラズマの電子から遮蔽する。電気コントローラが、前記アノードと前記カソードとの間に電圧を印加することで前記アノードと前記カソードとの間のプラズマ放電によりイオン化を発生させ、前記カソードへの測定されるイオン電流に基づいて圧力を決定する。
前記CCIGの実施形態では、前記シールドが、前記アノードから第1の間隔で離間するとともに、前記絶縁体から前記第1の間隔よりも大きい第2の間隔で離間していてもよく、これら第1の間隔および第2の間隔が、前記プラズマの電子からの前記絶縁体の遮蔽を可能にする。
前記シールドは、前記アノードが貫通して延出する開口部を有するプレートを含んでもよい。前記プレートにおける前記開口部は円形にしてもよく、その場合の前記第1の間隔は、前記開口部の半径によって決めることができる。前記シールドは、さらに、前記プレートと前記絶縁体との前記第2の間隔を提供するように構成されたスペーサを含んでもよい。前記スペーサは、前記シールドを前記カソードに接続する脚部を有する場合もあれば、前記シールドを前記カソードに接続する複数の脚部を有する場合もある。
前記シールドは、前記絶縁体を取り囲むカップを含んでもよく、前記開口部を有する前記プレートが、前記カップの底部であってもよい。前記カップの底部における前記開口部は円形にしてもよく、前記第1の間隔は円形の前記開口部の半径によって決めることができる。
前記CCIGの実施形態では、前記シールドと前記アノードとの前記第1の間隔を、0.9〜2.7ミリメートル(約0.035〜約0.105インチ)の範囲内としてもよい。前記シールドと前記絶縁体との前記第2の間隔は、0.9〜2.7ミリメートル(約0.035〜約0.105インチ)の範囲内としてもよい。
前記フィードスルー絶縁体の頂部は、金属で覆われていてもよい。例えば、前記金属は、前記真空計の内部スパッタリングによって前記絶縁体上に被覆された金属であってもよい。前記金属は、前記絶縁体の前記頂部に取り付けられた金属製のワッシャであってもよい。
前記CCIGの実施形態では、前記カソード電極が、ベースプレートおよびそのベースプレートから延出した円筒状の側壁を含んでもよい。前記ベースプレートは、前記フィードスルー絶縁体を取り囲み、前記フィードスルー絶縁体に連結されていてもよい。
圧力を測定する方法は、アノードとカソードとの間の放電空間に磁場を印加する過程と、前記放電空間に電子を放出して、前記放電空間内のプラズマ放電および前記カソードへのイオン電流を発生させる過程と、前記カソードに取り付けられたシールドにより、前記アノードを支持するフィードスルー絶縁体を前記プラズマ放電の電子から遮蔽する過程と、前記カソードへの測定されるイオン電流に基づいて圧力を決定する過程と、を備える。
より一般的に述べると、CCIGは、延出したアノードと、前記アノードの長さに沿って前記アノードを取り囲むカソード電極と、を備える。このカソード電極(例えば、カソードケージ等)は、前記アノードと当該カソードとの間の純電子プラズマの発生、および結果として生じる当該カソードへのイオン電流の発生を可能にするための放電空間を、前記アノードの周囲に形成する。自由電子の経路を長くして前記プラズマを維持するために、前記放電空間を通るように、径方向の電場と直交する、軸方向の磁場を印加する構成の磁石が設けられている。前記真空計は、さらに、前記アノードを支持するフィードスルー絶縁体を備える。前記カソードは、前記絶縁体の上方にシールド開口部を形成するアノードシールドを含む。前記アノードは、前記シールド開口部を貫通して延出する。前記絶縁体上の金属でのアノード電位から直接カソード電位の前記カソードに電場が生じるように、かつ、前記金属およびシールド開口部の上方には、前記プラズマから前記金属に電子を引き込む、電場の軸方向成分が生じないように、前記開口部が寸法決めされている。さらに、前記アノードと前記カソードとの間に電圧を印加することで前記アノードと前記カソードとの間のプラズマ放電によりイオン化を発生させ、前記カソードへの測定されるイオン電流に基づいて圧力を決定する、電気コントローラが設けられている。
前記カソードは、前記アノードから、前記シールド開口部に設けられた第1の間隔で離間するとともに、前記シールド開口部において前記絶縁体から、前記第1の間隔よりも大きい第2の間隔で離間していてもよい。
前記カソードは側壁を含んでもよく、さらにはベースプレートも含んでもよく、その場合には前記側壁が前記ベースプレートから延出していてもよい。典型的には、前記側壁が円筒状であり、円柱状(cylindrical post)であってもよい前記アノードを取り囲む。前記シールド開口部は、前記カソードの前記ベースプレートに形成されても、設けられてもよい。
前記カソードは、ベースプレート、およびそのベースプレートにベースプレート開口部の上方で取り付けられたシールドプレートを含んでもよく、その場合の前記シールド開口部は、前記シールドプレートにあってもよい。変形例では、前記シールド開口部が、前記カソードの底部における開口に架設されたシールドプレートに形成されても、設けられてもよい。例えば前記カソードがベースプレートを含む場合には、前記シールドプレートが、前記ベースプレートにおけるベースプレート開口部に架設されてもよい。
シールド開口部を形成するカソード電極を備えた実施形態では、前記シールド開口部は円形にしてもよく、前記カソードと前記アノードとの前記第1の間隔は、前記シールド開口部の半径によって決めることができる。前記第1の間隔は、0.9〜2.7ミリメートル(約0.035〜約0.105インチ)の範囲内としてもよい。前記カソードと前記絶縁体との前記第2の間隔は、0.9〜2.7ミリメートル(約0.035〜約0.105インチ)の範囲内としてもよい。
圧力を測定する方法は、アノードとカソードとの間の放電空間に径方向の磁場を印加する過程と、前記放電空間に電子を放出して、前記放電空間内のプラズマ放電および前記カソードへのイオン電流を発生させる過程と、前記カソードにより、前記アノードを支持するフィードスルー絶縁体上の金属におけるアノード電位からカソード電位の前記カソードへの直接の電場を、その電場のうち、前記プラズマ放電から前記金属に電子を引き込む軸方向成分が前記金属およびカソードの上方において存在しないように確立する過程と、前記カソードへの測定されるイオン電流に基づいて圧力を決定する過程と、を備える。
前述の内容は、添付の図面に示す、実施形態例についての以下のより詳細な説明から明らかになる。異なる図をとおして、同一の参照符号は同一の構成要素を指すものとする。図面は必ずしも縮尺どおりではなく、むしろ、実施形態を図示することに重点が置かれている。
