JP2020502049A - 免疫修飾因子 - Google Patents
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Abstract
Description
本出願は、2016年11月7日に提出した米国仮出願番号第62/418,352に対する優先権を主張するものであって、その全てを参照により本明細書に組み込むものである。
Aは、結合、
から選択され、
ここで、
zは、0、1または2であり;
wは、1または2であり;
nは、0または1であり;
mは、1または2であり;
m’は、0または1であり;
pは、0、1または2であり;
Rxは、水素、アミノ、ヒドロキシおよびメチルから選択され;
R14およびR15は、水素およびメチルから独立して選択され;および
Rzは、水素および−C(O)NHR16から選択され;ここでR16は、水素、−CHR17C(O)NH2、−CHR17C(O)NHCHR18C(O)NH2および−CHR17C(O)NHCHR18C(O)NHCH2C(O)NH2から選択され;ここでR17は、水素および−CH2OHから選択され、R18は、水素およびメチルから選択される;
Rvは、水素または天然アミノ酸側鎖であり;
Rc、Rf、Rh、RiおよびRmは、水素であり;
Rnは、水素であり;
Ra、ReおよびRjは、水素およびメチルから独立して選択され;
Rkは、水素およびメチルから選択され;
R3およびR13は、天然アミノ酸側鎖、非天然アミノ酸側鎖、−(C(R17a)2)2−X−R30、−C(R17a)2C(O)N(R16a)C(R17a)2−X’−R31、−C(R17a)2[C(O)N(R16a)C(R17a)2]w’−X−R31、−(C(R17a)(R17)C(O)NR16a)n’−Hおよび−(C(R17a)(R17)C(O)NR16a)m’−C(R17a)(R17)−CO2Hから独立して選択され;
R1、R2、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11およびR12は、天然アミノ酸側鎖、非天然アミノ酸側鎖から独立して選択されるか、あるいは以下に記述したとおりの対応している隣接するR基と共に環を形成しており;
ReおよびRkは、対応している隣接するR基およびそれらが結合している原子と共に、アゼチジン、ピロリジン、モルホリン、ピペリジン、ピペラジンおよびテトラヒドロチアゾールから選択された環を形成しており;ここで各環は、アミノ、シアノ、メチル、ハロおよびヒドロキシから独立して選択された1〜4つの基で所望により置換されていてもよい;
Rbは、メチルであるか、あるいはRbおよびR2は、それらが結合している原子と一緒になって、アゼチジン、ピロリジン、モルホリン、ピペリジン、ピペラジンおよびテトラヒドロチアゾールから選択された環を形成することができる;ここで各環は、アミノ、シアノ、メチル、ハロおよびヒドロキシから独立して選択された1〜4つの基で所望により置換されていてもよい;
Rdは、水素またはメチルであるか、あるいはRdおよびR4は、それらが結合している原子と一緒になって、アゼチジン、ピロリジン、モルホリン、ピペリジン、ピペラジンおよびテトラヒドロチアゾールから選択された環を形成することができ;ここで各環は、アミノ、シアノ、メチル、ハロ、ヒドロキシおよびフェニルから独立して選択された1〜4つの基で所望により置換されていてもよい;
Rgは、水素またはメチルであるか、あるいはRgおよびR7は、それらが結合している原子と一緒になって、アゼチジン、ピロリジン、モルホリン、ピペリジン、ピペラジンおよびテトラヒドロチアゾールから選択された環を形成することができ;ここで各環は、選択された基で所望により置換されていてもよく、またアミノ、ハロ基で所望により置換されていてもよいベンジル、ベンジルオキシ、シアノ、シクロヘキシル、メチル、ハロ、ヒドロキシ、メトキシ基で所望により置換されていてもよいイソキノリニルオキシ、ハロ基で所望により置換されていてもよいキノリニルオキシおよびテトラゾリルから独立して選択された1〜3個の追加の基で所望により置換されていてもよい;ならびに該ピロリジンおよび該ピペリジン環は、所望によりシクロヘキシル、フェニルまたはインドール基と縮合されていてもよい;ならびに
Rlは、メチルであるか、あるいはRlおよびR12は、それらが結合している原子と一緒になって、アゼチジンおよびピロリジンから選択された環を形成しており、ここで各環は、アミノ、シアノ、メチル、ハロおよびヒドロキシから独立して選択された1〜4個の基で所望により置換されていてもよく;
w’は、2または3であり;
n’は、1〜6であり;
m’は、0〜5であり;
Xは、1〜172個の原子の鎖であり、該原子は、炭素および酸素から選択され、ここで該鎖は、鎖内に埋め込まれた−NHC(O)NH−および−C(O)NH−から選択された1、2、3または4個の基を含有しており;かつ該鎖は、−CO2H、−C(O)NH2、−CH2C(O)NH2および−(CH2)CO2Hで独立して選択された1〜6個の基で所望により置換されていてもよい;
X'は、1〜172個の原子の鎖であり、該原子は炭素および酸素から選択され、ここで該鎖は、−NHC(O)NH−および−C(O)NH−から選択された1、2、3または4つの基を含有しており;かつ該鎖は、−CO2H、−C(O)NH2および−CH2CO2Hから独立して選択された1〜6個の基で所望により置換されていてもよいが、但しX’は非置換PEG以外である;
R30は、−CO2H、−C(O)NRwRxおよび−CH3から選択され、ここでRwおよびRxは、水素およびC1−C6アルキルから独立して選択されるが、但しXは全て炭素である場合、R30は−CH3以外であり;
R31は、−CO2H、−C(O)NRwRx、−CH3、アレクサ−5−SDPまたはビオチンであり;
各R17aは、水素、C1−C6アルキル、−CH2OH、−CH2CO2H、−(CH2)2CO2Hから独立して選択され;
各R17は、水素、−CH3、(CH2)zN3、−(CH2)zNH2、−X−R31、−(CH2)zCO2H、−CH2OH、CH2C=CHおよび−(CH2)z−トリアゾリル−X−R35から独立して選択され、ここでzは1〜6であり、R35は、−CO2H、−C(O)NRwRx、CH3、ビオチン、−2−フルオロピリジン、−C(O)−(CH2)2−C(O)O−ビタミンE、−C(O)O−ビタミンEおよび
但し、少なくとも1つのR17は、水素、−CH3または−CH2OH以外であり;かつ、
R3およびR13の少なくとも1つは、−(C(R17a)2)2−X−R30、−C(R17a)2C(O)N(R16a)C(R17a)2−X'−R31、−C(R17a)2[C(O)N(R16a)C(R17a)2]w’−X−R31、−(C(R17a)(R17)C(O)NR16a)n’−Hおよび−(C(R17a)(R17)C(O)NR16a)m’−C(R17a)(R17)−CO2Hから選択される]
の化合物、あるいはその医薬的に許容される塩を提供する。
R3が、天然または非天然アミノ酸側鎖であり、R13が、−(C(R17a)2)2−X−R30、−C(R17a)2C(O)N(R16a)C(R17a)2−X’−R31、−C(R17a)2[C(O)N(R16a)C(R17a)2]w’−X−R31、−(C(R17a)(R17)C(O)NR16a)n’−Hおよび−(C(R17a)(R17)C(O)NR16a)m’−C(R17a)(R17)−CO2Hから選択される、式(I)の化合物またその医薬的に許容される塩を提供する。第四実施形態において、R13は、−(C(R17a)2)2−X−R30である。第五実施形態において、各R17aは水素であり、Xは10〜25個の原子の鎖であり、該鎖は、鎖内に埋め込まれた1つのC(O)NH−を含有しており、該鎖内に残っている原子は炭素であり、R30は−CH3である。
Aが、
R1が、フェニルC1−C3アルキルであり、ここで該フェニル部分は、C1−C4アルコキシ、C1−C4アルキル、C1−C3アルキルスルホニルアミノ、アミド、アミノ、アミノC1−C3アルキル、アミノスルホニル、カルボキシ、シアノ、ハロ、ハロC1−C3アルキル、ヒドロキシおよびニトロから選択された1つの基で所望により置換されていてもよい;
R2が、C1−C7アルキルであり;
R3が、カルボキシC1−C3アルキルであり;
R4およびRdは、それらが結合している原子と一緒になって、アミノ、シアノ、メチル、ハロ、ヒドロキシおよびフェニルから選択された1つの基で所望により置換されていてもよいピロリジン環を形成することができる;
R5が、イミダゾリルC1−C3アルキルであり;
R6が、C1−C7アルキルであり;
R7およびRgは、それらが結合している原子と一緒になって、アミノ、シアノ、メチル、ハロ、ヒドロキシおよびフェニルから選択された1つの基で所望により置換されていてもよいピロリジン環を形成することができ;
R8が、インドリルC1−C3アルキルであり、ここで該インドリル部分は、C1−C3アルキル、カルボキシC1−C3アルキル、ハロ、ヒドロキシおよびフェニルから選択された1つの基で所望により置換されていてもよい;
R9が、ヒドロキシメチルであり;
R10が、インドリルC1−C3アルキルであり、ここで該インドリル部分は、C1−C3アルキル、カルボキシC1−C3アルキル、ハロ、ヒドロキシおよびフェニルから選択された1つの基で所望により置換されていてもよい;
R11が、C1−C7アルキルであり;および
R12が、C1−C7アルキルである、
式(I)の化合物またはその医薬的に許容される塩を提供する。
Aが、
zおよびwが、各々1であり、R14およびR15が、各々水素であり;
Rzが、−C(O)NHR16(式中、R16はCHR17C(O)NH2であり、R17は水素である)であり;
R13が、−(C(R17a)2)2−X−R30であり;ここで各々R17aは水素であり、Xは10〜25個の原子の鎖であり、該鎖は、鎖内に埋め込まれた1つのC(O)NH−を含有していてもよく、該鎖内に残っている原子は炭素であって、R30は−CH3である;
R1が、フェニルC1−C3アルキルであり、ここで該フェニル部分は、C1−C4アルコキシ、C1−C4アルキル、C1−C3アルキルスルホニルアミノ、アミド、アミノ、アミノC1−C3アルキル、アミノスルホニル、カルボキシ、シアノ、ハロ、ハロC1−C3アルキル、ヒドロキシおよびニトロから選択された1つの基で所望により置換されていてもよい;
R2が、C1−C7アルキルであり;
R3が、カルボキシC1−C3アルキルであり;
R4およびRdは、それらが結合している原子と一緒になって、アミノ、シアノ、メチル、ハロ、ヒドロキシおよびフェニルから選択された1つの基で所望により置換されていてもよいピロリジン環を形成することができ;
R5が、イミダゾリルC1−C3アルキルであり;
R6が、C1−C7アルキルであり;
R7およびRgは、それらが結合している原子と一緒になって、アミノ、シアノ、メチル、ハロ、ヒドロキシおよびフェニルから選択された1つの基で所望により置換されていてもよいピロリジン環を形成することができ;
R8が、インドリルC1−C3アルキルであり、ここで該インドリル部分は、C1−C3アルキル、カルボキシC1−C3アルキル、ハロ、ヒドロキシおよびフェニルから選択された1つの基で所望により置換されていてもよい;
R9が、ヒドロキシメチルであり;
R10が、インドリルC1−C3アルキルであり、ここで該インドリル部分は、C1−C3アルキル、カルボキシC1−C3アルキル、ハロ、ヒドロキシおよびフェニルから選択された1つの基で所望により置換されていてもよい;
R11が、C1−C7アルキルであり;ならびに
R12が、C1−C7アルキルである、
式(I)の化合物またはその医薬的に許容される塩を提供する。
(式中、RおよびR'は本明細書に記戴するとおりである)。
C2−C7アルケニル、C1−C3アルコキシC1−C3アルキル、C1−C6アルコキシカルボニルC1−C3アルキル、C1−C7アルキル、C1−C3アルキルスルファニルC1−C3アルキル、アミドC1−C3アルキル、アミノC1−C3アルキル、アザインドリルC1−C3アルキル、ベンゾチアゾリルC1−C3アルキル、ベンゾチエニルC1−C3アルキル、ベンジルオキシC1−C3アルキル、カルボキシC1−C3アルキル、C3−C14シクロアルキルC1−C3アルキル、ジフェニルメチル、フラニルC1−C3アルキル、イミダゾリルC1−C3アルキル、ナフチルC1−C3アルキル、ピリジニルC1−C3アルキル、チアゾリルC1−C3アルキル、チエニルC1−C3アルキル;
ビフェニルC1−C3アルキル(ここで該ビフェニルは、所望によりメチル基で置換されていてもよい);
ヘテロサイクリル(ここで、所望によりC1−C4アルコキシ、C1−C4アルキル、C1−C3アルキルスルホニルアミノ、アミド、アミノ、アミノC1−C3アルキル、アミノスルホニル、カルボキシ、シアノ、ハロ、ハロC1−C3アルキル、ヒドロキシ、−NC(NH2)2、ニトロおよび−OP(O)(OH)2から独立して選択される1、2、3、4または5つの基で置換されていてもよい);
インドリルC1−C3アルキル(ここで該インドリル部分は、所望によりC1−C3アルキル、カルボキシC1−C3アルキル、ハロ、ヒドロキシおよびフェニルから選択される1つの基で置換されていてもよく、また該フェニルは、場合によりC1−C3アルコキシ、C1−C3アルキルおよびハロから独立して選択される1、2または3つの基でさらに置換されていてもよい);