逆マグネトロン冷陰極電離真空計(CCIG)を示す図である。 図1Aの真空計のカソードおよびアノードを示す平面図である。 フィードスルー絶縁体において金属製プレートを具備しているかまたは金属が被覆されているCCIGでの、電子損失の様子を示す図である。 アノード−セラミック製のフィードスルー絶縁体の構成の例を示す図である。 アノード−金属製ディスク付きフィードスルー絶縁体の例を示す図である。 真空計のアノードを支持するセラミック製のフィードスルー絶縁体の例と、真空計の動作時におけるアノードの電子シースとを示す図である。 真空計内の内部スパッタリングの結果としての、図4Aのフィードスルー絶縁体上およびアノード上の金属の堆積の様子を示す図である。 図4Bのフィードスルー絶縁体の詳細図である。 本発明の一実施形態における、アノード電極シールドを備えるCCIGの概略図である。 スタータ装置としてのフィールドエミッタを備えるように変更された、図5Aの真空計を示す図である。 本発明の実施形態において採用され得る、シールド構成の例を示す図である。 本発明の実施形態において採用され得る、シールド構成の例を示す別の図である。 本発明の実施形態において採用され得る、シールド構成の例を示すさらなる別の図である。 本発明の実施形態において採用され得る、シールド構成の例を示すさらなる別の図である。 従来のCCIG装置の概略図である。 本発明の一実施形態におけるシールドが後付けされた、図7AのCCIG装置を示す図である。 従来の他のCCIG装置の概略図である。 本発明の一実施形態におけるシールドが後付けされた、図8AのCCIG装置を示す図である。 本発明の一実施形態における、フィードスルー絶縁体を遮蔽する代替的なアプローチを示す図である。 従来のカソード電極設計を示す図である。 本発明の一実施形態例における、底部プレートに開口部を有するカソードを示す図である。 本発明の他の実施形態例における、側壁と底部プレートの中央に位置した開口部とを有するカソードを示す図である。 他の実施形態例における、フローティングディスクシールドを有するカソードを示す図である。 図12Aのカソードのフローティングディスクを示す図である。 アノード電極シールドを備えた3つのプロトタイプ真空計についての、圧力の関数としてのイオン電流の測定値の、結果例を示すグラフである。 内部の圧力の読取値への、内部の水のガス放出の寄与を示すグラフである。 シールドを装備した3つの真空計からのデータ例と、そのデータの線形フィッティングとを示すグラフである。 アノード電極シールドを装備した5つの真空計からのデータ例を示すグラフである。 CCIGの動作を示す概略図である。 図17の真空計における、純電子プラズマの理想モデルに従った等電位線を示す図である。 図18の真空計において、導電性のディスクがアノードに追加された場合の等電位線を示す図である。 図19の真空計の性能を向上させるのに用いることができる、シールドの例を示す図である。 図20のシールドによる電子の動きのさらなる詳細を示す図である。 等電位線と電子の動きに対する等電位線の影響とを含むシミュレーション結果例を示す図であって、シールドを持たない真空計での結果例を示す図である。 等電位線と電子の動きに対する等電位線の影響とを含むシミュレーション結果例を示す図であって、シールドの存在によって等電位線が狭まる様子を示す図である。 本発明の一実施形態例における、シールドを備えたCCIGの平面図である。 本発明の一実施形態例における、シールドを備えたCCIGの断面図である。 図24Aおよび図24Bの真空計のフィードスルーおよびシールドの平面図である。 図24Aおよび図24Bの真空計のフィードスルーおよびシールドの断面図である。
以下では、本発明の実施形態例について説明する。
逆マグネトロン冷陰極電離真空計(CCIG)用の、自由電子プラズマ密度対圧力を維持するアノード電極シールドを説明する。このアノード電極シールドは、標準的な電気フィードスルー設計との関連で使用されることで、ガスに対する真空計の応答感度およびガスに対する真空計の応答線形性を向上させるほか、放電維持問題の排除をもたらす。アノード電極シールドは、さらに、真空計の寿命を延ばし、感度ドリフトを抑えるほか、製品間でより再現性の高い真空計の応答を一貫してもたらす。新規のシールドを設置することで、あらゆる逆マグネトロンCCIGの感度が向上し、かつ寿命が延びるものと予想される。本発明の実施形態における電極シールドは、既存のCCIG製品に対して使用(例えば、後付け)することも可能である。
有利なことに、本明細書で説明する実施形態は、下記の有用な特徴を有し得る。
a)圧力に影響されない、純電子プラズマ密度の提供。
b)ガス圧力に対する逆マグネトロンCCIGの感度向上。
c)圧力に対する真空計の応答線形性の向上、すなわち、線形性係数が確実に限りなく1に近付く。
d)マグネトロン・ニー(magnetron knee)の低圧側への実質的な移動による、真空計が低圧域で放電維持問題に直面する確率の低下。
e)経時的な、圧力量の関数についての真空計のドリフト量を抑えることによる、真空計の長寿命化。
f)製品間の再現性が向上し、新規の前記シールド構造を搭載した製品の基準検量線(nominal calibration curve )を作成することが可能になる。
従来の逆マグネトロンCCIGは、数多くの様々なアノードフィードスルー設計を採用してきた。しかし、一般的に言って、アノード柱体からフィードスルー絶縁体への遷移部については、注意があまり払われてこなかった。本願の出願人は、本明細書で説明する特性を有したシールドがこの遷移領域周辺に設置されていないと、精度や感度の損失が真空計に起こるおそれがあり、1E−7Torr未満の低圧域で放電維持問題が生じるおそれがあることを見出した。
図1Aおよび図1Bに、逆マグネトロン型のCCIGの動作の原理を示す。CCIG100は、延出した(細長い)アノード110と、アノードの長さに沿ってアノードを取り囲むカソード120と、アノードを支持するフィードスルー絶縁体(貫通端子)125と、を備える。前記カソードは、前記アノードと当該カソードとの間の純電子プラズマの発生、および結果として生じる当該カソードへのイオン電流の発生を可能にするための放電空間130を、前記アノードの周囲に形成する。真空計100は、さらに、自由電子の経路を長くして前記プラズマを維持するために、放電空間130を通るように磁場を印加する磁石115を備える。電気コントローラ150が、アノード110とカソード120との間に電圧を印加することでアノードとカソードとの間のプラズマ放電によってイオン化を発生させ、カソードへの測定される放電電流(例えば、イオン電流等)に基づいて圧力を決定する。図示の例では、イオン電流が、アノード側の電流センサ145で測定される。しかしながら、イオン電流は、カソード側で測定されてもよい。カソード側でイオン電流を測定するための回路構成の例は、参照をもって全体を本明細書に取り入れたものとするBruckerらによる米国特許出願第14/500,820号(米国特許出願公開第2015/0091579号、米国特許第9,671,302号)に記載されている。