NRxRy(C1−C7アルキル)(ここで該Rxおよび該Ryは、水素、C2−C4アルケニルオキシカルボニル、C1−C3アルキル、C1−C3アルキルカルボニル、C3−C14シクロアルキルカルボニル、フラニルカルボニルおよびフェニルカルボニルから独立して選択される)。アルキルリンカーが1個以上の炭素を含む場合、別のNRxRy基が鎖上に存在し得る。
C1−C4アルコキシ、C1−C4アルキル、C1−C3アルキルスルホニルアミノ、アミド、アミノ、アミノC1−C3アルキル、アミノスルホニル、カルボキシ、シアノ、ハロ、ハロC1−C3アルキル、ヒドロキシ、−NC(NH2)2、ニトロおよび−OP(O)(OH)2から独立して選択される1、2、3、4または5つの基で所望により置換されていてもよいフェニル;
フェニルC1−C3アルキル(ここで該フェニル部分は、所望によりC1−C4アルコキシ、C1−C4アルキル、C1−C3アルキルスルホニルアミノ、アミド、アミノ、アミノC1−C3アルキル、アミノスルホニル、カルボキシ、シアノ、ハロ、ハロC1−C3アルキル、ヒドロキシ、−NC(NH2)2、ニトロおよび−OP(O)(OH)2から独立して選択される1、2、3、4または5つの基で置換されていてもよい);および
フェノキシC1−C3アルキル(ここで該フェニルは、所望によりC1−C3アルキル基で置換されていてもよい)。
(式中、Wは、OまたはNHである)をいう。
本明細書で使用する用語“アミド”は、−C(O)NH2をいう。
本明細書で使用する用語“アミノ”は、−NH2をいう。
をいう。
本明細書で使用する用語“カルボキシ”は、−CO2Hをいう。
により示されたエチレンオキシドのポリマーをいう。PEG基は、酸素原子または炭素原子を介して親部分に結合し得ることが理解される。
である。
本発明はまた少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%および少なくとも約100%まで、参照抗PD−L1抗体(MDX−1105)の結合と競合できる大環状ペプチドに関する。このような大環状ペプチドは、PD−L1と特異的に結合する限り、変異体、保存的置換、機能的置換および欠失形態を含み、1個以上の本明細書に開示する大環状ペプチドと構造相同性であり得る。例えば、大環状ペプチドがPD−L1の参照抗PD−L1抗体と同じ領域に実質的に結合するならば、大環状ペプチドは、抗PD−L1モノクローナル抗体が結合するPD−L1エピトープと少なくとも重複するPD−L1のエピトープと結合するはずである。重複領域は、アミノ酸残基から数百アミノ酸残基の範囲であり得る。そうであれば、大環状ペプチドは、抗PD−L1モノクローナル抗体のPD−L1への結合と競合および/または遮断し、それにより抗PD−L1モノクローナル抗体のPD−L1への結合を、競合アッセイにおいて好ましくは少なくとも約50%減少させるはずである(図9参照)。
別の局面において、本発明は、医薬的に許容される担体と製剤された、本発明の1個または大環状ペプチドを組み合わせて含み、医薬的に許容される担体と共に製剤された組成物、例えば、医薬組成物を提供する。このような組成物は、本発明の1個または複数の(2以上の異なる)大環状ペプチドまたは免疫コンジュゲートまたは二重特異性分子を含み得る。例えば、本発明の医薬組成物は、標的抗原上の異なるエピトープに結合したか、または相補的活性を有する、大環状ペプチド(または免疫コンジュゲートまたは二重特異性物)の組み合わせを含み得る。
本発明の大環状ペプチド、組成物および方法は、例えば、PD−L1検出またはPD−L1遮断による免疫応答を含む、多くのインビトロおよびインビボ有用性を有する。例えば、これらの分子を、インビトロまたはエクスビボの培養細胞またはヒト対象に、例えばインビボで投与して、多様な状況での免疫を増強することができる。従って、一つの局面において、本発明は、本発明の大環状ペプチドを、対象における免疫応答が修飾されるように対象に投与することを特徴とする、対象における免疫応答を修飾する方法を提供する。好ましくは、応答は、増強、刺激または上方制御される。別の局面において、大環状ペプチドは、抗カニクイザル、抗マウスおよび/または抗マーモット結合および治療活性を有し得る。
大環状ペプチドによるPD−1の遮断は、患者における癌細胞に対する免疫応答を増強できる。PD−1に対するリガンドであるPD−L1は、正常なヒトの細胞では発現されないが、多様なヒトの癌において多く存在する(Dong et al., Nat. Med., 8:787-789(2002))。PD−1とPD−L1の相互作用は、腫瘍浸潤性リンパ球減少、T細胞受容体仲介増殖減少および癌細胞の免疫回避をもたらす(Dong et al., J. Mol. Med., 81:281-287(2003); Blank et al., Cancer Immunol. Immunother., 54:307-314(2005); Konishi et al., Clin. Cancer Res., 10:5094-5100(2004))。免疫抑制は、PD−1とPD−L1の局所相互作用の阻害により逆転され得て、PD−1とPD−L2の相互作用が同様に遮断されたとき、この効果は相加的である(Iwai et al., Proc. Natl. Acad. Sci., 99:12293-12297(2002); Brown et al., J. Immunol., 170:1257-1266(2003))。先の研究では、T細胞増殖が、PD−1のPD−L1への相互作用の阻害により回復できることが示されているが、PD−1/PD−L1相互作用の遮断によるインビボ癌腫瘍増殖に対する直接の効果についての報告はない。一つの面において、本発明は、癌性腫瘍の増殖が阻害されるように大環状ペプチドを使用するインビボでの対象の処置に関する。大環状ペプチドを、癌性腫瘍増殖阻害のために単独で使用してもよい。あるいは、大環状ペプチドを、下に記戴するとおり、他の免疫原性剤、標準的癌処置または他の大環状ペプチドと組み合わせて使用してもよい。
本発明の他の方法は、特定の毒素または病原体に曝されている患者の処置に使用される。したがって、本発明の他の面は、対象の感染性疾患が処置されるように、対象に本発明の大環状ペプチドを投与することを特徴とする、対象における感染性疾患の処置方法を提供する。