高電圧(HV)140がオンになると、純電子プラズマが確立されて、電子シース135がアノード110の周囲に発生する。シース内の電子は、交差する磁場134および電場132(E×B場)の影響下で、図1Aに概略的に示すようにアノード柱体110に沿って上下に螺旋状に動く。この交差する磁場および電場の影響下では、電子雲が、圧力に影響されない一定の電子密度になるまで蓄積する。条件を入念に選択および調整することで、電子密度が圧力に依存しなくなり、生成されるイオン電流信号(I)がガス圧力(P)に正比例するようになる(n=1)。イオン電流信号(すなわち、放電電流)は、I=kP(式中、kは感度であり、nは真空計の線形度である)として表され得る。ただし、ほとんどの場合、電子密度がある程度圧力に依存するため、n>1となる。市場に出ている1E−8Torr(圧力読取値)を報告可能な大半の真空計の場合、nの業界標準値は1〜1.2となる。
交差する場(132,134)では、アノード110の周囲に蓄積された電子が、アノードに向かってゆっくりと動く。これは、磁場により引き起こされた歳差運動によって、電場による吸引が妨げられるからである。電子は、ガス分子(G)との衝突(図1Bにおいて符号124で表す)によるエネルギーの損失を経て起こるマイグレーション過程によって、アノードへ進むにつれ徐々に失われる。シース135内で形成されたイオン(G+)がカソードへ高速に移動する(重過ぎるので磁気の影響は受けず、電場の影響のみを受ける)のに比べて、電子はアノードへゆっくりと移動することになるが、これによってプラズマは、アノードの周囲に負電荷を蓄積させるとともに、ガス分子のイオン化を随時発生させる。図1Aおよび図1Bに示す理想条件下では、電子が、中性体(neutrals)との非弾性衝突の結果によってのみシース135から失われる(その一部がイオン化につながる)。
図1Aに示す構造にまつわる問題の一つとして、アノード柱体の下部のうち、フィードスルー125の箇所での電子の損失を防ぐ対策が取られていない場合、図2に示す下記の損失メカニズムの影響を電子シース135が受けるおそれがあるという点が挙げられる。
図2は、電子損失が起こり得るCCIG200を示す図である。真空計200は、アノード110と、カソード120と、磁石115とを備えている点で、図1Aの真空計100と共通している。アノード110へ真空計200のベース部を貫通して電気接続を提供するフィードスルー125は、アノード柱体110からセラミック製の絶縁体225のうちの放電135に曝される部分(真空側)への遷移領域210上に、金属が被覆されているか、または金属製の部品(ワッシャまたはカップ)205を具備している。この場合、ちょうど遷移領域において、電場が磁場134に対して直交しなくなり、電場の端で電子がアノードプレートへまたは被覆物205へ進み失われ得る。電子が失われる理由は、遷移領域210において電場Eおよび磁場Bが、電子をアノードの表面から離して歳差軌道上に維持するために必要な直交関係でなくなるからである。そのため、電場は、電子を電子シース135からアノード電位の金属205に引き込むことができてしまう。
前述したように、直交する磁場および電場を有するように適切に設計されたCCIGは、純電子プラズマ放電、すなわち、アノード柱体の周囲に位置した、圧力に影響されない円筒状の電子シースを保持することができる。これにより、中性のガス分子の電子衝撃イオン化によって生じるイオン電流は、圧力に対してn≒1.1の線形性係数で線形関係となる。圧力に影響されない電子シースは、(1)電子の形成速度(カソードでの二次電子放出およびシースでの電子衝撃イオン化)と(2)アノードでの電子損失速度(アノード柱体へのマイグレーションおよびイオン−電子再結合)との動的なバランスの結果である。アノードへの電子損失速度が増加すると、圧力低下とともに電子密度が減少するという、放電維持不良として知られる現象に直面するおそれがある。電子放電密度が圧力とともに減少すると、線形性係数nが増加し(すなわち、n>1.2)、非線形応答として知られるものおよびマグネトロン・ニー(すなわち、イオン電流対圧力曲線の変曲点)の出現を招く。マグネトロン・ニー未満の圧力域で動作した場合の真空計は、圧力が下がるにつれイオン電流信号を急速に失い、最終的に、報告可能最低圧力(MRP)規格値を上回る圧力であっても、放電を維持することができなくなる。MRPをかなり下回ってからマグネトロン・ニーおよび/または放電維持閾値を示すように、CCIGを設計することが重要となる。
図2では、磁場134と実質的に平行な電場成分232をもたらす金属製の部品205が、アノードフィードスルー125のセラミック製の絶縁体225の端部に配置された金属製のリングまたはカップとされている点に留意されたい。絶縁体225は、真空計200の半径に沿って延在する平坦な頂部を有してもよい。また、絶縁体225は、真空計内の金属材料が内部スパッタリングによって被覆された、純セラミック製のフィードスルー絶縁体であってもよい。金属の源が何であれ、アノードに電気的に接続された導電性の表面が軸方向のアノード110と直交に生成されると、この表面は、電子の損失表面として機能し、圧力に対するイオン電流の感度を低下させる。
フィードスルーの遷移領域上のこの金属表面によって引き起こされる電子損失は、アノード周囲の電子密度を減らし、圧力に対する真空計の感度を下げる。換言すれば、まだ何も被覆されていないセラミック製の頂部を持った新品の真空計であっても、セラミック部分が金属で被覆されるにつれて電子密度は失われていく。これは、エポキシ接着されたフィードスルーを具備した真空計に見受けられてきた現象であり、内部スパッタリングによって絶縁体の表面に金属層が被覆されることで、もともと完全な誘電性であった遷移ゾーンが徐々に導電性を帯びていく。
純セラミック製の遷移部に金属製の部品が取り付けられている場合、真空計の感度が落ちて、装置の線形度が低下する(最低圧域でnが1.2を超える)。