大環状ペプチドは、自己免疫応答を誘発および増幅し得る。実際に、腫瘍細胞およびペプチドワクチンを使用した抗腫瘍応答の誘発により、多くの抗腫瘍応答は、抗自己反応性を含むことが明らかとなった(van Elsas et al., 上掲において、抗CTLA−4+GM−CSF修飾B16黒色腫で観察される色素脱失;Trp−2ワクチン接種マウスにおける色素脱失(Overwijk, W. et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 96:2982-2987(1999));TRAMP腫瘍細胞ワクチンにより誘発される自己免疫性前立腺炎(Hurwitz, A., supra(2000))、ヒト臨床試験において見られる黒色腫ペプチド抗原ワクチン接種および白斑症(Rosenberg, S.A. et al., J. Immunother. Emphasis Tumor Immunol., 19(1):81-84(1996))。
大環状ペプチドを、抗PD−1大環状分子と目的の抗原(例えば、ワクチン)の共投与により抗原特異的免疫応答を刺激するために使用し得る。従って、他の局面において、本発明は、対象における抗原に対する免疫応答を増強する方法を提供し、対象に(i)抗原;および(ii)対象における抗原に対する免疫応答が増強されるような抗PD−1大環状分子を投与することを特徴とする。抗原は、例えば、腫瘍抗原、ウイルス抗原、細菌抗原または病原体由来の抗原であり得る。このような抗原の非限定的例は、上記の腫瘍抗原(または腫瘍ワクチン)または上記のウイルス、細菌または他の病原体からの抗原を含む。
本発明の大環状ペプチドと、他のPD−L1アンタゴニストおよび/または別の免疫修飾剤との組み合わせは、過増殖性疾患に対する免疫応答の増強に有用である。例えば、これらの分子を、インビトロまたはエクスビボで培養中の細胞またはヒト対象に、例えばインビボで投与して、様々な状況において免疫を増強することができる。従って、一つの局面において、本発明は、対象における免疫応答を調節するように、本発明の大環状ペプチドを対象に投与することを特徴とする、対象における免疫応答を修飾する方法を提供する。好ましくは、この応答は、増強、刺激または上方制御される。他の態様において、本発明は、対象に本発明の大環状ペプチドおよび別の免疫修飾剤の治療量以下の投与量を投与することを特徴とする、免疫刺激性治療剤による過増殖性疾患の処置と関係する有害事象を改変する方法を提供する。
適切な式Iのペプチドまたはより具体的に本明細書に記戴する大環状ペプチドを、化合物の単独および/または許容される担体と混合された医薬製剤の形態で糖尿病および他の関連疾患の処置のために患者に投与できる。糖尿病治療の分野における技術者は、このような処置を必要とするヒトを含む哺乳動物への化合物の投与量および投与経路を容易に決定できる。投与経路は、経口、口腔内、直腸、経皮、バッカル、鼻腔内、肺、皮下、筋肉内、皮内、舌下、結腸内、眼内、静脈内または腸管投与を含むが、これらに限定されない。化合物は、認可された調剤行為に基づき、投与経路に従って製剤される(Fingl et al., in The Pharmacological Basis of Therapeutics, Chapter 1, p.1(1975); Remington's Pharmaceutical Sciences, 18th Edition, Mack Publishing Co., Easton, PA(1990))。
多数の単位カプセルを、100mgの粉末活性成分、150mgのラクトース、50mgのセルロースおよび6mgのステアリン酸マグネシウムを、標準的な2ピースの硬ゼラチンカプセルに充填することにより製造できる。
ダイズ油、綿実油またはオリーブ油のような消化可能油中の活性成分の混合物を製造し、ゼラチンに陽圧式排出ポンプで充填して、100mgの活性成分を含む軟ゼラチンカプセルを製造し得る。カプセルは、洗浄および乾燥されるべきである。
錠剤を、投与量単位が、例えば100mgの活性成分、0.2mgのコロイド状二酸化ケイ素、5mgのステアリン酸マグネシウム、275mgの微結晶セルロース、11mgのデンプンおよび98.8mgのラクトースであるように、慣用の方法で製造され得る。嗜好性を高めるため、または吸収を遅延するために適当なコーティングを施してよい。
本明細書に記戴するペプチド組成物の注射可能製剤は、規制機関により承認されているような添加物の使用を必要としても、または必要としなくてもよい。これらの添加物は、溶媒および共溶媒、可溶化、乳化または濃化剤、キレート剤、抗酸化剤および還元剤、抗微生物防腐剤、緩衝液およびpH調節剤、充填剤、保護剤および張性調節剤および特殊な添加物を含むが、これらに限定されない。注射可能製剤は、無菌、無発熱物質、溶液の場合、無粒状物質でなければならない。
水性懸濁液を、例えば、各々5mLが100mgの微粉化活性成分、20mgのナトリウムカルボキシメチルセルロース、5mgの安息香酸ナトリウム、1.0gのソルビトール溶液、U.S.P.および0.025mLのバニリンまたは別の味の良い風味剤を含む、経口および/または非経腸投与用として製造できる。
注射による投与に適する徐放性非経腸組成物は、例えば、適切な生分解性ポリマーを溶媒に溶解し、活性剤をポリマー溶液に添加して導入し、溶媒をマトリクスから除去し、それによりマトリクス中に活性剤が分散したポリマーのマトリクスを形成させることにより製造され得る。
基−C(O)NH−は、リンカーXおよびX'の中で、2つの取り得る方向のいずれかにて方向づけられ得る(例えば、−C(O)NH−または−NHC(O)−として)ことが理解される。
質量スペクトル分析法:“ESI−MS(+)”とは、正イオンモードで実施したエレクトロスプレーイオン化質量スペクトル分析法を示す;“ESI−MS(−)”とは、負イオンモードで実施したエレクトロスプレーイオン化質量スペクトル分析法を示す;“ESI−HRMS(+)”とは、正イオンモードで実施された高分解エレクトロスプレーイオン化質量スペクトル分析法を示す;“ESI−HRMS(−)”とは、負イオンモードで実施した高分解エレクトロスプレーイオン化質量スペクトル分析法を示す。検出された質量は、“m/z”単位表記に従って報告された。1000より大きい正確な質量を有する化合物は、二重電荷イオンまたは三重電荷イオンとして高頻度で検出された。
SymphonyX方法A:
全ての操作を、Symphony-Xペプチド合成器(Protein Technologies)でオートメーション下において行なった。全ての方法を、底部フリットを備えた10mLポリプロピレンチューブ内で実施した。このチューブを、チューブの底部と上部の双方を介してPreludeペプチド合成器と連結させた。DMFおよびDCMを、チューブ上部から加えて、このチューブの両サイドを均一に洗い落とした。残りの試薬を、チューブの底から加えて、フリットを通して樹脂と接触させる。全ての溶液を、チューブの底から除去する。“周期的攪拌”とは、底部フリットからのN2ガスの短時間のパルスを意味する;パルスは約5秒間続けて、30秒毎におこる。クロロアセチルクロリド溶液/DMFを、調整24時間以内に使用した。一般的には、アミノ酸溶液を、調製してから三週間を過ぎて使用しない。HATU溶液を、調整5日以内で使用した。DMF=ジメチルホルムアミド;HATU=1−[ビス(ジメチルアミノ)メチレン]−1H−1,2,3−トリアゾロ[4,5−b]ピリジニウム3−オキシドヘキサフルオロリン酸塩;DIPEA=ジイソプロピルエチルアミン;Rink=(2,4−ジメトキシフェニル)(4−アルコキシフェニル)メタンアミン、“4−アルコキシ”は、ポリスチレン樹脂との結合位置およびタイプを述べる。使用した樹脂は、Rinkリンカー(窒素にてFmoc保護された)を含むMerrifieldポリマー(ポリスチレン)である;100〜200メッシュ, 1%DVB,0.56mmol/gローディング。使用される一般的なアミノ酸を下記に列挙し、側鎖保護基は括弧内に示した:Fmoc−Ala−OH;Fmoc−Arg(Pbf)−OH;Fmoc−Asn(Trt)−OH;Fmoc−Asp(OtBu)−OH;Fmoc−Bzt−OH;Fmoc−Cys(Trt)−OH;Fmoc−Dab(Boc)−OH;Fmoc−Dap(Boc)−OH;Fmoc−Gln(Trt)−OH;Fmoc−Gly−OH;Fmoc−His(Trt)−OH;Fmoc−Hyp(tBu)−OH;Fmoc−Ile−OH;Fmoc−Leu−OH;Fmoc−Lys(Boc)−OH;Fmoc−Nle−OH;Fmoc−Met−OH;Fmoc−[N−Me]Ala−OH;Fmoc−[N−Me]Nle−OH;Fmoc−Phe−OH;Fmoc−Pro−OH;Fmoc−Sar−OH;Fmoc−Ser(tBu)−OH;Fmoc−Thr(tBu)−OH;Fmoc−Trp(Boc)−OH;Fmoc−Tyr(tBu)−OH;Fmoc−Val−OH。
10mL ポリプロピレン固体相反応容器に、Merrifield:Rink樹脂(178mg,0.100mmol)を加えた。樹脂を、下記の通りに3回洗った(膨潤させた):反応容器に、DMF(2.0mL)を加えて、この混合物を10分間周期的に攪拌して、次いで溶媒をフリットから排出した。
先の工程からの樹脂を入れた反応容器にピペリジン:DMF(20:80v/v,2.0mL)を加えた。混合物を、3分間周期的に攪拌して、次いで反応溶液をフリットから排出した。反応容器に、ピペリジン:DMF(20:80v/v,2.0mL)を加えた。混合物を、3分間周期的に攪拌して、次いで溶液をフリットから排出した。樹脂を、下記の通りに連続的に6回洗った:各洗いに対して、DMF(2.0mL)を容器の上部に加えて(底部フリットからではない)、得られる混合物を30秒間周期的に攪拌して、溶液をフリットから排出した。反応容器に、アミノ酸(DMF中で0.2M, 1.0mL, 2等量)、次いでHATU(DMF中で0.2M, 1.0mL, 2等量)および最終的にDIPEA(DMF中で0.4M, 1.0mL, 4等量)を加えた。混合物を、15分間周期的に攪拌して、次いで反応溶液をフリットから排出した。樹脂を、下記の通りに4回連続的に洗った:各洗いに対して、DMF(2.0mL)を容器の上部から加えて、得られる混合物を30秒間周期的に攪拌して、溶液をフリットから排出した。反応容器に、無水酢酸(2.0mL)を加えた。混合物を、10分間周期的に攪拌して、次いで溶液をフリットから排出した。樹脂を、次ぎの通りに4回連続的に洗った:各洗いに対して、DMF(2.0mL)を、容器の上部から加えて、得られる混合物を90秒間周期的に攪拌して、溶液をフリットから排出した。得られる樹脂を、次工程に直接使用した。
先の工程からの樹脂を入れた反応容器に、ピペリジン:DMF(20:80v/v,2.0mL)の溶液を加えた。混合物を、周期的に3分間攪拌して、次いでこの溶液を、フリットから排出した。反応容器に、ピペリジン:DMF(20:80v/v, 2.0mL)を加えた。混合物を、3分間周期的に攪拌して、次いで溶液を、フリットから排出した。樹脂を、下記の通りに6回連続的に洗った:各洗いに対して、DMF(2.0mL)を、容器の上部から加えて、得られる混合物を30秒間周期的に攪拌して、次いで溶液を、フリットから排出した。反応容器に、アミノ酸(DMF中で0.2M,1.0mL,2等量)、次いでHATU(DMF中で0.2M,1.0mL,2等量)、最終的にDIPEA(DMF中で0.4M,1.0mL,4等量)を加えた。混合物を、周期的に15分間攪拌して、次いで反応溶液を、フリットから排出した。樹脂を、下記の通りに2回洗った:各洗いに対して、DMF(2.0mL)を容器の上部から加えて(底部フリットからではない)、得られる混合物を30秒間周期的に攪拌して、溶液をフリットから排出した。反応容器に、アミノ酸(DMF中で0.2M,1.0mL,2等量)、次いでHATU(DMF中で0.2M,1.0mL,2等量)、最終的にDIPEA(DMF中で0.4M,1.0mL,4等量)を加えた。混合物を、15分間周期的に攪拌して、次いで反応溶液をフリットから排出した。樹脂を、下記の通りに2回洗った:各洗いに対して、DMF(2.0mL)を容器の上部から加えて、得られる混合物を90秒間周期的に攪拌して、溶液をフリットから排出した。反応容器に、無水酢酸(2.0mL)を加えた。混合物を、10分間周期的に攪拌して、次いで反応溶液をフリットから排出した。樹脂を、下記の通りに4回連続的に洗った:各洗いに対して、DMF(2.0mL)を、容器の上部から加えて、得られる混合物を、90秒間周期的に攪拌して、この溶液をフリットから排出した。得られる樹脂を、次工程に直接使用した。
10mL ポリプロピレン固相反応容器に、Merrifield:Rink樹脂(178mg,0.100mmol)を加えた。樹脂を下記の通りに3回洗った(膨潤させた):反応容器に、DMF(2.0mL)を加えて、混合物を、10分間周期的に攪拌して、この溶媒をフリットから排出した。
先の工程からの樹脂を含む反応容器に、ピペリジン:DMF(20:80v/v,2.0mL)を加えた。混合物を、3分間周期的に攪拌して、次いで溶液をフリットから排出した。反応容器に、ピペリジン:DMF(20:80v/v,2.0mL)を加えた。混合物を、周期的に3分間攪拌して、次いで溶液を、フリットから排出した。樹脂を、下記の通りに6回連続的に洗った:各洗いに対して、DMF(2.0mL)を、容器の上部から加えて(底部フリットからではない)、得られる混合物を30秒間周期的に攪拌して、溶液をフリットから排出した。反応容器に、DIPEA(DMF中で0.4M,3.0mL,24等量)、次いでクロロアセチルクロリド(DMF中で0.8M,1.5mL,13.2等量)を加えた。混合物を、周期的に30分間攪拌して、次いで溶液を、フリットから排出した。樹脂を、下記の通りに3回連続的に洗った:各洗いに対して、DMF(2.0mL)を、容器の上部から加えて、得られる混合物を90秒間周期的に攪拌して、この溶液をフリットから排出した。樹脂を、下記の通りに4回洗った:各洗いに対し、CH2Cl2(2.0mL)を、容器の上部に加えて、得られる混合物を90秒間周期的に攪拌して、この溶液をフリットから排出した。得られる樹脂を、15分間N2ストリーム下に置いた。