図3Aおよび図3Bに、セラミック製の絶縁体325を有するフィードスルー構成と、セラミック製の絶縁体325に金属製のディスク305がろう付けされたフィードスルー構成との違いを示す。図3Aでは、セラミック製のフィードスルー絶縁体325が、エポキシ330を用いてアノード柱体110に取り付けられ、アノード110を支持して、シールをもたらしている。この構成では、真空計の動作時に内部スパッタリングによって金属がセラミック製の絶縁体325に被覆されないことを前提として、プラズマシース135からの電子損失が起こらないかまたは無視可能な程度となる。図3Bに示す構成では、電子シース135からアノード電位である金属製のディスク305へ進み電子が失われる。これらの構成間での電子損失の差は、真空計の感度の差につながり、図3Aの真空計の感度のほうが図3Bの真空計の感度よりも高くなるほか、真空計の線形度(n)の差にもつながる。例えば、図3Aでは真空計の線形度(n)が約1.1、図3Bでは約1.3となり得る。
図4Aおよび図4Bに、純セラミック製の絶縁体に内部スパッタリングによって金属が被覆されたときに、何が起こって前記シース内の電子密度の損失を招くおそれがあるのかを示す。図4Aには、真空計のアノード110を支持するセラミック製のフィードスルー絶縁体425の例と、真空計の初期動作時におけるアノード110の電子シース135とが示されている。先の図1Aを参照しながら説明したように、電子は、磁場によって所定の位置に保持されながら、アノード110に沿って上下に螺旋状パターンで動く。時間が経つと、図4Bに示すように、フィードスルー絶縁体425およびアノード110に、金属405が内部スパッタリングによって部分的にまたは全体的に被覆される。図4Cの詳細図に示すように、フィードスルー絶縁体425には被覆物をまったく有さない部分が生じ得る。アノード電位の被覆物により、その被覆物付近に、前記磁場と平行な電場が生じる。被覆物405が生成されるにつれて、シース135内の電子密度が失われる。当初極めて低圧域まで動作できていた真空計が圧力範囲の下端で突如感度を失い始めるのは、これが理由である。
本願の出願人は、ろう付けされたセラミック製のフィードスルー組立体が真空計に使用されているのか、それともエポキシ接着されたセラミック製のフィードスルー組立体が真空計に使用されているのかにかかわらず、金属製の構造が原因となってまたは後からの金属材料の堆積によって電子密度が前記遷移領域で失われるのを防ぐ必要性があることに気付いた。本明細書は、前記遷移領域にシールドを追加することによって、前記遷移部での損失に起因した電子損失への耐性をもたらすという簡単かつ極めて効果的な手法を提示している。
以下の段落では、アノードからフィードスルー絶縁体への遷移領域で電子損失を減らし、さらには防止するアノードシールドの設計原理について説明する。
図5Aは、本発明の一実施形態における、アノード電極シールド555を備える真空計500の一例を示す図である。この真空計は、フィードスルー125に支持されるとともにカソード120に取り囲まれた中央のアノード柱体110を備えている点で、図1Aの真空計100と共通している。アノード110は、センサ145を介して高電圧電位140に接続されている。高電圧電位140およびセンサ145は、コントローラ150により制御される。簡略化のために、図5Aでは磁石115(図1A)が省略されている。真空計500は、フィードスルー125のセラミック製の絶縁体225の上方に配置されたシールド555を備えている点で、図1Aの真空計と異なる。シールドは、アノード110が貫通して延出する開口部502を有している。
アノードシールド555が設置され、アノードシールド555がカソード120を介して接地へ電気的に接続されていることで、アノード110周囲のシース135の電位よりも負のバイアス電圧が出現する。そのため、電子シース135は、フィードスルー225における前記遷移領域から遠ざかる。これにより、電子が前記遷移ゾーンに到達したときに電子をこの領域から押し遠ざける、反発性の電位が発生する。この領域での電子損失がなくなることで、電子シース135が蓄積され、真空計の感度が向上して、純セラミック製のフィードスルー付きの真空計の感度を上回る場合さえある。
前記シールドには、板金を素材として、カップ構造や、より自由な設計を含む、様々な構成のものや様々な設計選択肢があり得る。図6A〜図6Dに、シールド構成の例を示す。
図6Aには、アノード110から離間し、カソード120に(図中の「**」で示す)取付ポイントで取り付けられた、シールド655Aが示されている。アノードとカソードとの間に設置されたフィードスルー絶縁体125が、アノード110を支持している。シールド655Aは、側壁606と開口部602が形成されたプレート608とを有するカップを含む。アノード110は、開口部602を貫通して延出している。
図6B〜図6Dに示す代替的な実施形態では、シールド655Cが1つの脚部606aを具備し、シールド655Bが2つの脚部606a,606bを具備し、シールド655Dが4つの脚部606a,606b,606c,606dを具備している。脚部は、フィードスルー絶縁体125からプレート608における開口部602まで適切な間隔を上方に設けるためのスペーサとして機能する(図6A)。図示のように、開口部602は、円形にしてよく、開口部602の半径により、アノードからシールドまでの間隔を決めることができる。
本明細書は、電子が前記遷移ゾーンで、例えばアノードからフィードスルー絶縁体のうちの真空計の真空側の部分への遷移領域(例えば図2に示す遷移領域を参照)で、失われるのを防ぐことが可能なシールドのコンセプトに、重点を置いている。厳密な構造は製品の具現例ごとに異なり得るが、電子がフィードスルーの遷移領域で失われる前に、電子の軌道をアノード領域へ意図的に曲げ返すのにシールドが使われている限り、真空計の感度は維持される。
図5Aに戻ると、シールド555が動作する様式が示されており、シールド555は自身が反射した電子を、アノードの中央部に戻るように方向転換させる。シース135内の電子は、上下に自由に動くことができるが、両端では頂部のバッフルプレート(図5Aには描かれていないが、例えば図9のバッフル924を参照)および下部のシールド555によって軸方向に反射されて戻る。シールド555と絶縁体225上のあらゆる金属との間隔は十分に大きくする必要がある一方で、開口部502でのシールド555とアノード110との間隔は、電子シース135の領域の力線が電子をシース内に確実に跳ね返すことで絶縁体上の金属に引き込まないように、十分に小さくする必要がある。
シールドの追加の利点として、シールドは、さらに、アノードフィードスルーおよびそのアノードフィードスルーの絶縁体を、その絶縁体に導電性の層を被覆し得る内部スパッタリング物質から、保護し得る。すなわち、シールドは、電子が前記遷移領域で失われるのを防ぐ手法を提供するだけでなく、絶縁体上における見通し線上の箇所に導電性の被覆物が堆積するのを阻止する。
CCIGに対する本開示の改良の重要な側面の一つとして、その改良(例えば前記シールド)を、市場に出ている数多くの様々な製品に後付けすることが可能であり、これによって共通の利点:感度および線形性の向上、ならびに長寿命化をもたらす点が挙げられる。