先の工程からの樹脂を含む反応容器に、ピペリジン:DMF(20:80v/v, 2.0mL)を加えた。混合物を、3分間周期的に攪拌して、次いで反応溶液をフリットから排出した。反応容器に、ピペリジン:DMF(20:80v/v,2.0mL)を加えた。混合物を、3分間周期的に攪拌して、次いで反応溶液をフリットから排出した。樹脂を下記の通りに4回連続的に洗った:各洗いに対して、DMF(2.0mL)を、容器の上部から加えて、得られる混合物を、30秒間周期的に攪拌して、この溶液をフリットから排出した。反応容器に、クロロ酢酸(DMF中で0.2M 1.0mL, 2等量)、次いでHATU(DMF中で0.2M 1.0mL,2等量)を加えて、最終的にDIPEA(DMF中で0.4M 1.0mL,4等量)を加えた。混合物を、15分間周期的に攪拌して、次いで反応溶液をフリットから排出した。樹脂を、下記の通りに3回連続的に洗った:各洗いに対して、DMF(2.0mL)を、容器の上部から加えて、得られる混合物を、30秒間周期的に攪拌して、この溶液をフリットから排出した。樹脂を下記の通りに4回連続的に洗った:各洗いに対して、CH2Cl2(2.0mL)を、容器の上部から加えて、得られる混合物を、90秒間周期的に攪拌して、この溶液をフリットから排出した。得られる樹脂を、5分間乾燥させた。
全ての操作を別段の記載が無ければ手動で行った。“グローバル脱保護方法A”の方法は、0.100mmol規模で行い、この場合の規模は、樹脂に結合したRinkリンカーの量により決定される。この方法は、記載した体積を規模の倍数で調整することにより、0.100mmol規模を超えて拡大できる。“脱保護溶液”を、40mL ガラスバイアル内で、トリフルオロ酢酸(22mL)、フェノール(1.325g)、水(1.25mL)およびトリイソプロピルシラン(0.5mL)を合わせて調製した。樹脂を反応容器から取り出して、4mLガラスバイアルに移した。バイアルに、“脱保護溶液”(2.0mL)を加えた。混合物を、シェカー内(1分間1000RPM、次いで90分間500RPM)で激しく攪拌した。混合物を、ジエチルエーテル(15mL)を含有する24mLの試験管に滴加可能なボトムフリットを備えた10mL ポリプロピレンチューブを通して濾過して、白色沈殿物を得た。管内の固体(樹脂)を、“脱保護溶液”(1.0mL)を用いて1回抽出して、エーテルに滴加した。混合物を7分間遠心分離して、次いでこの溶液を固体と分けて傾捨した。固体をEt2O(20mL)に懸濁して;次いで、混合物を5分間遠心分離した;この溶液を固体と分けて傾捨した。最後の時点で、固体をEt2O(20mL)に懸濁した;混合物を、5分間遠心分離した;溶液を固体と分けて傾捨して、粗製ペプチドを白色〜オフホワイトの固体として得た。
全ての操作を、特に断らない限り手動で行った“環化方法A”の方法は、0.100mmol規模で実施する実験を記戴したもので、この場合の規模はペプチドの製造に使用した樹脂に結合するRinkリンカーの量により決定する。この規模は、方法において使用するペプチドの量の直接の決定には基づかない。方法は、記戴する体積を規模の倍数で調節することにより、0.100mmol規模を超えて拡大できる。粗製ペプチド固体を、メタノール(10mL)に溶解して、この溶液を、次いでN,N−ジイソプロピルアミンを用いて、慎重にpH=9.0〜11に調整した。その後、溶液を18〜24時間攪拌した。反応溶液を、濃縮して、次いで残留物をMeOHに溶解した。この溶液を、逆相HPLC精製に付して、目的とする環状ペプチドを得た。
カラム:X−Bridge C18, 2.0 x 50 mm, 3.5μm粒子;移動相A:5:95 アセトニトリル:水(10mM 酢酸アンモニウムを含む);移動相B:95:5 アセトニトリル:水(10mM 酢酸アンモニウムを含む);温度:40℃;グラジエント:0%B、8分かけて0〜100%B、次いで1.0分間100%Bで保持;流量:0.8 mL/min;検出:220nmでUV。
実施例11058を、下記に概要した3工程の方法に従って製造した:
工程A:
順番:Cys−Gly−[Rink樹脂]
本発明の大環状ペプチドがPD−L1に結合する能力をPD−1/PD−L1均一時間分解蛍光(HTRF)結合アッセイを使用して試験した。
可溶性PD−1の可溶性PD−L1への結合の均一時間分解蛍光(HTRF)アッセイ。可溶性PD−1および可溶性PD−L1は、膜貫通領域を除くためのカルボキシル末端切断型を有するタンパク質であり、異種性配列、特にヒト免疫グロブリンG配列(Ig)のFc部分またはヘキサヒスチジンエピトープタグ(His)と融合したタンパク質をいう。全ての結合研究を、0.1%(w/v)ウシ血清アルブミンおよび0.05%(v/v)Tween−20を添加したdPBSからなるHTRFアッセイ緩衝液で行った。PD−1−Ig/PD−L1−His結合アッセイについて、阻害剤をPD−L1−His(10nM最終)と、15分、4μlのアッセイ緩衝液と共にプレインキュベートし、続いて1μlのアッセイ緩衝液中のPD−1−Ig(20nM最終)を添加し、さらに15分間インキュベートした。ヒト、カニクイザル、マウスまたはその他の種のいずれかからのPD−L1融合タンパク質を使用した。HTRF検出を、ユウロピウムクリプテート標識抗Igモノクローナル抗体(1nM 終濃度)およびアロフィコシアニン(APC)標識抗Hisモノクローナル抗体(20nM最終)を使用して達成した。抗体をHTRF検出緩衝液で希釈し、5μlを結合反応の上部に分配した。反応を30分間平衡化させて、EnVision蛍光光度計を使用してシグナル(665nm/620nm比)を得た。さらなる結合アッセイを、PD−1−Ig/PD−L2−His(それぞれ20nMおよび5nM)、CD80−His/PD−L1−Ig(それぞれ100nMおよび10nM)およびCD80−His/CTLA4−Ig(それぞれ10nMおよび5nM)で確立した。ビオチニル化化合物番号71とヒトPD−L1−Hisの間の結合/競合研究を次の通りに行った。大環状ペプチド阻害剤をPD−L1−His(10nM最終)と60分間、4μlのアッセイ緩衝液中でプレインキュベートし、1μlのアッセイ緩衝液中でビオチニル化化合物番号71(0.5nM最終)を添加した。結合を30分平衡化させ、5μlのHTRF緩衝液中のユウロピウムクリプテート標識ストレプトアビジン(2.5pM最終)およびAPC標識抗His(20nM最終)を添加した。反応を30分平衡化させ、EnVision蛍光光度計を使用してシグナル(665nm/620nm比)を得た。