前記シールドが設置されることで、前記組立体にスタータ機能を追加することが可能となる。例えば、シールドの頂部孔に、電界放出能力によって放電開始を補助し得るスターパターンを設計することが可能である。
図5Bに、スタータ装置が追加された電極シールド555を備える、真空計500’の一実施形態例を示す。同図に示すように、フィールドエミッタ504が、スタータ装置として電極シールド555に設けられている。適切なフィールドエミッタ構成は、例えば、参照をもって本明細書に取り入れたものとするBruckerらによる先行出願である米国特許出願第14/500,820号(米国特許出願公開第2015/0091579号として公開、現在は米国特許第9,671,302号)に記載されている。この先行出願に記載された真空計では、漏れ電流および電界放出電流を実際のイオン電流から分離するのに用いられたガードリング電極に、スタータが追加されていた。
遷移領域の周囲に円筒状のシースを備えた真空計は、いくつか知られている。しかし、遷移領域内にある金属製のワッシャやカップを露出させたままでは、電子損失につながる。このような従前の真空計に、本明細書で開示するシールドのアプローチを後付けで使用することにより、性能を向上させることが可能である。
図7Aは、従来のCCIG装置の概略図である。真空計700は、アノード110とそのアノードを取り囲むカソード120とを備える。セラミック製のフィードスルー725が、アノードを支持しており、金属製のカップまたはディスク705を具備している。
図7Bに、本発明の一実施形態におけるシールドが後付けされた図7AのCCIG装置を示す。真空計700’は、フィードスルー725の金属製のディスク705の上方に配置されたシールド755を備えている。真空計700’のアノード110は、シールド755における開口部702を貫通して延出している。シールドは、カソード120に接続されている。
図8Aは、従来の他のCCIG装置の概略図である。真空計800は、アノード110を取り囲むカソード120を備える。アノードとカソードとの間には、絶縁体リング825が配置されている。
図8Bに、本発明の一実施形態におけるシールド855が後付けされた図8AのCCIG装置を示す。真空計800’では、シールド855が、絶縁体825の上方でカソード120に取り付けられている。アノード110は、シールドにおける開口部802を貫通して延出している。
シールドの代替的な設計の一つとして、シールドを、図9に示すようにカソード920、例えばカソード電極、の下部プレート開口部902に組み込むことが挙げられる。下部プレート908とその下部プレートから延出した側壁922とを含むカソード920は、アノード110の周囲に放電空間930を形成する。アノード110は、セラミック製の絶縁体925を具備したフィードスルー125により支持されていて、セラミック製の絶縁体925から、アノードが延出している。カソード電極外囲体921が、カソード920を取り囲んでいる。この場合の電子シース(図示せず)は、カソード920の下部にある接地平面によって方向転換される。下部プレート908と絶縁体上のあらゆる金属905との間隔は十分に大きくする必要がある一方で、下部908とアノード110との間隔は、電子シースの領域の力線が電子をシース内に確実に跳ね返すことで絶縁体上の金属に引き込まないように、十分に小さくする必要がある。図示のように、下部プレート908には、適切な間隔確保を支援するためのリップ906を設けてもよい。任意で、カソード電極の下部プレート908には、ガス抜き(通気)を可能にするための孔が開けられている。カソード920の頂部には、バッフル924が設けられている。
図10Aに、従来のカソード設計を示す。カソード1020は、底部にある開口と、バッフル1024とを有している。
図10Bに、本発明の一実施形態例において、底部プレート1008に開口部(例えば小さな開口)1002を有したカソード1020’を示す。
図11に、本発明の他の実施形態例において、側壁1122と底部プレート1108の中央に位置した開口部1102とを有するカソード1120を示す。
シールドをカソードの一部にすることは、カソードが交換されるたびにシールドも交換されることを確実にするための良い方法にもなる。カソードの底部にプレートを追加すると、フィードスルー組立体全体を汚染から保護するのに有益である。これにより、さらに、一部の真空計でエンベロープ内に含められているピラニセンサ、PRD(ピエゾ抵抗ダイアフラム)センサなどの他種のセンサに対して、実質的にバッフル効果(baffling)を付与することができる。
代替的な一応用例では、小さな開口がカソードの底部において放射状に配置されたアームにより支持されたもの、実質的にフィードスルーピン上方に小さな開口を有したフローティングプレート(例えばディスク)、としてもよい。この構成は、ガス放出コンダクタンスが問題である場合に、真空計の底部に高いガスコンダクタンスをもたらす。
図12Aに、他の実施形態例において、側壁1222を有し、フローティングディスク1208シールドを備えたカソード1220を示す。
図12Bに、図12Aのカソードのフローティングディスク1208およびアームを示す。開口部1202を有するディスク1208が、アーム1209a,1209b,1209cにより、カソード1220の底部における開口に架設されている。
従来の真空計には、ベースプレートを備えたカソードを二重逆マグネトロン(double inverted magnetron)構成との関連で使用したものがあるが、このカソードの主な目的は、自己スパッタリング物質の遮蔽であった。この真空計は、高い磁場強度を有するので、フィードスルー絶縁体の頂部を遮蔽する必要がない。ガードリングに連結されたフィードスルー絶縁体の上方にあるキャップは、UHV(超高真空)圧力の高速放電のスタータの役割を果たす。
本発明の実施形態は、弱い磁場を有する低コストのシステムに極めて有用である。シールドは、弱い磁場に起因する電子損失の問題を解消するほか、コストへの経済的影響も極めて少なく済む。
本発明の実施形態は、既存の製品に対して使用(例えば、設置、後付け)することが可能であり、これによって下記の1つ以上の利点および効果をもたらすことができる:
a)同じパッケージのままでの感度の向上;
b)最小限のコスト増;
c)長寿命化;
d)最低圧域での放電維持問題の発生率の低下;
e)線形性の向上;
f)より簡単で、より高速な校正(calibration );
g)基準検量線(nominal calibration curve )の作成(必要なのは検証のみ);
h)真空計設計の追加変更が不要で、単にシールドを追加して後付けするだけ;
フィードスルーの取付プレートの頂部に第2のプレートが取り付けられている一部の真空計の場合には、本発明の実施形態におけるシールドが、第2のプレートに追加されてフィードスルーの取付プレートの頂部に取り付けられてもよい。第2のプレートは、しばしばチタン製のプレートとされるが、研磨仕上げのステンレス鋼製のプレートに代えてもよく、その場合も十分に機能する。
本明細書で説明するシールドは、電解研磨されたステンレス鋼(例えば、304、316ステンレス鋼材)から製作してもよい。他の好適な材料には、アルミニウムやチタンが含まれる。
設計改良の動作上の利点は、研究室で3つの真空計ユニットを用い、その3つの真空計ユニットが極めて一貫したパフォーマンスを示すことによって確認された。図13は、(「210」、「212」および「213」とラベル付けされた)3つの真空計についての、圧力(Torr)の関数としてのイオン電流を表す補正済みデジタルカウント数のグラフである。同図には、3つのサンプルの極めて一貫したパフォーマンスと、1E−8Torr低圧域までの線形応答とが示されている。真空計は、さらに、極めて高速でガス放出(ほとんどが水分)し、例えば全金属・セラミック製のフィードスルーが選択されている場合には1時間以内で済む。
図13で見受けられる、低圧(<1E−8Torr)での線形性のやや上方へのずれは内部の水のガス(水蒸気)放出が原因であり、真空計が内部で約6.5E−9Torr相当の水(曲線フィッティング)をガス放出していることを示唆している。
図14は、内部の圧力の読取値への、内部の水のガス放出(OG)の寄与を示すグラフである。(「213」および「calカウント(OGあり)」とラベル付けされた)2つのユニットにおいて、ガス放出が見受けられる。(「calカウント(OGなし)」とラベル付けされた)3番目のユニットについては、テスト対象の圧力範囲内において上方のずれが見受けられなかった。フィッティングにより、1時間の乾燥によって水のガス放出がおよそ6.5E−9Torrになることが分かる。
この設計から得られる明確な利点の一つとして、真空計の線形性が向上する(シールドありでn=1.14となるのに対し、シールドなしではn>1.3となる)だけでなく、製品間での再現性が向上する点が挙げられる。図15のグラフには、対数−対数スケールでプロットされた、圧力の関数としてのカウント数の曲線と、(「log212」,「log210」および「log213」とラベル付けされた)3つのユニットについての1E−7〜1E−6Torr間のデータに対する線形フィッティングとが示されている。フィッティングされた線の傾きは、1.154、1.147および1.141である。
上記の結果から、一見単純な変更であるにもかかわらず、カウント数を増やし、かつ真空計間で応答をより一貫したものにできることが分かる。
図16は、アノード電極シールドを装備した5つの真空計についてのデータを示すグラフである。このデータから、(「210」〜「214」とラベル付けされた)5つの真空計の感度曲線の分布が密集しており、すべての真空計に共通する基準検量線を作成できることが分かる。同グラフには、5つの真空計ユニットについての、(イオン電流に比例する)補正済みカウント数対圧力(Torr)が示されている(5つの真空計ユニットは、十分に乾燥されることで約5E−9Torrの水レベルを示した)。すべての曲線が極めて類似していることから、この新規の設計を用いると、基準検量線があれば、個々の校正を必要としない(すなわち、検証のみで済む)か、または校正手順の対数−対数空間での切片を調整するための単純な一点もしくは二点の校正のみで済み、十分に事が足り得ることは明らかである。これにより、一部の真空計製品の製造サイクル時間を劇的に延ばすことができる。5つのユニットの傾き(n値)は、1.16、1.12、1.17、1.15および1.11であり、すべての値が極めて近似している。
これらのデータは、さらに、低いn値の製品を極めて厳密に再現できることを示唆しており、そのため、よりロバスト(頑強)な真空計製品を提供することが可能である。
また、信号が1E−8Torr域までも線形性を示すことから、シールドを装備した真空計が、1E−6Torr未満でもマグネトロン・ニーを示さないことは明らかである。これにより、1E−6〜1E−7Torr間でのデータをE−8Torr域にまで外挿できるので、1E−8Torr域において校正を行う必要がない。一部の用途では、真空計が1E−7Torrまで十分に機能するものであることが前提となるが、精度検証を実行する必要がない場合さえあり得る。これにより、校正時間を節約できるほか、製造サイクル時間を延ばすことができる(いずれも、コスト減につながり得る)。
実施形態は、CCIG製品において1E−8Torrでのイオン電流を増加させるのに有用であり、これによってこの製品は放電維持問題に直面しなくなるため、1E−8Torr域であっても一貫して、正確なパフォーマンスが可能となる。これは、真空計を圧力範囲の下端で使用する際に極めて有利である。
シールドは、標準的な真空計設計において実現することができ、標準的な真空計製品の歩留り(yield)を上げるのに用いることができる。本明細書で開示するシールドのアプローチを用いることにより、1E−8Torr域において強い信号(カウント数として測定されるイオン電流)を提供することができ、製造工場を離れても、または一回ベークアウトした程度では、放電維持問題に陥るようなことがない真空計を製造できる。一部の旧式製品の現在のカウント数は1E−8Torrにおいておよそ1000であるのに対し、本明細書で開示するシールドを備えた後付け設計にすると、その数が(公称で)8000カウントにまで増加すると予想される。さらに、感度が圧力範囲全体にわたって約4倍に増加すると予想され、線形度が公称で1.3から1.1の線形性係数(n)に向上すると予想される。
図17に、CCIGの動作を示す。真空計1700は、接地電位のカソード120により取り囲まれた、高電圧電位のアノード110を備えている。アノード110の周囲には、図示のように純電子プラズマシース135が存在する。磁石115が、例えば500〜1200ガウスの十分な強度の磁場134を提供する。純電子プラズマは、厳密に直交した磁場134および電場132を必要とする。図示の例では、電場132が径方向に向いており、磁場134が軸方向に向いている。予想どおり、電子シースは、適切な磁場ならびに電場の強度および向きが双方ともに生じている領域にしか存在しない。