Claims (15)
- 式(I):
Aは、結合、
ここで、
zは、0、1または2であり;
wは、1または2であり;
nは、0または1であり;
mは、1または2であり;
m’は、0または1であり;
pは、0、1または2であり;
Rxは、水素、アミノ、ヒドロキシおよびメチルから選択され;
R14およびR15は、独立して、水素およびメチルから選択され;
Rzは、水素および−C(O)NHR16から選択され;ここでR16は、水素、−CHR17C(O)NH2、−CHR17C(O)NHCHR18C(O)NH2および−CHR17C(O)NHCHR18C(O)NHCH2C(O)NH2から選択され;ここでR17は、水素および−CH2OHから選択され、R18は、水素およびメチルから選択される;
Rvは、水素または天然アミノ酸側鎖であり;
Rc、Rf、Rh、RiおよびRmは、水素であり;
Rnは、水素であり;
Ra、ReおよびRjは、各々独立して、水素およびメチルから選択され;
Rkは、水素およびメチルから選択され;
R3およびR13は、独立して、天然アミノ酸側鎖、非天然アミノ酸側鎖、−(C(R17a)2)2−X−R30、−C(R17a)2C(O)N(R16a)C(R17a)2−X'−R31、−C(R17a)2[C(O)N(R16a)C(R17a)2]w'−X−R31、−(C(R17a)(R17)C(O)NR16a)n'−Hおよび−(C(R17a)(R17)C(O)NR16a)m’−C(R17a)(R17)−CO2Hから選択され;
R1、R2、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11およびR12は、独立して、天然アミノ酸側鎖、非天然アミノ酸側鎖から選択されるか、または以下に記載したような対応している隣接するR基と共に環を形成しており;
ReおよびRkは、対応している隣接するR基およびそれらが結合している原子と共に、アゼチジン、ピロリジン、モルホリン、ピペリジン、ピペラジンおよびテトラヒドロチアゾールから選択される環を形成しており;ここで各環は、アミノ、シアノ、メチル、ハロおよびヒドロキシから独立して選択された1〜4つの基で所望により置換されていてもよい;
Rbは、メチルであるか、あるいはRbおよびR2は、それらが結合している原子と一緒になって、アゼチジン、ピロリジン、モルホリン、ピペリジン、ピペラジンおよびテトラヒドロチアゾールから選択される環を形成しており;ここで各環は、アミノ、シアノ、メチル、ハロおよびヒドロキシから独立して選択された1〜4つの基で所望により置換されていてもよい;
Rdは、水素またはメチルであるか、あるいはRdおよびR4は、それらが結合している原子と一緒になって、アゼチジン、ピロリジン、モルホリン、ピペリジン、ピペラジンおよびテトラヒドロチアゾールから選択される環を形成することができる;ここで各環は、アミノ、シアノ、メチル、ハロ、ヒドロキシおよびフェニルから独立して選択された1〜4つの基で所望により置換されていてもよい;
Rgは、水素またはメチルであるか、あるいはRgおよびR7は、それらが結合している原子と一緒になって、アゼチジン、ピロリジン、モルホリン、ピペリジン、ピペラジンおよびテトラヒドロチアゾールから選択される環を形成することができる;ここで各環は、選択された基で所望により置換されていてもよく、またアミノ、ハロ基で所望により置換されていてもよいベンジル、ベンジルオキシ、シアノ、シクロヘキシル、メチル、ハロ、ヒドロキシ、メトキシ基で所望により置換されていてもよいイソキノリニルオキシ、ハロ基で所望により置換されていてもよいキノリニルオキシならびにテトラゾリルから独立して選択された1〜3個の追加の基で所望により置換されていてもよい;ここで該ピロリジンおよび該ピペリジン環は、シクロヘキシル、フェニルまたはインドール基と所望により縮合されていてもよく;および
Rlは、メチルであるか、あるいはRlおよびR12は、それらが結合している原子と一緒になって、アゼチジンおよびピロリジンから選択される環を形成しており、ここで各環は、アミノ、シアノ、メチル、ハロおよびヒドロキシから独立して選択された1〜4個の基で所望により置換されていてもよく;
w'は、2または3であり;
n'は、1〜6であり;
m'は、0〜5であり;
Xは、1〜172個の原子の鎖であり、該原子は、炭素および酸素から選択され、ここで該鎖は、鎖内に埋め込まれた−NHC(O)NH−および−C(O)NH−から選択された1、2、3または4つの基を含有していてもよく;かつ該鎖は、−CO2H、−C(O)NH2、−CH2C(O)NH2および−(CH2)CO2Hから独立して選択された1〜6つの基で所望により置換されていてもよく;
X'は、1〜172個の原子の鎖であり、該原子は、炭素および酸素から選択され、ここで該鎖は、鎖内に埋め込まれた−NHC(O)NH−および−C(O)NH−から選択された1、2、3または4つの基を含有していてもよく;かつ該鎖は、−CO2H、−C(O)NH2および−CH2CO2Hから独立して選択された1〜6つの基で所望により置換されていてもよいが、但しX’は置換されていないPEG以外である;
R30は、−CO2H、−C(O)NRwRxおよび−CH3から選択され、ここでRwおよびRxは、独立して、水素およびC1−C6アルキルから選択されるが、但しXは全て炭素である場合、R30は−CH3以外であり;
R31は、−CO2H、−C(O)NRwRx、−CH3、アレクサ−5−SDPまたはビオチンであり;
各R17aは、水素、C1−C6アルキル、−CH2OH、−CH2CO2H、−(CH2)2CO2Hから独立して選択され;
各R17は、水素、−CH3、(CH2)zN3、−(CH2)zNH2、−X−R31、−(CH2)zCO2H、−CH2OH、CH2C=CHおよび−(CH2)z−トリアゾリル−X−R35から独立して選択され、ここでzは1〜6であり、R35は、−CO2H、−C(O)NRwRx、CH3、ビオチン、−2−フルオロピリジン、−C(O)−(CH2)2−C(O)O−ビタミンE、−C(O)O−ビタミンEおよび
から選択される;
但し、少なくとも1つのR17は、水素、−CH3または−CH2OH以外であって;かつ