図18は、図17の真空計1700における、純電子プラズマの理想モデルの概略図である。磁石115により、アノード110周囲の純電子シース135を支持するための軸方向の磁場134が提供される。図示のように、純電子プラズマシース135は、磁石の体積に限定される。電場132の等電位線1860は、アノード軸心1810と平行である。電場132(E)は、これらの等電位線と直交する。電場の軸方向成分の影響を受ける(すなわち、径方向の等電位線を有する領域の)電子は、後述のようにしてプラズマ放電から失われる。
図19に、アノードに電気的に接続された導電性のプレート1905(例えばディスク)(アノードの電圧バイアスが印加された導電性ディスク)を図17の真空計1700に追加した、真空計1700’を示す。導電性のディスク1905は、本例に描かれているような等電位線1960を発生させて、等電位線1960により、軸方向成分を有する(符号1962で示す)力線Eが生じる。軸方向成分を有する力線の領域では、交差する磁場および電場による閉込めがなくなるので、電子が電子シース135から失われる(符号1964)。
図20および図21に、図19の真空計の性能を向上させるのに用いることができる、放電制御シールド2055の例を示す。図示のように、放電制御シールド2055は、カソード120に接続されおり、アノードの電圧バイアスが印加された導電性のディスクであるディスク1905の上方に配置されている。アノード110は、シールド2055における開口部2002を貫通して延出している。シールドは、ディスク1905を放電シース(電子シース)135から実質上隠している。シールドの領域では、等電位線2060が狭まっている。シールド上方における狭まった領域の力線は、下方に向いた成分を有しているので、電子を上方に向かって移動させる。図21に示すように、放電制御シールド2055に近付いた電子2170は、上方に折り返されるので、直交する電場および磁場(E×B)によって閉じ込められた状態のまま維持される。本質的に、放電制御シールドの頂部が、電子の方向転換点となる。シールドにおける開口部2002は、等電位線を狭めて電場の軸方向成分の向きを実質的に反転させる。放電制御シールドに到達した電子は、拒絶されて放電領域135に押し返される。
図22および図23は、等電位線2260,2360および共通の電子2270,2370に対する等電位線2260,2360の影響を描いた、(SIMIONモデルを用いた)シミュレーション結果を示す図である。いずれの図においても、ディスクにできるアノードプレート2205は、本明細書の他の箇所で述べたような、金属が被覆されたセラミック製のフィードスルーや、フィードスルー上の頂部ワッシャまたはカップを表している。接地電位のカソード120が、高電圧電位の延出したアノード110を取り囲んでいる。
図22には、シールドがない場合に何が起きるのかが示されている。この場合の電子2270は、プレート2205側に導かれ、磁場によって制止され得ない。
図23に示すように、シールド2355が設置されていると、電子2370は、上方に折り返されるので、真空計の下部(同図の左側)にある、アノードの電圧バイアスが印加されたプレート2205に到達できない。同図には、シールド2355が等電位線2360に対して行う狭め効果が明確に描かれている。ここで言わんとしていることは、シールドが等電位線の束を狭めることによって、電場の向きを、電子をプレートに移動させる図22に示すような(プレート2205から遠ざかる)右側への向きから、電子を電子シースに戻す図23に示すような電極シールド2355に向かう左側への向きに反転させるということである。
図24Aおよび図24Bに、シールド2455を採用したCCIG2400の一実施形態を示す。CCIG2400は、フィードスルー組立体2475のフィードスルー絶縁体2425により支持されたアノード2410を備えている。アノード2410が、長手方向にわたってカソード2420に取り囲まれている。開口部2402を有する中央カップ状部分2403を含むシールド2455が、絶縁体2425の上方に配置されている。
図25Aおよび図25Bは、図24Aおよび図24Bのフィードスルー組立体2475の詳細図である。シールド2455は、カップ状部分2403における中央開口部2402と、取付や大気開放用の貫通孔、例えば、孔2404,2406とを有している。貫通孔は、中央開口部2402の周りに間隔を空けて設けられている。アノード2410は、開口部2402を貫通して延出しており、シールド2455から離間している。
本発明の実施形態は、例えば参照をもって全体を本明細書に取り入れたものとするKellyらによる米国特許出願第14/994,969号(2016年7月21日付で米国特許出願公開第2016/0209288号として公開)に記載されたハウジング等の、高分子材料で構成されたハウジングを備える真空計において実現されてもよい。
CCIGは、典型的に、10−2Torr未満の極めて低い圧力範囲での動作に限られている。大気圧(760Torr)にまで及ぶ範囲にわたって圧力を測定するために、CCIGに、抵抗ゲージ、ダイアフラムゲージなどの高圧用真空計が組み合わせてもよい。
本明細書で引用したあらゆる特許、特許出願公開公報および刊行物の全教示内容は、参照をもって本明細書に取り入れたものとする。
本発明について実施形態例を参照しながら具体的に図示・説明したが、当業者であれば、添付の特許請求の範囲に包含される本発明の範囲を逸脱しない範疇で、形態や細部に様々な変更が施されてもよいことを理解するであろう。

Claims (25)

  1. 冷陰極電離真空計であって、
    延出したアノードと、
    前記アノードの長さに沿って前記アノードを取り囲むカソードであって、前記アノードと当該カソードとの間のプラズマの発生、および結果として生じる当該カソードへのイオン電流の発生を可能にするための放電空間を、前記アノードの周囲に形成する、カソードと、
    自由電子の経路を長くして前記プラズマを維持するために、前記放電空間を通るように磁場を印加する磁石と、
    前記アノードを支持するフィードスルー絶縁体と、
    前記カソードに取り付けられており、前記アノードから離間して前記アノードを取り囲むシールドであって、前記絶縁体から電気的に絶縁されていて、前記絶縁体を前記プラズマの電子から遮蔽する、シールドと、
    前記アノードと前記カソードとの間に電圧を印加することで前記アノードと前記カソードとの間のプラズマ放電によりイオン化を発生させ、前記カソードへの測定されるイオン電流に基づいて圧力を決定する、電気コントローラと、
    を備える、冷陰極電離真空計。
  2. 請求項1に記載の冷陰極電離真空計において、前記シールドが前記アノードから第1の間隔で離間しており、前記シールドが前記絶縁体から、前記第1の間隔よりも大きい第2の間隔で離間しており、これら第1の間隔および第2の間隔が、前記プラズマの電子からの前記絶縁体の遮蔽を可能にする、冷陰極電離真空計。