R3およびR13の少なくとも1つは、(C(R17a)2)2−X−R30、−C(R17a)2C(O)N(R16a)C(R17a)2−X'−R31、−C(R17a)2[C(O)N(R16a)C(R17a)2]w’−X−R31、−(C(R17a)(R17)C(O)NR16a)n’−Hおよび−(C(R17a)(R17)C(O)NR16a)m’−C(R17a)(R17)−CO2Hから選択される]
の化合物またはその医薬的に許容される塩。 - Aが、
である、請求項1記載の化合物またはその医薬的に許容される塩。 - zおよびwが各々1であり、R14およびR15が各々水素であり、Rzが−C(O)NHR16(式中、R16はCHR17C(O)NH2であり、R17は水素である)である、請求項2記載の化合物またはその医薬的に許容される塩。
- R3が、天然または非天然アミノ酸側鎖であり、R13が、−(C(R17a)2)2−X−R30、−C(R17a)2C(O)N(R16a)C(R17a)2−X’−R31、−C(R17a)2[C(O)N(R16a)C(R17a)2]w’−X−R31、−(C(R17a)(R17)C(O)NR16a)n’−Hおよび−(C(R17a)(R17)C(O)NR16a)m’−C(R17a)(R17)−CO2Hから選択される、請求項2記載の化合物またはその医薬的に許容される塩。
- R13が、−(C(R17a)2)2−X−R30である、請求項4記載の化合物またはその医薬的に許容される塩。
- 各R17aが水素であり、Xが10〜25個の原子の鎖であって、該鎖は、鎖内に埋め込まれた1つのC(O)NH−を含有していてもよく、該鎖内の残りの原子は炭素であり、R30が−CH3である、請求項5記載の化合物またはその医薬的に許容される塩。
- R1が、フェニルC1−C3アルキルであり、該フェニル部分は、C1−C4アルコキシ、C1−C4アルキル、C1−C3アルキルスルホニルアミノ、アミド、アミノ、アミノC1−C3アルキル、アミノスルホニル、カルボキシ、シアノ、ハロ、ハロC1−C3アルキル、ヒドロキシおよびニトロから選択された1つの基で所望により置換されていてもよく;
R2が、C1−C7アルキルであり;
R3が、カルボキシC1−C3アルキルであり;
R4およびRdは、それらが結合している原子と一緒になって、アミノ、シアノ、メチル、ハロ、ヒドロキシおよびフェニルから選択された1つの基で所望により置換されていてもよいピロリジン環を形成することができ;
R5は、イミダゾリルC1−C3アルキルであり;
R6は、C1−C7アルキルであり;
R7およびRgは、それらが結合している原子と一緒になって、アミノ、シアノ、メチル、ハロ、ヒドロキシおよびフェニルから選択された1つの基で所望により置換されていてもよいピロリジン環を形成することができ;
R8は、インドリルC1−C3アルキルであり、該インドリル部分は、C1−C3アルキル、カルボキシC1−C3アルキル、ハロ、ヒドロキシおよびフェニルから選択された1つの基で所望により置換されていてもよく;
R9は、ヒドロキシメチルであり;
R10は、インドリルC1−C3アルキルであり、該インドリル部分は、C1−C3アルキル、カルボキシC1−C3アルキル、ハロ、ヒドロキシおよびフェニルから選択された1つの基で所望により置換されていてもよい;
R11は、C1−C7アルキルであり;ならびに
R12は、C1−C7アルキルである]
請求項2記載の化合物またはその医薬的に許容される塩。 - Aが、
zおよびwは、各々1であり、R14およびR15は、各々水素であり、Rzは、−C(O)NHR16であり;ここでR16はCHR17C(O)NH2であり、R17は水素である;
R13は、−(C(R17a)2)2−X−R30であり;各R17aは水素であり、Xは10〜25個の原子の鎖であり、該鎖は、鎖内に埋め込まれた1つのC(O)NH−を含有していてもよく、ここで鎖内に残っている原子は炭素であり、R30は−CH3である;
R1は、フェニルC1−C3アルキルであり、ここで該フェニル部分は、C1−C4アルコキシ、C1−C4アルキル、C1−C3アルキルスルホニルアミノ、アミド、アミノ、アミノC1−C3アルキル、アミノスルホニル、カルボキシ、シアノ、ハロ、ハロC1−C3アルキル、ヒドロキシおよびニトロから選択された1つの基で所望により置換されていてもよい;
R2は、C1−C7アルキルであり;
R3は、カルボキシC1−C3アルキルであり;
R4およびRdは、それらが結合している原子と一緒になって、アミノ、シアノ、メチル、ハロ、ヒドロキシおよびフェニルから選択された1つの基で所望により置換されていてもよいピロリジン環を形成することができ;
R5は、イミダゾリルC1−C3アルキルであり;
R6は、C1−C7アルキルであり;
R7およびRgは、それらが結合している原子と一緒になって、アミノ、シアノ、メチル、ハロ、ヒドロキシおよびフェニルから選択された1つの基で所望により置換されていてもよいピロリジン環を形成することができ;
R8は、インドリルC1−C3アルキルであり、ここで該インドリル部分は、C1−C3アルキル、カルボキシC1−C3アルキル、ハロ、ヒドロキシおよびフェニルから選択された1つの基で所望により置換されていてもよい;
R9は、ヒドロキシメチルであり;
R10は、インドリルC1−C3アルキルであり、ここで該インドリル部分は、C1−C3アルキル、カルボキシC1−C3アルキル、ハロ、ヒドロキシおよびフェニルから選択された1つの基で所望により置換されていてもよく;
R11は、C1−C7アルキルであり;および
R12は、C1−C7アルキルである]
である、請求項1記載の化合物あるいはその医薬的に許容される塩。 -
- 治療上有効量の請求項1記載の化合物またはその医薬的に許容される塩を対象に投与することを特徴とする、その必要のある対象において免疫応答を増強、刺激および/または増加させる方法。
- 治療上有効量の請求項1記載の化合物またはその医薬的に許容される塩を対象に投与することを特徴とする、その必要のある対象における癌細胞の成長、増殖または転移を阻害する方法。
- 治療上有効量の請求項1記載の化合物またはその医薬的に許容される塩を対象に投与することを特徴とする、その必要のある対象における感染性疾患の治療方法。
- 感染性疾患がウイルスを原因とする、請求項12記載の方法。
- 治療上有効量の請求項1記載の化合物またはその医薬的に許容される塩を対象に投与することを特徴とする、その必要のある対象における敗血症性ショックの治療方法。
- 治療上有効量の請求項1記載の化合物またはその医薬的に許容される塩を対象に投与することを特徴とする、PD−L1とPD−1および/またはCD80の相互作用の遮断方法。
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