  3. 請求項2に記載の冷陰極電離真空計において、前記シールドと前記アノードとの前記第1の間隔が、0.9〜2.7ミリメートルの範囲内である、冷陰極電離真空計。
  4. 請求項2または3に記載の冷陰極電離真空計において、前記シールドと前記絶縁体との前記第2の間隔が、0.9〜2.7ミリメートルの範囲内である、冷陰極電離真空計。
  5. 請求項2から4のいずれか一項に記載の冷陰極電離真空計において、前記シールドは、前記アノードが貫通して延出する開口部を有するプレートを含む、冷陰極電離真空計。
  6. 請求項5に記載の冷陰極電離真空計において、前記プレートにおける前記開口部が円形であり、前記第1の間隔が前記開口部の半径によって決まる、冷陰極電離真空計。
  7. 請求項5または6に記載の冷陰極電離真空計において、前記シールドが、さらに、前記プレートと前記絶縁体との前記第2の間隔を提供するように構成されたスペーサを含む、冷陰極電離真空計。
  8. 請求項7に記載の冷陰極電離真空計において、前記スペーサが、前記シールドを前記カソードに接続する脚部を有する、冷陰極電離真空計。
  9. 請求項8に記載の冷陰極電離真空計において、前記スペーサが、前記シールドを前記カソードに接続する複数の脚部を有する、冷陰極電離真空計。
  10. 請求項5に記載の冷陰極電離真空計において、前記シールドが前記絶縁体を取り囲むカップを含み、前記開口部を有する前記プレートが前記カップの底部である、冷陰極電離真空計。
  11. 請求項10に記載の冷陰極電離真空計において、前記開口部が円形であり、前記第1の間隔が前記開口部の半径によって決まる、冷陰極電離真空計。
  12. 請求項1から11のいずれか一項に記載の冷陰極電離真空計において、前記絶縁体の頂部が、金属で覆われている、冷陰極電離真空計。
  13. 請求項1から11のいずれか一項に記載の冷陰極電離真空計において、前記カソードが、ベースプレートおよびそのベースプレートから延出した円筒状の側壁を含み、前記ベースプレートが、前記絶縁体を取り囲み、かつ前記絶縁体に連結されている、冷陰極電離真空計。
  14. 圧力を測定する方法であって、
    アノードとカソードとの間の放電空間に磁場を印加する過程と、
    前記放電空間に電子を放出して、前記放電空間内のプラズマ放電および前記カソードへのイオン電流を発生させる過程と、
    前記カソードに取り付けられたシールドにより、前記アノードを支持するフィードスルー絶縁体を前記プラズマ放電の電子から遮蔽する過程と、
    前記カソードへの測定されるイオン電流に基づいて圧力を決定する過程と、
    を備える、方法。
  15. 冷陰極電離真空計であって、
    延出したアノードと、
    前記アノードの長さに沿って前記アノードを取り囲むカソードであって、前記アノードと当該カソードとの間のプラズマの発生、および結果として生じる当該カソードへのイオン電流の発生を可能にするための放電空間を、前記アノードの周囲に形成する、カソードと、
    自由電子の経路を長くして前記プラズマを維持するために、前記放電空間を通るように磁場を印加する磁石と、
    前記アノードを支持するフィードスルー絶縁体と、
    前記アノードと前記カソードとの間に電圧を印加することで前記アノードと前記カソードとの間のプラズマ放電によりイオン化を発生させ、前記カソードへの測定されるイオン電流に基づいて圧力を決定する、電気コントローラと、
    を備え、
    前記カソードに、前記アノードが貫通して延出するシールド開口部が前記絶縁体の上方に形成されており、前記絶縁体上の金属でのアノード電位から直接カソード電位の前記カソードに直接電場が生じるように、かつ、前記金属およびシールド開口部の上方には、前記プラズマから前記金属に電子を引き込む電場が生じないように、前記開口部が寸法決めされている、冷陰極電離真空計。
  16. 請求項15に記載の冷陰極電離真空計において、前記カソードが前記アノードから、前記シールド開口部に設けられた第1の間隔で離間しており、前記カソードが前記シールド開口部において前記絶縁体から、前記第1の間隔よりも大きい第2の間隔で離間している、冷陰極電離真空計。
  17. 請求項16に記載の冷陰極電離真空計において、前記シールド開口部が円形であり、前記第1の間隔が前記シールド開口部の半径によって決まる、冷陰極電離真空計。
  18. 請求項16または17に記載の冷陰極電離真空計において、前記カソードと前記アノードとの前記第1の間隔が、0.9〜2.7ミリメートルの範囲内である、冷陰極電離真空計。
  19. 請求項16から18のいずれか一項に記載の冷陰極電離真空計において、前記カソードと前記絶縁体との前記第2の間隔が、0.9〜2.7ミリメートルの範囲内である、冷陰極電離真空計。
  20. 請求項15から19のいずれか一項に記載の冷陰極電離真空計において、前記カソードが、ベースプレートおよびそのベースプレートから延出した側壁を含む、冷陰極電離真空計。
  21. 請求項20に記載の冷陰極電離真空計において、前記側壁が円筒状である、冷陰極電離真空計。
  22. 請求項20または21に記載の冷陰極電離真空計において、前記シールド開口部が前記ベースプレートにある、冷陰極電離真空計。
  23. 請求項20または21に記載の冷陰極電離真空計において、前記カソードがシールドプレートを含み、前記シールドプレートは前記ベースプレートにベースプレート開口部の上方で取り付けられており、前記シールド開口部が前記シールドプレートにある、冷陰極電離真空計.
  24. 請求項20または21に記載の冷陰極電離真空計において、前記シールド開口部が、前記ベースプレートにおけるベースプレート開口部に架設されたシールドプレートにある、冷陰極電離真空計。
  25. 圧力を測定する方法であって、
    アノードとカソードとの間の放電空間に磁場を印加する過程と、
    前記放電空間に電子を放出して、前記放電空間内のプラズマ放電および前記カソードへのイオン電流を発生させる過程と、
    前記カソードにより、前記アノードを支持するフィードスルー絶縁体上の金属におけるアノード電位からカソード電位の前記カソードへの直接の電場を、前記プラズマ放電から前記金属に電子を引き込む電場が前記金属およびカソードの上方において生じないように、確立する過程と、
    前記カソードへの測定されるイオン電流に基づいて圧力を決定する過程と、
    を備える、方法。
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